JP5946808B2 - 手動式開閉弁用のハンドル - Google Patents

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Description

本発明は、管体内を流れている流体の流量を調整したり流れを止めたりするためのバルブに備えられた手動式開閉弁用のハンドルに関する。
例えば発電所において、水などを流すための管体には、バルブが接続されている。このバルブは、管体に接続されて流路を形成する変形筒状のボデーと、このボデー内に収納されて流路を開閉する弁体と、内端部に弁体を接続し、外端部をボデー外に突出させた軸状のステムと、このステムに接続された手動式開閉弁用のハンドル(以下、主として「ハンドル」という。)とを備えている。
ハンドルは、ステムの外端部に固定されたハブ部と、このハブ部と同軸に配置された円環状のリング部と、ハブ部とリング部とを連結する複数本のスポーク部とを備えている。スポーク部は、ハブ部とリング部との間で放射状に配置されている。そして、作業者がハンドルのリング部を手動で周方向に回転させることで、その回転力がスポーク部からステムに伝わり、ステムが回転することで、弁体が回転し、バルブが開閉する。
しかし、例えば、弁体に大きな圧力が掛かっていたり、ステムがボデーに固着したりしている(以下、「バルブに大きな負荷が掛かっている」として説明する。)と、手動でリング部を回せないことがある。このような場合、ウィルキーと呼ばれる開閉操作用工具が使用される。
この開閉操作用工具は、棒状の柄部と、この柄部の先端部を折り曲げた第1の掛止部と、柄部の先端部付近で第1の掛止部と同一方向に突出した第2の掛止部とを備えている。したがって、この開閉操作用工具は、F字状に成形されている。
この開閉操作用工具は、例えば、第1の掛止部をハンドルのリング部とスポーク部との交差部に引っ掛け、第2の掛止部をリングの外側に引っ掛けて使用される。したがって、開閉操作用工具の柄部がハンドルのリング部から径方向に延出した状態となるため、開閉操作用工具は、梃子(てこ)のように使用される。
すなわち、バルブに大きな負荷が掛かっていても、作業者は、開閉操作用工具の柄部の基端部を押し操作、又は、引き操作することで、ハブ部ないしステムに大きな回転トルクを生じさせ、バルブを開閉することができる。
詳しく説明すると、開閉操作用工具を使用しない場合は、ハブ部ないしステムにはスポーク部の長さ分の回転トルクしか生じないものの、開閉操作用工具を使用する場合は、ハブ部ないしステムにはスポーク部の長さと、開閉操作用工具の柄部の基端部から第2の掛止部までの長さとを加算した長さ分で回転トルクを生じさせる。したがって、作業者が開閉操作用工具の柄部の軽く押し操作、又は、引き操作しても、ハンドルが回り、バルブを開閉させることができる。
しかし、バルブは、管体の内径などに対応して、種々のサイズのものが使用されているため、ハンドルも種々のサイズ(例えば、直径が9cm程度の小さなものから62cm程度の大きなものまで多種多様あるが、3種類に分類される。)のものが備えられている。したがって、開閉操作用工具も、ハンドルのサイズに合わせて例えば、小、中、大の3種類のサイズが提供され、それぞれ保管場所に保管されている。そして、開閉作業するハンドルのサイズに応じて開閉操作用工具が選択される。
しかし、開閉作業するバルブに備えられたハンドルがどのサイズであるかは、作業者が作業現場に到着して判明する。したがって、作業者は、全てのサイズの開閉操作用工具を携行する。しかし、全ての開閉操作用工具を携行することは、作業者にとって重労働となる。あるいは、作業者がある開閉操作用工具を携行し、必要の都度、別の開閉操作用工具を保管場所まで取りに戻る。しかし、このような段取りでは、時間が掛かり、作業効率が低下する。
そこで、ハンドルのサイズを問わず、バルブを開閉することができるようにした開閉操作用工具が種々提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された弁ハンドル操作用工具(開閉操作用工具)は、固定操作杆と可動操作杆とを備えている。
固定操作杆は、中空部を有する操作杆部と、この操作杆部の先端部を屈曲させた固定脚(第2掛止部)とを有している。可動操作杆は、固定操作杆の中空部内に挿入されるスライド部と、このスライド部の先端部を屈曲させた可動脚(第1掛止部)とを有している。
この弁ハンドル操作用工具にあっては、可動操作杆のスライド部が固定操作杆の中空部内でスライドすることで、バルブのハンドルのサイズに合わせて、可動操作杆の可動脚と固定操作杆の固定脚との間隔を変更することができる。したがって、バルブのサイズが多種多様であっても、作業者は、1本の弁ハンドル操作用工具を現場まで携行し、バルブを開閉することができる。
特開2009−6403号公報
特許文献1などに記載された弁ハンドル操作用工具は、小さなサイズのハンドル(例えば直径が9cm程度)にも使用できるように、可動脚の外径が小さなサイズのリング部とハブ部との間隔よりも細くされている(最大でも4cm程度)。このような細い可動脚を備えた弁ハンドル操作用工具では、大きなサイズのハンドル(例えば直径が62cm)を的確に引っ掛けることができないことから、ハンドルを確実に回すことができない。
そこで、本発明は、ハンドル自体に大きな回転トルクを生じさせることができるようにした手動式開閉弁用のハンドルを提供することを課題とする。
本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルは、回転軸とされるハブ部と、該ハブ部と同軸に配置されたリング部と、ハブ部とリング部とを連結する複数本のスポーク部とを備えた手動式開閉弁用のハンドルであって、筒状に構成される支持部であって前記リング部の所定の部位に軸支された支持部と、該支持部から径外方向に突出して形成されるレバーであって、前記支持部を回転軸にして前記リング部の所定の部位の周りを半回転することで、前記リング部の所定の部位から前記ハブ部の方に指向する内向きの姿勢と、前記リング部の所定の部位からハブ部と反対方向に指向する外向きの姿勢とに姿勢転換可能のレバー部と、をさらに備えていることを特徴としている。
この手動式開閉弁用のハンドルによれば、バルブに小さな負荷が掛かり、手動によってリング部に周方向の回転力を加えると、ハブ部を回転させることができる場合は、レバー部をハブ部に向けた内向きの姿勢とすることで、レバー部がバルブの開閉作業の邪魔にならないようにすることができる。
また、バルブに大きな負荷が掛かり、手動によってリング部に周方向の回転力を加えても、ハブ部を回転させることができない場合は、レバー部を内向きの姿勢から外向きの姿勢に姿勢転換する。作業者がこの外向きの姿勢のレバー部を押し操作、又は、引き操作することによって、レバー部の長さとスポーク部の長さとを加算した長さによる大きな回転トルクがハブ部に生じ、ハブ部を回転させることができる。
また、レバー部が支持部を回転軸として半回転するため、ハブ部に向いた内向きの姿勢と、ハブ部と反対方向にリング部から突出した外向きの姿勢とに極めて簡単に姿勢転換させることができる。なお、支持部は、リング部の周方向に移動しないようにリング部に軸支される。
ここで、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルは、回転軸とされるハブ部と、該ハブ部と同軸に配置されたリング部と、ハブ部とリング部とを連結する複数本のスポーク部とを備えた手動式開閉弁用のハンドルであって、前記リング部の所定の部位から前記ハブ部の方に指向する内向きの姿勢と、前記リング部の所定の部位からハブ部と反対方向に指向する外向きの姿勢とに姿勢転換可能のレバー部と、前記リング部と前記ハブ部とに連結された筒状の橋絡部であって、前記リング部の外周面に形成された貫通穴に連通するように該リング部に接続される橋絡部と、を備え、前記レバー部は、前記橋絡部内に挿入されており、該橋絡部に沿ってスライドすることで前記貫通穴を介して出退可能に構成され、前記レバー部を突出させた状態における前記橋絡部とレバー部との接続部がリング部の貫通穴に位置していることを特徴とする。
また、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの別態様として、前記貫通穴は、シャッターによって開閉されていてもよい。
本発明によれば、ハンドル自体に大きな回転トルクを生じさせることができるようにした手動式開閉弁用のハンドルを提供することができる。
図1は、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第1の実施形態であって、(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なる状態を示す概略斜視図である。 図2は、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第1の実施形態の変形例であって、(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なる状態を示す概略斜視図である。 図3は、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第2の実施形態であって、(a)、(b)はそれぞれ異なる状態を示す概略斜視図である。 図4は、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第2の実施形態であって、(a)、(b)はそれぞれ異なる状態を示す要部拡大平面図である。 図5は、本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第2の実施形態の変形例であって、(a)、(b)、(c)はそれぞれ異なる状態を示す要部拡大平面図である。
〔第1の実施形態〕
本発明に係る手動式開閉弁用のハンドルの第1の実施形態について図1を参照しながら説明する。この手動式開閉弁用のハンドル(以下、主として「ハンドル」という。)2は、背景技術において説明したように、全体を図示しないバルブに備えられる。
バルブは、流路を形成する変形筒状のボデーと、このボデー内に収納されて流路を開閉する弁体と、内端部に弁体を接続し、外端部をボデー外に突出させた軸状のステム1と、このステム1に接続されたハンドル2とを備えている。なお、図示したハンドル2は、水平姿勢であるが、鉛直姿勢でも、傾斜姿勢でもよい。ここでは、ハンドル2が水平姿勢とされている場合について説明する。
そして、ハンドル2は、ステム1に接続された扁平円柱状のハブ部21と、このハブ部21と同軸に配置された円環状のリング部22と、ハブ部21とリング部22とを連結する複数本(図面では4本)のスポーク部23とを備えている。スポーク部23は、放射状(図面では十字状)に配置されている。
ステム1の先端部には、ボルト部11が設けられている。ハブ部21の中心には、貫通穴(図示せず)が形成されている。ボルト部11がハブ部21の貫通穴を貫通し、ボルト部11の先端部がハブ部21の端面(図面では上面)から突出し、ナット12が締結されることで、ハブ部21がステム1に固定されている。
そして、このハンドル2は、リング部22の所定の部位に方向転換可能のレバー部24をさらに備えたことを特徴としている。第1の実施形態のハンドル2は、レバー部24を突出した状態に固定した支持部25をさらに備えている。支持部25は、リング部22の所定の部位において、リング部22の周方向に移動しないように軸支されている。支持部25を軸支するリング部22の所定の部位は、図示したような隣り合ったスポーク部23を接続した部位の中間に限られず、スポーク部23を接続した部位に隣接した位置であってもよい。
そして、支持部25は、平面視において円弧形状の円筒でなく、直線の円筒状に形成されている。したがって、支持部25を軸支する部位のリング部22は、平面視において直線状に形成されている。
このような形状とすることにより、レバー部24は、支持部25から径方向に延出し、支持部25を回転軸にして、ハブ部21の方に指向する内向きの姿勢と、ハブ部21と反対方向に指向する外向きの姿勢とに姿勢転換可能とされている。
そして、レバー部24は、内向き姿勢となったときに、先端面がハブ部21の側面に接触しない長さとされている。このような長さのレバー部24は、内向きの姿勢において、先端部がハブ部21に当たらないため、水平姿勢とすることができる。そして、内向きのレバー部24が水平姿勢を維持できるように、レバー部24を支えるためのストッパ(図示せず)がリング部22及びハブ部21の側面の少なくともいずれか一方に備えられている。
ただし、内向きのレバー部24の先端部がステム1に設けられたナット12やボルト部11の先端部、あるいは、ハブ部21の端面に当たるようにしてもよい。この場合の内向き姿勢のレバー部24は、若干、傾斜した姿勢となる。
そして、外向きの姿勢となったレバー部24が水平姿勢ないしほぼ水平姿勢を維持するように、リング部22には、外向きの姿勢のレバー部24を支えるためのストッパ(図示せず)が備えられている。
そして、レバー部24は、筒体241と芯体242とを備えている。筒体241が芯体242を外嵌し、芯体242の基端部が支持部25に固定されている。そして、筒体241は、支持部25から離れる方向に引き出された状態にスライド可能とされている。レバー部24は、筒体241が引き出されることで、筒体241が芯体242を外嵌しているときよりも長くなる。また、筒体241が必要時のみ引き出されるようにするため、筒体241と芯体242とには、ロック機構(図示せず)が備えられている。
第1の実施形態におけるハンドル2は、以上のように構成され、次に使用方法について説明する。ハンドル2は、通常の状態において、図1(a)に示すように、レバー部24が内向きの姿勢とされている。レバー部24が外向きの姿勢に突出しないことにより、作業者の手や腕などが不注意によってレバー部24に当たらないようにすることができる。
すなわち、バルブに小さな負荷が掛かっている場合、作業者は、手動でリング部22を周方向に回すことで、バルブを開閉する。このとき、レバー部24がリング部22から突出していないことで、レバー部24はバルブの開閉作業の邪魔にならない。
なお、バルブに小さな負荷が掛かっている場合において、仮に、レバー部24を外向き姿勢とし、作業者がレバー部24を押し操作、又は、引き操作すると、ステム1に大きすぎる回転トルクが生じ、弁体が回りすぎ、弁体を破損させることもある。
そして、バルブに大きな負荷が掛かり、手動でリング部22を回せない場合は、図1(b)に示すように、レバー部24を外向きの姿勢とする。このレバー部24は、筒体241が芯体242を完全に外嵌し、支持部25から離間していない状態とする。
そして、作業者がレバー部24を押し操作、又は、引き操作する。そうすると、ハブ部21ないしステム1には、筒体241が芯体242を外嵌しているレバー部24の長さとスポーク部23の長さとを加算した長さ分で回転トルクが生じるため、大きな負荷が掛かっているバルブを開閉することができる。この場合、仮に、筒体241を引き出し、支持部25から離間させ、レバー部24を長くすると、ステム1に大きすぎる回転トルクが生じるため、弁体を破損させることもある。
そして、バルブにさらに大きな負荷が掛かり、筒体241が芯体242を外嵌しているレバー部24(図1(b)に示す状態)が押し操作、又は、引き操作されても、バルブを開閉できない場合は、図1(c)に示すように、筒体241が支持部25から離れるように、筒体241を引き出し、レバー部24を延長する。
筒体241がロック機構によってロックされているときは、ロックを解除して、筒体241を引き出す。また、筒体241は、芯体242を外嵌しているため、作業者は、筒体241を掴んで引き出しやすくされている。
したがって、バルブにさらに大きな負荷が掛かっていても、レバー部24の筒体241を押し操作、又は、引き操作することで、延長されたレバー部24の長さとスポーク部23の長さとを加算した長さ分での大きな回転トルクがステム1に生じるため、バルブを開閉することができる。
なお、大きな回転トルクが生じることにより、筒体241と芯体242との連結部及び芯体242と支持部25との連結部とには、大きな荷重が加えられる。したがって、筒体241と芯体242との連結部及び芯体242と支持部25との連結部は、この大きな加重に耐えられる剛性を有していることはいうまでもない。
そして、バルブの開閉作業が終了すると、図1(a)に示すように、レバー部24を内向き姿勢に戻す。
なお、上記第1の実施形態では、レバー部24は、芯体242を外嵌する筒体241が引き出されるようにした。しかし、レバー部24は、筒体241が支持部25に固定され、芯体242が筒体241内に挿入され、芯体242が筒体241内から突出するようにスライド可能としてもよい。この場合は、芯体242が筒体241内に入り込まないように、また、芯体242を筒体241内から容易に突出させることができるように摘み部を芯体242に備えることが好ましい。
次に、本発明に係る第1の実施形態の変形例について図2を参照しながら説明する。この変形例に係るハンドル2も、リング部22の所定の部位に軸支される支持部25と、この支持部25から突出したレバー部24とを備えている。ただし、このレバー部24は、複数本(図面では2本を示し、以下、2本として説明する。)のスティック状部材243a,243bと、この2本のスティック状部材243a,243bを連結する連結部材244とを備えている。
連結部材244は、一方のスティック状部材243aの一端部と他方のスティック状部材243bの一端部とを連結するピンや、図示しない蝶番などによって構成される。いずれにしても、2本のスティック状部材243a,243bは、重ね合わされた状態と、直列状に並べられて延伸した状態とに姿勢転換可能とされている。
ただし、一方のスティック状部材243aが他方のスティック状部材243bに重なり合った状態から水平姿勢で半回転することによって直列状に並べられて延伸した状態に転換した際に、回転しすぎないようにするストッパ(図示せず)がスティック状部材に備えられている。
このような変形例に係るハンドル2においても、バルブに小さな負荷が掛かっているときは、図2(a)に示すように、レバー部24を内向きの姿勢として、作業者がリング部22を周方向に回すことでバルブを開閉する。バルブに大きな負荷が掛かっているときは、図2(b)に示すように、レバー部24を外向き姿勢とする。ただし、2本のスティック状部材243a,243bは、重なり合った状態とし、1本のスティック状部材243a,243bの長さとスポーク部23の長さとを加算した長さ分で回転トルクが生じるようにする。
そして、バルブにさらに大きな負荷が掛かっている場合は、図2(c)に示すように、外向きの姿勢とされたレバー部24は、2本のスティック状部材243a,243bを直列状に並べて延伸した状態とし、スティック状部材243a,243bの2本足らずの長さとスポーク部23の長さとを加算した長さ分で回転トルクが生じるようにする。そして、バルブの開閉作業が終了すると、図2(a)に示すように、レバー部24を内向きの姿勢とする。
なお、上記の支持部25は、筒状に形成したが、リング状に形成してもよい。この場合、リング部22には、リング状の支持部25を嵌める溝が形成される。また、レバー部24は、リング部22の直径程の長さとし、内向きの姿勢で反対側のリング部22に架け渡されるようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
本発明に係る手動式開閉弁用のハンドル2の第2の実施形態について図3及び図4を参照しながら説明する。ただし、第1の実施形態において説明した部分と同一に相当する部分は、同一符号を付して説明する。
第2の実施形態におけるハンドル2は、リング部22とハブ部21とに連結される橋絡部26を備えている。橋絡部26は、円筒であっても、楕円形の円筒であっても、角筒であってもよい。この橋絡部26内にレバー部24が出退可能に挿入されている。
そして、レバー部24が橋絡部26から完全に引き出されず、芯体242が筒状の橋絡部26内から完全に抜き出されないようにするための抜止部が備えられている。抜止部は、例えば、図4に示すように、テーパ面によって形成してもよい。すなわち、抜止部は、橋絡部26のリング部側端部26aの内径が次第に縮径し、レバー部24のハブ部側端部24aが次第に拡径するように形成される。
したがって、筒状の橋絡部26の内径は、リング側端部26a以外において、レバー部24のハブ部側端部24aの外径と同じ又は大き目とされている。こうすることにより、レバー部24が筒体241内から引き出されたときに、拡径したレバー部24のハブ部側端部24aが縮径した橋絡部26のリング側端部26aに当たることで、レバー部24が橋絡部26内から完全に抜き出ないようにすることができる。
あるいは、抜止部は、図示しないが、筒状の橋絡部26のリング部側端部26aに内向きに突出したフランジ部を設け、レバー部24のハブ部側端部24aに外向きに突出したフランジ部を設けてもよい。この場合、筒状の橋絡部26の内径は、レバー部24のフランジ部の外径と同じ又は大き目とされている。こうすることにより、レバー部24が筒体241内から引き出されたときに、両フランジ部が当たることで、レバー部24が筒体241内から完全に抜き出ないようにすることができる。
あるいは、筒体241が図示しない楕円形の円筒や角筒であり、レバー部24が楕円形の軸状部材や角柱であると、レバー部24は周方向に回らないため、抜止部は、筒状の橋絡部26のリング側端部とレバー部24のハブ部側端部とに突起部(図示せず)を設けたものとし、レバー部24が筒体241内から引き出されたときに、両突起部が当たることで、レバー部24が筒体241内から完全に抜き出ないようにすることができる。
いずれにしても、橋絡部26は、図3に示すように、スポーク部23を兼ねたものとされる。ただし、十字形に備えられたスポーク部23の隣り合ったスポーク部23間に筒体241を配置してもよい。
また、橋絡部26と交差するリング部22の外周面には、レバー部24が出退する貫通穴(採番せず)が形成されている。この貫通穴は、シャッター27によって開閉される。すなわち、シャッター27が貫通穴を塞ぐことで、レバー部24が橋絡部26から突出しないようにされている。また、シャッター27が貫通穴を露出させることで、レバー部24が橋絡部26から突出可能とされている。なお、橋絡部26内に収納されたレバー部24を引き出すための摘み部(図示せず)がレバー部24の先端面に設けられている。
第2の実施形態におけるハンドル2は、以上のように構成され、次に使用方法について説明する。
ハンドル2は、通常の状態において、図3(a)に示すように、レバー部24を橋絡部26内に収納し、内向きの姿勢とされている。このレバー部24は、シャッター27が閉じられることで、橋絡部26内から突出しない。
そして、バルブに小さな負荷が掛かっている場合は、作業者が手動でリング部22を周方向に回すことで、バルブを開閉する。このとき、レバー部24が内向きの姿勢とされ、リング部22から突出していないことにより、レバー部24は作業の邪魔にならない。
そして、バルブに大きな負荷が掛かり、作業者が手動でリング部22を回せない場合は、図3(b)に示すように、レバー部24を橋絡部26内から引き出し、外向きの姿勢とする。そして、作業者がレバー部24を押し操作、又は、引き操作する。そうすると、ハブ部21ないしステム1には、レバー部24の長さとスポーク部23の長さとを加算した長さ分で回転トルクが生じ、バルブを開閉することができる。
次に、本発明に係る第2の実施形態の変形例について図5を参照しながら説明する。この変形例に係るハンドル2に備えられたレバー部24は、筒体241と、この筒体241内に収納された芯体242とを備えている。したがって、このレバー部24においては、橋絡部26内に挿入された筒体241を引き出すための摘み部(図示せず)と、筒体241内に挿入された芯体242を引き出すための摘み部(図示せず)が外端面に備えられている。なお、この筒体241と芯体242にも図4に示したような抜止部が備えられる。
この変形例に係るハンドル2は、バルブに小さな負荷が掛かっているときは、図5(a)に示すように内向きの姿勢として、作業者がリング部22を周方向に回すことで、バルブを開閉する。
そして、このハンドル2は、外向きの姿勢のハンドル2の2段階に変更することができる。すなわち、バルブに大きな負荷が掛かっているときは、図5(b)に示すように、芯体242を筒体241内に収納した状態のレバー部24として使用する。
そして、バルブにさらに大きな負荷が掛かっているときは、図5(c)に示すように筒体241内から芯体242を引き出した状態のレバー部24として使用する。この芯体242を筒体241から引き出したレバー部24では、芯体242を筒体241内に収納したレバー部24よりも大きな回転トルクをハブ部21ないしステム1に生じさせることができる。
また、第2の実施形態のさらに異なる変形例として、橋絡部26は、筒体241でなく、帯板状の部材とし、レバー部24がこの帯板状の橋絡部26に沿ってスライドするようにしてもよい。この場合、帯板状の橋絡部26の両側縁にガイド部が突出され、レバー部24がガイド部に挟まれるようにする。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記実施の形態に限定することなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変更することができる。例えば、上記実施の形態におけるハンドル2では、レバー部24が1本のみ備えられた。しかし、2本のレバー部24を備え、反対方向に外向き姿勢となるようにしてもよい。このようなレバー部24にあっては、作業者が両手でレバー部を掴むことができるため、より大きな回転トルクを生じさせることができる。
また、第1の実施形態のレバー部24は、筒体241と芯体242とによって、また、スティック状部材243a,243bによって長く延長できるようにした。しかし、第1の実施形態においても、レバー部24は、1本の部材のみで構成してもよい。
いずれの実施形態においても、作業者が開閉操作用工具を携行することなく、バルブを的確に開閉することができるため、作業車の労力を軽減し、また、弁体を破損させたり、開閉操作用工具がハンドルから外れることに起因する事故を防止することができる。
1…ステム
2…ハンドル
11…ボルト部
12…ナット
21…ハブ部
22…リング部
23…スポーク部
24…レバー部
241…筒体
242…芯体
243a…スティック状部材
243b…スティック状部材
25…支持部
26…橋絡部
27…シャッター

Claims (3)

  1. 回転軸とされるハブ部と、該ハブ部と同軸に配置されたリング部と、ハブ部とリング部とを連結する複数本のスポーク部とを備えた手動式開閉弁用のハンドルであって、
    筒状に構成される支持部であって前記リング部の所定の部位に軸支された支持部と、
    該支持部から径外方向に突出して形成されるレバーであって、前記支持部を回転軸にして前記リング部の所定の部位の周りを半回転することで、前記リング部の所定の部位から前記ハブ部の方に指向する内向きの姿勢と、前記リング部の所定の部位からハブ部と反対方向に指向する外向きの姿勢とに姿勢転換可能のレバー部と、をさらに備えていることを特徴とする手動式開閉弁用のハンドル。
  2. 回転軸とされるハブ部と、該ハブ部と同軸に配置されたリング部と、ハブ部とリング部とを連結する複数本のスポーク部とを備えた手動式開閉弁用のハンドルであって、
    前記リング部の所定の部位から前記ハブ部の方に指向する内向きの姿勢と、前記リング部の所定の部位からハブ部と反対方向に指向する外向きの姿勢とに姿勢転換可能のレバー部と、
    前記リング部と前記ハブ部とに連結された筒状の橋絡部であって、前記リング部の外周面に形成された貫通穴に連通するように該リング部に接続される橋絡部と、を備え、
    前記レバー部は、前記橋絡部内に挿入されており、該橋絡部に沿ってスライドすることで前記貫通穴を介して出退可能に構成され、
    前記レバー部を突出させた状態における前記橋絡部とレバー部との接続部がリング部の貫通穴に位置していることを特徴とする手動式開閉弁用のハンドル。
  3. 前記貫通穴は、シャッターによって開閉されることを特徴とする請求項2に記載の手動式開閉弁用のハンドル。
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