JP4859948B2 - ハンドル操作用ウィルキー - Google Patents
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Description
手動操作により開閉されるバルブは、バルブ軸と連結された回転軸に対して中心部を固定したリング状のハンドルを手で回転操作するように構成されている。
このような不具合に対処するために現場に装備されているパイプレンチを用いてハンドルを回転させることが多い。しかし、パイプレンチは、ハンドルを回転させる操作には適しておらず、操作し難いという欠点を有している。また、パイプレンチは、サイズ、及び重量が過大で携帯に適さないため、多数のバルブを順次操作するためにパイプレンチを携帯して水力発電所内を移動することは極めて困難であった。また、特に、平均的身長を有した人間の手が届かない高所に配置されたハンドルを操作する場合には、足場や踏み台を設置した上での作業となるため、作業前の足場等の組立て及び作業後の解体、踏み台の設置及び撤去に手数がかかるばかりでなく、足場上で重量物であるパイプレンチを操作するに際して力を加えにくく、重労働になると共に、操作中にバランスを崩して足場等から落下する危険もある。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、設置、解体、撤去に時間と手数を要し、且つ操作が不自由となり、危険を伴う虞がある足場等を設置することなく、床面上での少人数による作業によって高所に設置されたハンドルを容易に回転させてバルブを開閉操作することができるハンドル操作用ウィルキーを提供することを目的としている。
人間の手が届かない高所に位置するバルブ開閉用のハンドルは、踏み台等の上に作業員が乗って開閉作業する必要があるが、困難且つ危険な作業であった。本発明では、床面に設置した支持ユニットによって操作シャフト、及び係止ユニットを回転自在に支持するようにしたので、床面からの作業により、容易にハンドルを回動させることができる。しかも一人による作業が可能である。
請求項2の発明に係るハンドル操作用ウィルキーは、前記支持ユニットは、前記床面に固定されるベース部材と、該ベース部材により下部を着脱自在に支持され且つ上部にて前記操作シャフトの下部を回転自在に支持する支持シャフトと、から構成されていることを特徴とする。
ベース部材を床面に固定することにより安定した作業を行うことができ、支持シャフトを用いることにより、操作シャフト自体の長さを短くでき、取扱性、操作性を高めることができる。
支持シャフトの長さを調整することにより、高さ位置が異なるハンドルに対して対応することが可能となる。
請求項4の発明に係るハンドル操作用ウィルキーは、前記係止ユニットは、前記操作シャフトに対して着脱交換可能に構成されていることを特徴とする。
ハンドルの形状、サイズが異なる場合には、係止ユニットを当該ハンドルに見合ったサイズのものと交換して使用することが有効である。
図1(a)及び(b)は本発明の一実施形態に係るハンドル操作用のウィルキーの構成を示す分解斜視図、及び使用状態を示す説明図であり、(c)は操作シャフトと支持シャフトとの連結部の構成例を示す断面図であり、図2(a)及び(b)は係止ユニットがハンドルを係止する手順を示す図である。
ウィルキー1は、建造物等の高所に配置された略垂直な回転軸51に対してリブ52を介して固定されたリング状部53を備えたバルブ開閉用のハンドル50を正逆両方向に回転させるための金属製の治具である。
本発明のウィルキーによる操作対象となるハンドル50を支持する回転軸51は、高所に配置された配管等に設けられたバルブのバルブ軸と連結されており、これを回動させることによってバルブを開閉することができる。回動軸51は略垂直であればよく、厳密な意味で垂直である必要はない。
ウィルキー1は、ハンドル内部のリブ52間の間隙内に下側から差し込み可能な外径を有すると共にハンドル50の上方に通過した後で下方に戻すことにより任意の周方向からリブ52を係止可能な係止爪3を有した係止ユニット2と、係止ユニット2の下端部から延びた操作シャフト10と、操作シャフト10の下部適所から外径方向に突設した操作シャフトを回転させるための操作レバー15と、ハンドル50の下方に位置する床面60に設置されて操作シャフト10の下部を回転自在に支持する支持ユニット70と、を備えている。
係止ユニット2は、操作シャフト10の上端部に固定してもよいが、操作シャフト10に対して着脱交換可能に構成してもよい。係止ユニット2はハンドル50の内径側のリブ間の隙間に差し込まれるため、取付け対象となるハンドル50の内径寸法やリブ間の隙間の寸法と合致しない場合には適用不能となる。このため、対象とするハンドル50の内径寸法等が異なる場合には、それに見合った寸法、形状を有した他の係止ユニット2を選定して操作シャフト10に対して取り付けることができるように構成するのが好ましい。
なお、係止ユニット2は、図示した構成に限定されるものではなく、どのようなタイプであってもよい。
支持シャフト75は、その下端部を支持部材73の上部開口内に差し込んでから支持シャフト下端部と支持部材に夫々設けた連通穴内にピン65を差し込むことによって両者を固定することができる。
なお、支持シャフト75として長さが異なるものを複数本用意しておき、ハンドル50の高さ位置の違いに応じて使い分けるようにしてもよい。即ち、ハンドル50の高さ位置の違いに応じて最適の長さを有した支持シャフトを選択してベース部材の支持部材73内に差込み固定することにより、操作シャフト10の上端部に固定された係止ユニット2の高さ位置を最適に調整、設定することができる。
このように支持ユニット70と操作シャフト10によって支持された係止ユニット2の高さ位置を調整可能とすることによって、同一のウィルキー1を用いて高さ位置が異なるハンドル50の開閉作業を行う場合に、支持シャフト75を長さの異なるものと交換することによって種々対応することが可能となる。
このように支持シャフト75を伸縮自在に構成した場合には、高所に設置されたハンドル50の高さ位置の変化に対応するために長さの異なる支持シャフト75を複数本用意しておく必要がなくなり、部品の製造コスト、組付け手数、管理手数を低減することができる。
なお、支持ユニット70を伸縮させるための機構としては、例えばパイプ状の両支持シャフト片75A、75Bに夫々軸方向に所定のピッチで複数個の連通穴を貫通形成し、両支持シャフト片の伸縮位置関係を確定してから連通穴間にピンを差し込んで固定するようにしてもよい。
まず、支持ユニット70を構成するベース部材71を床面60に固定したアンカーナット61に固定する。固定に際してはアンカーナット61に形成された雌螺子部61aと金属板のボルト穴72aとを連通させた状態で両穴内にボルト62を挿通、螺着させることによって、床面上にベース部材71を固定する。
次いで、ベース部材71から突出したパイプ状の支持部材73の上部開口内に支持シャフト75の下端部を差し込んでピン65により固定する。支持シャフト75としては、ハンドル50の高さ位置と、操作シャフト及び係止ユニットの長さに応じて最適の長さのものを選択する。或いは、支持シャフト75が伸縮自在である場合には、最適の長さに設定しておく。
操作シャフトを上下動させて係止ユニットの係止爪をハンドルのリブに係止する際に、操作シャフトの軸部10aを支持シャフト上部に差し込んで回転自在に支持させる。
以上の作業によってウィルキー1の設置が完了し、その後は、図1(b)に示すように床面に立った作業員が操作レバー15を回転方向へ操作することによりハンドルを任意の方向へ回動させることができる。
この作業は作業効率を考慮すれば、二人以上で実施することが好ましいが、一人で実施することも可能である。
また、ベース部材71を床面に固定する際にアンカーナット61を床面に予め固定しておく構成は必須ではなく、ベース部材を人間が床面に押さえ付けて固定するように構成してもよい。
また、ベース部材を床面に固定することにより安定した作業を行うことができ、支持シャフトを用いることにより、操作シャフト自体の長さを短くでき、取扱性、操作性を高めることができる。
また、支持シャフトの長さを調整することにより、高さ位置が異なるハンドルに対して対応することが可能となる。
また、ハンドルの形状、サイズが異なる場合には、係止ユニットを当該ハンドルに見合ったサイズのものと交換して使用することが有効である。
Claims (4)
- 高所に配置された略垂直な回転軸に対してリブを介して固定されたリング状部を備えたバルブ開閉用のハンドルを正逆両方向に回転させるためのウィルキーであって、
前記ハンドル内部のリブ間の間隙内に下側から差し込み可能な外径を有すると共に該ハンドルの上方に通過した後で下方に戻すことにより任意の周方向からリブと係止可能な係止爪を有した係止ユニットと、
該係止ユニットから下方に延びた操作シャフトと、
該操作シャフトから外径方向に突設した操作レバーと、
前記ハンドルの下方に位置する床面に設置されて前記操作シャフトの下部を回転自在に支持する支持ユニットと、
を備えたことを特徴とするハンドル操作用ウィルキー。 - 前記支持ユニットは、前記床面に固定されるベース部材と、該ベース部材により下部を着脱自在に支持され且つ上部にて前記操作シャフトの下部を回転自在に支持する支持シャフトと、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のハンドル操作用ウィルキー。
- 前記支持ユニットは、前記床面に固定されるベース部材と、該ベース部材により下部を支持され且つ上部にて前記操作シャフトの下部を回転自在に支持する支持シャフトと、から構成され、
前記支持シャフトは、長さを微調整可能な伸縮構造を有していることを特徴とする請求項1に記載のハンドル操作用ウィルキー。 - 前記係止ユニットは、前記操作シャフトに対して着脱交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のハンドル操作用ウィルキー。
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