以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される給紙部20、画像形成部30、定着部40及びトナーコンテナ50(現像剤収容容器)とを含む。
本体ハウジング10の前面側(図1の右側)には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。ユーザーは、前カバー11を開放することで、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。
給紙部20は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット21を含む。この給紙カセット21は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット21には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット21の後端側の上部にはシート繰出部21Aが設けられている。このシート繰出部21Aには、給紙カセット21内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すためのピックアップローラー(図略)が配置されている。
画像形成部30は、給紙部20から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(図1には表れていない)、現像装置33、転写ローラー34及びクリーニング装置35とを含む。
感光体ドラム31は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。
現像装置33は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置33は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー331と、現像ハウジング60(図2〜図5参照)の内部で現像剤を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー332及び第2搬送スクリュー333とを含む。この現像装置33については、後記で詳述する。
転写ローラー34は、感光体ドラム31の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーであって、感光体ドラム31と転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。クリーニング装置35は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の周面を清掃する。
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
トナーコンテナ50は、現像装置33に補給するトナー(現像剤)を貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51(容器本体)と、コンテナ本体51の一側面(図1では後面)の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置33内に供給される。このトナーコンテナ50については、図6以下を参照して後記で詳述する。
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路22F及び反転搬送路22Bが備えられている。主搬送路22Fは、給紙部20のシート繰出部21Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路22Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路22Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
主搬送路22Fの、感光体ドラム31と転写ローラー34との転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対23が配置されている。シートは、レジストローラー対23にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路22F及び反転搬送路22Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対24が配置されている。
反転搬送路22Bは、反転ユニット25の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット25の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対23の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット25は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路22Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路22Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置33が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット25も開放される。
続いて、図2〜図7を参照して、現像装置33及びトナーコンテナ50の構造、並びにこれらの配置関係について説明する。図2は、現像装置33とトナーコンテナ50との組み付け状態を示す平面図、図3はその斜視図、図4は、現像装置33単体の斜視図、図5は、現像装置33の内部構造を示す平面図、図6及び図7は、トナーコンテナ単体の斜視図をそれぞれ示している。
現像装置33は、一方向(現像ローラー331の軸方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング60を備える。現像ハウジング60は、その長手方向に延びる開口部が形成され、該開口部から現像ローラー331の周面の一部が露呈している。本実施形態において現像ハウジング60は、その長手方向が本体ハウジング10の左右方向(第1方向)と一致するよう、本体ハウジング10に組み付けられている。
現像ハウジング60の左端付近の天板60Tには、トナーコンテナ50から供給されるトナーを当該ハウジング内に受け入れるためのトナー補給口60Hが穿孔されている。このトナー補給口60Hと、トナーコンテナ50のトナー排出口521とが上下方向に重なるように、現像装置33とトナーコンテナ50とが組み付けられる。トナーコンテナ50は、図2に矢印Aで示すように、現像ハウジング60の長手方向と直交する方向(前後方向/第2方向)において、現像装置33に対して着脱される。トナーコンテナ50は上面視で一方向に長いハウジング形状を備えるので、現像装置33にトナーコンテナ50が装着された状態では、上面視で略L字型の構造体を形成することになる(図2参照)。
天板60Tの上面には、左右方向にスライド移動が可能な現像シャッター板61が配置されている。現像シャッター板61は、付勢バネ62で常時左方向に付勢されている。付勢バネ62はコイルバネであって、現像シャッター板61の右端縁と、該現像シャッター板61に隣接するリブとに各々設けられたバネ座621、622に各端部が取り付けられている。図4ではトナー補給口60Hが開放されている状態を示しているが、トナーコンテナ50が未装着の状態では、現像シャッター板61は付勢バネ62に付勢されて左方に位置し、トナー補給口60Hを塞ぐ。
トナーコンテナ50の筒状部52の先端縁(他端部524)下部には、押圧板522が取り付けられている。また、筒状部52の先端面には、回転部材54に回転駆動力を入力するためのコンテナギア54Gが露出して配置されている。現像ハウジング60のトナー補給口60Hの左奥部には、入力ギア631とカップリング632とを備えるギアホルダー63が配置されている。カップリング632は、本体ハウジング10に備えられた図略のモーターからの回転駆動力が与えられる。入力ギア631は、トナーコンテナ50が現像装置33に装着された状態でコンテナギア54Gと歯合され、前記回転駆動力をコンテナギア54Gに伝達する。
トナーコンテナ50が現像装置33に装着される際、トナー補給口60Hに対してトナーコンテナ50の筒状部52が前方から後方に進入する。この際、トナーコンテナ50の押圧板522が、トナー補給口60Hを塞いでいる状態の現像シャッター板61と干渉し、当該現像シャッター板61を右方へ移動させる。具体的には、現像シャッター板61の上面に突設されている斜行凸条623と押圧板522とが干渉し、付勢バネ62の付勢力に抗して現像シャッター板61が右方へ押し遣られる。トナーコンテナ50の筒状部52が所定位置まで進入すると、トナー補給口60Hは完全に開放されると共に、入力ギア631にコンテナギア54Gが歯合することになる。
図5を参照して、現像ハウジング60は内部空間600を備える。二成分現像方式の場合、この内部空間600には、トナーとキャリアとからなる現像剤が充填される。キャリアは、内部空間600においてトナーと攪拌混合されトナーを帯電させると共に、トナーを現像ローラー331まで搬送する。トナーは、逐次現像ローラー331に供給されて消費され、その消費分はトナーコンテナ50から適宜供給される。
現像ハウジング60の内部空間600は、左右方向に延びる仕切り板601によって、左右方向に長尺の第1通路602と第2通路603とに区画されている。仕切り板601は、現像ハウジング60の左右方向幅よりも短く、仕切り板601の右端及び左端には、第1通路602と第2通路603とをそれぞれ連通させる第1連通部604及び第2連通部605が備えられている。これにより、現像ハウジング60の内部には、第1通路602、第1連通部604、第2通路603及び第2連通部605に至る循環経路が形成されている。
上述のトナー補給口60Hは、第1通路602の左端付近の上方に配置されている。第1通路602には第1搬送スクリュー332が収容され、第2通路603には第2搬送スクリュー333が収容されている。第1、第2搬送スクリュー332、333は、それぞれシャフトと、このシャフトの周上にスパイラル状に突設された羽根部材とを含む。第1搬送スクリュー332は、シャフト回りに回転駆動されることで、図5の矢印a方向に現像剤を搬送する。一方、第2搬送スクリュー333は、シャフト回りに回転駆動されることで、矢印b方向に現像剤を搬送する。
第1、第2搬送スクリュー332、333が回転駆動されることで、上述の循環経路に沿って現像剤が循環搬送される。トナー補給口60Hから新たに補給されたトナーについて説明すると、当該トナーは第1通路602に落下して既存の現像剤と混合され、第1搬送スクリュー332により矢印a方向に搬送される。この際、トナーはキャリアと攪拌され、帯電される。次いでトナーは、第1通路602の下流端から第1連通部604を経て第2通路603に入り、第2搬送スクリュー333によって矢印b方向に搬送される。この搬送の際、トナーは同様に帯電される一方で、一部が現像ローラー331の周面に供給される。そして、残部のトナーとキャリアとは、第2連通部605を経て、第1通路602の上流端に戻される。
続いて、図6〜図11を参照して、トナーコンテナ50の詳細構造について説明する。図6は、トナーコンテナ50を筒状部52側(図1では後方側)から見た斜視図、図7は、視線方向を180度変えて蓋部材53側から見た斜視図、図8は、トナーコンテナ50の側面図、図9はその側断面図、図10は、トナーコンテナ50内に配置される回転部材54の斜視図、図11は、回転部材の部分的な断面図である。
既述の通り、トナーコンテナ50は、コンテナ本体51、筒状部52、蓋部材53(第4側壁)及び回転部材54を含む。コンテナ本体51は、トナーを貯留する空間を形成するために、断面半円形状の底壁511と、該底壁511の一端縁から上方に延びる第1側壁512と、前記底壁511の他端縁から上方に延び前記第1側壁512と対向する第2側壁513と、筒状部52側の端縁部において第1側壁512及び第2側壁513を繋ぐ第3側壁514と、第1側壁512及び第2側壁513の上端縁同士を繋ぐ天壁515と、蓋部材53と対向する側の端縁に形成された第1フランジ部516とを備えている。なお、コンテナ本体51の第1フランジ部516の側は、側部開口面とされている。
コンテナ本体51は、底壁511の部分が最も幅が狭く、この底壁511から上方に向かうに連れて、第1側壁512と第2側壁513との間隔が広くなる縦長の外観形状を備えている。第1側壁512及び第2側壁513は平板状の部材であり、これら第1側壁512及び第2側壁513は断面視において直線状の内面を備えている。
第3側壁514の上部には、トナーをコンテナ本体51内に充填するための開口を塞ぐキャップ517が取り付けられている。第2側壁513には、当該トナーコンテナ50の管理情報が記録された無線タグ518が取り付けられている。また、第1側壁512及び第2側壁513の上端部付近には、底壁511が延びる方向に平行な一対の溝部519が形成されている。この溝部519は、トナーコンテナ50が本体ハウジング10に装着される際に、本体ハウジング10側の図略のガイド部材でガイドされる部分である。
筒状部52は、第3側壁514から、底壁511に連なって突設された円筒状の部分である。筒状部52の一端部523は、第3側壁514の下端部に連接され、コンテナ本体51の内部空間と筒状部52の内部空間とは連通状態とされている。筒状部52の他端部524は筒状部52の突出端であって、コンテナギア54Gは他端部524から更に外方に突出する状態で配置されている。筒状部52の底部525は、コンテナ本体51の底壁511に面一とされており、これにより断面半円形状の樋状部分が、第1フランジ部516から他端部524に亘って形成されている。筒状部52は、回転軸541の径方向の断面形状が円形である内壁面を備え、その一端部523から他端部524に向けて、僅かに先細りのテーパ形状とされている。
上述の通り、筒状部52にはトナー排出口521が設けられ、当該筒状部52が現像装置33に装着される。なお、トナー排出口521は、筒状部52の底部525(下面)に配置された落下口である。前記装着の際に現像ハウジング60の一部と係合する係合部526が、底部525に配置されている。コンテナ本体51内に貯留されているトナーは、後述する回転部材54の回転駆動により筒状部52に送り出され、トナー排出口521から吐出される。
図9に示すように、トナー排出口521は、底部525の、他端部524の近傍に設けられている。トナー排出口521の下面には、筒状部52の延びる方向に沿ってスライド移動するシャッター板527が取り付けられている。シャッター板527は、図略の付勢部材により常時トナー排出口521を塞ぐよう、他端部524の方向に付勢されている。一方、筒状部52が現像装置33に装着される際、シャッター板527は現像ハウジング60の一部と干渉して、一端部523の方向にスライド移動する。図9は、シャッター板527が後退してトナー排出口521を開放している状態を示している。なお、シャッター板527と上述の係合部526とは一体の部材である。
蓋部材53は、コンテナ本体51の側部開口面を覆うもので、凹形状を備えた蓋本体部531と、蓋本体部531の周縁に設けられ第1フランジ部516と突き合わされる第2フランジ部532とを備える。蓋本体部531は、下方から上方へ膨らむように傾斜した傾斜面と、その傾斜面の上端に連なる垂直面とを備える。蓋本体部531の前記垂直面は、第2フランジ部532から相当突出した部分となっており、ユーザーは当該部分を摘んで、トナーコンテナ50の本体ハウジング10に対する着脱操作を行うことができる。蓋本体部531の内面下端には、後述する回転部材54の回転軸の第1端部542を回転自在に支持する軸支部533が設けられている。軸支部533に第1端部542が挿入された状態で、第2フランジ部532は第1フランジ部516に溶着される。
回転部材54は、コンテナ本体51の底壁511から筒状部52の上に亘って配置され、軸回りに回転駆動されることによりトナーを搬送する部材である。図9及び図10に示すように、回転部材54は、回転軸541と、この回転軸541と一体回転する第1搬送部材55、第2搬送部材56及び一対の分散部材57とを備えている。
回転軸541は、底壁511の延びる方向に延在するように配置され、その両端に第1端部542及び第2端部543を備えている。第1端部542は、蓋部材53の軸支部533で回転自在に支持されている。第2端部543には、筒状保持片544(保持片)が一体的に取り付けられている。この筒状保持片544に、コンテナギア54Gの胴部545が嵌め入れられることで、コンテナギア54Gと回転軸541とが一体化されている。胴部545は、筒状部52の他端部524で回転自在に支持されている。
また、筒状保持片544には、トナー排出口521(落下口)にトナーを送り出す可撓性のフイルム部材546(可撓性押圧部材)が取り付けられている。フイルム部材546は、矩形状の薄いPETフイルムであり、回転軸541の軸方向と直交する方向に突出して、筒状保持片544の周面に取り付けられている。フイルム部材546は、回転軸541の回転時に周回し、筒状部52の他端部524付近に存在するトナーを流動化させ、トナー排出口521に送り出す。
第1搬送部材55は、回転軸541と一体で、回転軸541の周面にスパイラル状に突設された搬送部材である。第2搬送部材56は、回転軸541の外周に、回転軸541及び第1搬送部材55との間にギャップを置いて配置された中空のスパイラル状搬送部材である。つまり、第2搬送部材56は、回転軸541の周面上であって、第1搬送部材55よりも径方向外側に配置されている。一対の分散部材57は、回転軸541とほぼ同じ長さを有し且つ回転軸541と平行に配置される棒状の部材であって、第2搬送部材56の側部をそれぞれ連結する部材である。一の分散部材57と他の分散部材57とは、回転軸541の周方向に180度の間隔をおいて配置されている。
換言すると、第2搬送部材56は複数の半円形のアーチ状搬送片からなり、一対の分散部材57によりこれらアーチ状搬送片が一体化され、その結果として、軸心付近に中空部を備えたスパイラル状の第2搬送部材56が形成されている。前記第2搬送部材56の中空部の内径は、第1搬送部材55のスパイラル外径よりも大きい。そして、前記中空部の中に、第1搬送部材55を周面に備えた回転軸541が同心状に挿通された態様が、本実施形態の回転部材54の構成である。なお、第1搬送部材55のスパイラル方向と、第2搬送部材56のスパイラル方向は逆方向である。
第2搬送部材56の第2端部543側(筒状部52側の端部)には、半円形のアーチ状搬送片からなるスパイラル片56Rが取り付けられている。このスパイラル片56Rは、第2搬送部材56のアーチ状搬送片と略同じサイズである。しかし、第2搬送部材56のアーチ状搬送片とはスパイラル方向が逆となるように、スパイラル片56Rは、一対の分散部材57間に取り付けられている。
一対の分散部材57は、その端部571において連結ピース572によって連結されている。連結ピース572は、その中央部において、回転軸541の第1端部542付近に固着されている。図10には表れていないが、第2端部543の側にも同様な連結ピースが配置されている。すなわち、回転軸541と、第2搬送部材56及び分散部材57とは連結ピース572によって一体化されており、回転軸541が回転すると、第2搬送部材56及び分散部材57も一体回転する。
回転部材54(回転軸541)は、コンテナ本体51から筒状部52に跨って架設されており、図10に示している通り、コンテナ本体51内に位置する第1部分54Aと、筒状部52内に位置する第2部分54Bとを含む。第1搬送部材55は、回転軸541の軸方向のほぼ全長に亘って形成されている。つまり、回転軸541の第1部分54A及び第2部分54Bの双方に相当する部分の周面上に、第1搬送部材55は形成されている。一方、第2搬送部材56は、第1部分54Aに相当する領域にのみ配置されている。スパイラル片56Rは、第1部分54Aにおける第2部分54Bとの境界部の近傍に、第2搬送部材56の端部に連接される形態で配置されている。分散部材57は、第1部分54A及び第2部分54Bの双方に跨って配置されている。
回転部材54の望ましい例について、図11に基づいて説明する。図11は、回転部材54の部分的な断面図である。ここでは、分散部材57の厚みと、第1搬送部材のスパイラルの最外周と分散部材57の径方向内面との距離との関係に関し、好ましい実施形態を例示する。分散部材57が、回転軸541の径方向に厚みD1を有しているものとする。一方、第1搬送部材55のスパイラルの最外周部55Aと分散部材57の径方向内面57Aとの間を距離D2とする。
この場合、距離D2を、厚みD1よりも大きく設定することが望ましい(D1<D2)。距離D2を厚みD1よりも大きくすることで、第1搬送部材55のスパイラルの最外周部55Aと分散部材の径方向内面57Aとの間に十分な空間が存在することとなる。これにより、第1搬送部材55によるトナーの搬送領域が、第2搬送部材56のスパイラルの中空部内に確保される。従って、第1搬送部材55が発生する搬送力によって、トナーを前記中空部内において流動させ易くなる。
コンテナギア54Gに、回転軸541を所定の回転方向に回転させる回転駆動力が与えられると、第1搬送部材55及び第2搬送部材56は、それぞれのスパイラル方向に応じてトナーの搬送力を発生する。第2搬送部材56は、コンテナ本体51側から筒状部52(トナー排出口521)側に向かう方向(以下、第2搬送方向)に、トナーを搬送する。つまり、回転軸541の第1端部542側から第2端部543側に向けてトナーを搬送する。これに対し、第1搬送部材55は、トナーを筒状部52側からコンテナ本体51側に戻す方向(以下、第1搬送方向)に、トナーを搬送する。つまり、回転軸541の第2端部543側から第1端部542側に向けてトナーを搬送する。
一方、分散部材57は、第1搬送部材55及び第2搬送部材56によって搬送されるトナーを、回転軸541の径方向外側へ分散させる役目を果たす。すなわち、分散部材57は、第1搬送部材55又は第2搬送部材56のスパイラル片によって推進力を与えられたトナーの周囲に存在するトナーを、径方向外側へ分散する。これにより、トナーの前記第1搬送方向又は第2搬送方向への移動が促進される。
スパイラル片56Rは、第2搬送部材56のスパイラル方向は逆方向に配置されているので、トナーを第1搬送方向に搬送する。スパイラル片56Rの役目は、コンテナ本体51の、筒状部52との境界部付近において、トナーを筒状部52からコンテナ本体へ積極的に戻す搬送力を発生させることにある。
なお、スパイラル片56Rが存在しない回転部材を用いても良い。図12は、変形実施形態に係る回転部材54M1を示す斜視図である。この回転部材54M1では、図10においてスパイラル片56Rが存在する位置まで、第2搬送部材56のスパイラルを形成するアーチ状搬送片560が配置されている。つまり回転部材54M1は、第1部分54Aの全域に亘って、第2搬送部材56のスパイラルが形成されているものである。第1搬送部材55及び第2搬送部材56によるトナーの搬送作用は、図10の回転部材54と同様である。
以上の通り、本実施形態の回転部材54(54M1)は、径方向内側(第1搬送部材55)と外側(第2搬送部材56)とで、互いに異なる方向にトナーを搬送する能力を有する。先ず、図12に示す回転部材54M1によるトナー搬送動作を、図13、図14に基づいて説明する。図13は、回転部材54M1によるトナーの搬送動作を説明するための、トナーコンテナ50Aの模式的な側断面図、図14は、図13の状態から回転部材54M1が90度回転した状態の、トナーコンテナ50Aの模式的な側断面図である。
第2搬送部材56は、回転駆動されることで、トナーに第2搬送方向へ向かう押圧力を与える。第2搬送部材56によって筒状部52に向かわされるトナーは、図中に矢印C1で示すように、専ら回転部材の外周部付近を移動する。筒状部52内には第2搬送部材56が存在しない。しかし、回転軸541の径方向で見て第2搬送部材56とほぼ同じ周回軌道上に存在する分散部材57が筒状部52の内周壁に近い部分のトナーを流動させるので、トナーの第2搬送方向への推進力は維持される。従ってトナーは、筒状部52内においても、その内周壁に近い部分において、矢印C1で示すように他端部524に向けて移動する。
第2搬送方向へ搬送されるトナーは、やがて筒状部52の他端部524に到達する。到達したトナーの一部は、フイルム部材546で押圧される形で、トナー排出口521から現像ハウジング60内に落下する。
一方、トナー排出口521から吐出されなかったトナーは、第1搬送部材55の駆動によって、図中に矢印C2で示すように、専ら筒状部52の中心軸に近い部分において、第1搬送方向に逆搬送される。逆搬送されるトナーは、やがて筒状部52とコンテナ本体51との境界を通過し、分散部材57による分散効果も相俟って、コンテナ本体51に戻される。
このように、本実施形態のトナーコンテナ50(50A)においては、第2搬送部材56によって一旦筒状部52に送り出されたトナーが、第1搬送部材55によってコンテナ本体51に戻される循環搬送機能が具備されている。このため、筒状部52に先端にトナー排出口521が設けられた構造のトナーコンテナ50であっても、トナー排出口521の近傍においてトナーが凝集することを抑止できる。
すなわち、筒状部52は、第2搬送部材56のスパイラル外径よりやや大きい内径を有する程度の狭小な筒状内部空間を備える部位である。このような筒状部52を有するトナーコンテナ50において、回転部材54に、第2搬送方向にトナーを搬送する機能のみが備えられている場合、トナーの送り量に対して吐出量が少ないと、やがてトナーは行き場を失い筒状部52内で押し固められ、ついには凝集化する。そうすると、トナー排出口521がトナーの凝集体で塞がれ、トナーが吐出できなくなる不具合が生じる。
これに対して本実施形態のトナーコンテナ50では、第1搬送部材55が筒状部52内に配置され、トナーを第1搬送方向へ逆方向送りする搬送機能を備えるので、トナーが押し固められることはない。すなわち、筒状部52においては、径方向外側にはトナーの逃げ場が無いので、トナーは筒状部52の軸心方向に向かおうとする。その軸心部分には第1搬送部材55が配置され、トナーを第1搬送方向に搬送する。従って、トナーが凝集化する前に、トナーを筒状部52からコンテナ本体51へ効率良く戻すことができる。
上記の循環搬送機能は、図10に示すスパイラル片56Rを備えた回転部材54を用いた場合、より促進される。図15は、図10の回転部材54によるトナーの搬送動作を説明するための、トナーコンテナ50の模式的な側断面図である。第1搬送部材55及び第2搬送部材56によるトナーの搬送動作は、図13及び図14に基づき説明した動作を同様である。
筒状部52内においてトナーは、回転軸541の径方向外側への逃げ場が制限されており、筒状部52とコンテナ本体51との境界部付近においても、トナーの逃げ場が比較的少ない。このような前記境界部付近において、スパイラル片56Rの駆動によって、トナーを筒状部52からコンテナ本体51へ送り出す、図中矢印C3方向の押圧力を発生させることができる。矢印C3方向に押し戻されたトナーは、分散部材57の駆動によって、矢印C4方向に示すように、回転部材54の径方向外側へ分散される。従って、第2搬送部材56によって第2搬送方向へ順方向搬送されるトナーと、第1搬送部材55によって第1搬送方向へ逆方向搬送されるトナーとの衝突が緩和され、トナーの筒状部52からコンテナ本体51への戻りを円滑に行わせることができる。
ここで、スパイラル片56Rの好ましい配置について説明する。トナーを筒状部52からコンテナ本体51へ戻す搬送力をスパイラル片56Rに最適に発生させるには、スパイラル片56Rの傾斜角度の適正化が肝要となる。図16を参照して、回転部材54の側面視において、第2搬送部材56のスパイラル(スパイラル片56Rに隣接し、最も筒状部52に近いスパイラル部分56F)と、回転軸541と平行に延びる分散部材57とがなす鋭角側の角度をα、スパイラル片56Rと分散部材57とがなす鋭角側の角度をβとするとき、次の(1)式を満たすことが望ましい。
α>β>0.7α ・・・(1)
上記(1)式において、α>βの関係とすることで、回転部材54の一回転当たりに搬送できる現像剤量が、第2搬送部材56のスパイラル(スパイラル部分56F)よりもスパイラル片56Rの方が多くなる。これは、スパイラル片56Rの回転軸541の軸方向のピッチが、スパイラル部分56Fよりも長くなる結果による。これにより、前記境界部付近において、第2搬送方向よりも第1搬送方向への搬送力(現像剤の戻し力)が優位にすることができる。さらに、上記(1)式において、β>0.7αの関係を有するので、スパイラル片56Rの角度が大きすぎて(回転軸541に対して垂直に近づく)搬送力が円周方向に偏り過ぎたり、逆にスパイラル片56Rの角度が小さすぎて第1搬送方向への搬送力が不足となったりする不具合が回避される。
第2搬送部材56のスパイラルの傾斜角αは、傾斜が緩すぎても、急峻すぎても、適当な第2搬送方向への搬送力を発揮できない。好ましい傾斜角αの範囲は、80度〜45度、より好ましくは70度〜55度である。スパイラル片56Rの傾斜角βは、このような好ましい傾斜角αに対して、上記(1)式を満たすように設定される。
以下、スパイラル片56Rの傾斜角βの適正化についての実験結果を示す。次の部品を用いて図9に示すようなトナーコンテナ50を作製した。
筒状部52;内径=φ17mm、長さ=45mm
コンテナ本体51;筒状部52と連通する部分の幅=17mm、長さ=100mm
第1搬送部材55;外径=φ9mm、ピッチ=10mm、回転軸541の外径=5mm
第2搬送部材56;最大外径=φ21mm、最小外径=φ16mm、内径=φ14mmで、筒状部52側に向かう程、外径が小さい。スパイラルの傾斜角αは62.2度に設定した。
分散部材;円周方向の幅=1mm
スパイラル片56R;外径=φ18mm、内径=φ14mm。傾斜角βは、68.5度、62.2度、56.7度、51.7度、47.4度、43.5度及び40.2度の7種類を準備した。
上記トナーコンテナ50の筒状部52にイエロートナー4.3グラムを充填する一方で、コンテナ本体51に黒トナーを100グラム充填した。トナー排出口521を閉じた状態で、回転部材54を15分間回転させた。しかる後、コンテナ本体51に収容されているトナーの上層箇所から一部のトナーを採取し、その濃度(L値)をマクベス反射濃度計RD−19I(マクベス社製)にて測定した。同様の測定を、スパイラル片56Rの傾斜角βを上記の通り異ならせた7個のトナーコンテナ50について実施した。その結果を表1及び図17に示す。
表1及び図17から明らかな通り、スパイラル片56Rの傾斜角βが56.7度、51.7度及び47.4度、つまりβ/αが0.7〜1.0の範囲のトナーコンテナではL値が高い値を示している。これは、筒状部52に充填したイエロートナーがコンテナ本体51に戻され、黒トナーと混合された結果、明るさが増したことを示している。一方、その他のトナーコンテナではL値が低く、イエロートナーがコンテナ本体51の黒トナーとあまり混合されていない、つまり筒状部52からコンテナ本体51に戻されていないことを示している。以上の実験結果より、上記(1)式の範囲で傾斜角βを設定することが好ましいことが確認された。
以上説明した本実施形態によれば、コンテナ本体51と、このコンテナ本体51から突設されトナー排出口521を有する筒状部52とを含むコンテナ形状を有するトナーコンテナ50において、筒状部52内でトナーが凝集することを抑止できる。従って、コンテナ本体51内に貯留されたトナーを残存させることなく現像装置33に供給できるトナーコンテナ50を提供することができる。
以上、本発明の実施形態に係るトナーコンテナ50及び画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、現像剤収容容器の具体例としてトナーコンテナ50を例示した。現像剤収容容器は、例えばトナー貯留部と現像ローラー等とが一体化された現像ユニットであっても、トナーコンテナと現像装置との間に介在される中間ホッパー等であっても良い。
(2)上記実施形態では、第1搬送部材55が回転軸541の軸方向全長に亘って形成されている例を示した。第1搬送部材55は、少なくとも回転軸541の第2部分54Bに形成されていれば良い。図18は、変形実施形態に係る回転部材54M2を備えたトナーコンテナ50Bの模式的な側断面図である。図示する通り、第1搬送部材550は、トナーコンテナ50Bの筒状部52に相当する第2部分54Bにのみ、回転軸541の周面に形成されている。第2搬送部材56は、上記実施形態と同様に、コンテナ本体51に相当する第1部分54Aにのみ配置されている。このような構成の回転部材54M2であっても、第1搬送部材550はトナーを筒状部52からコンテナ本体51に戻すので、筒状部52内でトナーが凝集することを抑止できる。
(3)上記実施形態では、回転部材54の回転軸541の端部に、矩形状のフイルム部材546を取り付ける例を示した。これに代えて、図19に示すような、台形形状のフイルム部材546Aを取り付けた回転部材54M3を用いるようにしても良い。フイルム部材546Aは、筒状保持片544に取り付けられる基端部546Bと、該基端部546Bと反対側の自由端部546Tとを備える。自由端部546Tの回転軸541の軸方向の長さは、基端部546Bよりも長く、自由端部546Tの一部(延長部546E)が、回転軸541の第2端部543上に位置している。
回転軸541の第2端部543の直近まで、第1搬送部材55及び第2搬送部材56のスパイラルを形成することは、実際上は困難である。従って、第2端部543の近傍においては、トナーに押圧力を与える部材が実質的に存在せず、トナーがさほど流動しない状態となりがちである。この場合、図9、図10に示したような矩形状のフイルム部材546に代えて、延長部546Eを備えるフイルム部材546Aを採用することで、第2端部543の近傍においてトナーをより流動化させることができる。すなわち、回転軸541の回転に伴って、延長部546Eが第2端部543の近傍のトナーを攪拌し、トナーの流動を促進する。このことは、トナー排出口521からのトナーの吐出、並びに第1搬送部材55による第1搬送方向へのトナー搬送を円滑化させる。
(4)通常、トナーコンテナには、コンテナ内のトナー残量を検知するトナーセンサーが装備されている。ここでは、トナーセンサーの配置と回転部材の構造との関係において好ましい実施形態を例示する。図20(A)、図21は、トナーセンサーを備えた変形実施形態を示す、トナーコンテナ50D、50Eの模式的な側断面図である。トナーコンテナ50Dには、図12で例示した回転部材54M1が備えられている。すなわち、コンテナ本体51の軸方向略全長に亘って、第2搬送部材56のスパイラルが形成された回転部材54M1が備えられている。一方、図21に示すトナーコンテナ50Eは、第2搬送部材56のスパイラル長が比較的短い回転部材54M4を備えている。具体的には、コンテナ本体51の筒状部52寄りの部分には、第2搬送部材56が形成されていない。
図20(B)は、トナーコンテナ50Dの、回転軸541の軸方向と直交する方向の断面図である。同図に示すように、コンテナ本体51の第2側壁513の外面であって筒状部52のとの境界部付近に、トナー残量を検知するトナーセンサー7が取り付けられている。トナーセンサー7は、平板状の磁気センサーであって、トナーコンテナ内のトナー残量に応じた電圧信号を出力する。すなわち、トナーセンサー7と対向する位置(図20(A)及び図21において点線で示す位置)にトナーが存在していると、トナーセンサー7は高い電圧を出力し、トナーが存在していないと低い電圧を出力する。
トナーコンテナ50Dにおいて、コンテナ内のトナー残量が少なくなると、トナー喫水面は、図20(A)に示す通り、コンテナ本体51の筒状部52側の端縁を最高部として下方に傾斜する喫水面となる。一方、トナーコンテナ50Eにおいて、コンテナ内のトナー残量が少なくなると、トナー喫水面は、図21に示す通り、コンテナ本体51の筒状部52寄りの部分が平坦となる喫水面となる。これは、前記筒状部52寄りの部分において、第2搬送部材56によるトナー押圧力が比較的弱いことに起因する。一方、トナーコンテナ50Dでは、第2搬送部材56によるトナー押圧力が筒状部52付近まで及ぶので、トナーがエンプティ近くになった場合に、トナーセンサー7付近においてトナーを、高低差を持った状態で流動させることができる。
図22は、上述のトナーコンテナ50D、50Eのトナーセンサー7の感度を示すグラフである。トナーコンテナ50Dのトナーセンサー7の第1出力曲線71は、トナー残量が相当少なくなるまでは一定であり、その後、急峻に低下する。一方、トナーコンテナ50Eトナーセンサー7の第2出力曲線72は、トナー残量が比較的多い段階から低下し始める。このグラフより、トナーコンテナ50Dの方が、トナー残量が乏しくなった段階におけるトナーセンサー7の感度が良好であることが判る。また、両者のエンプティレベル71E、72Eを比較すれば明らかな通り、トナーコンテナ50Dの方が、「エンプティ」に相当する出力を発するトナー残量が少ない。
以上のことから、回転部材としてコンテナ本体51の軸方向略全長に亘って第2搬送部材56のスパイラルが形成された回転部材54M1を用いると共に、トナーセンサー7は、第2搬送部材56の筒状部52側の端部が存在する位置に取り付けられていることが望ましい。これにより、トナーがエンプティ近くになった場合に、トナーセンサー7付近においてトナーを、高低差を持った状態で流動させることができ、トナーセンサー7の感度(分解能)を向上させることができる。
(5)上記実施形態では、トナーコンテナ50が現像装置33に対して水平に装着される例を示した。これに代えて、図23に示すように、トナーコンテナ50Fに傾斜角度を持たせて、現像装置33に装着させるようにしても良い。具体的には、トナー排出口521を有する筒状部52を下方位置とし、容器本体51側が上方に傾斜した状態で、現像装置33に取り付けるようにしても良い。この構成であれば、トナーを重力によってもトナー排出口521へ案内できるので好ましい。
この場合、水平面Hに対するトナーコンテナ50Fの底壁511の傾斜角度は、トナーコンテナ50Fに収容されているトナーの安息角よりも小さい角度とされていることが望ましい。例えばトナーの安息角が38度であれば、前記傾斜角度は35度未満とすることが望ましい。これにより、トナーの前記第1搬送方向への搬送性が悪化することを抑止できる。安息角を超える傾斜角度とした場合、第1搬送部材55によるトナーの逆搬送が困難になる。