JP5946577B6 - コネクタ - Google Patents

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本発明は、携帯電話やノートパソコンやデジタルカメラ等に使用されるコネクタに関するもので、特にフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)やフレキシブルフラットケーブル(以下「FFC」という)にコンタクトを押し付ける機構に関するものである。
携帯電話やCCDカメラ等に使用されるコネクタは、狭ピッチで極薄(所謂軽薄短小)であり、主にハウジングとコンタクトとスライダーとから構成され、ハウジングとスライダーとでFPC又はFFCを挟持する構造である。ハウジングとスライダーとでFPC又はFFCを保持する方法には、色々考えられるが、中でもハウジングにFPC又はFFCを挿入した後にスライダーを挿入しFPC又はFFCをコンタクトに押しつける構造のものが多い。
ハウジングには、コンタクトが挿入される所要数の挿入孔が設けられるとともにFPC又はFFCが挿入される嵌合口が設けられている。
コンタクト64は図8のように略コ字形状をしており、主にFPC40又はFFCと接触する接触部22と基板等に接続する接続部24とハウジング62に固定される固定部42とから構成されている。このコンタクト64は、圧入等によってハウジング62に固定されている。
例えば、スライダー66は、図8のように略楔形状をしており、所要数のコンタクト64が配置されたハウジング62に、FPC40又はFFCを挿入した後に、前記スライダー66を挿入する。このようなスライダー66は、主にハウジング62に装着される装着部74とFPC40又はFFCをコンタクト64の接触部22に押圧する押圧部68とを備えている。FPC40又はFFCが挿入される以前は、スライダー66はハウジング62に仮装着された状態になっており、FPC40又はFFCが挿入された後にスライダー66を挿入すると、図8(B)のようにFPC40又はFFCと平行に前記スライダー66の押圧部68が挿入され、コンタクト64の接触部22にFPC40又はFFCが押圧されるようになる。
近年、この種のコネクタ60には、より低背位化の要求が強くなってきているが、上述した構造のコネクタ60では、図8(B)のように6層(ハウジング62の厚み方向両側の壁・コンタクト64の接触部22と受け部70の厚さ・スライダー66の押圧部68の厚さ・FPC40又はFFCの厚さ)構造になっている。低背位化を考えると、コンタクト64の受け部70を省略し、5層(ハウジング62の厚み方向両側の壁・コンタクト64の接触部22の厚さ・スライダー66の押圧部68の厚さ・FPC40又はFFCの厚さ)構造にすることはできるが、各部位の強度や仕様等からこれ以上低背位化が出来ないといった解決すべき課題があった。
また、上述のような構造のコネクタ60では、ハウジング62の嵌合口18側のみで、FPC40又はFFCの挿入とコンタクト64の接触部22をFPC40又はFFCに押しつける動作を行っているので、コネクタが小型化すればするほど作業性が悪いと言った問題点もある。
さらにまた、コネクタ60のピッチの狭小化が要求された場合、従来の構造のようにコンタクト64を一方向から挿入したのでは、コネクタの狭小化にも限界があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダーを動作させてFPC又はFFCに対し確実に第1コンタクトの第1接触部が押圧接触するように構成することができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供せんとするものである。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)フレキシブルプリント基板(FPC)又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)と着脱自在に嵌合するコネクタであって、前記FPC又は前記FFCと接触する接触部、及び基板に接続する接続部を有する所要数のコンタクトと、コンタクトが保持れるとともに前記FPC又は前記FFCが挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記嵌合口の反対側に前記コンタクト押圧するスライダーとを備えるコネクタにおいて、前記コンタクトは、前記接触部である第1接触部と前記接続部である第1接続部との間に第1連結部を設けるとともに、前記第1接触部と前記第1連結部と前記第1接続部とを略クランク形状となる位置関係で配置し、さらに、前記第1連結部から、前記第1接触部とは反対側に延設され、前記第1接続部と対向して位置する第1押受部と、前記第1連結部から、前記第1接続部とは反対側に延設される第1延設部とを設け、全体として略H字形状をなす第1コンタクトを含み、前記ハウジングには、前記スライダーが装着される側から嵌合口側に向かう方向に延び、前記第1コンタクトの前記第1延設部の、前記第1接触部に対向する側の表面部分が、全長にわたって露出した状態で前記第1コンタクトを保持する第1挿入溝、及び前記第1コンタクト以外の他のコンタクトが存在する場合には、当該他のコンタクトを保持する他の挿入溝が設けられ、前記スライダーは、前記ハウジングの、前記嵌合口とは反対側の位置で、回転軸線周りに回転するように構成され、前記第1コンタクトの前記第1押受部の先端側部分、及び前記所要数のコンタクトのうち、前記第1コンタクト以外の他のコンタクトに押受部が存在する場合には、当該押受部の先端側部分及び前記第1押受部の先端側部分の双方が貫通可能に係合する係止孔を形成して、隣接する前記コンタクト間に設けた仕切り壁と、前記所要数のコンタクトの整列方向に連設し、前記第1コンタクトの前記第1押受部、及び前記所要数のコンタクトのうち、前記第1コンタクト以外の他のコンタクトに押受部が存在する場合には、当該押受部及び前記第1押受部が前記基板から離れる方向に押圧可能な、前記押受部及び前記第1押受部の隣接位置に配設される、長軸及び短軸といった異なる寸法をもつ断面形状をした押圧部を有し、押圧部は、前記断面形状を利用して前記所要数のコンタクトのうち、第1押受部を含む押受部を有する前記コンタクトの全ての押受部を押圧し、かつ、少なくとも前記長軸の両端面の、前記スライダーの回転可動範囲で前記コンタクトに接触する部分が、なだらかな曲率表面を含むことを特徴とするコネクタ。
(2)前記コンタクトは、前記第1コンタクトと、該第1コンタクト以外の他のコンタクトである第2コンタクトとを備え、これら第1及び第2コンタクトは、ハウジングへの挿入方向を互い違いに変えて千鳥に配置され、前記ハウジングに設けられた前記他の挿入溝が、嵌合口側から前記スライダーが装着される側に向かう方向に延びる第2挿入溝であって、前記第2コンタクトは前記第2挿入溝に挿入され、前記第2コンタクトには、前記接触部である第2接触部と前記接続部である第2接続部との間に第2連結部を設けるとともに前記第2接触部と前記第2連結部と前記第2接続部とを略コ字状となる位置関係で配置し、さらに、前記第2連結部から、前記第2接触部と反対に延設された第2押受部を設け、前記第2コンタクトは全体として略h字形状をなし、前記スライダーは、前記第1及び第2コンタクトの前記第1及び第2押受部の先端側部分の双方が貫通可能に係合する係止孔を形成して、隣接するコンタクト間に設けた仕切り壁と、前記所要数のコンタクトの整列方向に連設し、前記第1コンタクトの前記第1押受部及び前記第2コンタクトの前記第2押受部が前記基板から離れる方向に押圧可能な、前記第1押受部及び前記第2押受部の隣接位置に配設される前記押圧部と、を有し、該押圧部は、少なくとも前記長軸の両端面の、前記スライダーの回転可動範囲で前記第1及び第2コンタクトに接触する部分が、なだらかな曲率表面を含む上記(1)に記載のコネクタ。
(3)前記第1挿入溝は、前記ハウジングを貫通しており、前記嵌合口側より前記第1延設部の全長が視認できるように構成してなる上記(1)又は(2)に記載のコネクタ。
(4)前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第2コンタクトの第2押受部の部分を、フラットに形成してなる上記(2)に記載のコネクタ。
(5)前記第2コンタクトは、前記第2連結部から前記第2接続部と反対方向に延設される第2延設部を有し、前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第2コンタクトの第2押受部の部分及び前記第2延設部の部分を、フラットに形成してなる上記(2)に記載のコネクタ。
(6)前記第2挿入溝は、前記ハウジングを貫通している上記(2)、(4)又は(5)に記載のコネクタ。
(7)前記第2コンタクトの前記第2接続部と前記第2連結部との間に、前記第2接触部と向き合うように前記FPC又は前記FFCと接触する第4接触部が設けられている上記(2)又は(4)〜(6)のいずれか1つに記載のコネクタ。
(8)前記第2コンタクトは、前記第2押受部に押圧可能な隣接位置で前記スライダーの前記押圧部を回転させるときの前記スライダーの反発力に起因して、前記スライダーの中央部が嵌合口とは反対側の方向に膨れ移動するのを防止するための膨れ防止手段を有する上記(2)又は(4)〜(7)のいずれか1つに記載のコネクタ。
(9)前記第2コンタクトの前記膨れ防止手段は、第2押受部の先端側部分に設けた第2突出部である上記(8)に記載のコネクタ。
10)前記第1コンタクトの前記第1延設部の先端側部分には、前記第1接触部と向き合うように、前記FPC又は前記FFCと接触する第3接触部が設けられる上記(1)〜()のいずれか1つに記載のコネクタ。
11)前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第1コンタクトの第1押受部の部分及び前記第1接続部の部分を、ともにフラットに形成する上記(1)〜(10)のいずれか1つに記載のコネクタ。
12)前記第1コンタクトは、前記第1押受部及び前記第1接続部との間で前記スライダーの前記押圧部を回転させるときの前記スライダーの反発力に起因して、前記スライダーの中央部が嵌合口とは反対側の方向に膨れ移動するのを防止するための膨れ防止手段を有する上記(1)〜(11)のいずれか1つに記載のコネクタ。
13)前記第1コンタクトの前記膨れ防止手段は、第1押受部の先端側部分に設けた第1突出部である上記(12)に記載のコネクタ。
14)前記ハウジングは、前記スライダーの押圧部によって、前記コンタクトの押受部が押圧されて変位する際、前記押受部の変位を妨げることのないよう、全てのコンタクトに対応する、前記ハウジングを切り欠いた一つの切欠部を有する上記(1)〜(13)のいずれか1つに記載のコネクタ。
本発明は、前記FPC又はFFCが前記ハウジングの嵌合口内に挿入された後に、前記スライダーの回転に伴い、前記押圧部が、前記第1押受部を含む押受部を有する前記コンタクトの全ての押受部を押し動かすことで、前記第1接触部22が前記FPC40又はFFC側に押圧され、これによって、次のような優れた効果が得られる
(1)前記スライダーを前記ハウジングの前記第1コンタクトの第1接続部側で回転させることで、前記第1のコンタクトの第1接触部を前記FPC又は前記FFCに接触させる構造にしているので、前記ハウジングの嵌合口に前記スライダーを挿入することがなく、前記スライダーの厚み分だけ前記コネクタの低背位化が可能になった。
(2)2種類の前記第1及び第2コンタクトを準備し、前記第1のコンタクトを前記ハウジングの嵌合口とは反対側から挿入し、前記第2コンタクトを前記ハウジングの嵌合口側から挿入し、前記スライダーを前記第1コンタクトの第1押受部と第1接続部が位置する側及び前記第2コンタクトの第2押受部が位置する側で回転させることで、容易に狭小化と低背位化が可能になる。
(3)前記FPC又は前記FFCが前記ハウジングの嵌合口内に挿入された後に、前記スライダーの回転に伴い、前記第1押受部を前記押圧部によって押圧することで、前記第1接触部が前記FPC又は前記FFCに押圧接触するので、確実に前記第1コンタクトの前記第1接触部と前記FPC又は前記FFCとを電気接続することができる。
(4)前記FPC又は前記FFCが前記ハウジングの嵌合口内に挿入された後に、前記スライダーの回転に伴い、前記第2押受部を前記押圧部によって押圧することで、前記第2接触部が前記FPC又は前記FFCに押圧接触するので、確実に前記第2コンタクトの第2接触部とFPC又は前記FFCとを電気接続することができる。
(5)前記第1コンタクトの第1押受部、又は第1及び第2コンタクトの第1及び第2押受部の先端側部分に膨れ防止手段(第1押受部には第1突出部、第2押受部には第2突出部)を設けているので、前記スライダーの回転に伴い、前記押圧部を前記第1及び第2コンタクトの第1及び第2押受部に作用させるとき、前記スライダーの回転に対する反発力が強くても、前記スライダーの中央部が矢印「ハ」方向に膨れてしまうことを防ぐことが出来る。
(6)前記スライダーの押圧部の形状を、長軸及び短軸といった異なる寸法をもつ断面形状にしているので、前記スライダーを回転した際に、確実に前記第1及び第2コンタクトの第1及び第2押受部を押圧し、前記第1及び第2接触部を前記FPC又は前記FFCに容易に接触させることができる。
(7)前記スライダーには所要数の前記第1及び第2コンタクトの第1及び第2突出部と係合する係止孔を設け、該係止孔を別個独立に形成しているので、前記スライダーを強固で、確実に回転することができ、かつ、変形を生じない
(8)前記第1コンタクトの前記第1連結部から前記第1接触部と同じ方向に延設した第1延設部を設け、該第1延設部の先端部に前記FPC又は前記FFCと接触する第3接触部をさらに設けると、前記FPC又は前記FFCの挿入方向に対して、直角方向両側に第1及び第3接触部を設けることになり、前記FPC又は前記FFCを第1及び第3接触部で挟持することになるので、より確実に前記FPC又は前記FFCと接触できるようになる。
(9)前記第2コンタクトの前記第2接続部と前記第2連結部との間に、前記第2接触部と向き合うように前記FPC又は前記FFCと接触する第4接触部をさらに設けると、前記FPC又は前記FFCの挿入方向に対して、直角方向両側に第2及び第4接触部を設けることになり、前記FPC又は前記FFCを第2及び第4接触部で挟持することになるので、より確実に前記FPC又は前記FFCと接触できるようになる。
(A)スライダーが開いた状態の嵌合口側からみた本発明のコネクタの斜視図である。(B)スライダーが開いた状態の第1接続部側からみた図1(A)に示すコネクタの斜視図である。 (A)スライダーが開いた状態のある第1コンタクト部分で、第1コンタクトの延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図である。(B)FPCが挿入されスライダーが閉じた状態のある第1コンタクト部分で、第1コンタクトの延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図である。 スライダーの斜視図である。 つの接触部を持った第1コンタクトの斜視図である 本発明の他のコネクタの斜視図である。 (A)スライダーが開いた状態の、ある第2コンタクト部分で、第2コンタクトの延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図である。(B)FPCが挿入されスライダーが閉じた状態の、ある第2コンタクト部分で、第2コンタクトの延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図である。 FPCが挿入される前の嵌合口側からみた従来のコネクタの斜視図である。 (A)FPCが挿入される前のあるコンタクト部分でコンタクトの延在方向に切断した従来のコネクタの断面図である。(B)FPCが挿入されスライダーが挿入された状態のあるコンタクト部分でコンタクトの延在方向に切断した従来のコネクタの断面図である。
図1から図4に基づいて、本発明のコネクタの一実施例について説明する。
図1(A)、(B)は、本発明のコネクタを示したものであって、図1(A)はスライダーが開いた状態の嵌合口側から見た場合、図1(B)はスライダーが開いた状態の第1接続部側から見た場合を示し、また、図2(A)、(B)は、図1(A)に示すコネクタをあるコンタクト部分で切断したときの斜視図であって、図2(A)はスライダーが開いた状態、図2(B)はFPCが挿入されスライダーが閉じた状態を示し、さらに、図3はスライダーの斜視図である。図4は2つの接触部を持った第1コンタクトの斜視図である。
本発明のコネクタ10は、主にハウジング12とコンタクト14とスライダー16とを備えている。
図に基づいて本発明のコネクタの構成部品について説明する。
まず、本発明のポイントである第1コンタクト14について説明する。この第1コンタクトは金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。前記第1コンタクト14の材質としては、バネ性や導電性などが要求されるので、黄銅やベリリウム銅やリン青銅等を挙げることができる。
前記第1コンタクト14は、図4に示すように全体として略H字形状をしており、主に前記FPC40又は前記FFCと接触する第1接触部22と、基板に接続する第1接続部24ハウジング12に固定する第1固定部42と、前記第1接触部22と前記第1接続部24との間に設けられた第1連結部34a、第1連結部34aから、前記第1接触部22aとは反対側に延設され、前記第1接続部24aと対向して位置する前記第1押受部20、前記第1連結部34aから、前記第1接続部24aとは反対側に延設され、前記第1接触部22aと対向して位置する第1延設部22eとを備え、さらに、該第1延設部22eに前記FPC40又は前記FFCと接触する第3接触部22とを備えている。前記第1接触部22aと前記第1連結部34aと前記第1接続部24とは、略クランク形状となる位置関係で配置されている。前記第1及び第3接触部22a、22cは、前記FPC40又は前記FFCと接触し易いように凸部形状にしており、前記第1接続部24は本実施例では図1のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。即ち、2つの前記第1及び第3接触部22、22を設けて、前記FPC40又は前記FFCを挟持するようにする。前記FPC40又は前記FFCの挿入方向に対して、直角方向両側に前記第1及び第3接触部22a、22cを設けることで、前記FPC40又は前記FFCを2つの前記第1及び第3接触部22a、22cで挟持することになり、確実に前記FPC40又は前記FFCと接触できるようになる。
前記第1連結部34aと前記第1押受部20とは、前記FPC40又は前記FFCが挿入された際に、次のような作用を果たすための部分である。前記FPC40又は前記FFCが前記ハウジング12の嵌合口18内に挿入された後に、前記スライダー16の所定の回転軸線X周りの回転、例えば図3に示す実施形態においては軸28周りの回転によって、押圧部36が、前記第1コンタクト14の第1押受部20aに作用して、前記第1押受部20aに押圧することで、前第1接触部22前記FPC40又は前記FFC側に変位させ、これにより、前記第1接触部22aが前記FPC40又は前記FFCに押圧接触する構成を可能にしている。前記第1連結部34aと前記第1押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。
また、前記第1コンタクト14の第1押受部20の先端側部分膨れ防止手段を設けることが好ましい。前記スライダー16の回転によって、押圧部36を前記第1コンタクト14の第1押受部20aに作用させるとき、前記スライダー16の回に対する反発力が強い為に、スライダー16の中央部が図(B)の矢印「」方向に膨れる傾向があるが、前記膨れ防止手段を設けることにより、かかる傾向を防ぐようにすることができるためである。さらに、膨れ防止手段として前記第1押受部20aの先端側部分に第1突出部26を設けることが好適である。前記第1突出部26の大きさは、上記役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、前記スライダー16の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
次に、本発明のもう一つのポイントであるスライダーについて説明する。このスライダーは電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。該スライダー16は、所定の回転軸線Xを中心として回転するように構成されている。例えばスライダー16は、図3に示す実施形態においては、主に前記ハウジング12の嵌合口18とは反対側に回可能に装着される軸28部分と前記第1コンタクト14の第1押受部20を押圧する押圧部36と前記第1コンタクト14の第1押受部20aの先端側部分貫通可能に係合する係止孔30とを備えている。前記軸28は、スライダー16を回させるためのであり、前記ハウジング12の長手方向(コンタクトの整列方向)両側に前記スライダー16が回可能に適宜装着されている。また、スライダー16の長手方向(コンタクトの整列方向)両側には、前記第1コンタクト14の第1押受部20を押圧した際にスライダー16が高さ(図面の上)方向に持ち上がらないようにするために前記ハウジング12と係合するロック部(図示せず)が設けられている。ロック部の形状や大きさ等は、ハウジング12に係合できれば如何なるものでもよく、上述の役割やコネクタの大きさや強度等を考慮して適宜設計する。
前記押圧部36は、前記第1コンタクト14の第1押受部20aが前記基板から離れる方向に押圧接触可能な、前記第1押受部20aの隣接位置に配設され、FPC等との電気接続時に第1押受部20に押し付けられる部分であり、その形状としては、長軸及び短軸といった異なる寸法をもつ断面形状を有している。この断面形状としては、押圧部36の少なくとも前記長軸の両端面の、前記スライダーの回転可動範囲で前記コンタクトに接触する部分が、なだらかな曲率表面を含んでいればよく、例えば細長形状や、楕円形状を含んだ長円形状などが挙げられる。押圧部36を前記断面形状にすることによって、図2(A)のように前記スライダー16を矢印「イ」方向に回させ、押圧部36を前記第1コンタクト14の第1押受部20aに作用させ、前記押圧部36の大きさ(寸法)の変化により前記第1コンタクト14の第1押受部20aを、前記基板から離れる方向に押圧し、前記第1コンタクト14の前記第1接触部22aを、前記FPC40又は前記FFC側に変位させることで、前記第1コンタクト14の前記第1接触部22を前記FPC40又は前記FFCに押圧接触させている前記押圧部36の形状としては、前記スライダー16の回転に伴い、前記第1コンタクト14の前記第1押受部20aに作用して、長軸と短軸といった異なる寸法(大きさの違いにより前記第1コンタクト14の第1押受部20を、基板から離れる方向に押圧する構成であれば、如何なるものでもよい。
また、前記スライダー16を回転した際に、前記スライダー16の回に対する反発力が強く、前記スライダー16の中央部が図(B)の矢印「」方向に膨れてしまうことを防ぐようにする為に、前記コンタクト14の第1突出部26が係合する前記係止孔30が別個独立に設けられている。前記係止孔30を別個独立に設けることで、前記スライダー16の強度アップや回時の変形を防止している。
最後に、ハウジング12について説明する。このハウジングは電気絶縁性のプラスチックであり、公知技術の射出成形によって製作され、この材質としては寸法安定性や加工性やコスト等を考慮して適宜選択するが、一般的にはポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリアミド(66PA、46PA)や液晶ポリマー(LCP)やポリカーボネート(PC)やこれらの合成材料を挙げることができる。前記ハウジング12には、所要数の前記第1コンタクト14装着される挿入溝38が設けられており、圧入や引っ掛け(ランス)や溶着等によって固定されている。
また、長手方向両側には、前記スライダー16の軸28が回転可能に装着される軸受部が設けられている。この軸受部の形状や大きさは、前記スライダー16の軸28が回できるように装着されていれば如何なるものでもよく、この役割や前記ハウジング12の強度や大きさ等を考慮して適宜設計する。なお、長手方向両側には、前記スライダー16のロック部に対応した位置に係止部(図示せず)が設けられている。
図5及び図6に基づいて、本発明の別の実施例について説明する。主な構成部品は上述したものと同様で、ハウジング121とコンタクト14、142とスライダー161とを備えている。本実施例の特徴は、2種類のコンタクト14、142をハウジング121への挿入方向を変えて千鳥に配列している点にあり、挿入方向を変えて千鳥に配列することによってピッチの狭小化と低背位化に対応させたものである。前記ハウジング121と前記スライダー161は上述したものと同様であり、前記ハウジング121には、所要数の前記第2コンタクト142が装着される第2挿入溝が設けられており、前記スライダー161には、前記第2コンタクト142の後述する第2押受部の先端側部分が貫通可能に係合する係止孔30を備えている。また、2種類のコンタクト14、142のうち、一方のコンタクトである前記第1コンタクト14も上述した図4のものと同様であり、説明を省略する。図5は別のコネクタの斜視図であり、図6(A)はスライダーが開いた状態の、ある第2コンタクト部分で、第2コンタクトの延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図であり、図6(B)はFPCが挿入されスライダーが閉じた状態の、ある第2コンタクト部分で延在方向に切断した本発明のコネクタの斜視図である。
2種類のコンタクト14、142のうち、もう一方のコンタクトである第2コンタクト142について説明する。第2コンタクト142も金属製であり、公知技術のプレス加工によって製作されている。材質は、第1コンタクト14と同様である。
前記第2コンタクト142は、略h字形状と略H字形状の2つのタイプがあり、略h字形状のものは、主にFPC40又はFFCと接触する第2接触部22基板に接続する第2接続部24ハウジング121に固定する第2固定部(図示せず)前記第2接触部22と前記第2接続部24との間に設けられた第2連結部34b前記第2連結部34から、前記第2接触部22bと反対側に延設された第2押受部20を備えている。前記第2接触部22と前記第2連結部34bと前記第2接続部24とは、略コ字形状となる位置関係で配置されている。略H字形状のものは、さらに、前記第2連結部34bから、前記第2接続部24bと反対方向であって、第2押受部20bと同じ向きに延設した第2延設部44が設けられている。前記第2接触部22は、FPC40又はFFCと接触し易いように凸部形状にしており、前記第2接続部24は本実施例では図5のように表面実装タイプ(SMT)にしているが、ディップタイプでも良い。
前記第2連結部34bと前記第2押受部20とは、前記第1コンタクト14と同様に、前記FPC40又は前記FFCが挿入された際に、前記スライダー161の回転に伴い、押圧部36が前記第2コンタクト142の第2押受部20bに作用して、前記第2押受部20が押圧部36によって押圧されることで前記第2接触部22が前記FPC40又は前記FFC側に変位して、前記第2接触部22bが前記FPC40又は前記FFCに押圧接触するように構成されている。前記第2連結部34bと前記第2押受部20の大きさや形状は、このような作用を果たすために、適宜設計されている。
また、前記第2コンタクト142の前記第2押受部20の先端側部分第2突出部(図示せず)を設けることもできる。前記スライダー161の回転に伴い、押圧部36を前記第2コンタクト142の第2押受部20bに作用させるとき、前記スライダー161の回に対する反発力が強い為に、スライダー161の中央部が図6(B)の矢印「ハ」方向に膨れる傾向があるが、前記第2突出部を設けることにより、かかる傾向を防ぐようにすることができる。前記第2突出部の大きさは、このような役割を果たすことが出来れば如何なる大きさでもよく、スライダー161の押圧部36が引っ掛かる程度に適宜設計する。
本発明によれば、各部位の強度や仕様等を損なうことなく、スライダーの回転に伴い、スライダーでFPC又はFFCに確実に第1コンタクトの第1接触部を押圧接触させて安定した電気接続を得ることができ、作業性がよく、ピッチの狭小化や低背位化が可能なコネクタを提供することが可能になった。
10、60 コネクタ
12、121、62 ハウジング
14 第1コンタクト
142 第2コンタクト
16、161、66 スライダー
18 嵌合口
20a、20b 第1及び第2押受部
22a〜22d 第1〜第4接触部
22e 第1延設部
24a、24b 第1及び第2接続部
26 第1又は第2突出部
28 軸
30 係止孔
34a、34b 第1及び第2弾性部
36、68 押圧部
38 挿入溝
40 FPC
42、42a 固定部
44 第2延設部
70 受け部
72 スリット
74 装着部
76 固定具

Claims (14)

  1. フレキシブルプリント基板(FPC)又はフレキシブルフラットケーブル(FFC)と着脱自在に嵌合するコネクタであって、
    前記FPC又は前記FFCと接触する接触部、及び基板に接続する接続部を有する所要数のコンタクトと、該コンタクトが保持されるとともに前記FPC又は前記FFCが挿入される嵌合口を有するハウジングと、前記嵌合口の反対側に前記コンタクトを押圧するスライダーとを備えるコネクタにおいて、
    前記コンタクトは、
    前記接触部である第1接触部と前記接続部である第1接続部との間に第1連結部を設けるとともに、前記第1接触部と前記第1連結部と前記第1接続部とを略クランク形状となる位置関係で配置し、さらに、前記第1連結部から、前記第1接触部とは反対側に延設され、前記第1接続部と対向して位置する第1押受部と、
    前記第1連結部から、前記第1接続部とは反対側に延設される第1延設部とを設け、全体として略H字形状をなす第1コンタクトを含み、
    前記ハウジングには、前記スライダーが装着される側から嵌合口側に向かう方向に延び、前記第1コンタクトの前記第1延設部の、前記第1接触部に対向する側の表面部分が、全長にわたって露出した状態で前記第1コンタクトを保持する第1挿入溝、及び前記第1コンタクト以外の他のコンタクトが存在する場合には、当該他のコンタクトを保持する他の挿入溝が設けられ、
    前記スライダーは、前記ハウジングの、前記嵌合口とは反対側の位置で、回転軸線周りに回転するように構成され、
    前記第1コンタクトの前記第1押受部の先端側部分、及び前記所要数のコンタクトのうち、前記第1コンタクト以外の他のコンタクトに押受部が存在する場合には、当該押受部の先端側部分及び前記第1押受部の先端側部分の双方が貫通可能に係合する係止孔を形成して、隣接する前記コンタクト間に設けた仕切り壁と、
    前記所要数のコンタクトの整列方向に連設し、前記第1コンタクトの前記第1押受部、及び前記所要数のコンタクトのうち、前記第1コンタクト以外の他のコンタクトに押受部が存在する場合には、当該押受部及び前記第1押受部が前記基板から離れる方向に押圧可能な、前記押受部及び前記第1押受部の隣接位置に配設される、長軸及び短軸といった異なる寸法をもつ断面形状をした押圧部とを有し、
    該押圧部は、前記断面形状を利用して前記所要数のコンタクトのうち、第1押受部を含む押受部を有する前記コンタクトの全ての押受部を押圧し、かつ、少なくとも前記長軸の両端面の、前記スライダーの回転可動範囲で前記コンタクトに接触する部分が、なだらかな曲率表面を含むことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記コンタクトは、前記第1コンタクトと、該第1コンタクト以外の他のコンタクトである第2コンタクトとを備え、
    これら第1及び第2コンタクトは、ハウジングへの挿入方向を互い違いに変えて千鳥に配置され、
    前記ハウジングに設けられた前記他の挿入溝が、嵌合口側から前記スライダーが装着される側に向かう方向に延びる第2挿入溝であって、前記第2コンタクトは前記第2挿入溝に挿入され、
    前記第2コンタクトには、前記接触部である第2接触部と前記接続部である第2接続部との間に第2連結部を設けるとともに、前記第2接触部と前記第2連結部と前記第2接続部とを略コ字状となる位置関係で配置し、さらに、前記第2連結部から、前記第2接触部と反対側に延設された第2押受部を設け、前記第2コンタクトは全体として略h字形状をなし、
    前記スライダーは、前記第1及び第2コンタクトの前記第1及び第2押受部の先端側部分の双方が貫通可能に係合する係止孔を形成して、隣接するコンタクト間に設けた仕切り壁と、
    前記所要数のコンタクトの整列方向に連設し、前記第1コンタクトの前記第1押受部及び前記第2コンタクトの前記第2押受部が前記基板から離れる方向に押圧可能な、前記第1押受部及び前記第2押受部の隣接位置に配設される前記押圧部と、を有し、
    該押圧部は、少なくとも前記長軸の両端面の、前記スライダーの回転可動範囲で前記第1及び第2コンタクトに接触する部分が、なだらかな曲率表面を含む請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記第1挿入溝は、前記ハウジングを貫通しており、前記嵌合口側より前記第1延設部の全長が視認できるように構成してなる請求項1又は2に記載のコネクタ。
  4. 前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第2コンタクトの第2押受部の部分を、フラットに形成してなる請求項2に記載のコネクタ。
  5. 前記第2コンタクトは、前記第2連結部から前記第2接続部と反対方向に延設される第2延設部を有し、前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第2コンタクトの第2押受部の部分及び前記第2延設部の部分を、フラットに形成してなる請求項2に記載のコネクタ。
  6. 前記第2挿入溝は、前記ハウジングを貫通している請求項2、4又は5に記載のコネクタ。
  7. 前記第2コンタクトの前記第2接続部と前記第2連結部との間に、前記第2接触部と向き合うように前記FPC又は前記FFCと接触する第4接触部が設けられている請求項2又は請求項4〜6のいずれか1項に記載のコネクタ。
  8. 前記第2コンタクトは、前記第2押受部に押圧可能な隣接位置で前記スライダーの前記押圧部を回転させるときの前記スライダーの反発力に起因して、前記スライダーの中央部が嵌合口とは反対側の方向に膨れ移動するのを防止するための膨れ防止手段を有する請求項2又は請求項4〜7のいずれか1項に記載のコネクタ。
  9. 前記第2コンタクトの前記膨れ防止手段は、第2押受部の先端側部分に設けた第2突出部である請求項8に記載のコネクタ。
  10. 前記第1コンタクトの前記第1延設部の先端側部分には、前記第1接触部と向き合うように、前記FPC又は前記FFCと接触する第3接触部が設けられる請求項1〜のいずれか1項に記載のコネクタ。
  11. 前記スライダーの押圧部が少なくとも接触移動する、前記第1コンタクトの第1押受部の部分及び前記第1接続部の部分を、ともにフラットに形成する請求項1〜10のいずれか1項に記載のコネクタ。
  12. 前記第1コンタクトは、前記第1押受部及び前記第1接続部との間で前記スライダーの前記押圧部を回転させるときの前記スライダーの反発力に起因して、前記スライダーの中央部が嵌合口とは反対側の方向に膨れ移動するのを防止するための膨れ防止手段を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のコネクタ。
  13. 前記第1コンタクトの前記膨れ防止手段は、第1押受部の先端側部分に設けた第1突出部である請求項12に記載のコネクタ。
  14. 前記ハウジングは、前記スライダーの押圧部によって、前記コンタクトの押受部が押圧されて変位する際、前記押受部の変位を妨げることのないよう、全てのコンタクトに対応する、前記ハウジングを切り欠いた一つの切欠部を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載のコネクタ。
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