JP5946184B2 - 作業機械の油圧駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は作業機械の油圧駆動装置に係わり、特に、油圧ショベル等の建設機械やホイールローダ等の土木機械などに用いて好適な作業機械の油圧駆動装置に関する。
油圧ショベル等の建設機械(作業機械)の油圧駆動装置は、オープンセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路とクローズドセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路に大別される。
オープンセンタ式の方向切替弁を有する従来の一般的な油圧回路では、特許文献1に従来技術として記載されているように、方向切替弁のスプールが中立位置にあるとき、可変容量型の油圧ポンプ(以下、単にポンプと称す)が吐出した圧油を方向切替弁のブリードオフ開口を通じてタンクへ還流させる。また、操作レバー装置の操作レバーを動かすと、0からフルまでの操作量に応じてスプールが0からフルまでストロークし、ストローク量に応じて、アクチュエータへと通じるメータイン開口が拡大すると同時に、方向切替弁のブリードオフ開口が絞られる。そのため、オペレータは操作レバーを動かすことで、アクチュエータへ流入する流量をメータイン開口によって制御できると同時に、アクチュエータの駆動圧力をブリードオフ開口によって制御できる。しかし、ブリードオフした流量はタンクへと還流されるため、有効な仕事をせず、ブリードオフ流量および圧力に応じた損失が発生する。そのため省エネを目的に、特許文献1においては、オープンセンタ式であっても、ブリードオフ開口を操作レバーの操作量の中間点で閉じ、中間点からフルまでのブリードオフ流量を抑制し、損失低減を図っている。
クローズドセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路では、方向切替弁のスプールが中立位置にあるとき、ポンプは方向切替弁を介してタンクと連通しておらず、アクチュエータ非駆動時は、別途備えたアンロード弁などを通じて、ポンプが吐出した圧油をタンクへ還流させる。また、クローズドセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路では、特許文献2に記載されるようなロードセンシングシステムと呼ばれる方式が多く用いられており、ポンプ吐出流量を制御する傾転制御弁(特許文献2ではLS弁と記載)を備えるとともに、ポンプとスプールの間に圧力補償弁を備える。傾転制御弁は、複数あるアクチュエータの最高負荷圧力とポンプ吐出圧とによって、それぞれ逆方向へ駆動され、ポンプ吐出圧がアクチュエータの最高負荷圧力以上になるようにポンプ傾転角を制御するように動作する。また、圧力補償弁は、スプール前後の圧力によって駆動されることで絞りを調節し、スプール前後差圧を一定に保つように動作する。よって、ロードセンシングシステムでは、傾転制御弁と圧力補償弁の動作により、アクチュエータ負荷圧力に依らず、アクチュエータに流入する流量をスプール開口すなわちスプールストロークによってのみ調節することができ、かつ、ブリードオフする流量がないため省エネである。
特許文献3には、ロードセンシングシステムを基に、圧力制御を行える油圧駆動装置が提案されている。特許文献3によれば、アクチュエータ負荷圧力が高い場合、低圧選択弁により選択された操作パイロット圧が制御圧として傾転制御弁および圧力補償弁に作用するため、操作量に応じた圧力制御性が得られる。
また、特許文献3に記載の油圧駆動装置は、操作量に応じたパイロット圧をポンプ吐出圧に対向して傾転制御弁に作用させ、両圧力の大小比較によりポンプのレギュレータを流量増加側、流量減少側に選択的に動作させる。
特開2004−225868号公報 特開平4−285302号公報 特開平8−14205号公報
特許文献1に記載のオープンセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路においては、操作レバーの操作量の中間点でブリードオフ開口を閉じた後、操作レバーの操作量に応じたアクチュエータの必要流量を得られるように、油圧ポンプの吐出流量を制御している。この油圧ポンプの吐出流量の制御を油圧的にレギュレータで行おうとした場合、油圧ポンプのレギュレータに、油圧ポンプの吐出圧と、この吐出圧に対向させて操作パイロット圧(制御圧)とを導き、レギュレータにおいて操作パイロット圧と吐出圧とを比較し、油圧ポンプの容積変更部材の角度(ポンプ傾転角)を制御する機構が必要となる。
特許文献2および3に記載のクローズドセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路においても、上述したように、最大負荷圧或いは低圧選択弁により選択された操作パイロット圧を制御圧としてポンプ吐出圧に対向して傾転制御弁に作用させ、両圧力の大小比較によりポンプのレギュレータのピストンを流量増加側、流量減少側に選択的に動作させている。
しかしながら、制御圧とポンプ吐出圧を対向して導き、両圧力の大小比較によりレギュレータのピストンを流量増加側、流量減少側に選択的に動作させる構成とした場合は、油圧ショベル等の建設機械の通常の作業で発生する頻度が高い、ポンプ吐出圧が高くなる動作においては、レギュレータのピストン動作がオーバシュート気味になることで、吐出圧の変動が大きくなり、油圧ポンプの容積変更部材の角度、すなわちポンプ傾転角(ポンプ容量)がハンチングする可能性がある。このようにポンプ傾転角がハンチングすると、油圧ポンプの吐出圧がさらに振動的に変動し、油圧機器や車体およびフロントの構造物に繰り返し応力が発生するため、それらの寿命を低下させる可能性がある。
さらに、ポンプ傾転角がハンチングすると、圧力脈動を生じた圧油が、フロントや旋回などのアクチュエータに供給されるので、アクチュエータに振動が生じ、作業自体が意図通りに行えなくなる可能性がある。例えば、旋回動作により溝の側面にバケットを押し当てて掘削する旋回押し付け作業では、バケットを押し当てる力を出し続ける必要があるが、ポンプ傾転角がハンチングすると、バケットの押し当て力が不安定となり、掘削面が波打つ可能性がある。
本発明の目的は、ポンプ容量のハンチングを効果的に回避しつつポンプ容量を制御することができる作業機械の油圧駆動装置を提供することである。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、操作レバー装置の操作レバーを操作することによって操作され、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切替弁と、前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御装置とを備えた作業機械の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプの吐出圧が導かれる第1油路と、前記油圧ポンプの目標ポンプ吐出圧を設定するための制御圧が導かれる第2油路とを備え、前記ポンプ制御装置は、前記第1油路と前記第2油路に接続され、前記油圧ポンプの容量が減少するように前記油圧ポンプの吐出圧が作用し、前記油圧ポンプの容量が増加するように前記制御圧が作用する第1レギュレータと、前記油圧ポンプの容量が増加するにしたがって大きくなる容量減少方向の力を発生する容量減少力発生装置とを有し、前記ポンプ制御装置は、前記操作レバー装置の操作レバーの操作量に基づいて前記制御圧を生成するものとする。
以上のように構成した本発明においては、第1レギュレータを、油圧ポンプの容量が減少するように油圧ポンプの吐出圧が作用し、油圧ポンプの容量が増加するように制御圧が作用する構成とし、かつ油圧ポンプの容量が増加するにしたがって大きくなる容量減少方向の力を発生する容量減少力発生装置を設けたため、実ポンプ吐出圧と目標ポンプ吐出圧の圧力偏差に応じて比例的に油圧ポンプの容量を変更できるようになり、圧力偏差に対するポンプ吐出流量の変化を緩やかにできる。この結果、実ポンプ吐出圧と目標ポンプ吐出圧がバランスする点付近でのポンプ流量の変化が小さく抑えられ、ポンプ容量のハンチングを効果的に回避しつつ、ポンプ容量を制御することができる。
また、オペレータの操作で制御圧を調整し、操作量に応じた圧力制御性を得ることができる。
(2)また、上記(1)において、好ましくは、前記油圧ポンプの吐出圧を制御する可変リリーフ弁を更に備え、前記可変リリーフ弁は、前記制御圧が閉じ方向に作用する受圧部を有し、前記制御圧が増加するにしたがってリリーフ圧を増加させるよう構成する。
これにより油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)がストロークエンドに達した場合や、過渡的にポンプ吐出圧が増加しようとした場合に、可変リリーフ弁が開いてリリーフするため、ポンプ吐出圧の増加が抑えられる。また、リリーフ圧は制御圧によって制御されるポンプ吐出圧よりも常に高く保たれるため、通常はリリーフされることなくポンプ吐出圧を制御することができる。
(3)更に、上記(1)において、好ましくは、前記ポンプ制御装置は、前記第1油路に設けられた増圧切替装置を更に有し、前記増圧切替装置は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記制御圧によって定まる前記目標吐出圧から所定値を減算した圧力より低い間は、前記第1油路を遮断して前記油圧ポンプの吐出圧の代わりにタンク圧を前記第1レギュレータに導くように構成する。
このように増圧切替装置を設けることにより、圧力偏差が負の方向に所定値より大きい場合は、ポンプ吐出圧に代えてタンク圧が第1レギュレータに導かれるため、増圧切替装置がない場合よりも、ポンプ容量が大きくなる。その結果、ポンプ吐出流量も大きくなり、増圧切替装置がない場合よりも早く、ポンプ吐出圧を増加することができる。
(4)上記(2)において、また好ましくは、前記ポンプ制御装置は、前記可変リリーフ弁の下流側に設けられた絞り圧発生装置と、前記絞り圧発生装置によって発生した絞り圧が導かれる第3油路と、前記第3油路に接続され、前記絞り圧発生装置によって発生した絞り圧が前記油圧ポンプの容量を減少させるように作用する第2レギュレータとを更に有するものとする。
圧力偏差が正の方向に大きい場合は可変リリーフ弁が動作し、リリーフ流量に応じて絞り圧発生装置の上流側の圧力が上昇し、第2レギュレータがポンプ容量を減少させる方向に力を発生させる。この結果、油圧ポンプの吐出流量を早く減少させることができ、油圧ポンプを駆動する駆動源で消費されるエネルギーを小さくすることができる。
本発明によれば、ポンプ容量のハンチングを効果的に回避しつつポンプ容量を制御することができる。これにより、油圧機器や車体の寿命向上や、作業性向上が図れる。
本発明の第1の実施形態にかかる油圧駆動装置の構成を示す図である。 第1の実施形態にかかる油圧駆動装置の制御圧に対するポンプ吐出圧の特性を示す図である。 第1の実施形態にかかる油圧駆動装置の操作パイロット圧、バイパスカット弁開口面積、制御圧、ポンプ吐出圧の経時的変化を示すタイムチャートである。 比較例として、特許文献3記載の油圧駆動装置におけるポンプ制御装置の構成を示す図である。 比較例として、特許文献3記載の油圧駆動装置におけるポンプ制御装置の制御特性を示す図である。 第1の実施形態にかかる油圧駆動装置のポンプ制御装置の制御特性を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を示す図である。 増圧切替弁も含めたポンプ制御装置の制御特性を示す、図6と同様な図である。 本発明の第3の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を示す図である。 サブレギュレータも含めたポンプ制御装置の制御特性を示す、図6と同様な図である。 本発明の参考例にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を示す図である。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を図1に示す。本実施形態は、本発明をオープンセンタ式の方向切替弁を有する油圧回路へ適用したものである。
本実施形態にかかる油圧駆動装置は、駆動源1(例えばディーゼルエンジン)と、可変容量型の油圧ポンプ(以下、単にポンプと称す)2と、アクチュエータである油圧シリンダ3とを備え、ポンプ2は、駆動源1によって駆動され、チェック弁4と、操作パイロット圧によって動作する方向切替弁5を介して、油圧シリンダ3へ圧油を供給する。なお、説明の簡単化のため、ポンプと油圧シリンダとを1つずつ備える構成を例として説明するが、本発明はこれに限らず、複数のポンプを備えてもよいし、複数の油圧シリンダを備えてもよい。
方向切替弁5はオープンセンタ式であり、中立状態にあるとき方向切替弁5のブリードオフ通路は全開しており、ポンプ2から吐出された圧油は、ブリードオフ通路と、ブリードオフ通路の下流側に配置されたバイパスカット弁6を介してタンクへと還流する。バイパスカット弁6は、シャトル弁7で高位選択された操作パイロット圧によって閉じられる。なお、バイパスカット弁6に拘るものでなく、方向切替弁5のブリードオフ通路の開口特性を変更するなど、他の構成でもよい。
操作パイロット圧は、パイロット油圧源8(例えばパイロットポンプ)からの圧油の圧力に基づいて、操作レバー9と一体となって動くパイロット方向切替弁10(操作レバー装置)によって、操作レバー9の操作量に応じて生成される。また、オペレータは操作レバー9を操作することで、油圧シリンダ3のボトム側とロッド側のどちらへ圧油を供給するかを切り替えることができる。
ポンプ2はポンプ制御装置100によってその吐出流量が制御される。ポンプ制御装置100は、シリンダピストンタイプのレギュレータ11(第1レギュレータ)を備え、レギュレータ11のピストン11aはポンプ2の容量変更部材である斜板2aに連係され、レギュレータ11のピストン11aが図の右方向へ動作すると、斜板2aの傾転角(∝容量)が増加し、レギュレータ11のピストン11aが図の左方向へ動作すると、斜板2aの傾転角が減少する。以下斜板2aの傾転角をポンプ2の傾転角という。なお、容量変更部材は、斜板2aのような斜板式に拘るものでなく、例えば斜軸式を用いてもよい。
レギュレータ11は、シリンダ内部にロッド側室11bと、ボトム側室11cとを有し、レギュレータ11のロッド側室11bはポンプ油路12a(第1油路)に接続され、ポンプ油路12aはポンプ2の吐出油路に接続され、ロッド側室11bにポンプ吐出圧が導かれ、ボトム側室11cは制御圧供給油路12b(第2油路)に接続され、制御圧供給油路12bはシャトル弁7に接続され、ボトム側室11cにはシャトル弁7で高位選択された操作パイロット圧が制御圧として導かれる。制御圧はレギュレータ11内においてポンプ2の目標ポンプ吐出圧を設定し(後述)、シャトル弁7は操作パイロット圧をその制御圧として制御圧供給油路12bに出力する。
また、レギュレータ11は、容量減少力発生装置であるレギュレータ調整ばね11dを備えており、油圧駆動装置が非動作時には、ポンプ2の傾転角が小さくなるように、レギュレータ調整ばね11dの力でピストン11aを図の左方向へ動作させる。レギュレータ調整ばね11dは、図示の実施形態ではレギュレータ11のシリンダ外部にピストン11a2作用するよう配置したが、レギュレータ11のシリンダ内部のロッド側室11bに配置してもよい。
また、本実施形態にかかる油圧駆動装置は、可変リリーフ弁であるアンロード弁13を備える。アンロード弁13は、ポンプ吐出圧が導かれる受圧部13aとアンロード調節ばね13bを備え、かつアンロード調節ばね13bと同じ側に、制御圧供給油路12bから分岐する油路12cを介して制御圧が導かれる受圧部13cを有し、ポンプ吐出圧の力が開き方向に作用し、アンロード調節ばね13bと制御圧の力が閉じ方向に作用し、制御圧が増加するにしたがってリリーフ圧を増加させるよう構成されている。
レギュレータ11のロッド側室11bとボトム側室11cの受圧面積とアンロード弁13の受圧部13a,13cの受圧面積の設定方法について説明する。
制御圧をPc、ポンプ吐出圧をPpとするとき、レギュレータ11のピストン11aの釣り合いは次式のように表すことができる。
Ar・Pp=Ab・Pc−Fps (1)

ただし、Fpsはレギュレータ調整ばね11dが発生するばね力であり、レギュレータ11のピストン11aのストロークに応じて比例的に増加する。また、Ar、Abはそれぞれレギュレータ11のロッド側室11bの有効受圧面積、ボトム側室11cの有効受圧面積である。ここで、ロッド側室11bの有効受圧面積Arとボトム側室11cの有効受圧面積Abは、最高ポンプ吐出圧Ppmaxと最高制御圧Pcmaxに対して次式が成り立つように設定されている。最高ポンプ吐出圧Ppmaxは図示しないメインリリーフ弁により規制されるポンプ2の最高吐出圧であり、最高制御圧Pcmaxはパイロット油圧源8の圧力(パイロットリリーフ弁により規制されるパイロットポンプの吐出圧)である。
Ar・Ppmax=Ab・Pcmax−Fpsmax (2)

ただし、Fpsmaxはレギュレータ11のピストン11aがフルストロークしたときにレギュレータ調整ばね11dが発生する最大ばね力である。
ロッド側室11bの有効受圧面積Arとボトム側室11cの有効受圧面積Abの比(面積比)は上記(2)式を満足するように設定する。すなわち、面積比をRとすると、

R=Ab/Ar=(Ppmax+Fpsmax)/Pcmax (3)

一方、アンロード弁13の受圧部13aに作用するポンプ吐出圧Ppと受圧部13cに作用する制御圧Pcのそれぞれの有効受圧面積をAp,Acとすると、アンロード弁13は、次式の条件でリリーフする。
Ap・Pp>Ac・Pc+Fus (4)

ただし、Fusはアンロード調節ばね13bが発生するばね力である。
そこで、次式が成り立つようにアンロード弁13の有効面積Ac、Apを設定する。
Ac/Ap=Ab/Ar=R (5)

ここで、Rは上述した(3)式の面積比である。この面積比Rを用いて、(1)式と(4)式は、それぞれ次のように書き換えられる。
Pp=R・Pc−(Fps/Ar) (6)

Pp>R・Pc+(Fus/Ap) (7)

ここで、(6)式のPpは制御圧Pcによって設定される目標ポンプ吐出圧である。
また、アンロード弁13のリリーフ圧(アンロード圧)をPunとすると、リリーフ圧Punは以下の式で表せる。
Pun=R・Pc+(Fus/Ap) (8)

図2は、(6)式と(8)式を基に作成した制御圧に対するポンプ吐出圧の特性を示す図である。図2において、Xは(6)式で表されるレギュレータ11の特性(目標ポンプ吐出圧の特性)であり、Yは(8)式で表されるアンロード弁13の特性である。
図2より、レギュレータ調整ばね11dのばね力Fpsとレギュレータ11のロッド側室11a有効受圧面積Arを調節することで、−(Fps/Ar)の範囲で、制御圧Pcに対する任意のポンプ吐出圧Ppの特性が得られる。また、アンロード調節ばね13bのばね力Fusとアンロード弁13のポンプ吐出圧Ppが作用する受圧部13aの有効受圧面積Apを調節することで、ポンプ吐出圧に対して任意のマージンを持ったリリーフ圧が得られる。アンロード調節ばね13bはアンロード弁13の開き始める圧力であるクラッキング圧を設定する物であり、アンロード弁13のリリーフ圧(アンロード圧)はそのクラッキング圧と圧油がアンロード弁13を通過してタンク側に流れるときの圧損を加算した圧力となる。無駄なリリーフを避けるため、アンロード弁13のクラッキング圧が制御圧Pcに対するポンプ吐出圧Ppよりも高くなるように、アンロード調節ばね13bのばね力Fusとアンロード弁13のポンプ吐出圧Ppが作用する受圧部13aの有効受圧面積Apを調節するのがよい。図2では、(6)式のポンプ吐出圧Ppの特性を簡略的に直線で記載しているが、レギュレータ11のピストン11aのストロークによって、レギュレータ調整ばね11dのばね力Fpsが変化するため、実際は曲線になる。
本実施形態にかかる油圧駆動装置の動作を、図3を用いて説明する。図3は本実施形態にかかる油圧駆動装置の操作パイロット圧、バイパスカット弁開口面積、制御圧、ポンプ吐出圧の経時的変化を示すタイムチャートである。
時刻0では、操作レバー9およびパイロット方向切替弁10が中立状態であり、パイロット油圧源8からの圧油がパイロット方向切替弁10によって遮断されるため、操作パイロット圧は0である。このとき、バイパスカット弁6は開いており、ポンプ2から吐出された圧油はタンクへと還流される。その結果、ポンプ吐出圧(実線)は低圧となる。また、制御圧は0である。よって、レギュレータ11のピストン11aは、ポンプ2の傾転角を小さくするように動作し、ポンプ吐出流量は最少となる。なお、図中の点線はアンロード弁13のリリーフ圧を示している。
時刻T1で、操作レバー9が操作され、操作パイロット圧が増加し始める。これに応じて、方向切替弁5が動作し、ポンプ2から油圧シリンダ3へ圧油が供給される。また、操作パイロット圧によって、バイパスカット弁6が閉じ始め、制御圧も増加し始める。制御圧の増加に応じてポンプ吐出圧も増加しかつアンロード弁13のリリーフ圧も増加する。このように操作パイロット圧が制御圧としてレギュレータ11に作用するため、オペレータの操作レバーの操作で制御圧を調整し、操作量に応じた圧力制御性を得ることができる。また、リリーフ圧は制御圧によって制御されるポンプ吐出圧よりも常に高く保たれるため、通常はリリーフされることなくポンプ吐出圧を制御することができる。しかも、バイパスカット弁6を閉じるため、ブリードオフする流量がなくなり、特許文献1に記載のオープンセンタ式の油圧回路と同様、省エネ性を維持することができる。
時刻T2から時刻T3においては、操作パイロット圧が一定であり、これに応じて、制御圧、ポンプ吐出圧およびリリーフ圧も一定に保たれる。
時刻T3では、油圧シリンダ3がストロークエンドに達したため、ポンプ吐出圧が増加しようとする。しかしながら、アンロード弁13が開いてリリーフするため、ポンプ吐出圧の増加が抑えられる。ここではストロークエンドに達した場合を想定して説明したが、建設機械の掘削作業のように油圧シリンダ3の負荷が大きく変動し過渡的にポンプ吐出圧が増加しようとした場合であっても、本実施形態にかかる油圧駆動装置では、アンロード弁13が開いてリリーフするため、ポンプ吐出圧の増加を抑えることができる。
時刻T4から時刻T5においては、操作レバー9が戻され、操作パイロット圧が減少するが、油圧シリンダ3がストロークエンドに達した状態が続くため、アンロード弁13によるリリーフが継続される。しかしながら、操作パイロット圧が減少し制御圧が減少するにつれて、ポンプ吐出流量が減少しかつリリーフ圧も減少するため、ポンプ吐出圧も減少する。
時刻T5では、時刻0と同様に、操作レバー9およびパイロット方向切替弁10が中立状態となるので、バイパスカット弁6が開き、ポンプ吐出圧が最低圧力まで下がる。また、ポンプ吐出流量も最小に減少する。
本実施形態にかかる油圧駆動装置の効果を、図4、図5及び図6を用いて説明する。
図4及び図5は、比較例として、それぞれ、特許文献3記載の油圧駆動装置におけるポンプ制御装置の構成とその制御特性を示す図である。
図4において、油圧ポンプ101は、ロードセンシング制御の傾転制御弁103と傾転駆動アクチュエータ102とで構成されたポンプ制御装置142を備えている。傾転制御弁103には管路103aを介して油圧ポンプ101の吐出圧が導かれ、傾転減少方向の制御力が付与される一方、管路103bを介してロードセンシング制御に係わる制御圧が導かれ、ばね103cと共に傾転増大方向の制御力が付与されており、これにより油圧ポンプ101の吐出圧が制御圧よりもばね103cで設定した所定値だけ高くなるように油圧ポンプ101の吐出流量が制御される。
ポンプ制御装置142の制御特性を示す図5において、横軸は圧力偏差であり、縦軸はポンプ吐出流量である。なお、圧力偏差とは、目標ポンプ吐出圧に対する実ポンプ吐出圧の偏差である。目標ポンプ吐出圧は制御圧とばね103cのばね力とによって定まるポンプ吐出圧の目標値であり、制御圧の付勢力とばね103cのばね力とを加算した値の圧力換算値である。
特許文献3記載の従来の油圧駆動装置では、圧力偏差に対しポンプ吐出流量が図5に示す実線のように変化する。図の右半平面は実ポンプ吐出圧が目標ポンプ吐出圧よりも高く、図の左半平面は実ポンプ吐出圧が目標ポンプ吐出圧よりも低い状態を示している。また、図に示す点Aは、実ポンプ吐出圧と目標ポンプ吐出圧が釣り合った状態を示している。
実ポンプ吐出圧が目標ポンプ吐出圧より低いとき(圧力偏差が負の時)、動作点は図5の左半平面にある。このとき、傾転制御弁103は図4の右側位置に切り替わっており、ポンプ吐出圧が傾転駆動アクチュエータ102のロッド側へのみ作用し、ボトム側はタンクへ通じる。そのため、傾転駆動アクチュエータ102の内部のばね102aの力と合わせて、傾転駆動アクチュエータ102が傾転角を増加し、ポンプ吐出流量も増加する。実ポンプ吐出圧が目標ポンプ吐出圧より高いとき(圧力偏差が正の時)、動作点は図の右半平面にある。このとき、傾転制御弁103は図4の左側位置に切り替わり、傾転駆動アクチュエータ102のボトム側へもポンプ吐出圧が作用する。傾転駆動アクチュエータ102のボトム側の有効受圧面積は、ロッド側の有効受圧面積よりも大きいため、傾転角が減少し、ポンプ吐出流量も減少する。このように、圧力偏差の正負に応じて傾転制御弁103が切り替わり、傾転駆動アクチュエータ102の駆動方向を選択的に切り替える。この動作を連続して行うことで、ポンプ傾転角が図5中の点Aへ向かって駆動される。油圧ショベル等の建設機械の通常の作業で発生する頻度の高い、ポンプ吐出圧が高くなる動作においては、傾転駆動アクチュエータ102の駆動力が大き過ぎて、点Aを中心にポンプ吐出流量の振れ幅が大きくなり、ポンプ傾転角がハンチングする可能性がある。
ポンプ傾転角がハンチングすると、油圧機器や車体およびフロントの構造物に繰り返し応力が発生するため、それらの寿命を低下させる可能性がある。また、圧力脈動を生じた圧油が、フロントや旋回などのアクチュエータに供給されるので、アクチュエータに振動が生じ、作業自体が意図通りに行えなくなる可能性がある。例えば、旋回動作により溝の側面にバケットを押し当てて掘削する作業では、バケットを押し当てる力が不安定となり、掘削面が波打つ可能性がある。
なお、傾転駆動アクチュエータ102のシリンダ内部のロッド側室にはばね102aが配置されているが、このばね102aは、上述した如く、傾転駆動アクチュエータ102が傾転角(容量)を増加させる方向の力を発生するように配置されており、本実施形態におけるレギュレータ調整ばね11dのようにポンプ容量を減少させる方向の力を発生するものではない。
図6は、本実施形態にかかる油圧駆動装置のポンプ制御装置100の制御特性を示す図である。図5に示した従来の油圧駆動装置と同様に、実線が圧力偏差に対するポンプ吐出流量を示しており、点Aが実ポンプ吐出圧と目標ポンプ吐出圧が釣り合った状態を示している。
本実施形態にかかる油圧駆動装置は、図5に示した従来の油圧駆動装置と比較し、圧力偏差に対するポンプ吐出流量の変化が緩やかである(傾きが小さい)。これは、ポンプ2の傾転角を小さくする方向へレギュレータ調整ばね11dを作用させ、レギュレータ11のロッド側室11b、ボトム側室11cに、それぞれポンプ吐出圧、制御圧を作用させたことによって得られる特性である。
前述したように従来の油圧駆動装置は、圧力偏差の符号が逆転したときのみ、ポンプ2の傾転角の駆動方向が逆転し、ハンチングが発生し易い傾向にある。
これに対し、本実施形態にかかる油圧駆動装置では、ポンプ吐出圧と制御圧を対抗させるため、ポンプ吐出圧が高い場合であっても、圧力偏差0付近ではレギュレータ11にかかるポンプ吐出圧による力がキャンセルされる。また、ポンプ2の傾転角を小さくする方向へレギュレータ調整ばね11dを作用させたため、圧力偏差に対するポンプ吐出流量の変化が緩やかである(傾きが小さい)。このため圧力偏差に対するポンプ吐出流量の変化を緩やかに保つことができ、圧力偏差の符号が逆転せずとも、圧力偏差に応じて比例的にポンプ2の傾転角を駆動することができる。この結果、点A付近でのポンプ流量の変化が小さく抑えられ、ポンプ傾転角のハンチングを効果的に回避しつつ、ポンプ吐出圧を制御することができる。
また、点線Bはアンロード弁13のリリーフ特性を表しており、実ポンプ吐出圧が過渡的に増加しようとした場合であっても、圧力偏差が図6に示す(Fus/Ap+Fps/Ar)以上になるとアンロード弁13のリリーフ動作が開始され、ポンプからアクチュエータへ供給される流量が点線Bに沿って減少する。よって、オペレータが意図しないアクチュエータ推力の増加を抑えることができる。なお、圧力偏差(Fus/Ap+Fps/Ar)は図2に示した直線Xと点線Yの偏差である。
以上のように本実施形態によれば、油圧シリンダ3の駆動時にバイパスカット弁6を閉じるため、ブリードオフする流量(タンクへの戻り流量)が発生せず、特許文献1に記載のオープンセンタ式の油圧回路と同様、省エネ性を維持することができる。
その上で、レギュレータ11内においてポンプ吐出圧と制御圧を対抗するよう作用させ、かつポンプ2の傾転角を小さくする方向へレギュレータ調整ばね11dを作用させたため、圧力偏差の符号が逆転せずとも、圧力偏差に応じて比例的にポンプ2の傾転角を駆動できるようになり、圧力偏差に対するポンプ吐出流量の変化を緩やかにできる。この結果、実ポンプ吐出圧と目標ポンプ吐出圧がバランスする点A付近でのポンプ流量の変化が小さく抑えられ、ポンプ傾転角のハンチングを効果的に回避しつつ、ポンプ吐出圧を制御することができる。
更に、操作パイロット圧が制御圧としてレギュレータ11に作用するため、オペレータの操作レバーの操作で制御圧を調整し、操作量に応じた圧力制御性を得ることができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を図7に示す。本実施形態は、第2の実施形態にかかる油圧駆動装置に改良を加えたものである。以下、第1の実施形態と同様の部分には、第1の実施形態と同じ符号を配し、その説明を省略する。
本実施形態にかかる油圧駆動装置はポンプ制御装置100Aを備え、ポンプ制御装置100Aは、レギュレータ11のロッド側室11bへポンプ吐出圧を導くポンプ油路12a(第1油路)に配置された、増圧切替装置である増圧切替弁21を備える。増圧切替弁21は、増圧切替値を設定する増圧調整ばね21aを備え、油圧駆動装置の非動作時には、増圧調整ばね21aのばね力により動作し、ポンプ吐出圧をレギュレータ11のロッド側室11bに導く。また、増圧切替弁21は、ポンプ吐出圧が増圧調整ばね21aと同一方向に作用する受圧部21bと、制御圧が増圧調整ばね21aと逆方向に作用する受圧部21cとを有している。
ここで、増圧切替弁21のポンプ吐出圧が作用する受圧部21bの有効受圧面積をAcp、制御圧が作用する受圧部21cの有効受圧面積をAccとすると、Acp,Accは、レギュレータ11のロッド側室11bの有効受圧面積Ar、ボトム側室11cの有効受圧面積Abを基に次式のように設定する。
Acc/Acp=Ab/Ar=R (9)

こうすることにより、操作レバー9が動かされ、これに連動して制御圧が発生すると、ポンプ吐出圧が、制御圧によって定まる目標吐出圧から、増圧調整ばね21aによって設定された所定値(増圧切替値)を減算した圧力より低い間は、レギュレータ11のロッド側室11bをタンクへ連通させ、ポンプ吐出圧が当該減算圧力より高くなり、(6)式で表される目標ポンプ吐出圧に近づくと、レギュレータ11のロッド側室11bにポンプ吐出圧を導くように、増圧切替弁21が動作する。このように増圧切替弁21は、ポンプ2の吐出圧が制御圧によって定まる目標吐出圧から、増圧調整ばね21aによって設定された所定値(増圧切替値)を減算した圧力より低い間は、ポンプ油路12a(第1油路)を遮断してポンプ吐出圧の代わりにタンク圧をレギュレータ11に導くように構成されている。
なお、増圧調整ばね21aのばね力を調節することで、レギュレータ11のロッド側室11bにポンプ吐出圧を導くタイミングを調節することができる。ただし、増圧調整ばね21aのばね力は、制御圧によって増圧切替弁21の受圧部21cに作用する力よりも十分小さく(例えば1/10)設定することは言うまでもない。
増圧切替弁21を備えることによって得られる効果を、図8を用いて説明する。図8は、増圧切替弁21も含めたポンプ制御装置100Aの制御特性を示す、図6と同様な図である。第2の実施形態にかかる油圧駆動装置は、図8に示す点線Cで囲まれた部分が第1の実施形態にかかる油圧駆動装置と異なる。
圧力偏差が負の方向に大きい場合は、レギュレータ11のロッド側室11bをタンクへ連通し、ボトム側室11cへ制御圧を導くので、増圧切替弁21がない場合よりも、ポンプ2の傾転角が大きくなる。その結果、ポンプ吐出流量も大きくなり、第1の実施形態にかかる油圧駆動装置よりも早く、ポンプ吐出圧を増加することができる。また、圧力偏差が小さくなると、レギュレータ11のロッド側室11bにポンプ吐出圧を導くので、第1の実施形態と同様に、傾転角のハンチングを効果的に回避できる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を図9に示す。本実施形態は、第2の実施形態にかかる油圧駆動装置にさらに改良を加えたものである。以下、第1および第2の実施形態と同様の部分には、それらと同じ符号を配し、その説明を省略する。
本実施形態にかかる油圧駆動装置はポンプ制御装置100Bを備え、ポンプ制御装置100Bは、アンロード弁13とタンクを連通するアンロード弁13の下流側の回路に配置された絞り圧発生装置である固定絞り31と、固定絞り31によって発生した絞り圧が導かれる絞り圧供給油路(第3油路)12dと、シリンダピストンタイプのサブレギュレータ32(第2レギュレータ)を備え、レギュレータ11のピストン11aと対向して動作するようサブレギュレータ32のピストン32aを配置する。サブレギュレータ32は単動型であり、ボトム側室32bは絞り圧供給油路12dに接続され、ボトム側室32bにアンロード弁13と絞り31の間の圧力が導かれ、アンロード弁13と絞り31の間の圧力によってポンプ2の容量を減少させるように動作する。
固定絞り31およびサブレギュレータ32を備えることで得られる効果を、図10を用いて説明する。図10は、サブレギュレータ32も含めたポンプ制御装置100Bの制御特性を示す、図6と同様な図である。第3の実施形態にかかる油圧駆動装置は、図に示す点線Dで囲まれた部分が第1および第2の実施形態にかかる油圧駆動装置と異なる。
圧力偏差が正の方向に大きい場合は、アンロード弁13がリリーフ弁として動作する。このときリリーフ流量に応じて固定絞り31の上流側の圧力が上昇し、サブレギュレータ32がポンプ2の傾転角を減少させる方向に力を発生させる。この結果、第1および第2の実施形態にかかる油圧駆動装置よりも早く、ポンプ2の吐出流量を減少させることができ、駆動源1で消費されるエネルギーを小さくすることができる。
参考例
本発明の参考例にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を図11に示す。本参考例は、第1〜第3の実施形態にかかる油圧駆動装置と異なるタイプの油圧回路に本発明を適用したものである。以下、第1〜第3の実施形態と同様の部分には、それらと同じ符号を配し、その説明を省略する。
参考例にかかる油圧駆動装置は方向切替弁のタイプが今までの実施形態におけるものと異なる。すなわち、本参考例において、方向切替弁41は中立位置にあるときポンプ2とタンクを連通させないクローズドセンタ式であり、かつスプール内に負荷圧取り出し通路42が設けられている。
また、本参考例にかかる油圧駆動装置はポンプ制御装置100Cを備え、ポンプ制御装置100Cは、上述した実施形態における制御圧供給油路12b及び分岐油路12cに代え、方向切替弁41の負荷圧取り出し通路42に接続された制御圧供給油路12e(第2油路)及び分岐油路12fを備え、レギュレータ11のボトム側室11cは制御圧供給油路12e(第2油路)に接続され、ボトム側室11cに負荷圧取り出し通路42によって取り出した油圧シリンダ2の負荷圧(方向切替弁41の出側圧力)が制御圧として導かれる。第1の実施形態と同様、制御圧はレギュレータ11内においてポンプ2の目標ポンプ吐出圧を設定する。また、制御圧は分岐油路12fを介してアンロード弁13の受圧部13cに導かれ、制御圧が増加するにしたがってアンロード弁13のリリーフ圧を増加させるよう構成されている。
また、制御圧が操作パイロット圧から負荷圧に変更されたことに伴って、レギュレータ11のロッド側室11bの有効受圧面積Arとボトム側室11cの有効受圧面積Abの比(面積比)及びアンロード弁13の受圧部13aの有効受圧面積Apと受圧部13cの有効受圧面積をAcの比(面積比)が負荷圧に適合するように、すなわち前述した(3)式を満たすように調整されている。(3)式において、本参考例の場合、最高制御圧Pcmaxは油圧シリンダ3の最高負荷圧である。油圧シリンダ3の最高負荷圧は、方向切替弁41と油圧シリンダ3とを接続するアクチュエータラインに設けられたオーバロードリリーフ弁のリリーフ圧である。なお、油圧アクチュエータが複数ある場合は、最高負荷圧はそれらの負荷圧の最も高い圧力となる。また、その場合は、複合操作時に負荷圧差を吸収し、方向切換弁41の前後差圧を制御するため圧力補償弁を設置することが必要となる。
上記以外の構成は第1の実施形態と同じである。
このように構成した本参考例においては、クローズドセンタ式の方向切替弁41を用いたため、油圧シリンダ3の駆動時にタンクへの戻り流量が発生せず、特許文献1に記載のオープンセンタ式の油圧回路と同様、省エネ性を維持することができる。
その上で、ポンプ制御装置100Cの動作原理と効果は、制御圧が操作パイロット圧から負荷圧に変更された結果、操作量に応じた圧力制御性が得られない点を除いて、第1の実施形態のポンプ制御装置100と実質的に同じであり、図2及び図6の説明が実質的に当てはまる。したがって、本参考例においても、ポンプ傾転角のハンチングを効果的に回避しつつ、ポンプ吐出圧を制御することができる。
第4の実施形態>
本発明の第4の実施形態にかかる作業機械の油圧駆動装置の構成を図12に示す。本実施形態は、クローズドセンタ式の方向切替弁41を有する油圧回路に本発明を適用しかつ操作量に応じた圧力制御性も得られるようにしたものである。以下、第1〜第3の実施形態及び参考例と同様の部分には、それらと同じ符号を配し、その説明を省略する。
本実施形態にかかる油圧駆動装置は、参考例と同様、クローズドセンタ式の方向切替弁41を備え、方向切替弁41のスプール内に負荷圧取り出し通路42が設けられている。
また、本実施形態にかかる油圧駆動装置は、第1の実施形態と同様のポンプ制御装置100を備え、レギュレータ11のボトム側室11cには操作パイロット圧が制御圧として導かれ、アンロード弁13の受圧部13cにも同じ制御圧が導かれている。
そして、本実施形態にかかる油圧駆動装置は、ポンプ2と方向切替弁41の間に圧力補償弁43が配置されている。圧力補償弁43は、開き方向にばね43aと負荷圧取り出し通路42によって取り出した負荷圧(方向切替弁41の出側圧力)が作用し、閉じ方向に方向切替弁41の入側圧力が作用し、方向切替弁41のメータインの前後差圧をばね43aにより設定される所定値に保持するように構成されている。
上記以外の構成は第1の実施形態と同じである。
このように構成した本実施形態においては、参考例と同様に、省エネ性を維持しつつ、ポンプ傾転角のハンチングを回避することができる。また、本実施形態では、操作パイロット圧を制御圧としてレギュレータ11のボトム側室11cに導いたので、クローズドセンタ式の方向切替弁41を有する油圧回路において、操作量に応じた圧力制御性を得ることができる。
また、油圧シリンダ3の負荷が軽負荷である場合は、オペレータが操作レバー9を大きく操作すると、制御圧(操作パイロット圧)が高くなり、図2の特性Xで示すようにポンプ吐出圧も高くなるため、ポンプ吐出圧と負荷圧との差が大きくなる。この場合、圧力補償弁43の絞り作用で方向切替弁41のメータインの前後差圧は所定値に保持されるため、余剰の流量が油圧シリンダ3に供給されることが防止される。逆に、油圧シリンダ3の負荷が重負荷である場合は、オペレータが操作レバーを適度に操作することで、ポンプ吐出圧を負荷圧より高く調節することができる。このとき、操作量が小さめである場合は、圧力補償弁43は全開し、ポンプ2が吐出する圧油のほぼ全量を油圧シリンダ3に供給して油圧シリンダ3を駆動することができる。
<その他>
上記実施形態では、操作レバー装置を操作レバー9とパイロット方向切替弁10を備える構成としたが、パイロット方向切替弁10に代え2つの減圧弁を用いるなど、操作量に応じた操作パイロット圧を生成するものであればどのような構成であってもよい。また、操作レバー装置は操作パイロット圧を生成するものとしたが、操作レバーの操作に応じて電気信号を生成する所謂電気レバー装置であってもよい。この場合、公知の如く、電気信号はコントローラに入力され、コントローラは電気信号を電磁弁の制御信号に変換し、電磁弁に出力する。電磁弁は制御信号により駆動され、操作レバーの操作量に応じた操作パイロット圧を出力する。この操作パイロット圧は、方向切替弁の受圧部に導かれ、方向切換弁を切り換え操作するとともに、例えば図1に示す制御圧供給油路12bを介して制御圧としてレギュレータ11のボトム側室11cに導かれる。これにより上述した実施形態と同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、油圧アクチュエータが1個の場合について説明したが、複数の油圧アクチュエータを有する油圧駆動装置にも同様に本発明を適用することができる。
また、本発明の油圧駆動装置は建設機械を含む種々の作業機械に適用可能である。本発明の油圧駆動装置が適用可能な作業機械の一例として、例えば建設機械の代表例である油圧ショベルがある。油圧ショベルは複数の油圧アクチュエータを有している。上述したように、本発明は複数の油圧アクチュエータを有する油圧駆動装置にも適用することができる。これにより油圧ショベルの油圧駆動装置において上述した効果が得られる。
1…駆動源(ディーゼルエンジン)
2…油圧ポンプ
2a…斜板(容量変更部材)
3…油圧シリンダ
4…チェック弁
5…方向切替弁(オープンセンタ式)
6…バイパスカット弁
7…シャトル弁
8…パイロット油圧源
9…操作レバー
10…パイロット方向切替弁
11…レギュレータ(第1レギュレータ)
11a…ピストン11a
11b…ロッド側室
11c…ボトム側室
11d…レギュレータ調整ばね(容量減少力発生装置)
12a…ポンプ油路(第1油路)
12b…制御圧供給油路(第2油路)
12c…分岐油路
12d…絞り圧供給油路(第3油路)
12e…制御圧供給油路(第2油路)
12f…
13…アンロード弁(可変リリーフ弁)
13a…受圧部
13b…アンロード調節ばね
13c…受圧部
21…増圧切替弁(増圧切替装置)
21a…増圧調整ばね
21b,21c…受圧部
31…固定絞り(絞り圧発生装置)
32…サブレギュレータ
32a…ピストン
32b…ボトム側室
41…方向切替弁(クローズドセンタ式)
42…負荷圧取り出し通路
43…圧力補償弁
100,100A〜100C…ポンプ制御装置

Claims (4)

  1. 可変容量型の油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出される圧油によって駆動される油圧アクチュエータと、操作レバー装置の操作レバーを操作することによって操作され、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する方向切替弁と、前記油圧ポンプの吐出流量を制御するポンプ制御装置とを備えた作業機械の油圧駆動装置において、
    前記油圧ポンプの吐出圧が導かれる第1油路と、
    前記油圧ポンプの目標ポンプ吐出圧を設定するための制御圧が導かれる第2油路とを備え、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記第1油路と前記第2油路に接続され、前記油圧ポンプの容量が減少するように前記油圧ポンプの吐出圧が作用し、前記油圧ポンプの容量が増加するように前記制御圧が作用する第1レギュレータと、
    前記油圧ポンプの容量が増加するにしたがって大きくなる容量減少方向の力を発生する容量減少力発生装置とを有し、
    前記ポンプ制御装置は、前記操作レバー装置の操作レバーの操作量に基づいて前記制御圧を生成することを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
  2. 請求項1に記載の作業機械の油圧駆動装置であって、
    前記油圧ポンプの吐出圧を制御する可変リリーフ弁を更に備え、
    前記可変リリーフ弁は、前記制御圧が閉じ方向に作用する受圧部を有し、前記制御圧が増加するにしたがってリリーフ圧を増加させるよう構成したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
  3. 請求項1に記載の作業機械の油圧駆動装置であって、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記第1油路に設けられた増圧切替装置を更に有し、
    前記増圧切替装置は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記制御圧によって定まる前記目標吐出圧から所定値を減算した圧力より低い間は、前記第1油路を遮断して前記油圧ポンプの吐出圧の代わりにタンク圧を前記第1レギュレータに導くように構成したことを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
  4. 請求項2に記載の作業機械の油圧駆動装置であって、
    前記ポンプ制御装置は、
    前記可変リリーフ弁の下流側に設けられた絞り圧発生装置と、
    前記絞り圧発生装置によって発生した絞り圧が導かれる第3油路と、
    前記第3油路に接続され、前記絞り圧発生装置によって発生した絞り圧が前記油圧ポンプの容量を減少させるように作用する第2レギュレータとを更に有することを特徴とする作業機械の油圧駆動装置。
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