JP5939949B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP5939949B2
JP5939949B2 JP2012218815A JP2012218815A JP5939949B2 JP 5939949 B2 JP5939949 B2 JP 5939949B2 JP 2012218815 A JP2012218815 A JP 2012218815A JP 2012218815 A JP2012218815 A JP 2012218815A JP 5939949 B2 JP5939949 B2 JP 5939949B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
blood
chain hydrocarbon
hydrocarbon moiety
modifying agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012218815A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013081772A (ja
Inventor
野田 祐樹
祐樹 野田
央 橋野
央 橋野
竜也 田村
竜也 田村
中下 将志
将志 中下
和田 一郎
一郎 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Uni Charm Corp
Original Assignee
Uni Charm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Uni Charm Corp filed Critical Uni Charm Corp
Priority to JP2012218815A priority Critical patent/JP5939949B2/ja
Publication of JP2013081772A publication Critical patent/JP2013081772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5939949B2 publication Critical patent/JP5939949B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/53Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium
    • A61F13/534Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having an inhomogeneous composition through the thickness of the pad
    • A61F13/537Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having an inhomogeneous composition through the thickness of the pad characterised by a layer facilitating or inhibiting flow in one direction or plane, e.g. a wicking layer
    • A61F13/53743Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having an inhomogeneous composition through the thickness of the pad characterised by a layer facilitating or inhibiting flow in one direction or plane, e.g. a wicking layer characterised by the position of the layer relative to the other layers
    • A61F13/53747Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium having an inhomogeneous composition through the thickness of the pad characterised by a layer facilitating or inhibiting flow in one direction or plane, e.g. a wicking layer characterised by the position of the layer relative to the other layers the layer is facing the topsheet
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/51Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the outer layers
    • A61F13/511Topsheet, i.e. the permeable cover or layer facing the skin
    • A61F13/513Topsheet, i.e. the permeable cover or layer facing the skin characterised by its function or properties, e.g. stretchability, breathability, rewet, visual effect; having areas of different permeability
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61FFILTERS IMPLANTABLE INTO BLOOD VESSELS; PROSTHESES; DEVICES PROVIDING PATENCY TO, OR PREVENTING COLLAPSING OF, TUBULAR STRUCTURES OF THE BODY, e.g. STENTS; ORTHOPAEDIC, NURSING OR CONTRACEPTIVE DEVICES; FOMENTATION; TREATMENT OR PROTECTION OF EYES OR EARS; BANDAGES, DRESSINGS OR ABSORBENT PADS; FIRST-AID KITS
    • A61F13/00Bandages or dressings; Absorbent pads
    • A61F13/15Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators
    • A61F13/53Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium
    • A61F13/539Absorbent pads, e.g. sanitary towels, swabs or tampons for external or internal application to the body; Supporting or fastening means therefor; Tampon applicators characterised by the absorbing medium characterised by the connection of the absorbent layers with each other or with the outer layers

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー等では、長年積み重ねられてきた技術開発により基本的性能が向上し、以前と比較して、経血等の排泄物を吸収した後に、漏れ等が生ずることが少なくなってきており、現在は、さらなる高機能化、例えば、肌着に近い着用感を有すること、経血等の排泄物を吸収した後でもトップシートがサラサラしていること、粘度の高い経血を吸収した後であってもべたつき感がなく、トップシートがサラサラしていること等が求められる。また、着用者が、吸収性物品に対して信頼感を得られること、例えば、吸収性物品の交換の際に、吸収性物品が経血をしっかりと吸収したことが視認できることも求められている。
例えば、特許文献1には、肌当接面以外の部位に、糖アルキルエーテル及び糖脂肪酸エステルからなる群から選択される1種又は2種以上の界面活性剤を含有するセルロース系親水性繊維を含む吸収性物品が記載されている。
また、特許文献2には、ポリプロピレングリコール材料を含むローション組成物を、トップシートの内表面(着衣側の面)、バックシートの内表面(身体側の面)、トップシートの内表面及びバックシートの内表面の間の基材等に配置した吸収性物品が開示されている。
さらに、特許文献3には、ポリプロピレングリコール材料を含むローション組成物を、トップシートの外表面(身体側の面)に適用した吸収性物品が開示されている。
特開2008−029830号公報 特表2010−518918号公報 特表2011−510801号公報
しかし、特許文献1に記載の発明では、いわゆる界面活性剤を用いて、粘度の高い経血の粘度及び表面張力を変化させ、液の吸収速度を速くしようと試みられているが、その効果は十分ではなく、粘度の高い経血を吸収した後に、べたつき感がなく、トップシートにサラサラ感が得られるまでには至っていない。また、特許文献1に記載の発明では、界面活性剤の作用として、経血をトップシートに塗り拡げてしまう傾向があるため、経血を吸収した後に、トップシートの表面が赤く染まりやすい。従って、特許文献1に記載の吸収性物品は、経血を吸収したことを、着用者に視認させるような設計がなされていない。
また、特許文献2及び3に記載の発明に関して本願発明者が確認したところ、ポリプロピレングリコール材料は、その分子量によって吸収能が異なり、低分子量のポリプロピレングリコール材料では、血液を吸収した後にトップシートにべたつき感が残り且つ血液の赤さが残りやすくい傾向があることが明らかとなった。従って、特許文献2及び3に記載の吸収性物品は、経血を吸収したことが、着用者に視認させるような設計がなされていない。
従って、本発明は、交換時に、吸収性物品が経血を吸収し、吸収体の内部に経血を保持していることを視認できることにより、着用者が安心感を得ることができる吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、液透過性のトップシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及び吸収体の間のセカンドシートとを有する吸収性物品であって、液滴下試験において、[1]上記トップシート及びセカンドシートの液残存率が、3.0質量%以下であり、そして[2]上記トップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長が、上記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長よりも短いことを特徴とする吸収性物品により、上記課題を解決できることを見出した。
本発明の吸収性物品は、交換時に、吸収性物品が経血を吸収し、吸収体の内部に経血を保持していることを視認できるので、着用者が安心感を得ることができる。
図1は、例2において、トップシートが血液改質剤を含む範囲を示す図である。 図2は、トップシートがトリC2L油脂肪酸グリセリドを含む生理用ナプキンにおける、トップシートの肌当接面の電子顕微鏡写真である。 図3は、血液改質剤を含む又は含まない経血の顕微鏡写真である。 図4は、表面張力の測定方法を説明するための図である。
本開示の吸収性物品について、以下、詳細に説明する。
[吸収性物品]
本開示の吸収性物品は、液滴下試験において、以下の特性を有する。
[1]トップシート及びセカンドシートの液残存率が、約3.0質量%以下である。
[2]トップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長が、吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長よりも短い。
本願発明者は、種々の検討により、ナプキン交換時に、トップシートの表面に残留した経血の赤さ(液残存率)が少ないほど、そしてトップシートの肌当接面に広がる経血の拡散長が、バックシートの着衣側の面に広がる経血の拡散長よりも短いほど、吸収性物品の性能の高さを認識し、吸収性物品に対して安心感を得る傾向があることを見出した。
すなわち、着用者は、心理的に、トップシートの肌当接面の経血の液残存率が少ないほど、そしてトップシートの肌当接面の経血の拡散長が、バックシートの着衣側の面に広がる経血の拡散長より短いほど、排出された経血が肌から遠くに離れ、肌に負担が掛かりにくい良品であると判断すると考えられる。
本明細書において、「液滴下試験」は、以下の手順で実施される。
(1)吸収性物品の中央且つ高さ10mmの位置にピペットの先端が位置するように、先端の内径が1.2mmのピペットを固定する。
(2)ピペット内に、37±1℃のウマEDTA血1.0gを充填する。
(3)あらかじめトップシート、セカンドシート及び吸収体の質量を測定し、吸収体、セカンドシート、及びトップシートの順で重ね合わせ、クリップ等により固定することにより形成した吸収性物品を、吸収性物品の中央が、ピペットの真下になるようにセットする。なお、吸収体の下に、バックシートを置いてもよい。
(4)ピペットから、ウマEDTA血を、100g/分の速度で滴下する。
液残存率に関しては、(4)に続いて、以下の手順を実施する。
(5)滴下1分後、各資材を分離し、各資材の質量を測定し、液残存率を、以下の式:
液残存率(質量%)
=100×(試験後の資材質量(g)−当初の資材質量(g))/1.0(g)
に従って算出する。
測定は、5回行い、その平均値を採用する。
液拡散長に関しては、(4)に続いて、以下の手順を実施する。
(5’)滴下1分後、物差しを用いて、トップシートの肌当接面と、吸収体の着衣側の面の経血の拡散性を、吸収性物品の長手方向と、長手方向と直交する幅方向との両方で測定する。
(6)測定は、5回行い、その平均値を採用する。
なお、本明細書において、「トップシートの肌当接面」は、トップシートの、着用者の肌と接する面を意味し、そして「吸収体の着衣側の面」は、吸収体の、着衣側の面、すなわち、バックシート側の面を意味する。
上記試験は、20℃の恒温室で実施する。
なお、吸収性物品の中央は、その長手方向の中心且つ幅方向の中心を意味する。
ウマEDTA血は、凝結防止のため、エチレンジアミン四酢酸が添加されたウマの血液である。
上記トップシート及びセカンドシートの液残存率は、約3.0質量%以下であり、約2.5質量%以下であることが好ましく、約2.0質量%以下であることがより好ましく、約1.5質量%以下であることがさらに好ましく、そして約1.2質量%以下であることが最も好ましい。
例えば、トップシートの液残存率が低いことは、トップシートに血液があまり存在せず、セカンドシート及び/又は吸収体に大部分の血液を移行させたことを意味し、そしてトップシート及びセカンドシートの液残存率が低いことは、トップシート及びセカンドシートに血液があまり存在せず、吸収体に大部分の血液を移行させたことを意味する。
本開示の吸収性物品において、トップシート及びセカンドシートの両方の液残存率が上記範囲にあることにより、着用中に体圧が加わったとしても、経血の逆戻りを低減できるため、べたつき感がなく、サラサラ感を得ることができる。また、使用済みの吸収性物品を交換する際に、トップシートの肌当接面に経血がほとんど残存していないため、着用者が安心感を得ることができる。
トップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長は、吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長の約90%以下であることがより好ましく、約80%以下であることがさらに好ましく、約70%以下であることがさらに好ましく、そして約60%以下であることが最も好ましい。
本開示の吸収性物品の長手方向の液拡散長が上記範囲内にあることにより、着用者は、吸収した経血が、肌から遠い部分、すなわち吸収体に達し、保持されていることを視認することができるので、安心感を得ることができる。
同様の理由により、トップシートの肌当接面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長は、吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長よりも短いことが好ましく、そしてトップシートの肌当接面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長は、吸収体の着衣側の面の約90%以下であることがより好ましく、約80%以下であることがさらに好ましく、約70%以下であることがさらに好ましく、そして約60%以下であることが最も好ましい。
吸収性物品の長手方向の液拡散長を測定する場合には、液拡散長は、以下のように測定することができる。
(1)ウマEDTA血が拡散した領域のうち、最も前方よりの端部(端部1)と、最も後方よりの端部(端部2)とにマーキングする。
(2)端部1と、端部2との間の、吸収性物品の長手方向の長さを測定する。
なお、ウマEDTA血が拡散した領域が1つの場合と、複数に分かれている場合とを区別せず、2つの端部間の吸収性物品の長手方向の長さを測定する。
また、吸収性物品の幅方向の液拡散長を測定する場合には、液拡散長は、以下のように測定することができる。
(1)ウマEDTA血が拡散した領域のうち、最も右側の端部(端部1)と、最も左側の端部(端部2)とにマーキングする。
(2)端部1と、端部2との間の、吸収性物品の幅方向の長さを測定する。
なお、ウマEDTA血が拡散した領域が1つの場合と、複数に分かれている場合とを区別せず、2つの端部間の吸収性物品の幅方向の長さを測定する。
吸収性物品が、上記所定の液残存率と、所定の液拡散長とを達成するための手段の1つとして、上記トップシート及びセカンドシートが、約0.00〜約0.60のIOBと、約45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜約0.05gの水溶解度と、約1,000未満の重量平均分子量とを有する血液改質剤を含むことが挙げられる。以下、血液改質剤について詳細に説明する。
[血液改質剤]
IOB(Inorganic Organic Balance)は、親水性及び親油性のバランスを示す指標であり、本明細書では、小田らによる次式:
IOB=無機性値/有機性値
により算出される値を意味する。
上記無機性値と、有機性値とは、藤田穆「有機化合物の予測と有機概念図」化学の領域Vol.11,No.10(1957)p.719−725)に記載される有機概念図に基づく。
藤田氏による、主要な基の有機性値及び無機性値を、下記表1にまとめる。
例えば、炭素数14のテトラデカン酸と、炭素数12のドデシルアルコールとのエステルの場合には、有機性値が520(CH2,20×26個)、無機性値が60(−COOR,60×1個)となるため、IOB=0.12となる。
上記血液改質剤において、IOBは、約0.00〜約0.60であり、約0.00〜約0.50であることが好ましく、約0.00〜約0.40であることがより好ましく、そして約0.00〜約0.30であることがさらに好ましい。IOBが低いほど、有機性が高く、血球との親和性が高くなると考えられるからである。
本明細書において、「融点」は、示差走査熱量分析計において、昇温速度10℃/分で測定した場合の、固形状から液状に変化する際の吸熱ピークのピークトップ温度を意味する。上記融点は、例えば、島津製作所社製のDSC−60型DSC測定装置を用い、昇温速度10℃/分で測定することができる。
上記血液改質剤は、約45℃以下の融点を有すれば、室温で液体であっても、又は固体であってもよい、すなわち、融点が約25℃以上でも、又は約25℃未満でもよく、そして例えば、約−5℃、約−20℃等の融点を有することができる。上記血液改質剤の融点が約45℃以下である根拠は、後述する。
上記血液改質剤は、その融点に下限は存在しないが、その蒸気圧が低いことが好ましい。上記血液改質剤の蒸気圧は、25℃(1気圧)で約0〜約200Paであることが好ましく、約0〜約100Paであることがより好ましく、約0〜約10Paであることがさらに好ましく、約0〜約1Paであることがさらにいっそう好ましく、そして約0.0〜約0.1Paであることがさらにいっそう好ましい。
本開示の吸収性物品が、人体に接して用いられることを考慮すると、上記蒸気圧は、40℃(1気圧)で約0〜約700Paであることが好ましく、約0〜約100Paであることがより好ましく、そして約0〜約10Paであることがさらに好ましく、約0〜約1Paであることがさらにいっそう好ましく、そして約0.0〜約0.1Paであることがさらにいっそう好ましい。蒸気圧が高いと、保存中に気化し、血液改質剤の量の減少、着用時の臭気等の問題が発生する場合があるからである。
また、血液改質剤の融点を、気候、着用時間の長さ等に応じて、使い分けることができる。例えば、平均気温が約10℃以下の地域では、約10℃以下の融点を有する血液改質剤を採用することにより、経血が排泄された後、周囲温度によって冷却された場合であっても、血液改質剤が、安定して血液を改質することができると考えられる。
また、吸収性物品が長時間にわたって使用される場合には、血液改質剤の融点は、約45℃以下の範囲で高い方が好ましい。汗、着用時の摩擦等の影響を受けにくく、長時間着用した場合であっても、血液改質剤が移動しにくいからである。
0.00〜0.05gの水溶解度は、25℃において、100gの脱イオン水に、0.05gの試料を添加して24時間静置し、24時間後に、必要に応じて軽く攪拌し、試料が溶解したか否かにより判断することができる。
なお、本明細書では、水溶解度に関して、「溶解」には、試料が脱イオン水に完全に溶解し、均一混合物を形成した場合と、試料が完全にエマルション化した場合とが含まれる。なお、「完全」とは、脱イオン水に、試料の塊が存在しないことを意味する。
当技術分野では、血液の表面張力等を変化させ、血液を迅速に吸収することを目的として、トップシートの表面を、界面活性剤でコーティングすることが行われている。しかし、界面活性剤は、一般に水溶解度が高いため、界面活性剤がコーティングされたトップシートは、血液中の親水性成分(血漿等)となじみがよく、むしろ血液をトップシートに残存させるようにはたらく傾向がある。上記血液改質剤は、水溶解度が低いため、従来公知の界面活性剤と異なり、血液をトップシートに残存させず、迅速に吸収体に移行させることができると考えられる。
本明細書において、25℃における、100gの水に対する溶解度を、単に、「水溶解度」と称する場合がある。
上記血液改質剤は、約0.00gの水溶解度を有することができる。従って、上記血液改質剤において、上記水溶解度の下限は、約0.00gである。
上記血液改質剤は、約1,000未満の重量平均分子量を有し、好ましくは、約900未満の重量平均分子量を有する。上記重量平均分子量が約1,000以上であると、血液改質剤そのものにタック性が生じ、着用者に不快感を与える傾向があるからである。また、重量平均分子量が高くなると、血液改質剤の粘度が高くなる傾向があるため、加温により、血液改質剤の粘度を、塗工に適した粘度に下げることが難しくなる。その結果、血液改質剤を、溶媒で希釈しなければならない場合が生ずる。
上記血液改質剤は、約100以上の重量平均分子量を有することが好ましく、そして約200以上の重量平均分子量を有することがより好ましい。上記重量平均分子量が小さくなると、蒸気圧が高くなり、保存中に気化し、血液改質剤の量の減少、着用時の臭気等の問題が発生する場合があるからである。
なお、本明細書において、「重量平均分子量」は、多分散系の化合物(例えば、逐次重合により製造された化合物、複数の脂肪酸と、複数の脂肪族1価アルコールとから生成されたエステル)と、単一化合物(例えば、1種の脂肪酸と、1種の脂肪族1価アルコールから生成されたエステル)とを含む概念であり、Ni個の分子量Miの分子(i=1、又はi=1,2・・・)からなる系において、次の式:
w=ΣNii 2/ΣNii
により求められるMwを意味する。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる、ポリスチレン換算の値を意味する。
GPCの測定条件としては、例えば、以下が挙げられる。
機種:(株)日立ハイテクノロジーズ製 高速液体クロマトグラム Lachrom Elite
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF−801、KF−803及びKF−804
溶離液:THF
流量 :1.0mL/分
打込み量:100μL
検出:RI(示差屈折計)
なお、本明細書の実施例に記載される重量平均分子量は、上記条件により測定したものである。
上記血液改質剤は、好ましくは、次の(i)〜(iii)、
(i)炭化水素、
(ii) (ii−1)炭化水素部分と、(ii−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、及び
(iii) (iii−1)炭化水素部分と、(iii−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基と、(iii−3)上記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。
本明細書において、「炭化水素」は、炭素と水素とから成る化合物を意味し、鎖状炭化水素、例えば、パラフィン系炭化水素(二重結合及び三重結合を含まない、アルカンとも称される)、オレフィン系炭化水素(二重結合を1つ含む、アルケンとも称される)、アセチレン系炭化水素(三重結合を1つ含む、アルキンとも称される)、及び二重結合及び三重結合から成る群から選択される結合を2つ以上含む炭化水素、並びに環状炭化水素、例えば、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素が挙げられる。
上記炭化水素としては、鎖状炭化水素及び脂環式炭化水素であることが好ましく、鎖状炭化水素であることがより好ましく、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素、及び二重結合を2つ以上含む炭化水素(三重結合を含まない)であることがさらに好ましく、そしてパラフィン系炭化水素であることが最も好ましい。
上記鎖状炭化水素には、直鎖状炭化水素及び分岐鎖状炭化水素が含まれる。
上記(ii)及び(iii)の化合物において、オキシ基(−O−)が2つ以上挿入されている場合には、各オキシ基(−O−)同士は隣接していない。従って、上記(ii)及び(iii)の化合物には、オキシ基が連続する化合物(いわゆる、過酸化物)は含まれない。
また、上記(iii)の化合物では、炭化水素部分の少なくとも1つの水素原子が、カルボキシル基(−COOH)で置換された化合物よりも、炭化水素部分の少なくとも1つの水素原子が、ヒドロキシル基(−OH)で置換された化合物の方が好ましい。表1に示すように、カルボキシル基は、経血中の金属等と結合し、無機性値が150から、400以上へと大幅に上昇するため、カルボキシル基を有する血液改質剤は、使用時にIOBの値が約0.60を上回り、血球との親和性が低下する可能性があるからである。
上記血液改質剤は、より好ましくは、次の(i’)〜(iii’)、
(i’)炭化水素、
(ii’) (ii’−1)炭化水素部分と、(ii’−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合とを有する化合物、及び
(iii’) (iii’−1)炭化水素部分と、(iii’−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合と、(iii’−3)上記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、
並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。
上記(ii’)及び(iii’)の化合物において、2以上の同一又は異なる結合が挿入されている場合、すなわち、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)及びエーテル結合(−O−)から選択される2以上の同一又は異なる結合が挿入されている場合には、各結合は隣接しておらず、各結合の間には、少なくとも、炭素原子が1つ介在する。
上記血液改質剤は、さらに好ましくは、次の(A)〜(F)、
(A) (A1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル、
(B) (B1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル、
(C) (C1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル、
(D)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、エーテル結合(−O−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、及びカーボネート結合(−OCOO−)から成る群から選択されるいずれか1つとを有する化合物、
(E)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル、及び
(F)鎖状炭化水素、
並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。
以下、(A)〜(F)に従う血液改質剤について詳細に説明する。
[(A) (A1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル]
(A) (A1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル(以下、「化合物(A)」と称する場合がある)は、上述のIOB、融点及び水溶解度を有する限り、全てのヒドロキシル基がエステル化されていなくともよい。
(A1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(A1)」と称する場合がある)としては、例えば、鎖状炭化水素テトラオール、例えば、アルカンテトラオール、例えば、ペンタエリトリトール、鎖状炭化水素トリオール、例えば、アルカントリオール、例えば、グリセリン、及び鎖状炭化水素ジオール、例えば、アルカンジオール、例えば、グリコールが挙げられる。
(A2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(A2)」と称する場合がある)としては、例えば、炭化水素上の1つの水素原子が、1つのカルボキシル基(−COOH)で置換された化合物、例えば、脂肪酸が挙げられる。
化合物(A)としては、例えば、(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、及び(a3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルが挙げられる。
[(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
上記鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルとしては、例えば、次の式(1):
のペンタエリトリトールと脂肪酸とのテトラエステル、次の式(2):
のペンタエリトリトールと脂肪酸とのトリエステル、次の式(3):
のペンタエリトリトールと脂肪酸とのジエステル、次の式(4):
のペンタエリトリトールと脂肪酸とのモノエステルが挙げられる。
(式中、R1〜R4は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステルを構成する脂肪酸(R1COOH、R2COOH,R3COOH,及びR4COOH)としては、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステルが、上記IOB、融点及び水溶解度の要件を満たすものであれば、特に制限されないが、例えば、飽和脂肪酸、例えば、C2〜C30の飽和脂肪酸、例えば、酢酸(C2)(C2は、炭素数を示し、R1C、R2C,R3C又はR4Cの炭素数に相当する、以下同じ)、プロパン酸(C3)、ブタン酸(C4)及びその異性体、例えば、2−メチルプロパン酸(C4)、ペンタン酸(C5)及びその異性体、例えば、2−メチルブタン酸(C5)、2,2−ジメチルプロパン酸(C5)、ヘキサン酸(C6)、ヘプタン酸(C7)、オクタン酸(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキサン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ドデカン酸(C12)、テトラデカン酸(C14)、ヘキサデカン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、オクタデカン酸(C18)、エイコサン酸(C20)、ドコサン酸(C22)、テトラコサン酸(C24)、ヘキサコサン酸(C26)、オクタコサン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等、並びにこれらの異性体(上述のものを除く)が挙げられる。
上記脂肪酸はまた、不飽和脂肪酸であることができる。上記不飽和脂肪酸としては、例えば、C3〜C20の不飽和脂肪酸、例えば、モノ不飽和脂肪酸、例えば、クロトン酸(C4)、ミリストレイン酸(C14)、パルミトレイン酸(C16)、オレイン酸(C18)、エライジン酸(C18)、バクセン酸(C18)、ガドレイン酸(C20)、エイコセン酸(C20)等、ジ不飽和脂肪酸、例えば、リノール酸(C18)、エイコサジエン酸(C20)等、トリ不飽和脂肪酸、例えば、リノレン酸、例えば、α-リノレン酸(C18)及びγ-リノレン酸(C18)、ピノレン酸(C18)、エレオステアリン酸、例えば、α-エレオステアリン酸(C18)及びβ-エレオステアリン酸(C18)、ミード酸(C20)、ジホモ-γ-リノレン酸(C20)、エイコサトリエン酸(C20)等、テトラ不飽和脂肪酸、例えば、ステアリドン酸(C20)、アラキドン酸(C20)、エイコサテトラエン酸(C20)等、ペンタ不飽和脂肪酸、例えば、ボセオペンタエン酸(C18)、エイコサペンタエン酸(C20)等、並びにこれらの部分水素付加物が挙げられる。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステルとしては、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸に由来する、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステル、すなわち、ペンタエリトリトールと飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
また、上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステルとしては、IOBを小さくし、より疎水性とするために、ジエステル、トリエステル又はテトラエステルであることが好ましく、トリエステル又はテトラエステルであることがより好ましく、そしてテトラエステルであることが最も好ましい。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのテトラエステルでは、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのテトラエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、上記式(1)において、R1C、R2C、R3C及びR4C部分の炭素数の合計が15の場合にIOBが0.60となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのテトラエステルでは、上記炭素数の合計が約15以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのテトラエステルでは、例えば、ペンタエリトリトールと、ヘキサン酸(C6)、ヘプタン酸(C7)、オクタン酸(C8)、例えば、2−エチルヘキサン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)及び/又はドデカン酸(C12)とのテトラエステルが挙げられる。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのトリエステルでは、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのトリエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、上記式(2)において、R1C、R2C及びR3C部分の炭素数の合計が19の場合にIOBが0.58となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのトリエステルでは、脂肪酸の炭素数の合計が約19以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのジエステルでは、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのジエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、上記式(3)において、R1C及びR2C部分の炭素数の合計が22の場合にIOBが0.59となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのジエステルでは、脂肪酸の炭素数の合計が約22以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのモノエステルでは、ペンタエリトリトールと脂肪酸とのモノエステルを構成する脂肪酸の炭素数、すなわち、上記式(4)において、R1C部分の炭素数が25の場合にIOBが0.60となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのモノエステルでは、脂肪酸の炭素数が約25以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
なお、上記計算に当たっては、二重結合、三重結合、iso分岐、及びtert分岐の影響は、考慮していない。
上記ペンタエリトリトールと脂肪酸とのエステルの市販品としては、ユニスター H−408BRS、H−2408BRS−22(混合品)等(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
[(a2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
上記鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルとしては、例えば、次の式(5):
のグリセリンと脂肪酸とのトリエステル、次の式(6):
のグリセリンと脂肪酸とのジエステル、及び次の式(7):
(式中、R5〜R7は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
のグリセリンと脂肪酸とのモノエステルが挙げられる。
上記グリセリンと脂肪酸とのエステルを構成する脂肪酸(R5COOH、R6COOH及びR7COOH)としては、グリセリンと脂肪酸とのエステルが、上記IOB、融点及び水溶解度の要件を満たすものであれば、特に制限されず、例えば、「(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル」において列挙される脂肪酸、すなわち、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が挙げられ、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸に由来する、グリセリンと脂肪酸とのエステル、すなわち、グリセリンと飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
また、上記グリセリンと脂肪酸とのエステルとしては、IOBを小さくし、より疎水性とするために、ジエステル又はトリエステルであることが好ましく、そしてトリエステルであることがより好ましい。
上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルは、トリグリセリドとも称され、例えば、グリセリンとオクタン酸(C8)とのトリエステル、グリセリンとデカン酸(C10)とのトリエステル、グリセリンとドデカン酸(C12)とのトリエステル、及びグリセリンと、2種又は3種の脂肪酸とのトリエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
上記グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのトリエステルとしては、例えば、グリセリンと、オクタン酸(C8)及びデカン酸(C10)とのトリエステル、グリセリンと、オクタン酸(C8)、デカン酸(C10)及びドデカン酸(C12)とのトリエステル、グリセリンと、オクタン酸(C8)、デカン酸(C10)、ドデカン酸(C12)、テトラデカン酸(C14)、ヘキサデカン酸(C16)及びオクタデカン酸(C18)とのトリエステル等が挙げられる。
上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルとしては、融点を約45℃以下とするために、グリセリンと脂肪酸とのトリエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、式(5)において、R5C、R6C及びR7C部分の炭素数の合計が、約40以下であることが好ましい。
また、上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルでは、グリセリンと脂肪酸とのトリエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、式(5)において、R5C、R6C及びR7C部分の炭素数の合計が12の場合にIOBが0.60となる。従って、上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルでは、脂肪酸の炭素数の合計が約12以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルは、いわゆる、脂肪であり、人体を構成しうる成分であるため、安全性の観点から好ましい。
上記グリセリンと脂肪酸とのトリエステルの市販品としては、トリヤシ油脂肪酸グリセリド、NA36、パナセート800、パナセート800B及びパナセート810S、並びにトリC2L油脂肪酸グリセリド及びトリCL油脂肪酸グリセリド(以上、日油株式会社製)等が挙げられる。
上記グリセリンと脂肪酸とのジエステルは、ジグリセリドとも称され、例えば、グリセリンとデカン酸(C10)とのジエステル、グリセリンとドデカン酸(C12)とのジエステル、グリセリンとヘキサデカン酸(C16)とのジエステル、及びグリセリンと、2種の脂肪酸とのジエステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
上記グリセリンと脂肪酸とのジエステルでは、グリセリンと脂肪酸とのジエステルを構成する脂肪酸の炭素数の合計、すなわち、式(6)において、R5C及びR6C部分の炭素数の合計が16の場合にIOBが0.58となる。従って、上記グリセリンと脂肪酸とのジエステルでは、脂肪酸の炭素数の合計が約16以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記グリセリンと脂肪酸とのモノエステルは、モノグリセリドとも称され、例えば、グリセリンのエイコサン酸(C20)モノエステル、グリセリンのドコサン酸(C22)モノエステル等が挙げられる。
上記グリセリンと脂肪酸とのモノエステルでは、グリセリンと脂肪酸とのモノエステルを構成する脂肪酸の炭素数、すなわち、式(7)において、R5C部分の炭素数が19の場合にIOBが0.59となる。従って、上記グリセリンと脂肪酸とのモノエステルでは、脂肪酸の炭素数が約19以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
[(a3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
上記鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルとしては、例えば、C2〜C6の鎖状炭化水素ジオール、例えば、C2〜C6のグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール又はヘキシレングリコールと、脂肪酸とのモノエステル又はジエステルが挙げられる。
具体的には、上記鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルとしては、例えば、次の式(8):
8COOCk2kOCOR9 (8)
(式中、kは、2〜6の整数であり、そしてR8及びR9は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
のC2〜C6グリコールと脂肪酸とのジエステル、及び次の式(9):
8COOCk2kOH (9)
(式中、kは、2〜6の整数であり、そしてR8は、鎖状炭化水素である)
のC2〜C6グリコールと脂肪酸とのモノエステルが挙げられる。
上記C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルにおいて、エステル化すべき脂肪酸(式(8)及び式(9)において、R8COOH及びR9COOHに相当する)としては、C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルが、上記IOB、融点及び水溶解度の要件を満たすものであれば、特に制限されず、例えば、「(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル」において列挙されている脂肪酸、すなわち、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸が挙げられ、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸が好ましい。
式(8)に示されるブチレングリコール(k=4)と脂肪酸とのジエステルでは、R8C及びR9C部分の炭素数の合計が6の場合に、IOBが、0.60となる。従って、式(8)に示されるブチレングリコール(k=4)と脂肪酸とのジエステルでは、上記炭素数の合計が約6以上の場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。また、式(9)に示されるエチレングリコール(k=2)と脂肪酸とのモノエステルでは、R8C部分の炭素数が12の場合に、IOBが0.57となる。従って、式(9)に示されるエチレングリコール(k=2)と脂肪酸とのモノエステルでは、脂肪酸の炭素数が約12以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルとしては、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸に由来する、C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステル、すわなち、C2〜C6グリコールと飽和脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
また、上記C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルとしては、IOBを小さくし、より疎水性とするために、炭素数の大きいグリコールに由来する、グリコールと脂肪酸とのエステル、例えば、ブチレングリコール、ペンチレングリコール又はヘキシレングリコールに由来するグリコールと脂肪酸とのエステルであることが好ましい。
さらに、上記C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルとしては、IOBを小さくし、より疎水性とするために、ジエステルであることが好ましい。
上記C2〜C6グリコールと脂肪酸とのエステルの市販品としては、例えば、コムポールBL、コムポールBS(以上、日油株式会社製)等が挙げられる。
[(B) (B1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル]
(B) (B1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル(以下、「化合物(B)」と称する場合がある)は、上述のIOB、融点及び水溶解度を有する限り、全てのヒドロキシル基がエーテル化されていなくともよい。
(B1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(B1)」と称する場合がある)としては、「化合物(A)」において化合物(A1)として列挙されるもの、例えば、ペンタエリトリトール、グリセリン、及びグリコールが挙げられる。
(B2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物(以下、「化合物(B2)」と称する場合がある)としては、例えば、炭化水素の1個の水素原子が、1個のヒドロキシル基(−OH)で置換された化合物、例えば、脂肪族1価アルコール、例えば、飽和脂肪族1価アルコール及び不飽和脂肪族1価アルコールが挙げられる。
上記飽和脂肪族1価アルコールとしては、例えば、C1〜C20の飽和脂肪族1価アルコール、例えば、メチルアルコール(C1)(C1は、炭素数を示す、以下同じ)、エチルアルコール(C2)、プロピルアルコール(C3)及びその異性体、例えば、イソプロピルアルコール(C3)、ブチルアルコール(C4)及びその異性体、例えば、sec−ブチルアルコール(C4)及びtert−ブチルアルコール(C4)、ペンチルアルコール(C5)、ヘキシルアルコール(C6)、ヘプチルアルコール(C7)、オクチルアルコール(C8)及びその異性体、例えば、2−エチルヘキシルアルコール(C8)、ノニルアルコール(C9)、デシルアルコール(C10)、ドデシルアルコール(C12)、テトラデシルアルコール(C14)、ヘキサデシルアルコール(C16)、へプラデシルアルコール(C17)、オクタデシルアルコール(C18)、及びエイコシルアルコール(C20)、並びにこれらの列挙されていない異性体が挙げられる。
上記不飽和脂肪族1価アルコールとしては、上記飽和脂肪族1価アルコールのC−C単結合の1つを、C=C二重結合で置換したもの、例えば、オレイルアルコールが挙げられ、例えば、新日本理化株式会社から、リカコールシリーズ及びアンジェコオールシリーズの名称で市販されている。
化合物(B)としては、例えば、(b1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、例えば、モノエーテル、ジエーテル、トリエーテル及びテトラエーテル、好ましくはジエーテル、トリエーテル及びテトラエーテル、より好ましくはトリエーテル及びテトラエーテル、そしてさらに好ましくはテトラエーテル、(b2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、例えば、モノエーテル、ジエーテル及びトリエーテル、好ましくはジエーテル及びトリエーテル、そしてより好ましくはトリエーテル、並びに(b3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、例えば、モノエーテル及びジエーテル、そして好ましくはジエーテルが挙げられる。
上記鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテルとしては、例えば、次の式(10)〜(13):
(式中、R10〜R13は、それぞれ、鎖状炭化水素である。)
の、ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのテトラエーテル、トリエーテル、ジエーテル及びモノエーテルが挙げられる。
上記鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテルとしては、例えば、次の式(14)〜(16):
(式中、R14〜R16は、それぞれ、鎖状炭化水素である。)
の、グリセリンと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのトリエーテル、ジエーテル及びモノエーテルが挙げられる。
上記鎖状炭化水素ジオールと脂肪族1価アルコールとのエーテルとしては、次の式(17):
17OCn2nOR18 (17)
(式中、nは、2〜6の整数であり、そしてR17及びR18は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
のC2〜C6グリコールと脂肪族1価アルコールとのジエーテル、及び次の式(18):
17OCn2nOH (18)
(式中、nは、2〜6の整数であり、そしてR17は、鎖状炭化水素である)
のC2〜C6グリコールと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルが挙げられる。
上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのテトラエーテルでは、ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのテトラエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、上記式(10)において、R10、R11、R12及びR13部分の炭素数の合計が4の場合にIOBが0.44となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのテトラエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が約4以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルでは、ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、上記式(11)において、R10、R11及びR12部分の炭素数の合計が9の場合にIOBが0.57となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が約9以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのジエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、上記式(12)において、R10及びR11部分の炭素数の合計が15の場合にIOBが0.60となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が約15以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数、すなわち、上記式(13)において、R10部分の炭素数が22の場合にIOBが0.59となる。従って、上記ペンタエリトリトールと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数が約22以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
また、上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルでは、グリセリンと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、式(14)において、R14、R15及びR16部分の炭素数の合計が3の場合にIOBが0.50となる。従って、上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのトリエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が約3以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、グリセリンと脂肪族1価アルコールとのジエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、式(15)において、R14及びR15部分の炭素数の合計が9の場合にIOBが0.58となる。従って、上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が約9以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、グリセリンと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数、すなわち、式(16)において、R14部分の炭素数が16の場合にIOBが0.58となる。従って、上記グリセリンと脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数が約16以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
式(17)に示されるブチレングリコール(n=4)と脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、R17及びR18部分の炭素数の合計が2の場合に、IOBが、0.33となる。従って、式(17)に示されるブチレングリコール(n=4)と脂肪族1価アルコールとのジエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数の合計が2以上の場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。また、式(18)に示されるエチレングリコール(n=2)と脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、R17部分の炭素数が8の場合に、IOBが0.60となる。従って、式(18)に示されるエチレングリコール(n=2)と脂肪族1価アルコールとのモノエーテルでは、脂肪族1価アルコールの炭素数が約8以上である場合に、IOBが約0.00〜約0.60の要件を満たす。
化合物(B)としては、化合物(B1)と、化合物(B2)とを、酸触媒の存在下で、脱水縮合することにより生成することができる。
[(C) (C1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル]
(C) (C1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル(以下、「化合物(C)」と称する場合がある)は、上述のIOB、融点及び水溶解度を有する限り、全てのカルボキシル基がエステル化されていなくともよい。
(C1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸(以下、「化合物(C1)」と称する場合がある)としては、例えば、2〜4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素カルボン酸、例えば、鎖状炭化水素ジカルボン酸、例えば、アルカンジカルボン酸、例えば、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸及びデカン二酸、鎖状炭化水素トリカルボン酸、例えば、アルカントリカルボン酸、例えば、プロパン三酸、ブタン三酸、ペンタン三酸、ヘキサン三酸、ヘプタン三酸、オクタン三酸、ノナン三酸及びデカン三酸、並びに鎖状炭化水素テトラカルボン酸、例えば、アルカンテトラカルボン酸、例えば、ブタン四酸、ペンタン四酸、ヘキサン四酸、ヘプタン四酸、オクタン四酸、ノナン四酸及びデカン四酸が挙げられる。
また、化合物(C1)には、2〜4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ヒドロキシ酸、例えば、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸等、2〜4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素アルコキシ酸、例えば、O−アセチルクエン酸、及び2〜4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素オキソ酸が含まれる。
(C2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物としては、「化合物(B)」で列挙されるもの、例えば、脂肪族1価アルコールが挙げられる。
化合物(C)としては、(c1)4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素テトラカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、例えば、モノエステル、ジエステル、トリエステル及びテトラエステル、好ましくはジエステル、トリエステル及びテトラエステル、より好ましくはトリエステル及びテトラエステル、そしてさらに好ましくはテトラエステル、(c2)3個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素トリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、例えば、モノエステル、ジエステル及びトリエステル、好ましくはジエステル及びトリエステル、そしてより好ましくはトリエステル、並びに(c3)2個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ジカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、例えば、モノエステル及びジエステル、好ましくはジエステルが挙げられる。
化合物(C)の例としては、アジピン酸ジオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリブチル、O−アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられ、そして市販されている。
[(D)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、エーテル結合(−O−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、及びカーボネート結合(−OCOO−)から成る群から選択されるいずれか1つとを有する化合物]
(D)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、エーテル結合(−O−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、及びカーボネート結合(−OCOO−)から成る群から選択されるいずれか1つとを有する化合物(以下、「化合物(D)」と称する場合がある)としては、(d1)脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテル、(d2)ジアルキルケトン、(d3)脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル、(d4)ジアルキルカーボネートが挙げられる。
[(d1)脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテル]
上記脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテルとしては、次の式(19):
19OR20 (19)
(式中、R19及びR20は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
を有する化合物が挙げられる。
上記エーテルを構成する脂肪族1価アルコール(式(19)において、R19OH及びR20OHに相当する)としては、上記エーテルが、上記IOB、融点及び水溶解度の要件を満たすものであれば、特に制限されず、例えば、「化合物(B)」の項で列挙される脂肪族1価アルコールが挙げられる。
脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテルでは、当該エーテルを構成する脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、上記式(19)において、R19及びR20部分の炭素数の合計が2の場合にIOBが0.50となるため、当該炭素数の合計が約2以上であれば、上記IOBの要件を満たす。しかし、上記炭素数の合計が6程度では、水溶解度が約2gと高く、蒸気圧の観点からも問題がある。水溶解度が約0.00〜約0.05gの要件を満たすためには、上記炭素数の合計が約8以上であることが好ましい。
[(d2)ジアルキルケトン]
上記ジアルキルケトンとしては、次の式(20):
21COR22 (20)
(式中、R21及びR22は、それぞれ、アルキル基である)
を有する化合物が挙げられる。
上記ジアルキルケトンでは、R21及びR22の炭素数の合計が5の場合にIOBが0.54となるため、当該炭素数の合計が約5以上であれば、上記IOBの要件を満たす。しかし、上記炭素数の合計が5程度では、水溶解度が約2gと高い。従って、水溶解度が約0.00〜約0.05gの要件を満たすためには、上記炭素数の合計が約8以上であることが好ましい。また、蒸気圧を考慮すると、上記炭素数は、約10以上であることが好ましく、そして約12以上であることが好ましい。
なお、上記炭素数の合計が約8の場合、例えば、5−ノナノンでは、融点は約−50℃であり、蒸気圧は20℃で約230Paである。
上記ジアルキルケトンは、市販されている他、公知の方法、例えば、第二級アルコールを、クロム酸等で酸化することにより得ることができる。
[(d3)脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル]
上記脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステルとしては、例えば、次の式(21):
23COOR24 (21)
(式中、R23及びR24は、それぞれ、鎖状炭化水素である)
を有する化合物が挙げられる。
上記エステルを構成する脂肪酸(式(21)において、R23COOHに相当する)としては、例えば、「(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル」において列挙されている脂肪酸、すなわち、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が挙げられ、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸が好ましい。上記エステルを構成する脂肪族1価アルコール(式(21)において、R24OHに相当する)としては、例えば、「化合物(B)」の項で列挙される脂肪族1価アルコールが挙げられる。
なお、上記脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステルでは、脂肪酸及び脂肪族1価アルコールの炭素数の合計、すなわち、式(21)において、R23C及びR24部分の炭素数の合計が5の場合にIOBが0.60となるため、R23C及びR24部分の炭素数の合計が約5以上である場合に、上記IOBの要件を満たす。しかし、例えば、上記炭素数の合計が6の酢酸ブチルでは、蒸気圧が2,000Pa超と高い。従って、蒸気圧を考慮すると、上記炭素数の合計が約12以上であることが好ましい。なお、上記炭素数の合計が約11以上であれば、水溶解度が約0.00〜約0.05gの要件を満たすことができる。
上記脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステルの例としては、例えば、ドデカン酸(C12)と、ドデシルアルコール(C12)とのエステル、テトラデカン酸(C14)と、ドデシルアルコール(C12)とのエステル等が挙げられ、上記脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステルの市販品としては、例えば、エレクトールWE20、及びエレクトールWE40(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
[(d4)ジアルキルカーボネート]
上記ジアルキルカーボネートとしては、次の式(22):
25OC(=O)OR26 (22)
(式中、R25及びR26は、それぞれ、アルキル基である)
を有する化合物が挙げられる。
上記ジアルキルカーボネートでは、R25及びR26の炭素数の合計が6の場合にIOBが0.57となるため、R25及びR26の炭素数の合計が、約6以上であれば、IOBの要件を満たす。
水溶解度を考慮すると、R25及びR26の炭素数の合計が約7以上であることが好ましく、そして約9以上であることがより好ましい。
上記ジアルキルカーボネートは、市販されている他、ホスゲンとアルコールとの反応、塩化ギ酸エステルとアルコール又はアルコラートとの反応、及び炭酸銀とヨウ化アルキルとの反応により合成することができる。
[(E)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル]
(E)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル(以下、化合物(E)と称する場合がある)としては、(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、(e2)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(e3)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテルが挙げられる。以下、説明する。
[(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール]
上記ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールは、i)オキシC3〜C6アルキレン単位、すなわち、オキシプロピレン単位、オキシブチレン単位、オキシペンチレン単位、及びオキシヘキシレン単位から成る群から選択されるいずれか1種の単位を有し且つ両末端にヒドロキシ基を有するホモポリマー、ii)上記群から選択される2種以上の単位を有し且つ両末端にヒドロキシ基を有するブロックコポリマー、又はiii)上記群から選択される2種以上の単位を有し且つ両末端にヒドロキシ基を有するランダムコポリマーを意味する。
上記ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールは、次の式(23):
HO−(Cm2mO)n−H (23)
(式中、mは3〜6の整数である)
により表わされる。
なお、ポリエチレングリコール(式(23)において、m=2のホモポリマーに相当する)では、n≧45の場合に、約0.00〜約0.60のIOBの要件を満たすものの、n≧45の場合には、重量平均分子量が約2,000を超える。
また、本発明者が確認したところ、ポリプロピレングリコール(式(23)において、m=3のホモポリマーに相当する)に関しては、重量平均分子量が約1,000以上の場合にのみ、約0.00〜約0.60のIOBと、約45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜約0.05gの水溶解度を満たすことが分かった。従って、ポリプロピレングリコールのホモポリマーは、上記血液改質剤の範囲に含まれない。
従って、プロピレングリコールは、他のグリコールとのコポリマー又はランダムポリマーとして、(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールに含まれるべきである。
上記式(23)において、nの値は、ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールが、約0.00〜約0.60のIOBと、約45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜約0.05gの水溶解度とを有するような値である。
例えば、式(23)がポリブチレングリコール(m=4)である場合には、n=7の場合に、IOBが0.57となる。従って、式(23)がポリブチレングリコール(m=4のホモポリマー)である場合には、n≧約7の場合に、上記IOBの要件を満たす。
上記ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールの市販品としては、例えば、ユニオール(商標)PB−500及びPB−700(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
[(e2)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
上記ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルとしては、「(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール」の項で説明したポリオキシC3〜C6アルキレングリコールのOH末端の一方又は両方が、脂肪酸によりエステル化されているもの、すなわち、モノエステル及びジエステルが挙げられる。
ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステルにおいて、エステル化すべき脂肪酸としては、例えば、「(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル」において列挙されている脂肪酸、すなわち、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が挙げられ、酸化等により変性する可能性を考慮すると、飽和脂肪酸が好ましい。
[(e3)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル]
上記ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテルとしては、「(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール」の項で説明したポリオキシC3〜C6アルキレングリコールのOH末端の一方又は両方が、脂肪族1価アルコールによりエーテル化されているもの、すなわち、モノエーテル及びジエーテルが挙げられる。
ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテルにおいて、エーテル化すべき脂肪族1価アルコールとしては、例えば、「化合物(B)」の項で列挙されている脂肪族1価アルコールが挙げられる。
[(F)鎖状炭化水素]
上記鎖状炭化水素は、上記無機性値が0であることから、IOBが0.00であり、そして水溶解度がほぼ0.00gであるので、融点が約45℃以下のものであれば、上記血液改質剤に含まれうる。上記鎖状炭化水素としては、例えば、(f1)鎖状アルカン、例えば、直鎖アルカン及び分岐鎖アルカンが挙げられ、例えば、直鎖アルカンの場合には、融点が約45℃以下であることを考慮すると、おおむね、炭素数が22以下のものが含まれる。また、蒸気圧を考慮すると、おおむね、炭素数が13以上のものが含まれる。分岐鎖アルカンの場合には、直鎖アルカンよりも、同一炭素数において、融点が低くなる場合があるため、炭素数が22以上のものも含まれうる。
上記炭化水素の市販品としては、例えば、パールリーム6(日油株式会社)が挙げられる。
上記血液改質剤は、実施例と共に詳細に考察するが、血液の粘度及び表面張力を下げる作用を少なくとも有することが見出された。吸収性物品が吸収すべき経血は、通常の血液と比較して、子宮内膜壁等のタンパク質を含むため、それらが血球同士を繋ぐように作用して、血球が連銭した状態をとりやすい。そのため、吸収性物品が吸収すべき経血は、高粘度となりやすく、トップシートが不織布又は織布である場合には、経血が繊維の間に目詰まりしやすく、着用者はベタつき感を覚えやすく、そしてトップシートの表面で経血が拡散し、漏れやすくなる。また、セカンドシートが不織布又は織布である場合にも、経血が繊維の間に目詰まりしやすく、着用者はベタつき感を覚えやすい。
本開示の吸収性物品では、トップシートが、血液の粘度及び表面張力を下げる作用を有することが見出された血液改質剤を含むため、トップシートが不織布又は織布である場合には、トップシートの繊維の間に経血が目詰まりしにくく、経血をトップシートから、セカンドシートを通して、吸収体に迅速に移行させることが可能となる。
また、本開示の吸収性物品では、血液改質剤の融点が約45℃以下であることにより、常温(25℃)で液体であるか、又は固体であるかを問わず、約30〜約40℃の体液と接触した際に液化し(又は液体であり)、体液に溶解しやすくなると考えられる。
さらに、IOBが約0.00〜約0.60である血液改質剤は、有機性が高く、血球の間に入り込みやすいので、血球を安定化させ、血球に連銭構造を形成しにくくすることができると考えられる。
上記改質剤が、血球を安定化させ、血球に連銭構造を形成しにくくすることにより、吸収体が経血を吸収しやすくなると考えられる。例えば、アクリル系高吸収ポリマー、いわゆる、SAPを含む吸収性物品では、経血を吸収すると、連銭した血球がSAP表面を覆い、SAPが吸収性能を発揮しにくくなることが知られているが、血球を安定化することにより、SAPが吸収性能を発揮しやすくなると考えられる。また、赤血球と親和性の高い血液改質剤が、赤血球膜を保護するため、赤血球が破壊されにくくなると考えられる。
本開示の実施形態の1つの吸収性物品では、トップシート及びセカンドシートが血液改質剤を含み、本開示の別の実施形態の吸収性物品では、トップシート及び/又はセカンドシートが血液改質剤のみを含み、そして本開示の別の実施形態の吸収性物品では、トップシート及び/又はセカンドシートが、血液改質剤と、少なくとも1種の他の成分とを含む血液改質剤含有組成物を含む。
以下、血液改質剤含有組成物について、説明する。
[血液改質剤含有組成物]
血液改質剤含有組成物は、血液改質剤と、少なくとも1種の他の成分とを含む。
上記少なくとも1種の他の成分としては、本開示の効果を阻害しないものであれば特に制限されず、当業界で吸収性物品、特にトップシートに慣用的に適用されるものが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、シリコーンオイル、シリコーン、シリコーン系レジン等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、酸化防止剤、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等が挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ビタミン、例えば、天然ビタミン又は合成ビタミンが挙げられる。上記ビタミンとしては、例えば、水溶性ビタミン、例えば、ビタミンB群、例えば、ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンB3,ビタミンB5,ビタミンB6,ビタミンB7,ビタミンB9,ビタミンB12等、ビタミンCが挙げられる。
上記ビタミンとしては、例えば、脂溶性ビタミン、例えば、ビタミンA群、ビタミンD群、ビタミンE群、およびビタミンK群等が挙げられる。
上記ビタミンにはまた、それらの誘導体も含まれる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、アミノ酸、例えば、アラニン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン等、並びにペプチドが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、ゼオライト、例えば、天然ゼオライト、例えば、方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイト、並びに、合成ゼオライトが挙げられる。
上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、コレステロール、ヒアルロン酸、レシチン、セラミド等が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、薬剤、例えば、皮膚収斂剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、抗セルライト剤、美白剤、抗菌剤、抗カビ剤等が挙げられる。
上記皮膚収斂剤としては、例えば、酸化亜鉛、硫酸アルミニウム、タンニン酸等、油溶性皮膚収斂剤、例えば、油溶性ポリフェノールが挙げられる。上記油溶性ポリフェノールとしては、天然の油溶性ポリフェノール、例えば、オオバクエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、カモミラエキス、ゴボウエキス、サルビアエキス、シナノキエキス、セイヨウボダイジュエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セージエキス、サルビアエキス、テウチグルミエキス、ハイビスカスエキス、ビワ葉エキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マロニエエキス、ヨクイニンエキス等が挙げられる。
上記抗ニキビ剤としては、例えば、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール、イオウ、エリスロマイシン、亜鉛等が挙げられる。
上記抗シワ剤としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸誘導体、グリコール酸、フィチン酸、リポ酸、リソフォスファチド酸が挙げられる。
上記抗セルライト剤としては、例えば、キサンチン化合物、例えば、アミノフィリン、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン等が挙げられる。
上記美白剤としては、例えば、ナイアシンアミド、コウジ酸、アルブチン、グルコサミン及び誘導体、フィトステロール誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体、並びにクワ抽出物及び胎盤抽出物が挙げられる。
また、上記少なくとも1種の他の成分としては、例えば、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤、香料、色素、染料、顔料、植物抽出エキス等が挙げられる。上記抗炎症成分としては、例えば、天然由来の抗炎症剤、例えば、ボタン、オオゴン、オトギリソウ、カモミール、甘草、モモノハ、ヨモギ、シソエキス等、合成抗炎症剤、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。
上記pH調整剤としては、皮膚を弱酸性に保つためのもの、例えば、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、乳酸等が挙げられる。
上記顔料としては、例えば、酸化チタンが挙げられる。
上記血液改質剤含有組成物は、血液改質剤及び少なくとも1種の他の成分を、それぞれ、好ましくは約50〜約99質量%及び約1〜約50質量%、より好ましくは約60〜約99質量%及び約1〜約40質量%、さらに好ましくは約70〜約99質量%及び約1〜約30質量%、さらにいっそう好ましくは約80〜約99質量%及び約1〜約20質量%、さらにいっそう好ましくは約90〜99質量%及び約1〜約10質量%、そしてさらにいっそう好ましくは約95〜99質量%及び約1〜約5質量%含む。本開示の効果の観点からである。
上記血液改質剤含有組成物は、界面活性剤を、トップシート又はセカンドシートの親水化処理に由来する量以下で含むことが好ましい。より具体的には、上記血液改質剤含有組成物は、界面活性剤を、好ましくは約0.0〜約1.0g/m2、より好ましくは約0.0〜約0.8g/m2、さらに好ましくは約0.1〜約0.5g/m2、そしてさらにいっそう好ましくは約0.1〜約0.3g/m2の坪量の範囲で含む。
界面活性剤の量が増えると、経血がトップシートに残存しやすい傾向があるからである。
なお、界面活性剤としては、当技術分野で通常用いられるもの、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
上記血液改質剤含有組成物は、水を、好ましくは約0.0〜約1.0g/m2、より好ましくは約0.0〜約0.8g/m2、さらに好ましくは約0.1〜約0.5g/m2、そしてさらにいっそう好ましくは約0.1〜約0.3g/m2の坪量の範囲で含む。
水は、吸収性物品の吸収性能を低下させるため、少ないことが好ましい。
上記血液改質剤含有組成物が、上記少なくとも1種の他の成分として上記血液改質剤と混和する成分を含む場合には、その他の成分は、好ましくは約1,000未満の重量平均分子量を有し、そしてより好ましくは約900未満の重量平均分子量を有する。上記重量平均分子量が約1,000以上であると、血液改質剤含有組成物そのものにタック性が生じ、着用者に不快感を与える傾向があるからである。また、重量平均分子量が高くなると、血液改質剤含有組成物の粘度が高くなる傾向があるため、加温により、血液改質剤組成物の粘度を、塗布に適した粘度に下げることが難しくなり、その結果、血液改質剤を、溶媒で希釈しなければならない場合も生じうる。
上記液透過性のトップシートとしては、当技術分野で通常用いられているものを、特に制限なく採用することができ、例えば、液体を透過する構造を有するシート状材料、例えば、開孔フィルム、織布、不織布等が挙げられる。上記織布及び不織布を構成する繊維として、天然繊維及び化学繊維が挙げられ、天然繊維としては、例えば、粉砕パルプ、コットン等のセルロースが挙げられ、化学繊維としては、例えば、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、熱可塑性疎水性化学繊維、並びに親水化処理を施した熱可塑性疎水性化学繊維が挙げられる。
上記熱可塑性疎水性化学繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の単繊維、PE及びPPのグラフト重合物からなる繊維が挙げられる。
上記不織布の例としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS等)等が挙げられる。
上記液不透過性のバックシートとしては、PE、PP等を含むフィルム、通気性を有する樹脂フィルム、スパンボンド又はスパンレース等の不織布に通気性を有する樹脂フィルムを接合したもの、SMS等の複層不織布等が挙げられる。吸収性物品の柔軟性を考慮すると、例えば、坪量約15〜約30g/m2の低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムが好ましい。
上記液不透過性のバックシートは、着用者により、吸収体の着衣側の面の液拡散長が視認できるような透明性を有する。
上記セカンドシートとしては、液透過性のトップシートと同様の例が挙げられる。
上記吸収体の第1の例としては、吸収コアが、コアラップで覆われているものが挙げられる。
上記吸収コアの構成要素としては、例えば、親水性繊維、例えば、粉砕パルプ、コットン等のセルロース、レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース、粒子状ポリマー、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維、及び親水化処理された熱可塑性疎水性化学繊維、並びにこれらの組み合わせ等が挙げられる。また、上記吸収コアの構成要素として、高吸収性ポリマー、例えば、アクリル酸ナトリウムコポリマー等の粒状物が挙げられる。
上記コアラップとしては、液透過性で高分子吸収体が透過しないバリアー性を有する物であれば、特に制限されず、例えば、織布、不織布等が挙げられる。上記織布及び不織布としては、天然繊維、化学繊維、ティッシュ等が挙げられる。
上記吸収体の第2の例としては、吸収シート又はポリマーシートから形成されたものが挙げられ、その厚さは、約0.3〜約5.0mmであることが好ましい。上記吸収シート及びポリマーシートとしては、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられるものであれば特に制限なく用いることができる。
また、上記血液改質剤は、トップシートの平面方向に関しては、トップシートの全面、膣口付近の中心領域等、任意の場所に存在することができる。
また、液透過性のトップシートが不織布又は織布から形成されている場合には、上記血液改質剤は、不織布又は織布の繊維間の空隙を閉塞しないことが好ましく、上記血液改質剤は、例えば、不織布の繊維の表面に、液滴状又は粒子状で付着しているか、又は繊維の表面を覆うことができる。一方、液透過性のトップシートが開孔フィルムから形成されている場合には、上記血液改質剤は、開孔フィルムの開孔を閉塞しないことが好ましく、上記血液改質剤は、例えば、開孔フィルムの表面に、液滴状又は粒子状で付着していることができる。上記血液改質剤が、不織布又は織布の繊維間の空隙または開孔フィルムの開孔を閉塞すると、吸収した液体の吸収体への移行を阻害することがあるからである。
また、上記血液改質剤は、吸収した液体に迅速に移行するために、その表面積が大きいことが好ましく、液滴状又は粒子状で存在する血液改質剤は、粒径が小さいことが好ましい。
また、実施形態の1つでは、当該セカンドシートが、血液改質剤を含んでもよい。また、上記吸収性物品の実施形態の1つでは、吸収体が血液改質剤を含むことができる。
上記吸収性物品において、トップシートは、上記血液改質剤を、好ましくは約1〜約30g/m2、より好ましくは約2〜約20g/m2、そしてさらに好ましくは約3〜約10g/m2の坪量の範囲で含む。血液改質剤の坪量が、約1g/m2を下回ると血液改質効果が不十分となる傾向があり、そして血液改質剤の坪量が多くなると、着用中のぬるぬる感が増加する傾向がある。
本開示の吸収性物品では、セカンドシートは、好ましくは約1〜約30g/m2、より好ましくは約2〜約20g/m2、そしてさらに好ましくは約3〜約10g/m2の坪量の血液改質剤を含むことが好ましい。上記坪量が、約1g/m2を下回ると、血液改質効果が不十分となる傾向があり、そして約30g/m2を上回ると、例えば、トップシート、吸収体等の資材と、熱シール、接着剤等により接合することが難しくなる傾向がある。
本開示の吸収性物品の実施形態の1つでは、吸収体が、上記血液改質剤を含むことができる。吸収体が血液改質剤を含むことができる実施形態では、吸収体は、好ましくは約1〜約30g/m2、より好ましくは約2〜約20g/m2、そしてさらに好ましくは約3〜約10g/m2の坪量の血液改質剤を含むことが好ましい。上記坪量が、約1g/m2を下回ると、血液改質効果が不十分となる傾向があり、そして約30g/m2を上回ると、例えば、セカンドシート、バックシート等の資材と、熱シール、接着剤等により接合することが難しくなる傾向がある。
また、トップシートの血液改質剤の坪量は、セカンドシートの血液改質剤の坪量よりも多いことが好ましい。血液改質剤は、トップシート及びセカンドシートの表面状態、例えば、表面張力を変化させ、血液中の親水性成分(血漿等)がトップシート及びセカンドシートになじみにくくすることにより、血液を迅速に吸収すると考えられる。すなわち、血液改質剤は、血液中の親水性成分(血漿等)と親和性が低く、血液をある程度弾く傾向がある。従って、セカンドシートの血液改質剤の坪量を、トップシートの血液改質剤の坪量よりも少なくすることで、トップシートを通過した血液をある程度弾きつつ、トップシート及びセカンドシートの界面で拡散させることができると考えられる。
また、本開示の吸収性物品では、トップシートと、セカンドシートと、所望による吸収体とが有する血液改質剤の坪量は、合計で、好ましくは約2〜約60g/m2、より好ましくは約3〜約40g/m2、そしてさらに好ましくは約4〜約20g/m2の坪量の血液改質剤を含むことが好ましい。上記坪量が、約2g/m2を下回ると血液改質効果が不十分となる傾向があり、そして上記坪量が約60g/m2を超えると、着用中のぬるぬる感が増加する傾向がある。
本明細書では、トップシート等が含む血液滑性付与剤の坪量は、以下のように測定することができる。
(1)トップシート等の測定すべき範囲を、鋭利な刃物、例えば、カッターの替え刃を用いて、できるだけその厚さを変化させないように切り出して、サンプルを得る。
(2)サンプルの面積:SA(m2)及び質量:SM0(g)を測定する。
(3)サンプルを、血液滑性付与剤を溶解させることができる溶媒、例えば、エタノール、アセトン等の中で、少なくとも3分間攪拌し、血液滑性付与剤を溶媒中に溶解させる。
(4)サンプルを、質量を測定したろ紙の上でろ過し、ろ紙上で、サンプルを溶媒で十分に洗浄する。ろ紙上のサンプルを、60℃のオーブン内で乾燥させる。
(5)ろ紙及びサンプルの質量を測定し、そこからろ紙の質量を減ずることにより、乾燥後のサンプルの質量:SM1(g)を算出する。
(6)血液滑性付与剤の坪量BBS(g/m2)を、次の式:
BBS(g/m2)=[SM0(g)−SM1(g)]/SA(m2
により算出する。
なお、誤差を少なくするために、サンプルの総面積が100cm2を超えるように、複数の吸収性物品から複数のサンプルを採取し、複数回実験を繰り返し、それらの平均値を採用する。
上記血液改質剤は、トップシート及び/又はセカンドシートの表面に存在してもよく、あるいは、例えば、トップシート及び/又はセカンドシートの内部に血液改質剤が存在してもよい。また、吸収体が血液改質剤を含む実施形態では、その肌側の面に、血液改質剤を有することが好ましい。
なお、トップシートと、セカンドシートと、所望による吸収体とが有する血液改質剤は、同一であってもよく、又はそれぞれが異なっていてもよい。
血液改質剤が塗布される資材、例えば、トップシートが合成樹脂からなる不織布、織布又は開孔フィルムである場合には、これらは、親水剤がコーティングされるか、又は混合されることにより、親水化処理されていることが好ましい。元々の資材が親水性を有すると、次いで約0.00〜約0.60のIOBを有し、有機性が高く且つ親油性の改質剤が塗布されるため、親油性領域と、親水性領域とがまばらに共存することになる。それにより、親水性成分(血漿等)と、親油性成分(血球等)から成る経血に対して、一定の吸収性能を発揮することができると考えられる。
上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物は、所望により、揮発性溶媒、例えば、アルコール系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒等を含む塗布液として塗装することができる。上記塗布液が揮発性溶媒を含むことにより、上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物を含む塗布液の粘度が下がるために、塗布が容易になる、塗装時の加温が不要になる等の塗布工程の簡易化が図れる。
上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物、あるいはそれを含む塗布液の塗布方法は、特に制限されるものではなく、必要に応じて上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物、あるいはそれを含む塗布液を加熱し、例えば、非接触式のコーター、例えば、スパイラルコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、ディップコーター等、接触式のコーター等の塗布装置を用いて、上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物、あるいはそれを含む塗布液を塗布することができる。上記塗布装置としては、液滴状又は粒子状の改質剤が全体に均一に分散される点、及び資材にダメージを与えない観点から、非接触式のコーターが好ましい。
また、上記血液改質剤又は血液改質剤含有組成物、あるいはそれを含む塗布液は、室温で液体の場合にはそのまま、又は粘度を下げるために加熱され、そして室温で固体の場合には液化するように加熱され、コントロールシームHMA(Hot Melt Adhesive)ガンから塗布されることができる。コントロールシームHMAガンのエアー圧を高くすることにより、微粒子状の血液改質剤又は血液改質剤含有組成物を塗布することができる。
なお、血液改質剤又は血液改質剤含有組成物の塗布量は、例えば、コントロールシームHMAガンからの塗出量を増減することにより調節することができる。
上記血液改質剤は、トップシートの素材、例えば、不織布を製造する際に塗布されることができ、又は吸収性物品を製造する製造ラインにおいて塗布されることもできる。設備投資を抑制する観点からは、吸収性物品の製造ラインにおいて、血液改質剤を塗布することが好ましく、血液改質剤が脱落し、ラインを汚染することを抑制するためには、製造ラインの川下工程、具体的には、製品を個包装に封入する直前に、血液改質剤を塗布することが好ましい。
製品を個包装に封入する直前に、血液改質剤を塗布する場合には、例えば、液透過性のトップシートと、セカンドシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートとを有する吸収性物品前駆体のトップシート面に、血液改質剤を、高めのエアー圧、例えば、約0.5MPaのエアー圧で、上記コントロールシームHMAガンから吹き付けることにより、トップシートと、セカンドシートと、所望により、吸収体とに、血液改質剤を一括塗工することができる。高いエアー圧を用いることにより、血液改質剤がトップシートを透過して、セカンドシート、及び所望により、吸収体に到達することができる。
上記血液改質剤は、潤滑剤としての作用も有することができる。トップシートが不織布又は織布である場合には、繊維同士の摩擦を低減させることができるため、不織布又は織布全体のしなやかさが向上する。また、トップシートが樹脂フィルムの場合には、トップシートと肌との摩擦を低減することができる。
上記吸収性物品は、血液を吸収することを目的とする吸収性物品、例えば、生理用ナプキン、パンティーライナー等に好適である。
なお、本開示の吸収性物品では、従来公知のスキンケア組成物、ローション組成物等を含む吸収性物品とは異なり、エモリエント剤、固定化剤等の成分が不要であり、血液改質剤単体で、トップシート及びセカンドシートに適用されうる。
以下、例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
以下に、実験に用いられた血液改質剤を列挙する。
[(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
・ユニスター H−408BRS,日油株式会社製
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリトール,重量平均分子量:約640
・ユニスター H−2408BRS−22,日油株式会社製
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリトールと、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールとの混合物(58:42、質量比),重量平均分子量:約520
[(a2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
・Cetiol SB45DEO,コグニスジャパン株式会社製
脂肪酸が、オレイン酸又はステアリル酸である、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル
・SOY42,日油株式会社製
14の脂肪酸:C16の脂肪酸:C18の脂肪酸:C20の脂肪酸(飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の両方を含む)がおおよそ0.2:11:88:0.8の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:880
・トリC2L油脂肪酸グリセリド,日油株式会社製
8の脂肪酸:C10の脂肪酸:C12の脂肪酸がおおよそ37:7:56の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約570
・トリCL油脂肪酸グリセリド,日油株式会社製
8の脂肪酸:C12の脂肪酸がおおよそ44:56の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約570
・パナセート810s,日油株式会社製
8の脂肪酸:C10の脂肪酸がおおよそ85:15の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約480
・パナセート800,日油株式会社製
脂肪酸が全てオクタン酸(C8)である、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約470
・パナセート800B,日油株式会社製
脂肪酸が全て2−エチルヘキサン酸(C8)である、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約470
・NA36,日油株式会社製
16の脂肪酸:C18の脂肪酸:C20の脂肪酸(飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の両方を含む)がおおよそ5:92:3の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約880
・トリヤシ油脂肪酸グリセリド,日油株式会社製
8の脂肪酸:C10の脂肪酸:C12の脂肪酸:C14の脂肪酸:C16の脂肪酸(飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸の両方を含む)がおおよそ4:8:60:25:3の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:670
・カプリル酸ジグリセリド,日油株式会社製
脂肪酸がオクタン酸である、グリセリンと脂肪酸とのジエステル,重量平均分子量:340
[(a3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル]
・コムポールBL,日油株式会社製
ブチレングリコールのドデカン酸(C12)モノエステル,重量平均分子量:約270
・コムポールBS,日油株式会社製
ブチレングリコールのオクタデカン酸(C18)モノエステル,重量平均分子量:約350
・ユニスター H−208BRS,日油株式会社製
ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール,重量平均分子量:約360
[(c2)3個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素トリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル]
・O−アセチルクエン酸トリブチル,東京化成工業株式会社製
重量平均分子量:約400
[(c3)2個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ジカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル]
・アジピン酸ジオクチル,和光純薬工業製
重量平均分子量:約380
[(d3)脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル]
・エレクトールWE20,日油株式会社製
ドデカン酸(C12)と、ドデシルアルコール(C12)とのエステル,重量平均分子量:約360
・エレクトールWE40,日油株式会社製
テトラデカン酸(C14)と、ドデシルアルコール(C12)とのエステル,重量平均分子量:約390
[(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール]
・ユニオールPB500,日油株式会社製
ポリブチレングリコール,重量平均分子量:約500
・ユニオールPB700,日油株式会社製
ポリオキシブチレンポリオキシプロピレングリコール,重量平均分子量:約700
[(f1)鎖状アルカン]
・パールリーム6,日油株式会社製
流動イソパラフィン、イソブテン及びn-ブテンを共重合し、次いで水素を付加することにより生成された分岐鎖炭化水素、重合度:約5〜約10,重量平均分子量:約330
[その他の材料]
・NA50,日油株式会社製
NA36に水素を付加し、原料である不飽和脂肪酸に由来する二重結合の比率を下げたグリセリンと脂肪酸とのトリエステル,重量平均分子量:約880
・(カプリル酸/カプリン酸)モノグリセリド,日油株式会社製
オクタン酸(C8)及びデカン酸(C10)がおおよそ85:15の質量比で含まれている、グリセリンと脂肪酸とのモノエステル,重量平均分子量:約220
・Monomuls 90−L2ラウリン酸モノグリセリド,コグニスジャパン株式会社製
・クエン酸イソプロピル,東京化成工業株式会社製
重量平均分子量:約230
・リンゴ酸ジイソステアリル
重量平均分子量:約640
・ユニオールPB1000R,日油株式会社製
ポリブチレングリコール,重量平均分子量:約1,000
・ユニオールD−400,日油株式会社製
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約400
・ユニオールD−1000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約1,000
・ユニオールD−1200,日油株式会社製
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約1,160
・ユニオールD−3000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約3,000
・ユニオールD−4000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコール,重量平均分子量:約4,000
・PEG1500,日油株式会社製
ポリエチレングリコール,重量平均分子量:約1,500〜約1,600
・ウィルブライトcp9,日油株式会社製
ポリブチレングリコールの両末端のOH基が、ヘキサデカン酸(C16)によりエステル化された化合物,重量平均分子量:約1,150
・ユニルーブMS−70K,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのステアリルエーテル,約15の繰返し単位,重量平均分子量:約1,140
・ノニオンS−6,日油株式会社製
ポリオキシエチレンモノステアレート、約7の繰返し単位、重量平均分子量:約880
・ユニルーブ5TP−300KB
ペンタエリトリトール1モルに、エチレンオキシド5モルと、プロピレンオキシド65モルとを付加させることにより生成した、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル,重量平均分子量:4,130
・ウィルブライトs753,日油株式会社製
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンポリオキシブチレングリセリン,重量平均分子量:約960
・ユニオール TG−330,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのグリセリルエーテル,約6の繰返し単位,重量平均分子量:約330
・ユニオール TG−1000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのグリセリルエーテル,約16の繰返し単位,重量平均分子量:約1,000
・ユニオール TG−3000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのグリセリルエーテル,約16の繰返し単位,重量平均分子量:約3,000
・ユニオール TG−4000,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのグリセリルエーテル,約16の繰返し単位,重量平均分子量:約4,000
・ユニルーブ DGP−700,日油株式会社製
ポリプロピレングリコールのジグリセリルエーテル,約9の繰返し単位,重量平均分子量:約700
・ユニオックスHC60,日油株式会社製
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油,重量平均分子量:約3,570
・ワセリン,コグニスジャパン株式会社製
石油に由来する炭化水素、半固形
[例1]
[液滴下試験]
親水剤で処理されたエアスルー不織布(芯がポリエチレンテレフタレートで、鞘がポリエステルの複合繊維,繊度:2.8dt,芯に4質量%の酸化チタンを含む,坪量:25g/m2)から成るトップシート(以下、「TS」と省略する場合あり)と、トップシートと同一のエアスルー不織布から成るセカンドシート(以下、「SS」と省略する場合あり)と、吸収体(坪量:300g/m2のフラッフパルプを、坪量:14g/m2の2枚のティッシュで挟み、吸収体密度が0.1g/cm3及び厚み3.0mmとなるように圧搾したもの)と、ポリエチレンフィルムから成るバックシートとを準備した。
次いで、トップシート及びセカンドシートの当初の質量(資材質量)を測定した。
血液改質剤としてパナセート810s(IOB:0.32,融点:−5℃,水溶解度:<0.05)を、室温において、コントロールシームHMAガンから、上記トップシートの肌当接面(畝溝面)に、3g/m2の坪量で塗工した。電子顕微鏡で確認したところ、パナセート810sは、微粒子状で、繊維の表面に付着していた。次いで、同様に、セカンドシートの肌当接面側に、2g/m2の坪量でパナセート810sを塗工した。
次いで、バックシート、吸収体、セカンドシート、及びトップシートを、その順で、血液改質剤の塗工面が上を向くように重ね合わせ、クリップで数カ所挟むことにより、生理用ナプキンNo.1−1を形成した。
トップシート、セカンドシート、及び吸収体の表面に塗工する血液改質剤の種類及び坪量を下記表2に記載するように変更した以外は、生理用ナプキンNo.1−1の形成方法と同様にして、生理用ナプキンNo.1−2〜1−6を形成した。
なお、吸収体に血液改質剤が塗工されている生理用ナプキンNo.1−3では、トップシートの場合と同様に、1g/m2の坪量でパナセート810sを塗工し、吸収体を、その塗工面が上を向くようにその他の資材と重ね合わせ、吸収性物品を形成した。また、表2において、血液改質剤の坪量が0と記載されている場合には、血液改質剤が塗工されていないことを意味する。
本明細書に記載の手順に従って、液滴下試験を実施し、生理用ナプキンNo.1−1〜1−6の液残存率及び液拡散長を評価した。結果を、表2に示す。
生理用ナプキンNo.1−1〜1−3は、トップシート及びセカンドシートの両方において、経血がほとんど残存しておらず、且つ吸収体側(吸収体の着衣側の面)の液拡散長が、TS側(トップシートの肌当接面)の液拡散長よりも長い、従って、着用者は、吸収性物品の交換時に、吸収性物品が経血を吸収し、吸収体の内部に経血を保持していることを視認できるので、安心感が得られる。
生理用ナプキンNo.1−1〜1−6を、複数の被験者に着用してもらったところ、No.1−1〜1−3は、No.1−4〜1−6と比較して、特にNo.1−6と比較して、吸収性物品の交換時に、吸収性物品が経血を吸収したこと、及び吸収体内部に経血を保持していることが視認でき、安心感を得たとの評価を得た。
[例2]
[リウェット率、吸収体移行速度、トップシートの肌当接面の白さ、及び残存血液量の評価]
市販の生理用ナプキンを準備した。当該生理用ナプキンは、親水剤で処理されたエアスルー不織布(ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートから成る複合繊維、坪量:35g/m2)から形成されたトップシートと、エアスルー不織布(ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートから成る複合繊維、坪量:30g/m2)から形成されたセカンドシートと、パルプ(坪量:150〜450g/m2、中央部ほど多い)、アクリル系高吸収ポリマー(坪量:15g/m2)及びコアラップとしてのティッシュを含む吸収体と、撥水剤処理されたサイドシートと、ポリエチレンフィルムから成るバックシートとから形成されていた。
上記試料の、IOB,融点、水溶解度及び重量平均分子量を下記表3に示す。
なお、水溶解度は、上述の方法に従って測定したが、100gの脱塩水に、20.0gを添加し、24時間後に溶解した試料は、「20g<」と評価し、そして100gの脱塩水に、0.05gは溶解したが、1.00gは溶解しなかった試料は、0.05〜1.00gと評価した。
また、融点に関し、「<45」は、融点が45℃未満であることを意味する。
上記生理用ナプキンのトップシートの肌当接面を、上述の血液改質剤で塗工した。各血液改質剤を、血液改質剤が室温で液体である場合にはそのまま、そして血液改質剤が室温で固体である場合には、融点+20℃まで加熱し、次いで、コントロールシームHMAガンを用いて、各血液改質剤を微粒化し、トップシートの肌当接面に、坪量がおおよそ5g/m2となるように塗布した。
例2において、トップシートが血液改質剤を含む範囲を、図1に示す。図1に示されるように、例2では、生理用ナプキン1のトップシート2のほぼ全面が、血液改質剤を含む、血液改質剤含有領域4である。なお、図1において、符号3は、圧搾部を示す。
図2は、トップシートがトリC2L油脂肪酸グリセリドを含む生理用ナプキン(No.5)における、トップシートの肌当接面の電子顕微鏡写真である。図2から明らかなように、トリC2L油脂肪酸グリセリドは、微粒子状で、繊維の表面に存在している。
[試験方法−リウェット率及び吸収体移行速度]
各血液改質剤を含むトップシートの上に、穴の開いたアクリル板(200mm×100mm,125g,中央に、40mm×10mmの穴が開いている)を置き、上記穴から、37±1℃のウマEDTA血(ウマの血液に、凝結防止のため、エチレンジアミン四酢酸(以下、「EDTA」と称する)が添加されたもの)3.0gを、ピペットを用いて滴下(1回目)し、1分後、37±1℃のウマEDTA血3.0gを、アクリル板の穴から、ピペットで再度滴下した(2回目)。
2回目の血液の滴下後、直ちに上記アクリル板を外し、血液を滴下した場所に、ろ紙(アドバンテック東洋株式会社 定性濾紙 No.2,50mm×35mm)10枚(ろ紙10枚の総質量:FW0(g))を置き、その上から、圧力が30g/cm2となるようにおもりを置いた。1分後、上記ろ紙を取出し、試験後のろ紙10枚の総質量FW1(g)を測定し、以下の式に従って、「リウェット率」を算出した。
リウェット率(質量%)
=100×[FW1(g)−FW0(g)]/6.0(g)
また、リウェット率の評価とは別に、2回目の血液の滴下後、血液がトップシートから吸収体に移行する時間である「吸収体移行速度」を測定した。上記吸収体移行速度は、吸収体に血液を投入してから、トップシートの表面及び内部に、血液の赤さが見られなくなるまでの時間を意味する。
リウェット率と、吸収体移行速度の結果を、表3に示す。
[試験方法−トップシートの肌当接面の白さ]
吸収体移行速度の試験後のトップシートの肌当接面の白さを、以下の基準に従って、目視で評価した。
◎:血液の赤さがほとんど残っておらず、血液が存在した場所と、存在していない場所の区別がつかない
○:血液の赤さが若干残っているが、血液の存在した場所と、存在していない場所の区別がつきいにくい
△:血液の赤さが若干残っており、血液が存在した場所が分かる
×:血液の赤さがそのまま残っている
結果を、併せて表3に示す。
[試験方法−残存血液量]
滴下するウマEDTA血の量を4.0gに変更した以外は、上述の液滴下試験の手順に従い、残存血液量(g)を、次の式:
残存血液量(g)=試験後の資材質量(g)−当初の資材質量(g)
から算出した。
結果を、併せて表3に示す。
表3は、トップシートが血液改質剤を有するが、セカンドシートは血液改質剤を有しない例であるが、約0.00〜約0.60のIOBと、約45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜約0.05gの水溶解度と、約1,000未満の重量平均分子量とを有する血液改質剤は、パナセート810sと同様の、リウェット率、吸収体移行速度、及び残存血液量を有することが分かる。
従って、トップシート及びセカンドシートが、約0.00〜約0.60のIOBと、約45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜約0.05gの水溶解度と、約1,000未満の重量平均分子量とを有する血液改質剤を含む場合には、パナセート810sと同様に、吸収した経血を迅速に吸収体に移行及び拡散させることができるため、本明細書に記載の液滴下試験において、トップシート及びセカンドシートの液残存率が、3.0質量%以下であり、そしてトップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長が、前記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長よりも短い結果が得られると示唆される。
なお、重量平均分子量が約1,000以上の血液改質剤は、リウェット率、吸収体移行速度、及び残存血液量が良好である場合でも、タック性の観点から好ましくない。着用者が、着用時にべたつき感を感じるからである。
なお、No.2−1〜2−47の生理用ナプキンを、複数のボランティアの被験者に着用してもらったところ、No.2−1〜2−22の血液改質剤を含む生理用ナプキンでは、経血を吸収した後であってもトップシートにべたつき感がなく、トップシートがサラサラしているとの回答を得た。
また、No.2−1〜No.2−22の生理用ナプキンでは、そして特に、No.2−1〜2−11,2−15〜2−19及び2−22の血液改質剤を含む生理用ナプキンでは、経血を吸収後のトップシートの肌当接面が、血液で赤く染まっておらず、不快感が少ないとの回答を得た。
[例3]
動物の各種血液に関して、上述のリウェット率を評価した。実験に用いられた血液は、以下の通りである。
[動物種]
(1)ヒト
(2)ウマ
(3)ヒツジ
[血液種]
・脱繊維血:血液を採取後、ガラスビーズと共に、三角フラスコ内で約5分間撹拌したもの
・EDTA血:静脈血65mLに、12%EDTA・2K生理食塩液0.5mLを添加したもの
[分画]
血清又は血漿:それぞれ、脱繊維血又はEDTA血を、室温下で、約1900Gで10分間遠心分離した後の上清
血球:血液から血清を除去し、残差をリン酸緩衝生理食塩液(PBS)で2回洗浄し、次いで除去した血清分のリン酸緩衝生理食塩液を加えたもの
トリC2L油脂肪酸グリセリドが、坪量がおおよそ5g/m2となるように塗布されている以外は、例2と同様にして吸収性物品を製造し、上述の各種血液のリウェット率を評価した。各血液に関して測定を3回行い、その平均値を採用した。
結果を、以下の表4に示す。
例2で得られた、ウマEDTA血と同様の傾向が、ヒト及びヒツジの血液でも得られた。また、脱繊維血及びEDTA血においても、同様の傾向が観察された。
[例4]
[血液保持性の評価]
血液改質剤を含むトップシートと、血液改質剤を含まないトップシートとにおける血液保持性を評価した。
[試験方法]
(1)エアスルー不織布(ポリエステル及びポリエチレンテレフタレートから成る複合繊維、坪量:35g/m2)から形成されたトップシートの肌当接面に、トリC2L油脂肪酸グリセリドを、コントロールシームHMAガンを用いて微粒化し、坪量がおおよそ5g/m2となるように塗布する。また、比較のため、トリC2L油脂肪酸グリセリドを塗布していないものも準備する。次いで、トリC2L油脂肪酸グリセリドが塗布されているトップシートと、塗布されていないトップシートとの両方を、0.2gの大きさにカットし、セルストレイナー+トップシートの質量:a(g)を正確に測定する。
(2)ウマEDTA血約2mLを、肌当接面側から添加し、1分間静置する。
(3)セルストレイナーを、遠心管にセットし、スピンダウンして、余剰のウマEDTA血を取り除く。
(4)セルストレイナー+ウマEDTA血を含むトップシートの質量:b(g)を測定する。
(5)下式に従って、トップシート1g当たりの当初吸収量(g)を算出する。
当初吸収量(g)=[b(g)−a(g)]/0.2(g)
(6)セルストレイナーを、遠心管に再セットし、室温下、約1,200Gで1分間遠心分離する。
(7)セルストレイナー+ウマEDTA血を含むトップシートの重量:c(g)を測定する。
(8)下式に従って、トップシート1g当たりの試験後吸収量(g)を算出する。
試験後吸収量(g)=[c(g)−a(g)]/0.2(g)
(9)下式に従って血液保持率(質量%)を算出した。
血液保持率(質量%)
=100×試験後吸収量(g)/当初吸収量(g)
なお、測定は3回行い、その平均値を採用した。
結果を、以下の表5に示す。
血液改質剤を含むトップシートは、血液保持性が低く、血液を吸収後、迅速に吸収体に移行させることができることが示唆される。
[例5]
[血液改質剤を含む血液の粘性]
血液改質剤を含む血液の粘性を、Rheometric Expansion System ARES(Rheometric Scientific,Inc)を用いて測定した。ウマ脱繊維血に、パナセート810sを2質量%添加し、軽く撹拌して試料を形成し、直径50mmのパラレルプレートに試料を載せ、ギャップを100μmとし、37±0.5℃で粘度を測定した。パラレルプレートゆえ、試料に均一なせん断速度はかかっていないが、機器に表示された平均せん断速度は、10s-1であった。
パナセート810sを2質量%含むウマ脱繊維血の粘度は、5.9mPa・sであり、一方、血液改質剤を含まないウマ脱繊維血の粘度は、50.4mPa・sであった。従って、パナセート810sを2質量%含むウマ脱繊維血は、血液改質剤を含まない場合と比較して、約90%粘度を下げることが分かる。
血液は、血球等の成分を含み、チキソトロピーの性質を有することが知られているが、本開示の血液改質剤は、低粘度域で、血液の粘度を下げることができると考えられる。血液の粘度を下げることにより、吸収した経血を、トップシートから吸収体に速やかに移行させることができると考えられる。
[例6]
[血液改質剤を含む血液の顕微鏡写真]
健常ボランティアの経血を食品保護用ラップフィルム上に採取し、その一部に、10倍の質量のリン酸緩衝生理食塩水中に分散されたパナセート810sを、パナセート810sの濃度が1質量%となるように添加した。経血を、スライドグラスに適下し、カバーグラスをかけ、光学顕微鏡にて、赤血球の状態を観察した。血液改質剤を含まない経血の顕微鏡写真を図3(a)に、そしてパナセート810sを含む経血の顕微鏡写真を図3(b)に示す。
図3から、血液改質剤を含まない経血では、赤血球が連銭等の集合塊を形成しているが、パナセート810sを含む経血では、赤血球が、それぞれ、安定に分散していることが分かる。従って、血液改質剤は、血液の中で、赤血球を安定化させる働きをしていることが示唆される。
[例7]
[血液改質剤を含む血液の表面張力]
血液改質剤を含む血液の表面張力を、協和界面科学社製接触角計 Drop Master500を用い、ペンダントドロップ法にて測定した。表面張力は、ヒツジ脱繊維血に、所定の量の血液改質剤を添加し、十分振とうした後に測定した。
測定は、機器が自動で行うが、表面張力γは、以下の式により求められる(図4を参照)。
γ=g×ρ×(de)2×1/H
g:重力定数
1/H:ds/deから求められる補正項
ρ:密度
de:最大直径
ds:滴下端よりdeだけ上がった位置での径
密度ρは、JIS K 2249−1995の「密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」の5.振動式密度試験方法に準拠し、下記表6に示される温度で測定した。
測定には、京都電子工業株式会社のDA−505を用いた。
結果を、表6に示す。
表6から、血液改質剤は、25℃の水100gに対する、約0.00〜0.05gの水溶解度を有することからも明らかなように、水への溶解性が非常に低いが、血液の表面張力を下げることができることが分かる。
血液の表面張力を下げることにより、吸収した血液をトップシートの繊維間に保持せず、速やかに吸収体に移行させることができると考えられる。
本発明は、以下のJ1〜J12に関する。
[J1]
液透過性のトップシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及び吸収体の間のセカンドシートとを有する吸収性物品であって、
液滴下試験において、
[1]上記トップシート及びセカンドシートの液残存率が、3.0質量%以下であり、そして
[2]上記トップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長が、上記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長よりも短い、
ことを特徴とする、上記吸収性物品。
[J2]
上記液滴下試験において、[3]上記トップシートの肌当接面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長が、上記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長よりも短い、J1に記載の吸収性物品。
[J3]
上記トップシート及びセカンドシートが、0.00〜0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、約0.00〜0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する血液改質剤を含む、J1又はJ2に記載の吸収性物品。
[J4]
上記血液改質剤が、次の(i)〜(iii)、
(i)炭化水素、
(ii) (ii−1)炭化水素部分と、(ii−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、及び
(iii) (iii−1)炭化水素部分と、(iii−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基と、(iii−3)上記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、
並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、
ここで、(ii)又は(iii)の化合物において、オキシ基が2つ以上挿入されている場合には、各オキシ基は隣接していない、
J3に記載の吸収性物品。
[J5]
上記血液改質剤が、次の(i’)〜(iii’)、
(i’)炭化水素、
(ii’) (ii’−1)炭化水素部分と、(ii’−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合とを有する化合物、及び
(iii’) (iii’−1)炭化水素部分と、(iii’−2)上記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合と、(iii’−3)上記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、
並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、
ここで、(ii’)又は(iii’)の化合物において、2以上の同一又は異なる結合が挿入されている場合には、各結合は隣接していない、
J3又はJ4に記載の吸収性物品。
[J6]
上記血液改質剤が、次の(A)〜(F)、
(A) (A1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル、
(B) (B1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル、
(C) (C1)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル、
(D)鎖状炭化水素部分と、上記鎖状炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、エーテル結合(−O−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、及びカーボネート結合(−OCOO−)から成る群から選択されるいずれか1つの結合とを有する化合物、
(E)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル、及び
(F)鎖状炭化水素、
並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、J3〜J5のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J7]
上記血液改質剤が、(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(b1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(c1)4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素テトラカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c2)3個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素トリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c3)2個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ジカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(d1)脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテル、(d2)ジアルキルケトン、(d3)脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル、(d4)ジアルキルカーボネート、(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、(e2)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(e3)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、及び(f1)鎖状アルカン、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、J3〜J6のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J8]
上記トップシートの血液改質剤の坪量が、上記セカンドシートの血液改質剤の坪量よりも多い、J3〜J7のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J9]
上記吸収体が、その肌側の面に、上記血液改質剤をさらに含む、J3〜J8のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J10]
上記液透過性のトップシート及び/又はセカンドシートが、不織布又は織布であり、上記血液改質剤が、上記不織布又は織布の繊維の表面に付着している、J1〜J9のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J11]
生理用ナプキン又はパンティーライナーである、J1〜J10のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[J12]
液透過性のトップシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートと、上記液透過性のトップシート及び吸収体の間のセカンドシートとを有する吸収性物品前駆体に、上記血液改質剤を、上記液透過性のトップシート側からスプレーすることにより製造された、J1〜J11のいずれか一つに記載の吸収性物品。
1 生理用ナプキン
2 トップシート
3 圧搾部
4 血液改質剤含有領域

Claims (12)

  1. 液透過性のトップシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び吸収体の間のセカンドシートとを有する吸収性物品であって、
    液滴下試験において、
    [1]前記トップシート及びセカンドシートの液残存率が、3.0質量%以下であり、そして
    [2]前記トップシートの肌当接面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長が、前記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の長手方向の液拡散長よりも短い、
    ことを特徴とする、前記吸収性物品。
  2. 前記液滴下試験において、[3]前記トップシートの肌当接面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長が、前記吸収体の着衣側の面の、吸収性物品の幅方向の液拡散長よりも短い、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記トップシート及びセカンドシートが、0.00〜0.60のIOBと、45℃以下の融点と、25℃の水100gに対する、0.00〜0.05gの水溶解度と、1,000未満の重量平均分子量とを有する血液改質剤を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記血液改質剤が、次の(i)〜(iii)、
    (i)炭化水素、
    (ii) (ii−1)炭化水素部分と、(ii−2)前記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、及び
    (iii) (iii−1)炭化水素部分と、(iii−2)前記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル基(−CO−)及びオキシ基(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基と、(iii−3)前記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、
    並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、
    ここで、(ii)又は(iii)の化合物において、オキシ基が2つ以上挿入されている場合には、各オキシ基は隣接していない、
    請求項3に記載の吸収性物品。
  5. 前記血液改質剤が、次の(i’)〜(iii’)、
    (i’)炭化水素、
    (ii’) (ii’−1)炭化水素部分と、(ii’−2)前記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合とを有する化合物、及び
    (iii’) (iii’−1)炭化水素部分と、(iii’−2)前記炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びエーテル結合(−O−)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる結合と、(iii’−3)前記炭化水素部分の水素原子を置換する、カルボキシル基(−COOH)及びヒドロキシル基(−OH)から成る群から選択される、一又は複数の、同一又は異なる基とを有する化合物、
    並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され、
    ここで、(ii’)又は(iii’)の化合物において、2以上の同一又は異なる結合が挿入されている場合には、各結合は隣接していない、
    請求項3又は4に記載の吸収性物品。
  6. 前記血液改質剤が、次の(A)〜(F)、
    (A) (A1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(A2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のカルボキシル基とを有する化合物とのエステル、
    (B) (B1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する2〜4個のヒドロキシル基とを有する化合物と、(B2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエーテル、
    (C) (C1)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する、2〜4個のカルボキシル基とを含むカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、(C2)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分の水素原子を置換する1個のヒドロキシル基とを有する化合物とのエステル、
    (D)鎖状炭化水素部分と、前記鎖状炭化水素部分のC−C単結合間に挿入された、エーテル結合(−O−)、カルボニル結合(−CO−)、エステル結合(−COO−)、及びカーボネート結合(−OCOO−)から成る群から選択されるいずれか1つの結合とを有する化合物、
    (E)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、又はそのアルキルエステル若しくはアルキルエーテル、及び
    (F)鎖状炭化水素、
    並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項3〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記血液改質剤が、(a1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(a3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(b1)鎖状炭化水素テトラオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b2)鎖状炭化水素トリオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(b3)鎖状炭化水素ジオールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、(c1)4個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素テトラカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c2)3個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素トリカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(c3)2個のカルボキシル基を有する鎖状炭化水素ジカルボン酸、ヒドロキシ酸、アルコキシ酸又はオキソ酸と、少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエステル、(d1)脂肪族1価アルコールと脂肪族1価アルコールとのエーテル、(d2)ジアルキルケトン、(d3)脂肪酸と脂肪族1価アルコールとのエステル、(d4)ジアルキルカーボネート、(e1)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコール、(e2)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪酸とのエステル、(e3)ポリオキシC3〜C6アルキレングリコールと少なくとも1の脂肪族1価アルコールとのエーテル、及び(f1)鎖状アルカン、並びにそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項3〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記トップシートの血液改質剤の坪量が、前記セカンドシートの血液改質剤の坪量よりも多い、請求項3〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. 前記吸収体が、その肌側の面に、前記血液改質剤をさらに含む、請求項3〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  10. 前記液透過性のトップシート及び/又はセカンドシートが、不織布又は織布であり、前記血液改質剤が、前記不織布又は織布の繊維の表面に付着している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  11. 生理用ナプキン又はパンティーライナーである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  12. 液透過性のトップシートと、吸収体と、液不透過性のバックシートと、前記液透過性のトップシート及び吸収体の間のセカンドシートとを有する吸収性物品前駆体に、前記血液改質剤を、前記液透過性のトップシート側からスプレーすることにより製造された、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
JP2012218815A 2011-09-30 2012-09-28 吸収性物品 Active JP5939949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012218815A JP5939949B2 (ja) 2011-09-30 2012-09-28 吸収性物品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011217904 2011-09-30
JP2011217904 2011-09-30
JP2012218815A JP5939949B2 (ja) 2011-09-30 2012-09-28 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013081772A JP2013081772A (ja) 2013-05-09
JP5939949B2 true JP5939949B2 (ja) 2016-06-22

Family

ID=47995910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012218815A Active JP5939949B2 (ja) 2011-09-30 2012-09-28 吸収性物品

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5939949B2 (ja)
AR (1) AR088071A1 (ja)
TW (1) TWI573576B (ja)
WO (1) WO2013047888A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6329991B2 (ja) * 2016-05-31 2018-05-23 花王株式会社 吸収性物品
CN109219425B (zh) * 2016-06-03 2021-07-27 花王株式会社 生理用品

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3971136B2 (ja) * 2001-07-12 2007-09-05 ユニ・チャーム株式会社 吸収性物品
JP4476102B2 (ja) * 2003-12-11 2010-06-09 花王株式会社 吸収性物品の表面シート
JP4605653B2 (ja) * 2005-07-12 2011-01-05 ユニ・チャーム株式会社 表面材およびそれを用いた吸収性物品
JP4986673B2 (ja) * 2007-03-27 2012-07-25 花王株式会社 吸収性物品
KR101400704B1 (ko) * 2006-07-05 2014-05-29 가오 가부시키가이샤 흡수성 물품
KR20100108593A (ko) * 2008-02-15 2010-10-07 더 프록터 앤드 갬블 캄파니 폴리프로필렌 글리콜 물질을 포함하는 로션을 가진 흡수 용품
JP2011036378A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Livedo Corporation 吸収性物品及び吸収性物品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013047888A1 (en) 2013-04-04
TWI573576B (zh) 2017-03-11
TW201328679A (zh) 2013-07-16
JP2013081772A (ja) 2013-05-09
AR088071A1 (es) 2014-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5836883B2 (ja) 吸収性物品の液透過性のトップシート用の血液改質剤
JP6021567B2 (ja) 吸収性物品
JP6116177B2 (ja) 吸収性物品
JP6116179B2 (ja) 吸収性物品
JP5685234B2 (ja) 吸収性物品
JP5998000B2 (ja) 不織布及び吸収性物品
JP6116178B2 (ja) 吸収性物品
JP5717686B2 (ja) 吸収性物品
JP6092508B2 (ja) 吸収性物品
JP2013212282A (ja) 吸収性物品
JP6057648B2 (ja) 吸収性物品
JP6012380B2 (ja) 不織布及び吸収性物品
JP5988810B2 (ja) 吸収性物品
JP5939949B2 (ja) 吸収性物品
WO2014050972A1 (ja) 吸収性物品
JP6104551B2 (ja) 吸収性物品
JP2014068956A (ja) 吸収性物品
JP2017109125A (ja) 吸収性物品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150813

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160419

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5939949

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250