JP5945193B2 - パルプチップの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パルプチップの製造方法に関する。
パルプシートを所定大のパルプチップに切断し、それをさらに粉砕したものを各種材料に用いることが行われている。これに関連して、例えば、特許文献1には、パルプシートをシュレッダー及びスリッターカッター等で裁断してパルプチップに加工し、そして、そのパルプチップを乾燥、粉砕することで、効率よくセルロースの結晶性を低減できる、と記載されている。
特開2011−26549号公報
ところで、長尺のパルプシートを、第1切断機に供給して、その幅方向に複数条に切断し、そして、得られた並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、第2切断機に供給して、それらの長さ方向に切断することによりパルプチップに加工する場合、第1切断機から排出された複数のパルプ条のうち幅方向の両側の端部分のパルプ条が第2切断機の手前で滞留して詰まることがある。
本発明の課題は、第1切断機からの複数のパルプ条のうち幅方向の両側の端部分のパルプ条が第2切断機の手前で滞留して詰まるのを防ぐことである。
本発明は、長尺のパルプシートを、第1切断機に、その長さ方向に連続的に供給すると共に、前記パルプシートを、前記第1切断機において、その幅方向に複数条に切断することにより、並行に延びるように配設された複数のパルプ条に加工し、且つ前記並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、前記第1切断機から連続的に排出する第1切断ステップと、前記第1切断ステップにおいて前記第1切断機から排出された前記並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、テーブル上を移動させて、第2切断機に、その長さ方向に連続的に供給すると共に、前記複数のパルプ条を、前記第2切断機において、それらの長さ方向に切断することによりパルプチップに加工する第2切断ステップとを含み、前記第2切断ステップにおいて、前記第2切断機に供給する前の前記テーブル上を移動する前記複数のパルプ条の幅よりも長さが短い押圧部材を用い、前記テーブル上の前記複数のパルプ条のうち幅方向の中間部分のパルプ条を前記押圧部材により前記テーブル側に押圧する一方、前記中間部分のパルプ条を挟む両側の端部分のパルプ条には前記押圧部材による前記テーブル側への押圧力を作用させないパルプチップの製造方法である。
本発明によれば、第2切断ステップにおいて、第2切断機に供給する前のテーブル上を移動する複数のパルプ条の幅よりも長さが短い押圧部材を用い、テーブル上の複数のパルプ条のうち幅方向の中間部分のパルプ条を、その押圧部材によりテーブル側に押圧する一方、中間部分のパルプ条を挟む両側の端部分のパルプ条には押圧部材によるテーブル側への押圧力を作用させないので、中間部分のパルプ条よりも幅方向の拘束が小さい端部分のパルプ条が蛇行することなく真っ直ぐに移動して第2切断機に供給されることとなり、それによって両側の端部分のパルプ条が第2切断機の手前で滞留して詰まるのを防ぐことができる。
実施形態に係るパルプチップの製造に用いるパルプチップ製造装置の概略構成を示す図である。 第1切断機の切断部の一部分を示す正面図である。 テーブル上を移動する複数のパルプ条とその中間部分のパルプ条を押圧する押圧部材を示す図である。 実施形態に係るパルプチップの製造方法を示す説明図である。 端部分のパルプ条が幅広のパルプ条を含む態様を示す平面図である。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(パルプチップ製造装置A)
図1は、本実施形態に係るパルプチップcの製造に用いるパルプチップ製造装置Aを示す。
このパルプチップ製造装置Aでは、上流側から下流側に向かって順に、パルプシート供給機10、第1切断機20、及び第2切断機30が設けられている。
パルプシート供給機10は、支軸11により原料であるパルプシートロールRを略水平に軸支し、それによってパルプシートロールRから長尺のパルプシートPを、その幅方向を横にして側方に引き出せるように構成されている。また、パルプシート供給機10は、パルプシートロールRを軸支する支軸11に対してパルプシートPを巻き取る方向に回転トルクが作用しており、それによってパルプシートロールRから引き出されたパルプシートPに一定の張力が負荷されるように構成されている。支軸11の長さは、パルプシートPの幅にもよるが、例えば100〜3000mmである。
第1切断機20は、いわゆるスリッターカッターの一種であり、パルプシート供給機10からの幅方向を横にしたパルプシートPがパルプシートPの長さ方向に沿って供給されるように設けられている。第1切断機20は、一対の回転軸21が、供給されるパルプシートPの面と略平行、かつパルプシートPの進行方向と略垂直(以下「幅方向に対応する方向」ともいう)に延びるように上下に配設されており、それらの上下一対の回転軸21のそれぞれには、複数のドーナツ盤状の回転刃22が、それぞれ着脱可能に軸支され且つ回転軸21の長さ方向に連設されている。回転刃22の外径は例えば50〜300mmである。上側の回転軸21に設けられた複数の回転刃22の外径及び下側の回転軸21に設けられた複数の回転刃22の外径はそれぞれ同一であるが、上側の回転軸21に設けられた回転刃22の外径と下側の回転軸21に設けられた回転刃22の外径とは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
上下一対の回転軸21は、図2に示すように、それらの回転軸21間の中間部において、上側の隣接する回転刃22間に下側の回転刃22が、また、下側の隣接する回転刃22間に上側の回転刃22がそれぞれ配置され、上下の回転刃22が干渉することなく互い違いに噛み合うように位置付けられている。また、上下一対の回転軸21は、図示しない回転駆動源に結合しており、上流側の正面視において、上側の回転軸21に取り付けられた回転刃22が上から下に向かって、また、下側の回転軸21に取り付けられた回転刃22が下から上に向かってそれぞれ回転し、それによってパルプシートPを上下の回転刃22間に引き込むように構成されている。
そして、この第1切断機20は、パルプシート供給機10からの長尺のパルプシートPが長さ方向に沿って連続的に供給されると、それを回転する上下の回転刃22間に引き込んで、上下の回転刃22間の剪断によって、幅方向に複数条に切断することにより、並行に延びるように配設された複数のパルプ条pに加工し、その並行に延びるように配設された複数のパルプ条pを連続的に排出するように構成されている。尚、この第1切断機20は、パルプシートPを上下の回転刃22間に引き込んで複数のパルプ条pに切断加工して排出することから、パルプ送り機構としても機能する。
第2切断機30は、いわゆるロータリーカッターミルの一種であり、第1切断機20からの幅方向を横にして並行に延びるように配設された複数のパルプ条pが長さ方向に沿って供給されるように設けられている。図1において第2切断機30は、チャンバー31を有し、そのチャンバー31には、パルプ供給孔31aが、供給される複数のパルプ条pの幅方向に対応する方向に延びるように形成されており、また、チャンバー31内には、回転軸32が、同方向に延びるように設けられており、さらに、チャンバー31のパルプ供給孔31aの内縁部に固定刃33が、また、回転軸32に取り付けられたローター34の外周部に回転刃35が、それぞれ軸方向に延びるように設けられている。回転軸32に取り付けられた外周部に回転刃35が設けられたローター34の数は1枚でもよいし、複数枚でもよい。回転刃35の回転外径は例えば100〜300mmである。回転軸32は、図示しない回転駆動源に結合しており、上流側の正面視において、上から下に向かって回転するように構成されている。
そして、この第2切断機30は、第1切断機20の軸方向に並行に延びるように配設された複数のパルプ条pが連続的に供給されると、固定刃33と回転する回転刃35との間の剪断によって、それらの長さ方向に順次切断することによりパルプチップcに加工し、そのパルプチップcをチャンバー31外のパルプチップ回収槽に排出するように構成されている。このとき、固定刃33及び回転刃35は、それぞれ供給される複数のパルプ条pの幅よりも長尺で且つ軸方向に延びるように形成されているので、複数のパルプ条pは幅方向において同時に切断される。
尚、図1においては、安全上の観点から、また、得られるパルプチップcが飛び散らないようにする観点から、チャンバー31が設置された装置を示したが、パルプチップcを得るに当たり、チャンバー31は必須ではない。但し、チャンバー31が存在しない場合でも、固定刃33は、回転刃35との間の剪断によって、連続的に供給される複数のパルプ条pを切断可能な位置、好ましくはテーブル50の下流側末端に設置される。
第1切断機20と第2切断機30との間には、一対の押さえロール40が、第1切断機20からの複数のパルプ条pを上下から幅方向に挟持するように設けられている。押さえロール40の外径は例えば10〜100mmである。上側の押さえロール40の外径と下側の押さえロール40の外径とは、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
一対の押さえロール40は、少なくとも一方が回転駆動源に結合し、複数のパルプ条pを一対の押さえロール40間に引き込んで下流側に送るように回転する駆動ロールである。一対の押さえロール40のうち一方が駆動ロールである場合、上側及び下側の押さえロール40のいずれが駆動ロールであってもよく、前者であれば、上流側の正面視において、上側の押さえロール40が上から下に向かって回転するように構成され、また、後者であれば、上流側の正面視において、下側の押さえロール40が下から上に向かって回転するように構成される。また、この場合、他方の押さえロール40は、いずれの回転駆動源に結合していない自由回転ロールであることが好ましい。一対の押さえロール40の両方が駆動ロールである場合、上流側の正面視において、上側の押さえロール40が上から下に向かって回転し、また、下側の押さえロール40が下から上に向かって回転するように構成される。
また、駆動プーリを含む一対の押さえロール40はパルプ送り機構としても機能する。押さえロール40の表面部は、複数のパルプ条pの幅方向に均一に力を及ぼす観点から、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等のエラストマー材料で形成されていることが好ましい。これらのエラストマー材料のうち、耐摩耗性の観点からウレタン樹脂が好ましい。一方、押さえロール40の表面部は、摩耗等による不純物の混入を低減する観点からSUS等の剛性材料で形成されていることが好ましい。駆動ロールの押さえロール40には自由回転ロールの押さえロール40に比べてパルプ条pとの間で大きな摩擦力が作用することから、一対の押さえロール40の一方が駆動ロール及び他方が自由回転ロールである場合、前者の表面部が剛性材料で形成されていると共に後者の表面部がエラストマー材料で形成されていることが好ましい。
第1切断機20の上流側から第2切断機30までの間にはテーブル50が設けられている。テーブル50は、パルプシート供給機10からのパルプシートPを載せて第1切断機20の上下の回転刃22間に案内し、また、第1切断機20からの複数のパルプ条pを、その下流側の一対の押さえロール40を介して載せて第2切断機30のチャンバー31のパルプ供給孔31aに案内するように構成されている。テーブル50の表面は、パルプシートPや複数のパルプ条pが円滑に移動できるように平滑面であることが好ましい。尚、テーブル50には、第1切断機20の下側の回転刃22及び下側の押さえロール40を露出させるための開口が形成されている。
テーブル50における押さえロール40の下流側の部分の上側には、弾性フィルムで構成された押圧部材60が、基端部がテーブル50から離間した位置にパルプ条pの幅方向に対応する方向に延びるように設けられた部材支持部61に支持され、そこから下方のテーブル50側に垂下すると共に湾曲して第2切断機30側に延び、そして、先端部がテーブル50上を移動するパルプ条pに当接するように設けられている。
押圧部材60は、図3に示すように、テーブル50上を移動する複数のパルプ条pの幅方向に延びるように配置され、その方向に対応する長さLは、テーブル50上の複数のパルプ条pの幅の積算値Wよりも短い。ここで、前記Wは、裁断前のパルプシートPの幅と略同一である。そして、押圧部材60は、その先端部がテーブル50上を移動する複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分(図3におけるp1部分)のパルプ条p(以下「パルプ条p1」ともいう)に摺接する一方、中間部分のパルプ条p1を挟む両側の端部分(図3におけるp2部分)のパルプ条p(以下「パルプ条p2」ともいう)には接触しないように設けられている。これにより、押圧部材60は、複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分のパルプ条p1を、押圧部材60の湾曲によって生じる弾性力によりテーブル50側に押圧する一方、中間部分のパルプ条p1の両側の端部分のパルプ条p2にはテーブル50側への押圧力が作用しないように構成されている。
押圧部材60は、例えば、テーブル50から部材支持部61に支持された基端までの距離が3〜20mm、基端から先端までの長さが3〜50mm、第2切断機30側への湾曲部の曲率半径が3〜50mm、及び厚さが0.02〜1mmである。押圧部材60の先端両側の角部は、丸みを帯びるようにカットされていることが好ましい。押圧部材60を構成する弾性フィルムとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂などの樹脂フィルム等が挙げられる。
このパルプチップ製造装置Aにおける各部の配置関係は、パルプシート供給機10の支軸11と第1切断部の回転軸21との水平軸間距離が例えば250〜5000mm、第1切断部の回転軸21と押さえロール40のロール軸41との水平軸間距離が例えば10〜1000mm、押さえロール40のロール軸41と押圧部材60の部材支持部61との間の水平距離が例えば10〜1000mm、及び押圧部材60の部材支持部61と第2切断部の回転軸32との間の水平距離が例えば10〜1000mmである。
尚、上記パルプチップ製造装置Aでは、押圧部材60を弾性フィルムで構成したが、特にこれに限定されるものではなく、テーブル上のパルプ条をテーブル側に押圧するものであれば、ロール状部材等で構成してもよい。また、ロール状部材の押圧部材の場合、ロール長さが複数のパルプ条の幅よりも短く、それが複数のパルプ条のうち幅方向の中間部分のパルプ条に対応して設けられる。
(パルプチップcの製造方法)
図4は、上記パルプチップ製造装置Aを用いた本実施形態に係るパルプチップcの製造方法の概略構成を示す。
本実施形態に係るパルプチップcの製造方法では、第1切断ステップとして、上記パルプチップ製造装置Aを用い、パルプシート供給機10の支軸11に軸支されたパルプシートロールRからパルプシートPを引き出し、その長尺のパルプシートPを、幅方向を横にしてテーブル50上に載せて移動させて、第1切断機20の上下の回転刃22間に案内し、その長さ方向に連続的に供給する。第1切断機20においては、供給されたパルプシートPを、その幅方向に複数条に切断することにより、並行に延びるように配設された複数のパルプ条pに加工する。そして、第1切断機20から、並行に延びるように配設された複数のパルプ条pを連続的に排出する。
ここで、パルプシートPの原料パルプとしては、例えば、木材パルプや古紙パルプが挙げられる。木材パルプとしては、例えば、亜硫酸パルプ、硫酸塩パルプ等の化学パルプが挙げられる。亜硫酸パルプとしては、例えばα−セルロース成分が多い溶解パルプが挙げられる。硫酸塩パルプとしては例えばクラフトパルプが挙げられる。木材パルプとしては、その他に、例えば半化学パルプ(セミケミカルパルプ)等も挙げられる。古紙パルプとしては、いわゆる古紙の他、脱墨パルプも挙げられる。パルプシートPの厚さは、パルプチップcへの切断加工性の観点から、好ましくは0.05mm以上であり、より好ましくは0.1mm以上であり、また、同様の観点から、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下である。パルプシートPの幅は、特に限定されるものではないが、例えば100〜1000mmである。
パルプシートPを第1切断機20により切断するときの上下の回転刃22の周速は例えば0.0005〜0.5m/sである。第1切断機20は上下の回転刃22によるパルプシートPの引き込みによるパルプ送り機構をも構成するので、回転刃22の周速の設定によりパルプシートPの送り速度を制御することができる。
パルプシートPを第1切断機20によりその幅方向に複数条に切断して並行に延びるように配設された複数のパルプ条pに加工するが、そのパルプ条pの条数は、パルプシートPの幅にもよるが、例えば10〜400条である。パルプ条pの幅は、パルプチップcへの切断加工性の観点から、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは2mm以上であり、また、パルプチップcをさらに粉砕する際の加工効率の観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。複数のパルプ条pは、全てが同一幅であってもよく、また、幅の異なるものが混在していてもよい。尚、パルプ条pの幅は、上下それぞれの回転刃22の回転軸21方向の厚み設定により制御することができる。
本実施形態に係るパルプチップcの製造方法では、第2切断ステップとして、第1切断機20から排出された並行に延びるように配設された複数のパルプ条pを、一対の押さえロール40を介して、その下流側のテーブル50上に載せて移動させて、第2切断機30のチャンバー31のパルプ供給孔31aに案内し、その長さ方向に連続的に供給する。第2切断機30においては、複数のパルプ条pを、第2切断機30のチャンバー31内において、固定刃33と回転する回転刃35との間の剪断で、それらの長さ方向に順次切断することによりパルプチップcに加工する。そして、第2切断機30から、パルプチップcをチャンバー31外の図示しないパルプチップ回収槽に排出して回収する。
ここで、複数のパルプ条pを一対の押さえロール40を介してテーブル50上に載せるが、一対の押さえロール40に含まれる駆動ロールの周速は例えば0.0005〜0.5m/sである。一対の押さえロール40はパルプ送り機構をも構成するので、その周速の設定によりパルプシートPの送り速度を制御することができる。
一対の押さえロール40の駆動ロールの回転数は、複数のパルプ条pが蛇行するのを防止する観点から、その回転数に対応したパルプシートPの送り速度が、第1切断機20の回転刃22の回転数に対応したパルプシートPの送り速度以上となるように設定することが好ましい。具体的には、一対の押さえロール40の駆動ロールの回転数は、その回転数に対応したパルプシートPの送り速度が、第1切断機20の回転刃22の回転数に対応したパルプシートPの送り速度の好ましくは100%以上、より好ましくは102%以上、また、好ましくは110%以下、より好ましくは105%以下となるように設定することが好ましい。従って、第1切断機20と一対の押さえロール40との間では、複数のパルプ条pにやや張力を付与することが好ましい。また、一対の押さえロール40は、同様に複数のパルプ条pが蛇行するのを防止する観点から、複数のパルプ条pの第1切断機20の排出部から一対の押さえロール40の供給部までの移動距離よりも一対の押さえロール40の排出部から第2切断機30のチャンバー31のパルプ供給孔31aまでの移動距離の方が短くなるように、つまり、第2切断機30に近い側に設けられていることが好ましい。
複数のパルプ条pを第2切断機30により切断するときの回転刃35の周速は、得られるパルプチップcのパルプ条pの長さ方向に対応する寸法が、後述する好ましい範囲になるよう適宜調節すればよく、複数のパルプ条pの送り速度に依存するため一概には決められないが、例えば(回転刃35の周速)/(回転刃35の設置枚数)が0.2〜100m/(s・枚)になるように調節すればよい。
複数のパルプ条pを第2切断機30によりそれらの長さ方向に順次切断してパルプチップcに加工するが、パルプチップcにおけるパルプ条pの幅方向に対応する寸法は、パルプ条pの幅に依存し、加工精度の観点から好ましくは1mm以上であり、より好ましくは2mm以上であり、またパルプチップcをさらに粉砕する際の加工効率の観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。パルプチップcにおけるパルプ条pの長さ方向に対応する寸法は、パルプチップcへの切断加工性の観点から、好ましくは0.5mm以上であり、より好ましくは1mm以上であり、また、パルプチップcをさらに粉砕する際の加工効率の観点から、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。このパルプチップcの長さ寸法は、第2切断機30の回転刃35の周速、回転軸32に取り付けられた外周部に回転刃35が設けられたローター34の数及び複数のパルプ条pの送り速度の設定により制御することができる。
上記パルプチップ製造装置Aでは、押圧部材60が、テーブル50上を移動する複数のパルプ条pの幅Wよりも長さLが短く、そして、テーブル50上を移動する複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分のパルプ条p1にその先端部が摺接する一方、中間部分のパルプ条p1を挟む両側の端部分のパルプ条p2には接触しないように設けられている。そのため、本実施形態に係るパルプチップcの製造方法では、第2切断ステップにおいて、テーブル50上の複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分のパルプ条p1を、湾曲した押圧部材60による弾性力によりテーブル50側に押圧する一方、中間部分のパルプ条p1を挟む両側の端部分のパルプ条p2には押圧部材60によるテーブル50側への押圧力を作用させない。
本発明者らは、第1切断機から排出された複数のパルプ条の幅方向の両側の端部分のパルプ条が第2切断機の手前で滞留して詰まるという課題について鋭意検討した結果、第2切断機の手前に設けられた押圧部材によりパルプ条に及ぼされるテーブル側への押圧力が影響していることを突き止めた。具体的には、中間部分のパルプ条よりも幅方向の拘束が小さい端部分のパルプ条の場合、押圧部材によるテーブル側への押圧によって蛇行を生じ、それが第2切断機の手前で滞留して詰まる原因となっていることが分かった。また、その一方、押圧部材を取り除くと、パルプ条の浮き上がりにより複数のパルプ条全体としての第2切断機への円滑な供給が阻害されることも分かった。さらに、端部分のパルプ条だけであれば、押圧部材によりテーブル側に押圧しなくても、複数のパルプ条全体としての第2切断機への円滑な供給が阻害されることがないことを確認した。そこで、本発明者らは、第2切断機の手前で端部分のパルプ条が滞留して詰まるという課題の解決手段として、本実施形態に係るパルプチップcの製造方法のように、複数のパルプ条pの幅Wよりも長さLが短い押圧部材60を用い、テーブル50上の複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分のパルプ条p1を、押圧部材60によりテーブル50側に押圧する一方、中間部分のパルプ条p1を挟む両側の端部分のパルプ条p2には押圧部材60によるテーブル50側への押圧力を作用させないことに想到した。
従って、本実施形態に係るパルプチップcの製造方法によれば、第2切断ステップにおいて、テーブル50上の複数のパルプ条pのうち幅方向の中間部分のパルプ条p1を、湾曲した押圧部材60による弾性力によりテーブル50側に押圧する一方、中間部分のパルプ条p1を挟む両側の端部分のパルプ条p2には押圧部材60によるテーブル50側への押圧力を作用させないので、中間部分のパルプ条p1よりも幅方向の拘束が小さい端部分のパルプ条p2のパルプ条p2が蛇行することなく真っ直ぐに移動して第2切断機30に供給されることとなり、それによって第1切断機20からの複数のパルプ条pの幅方向の両側の端部分のパルプ条p2が第2切断機30の手前で滞留して詰まるのを防ぐことができる。
ここで、押圧部材60の押圧力が作用しない複数のパルプ条pの両側の端部分(図3におけるp2)の幅は、少なくとも複数のパルプ条pの幅方向の両末端に存在するパルプ条pの幅であり、具体的には、第2切断機30の手前で滞留して詰まるのを防ぐ観点から、好ましくは1mm以上であり、より好ましくは2mm以上であり、また、複数のパルプ条p全体を第2切断機30に円滑に供給する観点から、好ましくは70mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。また、押圧部材60の押圧力が作用しない複数のパルプ条pの両側の端部分(図3におけるp2)の幅は、パルプ条pの条数では、好ましくは2条以上であり、より好ましくは5条以上であり、また、好ましくは20条以下であり、より好ましくは15条以下である。
端部分のパルプ条p2の蛇行を阻止する観点からは、複数のパルプ条pの両側のそれぞれの端部分のパルプ条p2のうち、外側から1条又は複数条のパルプ条p2’の幅を、押圧部材60によってテーブル50側に押圧される中間部分のパルプ条p1の幅よりも広くしてパルプ条p2’のこしを高めることが好ましい。この端部分の幅広のパルプ条p2’の幅は、こしを高めてパルプ条p2’の蛇行を阻止する観点から、好ましくは1.5mm以上であり、より好ましくは3mm以上であり、また、パルプチップcをさらに粉砕する際の加工効率の観点から、好ましくは30mm以下であり、より好ましくは20mm以下である。また、中間部分のパルプ条p1の幅に対しては、好ましくはその1.5倍以上であり、より好ましくは3倍以上であり、また、好ましくは5倍以下であり、より好ましくは3倍以下である。この幅広のパルプ条p2’の条数は、各端部分のパルプ条p2における幅方向の拘束の最も小さい最も外側の1条のみであってもよく、また、それを含む例えば外側から1〜10条であってもよく、さらに、端部分のパルプ条p2の全条であってもよい。このように端部分のパルプ条p2に幅広のパルプ条p2’を含めるには、第1切断機20の設定において、上側又は下側の回転軸21に取り付ける回転刃22のうち最も外側の回転刃22を取り外したり、或いは、回転軸21の両側部分に取り付ける回転刃22の回転軸21方向の厚みを変更等すればよい。
また、第2切断機30の手前で端部分のパルプ条p2が滞留して詰まるのを防ぐ観点からは、パルプシートP或いは複数のパルプ条pの送り速度が低いことが好ましく、具体的には、好ましくは20m/min以下であり、より好ましくは10m/min以下である。その一方、生産性の観点からは、この送り速度は、好ましくは0.01m/min以上であり、より好ましくは0.1m/min以上である。パルプシートP或いは複数のパルプ条pの送り速度は、パルプ送り機構を構成する第1切断機20の回転刃22及び/又は一対の押さえロール40の周速の設定により制御することができる。
以上の本実施形態に係るパルプチップcの製造方法によって得たパルプチップcは、さらに粉砕機によって微細に粉砕して各種材料として用いる。
本発明は、パルプチップの製造方法について有用である。
A パルプチップ製造装置
R パルプシートロール
P パルプシート
p パルプ条
1 中間部分のパルプ条
2 端部分のパルプ条
2’ 幅広のパルプ条
c パルプチップ
10 パルプシート供給機
11 支軸
20 第1切断機
21 回転軸
22 回転刃
30 第2切断機
31 チャンバー
31a パルプ供給孔
32 回転軸
33 固定刃
34 ローター
35 回転刃
40 押さえロール
41 ロール軸
50 テーブル
60 押圧部材
61 部材支持部

Claims (6)

  1. 長尺のパルプシートを、第1切断機に、その長さ方向に連続的に供給すると共に、前記パルプシートを、前記第1切断機において、その幅方向に複数条に切断することにより、並行に延びるように配設された複数のパルプ条に加工し、且つ前記並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、前記第1切断機から連続的に排出する第1切断ステップと、
    前記第1切断ステップにおいて前記第1切断機から排出された前記並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、テーブル上を移動させて、第2切断機に、その長さ方向に連続的に供給すると共に、前記複数のパルプ条を、前記第2切断機において、それらの長さ方向に切断することによりパルプチップに加工する第2切断ステップと、
    を含み、
    前記第2切断ステップにおいて、前記第2切断機に供給する前の前記テーブル上を移動する前記複数のパルプ条の幅よりも長さが短い押圧部材を用い、前記テーブル上の前記複数のパルプ条のうち幅方向の中間部分のパルプ条を前記押圧部材により前記テーブル側に押圧する一方、前記中間部分のパルプ条を挟む両側の端部分のパルプ条には前記押圧部材による前記テーブル側への押圧力を作用させないパルプチップの製造方法。
  2. 前記押圧部材は、基端部が前記テーブルから離間した位置に支持され、そこから前記テーブル側に近接すると共に湾曲して前記第2切断機側に延び、先端部が前記テーブル上を移動する前記複数のパルプ条のうち幅方向の前記中間部分のパルプ条に当接する弾性フィルムで構成されている請求項1に記載されたパルプチップの製造方法。
  3. 前記複数のパルプ条の両側のそれぞれの前記端部分のパルプ条のうち、外側から1条又は複数条のパルプ条の幅を、前記押圧部材によって前記テーブル側に押圧される前記中間部分のパルプ条の幅よりも広くする請求項1又は2に記載されたパルプチップの製造方法。
  4. 前記第1切断機から排出された前記並行に延びるように配設された複数のパルプ条を、回転駆動源に結合した駆動ロールを含む一対の押さえロールを介して、その下流側の前記テーブル上に載せて移動させる請求項1乃至3のいずれかに記載されたパルプチップの製造方法。
  5. 前記一対の押さえロールは、前記複数のパルプ条の前記第1切断機から前記一対の押さえロールまでの移動距離よりも前記一対の押さえロールから前記第2切断機までの移動距離の方が短くなるように設けられている請求項4に記載されたパルプチップの製造方法。
  6. 前記一対の押さえロールは、一方が駆動ロール及び他方が自由回転ロールであり、且つ前者の表面部が剛性材料で形成されていると共に後者の表面部がエラストマー材料で形成されている請求項4又は5に記載されたパルプチップの製造方法。
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