JP5944733B2 - 表示制御デバイス、表示制御デバイスの制御方法、再生装置、テレビジョン受像機、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

表示制御デバイス、表示制御デバイスの制御方法、再生装置、テレビジョン受像機、プログラム、および記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、表示面に表示させる字幕の輝度を制御可能な表示制御デバイス等に関するものである。
従来、映像の再生および再生制御を行う再生装置は、当該映像を表示する表示装置が備えたバックライトの発光輝度を、再生する映像に応じてダイナミックに変化させる制御を行っている。これにより、当該再生装置は、映像内容に応じたメリハリのある映像とすることができる。
特に、上記バックライトを複数の分割領域に分割し、当該分割領域ごとに発光ダイオード(以下「Light Emitting Diode」の頭文字をとって、単に「LED」と称する)の出力を制御することによって、バックライトの輝度を変化させる再生装置が普及している。すなわち、画面内の暗い領域ではLEDの発光を抑え、画面内の明るい領域ではLEDの発光を強めるなど、分割したそれぞれの領域ごとにLEDの発光を制御する(ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range;HDR)合成を行う)ことができる。上記技術は、一般に「ローカルデミング」と呼ばれる。
上記ローカルデミングに関連する技術として、例えば下記の特許文献1には、周囲の光源からの出射光を考慮し、消費電力を抑えつつ、正しい階調表示を行うことができる、エリアアクティブ駆動を行う画像表示装置が開示されている。
しかし、上記装置は、OSD(On Screen Display)表示によって字幕が表示される映像、または当該映像自体に字幕が含まれた映像を表示する場合、バックライトの発光輝度が変化すると、画面に表示された字幕の輝度も変化する。これにより、ユーザが字幕を読むと、当該字幕の輝度が変化することによる違和感を得る。
そこで、例えば特許文献2に開示されているように、入力映像信号に応じて動的に画面輝度を最適化することによって、画質の向上及び消費電力の低減を実現する場合であっても、OSD表示の輝度が変動することによる表示品位の低下を防止する画像表示装置が考案されている。
特開2010−249996号公報(2010年11月4日公開) 特開2005−321424号公報(2005年11月17日公開)
しかし、上記の特許文献2に記載された画像表示装置は、OSD表示の輝度がそれ以外の映像の輝度変化にかかわらず一定に保持されるため、ユーザがOSD表示とそれ以外の映像との一体感を得にくいという問題点がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、映像に応じて字幕の明るさを最適化することにより、字幕を含む映像の表示品位を向上させることが可能な表示制御デバイス等を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の表示制御デバイスは、
(1)表示装置が備えた表示面を照明する光源として発光ダイオードを用いたバックライトを複数の分割領域に分割し、当該分割領域ごとに前記発光ダイオードの出力を制御することによって、前記表示装置が当該表示面に表示させる画像の輝度を制御可能な表示制御デバイスであって、
(2)前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する輝度判定手段と、
(3)前記輝度判定手段によって発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、前記字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明の表示制御デバイスの制御方法は、
(1)表示装置が備えた表示面を照明する光源として発光ダイオードを用いたバックライトを複数の分割領域に分割し、当該分割領域ごとに前記発光ダイオードの出力を制御することによって、前記表示装置が当該表示面に表示させる画像の輝度を制御可能な表示制御デバイスの制御方法であって、
(2)前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する輝度判定ステップと、
(3)前記輝度判定ステップにおいて発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、前記字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御ステップとを含むことを特徴とする。
上記の特許文献2に記載された従来の画像表示装置は、OSD表示の輝度が高くなりすぎないように制御を行う。しかし、上記画像表示装置は、OSD表示以外の映像の輝度変化にかかわらず、OSD表示の輝度を一定に保持するように制御するに過ぎない。そのため、ユーザがOSD表示とそれ以外の映像との間に輝度の大きな差を感じる場合があり、映像全体の一体感を得にくかった。
一方、本発明の表示制御デバイス等は、まず字幕が表示される表示面上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する。そして、本発明の表示制御デバイス等は、互いに隣接する分割領域であって、発光輝度の差が所定値を超える分割領域が存在すると判定された場合、字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御する。すなわち、字幕領域に外接する分割領域の発光輝度に応じて字幕の発光輝度を最適化するように制御する。
これにより、字幕の発光輝度が字幕領域に外接する発光輝度よりも突出して大きくなることがないため、ユーザは字幕を読む際に当該字幕を眩しく感じることが少なく、映像全体の一体感を得ることができる。
また、上記の特許文献2に記載された画像表示装置は、字幕がOSD表示される場合にのみ、字幕の輝度が高くなりすぎないように制御するに過ぎない。
一方、本発明の表示制御デバイスは、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差を抽出することにより、字幕が存在しているか否かを判定する。この判定は、字幕がOSD表示されているか、映像に直接表示されている(字幕入り映像)かに関わらず実行できる。
これにより、本発明の表示制御デバイスは、OSD表示された字幕だけでなく、字幕入り映像に含まれる字幕も、字幕の輝度が高くなりすぎないように制御することができる。
したがって、本発明の表示制御デバイスおよび当該デバイスの制御方法は、従来の技術よりも映像の表示品位を向上させることができる。
また、本発明の表示制御デバイスでは、
(1)前記バックライト制御手段は、前記字幕領域に外接する分割領域の発光輝度の最大値と等しくなるように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御することを特徴とする。
上記の構成によれば、字幕領域の発光輝度、特に字幕領域内に表示される字幕の発光輝度が、該字幕領域に外接する分割領域の発光輝度の最大値に等しくなる。すなわち、字幕の発光輝度は、少なくとも1つの字幕領域外の分割領域に表示される映像の発光輝度と同じである。このため、字幕の発光輝度が字幕領域外の発光輝度よりも突出して大きくなることがない。
したがって、本発明の表示制御デバイスは、ユーザが字幕を読む際、当該ユーザに字幕の眩しさを感じさせることが少ないため、映像の表示品位を向上させることができる。
また、本発明の表示制御デバイスは、
(1)前記輝度判定手段によって所定値を超えると判定された場合、前記字幕領域を構成する分割領域が画像の表示されない黒帯部に含まれるか否かを判定する黒帯部判定手段をさらに備え、
(2)前記バックライト制御手段は、前記黒帯部判定手段によって黒帯部に含まれると判定される場合、前記バックライト全体の平均輝度と等しくなるように、前記字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御することを特徴とする。
上記の構成によれば、上記表示制御デバイスは、上記発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、字幕領域を構成する分割領域が画像の表示されない黒帯部に含まれるか否かを判定する。そして、上記表示制御デバイスは、黒帯部に含まれると判定される場合、バックライト全体の平均輝度と等しくなるように、字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御する。
すなわち、本発明の表示制御デバイスは、字幕領域内に存在する字幕が黒帯部内に表示される場合、字幕の発光輝度をバックライト全体の平均発光輝度レベルと等しくできる。そのため、上記表示制御デバイスは、黒帯部内に字幕が存在する場合であっても字幕を暗くしすぎることなく、ユーザにとって見易く表示させることができる。
また、本発明の再生装置は、
(1)上記表示制御デバイスと、
(2)表示装置に表示させる画像を、当該表示装置に出力する再生デバイスとを備えたことを特徴とする。
上記の構成のように、上記表示制御デバイスと再生デバイスとを備えた再生装置は、上述と同様の効果を奏する。
また、本発明のテレビジョン受像機は、
(1)放送されたテレビジョン番組を受信可能なテレビジョン受像機であって、
(2)前記テレビジョン番組を表示する表示装置と、
(3)前記テレビジョン番組を前記画像として前記表示装置に出力する上記再生装置とを備えたことを特徴とする。
上記の構成のように、上記表示装置と再生装置とを備えたテレビジョン受像機は、上述と同様の効果を奏する。
なお、上記表示制御デバイスはコンピュータによって実現してもよい。この場合には、コンピュータを上記表示制御デバイスの各手段として動作させることにより、上記表示制御デバイスをコンピュータで実現させる制御プログラム、およびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明の表示制御デバイスは、前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する輝度判定手段と、前記輝度判定手段によって発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、前記字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御手段とを備えた構成である。
また、本発明の表示制御デバイスの制御方法は、前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する輝度判定ステップと、前記輝度判定ステップにおいて発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、前記字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御ステップとを含む構成である。
したがって、本発明の表示制御デバイスおよび当該デバイスの制御方法は、映像に応じて字幕の明るさを最適化することができ、字幕を含む映像の表示品位を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る再生装置の要部構成を示すブロック図である。 表示装置の表示画面上に表示される映像の一例を示す模式図である。 字幕領域の表示面上における位置の一例を示した模式図である。 図1に示す再生装置の表示制御部により実行される字幕表示制御処理の一例を示すフローチャートである。 図2に示す表示画面の一部領域を拡大した拡大図である。 表示制御部により実行される字幕表示判定処理の流れを示すフローチャートである。 発光輝度の調整のやり方の具体例を示すグラフであって、図2に示すROW1ライン上のバックライト領域の発光輝度を抽出したグラフであり、(a)は字幕表示制御処理前の発光輝度を示すグラフであり、(b)は同処理後の発光輝度を示すグラフである。 図2に示すROWOUTライン上のバックライト領域の発光輝度を抽出したグラフである。 図2に示すCOL1ライン上のバックライト領域の発光輝度を抽出したグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る再生装置の要部構成を示すブロック図である。 図10に示す再生装置の表示制御部により実行される字幕表示制御処理の流れを示すフローチャートである。 図2に示すROW2ライン上のバックライト領域の発光輝度を抽出したグラフである。 本発明の第3の実施の形態に係るTV受像機の要部構成を示すブロック図である。
〔実施の形態1〕
図1〜図9に基づいて、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。
〔再生装置1の概要〕
図1に基づいて、再生装置1の構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る再生装置1の要部構成を示すブロック図である。なお、記載の簡潔性を担保する観点から、本実施の形態に直接関係のない部分は構成の説明およびブロック図から省略した。ただし、実施の実情に則して、再生装置1は当該省略した構成を含んでもよい。
再生装置1は、表示制御部12と、液晶表示装置201(図13参照)に表示させる画像を、当該液晶表示装置に出力する再生部11とを備えた装置である。すなわち、再生装置1は、チューナー等から取得したストリーム信号に含まれる映像信号から、映像を再生する。そして、再生装置1により再生された映像は、液晶表示装置201に表示される。
なお、本実施形態では、再生装置1により再生される映像は、映像自体に字幕が含まれた字幕入り映像であるとする。また、映像信号を含むストリーム信号の一例としては、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)−TS(Transport Stream)などが挙げられる。
上記したように、再生装置1は、再生部11、表示制御部12、およびフレームメモリ部13(以下、メモリ部13と略記する)を備えた構成である。
再生部(再生デバイス)11は、液晶表示装置201に表示させる画像を、当該液晶表示装置に出力する。再生部11の詳細を、後で説明する。
表示制御部(表示制御デバイス)12は、液晶表示装置201が備えた表示面2011(図13参照)を照明する光源として発光ダイオード(LED)を用いたバックライトを複数の分割領域に分割し、当該分割領域ごとにLEDの出力を制御することによって、液晶表示装置201が当該表示面に表示させる画像の輝度を制御可能なデバイスである。
なお、表示制御部12の各機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムを、CPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現されてもよい。表示制御部12の詳細も、後で説明する。
メモリ部13は、各種データおよびプログラムを記憶する記録媒体である。表示制御部12が動作するために必要なプログラム、通信制御データ等の固定データを記憶する読み出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、演算に使用するデータ、および演算結果等を一時的に記憶するいわゆるワーキングメモリとしてのRAM、各種の設定データ、上記ストリーム信号などを記憶する大容量のHDD(Hard Disk Drive)などによって、メモリ部13を構成できる。
次に、再生部11および表示制御部12の構成の詳細を説明する。
〔再生部11の詳細〕
図1に示したように、再生部11は、デコーダ部111、外部入力端子部112、主制御部113、および主フレームメモリ部114(以下、主メモリ部114と略称)を備えた構成である。
デコーダ部111は、アンテナおよびチューナー(図示せず)を介することにより、テレビジョン放送波等を受信し、その放送波のストリーム信号に含まれる映像信号をデコードするものである。これにより、表示装置に表示可能な形式の映像が再生される。そして、デコーダ部111は、デコードした映像信号を表示制御部12に送出する。
外部入力端子部112には、HDD、SDカード等の固体メモリ、BD(Blue-ray DISC)、DVD(Digital Versatile Disk)、CD等のディスク装置等、種々の外部機器が接続可能とされている。デコーダ部111は、外部入力端子部112に接続されたこれらの外部機器から映像信号を受け取ってデコードし、デコードした映像を再生してもよい。
〔表示制御部12の詳細〕
図1に示したように、表示制御部12は、エリアアクティブ制御部121、LED制御部122、および字幕判定部123を備える構成である。
字幕判定部(輝度判定手段)123は、液晶表示装置201によって字幕が表示される表示面2011上の領域である字幕領域を構成する分割領域のうち、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えるか否かを判定する。
具体的には、字幕判定部123は、デコーダ部111から出力された映像を取得し、この映像の所定の字幕領域において、当該字幕領域を分割した分割領域ごとに、その分割領域内における映像の最大階調値を抽出する。そして、それらの最大階調値同士の差が所定値以上である互いに隣接する分割領域が存在するか否か判定する。
なお、字幕判定部123は、再生部11が備える主制御部113によって、その動作が制御されている。また、字幕判定部123は、分割領域ごとに映像の最大階調値を抽出するとしたが、最大階調値以外にも、例えば各分割領域における映像の階調平均値など、他の所定の統計値を抽出する構成であってもよい。この場合、上記判定の対象となるのは、抽出した所定の統計値である。
LED制御部(バックライト制御手段)122は、字幕判定部123によって発光輝度の差が所定値を超えると判定された場合、字幕領域に外接する分割領域の発光輝度を超えないように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御する。
言い換えれば、LED制御部122は、字幕判定部123による上記判定の結果を取得し、その判定結果により、上記分割領域に対応する領域を単位領域として、表示装置のバックライトを制御する。ここで、LED制御部122は、字幕領域に外接する分割領域の発光輝度の最大値と等しくなるように、当該字幕領域を構成する分割領域の発光輝度を制御してもよい。
エリアアクティブ制御部121は、字幕判定部123から映像信号を取得し、液晶表示装置201が備えた表示面2011の各画素の階調を制御する。
なお、上記分割領域がバックライトを制御するときの単位領域に対応しているため、以下では上記分割領域を「バックライト領域」と称する。
〔表示映像と字幕領域〕
図2に基づいて、液晶表示装置201が備えた表示面2011における字幕の表示位置を説明する。図2は、液晶表示装置201の表示面2011上に表示される映像の一例を示す模式図である。
表示面2011の上下端には、映像が何も表示されていない領域(領域B1、B2)がある。そして、両者に挟まれるように映像が表示されている(領域A)。以下では、領域B1およびB2を黒帯部、領域Aを通常画領域と呼ぶ。
図2では、通常画領域の下側で、かつ左右方向の中央部である位置に、字幕(「あい」)が表示されている。図2に示すように、通常画とともに表示される字幕は、通常画領域の上下左右のいずれかの端部に沿うように表示されるか、または黒帯部の内側に表示されることが一般的である。
字幕が表示されている映像の特徴としては、
1.隣接する画素間で輝度の急峻な変化がある。
2.ほぼ均一な高輝度画素が連続して表れる。
ことが挙げられる。
1.の特徴は、一般的に字幕が通常画と比較してとても高輝度で表示されるため、通常画と字幕とが隣接する位置で、このような輝度の変化が表れることである。
2.の特徴は、表示装置の画素のサイズが字幕の表示サイズよりも十分小さいので、字幕が表示されている領域に複数の画素が含まれることである。
なお、前述のバックライト領域は、画素以上のサイズであって、かつ字幕の表示サイズよりも十分小さいサイズ(例えば、字幕の表示サイズの1/2以下のサイズ)に設定される。これにより、字幕が表示されている領域に複数のバックライト領域が含まれる。
図2のように、字幕が通常画領域の下側または上側に表示される場合、横書きで表示されることが一般的である。一方で、通常画領域の左側または右側の端に沿うように字幕が表示される場合、縦書きで表示されることが一般的である。
また、字幕が黒帯部に表示される場合、黒帯部が通常画領域の上方および/または下方に表示されているならば、字幕は横書きで表示されることが一般的である。一方、黒帯部が通常画領域の左方および/または左方に表示されるならば、字幕は一般的に縦書きで表示されることが一般的である。
図3に基づいて、字幕が表示される表示面上の領域である字幕領域の表示位置を説明する。図3は、字幕領域の表示面上における位置の一例を示した模式図である。図3に示す、表示画面(外枠)の下側に斜線で示された横長の矩形部分(領域X)が、字幕領域である。
図3に示すように、一般的に字幕が表示される上記のような領域を含むように、表示制御部12は表示画面上に字幕領域を設定する。当該字幕領域は、横方向に幅w0で規定される範囲であり、また縦方向には前述の黒帯部(領域B1)および通常画部(領域A)の両者に掛かる範囲である。
本実施の形態では、図3に示す字幕領域が設定されていると仮定して説明する。
〔字幕表示制御処理〕
図4に基づいて、再生装置1が再生した字幕入り映像を液晶表示装置201で表示する際に、上記液晶表示装置201が備えたバックライトの発光輝度を、表示制御部12が制御する字幕表示制御処理を説明する。
まず、字幕表示制御処理の概要を説明する。表示制御部12は、字幕領域をマトリクス状に分割し、分割した単位領域(バックライト領域)ごとに制御を行う。表示制御部12は、再生装置1が再生する映像の字幕領域中に字幕を含むバックライト領域が存在しているか否かを判定し、そのようなバックライト領域が存在する場合に、字幕領域に対応するバックライトの発光輝度を制御する。
表示制御部12は、ROW1ライン、ROW2ライン(図2・図3参照)ごとに、字幕表示制御処理を行う。各ライン上には、バックライト領域が一列に並んでいる。表示制御部12は、ある一列のライン上に存在する全てのバックライト領域のうち、字幕を含むバックライト領域が存在するか否か判定する。そして、そのライン上に字幕を含むバックライト領域がなかった場合には、表示制御部12はそのラインに隣接するラインに移って同様の判定を行う、という手順で字幕制御処理を実行する。字幕を含むバックライト領域がいずれのライン上でも見つからない場合、表示制御部12は、字幕領域に含まれるすべてのバックライト領域の字幕表示制御処理を実行する。
次に、図4に示すフローチャートにしたがって、字幕表示制御処理の詳細を説明する。なお、以下の説明中、カッコ書きの「〜ステップ」は制御方法の各ステップを表す。
表示制御部12(字幕判定部123)は、字幕を含むバックライト領域が存在しているか否か判定する字幕表示判定処理を、ライン上のバックライト領域ごとに行う(S100、輝度判定ステップ)。この処理の詳細は後述する。
以降のステップで、表示制御部12は、字幕を含むバックライト領域をみつけたか否かを示すためにフラグFLAGを使用する。ステップS100で、ライン上のバックライト領域に字幕が存在していないと判定した場合、表示制御部12はFLAGに0をセット(FLAG=0)する。一方、ライン上のバックライト領域に字幕が存在していると判定した場合、表示制御部12はFLAGを1にセット(FLAG=1)する。
次に、表示制御部12は、FLAG=1であるか否かを判定する(S200)。FLAG=1でない場合(S200でNO)、すなわちFLAG=0である場合、表示制御部12は現在のラインに隣接するラインに移動する(S300)。その後、表示制御部12は、移動先のラインが字幕領域外であるか否かを判定し(S400)、そのラインが字幕領域内にある場合(S400でNO)、そのライン上のバックライト領域の字幕表示判定処理を行う(S100)。一方、移動先のラインが字幕領域外である場合(S400でYES)、表示制御部12は字幕表示制御処理を終了させる。
ステップS100からステップS200に進み、FLAG=1である場合(S200でYES)、表示制御部12(LED制御部122)は、字幕領域の発光輝度を当該字幕領域に外接する(通常画領域内の)バックライト領域の発光輝度の最大値に合わせる(S300、バックライト制御ステップ)。そして、表示制御部12は字幕表示制御処理を終了させる。
以上のように、映像の所定の字幕領域内におけるあるバックライト領域に字幕が存在していると字幕判定部123が判定した場合、表示制御部12は、字幕領域を構成するバックライト領域の発光輝度を、字幕領域に外接する通常画領域の発光輝度に合わせる。これにより、字幕が通常画と同じ発光輝度で表示されるので、字幕を読むユーザが当該字幕を眩しく感じることは、起こり難い。
〔字幕表示判定処理〕
図6に示すフローチャートに基づき、前述の字幕表示制御処理のステップS100として実行される字幕表示判定処理を説明する。なお、当該字幕表示判定処理の説明では、図2に示す表示面2011全体の領域のうち、字幕領域に含まれる一部領域の拡大図である図5を補足的に参照しながら説明する。
前述のように、字幕表示判定処理では、字幕を含むバックライト領域が存在しているか否かを、1本のライン上のバックライト領域ごとに、字幕判定部123が判定する。
以下では、図2にROW1として示すライン上で字幕表示判定処理が行われる場合を例に挙げて説明する。
まず、字幕判定部123は、FLAG=0とする。そして、字幕領域の左端のバックライト領域(図5ではPB(1))の発光輝度を取得する(S101)。
次に、字幕判定部123は、領域の参照位置を上記左端のバックライト領域の右隣のバックライト領域(図5ではPB(2))に移動させる(S102)。そして、字幕判定部123は、移動先のバックライト領域が予め設定した字幕領域の右端(図5ではPB(n))を超えているか否かを判定する(S103)。移動先のバックライト領域が字幕領域の右端を超えている場合(S103でYES)、字幕判定部123は領域の参照位置を隣接するラインに移動させ(字幕表示制御処理のステップS200)、そのライン上のバックライト領域に対して、ステップS101から字幕表示判定処理を繰り返す。
一方、現在のバックライト領域が字幕領域の右端を超えていない場合(S103でNO)、字幕判定部123は移動先のバックライト領域の発光輝度を取得し(S104)、その左隣のバックライト領域との発光輝度同士の差が所定値以上であるか否か判定する(S105)。より詳細には、ステップS105で、字幕判定部123は左のバックライト領域の発光輝度と比較して、右のバックライト領域の発光輝度が所定値以上高いか否かを判定する。
上記ステップS105が、字幕領域内に字幕が存在しているか否かを判定するための第1のステップである。前述した字幕の特徴1.によれば、字幕が存在している映像では、字幕が存在する領域と字幕が存在しない領域との境界でバックライトの発光輝度が急峻に変化する。この特徴が現れているか否かを判定するのが、上記ステップS105である。
上記発光輝度同士の差が所定値以上でない場合(ステップS105でNO)、字幕判定部123は、領域の参照位置をさらに右隣のバックライト領域に移動させ(S102)、上述した処理を繰り返す。
一方、上記発光輝度の差が所定値以上である場合(ステップS105でYES)、字幕判定部123は、領域の参照位置を右隣のバックライト領域に移動させ(S106)、移動先のバックライト領域が字幕領域の右端のバックライト領域であるか否かを判定する(S107)。
現在のバックライト領域が字幕領域の右端のバックライト領域である場合(ステップS107でYES)、字幕判定部123は領域の参照位置を隣接するラインに移動させ(字幕表示制御処理のステップS200)、そのラインの字幕表示判定処理を行う。
一方、現在のバックライト領域が字幕領域の右端のバックライト領域ではない場合(ステップS107でNO)、字幕判定部123は領域の参照位置を右隣のバックライト領域に移動させ(S107)、そのバックライト領域の発光輝度を取得する(S108)。
次に、字幕判定部123は、現在のバックライト領域から抽出した発光輝度が、左隣のバックライト領域の発光輝度とほぼ同一値であるか否かを判定する(S109)。
上記2つのバックライト領域の発光輝度が略同一値でない場合(S109でNO)、字幕判定部123は領域の参照位置を右隣のバックライト領域に移動させ(S102)、前述の処理を繰り返す。
一方、上記2つのバックライト領域の発光輝度が略同一値である場合(S109でYES)、字幕判定部123は上記2つのバックライト領域を含め、発光輝度が略同一値であると判定されたバックライト領域が所定数以上連続するか否かを判定する(S110)。
上記ステップS109および上記ステップS110が、字幕領域内に字幕が存在しているか否かを判定するための第2のステップである。前述した字幕の特徴2.によれば、字幕が存在している映像では、字幕が存在する領域に対応して、バックライトの発光輝度がほぼ均一な高輝度の発光輝度を示す領域が現れる。この特徴が現れているか否かを判定するのが、上記ステップS109および上記ステップS110である。
発光輝度が略同一値のバックライト領域が所定数以上連続していない場合(S110でNO)、字幕判定部123は、領域の参照位置を右隣のバックライト領域に移動させ(S106)、前述の処理を繰り返す。
発光輝度が略同一値のバックライト領域が所定数以上連続する場合(S110でYES)、字幕判定部123は、発光輝度が略同一値である一連のバックライト領域に字幕が存在していると判定し(S111)、FLAG=1とする。以上で(ROW1ラインにおける)字幕表示判定処理(S100)が終了する。
このように、字幕表示判定処理では、字幕判定部123は字幕領域における各ラインに対し、字幕が存在するバックライト領域が存在するか否かを判定する。
なお、本実施の形態では、字幕判定部123は、まず左隣のバックライト領域との発光輝度の差が所定値以上であるバックライト領域を抽出し(ステップS105でYES)、そのバックライト領域と発光輝度が略同一値であるバックライト領域が所定数以上連続する場合(ステップS109、S110でYES)に、それら一連のバックライト領域に字幕が存在していると判定する。しかしながら、本発明はこれに限られない。
具体的には、字幕判定部123は、発光輝度の差が所定値以上である互いに隣接するバックライト領域を抽出した場合(ステップS105でYES)に、発光輝度が高い方のバックライト領域に字幕が存在していると判定してもよい。これにより、前述した字幕の特徴2.を見逃すことになるので、字幕の存在を判定する精度は低下するものの、処理が簡素化されるという利点がある。
〔発光輝度の調整〕
上述の字幕表示制御処理で、「映像の所定の字幕領域内に字幕が存在していると判定された場合に、字幕領域の発光輝度が通常画領域の発光輝度に合わせられる」と説明した。ここでは、図7の(a)および(b)に示す、ROW1ライン上のバックライト領域の発行輝度を抽出したグラフに基づいて、LED制御部122によって実行される、発光輝度の調整方法の具体例を説明する。
図7の(a)は、LED制御部122が、字幕領域内のバックライト領域の発光輝度を調整する前に、ROW1ライン(図5参照)上に存在するバックライト領域の発光輝度を抽出した結果を示す棒グラフである。グラフの各棒は各バックライト領域に対応しており、その棒の高さは発光輝度を表している。同図に3つの矢印で示すように、字幕領域内には、突出して発光輝度が高く、ほぼ均一な発光輝度を示す3つのバックライト領域が並ぶ領域が3箇所存在している。これらは、この領域(字幕表示領域)に字幕が存在していることを示す。このように、ほぼ均一な高輝度のバックライト領域が連続する位置に、字幕は存在する。
図7の(b)は、LED制御部122が、字幕領域内のバックライト領域の発光輝度を、字幕領域に隣接する通常画領域内のバックライト領域の発光輝度に合わせた後に、映像領域内のバックライト領域の発光輝度を抽出した結果を示すグラフである。同図からわかるように、字幕領域内のバックライト領域の発光輝度が、字幕領域と隣接する通常画領域内のバックライト領域(図内にRで示す)の発光輝度に合わせられている。こうすることによって、字幕領域内に表示された字幕の発光輝度が、通常画の発光輝度と比べて突出して高いということがなくなる。これにより、LED制御部122は、字幕を読むユーザがその字幕をまぶしく感じることを抑制することができる。
また、その他の発光輝度の調整の方法として、次のような例も挙げられる。
1.字幕が存在していると判定されたバックライト領域の発光輝度は、そのバックライト領域に隣接するバックライト領域の発光輝度のうち、最大値となる発光輝度にする。
2.隣接するバックライト領域が、字幕が存在していると判定されたバックライト領域である場合、直前に決定した(字幕領域内の)バックライト領域の発光輝度とする。
〔字幕表示判定処理の補足〕
一般的な映像では、字幕が通常画よりも高輝度に表示される。そのため、字幕表示制御処理を行う前は、字幕を含まないバックライト領域(図5ではPB(k))の発光輝度と比較して、そのバックライト領域に隣接する字幕を含むバックライト領域(図5ではPB(k+1))の発光輝度が高い。
また、一般的な映像では、字幕を含むバックライト領域の発光輝度と字幕を含まないバックライト領域の発光輝度との差は、字幕を含まない2つのバックライト領域の発光輝度の差よりも大きい。
以上のことを前提として、ステップS105で行われる判定の基準となる、隣接するバックライトの発光輝度の差の所定値を設定しておく。
具体的には、
1.通常画のみを含むバックライト領域から抽出できる発光輝度と、字幕を含むバックライト領域の発光輝度との差よりも低い。
2.通常画のみを含む2つのバックライト領域の発光輝度の差よりも高い。
値となるように、上記所定値を設定しておく。
図8は、図2の映像が表示されている場合、ROWOUTラインに沿ってバックライト領域の発光輝度を抽出した結果を示す。ROWOUTラインは通常画領域内、すなわち字幕領域の外部に存在している。そのため、ROWOUTライン上のバックライト領域には、字幕が含まれていない。そのため、図8から理解できるように、ROWOUTライン上に存在するバックライト領域には、字幕の存在を示す特徴的な高輝度を示す領域が存在しない。
図8のグラフと、図7の(a)のグラフ(字幕を含むバックライト領域が存在するグラフ)との比較から理解できるように、通常画と字幕とは、特徴的な発光輝度を示すバックライト領域の有無によって判別することができる。
〔変形例〕
本実施の形態では、字幕領域が表示面2011の下側に位置しており、かつ横長の矩形領域である場合の処理を説明した(図3参照)。しかし本発明はこれに限られない。字幕領域は、その他にも、例えば表示面2011の左側に位置する縦長の矩形領域であってもよい。これにより、表示面2011の左側に縦書きで字幕が表示される場合に対応することができる。一般的には、字幕領域は、表示面2011全体の領域のうち、一般的に字幕が表示される領域であればよい。また、字幕領域は1つの領域だけでなく、複数の領域で構成されていてもよい。
なお、字幕領域が縦長の矩形領域である場合、字幕判定部123は、本実施の形態のように横方向のライン(ROW1、ROW2)ではなく、縦方向のラインごとに、字幕表示判定処理をおこなう。
図9は、図2の映像が表示されている場合、縦方向のラインの一例であるCOL1ライン上のバックライト領域の発光輝度を抽出した結果を示す。図9においてグラフの左から右に向かう方向は、図2において表示面2011を上から下に向かう方向に対応する。
図9に2つの矢印で示す特徴的な発光輝度は、そのバックライト領域内に字幕が存在することを示している。このように、字幕判定部123は、縦方向のラインごとに字幕表示判定処理を行うことも可能である。
〔実施の形態2〕
図10〜図12に基づいて、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、字幕が映像の黒帯部に含まれている場合、字幕表示制御処理におけるバックライトの発光輝度の制御方法が、実施の形態1と異なる。その他の構成等は、実施の形態1と同じである。そのため、以下では、本実施の形態の特徴を有する字幕表示制御処理を主に説明する。また、実施の形態1で説明した構成およびステップと同一の構成およびステップには、同一の符号を付して説明を省略する。
図10に基づいて、本実施の形態の再生装置2の構成を説明する。図10は、再生装置2の要部構成を示すブロック図である。再生装置2は、実施の形態1に係る再生装置1の構成に加えて、黒帯部判定部(黒帯部判定手段)124をさらに備えている。
黒帯部判定部124は、字幕領域を構成するバックライト領域のうち、互いに隣接するバックライト領域の発光輝度の差が所定値を超えるバックライト領域が存在すると字幕判定部123が判定した場合に、字幕領域を構成するバックライト領域が、画像の表示されない黒帯部に含まれるか否かを判定する。
LED制御部122は、黒帯部判定部124による判定結果を取得し、その判定結果に応じてバックライトの制御方法を変更する。
〔字幕表示制御処理〕
図11に示すフローチャートに基づいて、本実施の形態における字幕表示制御処理の特徴を説明する。なお、本実施の形態では、字幕が映像の黒帯部に存在しているとする。
本実施の形態の字幕表示制御処理では、字幕判定部123が、ステップS100においてあるライン上のバックライト領域に字幕が存在すると判定した場合、すなわちFLAGを1にセットした場合、ステップS200の判定はYESであり、ステップS3000に進む。黒帯部判定部124は、該字幕が黒帯部内に位置しているか否かを判定する(S3000)。
黒帯部判定部124が、黒帯部内に字幕は存在していない、すなわち通常画領域に存在していると判定した場合(S3000でNO)、LED制御部122は、実施の形態1と同様に、字幕領域の発光輝度を、字幕領域に外接するバックライト領域の発光輝度(の最大値)に合わせる(S3001b)。そして字幕表示制御処理を終了する。
一方、字幕が黒帯部内に存在している場合(S3000でYES)、LED制御部122は、字幕領域の発光輝度を平均輝度(Average Picture Level;APL)に合わせ(S3001a)、字幕表示制御処理を終了する。なお、例えば表示面2011のアスペクト比(画面サイズ)と映像のピクセルサイズに基づいて、黒帯部判定部124は、表示面2011全体の領域のうち、黒帯部である領域を計算する。
図12は、字幕が黒帯部内に存在している場合、ROW2ライン(図2参照)上のバックライト領域の発光輝度を抽出した結果の一例を示す。同図に3つの矢印で示す位置に、字幕の存在を示す特徴的な高輝度が現れている。
実施の形態1では、字幕が通常画領域内に存在している場合だけでなく、黒帯部内に存在している場合にも、字幕領域の発光輝度が、字幕領域と外接するバックライト領域に合わせられる。したがって、字幕が黒帯部内に存在している場合、字幕領域の発光輝度は黒帯部の発光輝度に合わせられる。その場合、字幕が暗く表示されるので、ユーザは字幕を見づらくなる。
一方、本実施の形態の字幕表示制御処理では、字幕が黒帯部内に存在している場合、字幕領域の発光輝度をAPLに合わせる。APLとは、表示面2011に表示された映像全体(バックライト全体)の発光輝度の平均レベルである。そのため、APLを算出する要素としては、黒帯部の発光輝度だけでなく、通常画領域の発光輝度も含まれている。したがって、字幕領域の発光輝度が少なくとも黒帯部における発光輝度よりも高くなるので、実施の形態1と比較して字幕の視認性が改善される。
〔実施の形態3〕
図13に基づいて、実施の形態1である再生装置1をテレビジョン受像機200(以下、TV受像機200と略記する)に適用した例を説明する。なお、実施の形態1で説明した再生装置1に関する説明を省略する。
図13は、TV受像機200の要部構成を示すブロック図である。同図に示すように、TV受像機200は、表示面2011およびバックライト2012を備えた液晶表示装置201を有する。また、TV受像機200は、チューナー部204、アンテナ部240、LEDドライバ部205、およびタイミングコントローラ部206を有する。
液晶表示装置201は、タイミングコントローラ部206およびLEDドライバ部205から入力される信号にしたがってバックライト2012の出力を調整し、画像データを表示面2011に表示することにより、テレビジョン番組を表示可能な装置である。
本実施の形態では、液晶表示装置201として、表示面2011に液晶表示パネルを用いた液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)を想定しているが、ローカルデミング制御が可能な表示機能を有する装置(特に、フラットパネルディスプレイ)でありさえすればハードウェアの種類は限定されない。
例えば、プラズマディスプレイ(Plasma Display Panel;PDP)やEL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、タイミングコントローラ部206およびLEDドライバ部205から入力される信号に基づいて、表示素子を駆動するドライバ回路とを備える装置等で、液晶表示装置201を構成できる。
バックライト2012は、表示面2011を照明する光源にLEDを用いた照明用の機器である。バックライト2012のLEDの輝度は、PWM(Pulse Width Modulation)制御、電流制御、またはこれらの組み合わせにより、制御情報にしたがって制御される。
TV受像機200は、再生装置1をさらに有している。TV受像機200の動作は、再生装置1が備えた主制御部113と、主メモリ部114に記憶された各種の制御プログラムとによって制御される。すなわち、TV受像機200は、主制御部113を含むコンピュータ・システムによって制御されており、TV受像機200をコンピュータ・システムによって動作させるためのプログラムは、主メモリ部114に保存されている。
TV受像機200はチューナー部204を備え、デジタル放送(テレビジョン番組)を受信可能である。その他に、TV受像機200はIP放送チューナー部を備え、IP放送を受信可能であってもよい。
チューナー部204は、デジタル放送受信用のアンテナ部240を介して受信するデジタルテレビ放送信号を選局する。チューナー部204からの受信信号は、復調されたのちに、デコーダ部111へと送られる。
LEDドライバ部205は、バックライト2012を構成するLEDの発光を制御する。LEDドライバ部205は、バックライト2012の発光輝度を制御する指示をLED制御部122から取得する。そして、LEDドライバ部205は、バックライト2012を構成するLEDの発光輝度を制御する。
タイミングコントローラ部206は、エリアアクティブ制御部121から、表示面2011の各画素の階調を示すデータ(画像のデータ)を取得する。そして、タイミングコントローラ部206は、バックライト2012の発光と同期した画像が表示面2011に表示されるように、取得した画像のデータを出力する。
実施の形態1と同様に、表示制御部12は、表示する画像の所定の字幕領域に字幕が存在している場合、字幕領域の発光輝度を字幕領域に外接するバックライト領域の発光輝度に合わせる。そして、上述のように表示面2011に映像が表示される。そのため、表示面2011に表示される画像に字幕が含まれている場合、字幕の発光輝度が抑制される。
したがって、TV受像機200は、字幕領域に字幕が含まれる場合に、ユーザにとって字幕が眩しく感じられることのない、表示品位の高い映像を提供することができる。
なお、以上の説明では、TV受像機を一例にあげているが、その他にも、テレビジョン放送が視聴可能な携帯機器、例えば携帯電話機、カーナビゲーションシステム、携帯型ゲーム端末機等によってテレビジョン放送を受信する場合にも、本願の発明に係る再生装置を適用できることは明らかである。
また、本発明はローカルデミング技術に適用することができる。
従来のローカルデミングでは、発光輝度の強い領域はバックライトをより強く発光させる一方、発光輝度の弱い領域はバックライトをより弱く発光させる。したがって、従来のローカルデミングを適用した場合、発光輝度の高い字幕を含む領域のバックライトはさらに強く発光する。そのため、ユーザは字幕を眩しく感じる。
しかし、字幕領域の発光輝度を抑制する本発明をローカルデミング制御と組み合わせることにより、字幕の輝度が過剰に強くなることを防止できる。すなわち、本発明によれば、字幕領域に字幕が存在していると判定された場合、字幕領域の発光輝度が字幕領域に外接するバックライト領域の発光輝度に合わせられる。したがって、本発明によれば、字幕領域に含まれる字幕の発光輝度が強くならないようにすることができる。
〔補足〕
最後に、再生装置1、TV受像機200の各ブロック、特に表示制御部12は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、再生装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである再生装置1/TV受像機200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記再生装置1/TV受像機200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、再生装置1/TV受像機200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、以上のように、バックライトを備える表示装置に適用されるので、少なくとも液晶表示装置に表示する映像を再生する任意の再生装置に使用することができる。
1 再生装置(再生装置)
12 表示制御部(表示制御デバイス)
122 LED制御部(バックライト制御手段)
123 字幕判定部(輝度判定手段)
124 黒帯部判定部(黒帯部判定手段)
200 テレビジョン受像機(テレビジョン受像機)
201 液晶表示装置(表示装置)
2011 表示面(表示面)
2012 バックライト(バックライト)

Claims (6)

  1. 表示装置が備えた表示面を照明する光源として発光ダイオードを用いたバックライトを複数の分割領域に分割し、前記分割領域に対応する映像信号に基づいて、当該分割領域ごとに前記発光ダイオードの出力を制御することによって、前記表示装置が当該表示面に表示させる画像の輝度を制御可能な表示制御デバイスであって、
    前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域において、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えない一連の分割領域特定する輝度判定手段と、
    前記輝度判定手段によって特定された前記一連の分割領域に対応する前記表示装置の領域が画像の表示されない黒帯部に含まれるか否かを判定する黒帯部判定手段と、
    前記黒帯部判定手段によって前記一連の分割領域が前記黒帯部に含まれると判定された場合、前記一連の分割領域の発光輝度が、前記バックライト全体の平均輝度と等しくなるように、前記一連の分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御デバイス。
  2. 請求項に記載の表示制御デバイスと、
    前記表示装置に表示させる画像を、当該表示装置に出力する再生デバイスとを備えたことを特徴とする再生装置。
  3. 放送されたテレビジョン番組を受信可能なテレビジョン受像機であって、
    前記テレビジョン番組を表示する表示装置と、
    前記テレビジョン番組を前記画像として前記表示装置に出力する請求項に記載の再生装置とを備えたことを特徴とするテレビジョン受像機。
  4. 表示装置が備えた表示面を照明する光源として発光ダイオードを用いたバックライトを複数の分割領域に分割し、前記分割領域に対応する映像信号に基づいて、当該分割領域ごとに前記発光ダイオードの出力を制御することによって、前記表示装置が当該表示面に表示させる画像の輝度を制御可能な表示制御デバイスの制御方法であって、
    前記表示装置によって字幕が表示される前記表示面上の領域である字幕領域において、互いに隣接する分割領域の発光輝度の差が所定値を超えない一連の分割領域特定する輝度判定ステップと、
    前記輝度判定ステップにおいて特定された前記一連の分割領域に対応する前記表示装置の領域が画像の表示されない黒帯部に含まれるか否かを判定する黒帯部判定ステップと、
    前記黒帯部判定ステップにおいて前記一連の分割領域が前記黒帯部に含まれると判定された場合、前記一連の分割領域の発光輝度が、前記バックライト全体の平均輝度と等しくなるように、前記一連の分割領域の発光輝度を制御するバックライト制御ステップとを含むことを特徴とする表示制御デバイスの制御方法。
  5. 請求項に記載の表示制御デバイスを動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを前記各手段として機能させるための制御プログラム。
  6. 請求項に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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