JP5936533B2 - 分散型電源システム - Google Patents

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Description

本発明は、電力系統に接続される、第1電圧線及び第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の交流線と、交流線に対して第1接続箇所で接続される補助電源装置と、交流線に対して第2接続箇所で接続される発電装置と、交流線の第2接続箇所に接続される電力消費装置とを備え、交流線に対する電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって第1接続箇所と第2接続箇所とがその並び順で設けられている分散型電源システムに関する。
特許文献1には、商用の電力系統に接続される交流線に補助電源装置及び発電装置及び電力消費装置が接続され、電力系統と補助電源装置と発電装置とから電力消費装置への電力供給が可能に構成されている分散型電源システムが記載されている。特に、特許文献1には、補助電源装置が備える蓄電部の出力能力の大小に応じて、補助電源装置を出力作動させるか、或いは、発電装置を発電運転させるかを切り換えることで、電力消費装置への電力供給を行うことが記載されている。
特開2000−333386号公報
特許文献1には記載されていないが、上述したような補助電源装置、発電装置及び電力消費装置が接続される交流線として、2つの電圧線と1つの中性線とで構成される単相3線式の交流線が用いられる。電力変換部を介して補助電源装置や発電装置を単相3線式の交流線に接続する場合、具体的には、電力変換部が単一の電力変換回路部で構成されその単一の電力変換回路部が第1電圧線及び第2電圧線に共通に接続される構成や、電力変換部が2つの電力変換回路部で構成され、その一方が第1電圧線に接続され、他方が第2電圧線に接続される構成が考えられる。
前者の場合、電力変換部(単一の電力変換回路部)は、第1電圧線及び第2電圧線との間でやり取りする電力を共通して調節することはできるが、第1電圧線及び第2電圧線との間でやり取りする電力を各別に、即ち、片相毎に調節することはできない。後者の場合、電力変換部(2つの電力変換回路部)は、各電力変換回路部を用いて、第1電圧線及び第2電圧線との間でやり取りする電力を各別に、即ち、片相毎に調節することができる。
つまり、前者の場合は、片相毎に電力を調節できないものの、電力変換部の装置コストを低くできるという長所がある。後者の場合、電力変換部の装置コストが高くなるものの、片相毎に電力を調節できるという長所がある。
そこで、本願では、発電装置と交流線との間の接続には単一の電力変換回路部を有する電力変換部を採用し、補助電源装置と交流線との間の接続には2つの電力変換回路部を有する電力変換部を採用した分散型電源システムを構築することとした。そして、このような分散型電源システムを運用する場合の課題を考察した。
図7は、補助電源装置10と発電装置20と電力消費装置30とが、単相3線式の交流線2に接続された分散型電源システムを概略的に描いた図である。図示するように、補助電源装置10の蓄電部12と第1電圧線2a(2)との間には第1電力変換回路部13Aが設けられ、補助電源装置10の蓄電部12と第2電圧線2b(2)との間には第2電力変換回路部13Bが設けられる。これら第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bはインバータやコンバータなどを用いて構成される。そして、その電力変換部13(第1電力変換回路部13A、第2電力変換回路部13B)によって、補助電源装置10から交流線2への出力電力が調節される。
尚、図示は省略しているが、交流線2と発電装置20の発電部とを接続するときにも、それらの間にはインバータやコンバータなどの電力変換部が設けられる。そして、その電力変換部によって、発電装置20から交流線2への供給電力(発電電力)が調節される。
図7に例示した分散型電源システムを用いて、電力消費装置30へ補助電源装置10及び発電装置20からどれだけの電力が供給されるかを例示する。但し、発電装置20の定格供給電力は700W(片相につき350W)であり、補助電源装置10の定格出力電力は片相につき1200W(両相で2400W)であるとする。また、第1電圧線2aと中性線2cとの間の電圧、及び、第2電圧線2bと中性線2cとの間の電圧はともにAC100Vであるので、図中に記載する電流値とAC100Vとの積が、図中に記載する電力値となる。
図7は、電力消費装置30を構成する第1消費部31の需要電力及び第2消費部32の需要電力が共に650W(両相合計で1300W)である場合の例である。ここで、図7に示す発電装置20や補助電源装置10の内部の構成は図1に示す通りである。尚、この例では、電力系統1が停電状態のため、電力系統1と交流線2との間での電力のやり取りは行われない。
この場合、発電装置20の発電制御部22は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように、第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力を供給するように発電電力を制御する。具体的には、第1電圧線2aに対して350Wの電力を供給し、第2電圧線2bに対して350Wの電力を供給する。但し、発電装置20から定格供給電力に相当する合計700Wの電力を供給しても、電力消費装置30の需要電力である1300Wには満たない。
その結果、第1消費部31における不足電力(即ち、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力)は300Wとなり、第2消費部32における不足電力(即ち、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力)は300Wとなる。
そして、補助電源装置10からこれら300Wずつの電力を出力することで、第1電圧線2aを通って電力系統1側から第1接続箇所P1へ向かう電力が零になり、第2電圧線2bを通って電力系統1側から第1接続箇所P1へ向かう電力が零になる。即ち、電力系統1が停電状態であっても、発電装置20と補助電源装置10との出力により電力消費装置30への電力が不足することなく供給できている。
次に、図8に示すのは、電力消費装置30を構成する第1消費部31の需要電力が1200Wであり及び第2消費部32の需要電力が100W(両相合計で1300W)である場合の例である。
この場合も、発電装置20の発電制御部22は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように、第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力を供給するように発電電力を制御する。具体的には、第1電圧線2aに対して350Wの電力を供給し、第2電圧線2bに対して350Wの電力を供給する。但し、発電装置20から定格供給電力に相当する合計700Wを供給しても、電力消費の需要電力である1300Wには満たない。
但し、図8に示した例では、第1電圧線2aと中性線2cとの間での第1消費電力である1200Wと、第2電圧線2bと中性線2cとの間での第2消費電力である100Wとが異なる。その結果、発電装置20から第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力(夫々に対して350W)を供給すると、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の正負の符号と、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の正負の符号とが異なってしまう。即ち、図8に示した例では、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力は+850W(不足電力)であり、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力は−250W(余剰電力)というように、両者の電力の正負の符号が異なってしまう。
このような場合、補助電源装置10から第1電圧線2aへ上述した不足電力である850Wだけ出力すると、第1電圧線2aを通って電力系統1側から第1接続箇所P1へ向かう電力は零(0W)となる。尚、補助電源装置10が、蓄電部12から交流線2への一方向の電力出力を主目的としている場合、電力変換部13は蓄電部12から交流線2への出力電力の変換を行うことができればよく、交流線2から蓄電部12への逆方向の電力の変換を行う必要はない。即ち、電力変換部13は双方向性を有している必要はないため、使用する半導体スイッチング素子は双方向性を有するものでなくてよい。つまり、蓄電部12への充電は電力変換部13とは別の回路(図示せず)を用いて行われる。従って、電力変換部13が蓄電部12から交流線2への一方向の出力電力の変換を行うことのみができる場合、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力は−250W(余剰電力)のまま残される。更に、電力系統1が停電しているため、その余剰電力が電力系統1の側へ逆潮流することもできず、第2電圧線2bから補助電源装置10へと流入してしまう。即ち、交流線2から蓄電部12へ向かって電力が逆流してしまう。その結果、第2電圧線2bと蓄電部12との間に設けられる第2電力変換回路部13Bの内部で電流が阻止されて内部電圧が上昇して、第2電力変換回路部13Bを構成する半導体素子等が故障する可能性がある。
図8で説明したような問題を解決するために、トランス(変圧器)を用いる方法がある。図9は交流線2と蓄電部12との間に絶縁トランス18を設けた例であり、図10は交流線2と蓄電部12との間にオートトランス19を用いた例である。図9及び図10に示すように、トランス18、19を用いることで、第1電圧線2aでの不足電力(+850W)と第2電圧線2bでの余剰電力(−250W)とが相殺され、補助電源装置10からは合計600Wの電力を交流線2に出力すればよいこととなる。
尚、図9及び図10で説明したようなトランス18、19は、重量が重く、寸法も大きいことから、補助電源装置の軽量化や小型化の障壁となる。また、トランス18、19を外付けするにも、新たにトランスの設置場所が必要であったり、トランス専用のケーシングが必要であったりといった課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、装置の大型化や重量増大を抑制しながら、余剰電力の処理を確実に行なえる分散型電源システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る分散型電源システムの特徴構成は、電力系統に接続される、第1電圧線及び第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の交流線と、前記交流線に対して第1接続箇所で接続される補助電源装置と、前記交流線に対して第2接続箇所で接続される発電装置と、前記交流線の前記第2接続箇所に接続される電力消費装置とを備え、前記交流線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所と前記第2接続箇所とがその並び順で設けられている分散型電源システムであって、
前記電力系統側から前記電力消費装置へ向かう電力を正の電力とした場合において、
前記発電装置は、発電部と、前記第1電圧線を通って前記第1接続箇所側から前記第2接続箇所へ向かう電力と前記第2電圧線を通って前記第1接続箇所側から前記第2接続箇所へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように、前記第1電圧線及び前記第2電圧線に対して同一の電力を供給するように前記発電部の発電電力を制御する発電制御部を有し、
前記補助電源装置は、蓄電部と、当該蓄電部及び前記交流線の間での電力変換を行う電力変換部と、当該電力変換部の動作を制御して前記蓄電部から前記交流線への出力電力を調節する動作制御部とを備え、前記電力変換部は、前記第1電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第1電力変換回路部と、前記第2電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第2電力変換回路部と、前記第1電力変換回路部及び前記第2電力変換回路部の間での電力の融通を可能にする電力融通手段とを有する点にある。
上記特徴構成によれば、補助電源装置は第1電力変換回路部と第2電力変換回路部との間で電力融通手段を用いて電力を融通させることができる。その結果、交流線から蓄電部へと電力が逆流し得る状況が発生しても、即ち、蓄電部から交流線へと電力を出力する場合に流れる電流の方向とは逆方向に電流が流れ得る状況が発生しても、その逆流する電流は第1電力変換回路部及び第2電力変換回路部の一方から電力融通手段を介して第1電力変換回路部及び第2電力変換回路部の他方へと流される。つまり、電力変換部の内部で逆流する電流が阻止されることが避けられるので、電力変換部の内部での電圧上昇により故障が発生するといった従来の問題が生じないようにできる。
加えて、交流線に対する電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって第1接続箇所と第2接続箇所とがその並び順で設けられており、発電装置の発電制御部は、第1電圧線を通って第1接続箇所側から第2接続箇所へ向かう電力と第2電圧線を通って第1接続箇所側から第2接続箇所へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように発電部の発電電力を制御する。つまり、発電装置は、電力消費装置の需要電力を賄うための最大の発電電力で運転する。そして、補助電源装置は、発電装置で賄い切れなかった電力を補助的に出力するように動作することになる。以上のように、本特徴構成の分散型電源システムは、発電装置を高い稼働率で運用でき、且つ、補助電源装置の負荷が小さくなるという点で好ましい。
従って、電力融通手段を用いることで、装置の大型化や重量増大を抑制しながら、余剰電力の処理を確実に行なえる分散型電源システムを提供できる。
本発明に係る分散型電源システムの別の特徴構成は、電力系統に接続される、第1電圧線及び第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の交流線と、前記交流線に対して第1接続箇所で接続される補助電源装置と、前記交流線に対して接続される発電装置と、前記交流線に対して第3接続箇所で接続される電力消費装置とを備え、前記交流線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所と前記第3接続箇所とがその並び順で設けられている分散型電源システムであって、
前記発電装置は、前記第1電圧線及び前記第2電圧線に対して同一の電力を供給する自然エネルギー発電部を有し、
前記補助電源装置は、蓄電部と、当該蓄電部及び前記交流線の間での電力変換を行う電力変換部と、当該電力変換部の動作を制御して前記蓄電部から前記交流線への出力電力を調節する動作制御部とを備え、前記電力変換部は、前記第1電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第1電力変換回路部と、前記第2電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第2電力変換回路部と、前記第1電力変換回路部及び前記第2電力変換回路部の間での電力の融通を可能にする電力融通手段とを有する点にある。
上記特徴構成によれば、補助電源装置は第1電力変換回路部と第2電力変換回路部との間で電力融通手段を用いて電力を融通させることができる。その結果、交流線から蓄電部へと電力が逆流し得る状況が発生しても、即ち、蓄電部から交流線へと電力を出力する場合に流れる電流の方向とは逆方向に電流が流れ得る状況が発生しても、その逆流する電流は第1電力変換回路部及び第2電力変換回路部の一方から電力融通手段を介して第1電力変換回路部及び第2電力変換回路部の他方へと流される。つまり、電力変換部の内部で逆流する電流が阻止されることが避けられるので、電力変換部の内部での電圧上昇により故障が発生するといった従来の問題が生じないようにできる。
加えて、発電装置が自然エネルギー発電部を有することで、その自然エネルギー発電部による発電電力を電力消費装置に供給して有効活用することができる。
従って、電力融通手段を用いることで、装置の大型化や重量増大を抑制しながら、余剰電力の処理を確実に行なえる分散型電源システムを提供できる。
本発明に係る分散型電源システムの更に別の特徴構成は、前記補助電源装置の前記動作制御部は、
前記電力消費装置により前記交流線から消費される消費電力と前記発電装置から前記交流線に供給される発電電力との電力差によって、前記第1電圧線及び前記第2電圧線の何れか一方で不足電力が発生し、他方で余剰電力が発生しているとき、
前記余剰電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線から、当該第1電圧線又は第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部が前記余剰電力を受け取り、
前記余剰電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部から、前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部へ前記電力融通手段が前記余剰電力を融通し、
前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部から、前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線へ当該不足電力に相当する電力を出力するように前記電力変換部の動作を制御する点にある。
上記特徴構成によれば、補助電源装置の動作制御部は、第1電圧線及び第2電圧線の何れか一方で不足電力が発生し及び他方で余剰電力が発生したとしても、その余剰電力が発生している方の第1電圧線又は第2電圧線に接続されている第1電力変換回路部又は第2電力変換回路部から、不足電力が発生している方の第1電圧線又は第2電圧線に接続されている第1電力変換回路部又は第2電力変換回路部へと、電力融通手段を用いてその余剰電力を融通させる。その結果、不足電力が発生している方の第1電圧線又は第2電圧線に接続されている第1電力変換回路部又は第2電力変換回路部から交流線へ出力する電力(不足電力に相当する電力)には、融通された余剰電力を用いることができる。
第1実施形態の分散型電源システムの構成を示す図である。 第1実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 第2実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 第3実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 第4実施形態の分散型電源システムの構成を説明する図である。 第4実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 比較例の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 比較例の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 比較例の分散型電源システムの運用例を説明する図である。 比較例の分散型電源システムの運用例を説明する図である。
<第1実施形態>
図1は、分散型電源システムの構成を示す図である。
この分散型電源システムは、電力系統1に接続される、第1電圧線2a及び第2電圧線2bと中性線2cとを有する単相3線式の交流線2と、交流線2に対して第1接続箇所P1で接続される蓄電部12を有する補助電源装置10と、交流線2に対して第2接続箇所P2で接続される発電装置20と、交流線2に対して第3接続箇所P3で接続される電力消費装置30とを備える。交流線2に対する電力系統1の接続箇所から見て下流側に向かって第1接続箇所P1と第2接続箇所P2と第3接続箇所P3とがその並び順で設けられている。尚、図1において、電力消費装置30は第2接続箇所P2に接続されていると見なすことができる。つまり、発電装置20と電力消費装置30の両方が、交流線2に対して第2接続箇所P2で接続されていると見なすことができる。
本実施形態において、電力系統1側から電力消費装置30へ向かう電力を正の電力とする。また、電力系統1から交流線2に対する電力供給を行うことができる非停電時の場合を考える。
本実施形態の例において、第1電圧線2aと中性線2cとの間の電圧はAC100Vであり、第2電圧線2bと中性線2cとの間の電圧もAC100Vである。更に、第1電圧線2aと第2電圧線2bとの間の電圧はAC200Vである。図1では、電力消費装置30として、第1電圧線2aと中性線2cとの間に接続されている100V負荷としての第1消費部31と、第2電圧線2bと中性線2cとの間に接続されている100V負荷としての第2消費部32とを備える。
〔発電装置20〕
発電装置20は、発電部21と、その発電部21の発電電力(即ち、交流線2への供給電力)を制御する発電制御部22とを有する。発電部21は、燃料電池や、エンジンの駆動力によって動作する発電機など、自身の発電電力を制御可能な装置を用いて構成できる。図示は省略するが、発電装置20は、発電部21での発電電力を所望の電圧、周波数、位相などに変換して交流線2に供給するための電力変換部も有している。
発電制御部22による発電電力の制御について説明すると、発電制御部22は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならない(即ち、逆潮流しない)ように、第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力を供給するように発電電力を制御する。発電装置20の発電制御部22は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力とを、カレントトランス(図示せず)の検出結果を参照して(即ち、第1電圧線2a、第2電圧線2b上の第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間を流れる電流値に基づいて導出できる電力を参照して)、監視している。
〔補助電源装置10〕
補助電源装置10は、電気を蓄えることのできる蓄電部12と、その蓄電部12及び交流線2の間での電力変換を行う電力変換部13と、電力変換部13の動作を制御して蓄電部12から交流線2への出力電力を調節する動作制御部11とを備える。補助電源装置10の動作制御部11は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と、カレントトランス(図示せず)の検出結果を参照して(即ち、第1接続箇所P1と第2接続箇所P2との間の第1電圧線2a、第2電圧線2b上を流れる電流値に基づいて導出できる電力を参照して)、監視している。その結果、第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の符号が正であれば不足電力が発生している(即ち、電力消費装置の消費電力が発電装置の発電電力よりも大きい)と判定でき、逆に第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の符号が負であれば余剰電力が発生している(即ち、発電装置の発電電力が電力消費装置の消費電力よりも大きい)と判定できる。
また、補助電源装置10の動作制御部11は、第1電圧線2aを通って電力系統1側から第1接続箇所P1へ向かう電力と、第2電圧線2bを通って電力系統1側から第1接続箇所P1へ向かう電力とを、カレントトランス(図示せず)の検出結果を参照して(即ち、第1接続箇所P1よりも電力系統1の側の第1電圧線2a、第2電圧線2b上を流れる電流値に基づいて導出できる電力を参照して)、監視できる。
蓄電部12は、蓄電池(化学電池)や電気二重層キャパシタなど、蓄電機能を有する各種機器で構成することができる。
電力変換部13は、第1電圧線2a及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第1電力変換回路部13Aと、第2電圧線2b及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第2電力変換回路部13Bと、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16とを有する。
本実施形態において、第1電力変換回路部13Aは、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aの組で構成され、第2電力変換回路部13Bは、第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bの組とで構成される。交流線2と蓄電部12とを絶縁するために、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aの少なくとも何れか一方は絶縁型の回路構成となっており、同じく第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bの少なくとも何れか一方も絶縁型の回路構成となっている。
加えて、本実施形態では、第1電力変換回路部13Aは、単方向性(交流線2への出力方向)の第1DC/DCコンバータ回路14a及び双方向性の第1インバータ回路15aの組で構成され、第2電力変換回路部13Bは、単方向性(交流線2への出力方向)の第2DC/DCコンバータ回路14b及び双方向性の第2インバータ回路15bの組とで構成される。このような回路構成を採用するのは、蓄電部12から交流線2への一方向の電力出力を主目的としているため、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第2DC/DCコンバータ回路14bは、蓄電部12から交流線2への出力電力の変換を行うことができればよく、交流線2から蓄電部12への逆方向の電力の変換を行う必要はないからである。即ち、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第2DC/DCコンバータ回路14bは双方向性を有している必要はないため、回路の作製に必要なコストを小さくすることができる。
これら第1DC/DCコンバータ回路14a、第1インバータ回路15a、第2DC/DCコンバータ回路14b、第2インバータ回路15bは半導体スイッチング素子などを用いて構成される。半導体スイッチング素子のスイッチング動作は、動作制御部11が制御する。つまり、蓄電部12から交流線2への出力電力は動作制御部11が制御する。
更に、電力変換部13において、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aの間の直流部分と、第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bの間の直流部分との間を、電力融通手段16を用いて接続してある。本実施形態において、電力融通手段16は、例えば、半導体スイッチング素子等を用いて構成されるDC/DCコンバータ回路を用いて実現できる。
本実施形態の分散型電源システムにおいて、補助電源装置10の動作制御部11は、電力消費装置30により交流線2から消費される消費電力と発電装置20から交流線2に供給される発電電力との電力差によって、第1電圧線2a及び第2電圧線2bの何れか一方で不足電力が発生し、他方で余剰電力が発生しているとき、余剰電力が発生している第1電圧線2a又は第2電圧線2bから、当該第1電圧線2a又は第2電圧線2bに接続されている第1電力変換回路部13A又は第2電力変換回路部13Bが余剰電力を受け取り、余剰電力が発生している第1電圧線2a又は第2電圧線2bに接続されている第1電力変換回路部13A又は第2電力変換回路部13Bから、不足電力が発生している第1電圧線2a又は第2電圧線2bに接続されている第1電力変換回路部13A又は第2電力変換回路部13Bへ電力融通手段16が余剰電力を融通し、不足電力が発生している第1電圧線2a又は第2電圧線2bに接続されている第1電力変換回路部13A又は第2電力変換回路部13Bから、不足電力が発生している第1電圧線2a又は第2電圧線2bへ当該不足電力に相当する電力を出力するように電力変換部13の動作を制御する。
以下に、この制御の内容について具体例を挙げて説明する。
図2は、第1実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図であり、具体的には、補助電源装置10の動作制御部11の動作例を説明する図である。但し、発電装置20の定格供給電力は700W(片相につき350W)であり、補助電源装置10の定格出力電力は片相につき1200W(両相で2400W)であるとする。この仮定は、先に図7に関して説明した仮定と同様である。また、第1電圧線2a、2bと中性線2cとの間の電圧はAC100Vであるので、図中に記載する電流値とAC100Vとの積が、図中に記載する電力値となる。尚、以下の例では、電力変換部13での電力変換損失を考慮していないが、実際に分散型電源システムを運用するときには電力変換損失を考慮する必要がある。
図2に示すのは、電力消費装置30を構成する第1消費部31の需要電力が1200Wであり及び第2消費部32の需要電力が100W(両相合計で1300W)である場合の例である。また、電力系統1は停電状態にあるため、電力系統1と交流線2との間で電力のやり取りは行われない。
この場合、発電装置20の発電制御部22は、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力と第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように、第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力を供給するように発電電力を制御する。具体的には、第1電圧線2aに対して350Wの電力を供給し、第2電圧線2bに対して350Wの電力を供給する。但し、発電装置20からそれだけの電力(合計700W)を供給しても、電力消費装置30の需要電力である1300Wには満たない。更に、発電装置20から第1電圧線2a及び第2電圧線2bに対して同一の電力(350W)を供給すると、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の正負の符号と、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力の正負の符号とが異なってしまう。具体的には、図2に示した例では、第1電圧線2aを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力は+850Wであり、第2電圧線2bを通って第1接続箇所P1側から第2接続箇所P2へ向かう電力は−250Wというように、両者の電力の正負の符号が異なる。
つまり、電力消費装置30により交流線2から消費される消費電力と発電装置20から交流線2に供給される発電電力との電力差によって、第1電圧線2aで850Wの不足電力が発生し、第2電圧線2bで250Wの余剰電力が発生している。
このように第1電圧線2aで850Wの不足電力が発生し、第2電圧線2bで250Wの余剰電力が発生しているとき、補助電源装置10の動作制御部11は、その250Wの余剰電力が発生している第2電圧線2bからその第2電圧線2bに接続されている第2電力変換回路部13Bが250Wの余剰電力を受け取り、その第2電力変換回路部13Bから第1電力変換回路部13Aへ電力融通手段16が250Wの余剰電力を融通し、第1電力変換回路部13Aから不足電力が発生している第1電圧線2aへその不足電力に相当する電力を出力するように電力変換部13の動作を制御する。つまり、第1電力変換回路部13Aから第1電圧線2aへ850Wの電力を出力する必要があるものの、第2電力変換回路部13Bから250Wの電力融通を受けることができるので、蓄電部12からは600Wの電力供給を受けるだけでよい。
このように、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16を設けたことで、余剰電力の処理を確実に行なうことができる。
<第2実施形態>
第2実施形態の分散型電源システムは補助電源装置10の電力変換部13の構成が第1実施形態と異なる。以下に第2実施形態の分散型電源システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図3は、第2実施形態の分散型電源システムの補助電源装置10の構成を示す図である。図示するように、補助電源装置10が有する電力変換部13は、第1電圧線2a及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第1電力変換回路部13Aと、第2電圧線2b及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第2電力変換回路部13Bと、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16とを有する。
具体的には、第1電力変換回路部13Aは、DC/DCコンバータ回路14及び第1インバータ回路15aの組で構成され、第2電力変換回路部13Bは、DC/DCコンバータ回路14及び第2インバータ回路15bの組とで構成される。つまり、本実施形態では、第1電力変換回路部13Aと第2電力変換回路部13Bとで、DC/DCコンバータ回路14は共用される。
加えて、本実施形態では、第1電力変換回路部13Aが有する第1インバータ回路15aは双方向性の回路構成となっており、第2電力変換回路部13Bが有する第2インバータ回路15bも双方向性の回路構成となっている。更に、第1インバータ回路15a及び第2インバータ回路15bは共に絶縁型の回路構成となっている。
更に、本実施形態では、電力変換部13において、DC/DCコンバータ回路14及び第1インバータ回路15aの間の直流部分と、DC/DCコンバータ回路14及び第2インバータ回路15bの間の直流部分との間は、電力が融通される電力融通手段16として機能する。例えば、図3に示すように、第1実施形態と同様に第1電圧線2aで850Wの不足電力が発生し及び第2電圧線2bで250Wの余剰電力が発生した場合、補助電源装置10の動作制御部11は、その250Wの余剰電力が発生している第2電圧線2bからその第2電圧線2bに接続されている第2電力変換回路部13Bの第2インバータ回路15bが250Wの余剰電力を受け取り、その第2電力変換回路部13Bから第1電力変換回路部13Aへ電力融通手段16を介して250Wの余剰電力を融通し、第1電力変換回路部13Aの第1インバータ回路15aから不足電力が発生している第1電圧線2aへその不足電力に相当する電力を出力するように電力変換部13の動作を制御する。つまり、補助電源装置10は、第1電力変換回路部13Aの第1インバータ回路15aから第1電圧線2aへ850Wの電力を出力する必要があるものの、第2電力変換回路部13Bから250Wの電力融通を受けることができるので、蓄電部12からは600Wの電力供給を受けるだけでよい。
このように、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16を設けたことで、余剰電力の処理を確実に行なうことができる。
<第3実施形態>
第3実施形態の分散型電源システムは補助電源装置10の電力変換部13の構成が第1実施形態と異なる。以下に第3実施形態の分散型電源システムについて説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図4は、第3実施形態の分散型電源システムの補助電源装置10の構成を示す図である。図示するように、補助電源装置10が有する電力変換部13は、第1電圧線2a及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第1電力変換回路部13Aと、第2電圧線2b及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第2電力変換回路部13Bと、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16とを有する。
具体的には、第1電力変換回路部13Aは、第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aの組で構成され、第2電力変換回路部13Bは、第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bの組とで構成される。加えて、本実施形態では、第1電力変換回路部13Aが有する第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aは何れも双方向性の回路構成となっており、第2電力変換回路部13Bが有する第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bも双方向性の回路構成となっている。本実施形態では、第1電力変換回路部13Aにおいて第1DC/DCコンバータ回路14a及び第1インバータ回路15aの少なくとも何れか一方を絶縁型の回路構成とすればよく、第2電力変換回路部13Bにおいて第2DC/DCコンバータ回路14b及び第2インバータ回路15bの少なくとも何れか一方を絶縁型の回路構成とすればよい。
更に、本実施形態では、電力変換部13において、第1DC/DCコンバータ回路14aの入力側(蓄電部12の側)と、第2DC/DCコンバータ回路14bの入力側(蓄電部12の側)との間は、電力が融通される電力融通手段16として機能する。例えば、図4に示すように、第1実施形態と同様に第1電圧線2aで850Wの不足電力が発生し及び第2電圧線2bで250Wの余剰電力が発生した場合、補助電源装置10の動作制御部11は、その250Wの余剰電力が発生している第2電圧線2bからその第2電圧線2bに接続されている第2電力変換回路部13Bの第2インバータ回路15bが250Wの余剰電力を受け取り、その第2電力変換回路部13Bから第1電力変換回路部13Aへ電力融通手段16を介して250Wの余剰電力を融通し、第1電力変換回路部13Aの第1インバータ回路15aから不足電力が発生している第1電圧線2aへその不足電力に相当する電力を出力するように電力変換部13の動作を制御する。つまり、補助電源装置10は、第1電力変換回路部13Aの第1インバータ回路15aから第1電圧線2aへ850Wの電力を出力する必要があるものの、第2電力変換回路部13Bから250Wの電力融通を受けることができるので、蓄電部12からは600Wの電力供給を受けるだけでよい。
このように、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16を設けたことで、余剰電力の処理を確実に行なうことができる。
<第4実施形態>
第4実施形態の分散型電源システムは、発電装置が自然エネルギー発電部を有する点で上記実施形態と異なる。以下に第4実施形態の分散型電源システムについて説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図5は、第4実施形態の分散型電源システムの構成を示す図である。第4実施形態の分散型電源システムは、電力系統1に接続される、第1電圧線2a及び第2電圧線2bと中性線2cとを有する単相3線式の交流線2と、交流線2に対して第1接続箇所P1で接続される補助電源装置10と、交流線2に対して接続される発電装置20と、交流線2に対して第3接続箇所P3で接続される電力消費装置30とを備える。発電装置20は、第4接続箇所P4で交流線に対して接続される。
発電装置20は、第1電圧線及び第2電圧線に対して同一の電力を供給する自然エネルギー発電部23を有する。自然エネルギー発電部23としては、自然エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電装置などの種々の発電装置を利用できる。加えて、発電装置20は、自然エネルギー発電部23の発電電力(即ち、交流線2への供給電力)を制御する発電制御部22を有する。例えば、自然エネルギー発電部23が太陽光発電部である場合、発電制御部22は、その自然エネルギー発電部23での発電電力を所望の電圧、周波数、位相などに変換して交流線2に供給するための電力変換部(図示せず)の動作を制御して最大電力点追従制御などを行うことができる。本実施形態では、交流線2に対する電力系統1の接続箇所から見て下流側に向かって第4接続箇所P4と第1接続箇所P1と第3接続箇所P3とがその並び順で設けられている例を示すが、交流線2に対する発電装置20の接続箇所である第4接続箇所P4は、交流線2に対する電力系統1の接続箇所から見て第1接続箇所P1よりも下流側に設けられていてもよい。
補助電源装置10の構成は上記実施形態と同様である。即ち、補助電源装置10は、蓄電部12と、その蓄電部12及び交流線2の間での電力変換を行う電力変換部13と、その電力変換部13の動作を制御して蓄電部12から交流線2への出力電力を調節する動作制御部11とを備え、電力変換部13は、第1電圧線2a及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第1電力変換回路部13Aと、第2電圧線2b及び中性線2cと蓄電部12との間での電力変換を行う第2電力変換回路部13Bと、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16とを有する。
図6は、第4実施形態の分散型電源システムの運用例を説明する図であり、具体的には、補助電源装置10の動作制御部11の動作例を説明する図である。この例では、電力消費装置30を構成する第1消費部31の需要電力が1200Wであり及び第2消費部32の需要電力が100W(両相合計で1300W)である場合を示す。また、電力系統1は停電状態にあるため、電力系統1と交流線2との間で電力のやり取りは行われない。
この場合、発電装置20は、第1電圧線2aに対して350Wの電力を供給し、第2電圧線2bに対して350Wの電力を供給する。但し、発電装置20からそれだけの電力(合計700W)を供給しても、電力消費装置30の需要電力である1300Wには満たない。更に、電力消費装置30により交流線2から消費される消費電力と発電装置20から交流線2に供給される発電電力との電力差によって、第1電圧線2aで850Wの不足電力が発生し、第2電圧線2bで250Wの余剰電力が発生している。
このとき、補助電源装置10の動作制御部11は、その250Wの余剰電力が発生している第2電圧線2bからその第2電圧線2bに接続されている第2電力変換回路部13Bが250Wの余剰電力を受け取り、その第2電力変換回路部13Bから第1電力変換回路部13Aへ電力融通手段16が250Wの余剰電力を融通し、第1電力変換回路部13Aから不足電力が発生している第1電圧線2aへその不足電力に相当する電力を出力するように電力変換部13の動作を制御する。つまり、第1電力変換回路部13Aから第1電圧線2aへ850Wの電力を出力する必要があるものの、第2電力変換回路部13Bから250Wの電力融通を受けることができるので、蓄電部12からは600Wの電力供給を受けるだけでよい。
このように、第1電力変換回路部13A及び第2電力変換回路部13Bの間での電力の融通を可能にする電力融通手段16を設けたことで、余剰電力の処理を確実に行なうことができる。
<別実施形態>
上記実施形態では、補助電源装置10の動作制御部11の動作例について、具体的な数値を挙げて説明したが、それらの数値は例示目的で記載したものであり、本発明がそれの数値に限定されるわけではない。他にも、第1電圧線2aと中性線2cとの間の電圧、及び、第2電圧線2bと中性線2cとの間の電圧は、上記実施形態で例示したAC100Vに限定されるものではない。
本発明は、余剰電力の処理を確実に行なえる分散型電源システムに利用できる。
1 電力系統
2 交流線
2a 第1電圧線
2b 第2電圧線
2c 中性線
10 補助電源装置
11 動作制御部
12 蓄電部
13 電力変換部
13A 第1電力変換回路部
13B 第2電力変換回路部
16 電力融通手段
20 発電装置
30 電力消費装置
31 第1消費部
32 第2消費部
P1 第1接続箇所
P2 第2接続箇所
P3 第3接続箇所

Claims (3)

  1. 電力系統に接続される、第1電圧線及び第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の交流線と、前記交流線に対して第1接続箇所で接続される補助電源装置と、前記交流線に対して第2接続箇所で接続される発電装置と、前記交流線の第2接続箇所に接続される電力消費装置とを備え、前記交流線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所と前記第2接続箇所とがその並び順で設けられている分散型電源システムであって、
    前記電力系統側から前記電力消費装置へ向かう電力を正の電力とした場合において、
    前記発電装置は、発電部と、前記第1電圧線を通って前記第1接続箇所側から前記第2接続箇所へ向かう電力と前記第2電圧線を通って前記第1接続箇所側から前記第2接続箇所へ向かう電力との合計電力が最小になり且つ負の電力とはならないように、前記第1電圧線及び前記第2電圧線に対して同一の電力を供給するように前記発電部の発電電力を制御する発電制御部を有し、
    前記補助電源装置は、蓄電部と、当該蓄電部及び前記交流線の間での電力変換を行う電力変換部と、当該電力変換部の動作を制御して前記蓄電部から前記交流線への出力電力を調節する動作制御部とを備え、前記電力変換部は、前記第1電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第1電力変換回路部と、前記第2電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第2電力変換回路部と、前記第1電力変換回路部及び前記第2電力変換回路部の間での電力の融通を可能にする電力融通手段とを有する分散型電源システム。
  2. 電力系統に接続される、第1電圧線及び第2電圧線と中性線とを有する単相3線式の交流線と、前記交流線に対して第1接続箇所で接続される補助電源装置と、前記交流線に対して接続される発電装置と、前記交流線に対して第3接続箇所で接続される電力消費装置とを備え、前記交流線に対する前記電力系統の接続箇所から見て下流側に向かって前記第1接続箇所と前記第3接続箇所とがその並び順で設けられている分散型電源システムであって、
    前記発電装置は、前記第1電圧線及び前記第2電圧線に対して同一の電力を供給する自然エネルギー発電部を有し、
    前記補助電源装置は、蓄電部と、当該蓄電部及び前記交流線の間での電力変換を行う電力変換部と、当該電力変換部の動作を制御して前記蓄電部から前記交流線への出力電力を調節する動作制御部とを備え、前記電力変換部は、前記第1電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第1電力変換回路部と、前記第2電圧線及び前記中性線と前記蓄電部との間での電力変換を行う第2電力変換回路部と、前記第1電力変換回路部及び前記第2電力変換回路部の間での電力の融通を可能にする電力融通手段とを有する分散型電源システム。
  3. 前記補助電源装置の前記動作制御部は、
    前記電力消費装置により前記交流線から消費される消費電力と前記発電装置から前記交流線に供給される発電電力との電力差によって、前記第1電圧線及び前記第2電圧線の何れか一方で不足電力が発生し、他方で余剰電力が発生しているとき、
    前記余剰電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線から、当該第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部が前記余剰電力を受け取り、
    前記余剰電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部から、前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部へ前記電力融通手段が前記余剰電力を融通し、
    前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線に接続されている前記第1電力変換回路部又は前記第2電力変換回路部から、前記不足電力が発生している前記第1電圧線又は前記第2電圧線へ当該不足電力に相当する電力を出力するように前記電力変換部の動作を制御する請求項1又は2に記載の分散型電源システム。
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