JP5938323B2 - ガス分析装置 - Google Patents
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Description
上記課題を解決するガス分析装置は、煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサと、前記ガスセンサの基端部を冷却する冷却用空気を供給する空気供給管と、前記ガスセンサの先端部に校正用ガスを供給する校正用ガス供給管と、を備えるガス分析装置であって、前記煙道内に突出し、当該煙道内への挿通管に取り付けられる円筒状のガイドプローブと、前記ガスセンサが先端に設けられ、前記ガイドプローブ内に挿入される円筒状のセンサプローブと、を備え、前記ガスセンサの外面と、前記ガイドプローブの先端側内面とは、面嵌合し、前記ガイドプローブの基端部には、前記センサプローブを前記ガイドプローブの先端側へ付勢して固定する固定部材が設けられていることをその要旨としている。
同構成によれば、ガスセンサの外面がガイドプローブの先端側内面にテーパ嵌合するため、確実に面嵌合し密封することができる。また、テーパ嵌合によりガイドプローブに対しガスセンサの取付位置を中心に位置させることができる。
同構成によれば、ガスセンサとセンサプローブを一体に形成したので、ガスセンサとセンサプローブとをねじ固定等をするときと比較して、ねじ溝等を形成する必要がないので、小型化及びコストダウンが可能である。
同構成によれば、校正用ガス供給管がガイドプローブの外部に配置されるので、ガイドプローブの内部に収納するための複雑な構造が不要であって、ガイドプローブを簡易な構造とすることができる。また、校正用ガス供給管に伸縮部を備えるので、熱による膨張収縮を緩衝することができる。よって、校正用ガス供給管に応力が掛からないので、損傷を防止することができる。
図1に示されるように、ガス分析装置は、煙道13を流れる排ガスに含まれる所定の成分を検出する検出器10と当該検出器10に電気的に接続された分析器11とを備えている。検出器10は煙道13内に挿入固定されており、分析器11は外部に設置されている。すなわち、煙道壁12には、検出器10を挿通可能とした筒状の挿通管14が突設されている。挿通管14の先端外周縁には、環状の挿通管フランジ15が形成されている。検出器10は、挿通管14を介して煙道13内に挿入されており、挿通管フランジ15に固定されている。
検出器10は、両端が開口した円筒状のガイドプローブ20を備えている。また、検出器10は、ガイドプローブ20の内部に、円筒状のセンサプローブ40が設けられている。ガイドプローブ20の基端側の外周面には、検出器フランジ22が設けられている。ガイドプローブ20は、検出器フランジ22側からボルト23を挿通し、ボルト23にナット24を締め付けることにより煙道壁12に固定されている。煙道壁12の挿通管フランジ15の外面とガイドプローブ20の検出器フランジ22の内面との間には、シール部材Sが介在されている。シール部材Sにより煙道13の内外、すなわち挿通管フランジ15と検出器フランジ22との間の気密が確保されている。センサプローブ40の先端には、ガスセンサ50が一体に設けられている。
図2及び図3に示されるように、ガイドプローブ20の先端部の開口には、円状のフィルタ31が円筒状のフィルタカバー32によって固定されている。フィルタ31は、金属の粉末を焼き固めて作った金属焼結フィルタであり、一端が開口した有底筒状に形成されている。
図5及び図6に示されるように、センサプローブ40のプローブ管40aの基端にはレセプタクル41aが接続される。レセプタクル41aには、分析器11に接続されたコネクタ41が接続される。また、プローブ管40aの基端側の外周面には、冷却用空気を供給する空気供給管42が突設されている。プローブ管40aの基端側の外周面には、ガイドプローブ20の基端に螺合する有底六角筒状の押圧部材43が嵌装されている。押圧部材43の底面には、プローブ管40aの外径と略一致する開口孔43aが形成されている。押圧部材43の内壁には、雌ねじ部43bが形成されている。プローブ管40aの外周面のうち押圧部材43の先端部に対向する位置には、リング状の付勢部材用規制部材としてのばね規制部材45が固着されている。押圧部材43の内部には、ばね規制部材45及び押圧部材43の内側底面に当接する付勢部材としてのコイル状のばね44が収容されている。センサプローブ40は、押圧部材43をガイドプローブ20の雄ねじ部36に螺合することによってガイドプローブ20内に装着されている。押圧部材43が雄ねじ部36に螺合されると、押圧部材43によってばね44が押圧され、ばね44に付勢力が発生する。そして、このばね44の付勢力によってばね規制部材45、すなわちセンサプローブ40が押圧され、センサプローブ40がガイドプローブ20の先端側に付勢される。
図6に示されるように、ガスセンサ50には、固定部52が設けられている。固定部52には、先端側から順に、先端小径部52a、傾斜部52b、基端小径部52cが形成されている。ガスセンサ50の基端小径部52cの基端側には、基端部54が形成されている。ガスセンサ50の先端小径部52aには、センサプローブ40の外径よりも縮径した防護キャップ51がスポット溶接等によって固着されている。この防護キャップ51は、内側プロテクタと外側プロテクタにより構成され、金メッキ処理されている。ガスセンサ50、基端小径部52cにセンサプローブ40のプローブ管40aの先端部がスポット溶接等によって固着されている。ガスセンサ50の傾斜部52bには、ガイドプローブ20の傾斜部35が当接して、面嵌合する。すなわち、傾斜部52bと傾斜部35とはテーパ嵌合する。ガスセンサ50の防護キャップ51には、複数個のガス導入孔53が周方向に所定間隔をおいて形成されている。
図3に示されるように、空気供給管42の先端には、外部の圧縮供給源(図示略)が接続されている。空気供給管42から供給された冷却用空気は、センサプローブ40のプローブ管40a内を基端側から先端側へ通過して、ガスセンサ50の基端部54を冷却し、センサプローブ40の内部排出孔46からガイドプローブ20内に排出される。そして、内部排出孔46から排出された冷却用空気は、センサプローブ40とガイドプローブ20との間を通過してガイドプローブ20の外部排出孔37から外部に排出される。
図4に示されるように、ガイドプローブ20の外部には、ガスセンサ50を校正するための校正用ガスを供給する直管状の校正用ガス供給管25が設けられている。校正用ガス供給管25の基端部は、検出器フランジ22に形成された挿通孔26に挿通され、保持部材27によって保持されている。保持部材27は、校正用ガス供給管25が挿通されており、熱による校正用ガス供給管25の膨張収縮をボアスルー構造にて緩衝している。校正用ガス供給管25の基端は、外部の校正用ガス供給源(図示略)に接続されている。校正用ガス供給管25の先端部は、ガイドプローブ20の先端部内の小径部33に連通された接続部材28に接続されている。従って、校正用ガス供給源からの校正用ガスは、校正用ガス供給管25及び接続部材28を通ってガスセンサ50の防護キャップ51の各ガス導入孔53に供給される。
ガイドプローブ20の先端部の外周面には、取付部29aとカバー部29bとを備えた先端カバー29が嵌装されている。先端カバー29のカバー部29bは、ガイドプローブ20の先端部に一対のねじにより固定されている。先端カバー29は、排ガスの流量が少ない場合は、取り外すことができる。
<ガスセンサ50の校正作業>
排ガスの測定に際して、ガスセンサ50の校正を予め行う。即ち、校正用ガス供給源から所定の校正用ガス(例えば酸素ガス、窒素酸化物や基準ガス)を供給する。この校正用ガスは、校正用ガス供給管25を介してガイドプローブ20の先端部内に流れ込み、各ガス導入孔53を介してガスセンサ50内に収容されたセンサ素子に接触する。すると、センサ素子の両電極間には信号が発生し、当該信号は各リード線55を介して分析器11に出力される。分析器11は入力された当該電流を基準電流として記憶する。以上で、ガスセンサ50の校正作業は完了となる。
校正作業の完了後、煙道13内を流れる高温の排ガスは、フィルタ31の先端面を介してガイドプローブ20の先端部内の小径部33に流れ込む。そして、先端部内の小径部33に流入した排ガスは、各ガス導入孔53を介してガスセンサ50内に収容されたセンサ素子に接触する。センサ素子の両電極間には、自身に接触した排ガスに含まれる所定成分(ここでは、窒素酸化物)の濃度に応じた信号が発生し、当該信号は各リード線55を介して分析器11に出力される。分析器11は入力された実電流と予め記憶された基準電流とを比較し、当該基準電流に対する実電流の変化量に基づいて、排ガス中の所定成分濃度を分析する。
煙道13内を流れる高温の排ガスの分析時、圧縮空気源から常時供給される冷却用空気は、センサプローブ40内を通過してガスセンサ50の基端部54および各リード線55を冷却して、内部排出孔46からセンサプローブ40とガイドプローブ20の間に排出される。そして、内部排出孔46から流入した冷却用空気は、外部排出孔37から煙道13内ではなく外部に排出される。
<ガスセンサ50の取り外し>
ガスセンサ50をガイドプローブ20から取り外す際には、まずセンサプローブ40のレセプタクル41aに取り付けられたコネクタ41を取り外す。続いて、外部の圧縮空気供給源と空気供給管42との接続を解除する。
ガスセンサ50をガイドプローブ20に取り付ける際には、まずセンサプローブ40のガイドプローブ20の挿入口に仮の密栓を取り外す。
(1)挿通管14に取り付けられたガイドプローブ20内にセンサプローブ40を挿入することで、センサプローブ40の先端に設けられたガスセンサ50が煙道13内の所定成分を検出する。ガイドプローブ20内に挿入されたセンサプローブ40は、ガイドプローブ20の基端部に設けられた固定部材によってセンサプローブ40がガイドプローブ20の先端側に付勢されて、ガスセンサ50の傾斜部52bがガイドプローブ20の傾斜部35に確実に面嵌合する。そして、メンテナンス時には、固定部材を外して、センサプローブ40をガイドプローブ20から引き抜けばよいので、燃焼機関を停止することなく、運転を継続しながら、メンテナンスを行うことができる。また、ガスセンサ全体を取り外す必要がなく、ガスセンサ50を容易に交換できる。よって、メンテナンスも従来と比較して極めて容易であって、極めて保守性に優れる。さらに、構造が簡単であるので、低コスト化、在庫の低減にも効果を発揮する。
・上記構成では、保持部材27に校正用ガス供給管25を挿通したが、図8に示されるように、校正用ガス供給管25に伸縮部25aを備えてもよい。このようにすれば、熱による校正用ガス供給管25の膨張収縮を伸縮部25aにて緩衝することができる。よって、校正用ガス供給管25に応力が掛からないので、損傷を防止できる。
・上記実施形態では、外部排出孔37をガイドプローブ20の検出器フランジ22よりも基端側に形成したが、煙道13内に排出することが望ましい場合には、外部排出孔37をガイドプローブ20の検出器フランジ22よりも先端側に形成してもよい。
・上記実施形態では、固定部材を押圧部材43とばね44とばね規制部材45とから構成したが、固定部材の構成はこれに限らず、他の構成を採用してもよい。また、ばね44を省略して押圧部材43によってセンサプローブ40を直接押圧してもよい。
・上記実施形態では、校正用ガス供給源とガイドプローブ20の校正用ガス供給管25とを接続するが、校正用ガス供給源と校正用ガス供給管25との間に校正用ガスを加湿する加湿器を設けても良い。このように構成すれば、測定する排ガスが水分を含んでいる場合、加湿した校正ガスにより校正することができるため、排ガスを精度良く校正することができる。
Claims (6)
- 煙道内を流れる被測定ガスに含まれる所定成分を検出するガスセンサと、
前記ガスセンサの基端部を冷却する冷却用空気を供給する空気供給管と、
前記ガスセンサの先端部に校正用ガスを供給する校正用ガス供給管と、を備えるガス分析装置において、
前記煙道内に突出し、当該煙道内への挿通管に取り付けられる円筒状のガイドプローブと、
前記ガスセンサが先端に設けられ、前記ガイドプローブ内に挿入される円筒状のセンサプローブと、を備え、
前記ガスセンサの外面と、前記ガイドプローブの先端側内面とは、面嵌合し、
前記ガイドプローブの基端部には、前記センサプローブを前記ガイドプローブの先端側へ付勢して固定する固定部材が設けられている
ことを特徴とするガス分析装置。 - 請求項1に記載のガス分析装置において、
前記面嵌合は、テーパ嵌合である
ことを特徴とするガス分析装置。 - 請求項1又は2に記載のガス分析装置において、
前記ガスセンサと前記センサプローブを一体に形成する
ことを特徴とするガス分析装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス分析装置において、
前記固定部材は、前記センサプローブに設けられる付勢部材用規制部材と、
前記センサプローブを前記ガイドプローブの先端側へ付勢する付勢部材と、
前記ガイドプローブに係合することで前記付勢部材を押圧する押圧部材と、を備える
ことを特徴とするガス分析装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス分析装置において、
前記校正用ガス供給管は、前記ガイドプローブの外部に配置され、
前記校正用ガス供給管には、伸縮部を備える
ことを特徴とするガス分析装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス分析装置において、
前記空気供給管は、前記センサプローブの基端部に接続され、
前記センサプローブの先端部には、前記冷却用空気を排出する排出孔が形成されている
ことを特徴とするガス分析装置。
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