JP5940203B1 - 機密情報自動付与システム - Google Patents

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Abstract

【課題】機密情報の漏えいのリスクを高めることなく、かつ、紙媒体文書に機密情報を追記する業務を担当する機密情報取扱担当者に負荷をかけずに、官公庁が要請する機密情報の記載された紙媒体文書を自動的に作成することを可能にするコンピュータ・システムを提供する。【解決手段】機密情報取扱担当者と一般担当者との作業を厳密に分け(分業し)、一般担当者が取扱い可能な情報のみが記載された当初の紙媒体文書に記載された特定の情報から、コンピュータ・システムの記憶装置内に構築・保持されたリレーショナルデータベースを参照しつつ機密情報データを取得し(逆引き)、その機密情報データを、当初の紙媒体文書の画像データ・ファイルに追加して、その機密情報データが追加された新たな画像データ・ファイルを、当初の紙媒体とは異なる紙媒体上に出力するように構成したコンピュータ・システム。【選択図】図3

Description

本発明は、紙媒体上に手書き方式で作成された文書(以下、「紙媒体文書」)から始めて、その紙媒体文書が作成された時点よりも後の時点で、その紙媒体文書を画像データに変換した後の電子化文書(例えば、画像データ・ファイルとして一般的に使用されているPDFファイルに変換された文書)に、機密情報データ(特定の担当者のみ取り扱わせることが望ましい機密情報のテキスト・データ:例えば、暗証番号、パスワード、クレジットカード番号、個人番号、その他の機密情報のテキスト・データ)をコンピュータ・システムが自動的に追加して、その機密情報のテキスト・データが追加された後の電子化文書を紙媒体上に新たに出力(例えば、印刷)して得られる紙媒体文書を作成するための方法(以下、「プロセス」)、該プロセスの制御プログラム、及び該制御プログラムを実装した機密情報自動付与システムに関する。
ペーパーレス化が叫ばれて久しい近年において、会社や官公庁内において紙媒体文書を使わないことが浸透しつつある。しかしながら、未だに、会社から官公庁等に提出する情報については、紙媒体文書として提出することが要請されており、そのような紙媒体文書の中には個人に関する機密情報を記載することが要請される文書がある。例えば、2016年1月以降、会社から官公庁に提出する紙媒体文書には、機密情報として従業者の個人番号(所謂、背番号)を記載することが要請されている。このような紙媒体文書を会社において作成する際には、個人情報の漏洩を防止するという情報セキュリティ上の観点から、社内等で特定の担当者以外の者の目に触れないようにするために、従業者等に機密情報以外の情報を手書きで記載させた紙媒体文書を提出させ、その提出された手書きの紙媒体文書に、後ほど、特定の担当者が機密情報を手書き方式で追記せざるを得ないような作業がある。
ここで、このような作業を多くの担当者で分担させて一人あたりの作業量を軽減させると同時に全体の作業時間を短縮させようとすると、紙媒体上に記載された機密情報に接する人間の数が多くなり、結果的に、機密情報の漏えいリスクが高まるおそれがある。
そこで、機密情報を扱うことのできる担当者(以下、「機密情報機密情報取扱担当者」)を限定することで対応する方法も考えられるが、そのような場合には、紙媒体文書に手作業で追記する業務が機密情報取扱担当者に集中し、機密情報取扱担当者の作業負担が急増してその業務自体が滞るおそれがある。
以上のような背景の下、そもそも紙媒体文書ではなく、最初の段階からテキスト・データ化された文書(以下、「テキスト・データ化文書」)を使用して、コンピュータ・システムが個人番号を自動付与して紙媒体上に出力(印刷)する技術が多数提案されている。しかしこれらの技術は、全て、最初から最後までテキスト・データ化された文書(一部は画像データである場合もある)を使用することを大前提としており、ペーパーレス化のための設備投資が不十分にならざるを得ない中小企業等の現場では、未だ広範囲には浸透していない。
本発明においては、未だ手書き式の紙媒体文書を使用することを余儀なくされるという外部要因による制約の下で、手書き式の紙媒体文書を取り扱う際の特有の課題を初めて認識した上で、その紙媒体文書に記載された機密情報の漏えいのリスクを高めることなく、かつ、このような紙媒体文書に機密情報を追記する業務を担当する機密情報取扱担当者に負荷をかけずに、機密情報が自動的に追記された紙媒体文書を作成することを可能にするコンピュータ・システムを提供することを課題とする。
さて、このような課題の解決を図る場合の当業者の当然のアプローチの第一歩は、担当者が行う動作プロセスをその要素プロセスごとに分解して、それぞれの要素プロセスのそれぞれについてコンピュータによって自動化を図るということであろう。そこで、コンピュータ化される以前の担当者が行う動作プロセスをその要素ステップごとに分解すると以下のようになる。
まず、従業者等から提出された紙媒体文書の中に記載されている特定の情報(即ち、紙媒体文書の紙面上の特定の領域(欄)に記載されている特定の情報)を目視でもって視認する。
次に、その視認した情報を参照元情報として、別途事前に作成された対照表(参照元情報と参照先情報とを1対1で対応させて記載された参照表)を参照しつつ、参照先情報(例えば、上記の個人に関する機密情報)を目視でもって視認する。
最後に、ここで視認した参照先情報を、上記の参照元情報が記載されていた紙媒体文書の特定の領域(参照元情報が記載されていた領域とは別の特定の領域)に手書きで記入するという動作プロセスとなる。
上記動作プロセスを見ると、IT技術分野の当業者が直ぐに想到し得ることは、上記2)の要素プロセスにコンピュータによる自動化を導入するということであろう。即ち、上記のアナログ式に作成された参照表を、コンピュータ技術分野において一般化しているリレーショナルデータベース(RDB)で置換することで、担当者による視認による参照動作プロセスを自動化することができることは当業者が容易に想到できることであろう。
また、RDBの使用を前提とすると、上記1)において視認する情報を参照元情報(参照元データ)としてコンピュータに扱わせるためには、視認する情報(即ち、画像)をテキスト・データに変換した上で、その変換後のテキスト・データをコンピュータに取り扱わせる必要があることは当業者技術常識であり、また、このように画像からテキスト・データに変換する際には、当該画像を画像データとしてコンピュータに読み取らせた後にその画像データをテキスト・データに変換する必要があることは当業者技術常識であり、その場合の方法としては、公知の方法が好適に使用できる。
次に、上記3)の要素プロセスをコンピュータ化する際の当業者の常識的なアプローチとしては以下のようになろう。即ち、上記のRDBで使用する参照元データが取得できれば、RDBを参照しつつ、その参照元データと一義的に関連する参照先データ(この場合は、テキスト・データ)を取得するコンピュータ・プロセスを構成することは、公知の方法を好適に使用すれば可能になる。そして、ここで取得した参照先データ(テキスト・データ)が得られれば、それが表す情報(人間が判読できる文字情報)を、コンピュータ・システムの一部を構成する出力装置(プリンター等)でもって、紙媒体上の特定の領域(参照元情報が記載されていた領域とは別の特定の領域)に、当初の紙媒体上に記載されていた情報と共に、別の紙媒体上に自動的に出力させる(追記的に出力させる)ことは、先行技術(例えば、ソースネクスト社から市販されている「さよなら手書」のソフトウエア(非特許文献1))から容易に想到し得ることであろう。
但し、ここで注意しなければならない点は、上記により出力印刷された紙媒体は、当初の紙媒体とは異なる点であるが、本願発明においては、当初の紙媒体とは異なる紙媒体であっても、その紙面上に記載される情報内容に何ら改竄が無ければ、会社から官公庁等に提出する紙媒体文書としては何ら問題がないという前提に立脚しているので、本願発明を実施する上では、この点は無視できるものとしている。
また、このような先行技術の「さよなら手書」と言うソフトウエアを使用する場合は、対象となる紙媒体文書は、当初からPDFファイルに変換された文書であるので、紙媒体文書に追記させる(紙媒体文書が作成された時点よりも後の時点で記入させる)といっても、その追記の対象となる紙媒体は、PDFファイルに変換される前の紙媒体ではないが、この点については、上記のとおり本願発明では無視できる点であり、それ故に、このようなプロセスそれ自体は公知の方法によりコンピュータ・システムによる自動化が可能であることは当業者に容易に想到し得る。
しかしながら、自動化ができるとはいえ、その追記させる領域(紙媒体文書の紙面上の領域)については、それぞれ追記対象となる文書ごとにPDFファイルをコンピュータ・システムの画面上に表示させて、その画面上で、人間がマウスでもってカーソルのポインターを使って追記させる領域を指定する動作プロセスが必要となる。即ち、追記させる領域の指定動作プロセスには、その都度、目視による視認に加えて手動でカーソルを動かす2種類の要素プロセスが必要となる。
更に、先行技術の「さよなら手書」と言うソフトウエアを使用する場合の前提として、処理の対象となる文書はPDFファイルであることが要請されるので、このようなソフトウエアを使用するとなれば、当然のことながら、上記1)の要素プロセスは、従業者等から提出された紙媒体文書を単なる画像データとして単一レイヤータイプのPDFファイル(one layer pdf file)に変換した上で、このPDFファイルに含まれた画像をコンピュータ・システムの画面上に表示させて、その画面上に映し出された画像(当初の文書の画像)の中の特定の領域に含まれている特定の情報を目視でもって視認せざるを得ない。してみると、情報の記録媒体こそ違っても、この目視で視認する作業自体は何も無くならないこととなる。更に、機密情報の漏えいのリスクを軽減すべくこの作業を機密情報取扱担当者に集中させるとなると、本発明の目的が達成できないこととなる。
「さよなら手書き」
http://www.sourcenext.com/product/pc/use/pc_use_000965/
http://www.sourcenext.com/product/pc/use/pc_use_001140/
かかる課題を解決すべく、本発明者達は鋭意研究を重ねた結果、本願発明に係るコンピュータ・システムの開発に至ったのである。即ち、本願発明の要旨は、紙媒体上の手書き文書の全体を画像データ・ファイルとしてコンピュータ・システムが読み込み、その紙媒体の特定の領域に手書き式に記載された情報を画像データとして読み取って、その情報(画像データ)をテキスト・データに変換し、かかる変換後のテキスト・データ(A)から、該コンピュータ・システムの記憶装置内に予め構築されたリレーショナルデータベース(RDB)を参照しつつ、参照先のテキスト・データ(B)を取得して、該取得したテキスト・データ(B)を、上記読み込ませた画像データ・ファイルの所定の領域に埋め込ませることで、上記課題を解決することである。なお、この場合の画像データ・ファイルとしては、デファクトスタンダードでもある周知のPDF(Portable Document File)によるファイルが好適に使用され、上記テキスト・データ(B)を上記画像データを保有するPDFファイルの所定の領域に埋め込む方法としては、公知の方法が好適に使用される。
本願発明の上記要旨を反映する構成としたコンピュータ・システムにおいては、その使用に際して、機密情報取扱担当者と一般担当者との作業を厳密に分け(分業し)、一般担当者が取扱い可能な情報のみが記載された当初の紙媒体文書に記載された特定の情報から、コンピュータ・システムの記憶装置内に構築・保持されたリレーショナルデータベースを参照しつつ機密情報データを取得し(逆引き)、その機密情報データを、当初の紙媒体文書の画像データ・ファイルに追加して、その機密情報データが追加された新たな画像データ・ファイルを、当初の紙媒体とは異なる紙媒体上に出力するように構成することにより、手書き式の紙媒体文書の取り扱いを大前提としつつも、情報漏えいのリスクを高めることなく、かつ、機密情報取扱担当者に負荷をかけずに、当初の紙媒体文書の情報に加えて、機密情報が紙媒体上の所定の領域に追記された別の紙媒体文書が自動的に作成される。
具体的には、紙媒体文書の使用を前提としつつも、その紙面上の指定領域(指定欄)に初期情報が記載された紙媒体文書の入手から始めて、その初期情報が記載された紙媒体文書を画像データ・ファイル(例えば、PDFファイル)に変換した(ここまでの動作プロセスは、人手による:例えば、紙媒体文書を画像読み取り装置(例えば、スキャナー)に読み取らせる動作等)後では、本願発明に係るコンピュータ・システムが、その画像データ・ファイルに含まれた初期情報(即ち、上述の参照元データ)を自動的に読み取って(画像データをテキスト・データに自動的に変換して)、ここで得られたテキスト・データを参照元データとして、コンピュータ・システムの記憶装置内に格納されたリレーショナルデータベースを参照しつつ、参照先データ(即ち、上述の参照先情報)を自動的に取得して、ここで取得した参照先データ(参照先情報)を、当初の紙媒体文書の画像データ・ファイルの1ページ内の所定の領域(所定の欄)に、自動的に追加して、この参照先データが追加された新たな画像データ・ファイルを出力(紙媒体への印刷又はスクリーン上での画像表示)することが可能となる。
より具体的には、以下のとおりである。即ち、第1の発明は、
少なくともプロセス制御ソフトウエアと記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムであって、
前記記憶装置は、
一部手書き式で記載された情報を含む紙媒体文書であって機密情報が記載されていない紙媒体文書を1ファイルの画像データ(以下、「当初画像データ・ファイル」)として読み取って得られた当初画像データ・ファイルを、該当初画像データ・ファイルを特定する文書IDデータと共に含み、
かつ、リレーショナルデータベース(RDB)として、少なくとも、機密情報対応テーブル、書式定義テーブル、メインテーブル、文書管理テーブルを含み、
前記機密情報対応テーブルは、
少なくとも、メインキー・データと機密情報データとを1対1に関連付けて含み、
前記書式定義テーブルは、
少なくとも、書式IDデータと機密情報データの領域情報データ(以下、「情報追加領域情報データ」)と逆引き情報データの領域情報データ(以下、「情報読取領域情報データ」)とを相互に関連付けて含み、
前記メインテーブルは、
少なくとも、逆引き情報データとメインキー・データとを相互に関連付けて含み、
前記文書管理テーブルは、
少なくとも、書式IDデータと文書IDデータとを相互に関連付けて含む
ことを特徴とし、
上記プロセス制御ソフトウエアは、
少なくとも、逆引き情報取得プロセス制御モジュールと、機密情報追記処理プロセス制御モジュールとを含み、
前記逆引き情報取得プロセス制御モジュールは、
1)ユーザー端末から、当初画像データ・ファイルを特定する文書IDデータを受信し、該文書IDで特定された当初画像データ・ファイルを、前記記憶装置から取り出して、ユーザー端末に送信して対応する画像を画面上に表示させ、
2)前記画像に対応する当初画像データ・ファイルの元となった紙媒体文書の書式を特定する書式IDデータを、ユーザー端末から受信し、
3)前記当初画像データ・ファイルの元となった前記紙媒体文書の紙面上に記載された逆引き情報であって該紙媒体文書に関連付けられた逆引き情報が記載された紙面上の領域(以下、「紙面上読取領域」)であって該紙面上読取領域に対応する該当初画像データ・ファイルの1ページ上の領域(以下、「部分画像データ読取領域」)の領域情報データを、前記書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照しつつ、取得し、
4)前記取得した領域情報データで特定された部分画像データ読取領域内に含まれている逆引き情報の画像データをテキスト・データに変換し、該テキスト・データに変換された逆引き情報データを取得し、
5)前記取得した逆引き情報データから、前記メインテーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
6)前記取得した書式IDデータ、文書IDデータ、ファイルIDデータ、メインキー・データを、前記文書管理デーブルのそれぞれ対応する領域に格納するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールであり、
前記機密情報追記処理プロセス制御モジュールは、
1)前記ユーザー端末から文書IDデータを受信し、
2)前記受信した文書IDデータから、前記文書管理テーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
3)前記取得したメインキー・データから、前記機密情報対応テーブルを参照して、機密情報データを取得すると共に、
4)前記文書IDデータから、前記文書管理テーブルを参照して、書式IDデータを取得し、
5)前記取得した書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照して、前記当初画像データ・ファイルの1ページ上の領域であって前記機密情報データを追加すべき領域(以下、「部分画像データ追加領域」)を特定する領域情報データを取得し、
6)前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んで、前記当初画像データと前記機密情報データとを含む新画像データ・ファイルを作成するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールである
ことを特徴とする機密情報自動追記システムに係る発明である。
第2の発明は、上記第1の発明において、前記記憶装置が、リレーショナルデータベースとして、利用者制限テーブルを更に含み、該利用者制限テーブルは、利用者IDデータと、該利用者IDデータで特定される利用者が機密情報取扱権限を有する者であるか否かを示すデータ(以下、「機密情報取扱権限表示データ」)とを1対1に関連付けて含むことを特徴とする。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、前記逆引き情報取得プロセス制御モジュールは、更に、前記テキスト・データに変換された逆引き情報データを前記記憶装置内の対応するリレーショナルデータベースに格納する前に、変換前の逆引き情報の画像と、変換後の逆引き情報データとを、ユーザー端末の画面上に同時に表示するプロセスを制御するためのプログラムを含むことを特徴とする。
第4の発明は、少なくとも、CPU装置と、該CPU装置が読み込むプロセス制御ソフトウエアと、リレーショナルデータベースを格納する記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムによる機密情報自動追記プロセスであって、少なくとも、逆引き情報取得プロセスと機密情報追記処理プロセスとを含み、
前記記憶装置は、
一部手書き式で記載された情報を含む紙媒体文書であって機密情報が記載されていない紙媒体文書を1ファイルの画像データ(以下、「当初画像データ・ファイル」)として読み取って得られた当初画像データ・ファイルを、該当初画像データ・ファイルを特定する文書IDデータと共に含み、
かつ、リレーショナルデータベース(RDB)として、少なくとも、機密情報対応テーブル、書式定義テーブル、メインテーブル、文書管理テーブルを含み、
前記機密情報対応テーブルは、
少なくとも、メインキー・データと機密情報データとを1対1に関連付けて含み、
前記書式定義テーブルは、
少なくとも、書式IDデータと機密情報の領域情報データと逆引き情報の領域情報データとを相互に関連付けて含み、
前記メインテーブルは、
少なくとも、逆引き情報データとメインキー・データとを相互に関連付けて含み、
前記文書管理テーブルは、
少なくとも、書式IDデータと文書IDデータとを相互に関連付けて含む
ことを特徴とし、
前記逆引き情報取得プロセスは、
1)ユーザー端末から、当初画像データ・ファイルを特定する文書IDデータを受信し、該文書IDで特定された当初画像データ・ファイルを、前記記憶装置から取り出して、ユーザー端末に送信して対応する画像を画面上に表示させ、
2)前記画像に対応する当初画像データ・ファイルの元となった紙媒体文書の書式を特定する書式IDデータを、ユーザー端末から受信し、
3)前記当初画像データ・ファイルの元となった前記紙媒体文書の紙面上に記載された逆引き情報であって該紙媒体文書に関連付けられた逆引き情報が記載された紙面上の領域(以下、「紙面上読取領域」)であって該紙面上読取領域に対応する該当初画像データ・ファイルの1ページ上の領域(以下、「部分画像データ読取領域」)の領域情報データを、前記書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照しつつ、取得し、
4)前記取得した領域情報データで特定された部分画像データ読取領域内に含まれている逆引き情報の画像データをテキスト・データに変換し、該テキスト・データに変換された逆引き情報データを取得し、
5)前記取得した逆引き情報データから、前記メインテーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
6)前記取得した書式IDデータ、文書IDデータ、ファイルIDデータ、メインキー・データを、前記文書管理デーブルのそれぞれ対応する領域に格納するプロセスを含み、
前記機密情報追記処理プロセスは、
1)前記ユーザー端末から文書IDデータを受信し、
2)前記受信した文書IDデータから、前記文書管理テーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
3)前記取得したメインキー・データから、前記機密情報対応テーブルを参照して、機密情報データを取得すると共に、
4)前記文書IDデータから、前記文書管理テーブルを参照して、書式IDデータを取得し、
5)前記取得した書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照して、前記当初画像データ・ファイルの1ページ上の領域であって前記機密情報データを追加すべき領域(以下、「部分画像データ追加領域」)を特定する領域情報データを取得し、
6)前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んで、前記当初画像データと前記機密情報データとを含む新画像データ・ファイルを作成するプロセスを含む
ことを特徴とする機密情報自動追記プロセスに係る発明である。
第5の発明は、上記第4の発明において、前記記憶装置が、リレーショナルデータベースとして、利用者制限テーブルを更に含み、該利用者制限テーブルは、利用者IDデータと、該利用者IDデータで特定される利用者が機密情報取扱権限を有する者であるか否かを示すデータ(以下、「機密情報取扱権限表示データ」)とを1対1に関連付けて含み、前記機密情報自動追記システムにアクセスするユーザーが機密情報取扱権限を有する者であるか否かを判断するプロセスを、更に、含むことを特徴とする。
第6の発明は、上記第4又は第5の発明において、前記逆引き情報取得プロセスは、更に、前記テキスト・データに変換された逆引き情報データを前記記憶装置内の対応するリレーショナルデータベースに格納する前に、変換前の逆引き情報の画像と、変換後の逆引き情報データとを、ユーザー端末の画面上に同時に表示するプロセスを含むことを特徴とする。
発明を実施するための態様
以下、図面を参照しつつ、本発明について説明するが、その前に、以下の説明の全体に共通する事項について、若干説明する。
(以下の説明の全体に共通する事項)
本発明に係る機密情報自動付与システムは、コンピュータ・システム上に構成されており(即ち、コンピュータ・システムを使用して構成されており)、従って、コンピュータと言う呼称の示唆するとおり、コンピュータ・システムとしての基本的な構成要素(ソフトウェア及びハードウェア)が具備されている。即ち、コンピュータ・システム上に構成された本発明に係る機密情報自動付与システムには、少なくとも、そこに実装されたソフトウエアの一部を構成する制御プログラム・モジュールのプログラムを適宜読み出してそのプログラムにより指定されたプロセスに従って各種の制御処理(例えば、演算処理)を実行するCPUなどの制御演算装置(以下、単に「CPU装置」)、デジタル化された情報をデジタル・データとして記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置、ディスプレイ(画面)などの表示装置、キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置、該制御演算装置の処理結果や該記憶装置に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置が具備されていることは当業者技術常識である。
なお、本発明に係る機密情報自動付与システムについて以下詳述する過程で、本発明に係る各種制御プログラムがあたかも動作主体のように記載されている個所が随所に現れるが、その趣旨は、そこで言及される制御プログラムを本願発明に係るコンピュータ・システムに具備されたCPUなどの制御演算装置が読み出して、当該制御プログラムにより指定されたプロセスに従って処理動作を実行するということは論を待たない。
本発明に係る機密情報自動付与システムには、上記の基本的な構成要素に加えて、本発明に特有のソフトウエアに含まれる各種プログラム・モジュールとして、少なくとも、利用者認証プロセス制御モジュール、入力(読み取り)プロセス制御モジュール、逆引き情報設定プロセス制御モジュール、機密情報対応設定プロセス制御モジュール、逆引き情報取得プロセス制御モジュール、機密情報追記処理プロセス制御モジュールが含まれる。
また、本発明に係る機密情報自動付与システムに使用するコンピュータ・システムに含まれる記憶装置には、本発明に特有のリレーショナルデータベース(RDB)(例えば、各種参照テーブル)として、少なくとも、機密情報対応テーブル、書式定義テーブル、メインテーブル、文書管理テーブル、利用者制限テーブルが含まれる。なお、ここで言う「テーブル」とは、リレーショナルデータベースの形式の一種であり、一つの参照元データから他の参照先データが一義的に特定できる機能があれば、どのような形式のデータベースでも使用できることは当業者技術常識である。従って、以下詳述する実施態様の説明において、テーブル形式に表記された各種参照テーブルが図示されるが、これら表記は便宜上のものであることは論を待たない。
(本発明に係る機密情報自動付与システムを取り巻く全体ネットワーク構成の概要)
図1は、本発明に係る機密情報自動付与システムを取り巻くネットワーク環境の一つの実施態様を俯瞰して例示的に示す図である。同図には、参照番号100で示された第1クライアント・コンピュータ(ユーザー端末1)、参照番号200で示された第2クライアント・コンピュータ(ユーザー端末2)、参照番号300で示されたグループウエア・サーバー(文書管理専用サーバー)、参照番号400で示されたMFP・スキャナー(多機能周辺装置(Multifunction Peripheral Printer)であって、一般に、プリンター複合機を指し、紙媒体文書をスキャンしてコンピュータ・システムが取り扱える画像データに変換するための装置(例えば、OCR)とコンピュータ・システムから出力される画像データを紙媒体文書に印刷・印字するための装置とが一体化した複合機)、参照番号500で示された本発明に係る機密情報自動付与システム(同図においては、専用サーバーとして実現させることが企図されている)、参照番号600で示されたERPサーバーが、それぞれ、情報通信ネットワーク(例えば、コンピュータネットワーク)で相互に情報接続されている実施態様が記載されているが、これらのネットワーク構成要素の各々が相互に物理的に独立した態様で構成されることは必ずしも必要でないことは論を待たない。例えば、本発明に係る機密情報自動付与システムが、グループウエア・サーバーの機能、ERPサーバーの機能を取り込んだ構成とすることも可能であることは論を待たない。また、この逆に、同図中のMFP・スキャナーの機能をそれぞれ別個に実現させるべく、紙媒体文書を画像データに変換するための装置(例えば、OCR)と、本発明に係る機密情報自動付与システムから出力される画像データを紙媒体に印刷するための装置(例えば、プリンター)との相互に機能的にも物理的にも独立した2つの装置として実現させることも可能である。
但し、第1クライアント・コンピュータ(ユーザー端末1)と第2クライアント・コンピュータ(ユーザー端末2)は、それぞれ、相互に物理的に独立して構成されることが好ましい。この理由は、これら2つのユーザー端末のうち、いずれか一方は、本発明に係る機密情報自動付与システムに画像データとして入力された文書を紙媒体に印刷する際に機密情報を追記する権限を有するユーザーのための端末として、他方は、そのような権限を有しないユーザーのための端末として構成することが好ましいからである。
(本発明に係る機密情報自動付与システムの構成)
図2は、本発明に係る機密情報自動付与システムを取り巻くシステム環境態様の詳細レベルを図1の俯瞰レベルよりも上げて俯瞰したときの一つの実施態様を例示的に示す図である。なお、本明細書及び図面においては同じ構成要素には同じ参照番号が付与されているので、図2において、図1における参照番号と同じ参照番号で示された構成要素についての説明は省略する。
図2には、図1に記載されたMFP・スキャナーの機能をそれぞれ別個に実現させた実施態様が記載されており、図2においては、紙媒体文書を画像データに変換するための装置は参照番号410で示され、本発明に係る機密情報自動付与システムから出力される画像データを紙媒体に印刷するための装置(例えば、プリンター)は参照番号420で示されている。なお、同図においては、参照番号200で示されたユーザー端末2と参照番号410で示された装置とが図面中の同じ左側に記載されているが、本発明においては、必ずしも、これら装置が物理的に同じ側に配置されることは必要ではない。このことは、参照番号100で示されたユーザー端末1と参照番号420で示された出力装置についても同様である。
また、この逆に、同図中のMFP・スキャナーの機能をそれぞれ別個に実現させるべく、紙媒体文書を画像データに変換するための装置と、本発明に係る機密情報自動付与システムから出力される画像データを紙媒体に印刷するための装置(例えば、プリンター)とを相互に機能的にも物理的にも独立した2つの装置として実現させることも可能である。
同図には、参照番号510で示されたソフトウエア(各種制御プログラムから構成されたソフトウエア)と、参照番号550で示された記憶装置(各種データベースを格納する)が記載されており、このソフトウエアには、入力入力(読取)プロセス制御モジュール(520)、コアプロセス制御ソフトウエア(530)、出力プロセス制御モジュール(540)が含まれている。同図には、これらソフトウエア・プログラムの他に、ハードウエアとしての記憶装置として、参照番号550で示された記憶装置が図示されており、この記憶装置の中には、以下詳述する各種リレーショナルデータベース(RDB)が格納される。
図3は、本発明に係る機密情報自動付与システムの要部を構成する要素の種類とそれらの間のデータ交信の概要を示す図である。同図には、利用者認証モジュール(700)、逆引き情報設定プロセス制御モジュール(810)、機密情報対応設定プロセス制御モジュール(820)、逆引き情報取得プロセス制御モジュール(910)、機密情報追記処理プロセス制御モジュール(920)が含まれる。なお、同図において参照番号800で示されたソフトウエア領域には、本発明に使用する各種データベースの構築に使用される各種制御プログラム・モジュールが含まれること、また、参照番号900で示されたソフトウエア領域には、ここで構築された各種データベースを使用して、手書き式で作成された紙媒体文書の所定の領域に機密情報を追記する際に使用する各種制御プログラム・モジュールが含まれることを単に概念的に示すものである。
利用者認証プロセス制御モジュールは、利用者が、機密情報を取り扱う権限がある機密情報取扱担当者か、または権限のない一般担当者であるかを認証するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールであり、このプログラム・モジュールを立ち上げた状態下(即ち、このプログラムをCPU装置が読み込んだ状態)でのコンピュータ・システムに、利用者が、ユーザー端末を介してアクセスしてログオンを行う(即ち、利用者IDを入力する)と、このコンピュータ・システムは、利用者認証プロセス制御プログラムの指示に従って、利用者IDの入力を受け付けて利用者認証を行い、利用者権限テーブル(図1)を参照し、その利用者が機密情報を取り扱う権限がある機密情報取扱担当者か、または権限のない一般担当者かを特定する。
入力(読み取り)プロセス制御モジュールは、手書き式に記入する前の紙媒体文書のひな形や、従業者等が手書き式で記入した後の紙媒体文書など、紙などの媒体にアナログ式に記載された情報(画像情報)を単なる画像イメージとしてデータ化して(即ち、画像内の各ピクセルの色の濃淡・色調等を単にデジタル変換したデータとして)読み取るためのスキャナーやMFPのスキャナー機能における情報読取機能を制御する(例えば、ドライバー・プログラム・モジュール等)。
同図には、また、本発明に係る記憶装置(550)には、本発明に特有のデータベース(例えば、各種参照テーブル)として、少なくとも、機密情報対応テーブル(1010)、書式定義テーブル(1020)、メインテーブル(1030)、文書管理テーブル(1040)、利用者制限テーブル(1050)が含まれることが示されている。これら参照テーブルの一例が、それぞれ、図4、図2、図5、図6、図9に例示されている。
なお、図1〜図3に記載された各種構成要素の機能又は作用機序については、本発明についての以下続く説明において、適宜、説明する。また、図1〜図3において、各構成要素間を相互に結ぶ実線(連結線)が記載されているが、これは、これら実線で相互に連結された構成要素間では、相互に情報交信(情報伝達又はデータの遣り取り)が可能であることを単に概念的に示すためのものである。
以上が本発明のシステム構成の概要、及び本発明のシステムを取り巻く環境システムの概要説明である。次に、上記の構成を有する本発明のシステムを使って本発明の目的を達成するためのプロセスについて、本発明に係るリレーショナルデータベースの構築に関連するプロセスと、本発明に係るシステムが、この構築されたリレーショナルデータベースを使用して、本発明に係る制御プログラムに従って動作するときのプロセスに分けて、それぞれ関連するプロセス・フローチャートを参照しつつ以下詳述する。
(本発明に係るリレーショナルデータベースの構築プロセス)
本発明に係るリレーショナルデータベースの構築プロセスにおいては公知のプロセスが好適に採用される。公知の構築プロセスで構築されたリレーショナルデータベースを構成する各項目の内容及びこれら項目間の関係について以下説明する。
図5は、本発明に係るリレーショナルデータベースのうち、メインテーブル(参照テーブルの一種)を例示する。メインテーブルは、ここに例示されているように、少なくとも、メインキーとして使用される従業者ID、氏名、逆引き情報として使用される被保険者番号を、それぞれ、構成項目(格納するデータの項目)として有する参照テーブルを構成し、個々の従業者に関する逆引き情報の一つの例としての被保険者番号から従業者IDを特定するための参照テーブルである。
このような参照テーブルは、本発明に係る機密情報自動付与システムを使用して当初の紙媒体文書に含まれた情報に機密情報を追加した情報を出力する(別の紙媒体上又はスクリーン上に出力する)権限を有するユーザーが作成することになるが、その場合、かかるユーザーは、本発明の機密情報自動付与システムにユーザー端末2からアクセスして作成することになる。これにはリレーショナルデータベースの公知の構築方法が好適に使用できる。また、一旦構築した参照テーブルに各項目のデータを格納する方法、あるいは、項目の種類を増減する方法には公知の方法が好適に使用できる。
なお、同図には、かかるメインテーブルが一覧表の態様で図示されているが、逆引き情報として使用することの可能な何らかの情報又はデータから、その逆引き情報に対応する個々の従業者(例えば、従業者ID)が一義的に特定又は取得できるように構成されたデータベースでありさえすれば、必ずしも図示されたような一覧表である必要はない。このことは、本願発明におけるその他の各種リレーショナルデータベース(例えば、各種参照テーブル)についても同様に言えることである。
図7は、本発明に係るリレーショナルデータベースのうち、書式定義テーブルを例示する。書式定義テーブルは、ここに例示されているように、少なくとも、紙媒体文書の種類を特定する書式ID、紙媒体文書の文書名、該文書名で特定される紙媒体文書の紙面上において機密情報を追記するための領域を特定する機密情報領域、該紙媒体文書の紙面上において逆引き情報が記載された領域を特定する逆引き情報領域、この逆引き情報の種類を特定する逆引き情報名称を有する参照テーブルを構成する。
ここで、同テーブル中の「(x1,y1)-(x2,y2)」及び「(x3,y3)-(x4,y4)」は、それぞれ、紙媒体文書の全体(1ページ)を画像データとして保持するPDFファイルの1ページの上でのpdf coordinateに基づく位置データであり、(x1,y1)及び(x3,y3)は、それぞれ、PDFファイルの1ページの上での特定の矩形領域の左端上の点のpdf coordinateに基づく位置データであり、(x2,y2)及び(x4,y4)は、それぞれ、このような矩形領域の右端下のpdf coordinateに基づく位置データを表わす。なお、これらの位置データは、コンピュータ・システムの画面上のpixel coordinateに基づく位置データとは、公知の方法により1対1の対応関係があるので、実質的には、コンピュータ・システムの画面上のpixel coordinateに基づく位置データと等価であるので、以下の説明においては、PDFファイルの1ページ上の位置データとそのPDFファイルの1ページの全体を画像表示する画面上の位置データとは、特に区別することなく、取り扱うものとする。
このような参照テーブルは、本発明に係る機密情報自動付与システムを使用して当初の紙媒体文書の情報に機密情報を追加してその機密情報の追加された情報の全体を別の紙媒体文書に出力印刷する権限を有するユーザーが作成することになるが、その場合、かかるユーザーは、本発明の機密情報自動付与システムにユーザー端末2からアクセスして作成することになる。これには公知のデータベース構築方法が好適に使用できる。また、一旦構築した参照テーブルに各項目のデータを格納する方法、あるいは、項目の種類を増減する方法には公知の方法が好適に使用できる。
なお、同図には、かかる書式定義テーブルが一覧表の態様で図示されているが、書式IDから機密情報領域及び逆引き情報領域がそれぞれ一義的に特定又は取得できるように構成されたリレーショナルデータベースでありさえすれば、必ずしも図示されたようなテーブル形式である必要はない。
以上が本発明に係る各種リレーショナルデータベースであるが、本発明においては、上記のリレーショナルデータベースとは別に、記憶装置内には以下のデータ(情報)が格納されている。
手書き式紙媒体文書のひな形(PDFファイルとして):
本発明において前提とされる紙媒体文書は、予めその書式が指定されており、紙面上の特定の位置(領域)に特定の情報(但し、本願発明にいう機密情報を除く)が予め印刷されている。この特定の情報の例としては、紙媒体文書の種類を特定することが可能な情報(例えば、文書の種類名)、当該文書に手書き式で記入する情報(必要事項)の項目名(必要事項の種類を特定するための項目名)、必要事項を記入した者の氏名を記載する欄、本発明に係る機密情報自動付与システムが印字する欄(領域)の中に印字される情報の項目名(印字される情報の種類を特定するための項目名)等々がある(図6参照)。
利用者制限テーブル:
利用者制限テーブルとは、本発明に係る機密情報自動付与システムにアクセスする者(利用者)が、機密情報取扱権限を有する者であるか否かについて認証するときに参照する参照テーブルである(図9参照)。同図から容易に理解できるように、同参照テーブルを構成する項目は、利用者ID(あるいは、利用者を一義的に特定することのできるデータ)から、その利用者が機密情報取扱権限を有する者(データとしては1)か否か(データとしては0)を判断するための参照テーブルである。この参照テーブルの構築方法は公知の方法が好適に使用できる。
以上が公知の方法により本発明に係る記憶装置内に構築される各種リレーショナルデータベースである。次に、かかるリレーショナルデータベースを活用して、本発明の上記目的を達成するためのプロセスについて、画像データの格納ファイルとして広範に使用されているPDFファイルを使用する場合を中心にして、以下、イベント・シーケンス(Event Sequence)に注目しつつ説明する。
(紙媒体文書を画像データ化して得られたPDFファイルの1ページ上でのデータ読取領域とデータ追加領域の画定)
Evt. 1:機密情報へのアクセスが許可されている者(以下、「機密情報取扱担当者」)が、紙媒体文書としてのひな形を、スキャナー装置に読み取らせる。
Evt. 2:スキャナーが上記読み取った文書を画像データに変換する(一般的には、画像レイヤーだけのPDFファイルに変換する)。
Evt. 3:スキャナーが、上記PDFファイルを本発明のコンピュータ・ステム(以下、「機密情報自動付与システム」)に送信する。
この場合の送信を、送信先のコンピュータ・システムから見て、push型とするかpull型とするかは適宜選択可能である)
Evt. 4:本発明に係るコンピュータ・システムは、スキャナーから上記ひな形のPDFファイルを受信すると、その受信したPDFファイルを、一旦、機密情報自動付与システムの記憶装置に格納する。
Evt. 5:機密情報取扱担当者が、ユーザー端末を介して、本発明に係るコンピュータ・システムにアクセスして、以下の動作を実行させる。
Evt. 6:コンピュータ・システムが、ユーザー端末の画面上に、対象となる紙媒体文書のひな形のPDFファイルを表示させる。
Evt. 7:機密情報取扱担当者は、そのユーザー端末の画面上に表示されたひな形に一義的に対応する書式IDとなる数字又は記号、文書名、逆引き情報の名称(項目名)をそれぞれ決めて、それらをユーザー端末を経由して、コンピュータ・システムに送信する。
Evt. 8:コンピュータ・システムは、上記の情報データを受信すると、それを記憶装置内に構築された書式定義テーブル(リレーショナルデータベース)の中のそれぞれ指定された格納領域に格納する。
Evt. 9:機密情報取扱担当者が、上記画面上に表示されたPDFファイルの1ページ上の領域のうち、以下使用する参照元情報が表示された矩形領域を特定する(以下、「情報読取領域」)。
この矩形領域の特定は、マウス等でもって、画面上のカーソルを、画面上で参照元情報が表示された矩形領域に対応する矩形領域の左端上の点と右端下の点にそれぞれ移動させて、マウスの右クリック操作で、それぞれの点についてのpdf coordinateに基づくPDFファイルの1座標データを画定することで特定できる。
なお、この場合の画面上のpixel coordinateに基づく座標系とpdf coordinateに基づく座標系との関係は公知の方法でもって画定されている。
Evt. 10:上記Evt.7と同じ動作を、上記画面上に表示されたPDFファイルの1ページ上の領域のうち、以下のプロセスを経て得られる参照先情報(機密情報)を追加する矩形領域を特定する(以下、「情報追加領域」)。
Evt. 11:以上のプロセスを経て、リレーショナルデータベースとしての書式定義テーブルを構築する。
(利用者による使用時のイベント・シーケンス)
Evt. 1:利用者(この場合は、機密情報へのアクセスが制限された者であっても、制限されていない者であっても良い)が、手書き式に作成した紙媒体文書1ページ分の全体をスキャナー装置に読み取らせる。
Evt. 2:スキャナーが上記読み取った文書を画像データに変換する(一般的には、画像レイヤーだけのPDFファイルに変換する)。
この場合のスキャナーとしては、OCR機能(Optical Character Recognition機能)が具備されていないスキャナーの使用を前提とする)
Evt. 3:スキャナーが、上記PDFファイル(以下、「当初PDFファイル」)を本願発明の機密情報自動付与システムに送信する
Evt. 4:スキャナーから上記当初PDFファイルを受信すると、その受信した当初PDFファイルを、一旦、機密情報自動付与システムの記憶装置に格納する。
Evt. 5:(紙媒体文書が複数のページから構成されているときは、上記が繰り返される)
Evt. 6:利用者が、そのユーザー端末の画面上に表示させたい文書の当初PDFファイルを特定し、その文書の特定情報データ(画面上に表示されている当初PDFファイルの元となる当初の紙媒体文書を特定する情報データ、例えば、書式ID又は文書ID)を、そのユーザー端末を介して、機密情報自動付与システムに送信する。
Evt. 7:機密情報自動付与システムは、上記特定情報データで特定された当初PDFファイルを、記憶装置から取り出して、該当初PDFファイルに含まれた情報のうち、情報読取領域の中に含まれる情報の画像データをテキスト・データに変換して逆引き情報データとする。
Evt. 8:上記変換で得られた逆引き情報データ(テキスト・データ)から、メインテーブルを参照して、上記当初PDFファイルの元となった紙媒体文書に記入した個人を特定することのできるメインキーとなる情報データ(例えば、従業者ID)を取得する。
Evt. 9:ここまでに取得した各種データ(書式ID、文書ID、利用者がEvt.6で指定した当初PDFファイルのファイル名、従業者ID等(図7参照))をリレーショナルデータベースとしての文書管理テーブルに格納する。
Evt. 10:次に、上記のメインキーとなる情報データから、機密情報対応テーブルを参照して、そのメインキーで特定された個人の機密情報データを取得する。
Evt. 11:更に、上記書式IDから、書式定義テーブルを参照して、上記当初PDFファイルの1ページ上において機密情報を追加する情報追加領域のデータを取得する。
Evt. 12:上記機密情報を上記情報追加領域に埋め込ませた新たなPDFファイル(以下、「新PDFファイル」)を作成する。
従って、新PDFファイルは、当初PDFファイルに含まれた情報を何ら改竄することなく、その情報の他に上記機密情報が追加されたPDFファイルとなる。
Evt. 13:上記新PDFファイルを記憶装置内に格納、又は、コンピュータネットワークを介して出力装置に送信する。
さて、上記イベント・シーケンスは、Front end operationに注目した記載となっているので、次に、上記の各イベントに対応する又はそれを技術的に具現化するコンピュータ・システムの内部動作に注目してそのBack end operationに注目すると以下のようになる。
Figure 0005940203
上記のcomputer system内部での動作プロセスは、基本的には、公知の方法によるリレーショナルデータベースの構築方法に係る動作プロセスであるが、その主要な動作プロセスに入る前には本願発明に特有の動作プロセスがあり、それを含めた全体の動作プロセスを纏めると以下のようになる。まず、ひな形となる紙媒体文書をスキャナーで画像データに変換する。この場合の画像データとしては、PDFファイルとして作成することが好適に行われる。次に、ここで得られた画像データ(即ち、ひな形画像データ・ファイル)をコンピュータ・システムに送信する。この場合の送信プロセスに関して、スキャナー側にpush型の送信機能が具備されていないときは、スキャナー側で当該画像データ・ファイルを一旦メモリーに格納すると共に画像データ化が完了したことを知らせる信号をコンピュータ・システム側に送信し、それに呼応して、コンピュータ・システム側からスキャナー側に一時的に格納されているひな形画像データ・ファイルを採りに行かせる公知の制御プログラム構成とすることが好適に行われる。次に、コンピュータ・システムは、ここで取得したひな形画像データ・ファイルを一旦その記憶装置に格納する。この場合、当然のことながら、格納したひな形画像データ・ファイルを後ほど取り出す際に必要なファイルIDデータと関連させて格納する必要があることは論を待たない。また、このファイルIDデータとしては、受信したひな形画像データ・ファイルの1ページ上の特定の領域に含まれた部分画像データを公知の方法でもってテキスト・データに自動的に変換することで(例えば、葉書の所定の領域に記載された手書きの郵便番号を自動的にテキスト・データに変換して認識する公知の方法がある)、ファイルIDデータを取得することも可能であり、また、ユーザー端末から、スキャナーによりひな形画像データに変換される都度、その画像データから構成されるひな形画像データ・ファイルのID番号データ等を受信することも可能である。このひな形画像データ・ファイルの格納に至る動作プロセスは、一般的には、繰り返し行われる(一つのコンピュータ・システムで取り扱う紙媒体文書の種類が多数存在するのが一般的であるため)。
この一連の画像データ・ファイルの格納が終了した後に、機密情報取扱担当者がユーザー端末を介してコンピュータ・システムにアクセスのリクエストを、その機密情報取扱担当者のIDデータと共に、送信すると、コンピュータ・システムは、そのIDデータに基づいて、利用者制限テーブルを参照して、当該IDデータで特定される者が機密情報取扱担当者であるか否かの認証を行う。この認証プロセスの結果、当該IDデータで特定された者が機密情報取扱担当者であると判断されたときは、次のステップに移行して、ユーザー端末の画面上にプロンプトを表示させ、そのユーザー端末の画面上に表示させるひな形画像データ・ファイルの特定情報(ファイルID)を、ユーザー端末を介して、コンピュータ・システムに送信させる。
このファイルIDデータを受け取ったコンピュータ・システムは、それを基にして、記憶装置から対象となるひな形画像データ・ファイルを取り出して、そのひな形画像データ・ファイルに対応するひな形文書の画像をユーザー端末の画面上に表示させる。次に、その画面上に表示されたひな形文書に対応する書式ID、文書名、逆引き情報の名称(項目名)を機密情報取扱担当者に決めさせて、そこで決められた書式ID、文書名、逆引き情報の名称(項目名)の各データを、ユーザー端末を介して、取得する。コンピュータ・システムは、ここで取得した上記各種情報データを、それぞれ、記憶装置内に構築されたリレーショナルデータベースの一つである書式定義テーブルの該当する領域に格納する。
次に、ユーザー端末の画面上に表示された上記画像上において、逆引き情報が表示されている領域(矩形領域)を、画面上でカーソルでもって特定する。この特定動作プロセスは、カーソルのポインターを当該矩形領域の左端上の交差点に移動させてそこでマウスの右クリックするなどして、画面上のpixel coordinateに基づく(Xp1;Yp1)の座標点データを取得し、次に、カーソルのポインターを当該矩形領域の右端下の交差点に移動させて同様にして画面上のpixel coordinateに基づく(Xp2;Yp2)の座標点データを取得する。次に、これらのpixel coordinateに基づく座標点データを、公知の方法でもって、当該画像の元となっている画像データ・ファイルの1ページ上のpdf coordinateに基づく座標点データに変換して(X1;Y1)、(X2;Y2)を取得する。同様にして、後ほど、機密情報を追加する領域であって画像データ・ファイルの1ページ上の領域(情報追加領域)を画定するための座標点データを取得する。最後に、以上の動作プロセスで取得した各種情報データを、リレーショナルデータベースとしての書式定義テーブルの各該当領域に格納する。この場合の格納方法は、公知の方法が好適に使用できる。
Figure 0005940203
上記のcomputer system内部での動作プロセスの要旨は、紙媒体文書をスキャナーで画像データに変換し、該画像データから構成される画像データ・ファイルの所定の領域(情報読取領域)に含まれる部分画像データをテキスト・データに変換して逆引き情報データを取得し、この逆引き情報データから、リレーショナルデータベースの一つであるメインテーブルを参照して、上記画像データ・ファイルの元となった紙媒体文書に記入した個人を特定することのできるメインキーとなる情報データ(例えば、従業者ID)を取得する。
一方で、この段階までに取得した各種データ(書式ID、文書ID、利用者が指定した当初画像データ・ファイルのファイル名、従業者ID等をリレーショナルデータベースとしての文書管理テーブルに格納する(図7参照))。
次に、上記のメインキーとなる情報データから、機密情報対応テーブルを参照して、そのメインキーで特定された個人の機密情報データを取得する。更に、上記書式IDから、書式定義テーブルを参照して、当初の画像データ・ファイルの1ページ上において機密情報を追加する情報追加領域のデータ(情報領域データ)を取得する。
そして、上記機密情報データを上記情報追加領域に埋め込ませた新たな画像データ・ファイル(新画像データ・ファイル)を作成する。従って、新画像データ・ファイルは、当初の画像データ・ファイルに含まれた情報を何ら改竄することなく、その情報の他に機密情報が追加されたPDFファイルとなる。最後に、新画像データ・ファイルを記憶装置内に格納、又は、コンピュータネットワークを介して出力装置に送信する。
なお、上記の部分画像データをテキスト・データに変換して逆引き情報データを取得した後、この逆引き情報データを、その元となる上記画像と共に、ユーザー端末の画面上に表示させて(例えば、図17参照)、ユーザーが視認により、それら2つの情報に乖離がないことを確認させ、乖離が生じているときは、表示されている逆引き情報データを、元となる紙媒体上に記載された逆引き情報データに修正させるプロセスを介在させることも好適に行われる。この場合のコンピュータ・システムの構成としては、逆引き情報取得プロセス制御プログラム・モジュールを、コンピュータ・システムが取得した逆引き情報にさらに補正処理が出来るように構成し、そのプログラムを読み込んだCPU装置が、読み取りデータを表示し、その表示と対応させて取得した逆引き情報を表示し、担当者の修正入力を受け付けるように構成する。
上記がコンピュータ・システムによる紙媒体文書の自動作成動作プロセスであるが、これとは別途、コンピュータ・システムの記憶装置内に格納された画像データ・ファイルを廃棄する動作プロセスもあり得る。その場合は
書式定義テーブルに、文書を廃棄するための廃棄判断項目および廃棄条件をさらに格納させ、制御プログラム・モジュールとして、取扱担当者または一般担当者から、廃棄判断項目の指定を受け付ける廃棄ルール設定プロセス制御プログラム・モジュールと、書式定義テーブルに格納された廃棄判断項目および廃棄条件に基づいて、メインテーブルを参照し、廃棄対象となる追記済み文書データを特定し削除または機密情報部分をマスキングする文書廃棄処理プロセス制御プログラム・モジュールと、をさらに有するように構成する。
次に、実施例でもって本願発明をより詳細に説明する。
<リレーショナルデータベースの事前構築>
(0)便宜上メインテーブルと称するリレーショナルデータベースの構築:
利用者は、項目に、少なくともメインキーと、機密情報を特定できる逆引き情報とを有するメインテーブルを定義、作成し、各項目のデータを登録する。ここでメインキーとは、後述する機密情報対応テーブルの機密情報と対応付けるキー(例:従業者ID)である(図6参照)。メインテーブルは、取扱担当者および一般担当者が参照可能な、メインキーと、機密情報を特定できる逆引き情報とを格納するテーブルであり、上記のように独自のテーブルであってもよいし、既存の基幹システム(人事システム等)が管理するテーブルであってもよい。
(1)文書ひな形の書式:
利用者が例えばスキャナーで文書ひな形の読み取りを行うと、逆引き情報設定制御プログラムを読み込んだCPUは、そのプログラムに従って、自動採番または利用者からの入力を受け付けて、書式ID(例:10502)を決定し、読み取り部で読み取った文書ひな形のイメージをユーザー端末の画面に表示させる。次に、この画面上で、利用者に、機密情報の領域情報と、対応する逆引き情報(例:被保険者番号)の名称と領域情報を指定させる。 ここで機密情報は、文書ひな形で定められている特定の担当者のみ取り扱わせることが望ましい機密情報であり、暗証番号、パスワード、クレジットカード番号、個人番号などが挙げられる(図9参照)。
指定された機密情報の領域情報、逆引き情報の名称と領域情報は、採番した書式IDおよび利用者に指定させた文書名とともに書式定義テーブルに格納される(図5参照)。書式定義テーブルは、取扱担当者および一般担当者が参照可能な、手書き用文書の機密情報の領域情報と、逆引き情報の領域情報とを格納する。
(2)リレーショナルデータベースへの機密情報の登録:
機密情報対応設定プロセス制御プログラムを読み込んだCPUは、そのプログラムに従って、機密情報と、メインテーブルのメインキー(例:従業者ID)とを関連付けるものである。例えば、利用者認証を経た取扱担当者が管理する機密情報(例:123456789012)と、メインテーブルのメインキー(従業者ID22222)の入力を受け付け、これらを対応付けて機密情報対応テーブルに格納する(図4参照)。この際、当該メインキーがメインテーブルに存在するか否かがメインテーブルを参照してチェックされる。機密情報対応テーブルは、取扱担当者のみが参照可能なテーブルであり、メインテーブルのメインキーおよび機密情報を格納する。
<日常運用>
(3)手書き紙媒体文書の画像データ化及び逆引き情報の取得
逆引き情報取得プロセス制御プログラムを読み込んだCPUは、そのプログラムに従って、読み取り部で読み取った、機密情報を含まない記入済み手書き紙媒体文書の画像データ(例えば、PDFファイル)(図10参照)を取得すると、自動採番または利用者からの入力を受け付けて、文書ID(例:A001)を決定する。
次にこの文書に対応する文書ひな形を、利用者に選択させて特定する(例:書式ID10502)。特定された文書ひな形の書式IDから、書式定義テーブルを参照して、逆引き情報名(例えば、被保険者番号という項目名)と、逆引き情報領域の情報を取得し(例:(x3,y3)-(x4,y4)で領域特定される矩形領域)、手書き文書の逆引き情報の領域を特定し、この領域にある画像データをOCR処理等によりテキスト・データに変換して文字認識させて逆引き情報(例えば、被保険者番号のデータ)を取得する。そして、この逆引き情報(例:被保険者番号が9999-999999-9)(例えば、被保険者番号のデータ)をもとに、メインテーブルからメインキー(例:従業者ID22222)を取得する。
逆引き情報取得部は、特定した書式ID、決定した文書ID、利用者に指定させたファイル名、データ、取得した従業者ID等を文書管理テーブルに格納する(図11参照)。文書管理テーブルは、電子化した文書の情報を格納する。
(4)機密情報の追加
取扱担当者がこの文書(文書ID:A001)に対し追記処理を実行すると、機密情報追記処理プロセス制御プログラムを読み込んだCPUは、このプログラムに従って、文書管理テーブルを参照し、メインキー(例:従業者ID22222)を取得し、このメインキーを用いて機密情報対応テーブルを参照して対応する機密情報(例:123456789012)を取得する。さらに、文書管理テーブルから書式ID(例:10502)を取得し、書式定義テーブルを参照して機密情報を追加する機密情報領域(例:(x1,y1)-(x2,y2)で領域特定される矩形領域)を特定する。
追加対象となる手書き文書の画像データ(PDFファイル)を取得し、特定した領域に、取得した機密情報を埋め込むか、または記入済み文書の原本自体に印刷するなどによって、機密情報の追加を行う。機密情報が追加された文書の例と、文書管理テーブルの例を、それぞれ図12及び図13に示す。
なお、本アイデアにより生成する追加前ファイルと追加後ファイルについては、公知の技術により電子署名を付与するシステムやモジュール(電子署名付与部)、公知の技術によりタイムスタンプを付与するシステムやジュール(タイムスタンプ付与部)により、電子署名やタイムスタンプが付与されるようにしてもよい。
(廃棄処理)
以下、(1)〜(4)は実施例1と同様の処理を示す。
(1)以下の設定が追加される以外は、実施例1と同様。
廃棄ルール設定部は、廃棄判断項目と廃棄条件を利用者に指定させる。指定された逆引き情報の名称、領域情報、廃棄判断項目、廃棄条件は、採番した書式IDおよび利用者に指定させた文書名とともに書式定義テーブルに格納される(図14参照)。
(2)〜(4)は、実施例1と同様。
(5)文書廃棄処理プロセス制御プログラムを読み込んだCPUは、そのプログラムに従って、書式定義テーブルに格納された廃棄判断項目を取得し、メインテーブルの該当項目の情報(例:退職日)を取得し、廃棄条件(例:退職日から5年経過)を満足するレコードを特定し、メインキー(例:従業者ID)を抽出する。抽出した従業者IDから文書管理テーブルを参照し、該当するファイルを削除しまたは機密情報部分をマスキングし、文書管理テーブルについて、追記後ファイルに関する項目のデータを削除し、廃棄日の項目に廃棄した日を書き込む。紙書類が存在する場合は、その削除を促すメッセージ等を表示し、削除した旨の情報を受け付けた場合に廃棄した日を書き込むようにする(廃棄処理後のメインテーブルの一例は図15、廃棄処理後の文書管理テーブルは図16参照)。
なお、本発明の特徴についての以上の記載における実施形態の機能を実現させるに際して、コンピュータ・プログラム・コードを記録した媒体を、スタンド・アローン型コンピュータ・システム又は装置に挿入し、そのコンピュータ・システム又は装置に含まれるCPU又はMPUが当該媒体に格納されたプログラム・コードを読み取って実行させることによっても、本発明の上記目的が達成されることは論を待たない。従って、このような媒体から読みだされたプログラム・コードは、上述の実施形態における各種機能を実現することになり、このプログラム・コードを格納した媒体も本発明を構成する。
また、当該媒体から読み出されたプログラム・コードの指示に基づき、OS等がプロセスの一部又は全部を行い、そのことにより上述の実施形態の機能が実現される場合も、本発明を構成することは言うまでもない。
さらに、当該媒体から読み出されたコンピュータ・プログラムが、コンピュータ・システムに挿入された機能拡張カードやコンピュータ・システムに情報接続された機能拡張ユニットに具備された記録媒体に書き込まれた後、そのコンピュータ・プログラムの指示に基づいて、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが上述のプロセスの一部又は全部を実行し、そのプロセスの結果、上述した実施形態の作用機能が実現される場合も本発明の範囲に含まれることは当業者容易に理解できることである。
また、本発明は、上述した実施形態を実現することができるコンピュータ・プログラムのコードが、通信ネットワークを介して配信されることにより、システムあるいはその装置のハードディスクやメモリ等の記憶装置又はCD−RWやCD−R等の記録媒体に記録され、そのシステム又は装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が当該記録装置や当該記録媒体に記録されたコンピュータ・プログラム・コードを読み出して実行することによっても、本発明の目的が達成でき、従って、本発明を構成することも言うまでもない。
上記詳細に説明したとおりの本願発明により、未だ手書き式の紙媒体文書を使用することを余儀なくされるという外部要因による制約の下で、機密情報の漏えいのリスクを高めることなく、かつ、紙媒体文書に機密情報を追記する業務を担当する機密情報取扱担当者に負荷をかけずに、官公庁が要請する機密情報の記載された紙媒体文書を自動的に作成することを可能にするコンピュータ・システムが初めて提供される。
図1は、本発明に係る機密情報自動付与システムを取り巻くネットワーク環境の実施態様の例を示す。 図2は、本発明に係る機密情報自動付与システムを取り巻くシステム環境態様の実施態様の例(詳細版)を示す。 図3は、図2において破線で囲まれた部分の中の構成の実施態様の例を示す。 図4は、機密情報対応テーブルの例を示す。 図5は、書式定義テーブルの例を示す。 図6は、メインテーブルの例を示す。 図7は、文書管理テーブルの例を示す。 図8は、利用者権限テーブルの例を示す。 図9は、文書ひな形の例を示す。 図10は、手書き文書の例を示す。 図11は、文書管理テーブル(機密情報追記前)の例を示す。 図12は、追記済み文書の例を示す。 図13は、文書管理テーブル(機密情報追記後)の例を示す。 図14は、書式定義テーブルの例を示す。 図15は、メインテーブルの例を示す。 図16は、文書管理テーブル(廃棄処理後)の例を示す。 図17は、逆引き情報確認用画面の例を示す。

Claims (12)

  1. 少なくともプロセス制御ソフトウエアと記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムであって、
    上記プロセス制御ソフトウエアは、前記コンピュータ・システムをして、
    紙媒体上の手書き文書の全体を画像データ・ファイルとして読み込ませ、
    該紙媒体の特定の領域に手書き式に記載された情報を画像データとして読み取らせて、該画像データを逆引き情報データ(以下、テキスト・データ(A))に変換させ、
    かかる変換後のテキスト・データ(A)から、該コンピュータ・システムの記憶装置内に予め構築されたリレーショナルデータベース(RDB)に含まれるメインテーブル、機密情報対応テーブルを参照させつつ、個人の機密情報データ(以下、テキスト・データ(B))を取得させ、更に、紙媒体文書上の手書き文書の書式IDから、リレーショナルデータベースに含まれる書式定義テーブルを参照して、当初の画像データ・ファイルの1ページ上において機密情報データ(テキスト・データ(B))を追加させるための情報追加領域のデータを特定させる
    ことを特徴とする機密情報自動追記システム。
  2. さらに、前記情報追加領域に、テキスト・データ(B)を、埋め込ませ、または、埋め込んだような外観を呈する画像ファイル構成として印刷又は表示させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の機密情報自動追記システム。
  3. 少なくともプロセス制御ソフトウエアと記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムであって、
    前記記憶装置は、
    リレーショナルデータベース(RDB)として、少なくとも、機密情報対応テーブル、書式定義テーブル、メインテーブル、文書管理テーブルを含み、
    前記機密情報対応テーブルは、
    少なくとも、メインキー・データと機密情報データとを1対1に関連付けて含み、
    前記書式定義テーブルは、
    少なくとも、書式IDデータと機密情報データの領域情報データ(以下、「情報追加領域情報データ」)と逆引き情報データの領域情報データ(以下、「情報読取領域情報データ」)とを相互に関連付けて含み、
    前記メインテーブルは、
    少なくとも、逆引き情報データとメインキー・データとを相互に関連付けて含み、
    前記文書管理テーブルは、
    少なくとも、書式IDデータと文書IDデータとを相互に関連付けて含む
    ことを特徴とし、
    上記プロセス制御ソフトウエアは、
    前記コンピュータ・システムをして、
    紙媒体上の手書き文書の全体を画像データ・ファイルとして読み込ませ、該画像データ・ファイルの中の特定の領域の画像データをテキスト・データに変換させるものであって、
    少なくとも、逆引き情報取得プロセス制御モジュールと、機密情報追記処理プロセス制御モジュールとを含み、
    前記逆引き情報取得プロセス制御モジュールは、
    ユーザー端末から文書IDデータ、書式IDデータを受信し、
    領域情報データを、前記書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照しつつ、取得し、
    前記取得した領域情報データで特定された部分画像データ読取領域内に含まれている逆引き情報の画像データをテキスト・データに変換し、該テキスト・データに変換された逆引き情報データから、前記メインテーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
    前記取得した書式IDデータ、文書IDデータ、メインキー・データを、前記文書管理テーブルのそれぞれ対応する領域に格納するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールであり、
    前記機密情報追記処理プロセス制御モジュールは、
    前記ユーザー端末から受信した文書IDデータから、前記文書管理テーブル、前記機密情報対応テーブルの順に参照して、機密情報データを取得すると共に、
    前記文書IDデータから、前記文書管理テーブル、前記書式定義テーブルの順に参照して、前記画像データ・ファイルの領域であって前記機密情報データを追加すべき領域(以下、「部分画像データ追加領域」)を特定する領域情報データを取得する
    ためのプログラム・モジュールである
    ことを特徴とする機密情報自動追記システム。
  4. 前記機密情報追記処理プロセス制御モジュールは、さらに、
    前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んで、前記画像データと前記機密情報データとを含む画像データ・ファイル(以下、「新画像データ・ファイル」)を作成するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールである、
    または
    前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んだような外観を呈する画像データ・ファイル構成として印刷又は表示するためのプログラム・モジュールである
    ことを特徴とする請求項3記載の機密情報自動追記システム。
  5. 前記記憶装置が、リレーショナルデータベースとして、利用者制限テーブルを更に含み、
    該利用者制限テーブルは、利用者IDデータと、該利用者IDデータで特定される利用者が機密情報取扱権限を有する者であるか否かを示すデータ(以下、「機密情報取扱権限表示データ」)とを1対1に関連付けて含む
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の機密情報自動追記システム。
  6. 前記プロセス制御ソフトウエアは、更に、
    前記テキスト・データに変換された逆引き情報データからメインテーブルを参照して、そのメインキーで特定された個人の機密情報データを取得する前に、変換前の逆引き情報の画像と、変換後の逆引き情報データとを、ユーザー端末の画面上に同時に表示するプロセスを制御するためのプログラム・モジュールを含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の機密情報自動追記システム。
  7. 少なくとも、CPU装置と、該CPU装置が読み込むプロセス制御ソフトウエアと、リレーショナルデータベースを格納する記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムによる機密情報自動追記プロセスであって、
    前記プロセス制御ソフトウエアを読み込んだ前記CPU装置が、前記コンピュータ・システムをして、
    紙媒体上の手書き文書の全体を画像データ・ファイルとして読み込ませ、
    その紙媒体の特定の領域に手書き式に記載された情報を画像データとして読み取らせて、その画像データを逆引き情報データ(以下、テキスト・データ(A))に変換させ、
    かかる変換後のテキスト・データ(A)から、前記コンピュータ・システムの記憶装置内に予め構築されたリレーショナルデータベース(RDB)に含まれるメインテーブル、機密情報対応テーブルを参照させつつ、個人の機密情報データ(以下、テキスト・データ(B))を取得させ、更に、紙媒体文書上の手書き文書の書式IDから、リレーショナルデータベースに含まれる書式定義テーブルを参照して、当初の画像データ・ファイルの1ページ上において機密情報データ(テキスト・データ(B))を追加させるための情報追加領域のデータを特定させる
    ことを特徴とする機密情報自動追記プロセス。
  8. さらに、前記情報追加領域に、テキストデータ(B)を、埋め込ませ、または、埋め込んだような外観を呈する画像ファイル構成として印刷又は表示させる、
    ことを特徴とする請求項7に記載の機密情報自動追記プロセス。
  9. 少なくとも、CPU装置と、該CPU装置が読み込むプロセス制御ソフトウエアと、リレーショナルデータベースを格納する記憶装置とを含むコンピュータ・システム上に構成された機密情報自動追記システムによる機密情報自動追記プロセスであって、上記プロセス制御ソフトウエアは、前記コンピュータ・システムをして、紙媒体上の手書き文書の全体を画像データ・ファイルとして読み込ませ、該画像データ・ファイルの中の特定の領域の画像データをテキスト・データに変換させるものであって、少なくとも、逆引き情報取得プロセスと機密情報追記処理プロセスとを含み、
    前記記憶装置は、リレーショナルデータベース(RDB)として、少なくとも、機密情報対応テーブル、書式定義テーブル、メインテーブル、文書管理テーブルを含み、
    前記機密情報対応テーブルは、
    少なくとも、メインキー・データと機密情報データとを1対1に関連付けて含み、
    前記書式定義テーブルは、
    少なくとも、書式IDデータと機密情報の領域情報データと逆引き情報の領域情報データとを相互に関連付けて含み、
    前記メインテーブルは、
    少なくとも、逆引き情報データとメインキー・データとを相互に関連付けて含み、
    前記文書管理テーブルは、
    少なくとも、書式IDデータと文書IDデータとを相互に関連付けて含む
    ことを特徴とし、
    前記逆引き情報取得プロセスは、
    機密情報自動追記システムが画像データ・ファイル、文書IDデータ、書式IDデータを受信し、
    領域情報データを、前記書式IDデータから、前記書式定義テーブルを参照しつつ、取得し、
    前記取得した領域情報データで特定された画像データ・ファイルの中の特定の領域内に含まれている逆引き情報の画像データをテキスト・データに変換し、該テキスト・データに変換された逆引き情報データから、前記メインテーブルを参照して、メインキー・データを取得し、
    前記取得した書式IDデータ、文書IDデータ、メインキー・データを、前記文書管理テーブルのそれぞれ対応する領域に格納するプロセスを含み、
    前記機密情報追記処理プロセスは、
    受信した文書IDデータから、前記文書管理テーブル、前記機密情報対応テーブルの順に参照して、機密情報データを取得すると共に、
    前記文書IDデータから、前記文書管理テーブル、前記書式定義テーブルの順に参照して、前記画像データ・ファイルの領域であって前記機密情報データを追加すべき領域(以下、「部分画像データ追加領域」)を特定する領域情報データを取得するプロセスを含む
    ことを特徴とする機密情報自動追記プロセス。
  10. 前記機密情報追記処理プロセスは、さらに、
    前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んで、前記画像データと前記機密情報データとを含む画像データ・ファイル(以下、「新画像データ・ファイル」)を作成するプロセスを含む、
    または
    前記取得した領域情報データで画定された部分画像データ追加領域内に前記特定した機密情報データを埋め込んだような外観を呈する画像データ・ファイルを作成するプロセスを含む
    ことを特徴とする請求項9記載の機密情報自動追記システム。
  11. 前記記憶装置が、リレーショナルデータベースとして、利用者制限テーブルを更に含み、該利用者制限テーブルは、利用者IDデータと、該利用者IDデータで特定される利用者が機密情報取扱権限を有する者であるか否かを示すデータ(以下、「機密情報取扱権限表示データ」)とを1対1に関連付けて含み、
    前記機密情報自動追記システムにアクセスするユーザーが機密情報取扱権限を有する者であるか否かを判断するプロセスを、更に、含む
    ことを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の機密情報自動追記プロセス。
  12. 更に、前記テキスト・データに変換された逆引き情報データを前記記憶装置内の対応するリレーショナルデータベースに格納する前に、変換前の逆引き情報の画像と、変換後の逆引き情報データとを、ユーザー端末の画面上に同時に表示するプロセスを含む
    ことを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の機密情報自動追記プロセス。

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