(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の斜視図、図3はパチンコ機10の前扉枠13を開いた状態の斜視図、図4はパチンコ機10の本体枠12を開いた状態の斜視図である。なお、図1〜図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図4に示すように、パチンコ機10は、取付対象としての外枠11を備えており、該外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方に開放できるようになっている。なお、外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
本体枠12の前面側には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方に開放できるようになっている。前扉枠13には、その中央部に略円形状の窓部14が形成されている。本体枠12には、窓部14と対応する位置に、遊技盤15が着脱可能に装着されている。そして、遊技盤15の前面部の略中央部分だけが前扉枠13の窓部14を通じて視認可能な状態となっている。本実施の形態では、これら本体枠12、前扉枠13、遊技盤15等により遊技機本体が構成されている。
前扉枠13には、手前側へ膨出した第1膨出部16が窓部14の下方に設けられており、その第1膨出部16内側には、上方に開口した上皿17が設けられている。上皿17は、第1払出口18より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら下流側(本実施の形態では右側)へ導くための球受皿である。第1膨出部16には、上皿17の下流側に球抜きスイッチ19が設けられるとともに、上皿17の前方に貸球操作部20が配設されている。球抜きスイッチ19は、上皿17に貯留された遊技球を排出するために操作されるものである。貸球操作部20には、球貸しボタン21と、返却ボタン22と、度数表示部23とが設けられている。球貸しボタン21は、CRユニット(図示略)に挿入されたカード等(記録媒体)の情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン22は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部23は、カード等の残額情報を表示するものである。また、第1膨出部16の前面側中央部には、遊技者により操作可能なプッシュ式の選択スイッチ24が設けられている。選択スイッチ24には図示しないランプが内蔵されており、選択操作が有効とされる状況下ではランプが点灯表示され、選択操作が無効とされる状況下ではランプが消灯表示されるようになっている。そして、当該ランプが点灯表示されている状況下で選択スイッチ24を操作された場合、図柄表示装置41の表示モードが変更されるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、手前側へ膨出した第2膨出部25が設けられており、その第2膨出部25内側には、上方に開口した下皿26が設けられている。下皿26は、第2払出口27より払い出された遊技球を一旦貯留するための球受皿である。下皿26には、例えば球抜きレバー19を操作された場合、上皿17に貯留された遊技球が第2払出口27より排出されるようになっている。第2膨出部25前面側には、下皿26に貯留された遊技球を下方に排出するための球抜きレバー28が設けられている。また、第2膨出部25の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル29が設けられている。遊技球発射ハンドル29は、本体枠12の背面側に設けられた電源・発射制御装置92(図4参照)と接続されており、電源・発射制御装置92には、遊技球を発射させるための遊技球発射装置30(図4参照)が接続されている。このため、上皿17に貯留された遊技球は、遊技者が遊技球発射ハンドル29を回転させることにより、遊技盤15に形成された遊技領域に向けて発射される。
次に、遊技盤15の構成を図5に基づいて説明する。遊技盤15には、遊技球発射装置30より発射された遊技球を遊技盤15上部に案内する内レール31と外レール32が設けられている。内レール31は右上方の約1/2ほどを除いて略半円環状に形成され、外レール32は内レール31の上方開放領域を囲むようにかつ内レール31の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。本実施の形態では、遊技盤15のうち内レール31と外レール32によって囲まれた領域が、遊技球の流下可能な遊技領域となっている。
遊技盤15には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。遊技盤15の表面には、各開口部と対応する位置に、一般入賞口33、可変入賞装置34、作動口装置35、スルーゲート36及び可変表示ユニット37等がそれぞれ取り付けられている。作動口装置35には、上側作動口35aと下側作動口35bとが設けられ、更に下側作動口35bには左右一対の可動片よりなる電動役物が設けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット37が遊技盤15の略中央に配置され、その下方に作動口装置35が配置され、さらにその下方に可変入賞装置34が配置されている。また、可変表示ユニット37の左右両側にスルーゲート36が配置され、遊技盤15の下部両側に一般入賞口33がそれぞれ複数配置されている。
前記一般入賞口33、可変入賞装置34及び作動口35a,35bに遊技球が入賞すると、遊技盤15の背面側に設けられた検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿17(場合によっては下皿26)に対し所定数の賞球が払い出される。
その他に、遊技盤15の最下部にはアウト口38が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口38を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤15には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車39等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット37には、作動口35a,35bへの入賞をトリガとして図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット37には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。センターフレーム42の右上部には、所定の識別情報を表示するための第1特定ランプ部43aと第2特定ランプ部43bが横並びの状態で設けられている。センターフレーム42の左上部には、役物ランプ部44と、該役物ランプ部44に対応した役物保留ランプ45が設けられている。遊技球がスルーゲート36を通過した回数は最大4回まで保留され、役物保留ランプ45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の左下部には、第1特定ランプ部43a及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ46aが設けられており、センターフレーム42の右下部には、第2特定ランプ部43b及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ46bが設けられている。遊技球が作動口35a,35bに入賞した個数はそれぞれ最大4個まで保留され、対応する保留ランプ46a,46bの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。すなわち、上側作動口35aに遊技球が入賞した場合には第1保留ランプ46aが点灯され、下側作動口35bに遊技球が入賞した場合には第2保留ランプ46bが点灯されるようになっている。
図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置62により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の図柄の組み合わせが停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が特別遊技状態としての大当たり状態に移行する。また、図柄表示装置41には、各作動口35a,35bに遊技球が入賞した順序を把握可能に各保留個数が表示されるようになっている。
第1特定ランプ部43a及び第2特定ランプ部43bには、その内側に赤、緑、青の3色発光タイプのLEDが配設されている。各特定ランプ部43a,43bは、対応する作動口35a,35bへの入賞をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。第1特定ランプ部43aを例として具体的に説明すると、上側作動口35aへの入賞をトリガとして、赤色光が点灯され、その状態で所定時間が経過すると緑色光に発光色が切り替えられる。そして、緑色光が点灯された状態で前記所定時間が経過すると青色光に発光色が切り替えられる。その後、発光色の切り替え停止時期がくるまで、赤色、緑色、青色という順序で発光色の切り替えが繰り返し行われる。これにより、第1特定ランプ部43aには、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が大当たり状態に移行し、青色が停止表示された場合には、大当たり発生とならず大当たり状態に移行しない。第2特定ランプ部43bについても同様であり、下側作動口35bへの入賞をトリガとして、赤色、緑色、青色が、この順序で繰り返し表示されることとなる。そして、最終的に赤色又は緑色が停止表示された場合には、大当たり発生としてそれ以降の遊技状態が大当たり状態に移行し、青色が停止表示された場合には、大当たり発生とならず大当たり状態に移行しない。
役物ランプ部44には、その内側に赤、緑の2色発光タイプのLEDが配設されている。この役物ランプ部44は、スルーゲート36の通過をトリガとして、所定の順序で発光色の切り替えが行われる。具体的には、遊技球がスルーゲート36を通過すると、赤色光の点灯と緑色光の点灯とが交互に行われる。これにより、役物ランプ部44には、赤色、緑色が交互に表示されることとなる。そして、赤色が停止表示された場合には、下側作動口35bに設けられた電動役物が開放状態に切り替えられるようになっている。電動役物は、予め定めた閉鎖条件が成立するまで開放状態が継続されるようになっている。
可変入賞装置34は、通常状態において遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、大当たり状態に移行すると遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り替えられるようになっている。より詳しくは、可変入賞装置34が開放状態となると、可変入賞装置34の大入賞口に遊技球が入賞し易い状態となる。そして、可変入賞装置34は、開放時間(例えば29.5秒)の経過又は所定数(例えば9個)の遊技球が入賞した場合に閉鎖状態に切り替えられる。大当たり状態は、可変入賞装置34が開閉されたことを1ラウンドとして、15ラウンドの開閉が行われるまで継続する。なお、可変入賞装置34の閉鎖状態を、遊技球が入賞できない状態ではなく遊技球が入賞し難い状態としてもよい。
前扉枠13の説明に戻り、前扉枠13にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり状態下や所定のリーチ演出時等において点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14の上部周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した電飾部51が設けられ、電飾部51の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部52が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部52が大当たりランプとして機能し、大当たり状態下で点灯や点滅を行うことにより大当たり状態に移行していることを報知する。また、第1膨出部16にも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部53が設けられている。さらに、前扉枠13には、電飾部51を挟むようにして左右一対のスピーカカバー部54が形成されており、当該スピーカカバー部54の後方に設置されたスピーカ55の出力音がスピーカカバー部54を通じて前方に発せられるようになっている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。図6は遊技盤15の背面図、図7はパチンコ機10の背面図である。なお、理解を容易なものとするため、先ず遊技盤15の背面の構成を説明する。
遊技盤15の背面側には、可変表示ユニット37及び図柄表示装置41を覆うようにして合成樹脂製のフレームカバー61が設けられており、そのフレームカバー61の後端(図6においては手前側)には、図柄表示装置41と前後に重なるようにして表示制御装置62が着脱可能に取り付けられている。また、フレームカバー61には、表示制御装置62を覆うようにしてサブ制御装置ユニット63が取り付けられている。サブ制御装置ユニット63は、取付台64を有し、該取付台64にサブ制御装置65が搭載されている。サブ制御装置65は、後述する主制御装置71からの指令に基づいて、表示制御装置62や電飾部51等の制御を行う。サブ制御装置ユニット63は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤15の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、サブ制御装置ユニット63によって覆われることとなる表示制御装置62等を容易に確認することを可能とするための工夫である。具体的に説明すると、サブ制御装置ユニット63には遊技盤15の背面から見て右端部に支軸部66が設けられ、その支軸部66による軸線を中心にサブ制御装置ユニット63が回動可能となっている。また、サブ制御装置ユニット63には、支軸部66の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部67が設けられており、この締結部67によってサブ制御装置ユニット63が遊技盤15(フレームカバー61)の裏面に沿った状態で保持されるようになっている。
遊技盤15の裏面であって可変表示ユニット37の下方には、集合板ユニット68が設けられている。集合板ユニット68には、各種入賞口に入賞した遊技球やアウト口38を通過した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
入賞検知機構について簡単に説明すると、集合板ユニット68には、遊技盤15表側の一般入賞口33と対応する位置に入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置34と対応する位置にカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは、可変入賞装置34に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口装置35の上側作動口35aと対応する位置には当該上側作動口35aへの遊技球の入賞を検知する上側作動口スイッチが設けられ、下側作動口35bと対応する位置には当該下側作動口35bへの遊技球の入賞を検知する下側作動口スイッチが設けられている。さらに、スルーゲート36と対応する位置にはスルーゲート36の遊技球の通過を検知するゲートスイッチが設けられている。入賞口スイッチ、ゲートスイッチ及びカウントスイッチは、図示しない中継基板を介して後述する主制御装置71に接続されており、上側作動口スイッチと下側作動口スイッチは、中継基板を介することなく直接主制御装置71に接続されている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置71に取り込まれ、該主制御装置71よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置94に送信される。そして、払出制御装置94の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。
集合板ユニット68の裏面には、主制御装置ユニット69が取り付けられている。主制御装置ユニット69は、主制御取付台70を有し、該主制御取付台70に主制御装置71が搭載されている。主制御装置71は、遊技に関わる主たる制御を行う。主制御装置ユニット69は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤15の裏面に対して展開できる構成となっている。具体的に説明すると、主制御装置ユニット69には遊技盤15の背面から見て左端部に支軸部72が設けられ、その支軸部72による軸線を中心に主制御装置ユニット69が回動可能となっている。また、主制御装置ユニット69には、その右端部すなわち支軸部72の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部73が設けられており、この締結部73によって主制御装置ユニット69が遊技盤15(集合板ユニット68)の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
本体枠12には、上述した遊技盤15が裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数の係止固定具によって後方へ脱落しないように固定されている。また、例えば図4等に示すように、本体枠12の開放端側には、施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠76と、その基枠76に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆77とを備え、基枠76の下部にシリンダ錠78が一体化されている。当該施錠装置75は、シリンダ錠78だけが本体枠12の前方に突出するとともにパチンコ機10前面に露出するように、本体枠12に設けられている。シリンダ錠78は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを一方に回すと外枠11に対する本体枠12の施錠が解除され、キーを他方に回すと本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除されるようになっている。本体枠12には、施錠装置75側の下部に、遊技球発射装置30が設けられている。
本体枠12の背面側には、当該本体枠12を覆うようにして裏セット機構81が取り付けられている。裏セット機構81は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12の裏面に対して展開できる構成となっている。具体的に説明すると、裏セット機構81には本体枠12の背面から見て右端部に支軸部82が設けられ、その支軸部82による軸線を中心に裏セット機構81が回動可能となっている。また、裏セット機構81には、支軸部82の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部83が設けられるとともに、本体枠12には、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部が設けられており、これら締結部83及び係止部によって裏セット機構81が本体枠12の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
裏セット機構81には、遊技盤16の背面側を覆うようにして、より具体的には、サブ制御装置ユニット63と主制御装置ユニット69の一部とを覆うようにして、透明樹脂材料にて成形された防護カバー84が設けられている。
また、裏セット機構81には、防護カバー84を迂回するようにして払出機構部85が配設されている。すなわち、裏セット機構81の最上部には上方に開口した貯留タンク86が設けられており、貯留タンク86には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。貯留タンク86の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール87が連結され、タンクレール87の下流側には、上下方向に延びるケースレール88が連結されている。ケースレール88の下流側には、払出装置89が設けられている。払出装置89は、遊技球を下流側に払い出すための払出モータ、払出モータの回転を検出する払出回転センサ、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチ等を有する。当該払出装置89は、払出制御装置94からの払出指令により払出モータを駆動し、必要個数の遊技球の払出を適宜行う。払出装置89より払い出された遊技球は、図示しない払出通路等を通じて上皿17又は下皿26に供給される。払出装置89の下方には、裏セット中継基板90が設けられている。裏セット中継基板90は、払出制御装置94から払出装置89への払出指令信号を中継する機能と、外部より例えば交流24ボルトの主電源を取り込む機能とを有する。裏セット中継基板90には電源スイッチ91が設けられており、当該電源スイッチ91を切替操作することで電源ONと電源OFFとを切り替えることができる。
裏セット機構81には、防護カバー84の下方に電源・発射制御装置92が設けられている。電源・発射制御装置92は、裏セット機構81が本体枠12の裏面に沿った状態で保持された場合に、主制御装置71の下方に位置するように設けられている。電源・発射制御装置92は、各種制御装置等で要する所定の電源を生成して出力するとともに、遊技球発射操作部29が操作された場合に遊技球の打ち出しの制御を行う。また、電源・発射制御装置92には、RAM消去スイッチ93が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。しかしながら、RAM消去スイッチ93を押しながら電源を投入した場合には、RAMデータが初期化されるようになっている。電源・発射制御装置92の背面側には、当該電源・発射制御装置92と前後に重なるようにして払出制御装置94が設けられている。払出制御装置94は、賞球や貸出球を払い出す制御を行う。払出制御装置94の右方には、外部中継ユニット150が設けられている。
ここで、外部中継ユニット150の構成を図7及び図8を用いて説明する。図8(a)は、外部中継ユニット150を開いた状態を示す拡大斜視図、図8(b)は、外部中継ユニット150の拡大断面図である。なお以下では、パチンコ機10の背面(図7参照)を基準として、上下左右等の方向を特定することとする。
外部中継ユニット150は、CRユニット及び払出制御装置94が接続される外部中継端子板151と、当該外部中継端子板151の前面側を覆うカバー部材161と、より構成されている。
外部中継端子板151は縦長矩形状のプリント基板であって、その表面には、図7及び図8(b)に示すように、CRユニットと接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第1ソケット152と、払出制御装置94と接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第2ソケット153と、貸球操作部20と接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第3ソケット154と、の他に、コンデンサ155等が搭載されている。第1ソケット152〜第3ソケット154及びコンデンサ155等の搭載部品は、外部中継端子板151の裏面側において半田付けされることにより、外部中継端子板151と機械的及び電気的に接続されている。より詳しくは、外部中継端子板151には、第1ソケット152〜第3ソケット154及びコンデンサ155等の搭載部品の端子部材を挿通するための挿通孔が形成されており、前記搭載部品は、挿通孔に端子部材が挿通されるとともに、外部中継端子板151の裏面側における端子部材の基端部を含む少なくとも一部が半田付けされることにより、外部中継端子板151と機械的及び電気的に接続されている。また、図8に示すように、外部中継端子板151には、その左端部に、第1ソケット152に沿って長辺方向に延びるとともに前後に貫通する貫通孔156が形成されている。以下では、第1ソケット152と外部中継端子板151を接続する各半田部材及び第1ソケット152の各端子部材を第1固定部157と総称し、第2ソケット153と外部中継端子板151を接続する各半田部材及び第2ソケット153の各端子部材を第2固定部158と総称し、第3ソケット154と外部中継端子板151を接続する各半田部材及び第3ソケット154の各端子部材を第3固定部159と総称し、コンデンサ155と外部中継端子板151を接続する各半田部材及びコンデンサの各端子部材を第4固定部160と総称する。
カバー部材161は、透明な合成樹脂材料によって形成されており、外部中継端子板151のコンデンサ155等を収容するための収容部162を有している。収容部162は、電源・発射制御装置92側に開放された縦長矩形の箱状に形成されており、収容部162の第1ソケット152〜第3ソケット154と対応する位置には、これらソケット152,153,154を挿通するための挿通孔が形成されている(図示略)。カバー部材161には、その右端部に、上下一対の支軸部163が形成されており、その左端上部及び左端下部に、係止爪部164が形成されている。加えて、カバー部材161の上面部中央及び下面部中央には、外部中継端子板151を係止固定するための第2係止爪部165が形成されている。
ここで、外部中継ユニット150の組立作業について説明する。
先ず、第2係止爪部165に外力を加え、当該第2係止爪部165を収容部162外方に撓ませる。そして、かかる状態で外部中継端子板151の各ソケット152,153,154をカバー部材161の挿通孔へ挿通する。その後、第2係止爪部165に加えている外力を解除する。これにより、外部中継端子板151は、収容部162の上面部及び下面部によって上下方向への移動が規制され、収容部162の左面部及び右面部によって左右方向への移動が規制され、収容部162の前面部及び第2係止爪部165によって前後方向への移動が規制され、カバー部材161に固定される。そして、外部中継端子板151は、カバー部材161に装着された場合、外部中継端子板151の後端(すなわち各固定部157〜160の先端)が収容部162の後端(すなわち開放側先端)より前方に位置した状態でカバー部材161に固定されるようになっている。
電源・発射制御装置92の前面右端部には、上下一対の軸受部171が形成されている。外部中継ユニット150は、カバー部材161の支軸部163が軸受部171に挿入されることにより、電源・発射制御装置92に対して回動可能に支持されている。また、電源・発射制御装置92には、カバー部材161の係止爪部164と対応する位置に係止孔172が形成されている。外部中継ユニット150は、カバー部材161の係止爪部164が係止孔172に挿通されることにより、電源・発射制御装置92に沿った状態で、すなわちカバー部材161の後面と電源・発射制御装置92の前面壁部192とが当接した状態で保持されるようになっている。
また、電源・発射制御装置92の前面壁部192には、外部中継ユニット150と対応する位置に、電源・発射制御装置92からほぼ垂直に外部中継端子板151側へと延びる複数のリブ173が一体形成されている。そして、これらリブ173により、第1固定部157を囲う矩形枠状の第1囲い部174と、第2固定部158を囲う矩形枠状の第2囲い部175と、第3固定部159を囲う矩形枠状の第3囲い部176と、第4固定部160を囲う矩形枠状の第4囲い部177と、が形成されている。
上述したとおり、外部中継端子板151は、外部中継端子板151の後端(すなわち各固定部157〜160の先端)が収容部162の開放側端部より前方に位置した状態でカバー部材161に固定されるようになっている。このため、外部中継ユニット150が電源・発射制御装置92に保持されている状態では、カバー部材161内部において、電源・発射制御装置92の前面壁部192と、外部中継端子板151の裏面と、の間に所定の隙間領域が形成されることとなる。しかしながら、第1囲い部174〜第4囲い部177を備えた構成においては、隙間領域をこれら囲い部174,175,176,177によって区画することができる。これにより、隙間領域に不正基板等を設置する不正を防止することが可能となる。また、カバー部材161は透明な合成樹脂材料で形成されており、外部中継端子板151には貫通孔156が形成されている。このため、外部中継ユニット150を電源・発射制御装置92から開放せずとも、貫通孔156を通じて第1ソケット152背面に形成される隙間領域(すなわち第1囲い部174)に不正基板等が設置されていないかを確認することができる。なお、リブ173は、外部中継ユニット150が閉鎖状態で電源・発射制御装置92に保持されている場合、外部中継端子板151と当接する前後寸法とされている。このため、外部中継ユニット150と電源・発射制御装置92の当接面から第1囲い部174等に異物が挿入されることを防止できる。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。図9では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置71に設けられた主制御基板71aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU101が搭載されている。CPU101には、該CPU101により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM102と、そのROM102内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM103と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM103は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置92に設けられた電源・発射制御基板92aからデータ記憶保持用電源(データ記憶保持用電圧)が供給されてデータが保持される構成となっている。詳細には、電源・発射制御基板92aには、データ記憶保持用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからデータ記憶保持用電源が供給される。
主制御基板71aのCPU101には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板71aの入力側には、主制御装置71に設けられた電源監視基板71b、払出制御装置94に設けられた払出制御基板94a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視基板71bには電源・発射制御基板92aが接続されており、主制御基板71aには電源監視基板71bを介して電源が供給される。
一方、主制御基板71aの出力側には、電源監視基板71b、払出制御基板94a及び中継端子板95が接続されている。払出制御基板94aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。かかる場合に、当該各種コマンドは、ハーネスを介して一方向通信によって出力される(すなわち、コマンドを入力した旨の情報が払出制御基板94aから主制御基板71aに対して出力されない)。また、中継端子板95を介して主制御基板71aからサブ制御装置65に設けられたサブ制御基板65aに対して各種コマンドなどが出力される。加えて、主制御基板71aの出力側には、各特定ランプ部43a,43bに配設されたLEDのスイッチや役物ランプ部44に配設されたLEDのスイッチも接続されている。つまり、各特定ランプ部43a,43bと役物ランプ部44は、主制御基板71aにより直接的に制御されている。なお、図示は省略したが、主制御基板71aの出力側には、可変表示ユニット37の役物保留ランプ45,第1保留ランプ46a及び第2保留ランプ46bのそれぞれに配設されたランプスイッチも接続されている。
電源監視基板71bは、主制御基板71aと電源・発射制御基板92aとを中継し、また電源・発射制御基板92aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板94aは、払出装置89を駆動させて賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU111は、そのCPU111により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM112と、ワークメモリ等として使用されるRAM113とを備えている。
払出制御基板94aのRAM113は、主制御基板71aのRAM103と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板92aからデータ記憶保持用電源が供給されてデータを保持できる構成となっている。また、RAM113における各種のカウンタ等が記憶される作業エリアには、コマンド入力フラグ格納エリアなどといった各種フラグ格納エリアと共に、主制御基板71aから出力されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ113aが設けられている。
コマンドバッファ113aは、主制御基板71aから出力されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ113aにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御基板94aのCPU111には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板94aの入力側には、主制御基板71a、電源・発射制御基板92a、裏セット中継基板90及び外部中継端子板151が接続されている。また、払出制御基板94aの出力側には、主制御基板71a、裏セット中継基板90及び外部中継端子板151が接続されている。この場合に、裏セット中継基板90を介して払出装置89などを含む払出機構部85が接続されている。
電源・発射制御基板92aは、演算装置であるCPU121と、そのCPU121により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM122と、ワークメモリ等として使用されるRAM123とを備えており、電源部としての機能と、発射制御部としての機能とを備えている。
電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板71aや払出制御基板94a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部は、裏セット中継基板90を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMのデータ記憶保持用電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びデータ記憶保持用電源を主制御基板71aや払出制御基板94a等に対して供給する。なお、データ記憶保持用電源を生成するとは、データ記憶保持用コンデンサの充電を行うことをいう。
また、電源部には、RAM消去スイッチ回路が設けられている。電源部は、RAM消去スイッチ93のスイッチ信号を読み込み、当該スイッチ93の読み込み状態に応じて、主制御基板71aのRAM103に記憶されたデータをクリアするためのRAM消去信号を出力する。すなわち、RAM消去スイッチ93が押された場合、RAM消去スイッチ回路は主制御基板71aに対してRAM消去信号を出力する。これにより、RAM消去スイッチ93が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御基板71aにおいてRAM103のデータがクリアされる。また、この際、主制御基板71aから払出制御基板94aに対して払出初期化コマンドが出力され、払出制御基板94aにおいてもRAM113のデータがクリアされる。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル29の操作に伴って遊技球発射装置30の発射制御を担うものである。遊技球発射装置30に設けられ、遊技球を遊技領域に向けて発射させる発射ソレノイドは、所定の発射条件が成立している場合に駆動される。発射制御の概略を説明すると、発射制御部には、遊技球発射ハンドル29、より詳しくは遊技球発射ハンドル29に設けられた発射スイッチ、タッチセンサ及び止め打ちスイッチが接続されている。発射制御部は、発射スイッチとタッチセンサが共にオン、止め打ちスイッチがオフの状態となった場合に限り、発射許可信号を主制御基板71a(電源監視基板71bを介して)に出力する。主制御基板71aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期(本実施の形態では0.6秒)の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板71bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイドを駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル29にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイドによる打ち出し速度を決定する。
サブ制御基板65aは、表示制御装置62やスピーカ55、電飾部65の制御を行うものである。サブ制御基板65aは、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUにはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。サブ制御基板65aの入力側には、中継端子板95を介して主制御基板71aが接続されるとともに、選択スイッチ24が接続されている。サブ制御基板65aは、主制御基板71aから出力される各種コマンドや遊技者による選択スイッチ24の操作に基づいて、表示制御装置62に対して各種コマンドを出力するとともに、スピーカ55、電飾部65の駆動制御を行う。表示制御装置62は、サブ制御基板65aから出力される各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示や各保留個数の表示等を制御する。なお、サブ制御基板65aが表示制御装置62を介することなく図柄表示装置41を直接制御する構成としても良いし、主制御基板71aからの各種コマンドが表示制御装置62に直接入力される構成としても良い。或いは、サブ制御装置65及び表示制御装置62に代えて、前記サブ制御装置の機能と前記表示制御装置の機能とを有する制御装置を設ける構成としても良い。
ここで、電源監視基板71bは、上述したように、電源・発射制御基板92aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。より詳しくは、電源監視基板71bは、電源が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、主制御基板71aのCPU101に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)に停電信号SG1を出力する。停電信号SG1が入力された場合、主制御基板71aは、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて後述する停電時処理を実行する。なお、NMI端子とは、割込禁止設定をできない割込端子のことをいう。
また、主制御基板71aは、停電時処理において、払出制御基板94aのCPU111に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込端子)へ停電信号SG2を出力する。停電信号SG2が入力された場合、払出制御基板94aは、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。すなわち、本パチンコ機10の場合、払出制御基板94aは、電源監視基板71bから停電信号が直接入力されるのではなく、主制御基板71aを介して停電信号が入力される。さらにいうと、停電信号SG2は払出制御基板94aのNMI端子に入力される構成であるため、停電信号SG2を伝送するための信号線は、賞球コマンドなどといったコマンド信号を伝送するための信号線とは別個に設けられている。
なお、電源・発射制御基板92aは、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。詳細には、電源及び発射制御基板92aには、上述したデータ記憶保持用コンデンサとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられており、当該コンデンサからの放電により5ボルト電源が維持されるようになっている。このため、主制御基板71aと払出制御基板94aは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
外部中継端子板151をカバー部材161に収容して外部中継ユニット150とした。そして、外部中継端子板151を、カバー部材161に装着された場合、外部中継端子板151の後端が収容部162の後端より前方に位置した状態でカバー部材161に固定される構成とした。かかる構成とすることにより、外部中継端子板151の表面をカバー部材161により保護するとともに、電源・発射制御装置92の前面壁部192と外部中継端子板151の裏面との間に隙間領域を形成することで各半田部材及び各端子部材が前面壁部192等に接触して損傷する機会を低減させることが可能となる。故に、外部中継端子板151の損傷を抑制することが可能となる。
一方、かかる構成においては、外部中継ユニット150が電源・発射制御装置92に保持されている場合、カバー部材161内部において、電源・発射制御装置92の前面壁部192と、外部中継端子板151の裏面と、の間に所定の隙間領域が形成されることとなる。外部中継端子板151には、CRユニット及び払出制御装置94が接続される。このため、例えばCRユニットと接続される第1ソケット152を固定する各半田部材及び各端子部材に不正基板を接触させ、玉貸しボタン21が操作されたと誤認識させる不正信号が前記半田部材及び端子部材から入力されるとともに、遊技球を貸し出したことを示すCRユニットへの出力信号が遮断された場合、カード等の残額が減額されることなく貸出球が払い出されることとなる。これは、パチンコ機10を設置する遊技場等に多大な不利益を被らせることとなる。そこで、前面壁部192には、電源・発射制御装置92からほぼ垂直に外部中継端子板151側へと延びる複数のリブ173を形成し、これらリブ173によって各固定部157〜160を囲う囲い部174〜177を形成した。かかる構成とすることにより、外部中継端子板151の裏面に形成される隙間領域をこれら囲い部174〜177によって区画することができ、隙間領域に不正基板等を設置する不正を防止することが可能となる。
囲い部174〜177を形成するリブ173を電源・発射制御装置92の前面壁部192に設けた。かかる構成とすることにより、カバー部材161と前面壁部192の境界部から不正基板や針金等の不正な異物を隙間領域に向けて挿入された場合であっても、囲い部174〜177より詳しくはリブ173の基端部によって不正な異物の侵入を遮ることが可能となる。故に、上記不正行為を抑制することが可能となる。
リブ173を、外部中継ユニット150が閉鎖状態で電源・発射制御装置92に保持されている場合、外部中継端子板151と当接する前後寸法とした。かかる構成とすることにより、仮にカバー部材161と前面壁部192の境界部から不正基板や針金等の不正な異物を隙間領域に向けて挿入された場合であっても、囲い部174〜177内部に不正な異物が挿入されることを防止することが可能となる。故に、上記不正行為を抑制することが可能となる。
カバー部材161を透明な合成樹脂材料によって形成した。かかる構成とすることにより、外部中継端子板151の表面をカバー部材161により覆う構成とした場合であっても、外部中継端子板151をカバー部材161から取り外すことなく、外部中継端子板151の表面に異常等が発生していないかを確認することが可能となる。また、外部中継端子板151に貫通孔156を形成したため、外部中継ユニット150を電源・発射制御装置92から開放せずとも、貫通孔156を通じて第1ソケット152背面に形成される隙間領域(すなわち第1囲い部174)に不正基板等が設置されていないかを確認することができる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、電源・発射制御装置92の前面壁部192に複数のリブ173を一体形成することで隙間領域を区画し、各囲い部174〜177によって各固定部157〜160を外部中継端子板151のプリント基板面より小さく囲う構成としたが、かかる構成を変更する。図10(a)は、外部中継ユニット250を開いた状態を示す拡大斜視図、図10(b)は、外部中継ユニット250の拡大断面図、図11は、外部中継端子板251の分解斜視図である。なお、上述の第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号を付す又は符号を付さないことでその詳細な説明を省略する。
外部中継ユニット250は、CRユニット及び払出制御装置94が接続される外部中継端子板251と、当該外部中継端子板351の前面側を覆うカバー部材161と、より構成されている。
外部中継端子板251は縦長矩形状のプリント基板であって、その表面には、図11に示すように、CRユニットと接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第1ソケット152と、払出制御装置94と接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第2ソケット153と、貸球操作部20と接続されたケーブルコネクタ(図示略)が接続される第3ソケット154と、の他に、コンデンサ155等が搭載されている。第1ソケット152〜第3ソケット154及びコンデンサ155等の搭載部品は、外部中継端子板251の裏面側において半田付けされることにより、外部中継端子板251と機械的及び電気的に接続されている。また、図11に示すように、外部中継端子板251には、その左端部に、第1ソケット152に沿って長辺方向に延びる貫通孔156が形成されており、貫通孔156の下方に、ネジ等の締結具253を挿通するための挿通孔252が形成されている。
外部中継端子板251の裏面には、第1ソケット152を外部中継端子板251に固定する半田部材及び端子部材254を囲う囲い部材255が取り付けられている。囲い部材255は、縦長平板状の台座部256を有している。台座部256には、半田部材及び端子部材254と対応する位置に、前後に貫通する矩形状の貫通孔部257が形成されており、貫通孔156と対応する位置に、外部中継端子板251側に突出する突条258が形成されている。また、台座部256には、その上部左端に、外部中継端子板251側に延びる略L字状の係止爪部259が形成されており、挿通孔252と対応する位置に、締結具253を固定するための締結孔260が設けられている。台座部256の裏面には、図10(a)に示すように、貫通孔部257周縁から電源・発射制御装置92側にほぼ垂直に延びる囲い部261が一体形成されている。
囲い部材255を外部中継端子板251に装着する場合には、係止爪部259に外力を加え、当該係止爪部259を外方に撓ませる。そして、かかる状態で囲い部材255の突条258を外部中継端子板251の挿通孔252へ挿通し、係止爪部259に加えている外力を解除する。その後、締結具253を、外部中継端子板251の表面側から当該外部中継端子板251の挿通孔252に挿通させるとともに囲い部材255の締結孔260に螺入させる。これにより、囲い部材255が外部中継端子板251に固定される。
電源・発射制御装置92の前面壁部192には、電源・発射制御装置92からほぼ垂直に外部中継端子板251側へと延びる複数のリブ273が一体形成されている。リブ273は、外部中継端子板251の周縁部に沿うように全体として矩形枠状に形成されるとともに、外部中継ユニット250の第2係止爪部165と対応する位置及び外部中継端子板251の締結孔260と対応する位置が切り欠かれた形状となっている。また、リブ273は、外部中継ユニット250が閉鎖状態で電源・発射制御装置92に保持されている場合、外部中継端子板251と当接する前後寸法とされている。電源・発射制御装置92の前面壁部192には、囲い部261と対応する位置に、前後に開口する開口孔部274が形成されている。
外部中継ユニット250が電源・発射制御装置92に保持されている場合、図10(b)に示すように、リブ273の先端面が外部中継端子板251の裏面と当接する。そして、外部中継端子板251に設けられた囲い部261の先端部は、電源・発射制御装置92の開口孔部274内に収容される。
囲い部261を外部中継端子板251側に設けることにより、第1ソケット152を固定する半田部材及び端子部材254の基端から先端までを囲い部261によって囲うことが可能となり、半田部材及び端子部材254に不正基板を接触させることを困難なものとすることが可能となる。
ここで、外部中継端子板251において、第1ソケット152は、パチンコ機10外部(すなわちCRユニット)から遊技者の利益に関わる遊技価値を示す信号(すなわちカード等の残額を示す信号)が入力される端子部材を唯一有しており、他のソケットは、前記遊技価値を示す信号が入力される端子部材を有していない。同様に、第1ソケット152は、パチンコ機が遊技者に利益を付与したことを示す利益行為信号(すなわち貸出球を払い出したことを示す信号)が出力される端子部材を有しており、他のソケットは、前記利益行為信号が出力される端子部材を有していない。つまり、遊技者の利益に関わる信号が入力される端子部材と、遊技者の利益に関わる信号が出力される端子部材と、を共に有する第1ソケット152を囲い部261によって囲うことにより、好適に不正行為を抑制することが可能となる。
電源・発射制御装置92の前面壁部192に開口孔部274を形成し、外部中継ユニット250が電源・発射制御装置92に保持されている場合、外部中継端子板251に設けられた囲い部261の先端部が電源・発射制御装置92の開口孔部274内に収容される構成とした。かかる構成とすることにより、仮にカバー部材161と前面壁部192の境界部から不正基板や針金等の不正な異物を隙間領域に向けて挿入された場合であっても、囲い部261内部に不正な異物が挿入されることを防止することが可能となる。故に、半田部材及び端子部材254に不正基板を接触させて行う不正を抑止することが可能となる。
外部中継端子板151と囲い部材255を固定する締結具253を、外部中継端子板251の表面側から当該外部中継端子板251の挿通孔252に挿通させるとともに囲い部材255の締結孔260に螺入させる構成とした。かかる構成とすることにより、外部中継端子板251がカバー部材161に収容されている場合に、囲い部材255が外部中継端子板251から取り外されることを回避することが可能となる。カバー部材161から外部中継端子板251を取り外さない限りは、締結具253を囲い部材255及び外部中継端子板251から取り外せないからである。故に、不正に囲い部材255が外部中継端子板251から取り外されることを抑制することが可能となる。
(第3の実施の形態)
上記第1の実施の形態では、電源・発射制御装置92の前面壁部192に複数のリブ173を一体形成することで隙間領域を区画し、上記第2の実施の形態では、外部中継端子板251に囲い部材255を取り付けることで隙間領域を区画する構成としたが、かかる構成を変更する。図12(a)は、外部中継ユニット350を開いた状態を示す拡大斜視図、図12(b)は、外部中継ユニット250の拡大断面図である。なお、上述の第1の実施の形態と同様の構成要素については、同一の符号を付す又は符号を付さないことでその詳細な説明を省略する。
外部中継ユニット350は、CRユニット及び払出制御装置94が接続される外部中継端子板351と、当該外部中継端子板351の前面側を覆うカバー部材161と、より構成されている。
外部中継端子板351の構成は、上記第1の実施の形態における外部中継端子板151の構成とほぼ同様であり、その中央左部に第1ソケット152を左右方向において貫通孔156と挟むように円柱状の第2貫通孔352が形成されている点が異なっている。
電源・発射制御装置92の前面壁部192には、外部中継ユニット350と対応する位置に、外部中継端子板351側に膨出する膨出部370が一体形成されている。膨出部370は、前面壁部192からほぼ垂直に外部中継端子板351側に延びる矩形状の脚部370aと、当該脚部370aの先端で外部中継端子板351の裏面と対向する対向部370bと、を有し、全体として電源・発射制御装置92側に開放する箱状に形成されている。脚部370aは、外部中継ユニット350が閉鎖状態で電源・発射制御装置92に保持されている場合、対向部370bが外部中継端子板351と当接する前後寸法とされている。対向部370bは、外部中継端子板351とほぼ同一の上下寸法及び左右寸法とされるとともに、第2係止爪部165と対応する位置に逃げ部371が形成されている。対向部370bには、前後に開口する開口孔部372〜377が複数形成されている。すなわち、第1ソケット152を固定する各半田部材及び各端子部材と対応する位置には、第1開口孔部372が形成されており、第2ソケット153を固定する各半田部材及び各端子部材と対応する位置には、第2開口孔部373が形成されており、第3ソケット154を固定する各半田部材及び各端子部材と対応する位置には、第3開口孔部374が形成されている。また、コンデンサ155等を固定する各半田部材及び各端子部材と対応する位置には、第4開口孔部375,第5開口孔部376及び第6開口孔部377が形成されている。加えて、対向部370bには、外部中継端子板351の貫通孔156及び第2貫通孔352と対応する位置に、突条378及び突起部379が形成されている。
外部中継ユニット350が電源・発射制御装置92に保持されている場合、図12(b)に示すように、外部中継端子板351の裏面が膨出部370の対向部370bと当接するとともに、外部中継端子板351の貫通孔156に突条378が挿入され、外部中継端子板351の第2貫通孔352に突起部379が挿入された状態となる。そして、外部中継端子板351の各半田部材及び各端子部材は、対応する各開口孔部372〜377に収容される。
電源・発射制御装置92の前面壁部192に、外部中継端子板351側に膨出する膨出部370を形成した。かかる構成とすることにより、電源・発射制御装置92の前面壁部192と、外部中継端子板351の裏面と、の間に生じる隙間領域を膨出部370によって埋めることができる。この結果、不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑制することが可能となる。
膨出部370には、各半田部材及び各端子部材と対応する位置に開口孔部372〜377を形成したため、各半田部材及び各端子部材を開口孔部372〜377の内部に収容することができる。また、開口孔部372〜377を前後に開口する形状とすることにより、半田部材及び端子部材と膨出部370が接触することで当該半田部材及び端子部材が損傷することを回避することが可能となる。
(第4の実施の形態)
上記第3の実施の形態では、電源・発射制御装置92の前面壁部192に膨出部370を形成することで隙間領域を埋める構成とするとともに、各半田部材及び各端子部材と対応する位置に開口孔部372〜377を形成する構成としたが、かかる構成を変更する。図13(a)は、外部中継ユニット450を開いた状態を示す拡大斜視図、図13(b)は、外部中継ユニット450の拡大断面図である。なお、外部中継ユニット450の構成については、上記第1の実施の形態における外部中継ユニット150と同一であるため、説明を省略する。また、電源・発射制御装置92の前面壁部192に形成された膨出部470の構成については、上述の第3の実施の形態における膨出部370とほぼ同様であるため、相違点のみを説明する。
本実施の形態における膨出部470には、対向部370bに突条378及び突起部379が形成されていない。また、前後に開口する開口孔部372〜377に代えて、外部中継端子板151の半田部材及び端子部材を個々に収容する収容凹部471が複数形成されている。
かかる構成においては、上記第3の実施の形態において記載した効果に加えて、膨出部470に前後に開口する開口孔部372〜277を有さないため、電源・発射制御装置92内部に異物が挿入されることを防止することができる。また、収容凹部471の大きさが半田部材及び端子部材を個々に収容する大きさであるため、収容凹部471内の余剰スペースを利用して不正がなされることを抑制することが可能となる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1の実施の形態では、電源・発射制御装置92の前面壁部192に複数のリブ173を形成して隙間領域を区画する構成としたが、これに加えて、上記第2の実施の形態において示したように、外部中継端子板151側に半田部材及び端子部材を囲う囲い部材255を設けても良い。
(2)上記第1の実施の形態では、リブ173を、外部中継ユニット150が閉鎖状態で電源・発射制御装置92に保持されている場合に外部中継端子板151と当接する前後寸法としたが、リブ173の先端が各固定部の半田部材先端(端子部材が半田部材より突出する構成においては端子部材先端)より外部中継端子板151側に位置する前後寸法であれば、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することが期待できる。
(3)上記第2の実施の形態では、電源・発射制御装置92の前面壁部192に開口孔部274を設ける構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、囲い部261の先端部を前面壁部192側に収容可能な構成であれば良い。例えば、前面壁部192に囲い部261と対応する溝部を形成し、当該溝部に囲い部261の先端部が収容される構成としても良い。
(4)上記第2の実施の形態では、第1ソケット152を固定する半田部材及び端子部材254を囲う囲い部材255を設ける構成としたが、他のソケット153,154やコンデンサ155等を固定する半田部材及び端子部材を囲う囲い部材を設けても良いことは言うまでもない。さらにいうと、第1ソケット152を固定する半田部材及び端子部材254を囲う囲い部材255を設けるのではなく、遊技者の利益に関わる信号が入力される端子部材と、遊技者の利益に関わる信号が出力される端子部材と、の少なくとも一方を囲い部材によって囲う構成としても良い。
(5)上記第1及び第2の実施の形態では、囲い部174〜177,261を連続した矩形枠状を有する構成としたが、一部が断続した形状を有する構成としても良い。すなわち、上記第2の実施の形態におけるリブ273のように、全体として矩形枠状を有するとともに一部が切り欠かれた形状となっていても良い。また、矩形枠状に限らず、円形状に囲う構成としても良いし、囲う形状は任意である。さらにいうと、半田部材及び端子部材から所定の向きに、当該半田部材及び端子部材への接触又は隙間領域への侵入を規制する規制部材を有する構成においては、囲い部材が前記所定の向きに開放された形状を有する構成としても良い。
(6)上記第3及び第4の実施の形態では、膨出部370,470を電源・発射制御装置92の前面壁部192に一体形成したが、膨出部を別体構成としても良い。かかる構成とした場合には、電源・発射制御装置92内部を閉鎖空間とすることができ、第3の実施の形態において電源・発射制御装置92内部に開口孔部から不正な異物等が挿入されることを防止することが可能となる。
(7)上記各実施の形態では、カバー部材161を透明な合成樹脂材料にて形成する構成としたが、無色透明な合成樹脂材料に限らず有色透明な合成樹脂材料にて形成しても良いことは言うまでもない。
(8)上記各実施の形態では、CRユニット及び払出制御装置94が接続される外部中継端子板151,251,351を例として説明したが、例えば主制御装置71及びホール管理装置が接続される中継端子板に適用しても良い。すなわち、遊技に関わる制御を行う制御装置と、パチンコ機外部の外部装置と、を接続する中継基板に適用すれば、上記各実施の形態において記載した作用効果を奏することが期待できる。また、主制御装置71や払出制御装置94等に収容される制御基板に適用しても良い。
(9)上記各実施の形態では、第1ソケット152〜第3ソケット154及びコンデンサ155等の搭載部品を、外部中継端子板の裏面側において半田付けされることによって外部中継端子板と機械的及び電気的に接続される構成としたが、半田部材に限らず導電性部材によって機械的及び電気的に接続される構成であれば良い。また、導電性部材及び端子部材を合成樹脂等の非導電性部材によって覆う構成としても良い。かかる構成とした場合には、導電性部材及び端子部材に不正基板を接触させて行う不正を防止することが可能となる。このとき、前記非導電性部材として透過性部材を用いれば、導電性部材及び端子部材が損傷していないか等を容易に確認することが可能となり、前記非導電性部材として非透過性部材を用いれば、導電性部材及び端子部材の位置等を特定することが困難なものとなり、不正行為を防止することが可能となる。
(10)上記各実施の形態では、カバー部材161に外部中継端子板151,251,351を収容した外部中継ユニット150,250,350,450を電源・発射制御装置92の前面壁部192に取り付ける構成としたが、カバー部材161に収容することなく直接取り付ける構成としても良い。
(11)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等に適用しても良いことは言うまでもない。例えば、作動口を遊技球が通過したことを契機として第1抽選を行い、この第1抽選に当選すると特別装置が所定の開放状態となり、特別装置の特定領域に遊技球が入ると大当たり発生となるタイプのパチンコ機に適用しても良い。また、遊技者に払い出すべき賞球を仮想遊技媒体として貯留記憶する貯留記憶手段を備えたパチンコ機に適用しても良い。さらには、スロットマシン等の他の遊技機に適用しても良い。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.所定の装置(CRユニット等)と接続される基板(外部中継端子板151,251,351)を備えた遊技機において、
前記基板は、所定面(表面)に前記所定の装置と電気的に接続される被接続部材(第1ソケット152、第2ソケット153、第3ソケット154)を有し、前記所定面と反対側の第2所定面(裏面)に前記被接続部材と前記基板を接続する導電性接続部(半田部材及び端子部材)を有するものであって、
前記基板に、前記所定面から前記第2所定面に貫通する貫通孔(貫通孔156)を形成することにより、前記所定面側から前記第2所定面側を視認可能としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、基板に所定面から第2所定面に貫通する貫通孔が形成されているため、基板が遊技機に取り付けられたままの状態で、第2所定面と基板が取り付けられる取付部との間に形成される所定の隙間領域に不正基板等が設置されていないかを所定面側から確認することが可能となる。この結果、基板と当該基板が取り付けられる取付部との間に形成される領域に対して不正基板等が設置されることを抑制することが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記基板は、遊技に関わる制御を行う制御装置(電源・発射制御装置92、払出制御装置94)と、遊技機外部の外部装置(CRユニット)とを接続する中継基板であって、前記所定面側を覆うとともに前記第2所定面側が開放された収容部材(カバー部材161)に前記中継基板を収容して中継ユニット(外部中継ユニット150,250,350,450)を構成し、前記収容部材には、前記導電性接続部が前記収容部材の開放側先端より前記収容部材の内側に位置するよう、前記中継基板を保持する保持部(第2係止爪部165)を設け、前記中継基板と、前記収容部材の開放側を覆うとともに前記中継ユニットが取り付けられる取付部(前面壁部192)と、の少なくとも一方には、前記導電性接続部を前記中継基板の基板面よりも小さく囲う囲い部(第1囲い部174、第2囲い部175、第3囲い部176、第4囲い部177、囲い部261、第1開口孔部372、第2開口孔部373、第3開口孔部374、第4開口孔部375、第5開口孔部376、第6開口孔部377、収容凹部471)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、中継基板は所定面に被接続部材を有しており、当該所定面が収容部材により覆われている。かかる構成とすることにより、遊技機を設置する遊技場等において被接続部材と外部装置を接続する作業を行う際に、所定面や被接続部材が損傷される機会を低減させることが可能となる。また、収容部材には、中継基板の導電性接続部が収容部材の開放側先端より収容部材の内側に位置するよう、中継基板を保持する保持部が設けられている。かかる構成とすることにより、導電性接続部が取付部等に接触して損傷する機会を低減させることが可能となる。以上の結果、中継基板の損傷を抑制することが可能となる。
しかしながら、中継基板の導電性接続部が収容部材の開放側先端より収容部材の内側に位置するよう保持部を設けた場合には、第2所定面と取付部との間に所定の隙間領域が形成され、当該隙間領域に不正基板等を設置される可能性が考えられる。そこで、本遊技機では、中継基板と取付部との少なくとも一方に、導電性接続部を中継基板の基板面よりも小さく囲う囲い部を設けた。かかる構成とすることにより、前記不正基板等を設置可能な領域を小さく制限するとともに、導電性接続部に向けて不正基板等が挿入されることを規制することが可能となり、不正基板等を設置する不正行為を抑制することが可能となる。
なお、「囲い部」とは、導電性接続部を連続的に囲う形状を有するものに限らず、その一部が断続された形状を有するものも含む。
遊技機3.上記遊技機2において、前記収容部材を透明な合成樹脂材料にて形成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、収容部材は透明な合成樹脂材料にて形成されている。かかる構成とすることにより、被接続部材を有する所定面側を収容部材により覆う構成とした場合であっても、中継基板を収容部材から取り外すことなく、中継基板の所定面に異常等が発生していないかを確認することが可能となる。
遊技機4.上記遊技機2又は遊技機3において、前記囲い部を前記取付部に設けるとともに、前記囲い部を前記取付部から前記中継基板に向けて延びる形状としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、取付部から中継基板に向けて延びる囲い部が取付部に設けられている。かかる構成においては、収容部材と取付部の境界部から不正な異物等を導電性接続部に向けて挿入された場合であっても、囲い部によって形成される領域への不正な異物等の侵入を囲い部の基端部によって遮ることが可能となる。故に、上記不正行為を抑制することが可能となる。
遊技機5.上記遊技機4において、前記囲い部は、前記中継ユニットが前記取付部に取り付けられている場合、前記囲い部の先端が前記導電性接続部の先端より前記中継基板側に位置することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、中継ユニットが取付部に取り付けられている場合、囲い部の先端が導電性接続部の先端より中継基板側に位置している。かかる構成においては、囲い部によって形成される領域の外方から不正な異物等を導電性接続部に向けて挿入された場合に、囲い部自身によって又は囲い部と導電性接続部によって侵入を遮ることが可能となる。故に、上記不正行為を抑制することが可能となる。
遊技機6.上記遊技機4又は遊技機5において、前記囲い部を前記中継基板に設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、囲い部を中継基板にも設けることにより、囲い部によって形成される領域の外方から不正な異物等を導電性接続部に向けて挿入することをより困難なものとすることが可能となる。
遊技機7.上記遊技機2又は遊技機3において、前記囲い部を前記中継基板に設け、前記取付部には、前記囲い部の先端部を収容可能な収容部(開口孔部274)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、囲い部は中継基板に設けられており、取付部には、囲い部の先端部を収容可能な収容部が設けられている。囲い部を中継基板に設けることにより、導電性接続部に不正基板を接触させて行われる不正を困難なものとすることが可能となる。また、囲い部の先端部が取付部の収容部に収容される構成とすることにより、囲い部によって形成される領域の外方から不正な異物等を導電性接続部に向けて挿入することを困難なものとすることが可能となる。
遊技機8.上記遊技機7において、前記囲い部は、基端から先端までの長さが前記導電性接続部の基端から先端までの長さより長いことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、囲い部の基端から先端までの長さを導電性接続部の基端から先端までの長さより長くすることにより、取付部と中継基板の第2所定面との距離を長く確保することが可能となり、中継基板の第2所定面側の損傷を抑制することが可能となる。
遊技機9.上記遊技機7又は遊技機8において、前記囲い部と前記中継基板を連結する連結部材(締結具253)を備え、前記囲い部及び前記中継基板は、前記囲い部が前記中継基板に連結された場合に互いに連通する連通孔部(挿通孔252、締結孔260)を有し、前記囲い部を、前記連結部材が前記中継基板の前記所定面側から前記連通孔部に挿入されることによって前記中継基板に連結される構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、囲い部と中継基板は連結部材により連結されており、連結部材は、中継基板の所定面側から連通孔部に挿入されている。かかる構成とすることにより、中継基板が収容部材に収容されている場合に、連結部材が囲い部及び中継基板から取り外されることを収容部材によって規制することができる。故に、不正に囲い部が中継基板から取り外されることを抑制することが可能となる。
遊技機10.上記遊技機2又は遊技機3において、前記取付部に前記中継基板側に膨出する膨出部(膨出部370,470)を形成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、取付部に中継基板側に膨出する膨出部が形成されており、当該膨出部に囲い部が形成されている。かかる構成とすることにより、中継基板と取付部の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑制することが可能となる。
遊技機11.上記遊技機10において、前記膨出部を、前記中継基板の前記第2所定面と対向する対向面部が前記第2所定面と近接するよう、前記取付部に形成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、膨出部は対向面部が中継基板の第2所定面と近接するように形成されている。かかる構成とすることにより、第2所定面と取付部との間に形成される所定の隙間領域を膨出部によって埋めることが可能となる。
遊技機12.上記遊技機11において、前記膨出部に、前記囲い部として前記導電性接続部を収容する収容部を形成したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、膨出部に導電性接続部を収容するための収容部が形成されているため、不正行為を抑制しつつ、膨出部と導電性接続部が接触することで当該導電性接続部が損傷することを回避することが可能となる。
遊技機13.上記遊技機12において、前記収容部は前記導電性接続部を1つのみ収容可能な大きさであることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、収容部の大きさが導電性接続部を1つのみ収容可能な大きさであるため、収容部内の余剰領域を利用して不正がなされることを抑制することが可能となる。
遊技機14.上記遊技機12において、前記収容部は前記導電性収容部を個々に収容可能であることを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、収容部が導電性接続部を個々に収容可能であるため、収容部内の余剰領域を利用して不正がなされることを抑制することが可能となる。