JP5942590B2 - 力検出素子、力検出モジュール、力検出ユニットおよびロボット - Google Patents
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このような力検出素子において、力検出素子から検出された信号は配線を介して、別体の検出回路部に接続され、力の大きさを検知している。
力検出部に加わった外力は圧電基板に応力を与え、この応力は力検出部の圧電基板から回路部にも伝わる。このとき、剛性調整部の剛性が力検出部の圧電基板より低い場合には、この剛性調整部にて圧電基板が変形して応力を緩和する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
また、剛性調整部の剛性が力検出部の圧電基板より高い場合には、この剛性調整部にて圧電基板を変形させようとする応力を規制でき、回路部の圧電基板の変形を抑制する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
このように、本適用例の力検出素子は、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった圧電基板上に力検出部と回路部とを一体に形成することができ、力検出素子の小型を図ることが可能となる。
このことから、力検出部から伝わる応力は剛性調整部で緩和あるいは規制されて、回路部に伝わらない。
このことから、この剛性調整部にて圧電基板を変形させようとする応力を規制でき、回路部の圧電基板の変形を抑制する。
このため、圧電基板に外力などが加わり圧電基板の表面に電荷が誘起された場合でも、バックゲート電極において誘起電荷による電界を遮蔽でき、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができる。
このため、圧電基板に外力などが加わり圧電基板の表面に電荷が誘起された場合でも、バックゲート電極において誘起電荷による電界を遮蔽でき、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができる。
力検出部に加わった外力は圧電基板に応力を与え、この応力は力検出部の圧電基板から回路部にも伝わる。このとき、剛性調整部の剛性が圧電基板より低い場合には、この剛性調整部にて圧電基板が変形して応力を緩和する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
また、剛性調整部の剛性が圧電基板より高い場合には、この剛性調整部にて圧電基板を変形させようとする応力を規制でき、回路部の圧電基板の変形を抑制する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
このように、本適用例の力検出モジュールは、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった圧電基板上に力検出部と回路部とを一体に形成することができ、力検出モジュールの小型を図ることが可能となる。
このように、水晶基板として、水晶の切断方位を選ぶことにより直交する3軸に対応する力の検出を可能とする。
力検出部に加わった外力は圧電基板に応力を与え、この応力は力検出部の圧電基板から回路部にも伝わる。このとき、剛性調整部の剛性が圧電基板より低い場合には、この剛性調整部にて圧電基板が変形して応力を緩和する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
また、剛性調整部の剛性が圧電基板より高い場合には、この剛性調整部にて圧電基板を変形させようとする応力を規制でき、回路部の圧電基板の変形を抑制する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
そして、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった圧電基板上に力検出部と回路部とを一体に形成することができ、力検出モジュールの小型を図ることが可能となる。
このように、力検出モジュールは小型化されており、アーム部とハンド部の接続部に容易に搭載することができ、作動するアーム部あるいはハンド部に対して、所定動作中に起こる障害物との接触の検出、対象物との接触力の検出などを高精度に検出することができる。そして、この検出データを利用して安全で細かな作業を行うロボットを提供できる。
このことから、作動するアーム部あるいはハンド部に対して、所定動作中に起こる障害物との接触の検出、対象物との接触力の検出などを精度良く検出でき、信頼性に優れたロボットを提供できる。
力検出部に加わった外力は圧電基板に応力を与え、この応力は力検出部の圧電基板から回路部にも伝わる。このとき、剛性調整部の剛性が力検出部の圧電基板より低い場合には、この剛性調整部にて圧電基板が変形して応力を緩和する。このため、MOS型半導体素子にはこの応力が伝わらず、MOS型半導体素子に形成されたチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
また、剛性調整部の剛性が力検出部の圧電基板より高い場合には、この剛性調整部にて圧電基板を変形させようとする応力を規制でき、MOS型半導体素子の形成された圧電基板の変形を抑制する。このため、MOS型半導体素子にはこの応力が伝わらず、MOS型半導体素子に形成されたチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
このように、本適用例の力検出素子は、半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった圧電基板上に力検出部とMOS型半導体素子とを一体に形成することができ、力検出素子の小型を図ることが可能となる。
(第1実施形態)
図1、図2に示すように、力検出素子1は、圧電基板として長期的に安定した水晶基板6が用いられ、力検出部10、信号引き出し部20、グランド接続部40を備えている。
水晶基板6は、正方形状部6aと正方形の4辺のうちの2つの辺から延在されて突出した突出部6b,6cを備え、これらが一体に形成されている。
力検出部10は、水晶基板6の正方形状部6aと、正方形状部6aの一方の表面に形成された第1電極11と、正方形状部6aの他方の表面に形成された第2電極12と、を有する。そして、第1電極11と第2電極12とは水晶基板6を挟んで対向配置されている。
なお、水晶基板6は本実施形態ではXカット水晶基板が用いられ、水晶基板6の平面(表面)に対して垂直方向の力を検出できるように構成されている。
溝部27aは、水晶基板6の厚み方向の平面視において、力検出部10と回路部21との間に設けられ、正方形状部6aの一辺と平行となるように配置されている。そして、溝部27aは、水晶基板6の一方の表面からエッチングされて形成され、溝部27aの板厚tが水晶基板の厚みTよりも薄く形成されている。このように溝部27aを形成することで、力検出部が形成された水晶基板6の剛性よりも剛性の低い剛性調整部を形成することができる。
回路部21には、図4に示すように、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型半導体素子30を有している。回路部21内には複数のMOS型半導体素子30が形成されて回路部21が構成されている。
信号引き出し部20を構成する水晶基板6の突出部6bにおいて、水晶基板6の表面と接するバックゲート電極25が形成されている。そして、バックゲート電極25の上に絶縁膜26が設けられている。
絶縁膜26の上には、MOS型半導体素子30としてポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)が形成されている。MOS型半導体素子30には、ゲート電極34、ソース電極35、ドレイン電極36を有し、これらの電極は絶縁層37内で配線により所望の配線がなされている。このように、MOS型半導体素子30がポリシリコンTFTを有することから、アンプ、ADコンバーターなどのアナログ回路や信号処理回路などのデジタル回路を回路部21内に集積できる。
なお、MOS型半導体素子30として、酸化物系半導体材料でMOS型半導体素子を構成しても良い。
さらに、溝部27aの板厚tは、水晶基板の厚みをTとすると、およそt=T/2なる関係である。また、溝部27aの幅Wは、W=L1/10程度である。
図5は、水晶基板6の板厚方向から回路部21のMOS型半導体素子30を見た平面視での状態を模式的に表している。
バックゲート電極25は平面視でゲート電極34を含んで重なる位置に形成されている。本実施形態では、バックゲート電極25はゲート電極34、ソース電極35、ドレイン電極36を含んで重なる位置に形成されているが、少なくともゲート電極34が重なるように形成されていれば良い。
そして、バックゲート電極25は配線38によりグランドに接続されている(図4参照)。
さらに、本実施形態ではバックゲート電極25をグランドに接続したが、図7に示すように、バックゲート電極25を定電圧電源28に接続して一定の電圧を保持する構成であってもよい。
なお、前述からの各種電極の材料としては、金、クロム、チタニウム、アルミニウム、銅などの単体もしくは、これらの材料を主成分とする合金を用いることができる。
この与圧により、力検出部10の水晶基板6に電荷が誘起する。そして外力が水晶基板6の板厚方向に加わるとさらに電荷が誘起されるため、その変化を捉えることで外力を検出することが可能である。
ここで、力検出部10に外力が加わると、水晶基板6に応力がかかり、突出部6bにもその応力が伝播し突出部6bを変形させる力が働く。このとき、突出部6bに伝播する応力は剛性が低い溝部27aにおいて変形して伝播する応力が緩和され、この応力は溝部27aから突出部6bの先端方向には伝わらない。このため、回路部21に応力が伝わらず回路部21を変形させることがないことから、回路部21に形成された半導体素子のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
力検出部10に加わった外力は応力として突出部6bに伝播するが、溝部27aにて水晶基板6が変形して応力を緩和する。このため、回路部21にはこの応力が伝わらず、回路部21に形成されたMOS型半導体素子30のチャネル領域を変形させることがなく、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
そして、MOS型半導体素子30の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった水晶基板6上に力検出部10と回路部21とを一体に形成することができ、力検出素子1の小型を図ることが可能となる。
また、溝部27aが力検出部10と対向し、また回路部21と対向している。そして、回路部21は、回路部21の力検出部10と対向する全体の長さが溝部27aと対向するように配置されている。つまり、回路部21の力検出部10と対向する長さをカバーして溝部27aが力検出部10との間に形成されている。
このことから、力検出部10から伝わる応力は溝部27aで緩和あるいは規制でき、応力は回路部21に伝わらない。
(変形例)
図8、9は第1実施形態における変形例を示し、剛性調整部の配置を示す概略平面図である。
図8(a)は、第1実施形態での溝部を中央部で2分割した変形例である。このようにすれば、力検出部10の第1電極11と回路部21とを接続する接続配線23を、2つの溝部27aの間を配線でき、しかも最短距離で結線することができる。このことから、接続配線23にのるノイズの低減を図ることができる。このとき、溝部27aの力検出部10と対向する長さL1は2つの溝部27aにおける外側の間の長さである。
図8(b)は、分割された3つの溝部27aを備え、中央の溝部において力検出部10と対向する長さL3は、回路部21が力検出部10と対向する長さL2より長く形成されている。そして、その両側に溝部27aが突出部6bの側端まで形成されている。このとき、溝部27aの力検出部10と対向する長さL1は3つの溝部27aにおける外側の間の長さであり、突出部6bの幅と同じである。このようにすれば、中央の溝部で回路部21の長さL2をカバーし、両側の溝部を形成することでさらに剛性を小さくすることができ、力検出部10からの応力を緩和することができる。
図8(c)は、溝部27aの配置は図8(b)と同じであるが、接続配線23が溝部27aの間を経て力検出部10の第1電極と2箇所で接続している。このようにすれば、接続配線における導通抵抗を低くすることができる。
図9(b)は、突出部6bの端部に向かって溝部27a,27bが2重に配置された変形例である。図8(a)での溝部27aの配置に加え、中央部にもう一つの溝部27bを設けている。このようにすれば、接続配線23を通すための中央部からの応力の伝播をもう一つの溝部27bで緩和することができる。
図10(a)は、溝部27aが水晶基板6の両面から形成されている。第1実施形態では、溝部27aを水晶基板の片面に形成したが、このように両面から溝部27aを形成しても良い。
図10(b)は、溝部27aを水晶基板6の両面から形成し、さらに溝部27aの底面を段つきに形成した変形例である。
図10(c)は、溝部27aのエッチングなどの加工を進めて、穴部27cを形成した変形例である。
図11(a)は、水晶基板6の片面から形成された溝部27aに、軟質部材27dが埋め込まれ剛性調整部27を構成している。軟質部材27dはシリコーンなどの水晶よりも剛性の低い材料が用いられている。
図11(b)は、水晶基板6の両面から形成された溝部27aに、軟質部材27dが埋め込まれて剛性調整部27が構成されている。軟質部材27dは上記と同様にシリコーンなどの水晶よりも剛性の低い材料が用いられている。
図11(c)は、水晶基板6に形成された穴部27cに軟質部材27dが埋め込まれて剛性調整部27が構成されている。軟質部材27dは上記と同様にシリコーンなどの水晶よりも剛性の低い材料が用いられている。
本変形例では、剛性調整部として剛性を高めて、水晶基板を変形させようとする応力を規制する形態である。
図12に示すように、水晶基板6に厚みを付加する付加部材27eが両面に固定されて剛性調整部27が構成されている。付加部材27eの材料としては水晶基板6の剛性より高い材料が好ましいが、これに限らず、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの樹脂であっても良い。
このように、剛性調整部27の剛性が水晶基板6より高い場合には、この剛性調整部27にて水晶基板6を変形させようとする応力を規制でき、回路部の水晶基板6の変形を抑制する。このため、回路部にはこの応力が伝わらず、回路部に形成されたMOS型半導体素子のチャネル領域を変形させることがないため、チャネル領域の変形に起因する閾値電圧の変動を抑えることができる。
図13は力検出素子の変形例を示す概略平面図である。
本変形例では水晶基板の形状が第1実施形態の力検出素子と異なる。
力検出素子2は、水晶基板6を有し、力検出部10と信号引き出し部20とを備えている。水晶基板6は力検出部10と同じ幅で延在され、矩形状に形成されている。
力検出部10は、水晶基板6の一方の表面に形成された正方形状の第1電極11と、他方の表面に形成された第2電極12と、を有する。そして、第1電極11と第2電極12とは水晶基板6を挟んで対向配置されている。
なお、水晶基板6はXカット水晶基板が用いられ、水晶基板6の平面(表面)に対して垂直方向の力を検出できるように構成されている。
溝部27aは、水晶基板6の厚み方向の平面視において、力検出部10と回路部21との間に設けられ、第1電極11の一辺と平行となるように配置されている。そして、溝部27aは、水晶基板6の一方の表面からエッチングされて形成されている。
回路部21には、第1実施形態と同様に、MOS型半導体素子を有している。
このように、必要とされる力検出部10の大きさにより、水晶基板6の形状を適宜変更することは可能である。
本変形例では力検出部10の力を検出する第1電極11、第2電極12の大きさが小さい場合であり、このような構造により力検出素子2の小型化を図ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態の力検出モジュールは第1実施形態で説明した力検出素子を積層した形態である。
ここで、説明の便宜上、直交座標軸(x、y、z軸)を定義する。各検出素子の積層方向をz軸方向としたとき、z軸方向に直交する方向をx軸方向、x軸方向およびz軸方向に直交する方向をy軸方向とする。
第1力検出素子51はx軸方向の力を検出し、第2力検出素子52はz軸方向の力を検出し、第3力検出素子53はy軸方向の力を検出する。
第1水晶基板61は、第1力検出部51aの一辺から突出する第1グランド接続部51dを備えている。
また、第2水晶基板62は第1力検出部51aの一辺から突出する第1グランド接続部51cと他の一辺から突出する第1信号引き出し部51bとを備えている。そして、第1信号引き出し部51bには第1回路部60aと、第1力検出部51aと第1回路部60aの間に形成された剛性調整部としての第1溝部78aと、が設けられている。
第3水晶基板63は、第2力検出部52aの一辺から突出する第2グランド接続部52dと、第2水晶基板62の第1信号引き出し部51bを支持する積層支持部52eを備えている。
第4水晶基板64は、第2力検出部52aの一辺から突出する第2グランド接続部52cと、第2水晶基板62の第1信号引き出し部51bを支持する積層支持部52eと、第2グランド接続部52cと対向する辺から突出する第2信号引き出し部52bとを備えている。そして、第2信号引き出し部52bには第2回路部60bと、第2力検出部52aと第2回路部60bの間に形成された剛性調整部としての第2溝部78bと、が設けられている。
第5水晶基板65は、第3力検出部53aの一辺から突出する第3グランド接続部53dと、第2水晶基板62の第1信号引き出し部51bを支持する積層支持部53eと、第4水晶基板64の第2信号引き出し部52bを支持する積層支持部53fと、を備えている。
第6水晶基板66は、第3力検出部53aの一辺から突出する第3グランド接続部53cと、第2水晶基板62の第1信号引き出し部51bを支持する積層支持部53eと、第4水晶基板64の第2信号引き出し部52bを支持する積層支持部53fと、積層支持部53eと対向する辺から突出する第3信号引き出し部53bとを備えている。そして、第3信号引き出し部53bには第3回路部60cと、第3力検出部53aと第3回路部60cの間に形成された剛性調整部としての第3溝部78cと、が設けられている。
これらの構成については、第1回路部60a、第2回路部60b、第3回路部60c共に同じ構成であり、ここでは、第1回路部60aを例にとって説明する。
図16に示すように、第1回路部60aには、MOS型半導体素子73を有している。第1回路部60a内には複数のMOS型半導体素子73が形成されて第1回路部60aが構成されている。
第1信号引き出し部51bを構成する第2水晶基板62において、第2水晶基板62の表面と直接もしくは絶縁層を介して接するバックゲート電極70が形成されている。そして、バックゲート電極70の上に絶縁膜71が設けられている。
絶縁膜71の上には、MOS型半導体素子73としてポリシリコンTFTが形成されている。MOS型半導体素子73には、ゲート電極74、ソース電極75、ドレイン電極76を有し、これらの電極は絶縁層72内で配線により所望の配線がなされている。このように、MOS型半導体素子73がポリシリコンTFTを有することから、アンプ、ADコンバーターなどのアナログ回路や信号処理回路などのデジタル回路を第1回路部60a内に集積できる。
そして、バックゲート電極70は、図示しないが、第1実施形態と同様に平面視でゲート電極74を含んで重なる位置に形成され、グランドに接続されている。
また、第1信号引き出し部51bの下方に位置する第3水晶基板63から第6水晶基板66には第1信号引き出し部51bを支持する支持部が形成され、力検出モジュール50の底面まで一体となるように形成されている。同様に第2信号引き出し部52bの下方に位置する第5水晶基板65、第6水晶基板66には第2信号引き出し部52bを支持する支持部が形成され、力検出モジュール50の底面まで一体となるように形成されている。
なお、図13では、説明の便宜上、第1検出電極54、第2検出電極55、第3検出電極56、第1グランド電極57a、第2グランド電極57b、第3グランド電極57c、第4グランド電極57d、は各水晶基板に対して分離して表現したが、実際は各水晶基板と接するどちらかの水晶基板上に蒸着またはスパッタリングなどの手法により形成される。このため、片方の水晶基板に電極を形成すれば良く、両方の基板に電極を形成しなくても良い。
図17は本実施形態の力検出モジュールの各水晶基板の結晶方位を説明する断面図である。
第1力検出素子51において、第1水晶基板61、第2水晶基板62はYカット水晶基板で形成され、圧電現象を発生させる結晶方位であるX方向が第1水晶基板61、第2水晶基板62の法線に垂直となる結晶方位を有している。そして、第1水晶基板61と第2水晶基板62とはX方向が互いに逆方向となるように配置されている。
z軸に平行な方向に圧縮力もしくは引張り力を加えると、第2力検出素子52の第3水晶基板63、第4水晶基板64は水晶のz方向から圧縮力もしくは引張り力を受けるので圧電現象により与圧印加状態からの差分として電荷が誘起され、第2検出電極55に電荷(Fz信号)が出力される。
また、x軸に平行な方向にずれる力が加わる場合、第1力検出素子51の第1水晶基板61、第2水晶基板62は水晶のX方向からの力(せん断力)を受け圧電現象により電荷が誘起され、第1検出電極54に電荷(Fx信号)が出力される。
y軸に平行な方向にずれる力が加わる場合、第3力検出素子53の第5水晶基板65、第6水晶基板66は水晶のX方向からの力(せん断力)を受け圧電現象により電荷が誘起され、第3検出電極56に電荷(Fy信号)が出力される。
さらに、z軸に平行な方向にずれる力が加わる場合、第2力検出素子52の第3水晶基板63、第4水晶基板64は水晶のX方向から圧縮力を受けるので圧電現象により電荷が変化し、第2検出電極55に出力される電荷(Fz信号)の大きさが変化する。
そして、この誘起された電荷は第1回路部60a、第2回路部60b、第3回路部60c(図13参照)で積分され、電圧に変換された後、ADコンバーター、演算回路等により所望の信号として出力される。
また、第2回路部60b、第3回路部60cでも同様に、バックゲート電極がグランドに接続されているため、誘起電荷の電界を遮蔽することができる。このため、バックゲート電極の上方に形成されたMOS型半導体素子のゲート電極に電界の影響を与えないことから、水晶基板に誘起される電荷に起因するMOS型半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができる。
よって、本実施形態の力検出モジュール50は、第1検出電極54、第2検出電極55、第3検出電極56からの電荷(検出信号)はそれぞれ第1回路部60a、第2回路部60b、第3回路部60cに出力され、各回路内で検出信号が適正に処理され各方向における力の大きさを正確に検知することができる。
また、MOS型半導体素子の閾値電圧の変動を抑制することができることから、従来、実用化が難しかった水晶基板上に力検出部と回路部とを一体に形成することができ、力検出モジュールの小型を図ることが可能となる。
(第3実施形態)
図18は本実施形態の力検出モジュールの構成を示し、(a)は概念斜視図であり、(b)は平面図である。
本実施形態の力検出モジュール80は、第2実施形態で説明した力検出モジュール50を4つ用いて、第1与圧プレート81及び第2与圧プレート82により挟み込んだ構成である。各力検出モジュール50は第1与圧プレート81と第2与圧プレート82とを締結する締結手段(図示せず)により締め込み量を調整して、力検出モジュール50に所定の与圧(例えば10kN程度)が加えられている。
なお、第1与圧プレート81及び第2与圧プレート82は、いずれも平面視で円板状に形成され、中心Oを通り互いに直交する線上に4つの力検出モジュール50を配置している。
(第4実施形態)
図19は第4実施形態におけるにおけるロボットの概略構成を示す斜視図である。
第4実施形態に係るロボット100は、上述した力検出モジュール50または力検出モジュール80が搭載されている。
図19に示すロボット100は、本体部101、演算制御部102、アーム部110、ロボットハンド部120などで構成されている。本体部101は、例えば床、壁、天井、移動可能な台車の上等に固定される。アーム部110は、本体部101に対して回動可能となるように設けられており、本体部101にはアーム部110を回転させるための動力を発生するアクチュエーター(図示せず)や、アクチュエーターを制御する演算制御部102が設けられている。
なお、上述したロボット100に限定されず、アーム部110を複数備えるロボット(双腕ロボット)にも適用することができる。
(第5実施形態)
図20は双腕ロボットの概略構成を示す模式図である。
図20に示すロボット200は、本体部201、演算制御部202、胴体部203、頭部204、アーム部210a,210b、ロボットハンド部220a,220bなどで構成されている。本体部201は、ロボット200を自在に走行させるため走行部206およびアクチュエーターを制御する演算制御部202等が内蔵されている。アーム部210a,210bは、胴体部203に対して回動可能となるように設けられており、胴体部203にはアーム部210a,210bを回転させるための動力を発生するアクチュエーター(図示せず)が内蔵されている。
アーム部210aは、第1フレーム211a、第2フレーム212aで構成されている。第1フレーム211aは、回転屈曲軸を介して、胴体部203に回転可能または屈曲可能となるように接続されている。第2フレーム212aは、回転屈曲軸を介して、第1フレーム211a及びロボットハンド部220aに接続されている。アーム部210aは、制御部の制御によって、各フレームが各回転屈曲軸を中心に複合的に回転または屈曲することにより駆動する。
なお、アーム部210b及びロボットハンド部220bの構成等は、上述したアーム部210a及びロボットハンド部220aと同様である。
Claims (17)
- 圧電基板と、
前記圧電基板の一方の表面に形成された第1電極、および他方の表面に形成された第2電極を有し外力が加わる力検出部と、
前記力検出部から前記圧電基板が延在され、延在された前記圧電基板上に前記第1電極または前記第2電極に接続される半導体素子が設けられた回路部と、
前記圧電基板の前記力検出部と前記回路部との間に、前記力検出部が形成された前記圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された剛性調整部と、を備えた
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1に記載の力検出素子において、
前記圧電基板の厚み方向の平面視において、前記剛性調整部の前記力検出部と対向する長さは、前記回路部の前記力検出部と対向する長さよりも長く形成される
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1または2に記載の力検出素子において、
前記剛性調整部として前記圧電基板に凹部を形成した
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1または2に記載の力検出素子において、
前記剛性調整部として前記圧電基板を貫通する穴部を形成した
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1または2に記載の力検出素子において、
前記剛性調整部として前記圧電基板に形成された凹部と、前記凹部に埋め込まれた前記圧電基板よりも剛性の低い軟質部材と、を有する
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1または2に記載の力検出素子において、
前記剛性調整部として前記圧電基板に形成された穴部と、前記穴部に埋め込まれた前記圧電基板よりも剛性の低い軟質部材と、を有する
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1または2に記載の力検出素子において、
前記剛性調整部として前記圧電基板に前記圧電基板に厚みを付加する付加部材が設けられた
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の力検出素子において、
前記半導体素子がMOS型半導体素子であり、ポリシリコンTFTを有する
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の力検出素子において、
前記半導体素子がMOS型半導体素子であり、
前記MOS型半導体素子は酸化物系半導体材料で構成されている
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の力検出素子において、
前記回路部には、
前記圧電基板の表面と直接もしくは絶縁層を介して接するバックゲート電極と、
前記バックゲート電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されたゲート電極を有する前記半導体素子と、が備えられ、
前記圧電基板の厚み方向の平面視において、前記バックゲート電極は前記ゲート電極を含んで重なる位置に設けられ、
前記バックゲート電極はグランドに接続される
ことを特徴とする力検出素子。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の力検出素子において、
前記回路部には、
前記圧電基板の表面と直接もしくは絶縁層を介して接するバックゲート電極と、
前記バックゲート電極を覆う絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されたゲート電極を有する前記半導体素子と、が備えられ、
前記圧電基板の厚み方向の平面視において、前記バックゲート電極は前記ゲート電極を含んで重なる位置に設けられ、
前記バックゲート電極は一定の電位に固定される
ことを特徴とする力検出素子。 - 圧電基板を複数積層させた力検出モジュールであって、
前記圧電基板の積層方向をz軸方向としたとき、前記z軸方向に直交する方向をx軸方向、z軸方向およびx軸方向に直交する方向をy軸方向とした場合、
前記x軸方向の力を検出する第1力検出素子と、
前記z軸方向の力を検出する第2力検出素子と、
前記y軸方向の力を検出する第3力検出素子と、を備え、
前記第1力検出素子は、
第1圧電基板と、
前記第1圧電基板の一方の表面に形成された第1電極と他方の表面に形成された第2電極とを有する第1力検出部と、
前記第1力検出部から前記第1圧電基板が延在され、延在された前記第1圧電基板上に前記第1電極または前記第2電極に接続される半導体素子が設けられた第1回路部と、
前記第1圧電基板の前記第1力検出部と前記第1回路部との間に、前記第1力検出部が形成された前記第1圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第1剛性調整部と、が設けられ、
前記第2力検出素子は、
第2圧電基板と、
前記第2圧電基板の一方の表面に形成された第3電極と他方の表面に形成された第4電極とを有する第2力検出部と、
前記第2力検出部から前記第2圧電基板が延在され、延在された前記第2圧電基板上に前記第3電極または前記第4電極に接続される半導体素子が設けられた第2回路部と、
前記第2圧電基板の前記第2力検出部と前記第2回路部との間に、前記第2力検出部が形成された前記第2圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第2剛性調整部と、が設けられ、
前記第3力検出素子は、
第3圧電基板と、
前記第3圧電基板の一方の表面に形成された第5電極と他方の表面に形成された第6電極とを有する第3力検出部と、
前記第3力検出部から前記第3圧電基板が延在され、延在された前記第3圧電基板上に前記第5電極または前記第6電極に接続される半導体素子が設けられた第3回路部と、
前記第3圧電基板の前記第3力検出部と前記第3回路部との間に、前記第3力検出部が形成された前記第3圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第3剛性調整部と、が設けられた
ことを特徴とする力検出モジュール。 - 請求項12に記載の力検出モジュールにおいて、
前記第1圧電基板、前記第2圧電基板および前記第3圧電基板は水晶基板で形成され、
前記第1圧電基板および前記第3圧電基板はYカット水晶基板であり、前記第2圧電基板はXカット水晶基板である
ことを特徴とする力検出モジュール。 - 請求項12または13に記載の力検出モジュールを4つ用いた力検出ユニットであって、
第1与圧プレートと第2与圧プレートの間に4つの前記力検出モジュールが与圧を加えられて挟み込まれ、
前記力検出モジュールは、前記第1与圧プレートまたは前記第2与圧プレートの中心を通り互いに直交する線上に配置される
ことを特徴とする力検出ユニット。 - 本体部と、
前記本体部に接続するアーム部と、
前記アーム部に接続するハンド部と、を備えるロボットであって、
前記アーム部と前記ハンド部との接続部に力検出モジュールを有し、
前記力検出モジュールは、圧電基板を積層させた力検出モジュールであって、
前記圧電基板の積層方向をz軸方向としたとき、前記z軸方向に直交する方向をx軸方向、z軸方向およびx軸方向に直交する方向をy軸方向とした場合、
前記x軸方向の力を検出する第1力検出素子と、
前記z軸方向の力を検出する第2力検出素子と、
前記y軸方向の力を検出する第3力検出素子と、を備え、
前記第1力検出素子は、
第1圧電基板と、
前記第1圧電基板の一方の表面に形成された第1電極と他方の表面に形成された第2電極とを有する第1力検出部と、
前記第1力検出部から前記第1圧電基板が延在され、延在された前記第1圧電基板上に前記第1電極または前記第2電極に接続される第1回路部と、を備え、
前記第1回路部には、ゲート電極を有する半導体素子が設けられ、
前記第1圧電基板の前記第1力検出部と前記第1回路部との間に、前記第1力検出部が形成された前記第1圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第1剛性調整部が設けられ、
前記第2力検出素子は、
第2圧電基板と、
前記第2圧電基板の一方の表面に形成された第3電極と他方の表面に形成された第4電極とを有する第2力検出部と、
前記第2力検出部から前記第2圧電基板が延在され、延在された前記第2圧電基板上に前記第3電極または前記第4電極に接続される第2回路部と、を備え、
前記第2回路部には、ゲート電極を有する半導体素子が設けられ、
前記第2圧電基板の前記第2力検出部と前記第2回路部との間に、前記第2力検出部が形成された前記第2圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第2剛性調整部が設けられ、
前記第3力検出素子は、
第3圧電基板と、
前記第3圧電基板の一方の表面に形成された第5電極と他方の表面に形成された第6電極とを有する第3力検出部と、
前記第3力検出部から前記第3圧電基板が延在され、延在された前記第3圧電基板上に前記第5電極または前記第6電極に接続される第3回路部と、を備え、
前記第3回路部には、ゲート電極を有する半導体素子が設けられ、
前記第3圧電基板の前記第3力検出部と前記第3回路部との間に、前記第3力検出部が形成された前記第3圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された第3剛性調整部が設けられた
ことを特徴とするロボット。 - 請求項15に記載のロボットにおいて、
前記第1圧電基板、前記第2圧電基板および前記第3圧電基板は水晶基板で形成され、
前記第1圧電基板および前記第3圧電基板はYカット水晶基板であり、前記第2圧電基板はXカット水晶基板である
ことを特徴とするロボット。 - 圧電基板と、
前記圧電基板の一方の表面に形成された第1電極、および他方の表面に形成された第2電極を有し外力が加わる力検出部と、
前記力検出部から前記圧電基板が延在され、延在された前記圧電基板上に前記第1電極または前記第2電極に接続されるMOS型半導体素子と、
前記圧電基板の前記力検出部と前記MOS型半導体素子との間に、前記力検出部が形成された前記圧電基板の剛性とは異なる剛性に調整された剛性調整部と、を備えた
ことを特徴とする力検出素子。
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