JP6875625B2 - 酸素センサ及び酸素分圧計測装置 - Google Patents

酸素センサ及び酸素分圧計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6875625B2
JP6875625B2 JP2017019341A JP2017019341A JP6875625B2 JP 6875625 B2 JP6875625 B2 JP 6875625B2 JP 2017019341 A JP2017019341 A JP 2017019341A JP 2017019341 A JP2017019341 A JP 2017019341A JP 6875625 B2 JP6875625 B2 JP 6875625B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
detection
oxygen sensor
tube
tubes
partial pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017019341A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018128267A (ja
Inventor
幹房 柏木
幹房 柏木
光之 土田
光之 土田
孝幸 松本
孝幸 松本
宏之 大木
宏之 大木
克洋 中井
克洋 中井
中川 正雄
正雄 中川
Original Assignee
株式会社モトヤマ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社モトヤマ filed Critical 株式会社モトヤマ
Priority to JP2017019341A priority Critical patent/JP6875625B2/ja
Publication of JP2018128267A publication Critical patent/JP2018128267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6875625B2 publication Critical patent/JP6875625B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Description

本発明は、酸素センサ及び酸素分圧計測装置に係り、さらに詳しくは、測定対象ガスの酸素分圧を検出する酸素センサの改良に関する。
金属の表面層に炭素を浸透させる浸炭処理は、処理炉内に浸炭性の雰囲気を供給しながら行われる金属の熱処理であり、雰囲気の浸炭能力を表すカーボンポテンシャルは、処理炉内の酸素分圧から特定することができる。この様な高温雰囲気中における酸素分圧の測定には、例えば、処理炉に設けられたポートに検出部を挿入する直挿型の酸素センサが用いられる。
この種の酸素センサは、安定化ジルコニア等の固体電解質からなる検出セルを利用して測定対象ガスの酸素分圧を検出する。検出セルは、酸素濃淡電池であり、両端に接触するガスの酸素濃度に差があると、酸素イオンが固体電解質中を高濃度側から低濃度側へ移動し、濃度差に応じた起電力が発生する。処理炉内の雰囲気の酸素分圧を測定する場合、雰囲気ガスを測定対象ガスとして検出セルの一端に接触させ、酸素分圧が既知のガスを分圧参照用の基準ガスとして検出セルの他端に接触させる。検出部は、この様な検出セルからなり、検出セルの起電力を計測することにより、雰囲気ガスの酸素分圧が求められる。
酸素センサの検出セルは、機械的な衝撃や振動、急激な温度変化によって破損することがある。また、検出セルに接合された端子電極が機械的な衝撃等によって検出セルから剥離することもある。さらに、検出セルや端子電極が雰囲気ガスと反応して劣化することがある。このため、上述した様な従来の酸素センサは、処理炉内の酸素分圧を測定する際の信頼性が低いという問題があった。例えば、熱処理中に酸素センサの不具合が生じると、誤った酸素分圧に基づいて雰囲気ガスの制御が行われることになるため、製品の歩留まりが悪化してしまう。
処理炉に複数のポートを設け、これらのポートに複数の酸素センサをそれぞれ挿入し、酸素センサの検出結果を比較して酸素センサが正常に機能しているか否かを検知することが考えられる。しかしながら、処理炉内は、雰囲気ガスの流れが存在することから、計測位置によって酸素分圧が大きく異なることがある。このため、ポートが異なる複数の酸素センサの検出結果を比較しても酸素センサに不具合が生じているか否かを正しく識別することができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、処理炉内の酸素分圧を測定する際の信頼性を向上させた酸素センサを提供することを目的とする。特に、処理炉の1つのポートに挿入して雰囲気ガスの酸素分圧を測定する際の信頼性を向上させることができる酸素センサを提供することを目的とする。
また、本発明は、熱処理中における酸素センサの異常を速やかに検知することができる酸素分圧計測装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様による酸素センサは、一端が酸素分圧測定用の検出セルによってそれぞれ封止され、分圧参照用の基準ガスが他端から内部にそれぞれ導入される2つの検出管と、閉鎖された一端付近の周面上に測定対象ガスを内部に導入するための導入孔が形成され、2つの前記検出管が内部に配置される保護管と、前記検出セルの軸方向の位置を互いに略一致させた状態で、2つの前記検出管を支持する検出管支持手段とを備える。
この様な構成によれば、2つの検出管が1つの保護管内に配置され、検出セルの軸方向の位置を互いに略一致させた状態でこれらの検出管が支持されるため、計測位置が異なることによる酸素分圧のばらつきを抑制することができる。従って、検出セルの起電力情報を2つの検出管について比較することにより、酸素センサの異常を正しく検知することができる。
本発明の第2の態様による酸素センサは、上記構成に加え、前記検出管支持手段が、互いに間隔を空けた状態で2つの前記検出管を略平行に支持する。この様な構成によれば、2つの検出管が擦れ合うことによる検出管の破損を抑制することができる。
本発明の第3の態様による酸素センサは、上記構成に加え、2つの前記導入孔が、2つの前記検出セル間の空間を挟んで対向するように配置される。この様な構成によれば、2つの導入孔の一方から他方へ向かって保護管の内部を流れる気流が形成されると、当該気流が2つの検出セル間の空間を流れるため、検出セル間で酸素分圧がばらつくのを抑制することができる。
本発明の第4の態様による酸素センサは、上記構成に加え、2つの前記検出セルが、前記保護管の中心軸を挟んで対称に配置される。この様な構成によれば、保護管内の狭いスペースを効率よく利用して2つの検出管が配置されるため、保護管が太くなるのを抑制することができる。
本発明の第5の態様による酸素センサは、上記構成に加え、2つの前記検出管の前記他端がともに連結される押え部材と、前記押え部材を軸方向に付勢する付勢手段とを備え、前記検出管支持手段が、前記保護管に対し前記検出管を軸方向に移動可能に支持する。
この様な構成によれば、検出管が検出管支持手段により軸方向に移動可能に支持されるため、検出管の温度変化による膨張又は収縮を吸収することができる。また、押え部材を介して検出管の他端が軸方向に付勢されるため、検出管の膨張又は収縮によって検出セルの位置が軸方向にずれるのを防止することができる。さらに、2つの検出管が共通の押え部材を介して付勢されるため、構造を簡略化することができる。従って、部品点数やサイズの増大を抑制することができる。
本発明の第6の態様による酸素センサは、上記構成に加え、2つの前記検出管から前記押え部材までの距離を相対的に調整可能な付勢力調整手段を備える。この様な構成によれば、2つの検出管について付勢力を独立して調整することができる。従って、熱膨張等の個体差を吸収することができる。
本発明の第7の態様による酸素センサは、上記構成に加え、前記押え部材には、2つの前記検出管の内部に前記基準ガスをそれぞれ導入するための2つのガイド孔が形成され、前記付勢力調整手段が、2つの前記ガイド孔とそれぞれ螺合する2つのスリーブ部材からなる。この様な構成によれば、スリーブ部材の軸方向の位置を調整することにより、付勢力を独立して調整することができる。
本発明の第8の態様による酸素センサは、上記構成に加え、前記検出管支持手段が、前記保護管の開放端を閉鎖する部材からなり、2つの前記検出管がそれぞれ配置される2つのガイド孔を有し、前記ガイド孔には、前記検出管を外囲し、前記測定対象ガスの漏出を防ぐための環状のシール部材を収容するシール溝が形成され、2つの前記シール溝が、軸方向の位置を異ならせて配置される。
この様な構成によれば、検出管をガイド孔に配置することにより、ガイド孔のシール溝に収容されたシール部材がガイド孔の内周面と検出管の外周面とで挟まれ、ガイド孔と検出管との間の間隙が封止される。このため、保護管内に導入された測定対象ガスが当該間隙を介して処理炉外へ漏出するのを防止することができる。また、2つのシール溝が軸方向の位置を異ならせて配置されるため、2つの検出管を軸方向と交差する方向により近づけて配置することができる。従って、計測位置が異なることによる酸素分圧のばらつきが抑えられるため、酸素センサの異常を検知する際の検知精度を向上させることができる。
本発明の第9の態様による酸素分圧計測装置は、測定対象ガスの酸素分圧を検出する固体電解質方式の酸素センサと、前記酸素センサから検出セルの起電力情報を取得し、前記酸素分圧を求める酸素分圧算出手段と、前記起電力情報に基づいて、前記酸素センサの異常を検知する異常検知手段とを備える。前記酸素センサは、一端が前記検出セルによってそれぞれ封止され、分圧参照用の基準ガスが他端から内部にそれぞれ導入される2つの検出管と、閉鎖された一端付近の周面上に前記測定対象ガスを内部に導入するための導入孔が形成され、2つの前記検出管が内部に配置される保護管と、前記検出セルの軸方向の位置を互いに略一致させた状態で、2つの前記検出管を支持する検出管支持手段とを備え、前記異常検知手段は、2つの前記検出セルの起電力を比較することにより、酸素センサの異常を検知するように構成される。
この酸素分圧計測装置では、検出セルの起電力を2つの検出管について比較することにより、酸素センサの異常が検知されるため、熱処理中における酸素センサの異常を速やかに検知することができる。
本発明によれば、処理炉内の酸素分圧を測定する際の信頼性を向上させた酸素センサを提供することができる。特に、計測位置が異なることによる酸素分圧のばらつきが抑制されるため、検出セルの起電力情報を2つの検出管について比較することにより、酸素センサの異常を正しく検知することができる。従って、酸素センサを処理炉の1つのポートに挿入して雰囲気ガスの酸素分圧を測定する際の信頼性を向上させることができる。
また、本発明によれば、熱処理中における酸素センサの異常を速やかに検知することができる酸素分圧計測装置を提供することができる。
本発明の実施の形態による酸素センサ1を含む熱処理システム100の一構成例を示したシステム図である。 図1の酸素センサ1の一構成例を示した斜視図である。 図2の検出部10の構成例を示した断面図であり、中心軸Jを含む平面により酸素センサ1を切断した場合の切断面が示されている。 図2の本体部12の構成例を示した断面図である。 酸素センサ1を含む酸素分圧計測装置200の一構成例を示したブロック図である。
<熱処理システム100>
図1は、本発明の実施の形態による酸素センサ1を含む熱処理システム100の一構成例を示したシステム図である。図中には、バッチ式の処理炉2を用いて金属部材3の浸炭処理を行う熱処理システム100が示されている。
金属部材3の熱処理は、処理炉2内に浸炭性の雰囲気ガスを供給しながら行われる。雰囲気ガスは、ガス供給路23を介して処理炉2の内部に供給され、排気路24を介して外部へ排出される。
処理炉2の側壁には、酸素センサ1を配置するためのポート25が設けられている。このポート25は、酸素センサ1を取り付けるための取付孔であり、断熱材21やケーシング部材22を水平方向に貫通している。
酸素センサ1は、雰囲気ガスを測定対象ガスとして酸素分圧を検出する直挿型の酸素分圧検出装置であり、測定対象ガスの酸素分圧を検出するための検出部10が設けられている。
検出部10をポート25に挿入して酸素センサ1を処理炉2のケーシング部材22に取り付けることにより、高温熱処理中における炉内の酸素分圧を検出することができる。なお、処理炉2は、連続式の生産炉であってもよい。また、酸素センサ1は、水平に寝かせた状態だけでなく、鉛直に立てた状態で配置してもよい。
<酸素センサ1>
図2は、図1の酸素センサ1の一構成例を示した斜視図であり、直挿型の酸素センサ1が示されている。本明細書では、保護管11の中心軸Jが水平方向に延びているものとして説明するが、本発明による酸素センサ1の使用時における姿勢を制限するものではない。
この酸素センサ1は、水平方向に直線状に延びる保護管11と、保護管11の前端部に配置される検出部10と、保護管11の後端部を支持する本体部12とを備える。保護管11は、検出セルを保護するための円筒形状のケーシング部材である。
保護管11の前端は、閉鎖されており、この閉鎖端付近の周面上には、測定対象ガスを内部に導入するための複数の導入孔111が形成されている。導入孔111は、例えば、円形状であり、周方向に一定の間隔で配置される。
本体部12は、水平方向を長手方向とする直方体形状のケーシング部材からなり、前面から突出するように保護管11が取り付けられている。本体部12には、分圧参照用の基準ガスを内部に導入するための導入口121と、バーンアウトエアを内部に導入するための導入孔122と、検出信号を取り出すためのコネクタ123とが設けられている。
導入口121は、ボルト状の接続部材121aに形成されており、接続部材121aを介して基準ガスが導入される。この接続部材121aは、本体部12の上面及び下面にそれぞれ配置されている。基準ガスには、例えば、空気を用いることができる。
バーンアウトエアは、検出セル等に堆積した煤などの異物を燃焼させて除去するための空気である。導入孔122は、本体部12の側面に形成されている。コネクタ123は、ソケット状の配線接続部材であり、検出セルごとに設けられ、本体部12の対向する2つの側面にそれぞれ配置されている。
<検出部10>
図3は、図2の検出部10の構成例を示した断面図であり、中心軸Jを含む平面により酸素センサ1を切断した場合の切断面が示されている。図中の(a)には、図2に示したA−A切断線を含む平面により切断した場合が示され、(b)には、B−B切断線を含む平面により切断した場合が示されている。
酸素センサ1は、前端が酸素分圧測定用の検出セル15によってそれぞれ封止された2つの検出管13及び14と、2つの検出管13及び14が内部に配置される保護管11とを備える。
検出セル15は、安定化ジルコニア等の固体電解質150と、固体電解質150から起電力を取り出すための外部電極151及び内部電極152とにより構成される。安定化ジルコニアは、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)に酸化物を添加することによって安定化された化合物であり、600℃以上の高温で固体電解質になる。固体電解質150は、例えば、水平方向に延びる円柱形状からなり、前端面上に外部電極151が配置され、後端面上に内部電極152が配置される。
外部電極151及び内部電極152は、例えば、メッシュ状又は多孔質の金属板からなり、通気性を有する。検出セル15は、固体電解質150の一部が検出管13及び14の前端から露出するように配置される。固体電解質150の前端は、外部電極151を介して測定対象ガスに曝され、後端は、内部電極152を介して基準ガスに曝される。
検出管13及び14は、いずれも中心軸Jに沿って直線状に延びる円筒形状の部材であり、分圧参照用の基準ガスがそれぞれ後端から内部に導入される。検出管13及び14は、例えば、耐熱性に優れるアルミナ(酸化アルミニウム)等のセラミック材料からなる。
検出管13及び14には、基準ガスを検出管13及び14の内部に導入するための導入管16がそれぞれ配置されている。導入管16は、中心軸Jに沿って直線状に延び、前端が検出セル15に到達している中空の部材であり、後端から基準ガスが内部に導入される。導入管16は、例えば、アルミナ等のセラミック材料からなる。検出セル15の内部電極152は、導入管16の内部に挿通される金属製のワイヤー(図示せず)を介して本体部12のコネクタ123と電気的に接続される。導入管16の前端付近には、温度検出のための熱電対161が配置されている。
保護管11は、円柱形状の蓋部材112によって閉鎖されている。保護管11及び蓋部材112は、例えば、耐熱性に優れるニッケル合金等の金属材料からなり、検出セル15の外部電極151と電気的に接続される。
蓋部材112の背面には、検出セル15の前端部を収容し、検出管13及び14をそれぞれ位置決めするための2つの凹部113が設けられている。凹部113は、検出セル15と係合する係合部であり、互いに間隔を空けて配置されている。また、凹部113は、中心軸Jを挟んで対称に配置されている。
従って、2つの検出管13及び14が保護管11内に配置された状態では、2つの検出セル15が中心軸Jを挟んで対称に配置されることになる。すなわち、各検出セル15は、中心軸Jと直交する方向に関し、中心軸Jから等距離であって、互いに反対側に配置される。保護管11内の狭いスペースを効率よく利用して2つの検出管13及び14が配置されるため、保護管11が太くなるのを抑制することができる。
保護管11には、測定対象ガスを内部に導入するための4つの導入孔111a〜111dが形成されている。このうち、2つの導入孔111c及び111dは、一方の導入孔から他方の導入孔へ向かって保護管11の内部を流れる気流によって、酸素分圧が検出セル15間でばらつくのを抑制するために、2つの検出セル15間の空間を挟んで対向するように配置されている。具体的には、検出セル15の近傍において、2つの検出セル15を含む平面と対向するように2つの導入孔111c及び111dが配置される。
この様に円周を4分割する4つの導入孔111a〜111dを保護管11に設けることにより、炉内の不確定な雰囲気ガスの流れに対し、保護管11の内側と外側とで酸素分圧がばらつくのを効果的に抑制することができる。
<本体部12>
図4は、図2の本体部12の構成例を示した断面図であり、保護管11の中心軸Jと検出管13及び14の中心軸とを含む平面により本体部12を切断した場合の切断面が示されている。
この本体部12は、保護管支持部材17、検出管支持部材18、押え部材19、締結部材41〜45、シール部材51〜53、スリーブ部材6、コイルばね7、接続部材81,83、ガイド管82、ケーシング部材120、接続部材121a、コネクタ123、蓋部材124及びばね押え板125を備える。
保護管支持部材17は、保護管11を支持するための角柱形状の部材であり、保護管11の後端が取り付けられている。保護管支持部材17には、保護管11の後端部と嵌合する円形状の貫通孔171が形成され、保護管11の後端から延びる検出管13及び14を挿通させている。貫通孔171は、中心軸Jと略同軸に配置されている。
また、保護管支持部材17の背面には、測定対象ガスの漏出を防ぐための環状のシール部材51を収容するシール溝172が形成されている。シール部材51は、例えば、Oリングである。シール溝172は、中心軸Jを中心とする円周の方向に延び、2つの検出管13及び14を取り囲む円環状の溝である。
また、保護管支持部材17の背面には、検出管支持部材18を保護管支持部材17に取り付け、ばね押え板125の軸方向の位置を調整するための4つの締結部材43をそれぞれ螺合させる4つのねじ穴が形成されている。このねじ穴は、保護管支持部材17の4つのコーナー部にそれぞれ配置されている。
ケーシング部材120は、保護管支持部材17、検出管支持部材18、押え部材19及びばね押え板125を収容するハウジングであり、前端部には保護管支持部材17が配置され、後端の開口は、蓋部材124によって閉鎖されている。保護管支持部材17及び蓋部材124は、それぞれ締結部材41及び42を用いてケーシング部材120に着脱可能に取り付けられている。
検出管支持部材18は、検出セル15の軸方向の位置を互いに略一致させた状態で、2つの検出管13及び14を支持するための矩形形状の板部材である。この検出管支持部材18は、検出管同士が擦れ合うのを防止するために、互いに間隔を空けた状態で2つの検出管13及び14を略平行に支持するとともに、保護管11の開放端を閉鎖する。
また、検出管支持部材18は、前面を保護管支持部材17の背面に接触させた状態で、締結部材43及び44を用いて保護管支持部材17に取り付けられる。すなわち、検出管支持部材18には、締結部材43を挿通させる貫通孔が形成され、この貫通孔を介して保護管支持部材17のねじ穴に螺合させた締結部材43と、締結部材43の軸部と係合するナット状の締結部材44とを用いて検出管支持部材18が保護管支持部材17に固定される。
シール部材51が保護管支持部材17の背面と検出管支持部材18の前面とで挟まれることにより、保護管支持部材17及び検出管支持部材18間の間隙が封止される。このため、保護管11内に導入された測定対象ガスが当該間隙を介して処理炉2外へ漏出するのを防止することができる。
検出管支持部材18には、2つの検出管13及び14がそれぞれ配置される2つのガイド孔181及び183が形成されている。ガイド孔181及び183は、いずれも中心軸Jに沿って延びる円形状の貫通孔であり、保護管11に対し、検出管13及び14をそれぞれ軸方向に移動可能に支持する。検出管13及び14が検出管支持部材18により軸方向に移動可能に支持されるため、検出管13及び14の温度変化による膨張又は収縮を吸収することができる。
ガイド孔181には、測定対象ガスの漏出を防ぐための環状のシール部材52を収容するシール溝182が形成されている。ガイド孔183にも、測定対象ガスの漏出を防ぐための環状のシール部材53を収容するシール溝184が形成されている。シール部材52及び53は、例えば、Oリングであり、検出管13及び14をそれぞれ外囲する。
シール部材52がガイド孔181の内周面と検出管13の外周面とで挟まれることにより、ガイド孔181と検出管13との間の間隙が封止される。また、シール部材53がガイド孔183の内周面と検出管14の外周面とで挟まれることにより、ガイド孔183と検出管14との間の間隙が封止される。このため、保護管11内に導入された測定対象ガスがこの様な間隙を介して処理炉2外へ漏出するのを防止することができる。
2つのシール溝182及び184は、2つの検出管13及び14をより近づけて配置するために、軸方向の位置を異ならせて配置される。このため、計測位置が異なることによる酸素分圧のばらつきを抑制することができる。また、2つの検出管13及び14が近づけて配置されるため、保護管11の太さが増大するのを抑制することができる。
押え部材19は、検出管13及び14の軸方向における後方への移動を制限する一方、コイルばね7の伸縮を案内する円柱形状のガイド部材であり、中心軸Jと略同軸に配置される。押え部材19には、2つの検出管13及び14の後端がともに連結されている。押え部材19を介して検出管13及び14の後端が軸方向に付勢されるため、検出管13及び14の膨張又は収縮によって検出セル15の位置が軸方向にずれるのを防止することができる。さらに、2つの検出管13及び14が共通の押え部材19を介して付勢されるため、構造を簡略化することができる。
この押え部材19には、2つの検出管13及び14の内部に基準ガスをそれぞれ導入するための2つのガイド孔191及び192が形成されている。また、押え部材19には、コイルばね7を当接させるフランジ部193が形成されている。
ガイド孔191及び192は、いずれも中心軸Jに沿って延びる円形状の貫通孔であり、検出管13及び14の後端からそれぞれ延びる2つの導入管16の後端部がそれぞれ配置される。また、ガイド孔191及び192には、スリーブ部材6を後方から螺合させるねじ溝がそれぞれ形成されている。
スリーブ部材6は、ガイド孔191又は192と螺合する円筒形状のガイド部材であり、前端面を導入管16の後端面に接触させることにより、導入管16の後方への移動を制限している。また、スリーブ部材6は、2つの検出管13又は14から押え部材19までの距離を相対的に調整可能な付勢力調整手段として機能する。すなわち、スリーブ部材6の軸方向の位置を調整することにより、2つの検出管13及び14について、コイルばね7による付勢力を独立して調整することができる。従って、熱膨張等の個体差を吸収することができる。このスリーブ部材6は、ナット状の締結部材45を用いて押え部材19に固定される。
コイルばね7は、押え部材19を軸方向に付勢するための付勢部材であり、中心軸Jと略同軸に配置される。このコイルばね7は、一部が押え部材19の外周面を外囲するように配置され、前端がフランジ部193の背面に接触し、後端がばね押え板125の前面に接触している。
ばね押え板125は、コイルばね7の軸方向における後方への移動を制限するための矩形形状の板部材であり、ガイド管82などを挿通するための円形状の貫通孔126を有する。この貫通孔126は、中心軸Jと略同軸に配置される。
ばね押え板125には、当該ばね押え板125の軸方向の位置を調整するための4つの締結部材43をそれぞれ挿通するための4つの貫通孔が形成されている。この貫通孔は、ばね押え板125の4つのコーナー部にそれぞれ配置されている。検出管13及び14は、導入管16、押え部材19及びスリーブ部材6を介して軸方向に付勢されている。ばね押え板125の位置が軸方向に調整可能であるため、コイルばね7の劣化による付勢力の低下を抑制することができる。
接続部材121aの導入口121を介して供給された基準ガスは、接続部材81,83及びガイド管82を介して導入管16内に案内される。接続部材81は、導入管16とガイド管82とを挿抜可能に接続するための中空のガイド部材であり、中心軸Jに沿って延び、後端部を導入管16の後端から突出させた状態で導入管16の内部に配置されている。
接続部材83は、ケーシング部材120の貫通孔に挿通された接続部材121aとガイド管82とを連通する円筒形状のガイド部材である。基準ガスは、接続部材121a,83、ガイド管82、接続部材81及び導入管16をこの順序で順に通過して検出セル15に供給される。
検出セル15に供給された基準ガスは、検出管13又は14と導入管16との間の間隙や導入管16と接続部材81との間の空隙を介してケーシング部材120の内部の空間に排出され、その後、ケーシング部材120と保護管支持部材17との間の間隙等を介してケーシング部材120の外部へ排出される。
保護管11の蓋部材112は、2つの検出セル15に共通の電極として機能する。従って、各検出セル15の外部電極151は、蓋部材112及び保護管11を介してコネクタ123と電気的に接続される。一方、各検出セル15の内部電極152は、導入管16内に挿通されたワイヤーを介してそれぞれコネクタ123と電気的に接続される。熱電対161用の配線は、導入管16を介してコネクタ123に接続される。
締結部材41,43,44や接続部材121aをケーシング部材120や保護管支持部材17から取り外すことにより、検出管13及び14を保護管11から取り外して交換することができる。
<酸素分圧計測装置200>
図5は、酸素センサ1を含む酸素分圧計測装置200の一構成例を示したブロック図である。この酸素分圧計測装置200は、酸素センサ1、酸素分圧算出部201、異常検知部202及び出力部203により構成される。
酸素分圧算出部201は、酸素センサ1から検出セル15の起電力情報を取得し、測定対象ガスの酸素分圧を求める。測定対象ガスの酸素分圧は、検出セル15の起電力情報と熱電対161の温度情報と基準ガスの酸素分圧とに基づいて、求められる。例えば、ネルンストの関係式を用いて算出することができる。
この酸素分圧算出部201は、2つの検出管13及び14のいずれか一方又は両方の起電力情報に基づいて、測定対象ガスの酸素分圧を求め、計測値として出力部203へ出力する。
異常検知部202は、酸素センサ1から検出セル15の起電力情報を取得し、取得した起電力情報に基づいて、酸素センサ1の異常を検知する。すなわち、異常検知部202は、2つの検出セル15の起電力を比較することにより、酸素センサ1の異常を検知する。例えば、起電力の差分値を予め定められた判定用閾値と比較し、差分値の絶対値が判定用閾値を上回っていれば、いずれかの検出管13又は14に異常が生じていると判断される。一方、差分値の絶対値が判定用閾値以下であれば、検出管13及び14は正常であると判断される。
出力部203は、起電力、温度及び酸素分圧の計測値を表示し、或いは、外部機器へ出力する。また、出力部203は、異常検知部202による検知結果を表示し、或いは、外部機器へ出力する。
検出セル15の起電力を2つの検出管13及び14について比較することにより、酸素センサ1の異常が検知されるため、熱処理中における酸素センサ1の異常を速やかに検知することができる。
本実施の形態によれば、2つの検出管13及び14が1つの保護管11内に配置され、検出セル15の軸方向の位置を互いに略一致させた状態でこれらの検出管13及び14が支持されるため、計測位置が異なることによる酸素分圧のばらつきを抑制することができる。従って、検出セル15の起電力情報を2つの検出管13及び14について比較することにより、酸素センサ1の異常を正しく検知することができる。
また、検出管13及び14が検出管支持部材18により軸方向に移動可能に支持されるため、検出管13及び14の温度変化による膨張又は収縮を吸収することができる。また、押え部材19を介して検出管13及び14の後端が軸方向に付勢されるため、検出管13及び14の膨張又は収縮によって検出セル15の位置が軸方向にずれるのを防止することができる。さらに、2つの検出管13及び14が共通の押え部材19を介して付勢されるため、本体部12の構造を簡略化することができる。
1 酸素センサ
10 検出部
11 保護管
111,111a〜111d 測定対象ガスの導入孔
112 蓋部材
113 凹部
12 本体部
120 ケーシング部材
121 基準ガスの導入口
121a 接続部材
122 バーンアウトエアの導入孔
123 コネクタ
125 ばね押え板
13,14 検出管
15 検出セル
150 固体電解質
151 外部電極
152 内部電極
16 導入管
161 熱電対
17 保護管支持部材
18 検出管支持部材
19 押え部材
2 処理炉
25 ポート
51〜53 シール部材
6 スリーブ部材
7 コイルばね
81,83 接続部材
82 ガイド管
100 熱処理システム
200 酸素分圧計測装置
201 酸素分圧算出部
202 異常検知部
203 出力部
J 中心軸

Claims (8)

  1. 一端が酸素分圧測定用の検出セルによってそれぞれ封止され、分圧参照用の基準ガスが他端から内部にそれぞれ導入される2つの検出管と、
    閉鎖された一端付近の周面上に測定対象ガスを内部に導入するための導入孔が形成され、2つの前記検出管が内部に配置される保護管と、
    前記検出セルの軸方向の位置を互いに略一致させた状態で、2つの前記検出管を支持する検出管支持手段と
    2つの前記検出管の前記他端がともに連結される押え部材と、
    前記押え部材を軸方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記検出管支持手段は、前記保護管に対し前記検出管を軸方向に移動可能に支持することを特徴とする酸素センサ。
  2. 前記検出管支持手段は、互いに間隔を空けた状態で2つの前記検出管を略平行に支持することを特徴とする請求項1に記載の酸素センサ。
  3. 2つの前記導入孔が、2つの前記検出セル間の空間を挟んで対向するように配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸素センサ。
  4. 2つの前記検出セルは、前記保護管の中心軸を挟んで対称に配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸素センサ。
  5. 2つの前記検出管から前記押え部材までの距離を相対的に調整可能な付勢力調整手段を備えることを特徴とする請求項に記載の酸素センサ。
  6. 前記押え部材には、2つの前記検出管の内部に前記基準ガスをそれぞれ導入するための2つのガイド孔が形成され、
    前記付勢力調整手段は、2つの前記ガイド孔とそれぞれ螺合する2つのスリーブ部材からなることを特徴とする請求項に記載の酸素センサ。
  7. 前記検出管支持手段は、前記保護管の開放端を閉鎖する部材からなり、2つの前記検出管がそれぞれ配置される2つのガイド孔を有し、
    前記ガイド孔には、前記検出管を外囲し、前記測定対象ガスの漏出を防ぐための環状のシール部材を収容するシール溝が形成され、
    2つの前記シール溝は、軸方向の位置を異ならせて配置されることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の酸素センサ。
  8. 測定対象ガスの酸素分圧を検出する固体電解質方式の酸素センサと、

    前記酸素センサから検出セルの起電力情報を取得し、前記酸素分圧を求める酸素分圧算出手段と、
    前記起電力情報に基づいて、前記酸素センサの異常を検知する異常検知手段とを備え、
    前記酸素センサは、一端が前記検出セルによってそれぞれ封止され、分圧参照用の基準ガスが他端から内部にそれぞれ導入される2つの検出管と、
    閉鎖された一端付近の周面上に前記測定対象ガスを内部に導入するための導入孔が形成され、2つの前記検出管が内部に配置される保護管と、
    前記検出セルの軸方向の位置を互いに略一致させた状態で、2つの前記検出管を支持する検出管支持手段と
    2つの前記検出管の前記他端がともに連結される押え部材と、
    前記押え部材を軸方向に付勢する付勢手段とを備え、
    前記検出管支持手段は、前記保護管に対し前記検出管を軸方向に移動可能に支持し、
    前記異常検知手段は、2つの前記検出セルの起電力を比較することにより、酸素センサの異常を検知することを特徴とする酸素分圧計測装置。
JP2017019341A 2017-02-06 2017-02-06 酸素センサ及び酸素分圧計測装置 Active JP6875625B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017019341A JP6875625B2 (ja) 2017-02-06 2017-02-06 酸素センサ及び酸素分圧計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017019341A JP6875625B2 (ja) 2017-02-06 2017-02-06 酸素センサ及び酸素分圧計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018128267A JP2018128267A (ja) 2018-08-16
JP6875625B2 true JP6875625B2 (ja) 2021-05-26

Family

ID=63172639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017019341A Active JP6875625B2 (ja) 2017-02-06 2017-02-06 酸素センサ及び酸素分圧計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6875625B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018128267A (ja) 2018-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9431731B2 (en) Sensor and terminal member
US8342019B2 (en) Exhaust gas analyzer and probe unit
JP5469693B2 (ja) センサ及びセンサ取付構造体
CN104169702A (zh) 带有燃烧压力检测装置的内燃机以及燃烧压力检测装置
JP5302777B2 (ja) 排ガス分析装置及びプローブユニット
JP2016509244A (ja) 測定室に対して高い密封性を示す排ガスセンサの特別なシールジオメトリ
CN103718034A (zh) 气体传感器
JP2015194474A (ja) ガスセンサ及びガス検出素子
JP2017067533A (ja) ガスセンサ
JP4498376B2 (ja) ガスセンサの製造方法
JP6875625B2 (ja) 酸素センサ及び酸素分圧計測装置
US8944678B2 (en) Instrumentation rake assembly
US10012611B2 (en) Gas sensor element and gas sensor
JP2018084478A (ja) ガス濃度検出方法及び固体電解質センサ
JP2014035233A (ja) 圧力測定装置及び漏洩検査装置
JP2007085869A (ja) ガスセンサの校正方法及びガス分析装置
CN105899925B (zh) 相对压力传感器
CN115128144A (zh) 气体传感器
JP2015036653A (ja) ガスセンサの製造方法、ガスセンサ及びガスセンサの取付け構造
JP6235436B2 (ja) センサ
JP7445379B2 (ja) 固体電解質センサ
US20160202226A1 (en) Sensor
JP6890061B2 (ja) ガスセンサ
JP2022017803A (ja) ガスセンサ
CN104049024A (zh) 用于定向安装到废气系统中的废气传感器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210331

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6875625

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE

Ref document number: 6875625

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250