本発明の課題は、視覚的演出効果という点でもインパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることが可能な遊技機用操作スイッチ及びそれを備えた遊技機を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の遊技機用操作スイッチは、
遊技者の所定の人為的な操作により所定方向に直線的に操作移動する操作部を備えた遊技機用操作スイッチにおいて、
前記操作部を操作移動可能に保持するとともに、遊技機本体に直接又は他部材を介して間接的に配置され、かつ前記遊技機本体又は前記他部材に対して前記操作部の操作移動方向と交差する方向で直線的に移動可能に組み付けられる保持部と、
その保持部を前記交差方向へ移動させるための回転式駆動源と、
その回転式駆動源と前記保持部とを連結するとともに、前記回転式駆動源の一方向への回転駆動力を前記交差方向での直線的な往復駆動力に変換して前記保持部に伝達する変換伝達機構と、を備え、
前記変換伝達機構は、
前記回転式駆動源の回転駆動軸に固定されて該回転駆動軸と一体的に回転する偏心カムと、
その偏心カムの偏心軸部に一端部が連結される一方、他端部が前記保持部側に連結される連結アームと、を備え、
前記連結アームは、
その長手方向に沿って伸縮可能に設けられた伸縮部材を備え、前記操作部及び前記保持部の少なくとも一方に直線的な往復移動を阻害する外力が加えられたときに前記伸縮部材が伸縮することで連結アームが伸縮し、その移動を阻害された前記保持部を作動させようとする前記回転式駆動源の回転駆動力により発生する負荷を吸収するように構成され、
前記操作部は、前記保持部が前記回転式駆動源によって移動されることにより、前記所定の人為的な操作に基づく操作移動とは独立した状態で、前記保持部と一体的に前記交差方向に移動されることを特徴とする。
このように、遊技者の所定の人為的な操作により所定方向に直線的に操作移動する操作部と、その操作部を操作移動可能に保持する保持部と、を備え、保持部が遊技機本体又は他部材に対して操作部の操作移動方向と交差する方向で直線的に移動可能に組み付けられている。そして、操作部及び保持部が回転式駆動源の駆動力によって操作部の操作移動方向と交差する方向で直線的に移動される。これによれば、操作部及び保持部が所定の人為的な操作に基づく移動とは独立した状態で視認可能に移動されるので、その移動動作を遊技者自体が直接体感できるのは言うまでもなく、移動動作によって保持部や操作部の輪郭(シルエット:位置:姿勢)が大きく変化することとなり、視覚的演出効果という点でもインパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることが可能となる。
また、上記した構成によれば、モータなどの回転式駆動源の一方向への回転駆動力を変換伝達機構によって直線的な往復駆動力として保持部に伝達するようになっている。このため、特殊な駆動源を用いることなく、かつ回転式駆動源の簡単な駆動制御で、操作部及び保持部を直線的に往復移動させることができる。
また、前記変換伝達機構は、前記回転式駆動源の回転駆動軸に固定されて該回転駆動軸と一体的に回転する偏心カムと、その偏心カムの偏心軸部に一端部が連結される一方、他端部が前記保持部側に連結される連結アームと、を備える。
これによれば、回転式駆動源が駆動制御されると回転駆動軸の一方向回転に伴って偏心カムが一体的に回転する。そして、この偏心カムの回転によって連結アームが移動することでこれに連れて保持部も移動することになり、結果として、回転式駆動源の簡単な駆動制御で操作部及び保持部を直線的に往復移動させる構成を具現化することができる。
また、前記変換伝達機構は、支軸を中心に回転自在に設けられるとともに、一端に前記連結アームの他端部が取り付けられる一方で他端に前記保持部が取り付けられて前記連結アームと前記保持部とを連係する回転伝達部材を備え、その回転伝達部材は、前記支軸から他端までの長さ寸法が前記支軸から一端までの長さ寸法よりも大きく設定されることで、前記連結アームにおける前記保持部の移動方向での変位量を拡大して前記回転式駆動源の回転駆動力を前記保持部に伝達する。
これによれば、偏心カムの回転に伴う連結アームの移動量の小さい往復移動に対しても、保持部を大きな移動量で往復移動させることができ、ひいては、操作部を大きく往復移動させて、視覚的演出効果におけるインパクトをより一層高めることができる。
なお、このような回転伝達部材を必ずしも変換伝達機構に設ける必要はなく、例えば連結アームを保持部に直接連結することで、回転式駆動源(回転駆動軸)の一方向への回転駆動力を直線的な往復駆動力に変換して保持部に伝達するようにしてもよい。このように、シンプルな構成とすることにより、部品点数を削減しコスト削減に寄与することができる。ただし、この場合、連結アームの移動量がそのまま保持部及び操作部の移動量となる。
また、前記連結アームは、その長手方向に沿って伸縮可能に設けられた伸縮部材を備え、前記操作部及び前記保持部の少なくとも一方に直線的な往復移動を阻害する外力が加えられたときに前記伸縮部材が伸縮することで連結アームが伸縮し、その移動を阻害された前記保持部を作動させようとする前記回転式駆動源の回転駆動力により発生する負荷を吸収する。
これによれば、回転式駆動源の駆動状態において、保持部又は操作部の移動が強制的に停止された場合(例えば遊技者の悪戯によって保持部や操作部の移動を妨げる行為がなされた場合など)でも、回転駆動軸の回転駆動を強制的に停止することなくそのまま駆動し続けることができるので、回転式駆動源に対して大きな負荷をかけることがなく、このような負荷による回転式駆動源の故障を回避することができる。
また、上記の課題を解決するために、本発明の遊技機は、
遊技者の所定の人為的な操作により所定方向に直線的に操作移動する操作部を備えた遊技機用操作スイッチを備え、
その遊技機用操作スイッチは、
前記操作部を操作移動可能に保持するとともに、遊技機本体に直接又は他部材を介して間接的に配置され、かつ前記遊技機本体又は前記他部材に対して前記操作部の操作移動方向と交差する方向で直線的に移動可能に組み付けられる保持部と、
その保持部を前記交差方向へ移動させるための回転式駆動源と、
その回転式駆動源と前記保持部とを連結するとともに、前記回転式駆動源の一方向への回転駆動力を前記交差方向での直線的な往復駆動力に変換して前記保持部に伝達する変換伝達機構と、を備え、
前記操作部は、前記保持部が前記回転式駆動源によって移動されることにより、前記所定の人為的な操作に基づく操作移動とは独立した状態で、前記保持部と一体的に前記交差方向に移動されることを特徴とする。
これによれば、操作部及び保持部が所定の人為的な操作に基づく移動とは独立した状態で視認可能に移動する遊技用操作スイッチを遊技機に備えることができるので、その可動動作を遊技者自体が直接体感できるのは言うまでもなく、可動動作によって保持部や操作部の輪郭(シルエット:位置:姿勢)が大きく変化することとなり、遊技者に対してインパクトある斬新な演出効果を与えることが可能となる。そして、視覚的演出効果が高まるので、周囲の遊技者にも知らしめることが可能となり、他の遊技者の遊技に対する興味を引き付けることができる。さらには、操作部及び保持部が可動することにより、その動作によって遊技者に操作部の操作を促すことが可能となり、液晶表示装置に依存することなく、インパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることができる。
また、前記保持部が配置固定される前記遊技機本体又は前記他部材の外壁部には、前記保持部の対応する外周部よりも大きな内周部を有する配置孔が形成され、前記保持部は、前記配置孔の内周部内を前記外周部の移動可能領域として移動するとともに、前記外周部に隣接し前記外壁部に沿って延設されるフランジ部を有し、そのフランジ部が前記外周部と前記配置孔の内周部との間に形成された空間を、前記外壁部の外側又は内側から閉塞する構成とすることができる。
これによれば、保持部には、遊技機本体又は他部材の外壁部に設けられた配置孔との間に形成される空間(隙間)を閉塞するフランジ部が設けられているので、外周部(保持部)の移動可能領域となる空間に遊技者が煙草などの異物を挿入するなどの悪戯を抑制及び防止することができる。また、保持部の移動の阻害となる塵や埃などが空間に入り込むのを抑制及び防止することができる。さらには、フランジ部によって保持部の外形が拡大されるので、遊技機本体又は他部材の外壁部上で存在感が増し、迫力ある移動演出を実現することができる。
なお、本発明の遊技機には、パチンコ機などの弾球遊技機、スロットマシンやパチスロ機などの回胴式遊技機、ポーカーゲーム機、雀球遊技機などの各種ゲーム機、などが含まれる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1に示すように、遊技機(以下、パチンコ機ともいう)1は、そのパチンコ機1の外郭を形成する額縁状の外枠2を備えている。外枠2には、ヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な内枠3が支持されている。内枠3には、同様にヒンジ部2a,2bを介して前面側に向かって片開き可能な前枠4が支持されている。内枠3には、図示しないガイドレールにより前面側に遊技領域が形成された遊技盤が装着され、その遊技盤の下方に遊技領域に向けて遊技球を発射する球発射装置が設けられている。
前枠4は、遊技盤の遊技領域に対応した窓部4aが厚み方向に貫通形成されて開口している。そして、前枠4の後面側には、窓部4aを閉塞するように透明板4bが着脱可能に配置されている。透明板4bは、前枠4が内枠3に対して閉状態のときに該窓部4aを介して遊技領域を視認可能としている。また、前枠4の前面下側には、貸球や賞球などの遊技球を一時的に貯留し、その貯留した遊技球を整流して球発射装置に供給する球受皿5と、球発射装置が遊技球を発射する発射力を調節するための発射ハンドル6とが設けられている。そして、球受皿5の上面には、外壁部から一部を露出する構成で遊技機用操作スイッチ10が設けられている。遊技機用操作スイッチ10は、遊技者が操作するものであり、遊技状態に応じて遊技者の操作に基づき液晶表示部(図示せず)の演出表示パターンを選択したり変更したりすることができる。
なお、本明細書において、透明板4b(遊技盤の盤面)と直交する方向が前後方向であり、遊技者側が前方側、遊技盤側(パチンコ機1の奥側)が後方側としている。また、透明板4b(遊技盤の盤面)に沿う態様で遊技領域を遊技球が流下する方向を上下方向(鉛直方向)としている。また、これら前後方向及び上下方向と直交する方向を左右方向としている。
以下、遊技機用操作スイッチ10(以下、操作スイッチ10ともいう)について詳しく説明する。操作スイッチ10は、図1ないし図3に示すように、パチンコ機1での待機状態を含む遊技状態に応じて、遊技者の所定の人為的な操作により操作移動する操作部20及び操作部20を操作移動可能に保持する保持部30を備えたスイッチ本体11と、そのスイッチ本体11(保持部30)を所定の態様で移動可能に配置固定するベース部40と、ベース部40に対するスイッチ本体11の移動を案内する移動案内部材36と、ベース部40の内側に配置されスイッチ本体11(保持部30)を移動するための回転式駆動源としてのモータ50と、そのモータ50の回転駆動力をスイッチ本体11(保持部30)に伝達する変換伝達機構としての変換リンク機構60と、を備えている。
そして、操作スイッチ10は、図2Aの二点鎖線で示すように、遊技状態に応じて保持部30がモータ50の駆動力によって移動されることにより、操作部20の所定の人為的な操作に基づく操作移動とは独立した状態で、当該操作部20と保持部30とが一体的に所定の態様で可動され、視覚的演出効果という点でインパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることができる。なお、スイッチ本体11(保持部30)の具体的な可動態様は、左右方向への直線往復移動であり、二点鎖線は、保持部30の端部が左右に移動した状態を示すものである。
また、本実施形態に係る操作スイッチ10は、ユニット化されて球受皿5の上面に配置されているが、球受皿5の内部からスイッチ本体11が露出するように配置してもよい。すなわち、本実施形態では、スイッチ本体11がベース部40(他部材)を介して間接的に球受皿5(遊技機本体)に配置されているが、ベース部40を省略して直接球受皿5に配置してもよい。つまり、ベース部40が本発明における他部材に相当する。
スイッチ本体11は、図4ないし図6に示すように、円筒形状をなす操作部本体22の内側に平面視円形形状をなし遊技者に押圧移動操作される操作面21aを有する操作面部材21が固定されてなる操作部20と、円筒形状をなしその内側に操作部20を収容するとともにその中心軸線O1に沿って操作部20が遊技者の人為的な押圧移動操作を可能に保持する保持部30と、操作部20と保持部30との間に配置され操作部20を中心軸線O1方向で保持部30に対し突出する(押圧移動操作に抗する)ように付勢する3つのコイルバネ39と、を備えている。
操作面部材21及び操作部本体22は、それぞれ光を透過する光透過性材料で形成され、該操作面部材21の下方に位置して、図6Aに示すように、配線基板38と基板ベース37とがビスなどの締結部材によって固定されている。配線基板38には、操作部20を照射する発光部38a並びに操作部20の押圧移動操作を検出するフォトセンサ及びコネクタ端子台(ともに図示しない)が配置されている。配線基板38を下方から支持するようにして取り付けられる基板ベース37の下面には、その周縁部分における等間隔の3箇所に操作部20を保持部30に取り付けるための取付ボス37aが突設されている。この取付ボス37aには、それぞれコイルバネ39がその軸心に取付ボス37aが挿通された状態で巻装される。また、取付ボス37aの外周壁一部分には、操作部20を保持部30に対して抜け止め係止する弾性係止爪37bが形成されている。
次に、保持部30は、図4ないし図6に示すように、円筒形状をなし操作部本体22(操作部20)を収容する収容部31と、収容部31の上端から径方向外側に延出される平面視小判形状(楕円形状、ドーナツ形状、レーストラック形状)のフランジ部32と、を備えている。収容部31の下端には、底壁33が設けられており、その底壁33の上面には、収容部31内に操作部本体22を収容した状態で、基板ベース37の取付ボス37aと係合する中空円筒形状の係合ボス34が3つの取付ボス37aと個々に対応する3箇所に突設されている。係合ボス34は、取付ボス37aより拡径であり、取付ボス37aに巻装されたコイルバネ39が、係合ボス34の上端面に支持される。係合ボス34の外周壁一部分には、保持部30に対する操作部20が往復移動可能となるように、上下方向、言い換えれば、中心軸線O1の方向に沿って溝状のガイド部34aが形成され、ガイド部34aの上端には、取付ボス37aの弾性係止爪37bを係止する係止受部34bが形成されている。
そして、コイルバネ39を巻装した取付ボス37aが係合ボス34の内周に挿入されることにより、弾性係止爪37bがガイド部34aと係合した状態で、操作部20が保持部30に取り付けられる。なお、このとき、コイルバネ39は、その下端が係合ボス34の上端面で押し上げられて配置されることで、常時、操作部20を上方向に付勢するようになっている(図6A参照)。これにより、操作部20は、遊技者による押圧移動操作に伴って、弾性係止爪37bがガイド部34aを摺動するとともに係止受部34bの規制によって所定ストロークだけ往復移動可能に抜け止めされる。
一方、収容部31の底壁33の下面には、スイッチ本体11(保持部30)を変換リンク機構60に連結するための連結突起35が突設されている。連結突起35の基部は、レーストラックを長手方向で半分に切ったようなこはぜ形状をなして移動案内部材36と嵌合する嵌合突部35aとして形成されている。嵌合突部35aの下端面から延設される連結突起35の中央部分は、円柱形状の摺動部35bとして形成され、その先端には、係合ボス部35cが形成されている。また、収容部31の底壁33には、移動案内部材36を全体的に嵌め込んで取り付けるための取付フランジ33aが周縁部分に沿って形成されるとともに、操作部20(操作部本体22)を保持部30(収容部31)内に収容した状態で配線基板38の電気配線(図示しない)を収容部31の外側に通すための配線通し孔33bが形成されている。
移動案内部材36は、図4ないし図6に示すように、円筒形状をなす収容部31の直径寸法よりも若干小さめに形成された円盤形状の円盤基部36aと、円盤基部36aの外周に沿って設けられ収容部31の取付フランジ33a内に嵌合する嵌合フランジ部36bと、嵌合フランジ部36bの外壁面から突出して形成されベース部40からのスイッチ本体11の抜け止めを行う抜止突起部36cと、を備えている。円盤基部36aには、収容部31の嵌合突部35aと同一形状(レーストラックを長手方向で半分に切ったようなこはぜ形状)の嵌入孔36dが形成されており、その嵌入孔36dに嵌合突部35aが嵌入されることで、収容部31(保持部30)に対して移動案内部材36が位置決めされる。また、円盤基部36aの下面には、変換リンク機構60を構成する後述の取付ベース61との係合によってスイッチ本体11の移動(左右方向への直線往復移動)を案内する2本の案内突起36eが形成されている。なお、移動案内部材36は、ベース部40の後述する配置孔42(内周部42a)内に配置されるスイッチ本体11(保持部30)と、ベース部40に締結して取り付けられる変換リンク機構60の取付ベース61との間で挟持された状態で組み付けられるとともに、スイッチ本体11(保持部30)の左右方向への直線往復移動に伴って一体的に移動する。
ベース部40は、図4ないし図6に示すように、下面が開口する箱形態をなし、図示しない底カバーによって下面の開口が閉塞されることにより操作スイッチ10が一つのユニットとして構成される。また、ベース部40は、上壁41に保持部30の収容部31が配置される配置孔42が貫通形成されている。配置孔42は、保持部30の収容部31の対応する外周部よりも大きな内周部42aを有して形成されており、内周部42aの下端は、移動案内部材36の抜止突起部36cとの係合によってベース部40(配置孔42)からのスイッチ本体11の抜け止めを行う係止部42bとして形成されている。上壁41の下面(内面)には、変換リンク機構60の取付ベース61をビスなどの締結部材43aによって固定するための締結ボス43が立設されている。また、ベース部40の裏面壁には、前述の配線通し孔33bから収容部31の外側に通された配線基板38の電気配線をユニット化された操作スイッチ10(ベース部40)の外側に通し出す配線通し孔44が形成されている。
ここで、スイッチ本体11(保持部30)は、操作部20の操作面21aに直交する押圧方向に沿った所定の直線(中心軸線O1)が左右方向に変動するように、ベース部40に対して移動可能に組み付けられている(図2A参照)。言い換えれば、スイッチ本体11は、操作部20の操作移動方向(中心軸線O1の方向)と交差する方向で直線的に移動可能である。従って、配置孔42の具体的な態様としては、円筒形状をなす収容部31が左右方向に移動するために左右方向が長手方向となる略レーストラック形状をなしている。なお、保持部30(スイッチ本体11)が、配置孔42の内周部42a内を収容部31の移動可能領域として移動するので、その収容部31の外周部と配置孔42の内周部42aとの間に空間S(隙間)が形成されるが(図6A参照)、その空間Sは、上壁41に沿って延設されるフランジ部32によって常時上側から閉塞される。また、フランジ部32は、上壁41の内側から空間S(配置孔42)を閉塞する構成としてもよい。
続いて、本実施形態の要部をなす変換リンク機構60について説明する。変換リンク機構60は、図4ないし図6に示すように、変換リンク機構60の各種構成部材及びモータ50を組み付けてベース部40に取り付ける取付ベース61と、モータ50のモータ軸51(回転駆動軸)に固定されてモータ軸51と一体的に回転する偏心カム62と、偏心カム62の回転駆動力を直線的な往復駆動力に変換する連結アーム63と、連結アーム63の往復移動量を拡大して保持部30(スイッチ本体11)に伝達する回転伝達部材64と、を備えている。
取付ベース61は、配置孔42と同形状のレーストラック形状における長手方向の一端にモータ50の取付部となる長方形部分を加えた形状をなす上壁面61aを備えている。上壁面61aの周縁部分には、全周に亘って垂下したフランジ部61bが形成され、そのフランジ部61bと上壁面61aとによって囲まれる空間が、偏心カム62、連結アーム63、及び回転伝達部材64を収容する収容空間61cとして形成されている。上壁面61aにおける長方形部分の上面は、モータ50の取付部分を構成し、その取付部分には、モータ50(モータ50の取付フランジ部52)をビスなどの締結部材65aによって固定する締結ボス65と、モータ軸51が突出するモータ50の軸突出面53と上壁面61aとの間で所定の間隔を設けてモータ50を取り付けるために軸突出面53を支持する上面視で半円形状の支持突起66と、上壁面61aの上面に配置されるモータ50のモータ軸51を上壁面61aの下方空間となる収容空間61cに挿通する円形状の軸挿通孔67と、軸挿通孔67の周縁部分に立設されるとともにモータ軸51に一体固定される偏心カム62の後述する回転軸部62bを回転自在に内嵌しかつその上端部分で軸突出面53を支持する円筒形状の軸保護部68と、が形成されている。また、上壁面61aの長方形部分側には、締結部材43aによって取付ベース61をベース部40の締結ボス43に固定するための締結孔61dが形成されている。
一方、上壁面61aにおけるレーストラック形状の部分には、収容空間61c内において回転伝達部材64を回転自在に軸支して取り付ける軸支孔69と、収容部31の連結突起35を挿通するための突起挿通孔70と、移動案内部材36の2本の案内突起36eを個々に挿入してスイッチ本体11の移動(左右方向への直線往復移動)を案内する2条の案内孔71と、が形成されている。突起挿通孔70は、スイッチ本体11の移動方向に沿って条設された長孔形状をなし、その周縁部分には、摺動部35bとの係合によってスイッチ本体11の移動を突起挿通孔70の条設方向に案内する案内フランジ部72が立設されている。2条の案内孔71は、それぞれ突起挿通孔70と同一の条設方向に伸びる長孔形状をなすとともに、相互間で突起挿通孔70を挟む位置に形成されている。また、軸支孔69は、一方の案内孔71(遊技機用操作スイッチ10としての組み付け状態で後側に配置される案内孔71)と突起挿通孔70との間の上壁面61a部分に形成されている。
偏心カム62は、円板部62aと、円板部62aの中心から立設されてモータ50のモータ軸51に一体的に固定される円筒形状の回転軸部62bと、円板部62aにおいて回転軸部62bの立設面とは反対側の面で中心からずれた位置に立設されて回転伝達部材64と連結されるボス形状の偏心軸部62cと、を備えている。
連結アーム63は、棒形状をなし、その一端部には偏心カム62の偏心軸部62cを回転自在に内嵌して取り付ける第1内嵌連結部63aが形成される一方、他端部には回転伝達部材64の後述する連結ボス64bを回転自在に内嵌して取り付ける第2内嵌連結部63bが形成されている。そして、連結アーム63は、第1内嵌連結部63aに内嵌された偏心軸部62cにビスなどの締結部材63cが締結されることで偏心カム62が連結されるとともに、第2内嵌連結部63bに内嵌された連結ボス64bにビスなどの締結部材63dが締結されることで回転伝達部材64が連結される。
回転伝達部材64は、長手方向の途中にボス形状の軸突起64a(支軸)が突設された棒形状をなし、軸突起64aが取付ベース61の軸支孔69にビスなどの締結部材(図示しない)で締結されることで、軸突起64aを中心として回転自在に取り付けられる。回転伝達部材64の一端には、連結アーム63の第2内嵌連結部63bに内嵌される連結ボス64bが軸突起64aの突設方向とは逆方向に形成されている。一方、回転伝達部材64の他端には、取付ベース61の突起挿通孔70を挿通して収容空間61c内に配置された連結突起35の係合ボス部35cと係合する連結孔64cが形成されている。そして、回転伝達部材64は、連結孔64cに係合された係合ボス部35cにビスなどの締結部材64dが締結されることで保持部30(スイッチ本体11)が連結される。
ところで、上記した連結孔64cは、回転伝達部材64の長手方向に沿って伸びる長孔形状に形成されており、係合ボス部35cとの係合において若干の遊びを持った状態で保持部30に連結される。具体的には、軸突起64aを中心とした回転伝達部材64の回転運動に対して、連結孔64cも同様に軸突起64aを中心として回転することになるが、連結孔64cを長孔形状にして係合ボス部35cとの係合に遊びを持たせること、すなわち、回転伝達部材64の回転に伴って係合ボス部35cに対する連結孔64cの相対位置を連結孔64cの条設方向に沿って変化させることで、連結突起35(保持部30)を長孔形状の突起挿通孔70(案内フランジ部72)に沿って直線的に移動させる。ひいては、スイッチ本体11を直線的に移動させる。
また、回転伝達部材64は、図7に示すように、その回転中心となる軸突起64aから他端側の連結孔64cまでの長さ寸法L1が、軸突起64aから一端側の連結ボス64bまでの長さ寸法L2よりも大きく設定されている。実施形態中では、長さ寸法L1が長さ寸法L2の2倍強とされる。これにより、回転伝達部材64の回転に伴う連結ボス64bの真横方向での変位量(直線的な移動量)よりも、連結孔64cの真横方向での変位量(直線的な移動量)を大きくする(実施形態中では、2倍強)ことができる。したがって、後で詳述するような偏心カム62の回転に伴う連結アーム63の移動量の小さい往復移動に対しても、スイッチ本体11(保持部30)を大きな移動量で往復移動させることができる。
次に、モータ50の駆動力に基づく操作スイッチ10の作動、具体的には、スイッチ本体11(保持部30)の左右方向への直線往復移動について説明する。例えば図示しない液晶表示部の表示画面でリーチ演出時や大当たり時などの所定の遊技状態となったときに、遊技者に対する演出効果を高めるため、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促すとともに、スイッチ本体11がモータ50の駆動によって左右方向に連続又は間欠的に往復移動する(図2A参照)ように制御され、又は、表示画面で操作部20の押圧移動操作を遊技者に促す代わりに、スイッチ本体11がモータ50の駆動によって左右方向に往復移動して操作部20の押圧移動操作を促すように制御される。
すなわち、リーチ演出時や大当たり時などの所定の遊技状態となった場合、操作スイッチ10は、モータ50が所定の速度及び時間でモータ軸51を一方向回転するように駆動制御され、図8Aに示すように、スイッチ本体11が配置孔42の一端側に位置する左側位置と、図8Bに示すように、スイッチ本体11が配置孔42の他端側に位置する右側位置との間を、所定の移動範囲、速度及び時間で変換リンク機構60を介して左右方向に往復移動される。これにより、移動中の操作部20を押圧移動操作することができるので(押圧移動操作しようとする操作部20が移動するので)、遊技者の押圧移動操作に斬新な体感を与えることができ、リーチ演出時や大当たり時などの所定の遊技状態における演出効果を高めることができる。
具体的に、モータ50の駆動が停止して、スイッチ本体11が図8Aに示す位置(配置孔42の左側位置)で停止している状態を初期状態として説明する。モータ50が駆動制御され、図7において、モータ軸線O2を中心としてC方向にモータ軸51が一方向回転すると、これに伴って偏心カム62がモータ軸線O2(回転軸部62b)を中心として一体的に回転する。そして、このような偏心カム62の回転によって、回転軸部62bから偏心した偏心軸部62cが回転してD1方向に変位することで、第1内嵌連結部63aに偏心軸部62cを連結した連結アーム63が、偏心カム62に押し出されるようにしてD1方向に移動する。
これにより、連結アーム63の第2内嵌連結部63bを連結した回転伝達部材64の一端側の連結ボス64bがD1方向に移動することで、回転軸線O3(軸突起64a)を中心として回転伝達部材64がE1方向に回転する。これに伴って、回転伝達部材64の他端側の連結孔64cが連結ボス64bの移動方向(D1方向)とは反対のD2方向に移動する。そして、この連結孔64cの移動に伴い、連結突起35を介して連結孔64cに連結された保持部30(スイッチ本体11)がD2方向に移動して配置孔42の右側位置に変位する(図8Bの状態に移行する)。
その後、モータ軸51のC方向への継続的な一方向回転により、D1方向に変位した偏心軸部62cがモータ軸線O2(回転軸部62b)を中心としてC方向に回転してD2方向に変位する。これに伴い、偏心カム62に引き込まれるようにして連結アーム63がD2方向に移動するとともに、回転伝達部材64の連結ボス64bがD2方向に移動する。これにより、回転伝達部材64は、連結ボス64bがD1方向に移動したときの回転方向(E1方向)とは反対のE2方向に回転し、連結孔64cが連結ボス64bの移動方向(D2方向)とは反対のD1方向に移動する。そして、この連結孔64cの移動に伴い、連結突起35を介して連結孔64cに連結された保持部30(スイッチ本体11)がD1方向に移動して配置孔42の左側位置に変位する(図8Aの状態に移行する)。その後は、モータ50の駆動、言い換えれば、モータ軸51のC方向への一方向回転が継続する期間中、上記した変換リンク機構60(偏心カム62、連結アーム63、及び回転伝達部材64)の作動によってスイッチ本体11のD1−D2方向(左右方向)への直線的な往復移動が繰り返し実行される。なお、実施形態中では、モータ軸51の回転方向を時計方向となるC方向としているが、これに限定するものではなく、モータ軸51をC方向とは反対の方向(反時計方向)に回転させることで、スイッチ本体11のD1−D2方向への直線的な往復移動を行うようにしてもよい。
すなわち、操作部20及び保持部30は、モータ50の駆動力によって操作部20の操作移動方向と交差する方向で直線的に移動される。これによれば、操作部20及び保持部30が所定の人為的な操作に基づく移動とは独立した状態で視認可能に移動されるので、その移動動作を遊技者自体が直接体感できるのは言うまでもなく、移動動作によって保持部30や操作部20の輪郭(シルエット:位置:姿勢)が大きく変化することとなり、視覚的演出効果という点でもインパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることが可能となる。そして、視覚的演出効果が高まるので、周囲の遊技者にも知らしめることが可能となり、他の遊技者の遊技に対する興味を引き付けることができる。さらには、操作部20及び保持部30が移動することにより、その動作によって遊技者に操作部20の操作を促すことが可能となり、液晶表示装置などの演出装置に依存することなく、インパクトある斬新な演出効果を遊技者に与えることができる。
また、変換リンク機構60は、モータ50(モータ軸51)の一方向への回転駆動力を直線的な往復駆動力としてスイッチ本体11の保持部30に伝達する。このため、特殊な駆動源(例えば所定角度内でモータ軸の回転が正逆方向で交互に切り替えられるようなモータなど)を用いることなく、かつモータ50の簡単な駆動制御(モータ軸51の一方向のみの回転制御)で、操作部20及び保持部30(スイッチ本体11)を直線的に往復移動させることができる。したがって、スイッチ本体11を直線的に往復移動させるための構成部品のコストを低減することができる。
なお、上記した実施形態の変換リンク機構60は、連結アーム63の動きを拡大して保持部30に伝達する回転伝達部材64を備えているが、必ずしもこのような回転伝達部材64を変換リンク機構60に設ける必要はなく、例えば連結アーム63の第2内嵌連結部63bを保持部30の係合ボス部35cに直接連結することで、モータ50(モータ軸51)の一方向への回転駆動力を直線的な往復駆動力に変換してスイッチ本体11(保持部30)に伝達するようにしてもよい。ただし、この場合、連結アーム63の小さい移動量がそのままスイッチ本体11の移動量となり、スイッチ本体11を大きな移動量で往復移動させることができない。このため、回転伝達部材64を設けることでスイッチ本体11を大きく往復移動させて、視覚的演出効果におけるインパクトをより一層高めることが望ましい。
図9、図10A、及び図10Bに変換リンク機構60の変形例を示す。図9の第1変形例では、変換リンク機構60を構成する連結アーム63において、その両端側にそれぞれ伸縮部材としての連結コイルバネ80,81が設けられている。連結コイルバネ80,81は、それぞれ一端部が連結アーム63のアーム基部63eの両端に一体的に固定されている。連結コイルバネ80の他端部には、偏心カム62の偏心軸部62cを連結する第1内嵌連結部63aが固定され、連結コイルバネ81の他端部には、回転伝達部材64の連結ボス64bを連結する第2内嵌連結部63bが固定される。
また、第1及び第2の内嵌連結部63a,63bには、それぞれアーム基部63eを保持するためのアーム保持部82,83が一体的に形成されている。すなわち、アーム基部63eの両端と各内嵌連結部63a,63bとの間にそれぞれ連結コイルバネ80,81が配置された状態で、アーム保持部82,83に設けられた各案内溝82a,83aに、アーム基部63eの両端に突設された各係合突起84,85が係合されることにより、アーム基部63eが各内嵌連結部63a,63b間に保持される。なお、案内溝82a,83aは、それぞれアーム基部63eの軸心方向に沿って条設されている。これにより、第1変形例の連結アーム63は、その両端部分(連結コイルバネ80,81を配置した部分)が軸心方向に沿って伸縮自在となっている。
この構成では、モータ50の回転駆動力をスイッチ本体11(保持部30)に伝達する連結アーム63に連結コイルバネ80,81を設けることで、スイッチ本体11(操作部20及び保持部30)の移動を阻害する外力が加えられたときに、スイッチ本体11を移動させようとするモータ50の駆動力により発生する負荷を連結コイルバネ80,81が吸収する(緩衝する)。具体的には、モータ50の駆動状態においてスイッチ本体11(保持部30)が停止固定した場合、これに伴って、保持部30に連結された回転伝達部材64も停止固定される。しかしながら、この第1変形例の変換リンク機構60では、回転伝達部材64の連結ボス64bが停止した状態でモータ50が駆動された場合、回転伝達部材64(連結ボス64b)の停止に伴って連結アーム63も動きを停止するのではなく、一端側となる第1内嵌連結部63aに連結された偏心カム62の動き(回転動作)に伴って連結コイルバネ80,81が伸縮することにより、連結アーム63が伸縮しながら連結ボス64bを中心として揺動する。言い換えればモータ50(モータ軸51)の駆動を停止させない。これにより、モータ50の駆動状態において強制的にスイッチ本体11(保持部30)の移動が停止された場合でも、モータ軸51の回転駆動を強制的に停止することがないので、モータ50に対して大きな負荷をかけることがなく、このような負荷によるモータ50の故障を回避することができる。
なお、連結アーム63に設けられる伸縮部材の構成は、上記した連結コイルバネ80,81のようなコイル状に巻回されたバネ部材に限定するものではない。例えば伸縮性能を備えたゴムや蛇腹状の部材など、連結アーム63のアーム基部の軸心方向に沿って伸縮可能な部材であり、スイッチ本体11(操作部20及び保持部30)の移動を阻害する外力が加えられたときに、スイッチ本体11を移動させようとするモータ50の駆動力により発生する負荷を吸収する(緩衝する)ものであれば、いずれの構成であってもよい。また、連結アーム63において伸縮部材を設ける位置及び個数についても、第1変形例に示した構成に限定するものではない。
図10Aの第2変形例では、変換リンク機構60を構成する連結アーム90が長方形の板状に形成され、図示されていないがD1,D2方向に移動するようガイド規制されている。連結アーム90の長手方向の一端側には、保持部30の係合ボス部35cに対して回転自在に取り付けられる回転取付部(取付孔)91が形成される一方、他端側には、連結アーム90の短手方向に沿って伸びるガイド長孔92が形成されている。ガイド長孔92には、モータ50のモータ軸51に一体的に固定された偏心カム62の偏心軸部62cが係合される。これにより、図10Aに示す状態から、モータ50が駆動制御されてC方向にモータ軸51が回転すると、これに伴って偏心カム62が一体的に回転する。そして、このような偏心カム62の回転によって、偏心軸部62cがモータ軸51を中心に回転してD2方向に変位すると、その偏心軸部62cと係合するガイド長孔92、言い換えれば連結アーム90も一体的にD2方向に変位する。
すなわち、第2変形例の連結アーム90は、偏心カム62の回転に伴って偏心軸部62cに対するガイド長孔92の相対位置をガイド長孔92の条設方向に沿って変化させることで、連結突起35の係合ボス部35c(保持部30)を長孔形状の突起挿通孔70に沿って直線的に移動させ、ひいては、スイッチ本体11を直線的に移動させる。なお、図10Aの正面視において、モータ軸51を中心とした偏心軸部62cの位置が時計方向の回転で9時の位置から3時の位置に移行するまでの期間では、連結アーム90がD2方向に変位して保持部30(スイッチ本体11)を右方向(D2方向)に移動させる一方、モータ軸51を中心とした偏心軸部62cの位置が時計方向の回転で3時の位置から9時の位置に移行するまでの期間では、連結アーム90がD2方向に変位して保持部30(スイッチ本体11)を左方向(D1方向)に移動させる。つまり、スイッチ本体11を、モータ軸51から偏心軸部62cまでの2倍の距離を直接的に移動させることができる。
図10Bの第3変形例では、変換リンク機構60を構成する連結アーム100が長方形の板状に形成され、第2変形例と同様にD1,D2方向に移動するようガイド規制されている。連結アーム100の長手方向の一端側には、保持部30の係合ボス部35cに対して回転自在に取り付けられる回転取付部(取付孔)101が形成される一方、他端側には、連結アーム100の短手方向に沿って伸びる長方形状のガイド孔102が形成されている。ガイド孔102には、モータ50のモータ軸51に一体的に固定されたおむすび型のカム103の外周面が係合(当接)される。なお、モータ軸51が固定されるカム103の部分は、おむすび型の3つの頂点部103a〜103cのうちの1つの頂点部103a付近であり、おむすび型一辺の長さ寸法は、長方形状のガイド孔102の短辺部分の長さ寸法よりも若干小さく設定されている。また、頂点部103bから頂点部103cまでの一辺部分の形状は、モータ軸51を中心とした円弧形状に形成され、頂点部103aから頂点部103bまでの一辺部分及び頂点部103cから頂点部103aまでの一辺部分についても同様な円弧形状に形成されている。これにより、図10Bに示す状態から、モータ50が駆動制御されてC方向にモータ軸51が回転すると、これに伴ってカム103が一体的に回転する。そして、このようなカム103の回転が進み、カム103の頂点部103aから頂点部103bまでの間でその外周面が長方形状のガイド孔102の右側長辺部102aと当接することで、ガイド孔102言い換えれば連結アーム100がD2方向に押し込まれるようにして変位する。
すなわち、第3変形例の連結アーム100は、カム103の回転に伴って長方形状のガイド孔102がおむすび型のカム103の外周面と当接する位置を変化させることで、連結突起35の係合ボス部35c(保持部30)を長孔形状の突起挿通孔70に沿って直線的に移動させ、ひいては、スイッチ本体11を直線的に移動させる。なお、図10Bの正面視でのモータ軸51のC方向への回転において、カム103の頂点部103aから頂点部103bまでの間の外周面がガイド孔102の右側長辺部102aと当接する期間では、連結アーム100がD2方向に変位して保持部30(スイッチ本体11)を右方向(D2方向)に移動させる一方、カム103の頂点部103aから頂点部103bまでの間の外周面がガイド孔102の左側長辺部102bと当接する期間では、連結アーム100がD1方向に変位して保持部30(スイッチ本体11)を左方向(D1方向)に移動させる。つまり、スイッチ本体11を、モータ軸51から頂点部103b(103c)までの2倍の距離を直接的に移動させることができる。
上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
前記保持部が配置固定される前記遊技機本体又は前記他部材の外壁部(上壁41)には、前記保持部の対応する外周部よりも大きな内周部(42a)を有する配置孔(42)が形成され、
前記保持部は、前記配置孔の内周部内を前記外周部の移動可能領域として移動するとともに、前記外周部に隣接し前記外壁部に沿って延設されるフランジ部(32)を有し、そのフランジ部が前記外周部と前記配置孔の内周部との間に形成された空間(S)を、前記外壁部の外側又は内側から閉塞することを特徴とする遊技機用操作スイッチ。
これによれば、保持部には、遊技機本体又は他部材の外壁部に設けられた配置孔との間に形成される空間(隙間)を閉塞するフランジ部が設けられているので、外周部(保持部)の移動可能領域となる空間に遊技者が煙草などの異物を挿入するなどの悪戯を抑制及び防止することができる。また、保持部の移動の阻害となる塵や埃などが空間に入り込むのを抑制及び防止することができる。さらには、フランジ部によって保持部の外形が拡大されるので、遊技機本体又は他部材の外壁部上で存在感が増し、迫力ある移動演出を実現することができる。
以上の実施形態では、操作スイッチ10をパチンコ機1の球受皿5に取り付けた場合のみについて説明したが、その他の部位に取り付けてもよい。また、パチンコ機に取り付けた場合のみについて説明したが、アレパチ機などの他の弾球遊技機やスロットマシン、パチスロ機などの回胴式遊技機に取り付けてもよい。