以下に添付図面を参照して、用紙搬送システム、用紙搬送プログラム、及び用紙搬送方法の一の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の用紙搬送システム1を示す模式図である。本実施の形態の用紙搬送システム1は、用紙搬送装置10、給紙装置20、後処理装置30を備える。後処理装置30は、中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37を含む。
給紙装置20は、用紙搬送装置10へ第1用紙56を供給する装置である。給紙装置20は、第1用紙56を格納するトレイ44、トレイ46、トレイ48、及び手差しトレイ49を備えている。給紙装置20は、図示を省略する搬送機構を備える。給紙装置20は、用紙搬送装置10から給紙要求信号を受け付けると、これらのトレイ44、トレイ46、トレイ48、手差しトレイ49の何れかから、第1用紙56を1枚ずつ用紙搬送装置10へ搬送する。なお、用紙搬送システム1は、複数の給紙装置20を備えた構成であってもよい。また、用紙搬送システム1は、給紙装置20を備えない構成であってもよい。
用紙搬送装置10は、給紙装置20より、搬送方向下流側に配置されている。用紙搬送装置10は、第1用紙56を搬送する。また、用紙搬送装置10は、後述する用紙挿入装置36で挿入する第2用紙58の挿入間隔を調整する(詳細後述)。
なお、これらの第1用紙56及び第2用紙58には、公知の記録媒体を用いる。第1用紙56及び第2用紙58は、同じ種類の記録媒体であってもよいし、異なる種類の記録媒体であってもよい。
本実施の形態では、用紙搬送装置10は、複数の第1用紙56を後処理装置30に向かって順次搬送すると共に、第1用紙56に画像を形成する画像形成装置である場合を説明する。なお、用紙搬送装置10は、第1用紙56を搬送する搬送機構を備えた構成であればよく、用紙搬送装置10は画像形成装置に限られない。
用紙搬送装置10は、トレイ40、搬送部42、画像形成部38、及び表示部54を備える。トレイ40は、第1用紙56を格納する。トレイ40は、給紙装置20に設けられたトレイ44〜トレイ48より容量の小さいトレイである。搬送部42は、トレイ40に格納されている第1用紙56、または給紙装置20から搬送されてきた第1用紙56を搬送する搬送機構である。搬送部42は、搬送部42A〜搬送部42Eを含む。各搬送部42は、例えば、搬送ローラ等の部材で構成されており、後述する搬送制御部の制御によって駆動する。
表示部54は、各種情報の入力をユーザから受け付けると共に、各種情報を表示する。表示部54は、タッチパネル等である。また、表示部54は、テンキー、スタートキー、ファンクションキー、ワンタッチキー等の各種操作キーと、液晶画面等の表示装置と、を備えた構成であってもよい。
画像形成部38は、搬送部42によって搬送されてきた第1用紙56に画像を形成する。画像形成部38には、電子写真方式やインクジェット式の画像形成部が挙げられる。画像形成部38が電子写真方式である場合には、画像形成部38は、感光体38A、露光部38B、転写部38C等を含む。露光部38Bは、形成対象の画像の画像データを変調した光を、図示を省略する帯電装置によって帯電された感光体38Aに照射する。これによって、感光体38Aを走査露光し、形成対象の画像に応じた静電潜像を形成する。静電潜像は、図示を省略する現像部によって現像され、トナー像となる。この感光体38A上のトナー像は、感光体38Aの回転に伴って転写部38Cの位置に達すると、感光体38Aと転写部38Cとの間に搬送されてきた第1用紙56に転写される。第1用紙56に転写されたトナー像は、図示を省略する定着部によって定着され、第1用紙56に画像が形成される。
画像形成部38によって画像形成された第1用紙56は、搬送部42(搬送部42B、搬送部42A)によって搬送されて用紙搬送装置10から排出される。
後処理装置30は、搬送方向の上流側から順に、中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37が配置されている。
中継装置34は、用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56を、用紙挿入装置36へ順次搬送する。なお、中継装置34は、少なくとも用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56を、搬送方向下流側に設置されている他の装置(本実施の形態では、用紙挿入装置36)に向かって順次搬送する搬送機構を備えた構成であればよい。このため、中継装置34は、第1用紙56に、各種処理を施したり、他の記録媒体を挿入したりする処理を行う機能を更に備えた装置であってもよい。なお、該各種処理には、画像形成処理、他の用紙の挿入処理等の各種処理が挙げられるが、これらに限られない。
中継装置34は、搬送部61を備えている。搬送部61は、複数の搬送部(図1及び図2では、1つの搬送部61Aのみ例示したが、1の搬送部61Aに限られない)を含む。搬送部61は、例えば、搬送ローラ等の部材で構成されており、後述する搬送制御部の制御によって駆動し、用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56を順次用紙挿入装置36へ搬送する。
なお、本実施の形態では、用紙搬送システム1が、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に1台の中継装置34が配置されている場合を説明する。しかし、用紙搬送システム1では、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に第1用紙56を搬送する搬送機構を備えた1または複数の装置が中継装置34として配置されていればよく、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に1台の中継装置34が配置された構成に限られない。
用紙挿入装置36は、用紙搬送装置10から中継装置34を介して搬送されてきた第1用紙56を順次受けつけ、1又は複数の第1用紙56間に、第2用紙58を挿入して搬送する。第2用紙58としては、例えば、製本用に印刷された表紙用の用紙や、仕切り紙のような画像形成を必要としない用紙が挙げられる。
なお、本実施の形態では、用紙搬送システム1が、一台の用紙挿入装置36を備える場合を説明するが、用紙搬送システム1は、複数の用紙搬送装置36を備えた構成であってもよい。
後処理装置37は、用紙搬送装置10、中継装置34、及び用紙挿入装置36等の、後処理装置37より搬送方向上流側に配置されている各装置を介して搬送されてきた第1用紙56や第2用紙58に対して、後処理を施す装置である。後処理には、用紙をZ折りや2つ折りに折り曲げる折り込み処理、リング製本やくるみ製本を実施する製本処理、帳合処理、切断処理、パンチ孔をあけるパンチ処理、ステープラー処理等があるが、これらに限られない。
本実施の形態では、後処理装置37は、ステープラー処理やパンチ処理を施す装置である。後処理装置37は、第1用紙56や第2用紙58を排出するための排出トレイ52を備えている。後処理装置37は、ステープラー処理やパンチ処理を施した第1用紙56や第2用紙58を排出トレイ52へ排出する。なお、ステープラー処理では、用紙(第1用紙56や第2用紙58)の綴じ枚数によってステープルをカットする際にステープル切り屑が発生する。また、パンチ処理では、用紙(第1用紙56や第2用紙58)にパンチ穴を開ける際にパンチ屑が発生する。このため、後処理装置37は、これらのステープル切り屑、パンチ屑のような残滓を格納するための残滓回収ユニット(いずれも図示しない)も備えている。
なお、用紙搬送システム1は、少なくとも、用紙搬送装置10と、用紙挿入装置36と、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に配置された中継装置34と、を備えた構成であればよい。また、用紙挿入装置36は、用紙搬送装置10より搬送方向下流側に、中継装置34を介して設置されていればよい。
次に、用紙搬送装置10、中継装置34、及び用紙挿入装置36について更に詳細に説明する。図2は、用紙搬送装置10、中継装置34、及び用紙挿入装置36をより詳細に示す模式図である。
用紙搬送装置10の搬送部42E、搬送部42D、及び搬送部42Cは、トレイ40に貯留された第1用紙56を、搬送経路Aに沿って搬送する。これによって、第1用紙56は、感光体38Aと転写部38Cとの対向領域に到る。この対向領域において、第1用紙56に画像が転写され、図示を省略する定着装置によって定着される。これによって、第1用紙56に画像が形成される。
搬送部42B及び搬送部42Aは、画像形成された第1用紙56を搬送経路Aに沿って用紙排出面Rまで搬送し、用紙搬送装置10の外部、すなわち用紙挿入装置36へ排出する。用紙排出面Rは、用紙搬送装置10における、第1用紙56の排出端面である。この用紙排出面Rには、第1用紙56を検知するセンサ90Bが設けられている。
搬送経路Aにおける、感光体38Aより搬送方向下流側で且つ用紙排出面Rより搬送方向上流側には、挿入要求送信位置Uが設定されている。挿入要求送信位置Uは、用紙搬送装置10から中継装置34を介して用紙挿入装置36へ、第2用紙58の挿入要求(詳細後述)を送信する位置である。なお、この挿入要求送信位置Uには、第1用紙56を検知するセンサ90Aが設けられている。
中継装置34は、搬送部61を備える。搬送部61は、搬送経路Eに沿って設けられており、用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56を用紙挿入装置36へ搬送する。搬送経路Eは、用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56を、用紙受入面Fから用紙排出面Gに向かって搬送するための搬送経路である。用紙受入面Fは、中継装置34における、第1用紙56の挿入される側の端面である。用紙排出面Gは、中継装置34における、第1用紙56を排出する側の端面である。用紙受入面Fには、第1用紙56を検知するセンサ90Hが設けられている。また、用紙排出面Gには、第1用紙56を検知するセンサ90Iが設けられている。
用紙挿入装置36は、第2用紙58を格納するトレイ50、及び搬送部62を備える。搬送部62は、複数の搬送部62A〜搬送部62Dを備える。また、用紙挿入装置36は、第1用紙56を搬送する搬送経路C、第2用紙58を搬送する搬送経路B、及び第1用紙56及び第2用紙58を搬送する搬送経路Dを有する。
搬送経路Cは、用紙搬送装置10から中継装置34を介して搬送されてきた第1用紙56を、用紙受入面Qから合流位置Pへ搬送する搬送経路である。搬送部62Dは、搬送経路Cに沿って設けられており、第1用紙56を用紙受入面Qから合流位置Pに向かって搬送する。
用紙受入面Qは、用紙挿入装置36における、第1用紙56の挿入される側の端面である。用紙受入面Qには、第1用紙56を検知するセンサ90Cが設けられている。合流位置Pは、搬送経路Cと搬送経路Bと搬送経路Dの合流位置である。合流位置Pは、搬送経路Cを搬送されてきた第1用紙56の間に、搬送経路Bを搬送されてきた第2用紙58を挿入する位置である。用紙排出面Wは、用紙挿入装置36における、第1用紙56及び第2用紙58等の記録媒体の排出側端面である。用紙排出面Wには、第1用紙56や第2用紙58等の記録媒体を検知するセンサ90Gが設けられている。
搬送経路Bは、トレイ50に貯留されている第2用紙58を、トレイ50から搬送経路Bへの排出位置Sから挿入待機位置Yを経由して合流位置Pへ搬送するための搬送経路である。搬送部62A及び搬送部62Bは、搬送経路Bに沿って設けられており、トレイ50に貯留されている第2用紙58を、排出位置Sから挿入待機位置Yを経由して合流位置Pへ搬送する。
搬送経路Dは、合流位置Pから用紙排出面Wに向かって、第1用紙56や第2用紙58を搬送するための搬送経路である。搬送部62Cは、搬送経路Dに沿って設けられており、第1用紙56や第2用紙58を搬送経路Dに沿って搬送する。
また、用紙挿入装置36には、トレイ50から搬送経路Bへ第2用紙58の搬送が開始されたことを検知するためのセンサ90E、及び第2用紙58が挿入待機位置Yに到達したことを検知するセンサ90Fが設けられている。また、用紙搬送装置10には、第2用紙58または第1用紙56が合流位置Pに到達したことを検知するセンサ90Dが設けられている。
次に、用紙搬送システム1の装置各部の機能を説明する。
図3は、用紙搬送システム1における、用紙搬送装置10、中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37を示すブロック図である。
用紙搬送装置10は、システム制御部66、画像形成制御部64、搬送制御部67、通信部63、表示制御部65、及び画像処理部69を備える。
システム制御部66は、用紙搬送装置10全体を制御する。システム制御部66は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータである。
画像処理部69は、外部装置から受け付けた印刷データや、用紙搬送装置10の図示を省略するスキャナ機能部で読み取った画像の画像データから、用紙搬送装置10で処理可能な画像データを生成する。画像形成制御部64は、画像処理部69で生成された画像データを変調した信号を露光部38Bへ送信する。これによって、露光部38Bは、形成対象の画像に応じた静電潜像を感光体38Aに形成する。
搬送制御部67は、用紙搬送装置10に設けられた搬送部42(搬送部42A〜搬送部42E)の駆動を制御する。通信部63は、中継装置34との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して中継装置34との間でデータ送受信を行う。
中継装置34は、システム制御部80、通信部81、通信部83、及び搬送制御部84を備える。システム制御部80は、中継装置34の装置全体を制御する。システム制御部80は、CPU、ROM、及びRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。
通信部83は、用紙搬送装置10との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して用紙搬送装置10との間でデータ送受信を行う。通信部81は、用紙挿入装置36との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して用紙挿入装置36との間でデータ送受信を行う。搬送制御部84は、中継装置34に設けられた搬送部61の駆動を制御する。
用紙挿入装置36は、システム制御部70、通信部71、通信部73、及び搬送制御部74を備える。システム制御部70は、用紙挿入装置36の装置全体を制御する。システム制御部70は、CPU、ROM、及びRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。
通信部73は、中継装置34との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して中継装置34との間でデータ送受信を行う。通信部71は、後処理装置37との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して後処理装置37との間でデータ送受信を行う。搬送制御部74は、用紙挿入装置36に設けられた搬送部62(搬送部62A〜搬送部62D)の駆動を制御する。
後処理装置37は、システム制御部85、通信部87、通信部86、搬送制御部89、ステープラー処理部88、及びパンチ処理部90を備える。システム制御部85は、後処理装置37の装置全体を制御する。システム制御部85は、CPU、ROM、及びRAMなどを含んで構成されるコンピュータである。
通信部87は、用紙挿入装置36との間でデータを送受信する通信ポートであり、通信ケーブル等を介して用紙挿入装置36との間でデータ送受信を行う。通信部86は、外部装置との間でデータを送受信する通信ポートである。搬送制御部89は、後処理装置37に設けられた搬送部(図示省略)の駆動を制御する。ステープラー処理部88は、後処理装置37に設けられた、ステープラー処理を実行する処理部(図示省略)の駆動を制御する。パンチ処理部90は、後処理装置37に設けられた、パンチ処理を実行する処理部(図示省略)の駆動を制御する。
次に、用紙搬送装置10のシステム制御部66について更に詳細に説明する。図4は、用紙搬送装置10におけるシステム制御部66の機能ブロック図である。
図4に示すように、用紙搬送装置10のシステム制御部66は、受信部66A、設定部66B、送信部66C、及び検知部66Dを備える。
受信部66Aは、中継装置34から第1時間及び第2時間を示す情報を受け付ける。
第1時間とは、後処理装置30の各装置(後処理装置37、中継装置34、用紙挿入装置36)で第2用紙58を上流側の装置から受け付けると仮定したときの、受付可能な受付間隔を示す時間である。具体的には、第1時間は、用紙挿入装置36で用紙搬送装置10から第2用紙58を疑似的に連続して受け付けると仮定したときの、受付可能な受付間隔を示す。なお、第1時間は、少なくとも用紙挿入装置36で第2用紙58を連続して受け付けるときの受付可能な受付間隔を示す時間であればよい。また、後処理装置30が、上述のように、後処理装置37、中継装置34、用紙挿入装置36、等の複数の後処理装置を含む場合には、第1時間は、後処理装置30を構成する各装置における、第2用紙58を受け付け可能な受付間隔の内、最大の時間とする。
また、受信部66Aは、中継装置34から、第1用紙56の受付間隔を示す紙間情報を受け付ける。この紙間情報は、少なくとも、用紙挿入装置36で第1用紙56を受け付けるときの受付可能な受付間隔を示す時間であればよい。好ましくは、第1用紙56の紙間情報は、後処理装置30を構成する各装置における、第1用紙56を受け付け可能な受付間隔の内、最大の時間を示すことが好ましい。
なお、以下では、第2用紙58の第1時間、及び第1用紙56の紙間情報を総称して説明する場合には、単に、紙間情報として説明する場合がある。また、第2用紙58の第1時間を特に区別して説明する場合には、第2用紙58の第1時間である紙間情報、と称して説明する。同様に、第1用紙56の紙間情報を特に区別して説明する場合には、第1用紙56の紙間情報と称して説明する。
第2時間は、用紙挿入装置36における第2用紙58の挿入準備時間を示す。
図5は、用紙搬送装置10における第1用紙56の搬送状態を示す模式図である。図5に示すように、第2時間は、第2用紙58を貯留したトレイ50の排出位置Sから合流位置Pまでの第2用紙58の搬送時間(図5中、時間T1参照)と、用紙受入面Qから合流位置Pまでの第2用紙58の搬送時間(時間T4)と、の差分を示す。
なお、以下では、第2時間を、挿入準備時間と称して説明する。
図4に戻り、設定部66Bは、受信部66Aで受け付けた、第2用紙58の第1時間である紙間情報と挿入準備時間の内、長い方の時間を、第2用紙58を挿入するための挿入間隔として設定する。
用紙搬送装置10の搬送制御部67(図3参照)は、第1用紙56の紙間情報に応じた間隔を隔てて、第1用紙56を搬送するように、搬送部42を制御する。これによって、第1用紙56は、該間隔で順次搬送される。
具体的には、用紙搬送装置10では、第1用紙56を連続して搬送する場合には、予め定められた第1間隔を隔てて第1用紙56を搬送する。そして、用紙搬送装置10では、用紙挿入装置36で第1用紙56の間に第2用紙58を挿入する場合には、該第2用紙58を挿入する位置では、第1用紙56を該第1間隔に、第2用紙58を挿入するための挿入間隔を更に隔てて第1用紙56を搬送する。
図5は、用紙搬送システム1を更に具体的に示す模式図である。
図5に示すように、用紙搬送装置10では、第1用紙56間における第2用紙58の挿入位置では、連続して第1用紙56を搬送するときの間隔である第1間隔に、第2用紙58を挿入するための挿入間隔を更に隔てた状態で、第1用紙56を搬送する。この間隔の調整のために、用紙搬送装置10では、第2用紙58に相当する疑似搬送用紙M(M1〜M2)が仮想トレイ60に貯留されていると仮定して、搬送タイミングの調整を行う。
図4に戻り、送信部66Cは、各種情報を用紙挿入装置36へ送信する。具体的には、送信部66Cは、用紙属性、給紙要求、排紙ON、排紙OFF、及び挿入要求等の信号を、通信部63を介して中継装置34へ送信する。
用紙属性とは、用紙搬送システム1で搬送する用紙を示す情報である。具体的には、本実施の形態では、用紙属性は、第1用紙56や第2用紙58について実行する処理の種類、第1用紙56や第2用紙58の大きさ(搬送方向長さ)、第1用紙56や第2用紙58の種別情報等を含む。処理の種類には、用紙搬送システム1において、用紙搬送装置10より搬送方向下流側に設置された後処理装置30(本実施の形態では、中継装置34、用紙挿入装置36、後処理装置37)で行う処理を示す。種別情報は、例えば、用紙に用いられている紙の種類や、用紙の厚み等である。
給紙要求とは、挿入準備時間の送信を後処理装置30へ要求するときに送信する信号である。排紙ON/OFFとは、各後処理装置30で記録媒体(第1用紙56や第2用紙58)の搬送を指示するときに送信する信号である。
挿入要求は、用紙挿入装置36へ第2用紙58の挿入を指示するときに送信する信号である。用紙搬送装置10の送信部66Cが中継装置34へ送信する挿入要求は、第2用紙58の挿入指示を示す信号(以下、単に、挿入指示と称する)と、挿入待ち時間と、を含む。
用紙搬送装置10が中継装置34へ送信する挿入要求に含まれる挿入待ち時間は、用紙搬送装置10において、挿入要求を送信してから疑似搬送用紙Mが用紙搬送装置10の用紙排出面Rへ到達するまでの第1搬送時間を示す。
具体的には、図5に示すように、用紙搬送装置10が中継装置34へ送信する挿入要求に含まれる挿入待ち時間は、用紙搬送装置10において、第2用紙58を挿入要求送信位置Uから用紙排出面Rまで疑似的に搬送したと仮定したときの第1搬送時間(時間T5)である。
この第1搬送時間は、設定部66Bが、搬送対象の第2用紙58の用紙属性と、用紙搬送装置10の搬送条件(挿入要求送信位置Uから用紙排出面Rまでの距離や、搬送速度等)等と、に基づいて算出すればよい。
図4に戻り、検知部66Dは、用紙搬送装置10に設けられた各センサ(センサ90A〜センサ90B)の検知信号を受け付ける。搬送制御部67では、検知部66Dによる各センサ90A〜センサ90Bの検知信号に基づいて、各搬送部42を制御する。
次に、中継装置34のシステム制御部80について詳細に説明する。図6は、システム制御部80を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、システム制御部80は、送信部80A、受信部80B、算出部80C、及び検知部80Dを備える。受信部80Bは、用紙搬送装置10及び用紙挿入装置36からの各種信号を、通信部83及び通信部81を介して受け付ける。受信部80Bは、具体的には、第1用紙56の用紙属性、第2用紙58の用紙属性、給紙要求、排紙ON、排紙OFF、挿入要求、等の信号を、通信部83を介して用紙搬送装置10から受け付ける。
算出部80Cは、用紙搬送装置10から受け付けた用紙属性に基づいて、紙間情報を算出する。具体的には、例えば、算出部80Cでは、用紙搬送装置10から第1用紙56の用紙属性を受け付けると、用紙属性に含まれる用紙の厚み情報や、用紙の大きさや、用紙の紙種等の情報から、第1用紙56を連続して搬送したと仮定したときの、中継装置34で受入可能な第1用紙56間の最小の搬送間隔を求める。そして、算出部80Cでは、この搬送間隔を、第1用紙56の紙間情報として算出する。
また、算出部80Cは、用紙搬送装置10から第2用紙58の用紙属性を受け付けると、用紙属性に含まれる用紙の厚み情報や、用紙の大きさや、用紙の紙種等の情報から、第2用紙58を連続して搬送したと仮定したときの、中継装置34で受入可能な第2用紙58間の最小の搬送間隔を求める。そして、算出部80Cでは、この搬送間隔を第2用紙58の紙間情報として算出する。
また、算出部80Cは、用紙搬送装置10から受け付けた第2用紙58の用紙属性、及び中継装置34の搬送条件等に基づいて、該第2用紙58を中継装置34の用紙受入面Fから用紙排出面Gへ疑似的に搬送したと仮定したときの搬送時間を、第2搬送時間として算出する。
そして、算出部80Cは、算出した第2搬送時間と、受信部80Bで用紙搬送装置10から受け付けた第2用紙58の挿入要求に含まれる挿入待ち時間としての第1搬送時間と、の加算値を、新たな挿入待ち時間として算出する。
送信部80Aは、算出部80Cで算出された紙間情報や、用紙挿入装置36から受け付けた各種信号等を、用紙搬送装置10へ送信する。また、送信部80Aは、用紙搬送装置10から受け付けた、用紙属性、給紙要求、排紙ON、及び排紙OFF等の信号を、用紙挿入装置36へ送信する。
さらに、送信部80Aは、用紙搬送装置10から受け付けた第2用紙58の挿入要求に含まれる挿入待ち時間としての第1搬送時間と、算出部80Cで算出された第2搬送時間との加算値を、新たな挿入待ち時間として含む、第2用紙58の挿入要求を用紙挿入装置36へ送信する。
このため、用紙挿入装置36には、用紙搬送装置10から送信された第1搬送時間と、中継装置34で算出された第2搬送時間と、の加算値が、第2用紙58の挿入待ち時間として送信される。
次に、用紙挿入装置36のシステム制御部70について詳細に説明する。図7は、システム制御部70を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、システム制御部70は、送信部70A、受信部70B、算出部70C、検知部70D、及び決定部70Eを備える。受信部70Bは、中継装置34の各種信号を、通信部73を介して受け付ける。受信部70Bは、具体的には、第1用紙56の用紙属性、第2用紙58の用紙属性、給紙要求、排紙ON、排紙OFF、挿入要求、等の信号を、通信部73を介して中継装置34から受け付ける。
算出部70Cは、用紙搬送装置10から受け付けた用紙属性に基づいて、紙間情報を算出する。具体的には、例えば、算出部70Cでは、用紙搬送装置10から第1用紙56の用紙属性を受け付けると、用紙属性に含まれる用紙の厚み情報や、用紙の大きさや、用紙の紙種等の情報から、第1用紙56を連続して搬送したと仮定したときの、用紙挿入装置36で受入可能な第1用紙56間の最小の搬送間隔を求める。そして、算出部70Cでは、この搬送間隔を、紙間情報として算出する。
また、算出部70Cは、用紙搬送装置10から第2用紙58の用紙属性を受け付けると、用紙属性に含まれる用紙の厚み情報や、用紙の大きさや、用紙の紙種等の情報から、第2用紙58を連続して搬送したと仮定したときの、第2用紙58間の最小の搬送間隔を第1時間として求める。そして、算出部70Cでは、この搬送間隔を第2用紙58の第1時間として算出する。
また、算出部70Cは、挿入準備時間(第2時間)を算出する。算出部70Cでは、用紙挿入装置36で予め設定されている第2用紙58の搬送速度や、第2用紙58の用紙属性等から、挿入準備時間を算出する。具体的には、算出部70Cは、図5に示すように、第2用紙58の排出位置Sから合流位置Pまでの搬送時間(時間T1)と、用紙受入面Qから合流位置Pまでの第2用紙58の搬送時間(時間T4)と、の差分を、挿入準備時間として算出する。なお、算出部70Cは、算出した差分に、予備励磁やファン起動等の給紙準備に要する時間を加算した時間を、挿入準備時間として算出してもよい。
図7に戻り、決定部70Eは、中継装置34から受信した挿入要求に含まれる挿入待ち時間に基づいて、第2用紙58を合流位置P(図5参照)へ搬送、すなわち第2用紙58を挿入する挿入タイミングを決定する。具体的には、決定部70Eは、該挿入要求を中継装置34から受信してから、第2用紙58を挿入待機位置Yから合流位置Pへ向かって搬送開始するまでの時間である第3時間を決定する。
決定部70Eによる、第3時間の決定について図5を用いて具体的に説明する。
なお、用紙挿入装置36が中継装置34から受信した挿入要求に含まれる挿入待ち時間が、第1搬送時間(時間T5)と第2搬送時間(時間T9)の加算値であったとする。この場合、決定部70Eは、該挿入待ち時間(時間T5+時間T9)と、用紙受入面Qから合流位置Pまでの疑似搬送用紙M(第2用紙58)の第3搬送時間(時間T4)と、の加算値から、挿入待機位置Yから合流位置Pまでの第2用紙58の第4搬送時間(時間T3)を減算した値((時間T5+時間T9)+時間T4−時間T3)を、第3時間として決定する。
搬送制御部74は、用紙搬送装置10から中継装置34を介して挿入要求を受信してから、決定部70Eで決定された第3時間を経過した後に、挿入待機位置Yに位置している第2用紙58を合流位置Pへ向かって搬送開始するように、搬送部62を制御する。
送信部70Aは、各種信号を中継装置34及び用紙搬送装置10へ送信する。具体的には、送信部70Aは、算出部70Cで算出された挿入準備時間を、中継装置34へ送信する。また、送信部70Aは、算出部70Cで算出された紙間情報を、中継装置34へ送信する。また、送信部70Aは、給紙開始、及び給紙完了等を用紙搬送装置10へ送信する。
給紙開始は、トレイ50に貯留されている第2用紙58について、排出位置Sから挿入待機位置Yまでの搬送経路Bに沿った搬送を開始したことを示す信号である。給紙完了は、第2用紙58が挿入待機位置Yに位置したことを示す信号である(図5も参照)。
検知部70Dは、用紙挿入装置36に設けられたセンサ90C〜センサ90Gからの検知結果を受け付ける。
次に、用紙搬送システム1で実行する搬送処理のシーケンスを説明する。
図8は、用紙搬送システム1で実行する搬送処理の一例を示すシーケンスである。なお、図8は、第1用紙56と第1用紙56の間に1枚の第2用紙58を挿入し、第1用紙56、第2用紙58、第1用紙56の順に3枚連続して搬送する場合を示すシーケンスである。
まず、用紙搬送装置10が中継装置34に1枚目の第1用紙56の用紙属性を送信する(SEQ1)。第1用紙56の用紙属性を受け付けた中継装置34は、受け付けた用紙属性を用紙挿入装置36へ送信する(SEQ2)。第1用紙56の用紙属性を受け付けた用紙挿入装置36は、受け付けた第1用紙56の用紙属性を後処理装置37へ送信する(SEQ3)。
第1用紙56の用紙属性を受け付けた中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37の各々は、第1用紙56の紙間情報を算出する。
次に、後処理装置37は、算出した第1用紙56の紙間情報を、用紙挿入装置36へ送信する(SEQ4)。後処理装置37から紙間情報を受け付けた用紙挿入装置36は、用紙挿入装置36で算出した第1用紙56の紙間情報と、後処理装置37から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(SEQ5)。
用紙挿入装置36から紙間情報を受け付けた中継装置34は、中継装置34で算出した第1用紙56の紙間情報と、用紙挿入装置36から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内の長い方を、用紙搬送装置10へ送信する(SEQ6)。
次に、用紙搬送装置10が中継装置34に第2用紙58の用紙属性を送信する(SEQ7)。第2用紙58の用紙属性を受け付けた中継装置34は、受け付けた用紙属性を用紙挿入装置36へ送信する(SEQ8)。第2用紙58の用紙属性を受け付けた用紙挿入装置36は、受け付けた第2用紙58の用紙属性を後処理装置37へ送信する(SEQ9)。
第2用紙58の用紙属性を受け付けた中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37の各々は、第2用紙58の第1時間の紙間情報を算出する。
次に、後処理装置37は、算出した第2用紙58の紙間情報を、用紙挿入装置36へ送信する(SEQ10)。後処理装置37から紙間情報を受け付けた用紙挿入装置36は、用紙挿入装置36で算出した第2用紙58の紙間情報と、後処理装置37から受け付けた第2用紙58の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(SEQ11)。
用紙挿入装置36から第2用紙58の紙間情報を受け付けた中継装置34は、中継装置34で算出した第2用紙58の紙間情報と、用紙挿入装置36から受け付けた第2用紙58の紙間情報の内の長い方を、第2用紙58の第1時間である紙間情報として、用紙搬送装置10へ送信する(SEQ12)。
次に、用紙搬送装置10は、第2用紙58の給紙要求を中継装置34へ出力する(SEQ13)。第2用紙58の給紙要求を受け付けた中継装置34は、該給紙要求を、用紙挿入装置36へ出力する(SEQ14)。用紙挿入装置36は、受け付けた該給紙要求を、後処理装置37へ出力する(SEQ15)。
用紙挿入装置36の算出部70Cでは、SEQ8で受け付けた第2用紙58の用紙属性に基づいて、挿入準備時間(第2時間)を算出し、中継装置34へ送信する(SEQ16)。そして、用紙挿入装置36では、トレイ50に貯留されている第2用紙58について、トレイ50から挿入待機位置Yへの搬送を開始する。該挿入準備時間(第2時間)を受け付けた中継装置34は、該挿入準備時間を用紙搬送装置10へ送信する(SEQ17)。
挿入準備時間を受け付けた用紙搬送装置10は、SEQ12で受け付けた、第2用紙58の第1時間である紙間情報と、SEQ17で受け付けた挿入準備時間(第2時間)の内、長い方の時間を、第2用紙58を挿入するための挿入間隔として設定する(SEQ18)。これによって、用紙搬送装置10では、仮想トレイ60の位置が定まる。
なお、上記SEQ16によって、トレイ50に貯留されている第2用紙58について、挿入待機位置Yへの搬送が開始されると、用紙挿入装置36は、第2用紙58の給紙開始を中継装置34へ送信する(SEQ19)。トレイ50に貯留されている第2用紙58が挿入待機位置Yへ搬送されはじめたか否かは、センサ90E及びセンサ90Fの検知信号によって判別可能である。
第2用紙58の給紙開始を受け付けた中継装置34は、該給紙開始を用紙搬送装置10へ送信する(SEQ20)。
次に、用紙搬送装置10が中継装置34に、次に搬送する第1用紙56の用紙属性を送信する(SEQ21)。第1用紙56の用紙属性を受け付けた中継装置34は、受け付けた用紙属性を用紙挿入装置36へ送信する(SEQ22)。第1用紙56の用紙属性を受け付けた用紙挿入装置36は、受け付けた第1用紙56の用紙属性を後処理装置37へ送信する(SEQ23)。
第1用紙56の用紙属性を受け付けた中継装置34、用紙挿入装置36、及び後処理装置37の各々は、第1用紙56の紙間情報を算出する。
次に、後処理装置37は、算出した第1用紙56の紙間情報を、用紙挿入装置36へ送信する(SEQ24)。後処理装置37から紙間情報を受け付けた用紙挿入装置36は、用紙挿入装置36で算出した第1用紙56の紙間情報と、後処理装置37から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(SEQ25)。
用紙挿入装置36から紙間情報を受け付けた中継装置34は、中継装置34で算出した第1用紙56の紙間情報と、用紙挿入装置36から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内の長い方を、用紙搬送装置10へ送信する(SEQ26)。
用紙挿入装置36では、第2用紙58が挿入待機位置Yまで搬送されたことを検知すると、給紙完了を中継装置34へ送信する(SEQ27)。用紙挿入装置36では、センサ90Fの検知結果を判別することで、第2用紙58が挿入待機位置Yに到達したことを検知する。給紙完了を受け付けた中継装置34は、該給紙完了を用紙搬送装置10へ送信する(SEQ28)。
このため、用紙搬送装置10では、用紙挿入装置36において第2用紙58がトレイ50から搬送されて挿入待機位置Yに到達する前に、SEQ26で受け付けた、次に搬送する第1用紙56の紙間情報分だけ、疑似搬送用紙Mとの紙間を確保して、該第1用紙56の搬送を開始することができる。
次に、用紙搬送装置10は、第1用紙56が用紙排出面Rに到達して中継装置34に排出されるタイミングで、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを中継装置34へ送信する(SEQ29)。第1用紙56が用紙排出面Rに到達するタイミングは、センサ90Bの検知信号によって判別できる。
次に、用紙搬送装置10は、第2用紙58の疑似搬送用紙Mが挿入要求送信位置Uに到達するタイミングで、第2用紙58の挿入要求を中継装置34へ送信する(SEQ30)。
疑似搬送用紙Mが挿入要求送信位置Uに到達するタイミングは、直前に搬送された第1用紙56の搬送方向先端部が挿入要求送信位置Uに到達してセンサ90Aで検知されてから、上記SEQ18で設定した挿入間隔を隔てたタイミングとすればよい。
また、この第2用紙58の挿入要求は、上述したように、第1搬送時間を挿入待ち時間として含むと共に、挿入指示を含む。また、この第1搬送時間は、上述したように、設定部66Bが、搬送対象の第2用紙58の用紙属性と、用紙搬送装置10の搬送条件(挿入要求送信位置Uから用紙排出面Rまでの距離や、搬送速度等)等と、に基づいて算出したものである。
挿入要求を受け付けた中継装置34は、該挿入要求に含まれる第1搬送時間と、中継装置34において算出部80Cで算出した第2搬送時間と、の加算値を新たな挿入待ち時間として算出する(SEQ31)。
そして、中継装置34は、SEQ31で算出した新たな挿入待ち時間を含む挿入要求を、用紙挿入装置36へ送信する(SEQ32)。該挿入要求を受信した用紙挿入装置36は、該挿入要求を後処理装置37へ送信する(SEQ33)。また、該挿入要求を受信した用紙挿入装置36は、該挿入要求に含まれる挿入待ち時間に基づいて、第2用紙58の挿入タイミングを決定し、挿入待機位置Yに位置していた第2用紙58を合流位置Pへ搬送することで、該第2用紙58を先に搬送された第1用紙56の後に挿入する(SEQ36)。なお、SEQ36は、SEQ35の処理の後に行ってもよい。
そして、中継装置34では、用紙搬送装置10から搬送されてきた第1用紙56が該中継装置34の用紙排出面Gに到達して用紙挿入装置36に向かって排出されるタイミングで、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを用紙挿入装置36へ送信する(SEQ34)。第1用紙56が用紙排出面Gに到達するタイミングは、センサ90Iの検知信号によって判別できる。
そして、用紙挿入装置36では、中継装置34から搬送されてきた第1用紙56が該用紙挿入装置36の用紙排出面Wに到達して後処理装置37に向かって排出されるタイミングで、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを後処理装置37へ送信する(SEQ35)。第1用紙56が用紙排出面Wに到達するタイミングは、センサ90Gの検知信号によって判別できる。
上記SEQ36によって第2用紙58の挿入が開始されると、用紙挿入装置36は、該第2用紙58の挿入開始を中継装置34へ送信する(SEQ37)。第2用紙58の挿入開始を受け付けた中継装置34は、該第2用紙58の挿入開始を用紙搬送装置10へ送信する(SEQ38)。
上記SEQ36によって第2用紙58の挿入が開始されると、用紙挿入装置36は、第2用紙58の排紙ON及び排紙OFFを後処理装置37へ送信する(SEQ39)。
次に、用紙搬送装置10は、次に搬送する第1用紙56(上記SEQ21で送信した用紙属性の第1用紙56)が用紙排出面Rに到達して中継装置34に排出されるタイミングで、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを中継装置34へ送信する(SEQ40)。第1用紙56が用紙排出面Rに到達するタイミングは、センサ90Bの検知信号によって判別できる。
該第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを受け付けた中継装置34は、該排紙ON及び該排紙OFFを用紙挿入装置36へ送信する(SEQ41)。また、該第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを受け付けた用紙挿入装置36は、該排紙ON及び該排紙OFFを後処理装置37へ送信する(SEQ42)。
なお、用紙搬送システム1において、第1用紙56、第2用紙58、第1用紙56をこの順に連続して搬送する場合には、上記SEQ7に戻り、SEQ7〜SEQ42の処理を繰り返し実行すればよい。
次に、用紙搬送装置10で実行する搬送処理を説明する。
図9は、用紙搬送装置10で実行する搬送処理を示すフローチャートである。なお、図9は、図8と同様に、第1用紙56と第1用紙56の間に1枚の第2用紙58を挿入し、第1用紙56、第2用紙58、第1用紙56の順に3枚連続して搬送する場合を示すフローチャートである。
まず、システム制御部66の送信部66Cが、先に搬送する第1用紙56の用紙属性を中継装置34へ送信する(ステップS100)。第1用紙56の用紙属性は、予め図示を省略するメモリに記憶しておいて、読み取ればよい。次に、受信部66Aが、中継装置34から、第1用紙56の紙間情報を受信する(ステップS102)。
第1用紙56の紙間情報を受信した用紙搬送装置10では、搬送制御部67が、受信した第1用紙56の紙間情報に応じた搬送間隔(第1間隔)で、第1用紙56の搬送を開始するように搬送部42を制御し、搬送タイミングを調整する。これによって、第1用紙56の搬送が開始される。
次に、送信部66Cが、先に搬送する第1用紙56の後ろに挿入する第2用紙58の用紙属性を、中継装置34へ送信する(ステップS104)。第2用紙58の用紙属性は、予め図示を省略するメモリに記憶しておいて、読み取ればよい。次に、受信部66Aが、中継装置34から、第2用紙58の第1時間である紙間情報を受信する(ステップS106)。
次に、送信部66Cが、第2用紙58の給紙要求を中継装置34へ送信する(ステップS108)。次に、受信部66Aが、中継装置34から、挿入準備時間(第2時間)を受信する(ステップS110)。
次に、設定部66Bが、上記ステップS110で受け付けた挿入準備時間(第2時間)と、上記ステップS106で受け付けた、第2用紙58の第1時間である紙間情報と、の長い方の時間を、第2用紙58を挿入するための挿入間隔として設定する(ステップS112)。そして、用紙搬送装置10の搬送制御部67では、第1間隔に、該挿入間隔を更に隔てて、第1用紙56を搬送するように、搬送制御する。これによって、用紙搬送装置10では、第1用紙56の間に疑似搬送用紙Mを疑似的に搬送した状態の間隔(第1間隔+挿入間隔)を隔てて、第1用紙56を搬送するよう、ダミー搬送タイミングを調整する(ステップS114)。
次に送信部66Cが、次に搬送する第1用紙56の用紙属性を中継装置34へ送信する(ステップS116)。次に、受信部66Aが、該第1用紙56の紙間情報を受信する(ステップS118)。
該第1用紙56の紙間情報を受信した用紙搬送装置10では、上記ステップS114で調整されたダミー搬送タイミングで、次の第1用紙56の搬送を開始する(ステップS120)。ステップS120の処理によって、第1用紙56は、第2用紙58の挿入箇所においては、第1間隔に該挿入間隔を更に隔てて、搬送される。すなわち、第1用紙56の間に、疑似搬送用紙Mを挟んだ状態を仮想した間隔を隔てて、第1用紙56が搬送される。
次に、システム制御部66が、先に搬送を開始した第1用紙56が用紙排出面Rに到達したか否かを判断し(ステップS122)、肯定判断するまで(ステップS122:Yes)、否定判断を繰り返す(ステップS122:No)。ステップS122では、システム制御部66は、検知部66Dで、センサ90Bから第1用紙56の検知を示す検知結果を受け付けたか否かを判断することによって、ステップS122の判断を行う。
ステップS122で肯定すると(ステップS122:Yes)、ステップS124へ進む。ステップS124では、送信部66Cが、先に搬送した第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを中継装置34へ送信する(ステップS124)。
次に、システム制御部66が、疑似搬送用紙Mが挿入要求送信位置Uに到達したか否かを判断し(ステップS126)、肯定判断するまで(ステップS126:Yes)、否定判断を繰り返す(ステップS126:No)。ステップS126で肯定すると(ステップS126:Yes)、ステップS128へ進む。ステップS128では、送信部66Cが、第2用紙58の挿入要求を中継装置34へ送信する(ステップS128)。
なお、ステップS128で送信する第2用紙58の挿入要求は、上述したように、挿入待ち時間として第1搬送時間を含む。
次に、システム制御部66が、次に搬送する第1用紙56が用紙排出面Rに到達したか否かを判断し(ステップS130)、肯定判断するまで(ステップS130:Yes)、否定判断を繰り返す(ステップS130:No)。ステップS130では、システム制御部66は、検知部66Dで、センサ90Bから第1用紙56の検知を示す検知結果を受け付けたか否かを判断することによって、ステップS130の判断を行う。
ステップS130で肯定すると(ステップS130:Yes)、ステップS132へ進む。ステップS132では、送信部66Cが、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを中継装置34へ送信する(ステップS132)。そして、本ルーチンを終了する。
次に、中継装置34で実行する搬送処理を説明する。
図10は、中継装置34で実行する搬送処理を示すフローチャートである。なお、図10は、図8と同様に、第1用紙56と第1用紙56の間に1枚の第2用紙58を挿入し、第1用紙56、第2用紙58、第1用紙56の順に3枚連続して搬送する場合を示すフローチャートである。
まず、中継装置34の受信部80Bが、用紙搬送装置10から1枚目の第1用紙56の用紙属性を受信する(ステップS200)。次に、算出部80Cが、ステップS200で受信した、第1用紙56の用紙属性から、第1用紙56の紙間情報を算出する(ステップS202)。
次に、送信部80Aは、ステップS200で受信した第1用紙56の用紙属性を、用紙挿入装置36へ送信する(ステップS204)。次に、受信部80Bが、紙間情報を受信する(ステップS206)。次に、送信部80Aは、ステップS202で算出された第1用紙56の紙間情報と、ステップS206で用紙挿入装置36から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内の長い方を、用紙搬送装置10へ送信する(ステップS208)。
次に、受信部80Bが、第2用紙58の用紙属性を受信する(ステップS210)。次に、算出部80Cが、ステップS210で受信した用紙属性から、第2用紙58の第1時間の紙間情報を算出する(ステップS212)。また、算出部80Cは、ステップS210で受信した第2用紙58の用紙属性と、該中継装置34における用紙受入面Fから用紙排出面Gまでの搬送距離及び搬送属性と、に基づいて、第2搬送時間を算出する(ステップS213)。
次に、送信部80Aは、ステップS210で受信した用紙属性を用紙挿入装置36へ送信する(ステップS214)。
次に、受信部80Bは、第2用紙58の紙間情報を用紙挿入装置36から受信する(ステップS216)。そして、送信部80Aは、ステップS216で用紙挿入装置36から受信した紙間情報と、ステップS212で算出した紙間情報の内、長い方を、用紙搬送装置10へ送信する(ステップS218)。
次に、受信部80Bは、用紙搬送装置10から、第2用紙58の給紙要求を受信する(ステップS220)。第2用紙58の給紙要求を受け付けた中継装置34では、送信部80Aが、該給紙要求を、用紙挿入装置36へ出力する(ステップS222)。次に、受信部80Bは、用紙挿入装置36から挿入準備時間(第2時間)を受信する(ステップS224)。そして、送信部80Aは、該挿入準備時間を用紙搬送装置10へ送信する(ステップS226)。
次に、受信部80Bが、次に搬送する第1用紙56の用紙属性を用紙搬送装置10から受信する(ステップS228)。次に、算出部80Cが、ステップS228で受信した、第1用紙56の用紙属性から、第1用紙56の紙間情報を算出する(ステップS230)。
次に、送信部80Aは、ステップS228で受信した第1用紙56の用紙属性を、用紙挿入装置36へ送信する(ステップS232)。次に、受信部80Bが、紙間情報を受信する(ステップS234)。次に、送信部80Aは、ステップS230で算出された第1用紙56の紙間情報と、ステップS234で用紙挿入装置36から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内の長い方を、用紙搬送装置10へ送信する(ステップS236)。
次に、受信部80Bが、用紙挿入装置36から第2用紙58の給紙完了を受信する(ステップS238)。給紙完了を受信した中継装置34では、送信部80Aが、該給紙完了を用紙搬送装置10へ送信する(ステップS240)。
次に、受信部80Bが、用紙搬送装置10から第2用紙58の挿入要求を受信する(ステップS242)。上述したように、この挿入要求は、用紙搬送装置10において、第2用紙58の疑似搬送用紙Mが挿入要求送信位置Uに到達するタイミングで、中継装置34へ送信される。
なお、この第2用紙58の挿入要求は、上述したように、第1搬送時間を挿入待ち時間として含むと共に、挿入指示を含む。
第2用紙58の挿入要求を受け付けた中継装置34では、算出部80Cが、該挿入要求に含まれる第1搬送時間と、上記ステップS213によって算出部80Cで算出された第2搬送時間と、の加算値を新たな挿入待ち時間として算出する(ステップS244)。
そして、送信部80Aは、ステップS244で算出された新たな挿入待ち時間を含む挿入要求を、用紙挿入装置36へ送信する(ステップS246)。
次に、システム制御部80では、先に搬送する第1用紙56が中継装置34の用紙排出面Gに到達したか否かを判断する(ステップS248)。ステップS248の判断は、センサ90Iによって第1用紙56が検知されたか否かを判別することで行う。ステップS248では、肯定判断(ステップS248:Yes)するまで否定判断(ステップS248:No)を繰り返し、肯定判断すると(ステップS248:Yes)、ステップS250へ進む。
次に、送信部80Aは、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを用紙挿入装置36へ送信する(ステップS250)。次に、受信部80Bが、第2用紙58の挿入開始を用紙挿入装置36から受信する(ステップS252)。そして、送信部80Aが、ステップS252で受信した、第2用紙58の挿入開始を用紙搬送装置10へ送信する(ステップS254)。
次に、システム制御部80は、次に搬送する第1用紙56が用紙排出面Gに到達したか否かを判断し(ステップS256)、肯定判断するまで(ステップS256:Yes)、否定判断(ステップS256:No)を繰り返す。
そして、ステップS256で肯定判断すると(ステップS256:Yes)、ステップS258へ進む。ステップS258では、送信部80Aが、第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを用紙挿入装置36へ送信する(ステップS258)。そして、本ルーチンを終了する。
次に、用紙挿入装置36で実行する搬送処理を説明する。
図11は、用紙挿入装置36で実行する搬送処理を示すフローチャートである。なお、図11は、図8と同様に、第1用紙56と第1用紙56の間に1枚の第2用紙58を挿入し、第1用紙56、第2用紙58、第1用紙56の順に3枚連続して搬送する場合を示すフローチャートである。
まず、システム制御部70の受信部70Bが、中継装置34から第1用紙56の用紙属性を受信する(ステップS300)。受信部70Bで第1用紙56の用紙属性を受信すると、算出部70Cが第1用紙56の紙間情報を算出する(ステップS301)。次に、送信部70Aが、受信した第1用紙56の用紙属性を後処理装置37へ送信する(ステップS302)。
次に、受信部70Bが、後処理装置37から第1用紙56の紙間情報を受信する(ステップS304)。次に、送信部70Aは、上記ステップS301で算出した第1用紙56の紙間情報と、後処理装置37からステップS304で受け付けた第1用紙56の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(ステップS306)。
次に、受信部70Bが中継装置34から、第2用紙58の用紙属性を受信する(ステップS308)。そして、算出部70Cが、該受信した第2用紙58の用紙属性から、第2用紙58の第1時間である紙間情報を算出する(ステップS309)。次に、送信部70Aは、ステップS308で受信した第2用紙58の用紙属性を、後処理装置37へ送信する(ステップS310)。
次に、受信部70Bが後処理装置37から、第2用紙58の紙間情報を受信する(ステップS312)。
次に、送信部70Aは、上記ステップS309で算出した第2用紙58の紙間情報と、後処理装置37から受け付けた第2用紙58の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(ステップS314)。
次に、受信部70Bが、中継装置34から第2用紙58の給紙要求を受信する(ステップS316)。次に、算出部70Cでは、ステップS308で受け付けた第2用紙58の用紙属性に基づいて、挿入準備時間(第2時間)を算出し、中継装置34へ送信する(ステップS318)。
そして、用紙挿入装置36では、トレイ50に貯留されている第2用紙58について、トレイ50から挿入待機位置Yへの搬送を開始する(ステップS320)。そして、第2用紙58の給紙開始を中継装置34へ送信する。
次に、受信部70Bが、次に搬送する第1用紙56の用紙属性を中継装置34から受信する(ステップS322)。第1用紙56の用紙属性を受け付けた中継装置34では、算出部70Cが、第1用紙56の紙間情報を算出する(ステップS324)。
また、送信部70Aが、ステップS322で受信した用紙属性を、後処理装置37へ送信する(ステップS326)。
次に、受信部70Bが、後処理装置37から、後処理装置37で算出した第1用紙56の紙間情報を受信する(ステップS328)。後処理装置37から紙間情報を受け付けた用紙挿入装置36では、送信部70Aが、ステップS324で算出した第1用紙56の紙間情報と、ステップS328で後処理装置37から受け付けた第1用紙56の紙間情報の内、長い方を、中継装置34へ送信する(ステップS330)。
次に、受信部70Bは、中継装置34から、第2用紙58の挿入要求を受信する(ステップS332)。該挿入要求は、上述したように、用紙搬送装置10において第2用紙58の疑似搬送用紙Mが挿入要求送信位置Uに到達したときに、用紙搬送装置10から中継装置34を介して送信されたものである。また、該第2用紙58の挿入要求は、用紙搬送装置10で算出された第1搬送時間と、中継装置34で算出された第2搬送時間と、の加算値を挿入待ち時間として含む。
次に、決定部70Eが、該挿入要求に含まれる挿入待ち時間に基づいて、第2用紙58の挿入タイミングを決定する(ステップS334)。具体的には、上述したように、決定部70Eは、該挿入要求を中継装置34から受信してから、第2用紙58を挿入待機位置Yから合流位置Pへ向かって搬送開始するまでの時間である第3時間を決定する。更に具体的には、決定部70Eは、ステップS332で受信した挿入要求に含まれる挿入待ち時間(時間T5+時間T9)と、用紙受入面Qから合流位置Pまでの疑似搬送用紙M(第2用紙58)の第3搬送時間(時間T4)と、の加算値から、挿入待機位置Yから合流位置Pまでの第2用紙58の第4搬送時間(時間T3)を減算した値((時間T5+時間T9)+時間T4−時間T3)を、第3時間として決定する。
次に、搬送制御部74が、上記ステップS332で、用紙搬送装置10から中継装置34を介して挿入要求を受信してから、上記ステップS334において決定部70Eで決定された第3時間を経過した後に、挿入待機位置Yに位置している第2用紙58を合流位置Pへ向かって搬送開始するように、搬送部62を制御する(ステップS336)。
このため、用紙挿入装置36では、搬送している第1用紙56と第1用紙56との間に、これらの第1用紙56に重なったりぶつかったりすることなく、また先に挿入した第2用紙58に重なったりぶつかったりすることなく、第1用紙56と第1用紙56の間に第2用紙58を挿入することができる。
次に、システム制御部70は、先に搬送している第1用紙56が用紙排出面Wに到達したか否かを判断する(ステップS338)。ステップS338では、センサ90Gによる検知結果を判別することで判断すればよい。ステップS338では、肯定判断するまで(ステップS338:Yes)、否定判断を繰り返し(ステップS338:No)、肯定判断すると(ステップS338:Yes)、ステップS340へ進む。
ステップS340では、先に搬送している第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを後処理装置37へ送信する(ステップS340)。次に、システム制御部70では、ステップS336で挿入開始した第2用紙58が用紙排出面Wに到達したか否かを判断する(ステップS342)。ステップS342では、センサ90Gによる検知結果を判別することで判断すればよい。ステップS342では、肯定判断するまで(ステップS342:Yes)、否定判断を繰り返し(ステップS342:No)、肯定判断すると(ステップS342:Yes)、ステップS344へ進む。
ステップS344では、該第2用紙58の排紙ON及び排紙OFFを後処理装置37へ送信する(ステップS344)。
次に、システム制御部70は、次に搬送している第1用紙56が用紙排出面Wに到達したか否かを判断する(ステップS346)。ステップS346では、センサ90Gによる検知結果を判別することで判断すればよい。ステップS346では、肯定判断するまで(ステップS346:Yes)、否定判断を繰り返し(ステップS346:No)、肯定判断すると(ステップS346:Yes)、ステップS348へ進む。
ステップS348では、該第1用紙56の排紙ON及び排紙OFFを後処理装置37へ送信する(ステップS348)。そして、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施の形態の用紙搬送システム1によれば、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に、中継装置34が配置されている。そして、用紙搬送装置10では、用紙挿入装置36で挿入する第2用紙58の疑似搬送用紙Mの搬送位置が挿入要求送信位置Uに到達したときに、第1搬送時間と、第2用紙58の挿入指示を含む挿入要求を中継装置34へ送信する。中継装置34では、用紙搬送装置10から受け付けた第2用紙58の挿入要求に含まれる挿入待ち時間としての第1搬送時間と、中継装置34の算出部80Cで算出された第2搬送時間との加算値を、新たな挿入待ち時間として含む、第2用紙58の挿入要求を用紙挿入装置36へ送信する。なお、第1搬送時間は、用紙搬送装置10において、挿入要求を送信する挿入要求送信位置Uから疑似搬送用紙Mが用紙搬送装置10の用紙排出面Rへ到達するまでの搬送時間である。また、第2搬送時間は、中継装置34において、第2用紙58を中継装置34の用紙受入面Fから用紙排出面Gへ疑似的に搬送したと仮定したときの搬送時間である。
そして、用紙挿入装置36では、中継装置34から受信した挿入要求に含まれる挿入待ち時間に基づいて、第2用紙58を挿入する挿入タイミングを決定する。具体的には、決定部70Eは、該挿入要求を中継装置34から受信してから、第2用紙58を挿入待機位置Yから合流位置Pへ向かって搬送開始するまでの時間である第3時間を決定する。
そして、用紙挿入装置36の搬送制御部74では、用紙搬送装置10から中継装置34を介して挿入要求を受信してから、決定部70Eで決定された第3時間を経過した後に、挿入待機位置Yに位置している第2用紙58を合流位置Pへ向かって搬送開始するように、搬送部62を制御する。
このため、用紙搬送システム1では、用紙搬送装置10と用紙挿入装置36との間に配置された中継装置34の構成は搬送機能を考慮することなく、挿入する第2用紙58に応じた間隔を隔てて第1用紙56の搬送を行うことができる。
従って、本実施の形態の用紙搬送システム1では、汎用性を有する用紙搬送システム1を提供することができる。
また、用紙挿入装置36が中継装置34から受信した挿入要求に含まれる挿入待ち時間が、第1搬送時間(時間T5)と第2搬送時間(時間T9)の加算値であったとする。この場合、決定部70Eは、該挿入待ち時間(時間T5+時間T9)と、用紙受入面Qから合流位置Pまでの疑似搬送用紙M(第2用紙58)の第3搬送時間(時間T4)と、の加算値から、挿入待機位置Yから合流位置Pまでの第2用紙58の第4搬送時間(時間T3)を減算した値((時間T5+時間T9)+時間T4−時間T3)を、第3時間として決定する。
このため、中継装置34の構成が変更された場合であっても、先に搬送されている第1用紙56や第2用紙58に重なったりぶつかったりすることなく、挿入対象の第2用紙58を第1用紙56間に挿入することができる。
また、本実施の形態の用紙搬送システム1によれば、用紙搬送装置10では、後処理装置30から第2用紙58の第1時間である紙間情報と挿入準備時間(第2時間)を受け付ける。そして、これらの第2用紙58の第1時間である紙間情報と挿入準備時間(第2時間)の長い方を、第2用紙58を挿入するための挿入間隔として設定する。
そして、用紙搬送装置10では、第1用紙56を搬送する第1間隔に、設定された挿入間隔を更に隔てて、第1用紙56を搬送するように、搬送部42を制御する。これによって、第1用紙56は、第2用紙58の挿入箇所においては、第1間隔と挿入間隔との加算値に相当する間隔を隔てて搬送される。
このように、用紙搬送装置10では、用紙挿入装置36から受け付けた第1時間及び挿入準備時間(第2時間)に応じて、第2用紙58の挿入位置に間隔を隔てて第1用紙56を搬送する。このため、用紙搬送システム1では、後処理装置30の構成が変わっても、用紙搬送装置10のプログラムを変更する必要がない。
このため、本実施の形態の用紙搬送システム1では、汎用性を有する用紙搬送システム1を提供することができる。
また、用紙挿入装置36側で必要とする第2用紙58の第1時間である紙間情報を、用紙挿入装置36側で算出して用紙搬送装置10へ送信する。このため、用紙搬送装置10では、用紙挿入装置36で挿入する第2用紙58の用紙属性に基づいて、第2用紙58の第1時間である紙間情報を算出する必要がなくなり、また、該第1時間と挿入準備時間の内の長い方を、挿入間隔とすればよい。このため、用紙搬送装置10の紙間制御を簡易化することができる。
また、第2用紙58の後に第1用紙56を搬送する場合には、第2用紙58がトレイ50から搬送経路Bに搬送されて挿入待機位置Yに到る前に、用紙搬送装置10側では次の第1用紙56の搬送動作を開始できる。このため、用紙挿入に伴う搬送処理の生産性の低下を防止することができる。
なお、本実施の形態の用紙搬送システム1で実行される、上記搬送処理を実行するための用紙搬送プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の用紙搬送システム1で実行される用紙搬送プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態の用紙搬送システム1で実行される用紙搬送プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態の用紙搬送システム1で実行される用紙搬送プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態の用紙搬送システム1で実行される用紙搬送プログラムは、上述した各部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、本発明の実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。