JP5936483B2 - 製品不良発生推定方法および製品不良発生推定システム - Google Patents

製品不良発生推定方法および製品不良発生推定システム Download PDF

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Description

本発明は、出庫作業を支援する出庫作業支援システムに関し、より詳しくは、製品が動かされた状況を利用した製品不良の推定により効率的な出庫作業を支援するデータ処理技術に関する。
従来、製造工程で生じた不良の原因を究明するために、製品や製品群毎にバーコードやRFIDタグを付加し、バーコード・リーダやRFIDタグリーダなどの読み取り装置で不良となった製品や製品群を識別し、その製造工程での履歴をたどることによって不良発生の原因を究明するシステムが存在している。
特開2007−11658号公報
製品は、パレットと呼ばれる搬送台に搭載されて倉庫内に保管され、例えばフォークリフトのような荷物搬送機によって、搬送台に搭載された状態で倉庫内を移動されたり、搬送されたりする。
そのため、製造工程だけでなく、製品保管工程においても、倉庫内での作業状況や保管状況に起因して製品不良が生じうる。
図23は、倉庫内作業を説明するための図である。
まず、製造・仕上げ工程を経た製品を、パレットに搭載して倉庫内に保管し(製品入荷)、出荷プランに従って保管したパレットをトラック等に搭載させて出庫する(製品出荷)。倉庫が複数ある場合に、製品を搭載したパレットをトラック等に搭載して倉庫間で移動することもある(倉庫間移動)。
倉庫内は複数の保管区(ゾーン)が設けられ、ゾーン内に製品を搭載したパレットが置かれる。製品出荷時には、パレットをゾーンからトラック等に載せ替えて出庫する。また、保管中も、パレットを倉庫内の別ゾーンに移動することもある(ゾーン移動)。
倉庫内で、製品はパレットに搭載された状態で荷物搬送機(フォークリフト)によって移動する。フォークリフトは、パレットを上下または左右に動かす機構を備え、パレットを搬送する。そのため、フォークリフトがどのようにパレットを動かしたかという状況、すなわち、製品がどのように動かされたかという状況に起因して製品不良を生じさせる可能性がある。例えば、倉庫内のゾーンの中には、荷物搬口までの距離が長かったり、右左折の回数が多くなったりするものがある。また、フォークリフトがパレットを中継して搬送することもあり、上下動の回数が多くなることがある。したがって、倉庫内でより多く動かされたパレットに搭載されている製品群には、より多くの製品不良が発生する可能性があると考えられる。
また、複数の倉庫または倉庫内の複数のゾーンは全て同じ環境ではないため、保管中の環境が製品不良を生じさせる可能性がある。したがって、ある場所により長く滞留していたパレットに搭載されている製品群には、より多くの製品不良が発生する可能性があると考えられる。
倉庫保管中に製品不良が生じやすい状況におかれて不良品となっている可能性がある製品を出荷禁止や使用禁止にすること、および、倉庫内の製品不良を生じやすい状況を改善することは、製品管理上の重要な課題である。そのため、倉庫内でのどのような作業状況や保管状況が製品不良を発生させるのかを把握する必要がある。また、製品出荷時に、不良品のおそれがある製品の出庫を未然に防止できるようにする必要がある。
しかし、従来、倉庫内での作業状況や保管状況に起因する製品不良について、原因究明や防止策を講ずるためのシステムは存在しなかった。
本発明の目的は、倉庫内での製品の状況と製品不良の発生との関係を把握し、さらに、製品不良の発生の可能性がある製品の出庫を防止できる倉庫内不良推定のための製品不良発生方法、および製品不良発生システムを提供することである。
本願において開示される製品不良発生推定方法は、倉庫内で発生する荷物搬送機に搭載された製品の製品不良の発生を推定するため、製品搭載用の搬送台を移動させる荷物搬送機に取り付けた車載端末と、前記車載端末とデータ通信可能な不良発生推定装置とを備えるシステムが実行する方法である。
前記方法において、載端末が、荷物搬送機による搬送台の移動作業毎に、前記移動作業の開始から終了までの間に搬送台が動かされた状況を示す所定の計測項目について計測された値を示す計測データを不良発生推定装置に送信する。そして、前記不良発生推定装置が、前記計測データをもとに前記計測項目の値が所定の値を超えた回数を示す実績情報を生成して記憶装置に記憶し、過去に特定された製品不良と前記製品不良が生じた搬送台とを対応付けた不良実績情報を受け付けて前記記憶装置に記憶し、前記実績情報と前記不良実績情報とをもとに、前記実績情報の各計測項目の回数の増加と前記不良実績情報の製品不良の発生数の増加との相関関係が一定の強さ以上となる計測項目を特定し、特定した計測項目のうち製品不良の発生数が前記製品不良の発生数の全数に対して所定の割合に達している回数となった計測項目の回数を不良推定域値と定め、前記記憶装置に記憶した前記実績情報から、特定した前記計測項目の回数が前記不良推定域値を超える実績情報の搬送台を抽出し、抽出した搬送台を記録した不良候補情報を生成し前記車載端末に送信する
そして、前記車載端末が、前記荷物搬送機による他の搬送台の移動作業の開始時に、前記不良候補情報を参照し、前記他の搬送台が前記不良候補情報に記録されている場合に製品不良発生の可能性の警告を出力する。
開示する方法によれば、倉庫内の搬送台の状況と製品不良の発生との相関関係をもとに、製品不良が発生している可能性がある搬送台を推定し、作業者が製品不良が発生していると推定された搬送台を搬送する前に警告することができる。
開示する倉庫内不良推定システムのブロック構成例を示す図である。 第1の実施例における不良発生推定装置10のブロック構成例を示す図である。 第1の実施例における車載端末20の内部ブロック構成例を示す図である。 第1の実施例における実績情報の例を示す図である。 第1の実施例における推定基準の例を示す図である。 第1の実施例における不良実績情報の例を示す図である。 第1の実施例における不良候補情報の例を示す図である。 第1の実施例における実績情報の例を示す図である。 図8に示す実績情報を集計した中間情報の例を示す図である。 第1の実施例における、不良数、不良IDを記録した中間情報の例を示す図である。 第1の実施例における、評価項目の回数と不良数との相関関係を説明するための図である。 第1の実施例における、評価項目と不良数との相関の有無を説明するための図である。 第1の実施例における不良推定閾値の例を示す図である。 第1の実施例における車載端末の処理フロー例を示す図である。 第1の実施例における不良発生推定装置の概要処理フロー例を示す図である。 実績情報生成処理(ステップS21の処理)のより詳細な処理フロー例を示す図である。 不良発生の相関関係評価処理(ステップS23の処理)のより詳細な処理フロー例を示す図である。 不良候補推定処理(ステップS24)のより詳細な処理フロー例を示す図である。 第2の実施例における実績情報の例を示す図である。 第2の実施例における中間情報の例を示す図である。 第2の実施例における、倉庫での滞留時間と不良数との相関の有無を説明するための図である。 不良発生推定装置および車載端末のハードウェア構成例を示す図である。 倉庫内作業を説明するための図である。
以下、本発明の一態様として開示する倉庫内不良推定システムについて図面を用いて説明する。
図1は、開示する倉庫内不良推定システムのブロック構成例を示す図である。
倉庫内不良推定システム1は、不良発生推定装置(サーバ)10および荷物搬送機(フォークリフト)に備えられる車載端末(クライアント)20を備える。不良発生推定装置10と各車載端末20とは、無線ネットワークNWに接続し、相互にデータ通信を行うことができる。
不良発生推定装置(サーバ)10は、車載端末20から、製品を搭載した搬送台(パレット)の搬送に関する作業データ、パレットが搬送されたときの状況を計測した計測データをもとに、パレット毎に倉庫内での状況を示す実績情報を取得し、パレットの実績情報と不良発生との相関を調べ、不良品が含まれる可能性が高いパレットを推定する。
本実施の形態においてパレットの実績情報は、各搬送でのパレットが実際に動かされた状況、または、各倉庫または倉庫内の各ゾーンでの滞留時間を示す情報である。
車載端末20は、フォークリフトに備えられ、作業データ、パレットの計測データを収集して不良発生推定装置10へ送信し、不良発生推定装置10から、製品不良の発生の可能性があると推定されているパレットを示す不良候補情報を取得し、搬送しようとするパレットが不良候補情報に該当する場合に、作業者に警告を通知する。
以下、倉庫内不良推定システム1の処理例を説明する。
〔第1の実施例〕
第1の実施例において、倉庫内不良推定システム1は、倉庫内でパレットが動かされた状況と製品不良の発生との因果関係を前提に、製品不良が発生している可能性があるパレットを推定する。
図2は、第1の実施例における不良発生推定装置10のブロック構成例を示す図である。
不良発生推定装置10は、データ通信部11、実績取得部12、実績記憶部13、不良実績登録部14、不良実績記憶部15、相関評価部16、推定基準記憶部17、不良発生推定部18、不良候補記憶部19を備える。
データ通信部11は、車載端末20と各種データの送受信をする。
実績取得部12は、各車載端末20から受信した作業データおよび計測データをもとに、倉庫内でのパレットの状況を示す実績情報を生成し、実績記憶部13に保存する。
作業データは、パレットの搬送作業に関するデータであり、作業者の識別情報、搬送するパレットの識別情報、パレットの保管場所の識別情報、パレットの搬送(移動)の開始時刻/終了時刻等の1つまたは複数を含むデータである。計測データは、フォークリフトによって、パレットが動かされた状況を計測したデータであり、後述する計測装置(加速度センサ)24によって計測された加速度、角加速度等を含むデータである。
実績情報は、各パレットの動かされた状況を示す情報であり、パレットの識別情報、状況を示す実績、作業者の識別情報等を含む。本実施例では、実績取得部12は、計測データが3軸方向の加速度および3軸周りの角加速度を計測したものである場合に、計測した各項目について、予め設定された閾値以上の値(加速度、角加速度)となった値の回数をカウントし、パレットの状況の実績とする。
不良実績登録部14は、確認された製品不良および製品不良が発生したパレットを示す不良実績情報を受け付けて不良実績記憶部15に保存する。
相関評価部16は、実績情報および不良実績情報をもとに、パレットの実績を示す項目と製品不良の発生との相関関係を評価する。さらに、相関評価部16は、製品不良の発生と相関がある実績の項目について、製品不良の発生の可能性を示す閾値(不良推定閾値)を決定し、閾値を設定した推定基準を推定基準記憶部17に保存する。
より具体的には、相関評価部16は、実績情報の実績が、パレットが動かされた状況を複数の項目で示している場合に、実績の各項目について、項目の回数と製品不良の発生の回数との増加の相関関係の強さを調べ、相関の強さが一定以上であるときに、相関があると評価する。さらに、相関評価部16は、相関関係がある項目について、発生した不良数が不良数全体から所定の割合(例えば、50%)に達しているときの当該項目に記録されている回数(閾値を超えた回数)を不良推定閾値とする。
不良発生推定部18は、パレット毎に、不良推定閾値および不良実績情報をもとに、製品不良が生じている可能性があるパレットに該当するかを推定し、製品不良の発生の可能性があるパレットを示す不良候補情報を生成する。不良候補情報は、データ通信部11によって所定の周期または契機で車載端末20へ送信される。
図3は、第1の実施例における車載端末20の内部ブロック構成例を示す図である。
車載端末20は、読取装置21、作業データ取得部22、作業データ記憶部23、計測装置24、計測データ取得部25、計測データ記憶部26、データ通信部27、不良候補記憶部28、通知部29を備える。
読取装置21は、フォークリフト2のパレット搭載機構に備えられ、各パレットに貼り付けられたパレット識別情報または保存場所に貼り付けられた保存場所識別情報を読み取る。
パレット識別情報および保存場所識別情報は、例えば、バーコードによる表示、または、ICチップ(RFIDタグ)への格納として実施される。読取装置21は、識別情報の種別に対応して、例えば、バーコード・リーダ、または、RFIDタグリーダで実施される。
作業データ取得部22は、フォークリフト2の作業者の作業者識別情報、パレット識別情報等を取得して作業データ記憶部23に保存する。
作業者識別情報は、作業者が携行するカード等から読取装置21で読み取ってもよく、作業者が車載端末20の入力部を操作して直接入力してもよい。また、後述する計測装置24を、加速度センサを備えた携帯端末(例えば、スマートホン)で実施する場合に、計測装置24を実施する携帯端末に保存され送信されるようにしてもよい。
計測装置24は、フォークリフト2のパレット搭載機構に備えられ、パレットが動かされた状況を計測する。本実施例では、計測装置24は、作業者識別情報を記憶し、加速度センサおよび通信機能を備える携帯端末で実施されるものとする。ここで、計測装置24を実施する加速度センサは、X、Y、Z各軸の3方向の加速度および各軸周りの角加速度を計測する6軸センサとする。なお、加速度センサ24は、6軸センサに限定されず、3軸方向の加速度を計測する3軸センサであってもよい。
計測装置24が携帯端末で実施される場合に、フォークリフト2のパレット搭載機構に携帯端末の設置機構が備えられ、車載端末20の作業データ取得部22が、計測装置24を実施する携帯端末が保存する作業者識別情報を取得して作業データ記憶部23に保存し、計測データ取得部25が、計測装置(加速度センサ)24が計測した計測データを取得して計測データ記憶部26に保存する。
データ通信部27は、作業データ記憶部23の作業データおよび計測データ記憶部26の計測データを不良発生推定装置10へ送信する。または、データ通信部27は、不良発生推定装置10から不良候補情報を受信して不良候補記憶部28に保存する。
通知部29は、不良候補記憶部28の不良候補情報をもとに、搬送しようとするパレットが不良候補であるかを判定し、不良候補に該当する場合に、製品不良の可能性を示す警告を車載端末20が備える出力部から出力する。警告は、例えば、ディスプレイに表示されるメッセージデータ、ランプの発光(点滅)、音声メッセージ等である。
次に、図4〜図7を用いて、不良発生推定装置10が扱う情報について説明する。
図4は、第1の実施例における実績情報の例を示す図である。
第1の実施例において、実績情報は、パレットがどのように動かされたかの状況を示す実績情報(動かされ実績情報)である。
図4に示す実績情報は、移動番号、パレットID、実績、作業者名等のデータ項目を有する。
「移動番号」は、搬送作業でパレットが動かされた状況を識別する識別番号である。「パレットID」はパレットを識別する識別情報である。
「実績」は、パレットが実際に動かされた状況を示す。実績は、計測装置24が計測する項目に対応した評価項目を有し、各評価項目には、対応する計測の項目で、計測値が予め設定した閾値を超えた回数が記録される。図4に示す例では、実績情報の「実績」として、X軸加速度、Y軸加速度、Z軸加速度、X軸周り角加速度、Y軸周り角加速度、Z軸周り角加速度、総回数の評価項目を有する。「総回数」は、加速度についての各項目に記録された回数の総数である。
「作業者名」は、作業者を識別する識別情報である。
図4に示す実績情報において、移動番号が“M001”のデータでは、パレットIDが“P00001”であるパレットが動かされ、X軸方向への加速度について閾値を超える加速度(動き)が“10回”であり、Y軸方向への加速度について閾値を超える加速度が“3回”であり、閾値を超える動きの総数(総回数)が“35回”であることを表している。
図5は、第1の実施例における推定基準の例を示す図である。
推定基準記憶部17に記憶される推定基準は、実績情報の「実績」の評価項目に対応し、製品不良の発生に相関を持つ評価項目には、不良推定閾値が記録されている。図5に示す例では、製品不良の発生と相関を持つ評価項目は、X軸加速度、Z軸加速度、X軸周り角加速度、総回数である。
推定基準は、実績情報の実績に設定された対応する項目で不良推定閾値を超える回数が計測されたパレットに、製品不良の発生が推定されることを表している。例えば、実績情報で「X軸加速度」の回数が不良推定閾値(20回)を超えているパレットは、製品不良が発生している可能性があり、不良候補と推定される。
図6は、第1の実施例における不良実績情報の例を示す図である。
不良実績情報は、不良特定ID、パレットID、移動回数のデータ項目を有する。「不良ID」は、特定された製品不良を識別する情報であり、「パレットID」は、その製品不良が発生したパレットの識別情報である。「移動回数」は、そのパレットの総移動回数である。図6に示す例では、不良IDが“ER001”として特定された製品不良が、パレットIDが“P00001”のパレットで発生し、このパレットが倉庫内で“2回”移動されていたという実績(状況)であることを表している。
図7は、第1の実施例における不良候補情報の例を示す図である。
不良候補情報は、パレットIDのデータ項目を有する。「パレットID」は製品不良が発生している可能性があるパレットの識別情報である。図7に示す例では、パレットIDが“P00001”、“P00123”、…のパレットに、製品不良が発生している可能性があることを表している。
次に、図8〜図13を用いて、製品不良発生の相関を評価する処理を説明する。
相関評価部16は、実績情報記憶部13に記憶された実績情報をもとに、パレット毎に、「実績」の各評価項目に記録された回数を集計し、移動した回数をカウントして、中間情報161を生成する。中間情報161は、パレットID、移動回数、実績の評価項目、不良数、不良ID等のデータ項目を備える。「移動回数」は、パレットが移動した回数を示し、「不良数」は、パレットで発生した製品不良の総数を示す。「不良ID」は、パレットで発生した製品不良の識別情報である。
図8は、実績情報の例を示す図であり、図9は、図8の実績情報を集計した中間情報161の例を示す図である。例えば、図8に示す実績情報が実績情報のパレットIDが“P00001”について、X軸加速度=12(10+2)、Y軸加速度=6(3+3)、…、移動回数=2となり、中間情報161に記録される。
さらに、相関評価部16は、不良実績記憶部15をもとに、パレット毎に登録されている不良数を集計し、中間情報161の「不良数」に集計した不良数と、不良IDとを書き込む。図10は、不良数、不良IDを記録した中間情報161の例を示す図である。
その後、相関評価部16は、評価項目毎に、その回数と不良数との相関関係の強さを演算する。相関評価部16は、図11(A)に示すように、中間情報161の評価項目に記録した回数の増加に対応して不良数が増加する傾向を示す場合に、その評価項目と製品不良の発生とに相関があると判断する。より具体的には、相関評価部16は、評価項目に記録された各回数と対応する不良数との関係を、例えば図11(B)に示す相関係数式で算出し、算出した相関係数値が予め設定した閾値より大きい場合に、相関があると判断する。
図12は、評価項目と不良数との相関の有無を説明するための図である。
図12(A)は、中間情報161の評価項目「X軸加速度」に記録された回数と不良数との例を示す。図12(B)は、図12(A)に示す「X軸加速度」の回数と不良数との関係をグラフ化した例を示す。図12(A)の場合に、相関係数値が“0.969”であり、図12(B)に示すように「X軸加速度」の回数の増加に対応して不良数が増加している。この場合には、相関係数値が一定の値以上であるとして、両者に相関があると判断される。
図12(C)は、中間情報161の計測項目「Z軸加速度」に記録された回数と不良数との例を示し、図12(D)は、図12(C)に示す「Z軸加速度」の回数と不良数との関係をグラフ化した例を示す。図12(C)の例において相関係数値が“−0.397”であり、図12(D)に示すように、「Z軸加速度」の回数の増加と不良数の増加に関連性がない。この場合には、相関係数値が一定の値未満であるとして、両者に相関がないと判断される。
次に、相関評価部16は、不良数との相関がある計測項目について、不良数全体に対して所定の割合(例えば、50%)に達している回数となった評価項目の回数を選び、不良推定閾値に設定する。
図13は、不良推定閾値の例を示す図である。
図13は、評価項目「X軸加速度」に記録された各回数について、対応する不良数、不良累積数、不良数全体に対する割合を示している。評価項目「X軸加速度」に記録された回数の実績が、“12,17,30”であり、回数が“12”の場合に不良数が“2”、回数が“17”の場合に不良数が“3”、不良累積が“5”であり、回数が“30”の場合に不良数が“4”、不良累積が“9”であるとする。この場合に、回数が“17”の場合に発生している不良累積数(5)の全不良数(9)に対する割合は56%であり、所定の割合(50%)を超えているので、不良推定閾値=17(回)と設定される。
相関評価部16は、実績情報の「実績」の全ての計測項目について,不良数との相関を評価し、相関があると判定した1または複数の評価項目について不良推定閾値を設定する。
次に、図14〜図17を用いて、倉庫内不良推定システム1の処理の流れを説明する。
図14は、車載端末20の処理フロー例を示す図である。
車載端末20で、データ通信部27は、不良発生推定装置10から不良候補情報を受信して不良候補記憶部28へ保存する(ステップS1)。
作業データ取得部22が、読取装置21で、計測装置20から作業者IDを読み取り、作業データ記憶部23に保存する(ステップS2)。さらに、作業データ取得部22が、読取装置21で、搬送しようとするパレットに貼り付けられたRFIDタグ等からパレットIDが読み取れるかをチェックする(ステップS3)。
パレットIDが読めた場合は(ステップS4のY)、通知部29が、読み取ったパレットIDを不良候補記憶部28に記憶する不良候補と照合する(ステップS5)。パレットIDが読めなかった場合は(ステップS4のN)、作業データ取得部22が、予め設定した時間を待機し(ステップS6)、ステップS3の処理へ戻る。
ステップS5の照合処理で、読み取ったパレットIDが不良候補情報に含まれていれば(ステップS7のY)、通知部29は、車載端末20が備える画面に警告メッセージを表示したり、スピーカから音声を出力したりして、搬送しようとするパレットに製品不良の発生の可能性がある旨を警告する(ステップS8)。その後、作業データ取得部22が、予め設定した一定の作業準備時間(作業者が別のパレットの搬送の準備を行える十分な時間)分待機し(ステップS9)、ステップS3の処理へ戻る。
ステップS5の照合処理で、読み取ったパレットIDが不良候補情報に含まれていなければ(ステップS7のN)、計測データ取得部25が、計測装置(加速度センサ)24に計測開始を指示する(ステップS10)。作業データ取得部22が、読取装置21でパレットIDを読み取り(ステップS11)、パレットIDの読み取りができる間は(ステップS12のY)、予め設定した一定時間を待機し(ステップS13)、ステップS11の処理へ戻る。
作業データ取得部22が、パレットIDの読み取りができなくなったら(ステップS12のN)、計測データ取得部25が、移動番号を採番し(ステップS14)、計測装置24に計測終了を指示する(ステップS15)。
さらに、計測データ取得部25が、計測装置24から計測データ(3軸の加速度および角加速度)を取得する(ステップS16)。データ通信部27は、作業データ記憶部23に保存された作業データ(パレットID、作業者名(作業者ID)等)と、計測データ記憶部26に保存された計測データ(移動番号、計測の項目毎の計測結果等)を不良発生推定装置10へ送信する(ステップS17)。
車載端末20での入力操作等によって、搬送作業の終了が通知されていなければ(ステップS18のN)、ステップS3の処理へ戻り、搬送作業の終了が通知されたら(ステップS18のY)、処理を終了する。
図15は、不良発生推定装置10の概要処理フロー例を示す図である。
不良発生推定装置10では、データ通信部11が、車載端末20から作業データ、計測データを取得すると(ステップS20)、実績取得部12が、取得したデータをもとに、パレットの搬送(移動)毎に、パレットが動かされた状況を示す実績情報を生成し、実績記憶部13に保存する(ステップS21)。不良実績登録部14が、担当者の操作によって、不良実績情報を取得して不良実績記憶部15に保存する(ステップS22)。
相関評価部16が、不良実績情報と実績情報(動かされ実績)とをもとに、発生した製品不良と各評価項目との相関を評価し、相関がある評価項目について不良推定閾値を決定して推定基準記憶部17に保存する(ステップS23)。
不良発生推定部18が、不良実績情報と推定基準とをもとに、製品不良が発生している可能性があるパレットを示す不良候補を推定して不良候補記憶部19に保存し、データ通信部11が、不良候補記憶部19に記憶された不良候補情報を各車載端末20に送信する(ステップS24)。
図16は、実績情報生成処理(ステップS21の処理)のより詳細な処理フロー例を示す図である。
実績取得部12は、受信した作業データと計測データとをワークメモリに保存し(ステップS30)、計測データの計測値(X、Y、Z各軸の加速度および角加速度)毎に、計測値が予め設定した閾値以上となった回数を計算する(ステップS31)。
実績取得部12は、移動毎に、移動番号、パレットID、作業者名(作業者ID)を対応付け、計測データから計算した各項目の閾値以上となった回数を実績に記録して実績情報を生成し、実績記憶部13に保存する(ステップS32)。
実績取得部12は、さらに、車載端末20からのデータの受信待ちをする場合に(ステップS33のY)、ステップS30の処理へ戻り、計測データの受信待ちをしない場合に(ステップS33のN)、処理を終了する。
図17は、不良発生の相関関係評価処理(ステップS23の処理)のより詳細な処理フロー例を示す図である。
相関評価部16は、実績情報の項目(加速度)を選択し(ステップS40)、パレットID毎に、選択した項目に記録されている回数を集計し、不良実績情報から対応するパレットIDで発生した不良数を集計し、中間情報161を生成する(ステップS41)。
相関評価部16は、中間情報161の項目に記録されている回数と、その回数で発生した不良数との相関係数を演算し、相関関係があるかを判定する(ステップS42)。項目に記録されている回数と不良数との相関係数値が所定の閾値より大きく、相関があると判定された場合に(ステップS43のY)、ステップS44の処理へ進み、相関がないと判定された場合に(ステップS43のN)、ステップS47の処理へ進む。
ステップS44の処理で、相関評価部16は、その項目を相関あり項目とし、さらに、その項目に記録されている回数の中で、不良数が不良数全体の50%を超えた不良累積数に対する回数を不良推定閾値に設定し(ステップS45)、相関有り項目(評価項目)に対応づけて推定基準として推定基準記憶部17に書き込む(ステップS46)。
ステップS47の処理で、全ての項目について処理が終了しているかを調べ、全ての項目の処理が終了していなければ(ステップS47のN)、ステップS40の処理へ戻り、全ての項目の処理が終了していれば(ステップS47のY)、処理を終了する。
図18は、不良候補推定処理(ステップS24)のより詳細な処理フロー例を示す図である。
不良発生推定装置10で、不良発生推定部18は、パレットを選択し、選択したパレットIDの実績情報を取得する(ステップS50)。不良発生推定部18は、推定基準記憶部17から、評価項目と不良推定閾値とを取得し(ステップS51)、実績情報において、選択したパレットIDに関するデータの「実績」の評価項目に該当する項目の回数と不良推定閾値とを比較する(ステップS52)。実績情報の該当する項目に記録されている回数が、不良推定閾値を超えている場合に(ステップS53のY)、ステップS54の処理へ進み、項目に記載されている回数が不良推定閾値以下である場合に(ステップS53のN)、ステップS55の処理へ進む。
ステップS54の処理で、不良発生推定部18は、そのパレットIDと移動回数とを不良候補記憶部19に書き込む。
ステップS55の処理で、不良発生推定部18は、全ての評価項目について処理が終了しているかを調べ、全ての評価項目の処理が終了していなければ(ステップS55のN)、ステップS51の処理へ戻り、全ての評価項目の処理が終了していれば(ステップS55のY)、ステップS56の処理へ進む。
ステップS56の処理で、全てのパレットについて処理が終了しているかを調べ、全てのパレットに対して処理が終了していなければ(ステップS56のN)、ステップS50の処理へ戻り、全てのパレットに対して処理が終了していれば(ステップS56のY)、処理を終了する。
〔第2の実施例〕
次に、倉庫内不良推定システム1の第2の実施例を説明する。
第2の実施例において、倉庫内不良推定システム1は、倉庫内でパレットが滞留していた状況と製品不良の発生との因果関係を前提に、製品不良が発生している可能性があるパレットを推定する。
第2の実施例において、倉庫内不良推定システム1の不良発生推定装置10および車載端末20の処理部の構成は、第1の実施例と同じであるが、いくつかの処理部で実行する処理が異なる。
第2の実施例において、読取装置21が、作業者ID、パレットIDの他、パレットが置かれている保管場所の識別情報(倉庫番号、ゾーン番号等)を読み取り、作業データ取得部22は、読み取ったこれらのデータを作業データ記憶部23に保存する。
さらに、作業データ取得部22は、計測データ取得部25が計装装置24に対する計測開始指示および計測終了指示の発行日時を取得し、作業データ記憶部23に保存する。
第2の実施例において、実績取得部12は、車載端末20から、作業者ID、パレットID、計測開始指示/計測終了指示の日時を含む作業データを取得して蓄積し、パレットID毎に各倉庫での滞留時間を計算する。滞留時間は、過去に取得した作業データの計測終了指示の日時から、次に取得した作業データの計測開始指示の日時までの時間とする。
実績取得部12は、パレットがどの場所にどの程度の期間滞留していたかの状況を「実績」とする実績情報を生成する。
図19は、第2の実施例における実績情報の例を示す図である。図19に示す実績情報は、パレットID、実績(滞留時間)のデータ項目を有する。「実績(滞留時間)」は、パレットの各倉庫での滞留時間を示す。
次に、相関評価部16は、図19に示す実績情報と不良実績情報とをもとに、発生した不良数、パレット、および実績(各倉庫での滞留時間)を記録した中間情報162を生成する。
図20は、中間情報162の例を示す図である。相関評価部16は、不良実績情報をもとに、パレット毎の不良数を集計して中間情報162の「不良数」に記録し、対応する不良IDを記録する。
そして、相関評価部16は、パレット毎に、倉庫での滞留時間と製品不良の発生とに相関関係があるかを評価する。具体的には、相関評価部16は、各倉庫の滞留時間と不良数との相関の強さを、予め定められた相関係数式で求め、求めた相関係数値が予め設定した値より大きい場合に、相関があると判断する。
図21は、倉庫での滞留時間と不良数との相関の有無を説明するための図である。
図21(A)は、中間情報162に記録された倉庫Cの滞留時間と不良数との例を示す。図21(B)は、図21(A)に示す倉庫Cの滞留時間と不良数との関係をグラフ化した例を示す。図21(A)の例において相関係数値が“0.916”であり、図21(B)に示すように、倉庫Cの滞留時間の増加に対応して不良数が増加している。この場合に、相関係数値が一定の値以上であるとして、両者に相関があると評価される。
図21(C)は、倉庫Bの滞留時間と不良数との例を示す。図21(D)は、図21(C)に示す倉庫Cの滞留時間と不良数との関係をグラフ化した例を示す。図21(C)の例において相関係数値が“−0.410”であり、図21(D)に示すように、倉庫Bの滞留時間の増加と不良数の増加に関連性がない。この場合に、相関係数値が一定の値を超えていないとして、両者に相関がないと評価される。
相関評価部16は、倉庫の滞留時間と製品不良の発生に相関がある場合に、該当する倉庫について記録された滞留時間のうち、不良数全体に対して所定の割合(例えば、50%)に達した不良累積数に対応している滞留時間を不良推定閾値に設定する。
相関評価部16は、全ての倉庫の滞留時間について不良数との相関を評価し、相関係数値が所定値以上である1または複数の倉庫を抽出し、各倉庫の不良候補判定閾値を設定する。
以上説明した倉庫内不良推定システム1は、図2および図3に示す処理部を備える専用ハードウェアとして実施することができる。
また、倉庫内不良推定システム1を構成する不良発生推定装置10は、図22に示すような、CPU101、メモリ102、記憶装置(ハードディスク)103、入力装置(キーボード)104、表示装置(ディスプレイ)105、通信制御部106が内部のネットワーク等で接続されたコンピュータ100として実施することができる。
オペレーティングシステムおよび不良発生推定装置10を実施するプログラムが記憶装置103に格納されており、CPU101により実行される際には記憶装置103からメモリ102に読み出される。CPU101は、オペレーティングシステムおよび不良発生推定装置10として実行される、データ通信部11、実績取得部12、不良実績登録部14、相関評価部16、不良発生推定部18を制御して所定の動作を行わせる。
不良発生推定装置10が処理するデータは、記憶装置103または通信制御部106によりアクセスできる他コンピュータの記憶装置に格納されている。
不良発生推定装置10の実行時には、処理途中のデータは主としてメモリ102に格納されるが記憶装置103に格納されるようにしてもよい。すなわち、実績記憶部13、不良実績記憶部15、推定基準記憶部17、不良候補記憶部19は、メモリ102または記憶装置103により実現される。
コンピュータ100では、上述のCPU101、メモリ102などのハードウェアと、オペレーティングシステムおよび不良発生推定装置10の構成要素を実現するプログラムとが有機的に協働することにより、上記実施例において説明したような各種の機能を実現する。
同様に、倉庫内不良推定システム1を構成する車載端末20は、図22に示す構成を持つ別のコンピュータ100として実施することができる。
オペレーティングシステムおよび車載端末20を実施するプログラムが記憶装置103に格納されており、CPU101により実行される際には記憶装置103からメモリ102に読み出される。CPU101は、オペレーティングシステムおよび車載端末20として実行される、作業データ取得部22、計測データ取得部25、データ通信部27、通知部29を制御して所定の動作を行わせる。
車載端末20が処理するデータは、記憶装置103に格納されている。車載端末20の実行時には、処理途中のデータは主としてメモリ102に格納されるが記憶装置103に格納されるようにしてもよい。すなわち、作業データ記憶部23、計測データ記憶部26、不良候補記憶部28は、メモリ102または記憶装置103により実現される。
コンピュータ100では、上述のCPU101、メモリ102等のハードウェアと、オペレーティングシステムおよび車載端末20の構成要素を実現するプログラムとが有機的に協働することにより、上記実施例において説明したような各種の機能を実現している。
不良発生推定装置10または車載端末20は、コンピュータ100で実行可能なプログラムとして実施することができる。この場合に、不良発生推定装置10および車載端末20は、図2、図3にそれぞれ示す各処理部の機能を実現するプログラムをコンピュータ100上に実装され、実行されることにより、実施される。
不良発生推定装置10または車載端末20を実現するプログラムは、CD−ROM、CD−RW、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RW等やフレキシブルディスク等の記録媒体だけでなく、通信回線の先に備えられた他の記憶装置やコンピュータのハードディスク等に記憶されるものであってもよい。
なお、不良発生推定装置10、車載端末20を構成する要素は、任意の組合せで実現されてもよい。複数の構成要素が1つの部材として実現されてもよく、1つの構成要素が複数の部材から構成されてもよい。例えば、車載端末20を、計測装置24が実現する機能を備えた一装置として構成してもよい。
また、倉庫内不良推定システム1は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において各種の改良および変更を行ってもよいことは当然である。
以上説明したように、倉庫内不良推定システム1によれば、倉庫内でのパレットの状況として、パレットが実際に動かされた状況またはパレットが実際に滞留されていた状況と発生した製品不良との関係を評価し、製品不良が発生している可能性があるパレットを推定して搬送作業者に通知することができる。
これにより、作業者は、出荷積み込み作業中に、作業対象のパレットに製品不良が含まれている可能性を警告することができ、不良品の出荷を未然に防止することができる。
また、製品の搬送や収納業務段階で生じる製品不良について、作業状況や倉庫環境に起因した原因の絞り込みが可能となり、不良品発生の原因究明の短縮化に寄与することができる。
1 倉庫内不良推定システム
2 荷物搬送機(フォークリフト)
10 不良発生推定装置
11 データ通信部
12 実績取得部
13 実績記憶部
14 不良実績登録部
15 不良実績記憶部
16 相関評価部
17 推定基準記憶部
18 不良発生推定部
19 不良候補記憶部
20 車載端末
21 読取装置(RFIDタグリーダ)
22 作業データ取得部
23 作業データ記憶部
24 計測装置(加速度センサ)
25 計測データ取得部
26 計測データ記憶部
27 データ通信部
28 不良候補記憶部
29 通知部

Claims (5)

  1. 製品搭載用の搬送台を移動させる荷物搬送機に取り付けた車載端末と、前記車載端末とデータ通信可能な不良発生推定装置とを備えるシステムが実行する製品不良発生推定方法であって、
    載端末が、荷物搬送機による搬送台の移動作業毎に、前記移動作業の開始から終了までの間に搬送台が動かされた状況を示す所定の計測項目について計測された値を示す計測データを不良発生推定装置に送信し、
    前記不良発生推定装置が、前記計測データをもとに前記計測項目の値が所定の値を超えた回数を示す実績情報を生成して記憶装置に記憶し
    前記不良発生推定装置が、過去に特定された製品不良と前記製品不良が生じた搬送台とを対応付けた不良実績情報を受け付けて前記記憶装置に記憶し、
    前記不良発生推定装置が、前記実績情報と前記不良実績情報とをもとに、前記実績情報の各計測項目の回数の増加と前記不良実績情報の製品不良の発生数の増加との相関関係が一定の強さ以上となる計測項目を特定し、特定した計測項目のうち製品不良の発生数が前記製品不良の発生数の全数に対して所定の割合に達している回数となった計測項目の回数を不良推定域値と定め
    前記不良発生推定装置が、前記記憶装置に記憶した前記実績情報から、特定した前記計測項目の回数が前記不良推定域値を超える実績情報の搬送台を抽出し、抽出した搬送台を記録した不良候補情報を生成し前記車載端末に送信し、
    前記車載端末が、前記荷物搬送機による他の搬送台の移動作業の開始時に、前記不良候補情報を参照し、前記他の搬送台が前記不良候補情報に記録されている場合に製品不良発生の可能性の警告を出力する、処理を実行する
    ことを特徴とする製品不良発生推定方法。
  2. 前記計測項目は、前記搬送台に加えられた3次元の各軸方向の加速度、角加速度または前記加速度と前記角加速度の両方であ
    ことを特徴とする請求項1に記載の製品不良発生推定方法。
  3. 製品搭載用の搬送台を移動させる荷物搬送機に取り付けた車載端末と、前記車載端末とデータ通信可能な不良発生推定装置とを備えるシステムが実行する製品不良発生推定方法であって、
    車載端末が、荷物搬送機による搬送台の移動作業毎に前記移動作業の開始時刻と終了時刻と搬送台が置かれた倉庫内区域を記録した作業データを不良発生推定装置に送信し、
    前記不良発生推定装置が、前記作業データをもとに、倉庫内区域毎に前記搬送台が置かれていた滞留時間を計算し、
    前記不良発生推定装置が、過去に特定された製品不良と前記製品不良が生じた搬送台とを対応付けた不良実績情報を受け付けて記憶装置に記憶し、
    前記不良発生推定装置が、前記搬送台の前記滞留時間と前記不良実績情報とをもとに、前記倉庫内区域毎の滞留時間の増加と前記不良実績情報の製品不良の発生数の増加との相関関係が一定の強さ以上となる倉庫内区域の滞留時間を特定し、特定した滞留時間が前記製品不良の発生数の全数に対して所定の割合に達した製品不良の発生数の累積数に対応している滞留時間を不良推定域値と定め、
    前記不良発生推定装置が、前記搬送台の前記倉庫内区域毎の滞留時間から、特定した前記倉庫内区域の滞留時間が前記不良推定域値を超える搬送台を抽出し、抽出した搬送台を記録した不良候補情報を生成し前記車載端末に送信し、
    前記車載端末が、前記荷物搬送機による他の搬送台の移動作業の開始時に、前記不良候補情報を参照し、前記他の搬送台が前記不良候補情報に記録されている場合に製品不良発生の可能性の警告を出力する、処理を実行する
    ことを特徴とする製品不良発生推定方法。
  4. 製品搭載用の搬送台を移動させる荷物搬送機に取り付けた車載端末と、前記車載端末とデータ通信可能な不良発生推定装置とを備える製品不良発生推定システムであって、
    車載端末は、
    荷物搬送機による搬送台の移動作業毎に、前記移動作業の開始から終了までの間に搬送台が動かされた状況を示す所定の計測項目について計測する計測装置と、
    前記計測装置で計測された前記計測項目の値を示す計測データを取得する計測データ取得部と、
    前記計測データを不良発生推定装置に送信し、前記不良発生推定装置から、製品不良の発生が推定される搬送台を記録した不良候補情報を受信する端末データ通信部と、
    前記荷物搬送機による他の搬送台の移動作業の開始時に、前記他の搬送台が前記不良候補情報に記録されている場合に、製品不良発生の可能性の警告を出力する通知部とを備え、
    前記不良発生推定装置は、
    前記車載端末から前記計測データを受信し、前記車載端末へ前記不良候補情報を送信する装置データ通信部と、
    前記計測データをもとに前記計測項目の値が所定の値を超えた回数を示す実績情報を生成する実績取得部と、
    過去に特定された製品不良と前記製品不良が生じた搬送台とを対応付けた不良実績情報を受け付ける不良実績登録部と、
    前記実績情報と前記不良実績情報とをもとに、前記実績情報の各計測項目の回数の増加と前記不良実績情報の製品不良の発生数の増加との相関関係が一定の強さ以上となる計測項目を特定し、特定した計測項目のうち製品不良の発生数が前記製品不良の発生数の全数に対して所定の割合に達している回数となった計測項目の回数を不良推定域値と定め、記憶装置に記憶した前記実績情報から、特定した前記計測項目の回数が前記不良推定域値を超える実績情報の搬送台を抽出し、抽出した搬送台を記録した不良候補情報を生成する不良発生推定部とを備える
    ことを特徴とする製品不良発生推定システム。
  5. 製品搭載用の搬送台を移動させる荷物搬送機に取り付けた車載端末と、前記車載端末とデータ通信可能な不良発生推定装置とを備える製品不良発生推定システムであって、
    車載端末は、
    荷物搬送機による搬送台の移動作業毎に前記移動作業の開始時刻と終了時刻と搬送台が置かれた倉庫内区域を記録した作業データを生成する作業データ取得部と、
    前記作業データを不良発生推定装置に送信し、前記不良発生推定装置から、製品不良の発生が推定される搬送台を記録した不良候補情報を受信する端末データ通信部と、
    前記荷物搬送機による他の搬送台の移動作業の開始時に、前記他の搬送台が前記不良候補情報に記録されている場合に、製品不良発生の可能性の警告を出力する通知部とを備え、
    前記不良発生推定装置は、
    前記車載端末から前記作業データを受信し、前記車載端末へ前記不良候補情報を送信する装置データ通信部と、
    過去に特定された製品不良と前記製品不良が生じた搬送台とを対応付けた不良実績情報を受け付ける不良実績登録部と、
    前記作業データをもとに、倉庫内区域毎に前記搬送台が置かれていた滞留時間を計算し、
    前記不良発生推定装置が、前記搬送台の前記滞留時間と前記不良実績情報とをもとに、前記倉庫内区域毎の滞留時間の増加と前記不良実績情報の製品不良の発生数の増加との相関関係が一定の強さ以上となる倉庫内区域の滞留時間を特定し、特定した滞留時間が製品不良発生数の全数に対して所定の割合に達した製品不良の発生数の累積数に対応している滞留時間を不良推定域値と定め、前記搬送台の前記倉庫内区域毎の滞留時間から、特定した前記倉庫内区域の滞留時間が前記不良推定域値を超える搬送台を抽出し、抽出した搬送台を記録した不良候補情報を生成する不良発生推定部とを備える
    ことを特徴とする製品不良発生推定システム。
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