JP5939189B2 - 製鉄所の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、CO及び/又はCOを含む混合ガスにアンモニアを反応させてCH、H、Nを主成分とする混合ガスを製造し、得られた混合ガスを製鉄所で有効利用するようにした製鉄所の操業方法に関する。
統計によれば、日本のCO排出量は、発電に伴う排出が約30%、鉄鋼生産に伴う排出が約10%を占めている。鉄鋼業においては、鉄鉱石を炭素で還元する際にCO、COが発生するばかりでなく、熱風炉、加熱炉、自家発電設備などからもCOが発生する。一貫製鉄所ではコークス炉、高炉、転炉から発生する副生ガスを所内の燃料として有効活用しているが、副生ガスだけではエネルギーが不足するため、天然ガスなどの外部燃料を購入しており、CO発生量と製鉄コストの増加要因となっている。
発生したCOを分離・回収し、地中に埋める技術、いわゆるCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)が研究されている。しかしながら、COを地中に埋めた後の安全性の観点から、特に地震国である日本においては、社会的な合意を得ることは困難であり、CCSはCO排出削減のための抜本的な解決策にはなり難い。
COは水素を供与する化合物と反応させることによって炭化水素に変換できる。特に、メタン、エタンなどの軽質炭化水素は、製鉄所などでも取扱い容易な天然ガス代替の燃料や高炉での還元剤などに利用可能であるため、軽質炭化水素への変換は価値の高い技術である。
水素源となる化合物としては、水素ガスのほかに、アンモニア、シクロヘキサンなどの有機ハイドライド、LiAlHなどの無機ハイドライド、種々の水素吸蔵合金などが知られている。このなかでも、アンモニアは単位体積あたりの水素含有率が比較的高いことに加え、液化が容易であるため水素輸送材料としての優位性も高く、新規な水素源として注目されている。さらに、一貫製鉄所ではコークス炉から排出されるガス中に6〜10g/Nm程度のアンモニアが含有されており、これは粗鋼1000万トンあたりで約15000トンのアンモニア発生量に相当する。したがって、コークス炉ガス中のアンモニアでCOをメタンなどの軽質炭化水素に変換できれば、資源の有効活用と地球温暖化防止に大きな効果が見込まれる。
アンモニアとCOとからメタンを製造する方法は、以下の二つの経路が考えられる。
(1)NHをCOと直接反応させメタンに変換する経路
(2)NHを分解してHに変換した後、COと反応させる経路
このうち(2)の経路は、NHをHに分解した後は、公知のHによるメタネーション反応であるが、NHの分解効率が問題である。一方、(1)の経路は、NHとCOの直接反応であるため設備が簡略化できる利点があるが、NHによる直接メタネーションの実績はなく、新規な技術開発が必要である。
特許文献1には、コークス炉ガスから回収したアンモニアによる高炉ガス中のCO、COのメタネーション方法が開示されている。
特開2001−226295号公報
しかし、特許文献1の方法では、反応温度が500℃と高く平衡的に不利であるばかりでなく、供給したNHに対してCO、COが過剰な条件であるため(実施例におけるNH当量比αは0.7)、高炉ガス中のCO、COのCHへの転化率(表2のCH4/(CO+CO2)%)が60〜70%と低く、燃焼などによって排出されるCOのCHへのリサイクル率が低いという問題があった。
また、NHによるメタネーションで製造されるCH含有ガスはNで希釈されているため、通常の代替天然ガスとは異なる。特許文献1には燃料として利用すると記載されているものの、具体的な用途については何も言及されていない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、CO及び/又はCOを含有する混合ガスにNHを直接反応させてCH、H、Nを主成分とする混合ガスに変換し、この混合ガスを製鉄所で有効利用する製鉄所の操業方法を提供することにある。
本発明者らが検討した結果、上記課題の解決には、混合ガス(原料ガス)に含有されるCOとCOの合計濃度とNHの添加量を最適化することが有効であることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]CO及び/又はCOを含有し、COとCOの合計濃度が乾燥状態基準において50vol%以上である混合ガス(A)に、CO及び/又はCOのNHによるメタネーション反応の化学量論量の0.95〜1.5倍量のNHを反応させた後、脱水及び脱アンモニアすることにより、CH、H及びNを主成分とする混合ガス(B)とし、該混合ガス(B)を製鉄所内で利用することを特徴とする製鉄所の操業方法。
[2]上記[1]の操業方法において、混合ガス(B)のLHVが3000kcal/Nm以上であることを特徴とする製鉄所の操業方法。
[3]上記[1]又は[2]の操業方法において、混合ガス(A)が、製鉄所内で発生する排出ガス又は製鉄所内で発生する排出ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたガスであることを特徴とする製鉄所の操業方法。
[4]上記[1]又は[2]の操業方法において、混合ガス(A)が、製鉄所内で転炉から排出される転炉ガス又は該転炉ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたガスであることを特徴とする製鉄所の操業方法。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの操業方法において、混合ガス(B)を、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガス、自家発電所用燃料、焼結鉱製造用凝結材のうちの1つ以上として利用することを特徴とする製鉄所の操業方法。
本発明によれば、燃焼炉や高炉、転炉などから排出されるCO、COを多量に含有する排出ガスから、利用可能なカロリーと燃焼性を有する混合ガスを得ることができ、これを製鉄所で有効利用することができる。また、ガスの改質に使用する水素源はアンモニアであるため、CO排出削減にも有効である。
原料ガスのNH量論比が1でCOとCOの合計濃度が異なる実施例について、原料ガスのCOとCOの合計濃度と生成ガスのLHVとの関係を示すグラフ 原料ガスのCOとCOの合計濃度が52vol%で、NH量論比が異なる実施例について、原料ガスのNH量論比と生成ガスのLHVとの関係を示すグラフ
本発明は、CO及び/又はCOを含有し、COとCOの合計濃度が乾燥状態基準において50vol%以上である混合ガス(A)に、CO及び/又はCOのNHによるメタネーション反応の量論(化学量論量。以下同様)の0.95〜1.5倍量のNHを反応させた後、脱水及び脱アンモニアすることにより、CH、H及びNを主成分とする混合ガス(B)とし、この混合ガス(B)を製鉄所内で利用するものである。混合ガス(B)がCH、H及びNを主成分とするとは、言うまでもなくそれらのガス成分を合計で50vol%以上含むということである。
混合ガス(A)としては特に制約がないが、製鉄所内で発生する排出ガス又は製鉄所内で発生する排出ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたガスが好ましい。製鉄所内で発生する排出ガスとしては、例えば、各種の燃焼炉、高炉、転炉などから排出されるガス(すなわち燃焼排ガス、高炉ガス、転炉ガスなど)が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
混合ガス(A)に含まれるCOとCOの合計濃度は乾燥状態基準において50vol%以上であることが必要である。COとCOの合計濃度が50vol%未満では、NHを反応させて得られる混合ガス(B)(CH、H、Nを主成分とするガス)中のCH濃度が低く、低位燃焼熱(LHV)が転炉ガス並み(2200kcal/Nm)となるため、製鉄所での利用に制約が生じるので好ましくない。また、好ましいCOとCOの合計濃度は75vol%以上、さらに好ましくは80vol%以上である。なお、COとCOの合計濃度の上限には制約はなく、また、COとCOを含む場合の両者の比率にも制約はない。混合ガス(A)に含まれるCO濃度がCO濃度よりも高い場合、メタネーションで消費されるNHが少なくなるという経済的なメリットがあるが、COをCHにリサイクルするという地球環境保護の観点からはデメリットとなる。すなわち、混合ガス(A)に含まれるCOとCOの比率については、経済性と地球環境保護という異なる観点からの評価となるため、両者の比率に明確な制約はない。
転炉ガスの場合、一般的な操業ではCOが40〜70vol%、COが10〜40vol%程度であり、含硫黄化合物のようなNHメタネーションの触媒毒となる物質の含有率も非常に低いことから、本発明の混合ガス(A)としてそのまま用いることができる。
また、高炉ガスの場合は、COとCOの容積比率はほぼ1:1であるが、その合計濃度は通常50vol%を若干下回る程度であり、このため濃縮してCOとCOの合計濃度を50vol%以上にする必要がある。濃縮方法には何ら制約がなく、蒸留分離法、化学吸収法、PSA法など任意の方法を適用できる。一例として、Cu担持した活性炭を吸着剤とするPSA法によって、高炉ガス(概略組成:N:55vol%,CO:23vol%,CO:22vol%)から脱着ガスとして概略組成がN:17vol%,CO:44vol%,CO:39vol%程度のガスを得ることができる。これは高炉ガスのCOとCOを濃縮したことになる。また、同じPSA法であってもゼオライトを吸着剤とすると、高炉ガスからCO濃度が90〜99vol%以上(残りの成分はCOとN)のガスを得ることができる。高炉ガスの場合、数十ppmの硫黄分を含有するが、CO、COの濃縮プロセスの前処理或いは濃縮プロセス自体で脱硫されるため、通常はさらなる脱硫処理は不要である。なお、将来的な高炉操業では、高炉に送風する空気の酸素冨化率が高められ、送風空気中のN濃度が50vol%以下に低下することが予測されている。そのような場合は、高炉ガスについて特にCO、COの濃縮処理を行うことなく、脱硫処理を施すだけで本発明の混合ガス(A)として用いることができる。
燃焼排ガスの場合、一般に多量の空気で燃料を燃焼させた排ガスであり、CO、COの濃縮処理は不可欠である。この場合も濃縮方法には何ら制約がなく、蒸留分離法、化学吸収法、PSA法など任意の方法を適用できる。なお、燃焼排ガスの場合は、我が国で用いられる燃料の硫黄分などが十分に低いことから、通常は追加の脱硫処理は不要である。
なお、或る任意のガスに対してCO、COの何れか一方又は両方を純ガスとして混合することで、本発明の混合ガス(A)としてもよい。
混合ガス(A)と反応させるために用いるアンモニアに特に制約はなく、液体アンモニア、アンモニアガス、アンモニア水の何れを用いてもよい。アンモニアガスであれば、何ら処理することなくメタネーション反応器に供給できるが、液体アンモニアの場合は蒸発器によって液体アンモニアを気化させる必要がある。また、アンモニア水の場合は水を除去する必要があるが、除去方法には何ら制約がなく、一般的には蒸留法が用いられる。
さらに、一貫製鉄所ではコークス炉から排出されるガス中に6〜10g/Nm程度のアンモニアが含有されており、これは粗鋼1000万トンあたりで約15000トンのアンモニア発生量に相当する。コークス炉から発生するアンモニアは、一般に、比較的低濃度のNHを含む安水として排出される。この安水からのNHの分離法は何ら制約はないが、高純度の液体アンモニアを得るフォッサム法などが用いられる。また、安水をそのままメタネーションプロセスに供給する場合には、安水中の不純物(HS、HCN、HSOなど)を除去した後、蒸留法などによって水を除去する必要がある。なお、不純物(HS、HCN、HSOなど)の除去方法にも何ら制約がなく、吸着法、中和法、蒸留法などの任意の方法を適用できる。
アンモニアによる直接メタネーション反応は、固定床、流動床など反応器形式に何ら制約はない。原料である混合ガス(A)とアンモニアは常温のまま反応器に供給してもよいが、予熱して供給してもよい。予熱する場合は、メタネーション反応が発熱反応であることから、反応熱でスチームを発生させ、発生したスチームで原料ガスを予熱する方法が熱効率に優れており好ましいが、他の方法、例えば燃焼熱で予熱する方法などを採用してもよい。なお、混合ガス(A)の予熱温度はブダード反応(2CO→C+CO)を抑制するため200℃以下とする。アンモニアの予熱温度には特に制約はないが、反応温度(200〜500℃)よりも低い温度までとすることが、反応温度制御の観点から好ましい。
メタネーション反応には触媒が必要であるが、NH分解活性とメタネーション活性を有する触媒であればよい。具体的には、NH分解活性を有する市販のNi/アルミナ触媒とメタネーション活性を有する市販のNi/珪藻土触媒を事前に混合したものを充填する方法や、触媒層の前段にNH分解触媒を充填し、後段にメタネーション触媒を充填する方法などを挙げることができる。なお、流動床方式の場合は反応器内で触媒が混合するため、事前混合は不要である。その他、NH分解とメタネーションの双方に高い活性を有するRu系触媒も好適に用いることができる。
反応温度は200〜500℃が好ましく、250〜450℃がより好ましい。反応温度が200℃未満では温度が低すぎて反応が進行しにくい。一方、500℃超えでは平衡的に不利であり、CH濃度が低い混合ガス(B)しか得られない。なお、反応温度の制御は反応器内部、或いは反応器出口付近にボイラーなどの熱交換器を設置して、スチーム発生させる方法が、反応温度の制御と顕熱回収が同時に行えることから好適である。
アンモニアによる直接メタネーション反応は、下記(1)、(2)式で表される。
CO+2NH→CH+HO+N …(1)
3CO+8NH→3CH+6HO+4N …(2)
これより、混合ガス(A)の流量をFA(kmol/h)とし、混合ガス(A)のCOとCOの濃度をそれぞれXCO(vol%)、XCO2(vol%)とすると、量論量のNH流量FNH3−thor(kmol/h)は下記(3)式で求められる。
NH3−thor=FA×(2 XCO+8/3 XCO2)/100 …(3)
反応器に供給されたNHの実流量をFNH3−real(kmol/h)とすると、下記(4)式で定義されるNH当量比α(メタネーション反応の量論との比)が0.95〜1.5であるようにNHを添加することが必要である。NH当量比αが0.95未満では混合ガス(B)中のN濃度が高くなり、混合ガス(B)のLHVが転炉ガス並みとなるため好ましくない。一方、NH当量比αが1.5超では混合ガス(B)中のH濃度が高くなり、混合ガス(B)のLHVが転炉ガス並みとなるばかりでなく、コスト高となるため好ましくない。
α=FNH3−real/FNH3−thor …(4)
さらに、混合ガス(A)中のCOとCOの合計濃度が75vol%以上で、かつNH当量比αが1〜1.5であると、LHVが3000kcal/Nm程度以上となり、特に好ましい。また、COとCOの合計濃度が80vol%以上で、かつNH当量比αが1〜1.2であると、LHVがより高くなるので、さらに好ましい。このような混合ガス(A)として、CO濃度が高く、かつ安定操業下でCOとCOの合計濃度が75vol%以上となる転炉ガスは特に好ましい。なお、転炉ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたものを用いてもよい。
メタネーション反応後の生成物には水と未反応アンモニアが含まれるため、脱水及び脱アンモニアすることにより、混合ガス(B)となる。脱水・脱アンモニア方法には何ら制約がなく、例えば、反応生成ガスに多量の水を添加して未反応アンモニアを水に吸収させた後、気液分離して混合ガス(B)とする方法などが適用できる。本発明によれば、CO,COのCHへの合計転化率(CH4/(CO+CO2)%)を概ね80%以上とすることが可能であり、燃焼などによって排出されるCOのCHへのリサイクル率を高くすることができる。
上記のようにして得られた混合ガス(B)は、製鉄所内で燃料などとして有効利用される。特に、混合ガス(B)のLHVが3000kcal/Nm以上であれば、良好な燃焼性が得られ、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガス、自家発電所用燃料、焼結鉱製造用凝結材として好適であり、これらの1つ以上として利用することができる。ここで、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガスとは、例えば、高炉ガス(800kcal/Nm程度)と、それよりも燃焼熱の高いガスを混合し、2000〜2500kcal/Nm程度の高カロリーガスに変換する時に用いられる高燃焼熱のガスのことであり、一般にはコークス炉ガスや天然ガスが用いられる。ここで、燃焼熱調整用ガスとして、LHVが3280kcal/Nmである本発明の混合ガス(B)を用いるとすると、高炉ガスと混合ガス(B)との混合比を1:2.5(容積比)とすることで2570kcal/Nmのガスが得られ、コークス炉ガスや天然ガスの代替として混合ガス(B)を用いることができる。
また、焼結鉱製造用凝結材については、焼結鉱を製造するためには炭材(凝結材)が必要であり、一般には粉コークスが用いられるが、粉コークスの一部を天然ガスで代替することもできるため、本発明の混合ガス(B)も凝結材として利用可能である。
[本発明例1]
高炉ガスのCOとCOを濃縮して混合ガス(A)とし、ベンチ規模の装置で混合ガス(A)のNHによるメタネーション反応を行った。
脱硫・乾燥処理後の平均ガス組成がH:3vol%、CO:23vol%、CO:21vol%、N:53vol%である高炉ガスを、吸着剤としてCu担持活性炭を15kg充填した吸着塔に常圧で5.25Nm/h供給した。脱着は7kPa(絶対圧)で行い、脱着ガスの組成はH<1vol%、CO:47vol%、CO:37vol%、N:16vol%であり、流量は2.24Nm/hであった。すなわち、この脱着ガスに含まれるCOとCOの合計濃度は84vol%であり、これを混合ガス(A)として用いた。
NHメタネーション触媒として、NH分解活性を有する市販のNi/アルミナ触媒とメタネーション活性を有する市販のNi/珪藻土触媒を容積比で1:1の割合に混合した触媒を用い、この混合触媒を内径200mmのステンレス製反応管に8.2L充填した。この混合触媒が充填された反応管内を240℃に予熱した後、常圧で上記混合ガス(A)(CO,CO濃縮後の高炉ガス)を2.24Nm/h供給した。次に、NHガスを少流量から供給し、反応温度を確認しながら次第に流量を増やして目標流量である4.32Nm/hに設定した(NH量論比=1)。この時、触媒層温度は320℃前後で安定したので、その後、2時間、NHによるメタネーション反応実験を行った。なお、SVは800L/hと計算される。
反応後の生成ガスに1.12m/hの水を噴霧し、次いで、冷却した気液分離器に導入して未反応のNHを水に吸収させた。気液分離器から分離された脱水・脱アンモニア後の生成ガスを混合ガス(B)として回収した。この生成ガスについてガスクロマトグラフで分析を行った結果、ガス組成はN:51vol%、CH:36vol%、H:8vol%、CO:6%であり、CO及びNHは検出限界以下であった。ガス組成からLHVを計算すると3280kcal/Nmであり、CO、COの合計転化率(=CO,COのCHへの合計転化率(CH4/(CO+CO2)%)。以下同様)は87%であった。不燃成分(N,CO)を57vol%含むものの、H濃度が8vol%であるので、燃焼性も比較的良好である。
気液分離器から分離された水を液体クロマトグラフで分析した結果、NHを11vol%含んでおり、これから未反応NH量を計算すると、気体換算で430NL/hと計算された。したがって、NH転化率は約90%である。
本実施例が行われた製鉄所では、高炉ガス(平均LHV800kcal/Nm)にコークス炉ガス(平均LHV4000kcal/Nm)を混合し、ミックスガス(平均LHV2500kcal/Nm)として熱風炉や加熱炉の燃料として供給している。本実施例はベンチ規模の実験であり、生成ガス量が少量なので、コークス炉ガスの代替として高炉ガスと混合してミックスガスを製造することはできなかったが、高炉ガス:1容積に対し、本実施例の生成ガスを2.5容積の割合で混合すれば、ミックスガスと同等のLHVである2570kcal/Nmになるため、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガスとして用いることができることは明らかである。
また、この製鉄所では天然ガスに窒素を混合して前記ミックスガスと同等のLHVの希釈天然ガスを製造し、自家発電所の燃料とすることがある。本発明の生成ガスの主成分はCH、H、Nであるので、これにNを加えて希釈し、前記希釈天然ガスと同等のガスが得られることも明らかである。
また、この製鉄所では焼結鉱製造用凝結材の一部として天然ガスを用いている。天然ガスに比べてLHVが低くバーナーランスの変更が必要ではあるが、本発明の生成ガスはNで希釈されたCHであるため焼結鉱製造用凝結材としても利用できることが明らかである。
[本発明例2〜7,比較例1〜3]
本発明例1とは異なり、内径25mmの反応管を用い、CO,CO,N,NHをそれぞれの純ガスボンベから所定流量を供給するラボ実験によって、混合ガス(原料ガス)中のCO、CO濃度の影響とNH量論比の影響を調査した。
触媒、SV、反応温度は本発明例1と同等とした。ガス成分の分析は、生成ガスを多量の水に接触させて脱アンモニアした後、ガスクロマトグラフ法で分析したが、水中のNH濃度の測定は行わなかった。
試験の結果を表1に示す。また、原料ガスのNH量論比が1でCOとCOの合計濃度が異なる本発明例2,5,6及び比較例3と、ベンチ規模である点でスケールは異なるものの原料ガスのNH量論比が1である本発明例1について、原料ガスのCOとCOの合計濃度と生成ガスのLHVとの関係を図1に示す。また、原料ガスのCOとCOの合計濃度が52vol%で、NH量論比が異なる本発明例2〜4と比較例1,2について、原料ガスのNH量論比と生成ガスのLHVとの関係を図2に示す。なお、脱アンモニアした水中のNH濃度測定を行わなかったので、NH転化率は算出していない。
本発明例2〜7は、CO,COの合計転化率が80%以上であった。COとCOの合計濃度が50vol%未満の場合(比較例3)には、本発明の混合ガス(B)に相当する生成ガスのLHVは転炉ガス並み(2200kcal/Nm)と低い値である。このため、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガス、自家発電所用燃料、焼結鉱製造用凝結材等としての利用に制約が生じる。また、NH量論比が0.95倍未満の場合(比較例2)にはN濃度が高くなることによって、また、NH量論比が1.5倍超の場合(比較例1)にはH濃度が高くなることによって、何れもLHVが転炉ガス並みとなっている。このため、上記のような製鉄所での利用に制約が生じる。
[本発明例8]
混合ガス(A)を、乾燥状態においてCO:61vol%、CO:14vol%、N:25vol%のガス組成である脱炭工程で排出された転炉ガスとした以外は、本発明例2〜7と同様にしてNHによるメタネーション実験を行った。なお、本発明例でのNH量論比は1とした。
表1に示すように、CO,COの合計転化率は88%、生成ガスのLHVは3230kcal/Nmと高い値であった。
Figure 0005939189

Claims (5)

  1. CO及び/又はCOを含有し、COとCOの合計濃度が乾燥状態基準において50vol%以上である混合ガス(A)に、CO及び/又はCOのNHによるメタネーション反応の化学量論量の0.95〜1.5倍量のNHを反応させた後、脱水及び脱アンモニアすることにより、CH、H及びNを主成分とする混合ガス(B)とし、該混合ガス(B)を製鉄所内で利用することを特徴とする製鉄所の操業方法。
  2. 混合ガス(B)のLHVが3000kcal/Nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の製鉄所の操業方法。
  3. 混合ガス(A)が、製鉄所内で発生する排出ガス又は製鉄所内で発生する排出ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製鉄所の操業方法。
  4. 混合ガス(A)が、製鉄所内で転炉から排出される転炉ガス又は該転炉ガスを濃縮してCOとCOの合計濃度を高めたガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の製鉄所の操業方法。
  5. 混合ガス(B)を、製鉄副生ガスの燃焼熱調整用ガス、自家発電所用燃料、焼結鉱製造用凝結材のうちの1つ以上として利用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製鉄所の操業方法。
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