JP5946760B2 - 硬化樹脂層付き基材及びその製造方法、タッチパネル、モバイル機器並びに情報表示装置 - Google Patents

硬化樹脂層付き基材及びその製造方法、タッチパネル、モバイル機器並びに情報表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、硬化樹脂層付き基材の製造方法、硬化樹脂層付き基材、該硬化樹脂層付き基材を備えたタッチパネルならびに該タッチパネルを備えたモバイル機器および情報表示装置に関する。
近年、スマートホンに代表されるモバイル通信機器が普及してきている。モバイル機器の情報表示面側には、表示装置の引き回し回路等を使用者から視認されないようにするため、また見栄えをよくするため、情報表示部(画像表示部)を囲む枠状に加飾材が形成されて、加飾が行われている。
フィルムやガラスなどの基材の加飾法には、感光性の液体レジストを基材上に塗布してフォトリソグラフィーにより加飾層を形成する方法、シルクスクリーン方式やインクジェット方式で基材上に印刷する方法、仮支持体上に加飾層を形成し基材に転写する方法、インサートやインモールド法で加飾層を基材に形成する方法、熱転写リボンで基材上に熱転写する方法、等が挙げられる。
特開2012−56193号公報
加飾層を感光性レジストのフォトリソグラフィーにより形成する場合は、塗布−乾燥−パターン露光−現像の各工程を経て形成する必要があり、煩雑であり、生産性が低かった。
加飾層をシルクスクリーンやインクジェット方式で印刷して形成する場合は、加飾材の境界(印刷する部分の境)がぼけやすくなるきらいがある。また最外層の保護基材を高機能化し、静電容量型等のタッチパネルとして使用したい期待があるが、印刷方法の場合には加飾材の境界が十分に均質になりにくく、電子回路を形成しづらいことがあった。
実際に本発明者らがスクリーン印刷によってモバイル機器のタッチパネルの形状とした基材上に加飾材を形成し良好なパターンが得られるかを含めて生産性を検討したところ、生産性が低いものであることがわかった。
また、インサート法やインモールド法での加飾層の形成は高熱を必要とするため、基材として熱可塑性フィルムなどの熱変形しやすいフィルムを用いたり、熱変形しやすい機能層を有する基材を用いたりしたときに、基材が変形する可能性があり、良好なパターンが得られるかを含めた生産性が低かった。
特許文献1などに記載の熱転写リボンを用い加飾層を熱転写する方法は、仮支持体上にのり付き加飾材の熱転写リボンを準備し、そのリボン上から加飾材を基材上に熱転写プリンターを用いて転写することで加飾部を形成する。熱転写リボンで加飾材を作製する場合は、1回で作製できる加飾部の厚みが薄く、所望の厚みにするためには複数回転写を行う必要があり、生産性が低かった。
本発明が解決しようとする課題は、パターンを有する硬化樹脂層付き基材を高い生産性で製造することができる、硬化樹脂層付き基材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料を用いて保護フィルムおよび硬化性樹脂層を貫通し、仮支持体を貫通しない深さである切り込みを入れ、面内方向の一部の領域の保護フィルムを残して残りの領域の保護フィルムを取り除き、保護フィルムの残った領域と硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付け、基材に貼り付けられた転写材料から保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除くことで、パターンを有する硬化樹脂層付き基材を高い生産性で製造できることを見出した。
すなわち、以下に示す構成の本発明により、前記課題が解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
[1] (A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
(B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
(C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
(D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
(E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含むことを特徴とする硬化樹脂層付き基材の製造方法。
[2] [1]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、転写材料の面内方向に直線部分を有するように入れることが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、転写材料の面内方向に4カ所以上直線部分を有するように入れることが好ましい。
[4] [1]〜[3]のいずれか一項に記載の加飾材硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、前記仮支持体の前記保護フィルム側から厚み方向に向かって、前記仮支持体の厚さの0〜67%の深さまで入れることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、トムソン刃加工またはレーザー光加工から選ばれる方法で入れることが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記保護フィルムが、シリコーン紙、ポリオレフィンフィルムまたはポリテトラフルオロエチレンシートであることが好ましい。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を、50〜130℃に加熱した基材に圧着して貼り付けることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーから選ばれる樹脂を主成分とするフィルム基材またはガラス基材であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料は、前記仮支持体、熱可塑性樹脂層、前記硬化性樹脂層、および前記保護フィルムをこの順で含むことが好ましい。
[10] [9]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料は、前記仮支持体、前記熱可塑性樹脂層、中間層、前記硬化性樹脂層、および前記保護フィルムをこの順で含むことが好ましい。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記硬化性樹脂層が色材を含む着色硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層が加飾材であることが好ましい。
[12] [11]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記加飾材は、光学濃度が2.6以上であることが好ましい。
[13] [11]または[12]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記加飾材の膜厚は、1.0〜40.0μmであることが好ましい。
[14] [11]〜[13]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記加飾材は、前記基材側より、特定の波長の可視光または可視光の波長領域全体を吸収または散乱して呈色する層と、可視光の波長領域全体にわたって吸収する灰色層を有することが好ましい。
[15] [11]〜[14]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、
前記転写材料の保護フィルムを残す領域が、前記切り込みで囲まれた部分の内側の領域であることが好ましい。
[16] [11]〜[15]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(F−1)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記硬化樹脂層および前記基材を厚み方向に貫通させて切り取る工程を、さらに含むことが好ましい。
[17] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層がオーバーコート層であることが好ましい。
[18] [17]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、
前記保護フィルムを残す一部の領域が、前記切り込みで囲まれた部分の外側の領域であることが好ましい。
[19] [17]または[18]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(F−2)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記基材を厚み方向に貫通する切り込みを入れて切り取る工程を、さらに含むことが好ましい。
[20] [16]または[19]に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記硬化樹脂層付き基材の前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、トムソン刃加工およびレーザー光加工から選ばれる方法で切り取ることが好ましい。
[21] [1]〜[20]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料を基材に貼り付ける前に、前記仮支持体の前記硬化性樹脂層と反対側に、さらに支持体を積層する工程を含むことが好ましい。
[22] [1]〜[21]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記基材は、全光透過率が、80%以上であることが好ましい。
[23] [1]〜[22]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記基材は、さらに導電性層を有することが好ましい。
[24] [1]〜[23]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記基材は、さらに少なくとも、耐傷層および防眩層のうち少なくとも一つを有することが好ましい。
[25] [1]〜[24]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記基材は、膜厚が40〜200μmであることが好ましい。
[26] [1]〜[25]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記硬化性樹脂層が、さらに重合性化合物および重合開始剤を含むことが好ましい。
[27] [1]〜[26]のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法で製造されたことを特徴とする硬化樹脂層付き基材。
[28] [27]に記載の硬化樹脂層付き基材を有することを特徴とするタッチパネル。
[29] [28]に記載のタッチパネルを有することを特徴とするモバイル機器または情報表示装置。
本発明によれば、パターンを有する硬化樹脂層付き基材を高い生産性で製造することができる硬化樹脂層付き基材の製造方法を提供することができる。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で用いられる、転写材料の一例の概略図であり、着色硬化性樹脂層を設ける領域を破線で示した図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で用いられる、転写材料の一例の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、転写材料に対して、保護フィルムおよび硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程の一例における、転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、転写材料の面内方向の一部の領域の保護フィルムを残して、残りの領域の保護フィルムを取り除くことで硬化性樹脂層を露出させる工程の一例における、転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、保護フィルムの残った領域と硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程の一例における、基材と転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、基材に貼り付けられた転写材料から保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除く工程の一例における、基材と転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、基材に貼り付けられた転写材料から保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除く工程の後の一例における、基材と転写材料から転写された部材の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程の一例における、基材と硬化樹脂層の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記硬化樹脂層および前記基材を厚み方向に貫通させて切り取る工程の一例における、硬化樹脂層付き基材の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で得られた、本発明の硬化樹脂層付き基材の一例の概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で用いられる、転写材料の一例の概略図であり、透明硬化性樹脂層を設ける領域を点線(内側)で示した図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、転写材料の面内方向の一部の領域の保護フィルムを残して、残りの領域の保護フィルムを取り除くことで硬化性樹脂層を露出させる工程の一例における、転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、保護フィルムの残った領域と硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程の一例における、基材と転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、基材に貼り付けられた転写材料から保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除く工程の一例における、基材と転写材料の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、基材に貼り付けられた転写材料から保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除く工程の後の一例における、基材と転写材料から転写された部材の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程の一例における、基材と硬化樹脂層の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法において、硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記基材を厚み方向に貫通する切り込みを入れて切り取る工程の一例における、硬化樹脂層付き基材の断面を示した概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で製造された硬化樹脂層付き基材を用いた、タッチパネルの一例の構成を示す断面概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で製造された硬化樹脂層付き基材を用いた、タッチパネルの他の一例の構成を示す断面概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で製造された硬化樹脂層付き基材を用いた、タッチパネルの他の一例の構成を示す断面概略図である。 本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法で製造された硬化樹脂層付き基材を用いた、タッチパネルの他の一例の構成を示す断面概略図である。
以下、本発明の硬化樹脂層付き基材およびその製造方法、タッチパネル、モバイル機器並びに情報表示装置ついて詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[硬化樹脂層付き基材の製造方法]
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法(以下、本発明の製造方法とも言う)は、(A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
(B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
(C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
(D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
(E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含むことを特徴とする。
このような構成により、パターンを有する硬化樹脂層付き基材を高い生産性で製造することができる。
<(A)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程を含む。
(転写材料)
前記転写材料は、仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムを含む。
また、前記転写材料に含まれる前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含む。
図1および図2に、仮支持体および硬化性樹脂層を含む転写材料の構成を具体的に示す。なお、図1〜図17には、図1または図11に示した仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムを含む転写材料から、1枚の本発明の硬化樹脂層付き基材を製造する場合について説明したが、本発明はこれらの具体的な説明によって限定されるものではない。本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムを含む転写材料から1または複数の硬化樹脂層付き基材を製造することができる。
図1は、仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムを含む転写材料30を、保護フィルム29側から見た概略図である。前記(A)工程では、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを、例えば図1の破線部に入れることができる。
図2に、図1に示した転写材料のX1−X1’における断面概略図を示す。図2は、仮支持体26の上に、後述する熱可塑性樹脂層27、中間層28、硬化性樹脂層24および保護フィルム29が積層された転写材料30の態様である。
以下、本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法に用いられる転写材料について、転写材料作製方法と転写材料を構成する各要素について詳細に説明する。
−硬化性樹脂層−
前記転写材料は硬化性樹脂層を少なくとも1層有し、前記硬化性樹脂層は少なくともバインダー樹脂を含む。
前記硬化性樹脂層は2層以上含まれていてもよい。なお、硬化性樹脂層は3層以上の積層体であってもよい。
前記硬化性樹脂層は、感光性(光硬化性)であっても、熱硬化性であってもよいが、少なくとも感光性であることが好ましい。
前記硬化性樹脂層に硬化性を付与する方法としては特に制限はなく、前記硬化性樹脂層に含まれるバインダー樹脂が光硬化性または熱硬化性の官能基を有するバインダー樹脂であってもよく、前記硬化性樹脂層に光硬化性または熱硬化性の官能基を有する添加剤(例えば、後述の重合性化合物など)を添加してもよい。
前記硬化性樹脂層としては、着色硬化性樹脂層または透明硬化性樹脂層であることが好ましい。なお、前記硬化性樹脂層が感光性である場合、前記硬化性樹脂層は感光層となり、着色感光層または透明感光層であることが好ましい。
以下、硬化性樹脂層が着色硬化性樹脂層である場合と、硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層である場合に適宜分けて、本発明の製造方法の好ましい態様を説明する。
態様a:硬化性樹脂層が着色硬化性樹脂層である場合
本発明の製造方法の態様aでは、前記硬化性樹脂層が色材を含む着色硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層が加飾材であることが好ましい。前記硬化性樹脂層が着色硬化性樹脂層である場合、本発明の製造方法を用いることで、額縁形状としたときに、枠内部の直線部の直線性を高めることができる。また、前記硬化性樹脂層が着色硬化性樹脂層である場合、本発明の製造方法を用いることで、熱転写リボンのように加飾材を一括で転写できない方法に比べ、仮支持体上から基材上に一度に加飾材を形成できるために色むらも改善することができる。
前記着色硬化性樹脂層は、少なくとも色材およびバインダー樹脂を含む。
前記着色硬化性樹脂層は、いかなる色であってもよいが、白層、カラー層、パステル層、グレー層、黒層のいずれか、またはこれらの層の積層体であることが、加飾材の枠内部の直線性が高い硬化樹脂層付き基材を、高い生産性で製造する観点から、好ましい。本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法によれば、このような様々な態様の着色硬化性樹脂層を有する転写材料を用いた場合であっても、加飾材の枠内部の直線性が高い硬化樹脂層付き基材を、高い生産性で製造することができる。
加飾材が白層、カラー層、パステル層、グレー層、黒層である硬化樹脂層付き基材を製造するときには、薄層としつつ、顔料を用いることが多い。スクリーン印刷ではそのような加飾材とした場合に枠内部の直線性が悪くなる傾向にあるが、本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法によればこのような場合も加飾材の枠内部の直線性が高い硬化樹脂層付き基材を、高い生産性で製造することができる。
前記転写材料に含まれる前記着色硬化性樹脂層を、後述する基材に転写することで、本発明の製造方法で得られる硬化樹脂層付き基材の加飾材を形成することができる。着色硬化性樹脂層は2層以上含まれていてもよい。2層の着色硬化性樹脂層としては、特に制限はないが、例えば、特定の波長の可視光または可視光の波長領域全体を吸収または散乱して呈色する層と、可視光の波長領域全体にわたって吸収する灰色層との積層体とすることが好ましい。
白層やカラー層のみを基材に転写して加飾材とする場合、光学濃度が低く、本発明の製造方法で得られる硬化樹脂層付き基材を表示装置の基材として用いたときには表示装置の光漏れや回路のすけが見える場合がある。この場合は、本発明の製造方法で得られた硬化樹脂層付き基材の基材(フィルムまたはガラス)側よりカラー層−白層/またはカラー層−反射層の構成とすることで光漏れ等を抑えることが出来る。更に後述するグレー層を前記転写材料に追加することで一層、該転写材料を基材に転写して得られる加飾材の光漏れ等を抑えることが出来る。
グレー層は、本発明の製造方法で得られた硬化樹脂層付き基材の基材面(フィルム面またはガラス面)から白層の次に、あるいは、カラー層−白層の次に用いることが好ましい。こうすることで、本発明の製造方法で得られる硬化樹脂層付き基材を表示装置の基材として用いたときに表示装置側からの光漏れや配線のすけを、加飾材を厚くすることなく防ぐことができる。
黒層のみを基材に転写して加飾材とする場合、単層でも十分に光学濃度を高くすることができ、好ましい。
本発明の製造方法で得られる硬化樹脂層付き基材を表示装置の基材として用いたときに表示装置側からの光漏れを無くす手段としては、本発明の製造方法で得られた硬化樹脂層付き基材の加飾層(白層、カラー層、パステル層)の基材側(機器側)に金属光沢を有する反射層を設けることも有効である。反射層を設ける手段としては、金属光沢を有する材料を含む層を設けた転写材料を作製し、本発明の製造方法に使用することで基材に反射層を転写することも可能である。
なお、前記反射層は、本発明の製造方法とは別に、前記転写材料を用いずに、基材上に金属蒸着や金属スパッタリング、鍍金で別途作成してもよい。
(A1)着色硬化性樹脂層の材料
前記着色硬化性樹脂層は、前記色材と前記色材を着色硬化性樹脂層として形成するためのバインダー樹脂を含む。また、使用する環境、用途に応じて、前記着色硬化性樹脂層はさらに重合性化合物および重合開始剤を含むことが好ましい。その他、前記着色硬化性樹脂層は、酸化防止剤、重合禁止剤、を含むことができる。
(a1−1)色材
本発明の製造方法に用いられる着色硬化性樹脂層に用いられる色材としては、以下に述べる白層、カラー層、パステル層、グレー層、黒層等を構成するための顔料、場合によっては染料を挙げることができる。
染料は、例えば、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 28、C.I.Acid Orange 7、C.I.Basic Blue 9、C.I.Mordant Red 11、C.I.Mordant Black 3、C.I.Vat Blue 1、C.I.Disperse Yellow 7、C.I.Disperse Orange 3、C.I.Disperse Red 17、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Reactive Red 1、等をあげることができる。染料は、単独でも、他染料との混合物でも、顔料との混合物でも使用することができる。
(a1−1−1)白層用の色材
白層は、特に見栄えがわかりやすいため、以下の白層用の色材を用いることが好ましい。前記白層用の色材としては、白色無機顔料が好ましい。
前記着色硬化性樹脂層に用いられる前記白色無機顔料としては、特開2005−7765公報の段落[0015]や[0114]に記載の白色顔料を用いることができる。
具体的には、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、酸化亜鉛、リトポン、軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウムが好ましい。酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、酸化亜鉛がより好ましく、酸化チタン(ルチル型)、酸化チタン(アナターゼ型)、がさらに好ましく、ルチル型酸化チタンがよりさらに好ましい。
酸化チタンの表面はシリカ処理、アルミナ処理、チタニア処理、ジルコニア処理、有機物処理及びそれらを併用することができる。
これにより酸化チタンの触媒活性を抑制でき、耐熱性、耐光性(光褪色、変色、着色)等を改善することができる。
加熱時の加飾層の白色度の観点から、アルミナ処理、ジルコニア処理が好ましく、アルミナ/ジルコニア併用処理が特に好ましい。
前記着色硬化性樹脂層の全固形分に対する前記白色無機顔料の含有率が20〜75質量%であることで、良好な明度および白色度であって、その他の求められる特性を同時に満たす加飾層を形成することができる。
前記加飾層の全固形分に対する前記白色無機顔料の含有率は、25〜60質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。
本明細書でいう全固形分とは前記着色硬化性樹脂層から溶剤等を除いた不揮発成分の総質量を意味する。
前記白色無機顔料(なお、後述するマスク層に用いられるその他の着色剤についても同様である)は、分散液として使用することが望ましい。この分散液は、前記白色無機顔料と顔料分散剤とを予め混合して得られる組成物を、後述する有機溶媒(またはビヒクル)に添加して分散させることによって調製することができる。前記ビビクルとは、塗料が液体状態にある時に顔料を分散させている媒質の部分をいい、液状であって前記顔料と結合して塗膜を形成する成分(バインダー)と、これを溶解希釈する成分(有機溶媒)とを含む。
前記白色無機顔料を分散させる際に使用する分散機としては、特に制限はなく、例えば、朝倉邦造著、「顔料の事典」、第一版、朝倉書店、2000年、438項に記載されているニーダー、ロールミル、アトライダー、スーパーミル、ディゾルバ、ホモミキサー、サンドミル等の公知の分散機が挙げられる。更に該文献310頁記載の機械的摩砕により、摩擦力を利用し微粉砕してもよい。
本発明で用いる前記白層用の色材としての白色無機顔料は、分散安定性及び隠ぺい力の観点から、一次粒子の平均粒径0.16μm〜0.3μmのものが好ましく、更に0.18μm〜0.27μmのものが好ましい。さらに0.19μm〜0.25μmのものが特に好ましい。一次粒子の平均粒径が0.16μmより小さいと、急激に隠ぺい力が低下してマスク層の下地が見えやすくなったり、粘度上昇を起こすことがある。一方、0.3μmを超えると白色度が低下すると同時に急激に隠ぺい力が低下し、また塗布した際の面状が悪化する。
尚、ここで言う「一次粒子の平均粒径」とは粒子の電子顕微鏡写真画像を同面積の円とした時の直径を言い、また「数平均粒径」とは多数の粒子について前記の粒径を求め、この100個平均値をいう。
一方、分散液、塗布液中の平均粒径で測定する場合には、濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000(大塚電子株式会社製)などを用いることができる。
(a1−1−2)カラー層用の色材
前記カラー層用の色材としては、従来公知の種々の無機顔料、有機顔料または染料を用いることができるが、信頼性の観点で有機顔料を用いることが好ましい。前記カラー層用の有機顔料としては、例えば、特開2009−256572号公報の段落0093に記載の有機顔料が挙げられる。
また特に、
C.I.Pigment Red 177,224,242,254,255,264、
C.I.Pigment Yellow 138,139,150,180,185、
C.I.Pigment Orange 36,38,71、
C.I.Pigment Green 7,36,58、
C.I.Pigment Blue 15:6、
C.I.Pigment Violet 23
が色再現性の観点で好適であるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。これら有機顔料は、一種単独で、又は色純度を上げる等のために種々組合せて用いることができる。
また、上記カラー層用の有機顔料を白色顔料に添加することにより、パステルカラーのカラー層を調整することが出来る。
(a1−1−3)黒層用の色材
黒層用の色材としては、黒色顔料が好ましい。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、黒鉛などが挙げられ、中でも、カーボンブラックが好ましい。
(a1−1−4)グレー層用の色材
グレー層は、白色顔料に黒色顔料を混合することで作製することが好ましい。白色顔料に上記ルチル型酸化チタンを用いる場合、分散液や塗布液の安定性の観点から、黒色顔料はチタンブラックを用いることが好ましい。例えばカーボンブラックを用いる場合、顔料の比重差よりカーボンブラックが時間経過により分離することがあるからである。前記グレー層、黒層に用いることができる黒色顔料分散物は、例えば特開2011−95701号公報に記載の分散物を用いることが出来る。
また、グレー層は、白色顔料に赤、緑、青の各有機顔料を適度混合することにより作製することが可能である。この場合、白色顔料は、有機顔料に比重の近いカオリナイトや炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
グレー層を光漏れや配線のすけを防止するために用いる場合には、必ずしもグレーである必要はなく、前記黒層用の色材を用いて遮光層とすることができる。
(a1−2)バインダー樹脂
本発明の製造方法に用いられるバインダー樹脂は、仮支持体上に着色硬化性樹脂層を形成後に基材に転写できれば、いかなるものを使用することが出来るが、着色硬化性樹脂層の色味が変わらない、または望ましい色味に変わるものが望ましい。
(a1−2−1)白層用のバインダー樹脂
白層は、特に見栄えがわかりやすいため、以下の白層用のバインダー樹脂を用いることが好ましい。前記白層用のバインダー樹脂としては、シリコーン系レジンが好ましい。
シリコーン系レジンとして公知のものが使用できる。メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、アクリル樹脂変性シリコーンレジン、ポリエステル樹脂変性シリコーンレジン、エポキシ樹脂変性シリコーンレジン、アルキッド樹脂、変性シリコーンレジン及びゴム系のシリコーンレジン等が使用できる。
より好ましいのは、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジン、アクリル樹脂変性シリコーンレジンであり、特に好ましいのは、メチル系ストレートシリコーンレジン、メチルフェニル系ストレートシリコーンレジンである。これらを任意の比率で混合することにより膜物性を制御できる。
(a1−2−2)カラー層、パステル層、グレー層、黒層用のバインダー樹脂
前記着色硬化性樹脂層に用いるバインダー樹脂は、特にカラー層やパステル層、グレー層、黒層に適用する場合、カラーフィルタのRGB層に用いるバインダー樹脂を用いることが出来る。
前記着色硬化性樹脂層がカラー層、パステル層、グレー層、黒層である場合に該着色硬化性樹脂層を構成するのに適したバインダー樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/ブチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/シロクヘキシル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/イソボニル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/スチレン共重合体、などを挙げることができる。
中でも、加熱圧着時の気泡の混入を回避する点で、メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジルメタクリレート/メチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート共重合体、が好ましい。
前記バインダー樹脂のガラス転移温度Tg(b)としては、70〜140℃の範囲が好ましく、より好ましくは80〜110℃の範囲である。Tg(b)は、70℃以上であると、加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みを抑止でき、140℃以下であると、加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みが充分となり、現像も良好に行なえる。
また、前記バインダー樹脂の重量平均分子量Mw(b)としては、10000〜50000の範囲が好ましく、より好ましくは15000〜40000の範囲である。Mw(b)は、10000以上であると加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みを抑止でき、50000以下であると加熱圧着(ラミネート)時のエア(気泡)の巻き込みが充分となり、現像も良好に行える。
前記バインダー樹脂の前記着色硬化性樹脂層中における含有量としては、前記着色硬化性樹脂層の全固形分に対して、30質量%以上とすることが好ましい。バインダー樹脂の量が前記範囲内であると、加熱圧着(ラミネート)時の硬化性樹脂層の溶融粘度を層が柔らかくなり過ぎない程度に維持でき、ある程度の硬さを保って圧着時の気泡の混入を効果的に抑制することができる。
前記バインダー樹脂の含有量としては、10〜40質量%がより好ましく、20〜35質量%が更に好ましい。
(a1−3)重合性化合物
本発明の製造方法に用いられる前記転写材料の前記着色硬化性樹脂層には、必要に応じて重合性化合物を添加し、重合することで加飾材の耐傷性向上等、好ましい性質を与えることが出来る。前記着色硬化性樹脂層に用いる重合性化合物は、例えば特開2008−256735号公報に挙げられる重合性化合物を選んで用いることができる。
重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとして、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとして、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334、特開昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、特開昭59−5241、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。更に、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(V)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH ・・・(V)
(但し、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。硬化感度の観点から、(メタ)アクリル酸エステル構造を2個以上含有する化合物を用いることが好ましく、3個以上含有する化合物を用いることがより好ましく、4個以上含有する化合物を用いることが最も好ましい。また、硬化感度、および、未露光部の現像性の観点では、EO変性体を含有することが好ましい。また、硬化感度、および、露光部強度の観点ではウレタン結合を含有することが好ましい。
また、前記着色硬化性樹脂層中の他の成分(例えばバインダー樹脂、重合開始剤、色材(顔料、染料等)との相溶性、分散性に対しても、前記重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基材や後述のオーバーコート層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
以上の観点より、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが好ましいものとして挙げられ、また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)が好ましい。
中でも、ビスフェノールAジアクリレートEO変性体、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートEO変性体などが、市販品としては、DPHA(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)がより好ましい。
更には、前記重合性化合物として好ましくは、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーである。
このようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
また、酸性多官能光硬化性化合物も前記重合性化合物として好ましい化合物である。
酸性多官能光硬化性化合物としては、(1)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを二塩基酸無水物で変性することによりカルボキシル基を導入したもの、(2)水酸基と共に3つ以上の光硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーに、グリシジル基もしくはイソシアネート基とCOOH基とを併せ持つ化合物等を付加することによってカルボキシル基を導入したもの、あるいは(3)3つ以上の光硬化性官能基を有する芳香族化合物を濃硫酸や発煙硫酸で変性することによりスルホン酸基を導入したもの等を用いることができる。また、酸性多官能光硬化性化合物そのものであるモノマーを繰返し単位として含むオリゴマーを、酸性多官能光硬化性化合物として用いてもよい。
酸性多官能光硬化性化合物の例としては、下記一般式(i)、一般式(ii)で表されるものが好ましい。なお、一般式(i)及び一般式(ii)において、T又はGがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がR、X及びWに結合する。
前記一般式(i)中、Rは(メタ)アクリロイロキシ基を表し、Xは−COOH基、−OPO32基を表す。Tはオキシアルキレン基を表し、ここでアルキレン基の炭素数は1〜4である。nは0〜20である。
前記一般式(ii)中、Wは一般式(i)におけるR又はXを表し、6個のWのうち、3個以上のWがRである。Gは一般式(i)におけるTと同義である。Zは−O−もしくは、−OC=ONH(CH2)qNHCOO−を表す。pは0〜20であり、qは1〜8である。一分子内に複数存在するR、X、T、Gは、各々同一であっても、異なっていても良い。)
前記一般式(i)及び(ii)で表される酸性多官能光硬化性化合物の市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレー卜やメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、上記カルボキシル基含有5官能アクリレートなどが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
前記重合性化合物の前記着色硬化性樹脂層を形成するために用いられる組成物中における含有量は、組成物の全固形分に対して、5〜50質量%であることが好ましく、7〜40質量%であることがより好ましく、10〜35質量%であることが更に好ましい。
(a1−4)重合開始剤
前記着色硬化性樹脂層には、重合性化合物を添加した場合に、それを積極的に重合するための重合開始剤を添加することができる。重合開始剤は、可視光領域に吸収を持っており、加飾材料に望まぬ着色をすることがある。よって、重合開始剤を加飾材料に添加する場合は、その色味に応じて開始剤を選抜する必要がある。
本発明に用いることが出来る重合開始剤は、光重合開始剤(例えば特開2008−256735号に記載してある光重合開始剤)や熱重合開始剤を挙げることが出来る。
(a1−4−1)光重合開始剤
光重合開始剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸塩化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。
有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号、M.P.Hutt“Journal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」筆に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物、s−トリアジン化合物が挙げられる。
s−トリアジン化合物として、より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N,N−(ジエトキシカルボニルアミノ)−フェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
オキシジアゾール化合物としては、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(シアノスチリル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(ナフト−1−イル)−1,3,4−オキソジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−スチリル)スチリル−1,3,4−オキソジアゾールなどが挙げられる。
カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−1−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキシド、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4−モルホリノブチロフェノン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
ケタール化合物としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルエチルアセタールなどを挙げることができる。
ベンゾイン化合物としては、m−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、メチルo−ベンゾイルベンゾエートなどを挙げることができる。
アクリジン化合物としては、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9−アクリジニル)ヘプタンなどを挙げることができる。
有機過酸化化合物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化コハク酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を挙げることができる。
クマリン化合物としては、例えば、3−メチル−5−アミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−クロロ−5−ジエチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン、3−ブチル−5−ジメチルアミノ−((s−トリアジン−2−イル)アミノ)−3−フェニルクマリン等を挙げることができる。
アジド化合物としては、米国特許第2848328号明細書、米国特許第2852379号明細書ならびに米国特許第2940853号明細書に記載の有機アジド化合物、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−エチルシクロヘキサノン(BAC−E)等が挙げられる。
メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書に記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837、特開2002−107916、特許第2764769号、特願2000−310808号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体或いは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特願2001−132318号明細書等記載される化合物等が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979)1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報記載の化合物等が挙げられる。具体例としてはチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュアOXE−01、OXE−02、タコマ社製のLUNAR6などが好適である。
オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩などが挙げられる。
本発明に好適に用いることのできるヨードニウム塩は、ジアリールヨードニウム塩であり、安定性の観点から、アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基等の電子供与性基で2つ以上置換されていることが好ましい。また、その他の好ましいスルホニウム塩の形態として、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するヨードニウム塩などが好ましい。
スルホニウム塩としては、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩が挙げられ、安定性の感度点から好ましくは電子吸引性基で置換されていることが好ましい。電子吸引性基としては、ハメット値が0より大きいことが好ましい。好ましい電子吸引性基としては、ハロゲン原子、カルボン酸などが挙げられる。
また、その他の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩の1つの置換基がクマリン、アントアキノン構造を有し、300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。別の好ましいスルホニウム塩としては、トリアリールスルホニウム塩が、アリロキシ基、アリールチオ基を置換基に有する300nm以上に吸収を有するスルホニウム塩が挙げられる。
また、オニウム塩化合物としては、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
アシルホスフィン(オキシド)化合物としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア819、ダロキュア4265、ダロキュアTPOなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン系化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、メタロセン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン系化合物、フォスフィンオキサイド系化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物であり、トリハロメチルトリアジン系化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム系化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、ベンゾフェノン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が最も好ましい。
光重合開始剤は、1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
光重合開始剤の感光性組成物中における含有量は、組成物の全固形分に対して、0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%であり、特に好ましくは1〜20質量%である。前記範囲内であると、良好な感度とパターン形成性が得られる。
(a1−4−2)熱重合開始剤
前記着色硬化性樹脂層には、熱重合開始剤を含有させることも有効である。熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
(a1−5)酸化防止剤
前記着色硬化性樹脂層には、酸化防止剤を添加してもよい。特に前記着色硬化性樹脂層が白層である場合、酸化防止剤を添加することが好ましい。前記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、セミヒンダードフェノール系、燐酸系、分子内に燐酸/ヒンダードフェノールを持つハイブリッド型酸化防止剤が使用できる。
好ましくは燐酸系、燐酸系とヒンダードフェノール系若しくはセミヒンダードフェノール系の併用、若しくは分子内に燐酸/ヒンダードフェノールを持つハイブリッド型酸化防止剤が好ましい。
(a2)着色硬化性樹脂層の厚み
前記着色硬化性樹脂層の厚みが1〜40μmであることが、前記着色硬化性樹脂層を含む転写材料を基材に転写した後に得られる加飾層の隠蔽力を高めるための観点から、好ましい。
前記着色硬化性樹脂層の厚みは1.2〜38μmが更に好ましく、1.4〜35μmが特に好ましい。
なお、前記加飾材の厚みの好ましい範囲も、前記着色硬化性樹脂層の厚みの好ましい範囲と同様である。
(a3)着色硬化性樹脂層のOD
前記着色硬化性樹脂層の光学濃度(ODとも言う)が2.6以上であることが、前記着色硬化性樹脂層を含む転写材料を基材に転写した後に得られる加飾層の隠蔽力を高めるための観点から、好ましい。
前記着色硬化性樹脂層のODは、3.0〜6.0であることがより好ましく、3.6〜5.5であることが特に好ましい。
なお、前記加飾材の光学濃度の好ましい範囲も、前記着色硬化性樹脂層の光学濃度の好ましい範囲と同様である。
態様b:硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層である場合
本発明の製造方法の態様bでは、前記硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層がオーバーコート層であることが好ましい。
(b1)透明硬化性樹脂層の材料
透明硬化性樹脂層に用いられる樹脂やその他の添加剤としては本発明の趣旨に反しない限りにおいて特に制限は無く、前記着色硬化性樹脂層に用いられる樹脂やその他の添加剤を好ましく用いることができる。
前記透明硬化性樹脂層に用いられる樹脂としてはアルカリ可溶性樹脂が好ましく、前記アルカリ可溶性樹脂としては、特開2011−95716号公報の段落[0025]、特開2010−237589号公報の段落[0033]〜[0052]に記載のポリマーを用いることができる。
前記透明硬化性樹脂層に用いられる重合性化合物としては、特許第4098550号の段落[0023]〜[0024]に記載の重合性化合物を用いることができる。
前記透明硬化性樹脂層に用いられる重合開始剤または重合開始系としては、特開2011−95716号公報に記載の[0031]〜[0042]に記載の重合性化合物を用いることができる。
さらに、前記透明硬化性樹脂層には、添加剤を用いてもよい。前記透明硬化性樹脂層に用いられる添加剤としては、例えば特許第4502784号公報の段落[0017]、特開2009−237362号公報の段落[0060]〜[0071]に記載の界面活性剤や、特許第4502784号公報の段落[0018]に記載の熱重合防止剤、さらに、特開2000−310706号公報の段落[0058]〜[0071]に記載のその他の添加剤が挙げられる。
また、前記透明硬化性樹脂層を塗布により製造する際の溶剤としては、特開2011−95716号公報の段落[0043]〜[0044]に記載の溶剤を用いることができる。
(b2)透明硬化性樹脂層の厚み
前記透明硬化性樹脂層の厚みが1〜40μmであることが、下層の保護機能と高透過性の観点から、好ましい。前記透明硬化性樹脂層の厚みは1.2〜38μmが更に好ましく、1.4〜35μmが特に好ましい。
−仮支持体−
前記転写材料は仮支持体を有する。
前記仮支持体としては、可撓性を有し、加圧、若しくは加圧及び加熱下においても著しい変形、収縮若しくは伸びを生じないことが好ましい。そのような仮支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等を挙げることができ、中でも2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
仮支持体の厚みには特に限定はないが、5〜300μmが好ましく、20〜200μmがより好ましい。本発明の製造方法では、後述する(D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程において、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を他の転写材料の層から剥離するときにおける前記仮支持体の剥離のし易さや、強度を高める観点から、20〜200μmであることが特に好ましい。
また、仮支持体は透明でもよいし、染料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩などを含有していてもよい。
また、仮支持体には、特開2005−221726号公報に記載の方法などにより、導電性を付与することができる。
−保護フィルム−
前記転写材料には、貯蔵の際の汚染や損傷から保護するために前記硬化性樹脂層を覆うようにして、保護フィルム(保護フィルム、カバーフィルムとも言う)が設けられる。前記保護フィルムは仮支持体と同じか又は類似の材料からなってもよいが、前記硬化性樹脂層から容易に分離されねばならない。前記保護フィルムの材料としては例えばシリコーン紙、ポリオレフィンフィルム若しくはポリテトラフルオロエチレンシートが好ましい。
前記保護フィルムのヘイズ度の最大値は3.0%以下であることが好ましく、前記着色硬化性樹脂層の現像後の白抜け発生をより効果的に抑制する観点からは、2.5%以下が好ましく、2.0%以下がより好ましく、1.0%以下が特に好ましい。
本発明において、前記保護フィルムの厚みは1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが特に好ましい。この厚みが1μm以上であれば前記保護フィルムの強度が十分なため、硬化性樹脂層にカバーフィルムを張り合わせる際に、前記保護フィルムが破断しにくい。100μm以下であると前記保護フィルムの価格が高くならず、また、前記保護フィルムをラミネートする際にシワが発生しにくい。
このような保護フィルムは市販のものとして、例えば、王子製紙(株)製アルファンMA−410、E−200C、E−501、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム、帝人(株)製PS−25等のPSシリーズなどのポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられるがこれに限られたものではない。また、市販のフィルムをサンドブラスト加工することにより、簡単に製造することが可能である。
本発明においては、前記保護フィルムとしてポリオレフィンフィルムを用いることがより好ましく、ポリエチレンフィルムを用いることが特に好ましい。また前記保護フィルムとして用いられるポリオレフィンフィルムは、原材料を熱溶融し、混練、押し出し、2軸延伸、キャスティングまたはインフレーション法によって製造されることが好ましい。
−熱可塑性樹脂層−
前記転写材料は、熱可塑性樹脂層を少なくとも1層有していてもよい。該熱可塑性樹脂層は、前記仮支持体と前記硬化性樹脂層との間に設けられることが好ましい。すなわち、前記転写材料は、前記仮支持体、前記熱可塑性樹脂層、前記硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含むことが好ましい。
前記熱可塑性樹脂層に用いる成分としては、特開平5−72724号公報に記載されている有機高分子物質が好ましく、ヴイカーVicat法(具体的にはアメリカ材料試験法エーエステーエムデーASTMD1235によるポリマー軟化点測定法)による軟化点が約80℃以下の有機高分子物質より選ばれることが特に好ましい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル或いはそのケン化物の様なエチレン共重合体、エチレンとアクリル酸エステル或いはそのケン化物、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル及びそのケン化物の様な塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なスチレン共重合体、ポリメチルスチレン、メチルスチレンと(メタ)アクリル酸エステル或いはそのケン化物の様なメチルスチレン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル共重合体ナイロン、共重合ナイロン、N−アルコキシメチル化ナイロン、N−ジメチルアミノ化ナイロンの様なポリアミド樹脂等の有機高分子が挙げられる。
熱可塑性樹脂層の厚みは1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましい。熱可塑性樹脂層の厚みが1〜100μmの範囲では、基材上に凹凸がある場合であっても該凹凸を完全に吸収することができる。
−中間層−
前記転写材料は、複数の塗布層の塗布時、及び塗布後の保存時における成分の混合を防止する目的から、中間層を少なくとも1層有していてもよい。該中間層は、前記仮支持体と前記硬化性樹脂層との間(前記熱可塑性樹脂層を有する場合には、該熱可塑性樹脂層と前記硬化性樹脂層との間)に設けられることが好ましい。すなわち、前記転写材料は、前記仮支持体、前記熱可塑性樹脂層、中間層、前記硬化性樹脂層および前記剥離保護層をこの順で含むことが好ましい。
該中間層としては、特開平5−72724号公報に「分離層」として記載されている、酸素遮断機能のある酸素遮断膜を用いることが好ましく、この場合、露光時感度がアップし、露光機の時間負荷が減り、生産性が向上する。
該酸素遮断膜としては、低い酸素透過性を示し、水又はアルカリ水溶液に分散又は溶解するものが好ましく、公知のものの中から適宜選択することができる。これらの内、特に好ましいのは、ポリビニルアルコールとポリビニルピロリドンとの組み合わせである。
中間層の厚みは、0.1〜5.0μmが好ましく、0.5〜2.0μmがより好ましい。0.1〜5.0μmの範囲では熱可塑性樹脂層と硬化性樹脂層とが混合することもなく、現像時または中間層除去時に時間がかかりすぎることもない。
<転写材料の製造方法>
以上で説明した本発明の製造方法に用いられる転写材料を製造する方法としては、特に限定はないが、例えば特開2005−3861号公報の段落[0064]〜[0066]に記載の工程によって製造することができる。また、本発明の製造方法に用いられる転写材料は、例えば特開2009−116078号公報に記載の方法で作成することもできる。
本発明の製造方法に用いられる転写材料の製造方法の一例としては、仮支持体上に樹脂組成物を塗布し、乾燥させて硬化性樹脂層を形成する工程と、形成された前記硬化性樹脂層を前記保護フィルムで覆う工程と、を有して構成される方法が挙げられる。
ここで、硬化性樹脂層は2層以上形成してもよい。また、硬化性樹脂層の形成前に、熱可塑性樹脂層及び/又は中間層(酸素遮断層)を塗布形成してもよい。
仮支持体上に、前記硬化性樹脂層形成用の組成物、前記熱可塑性樹脂層形成用の塗布液、前記中間層形成用の塗布液を塗布する方法としては公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて、それらの塗液を塗布し、乾燥させることにより形成できる。
(溶剤)
前記転写材料の硬化性樹脂層を形成するための硬化性組成物(感光性組成物であることが好ましい)は、硬化性組成物に含まれる各成分と共に溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、並びに、3−オキシプロピオン酸メチル及び3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル)、並びに、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、及び2−オキシプロピオン酸プロピルなどの2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル)、並びに、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;
エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;
ケトン類、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;
芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記保護フィルムで前記硬化性樹脂層を覆う方法としては特に限定はないが、仮支持体上の硬化性樹脂層に前記保護フィルムを重ね、圧着する方法を用いることができる。
圧着には、ラミネーター、真空ラミネーター、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
前記圧着の条件としては、雰囲気温度20〜45℃、線圧1000〜10000N/mが好ましい。
(切り込みを入れる方法)
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法における前記(A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる方法としては、特に制限はない。
図3に、転写材料30に対して、保護フィルム29および硬化性樹脂層24を厚み方向に貫通し、かつ仮支持体26を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れたときの転写材料の断面の概略図を示した。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、転写材料の面内方向に直線部分(本明細書中、「直線部分」とは直線状の部分を意味し、線分と同義である)を有するように入れることが好ましく、面内方向に4カ所以上直線部分を有するように入れることがより好ましい。なお、前記転写材料への切り込みは、「大半径の円弧」や「正弦波」で構成することもできるが、本発明の製造方法は特に直線部分を有する切り込みを入れるときに有用である。
前記転写材料への切り込みの深さとしては、前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである。このような深さの切り込みを入れることをハーフカットともいう。
本発明の製造方法は、前記転写材料への切り込みを、前記仮支持体の前記保護フィルム側から厚み方向に向かって、前記仮支持体の厚さの0〜67%の深さまで入れることが、後述の(D)工程で安定的に記前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除くことができる観点から好ましく、前記仮支持体の厚さの0〜60%の深さまで入れることがより好ましい。特に、前記転写材料が熱可塑性樹脂層や中間層を有する場合は、前記仮支持体の厚さの0%の深さ(前記仮支持体に切り込みが到達していない深さ)であっても、本発明の効果を得られる。
本発明の製造方法は、前記ハーフカット方法において切り込みを入れる方法としては特に制限は無く、刃などの機械式ハーフカット方法、レーザーなどの光学式ハーフカット方法なお、任意の方法で切り込みを入れることができる。また、刃の構造は特に限定されることはない。
機械式ハーフカット方法としては、例えば、トムソン刃、ダイカットロールによるハーフカットが挙げられる。
光学式ハーフカット方法としては、CO2レーザーカッターを上げることができる。
また、毎葉式でも連続式(ロールトゥロール式)でもよい。
前記転写材料が、例えば、仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、硬化性樹脂層、保護フィルムの順に積層されて構成されるとき、例えば、刃もしくはレーザーを用いて、保護フィルムの上から、保護フィルム、硬化性樹脂層、中間層を貫き、熱可塑性樹脂層の一部にまで至る切り込みを入れることで、転写する硬化性樹脂層(画像部)と転写しない硬化性樹脂層(非画像部)の間を分離することができる。
これらの中でも、トムソン刃加工またはレーザー光加工から選ばれる方法で前記切り込みを入れることが好ましく、トムソン刃加工で前記切り込みを入れることがより好ましい。
ハーフカット方法によってプレカットした場合、硬化性樹脂層の画像部を選択的に基材に転写するには非画像部を転写させない工夫が必要となる。本発明の製造方法では、後述の(B)〜(D)工程により、硬化性樹脂層の所望のパターンを選択的に、高い生産性で、容易に、基材に転写することができる。
<(B)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程を含む。
前記保護フィルムを取り除く(剥離する)方法としては特に制限はなく、公知のテープやその他の粘着材などを用いて取り除く方法などを挙げることができる。
図4に、図3のように保護フィルム29および硬化性樹脂層24を厚み方向に貫通し、かつ仮支持体26を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れた転写材料30から、保護フィルム29を取り除いた後に得られる、転写材料の断面の概略図を示す。図4では、前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、前記転写材料の保護フィルムを残す領域が、前記切り込みで囲まれた部分の内側の領域である態様を示した。前記硬化性樹脂層が、前記着色硬化性樹脂層である場合、このように前記転写材料の保護フィルムを残す領域が、前記切り込みで囲まれた部分の内側の領域であることが、額縁状の加飾材を形成できるように着色硬化性樹脂層のパターンを形成する観点から好ましい。
また、図12に、図3のように保護フィルム29および硬化性樹脂層24を厚み方向に貫通し、かつ仮支持体26を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れた転写材料30から、保護フィルム29を取り除いた後に得られる、転写材料の他の一例の断面の概略図を示す。図12では、前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、前記保護フィルムを残す一部の領域が、前記切り込みで囲まれた部分の外側の領域である態様を示した。前記硬化性樹脂層が、前記透明硬化性樹脂層である場合、このように前記転写材料の保護フィルムを残す領域が、前記切り込みで囲まれた部分の外側の領域であることが、透明電極などのタッチパネル部材のオーバーコートを形成できるように透明硬化性樹脂層のパターンを形成できる観点から好ましい。
<(C)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程を含む。
図5に、図4に示した前記(B)工程後の転写材料を用いて、前記(C)工程を行った後の態様を示した。
図13に、図12に示した前記(B)工程後の転写材料を用いて、前記(C)工程を行った後の態様を示した。
図5および図13中、基材1は前記保護フィルムの残った領域の保護フィルム29と隣接する一方で、基材1は前記硬化性樹脂層が露出した領域の硬化性樹脂層24と隣接する。このような構成とすることで、前記保護フィルムの残った領域の保護フィルム29が基材1に貼り付けられずに後述の(D)工程で基材1から容易に剥離でき、かつ、前記硬化性樹脂層が露出した領域の硬化性樹脂層24を基材1に十分に貼り付けて後述の(D)工程で基材1から剥離しないようにすることができる。
(ラミネート方法)
前記(C)工程は、公知のラミネート方法を用いることが好ましい。
硬化性樹脂層の基材表面への転写(貼り合わせ)は、硬化性樹脂層を基材表面に重ね、加圧、加熱することに行われる。貼り合わせには、ラミネーター、真空ラミネーター、および、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。
ラミネート方法は、ハーフカットした加飾材料の硬化性樹脂層を基材に転写することから、毎葉式であることが精度良く貼りつけることができ、基材と加飾材料の硬化性樹脂層間に気泡が入にくくなり、得率を上げられる観点から好ましい。
具体的には、真空ラミネーターの使用を好ましく挙げることができる。
ラミネート(連続式/枚葉式)に用いられる装置としては、例えば、クライムプロダクツ株式会社製 V−SE340aaHなどを挙げることができる。
真空ラミネーター装置としては、例えば、高野精機有限会社製のものや、大成ラミネーター株式会社製、FVJ−540R、FV700などを挙げることができる。
本発明の製造方法は、(C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を、50〜130℃に加熱した基材に圧着して貼り付ける(ラミネートする)ことが好ましい。前記ラミネート時の温度が50℃以上であれば、前記硬化性樹脂層と前記基材が十分に接着でき、好ましい。前記ラミネート時の温度が130℃以下であれば、前記保護フィルムと前記基材が接着されにくく、また、前記基材が変形などのダメージを受けず、好ましい。前記ラミネート時の温度は、60〜120℃であることがより好ましく、70〜110℃であることが特に好ましい。なお、ラミネート時の温度を制御する方法は、上述のように基材を予備加熱する方法以外の方法でもよい。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、前記転写材料を基材に貼り付ける前に、前記仮支持体の前記着色剤と反対側に、さらに支持体を積層する工程を含むことが、ラミネート時に気泡を入れないという好ましい効果を得ることが出来ることがあるため好ましい。このときに用いる支持体としては特に制限はないが、例えば、以下のものを挙げることができる。
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー。
また、このときに用いる支持体の膜厚は、50〜200μmの範囲で選ぶことが出来る。
(基材)
本発明に用いる基材には、種々のものを用いることが出来るが、光学的に歪みがないものや、透明度が高いものを用いることがより好ましい。本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、前記基材は、全光透過率が、80%以上であることが好ましい。
前記基材は、フィルム基材であっても、ガラス基材であってもよい。
前記基材がフィルム基材である場合の具体的な素材には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーをあげることができる。本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーから選ばれる樹脂を主成分とするフィルム基材またはガラス基材であることが好ましく、TAC、PET、PCまたはCOPから選ばれる樹脂を主成分とするフィルム基材であることがより好ましい。なお、フィルム基材の主成分とは、フィルム基材の50質量%以上を占める成分のことを言う。
また、基材表面には、種々の機能を付加しても良い。具体的には、反射防止層、防眩層、位相差層、視野角向上層、耐傷層、自己修復層、帯電防止層、防汚層、防電磁波層、導電性層をあげることができる。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、前記基材は、さらに導電性層を有することが好ましい。前記導電性層としては、特表2009−505358号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、前記基材は、さらに少なくとも、耐傷層および防眩層のうち少なくとも一つを有することが好ましい。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、前記基材は、膜厚が40〜200μmであることが好ましく、40〜150μmであることがより好ましく、50〜120μmであることが特に好ましい。
また、転写工程におけるラミネートによる硬化性樹脂層の密着性を高めるために、予め基材(前面板)の非接触面に表面処理を施すことができる。前記表面処理としては、シラン化合物を用いた表面処理(シランカップリング処理)を実施することが好ましい。シランカップリング剤としては、硬化性樹脂層に用いられる感光性樹脂と相互作用する官能基を有するものが好ましい。例えばシランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄する。この後、加熱により反応させる。加熱槽を用いてもよく、ラミネーターの基材予備加熱でも反応を促進できる。
一方、前記基材がガラスである場合は、シランカップリング処理をガラス表面に施さない方が、前記保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムを、前記基材から容易に剥離できる観点から好ましい。
<(D)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程を含む。
図6に、図5に示した前記(C)工程後の転写材料および基材の積層体を用いて、前記(D)工程を行い、前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層(着色硬化性樹脂層)および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層(着色硬化性樹脂層)が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く方法を示した。また、図7に、図6に示した前記(D)工程を行った後の態様を示した。
図14に、図13に示した前記(C)工程後の転写材料および基材の積層体を用いて、前記(D)工程を行い、前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層(透明硬化性樹脂層)および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層(透明硬化性樹脂層)が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除いた後の態様を示した。また、図15に、図14に示した前記(D)工程を行った後の態様を示した。
前記保護フィルムの残った領域の保護フィルムと前記基材との間の剥離力d1、前記硬化性樹脂層が露出した領域の硬化性樹脂層と前記基材との間の剥離力d2、前記硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体と該仮支持体に隣接するその他の層との間の剥離力d3において、d1<d3<d2の関係が成立するように各層の物性を制御することが、前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除きやすい観点から好ましい。さらに、d1+d3<d2の関係が成立することがより好ましい。なお、本発明では、各層間の剥離力の関係の代わりに、各層間の接着力の関係を制御してもよい。
前記(C)工程後の転写材料および基材の積層体は、このような(D)工程の前に、前記転写材料の前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を、前記転写材料の該仮支持体に隣接するその他の層から剥離しやすくなるように前処理することが好ましい。例えば、前記転写材料が、前記仮支持体、前記熱可塑性樹脂層、中間層、前記硬化性樹脂層、および前記保護フィルムをこの順で含む場合、前記仮支持体を前記熱可塑性樹脂から剥離しやすくなるように前処理することが好ましい。前記転写材料の前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を、前記転写材料のその他の層から剥離しやすくする前処理の方法としては特に制限はなく、刃(例えば、薄刃カミソリ)を用いて、前記仮支持体と前記その他の層の間に切り込みを入れる方法などを挙げることができる。
前記(C)工程後の転写材料および基材の積層体は、前記保護フィルムの残った領域の保護フィルムと前記基材とが貼り付けられておらず、容易に剥離される。そのため、前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルムはこのような(D)工程によって、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体と同時に容易に取り除かれる。
前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く方法としては、特に制限はない。例えば、前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体と前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体の少なくとも一方について、仮支持体の熱可塑性樹脂層が積層された面の反対側の面の任意の領域に貼り付けた粘着材(例えば、粘着テープ)を用いる方法を挙げることができる。この場合、粘着材と仮支持体との間の剥離力d4について、d1<d3<d4の関係が成立するような粘着材を用いることが好ましい。
<(E)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含む。
図8に、基材1に貼りつけられ、前記仮支持体を取り除かれた図7の構成の前記転写材料の前記硬化性樹脂層(着色硬化性樹脂層)を硬化して硬化樹脂層(加飾材)を形成した後の態様を示す。
また、図16に、前記基材1に貼りつけられ、前記仮支持体を取り除かれた図15の構成の前記転写材料の前記硬化性樹脂層(透明硬化性樹脂層)を硬化して硬化樹脂層(オーバーコート層)を形成した後の態様を示す。
本発明の製造方法で得られる硬化樹脂層付き基材は、図8および16における硬化樹脂層の直線部分における直線性が高いことが好ましく、特に図8における加飾材2の枠内部21の直線部分における直線性が高いことがより好ましい。
本発明の製造方法に用いられる転写材料は、硬化性樹脂層が光硬化性樹脂や重合性単量体を含んでいても含んでいなくてもよく、いずれの場合でも前記硬化性樹脂層のパターンを硬化して硬化樹脂層を形成することができる。
一般的な転写材料を用いる場合、硬化性樹脂層が重合性単量体を含んでいれば通常のフォトリソグラフィーの方法、すなわち、パターン露光工程および現像工程によって硬化樹脂層を形成することができるが、本製造方法では(パターン)露光工程および現像工程は必ずしも含まなくてもよい。
前記露光工程は、基材上に転写された前記硬化性樹脂層を露光する工程である。
具体的には、予め(A)〜(C)で形成した、前記仮支持体、熱可塑性樹脂層、および中間層を介して露光する方法、または(A)〜(D)工程で形成した、熱可塑性樹脂層、および中間層を介して露光する方法が挙げられる。
ここで、前記露光の光源としては、前記硬化性樹脂層を硬化しうる波長域の光(例えば、365nm、405nmなど)を照射できるものであれば適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。露光量としては、通常5〜3000mJ/cm2程度であり、好ましくは10〜1500mJ/cm2程度である。
尚、パターニング露光は、マスクを介したアナログ露光でもよいし、レーザー等を用いたデジタル露光でもよいが、製造コストの点でマスクなしでのアナログ一括露光が好ましい。
本発明では、前記現像工程は、露光された前記硬化性樹脂層を現像液によって現像する狭義の意味の現像ではなく、熱可塑性樹脂層や中間層を除去する工程である。
前記転写材料が熱可塑性樹脂層や中間層を含む場合は、前記(E)工程の後、熱可塑性樹脂層と中間層を除去することで硬化樹脂層パターンを形成することが好ましい。現像の後、必要に応じて、ポスト露光、ポストベークを行ってもよく、ポストベークを行うことが好ましい。
(熱可塑性樹脂層を除去する工程、中間層を除去する工程)
熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程により、図7および図15のように基材1上に、硬化性樹脂層24、熱可塑性樹脂層27および中間層28を有する構成の積層体から、熱可塑性樹脂層27および中間層28を取り除いて、図8および図16のように基材1に硬化性樹脂層24が積層された態様とすることができる。
前記熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程は、一般にフォトリソ方式で使用されるアルカリ現像液を用いて行うことができる。前記アルカリ現像液としては、特に制約はなく、特開平5−72724号公報に記載のものなど、公知の現像液を使用することができる。尚、現像液は硬化性樹脂層が溶解しない型の現像挙動をするものが好ましく、例えば、pKa=7〜13の化合物を0.05〜5mol/Lの濃度で含むものが好ましいが、更に水と混和性を有する有機溶剤を少量添加してもよい。水と混和性を有する有機溶剤としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ベンジルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、乳酸エチル、乳酸メチル、ε−カプロラクタム、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。該有機溶剤の濃度は0.1質量%〜30質量%が好ましい。
また、前記アルカリ現像液には、更に公知の界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の濃度は0.01質量%〜10質量%が好ましい。
必要に応じて、ブラシや高圧ジェットなどの公知の現像設備を組み合わせてもよい。
前記熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程の方式としては、パドル、シャワー、シャワー&スピン、ディップ等のいずれでもよい。ここで、前記シャワーについて説明すると、熱可塑性樹脂層や中間層を、現像液をシャワーにより吹き付けることにより除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦ったり、高圧ジェットにより、残渣を除去することが好ましい。液温度は20℃〜40℃が好ましく、また、pHは8〜13が好ましい。
(ポストベーク工程)
前記転写工程後にポストベーク工程を含むことが好ましく、前記熱可塑性樹脂層と中間層を除去工程後にポストベークを行う工程を含むことがより好ましい。
前記ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよいが、空気環境下で行うことが、特別な減圧装置を用いることなく製造コストを低減できる観点から特に好ましい。
(その他の工程)
本発明の製造方法は、ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。
前記着色層が光硬化性樹脂層を有する場合に前記加飾層を形成するときは、ポスト露光工程を含んでもよい。前記ポスト露光工程は前記着色層の前記基材と接している側の表面方向のみから行っても、前記透明基材と接していない側の表面方向のみから行っても、両面方向から行ってもよい。
なお、前記露光工程、現像工程、前記熱可塑性樹脂層と中間層を除去する工程、およびその他の工程の例としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0035]〜[0051]に記載の方法を本発明においても好適に用いることができる。
<(F)工程>
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法は、(F)前記加飾材が形成された部分と前記加飾材が形成されていない部分とを含む領域の外周部を切り取る工程を、さらに含むことが好ましい。
前記(F)工程は、前記硬化性樹脂層が着色硬化性樹脂層である場合、(F−1)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記硬化樹脂層および前記基材を厚み方向に貫通させて切り取る工程であることがより好ましい。例えば、図9(A)に記載の硬化樹脂層付き基材に対して、前記加飾材が形成された部分と前記加飾材が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記硬化樹脂層および前記基材を厚み方向に貫通させて切り取ることができる。なお、図9(A)で硬化樹脂層付き基材に対して切り込み51を入れた部分は、転写材料の状態では図1における一点鎖線の領域に相当する。
前記加飾材が形成された部分とは、図9(A)の加飾材2が形成された部分を、厚み方向へ投影した領域を示す。また、前記加飾材2が形成されていない部分とは、図9(A)において基材1が見えている部分を示す。
前記(F)工程は、前記硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層である場合、(F−2)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記基材を厚み方向に貫通する切り込みを入れて切り取る工程であることがより好ましい。例えば、図17(A)に記載の硬化樹脂層付き基材に対して、前記オーバーコート層が形成された部分と前記オーバーコート層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記基材(オーバーコート層が形成されていない部分)を厚み方向に貫通させて切り取ることができる。なお図17(A)で硬化樹脂層付き基材に対して切り込み51を入れた部分は、転写材料の状態では図11における一点鎖線の領域に相当する。
前記加飾材が形成された部分とは、図17(A)のオーバーコート層7が形成された部分を、厚み方向へ投影した領域を示す。また、前記オーバーコート層7が形成されていない部分とは、図17(A)において基材1が見えている部分を示す。
前記(F)工程により、硬化樹脂層付き基材の枠外部22を、後述するタッチパネルの用途に応じた所望の形状となるように形成することができる。
前記前記加飾材硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を切り取る方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。
本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法では、硬化樹脂層付き基材は、前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、トムソン刃加工およびレーザー光加工から選ばれる方法で切り取ることが好ましい。
また、硬化樹脂層料付きの基材の前記(F)工程(切り出し)でも、前記転写材料のハーフカットにおける枚葉式の方法と同様の方法を使用することが出来る。
前記ポスト露光、ポストベーク工程は(F)工程の後に行ってもよい。
[タッチパネル]
本発明のタッチパネルは、本発明の硬化樹脂層付き基材を有することを特徴とする。
このようなタッチパネルは、静電容量型入力装置であることが好ましい。
《静電容量型入力装置、静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置》
<静電容量型入力装置の構成>
まず、本発明の硬化樹脂層付き基材を有する本発明の静電容量型入力装置の構成について説明する。ただし、本発明は、以下の静電容量型入力装置の具体的な構成によって制限されるものではない。
本発明の硬化樹脂層付き基材における「基材」とは、以下に説明する可撓性支持体または前面板(ガラス)のみを意味するものではなく、可撓性支持体または前面板(ガラス)の上に他の部材を有するものも含まれる。例えば、前面板(ガラス)1’と可撓性支持体1の積層体を本発明の硬化樹脂層付き基材における前記基材として用いてもよく、可撓性支持体1の上に加飾材2が形成されたものを本発明の硬化樹脂層付き基材における前記基材として用いてもよい。
同様に、可撓性支持体1の上に加飾材2が形成されたものを本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法における前記基材として用い、その上に前記転写材料の前記硬化性樹脂層を用いてオーバーコート層7を硬化樹脂層として形成する態様も、本発明の硬化樹脂層付き基材の製造方法に含まれる。
図18A〜図18Dは、本発明の静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。
図18Aにおいて静電容量型入力装置10は、基材(可撓性支持体)1と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、導電性要素6と、透明保護層(オーバーコート層)7と、透明接着剤層14と、前面板(ガラス)1’と、加飾材(マスク層)2と、カバーガラス13から構成されている。
図18Bにおいて静電容量型入力装置10は、基材(可撓性支持体)1と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層(オーバーコート層)7と、透明接着剤層14と、前面板(ガラス)1’と、加飾材(マスク層)2と、カバーガラス13から構成されている。
図18Cにおいて静電容量型入力装置10は、基材(可撓性支持体)1と、加飾材(マスク層)2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層(オーバーコート層)7と、透明接着剤層(不図示)と前面板(ガラス)1’から構成されている。
図18Dにおいて静電容量型入力装置10は、基材(可撓性支持体)1と、加飾材(マスク層)2と、第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、絶縁層5と、導電性要素6と、透明保護層(オーバーコート層)7から構成されている。
図18A、図18Bの静電容量型入力装置は、基材1として可撓性支持体を用いることにより、薄層化/軽量化を達成することができる。
特に、図18A、図18Bの静電容量型入力装置は、後述する前面板(ガラス)1’の代わりに可撓性支持体1を用いて構成することにより、大幅な薄層化/軽量化を達成することができる。このような構成の本発明の静電容量型入力装置10においては、基材(可撓性支持体)1が最外部に配置されている場合は、基材(可撓性支持体)1の接触面(前面層1の各要素が設けられている側(非接触面)の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
但し、図18A、図18Bの静電容量型入力装置は、可撓性支持体1に加えて、前面板(ガラス)1’も有していてもよく、その場合でも前面板(ガラス)1’のみを基板として用いる場合に比べると薄層化/軽量化を達成することができる。可撓性支持体上に黒色層を形成してガラス基板上に透明電極パターンを形成する場合、以下の理由によってガラス上に黒色層と透明電極パターンを両方形成する場合よりも、装置全体として薄層/軽量化が達成できる。黒色層を形成した可撓性支持体を前面板に貼り合せることにより、前面板の強度が増すために、前面板を薄層/軽量化することができる。
前面板1’は、フィルム基材等の透光性基材で構成されていることが好ましい。また、フィルム基材の電極の反対側に、更にカバーガラス1’を設けることが出来る。ガラス基材としては、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、前面板1の各要素が設けられている側を非接触面1aと称する。本発明の静電容量型入力装置10においては、可撓性支持体1よりも前面板1’が外部に配置されている場合は、前面板1’の接触面(1a非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。以下、前面板を、「基材」と称する場合がある。
また、前面板1の非接触面上には加飾層2が設けられている。加飾層2は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにする目的や、加飾を目的として形成される。
本発明の静電容量型入力装置10には、不図示の配線取出し口を設けることができる。配線取出し部を有する静電容量型入力装置の硬化樹脂層付き基材を形成する場合、加飾層形成用液体レジストやスクリーン印刷インクを用いて加飾層2を形成しようとすると、配線取出し部からのレジスト成分のモレや、加飾層でのガラス端からのレジスト成分のはみ出しを生じ、基材裏側を汚染してしまうという問題が起こることがあるが、配線取出し部を有する硬化樹脂層付き基材を用いる場合、このような問題も解決することができる。
可撓性支持体1および/または前面板1’の非接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン3と、第一の透明電極パターン3と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン4と、必要に応じて第一の透明電極パターン3と第二の透明電極パターン4を電気的に絶縁する絶縁層5とが形成されていることが好ましい。前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、後述する導電性要素6とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、前記第一の透明電極パターン3と、第二の透明電極パターン4と、導電性要素6とは、前記導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落[0014]〜[0016]等を参考にすることができる。
但し、本発明の静電容量型入力装置は、上記の説明に制限されることはなく、前記第二の透明電極パターンは、透明ではない電極パターンであってもよい。
また、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方は、可撓性支持体1および/または前面板1’の非接触面、ならびに、加飾材2の可撓性支持体1および/または前面板1’とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図18Cおよび図18Dにおいては、第二の透明電極パターンが、可撓性支持体1の非接触面および加飾材2の可撓性支持体1とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。このように、一定の厚みが必要な加飾材2と可撓性支持体1裏面とにまたがって転写材料をラミネートする場合でも、前記熱可塑性樹脂層を有する感光性フィルムを用いることで真空ラミネータなどの高価な設備を用いなくても、簡単な工程で加飾材の部分境界に泡の発生がないラミネートが可能になる。
図18A〜図18Dにおいて、加飾材2の正射影上には導電性要素6が設置されている。導電性要素6は、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4の少なくとも一方に電気的に接続され、且つ、第一の透明電極パターン3および第二の透明電極パターン4とは別の要素である。図18A〜図18Dにおいては、導電性要素6が第二の透明電極パターン4に接続されている図が示されている。
但し、本発明の静電容量型入力装置は、上記の説明に制限されることはなく、前記導電性要素は、静電容量型入力装置に含まれていなくてもよい。
また、図18A〜図18Dにおいては、各構成要素の全てを覆うようにオーバーコート層(透明保護層)7が設置されている。オーバーコート層(透明保護層)7は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層5とオーバーコート層(透明保護層)7とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。絶縁層5とオーバーコート層(透明保護層)7とを構成する材料としては、表面硬度、耐熱性が高いものが好ましく、公知の感光性シロキサン樹脂材料、アクリル樹脂材料などが用いられる。
本発明の静電容量型入力装置においては、本発明の製造方法における転写材料を用いて前記硬化性樹脂層を基材(可撓性支持体1および/または前面板1’)に転写することで形成された硬化樹脂層が、加飾材(マスク層)2、絶縁層5、オーバーコート層(透明保護層)7の少なくとも一要素であることが好ましい。
前記加飾材2、絶縁層5およびオーバーコート層(透明保護層)7は、本発明の製造方法における転写材料を用いて前記硬化性樹脂層を基材上に転写することで形成することができる。例えば、加飾材2として黒色のマスク層を形成する場合には、前記硬化性樹脂層として黒色硬化性樹脂層を有する本発明の製造方法における転写材料を用いて、前記基材の表面に前記黒色硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。絶縁層5を形成する場合には、前記硬化性樹脂層として絶縁性の硬化性樹脂層を有する本発明の製造方法における転写材料を用いて、第一の透明電極パターンが形成された前記基材の表面に前記硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。透明保護層7を形成する場合にも、前記硬化性樹脂層として透明の硬化性樹脂層を有する本発明の製造方法における転写材料を用いて、各要素が形成された前記基材の表面に前記硬化性樹脂層を転写することで形成することができる。
前記静電容量型入力装置、および当該静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置は、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
[モバイル機器、画像表示装置]
本発明のモバイル機器または画像表示装置は、本発明のタッチパネルを有することを特徴とする。
本発明のタッチパネルを使用することができるモバイル機器または画像表示装置の例としては、例えば、以下の例を挙げることができる。
iPhone4、iPad(以上、米国 アップル社製)、Xperia(SO−01B)(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーション社製)、Galaxy S(SC−02B)、Galaxy Tab(SC−01C)(以上、韓国 サムスン電子社製)、BlackBerry 8707h(加国 リサーチ・イン・モーション社製)、Kindle(米国 アマゾン社製)、Kobo Touch(楽天株式会社製)。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。下記実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は、本発明の範囲から逸脱しない限り適宜変更することができ、したがって本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例において、特に断りのない限り、「%」及び「部」はいずれも質量基準であり、分子量は重量平均分子量を表す。
まず、以下の顔料分散物を調製した。
[調製例1]
(黒色顔料分散物1:K1)
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) : 13.1質量%
・下記分散剤1 : 0.65質量%
・ポリマー : 6.72質量%
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物、
重量平均分子量3.7万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 79.53質量%
[調製例2]
(黒色顔料分散物2:K2)
黒色顔料分散物2として、FP Black GB4051(山陽色素株式会社製)を用いた。なお、FP Black GB4051は、以下の組成である。
黒色顔料(カーボンブラック) 25.0質量%
分散剤 2.0質量%
樹脂 7.5質量%
分散溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)65.5質量%
[調製例3]
(黒色顔料分散物3:K3)
・チタンブラック13M(三菱マテリアル製) : 25.0質量%
・ソルスパース24000(日本ルーブリゾール株式会社製) : 5.0質量%
・メトキシプロピルアセテート : 70.0質量%
[調製例4]
(赤色顔料分散物:R)
赤色顔料分散物Rは、下記組成となるように顔料、ポリマー及び溶剤を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて調製した。
〈赤顔料分散物Rの組成〉
・赤色顔料(C.I.ピグメントレッド177) : 18質量%
・ポリマー : 12質量%
(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比のランダム共重合物
、重量平均分子量3.7万)
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 70質量%
[調製例5]
(白色顔料分散物:W)
白色顔料分散剤Wとして、以下3成分を混合し、3本ロールとビーズミルを用いて調製した。
白色顔料 酸化チタン JR−805(テイカ株式会社製) 853.5g
メチルエチルケトン 336g
分散剤 ソルスパース32000(日本ルーブリゾール株式会社製) 25.5g
調製例1〜5で調製した顔料分散物を用いて、転写材料の着色層形成用の塗布液として、以下の塗布液を調製した。
[調製例11]
(黒塗布液1:Kの調製)
黒色顔料分散物1 312g
赤色顔料分散物R 33.2g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート 61.9g
メチルエチルケトン 340g
シクロヘキサノン 85.1g
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸ランダム共重合体
(モル比78/22、重量平均分子量 38,000
27質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
108g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製
76質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
54.8g
フェノチアジン 0.057g
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−N,N−(ビス(エトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル)−s−トリアジン
4.48g
メガファックF780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.6g
[調製例12]
(ピンク塗布液:W/R=99/1(質量比)の調製)
白色顔料分散物W 310g
赤色顔料分散物R 12.2g
メチルエチルケトン 147g
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸ランダム共重合体
(モル比72/28、重量平均分子量 37,000
40.5質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
376g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製
76質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
156g
LUNAR6(DKSH社製) 0.4g
メガファックF780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 2.0g
[調製例13]
(灰色塗布液:W/K=96/4(質量比)の調製)
白色顔料分散物W 388g
黒色顔料分散物3(CDP−K106) 48.5g
メチルエチルケトン 483g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製
76質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
50.4g
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸ランダム共重合体
(モル比78/22、重量平均分子量 38,000
27質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
153g
イルガキュア907(BASF社製) 4.11g
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.053g
メガファックF780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 1.61g
[調製例14]
(白塗布液の調製)
白色顔料分散物W 388g
メチルエチルケトン 483g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製
76質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
50.4g
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸ランダム共重合体
(モル比78/22、重量平均分子量 38,000
27質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
153g
イルガキュア907(BASF社製) 4.11g
ハイドロキノンモノメチルエーテル 0.053g
メガファックF780F(大日本インキ化学工業株式会社製) 1.61g
[調製例15]
(黒塗布液2の調製)
黒塗布液2は、[調製例11]の黒色顔料分散物1 312g、及び赤色顔料分散物R 33.2gの代わりに黒色顔料組成物2を345g使用するほかは、同様に調製を行い、黒塗布液2を得た。
[調製例16]
(黒塗布液3の調製)
黒塗布液3は、[調製例11]の黒色顔料分散物1 312g、及び赤色顔料分散物R 33.2gの代わりに黒色顔料組成物3を345g使用するほかは、同様に調製を行い、黒塗布液3を得た。
[調製例17]
(オーバーコート塗布液の調製)
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート 46.5g
メチルエチルケトン 30.4g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製
76質量% プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート溶液)
2.0g
トリペンタエリスリトールオクタアクリレート
(商品名:V#802(大阪有機化学工業株式会社製)) 2.5g
ウレタンアクリレート
(商品名:UA−32P(新中村化学株式会社製)) 0.9g
バインダー(メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸/メタクリル酸の
グリシジルメタクリレート付加物;30/30/40(モル%)) 17.3g
2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モリホリニル)フェニル]−1−ブタノン
(商品名:Irgacure 379 EG(BASF ジャパン株式会社))
0.23g
2,4−ジエチルチオキサントン
(商品名:KAYACURE DETX−S(日本化薬株式会社製))
0.23g
メガファックF554(大日本インキ化学工業株式会社製) 0.07g
調製例11〜16で調製した塗布液を着色層形成用の塗布液として、調製例17で調製した塗布液をオーバーコート層形成用の塗布液としてそれぞれ用いて、転写材料を作製した。
[作製例1]
<転写材料黒1の作製>
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させた。次に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布、乾燥させた。更に、前記黒塗布液1を塗布、乾燥させた。このようにして仮支持体の上に乾燥膜厚が15.1μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥膜厚が1.6μmの中間層と、乾燥膜厚が2.2μmの着色硬化性樹脂層(黒色の着色硬化性樹脂層)を設け、最後に保護フィルムとして保護フィルム(厚さ12μmポリプロピレンフィルム)を圧着した。こうして仮支持体と熱可塑性樹脂層と中間層(酸素遮断膜)とブラック(K)の着色硬化性樹脂層および保護フィルムとが一体となった転写材料を作製し、サンプル名を転写材料黒1とした。
なお、転写材料黒1の構成は、図2に示す構成である。
(熱可塑性樹脂層用塗布液:処方H1)
・メタノール : 11.1質量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート : 6.36質量部
・メチルエチルケトン : 52.4質量部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=55/11.7/4.5/28.8、
分子量=10万、Tg≒70℃):
5.83質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体
(共重合組成比(モル比)=63/37、重量平均分子量=1万、Tg≒100℃):
13.6質量部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン
(新中村化学工業(株)製): 9.1質量部
・メガファックF780F(大日本インキ化学工業株式会社製):0.54質量部
(中間層用塗布液:処方P1)
・PVA205 : 32.2質量部
(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製、鹸化度=88%、重合度550)
・ポリビニルピロリドン : 14.9質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、K−30)
・蒸留水 : 524質量部
・メタノール : 429質量部
[作製例2]
<転写材料白1の作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「白塗布液」を使用して乾燥膜厚が35.0μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料白1を製造した。
[作製例3]
<転写材料ピンクの作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「ピンク塗布液」を使用して乾燥膜厚が10.0μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料ピンクを製造した。
[作製例4]
<転写材料灰色の作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「灰色塗布液」を使用して乾燥膜厚が5.3μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料灰色を製造した。
[作製例5]
<転写材料黒2の作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「黒塗布液2」を使用して乾燥膜厚が1.8μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料黒2を製造した。
[作製例6]
<転写材料黒3の作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「黒塗布液3」を使用して乾燥膜厚が1.1μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料黒3を製造した。
[作製例7]
<オーバーコート用転写材料の作製>
作製例1において、黒塗布液1の代わりに上記「オーバーコート塗布液」を使用して乾燥膜厚が2.2μmの透明硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、オーバーコート用転写材料を製造した。
[作製例8]
<転写材料灰色/ピンクの作製>
上記作製例4で得られた転写材料灰色を20mJ/cm2(高圧水銀ランプ i線 365nm)で露光したのち、更に作製例3と同様にして上記ピンク塗布液を使用して乾燥膜厚が灰色5.3μmおよびピンク10.0μmの着色硬化性樹脂層を形成する以外は作製例1と同様にして、転写材料灰色/ピンクを製造した。
<転写材料の膜厚/光学濃度>
(転写材料黒1の膜厚および光学濃度の測定)
基材として用いる無アルカリガラス基板を、25℃に調整したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液、商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。この基板(基材)を基材予備加熱装置で100℃2分加熱した。得られたシランカップリング処理ガラス基板(基材)に、作製例1の製法にて作製された転写材料黒1からカバーフィルムを除去し、除去後に露出した硬化性樹脂層の表面と前記シランカップリング処理ガラス基板(基材)の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネーター(株式会社日立インダストリイズ製(LamicII型))を用いて、前記100℃で2分間加熱した基板(基材)に、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分でラミネートした。続いてポリエチレンテレフタレートの仮支持体を、熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社製)で、基板(基材)を垂直に立てた状態で、露光面と硬化性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量70mJ/cm2で露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2(富士フイルム(株)製)を純水で10倍(T−PD2を1部と純水9部の割合で混合)に希釈した液)を30℃で20秒間、フラットノズル圧力0.1MPaでシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、このガラス基板(基材)の上面にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄し、エアを吹きかけて基板(基材)上の液だまりを減らした。
引き続き、界面活性剤含有洗浄液(商品名:T−SD3(富士フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液)を用いて33℃で20秒間、コーン型ノズル圧力0.1MPaにてシャワーで吹きかけ、更にやわらかいナイロン毛を有する回転ブラシにより、形成された膜を擦って残渣除去を行った。さらに、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で超純水を噴射して残渣除去を行い、所望の膜を得た。
次いで、得た膜をガラス基板(基材)ごと、150℃、30分加熱処理したものについて、膜厚と光学濃度を測定した。
結果を以下の表1に示す。
膜厚測定は、テンコールインストルメンツ社製 P−10を用いて行った。
光学濃度測定は、サカタインクス株式会社製 BMT−1を用いて行った。
(その他の転写材料の膜厚および光学濃度の測定)
転写材料黒1の代わりに、作製例2〜8で作製した転写材料を用いた以外は上記の方法と同様にして、その他の転写材料の膜厚および光学濃度の測定を行った。得られた結果を下記表1に示す。
[実施例1]
<転写材料のハーフカット/ラミネート/樹脂・中間層除去/試料完成>
(黒)
A4大の転写材料黒1(図1にその一部を拡大した概略図を示し、図2に図1のX1−X1’での断面の概略図を示す。図1の破線部は転写材料への切り込みを入れる部分を表し、図1の一点鎖線は転写後に基材と加飾材の積層体の枠外部への切り込みを入れる部分を表す。)を、CO2レーザーカッター(クライムプロダクツ株式会社製 L−CPNC550)を用い、保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(黒色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまで切りこみを入れた(図1の破線部および図3参照)。
次に、真空ラミネーター(クライムプロダクツ株式会社製 V−SE340aaH)を用い、基材1であるA4大のPETフィルム(ルミラー(東レ)T60、100μm、全光透過率89%)を90℃に暖めた。次に、転写材料から、上記にて入れた切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した(図4参照)。その後、上記工程で転写材料黒1の保護フィルム29を剥離後に露出した硬化性樹脂層24の表面と前記90℃で予備加熱した基材1(PETフィルム)の表面とを重ね合わせ、上記ラミネーターで図5のように貼り付けた。
次に、上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側において薄刃カミソリを用いて転写材料の仮支持体26を熱可塑性樹脂層27から剥がした。仮支持体26の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面にテープを貼り付けた。図6のように、仮支持体26をテープ(不図示)を用いて剥離することにより、前記熱可塑性樹脂層27から剥がした仮支持体26とともに、保護フィルム29を残した部分(上記にて入れた切り込みで囲われた領域の内側)の仮支持体26、熱可塑性樹脂層27、中間層28、硬化性樹脂層24および保護フィルム29を除去し、図7の構成とした。保護フィルム29を残した部分では保護フィルム29と基材1が上記のラミネート後に接着されておらず、仮支持体26の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープによって、前記熱可塑性樹脂層27から剥がした仮支持体26とともに容易に除去された。
その後、転写材料の熱可塑性樹脂層27側よりUV(i線、40mJ)で全面露光した後、上記転写材料黒1の膜厚および光学濃度の測定でシャワー現像時に用いたPD2液で熱可塑性樹脂層27と中間層28を除去し、引き続き純水で洗浄し、転写材料黒1の着色硬化性樹脂層をPETフィルムに転写した、図8の形状の黒色の着色硬化性樹脂層24付き基材(硬化樹脂層付き基材)を得た。
これを150℃30分加熱した(ポストベーク)。
その後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、図1の一点鎖線部に相当する、基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層24を露光したもの)の積層体の枠外部(外周部)を図9(A)のように打ち抜くことで、図9(B)に示す形状の加飾材黒付きフィルムを得た。枠外部を打ち抜かれた加飾材黒付きフィルムを、加飾材2側から見た形状を図9に示した。なお、図10の形状は、枠外部の縦幅:100mm、枠外部の横幅:60mm、上枠幅:10mm、下枠幅:12mm、左右枠幅:3mm、四隅半径:6mm、配線取り出し部(縦×横):3×5mmである。
得られた加飾材黒付きフィルムを、実施例1の硬化樹脂層付き基材とした。
なお、上記のポストベークや、枠外部の所望の形状への打ち抜きは、本発明では必須の工程ではない。
[実施例2]
(ピンク)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料ピンクを用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(ピンク色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料ピンクから、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料ピンクをPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるように基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材ピンク付きフィルムを得た。
得られた加飾材ピンク付きフィルムを、実施例2の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例3]
(白)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料白1を用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(白色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料白1から、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料白1をPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるように基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材白付きフィルムを得た。
得られた加飾材白付きフィルムを、実施例3の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例4]
(ピンク、灰色逐次)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料ピンクを用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(ピンク色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料ピンクから、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料ピンクをPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。
その後、実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料ピンクを用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(灰色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料灰色から、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料灰色を転写材料ピンクの硬化性樹脂層を転写して得られた硬化性樹脂層(ピンク色の着色硬化性樹脂層)の上に転写し、UV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。
150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるようにPETフィルムと加飾層2(灰色の着色硬化性樹脂層およびピンク色の着色硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材ピンク/灰色付きフィルムを得た。
得られた加飾材ピンク/灰色付きフィルムを、実施例4の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例5]
(ピンク、灰色一括)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料灰色/ピンクを用いる以外は実施例1と同様に、保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(灰色の着色硬化性樹脂層およびピンクの着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料灰色/ピンクから、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料灰色/ピンクをPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるように基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材ピンク/灰色付きフィルムを得た。
得られた加飾材ピンク/灰色付きフィルムを、実施例5の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例6]
(白、灰色逐次:トムソン刃による打ちぬき実施例)
ダイカット装置(MHA−300、株式会社エム・シー・ケー製)に、転写材料が図10の形に枠内部および配線取出し部を打ち抜ける様にトムソン刃を設置し、転写材料白1を保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(白色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした。
ハーフカットした転写材料を、ラミネート装置(V−SE340aaH、クライムプロダクツ株式会社製)で、無アルカリガラス基板(基材;シランカップリング処理なし)上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対して高圧水銀灯でUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。
さらに、転写材料白1と同様にしてトムソン刃で転写材料灰色を、図10の形に枠内部および配線取出し部を、保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(灰色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした。ハーフカットした転写材料灰色から、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料灰色を転写材料白1の硬化性樹脂層を転写して得られた硬化性樹脂層(白色の着色硬化性樹脂層)の上に転写し、UV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。
150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるようにPETフィルムと加飾層2(灰色の着色硬化性樹脂層および白色の着色硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材白/灰色付きフィルムを得た。
得られた加飾材白/灰色付きフィルムを、実施例6の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例7]
(黒)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料黒2を用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(黒色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料黒2から、実施例1切り込みで囲われた領域の内側の保護フィルムを残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の残りの保護フィルムを剥離した。切り込みで囲われた領域の内側に硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料黒2をPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるように基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材黒付きフィルムを得た。
得られた加飾材黒付きフィルムを、実施例7の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例8]
(黒)
実施例1において転写材料黒1の代わりに転写材料黒3を用いる以外は実施例1と同様にして保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(黒色の着色硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまでの切りこみが入るようにハーフカットした転写材料黒3をPETフィルム上に転写し、切り込みで囲われた領域の外側の仮支持体を熱可塑性樹脂層27から剥がしてから仮支持体の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープを用いて保護フィルムの残った領域の仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルム、ならびに、硬化性樹脂層が露出した領域の仮支持体を同時に取り除いた。切り込みで囲われた領域の内側の硬化性樹脂層、中間層および熱可塑性樹脂層に対してUV露光後、熱可塑性樹脂層および中間層を除去した。150℃30分加熱した後、更に、CO2レーザーカッター(上記)を用い、実施例1と同様にして図10の形状となるように基材1(PETフィルム)と加飾層2(硬化性樹脂層)の積層体の枠外部(外周部)のみを打ち抜くことで、図10に示す形状の加飾材黒付きフィルムを得た。
得られた加飾材黒付きフィルムを、実施例8の硬化樹脂層付き基材とした。
[実施例9]
(オーバーコート)
導電性PETとして、導電性層(銀ナノワイヤ、カンブリオス テクノロジーズ コーポレイション)を特表2009−505358号公報の例1の記載にしたがって調製し、ルミラー(東レ)T60、100μmの上に導電性層を積層した、電極パターンを施したPETフィルムを作製した。得られた電極パターンを施したPETフィルムの全光透過率は91%であった。
A4大のオーバーコート用転写材料(図11にその一部を拡大した概略図を示す。図11の点線部は転写材料への切り込みを入れる部分を表し、図11の一点鎖線は転写後に基材とオーバーコート層の積層体の枠外部への切り込みを入れる部分を表す。なお、図11の点線部は、図1の破線部よりもわずかに大きめであり、加飾材の枠内部に少し重ねてオーバーコート層を形成することができる)を、CO2レーザーカッター(クライムプロダクツ株式会社製 L−CPNC550)を用い、保護フィルム側から保護フィルム、硬化性樹脂層(透明硬化性樹脂層)、中間層、熱可塑性樹脂層を貫通し、仮支持体の半分の深さまで切りこみを入れた(図11の点線部および図3参照)。
次に、真空ラミネーター(クライムプロダクツ株式会社製 V−SE340aaH)を用い、上記にて作製したA4大の基材である電極パターンを施したPETフィルム(ルミラー(東レ)T60、100μmに電極パターンを施したもの)を90℃に暖めた。次に、転写材料から、一部の領域の保護フィルムを残して、テープを用いて残りの保護フィルムを剥離した。その後、上記でハーフカットしたオーバーコート用転写材料から、上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側の保護フィルム29を残して、テープを用いて上記にて入れた切り込みで囲われた領域の内側の残りの保護フィルムを剥離した(図12参照)。その後、上記工程で転写材料黒1の保護フィルム29を剥離後に露出した硬化性樹脂層24の表面と前記90℃で予備加熱した基材1(PETフィルム)の表面とを重ね合わせ、上記ラミネーターで図13のように貼り付けた。
次に、上記にて入れた切り込みで囲われた領域の内側において薄刃カミソリを用いて転写材料の仮支持体26を熱可塑性樹脂層27から剥がした。仮支持体26の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面にテープを貼り付けた。図14のように仮支持体26をテープ(不図示)を用いて剥離することにより、前記熱可塑性樹脂層27から剥がした仮支持体26とともに、保護フィルム29を残した部分(上記にて入れた切り込みで囲われた領域の外側)の仮支持体26、熱可塑性樹脂層27、中間層28、硬化性樹脂層24および保護フィルム29を除去し、図15の構成とした。保護フィルム29を残した部分では保護フィルム29と基材1が上記のラミネート後に接着されておらず、仮支持体26の熱可塑性樹脂層27が積層された面の反対側の面に貼りつけたテープによって、前記熱可塑性樹脂層27から剥がした仮支持体26とともに容易に除去された。
その後、実施例1と同様にして、露光、熱可塑性樹脂層と中間層の除去、洗浄を行い、図16の形状の無色透明の硬化性樹脂層付基材を得た。さらに、実施例1と同様にしてポストベークを行った。
更に、CO2レーザーカッター(上記)を用いて図11の点線部に相当する、基材1(PETフィルム)の枠外部(外周部)を図17(A)のように打ち抜くことで、図17(B)に示す形状のオーバーコート付フィルムを得た。
得られたオーバーコート付きフィルムを、実施例9の硬化樹脂層付き基材とした。
[比較例1]
(白(スクリーン印刷))
スクリーン印刷機(DP−320、ニューロング精密工業株式会社製)に、25メッシュのマスクで図10に示す形状の型を作製、設置し、ガラス基板(基材)上に上記にて調製した白塗布液のスクリーン印刷を行った。
得られた加飾材白付きガラス基板を、比較例1の硬化樹脂層付き基材とした。
[比較例2]
(白、灰色逐次(スクリーン印刷))
スクリーン印刷機(DP−320、ニューロング精密工業株式会社製)に、25メッシュのマスクで図10に示す形状に相当する形状の型を作製、設置し、ガラス基板上に上記にて調製した白塗布液のスクリーン印刷を行った。
その後、スクリーン印刷された型の上に、さらに上記にて調製した灰色塗布液のスクリーン印刷を行った。
得られた加飾材白/灰色付きガラス基板を、比較例2の硬化樹脂層付き基材とした。
<評価>
上記で得た硬化樹脂層付き基材(実施例1〜8の加飾材付きフィルム、実施例9のオーバーコート付きフィルムおよび各比較例の加飾材付きガラス基板)の特性の評価方法を以下に示す。
また、得られた結果を下記表2にそれぞれ記載した。
(直線性)
得られた硬化樹脂層付き基材のパターンについて、直線部の直線性を、1mmあたりの凹凸の数で評価した。なお、凹凸は、凹部と凸部の差が60μm以上あるものを対象として数える。測定は、実施例1〜8および各比較例では図1の破線部の上部の枠内部の中央部分について行い、実施例9では図11の点線部の上部の中央部分を転写した部分について行った。
上記表2より、本発明の製造方法で製造された各実施例の硬化樹脂層付き基材は、パターンの直線部の直線性が高いことがわかった。
一方、スクリーン印刷で製造された比較例1および2の硬化樹脂層付き基材材は、いずれもパターンの直線部の直線性が悪いことがわかった。
なお、いずれの硬化樹脂層付き基材も、パターン内に気泡はなく、向かい合う直線部の平行度にも問題ないものであった。
[実施例101]
<基材の変更(実施例)>
(導電性PETフィルムへの転写)
実施例9と同様にして、導電性PETを作製した。
得られた導電性PETの導電層側に、転写材料黒1を転写した以外は実施例1と同様にして、加飾材付きフィルムを製造し、実施例101の硬化樹脂層付き基材とした。
出来上がった実施例101の硬化樹脂層付き基材は、PET上に作製した実施例1のものと変わりないものであった。
[実施例102]
(PCフィルムへの転写)
PC(パンライト(帝人)、PC−2151、125μm、全光透過率86%)に、転写材料黒1を転写した以外は実施例1と同様にして、加飾材付きフィルムを製造し、実施例102の硬化樹脂層付き基材とした。
出来上がった実施例102の硬化樹脂層付き基材は、PET上に作製した実施例1のものと変わりないものであった。
[実施例103]
(TAC防眩性フィルムへの転写)
TAC(CVフィルム(富士フイルム)防眩層、CV付き、CV LU3、80μm、全光透過率90%)の防眩層と反対側に、転写材料黒1を転写した以外は実施例1と同様にして、加飾材付きフィルムを製造し、実施例103の硬化樹脂層付き基材とした。
出来上がった実施例103の硬化樹脂層付き基材は、PET上に作製したものと変わりないものであった。
[実施例104]
(COPフィルムへの転写)
COP(ゼオノア(日本ゼオン)、XF14−100、100μm、全光透過率90%)に、転写材料黒1を転写した以外は実施例1と同様にして、加飾材付きフィルムを製造し、実施例104の硬化樹脂層付き基材とした。
出来上がった実施例104の硬化樹脂層付き基材は、PET上に作製した実施例1のものと変わりないものであった。
[実施例201]
<転写材料黒201の製造方法(中間層無しの実施例)>
仮支持体としてPET(膜厚75μm)を準備し、その上に黒塗布液1を塗布し、得られた黒色の硬化性樹脂層の上に実施例1と同様にして保護フィルムを積層して、転写材料黒201を得た(熱可塑性樹脂層と中間層を積層せず)。実施例1において切り込みで囲われた領域の外側の保護フィルムと熱可塑性樹脂層の間を剥がす代わりに、転写材料黒201の保護フィルムと硬化性樹脂層の間を剥がす以外は実施例1と同様にして、転写材料黒201をガラス基板(基材)上に転写し、150℃で30分加熱した。出来上がったものの膜厚は、2.0μm、光学濃度は4.0であった。
転写材料黒201を、全面露光及び洗浄するほかは、実施例1と同じ操作を行い、実施例201の加飾材黒201付きフィルムを得た。
出来上がった実施例201の硬化樹脂層付き基材は、熱可塑性樹脂層と中間層を有する転写材料黒1を用いた実施例1の硬化樹脂層付き基材の場合とパターンの直線部の直線性に変わりないものであった。
1 基材(可撓性支持体)
1’ 前面板(ガラス)
2 加飾材(マスク層)
3 第一の透明電極パターン
4 第二の透明電極パターン
5 絶縁層(オーバーコート層であってもよい)
6 導電性要素
7 オーバーコート層(透明保護層)
10 静電容量型入力装置
13 カバーガラス
14 透明接着剤層
21 枠内部
22 枠外部
23 配線取出し部
24 硬化性樹脂層(着色硬化性樹脂層または透明硬化性樹脂層であることが好ましい)
26 仮支持体
27 熱可塑性樹脂層
28 中間層
29 保護フィルム
30 転写材料
31 枠外部の縦幅
32 枠外部の横幅
33 上枠幅
34 下枠幅
35 左右枠幅
41 枠内部の縦幅
42 枠内部の横幅
51 切り込み

Claims (19)

  1. (A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
    (B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
    (C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
    (D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
    (E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
    前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含み、
    前記硬化性樹脂層が色材を含む着色硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層が加飾材であり、
    (F−1)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記硬化樹脂層および前記基材を厚み方向に貫通させて切り取る工程を、さらに含むことを特徴とする硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  2. 前記加飾材は、光学濃度が2.6以上であることを特徴とする請求項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  3. 前記加飾材の膜厚は、1.0〜40.0μmであることを特徴とする請求項またはに記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  4. 前記加飾材は、前記基材側より、特定の波長の可視光または可視光の波長領域全体を吸収または散乱して呈色する層と、可視光の波長領域全体にわたって吸収する灰色層を有することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  5. 前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、
    前記転写材料の保護フィルムを残す領域が、前記切り込みで囲まれた部分の内側の領域であることを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  6. (A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
    (B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
    (C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
    (D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
    (E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
    前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含み、
    前記硬化性樹脂層が透明硬化性樹脂層であり、前記硬化樹脂層がオーバーコート層であり、
    前記切り込みを転写材料の面内方向の一部の領域を囲むように入れ、
    前記保護フィルムを残す一部の領域が、前記切り込みで囲まれた部分の外側の領域であることを特徴とする硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  7. (F−2)前記硬化樹脂層が形成された部分と前記硬化樹脂層が形成されていない部分とを含む領域の外周部を、前記基材を厚み方向に貫通する切り込みを入れて切り取る工程を、さらに含むことを特徴とする請求項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  8. (A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
    (B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
    (C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
    (D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
    (E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
    前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含み、
    前記転写材料への切り込みを、転写材料の面内方向に4カ所以上直線部分を有するように入れ、
    (C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を、50〜130℃に加熱した基材に圧着して貼り付けることを特徴とする硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  9. 前記転写材料は、前記仮支持体、熱可塑性樹脂層、前記硬化性樹脂層、および前記保護フィルムをこの順で含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  10. (A)少なくとも仮支持体、硬化性樹脂層および保護フィルムをこの順で含む転写材料に対して、少なくとも前記保護フィルムおよび前記硬化性樹脂層を厚み方向に貫通し、かつ前記仮支持体を厚み方向に貫通しない深さである切り込みを入れる工程と、
    (B)前記転写材料の面内方向の一部の領域の前記保護フィルムを残して、残りの領域の前記保護フィルムを取り除くことで前記硬化性樹脂層を露出させる工程と、
    (C)前記保護フィルムの残った領域と前記硬化性樹脂層が露出した領域を有する転写材料を基材に貼り付ける工程と、
    (D)前記基材に貼り付けられた前記転写材料から前記保護フィルムの残った領域の前記仮支持体、前記硬化性樹脂層および前記保護フィルム、ならびに、前記硬化性樹脂層が露出した領域の前記仮支持体を同時に取り除く工程と、
    (E)前記仮支持体を取り除かれた前記転写材料の前記硬化性樹脂層を硬化して硬化樹脂層を形成する工程を含み、
    前記硬化性樹脂層は、少なくともバインダー樹脂を含み、
    前記転写材料への切り込みを、転写材料の面内方向に4カ所以上直線部分を有するように入れ、
    前記転写材料は、前記仮支持体、熱可塑性樹脂層、前記硬化性樹脂層、および前記保護フィルムをこの順で含むことを特徴とする硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  11. 前記転写材料への切り込みを、トムソン刃加工またはレーザー光加工から選ばれる方法で入れることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  12. 前記転写材料を基材に貼り付ける前に、前記仮支持体の前記硬化性樹脂層と反対側に、さらに支持体を積層する工程を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  13. 前記基材は、全光透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  14. 前記基材は、さらに導電性層を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  15. 前記基材は、さらに少なくとも、耐傷層および防眩層のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  16. 前記基材は、膜厚が40〜200μmであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  17. 前記硬化性樹脂層が、さらに重合性化合物および重合開始剤を含むことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化樹脂層付き基材の製造方法含むことを特徴とするタッチパネルの製造方法
  19. 請求項18に記載のタッチパネルの製造方法含むことを特徴とするモバイル機器の製造方法または情報表示装置の製造方法
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