JP5939825B2 - 珪素の酸化物膜を形成した樹脂物品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高温高湿試験後においても優れた密着性を示す珪素の酸化物膜を形成した樹脂物品に関し、特に、珪素の酸化物膜を形成した特定のコーポリカーボネート樹脂層を持つ押出或いは共押出し成形されたポリカーボネート樹脂系のシート或いはフィルムに関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性、加工の自由度、軽量性等に優れていることからガラスに代わる構造材料として広く使用されており、電気・電子・OA機器等のハウジングやメーターカバー、液晶ディスプレーカバー、また、窓ガラス、サンルーフ、計器カバー等の自動車用途、採光用屋根材や窓ガラスのような建材用途等に広く用いられている。
上記用途にポリカーボネート樹脂を用いることを考えた場合、まず、ポリカーボネート樹脂は、他の樹脂に比較しても表面硬度が低いとの課題がある。特に、透明窓部などのあるプラスチックス製品(成形品)の場合、該窓部などにはより高い耐擦り傷性を持ったものとすることが要求される。また、その他の部分には、適宜、所定の絵柄や文字を有する印刷層や金属様などの意匠が要求される。
耐擦り傷性の面からは、上記の用途の中で、平面形状や緩やかな曲面のものでは、4Hを超える高い表面硬度のハードコートを施したフィルム或いはシートが開発され、そのままで、または金型に装着して射出成形品を製造する方法などに用いられている。
しかし、伸びを必要とする曲面を有する物品用としては、このものの使用は出来ない。そこで、このような高い耐擦り傷性の製品は、この物品を製造した後、塗装する方法によるが、操作が煩雑で製品歩留まりも低いものであり、熱可塑性樹脂の極めて優れた加工の自由度を充分に活かすことが出来ないものであった。
この改良として、熱成形可能なハードコート層を形成し、適宜、その裏面に意匠を施した加飾フィルムを用いる射出成形品を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献1=特開2010-284910号公報)。この特許文献1の実施例は、厚さ125μmのポリエチレンテレフタレートを基材フィルムとし、片面にUV硬化型の厚さ4μmの特定のハードコート層を形成したものを開示する。しかし、基材フィルムは、二軸延伸され、熱固定の工程を経たものであることから、よりRの小さい、より局所伸びの大きい熱成形への適用は困難であった。
また、その他の部分に適宜、要求される所定の絵柄や文字を有する印刷層や金属様などの意匠の面からは、ポリカーボネート樹脂を侵さない印刷インキの開発や、耐インキ性やより高い耐久性と密着性を示す無機膜用の表面処理方法やプライマー層などが研究開発され、また、それらのさらなる改良などが求められている。
特開2010−284910号公報
本発明者らは、ポリカーボネート樹脂シート或いはフィルムの無機膜の形成に関して鋭意検討した結果、特定のコーポリカーボネート樹脂が、初期および高温高湿試験後において良好な密着性の珪素の酸化物膜の形成が可能であることを見出し、これに基づいて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)樹脂層の表面にSiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜した樹脂物品であって、前記樹脂層が、下記一般式(A)および一般式(B)で表される構成単位を有し、かつ、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜50重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)を含む層を有することを特徴とする、前記樹脂物品である。
(一般式(A)及び(B)中のR1〜R10は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示し、Xは -C(R11)(R12)-、-S-、−S(=O)2-、-C(=O)-、-O-、または-(CH2)a-(ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示すか、R11及びR12が一緒に結合して炭素環または複素環を形成する基を表し、aは1以上の整数を表す。)を示す。)
(2)前記樹脂層が、更に、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を有し、かつ、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方もしくは両方の面に、前記共重合体(I)を含む層を共押出成形によって積層した積層体であって、少なくとも一つの前記共重合体(I)を含む層の表面にSiOy膜(yは1〜2の正数)を有し、前記共重合体(I)における一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である、上記(1)に記載の樹脂物品である。
(3)前記樹脂層が、更に、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を有し、かつ、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方の面に、前記共重合体(I)を含む層を、他方の面に厚さ20〜100μmのアクリル樹脂を含む層をそれぞれ共押出成形によって積層した総厚さが70〜1500μmの積層体であって、前記共重合体(I)を含む層の表面にSiOy膜(yは1〜2の正数)を有し、前記共重合体(I)における一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である、上記(1)に記載の樹脂物品である。
(4)前記アクリル樹脂を含む層が、紫外線吸収剤を含む、上記(3)に記載の樹脂物品である。
(5)前記アクリル樹脂を含む層が、その表面に熱成形可能なコーティング層を形成したものである、上記(3)または(4)に記載の樹脂物品である。
(6)上記一般式(A)および一般式(B)で表される構成単位を有し、かつ、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜50重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)を含む層を有する樹脂層を形成する工程と、
前記樹脂層の表面に、真空蒸着法、スパッタリング法、あるいはCVD法によってSiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜する工程と、を有することを特徴とする樹脂物品の製造方法である。
(7)前記SiOy膜(yは1〜2の正数)の形成の際に前処理であるプラズマ処理を実施しない、上記(6)に記載の樹脂物品の製造方法である。
(8)芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方もしくは両方の面に、前記共重合体(I)を含む層を共押出成形によって積層した積層体を形成する工程、及び少なくとも一つの前記共重合体(I)を含む層の表面に前記SiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜する工程を有し、前記共重合体(I)における一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である、上記(6)または(7)に記載の樹脂物品の製造方法である。
(9)芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方の面に、前記共重合体(I)を含む層を、他方の面に厚さ20〜100μmのアクリル樹脂を含む層をそれぞれ共押出成形によって積層した総厚さが70〜1500μmの積層体を形成する工程、及び前記共重合体(I)を含む層の表面に前記SiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜する工程を有し、前記共重合体(I)における一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である、上記(6)または(7)に記載の樹脂物品の製造方法である。
本発明におけるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)を含む層を有する樹脂層の表面に、プラズマ処理等の前処理を実施せずに製膜したSiOy膜(yは1〜2の正数)は、初期および高温高湿試験後において良好な密着性を示すものであり、付加価値の高い製品の製造を可能とするものである。
まず、本発明の構成に関して説明する。
ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)(PC−Si)を含む層
本発明で用いるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)(以下、適宜、共重合体Iと記す。)は、下記一般式(A)および一般式(B)で表される構成単位を有し、かつ、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜50重量%である共重合体Iである。
一般式(A)及び(B)中のR1〜R10は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示す。ハロゲンとしては、好ましくは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が挙げられる。上記アルキル基としては、炭素数が1から5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく挙げられ、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、sec-ブチルなどが挙げられる。更に、上記アリール基としては、フェニル、ベンジル、トリル、o-キシリルなどが好ましく挙げられる。上記アルキル基又はアリール基が有する置換基としては、ハロゲン、メチル、エチル等が好ましく挙げられる。
一般式(A)中のXは、-C(R11)(R12)-、-S-、−S(=O)2-、-C(=O)-、-O-、または-(CH2)a-を示す。ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示すか、R11及びR12が一緒に結合して炭素環または複素環を形成する基を表す。R11及びR12における「ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基」は、上記で説明したものと同じである。R11及びR12が一緒に結合して形成される炭素環としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン、ベンゼンなどが好ましく挙げられ、また、複素環としては、ピリジン、ラクトンなどが好ましく挙げられる。上記aは1以上の整数を表し、好ましくは1〜6である。
この共重合体Iは、下記の一般式(1)で表される二価フェノールおよび一般式(2)で表されるポリシロキサンを、ホスゲン、炭酸エステル、或いはクロロホーメートと共重合させて得られる。
一般式(1)において、X、R1〜R8は一般式(A)で定義される置換基と同様である。一般式(2)において、R9及びR10 は一般式(B)で定義される置換基と同様である。また、n は1〜1000 の整数を示し、Y はハロゲン、-R13OH、-R13COOH、-R13NH2 、-R13N(R14)H 、または-SH を示し、R13 は直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキリデン基、アリール置換アルキリデン基、またはアリール基を表し、R14 はアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル基を表し、m は0又は1を表す。
R13 で表されるアルキリデン基としては、ビニリデン、ベンジリデン、イソプロピリデンなどが好ましく挙げられ、アリール基としては、フェニル、ベンジル、o-キシリルなどが好ましく挙げられる。R13 で表されるアリール置換アルキリデン基としては、上記アリール基で置換された上記アルキリデン基が好ましく挙げられる。
R14 で表されるアルキルとしては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、sec-ブチルなどが好ましく挙げられ、アルケニルとしては、ビニル、2-プロペニルなどが好ましく挙げられ、アリールとしては、フェニル、ベンジル、o-キシリルなどが好ましく挙げられ、アラルキル基としては、2-フェニルエチル、メチルフェニルなどが好ましく挙げられる。
本発明において、共重合体Iを単層フィルムとして用いる場合には、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜50重量%、特に1〜30重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体が好ましい。一般式(B)で表される構成単位の割合が50重量%を超えると、フィルムを製造することが困難となることがあり、0.1重量%未満では表面特性が発現しないことがある。
本発明において、共重合体Iを共押出しに用いる場合には、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1重量%以上25重量%以下、特に0.1〜20重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体が好ましい。一般式(B)で表される構成単位の割合が25重量%を超えると芳香族ポリカーボネート樹脂との層間接着性が不十分となり、また、透明性も低下し意匠性の劣化につながり、0.1重量%未満では珪素の酸化膜の密着性の改良が不十分となる。
共重合体Iの粘度平均分子量は15,000〜100,000 が好ましく、20,000〜50,000がより好ましい。粘度平均分子量が15,000よりも小さくなるとフィルム強度が十分ではなく、100,000を超えると生産性が低下する傾向がある。
共重合体Iの製造に用いる一般式(1)で表される二価フェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン (ビスフェノールA ; BPA)、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン (ビスフェノールZ ; BPZ)、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3-クロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4−ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンなどが好ましく例示される。それらの中でも特に、2,2-ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1-ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンが好ましく挙げられる。
また、一般式(2)で表されるポリシロキサンは、例えば、下記一般式(3)〜(9)で表される化合物が好ましく挙げられる。
一般式 (3)〜(9) 中、R9、R10、R14及びnは一般式(2)で定義されるものと同様である。bは正の整数を表し、好ましくは1〜5である。それらの中でも、α,ω−ビス(3-(o-ヒドロキシフェニル)プロピル)ポリジメチルシロキサンが特に好ましい。
なお、両末端にヒドロキシフェニル基を持つもの(二価フェノール)は、オレフィン性の不飽和炭素−炭素結合を有するフェノール類、好適にはビニルフェノール、アリルフェノール、またはイソプロペニルフェノールを所定の重合度nを有するポリシロキサン鎖の末端に、ハイドロシラネーション反応させることにより容易に製造される。
通常、ポリカーボネート樹脂の製造にあたっては、末端停止剤或いは分子量調節剤が使用される。末端停止剤としては一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられ、通常のフェノール、p-第三ブチルフェノール、トリブロモフェノールなどの他に、長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル、アルキルエーテルフェノールなどが例示される。その使用量は用いる全ての二価フェノール系化合物 100モルに対して、 100〜0.5 モル、好ましくは50〜2 モルの範囲であり、二種以上の化合物を併用することも当然に可能である。
更に分岐化剤を上記の二価フェノール系化合物に対して、0.01〜3 モル%、特に 0.1〜1.0 モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネートとすることができ、分岐化剤としては、フロログリシン、2,6-ジメチル−2,4,6-トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン-3、4,6-ジメチル-2,4,6- トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプテン-2、1,3,5-トリ(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,6-ビス(2-ヒドロキシ-5- メチルベンジル)-4-メチルフェノール、α, α′, α″−トリ(4-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリイソプロピルベンゼンなどで例示されるポリヒドロキシ化合物、及び3,3-ビス(4-ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5-クロルイサチン、5,7-ジクロルイサチン、5-ブロムイサチンなどが例示される。
共重合体Iを含む層の厚さは、樹脂物品の用途によって適宜選択することができるが、5〜500μmが好ましく、10〜300μmがより好ましい。共重合体Iを含む層の厚さが、5μm未満であると積層が困難となり、500μmを超えるとフィルムの柔軟性が損なわれることがある。
芳香族ポリカーボネート樹脂 (BPA−PC)を含む層
本発明の好ましい態様で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、上記のポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)に用いる一般式(1)で表される二価フェノールまたはこれと少量のポリヒドロキシ化合物とホスゲンとを用いて界面重合法により製造されるか、または、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとのエステル交換反応により製造される分岐していてもよい熱可塑性ポリカーボネート重合体である。
本発明の好ましい態様で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂は、通常の押出成形によりシートを製造できるものであることが好ましく、粘度平均分子量は15,000〜40,000、好ましくは20,000〜35,000、より好ましくは22,500〜25,000である。
本発明の好ましい態様で用いられる芳香族ポリカーボネート樹脂には所望に応じて、従来のポリカーボネート樹脂に使用された種々の添加剤が配合可能であり、これらとしては補強材、充填剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、その他の難燃剤や耐衝撃性改良用のエラストマーなどが挙げられる。
アクリル樹脂を含む層
本発明の好ましい態様で用いられるアクリル樹脂は、メチルメタクリレートとメチルアクリレート又はエチルアクリレート等のアクリレートとの共重合体が好ましく、共重合組成及び分子量は共押出条件により適宜選択すればよいが、共重合組成比としてはメチルメタクリレート80〜99.5%、メチル又はエチルアクリレート等のアクリレート0.5〜20%が好ましい。
また、押出成形が可能で透明性を損なわない範囲で架橋成分を含有するアクリル樹脂を使用することができる。分子量は、重量平均分子量で3〜30万であるが、これらだけに制限されるものではない。アクリル樹脂の荷重撓み温度は高いほど、ガラス転移温度も高くなり、ロール転写温度もポリカーボネート樹脂のロール転写温度と近くなり、ロール転写性に優れ、外観の優れた積層体が得られる。従って、アクリル樹脂の荷重撓み温度は90℃以上が好ましく、より好ましくは95℃以上、特に好ましくは100℃以上である。高い鉛筆硬度を確保するためにはアクリル樹脂にゴム成分を実質的に含有しないことが好ましい。
アクリル樹脂の製造方法は一般的に、乳化重合法、懸濁重合法、連続重合法に大別されるが、本発明の好ましい態様に使用されるアクリル樹脂は、いずれの重合法により製造された樹脂でも使用することができるが、好ましくは懸濁重合法や連続重合法で製造されたものであり、更に好ましくは、連続重合法により製造されたものである。そして、連続製造法には、連続塊状重合法と連続溶液重合法とに分けられるが、本発明においてはどちらの製法で得られたアクリル樹脂でも用いることができる。
アクリル樹脂中には、耐候性を長期間保持する目的のために公知の紫外線吸収剤をアクリル樹脂に対して0.005〜3.0重量%添加することが好ましい。また、共押出し成形時にアクリル樹脂の熱劣化を防止するため、公知の酸化防止剤と着色防止剤を添加してもよい。酸化防止剤はアクリル樹脂に対して0.01〜3重量%添加するのが良い。着色防止剤はアクリル樹脂に対して0.01〜3重量%添加することができる。紫外線吸収剤、酸化防止剤及び着色防止剤の合計の添加量が、アクリル樹脂に対して0.1重量%未満の場合、十分な耐候性を示さない。また、5重量%を超えて添加してもさらなる耐候性向上は期待できないばかりでなく、これら添加剤がブリードアウトを起こし、白化の原因になったり、密着性や衝撃強度の低下を招くこともある。
これらアクリル樹脂に添加される紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸フェニルエステル系、及びトリアジン系の紫外線吸収剤が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチレンブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等を例示することができ、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−クロルベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン等を例示することができる。
また、サリチル酸フェニルエステル系紫外線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニルサリチル酸エステル等が例示でき、トリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジンなどを挙げることができるが、これらだけに限定されるものではなく、一般的に入手可能な紫外線吸収剤などが含まれる。
アクリル樹脂を含む層の厚さは、樹脂物品の用途によって適宜選択することができるが、20〜100μmが好ましく、30〜80μmがより好ましい。アクリル樹脂を含む層の厚さが、20μm未満であると目的とする表面硬度が得られないことがあり、100μmを超えると耐衝撃性能が不足となることがある。
フィルムまたはシートの製造
上記した樹脂を用いて、本発明の樹脂物品の一例であるフィルムまたはシートを通常、押出或いは共押出成形にて製造する。
押出成形法としては、Tダイフィルム成形、インフレーションフィルム成形、カレンダー成形などが挙げられる。押出成形にて、共重合体Iがダイから吐出されるときには、剪断速度としては 2.0〜80.0(1/sec) が好ましい。必要な流動性を得て押出を容易にするためである。
本発明では、共重合体Iを含む層のみを有する樹脂層を形成してもよいが、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方もしくは両方の面に、共重合体Iを含む層を共押出成形によって積層した積層体を形成することも好ましい。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方の面に、共重合体Iを含む層を、他方の面に厚さ20〜100μmのアクリル樹脂を含む層をそれぞれ共押出成形によって積層した総厚さが70〜1500μmの積層体を形成することも好ましい。
押出、共押出成形フィルムの総厚さは、70〜1500μmが好ましい。厚さが70μmを下回ると膜の製作が難しくなり、1500μmを超えるとフィルムとしての柔軟性が低下する。
上述した通り、本発明では、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方或いは両面に、共重合体Iを含む層を有するシート状或いはフィルム状の積層体を共押出しによって製造することができ、また、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方の面に共重合体Iを含む層を、他方の面にアクリル樹脂を含む層を有するシート状或いはフィルム状の積層体を共押出しによって製造することができる。
共押出しは、芳香族ポリカーボネート樹脂を押し出す一つのメイン押出機と、被覆層を構成する共重合体Iまたはアクリル樹脂を押し出すサブ押出機により構成される。
メイン押出機の温度条件は、通常230〜290℃、好ましくは240〜280℃であり、サブ押出機の温度条件は通常220〜270℃、好ましくは230〜260℃である。また、樹脂中の異物を除去するために押出機のダイスより上流側にポリマーフィルターを設置することが好ましい。
溶融樹脂は、マルチマニホールド方式、フィードブロック方式などの公知の方法を用いて製造することができる。マルチマニホールドダイの場合は、該ダイ内で積層された溶融樹脂はダイ内部にてシート状に成形された後、表面を鏡面処理された成形ロール(ポリッシングロール)に導かれ、成形ロール通過中に鏡面仕上げと冷却が行われ、積層体が形成される。また、フィードブロックで積層された溶融樹脂はTダイなどのシート成形ダイに導かれ、シート状に成形された後、成形ロールにて表面仕上げおよび冷却が行われ、積層体が形成される。また、ダイの温度としては、通常250〜320℃、好ましくは270〜300℃であり、成形ロール温度としては、通常100〜200℃、好ましくは110〜190℃である。ロールは縦型ロールまたは横型ロールを適宜使用することができる。
珪素の酸化物膜を形成した樹脂物品
以上で製造したフィルムまたはシートにおける共重合体Iを含む層の表面に、真空蒸着法、スパッタリング法、あるいはCVD法によって珪素の酸化物の薄膜(即ち、SiOy膜(yは1〜2の正数))を形成して本発明の樹脂物品を得る。各々の方法は公知であるが、下記に簡単に説明する。
真空蒸着法とは、金属や酸化物などを蒸発させて材料の表面に付着させる表面処理もしくは薄膜を形成する方法の一つである。つまり、真空にした容器の中で、蒸着物質を抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザー等の方法で加熱し、蒸発もしくは昇華させて離れた位置に設置したフィルムなどに付着させて薄膜を形成するという方法である。
スパッタリング法とは、真空チャンバー内に薄膜として付着させたい金属をターゲットとして設置し、高電圧をかけてイオン化させた希ガス元素や窒素を衝突させ、ターゲット表面の原子を弾き飛ばすことで、基板に薄膜を形成させる方法である。
どちらの製膜方法においても、通常プラスチックに珪素の酸化被膜を製膜する場合は、プラズマ処理やArイオン銃等の前処理を実施して、密着力を向上させることが一般的となっている。しかし、本発明では、このような前処理をしなくとも充分な密着性の珪素の酸化被膜が得られるものであり、従来の方法とは異なる。
珪素の酸化被膜の厚みは、1〜100nmが好ましい。さらに好ましくは1〜50nmである。また、この酸化被膜は、適宜、他の無機膜、例えば、多層化して反射防止膜、意匠用の金属様膜、その他の接着用のプライマー膜として好適に用いられる。
また、本発明において、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の片面にアクリル樹脂を含む層を有する場合には、このアクリル樹脂を含む層上に、熱成形可能な塗膜、典型的にはハードコートのような機能を持つ膜を形成したものとすることにより、曲面上にもハードコートが形成され、その反対面に金属様などの意匠模様を有する加飾フィルムとされる。
熱成形可能なハードコート膜は、熱成形時に追従可能な塗料を塗布することにより形成する。塗料としては勿論、既存のものでも適用可能であるが、本積層体用に一部成分、例えば、溶剤成分などを工夫したものが好ましい。
さらに、本発明の前記の片面の珪素の酸化物膜上に意匠用の金属様膜、その反対面に、適宜、熱成形可能な塗膜を形成した多層の樹脂物品は、熱成形して金型に装着し或いは金型内で熱成形された後、透明な熱可塑性樹脂を射出成形して成形品とする。このときに、本珪素の酸化物膜は強固に接着したものであり、この層からの剥離による射出成形樹脂の剥離という不良発生を抑えるものである。
以下に、本発明を実施例によって説明する。本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例、比較例では、下記に示したポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収剤、酸化防止剤および着色防止剤を用いた。
1.BPA−PC : ビスフェノールAポリカーボネート樹脂
三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、商品名:ユーピロンS−1000、粘度平均分子量25,000。
2.PC−Si : ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体
下記の製造例1〜3で製造したポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体。
3.PMMA : アクリル樹脂
下記の製造例4で製造したアクリル樹脂。
4.アクリル樹脂用添加剤 :
アクリル樹脂用滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤は次のものを用いた。
滑剤:ステアリルアルコール、キシダ化学社製。
紫外線吸収剤:2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名:チヌビン1577)。
酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(住友化学工業社製、商品名:スミライザーBHT)。
着色防止剤:旭電化工業社製、商品名:PEP36。
実施例、比較例中の各種物性の測定及び評価は下記の方法で行った。
1. 密着性試験 :JIS5600−5−4に準拠して、密着性を測定した。
2. 高温高湿試験:85℃、85%の環境下で96時間保持した後、JIS5600−5−4に準拠して、密着性を測定した。
製造例1(PC−Si−I)
8.8%(W/V)の水酸化ナトリウム水溶液580リットルにビスフェノールA(BPA)91.2Kgと前記一般式(3)で表されるポリシロキサン(R及びR10がそれぞれメチル基、n=41、b=3でオルト結合)5.95Kg、及びハイドロサルファイト100gを加え溶解した。これにメチレンクロライド360リットルを加え、15℃に保ちながら攪拌しつつ、p-t-ブチルフェノール(PTBP)1.44kgを加え、ついでホスゲン53.0kgを60分かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、100mlのトリエチルアミンを加え、約1時間攪拌し重合させた。重合液を水層と有機層に分離し、有機層を硫酸で中和し、洗液のpHが中性になるまで洗浄を繰り返した後、イソプロパノール470リットルを加え、重合物を沈殿させた。沈殿物を濾過後、乾燥して白色粉末状のポリカーボネート−ポリシロキサン共重合(PC−Si)樹脂を得た。得られたポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体における一般式(A)で表される構成単位の割合は約95重量%であり、一般式(B)で表される構成単位の割合は約5重量%である。
製造例2 (PC−Si−II)
ポリシロキサン共重合体の構成単位を、20重量%に変更した以外は製造例1と同様の方法を用いた。得られたポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体における一般式(A)で表される構成単位の割合は約80重量%であり、一般式(B)で表される構成単位の割合は約20重量%である。
製造例3 (PC−Si−III)
ポリシロキサン共重合体の構成単位を、50重量%に変更した以外は製造例1と同様の方法を用いた。得られたポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体における一般式(A)で表される構成単位の割合は約50重量%であり、一般式(B)で表される構成単位の割合は約50重量%である。
製造例4(PMMA:特開平7−133303号公報記載の方法に準ずる)
メチルメタクリレート88重量部、メチルアクリレート4重量部、メタノール8重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.032重量部(2×10-3モル/L)及びn−ドデシルメルカプタン0.21重量部(10×10-3モル/L)を混合した後、窒素吹き込みによって溶存酸素を除去し原料液を調製した。
熱媒を循環するジャケットとヘリカルリボン撹拌翼を備えた内容積6Lの重合槽に予めこの原料液5kgを添加して密閉し、十分撹拌して均一混合状態を保ちながら、150℃に昇温して単量体転化率75%及び重合体濃度69%に到達するまで重合させた後、この原料液を1kg/hの割合で重合槽に連続的に供給した。
重合温度を150℃及び平均滞留時間を約5時間に維持したところ、重合液の粘度は45Pa・秒、単量体転化率は75%及び重合体濃度は69%で安定に保たれた。この重合液に1kg/hの流量で抜き出し、250℃まで加熱後、減圧下にある脱揮タンク内にフラッシュした。脱揮された重合体100重量部に上記に示した滑剤0.2重量部、紫外線吸収剤1.0重量部、酸化防止剤0.1重量部、着色防止剤0.1重量部を配合し、混練後、加圧下で、絶対濾過精度10μmのSUS−316L製リーフディスクを有するポリマーフィルターを備えた脱揮タンク底部より溶融状態で抜き出し、ダイスによりストランド状に取り出し、水冷後ペレタイザーにてペレット化した。
得られたペレットは残存揮発成分としてメチルメタクリレート0.27重量%、メチルアクリレート0.01重量%で、重合開始剤及び連鎖移動剤のn−ドデシルメルカプタンはGC分析では観察されなかった。得られたアクリル樹脂(PMMA)の外観は無色透明で、GPC測定より重量平均分子量(Mw)は85,000で、熱変形温度は105℃であった。
(実施例1)
芳香族ポリカーボネート樹脂の押出機(メイン押出機)として、バレル直径65mm、スクリュウのL/D=35を用い、シリンダー温度270℃に設定した。また、被覆層を形成するポリカーボネート−ポリシロキサン共重合樹脂の押出機(サブ押出機)は、バレル直径32mm、スクリュウのL/D=32を用い、シリンダー温度260℃に設定した。
2種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロックを使用し、BPA−PC(ビスフェノールAポリカーボネート樹脂)を含む層の片面に上記製造例1で得られたPC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層を積層した。
ダイヘッド内温度は260℃とし、ダイ内で積層一体化された樹脂は、鏡面仕上げされた横型配置の3本のポリッシングロール(1番ロール温度130℃、2番ロール温度130℃、3番ロール温度185℃に設定)に導いた。最初に流入するロール間隔にて、バンクを形成した後、2番、3番ロールを通過させ、300μm厚共押出シートを押出しした。
このとき、メイン押出機とサブ押出機の回転数は吐出量比がメイン/サブ=270/30となるように設定し、ポリカーボネート樹脂積層体を得た。製造された積層体の評価結果を表1に示した。なお、300μm厚共押出シート中におけるPC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層の厚さは、30μmであった。
得られたポリカーボネート樹脂積層体に対して、シンクロン(株)製CES−350型蒸着装置を用い、10-3〜10-4Paの減圧下で被薄膜物質を電子銃で蒸発させた。被薄膜物質は、PC−Si層側から二酸化珪素の薄膜を厚みが50nmになる様に積層したポリカーボネート樹脂積層体を得た。製造された積層体の評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において、メイン押出機とサブ押出機の回転数は吐出量比がメイン/サブ=290/10となるように設定する他は同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を得た。
製造された積層体の評価結果を表1に示した。なお、300μm厚共押出シート中におけるPC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層の厚さは、10μmであった。
また、実施例1と同様にして二酸化珪素の薄膜を厚みが50nmになる様に積層したポリカーボネート樹脂積層体を得た。製造された積層体の評価結果を表1に示した。
(実施例3)
芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の片面にPMMAを含む層、反対面にPC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層を積層した共押出シートを製造した。
実施例1と同様のメイン押出機及び実施例1と同様のサブ押出機を2機用い、メイン押出機と二つのサブ押出機の回転数は、吐出量比がメイン/サブ/サブ=240/30/30となるように設定すること、および、ポリッシングロール条件を(1番ロール温度110℃、2番ロール温度130℃、3番ロール温度185℃に設定)とする他は実施例1と同様とした。
3種類の樹脂を同時に溶融押出し、積層する際にはフィードブロックを使用し、BPA−PC(ビスフェノールAポリカーボネート樹脂)を含む層の片面に上記製造例4で得られたPMMAを含む層を、その反対面に上記製造例1で得られたPC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層を積層した。また、実施例1と同様にしてPC−Siを含む層上に二酸化珪素の薄膜を厚みが50nmになる様に積層したポリカーボネート樹脂積層体を得た。製造された積層体の評価結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例3において、総厚みが1000μm、メイン押出機と二つのサブ押出機の回転数は、吐出量比がメイン/サブ/サブ=930/60/10となるように設定することの他は実施例3と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を製造した。製造された積層体の評価結果を表1に示した。
(実施例5)
実施例1において、メイン押出機のみ用い、PC−Si−I(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)をシリンダー温度260℃で押し出しして、PC−Si単独のシートを製造した。評価結果を表1に示した。
(実施例6)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例2で製造したものに代えた以外は、実施例1と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(実施例7)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例2で製造したものに代えた以外は、実施例2と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(実施例8)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例2で製造したものに代えた以外は、実施例3と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(実施例9)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例2で製造したものに代えた以外は、実施例4と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(実施例10)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例2で製造したものに代えた以外は、実施例5と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(実施例11)
PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を製造例3で製造したものに代えた以外は、実施例5と同様に実施した。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において、メイン押出機のみ用い、BPA−PC(ビスフェノールAポリカーボネート樹脂)をシリンダー温度270℃で押し出しして、BPA−PC単独のシートを製造した。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例3において、PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層用のサブ押出機を用いず、メイン押出機とサブ押出機の回転数は、吐出量比がメイン/サブ=270/30となるように設定することの他は実施例3と同様にしてポリカーボネート樹脂積層体を製造した。製造された積層体のPMMAを含む層上に、二酸化珪素の薄膜を形成し評価した。評価結果を表1に示した。
表1から明らかなように、PC−Si(ポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体)を含む層を有する本発明のシートは、初期の密着性のみならず、高温高湿試験後の密着性にも優れていることがわかる。

Claims (7)

  1. 樹脂層の表面にSiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜した樹脂物品であって、前記樹脂層が、下記一般式(A)および一般式(B)で表される構成単位を有し、かつ、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜25重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)を含む層を有し、
    (一般式(A)及び(B)中のR1〜R10は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示し、Xは -C(R11)(R12)-、-S-、−S(=O)2-、-C(=O)-、-O-、または-(CH2)a-(ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示すか、R11及びR12が一緒に結合して炭素環または複素環を形成する基を表し、aは1以上の整数を表す。)を示す。)
    前記樹脂層が、更に、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を有し、かつ、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方もしくは両方の面に、前記共重合体(I)を含む層を共押出成形によって積層した積層体であって、少なくとも一つの前記共重合体(I)を含む層の表面にSiO y 膜(yは1〜2の正数)を有する、前記樹脂物品。
  2. 前記樹脂層が、芳香族ポリカーボネート樹脂層の一方の面に、前記共重合体(I)からなる樹脂層を他方の面に厚さ20〜100μmのアクリル樹脂層を共押出成形によって積層した総厚さが70〜1500μmのポリカーボネート樹脂積層体であって、前記共重合体(I)の樹脂層表面にSiOy膜(yは1〜2の正数)を有し、前記共重合体(I)の一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である請求項1記載の珪素の酸化物膜を形成した樹脂物品。
  3. 前記アクリル樹脂を含む層が、紫外線吸収剤を含む、請求項に記載の樹脂物品。
  4. 前記アクリル樹脂を含む層が、その表面に熱成形可能なコーティング層を形成したものである、請求項またはに記載の樹脂物品。
  5. 下記一般式(A)および一般式(B)で表される構成単位を有し、かつ、一般式(B)で表される構成単位の割合が0.1〜25重量%であるポリカーボネート−ポリシロキサン共重合体(I)を含む層を有する樹脂層を形成する工程と、
    芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方もしくは両方の面に、前記共重合体(I)を含む層を共押出成形によって積層した積層体を形成する工程と、
    少なくとも一つの前記共重合体(I)を含む層の表面に、真空蒸着法、スパッタリング法、あるいはCVD法によってSiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜する工程と、
    を有することを特徴とする樹脂物品の製造方法。
    (一般式(A)及び(B)中のR1〜R10は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又は置換基を有してもよいアルキル基又はアリール基を示し、Xは -C(R11)(R12)-、-S-、−S(=O)2-、-C(=O)-、-O-、または-(CH2)a-(ここで、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン又は置換基を有しても良いアルキル基又はアリール基を示すか、R11及びR12が一緒に結合して炭素環または複素環を形成する基を表し、aは1以上の整数を表す。)を示す。)
  6. 前記SiOy膜(yは1〜2の正数)の形成の際に前処理であるプラズマ処理を実施しない、請求項に記載の樹脂物品の製造方法。
  7. 芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層を形成し、該芳香族ポリカーボネート樹脂を含む層の一方の面に、前記共重合体(I)を含む層を、他方の面に厚さ20〜100μmのアクリル樹脂を含む層をそれぞれ共押出成形によって積層した総厚さが70〜1500μmの積層体を形成する工程、及び
    前記共重合体(I)を含む層の表面に前記SiOy膜(yは1〜2の正数)を製膜する工程を有し、
    前記共重合体(I)における一般式(B)で表される構成単位が0.1重量%以上25重量%以下である、請求項またはに記載の樹脂物品の製造方法。
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