JP5936032B2 - 粉体収容器、粉体搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

粉体収容器、粉体搬送装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、粉体を収容する粉体収容器、当該粉体収容器の粉体収容部に収容された粉体を排出部へ搬送する粉体搬送装置、及び当該粉体搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれら複合機等の電子写真方式の画像形成装置では、一般的にトナーやキャリアと呼ばれる現像剤を用いて、現像装置によりトナー像を形成して画像を作成している。この種の画像形成装置は、トナーが画像形成と共に消費されるため、通常は、トナーを収容したトナーカートリッジを画像形成装置に装着し、カートリッジ内のトナーが無くなったら新しいカートリッジと交換して新しいトナーを補充するようにしている。
また、上記のようなカートリッジを用いたトナー補充方式においては、ランニングコストの低減のため、カートリッジ内のトナーを可能な限り残さず使い切りたいというユーザの要請がある。そのため、従来、トナーカートリッジとして、筒状の容器の内面に螺旋状の突起を設けたスクリューボトルと呼ばれる容器を用い、この容器を回転させることによってトナーを少しずつ排出部に搬送する方法や、通称オーガと呼ばれるスクリューを容器内部に設けて、これを回転させることでトナーを排出部に送る方法等が採用されている。
しかし、上記オーガによる搬送方式は、容器内部にスクリューを設けかつ回転させる必要があり、構造が複雑となる欠点がある。また、この搬送方式では、堆積したトナーをオーガで強制的に搬送するため、トナーに負荷がかかり、トナーの凝集や劣化の虞がある。さらに、交換する容器内部にスクリューを設けることは、消耗品のコストを高めると同時に、資源の消費による環境負荷を増大に繋がるといった問題もある。
一方、上記スクリューボトルによる搬送方式は、容器内部にスクリューを設ける必要がないため、構成がシンプルとなる。しかし、この搬送方式では、容器自体を回転させて使用するため、通常、容器の形状は円筒状の容器本体の一側面に出口を設けた形状(ビンを横にしたような形状)となり、直方体の容器と比較して収容できるトナー量が少ないという欠点や、交換時に手が滑りやすく持ちにくいという欠点がある。
また、従来、上記のスクリューボトルやオーガを用いないトナー搬送方式として、外部から容器に衝撃を与えたり、容器をストッパーに当接させたりして、容器に振動(往復運動)を与え、トナーの慣性力によってトナーを移動/排出する方式がある(特許文献1参照)。この方式は、トナーが大量に収容されている状態では、容器中で積載されているトナーが振動によりまとまって移動するため、振動一往復あたりのトナーの搬送速度を十分確保できる。
しかしながら、容器中のトナー量が少なくなるに連れて、トナーの山が崩れ薄く広がってしまうため、振動一往復あたりのトナーの搬送速度がトナーの山の高さに応じて低下し、搬送速度を維持することができなくなるといった問題がある。また、容器に生じる振動が書き込み系に影響を与え、画像を乱すといった問題もある。
また、上記各搬送方式とは異なる搬送方式として、変形可能な容器を用い、その容器の外部から凸部を押し当てて移動させることで、内部のトナーを送り出す方式が提案されている(特許文献2参照)。この搬送方法によれば、小ストレスでトナーを搬送することができ、トナーの凝集や劣化を抑制することができると共に、大きな振動や衝撃による異常画像の発生の虞も無い。
しかし、上記凸部を容器に押し当ててトナーを搬送する方式は、容器内のトナー量(残量)によって、凸部によって動かされるトナー量が変化したり、粉体の特性によっては容器の表面に付着して層状に堆積し、凸部によって容器が変形しても移動しにくかったりする。このため、安定したトナーの搬送を行うことが困難で、最終的に容器中に粉体が残り、排出しきれないことがあった。
また、粉体を最後まで排出できたとしても、凸部の1往復当たりの粉体移動量が少なくなり搬送速度の低下は避けられない。特に、容器の排出部と反対側の端部(容器後端部の封止部の直近部分)は変形しにくい箇所であるため、粉体が残りやすい傾向にある。
そこで、本発明は、斯かる事情に鑑み、トナー等の粉体の収容量にかかわらず安定した粉体の搬送を行うことができる粉体収容器、粉体搬送装置及び画像形成装置を提供しようとするものである。
前記課題を解決するため、本発明は、粉体を収容すると共に少なくとも一部が変形可能な粉体収容部と、当該粉体収容部内の粉体を外部へ排出するための排出部と、前記粉体収容部の変形可能な部分に形成した1つ又は複数の受圧用凸部とを有する粉体収容器であって、当該粉体収容器を粉体搬送装置に装着し、この粉体搬送装置の送出部材で前記粉体収容部の変形可能な部分を内側へ押し込み、この状態で前記送出部材を前記排出部側へ移動させすることにより前記粉体収容部内の粉体を前記排出部へ送り出し可能とし、かつ、前記送出部材を前記受圧用凸部に接触させることで前記送出部材による前記粉体収容部の変形を増大させるようにしたことを特徴とする粉体収容器である。
本発明によれば、粉体収容部の変形可能部分に受圧用凸部を設けることにより、粉体搬送装置の送出部材による粉体排出時に当該変形可能部分が局所的に大きく変形し、粉体収容部の内面から粉体が離間しやすくなり、これにより粉体搬送性能が向上し、粉体収容部内に残る粉体量を削減することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置としてのプリンタを示す構成図である。 前記画像形成装置の作像部を示す拡大図である。 トナー補給装置の斜視図である。 トナーカートリッジの構成図であって、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は断面側面図である。 トナーカートリッジの分解図である。 (a)は、トナーカートリッジを引出トレイに装着する前の状態を示す平面図、(b)は、トナーカートリッジを引出トレイに装着した状態を示す平面図である。 固定部の拡大図である。 引出トレイの斜視図である。 引出トレイを本体側フレームに取り付けた状態の斜視図である。 本体側フレームの拡大図である。 本体側フレーム及び引出トレイの断面側面図である。 引出トレイ等の断面側面図である。 トナー搬送装置の構成図である。 引出トレイの断面側面図である。 送出部材と脚部材の側面図である。 送出部材が起立した状態から倒れた状態に切り換わるときの動作を説明するための図である。 送出部材が倒れた状態から起立した状態に切り換わるときの動作を説明するための図である。 トナーの送出動作を説明するための図である。 (A)(B)は、本発明の変形例に係る粉体収容部の後端部と送出部材の断面図である。 (A)(B)は、本発明の別の変形例に係る粉体収容部の後端部と送出部材の断面図である。 (A)〜(C)は、本発明のさらに別の変形例に係る粉体収容部の後端部と送出部材の断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
(画像形成装置)
まず、図1及び図2にて、画像形成装置全体の構成及び動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部を示す拡大図である。
図1に示すように、中間転写ユニット10の中間転写ベルト11に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y,6M,6C,6Bkが並設されている。なお、装置本体100に設置される4つの作像部6Y,6M,6C,6Bkは、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、図2において、作像部6と感光体ドラム1と1次転写バイアスローラ9とにおける符号のアルファベット(Y,M,C,Bk)を省略して図示する。
図2を参照して、作像部6は、像担持体としての感光体ドラム1と、感光体ドラム1の周囲に配設された帯電部4、現像部としての現像装置5、クリーニング部2等で構成されている(図1では現像装置5のみ表示)。感光体ドラム1上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われ、感光体ドラム1上に所望のトナー像が形成される。
作像部6を構成する、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2は、それぞれ、画像形成装置本体100に対して着脱自在に設置できるように構成されている。そして、それぞれが、寿命に達したときに、新品のものに交換可能となっている。
なお、本実施形態では、作像部6を構成する、感光体ドラム1、帯電部4、現像装置5、クリーニング部2を、それぞれ、単独のユニットとしたが、これらを一体化して、装置本体100に着脱自在に設置されるプロセスユニットとすることもできる。その場合、作像部6のメンテナンスを行う際の作業性が向上する。
図2に基づき、作像部6における現像装置5の構成についてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、現像装置5は、感光体ドラム1に対向する現像剤担持体としての現像ローラ51、現像ローラ51の下方に設置された現像剤規制部材としてのドクターブレード52、現像剤収容部53,54内に配設された現像剤攪拌搬送部材としての2つの搬送スクリュー55,56、現像剤Gを収容するケース50等で構成されている。ここで、現像剤Gとしては、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤を用いている。また、現像装置5には、現像剤G中のトナー濃度を検知する図示しないトナー濃度センサが設けてある。
図2を参照して、感光体ドラム1は、不図示の駆動部によって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4の位置で、帯電ローラ4aにより感光体ドラム1の表面が一様に帯電される(帯電工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、不図示の露光部から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって静電潜像が形成される(露光工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、現像装置5の現像ローラ51との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、所望のトナー像が形成される(現像工程)。
その後、感光体ドラム1の表面は、中間転写ベルト11及び第1転写バイアスローラ9との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト11上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム1上には、僅かながら未転写ト
ナーが残存する。
その後、感光体ドラム1の表面は、クリーニング部2との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって回収される(クリーニング工程)。
最後に、感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、4つの作像部6Y,6M,6C,6Bkで、それぞれ行われる。すなわち、図1に示す読み取り部32で読み取った画像情報に基づいて、作像部の下方に配設された図示しない露光部から、レーザ光L(図2参照)が、各作像部6Y,6M,6C,6Bkの感光体ドラム1上に向けて照射される。
詳しくは、露光部は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム1上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト11上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト11上にカラー画像が形成される。
4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9BKは、それぞれ、中間転写ベルト11を感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Bkに、トナーの極性とは逆極性の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト11は、図の矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Bkの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bk上の各色のトナー像が、中間転写ベルト11上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト11は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト11を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト11上に形成されたカラートナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。
このとき、中間転写ベルト11には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存するが、中間転写ベルト11上の残存トナーは図示しないベルトクリーニング装置によって除去される。
こうして、中間転写ベルト11上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された被転写材Pは、装置本体100の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の被転写材Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対28に搬送された被転写材Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト11上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、被転写材Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、被転写材P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。
その後、被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置本体100外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における一連の画像形成プロセスが完了する。
また、図1において、中間転写ユニット10の上方には、トナー補給部31が配設されている。トナー補給部31は、各色のトナーが充填された4つのトナー補給装置60Y,60M,60C,60Bkを有する。
各トナー補給装置60Y,60M,60C,60Bkからは、対応する現像装置5Y,5M,5C,5Bkにトナー搬送経路が延びており、このトナー搬送経路を介して、トナー補給装置60Y,60M,60C,60Bkから現像装置5Y,5M,5C,5Bkにトナーが供給されるようになっている。これにより、各現像装置5Y,5M,5C,5Bkでのトナー消費量に応じてトナーを新たに供給することができ、長期に亘って現像装置を利用することが可能である。
(補給装置)
上記4つのトナー補給装置60Y,60M,60C,60Bkは、異なる色のトナーを収容している以外は同様の構成となっている。そこで、以下、1つのトナー補給装置の構成について説明する。
図3は、トナー補給装置の斜視図である。なお、図3において、トナー補給装置60における符号のアルファベット(Y,M,C,Bk)は省略している。
図3に示すように、トナー補給装置60は、トナーを充填したトナー収容器(粉体収容器)としてのトナーカートリッジ61と、トナーカートリッジ61を保持する保持部材としての引出トレイ62と、トナーカートリッジ61を固定する固定部63と、トナーカートリッジ61から排出されたトナーを貯留するサブホッパ64等によって構成されている。また、サブホッパ64には、内部に貯留されたトナーを現像装置に向けて搬送するための図示しないトナー搬送パイプが接続されている。
引出トレイ62は、本体側フレーム65に対して水平方向に移動可能に取り付けられている。引出トレイ62を図の矢印X1方向に移動させた場合は、引出トレイ62を装置本体から引き出すことができ、反対に、引出トレイ62を図の矢印X2方向に移動させた場合は、引出トレイ62を装置本体に収容できるようになっている。
図4は、トナーカートリッジ61の構成図である。同図において、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図、(d)は断面図を示す。図4に示すように、トナーカートリッジ61は、粉体としてのトナーを収容するトナー収容部(粉体収容部)66と、トナー収容部66内のトナーを外部へ排出するための排出部67によって構成されている。
図4(d)に示すように、トナー収容部66は、一端部側で開口したトナー投入口(粉体投入口)66aを有する変形可能な長手状の袋部材で構成されている。このトナー収容部66の素材としては、柔軟な素材が用いられ、例えば、PET製の薄いシート材などが挙げられる。
図4に示すトナー収容部66は、4枚のシート材を貼り合わせて構成したものであるが、1枚のシート材を袋状につなぎ合わせて構成することも可能である。また、トナー収容部66には、トナー投入口66aからトナーを充填しやすいように、トナー投入口66aを開口した状態に保持する開口保持部材68が設けられている。
トナー収容部66の後端封止部66cの下面には、図4と図19に示すように、複数の受圧用凸部66dが形成されている。この受圧用凸部66dは、送出部材81からの押し込み圧力を増幅して受けるためのものである。
すなわち、通常であれば送出部材81からの押し込み圧力を受けても変形しにくい後端封止部66c直近部分を、受圧用凸部66dによって押し込み圧力を増幅することで変形量を拡大する。トナー収容部66の後端部内面に付着・堆積し、当該内面から離間しにくい粉体に大きな運動エネルギを付与し、この運動エネルギによって当該粉体がトナー収容部66の内面から離間するのを促進する。なお、受圧用凸部66dを後端封止部66c直近部分以外に形成することも可能である。
排出部67には、トナーを導入するための導入口67aと、トナーを排出するための排出口67bとが形成されている。本実施形態では、排出口67bは下方を臨むように配設されている。これにより、トナーを排出口67bから重力によって落下させてサブホッパ64へ送ることができ、トナーを排出する構成の簡素化を図ることが可能である。
また、排出部67内には、導入口67aから排出口67bに向かって下方に傾斜した傾斜面67cが設けられており、トナーが排出口67bへスムーズに搬送されるようになっている。この傾斜面67cの水平面に対する傾斜角度は、10°以上に設定することが望ましい。また、排出口67bの底面(下面)には、排出口67bを開閉するためのスライドシャッタ67dが図4(b)の矢印Y方向にスライド移動可能に設けられている。
図5は、トナーカートリッジ61の分解図である。同図において、(a)は排出部67の斜視図、(b)は開口保持部材68の斜視図、(c)は開口保持部材68をトナー収容部66に設けた状態の斜視図を示す。
図5(b)に示すように、開口保持部材68は、短筒状の挿入部68aと、フランジ状の連結部68bとが一体成型されて構成されている。図5(c)に示すように、挿入部68aは、トナー収容部66のトナー投入口66aに挿入可能となっている。
本実施形態では、トナー収容部66と開口保持部材68とを熱容着にて接着するようにしているが、接着剤等により接着してもよい。また、熱容着する際に、挿入部68aの挿入箇所を図5(c)の上下方向から抑えやすいように、挿入部68aの外形は略六角形状に形成されている。
図5(a)に示すように、排出部67の導入口67a側には、開口保持部材68の連結部68aと係合可能な一対の溝部67eが設けられている。上記のように、開口保持部材68をトナー収容部66に挿入して接着した後、開口保持部材68を溝部67eに上方から挿入して係合させることにより、トナー収容部66と排出部67とを一体的に連結させることが可能となっている。また、排出部67の開口保持部材68との連結部には、当該連結部からトナーが漏れないようにシール材69が設けられている。
図6(a)は、トナーカートリッジ61を引出トレイ62に装着する前の状態を示す平面図、同図の(b)は、トナーカートリッジ61を引出トレイ62に装着した状態を示す平面図である。
図6(b)に示すように、排出部67の両側面にはそれぞれ凹部67fが設けられている。一方、各凹部67fに対応する引出トレイ62の部位には、凸部62aが設けてあり、各凸部62aは対応する凹部67f内に挿入可能となっている。
また、トナー収容部66の排出部67側とは反対側の端部には、相手側の係止部に係止される被係止部としての孔部66bが形成されている。一方、孔部66bに対応する引出トレイ62の部位には、係止部としてのフック状の引っ掛け部62bが設けられている。
そして、この引っ掛け部62bを孔部66bに挿入して係止すると共に、上記凸部62aを上記凹部67f内に挿入することによって、トナーカートリッジ61は引出トレイ62に対して装着された状態となる。また、このようにトナーカートリッジ61を装着した状態では、通常、凸部62aと凹部67fは互いに非接触状態となっている。
しかし、引出トレイ62を装置本体に対し引き出す又は収容する際に、トナーカートリッジ61が長手方向に移動した場合、凸部62aが凹部67fに当接することでトナーカートリッジ61の長手方向の移動を規制するようになっている。
また、トナーカートリッジ61を引出トレイ62から取り外すには、凹部67fを凸部62aから離脱させ、引っ掛け部62bを孔部66bから離脱させればよい。
なお、引出トレイ62の凸部62aと排出部67の凹部67fは、トナーカートリッジ61ないし引出トレイ62の誤装着防止にも利用することができる。すなわち、画像形成装置本体100に適合するトナーカートリッジ61ないし引出トレイ62のみを本体に装着可能なように、凸部62aと凹部67fの形状を構成し、それ以外のトナーカートリッジ61ないし引出トレイ62は、凸部62aを凹部67fに挿入し得ない形状とすることで誤装着を防止することができる。
図7は、上記固定部63の拡大図である。同図において、(a)は固定部63にトナーカートリッジ61を固定する前の状態を示し、(b)は固定部63にトナーカートリッジ61を固定した状態を示す。
図7に示すように、固定部63は、サブホッパ64の上部に接続された本体部70と、本体部70の上部に取り付けられた固定アーム71と、固定アーム71と本体部70とに渡って取り付けられたバネ部材72と、固定アーム71よりも下方で本体部70に取り付けられたシャッタ開放部材73を有している。なお、固定アーム71、バネ部材72及びシャッタ開放部材73は、それぞれ、図の手前側と奥側に1つずつ設けられている。
固定アーム71は、凹部71aを有する略C字状に形成されている。また、固定アーム71は、その中間部に配設された水平方向の支軸71bを中心に本体部70に回動可能に取り付けられている。この支軸71bを中心に固定アーム71が回動することで、固定アーム71は、図7(a)に示す固定解除位置と、図7(b)に示す固定位置とに切り換えられるようになっている。
バネ部材72は、引張コイルバネであり、その一端部は固定アーム71に取り付けられ、他端部は本体部70に取り付けられている。図7(a)(b)に示すように、固定アーム71が固定位置と固定解除位置との間で回動すると、バネ部材72の固定アーム71に取り付けられた端部が固定アーム71の回動支点(支軸71b)を越えて移動するようになっている。このように、固定アーム71の回動に伴ってバネ部材72が回動支点を越えることで、バネ部材72は固定アーム71をその回動させる方向へ付勢するようになっている。
一方、排出部67には、上記固定アーム71によって固定される被固定部としての突起部67gが設けられている。この突起部67gは、排出部67の両側面にそれぞれ1つずつ設けられている(図4(a)又は(c)参照)。
シャッタ開放部材73は、水平方向の支軸73bを中心に本体部70に回動可能に取り付けられている。また、シャッタ開放部材73は、排出部67に設けられたスライドシャッタ67dの凸部670dを保持するための凹部73aを有する。
また、固定部63の本体部70には、切欠き部70aが形成されている。一方、排出部67の両側面には、それぞれ、前記切欠き部70aの上部に当接可能なL字状の突片部67hが突設されている。
トナーカートリッジ61を固定部63に固定するには、まず、上記図6において説明したようにトナーカートリッジ61を引出トレイ62に装着する。そして、引出トレイ62を装置本体に収容する方向(図3の矢印X2方向)へ移動させる。
この収容動作に伴って、図7(a)に示すように、トナーカートリッジ61の排出部67が固定部63に接近すると、排出部67に設けてある突起部67gが固定アーム71の一端部(図の下方の端部)71cに当接し、バネ部材72の付勢力に抗して固定アーム71を図の反時計方向に回動させる。これにより、固定アーム71は、図7(a)に示す固定解除位置から図7(b)に示す固定位置へと切り換えられる。
その結果、図7(b)に示すように、突起部67gは、固定アーム71の凹部71a内に収容されると共に、固定アーム71の他端部(図の左側の端部)71dと本体部70の縁とによって挟まれて固定される。また、固定アーム71の回動に伴ってバネ部材72が固定アーム71の回動支点を越えると、バネ部材72は固定アーム71を切換後の位置に保持する方向に付勢するようになる。
また、トナーカートリッジ61の排出部67が固定部63に接近することにより、排出部67に設けてある突片部67hが本体部70の切欠き部70aに挿入され、突片部67hが切欠き部70aの上部に当接する(図7(b)参照)。これにより、排出部67の上下方向のがたつきが防止される。
また、トナーカートリッジ61が固定部63に固定される際、排出部67に設けてあるスライドシャッタ67dがシャッタ開放部材73に当接し、シャッタ開放部材73を図の時計方向へ回動させる。そして、シャッタ開放部材73が図7(b)に示す位置へ移動すると、シャッタ開放部材73のそれ以上の回動が規制されることで、スライドシャッタ67dはシャッタ開放部材73によって排出部67の後方へと押されて移動する。
これにより、スライドシャッタ67d(排出口)が開放され、排出部67からサブホッパ64へトナーを排出することが可能となる。また、シャッタ開放部材73が図7(b)の位置に移動すると同時に、スライドシャッタ67dの凸部670dがシャッタ開放部材73の凹部73aに挿入され保持される。
以上のようにして、トナーカートリッジ61の固定部63への固定が完了する。
また、トナーカートリッジ61の固定を解除する場合は、引出トレイ62を装置本体に対して引き出す方向(図3の矢印X1方向)へ移動させる。この引出動作により、トナーカートリッジ61は図7(b)において左方向へ移動し、排出部67に設けてある突起部67gが固定アーム71の他端部71dを押して、バネ部材72の付勢力に抗して固定アーム71を図の時計方向に回動させる。
これにより、固定アーム71は図7(b)に示す固定位置から図7(a)に示す固定解除位置へ移動し、突起部67gが固定アーム71から離脱する。また、これと同時に、排出部67に設けてある突片部67hとスライドシャッタ67dとが、それぞれ切欠き部70aとシャッタ開放部材73とから離脱し、トナーカートリッジ61の固定が解除される。
また、シャッタ開放部材73から離脱したスライドシャッタ67dは、図示しないバネ等の付勢力を受けて排出口を閉塞する方向にスライド移動させられるようになっており、排出口からのトナー漏れを防止する。
図8は、引出トレイ62の斜視図である。図8に示すように、引出トレイ62は、上記トナーカートリッジ61の両側面を支持する一対の側壁62cと、トナーカートリッジ61を載置する載置面62dとを有する。各側壁62cの図の手前側の端部には、上記本体側フレーム65に取り付ける際に主基準となる主基準軸62eが配設されている。
なお、本実施形態では、この主基準軸62eは、後述のトナー搬送装置に駆動力を伝達する伝達ギヤ74の支軸として用いられている。また、各側壁62cの図の奥側の端部には、それぞれ本体側フレーム65に取り付ける際に従基準となる従基準軸62fが1つずつ配設されている。
図9は、引出トレイ62を本体側フレーム65に取り付けた状態の斜視図である。図9に示すように、本体側フレーム65は、引出トレイ62の引出方向X1及び収容方向X2に伸びる一対のガイドレール65aを有する。また、各ガイドレール65aの上端縁は、引出トレイ62の両側壁62cに形成された溝62g内に挿入されている。これにより、引出トレイ62はガイドレール65aに沿って引出方向X1と収容方向X2とに移動可能に構成されている。
また、本体側フレーム65の図の手前側の端部には、引出トレイ62の上記主基準軸62eと嵌合可能な第1の位置決め凹部65bが形成され(図10参照)、本体側フレーム65の図の奥側の端部には、上記従基準軸62fと嵌合可能な第2の位置決め凹部65cが形成されている。これにより、引出トレイ62を収容方向X2に移動させた際、主基準軸62e及び従基準軸62fが、第1及び第2の位置決め凹部65b,65cに挿入されて互いに嵌合する。そして、引出トレイ62は本体側フレーム65に対して所定の位置に位置決めされる。
また、図9に示すように、本体側フレーム65の図の手前側の端部には、駆動装置によって駆動される駆動ギヤ75が設けられている。この駆動ギヤ75は、引出トレイ62を収納し本体側フレーム65に位置決めされた状態で、伝達ギヤ74と連結されるようになっている。
また、図11に示すように、本体側フレーム65には、引出トレイ62を加圧して固定する加圧部材76が設けられている。本実施形態では、加圧部材76を2つのレバーを組み合わせたもので構成している。そして、引出トレイ62を収容方向X2に移動させた際、これら2つのレバーで引出トレイ62の下面に設けた凸部62hを挟み込むように加圧する。そして、引出トレイ62を第1及び第2の位置決め凹部65b,65c側へ押し付けて固定する。
また、図12に示すように、引出トレイ62には、トナー収容部66内のトナーを排出部67側へ搬送するためのトナー搬送装置(粉体搬送装置)8が設けてある。以下、図12〜図15に基づき、トナー搬送装置8の構成を詳しく説明する。
図13に示すように、上記トナー搬送装置8は、ベース部材80と、ベース部材80に取り付けられた送出部材81及び一対の脚部材82と、ベース部材80を移動させる移動手段としてのベルト部材83と、ベース部材80をガイドするガイド部材としての一対のガイドレール84等によって構成されている。なお、図13において、手前側のガイドレール84は図示省略している。
ベース部材80は、上部80aと下部80bとに分割されており、これら上部80aと下部80bによってベルト部材83を挟み込むことによって、ベルト部材83にベース部材80が取り付けられている。ベルト部材83は、無端状のベルトで構成されており、引出トレイ62に設けられた2つのローラ77,78(図12参照)によって張架されている。
一方のローラ77に上記伝達ギヤ74(図8参照)から駆動力が伝達されることにより、ベルト部材83は正逆両方向に回転可能に構成されている。このように、ベルト部材83が正方向又は逆方向に回転することによって、ベース部材80と、これに取り付けられた送出部材81及び脚部材82は、一体的に、排出部67側へ向かう送出方向Z1と、それとは逆方向の戻り方向Z2とに、往復移動可能となっている。
また、ベース部材80の両側面には、ガイドレール84上を転動する回転体としてのコロ85が2つずつ設けてある。このように、ベース部材80にコロ85を設けることで、ベース部材80がガイドレール84に沿って円滑に移動できるようになっている。なお、一対のガイドレール84は、引出トレイ62に固定されている。
また、図13に示すように、送出部材81と脚部材82は、水平方向の支軸86を介して互いに開閉可能に取り付けられている。詳しくは、送出部材81と脚部材82は、それぞれ、前記支軸86を中心に互いに独立して回動可能に構成されており、送出部材81又は脚部材82が当該支軸86を中心に回動することで、送出部材81と脚部材82は互いに開閉可能となっている。
また、送出部材81と脚部材82は、図示しない付勢部材としての捩りコイルバネによって互いに開く方向に付勢されている。また、送出部材81には、脚部材82を閉じた際に当該脚部材82を収容するための収容凹部81aが形成されている。
送出部材81は、図20のように、必要に応じて押圧用凸部81bを形成することができる。この凸部81bは、前述したトナー収容部66の受圧用凸部66dと協働してトナー収容部66の変形をいっそう促進するものである。
上記ベルト部材83の回転方向の切換は、図14に示す2つのスイッチ87,88によって行う。移動方向切換手段としての各スイッチ87,88は、それぞれ、送出部材81の移動方向切換位置に配設されている。
具体的には、一方のスイッチ87は、引出トレイ62の送出方向Z1の端部(図の左側の端部)に配設され、他方のスイッチ88は、引出トレイ62の戻り方向Z2の端部(図の右側の端部)に配設されている。また、送出部材81が移動方向切り換え位置の一方に到達した際、その位置に配設されたスイッチ87又は88に対して、ベース部材80が接触するようになっている。
すなわち、ベース部材80は、各スイッチ87,88に接触してオンにする入力手段として機能する。また、接触式のスイッチの代わりに非接触式のセンサを配設し、ベース部材80等に設けた被検知部(入力手段)がその非接触式のセンサに近接することで当該センサをオンにするようにしてもよい。
図15は、送出部材81と脚部材82の側面図である。図15に示すように、脚部材82は、上記引出トレイ62の載置面62dに当接しており、この載置面62dに沿って送出方向Z1と戻り方向Z2に往復移動可能となっている。
すなわち、載置面62dは、脚部材82をガイドするガイド面としての機能も有する。上記のように、送出部材81と脚部材82は捩りコイルバネによって互いに開くように付勢されているが、脚部材82は、載置面62dに当接することによって水平方向に配設された状態で支持されている。
一方、送出部材81は、水平方向に支持されている脚部材82に対して送出方向Z1(排出部67側)へ回動して開くように付勢されているが、図示しないストッパー等の規制部が前記捩りコイルバネの付勢力に抗して送出部材81の開く方向への回動を規制している。これにより、送出部材81は載置面62dに対して起立した状態(図の実線で示す状態)となるように支持されている。
このように、載置面62dと規制部とによって、送出部材81が載置面62dに対して所定の起立した状態となるように、送出部材81と脚部材82とが成す開き角度は所定の角度αに保持されている。
また、図15において、開き角度βは、送出部材81を上記規制部によって規制しないようにした場合の角度である。すなわち、この角度βは、上記捩りコイルバネが自然状態である場合の開き角度を示す。図15に示すように、自然状態の捩りコイルバネによって保持される開き角度βは、送出部材81が所定の起立した状態となる開き角度αより大きく、かつ、180°よりも小さい範囲内で設定されている。
また、上記図6(a)に示すように、脚部材82が載置面62d上で往復移動する方向(送出方向Z1及び戻り方向Z2)の両端部側に、それぞれ、脚部材82が侵入可能な凹部62i,62jが設けられている。本実施形態では、これら凹部62i,62jを設けることで、送出部材81を載置面62dに対して起立した状態と倒れた状態とに切換可能に構成している。
(送出部材の切り換え動作)
以下、図16と図17に基づき、送出部材81を起立した状態と倒れた状態とに切り換える切り換え動作について説明する。
図16(a)は、送出部材81が、送出方向Z1の端部側の凹部62iに到達する前の状態を示す。この状態では、送出部材81と脚部材82とが成す開き角度は、図示しない規制部と載置面62dによって所定の角度αに保持されており、送出部材81は載置面62dに対して所定の起立した状態となっている。
そして、図16(b)に示すように、送出部材81が送出方向Z1に移動し、脚部材82が凹部62iの位置に到達すると、この位置では脚部材82を支持する載置面62dが存在しないため、脚部材82は図示しない捩りコイルバネの付勢力を受けて下方に開き、脚部材82が凹部62i内に侵入する。このときの送出部材81と脚部材82との間の開き角度は、上記捩りコイルバネの自然状態で保持される角度βとなる。
また、送出部材81が凹部62iの位置に到達したとき、図14に示すスイッチ87にベース部材80が接触し、送出部材81の移動方向が切り換えられる。
図16(c)に示すように、移動方向が切り換えられ、送出部材81が戻り方向Z2へ移動すると、脚部材82が凹部62iの縁(開口部付近)に当接し、脚部材82の先端が上方へ持ち上げられる。このように脚部材82が持ち上げられ、さらに開く方向に脚部材82が回動すると、開き角度が上記角度βより大きくため、上記捩りコイルバネによる付勢力は閉じる方向へ作用する。その結果、送出部材81は閉じる方向に付勢力を受け載置面62d上に倒される。
そして、図16(d)に示すように、脚部材82が凹部62iから脱すると、送出部材81及び脚部材82は、載置面62d上に水平状に倒れた状態で保持される。詳しくは、この状態で、送出部材81と脚部材82とが成す開き角度は、180°に近い角度に開いているため、送出部材81と脚部材82は捩りコイルバネによって互いに閉じる方向に付勢力を受けているが、載置面62dによって送出部材81と脚部材82の回動が規制されているので、送出部材81と脚部材82は水平状に倒れた状態で保持される。なお、送出部材81と脚部材82は、互いに180°以上開かないように構成されている。
図17(a)は、上記のようにして倒された送出部材81が、戻り方向Z2の端部側の凹部62jに到達する前の状態を示す。この状態では、上記図16(d)に示す状態と同様に、送出部材81と脚部材82とが成す開き角度は、180°に近い角度に開いており、送出部材81と脚部材82は載置面62d上で水平状に倒れた状態で保持されている。
そして、図17(b)に示すように、脚部材82が凹部62jの位置に到達すると、この位置では脚部材82を支持する載置面62dが存在しないため、脚部材82は上記捩りコイルバネの付勢力を受けて下方に閉じ、脚部材82が凹部62j内に侵入する。
また、このときの送出部材81と脚部材82との間の開き角度は、捩りコイルバネの自然状態で保持される角度βとなる。なお、送出部材81は、凹部62j内に侵入できないように構成されているため、送出部材81は凹部62j上を通過する。
また、送出部材81が凹部62jの位置に到達したとき、図14に示すスイッチ88にベース部材80が接触し、送出部材81の移動方向が切り換えられる。
図17(c)に示すように、移動方向が切り換えられ、送出部材81が送出方向Z1へ移動すると、脚部材82が凹部62jの縁(開口部付近)に当接し、脚部材82の先端が上方へ持ち上げられる。このように脚部材82が持ち上げられ、さらに閉じる方向に脚部材82が回動すると、開き角度が上記角度βより小さくため、上記捩りコイルバネによる付勢力は開く方向へ作用する。その結果、送出部材81は開く方向に付勢力を受け起立させられる。
そして、図17(d)に示すように、脚部材82が凹部62jから脱すると、送出部材81は、所定の開き角度αで起立した状態に保持される。
(トナーの送出動作)
以下、図18に基づいて、本発明に係るトナー搬送装置8のトナーの送出動作(搬送動作)について説明する。
なお、図18の(a)(b)(c)では、それぞれトナーカートリッジ61が引出トレイ62に装着され、さらに、その引出トレイ62が装置本体内に収容された状態となっている。従って、この状態で装置本体側の駆動装置からベルト部材83に駆動力が伝達可能となっており、送出部材81を往復移動させ得る状態となっている。
図18(a)は、トナー収容部66内のトナーTの残量がある程度減った状態を示す。この場合、送出部材81は捩りコイルバネの付勢力を受けて起立した状態となっている。
これにより、トナー収容部66の下面は、起立した送出部材81によって内側へ押し込まれた状態となっている。そして、送出部材81がトナー収容部66を内側へ押し込んだ状態で送出方向Z1に移動することにより、内部のトナーTは送出部材81によって押されて排出部67側へ移動させられる。
排出部67側へ移動させられたトナーTは、慣性力と重力によって排出部67から下方へ排出される。また、本実施形態では、排出部67に微小な振動を付与する図示しない振動付与手段が設けられており、この振動付与手段によって排出部67に微小な振動を付与することで、排出部67からのトナーTの排出が促進される。
また、図18(b)は、トナー収容部66内にトナーTが大量に充填されている状態を示す。 このように、トナー収容部66内にトナーTが大量に存在する箇所では、トナーTが詰まっていることでトナー収容部66が硬くなっていると共に、トナーTの重量で重くなっている。このため、図18(b)に示すように、送出部材81は倒れた状態となり、トナー収容部66に対する送出部材81の押し込み量が少なくなる。
送出部材81は、トナーTが大量に存在する箇所では倒れた状態のまま送出方向Z1に移動する。その後、送出部材81が排出部67付近のトナーTの比較的少ない位置に達すると、図18(c)に示すように、送出部材81は起立した状態となることで、送出部材81の押し込み量が多くなる。このように、排出部67付近で送出部材81が起立して押し込み量が多くなることにより、排出部67付近の移動し易いトナーTから順次排出することができる。
図19(A)(B)に示すように、トナー収容部66の後端封止部66c直近の下面に、複数(図では3つ)の受圧用凸部66dが形成されている。これら受圧用凸部66dは、トナー収容部66を構成するシート材と一体に形成することも可能であるが、シート材とは別部材で構成してもよい。
例えば、受圧用凸部66dはトナー収容部66の長手方向に対して直角に配置した棒状部材で構成することもできる。受圧用凸部66d相互間の間隔は、当該凸部66d自体の幅よりもやや広めに設定されている。
受圧用凸部66dの長さは、トナー収容部66の全幅とほぼ同じ長さにしてもよいし、トナー収容部66の全幅よりも幾分短くしてもよい。また、受圧用凸部66dをトナー収容部66の幅方向に必ずしも連続して形成する必要はなく、幅方向に複数に分割して形成してもよい。この受圧用凸部66dの先端(下端)は半円弧状断面に丸められている。
このように、受圧用凸部66dを形成すると、送出部材81の先端部がトナー収容部66の後端部から排出部67に向けて移動し始める際に、最も後ろ側にある凸部66dに当たり、次に2番目、3番目の凸部66dといったように順番に当接し、その当接の度に送出部材81の先端と凸部66d先端との当接によってトナー収容部66の後端部下面が局部的に大きく内側に変形し、この内面に付着・堆積していた粉体を内面から離間させて前方に移動させる。
なお、図19では複数の受圧用凸部66dの高さを揃えているが、凸部66dの高さはすべての受圧用凸部66dで必ずしも一定である必要はなく、トナー収容部66の後端部から前側に行くにつれて、凸部66dの高さを段階的に高くしたり、この反対に段階的に低くしたり、あるいは凸部66dの高低をランダムにしたりすることができる。
送出部材81の先端部に、図20(A)(B)のように、押圧用凸部81bを形成すると、トナー収容部66の変形をいっそう大きくすることができる。押圧用凸部81bの幅(厚み)W1は、トナー収容部66が変形しても押圧用凸部81bが受圧用凸部66dの間に確実に挿入可能なように、受圧用凸部66dの相互間隔W2よりもある程度小さく(薄く)しておくとよい。W2/W1の比率は、例えば、W2/W1=1.1〜5の範囲に設定したり、より確実にはW2/W1=2〜3の範囲に設定したりすることができる。また、押圧用凸部81bのトナー収容部66に向けた突出高さh1は、受圧用凸部66dの突出高さh2よりもやや長い方が望ましい。
このように押圧用凸部81bを高さh1で受圧用凸部66dよりも長く突出させておくと、その先端部が受圧用凸部66dの先端に当接した後、当該受圧用凸部66d同士の間のトナー収容部66の後端部下面にも当接し、当該下面の変形量をいっそう大きくすることができる。
また、凸部66dと凸部66dの間の下面に当接した後、次の受圧用凸部66dに乗り上げる際に凸部66dを横方向に倒す作用が働く。これにより、トナー収容部66の後端部下面を局部的に内方に押し込む作用だけでなく、図20(B)のように、凸部66dを中心とする回転変形作用も付与することができ、いっそう変形量を大きくすることができる。
トナー収容部66の後端封止部66cの直近の下面に、垂直方向下方に伸びる板状部材66eを取り付けるようにしてもよい。このように板状部材66eで受圧用凸部66dを形成することにより、送出部材81が水平状態で後端部に戻る際に、送出部材81の先端部(後端部)が板状部材66eの先端部(下端部)に当接し、板状部材66eがその基端部(上端部)を中心として後方側に回転する。
このように板状部材66eが後方側に回転すると、トナー収容部66の後端部下面とその付近が板状部材66eといっしょに回転変形し、その内面に付着・堆積した粉体を当該内面から離間させて急傾斜に変形した内面に沿って前方に滑落移動させることができる。
送出部材81が後端部から排出部に移動する際、図21(C)のように、送出部材81に押されて板状部材66eが前方側に回転し、今度はトナー収容部66の後端部下面を逆方向に回転変形させる。これにより、急傾斜の内面に沿って滑落した粉体がさらに前方に移動され、送出部材81による前方搬送作用を促進することができる。
以上のように、本発明によれば、トナー収容部66内のトナー量に応じて、送出部材81の押し込み量が変化するようになっているので、トナー収容部66内のトナー残量にかかわらずトナーを排出部67へ安定して確実に送り出すことができる。また、本発明によれば、小ストレスでトナーを搬送することができ、トナーの凝集や劣化を抑制することが可能である。さらに、本発明は、大きな振動や衝撃が生じることがないので、振動による異常画像の発生の虞も無い。
また、トナー収容部66の材質(柔軟性、伸縮性等)や最大トナー収容量などに応じて、送出部材81を付勢する捩りコイルバネの付勢力を適宜変更することにより、送出部材81の押し込み力を適切な値に調整することが可能である。その場合、捩りコイルバネの付勢力を大きくしても、本発明の実施形態では、図示しない規制部によって送出部材81の回動が規制されるので、送出部材81を所定の起立した状態に保持することができる。
また、上記本発明の実施形態では、上記ベース部材80が上記スイッチ87又は88に接触することにより、送出部材81の移動方向が送出方向Z1又は戻り方向Z2に切り換えられるので、トナーの送出動作を連続的に行うことが可能である。
また、送出部材81を元の位置へ戻す際、送出部材81を倒した状態に切り換えることで、戻り方向Z2へ移動する送出部材81によってトナーが戻されるのを防止できる。また、上記図16及び図17で説明したように、送出部材81の起立した状態と倒れた状態との切換動作を、脚部材82を凹部62i又は62jに侵入させるという簡単な機構によって実現できるので、構成の簡素化を図ることができる。なお、凹部62i,62jの代わりに、貫通した孔部とすることも可能である。
また、上記図7で説明したように、本実施形態では、引出トレイ62の引出・収容操作(固定部63への着脱動作)に連動して、固定アーム71の回動操作と、スライドシャッタ67dの開閉動作を行うことができる。これにより、トナーカートリッジ61の固定及びその解除と、排出口の開閉を容易に行うことができ、操作性に優れたものとなる。
また、固定アーム71の回動に伴ってバネ部材72が固定アーム71の回動支点を越えることにより、バネ部材72は固定アーム71をその回動させる方向へ付勢するようになる。この結果、当該付勢力によって、固定アーム71を切換後の位置で確実に保持することができる。さらに、突片部67hが切欠き部70aに当接することにより、排出部67の上下方向のがたつきを防止できるので、トナーカートリッジの固定状態を安定させることが可能である。
また、本実施形態においては、トナー収容部66と排出部67とを一体として、引出トレイ62に対して着脱されるように構成しているが、排出部67が引出トレイ62(又は固定部63)に据え置きになっていて、トナー収容部66を着脱するように構成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の実施形態では、トナー収容部66の全体を変形可能な部材で構成しているが、送出部材81が押し込む箇所のみを変形可能な部材で構成してもよい。
また、本発明の構成をトナー以外の粉体を搬送する粉体搬送装置に適用することも可能である。また、本発明に係る粉体搬送装置は、図1に示すプリンタに限らず、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等に搭載することも可能である。
8 トナー搬送装置(粉体搬送装置)
60 トナー補給装置
61 トナーカートリッジ
62 引出トレイ
63 固定部
65 本体側フレーム
66 トナー収容部(粉体収容部)
66a トナー投入口(粉体投入口)
66d 受圧用凸部
66e 板状部材(受圧用凸部)
67 排出部
67b 排出口
67c 傾斜面
67g 突起部(被固定部)
68 開口保持部材
71 固定アーム
71b 支軸(回動支点)
72 バネ部材
81 送出部材
81b 押圧用凸部
82 脚部材
87 スイッチ(移動方向切換手段)
88 スイッチ(移動方向切換手段)
T トナー(粉体)
特開2002−46843号公報 特開平11−143195号公報

Claims (11)

  1. 粉体を収容すると共に少なくとも一部が変形可能な粉体収容部と、当該粉体収容部内の粉体を外部へ排出するための排出部と、前記粉体収容部の変形可能な部分に形成した1つ又は複数の受圧用凸部とを有する粉体収容器であって、当該粉体収容器を粉体搬送装置に装着し、この粉体搬送装置の送出部材で前記粉体収容部の変形可能な部分を内側へ押し込み、この状態で前記送出部材を前記排出部側へ移動させすることにより前記粉体収容部内の粉体を前記排出部へ送り出し可能とし、かつ、前記送出部材を前記受圧用凸部に接触させることで前記送出部材による前記粉体収容部の変形を増大させるようにしたことを特徴とする粉体収容器。
  2. 前記受圧用凸部を、粉体収容器の前記排出部と反対側の後端部に形成したことを特徴とする請求項1の粉体収容器。
  3. 前記受圧用凸部が、前記送出部材の移動方向を横断する方向に伸びていることを特徴とする請求項1又は2の粉体収容器。
  4. 前記受圧用凸部が、粉体収容器の前記排出部と反対側の後端部に取り付けられた板状部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1の粉体収容器。
  5. 請求項1から4のいずれか1の粉体収容器を装着してなり、当該粉体収容器の前記受圧用凸部に接触する前記送出部材を有する粉体搬送装置。
  6. 前記送出部材に、前記粉体収容部の受圧用凸部と接触する1つ又は複数の押圧用凸部を形成したことを特徴とする請求項5の粉体搬送装置。
  7. 前記送出部材の押し込み量が、前記粉体収容部内の粉体の量に応じて変化するように構成したことを特徴とする請求項5又は6の粉体搬送装置。
  8. 前記押圧用凸部の厚みが、前記受圧用凸部の相互間隔よりも薄いことを特徴とする請求項6又は7の粉体搬送装置。
  9. 前記押圧用凸部の高さが、前記受圧用凸部の高さよりも高いことを特徴とする請求項6又は7の粉体搬送装置。
  10. 請求項4の粉体収容器を装着可能な粉体搬送装置であって、前記送出部材が前記粉体収容器の前記排出部から後端部に戻る際に、前記送出部材が前記板状部材に当接することを特徴とする粉体搬送装置。
  11. 請求項5から10のいずれか1の粉体搬送装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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