JP5939515B2 - 匂いの空間分布制御方法、匂いの空間分布制御装置、視聴覚システム及び顧客誘導システム - Google Patents

匂いの空間分布制御方法、匂いの空間分布制御装置、視聴覚システム及び顧客誘導システム Download PDF

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本発明は、匂いの空間分布制御方法、匂いの空間分布制御装置、視聴覚システム及び顧客誘導システムに関し、匂いを有する空気流を他の空気流に衝突させてユーザーの側に向きを変え、この空気流の衝突した箇所に匂い源が存在するような匂いの空間分布を形成するようにして、それぞれ対向する2つの空気流を衝突させてこの匂いを有する空気流及び他の空気流を作製することにより、匂い源の位置を2次元的に可変できるようにする。
従来より、映画やバーチャルリアリティーの分野で、匂いにより臨場感を向上する工夫が図られている。具体的に、1960年代初頭に開発されたセンソラマ(特許文献1)では、オートバイで走行するシーンで送風し、このオートバイがイタリアンレストランの前を通過するシーンでピザの匂いを観客に提供した。
また近年では、香料を何種類かセットしておき、その中からシーンに応じた香料を選択して匂いを提供する装置が開発されている。因みに、このような装置は、嗅覚ディスプレイと呼ばれる。
具体的に、非特許文献1では、ゲームの装置に適用して、鼻の近傍に配置したチューブを介して匂いを供給する方法が提案されている。また非特許文献2では、いわゆる空気砲による渦輪をユーザーの顔に向けて発射し、この渦輪を介して匂いを提供する方法が提案されている。しかしながらこれら非特許文献1、2に開示の構成は、構成が複雑になる欠点がある。
このような匂いの制御に関して、非特許文献3には、匂いを有する空気流を他の空気流と衝突させてユーザーの側に向きを変え、この空気流の衝突した箇所に匂い源が存在するような匂いの空間分布を形成する方法が開示されている。この非特許文献3に開示の方法によれば、衝突させる2つの空気流の風量を制御することにより、この空気流の軸線方向に一次元的に匂い源の位置を可変することができる。
すなわち図13は、この非特許文献3に開示の匂いの空間分布制御装置を示す図である。この匂いの空間分布制御装置1は、例えば液晶表示装置による画像表示装置2が設けられる。匂いの空間分布制御装置1は、この画像表示装置2による表示画面の両側方、前側に、向き合うように送風機3L、3Rが配置され、この送風機3L、3Rの少なくとも1つから匂いを有する空気流を送出する。匂いの空間分布制御装置1は、この匂いを有する空気流を他方の送風機からの空気流と衝突させてユーザーの側に流れを変え、これによりこの空気流が衝突した箇所が匂い源であるような匂いの空間分布を形成する。さらに匂いの空間分布制御装置1は、これらの空気流の風量を制御することにより、空気流の衝突箇所を種々に変化させ、これにより匂いの源に関する匂いの空間分布を種々に制御する。
米国特許第3050870号明細書
IEEE Computer Graphics and Applications,Vol.28,Issue 1,2008,pp.75-78 Proc.IEEE Virtual Reality,2004,pp.43-50 平成22年電気学会全国大会講演論文集、第3分冊、213頁
非特許文献3に開示の構成によれば、非特許文献1、2に係る欠点を解消し、簡易な構成により所望する匂いの空間分布を作製することができる。しかしながら非特許文献3に開示の構成は、匂い源の位置の可変制御が一次元的である。この匂い源の可変制御を2次元的に実行することができれば、使い勝手を向上してこの種の装置の適用範囲を一段と拡大することができると考えられる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡易かつ確実に、匂い源に関する匂いの空間分布を制御するようにして、匂い源の位置を2次元的に可変制御することができる匂いの空間分布制御方法、匂いの空間分布制御装置、視聴覚システム及び顧客誘導システムを提供することにある。すなわち、本発明は、以下の技術的事項から構成される。
(1) 匂いの空間分布制御方法において、1対の送風装置より、匂いを有する空気流と他の空気流とを送出し、
前記匂いを有する空気流を、前記他の空気流と衝突させてユーザーの側に向きを変え、
前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流の制御により、少なくとも前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とが衝突する箇所を可変し、
前記1対の送風装置では、
それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流を送出するようにして、前記2つの空気流の制御により前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流の送出個所を可変する。
(1)によれば、1対の送風装置より、匂いを有する空気流と他の空気流とを送出し、この匂いを有する空気流を他の空気流と衝突させてユーザーの側に向きを変え、匂いを有する空気流及び又は他の空気流の制御により、少なくとも匂いを有する空気流と他の空気流とが衝突する箇所を可変することにより、匂いを有する空気流と他の空気流との軸線方向に一次元的に匂い源の個所を可変することができる。またさらに1対の送風装置において、それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて匂いを有する空気流又は他の空気流を送出するようにして、この2つの空気流の制御により匂いを有する空気流又は他の空気流の送出個所を可変することにより、匂いを有する空気流と他の空気流との軸線方向に直交する方向にも匂い源の個所を可変することができ、これらにより匂い源の位置を二次元的に可変することができる。
(2) 匂いの空間分布制御装置において、匂いを有する空気流を送出する第1の送風装置と、
他の空気流を送出する第2の送風装置とを備え、
前記匂いを有する空気流に前記他の空気流を衝突させて、前記匂いを有する空気流の向きをユーザーの側に変え、
前記第1及び又は第2の送風装置の制御により、前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流を制御して、少なくとも前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とが衝突する箇所を可変し、
前記第1及び第2の送風装置では、
それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流を送出するようにして、前記2つの空気流の制御により前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流の送出個所を可変する。
(2)によれば、匂いを有する空気流に他の空気流を衝突させて、匂いを有する空気流の向きをユーザーの側に変え、第1及び又は第2の送風装置の制御により、匂いを有する空気流及び又は他の空気流を制御して、少なくとも匂いを有する空気流と他の空気流とが衝突する箇所を可変することにより、匂いを有する空気流と他の空気流との軸線方向に一次元的に匂い源の個所を可変することができる。またさらに第1及び第2の送風装置では、それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて匂いを有する空気流又は他の空気流を送出するようにして、この2つの空気流の制御により匂いを有する空気流又は他の空気流の送出個所を可変することにより、匂いを有する空気流と他の空気流との軸線方向に直交する方向にも匂い源の個所を可変することができ、これらにより匂い源の位置を二次元的に可変することができる。
(3) (2)において、前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とに直交する方向に、対向するように、第3及び第4の送風装置を備え、
前記第3及び第4の送風装置は、
少なくとも2つの空気流を衝突させて空気流を送出するようにして、当該2つの空気流の制御により空気流の送出個所を可変する。
(3)によれば、第3及び第4の送風装置により、匂いを有する空気流と他の空気流との衝突個所に、匂いを有する空気流と他の空気流とに直交する方向から空気流を送風してこの直交する方向に匂いを有する空気流が広がらないようにすることができ、これにより匂い源の大きさを制御することができる。
(4) (2)又は(3)において、前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流の制御、及び前記2つの空気流の制御が、風量の制御である。
(4)によれば、送風用のファンの制御により、匂い源の位置を二次元的に可変することができる。
(5) 請求項2、請求項3、又は請求項4の何れかに記載の匂いの空間分布制御装置と、
映像コンテンツ又はオーディオコンテンツを前記ユーザーに提供する再生手段とを有する視聴覚システムであって、
前記匂いの空間分布制御装置は、
前記再生手段で再生する映像コンテンツ又はオーディオコンテンツに同期して前記送風装置を制御する。
(5)によれば、視聴覚システムに適用して、コンテンツに同期して変化する匂い空間を形成することができ、臨場感を増大させることができる。
(6) 請求項2、請求項3、又は請求項4の何れかに記載の匂いの空間分布制御装置による匂いにより顧客を誘導する。
(6)によれば、匂いにより顧客を誘導するようにして、匂い源の位置を種々に制御して、顧客誘導の効果を向上することができる。
本発明によれば、簡易かつ確実に、匂い源に関する匂いの空間分布を制御するようにして、この匂い源の位置を2次元的に可変制御することができる。
本発明の第1実施形態に係る匂いの空間分布制御装置を示す図である。 空気流の衝突個所を表示画面の右上に設定した場合の風量分布を示す図である。 図2の風量分布による匂いの測定結果を示す図である。 空気流の衝突個所を表示画面の左下に設定した場合の風量分布を示す図である。 図4の風量分布による匂いの測定結果を示す図である。 空気流の衝突個所を表示画面の中央に設定した場合の風量分布を示す図である。 図6の風量分布による匂いの測定結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る匂いの空間分布制御装置を示す図である。 図8の匂いの空間分布制御装置において、空気流の衝突個所を表示画面の中央に設定した場合の匂いの測定結果を示す図である。 本発明の第3実施形態を示す図である。 本発明の第4実施形態の説明に供する図である。 本発明の他の実施形態の説明に供する図である。 従来の匂いの空間分布制御装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明に係る匂いの空間分布制御装置を示す図である。この匂いの空間分布制御装置11は、例えば液晶表示装置による画像表示装置12が設けられる。匂いの空間分布制御装置11は、この画像表示装置12による表示画面の両側方、前側に、向き合うように送風装置13L、13Rが配置され、この送風装置13L、13Rの双方から匂いを有する空気流を送出する。匂いの空間分布制御装置11は、この匂いを有する空気流を衝突させてユーザーの側に流れを変え、これによりこの空気流の衝突箇所が匂い源であるような匂いの空間分布を形成する。さらに匂いの空間分布制御装置11は、これらの空気流の風量を制御することにより、空気流の衝突箇所を種々に変化させ、これにより匂い源の位置を種々に制御する。なお図1においては、空気流を矢印により示す。なお実用上十分な特性を確保することができる場合には、送風装置13L、13Rの双方から匂いを有する空気流を送出する代わりに、送風装置13L、13Rの一方側からのみ匂いを有する空気流を送出するようにし、他方の送風装置から送出される匂いの無い空気流と衝突させても良い。
さらにこの匂いの空間分布制御装置11において、送風装置13L、13Rは、画像表示装置12の表示画面の高さ方向の長さによるカバー14R及び14Lが表示画面に沿って配置される。ここでこのカバー14R及び14Lは、画面中央側に開口が形成された断面コの字形状により柱状に形成される。送風装置13L、13Rは、このカバー14R及び14Lの両端にそれぞれファン15RU、15RD及び15LU、15LDが配置され、ファン15RU、15RD及び15LU、15LDによりカバー14R及び14Lに空気流を流入させ、さらにファン15RU、15RD及び15LU、15LDの制御によりこの空気流の風量を制御する。
これにより送風装置13L、13Rは、ファン15RU、15RD及び15LU、15LDによる空気流をカバー14R及び14L内で衝突させ、画面中央側の開口を介してこの衝突した空気流を画面中央方向に送出する。またこのファン15RU、15RD及び15LU、15LDによる風量を相補的に変化させることにより、カバー14R及び14L内における空気流の衝突個所を画面の上下方向に可変し、画面中央方向に向かう空気流のカバー14R及び14Lからの流出個所を画面の上下方向に可変する。またファン15RU、15RD及び15LU、15LDによる風量を連動させて変化させることにより、画面中央方向に向かう空気流の風量を可変する。
すなわちそれぞれ送風装置13L、13Rにおいて、上側のファン15RU及び15LUによる風量に対して、下側のファン15LD、15RDによる風量が等しい場合、上側のファン15RU及び15LUによる空気流と下側のファン15LD、15RDによる空気流とは、カバー14R及び14Lのほぼ中央で衝突することになる。その結果、この場合は、垂直方向のほぼ画面中央において、画面両側方から画面中央に向かってそれぞれ送風装置13R、13Lから空気流が送出されることになる。
これに対してこの状態から、上側のファン15RU及び15LUによる風量を増大させると共に、下側のファン15LD、15RDによる風量を低減させると、上側のファン15RU及び15LUによる空気流と下側のファン15LD、15RDによる空気流とは、カバー14R及び14Lの下側で衝突することになり、その結果、垂直方向のほぼ画面中央より下側において、画面両側方から画面中央に向かってそれぞれ送風装置13R、13Lから空気流が送出されることになる。
またこれとは逆に、上側のファン15RU及び15LUによる風量を減少させると共に、下側のファン15LD、15RDによる風量を増大させると、上側のファン15RU及び15LUによる空気流と下側のファン15LD、15RDによる空気流とは、カバー14R及び14Lの上側で衝突することになり、その結果、垂直方向のほぼ画面中央より上側において、画面両側方から画面中央に向かってそれぞれ送風装置13R、13Lから空気流が送出されることになる。
またこれらの場合において、上側のファン15RU及び15LUによる風量と、下側のファン15RD、15LDによる風量との比率を維持したまま、これらの風量を共に増大させると、カバー14R及び14Lからの空気流の吹き出し位置を変化させることなく、単純に、中央に向かって吹き出す空気流の風量を増大させることができる。またこれとは逆に、上側のファン15RU及び15LUによる風量と、下側のファン15LD、15RDによる風量との比率を維持したまま、これらの風量を共に減少させると、カバー14R及び14Lからの空気流の吹き出し位置を変化させることなく、単純に、中央に向かって吹き出す空気流の風量を減少させることができる。
ここで上側のファン15LU及び15RUによる風量と、下側のファン15LD、15RDによる風量との比率が送風装置13L、13Rで等しくなるように設定すれば、送風装置13L、13Rにおいて画面中央に向かって送出される空気流の吹き出し位置が垂直方向で一致するように設定され、送風装置13L、13Rから吹き出した空気流を表示画面の前で衝突させることができる。またこのように衝突した空気流は、ユーザーの側に向きを変えることになる。これによりこの匂いの空間分布制御装置11では、画像表示装置12の表示画面側からユーザーの顔に向けて風が吹いてくることになり、あたかも表示された画像から風が吹いているような錯覚をユーザーに与えることができる。
またさらにこのように上側のファン15LU及び15RUによる風量と、下側のファン15LD、15RDによる風量との比率が送風装置13L、13Rで等しくなるように設定した状態で、送風装置13Lのファン15LU、15LDと、送風装置13Rのファン15RU及び15RDによる風量とを相補的に変化させれば、送風装置13L及び13Rによる空気流の衝突個所を表示画面の間で水平方向に可変することができる。これによりユーザー向かう風の吹き出し位置を表示画面の左右方向に可変することができる。
また同様に、上側のファン15LU及び15RUによる風量と、下側のファン15LD、15RDによる風量との比率が送風装置13L、13Rで等しくなるように設定した状態で、送風装置13Lのファン15LU、15LDと、送風装置13Rのファン15RU及び15RDによる風量とを連動させて変化させれば、送風装置13L及び13Rによる空気流の衝突個所を一定個所に保持したまま、ユーザーに向かう風の風量を可変することができる。
これらによりこの匂いの空間分布制御装置11では、ファン15LU、15RU、15LD、15RDの制御により、送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所を表示画面に沿って2次元的に可変することができ、この衝突によってユーザー側に向かう空気流の吹き出し位置及び風量を種々に可変することができる。
これにより匂いの空間分布制御装置11では、送風装置13L、13Rのファン15LU、15RU、15LD、15RDにそれぞれ匂い蒸気を導くチューブ16が接続され、送風装置13L、13Rから送出する空気流にこの匂い蒸気を混入可能に構成される。なおここで匂い蒸気は、匂いを含む蒸気である。これにより匂いの空間分布制御装置11では、送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所が匂い源であるかのような匂いの空間分布を形成して、ファン15LU、15RU、15LD、15RDの制御により、送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所を表示画面に沿って2次元的に可変することにより、匂い源の位置を2次元的に可変する。
図2は、この匂いの空間分布制御装置11において、送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所を画面右上に設定した場合における表示画面と平行な面内における風量分布を示す図である。なおこの計測は、表示画面より230mm離間した位置で熱線式風速計を使用して、表示画面からの風量を測定した。この測定結果によれば、ほぼ所望する風量分布を確保できることがわかる。なおこの図2の測定結果及び以下の測定結果では、画面の中央を原点に設定して水平方向及び垂直方向をそれぞれx方向及びy方向により示し、破線により表示画面を示す。
図3は、この図2の測定条件においてガスセンサを使用した匂い計測結果を示す図である。図3によれば、図2の風量分布とほぼ同一の分布により匂いの分布が得られていることが判る。なおここでこの測定結果においては、何ら匂いを検知できない場合の計測値(センサ応答値)が値1であり、匂いが強くなるにつれて計測値は増大する。
図4及び図5は、図2及び図3との対比において、送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所を画面左下に設定した場合における測定結果を示す図である。なお計測の条件は、図2及び図3の場合と同一である。また図6及び図7は、これら図2〜図5との対比により送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所を画面中央に設定した場合における測定結果を示す図である。これらの測定結果によれば、所望する風量分布を確保することができ、またさらには所望する位置に匂い源を設定できることが判る。
これらにより各ファンの風量の設定により、表示画面から風が吹いてきており、この風に乗って表示画面に表示した被写体から例えば花の香りが漂ってくるような状況を作成することができる。また各ファンの風量を低減して、表示画面からの風を知覚できないように設定して、被写体より香りが漂ってくるような状況を作成することができる。
また左右の送風装置13L、13Rにおける上下のファン15LU及び15LD、15RU及び15RDにおける風量の比率を相違するように設定すれば、送風装置13L、13Rより送出した空気流の殆どを衝突させないようにすることができる。これによりこの実施形態では、送風装置13L、13Rからの空気流をユーザー知覚させないようにした状態で、滞留する匂い蒸気を吹き飛ばすことができ、匂いの滞留による不快感を解消することができる。またさらにこの相違の程度を小さくすれば、送風装置13L、13Rより送出した空気流の一部のみを衝突させてユーザー側に向けることもでき、これらにより単純に2次元に匂い源を可変するだけでなく、例えばユーザーにより知覚される匂い源の大きさを可変する等、匂い空間を種々に演出することができる。
この実施形態によれば、匂いを有する空気流を他の空気流に衝突させてユーザーの側に向きを変え、この空気流の衝突した箇所に匂い源が存在するような匂いの空間分布を形成するようにして、それぞれ対向する2つの空気流を衝突させてこの匂いを有する空気流及び他の空気流を作製することにより、匂い源の位置を2次元的に可変することができ、さらには種々に匂い空間を演出することができる。
〔第2実施形態〕
ところで上述した第1実施形態においては、送風装置13L、13Rの並び方向である水平方向については、匂い源の大きさを充分に小さくすることができるものの(図3、図5、図7)、これと直交する方向については、匂い源の大きさを充分に小さくすることができない。このような匂い源の大きさに関して、さらに一段と小さくすることができれば、一段と多様に匂い空間を演出することができると考えられる。そこでこの実施形態では、送風装置13L、13Rの配列方向と直交する方向について、一段と匂い源の大きさを小さくすることができるようにする。
図8は、図1との対比により本発明の第2実施形態に係る匂いの空間分布制御装置を示す図である。この匂いの空間分布制御装置21において、図1の匂い空間分布制御装置11と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この匂い空間分布制御装置21は、表示画面の前方、上下にも送風装置13U、13Dが設けられる。
ここでこの上下の送風装置13U、13Dは、左右の送風装置13L、13Rと同様に、表示画面の水平方向の長さによるカバー14U、14Dの両端にそれぞれファン15UL、15UR及び15DL、15DRが配置され、このファン15UL、15UR及び15DL、15DRによりカバー14U、14Dに空気流が流入され、さらにこの空気流の風量が制御される。またカバー14U、14Dは、画面中央側に開口が形成された断面コの字形状により柱形状に形成される。
これによりこの匂い空間分布制御装置21では、表示画面の上下からも表示画面の中央に向けて空気流を送出できるようにして、この上下からの空気流の衝突個所についても2次元的に可動できるように構成される。これにより匂い空間分布制御装置21では、左右の送風装置13L、13Rによる空気流の衝突個所と上下の送風装置13U、13Dによる空気流の衝突個所とが一致するように各ファンの風量を制御して、上下左右の双方について、相互に、ユーザーに向かう空気流の広がりを抑圧することができ、これによりユーザーの知覚する匂い源の大きさを種々に制御することができる。
図9は、図8との対比により、この匂い空間分布制御装置21による匂いの測定結果を示す図である。この図9の測定では、上下方向及び左方向からは空気流のみを流すようにして、匂いの分布を測定した。この構成によれば上下方向に匂いを有する空気流が広がらないようにすることができ、これにより匂い源の大きさを充分に匂い源を小さくできることが判る。
また図7の匂いの測定結果では縦方向に細長い領域が最も匂いの強い領域として計測されているのに対し、図9の匂い測定結果では、中央の局所的な領域が最も匂いの強い領域として計測されていることにより、上下の送風装置13U、13Dから空気流に匂い蒸気を含ませるようにして、左右の送風装置13L、13Rからの空気流を制御することにより、横長の領域を最も匂いの強い領域に設定することができる。これにより匂い源の形状(広がり方)についても種々に可変することができる。
この実施形態によれば、表示画面を囲むように送風装置を配置することにより、第1実施形態と同様の効果に加えて、匂い源の大きさを種々に可変制御することができ、さらに一段と匂い空間の演出を多様化することができる。
〔第3実施形態〕
図10は、本発明の第3実施形態による視聴覚システムを示す図である。この視聴覚システム31において、図1及び図8について上述した匂いの空間分布制御装置11又は21と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明は省略する。この視聴覚システム31は、映画、ミュージックビデオ等による映像コンテンツ、ポピュラー音楽、クラシック音楽等によるオーディオコンテンツをユーザーに提供する。このためこの視聴覚システム31は、これら映像コンテンツ、オーディオコンテンツをサーバー32に蓄積して保持する。またこれら映像コンテンツ、オーディオコンテンツの再生に供する再生装置38、画像表示装置12、スピーカ33R、33Lが設けられる。
この視聴覚システム31は、上述した匂いの空間分布制御装置11、21と同様の匂いの空間分布制御装置35が設けられ、ユーザーに提供する映像コンテンツ、オーディオコンテンツに同期して匂い空間を形成する。なお匂いの空間分布制御装置35は、以下に詳述する各部の制御に関する構成を除いて、匂いの空間分布制御装置11又は21と同一に構成される。なおこの図10においては、匂いの空間分布制御装置21に係る上下の送風装置13U、13Dについては、記載を省略して示す。
より具体的に、視聴覚システム31は、映像コンテンツについては、映像コンテンツの各シーンに同期して匂い空間を形成する。すなわち例えば戦闘シーンでは、火薬の匂いをユーザーに提供し、浜辺のシーンでは海の匂いをユーザーに提供する。またさらに食卓のシーンでは、対応する料理の匂いをユーザーに提供する。これに対して視聴覚システム31は、オーディオコンテンツについては、各楽曲に同期させて、楽曲毎に曲のイメージに対応する匂い空間を形成する。すなわち例えばジャズ、ブルース等では、あたかもライブハウスで生演奏を視聴しているかのように、タバコの匂いをユーザーに提供する。
視聴覚システム31では、これらの匂いが、匂い源の位置情報により特定される表示画面の特定個所からユーザーに提供され、これにより例えばシチューの鍋を食卓に運ぶシーンでは、このシチューの鍋の移動に伴って匂い源の位置が変化するように、各種のコンテンツをユーザーに提供する。このため映像コンテンツ、オーディオコンテンツは、匂いの空間分布制御装置35の制御に必要な制御データが付加されてサーバー32に蓄積される。より具体的に、この制御データは、匂いの種類を特定する情報、匂いの強さを特定する情報、匂い源の位置情報、匂い源の大きさの情報等である。
ここでこの制御データは、映像コンテンツにおいては、例えば映像コンテンツのファイルとの間にリンクを設定した別ファイルの形式によりサーバー32に記録しても良く、さらには映像コンテンツと一体のファイル形式により記録しても良い。因みに、この一体のファイル形式による場合は、例えばQTファイルフォーマットを適用して、ビデオトラック、オーディオトラックと同様に、制御データによる制御トラックをムービーデータアトムに形成し、これらのトラックを同期させて再生することが考えられる。これに対してオーディオデータについては、楽曲毎に、各楽曲のメタデータにより制御データを記録することができる。なおオーディオコンテンツにあっては、制御データの代わりに各楽曲の特長を示す種々のデータを使用しても良い。因みに、このようなデータには、例えばカントリー、ブルース、ワルツ等の、各楽曲のカテゴリーを示すカテゴリコードを適用することができる。
再生装置38は、図示しないリモートコマンダを介したユーザーの指示により、サーバー32に保持したコンテンツを再生して画像表示装置12、スピーカ33L、33Rを駆動する。このとき再生装置38は、サーバー32から映像コンテンツ、オーディオコンテンツを順次再生して得られる制御データをコントローラ36に出力する。
コントローラ36は、匂いの空間分布制御装置35を制御する制御部である。コントローラ36は、ユーザーがコンテンツに同期した匂い空間の生成を指示している場合、再生装置38から出力される制御データに従って、匂い発生源37、送風装置13L、13R、(13U、13D)を制御する。ここで匂い発生源37は、コントローラ36の制御により各種の匂い蒸気を発生する装置であり、この実施形態では、この匂い蒸気の生成に供する複数の匂い源が設けられる。具体的に、匂い源は、例えば火薬の匂いの香料、海の匂いの香料、各種料理の匂いの香料、タバコの匂いの香料等である。匂い発生源37は、コントローラ36の制御によりこれらの匂い源を選択的にバブリングして匂い蒸気を発生させる。またこのときバブリングの強度を可変し、匂いの強度を可変する。
すなわちこの場合、コントローラ36は、制御データに従って匂い発生源37を制御して各シーンに対応する種類、濃度の匂い蒸気を生成し、この匂い蒸気を空気流に混入させて送風装置13L、13R、(13U、13D)から送出する。またこのとき送風装置13L、13R、(13U、13D)に設けられたファンの制御により、匂い源の位置、大きさを設定する。またさらにこれらのファンの制御により、所望の風量による風をユーザーに知覚させ、さらにはユーザーによりこの風を知覚できないように設定する。これにより制御データに従って匂い源を表示画面上に形成して、各シーンに対応する匂い空間を作成する。
またコントローラ36は、シーンによっては、制御データにより匂い蒸気の発生を停止制御して送風装置13L、13R、(13U、13D)のみ駆動し、これにより各シーンに対応する強度により風のみをユーザーに提供する。
これに対して匂いをユーザーに提供している状態からシーンチェンジすると、コントローラ36は、制御データに基づいて、匂い蒸気の発生を停止制御すると共に、ユーザーが知覚できない程度の弱い風量により送風装置13L、13R、(13U、13D)を駆動し、及び又は空気流が衝突しないように設定して上下又は左右の送風装置のみ駆動する。これによりこの匂いの空間分布制御装置35は、滞留する匂いを速やかに知覚困難とする。またさらに連続するシーンにおいて、異なる匂いを提供する場合には、シーンが切り替わる前の一定期間、及び又はシーンが切り替わった後の一定期間、同様に、空気流に匂いを含ませないようにして滞留する匂いを取り除き、これにより異なる匂いが交じり合って生じる不快な状況を回避する。
これに対してオーディオコンテンツを再生する場合は、サーバーの記録に従って、同様に、各種の匂い空間を形成する。なおこの場合に、オーディオコンテンツに同期した匂い空間の作成に代えて、ユーザーの指示した匂い空間を作成するようにしても良い。
以上の構成によれば、視聴覚システムに適用して、映像コンテンツ又はオーディオコンテンツに同期して送風装置を制御して、匂い源を2次元的に可変することにより、従来に比して一段と臨場感を向上することができる。
〔第4実施形態〕
図11は、本発明の第4実施形態に係る匂いの空間分布制御装置を部分的に示す図である。この匂いの空間分布制御装置において、上述した匂いの空間分布制御装置と同一の構成は、対応する符号を付して示し、重複した説明を省略する。
この匂いの空間分布制御装置は、矢印Aにより示すように、送風装置13L、13Rが回動自在に支柱に保持され、これにより送風装置13L、13Rからの空気流の送出方向を種々に可変制御可能に構成される。なお送出方向の制御は、送風装置の向きを可変する代わりに、又はこれに加えて、送出口の向きの可変等により実行しても良く、種々の手法を広く適用することができる。
匂いの空間分布制御装置は、2つの空気流の衝突する箇所が、2つの送風装置13L、13Rを結ぶ直線よりユーザー側に偏った位置となるように、これら2つの送風装置13L、13Rの向きが制御される。これによりこの実施形態では、表示画面側に向かう空気流Rを低減し、効率良くユーザー側に空気流Fを送出する。これにより効率を向上し、さらには予想外の個所で匂いが知覚される等のトラブルの発生を防止する。
これによりこの匂いの空間分布制御装置では、送風装置13L、13Rの風量を制御すると共に、この風量の制御に対応するように、送風装置13L、13Rの向きを可変する。すなわち図11に示すように、左側の送風装置13Lの風量を相対的に増大させて、匂いの源が表示画面の右側に存在するように知覚させる場合、これら送風装置13L及び13Rの風量に対応するように、左側の送風装置13Lに比して右側の送風装置13Rの向きを大きく傾け(α<β)、これにより風量により設定される匂い源の位置に対応するユーザー側の箇所で、これら2つの送風装置13L、13Rからの空気流が衝突するように設定する。
なおこのように送風装置13L、13Rの風量の制御を前提に、この風量の制御に対応するように送風装置13L、13Rの向きを可変する代わりに、送風装置13L、13Rから送出する空気流の風量を一定値に保持するようにして、送風装置13L、13Rから送出する空気流の向きの制御だけで、匂い源の位置を設定するようにしても良い。またこの空気流の向きの制御にあっては、双方の向きを可変しても良く、一方のみの向きを可変しても良い。また第2実施形態の構成に適用して、上下に送風装置を設ける場合には、上下及び又は左右の送風装置に適用してもよい。
この実施形態によれば、2つの空気流の送出方向を制御することにより、一段と効率を向上し、さらには予想外の箇所で匂いが知覚されてしまう等のトラブルを格段的に低減することができる。
〔第5実施形態〕
この第5実施形態では、いわゆるアミューズメントパーク用の視聴覚システムに適用して、スクリーンに映し出される映像コンテンツに同期して匂い空間を作成する。このためこの実施形態では、ユーザー毎に、送風装置が設けられ、各ユーザーの送風装置が同時並列的に制御される。この実施形態では、この送風装置に係る構成が異なる点を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
なおこのユーザー毎の送風装置の設置にあっては、例えば前列の座席に設けることが考えられる。しかしてこの場合、前列のユーザーにはこの座席に配置した送風装置による匂い空間を知覚できないようにすることが必要であり、これにより第4の実施形態について上述したように、この2つの送風装置を結ぶ直線よりユーザー側で2つの空気流が衝突するように、後席側に向かって、送出方向を可動可能に送風装置が配置される。
またこのように前席に送風装置を配置する場合、一般に、スクリーンの方向より下方側に送風装置が配置されることになる。従ってこの場合、各送風装置は、このスクリーンの方向より下方側に配置される分だけ、斜め上方に空気流を送出するように送出方向が設定され、さらにはこの送出方向が可動可能に設定される。
この実施形態によれば、各座席にそれぞれ送風装置を設けることにより、アミューズメントパーク用の視聴覚システムのように、多数のユーザーが1つの映像コンテンツ等を同時に視聴する視聴覚システムに適用して、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第6実施形態〕
この実施形態では、匂いの空間分布制御装置11、21を各種の売り場に設置し、匂いにより顧客を誘導する。すなわち例えばスーパーの野菜売り場でカレーの匂いを流すと、ジャガイモやニンジンの売り上げが増加したとの実績が報告されている。しかしながら単純に匂いを発生させる装置を配置したのでは、この匂いに関する仕掛けがユーザーに気づかれてしまう場合もあり、この場合には却って印象が悪くなる。しかしながら匂いの空間分布制御装置11、21では、空気流の衝突箇所が匂いの源であるような匂い空間を形成することができることにより、何も無い空間から匂いが漂ってくるような匂い空間を作成することができる。具体的に例えば表示画面に果物の静止画像を表示するようにして、この果物の表示個所より表示した果物の匂いが漂うようにすることができる。これにより従来に比して格段に顧客を誘導することができる。
また画像表示装置を省略して、例えばレストラン等の店舗の前に、道路に面して送風装置を配置して匂い空間を形成し、これにより顧客を誘導しても良い。この場合、道路を通行する通行人に対して衝突した空気流が向かうように設定して、この衝突箇所を店舗の入り口に近づけるように、徐々に移動させることが考えられる。また通行量が多い場合には、これとは逆方向に空気流の衝突箇所を移動させて、多数の通行人に店舗の存在を気づかせるようにしても良い。
この実施形態では、上述の匂いの空間分布制御装置による匂いにより顧客を誘導することにより、この種の装置の適用範囲を一段と拡大することができる。
〔他の実施形態〕
なお本発明は、上述の実施形態に限定されるものでは無く、その趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせた構成とし、さらには上述の実施形態に種々の変形を加えた形態とすることができる。
すなわち例えば上述の実施形態においては、画面中央に向かう空気流の吹き出し位置を連続的に可変することを前提に、断面コの字形状によるカバーにより送風装置を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、段階的に吹き出し位置を可変するようにしてもよい。またこのように段階的に吹き出し位置を可変するようにして、図12に示すように、各吹き出し位置に空気流を整流するダクトを設けるようにしてもよい。なおこのダクトにより送出する空気流の断面形状を、ユーザーの位置する方向が幅狭の偏平形状とすることにより、衝突個所より上下方向に逃げる空気流量を低減して、ユーザー側に向かう空気流の割合を増大させることができ、効率を増大させることができる。
また上述の実施形態では、表示画面の前側に送風装置を配置する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は表示画面の前面側で匂いを有する空気流を他の空気流と衝突させれば良く、例えば送風装置を画像表示パネルの裏面側に配置し、吹き出し口に屈曲したダクトを設ける等により送風装置から吹き出した空気流を画面前面に導くようにしても良い。このようにすれば、送風装置を画像表示パネルの裏面側に配置して見た目をすっきりとしたものにすることができる。
また上述の実施形態では、本発明に係る匂いの空間分布制御装置を視聴覚システム、顧客誘導システムに適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、各種イベント会場で雰囲気を盛り上げる場合等、種々の構成、システムに広く適用することができる。具体的に、例えば各種のイベント会場で展示物に関する匂い、イベントの内容に関する匂いを提供して雰囲気を盛り上げる場合等に広く適用することができる。
1、11、21、35 匂い空間分布制御装置
2、12 画像表示装置
3L、3R 送風機
13D、13L、13R、13U 送風装置
14D、14L、14R、14U カバー
15DL、15DR、15LD、15LU、15RD、15RU、15UL、15UR ファン
16 チューブ
31 視聴覚システム
32 サーバー
33L、33R スピーカ
36 コントローラ
38 再生装置
37 匂い発生源

Claims (6)

  1. 1対の送風装置より、匂いを有する空気流と他の空気流とを送出し、
    前記匂いを有する空気流を、前記他の空気流と衝突させてユーザーの側に向きを変え、
    前記匂いを有する空気流と他の空気流との衝突箇所が匂いの源であるかのようにユーザーに知覚させ、
    前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流の制御により、少なくとも前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とが衝突する箇所を可変することにより、ユーザーに知覚させる匂い源の位置を可変し、
    前記1対の送風装置では、
    それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流を送出するようにして、前記2つの空気流の制御により前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流の送出個所を可変する
    匂いの空間分布制御方法。
  2. 匂いを有する空気流を送出する第1の送風装置と、
    他の空気流を送出する第2の送風装置とを備え、
    前記匂いを有する空気流に前記他の空気流を衝突させて、前記匂いを有する空気流の向きをユーザーの側に変え、
    前記匂いを有する空気流と他の空気流との衝突箇所が匂いの源であるかのようにユーザーに知覚させ、
    前記第1及び又は第2の送風装置の制御により、前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流を制御して、少なくとも前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とが衝突する箇所を可変することにより、ユーザーに知覚させる匂い源の位置を可変し、
    前記第1及び第2の送風装置では、
    それぞれ少なくとも2つの空気流を衝突させて前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流を送出するようにして、前記2つの空気流の制御により前記匂いを有する空気流又は前記他の空気流の送出個所を可変する
    匂いの空間分布制御装置。
  3. 前記匂いを有する空気流と前記他の空気流とに直交する方向に、対向するように、第3及び第4の送風装置を備え、
    前記第3及び第4の送風装置は、
    少なくとも2つの空気流を衝突させて空気流を送出するようにして、当該2つの空気流の制御により空気流の送出個所を可変する
    請求項2に記載の匂いの空間分布制御装置。
  4. 前記匂いを有する空気流及び又は前記他の空気流の制御及び前記2つの空気流の制御が、風量の制御である
    請求項2又は請求項3に記載の匂いの空間分布制御装置。
  5. 請求項2、請求項3、又は請求項4の何れかに記載の匂いの空間分布制御装置と、
    映像コンテンツ又はオーディオコンテンツを前記ユーザーに提供する再生手段とを有する視聴覚システムであって、
    前記匂いの空間分布制御装置は、
    前記再生手段で再生する映像コンテンツ又はオーディオコンテンツに同期して前記第1、第2、第3及び第4の送風装置の少なくとも1つを制御する
    視聴覚システム。
  6. 請求項2、請求項3、又は請求項4の何れかに記載の匂いの空間分布制御装置による匂いにより顧客を誘導する
    ことを特徴とする顧客誘導システム。
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