JP5940593B2 - 目地材およびその施工方法 - Google Patents
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Description
ケーソンへの目地材の施工は、まず、ケーソンの高さに応じた長さの目地材を平置き状態としてガイド部材を取り付ける。次いで、ガイド部材を取り付けた目地材をクレーンで起立させて吊り下げた状態とする。吊り下げた状態の目地材を吊り下ろしながら目地部に挿し込んで行く。
一方、特許文献1のように、先付け形鋼材の間に折り返して重ねることができる間隔を空けて先付け形鋼材を目地材に取り付けると、先付け形鋼材の間に取り付ける後付け形鋼材が長くなり、その取り付けに時間がかかり、クレーンで吊り下げた状態での作業時間が長くなってしまう。
目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材であって、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材とを備え、
前記ガイド部材は、起立による端部同士の接触を回避する隙間をあけて取り付け、
前記連結ガイド部材は、前記ガイド部材の端部同士のいずれか一方側に起立による干渉を退避して取り付けられ、他方側は起立された前記ガイド部材の端部同士の前記隙間に取り付けて連結される、
ことを特徴とする。
また、目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材であって、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材とを備え、
前記ガイド部材は、起立による端部同士の接触を回避する隙間をあけて取り付け、
前記連結ガイド部材は、起立される下方の前記目地材の取付部の曲げ中心の外側面に取り付けて構成される、
ようにしても良い。
ようにしても良い。
目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材を施工するに際し、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材を、起立の際の端部同士の接触を回避する隙間を設けて取り付け、
前記連結ガイド部材を、前記ガイド部材の端部同士のいずれか一方側に起立の際の干渉を退避して取り付け、起立させた後に他方側を取り付けて連結するようにした、
ことを特徴とする。
ようにしても良い。
本発明の目地材およびその施工方法は、例えば図2に示すような構造物であるケーソン1,1間の目地部2に適用され、この目地部2を遮水するために目地材10が施工される。なお、構造物としては、コンクリート製、鋼鉄製、これらを組み合わせたハイブリット製などのケーソンやL型ブロックなどであっても良い。
目地材取付溝3,3は、例えば図2に示すように、ケーソン1の端面1aに横断面が矩形の凹部4として形成される。矩形の凹部4には、その開口を2枚の板材5で塞ぐようにして狭い幅の開口部3aと内部の空間3bが形成されている。さらに、開口部3a,3aには、板材5の開口側端部に丸棒5aが溶接などで取り付けてある。これにより、目地材10と円弧面で接触するようにして接触による損傷を防止する。
なお、板材5の開口側端部に丸棒を溶接するのに代えて円弧状に加工(R加工)するようにしても良い。
なお、4箇所の目地材は、同一仕様のものでなくとも良い。
目地材10は、例えば図1に示すように、両端部に目地材取付溝3に取り付ける取付部11,11を備える。目地材10は、取付部11,11の中間部に伸縮部12が連結して設けられる。伸縮部12は、目地部2に配置され、目地部2の変位に追従してシールする。
なお、目地材10は、施工のため、施工後切断部(図1(b)のハッチング部分)が設けられる。
したがって、ガイド部材13および連結ガイド部材13aは、両側の重量を合わせてWを11kgf/m以上とすることが好ましい。
すると、目地材10が20m程度の長尺のため、全長に渡って曲げ力が加わり、ガイド部材13が変形してしまう。このため、目地材10の直線性が損なわれ、目地部2への挿着に支障をきたすことになる。
一方、目地材10の直線性を保持して起立させることを可能とするためには、ガイド部材13の曲げ強度を非常に大きくしなければならず、重量が増大するなど作業性も悪くなり、現実的でない。
すなわち、図3に示すように、目地材10の上方のガイド部材13を吊り上げて鉛直状態としたときに、平置き状態の目地材10の隣接する下方のガイド部材13が接触せずに水平状態で保持される隙間を空けてある。
したがって、上方のガイド部材13と隣接する下方のガイド部材13とを略90度の角度で曲げた場合に端部同士が接触するなどの支障がなく、曲げ力が加わることがない。この場合、下方のガイド部材13は、完全な水平状態でなく傾斜した状態となっても変形するような曲げ力が加わらなければ良い。
このことは、これまでの目地材の運搬の際に、折り畳んで運搬台上に載せることができるように湾曲させる場合の略180度の角度で曲げる場合とは、角度だけでなく、ガイド部材13同士の間隔が大きく異なる。
また、ガイド部材13の目地材10への取り付けは、施工現場に目地材10およびガイド部材13などを運搬した後に行われ、運搬後の施工の問題を解決するものである。
連結ガイド部材13aは、例えば平鋼材で構成され、両端部に連結用のボルト孔(図示せず)が形成される。
また、連結ガイド部材13aは、例えば平鋼材で構成され、図5に示すように、両端部に、側方に開口した連結溝13bが形成され、開口を介してボルトに装着できるようにされる。
このような連結ガイド部材13aは、施工現場に運搬して、ガイド部材13を取り付けた目地材10を起立させた後、鉛直状態の上方のガイド部材13の下端部と、隣接する下方のガイド部材13の上端部との間に、間隔より長い連結ガイド部材13aを配置して上下のガイド部材13と重ねて溶接で連結される。
あるいは、連結ガイド部材13aは、下のガイド部材13の間隔より長い連結ガイド部材13aを上下のガイド部材13に連結溝13bを挟んで重ね、ボルト・ナット14で締め付けて取り付けることで、直線状の形状を確保する。
これらの連結ガイド部材13aの目地材10への取り付けは、通常、ガイド部材13を取り付けて目地材10を起立させ、目地材10を全長に渡って吊り上げて起立させた後、ケーソン1の目地材取付溝3への挿着のため、目地材10を吊り下ろす際に、下方から順次取り付けることが好ましい。
連結ガイド部材13aは、図6に示すように、平鋼材の両端部に、側方に開口した互い違いの連結溝13bが形成され、開口を介してボルトに装着できるようにしてある。
この連結ガイド部材13aは、次のようにしてガイド部材13に連結される。
ここでは、図6に示すように、ガイド部材13を目地材10へ取り付ける工程中に、連結ガイド部材13aの一端部をガイド部材13に予め連結し、しかも隣接するガイド部材13の端部とは、隙間を確保して退避状態としておく。
すなわち、上方のガイド部材13の下端部に連結ガイド部材13aの一端部(連結状態では、上端部となる部分)をボルト・ナット14に挟み込んで連結し、連結ガイド部材13aの他端部(連結状態では、下端部となる部分)を一端部のボルト・ナット14を中心に回動させて上方のガイド部材13側に退避させておく。
連結ガイド部材13aによる連結は、連結ガイド部材13aの一端部のボルト・ナット14を弛め、ボルトを中心に回動させてガイド部材13同士の隙間を跨ぐようにする。そして、連結ガイド部材13aの他端部を、弛めたボルト・ナット14の間に挟み込み、一端部および他端部のボルト・ナット14を締め付けることで取り付ける。
こうすることで、連結ガイド部材13aの位置合せなどの取り付け作業が簡素化でき、クレーンでの吊り下げ状態での作業時間を大幅に短縮することができる。
こうすることで、上記と同様に、連結ガイド部材13aの位置合せなどの取り付け作業が簡素化でき、クレーンでの吊り下げ状態での作業時間を大幅に短縮することができる。
なお、連結ガイド部材13aの一端部を予め連結し、回動させて退避状態にしておく場合には、ガイド部材13は、溝形鋼でなく、山形鋼や平鋼とし、ガイド部材13同士の隙間を確保し、退避状態に回動できるようにする。
この連結ガイド部材13aによれば、図3では図示省略したが、連結ガイド部材13aが目地材10の曲げ中心の外側面の下方のガイド部材13に連結してあるので、目地材10を起立させる場合には、上方のガイド部材13の動きを拘束せず、隣接するガイド部材13の隙間は目地材10の可撓性により自由に曲がることができ、ガイド部材13に曲げ力が加わることがなく、しかもガイド部材13同士の接触を回避した状態を確保できる。
なお、目地材10の曲げ中心の内側面には、上方または下方のガイド部材13に連結ガイド部材13aの一端部または他端部を予め取り付けて回動させるなどで退避させるようにすることを組み合わせても良い。
施工現場に目地材10,ガイド部材13,連結ガイド部材13a等の必要な部材を運搬する。
この後、目地材10を平置き状態として、両端部の取付部11,11の外側にそれぞれガイド部材13を背中合せにするように配置し、隣接するガイド部材13同士の間に接触を回避する隙間を空けてボルト・ナット14で取り付ける。
目地材10を起立させる際には、ガイド部材13同士に接触しない隙間が設けてあるので、ガイド部材13に曲げ力を加えることなく目地材10を起立させることができる。
こうして、ガイド部材13と連結ガイド部材13aとで目地材10の取付部11,11の形状を直線状に保持するとともに、吊下げ重量を確保して連結ガイド部材13aを取り付けることおよび吊り下ろすことを繰り返し目地材取付溝3,3に、目地材10を予めつけてある天端マークまで挿着する。
こうして、1箇所の目地材10の取付施工が完了する。
また、ガイド部材13同士を連結ガイド部材13aで連結することで、目地材10を座屈させることなく、直線性を保持して構造物であるケーソン1に短時間で取り付けることができる。
1a 端面
2 目地部
3,3 目地材取付溝
3a,3a 開口部
3b,3b 空間
4 凹部
5 板材
5a 丸棒
10 目地材
11 取付部
12 伸縮部
12a 大環状部(中空部)
12b 小環状部
13 ガイド部材
13a 連結ガイド部材
13b 連結溝
14 ボルト・ナット
20 吊り上げ治具
Claims (5)
- 目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材であって、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材とを備え、
前記ガイド部材は、起立による端部同士の接触を回避する隙間をあけて取り付け、
前記連結ガイド部材は、前記ガイド部材の端部同士のいずれか一方側に起立による干渉を退避して取り付けられ、他方側は起立された前記ガイド部材の端部同士の前記隙間に取り付けて連結される、
ことを特徴とする目地材。 - 目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材であって、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材とを備え、
前記ガイド部材は、起立による端部同士の接触を回避する隙間をあけて取り付け、
前記連結ガイド部材は、起立される下方の前記目地材の取付部の曲げ中心の外側面に取り付けて構成される、
ことを特徴とする目地材。 - 前記ガイド部材と前記連結ガイド部材とは、前記開口部の開口幅より広幅に構成して取り付ける、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の目地材。 - 目地部を挟む対向面の上下方向に形成された目地材取付溝と、前記目地材取付溝に形成される開口部とを有する構造物において、
前記開口部を介して前記目地材取付溝にそれぞれの端部が挿着される取付部と、前記取付部同士の間に設けられて前記目地部に配置され前記目地部の変位を吸収してシールする可撓性の伸縮部と、を備える目地材を施工するに際し、
前記取付部に取り付けられ前記目地材取付溝への挿着をガイドする複数のガイド部材と、
前記ガイド部材の端部同士を連結する連結ガイド部材と、を有し、
前記ガイド部材を、起立の際の端部同士の接触を回避する隙間を設けて取り付け、
前記連結ガイド部材を、前記ガイド部材の端部同士のいずれか一方側に起立の際の干渉を退避して取り付け、起立させた後に他方側を取り付けて連結するようにした、
ことを特徴とする目地材の施工方法。 - 前記連結ガイド部材を、起立される下方の前記目地材の取付部の曲げ中心の外側面に取り付けておき、起立させた後に上方の前記連結ガイド部材を連結するようにした、
ことを特徴とする請求項4に記載の目地材の施工方法。
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