以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2,3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。外枠11を合成樹脂やアルミニウム等の金属によって構成することも可能である。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。本体枠12は合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されている。本体枠12をアルミニウム等の金属によって構成してもよい。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
本体枠12の前面側の下部位置には前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成する奥壁パネル17とを備えている。ベース部15は本体枠12に対してネジ等の締結部材により固定されていることから、ベース部15が本体枠12に対する取付部を構成している。ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。奥壁パネル17には球排出口17aが設けられており、球排出口17aより排出された遊技球が下皿16内に貯留されるようになっている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。球抜きレバー19が操作されると、下皿16の底面に設けられた球抜き穴を介して下皿16内の貯留球が下方に排出される。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aの左方に灰皿21が設けられている。灰皿21は、内部に溜まった吸い殻等を除去しやすいように手前側下方に反転可能に取り付けられており、その右側面と背面とでベース部15に対面している。具体的な図示は省略するが、灰皿21の右側面には当該灰皿21を回動可能な状態で片持ち支持するための支軸が設けられ、同背面には灰皿21が図示のように上方に開口した位置でベース部15に係止される係止部が設けられている。前面板14はその大部分が本体枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。なお、前扉枠13は前面板14と同様、ABS樹脂にて成形されている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。なお、上皿23も下皿16等と同様、難燃性のABS樹脂にて構成することが可能である。
図3に示すように、本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を主体に構成されており、樹脂ベース25の中央部には略円形状の窓孔26が形成されている。樹脂ベース25の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。図4に示すように、遊技盤30は略四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース25の裏側に当接した状態で取着されている。すなわち、遊技盤30はパチンコ機10後方より取り付けられ、遊技盤30の前面部の略中央部分だけが樹脂ベース25の窓孔26を通じて本体枠12の前面側に露出した状態となっている。
次に、遊技盤30の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤30には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それが後述する検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によっては下皿16)に対し所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
遊技盤30の左右両側部には、組付相手である本体枠12の左右両側からの張出領域との干渉を回避するように凹部としての切欠38が複数箇所に形成されている。
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
第1図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、液晶ディスプレイ以外に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32内の継続入賞口への入賞を条件として次ラウンドへの移行条件成立とし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品にて構成されており、より具体的には、摩擦抵抗を低減するべくフッ素配合のポリカーボネート樹脂が用いられている。レールユニット50は、内外二重に設けられた内レール部51と外レール部52とを有する。内レール部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール部52は内レール部51の上方開放領域を囲むようにかつ内レール部51の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。
内レール部51は、他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられている。また、外レール部52は、内レール部51と同様に他の樹脂部分と一体成型され、遊技盤30の面上にほぼ垂直に起立して設けられた支持部52aを有し、その支持部52aの内側面に、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするための摺動プレート52bが取り付けられている。摺動プレート52bは、長尺状をなすステンレス製の金属帯よりなり、複数箇所で支持部52aに支持されている。かかる場合、内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、これら各レール部51,52が所定間隔を隔てて対向する部分により球案内通路が形成されている。なお、内外のレール部51,52が対向する部位では、遊技盤30との当接部53により各レール部51,52が連結されており、球案内通路は手前側に開放した溝状に形成されている。
レールユニット50において、前記球案内通路より遊技球が飛び出す部位(図4の左上部)には戻り球防止部材54が取着され、該飛び出した遊技球の最大飛翔部分に対応する部位(図4の右上部)には返しゴム55が取着されている。戻り球防止部材54により、一旦球案内通路から遊技盤30の上部へと飛び出した遊技球が球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、所定以上の勢いで発射された遊技球は返しゴム55に当たり、遊技領域の中央寄りに跳ね返されるようになっている。
レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされる。ここで、レールユニット50の上下及び左右の各端部は略直線状に形成されている。つまり、レールユニット50の上下及び左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。レールユニット50は、遊技盤30上の遊技領域の最大幅となる位置が遊技盤30の左右端位置に至るように配設されている。なお、レールユニット50の球案内通路に対応する部位のなかでも特に遊技球の受け入れ部位に関しては、当該レールユニット50を強固に取り付けて遊技球の飛びを安定させるべく、該当するフランジ56が他よりも多い箇所(本実施の形態では3カ所、他は2カ所)でネジ止めされている。
内レール部51及び外レール部52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。凸部57は、内レール部51の外周部から下方へ延びるように形成され、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路76(図3参照)に導く機能を有する。
遊技盤30においてレールユニット50よりも外方の左上部には、前後に貫通した中継端子孔59が設けられており、この中継端子孔59を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60がパチンコ機10前面側に露出されるようになっている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース25において、窓孔26(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース25に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後球案内通路を通じて遊技領域に案内される。発射レール61と球案内通路との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路76が設けられている。従って、仮に遊技球発射装置から発射された遊技球が戻り球防止部材54まで至らずファール球として球案内通路内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路76を介して下皿16に排出される。
ファール球が球案内通路内を逆流してくる際、その多くは外レール部52に沿って流れ、外レール部52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は球案内通路内で暴れ、内レール部51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路76に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路76に確実に案内され、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
本体枠12の前面において発射レール61の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。これら排出口66,67は、本体枠12の背面に設けられた遊技球分配部245(図10参照)に通じており、基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70は、ポリカーボネート樹脂等の透明な樹脂材料により内部を視認可能に構成され、本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した状態で本体枠12と前扉枠13との間に収まるよう厚みが比較的薄くなるように形成されている。遊技球案内ユニット70には、前述のファール球通路76が一体的に形成されている。遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋138(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25には、窓孔26の左上部に小窓79が設けられている。この小窓79は、図4で説明した遊技盤30の中継端子孔59に対応する位置にそれとほぼ同一の形状で設けられ、中継端子孔59及び小窓79を通じて、遊技盤裏面に設置した中継端子板の接続コネクタ60が本体枠12の前面側に露出される。かかる構成において、前扉枠13側に設けた各種ランプに対しては、本体枠12(樹脂ベース25)の小窓79より露出した接続コネクタ60を介して電気的な接続がなされている。樹脂ベース25の上部には、前扉枠13の開放の状態を検出するための前扉枠開放スイッチ27が設けられている。前扉枠開放スイッチ27は、樹脂ベース25の前面に出没可能なピンを有しており、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた状態ではピンが押し込まれて前扉枠13の閉鎖が検知され、本体枠12に対して前扉枠13を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉枠13の開放が検知されるようになっている。樹脂ベース25の左右2カ所には、本体枠12に対して前扉枠13を閉じた際に前扉枠13背面の金具類(図5に示す補強板131〜134)に接触し、且つその金具類を本体枠12側に導通させてアース(接地)するための金属片28a,28bが取り付けられている。従って、金属片28a,28bを通じて、前扉枠13背面の金具類が本体枠12側の施錠装置やヒンジ金具に導通され、これら施錠装置やヒンジ金具と共にアースされる。
本体枠12の左端側(開閉軸線側)には、前扉枠13を開閉可能に支持するための支持機構として、上下一対の支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には上方へ突出する突起軸84が設けられている。なお、支持金具81,82に支持される前扉枠13の具体的構成については後述する。また、本体枠12の右端側(開閉軸線とは反対側)には、前扉枠13裏面側の開放端側に設けた上下一対の鉤金具155,156(図2参照)を挿入するための挿入孔87,88がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠12や前扉枠13を施錠状態とするための施錠装置が本体枠12の裏面側に隠れて配置される構成となっている。従って、鉤金具155,156が挿入孔87,88を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠13が本体枠12に対して開放不能に施錠される。
本体枠12の右下隅部には、外枠11に対する本体枠12の施錠及び解錠、並びに本体枠12に対する前扉枠13の施錠及び解錠を行うための鍵部材としてのシリンダ錠91が設置されている。シリンダ錠91は施錠装置に一体化されており、施錠装置のうちシリンダ錠91だけが本体枠12の前方に突出した状態で設けられている。この場合、シリンダ錠91は、遊技領域の最大幅となる位置とは異なる位置に設けられている。シリンダ錠91は、本体枠12の施解錠と前扉枠13の施解錠とを共に賄う機能を有しており、鍵穴に差し込んだキーを左(反時計回り方向)に回すと本体枠12の施錠が解かれ、逆にキーを右(時計回り方向)に回すと前扉枠13の施錠が解かれるようになっている。
図2に示すように、本体枠12には、シリンダ錠91を囲むようにして縦長状のカバー部材92が取り付けられている。詳細な図示は省略するが、カバー部材92には、その上端部及び下端部に係止部(フック)が形成されている。従って、上側の係止部を本体枠12側に係止させると共に、下側の係止部を本体枠12と前面板14との間に挟み込むことにより、カバー部材92が本体枠12に取り付けられる。前扉枠13には、カバー部材92の形状に合わせて切欠部145が形成されており、前扉枠13を閉鎖した状態ではこの前扉枠13と共にカバー部材92がパチンコ機前面部を構成する。なお、前扉枠13を閉鎖したとき、カバー部材92に形成された鍔部が前扉枠13により押さえられ、カバー部材92のがたつきが防止されるようになっている。
次に、前扉枠13について図1,図5を参照しつつ説明する。なお、図5は、前扉枠13の背面図である。
前扉枠13には、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした視認窓としての窓部101が形成されている。窓部101は円形に近い略楕円形状をなし、より詳しくは、その左右側の略中央部が上下側に比べて緩やかに湾曲した形状となっている。
前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部101の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部101の下方位置に貸球操作部120が配設されている。貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部120によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部120が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部120の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部120を設けた本パチンコ機10の構成において、カードユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
前扉枠13の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前扉枠13の裏側にあって窓部101の左右及び上下の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。これにより、補強板131〜134による電気経路の閉じたループが切断され、ノイズの原因となる磁界の発生等が防止されている。
図5の右側となる開閉軸線側の補強板131にはその上端部及び下端部に、本体枠12に対する組付機構として、組付金具151,152が取り付けられている。そして、本体枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前扉枠13側の組付金具151,152が取り付けられている。すなわち、下側の組付金具152には下面に開口する軸穴が形成されており、その軸穴に下側の支持金具82の突起軸84が挿入される一方、上側の組付金具151の軸部が上側の支持金具81の支持孔83に挿入されることにより、本体枠12に対して前扉枠13が開閉可能に支持されている。また、同補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前扉枠13を閉じた状態で本体枠12の孔部12a(図3参照)に挿入されるように構成されている。これにより、上皿23を含む形態で前扉枠13を構成し、その上下の軸支間隔を長くした本パチンコ機10においても、中間位置における前扉枠13の浮き上がりが防止できる。それ故、前扉枠13を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
図5の左側となる開閉軸線とは反対側の補強板132には鉤形状をなす上下一対の鉤金具155,156が取り付けられている。これら鉤金具155,156は、後方に延び、本体枠12に設けた挿入孔87,88(図3参照)に対応するようにして設けられている。本体枠12に対して前扉枠13を閉鎖した際、鉤金具155,156が本体枠12側の挿入孔87,88に挿入されて施錠装置により施錠状態とされるようになっている。
下側の補強板134には、前記発射レール61に対向する位置に樹脂ケース136が取り付けられている。樹脂ケース136には、前記貸球操作部120用の回路基板が収容されている。樹脂ケース136の背面(図5に見える面)は平坦状をなし、前扉枠13を閉じた際に発射レール61の側壁を構成するようになっている。故に、発射レール61から遊技球が前方にこぼれ落ちることが防止される。
下側の補強板134の一部を切り欠いた部位には、パチンコ機10後方に向けて球通路樋138が設置されており、球通路樋138の少なくとも上方には、同じくパチンコ機10後方に向けて延びる庇(ひさし)部139が設けられている。この場合、本体枠12側に前扉枠13を閉じた状態では、球通路樋138と庇部139との間に、本体枠12側の連通口72上辺に沿って延びる突条が入り込むようにして配置される。故に、球通路樋138より針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の内側が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。ガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。
前扉枠13には、球案内通路の手前側開放部を被覆するためのレールカバー140が取り付けられている。レールカバー140は略円弧状をなす板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記球案内通路の形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、球案内通路の基端部から先端部近傍までの区間を覆うようになっている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール部51のそれにほぼ一致する。また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前扉枠13に取着した図5の状態で右端となる部位)には、球案内通路がガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。以上のレールカバー140の構成により、前扉枠13が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が球案内通路のほぼ全域を覆うこととなって、遊技球が球案内通路外に飛び出したり、外レール部52とガラス137との間にできる隙間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
また、レールカバー140の下部裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ後方へ向けて突出する突条142が形成されている。突条142は、前扉枠13が閉じられた状態において、球案内通路内に入り込んだ状態で内レール部51に重なり合うように配置される。従って、例えば前扉枠13と本体枠12との隙間から針金やフィルム等を侵入させて不正行為を行おうとしても、球案内通路の内側にある遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金やフィルム等を侵入させにくくなり、針金やフィルム等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、図6はパチンコ機10の背面図、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10の背面側には、各種制御装置(各種制御基板)が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されるとともに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御装置を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に本体枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主制御装置271(主基板)と音声ランプ制御装置272(音声ランプ制御基板)とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御装置311(払出制御基板)、発射制御装置312(発射制御基板)及び電源装置313(電源基板)を他方の取付台に搭載してユニット化している。以下においては、便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化され、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて本体枠12又は遊技盤30の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置された場合に隠れた部位を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。実際には、図8の概略図に示すように、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重複する領域に、裏パックユニット203が配置されている。
第1制御基板ユニット201にはパチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に第1制御基板ユニット201が回動可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部すなわち支軸部M1の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。また、第2制御基板ユニット202にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に第2制御基板ユニット202が回動可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部すなわち支軸部M4の反対側となる開放端側に、ナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。さらに、裏パックユニット203にはパチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に裏パックユニット203が回動可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部すなわち支軸部M6の反対側となる開放端側にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられるとともに、上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
各ユニット201〜203を回動可能に支持する支軸部M1,M4,M6は、各ユニット201〜203をパチンコ機10の裏面から開いた状態で容易に取り外し可能なヒンジ構造となっている。簡単に説明すると、第1制御基板ユニット201については、締結部M2の締結及び係止爪部M3の係止を解除すると共に、当該ユニット201を軸線Aを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203がない前提であれば、第1制御基板ユニット201を取り外すことができる。また、第2制御基板ユニット202については、締結部M5の締結を解除すると共に、当該ユニット202を軸線Bを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、第2制御基板ユニット202を取り外すことができる。さらに、裏パックユニット203については、締結部M7の締結及び係止部M8,M9の係止を解除すると共に、当該ユニット203を軸線Cを中心に回動させて展開し、その状態で持ち上げる。これにより、裏パックユニット203を取り外すことができる。
ここで、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。この場合、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203に一部重複して設けられるため、裏パックユニット203を開かないことには第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能であり、さらに言うと、第1制御基板ユニット201及び裏パックユニット203が各々逆方向に展開する構成であるため、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ第1制御基板ユニット201を取り外すことが不可能である。従って、第1制御基板ユニット201を取り外すことに着目すると、他のユニット202,203に比べて取り外しが困難な構成となっている。さらに、施錠装置をキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっているため、より一層第1制御基板ユニット201の取り外しが困難なものとなっている。より具体的な構成については後述する。
次に、本体枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。なお、図9は本体枠12に遊技盤30を組み付けた状態でかつ前記各ユニット201〜203等を取り外した状態の構成を示す背面図、図10は本体枠12を後方より見た斜視図、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。
遊技盤30は、樹脂ベース25に囲まれた四角枠状の設置領域に裏面側より設置され、本体枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって後方へ脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動操作することができ、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とに切り換えることができるよう構成されている。図9にはロック状態を示す。左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で本体枠12の外方へ張り出さないよう構成されている。なお、下部1カ所の係止固定具212は合成樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央に配置される可変表示ユニット35には、センターフレーム43(図4参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置214とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム43に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
遊技盤30の裏面には、可変表示ユニット35を取り囲むようにして集合板ユニット215が設けられている。集合板ユニット215は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤30の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット215には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット215の下方には、前記一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33の遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、本体枠12にポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製の排出通路盤217が取り付けられており、排出通路盤217には排出球をパチンコ機10外部の例えば遊技ホールの島設備等へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも集合板ユニット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に集合板ユニット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複していない。従って、遊技盤30を本体枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機10前面の上皿23の裏側に配置されており、上皿23に至る球排出口(図2の球通路樋138)より針金やフィルム等を差し込み、さらにその針金やフィルム等を本体枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで、本パチンコ機10では、図10に示すように、排出通路盤217には、球通路樋138の上部位置に対応する高さ位置に、本体枠12に重なり合うようにしてパチンコ機10前方に延びるプレート219を設けた。従って、本体枠12と排出通路盤217との隙間から針金やフィルム等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金やフィルム等を侵入させることが非常に困難となる。その結果、針金やフィルム等を利用して可変入賞装置32を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット215には、遊技盤30表側の一般入賞口31と対応する位置に入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32と対応する位置に特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり中に可変入賞装置32へ入賞した遊技球が特定領域に入ったことを判定するスイッチである。特定領域とはラウンドの更新可否を判定するための領域であり、Vゾーンとも称されている。カウントスイッチ223は、可変入賞装置32に入賞した遊技球の数をカウントするスイッチである。また、作動口33に対応する位置には作動口33への遊技球の入賞を検知する作動口スイッチ224が設けられ、スルーゲート34に対応する位置にはスルーゲート34の遊技球の通過を検知するゲートスイッチ225が設けられている。入賞口スイッチ221及びゲートスイッチ225は電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続されている。そして、盤面中継基板226及び大入賞口中継基板227が主制御装置271に接続されている。作動口スイッチ224は中継基板を介さずに直接主制御装置271に接続されている。その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口の開閉扉を開放するための大入賞口ソレノイドと、入賞球を特定領域かその他の領域に振り分けるための振分板を駆動する入賞球振分板ソレノイドとが設けられ、作動口33には、それに付随する電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞検知機構にて各々検出された検出結果は主制御装置271に取り込まれ、該主制御装置271よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311の出力により所定数の遊技球の払出が実行されるようになっている。ここで、従来のいわゆる証拠球方式では、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行うようにしていたが、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に検知して払出が直ちに行われるようにしているため、払い出す遊技球が多量にあってもその払出をいち早く実施することが可能となるとともに、入賞球処理装置が不要となる。
集合板ユニット215には、その右上部に盤用外部端子板230が設けられている。盤用外部端子板230には、第1図柄の変動が停止(確定)する毎に信号出力するための出力端子と、大当たり中又は第1図柄の変動時間短縮中に信号出力するための出力端子と、大当たり中に信号出力するための出力端子とが設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して遊技(遊技盤30側の状態)に関する信号が出力される。盤用外部端子板230は、取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられている。なお、図9に示すように、本体枠12裏側の左下部には、打球槌等を備えるセットハンドル228及び発射モータ229が設けられている。
集合板ユニット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる軸受け金具231が設けられ、この軸受け金具231には同一軸線上に上下一対の軸受け孔231aが形成されている。また、遊技盤30において、軸受け金具231の右方には上下一対の被締結孔(具体的にはナイラッチの取付孔)232が設けられ、軸受け金具231の上方には係止爪片233が設けられている。
本体枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、本体枠12にはその右端部に長尺状の軸受け金具235が取り付けられている。この軸受け金具235は補強部材としても機能する。図12に示すように、軸受け金具235は遊技盤30よりも下方へ延びる長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より後方へ起立させるようにして、下部2カ所に第2制御基板ユニット202用の軸受け部237が形成されると共に、上部2カ所に裏パックユニット203用の軸受け部238が形成されている。これら軸受け部237,238にはそれぞれ同軸の軸受け孔が形成されている。なお、第2制御基板ユニット202用の軸受け部237と裏パックユニット203用の軸受け部238とを各々個別の軸受け金具で構成することも可能である。その他、第2制御基板ユニット202用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)239が設けられている。また、裏パックユニット203用の取付機構として、本体枠12には、遊技盤30設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(具体的には、ナイラッチの取付孔)240が設けられている。本体枠12において遊技盤30の左上方、右寄り上方及び右寄り下方の各位置には、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具241,242,243がそれぞれ設けられている。なお、裏パックユニット203は、その上部に大量の遊技球を貯留することから、裏パックユニット203の上部を支持するための固定具241,242に関しては特に十分な強度を持つ構成とするのが望ましく、本実施の形態では回動式の固定具を用いている。
上記の如く本体枠12の左右一側部(図9では右側部)には長尺状の軸受け金具235が設けられる一方、本体枠12の左右他側部(図9では左側部)には施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び本体枠12に固定された基枠247と、その基枠247に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆248とを備え、基枠247の下部に前記シリンダ錠91が一体化されている。連動杆248は、シリンダ錠91の操作により上下いずれかの方向に移動する。連動杆248には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具249が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉鎖した際には、鉤金具249が外枠11側の支持金具(図示略)に係止され、施錠装置により施錠状態とされるようになっている。この場合、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が上方向に移動すると、外枠11に対する本体枠12の施錠が解除される。逆に、シリンダ錠91の操作によって連動杆248が下方向に移動すると、本体枠12に対する前扉枠13の施錠が解除される。
なお、本体枠12の左右側部に軸受け金具235と施錠装置(基枠247、連動杆248等)とが振り分けられる上記構成において、これら軸受け金具235及び施錠装置(基枠247、連動杆248等)を配置するための領域を残した幅となるようにして、本体枠12に前記遊技盤30が取り付けられている。これによっても遊技領域の拡張が図られていることは前述した通りである。
本体枠12の背面における遊技盤30の右下部には、後述する払出機構より払い出される遊技球を上皿23、下皿16又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。遊技球分配部245は、左側の開口部245aが第1排出口66を介して上皿23に通じ、中央の開口部245bが第2排出口67を介して下皿16に通じ、右側の開口部245cが排出通路218に通じるように、各通路が形成されている。遊技球分配部245は、本体枠12に対してネジ等により強固に取り付けられている。従って、遊技球分配部245の設置部位における浮き上がりが防止され、隙間から針金やフィルム等を侵入させることによる不正行為が防止できるようになっている。なお、本体枠12の下端部には、奥壁パネル17の裏側に設置されたスピーカ20の背後を囲むための合成樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、スピーカボックス246がスピーカ音を後方へ逃さないように機能することで低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201の構成を図13〜図21に基づいて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の背面図、図15,図16は同ユニット201の斜視図、図17は同ユニット201の分解斜視図である。また、第1制御基板ユニット201を構成する各部材のうち、主制御装置271の構成を図18に、取付台251の構成を図19に、スペーサ部材285の構成を図20に、それぞれ示す。図21は遊技盤30の裏面に第1制御基板ユニット201を取り付けた状態の正面図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす台座部材としての取付台251を有し、取付台251に主制御装置271と音声ランプ制御装置272とが搭載されている。主制御装置271は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス273に収容されて構成されている。基板ボックス273は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニット274によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス273が封印されている。
封印ユニット274はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図18等に示すように、5つの封印部材が並べて設けられた構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット274による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット274を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス273を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。これにより、基板ボックス273のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス273の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス273に残しておけば、基板ボックス273を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、基板ボックス273において、封印ユニット274と反対側の短辺部には、その封印ユニット274とは別に基板ボックス273を封印するための封印部275が上下2カ所に設けられている。この封印部275は、本パチンコ機10が工場で製造された後、遊技ホール等まで搬送されるまでの不正行為を抑止するための搬送用封印部であり、パチンコ機10の工場出荷時に同封印部275に対する封印処理が施される。そして、同パチンコ機10のホール搬送後において主制御装置271の検査確認等の目的で封印部275の封印が解除され基板ボックス273が開放された場合には、再度使われることはなくそのまま放置される。遊技ホールでの設置後は、前述の封印ユニット274で封印処理が行われることによって基板ボックス273の不正な開封が防止される。
基板ボックス273の上端部には、上方に突出するようにして複数(本実施の形態では4つ)の結合片276が設けられている。結合片276は、連結部276aによって基板ボックス273のボックスベース(又はボックスカバー)に連結されており、後述するように結合片276を封印部(カシメ部)として用いる場合において、連結部276aが破断用工具により破断可能となっている。
図18の(b)に示すように、基板ボックス273の背面部は平坦面となっており、その背面部には、円柱状の突起277が1カ所に設けられるとともに、左右2カ所に締結部材としての回動操作式の係止具278が設けられている。突起277は、複数種類存在する主制御装置271ごとに個別の特定位置(例えば、5つの規定ポジションのうちいずれか)に形成されている。また、係止具278は、基板ボックス273の裏面に立設された支軸278aにより回動可能となっており、該係止具278は90度の角度範囲内で回動となっている。この場合、係止具278は、横一文字状となる位置と縦一文字状となる位置との間で回動される。
音声ランプ制御装置272は、例えば主制御装置271又は表示制御装置214からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス281に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置272上には電源中継基板282が搭載されており、電源装置313の電源が電源中継基板282を介して表示制御装置214及び音声ランプ制御装置272に供給されるようになっている。主制御装置271の基板ボックス273及び音声ランプ制御装置272の基板ボックス281は何れもケース部材に相当する。
また、図19において、取付台251はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、全体に無色透明となっている。ただし、取付台251は緑や青等に着色されて不透明又は半透明であっても良い。取付台251には平坦板状をなす2つの基板装着部252,253が設けられている。これら基板装着部252,253は縦横に直交する向きに延び、パチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されている。具体的には、一方の基板装着部252は左右方向に延びる略長方形状の平板部よりなり、他方の基板装着部253は上下方向に延びる略長方形状の平板部よりなる。また、基板装着部252,253は、取付台251の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機後方に向く側)が基板搭載面252a,253aとなっており、それら基板搭載面252a,253aには、取付台251の表側から見て基板装着部252の基板搭載面252aが手前側となるようにして20〜30mm程度の段差が設けられている。
基板装着部252には、その下端部に基板搭載面252a側に起立した起立部254が形成されるとともに、その上端部に複数(本実施の形態では4つ)の被結合片255が形成されている。また、基板装着部252には、複数(本実施の形態では5つ)の位置合わせ孔256が横並びに形成されるとともに、左右2カ所に横長形状の貫通孔257が形成されている。
位置合わせ孔256はそれぞれ切除可能な切除片を有する孔部となっており、都度使用される主制御装置271に応じて複数の位置合わせ孔256のうち1つの切除片が打ち抜かれ開放される。本構成によれば、基板装着部252に本来装着されるべき主制御装置271を装着しようとする場合には、同主制御装置271の基板ボックス背面に設けた突起277の位置と、開放された位置合わせ孔256の位置とが一致し、主制御装置271が支障なく装着できる。これに対し、基板装着部252に間違った主制御装置271を装着しようとする場合には、同主制御装置271の突起277の位置と、開放された位置合わせ孔256の位置とが不一致となり、主制御装置271の装着が不可となっている。これにより、基板装着部252に装着されるべき主制御装置271の組み付け間違いが防止されるようになっている。例えば、パチンコ機10の機種が相違する場合や、同一機種であっても型式等が異なる場合において、それら機種や型式ごとに主制御装置271の突起277の位置を換えるようにしておけば、機種ごと或いは型式ごとの組み付け間違いが防止できる。
主制御装置271を基板装着部252に搭載する際には、横長となる向きに主制御装置271が配置される。このとき、主制御装置271の下辺側を起立部254上に載せた状態で、基板装着部252の左右の貫通孔257に係止具278を挿通させるとともに、位置合わせ孔256(複数の同孔のうち開放された孔)に突起277を挿通させるようにして主制御装置271を基板装着部252上に装着する。そして、基板装着部252の背後にて係止具278を90度回動させてロック位置に操作する。この係止具278の回動操作によって、基板装着部252上にて取り外し不能に主制御装置271が装着できる。この場合、第1制御基板ユニット201の裏面側から再び係止具278を回動操作してアンロック位置に戻さなければ(ロック解除しなければ)、主制御装置271を取り外すことができないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
また、基板装着部252上に主制御装置271を装着した状態では、主制御装置271の結合片276と取付台251側の被結合片255とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片276及び被結合片255のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置271と取付台251との間で封印処理が施される。結合片276及び被結合片255にはそれぞれ、封印ネジのネジ部よりも小径の貫通孔が形成されており、封印ネジがねじ込まれる際には、当該封印ネジによりねじ切りが行われつつネジの締め付けが行われる。
図示は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、結合片276及び被結合片255の封印時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。この場合、封印を解除するには、結合片276の連結部276aを破断しなければならず、その破断により封印解除の履歴が残るようになっている。
破断ネジに代えて、所定の締付け方向にはねじ回しができるが、その逆の緩め方向にはねじ回しができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)を用いることも可能である。なお、基板装着部252には、封印ネジのストックを備えておくための封印ネジ備蓄部258が設けられている。
また、他方の基板装着部253には、縦長となる向きに音声ランプ制御装置272が配置される。このとき、音声ランプ制御装置172は、複数箇所でネジ等により位置決めされかつ固定されるようになっている。
取付台251を遊技盤30の背面側に取り付けた状態では、2つの基板装着部252,253が遊技盤30から離間するようになっており、そのための構成として、基板装着部252,253において基板搭載面252a,253aとは逆側(取付台251の背面側)に延びる脚部が設けられている。この脚部は、大まかにいって取付台251の下側に設けられる下側脚部261と、同取付台251の上側に設けられる上側脚部262とからなる。詳しくは、下側脚部261は、左右の側辺部261a,261bとその側辺部261a,261b間に設けられる下辺部261cとからなる。左右の側辺部261a,261bは、脚部としての長さ方向の寸法が相違しており、側辺部261aの方が側辺部261bよりも長くなっている。この違いは、2つの基板装着部252,253における高さ位置の違いによる。これら左右の側辺部261a,261b及び下辺部261cからなる下側脚部261は連続的に一体成形されており、基板装着部252,253の背後部分への侵入を阻止するための遮蔽部ともなっている。つまり、本取付台251を遊技盤30の背面側に取り付けた状態(特に遊技盤30に対して取付台251を閉じた状態)では基板装着部252の背後に背後空間が形成されるが、下側脚部261によってその背後空間に対する不正道具等の侵入が阻止されるようになっている。また、基板装着部252の背後空間における不正基板等の取り付けも阻止できる。
下側脚部261において、一方の側辺部261aには、上下一対の掛止ピン263が設けられており、この掛止ピン263を前記集合板ユニット215の軸受け金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。また、同じく側辺部261aには、各制御装置や遊技盤30から延びる電気配線を束ねるための結束具264が取り付けられている。他方の側辺部261bには、前記集合板ユニット215の被締結孔232にはめ込まれる締結具として上下一対のナイラッチ265が設けられている。なお、同側辺部261aは、第1制御基板ユニット201の支軸部を構成する部位であるため、その補強ために壁板が二重構造となっている。
また、上側脚部262は、基板装着部253の上端部に設けられており、その基端部267には長孔267aが形成されている。長孔267aは、前記集合板ユニット215の係止爪片233に対応する位置に設けられている。
したがって、取付台251を遊技盤30の背面側(実際には集合板ユニット215)に取り付けた場合には、下側脚部261及び上側脚部262の先端部が遊技盤30の背面側(集合板ユニット215)に当接する。そしてこのとき、ナイラッチ265が被締結孔232にはめ込まれるとともに、長孔267aによって係止爪片233が係止されることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定される。なお、軸受け金具231及び掛止ピン263が前記支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ265が前記締結部M2に、係止爪片233及び長孔267aが前記係止爪部M3にそれぞれ相当する。
上記のとおり、取付台251を遊技盤30に取り付けた状態で2つの基板装着部252,253が遊技盤30から離間するよう構成されていることにより、その取り付け状態下においては、取付台251の背後(基板装着面252a,253aとは逆側)に所定の空間領域が形成されるようになっている。かかる場合、その空間領域を用いることで、遊技盤30の背面側に設けられる各種役物(例えば、始動入賞装置や可変入賞装置など)、中継基板等の基板装置、各種配線などが効率良く配置できるようになっている。このとき、取付台251の背後に形成される空間領域が大きければ、遊技盤30の背面側に設けられる各種役物や基板装置等が増えたり、大きくなったりしてもそれに容易に対処できる。故に、異なる機種又は型式のパチンコ機に対して共有使用する上で有利となるとも考えられる。
ただしその反面、取付台251の背後の空間領域が不正目的で悪用されることが懸念される。具体的には、上記空間領域に不正基板などが取り付けられることが懸念される。なお、取付台251の背後空間は下側脚部261の遮蔽機能により遮蔽されるため、手や工具類の差し入れが阻止されると考えられるが、取付台251の背後空間の存在によって、不正基板等の設置可能領域ができることにもなる。また、取付台251が有色である場合等においては、下側脚部261の遮蔽機能により、却って一旦取り付けられた不正基板等の発見が困難になるといったデメリットも想定される。
そこで本実施の形態では、取付台251の背後の空間領域にスペーサ部材285を配し、当該空間領域を埋めることで不正対策を講じることとする。そのスペーサ部材285の構成を図20により説明する。
図20に示すように、スペーサ部材285は、全体として中空ブロック状の立体形状をなしており、相対向する表裏両側のうち表側(取付台251側)は閉ざされた面になっているのに対し、裏側(取付台251とは反対側)は開放された面となっている。スペーサ部材285は、無色透明の合成樹脂材料により成形されている。スペーサ部材285の表側面の面積は、概ね取付台251の基板装着部252の面積に合致している。また、スペーサ部材285の厚さは、取付台251の脚部の長さとほぼ同じ、又は取付台251の脚部の長さよりも若干小さい長さ寸法となっている。故に、スペーサ部材285は、取付台251の基板装着部252の背後空間とほぼ同じ占有体積を有し、該背後空間に丁度収まるようになっている。
スペーサ部材285には格子状の多数のリブ286が形成されており、その多数のリブ286によって、空間状の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになっている。つまり、空間が細分化されている。また、多数のリブ286を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材285の重量軽減を図ることができるようになっている。この場合、スペーサ部材285が透明材料により成形されているために、仮にリブ286の一部が切除されたとしても、その発見が容易となっている。
スペーサ部材285の相対向する表裏両側のうち、閉ざされた面と開放された面とを逆にすることも可能である。つまり、スペーサ部材285の相対向する表裏両側のうち、表側(取付台251側)を開放された面とし、裏側(取付台251とは反対側)を閉ざされた面とする。又は、スペーサ部材285の相対向する表裏両側をいずれも、閉ざされた面若しくは開放された面とすることも可能である。なお、両方を閉ざされた面とするには、平板状の板材が後付けされると良い。
スペーサ部材285の裏側(取付台251とは反対側)を閉ざされた面とすることにより、ニッパ等の道具によりリブ286を切除したりする行為が困難なものとすることができる。したがって、リブ286により細分化された空間が不正に拡張されないようになる。
スペーサ部材285の表側(取付台251側)には、取付台251に装着した際において主制御装置271側の突起277との干渉を回避するための切欠溝287が設けられている。このとき、主制御装置271に設けられる突起277は、あらかじめ定められた5カ所の規定ポジションのうちいずれかに設けられるようになっており、それら5カ所の規定ポジションに対応できるよう切欠溝287が5本設けられている。この切欠溝287は、取付台251の基板装着部252の背面に沿わせてスペーサ部材285をスライド装着する場合の案内溝としての機能と、スペーサ部材285の装着位置を決定するための位置決め機能とを有する。また、同スペーサ部材285には、取付台251に装着した際において主制御装置271側の係止具278との干渉を回避するために矩形状の切欠部288が2カ所に形成されるとともに、取付台251に設けた封印ネジ備蓄部258との干渉を回避するために矩形状の切欠部289が1カ所に形成されている。
また、スペーサ部材285の表側(取付台251側)には、取付台251に対して当該スペーサ部材285を係止固定するための左右一対の係止片291が形成されるとともに、主制御装置271に対して当該スペーサ部材285を係止固定するための左右一対の係止片292が形成されている。係止片292は、係止片291に挟まれるようにしてスペーサ部材285の中央部に設けられている。
なお、前述のとおりスペーサ部材285の表側は基本的に閉じた面となっているが、係止片292に対応する一部のみ開放されている(符号293)。
また、スペーサ部材285の上端部には結合突起295が設けられている。結合突起295は、当該スペーサ部材285と取付台251との間で封印処理を施すための封印部材に相当する。すなわち、取付台251の背面側にスペーサ部材285を装着した状態では、スペーサ部材285の結合突起295と取付台251側の被結合片255の一つとが前後で重なるようにして合致する。そして、結合突起295及び被結合片255に封印ネジがねじ込まれることで、スペーサ部材285と取付台251との間で封印処理が施される。封印ネジとしては破断ネジや一方向ネジ(ワンウェイネジ)が用いられる。この場合、封印処理が施された後は、所定の破壊行為を行わなければその封印処理を解除することができない。故に、仮に不正に封印処理が解除された後は、その不正の痕跡が残るようになっている。
なお、結合突起295には、前述した結合片276及び被結合片255(主制御装置271と取付台251とを封印処理するための封印部)と同様に、封印ネジのネジ部よりも小径の貫通孔が形成されており、封印ネジがねじ込まれる際には、当該封印ネジによりねじ切りが行われつつネジの締め付けが行われる。このとき、結合突起295等に形成される各貫通孔は元々ねじ切り前の孔部であり、スペーサ部材285の装着状態では単に前後に貫通するのみである。要するに、当該貫通孔に対しては、前後いずれの方向からも封印ネジのねじ込みが可能となっている。これにより、主制御装置271と取付台251とを封印処理する場合には取付台251の表側(パチンコ機装着状態では後方側)からネジ締結を行い、スペーサ部材285と取付台251とを封印処理する場合には取付台251の裏側(パチンコ機装着状態では前方側)からネジ締結を行うといった構成にあっても、各々のネジ締結を容易にかつ確実に行うことができる。
ここで、図15及び図16に示すように、取付台251の基板装着部252の背面側にスペーサ部材285が組み付けられる。このとき、スペーサ部材285は、基板装着部252の背面に沿わせてスライドさせることで取付台251に組み付けられ、その際係止片291,292によって取付台251及び主制御装置271に係止固定される。このスペーサ部材285の組付状態では、取付台251の基板装着部252の背後空間がスペーサ部材285によって埋められることになる。故に、取付台251の基板装着部252の背後側においては、不正基板等を設置する余地が無くされるようになっている。
第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態を想定しても、上記のとおり取付台251の基板装着部252の背後空間がスペーサ部材285によって埋められているため、取付台251の背後の空間領域が不正目的で悪用されることが抑制できる。また、制御基板ユニット201は、絵柄表示ユニットとしての可変表示ユニット35に隣接して配置されているため、基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち上側の開口部が可変表示ユニット35によって塞がれており、スペーサ部材285に対する不正行為も困難なものとなっている。つまり、スペーサ部材285を不正に取り外したり、同スペーサ部材285の一部を切除したりする行為ができなくなっている。
なお、取付台251の背後の空間領域を、各種役物や基板装置の設置領域として活用する場合には、スペーサ部材285を設置することなく実現することも可能である。
また、第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態では、当該制御基板ユニット201の上部がカバー部材としての裏パックユニット203により覆われるため、これによっても取付台251の背後に手や工具などを差し入れることの困難性が増すようになっている。
前述した通り、第1制御基板ユニット201は、裏パックユニット203を所定角度以上に大きく開いた状態又は同ユニット203を取り外した状態でなければ取り外すことが不可能であり、また、施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放しなければ、裏パックユニット203を開くことができない構成となっている。つまり、本体枠12を開くことができなければ、結果的に第1制御基板ユニット201を回動させたり取り外すことができず、ひいては主制御装置271の取り外しも不可能となる。それ故、主制御装置271の不正な載せ替えや盗難等を効果的に防止することができる。施錠装置を正しくキー操作して外枠11に対して本体枠12を開放することが、裏パックユニット203を開放するための開放条件となっている。
ここで、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272の配置に関して説明する。主制御装置271用の基板装着部252と音声ランプ制御装置272用の基板装着部253とは互いに平行な平坦面にて構成され、パチンコ機10の裏面から見てL字状に直交するようにして形成されている。このとき、図21に示すように、遊技盤30中央の可変表示ユニット35を迂回するようにして各基板装着部252,253が形成され、さらに、遊技盤30の下辺及び左辺に沿うようにして各基板装着部252,253が形成されている。また、これら基板装着部252,253は前後方向に見て段差状に形成されている。
各基板装着部252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272が搭載されると、主制御装置271はパチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置272はその奥側に配置される。この場合、基板装着部252,253がパチンコ機10の前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板装着部252,253に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を搭載した状態において各制御装置271,272はその一部が前後に重ねられて配置される。つまり、図15等にも見られるように、主制御装置271はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置される。故に、主制御装置271に重なる領域まで音声ランプ制御装置272を拡張することが可能となり、また別の見方をすれば音声ランプ制御装置272に重なる領域まで主制御装置271を拡張することが可能となり、パチンコ機10という限られた大きさの中にあっても、各制御装置271,272の大型化に良好に対処できるとともに、各制御装置271,272を効率良く設置できる。なおこの場合、各基板装着部252,253の段差を音声ランプ制御装置272の高さ寸法よりも大きくしている。故に、各制御装置271,272を立体配置したとしても、その高さ方向で干渉するといった不都合も生じない。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板装着部252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
また、上記のとおり主制御装置271及び音声ランプ制御装置272の一部を上下(パチンコ機10においては前後)に重ね、主制御装置271の一部を基板装着部から浮かせた状態としたことにより、取付台251において主基板用の基板装着部252の背後空間が比較的大きくなる。このとき、主制御装置271の背後部分と、音声ランプ制御装置272の背後部分とを比べると、前者の方がパチンコ機前後方向に拡張されたものとなっている。故に、不正行為のターゲットともなり得る空間領域ができてしまうが、上記のようにスペーサ部材285を取り付けることにより、不正行為を困難なものにすることができる。
次に、第2制御基板ユニット202の構成を図22〜図24に基づいて説明する。図22は第2制御基板ユニット202の正面図、図23は同ユニット202の斜視図、図24は同ユニット202の分解斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われる。また、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、主として遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、主制御装置271と同様、被包手段を構成する基板ボックス315がボックスベースとボックスカバーとを備え、それらが封印手段としての封印ユニット319によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、後述する払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。基板搭載面302には、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が横並びとなった状態で搭載され、ネジ等で固定されている。電源装置313の基板ボックス317上には略平板状の台座プレート303が載置されるとともに台座プレート303上に払出制御装置311が搭載され、ネジ等で固定されている。払出制御装置311と電源装置313との間には台座プレート303が介在するため、例えばノイズ除去用の金属プレート等を設置するには台座プレート303に金属プレート等を取り付ければ良く、ノイズ対策が簡単に実現できる。
取付台301には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン305が設けられており、掛止ピン305を前記軸受け部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。取付台301の左端部には締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を前記被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が本体枠12に固定される。なお、軸受け部237及び掛止ピン305が前記支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が前記締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を図25及び図26に基づいて説明する。図22は裏パックユニット203の正面図、図23は裏パックユニット203の分解斜視図である。
裏パックユニット203は、裏パック351と遊技球の払出機構部352とが一体化されることにより構成されている。裏パック351は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機10後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置272も併せて囲む構成となっている。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置214等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができるようになっている。
裏パック351のベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、タンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、タンクレール356の下流側には上下方向に延びるケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出制御装置311の制御により払出モータ358aが駆動されて必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置358より払い出された遊技球は払出通路359等を通じて前記上皿23等に供給される。なお、図示は省略するが、ケースレール357の上流部には、タンク355やタンクレール356から供給される遊技球の有無を検出するタンク球無しセンサが設けられている。また、払出装置358には、払出モータ358aの回転を検出する払出回転センサと、払い出される遊技球数をカウントする払出カウントスイッチとが設けられている。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が取り付けられている。バイブレータ360は、バイブモータとそのバイブモータを収容する合成樹脂製のケースとによりユニット化されており、2本の脚部360aでタンクレール356に取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する合成樹脂材料、例えば導電性ポリカーボネート樹脂にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
裏パック351には、その右上部に枠用外部端子板390が設けられている。枠用外部端子板390には、タンク355やタンクレール356で遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、本体枠12の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠13の開放時に信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
裏パック351には、枠用外部端子板390に隣接して略四角形状の窓部391が設けられている。従って、裏パックユニット203を本体枠12に取り付けた状態では、窓部391を通じて遊技盤30裏面の盤用外部端子板230が露出し、裏パックユニット203を装着したままで盤用外部端子板230の操作を行うことができるようになっている。前述のとおり、盤用外部端子板230は取り外し容易な状態で集合板ユニット215に取り付けられていることから、盤用外部端子板230の配線を接続したままで、窓部391を介して当該盤用外部端子板230を取り出すことも可能となる。裏パック351の右上部には本体枠12の開放の状態を検出するための本体枠開放スイッチ392が設けられており、外枠11に対して本体枠12を閉じた状態では当該スイッチ392の金属接点が閉じて本体枠12の閉鎖が検知され、外枠11に対して本体枠12を開いた状態では金属接点が開いて本体枠12の開放が検知されるようになっている。
裏パック351には、パチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン385が設けられており、掛止ピン385を前記軸受け部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が本体枠12に対して回動可能に片持ち支持される。裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を前記被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に前記固定具242を挿入した上で当該固定具242を回動操作することで、裏パックユニット203が本体枠12に固定される。また、前記固定具241,243によっても裏パックユニット203が本体枠12に固定される。なお、軸受け部238及び掛止ピン385が前記支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が前記締結部M7に、固定具242及び係止孔387が前記係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が前記係止部M9に相当する。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図27のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置271には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置271は、本パチンコ機10における主要な制御(利益に絡む演算処理全般)を実施するためのメインコントローラであり、その動作主体たるCPU501は、入賞装置への遊技球の入賞の都度それを判定する入賞判定処理、所定の始動入賞をトリガとして大当たり等の抽選を行う抽選処理、大当たり当選時にソレノイド等の駆動部を駆動させて可変入賞装置32(いわゆる大入賞アタッカ)を開放させる開放処理、可変入賞装置32に入賞した入賞球を検知する大当たり時入賞検知処理、遊技球の払出指令を払出制御装置311に出力する払出指令処理等々を適宜実行する。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
主制御装置271のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置214や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置271のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置271のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置271、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
表示制御装置214は、第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示と、第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置214は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置271の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には第2図柄表示装置42(表示部45)や、音声ランプ制御装置272が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置41が接続されている。
表示制御装置214のCPU521は、主制御装置271から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41及び第2図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させるものである。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置271や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置271や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置271のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置271及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置271及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置271及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置271及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置271及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチ323が押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置271及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
以上本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1制御基板ユニット201において取付台251の背後の空間領域にスペーサ部材285を配し、それにより当該空間領域を埋めるようにしたため(空間領域に制限を加えるようにしたため)、単に空間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、空間領域そのものを縮小又は無くすことができ、当該空間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また更に、スペーサ部材285を封印処理により取付台251及び主制御装置271に結合する構成としたため、不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
上記構成において、取付台251の背後に装着されるスペーサ部材285を必要に応じて変更することにより、機種・型式の違い等により取付台251の背後空間の大きさや形状などが相違してもそれに容易に対処できる。
主制御装置271と取付台251との結合(封印)に用いる結合部(被結合片255)の一つを流用してスペーサ部材285の結合(封印)を行うようにしたため、構成の簡素化が可能となる。また、主制御装置用の結合部(被結合片255)は既存の構成であるため、その点でも有利なものとなる。
スペーサ部材285を中空ブロック状の立体形状をなすものとしたため、取付台251の背後の空間領域を埋める(制限する)のに好適な構成が実現できる。また、スペーサ部材285に複数のリブ286を設けたため、スペーサ中空部において一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。リブ286によってスペーサ部材285の補強効果も得られる。
スペーサ部材285を透明材料により成形したため、仮にニッパ等の道具によりリブ286の一部が切除されるなどの不正行為が行われたとしても、その発見が容易となっている。
基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち、一つが可変表示ユニット35で塞がれるため、基板装着部252の背後空間に通じる開口が脚部等により全て塞がれていなくても、前記背後空間への侵入やスペーサ部材285に対する不正工作等を防止することができる。
取付台251には、2つの基板装着部252,253が段差状に形成されているため、高低2段に配置したい制御装置(主制御装置271、音声ランプ制御装置272)を共に同一の取付台251に装着することができる。この場合、複数の制御装置をパチンコ機10に搭載する上で配置形態等を多様化させることができる。
2つの基板装着部252,253が互いに交差する向きに設けられるため、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を縦横に交差させて配置することができる。従って、自由度の高い制御装置の配置が可能となる。
パチンコ機10の前後方向に重複した状態で主制御装置271及び音声ランプ制御装置272が取付台251に装着されるため、パチンコ機10の裏面側において限られた大きさを効率良く使って複数の制御装置を配置することが可能となる。
ところで、上述した第1制御基板ユニット201の構成に対し、不正抑止効果をより一層高めるために以下の構成を付加することも可能である。ここでは、取付台251とスペーサ部材285とをネジ等の連結手段により分離不能に連結するとともに、取付台251の基板装着部252上に装着した主制御装置271によって前記連結手段を覆い隠す構成を提案する。以下その詳細を図28により説明する。なお本構成においては、取付台251とスペーサ部材285とが一体化された後に、取付台251への主制御装置271の装着が行われるようになっている。
図28において、取付台251の基板装着部252には左右2つの貫通孔260が設けられている。
また、スペーサ部材285の表側には左右2つの孔部297が形成されている。この孔部297は、取付台251の基板装着部252に設けた貫通孔260に位置合わせされて設けられており、取付台251にスペーサ部材285を装着した状態において、基板装着部252の貫通孔260及びスペーサ部材285の孔部297にネジ等が取り付けられる。なお、ネジは連結手段に相当し、ここではドライバ等の汎用道具により締め付けたり緩めたりすることが可能な汎用ネジを用いている。ネジは基板装着部252の基板搭載面252a側から差し込まれる。詳細な図示は省略しているが、基板装着部252の貫通孔260には、ネジの頭部を収容する収容段差部が形成されており、その収容段差部にネジ等部が収容されることにより、ネジが基板搭載面252a側に突出しないようになっている。ただし主制御装置271の基板ボックス背面にネジとの干渉防止用の凹部が形成されている場合にはこの限りでない。
取付台251に対して主制御装置271及びスペーサ部材285を組み付ける際には、取付台251の基板装着部252の背面側にスペーサ部材285が組み付けられ、それら両部材が一体化された後、基板装着部252の貫通孔260及びスペーサ部材285の孔部297に基板装着部252の基板搭載面252a側からネジが取り付けられてネジ締結が行われる。このネジ締結により、取付台251及びスペーサ部材285が連結される。なおこの時点では、ネジを取り外すことが可能である。したがって、スペーサ部材285と取付台251とを封印する封印手段(結合突起295、被結合片255)を有していない構成、又は、同封印手段を有していてもその封印処理前であれば、ネジの取り外しに伴い取付台251及びスペーサ部材285が再度分離できる。
取付台251とスペーサ部材285とを一体化した状態において、取付台251の上端面(基板装着部252の上側端面)とスペーサ部材285の上端面とを跨ぐようにして封印シールSFを貼付するようにしても良い。封印シールSFは、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールSFが剥がされた場合にはその形跡が残るようになっている。封印シールSFを貼付することにより、取付台251及びスペーサ部材285が一体化された後において、それらが分離されたかどうかが確認できるものとなっている。
そして、取付台251及びスペーサ部材285の一体化完了後、取付台251の基板装着部252上に主制御装置271が装着される。このとき、主制御装置271が装着されることで、取付台251とスペーサ部材285とを連結したネジ(基板装着部252の貫通孔260及びスペーサ部材285の孔部297に取り付けたネジ)が主制御装置271(基板ボックス273)の背後に隠れることとなる。したがって、ネジの取り外しが不可能となり、結果として取付台251及びスペーサ部材285の分離が不可能となる。
実際には、取付台251の基板装着部252上に主制御装置271が装着された後、更に主制御装置271と取付台251との間で封印処理が施される(結合片276及び被結合片255による封印)。したがって、取付台251から主制御装置271を取り外すこと自体が困難なものとなっており、取付台251及びスペーサ部材285の分離の困難性をより高めることができるようになっている。
上記構成では要するに、取付台251とスペーサ部材285とをネジの締結により一体化(分離不能に連結)するとともに、取付台251の基板装着部252上に主制御装置271を装着することで、前記ネジを覆い隠す構成とした。この場合、基板装着部252上に主制御装置271が装着された状態では、前記ネジが露出しておらず該ネジによる取付台251及びスペーサ部材285の一体化を解除することができない。これは取付台251からスペーサ部材285を容易に取り外すことができないことを意味する。以上によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
(第2の実施の形態)
上記実施の形態では、第1制御基板ユニット201の構成として、取付台251において主基板用の基板装着部252の背後空間を埋めるようにスペーサ部材285を設けたが、本実施の形態ではこの構成を変更する。すなわち、同じく取付台251において主基板用の基板装着部252及び音声ランプ基板用の基板装着部253の背後空間を埋めるようにスペーサ部材601を設ける。
本実施の形態における第1制御基板ユニット201の構成を図29〜図32を用いて説明する。図29,図30は同ユニット201の斜視図、図31,図32は同ユニット201の分解斜視図である。ただし、スペーサ部材601以外の構成については概ね不変であるため、スペーサ部材601の構成について詳述する。
スペーサ部材601は、全体として取付台251と同じ略L字状をなしており、相対向する表裏両側のうち表側(取付台251側)は開放された面になっているのに対し、裏側(取付台251とは反対側)は閉ざされた面となっている。スペーサ部材601の表側面の面積は、概ね取付台251の2つの基板装着部252,253の面積に合致している。また、スペーサ部材601の厚さは、主基板用の基板装着部252に相当する部位と音声ランプ基板用の基板装着部253に相当する部位とで相違しており、前者の方が厚さ寸法が大きいものとなっている。ただしいずれにしろ、取付台251の脚部の長さとほぼ同じ、又は取付台251の脚部の長さよりも若干短い長さとなっている。故に、スペーサ部材601は、取付台251の基板装着部252,253の背後空間とほぼ同じ占有体積を有し、該背後空間に丁度収まるようになっている。
ただし、スペーサ部材601の相対向する表裏両側のうち、開放された面と閉ざされた面とを逆にすることも可能である。つまり、スペーサ部材601の相対向する表裏両側のうち、表側(取付台251側)を閉ざされた面とし、裏側(取付台251とは反対側)を開放された面とする。又は、スペーサ部材601の相対向する表裏両側をいずれも、閉ざされた面若しくは開放された面とすることも可能である。なお、両方を閉ざされた面とするには、平板状の板材が後付けされると良い。
スペーサ部材601には格子状の多数のリブ602が形成されており、その多数のリブ602によって、空間状の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになっている。つまり、空間が細分化されている。また、多数のリブ602を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材601の重量軽減を図ることができるようになっている。
また、スペーサ部材601には、取付台251に装着した際において主制御装置271側の係止具278との干渉を回避するために矩形状の切欠部603が2カ所に形成されるとともに、取付台251に設けた封印ネジ備蓄部258との干渉を回避するために矩形状の切欠部604が1カ所に形成されている。
スペーサ部材601の表側(取付台251側)には、主制御装置271に対して当該スペーサ部材601を係止固定するための左右一対の係止片606が形成されている。また、スペーサ部材601の上端部には結合突起607が設けられている。結合突起607は、当該スペーサ部材601と取付台251との間で封印処理を施すための封印部材に相当する。
すなわち、取付台251の背面側にスペーサ部材601を装着した状態では、スペーサ部材601の結合突起607と取付台251側の被結合片255の一つとが前後で重なるようにして合致する。そして、結合突起607及び被結合片255に封印ネジがねじ込まれることで、スペーサ部材601と取付台251との間で封印処理が施される。封印ネジとしては破断ネジや一方向ネジ(ワンウェイネジ)が用いられる。この場合、封印処理が施された後は、所定の破壊行為を行わなければその封印処理を解除することができない。故に、仮に不正に封印処理が解除された後は、その不正の痕跡が残るようになっている。
その他、スペーサ部材601の裏側(取付台251の反対側)には、各種配線等を案内するための配線案内溝611が形成されている。配線案内溝611は、スペーサ部材601の裏面側から見て溝深さが上下方向で相違する溝形状をなしており、上端部に開口を有する。故に、スペーサ部材601の裏側に設けられる各種配線等(遊技盤30から延びる各種配線等)は、配線案内溝611を介してスペーサ部材601の上方に導き出されるようになっている。スペーサ部材601において音声ランプ基板用の基板装着部253に相当する部位には、遊技盤30側の部材との干渉を抑制するための切欠部612が形成されている。
ここで、図29及び図30に示すように、取付台251の基板装着部252,253の背面側にスペーサ部材601が組み付けられる。このとき、スペーサ部材601は、係止片606によって主制御装置271に係止固定される。このスペーサ部材601の組付状態では、取付台251の各基板装着部252,253の背後空間がスペーサ部材601によって埋められることになる。故に、取付台251の各基板装着部252,253の背後側においては、不正基板等を設置する余地が無くされるようになっている。
第1制御基板ユニット201をパチンコ機10裏面に搭載した状態を想定しても、上記のとおり取付台251の各基板装着部252,253の背後空間がスペーサ部材601によって埋められているため、取付台251の背後の空間領域が不正目的で悪用されることが抑制できる。また、制御基板ユニット201は、絵柄表示ユニットとしての可変表示ユニット35に隣接して配置されているため、基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち上側の開口部が可変表示ユニット35によって塞がれており、スペーサ部材601に対する不正行為も困難なものとなっている。つまり、スペーサ部材601を不正に取り外したり、同スペーサ部材601の一部を切除したりする行為ができなくなっている。
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
本第2の実施の形態においても、上記第1の実施の形態で付則説明したように、取付台251とスペーサ部材601とをネジ等の連結手段により分離不能に連結するとともに、取付台251の基板装着部252上に装着した主制御装置271によって前記連結手段を覆い隠す構成を採用しても良い。本構成を採用することにより、取付台251からスペーサ部材601を取り外すことの困難性を高めることができ、不正抑止効果の向上を図ることができる。
(第3の実施の形態)
上記各実施の形態では、主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を遊技盤30に装着するための構造として、略L字状の取付台251を用い、この取付台251に主制御装置271及び音声ランプ制御装置272を装着することで第1制御基板ユニット201を構成したが、これを変更し、主制御装置及び音声ランプ制御装置を装着する取付台(台座部材)を各々個別に設けると、制御装置ごとに制御装置ユニットを構成する。以下その詳細について説明する。特にここでは、主制御装置を搭載する主制御装置ユニットについて詳述する。
本実施の形態における主制御装置ユニット700の構成を図33〜図38を用いて説明する。図33は主制御装置ユニット700の正面図、図34は同ユニット700を2方向(表側上方及び表側下方)から示す斜視図である。また、主制御装置ユニット700を構成する各部材のうち、取付台711の構成を図35に示すとともに、スペーサ部材741の構成を図36に示す。図37は、取付台711とスペーサ部材741とを一体化する際の一体化前後の状態を示す斜視図である。図38は、遊技盤771の裏面に主制御装置ユニット700を取り付けた状態の正面図である。
主制御装置ユニット700は、台座部材としての取付台711を有し、取付台711に主制御装置701が搭載されている。主制御装置701は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス702に収容されて構成されている。この主制御装置701は、上述した主制御装置271に相当するものであり、主制御装置271と同等の制御機能を有する。基板ボックス702は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部704によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス702が封印されている。封印部704は、基板ボックス702の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部704はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部704による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス702を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス702のボックスベースとボックスカバーとが分離されて同基板ボックスが開放され、内部の主基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス702の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス702に残しておけば、基板ボックス702を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、基板ボックス702において、封印部704と反対側の長辺部には、その封印部704とは別に基板ボックス702を封印するための封印部705が左右2カ所に設けられている。この封印部705は、本パチンコ機10が工場で製造された後、遊技ホール等まで搬送されるまでの不正行為を抑止するための搬送用封印部であり、パチンコ機10の工場出荷時に同封印部705に対する封印処理が施される。そして、同パチンコ機10のホール搬送後において主制御装置701の検査確認等の目的で封印部705の封印が解除され基板ボックス702が開放された場合には、再度使われることはなくそのまま放置される。遊技ホールでの設置後は、前述の封印部704で封印処理が行われることによって基板ボックス702の不正な開封が防止される。
基板ボックス702の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数(本実施の形態では4つ)の結合片706が設けられている。詳細は後述するが、この結合片706は、基板ボックス702と取付台711との間で封印処理を施すために用いられる。
図示は省略するが、基板ボックス702の背面は平坦面となっており、その背面には、円柱状の突起が1カ所に設けられるとともに、締結部材としての回動操作式の係止具が1カ所に設けられている。その構成については、前述した主制御装置271の基板ボックス273に設けた構成(突起277、係止具278)に準ずるものであるため、ここではその説明を割愛する。
次に、取付台711の構成を図35に基づいて説明する。取付台711はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、全体に無色透明となっている。ただし、取付台711は緑や青等に着色されて不透明又は半透明であっても良い。取付台711には平坦板状をなす基板装着部712が設けられている。基板装着部712は、主制御装置701を装着するための主制御装置装着部に相当し、主制御装置701の基板ボックス702の形状に合わせて横長の略矩形状に形成されている。基板装着部712では、取付台711の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機後方に向く側)が基板搭載面712aとなっている。
基板装着部712には、その上下各端部に基板搭載面712a側に起立した起立部713,714が形成されるとともに、左右の各端部に同じく基板搭載面712a側に起立した起立部715,716が形成されている。左右の各起立部715,716の先端部には、それぞれ内側を向くようにして爪部が形成されている。基板装着部712において起立部715,716の基端部には、細幅のスリット孔717,718が形成されている。
また、基板装着部712には、複数(本実施の形態では10個)の位置合わせ孔719が形成されている。位置合わせ孔719はそれぞれ切除可能な切除片を有する孔部となっており、都度使用される主制御装置701に応じて複数の位置合わせ孔719のうち1つの切除片が打ち抜かれ開放される。本構成によれば、基板装着部712に本来装着されるべき主制御装置701を装着しようとする場合には、同主制御装置701の基板ボックス背面に設けた突起の位置と、開放された位置合わせ孔719の位置とが一致し、主制御装置701が支障なく装着できる。これに対し、基板装着部712に間違った主制御装置701を装着しようとする場合には、同主制御装置701の突起の位置と、開放された位置合わせ孔719の位置とが不一致となり、主制御装置701の装着が不可となっている。これにより、基板装着部712に装着されるべき主制御装置701の組み付け間違いが防止されるようになっている(機種間違い、型式間違いを含む)。
また、基板装着部712には横長形状の貫通孔720が形成されている。この貫通孔720は、主制御装置701の背面に設けられた係止具を挿通させるための孔部である。
基板装着部712には、基板搭載面712aとは逆側(取付台711の背面側)に延びる脚部721が設けられている。この脚部721は、左右の側辺部721a,721bとその側辺部721a,721b間に設けられる下辺部721cとからなる。脚部721は、基板装着部712の背後部分への侵入を阻止するための遮蔽部ともなっている。つまり、本取付台711を遊技盤の背面側に取り付けた状態(特に遊技盤に対して取付台711を閉じた状態)では基板装着部712の背後に背後空間が形成されるが、脚部721によってその背後空間に対する不正道具等の侵入が阻止されるようになっている。また、基板装着部712の背後空間における不正基板等の取り付けも阻止できる。
脚部721において、一方の側辺部721aには、上下一対の軸受け部724が設けられており、この軸受け部724が本取付台711の装着相手側(遊技盤側)の支軸部によって軸支されることで、本取付台711(主制御装置ユニット700)が遊技盤に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。また、同じく側辺部721aには、基板装着部712側の端部に複数(本実施の形態では4つ)の被結合片725が形成されている。被結合片725は易破断部を有しており、その易破断部が破断されることで取付台711から切除されるようになっている。同側辺部721aは、主制御装置ユニット700を片持ち支持するための部位であるため、その補強ために側辺部721aの内側面には複数の補強リブ726が設けられている。なお、符号727は、側辺部721aの内側で電気配線等を束ねるための配線結束部であり、符号728は、電気配線等を本取付台711から下方に案内するための切欠部である。
ここで、基板装着部712上に主制御装置701を装着した状態では、主制御装置701の結合片706と取付台711側の被結合片725とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片706及び被結合片725のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置701(基板ボックス702)と取付台711との間で封印処理が施される。図示は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、結合片706及び被結合片725の封印時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。この場合、封印を解除するには、被結合片725の易破断部を破断しなければならず、その破断により封印解除の履歴が残るようになっている。
破断ネジに代えて、所定の締付け方向にはねじ回しができるが、その逆の緩め方向にはねじ回しができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)を用いることも可能である。なお、基板装着部712には、封印ネジのストックを備えておくための封印ネジ備蓄部729が設けられている。
他方の側辺部721bには、締結具としてのナイラッチ732(図34参照)を取り付けるためのナイラッチ取付部731が上下2カ所に設けられている。このナイラッチ取付部731に取り付けられるナイラッチによって、遊技盤に対する本取付台711(主制御装置ユニット700)の締結がなされるようになっている。
次に、スペーサ部材741の構成を図36に基づいて説明する。スペーサ部材741は、全体として中空ブロック状の立体形状をなしており、相対向する表裏両側のうち表側(取付台711に組み付けた場合の取付台711側、以下同様)は開放された面になっているのに対し、裏側(取付台711に組み付けた場合の取付台711とは反対側、以下同様)は閉ざされた面となっている。スペーサ部材741は、無色透明の合成樹脂材料により成形されている。スペーサ部材741の投影面積は、概ね取付台711の基板装着部712の面積に合致している。また、スペーサ部材741の厚さは、取付台711の脚部721の長さとほぼ同じ、又は脚部721の長さよりも若干小さい長さ寸法となっている。故に、スペーサ部材741は、取付台711の基板装着部712の背後空間とほぼ同じ占有体積を有し、該背後空間にほぼ丁度収まるようになっている。
ただし、スペーサ部材741の相対向する表裏両側のうち、開放された面と閉ざされた面とを逆にすることも可能である。つまり、スペーサ部材741の相対向する表裏両側のうち、表側(取付台711側)を閉ざされた面とし、裏側(取付台711とは反対側)を開放された面とする。又は、スペーサ部材741の相対向する表裏両側をいずれも、閉ざされた面若しくは開放された面とすることも可能である。なお、両方を閉ざされた面とするには、平板状の板材が後付けされると良い。
スペーサ部材741には格子状の多数のリブ742が形成されており、その多数のリブ742によって、空間状の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになっている。つまり、空間が細分化されている。また、多数のリブ742を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材741の重量軽減を図ることができるようになっている。この場合、スペーサ部材741が透明材料により成形されているために、仮にリブ742の一部が切除されたとしても、その発見が容易となっている。
スペーサ部材741においてその左右各端部には、同スペーサ部材741の表側(取付台711側)に延びる係止片745,746が形成されている。左右の係止片745,746の先端部には、それぞれ内側を向くようにして爪部が形成されている。また、スペーサ部材741の表側(取付台711側)には、取付台711に対して当該スペーサ部材741を係止固定するための係止片747が形成されている。
図36の(b)に示すように、スペーサ部材741の裏側(取付台711とは反対側)には矩形状の凹部751が形成されている。この凹部751は、本ユニット700の装着相手側(遊技盤側)との兼ね合いで設けられるものであり、同凹部751によって遊技盤背面の突起状の部位又は部材との干渉が回避できるようになっている。具体的には、遊技盤に設けられた可変入賞装置(いわゆる大入賞アタッカであり、ここではアタッカ駆動用のソレノイドや中継基板等も含む)との干渉を避けるべく設けられている。
また、スペーサ部材741には、取付台711に装着した際において主制御装置701側の係止具との干渉を回避し、かつ当該係止具の回動操作を可能とするための切欠部752が形成されるとともに、取付台711に設けた封印ネジ備蓄部729との干渉を回避するために矩形状の切欠部753が形成されている。
スペーサ部材741が取付台711の背後に組み付けられることで、これら両部材が一体化される。図37の(a)には一体化前の取付台711及びスペーサ部材741を示し、同(b)には一体化後の取付台711及びスペーサ部材741を示す。
ここで、取付台711において基板装着部712の背後にスペーサ部材741が組み付けられると、スペーサ部材741の係止片745,746が取付台711側のスリット孔717,718に挿通される。すると、図37の(b)に示すように、係止片745,746の先端部がスリット孔717,718を通じて基板装着部712の基板搭載面712a側に突出し、その先端部に設けた爪部が基板搭載面712aに係止される。またこのとき、スペーサ部材741の係止片747の先端部に設けた爪部が取付台711の起立部713に係止される。係止片745〜747の係止により、取付台711とスペーサ部材741とが分離不能に連結される。なおこの時点では、係止片745〜747における係止を指等で解除することが可能であり、その解除操作により取付台711及びスペーサ部材741が再度分離できる。
図37の(b)のように取付台711及びスペーサ部材741が一体化された後、取付台711の起立部713とスペーサ部材741の係止片747とを跨ぐようにして封印シールSFが貼付される。この封印シールSFは、一旦貼付された後に剥がされるとシールラベルから粘着剤が剥がれ、再度貼付することができないものであり、封印シールSFが剥がされた場合にはその形跡が残るようになっている。したがって、取付台711及びスペーサ部材741が一体化された後において、それらが分離されたかどうかが確認できるものとなっている。
そして、取付台711及びスペーサ部材741の一体化が完了した後、取付台711の基板装着部712上に主制御装置701が装着される。これが図34に示す状態である。このとき、取付台711側の起立部715,716に形成した爪部によって主制御装置701が保持される。また、基板装着部712上に主制御装置701が装着されることで、取付台711とスペーサ部材741とを連結した部位のうち、係止片745,746による係止部位が主制御装置701(基板ボックス702)の背後に隠れることとなる。したがって、係止片745,746による係止状態を解除することが不可能となり、結果として取付台711及びスペーサ部材741の分離が不可能となる。
また、主制御装置701を取付台711の基板装着部712に装着した状態において、基板装着部712の背面側では、主制御装置710の基板ボックス702に設けた係止具の回動操作が行われる。したがって、この係止具による係止作用によって、主制御装置701の取り外しが不可能となっている。更に、主制御装置701を基板装着部712上に装着した状態では、主制御装置701の結合片706と取付台711側の被結合片725とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片706及び被結合片725のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置701と取付台711との間で封印処理が施される。
上記のとおり基板装着部712上に主制御装置701が装着された状態では、第1に、取付台711とスペーサ部材741とを連結した係止片745,746が主制御装置701の背後に隠されて連結解除が不可能となっていること、第2に、基板装着部712の背面側で係止具の回動操作が行われていること、第3に、主制御装置701と取付台711との間で封印処理が施されていることにより、取付台711及びスペーサ部材741を不正に分離させることの困難性が高められるようになっている。すなわちここでは、スペーサ部材741の不正取り外し抑制のために、上記した三重の対策が講じられている。
主制御装置ユニット700を遊技盤771に装着する際には、上記の如く主制御装置701、取付台711及びスペーサ部材741を一体化した後、取付台711の軸受け部724を遊技盤771側の支軸部に軸支させるとともに、その支軸部を中心に同ユニット700を回動させ、取付台711の脚部721の先端部を遊技盤771の背面側に当接させる。そして、ナイラッチ732によって主制御装置ユニット700を遊技盤771に固定する。その装着状態が図38に示す状態である。
詳細な説明は割愛するが、図38において、遊技盤771には、液晶表示装置が取り付けられるとともに、その液晶表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている。この液晶表示装置及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(液晶表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット780が搭載されている。この音声ランプ制御装置ユニット780は、音声ランプ制御装置781と、台座部材としての取付台782とを具備する構成となっており、取付台782上に音声ランプ制御装置781が装着されている。主制御装置ユニット700は、音声ランプ制御装置ユニット780に並べるようにしてその下方に取り付けられている。
主制御装置ユニット700を遊技盤771側に取り付けた状態において、取付台711の基板装着部712の背後空間がスペーサ部材741によって埋められているため、取付台711の背後の空間領域が不正目的で悪用されることが抑制できる。
取付台711においてその背面側に延びる脚部721は、左右の側辺部721a,721b及び下辺部721cからなり、基板装着部712の背後空間は上方に開口したものとなるが、主制御装置ユニット700が音声ランプ制御装置ユニット780や表示系の装置等に隣接して配置され、基板装着部712の背後空間に通じる開口部のうち上側の開口部が音声ランプ制御装置ユニット780等によって塞がれる。したがって、スペーサ部材741に対する不正行為も困難なものとなっている。つまり、スペーサ部材741を不正に取り外したり、同スペーサ部材741の一部を切除したりする行為ができなくなっている。
遊技盤771の背面側には可変入賞装置(大入賞アタッカ)などの役物や基板装置などが設けられるが、スペーサ部材741に形成した凹部751によって干渉が回避できるようになっている。またこのとき、中継基板等の基板装置や、各種配線などを効率良く配置することができる。
以上第3の実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
また、取付台711とスペーサ部材741との一体化に際し、係止片745,746の爪部の係止により、それらを分離不能に連結するとともに、取付台711の基板装着部712上に装着した主制御装置701によって係止片745,746を覆い隠す構成としたため、基板装着部712上に主制御装置701が装着された状態では、係止片745,746が露出しておらず該係止片745,746による連結を解除することができない。これは取付台711からスペーサ部材741を容易に取り外すことができないことを意味する。したがって、不正抑止効果をより一層高めることができる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、上記第3の実施の形態で説明した主制御装置ユニット700の一部を変更しており、ここではその相違点を中心に説明する。特に本実施の形態では、取付台711とスペーサ部材741とを、初回の連結操作のみ可能とし以後の連結解除操作を不可とする連結手段(連結片811,812)により分離不能に連結したことを特徴としている。
図39はスペーサ部材741の構成を示す斜視図であり、図40は、取付台711とスペーサ部材741との一体化状態を示す斜視図である。なお、図39及び図40に示す構成において、上記第3の実施の形態で説明したものと同一の構成又は機能を有するものについては同一の部材番号を付すとともにその説明を簡略化する。主制御装置701及び取付台711は上記第3の実施の形態と同様の構成を有し、その詳細については前出の説明を参照されたい(図33〜図35等)。
図39に示すように、スペーサ部材741は、全体として中空ブロック状の立体形状をなすこと、無色透明の合成樹脂材料により成形されていること、格子状の多数のリブ742を有することなどが上記第3の実施の形態と同様の構成となっている。
構成上の相違点としては、スペーサ部材741において、上記第3の実施の形態で説明した係止片745〜747(図36参照)が排除され、それに代えて、左右の各端部に係止受け部801,802が設けられている。この係止受け部801,802は略コ字状をなすよう成形されており、取付台711に対向する位置が開口801a,802aとなっている。スペーサ部材741が取付台711の背後に取り付けられた状態では、スペーサ部材741の係止受け部801,802が、取付台711の基板装着部712に形成されたスリット孔717,718に対応する位置に配される。実際には、スリット孔717,718のすぐ背後に係止受け部801,802が配されることとなる。
取付台711とスペーサ部材741との一体化状態を想定すると、係止受け部801,802では、その略コ字状をなす3面と、スペーサ部材741の本体側面と、取付台711の脚部721(側辺部721a,721b)と、取付台711の基板装着部712とで囲まれる空間が形成される。この空間は、取付台711側のスリット孔717,718でのみ開放された閉塞空間となる。
図40において、(a)には取付台711とスペーサ部材741とを一体化した状態を示し、(b)にはその一体化物に対してさらに連結片811,812を取り付けた状態を示している。図40の(a)に示す状態では、取付台711側のスリット孔717,718が開放されたままとなっている。ただしその背後には、前述のとおり係止受け部801,802等により区画された閉塞空間が形成されている。
そして、取付台711側のスリット孔717,718に連結片811,812がそれぞれ差し入れられる。連結片811,812は、無色透明の合成樹脂材料により成形されている。連結片811,812は、平板部811a,812aと、その平板部811a,812aから直立して設けられる一対の係止部811b,812bからなり、係止部811b,812bの先端にはそれぞれ外側を向くようにして爪部が形成されている。平板部811a,812aは、スリット孔717,718と同等、又はスリット孔717,718よりも大きいものとなっている。各々一対の係止部811b,812bの間隔は、スペーサ部材741に設けた係止受け部801,802の開口801a,802aの間隔(上下方向の開口長さ)にほぼ一致している。
上記構成において、取付台711側のスリット孔717,718に連結片811,812の係止部811b,812bが差し入れられると、基板装着部712の背面側において連結片811,812の先端爪部(係止部811b,812bの爪部)がスペーサ部材741側の係止受け部801,802に係止される。このとき、連結片811,812の先端爪部の係止は基板装着部712の背面側でなされ、取付台711の表側からはその係止状態を解除することが不可能となっている。また、取付台711の裏側においても、係止受け部801,802が一側にのみ開口した形状となっていることから、やはり連結片811,812の係止状態を解除することが不可能となっている。
より詳細に説明すれば、スペーサ部材741と取付台711とを一体化した状態では、係止受け部801,802において、取付台711側のスリット孔717,718でのみ開放された閉塞空間(略コ字状の3面と、スペーサ部材の本体側面と、取付台711の脚部721と、取付台711の基板装着部712とで囲まれた空間)が形成されている。そして、スリット孔717,718に連結片811,812が差し入れられると、連結片811,812の先端爪部が前記閉塞空間に収容され、かつ該閉塞空間の唯一の開口部位であるスリット孔717,718が連結片811,812の平板部811a,812aで閉鎖される。したがって、閉塞空間に対する指や道具等の侵入が不可又は極めて困難となり、連結片811,812の係止状態を解除することが不可能となる。以上により、連結片811,812の差込が一旦完了すると、それ以降連結片811,812の取り外しは不可能となり、結果として取付台711及びスペーサ部材741の分離が不可能となっている。
そして、取付台711及びスペーサ部材741の一体化が完了した後、取付台711の基板装着部712上に主制御装置701が装着される(図34に示す状態)。このとき、基板装着部712上に主制御装置701が装着されることで、前記連結片811,812が主制御装置701(基板ボックス702)の背後に隠れることとなる。したがって、連結片811,812を破壊しようとする強引な不正行為についても、その実施を困難なものとすることができる。
主制御装置701の装着に際し、主制御装置710の基板ボックス702に設けられた係止具が回動操作されること、4組の結合片706及び被結合片725のうちいずれかで封印処理が施されることは前記のとおりである。
上記のとおり基板装着部712上に主制御装置701が装着された状態では、第1に、取付台711とスペーサ部材741とを連結した連結片811,812の係止解除自体が困難であること、第2に、連結片811,812が主制御装置701の背後に隠れていること、第3に、基板装着部712の背面側で係止具の回動操作が行われていること、第4に、主制御装置701と取付台711との間で封印処理が施されていることにより、取付台711及びスペーサ部材741を不正に分離させることの困難性が高められるようになっている。すなわちここでは、スペーサ部材741の不正取り外し抑制のために、上記した四重の対策が講じられている。
以上第4の実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
また、取付台711とスペーサ部材741との一体化に際し、それらを、初回の連結操作のみ可能とし以後の連結解除操作を不可とする連結手段(連結片811,812)により分離不能に連結するようにしたため、取付台711からスペーサ部材741を取り外すことの困難性を高めることができる。したがって、不正抑止効果をより一層高めることができる。
またこのとき、取付台711の基板装着部712上に主制御装置701を装着した後は、該主制御装置701によって連結片811,812が覆い隠されるため、更に不正抑止効果を高めることができる。
(第5の実施の形態)
ところで、遊技盤の背面側に設けられる可変入賞装置(いわゆる大入賞アタッカ)は、電気配線等を介して主制御装置に接続され、主制御装置によって、大当たり当選時に可変入賞装置の大当たり開放が行われる。具体的には、可変入賞装置を構成するアタッカ駆動用のソレノイドに対して主制御装置から駆動制御信号が出力され、その駆動制御信号によって可変入賞装置の大当たり開放が行われる。また、可変入賞装置に入賞する遊技球がセンサ等の検出器で検出され、その検出信号が主制御装置に逐次出力される。これにより、主制御装置において、可変入賞装置に対する遊技球数がモニタされつつ、所定条件下で大当たり開放制御が行われる。遊技球の入賞信号が主制御装置に入力されると、それに基づいて払出指令信号が払出制御装置に出力され、払出制御装置による払出モータ等の制御により遊技球の払出が行われる。
かかる場合、可変入賞装置と主制御装置とは、例えば複数の電気配線を束ねたハーネスにて接続されるが、そのハーネスに紛らわせて小型の不正回路装置を取り付けるような不正行為が行われる。例えば、既設のハーネスに不正回路装置を後付けしたり、既設のハーネスを、不正回路装置を具備した不正ハーネスに交換したりすることが考えられる。こうして不正行為が行われると、可変入賞装置のアタッカ駆動等のソレノイドが誤動作し、可変入賞装置が誤って開放されて不正に出玉が取得されるといった不都合が生じる。又は、実際には遊技球が入賞していないのにもかかわらず、入賞信号が主制御装置に出力され、やはり不正に出玉が取得されるといった不都合が生じる。その他、大当たり時の可変入賞装置(大当たりアタッカ)の入球数が主制御装置でカウントされるとともに、入賞確認が払出制御装置で行われる構成にあっては、入賞球のカウントが誤って行われることで、可変入賞装置の開放状態が必要以上に継続されてやはり不正に出玉が取得されるといった不都合が生じる。特に既存の遊技機の場合、電気配線が弛んだ状態となっているため、不正回路装置が見つけにいと考えられる。
そこで本実施の形態では、主制御装置、台座部材(取付台)、スペーサ部材等よりなる制御基板ユニットを遊技盤の背面側(実際には集合板ユニット)に取り付けた場合に、スペーサ部材によって電気配線を突っ張らせ(すなわち、弛みを無くし)、電気配線の途中に設けられる不正回路装置等を見つけやすくすることを提案する。スペーサ部材は空間制限部として機能する。
本実施の形態におけるスペーサ部材1001の構成を説明する。図41は、本実施の形態におけるスペーサ部材1001を示す斜視図であり、図42は同スペーサ部材1001の背面図(a)と正面図(b)である。図42において、背面図(a)は、スペーサ部材1001を遊技盤に対向する側から見た図であり、正面図(b)は、スペーサ部材1001を台座部材(制御装置取付台)に対向する側から見た図である。図43は、図42の(a)のA−A線断面図である。なお、主制御基板ユニットにおいてスペーサ部材1001以外の構成については既述の構成が流用できるため、ここでは図示及び詳細な説明を省略する。例えば、主制御装置や台座部材(制御装置取付台)の構成については図17〜図19等に示す主制御装置271や取付台251を参照されたい。遊技盤の構成については図11等に示す遊技盤30を参照されたい。
スペーサ部材1001は、全体として略L字状をなしており(取付台251等と同様、図19等参照)、図42の(a)に示すように、裏側(遊技盤側)は閉ざされた面となっているのに対し、図42の(b)に示すように、相対向する表裏両側のうち表側(取付台251側)は開放された面になっている。スペーサ部材1001は、無色透明の合成樹脂材料により成形されている。
ただし、スペーサ部材1001の相対向する表裏両側のうち、開放された面と閉ざされた面とを逆にすることも可能である。つまり、スペーサ部材1001の相対向する表裏両側のうち、表側(取付台251側)を閉ざされた面とし、裏側(取付台251とは反対側)を開放された面とする。又は、スペーサ部材1001の相対向する表裏両側をいずれも、閉ざされた面若しくは開放された面とすることも可能である。なお、両方を閉ざされた面とするには、平板状の板材が後付けされると良い。
スペーサ部材1001には格子状の多数のリブ1002が形成されており、その多数のリブ1002によって、中空空間の一つ一つの塊として比較的大きなものが形成されないようになっている。つまり、リブ1002によって空間が細分化されている。また、多数のリブ1002を設けることにより、空間の細分化といった所望とする効果を得つつ、スペーサ部材1001の重量軽減を図ることができるようになっている。
スペーサ部材1001の表側(取付台251側)には、主制御装置271に対して当該スペーサ部材1001を係止固定するための左右一対の係止片1003が形成されている。また、スペーサ部材1001の上端部には結合突起1004が設けられている。結合突起1004は、当該スペーサ部材1001と取付台251との間で封印処理を施すための封印部材に相当する。
すなわち、取付台251の背面側にスペーサ部材1001を装着した状態では、スペーサ部材1001の結合突起1004と取付台251側の被結合片255(図19参照)の一つとが前後で重なるようにして合致する。そして、結合突起1004及び被結合片255に封印ネジがねじ込まれることで、スペーサ部材1001と取付台251との間で封印処理が施される。封印ネジとしては破断ネジや一方向ネジ(ワンウェイネジ)が用いられる。この場合、封印処理が施された後は、所定の破壊行為を行わなければその封印処理を解除することができない。故に、仮に不正に封印処理が解除された後は、その不正の痕跡が残るようになっている。
また、スペーサ部材1001の裏側(遊技盤側)には、遊技盤側の凹凸形状に合わせて凹部及び凸部が形成されている。具体的には、例えば凸部1011,1012のような凸状部分が遊技盤側の凹み部分に対応して設けられ、例えば凹部1013,1014のような凹状部分が遊技盤側の凸部分に対応して設けられている。つまり、これら凸部1011,1012や凹部1013,1014により、相対向する遊技盤側(主制御基板ユニットの装着相手側)の部材との干渉を回避しつつ、同遊技盤側の部材とスペーサ部材1001との間の距離が縮められる。これにより、スペーサ部材1001(主制御基板ユニット)と遊技盤との間に不正基板等を設置すること等の不正行為ができないようになっている。その他、スペーサ部材1001には、台座部材(取付台251)に装着した際において主制御装置側の突起部材(主制御装置271側の係止具278)との干渉を回避するために矩形状の切欠部1015が2カ所に形成されている。
また特に、同じくスペーサ部材1001の裏側(遊技盤側)には、遊技盤に設けられた可変入賞装置との干渉を回避するためのアタッカ収容凹部1017が形成されている。このアタッカ収容凹部1017は、その奥側及び周囲四方が閉じた壁面により囲まれ、スペーサ部材1001の背面側(遊技盤側)のみ開放された略直方体形状の凹み部分となっている。したがって、制御基板ユニットを遊技盤の背面側に装着し、取付台と遊技盤との間にスペーサ部材1001を配した状態では、アタッカ収容凹部1017内に可変入賞装置が収まり、それによってスペーサ部材1001と可変入賞装置との干渉が回避されるようになっている。
また、同じくスペーサ部材1001の裏側(遊技盤側)には、可変入賞装置等から延びる電気配線等を案内するための配線案内溝1018が形成されている。スペーサ部材1001の裏側領域において配線案内溝1018が形成されたエリアが「配線案内エリア」に相当する。配線案内溝1018はその溝底部が傾斜しており、上方ほどスペーサ部材1001の表裏方向の厚さが薄くなるよう構成されている。この場合、スペーサ部材1001の裏側に設けられる各種配線等(遊技盤から延びる各種配線等)は、配線案内溝1018を介してスペーサ部材1001の上方に導き出されるようになっている。
ここで、アタッカ収容凹部1017と配線案内溝1018とは上下に設けられ、それら両者間は起立板部1019によって区画されている。起立板部1019は、遊技盤側に起立する起立部である。なお、起立板部1019は空間制限部としての機能も有する。
図44は、制御基板ユニットを遊技盤30の背面側に装着した状態において、遊技盤30側の構成とスペーサ部材1001との位置関係を示す要部断面図である。なお図44では、説明の便宜上、制御基板ユニットの取付台等の図示を省略している。
同図に示すように、遊技盤30の背面側には可変入賞装置(大当たりアタッカ)32の一部が突出しており、その後方(遊技機後方側)には大入賞口中継基板227が設けられている。大入賞口中継基板227上にはコネクタ227aが設けられており、このコネクタ227aにハーネスHAが連結されている。ハーネスHAは、例えば数本程度の電気配線からなる配線束であり、その両端部に端子コネクタC1,C2が設けられている。このとき、大入賞口中継基板227のコネクタ227aに端子コネクタC1が結合された状態で、ハーネスHAが配線案内溝1018に沿って案内され、その先端部(端子コネクタC2)がスペーサ部材1001の前方(すなわち主制御装置の前側)に導かれるようになっている。そして、端子コネクタC2が主制御装置(主制御装置271)のコネクタ部に結合されることで、大入賞口中継基板227と主制御装置(主制御装置271)との間の電気的な接続がなされるようになっている。
上記のようにハーネスHAがスペーサ部材1001の背面側で案内される場合、起立板部1019によって、ハーネスHAが張られて弛みが伸びる。したがって、仮にハーネスHAに紛らわせるようにして不正装置等を取り付けてもそれが容易に発見できるようになる。
制御基板ユニットを遊技盤の背面に装着する際の装着手順を考えると、制御基板ユニットは遊技盤に対して回動可能に軸支されており、遊技盤に対して制御基板ユニットを回動させることにより遊技盤の背面側に同制御基板ユニットが装着される。このとき、制御基板ユニットの回動動作に伴いスペーサ部材1001が遊技盤の背面に対向し、それと同時にハーネスHAの弛みが解消される。故に、ハーネスHAの弛みを解消するために特別な作業が強いられるといった不都合も生じない。
なお、可変入賞装置の大入賞口中継基板227から延びるハーネスHAを主制御装置に直接接続する以外に、同ハーネスHAを、遊技盤側に設けた中継基板を介して主制御装置に接続する構成であっても良い。この場合にも、ハーネスHAを案内する配線案内エリアの途中に起立板部が設けられると良い。
符号215は集合板ユニットであり、集合板ユニット215とスペーサ部材1001との間の隙間寸法(クリアランス)は、大入賞口中継基板227のコネクタ227aとスペーサ部材1001との間の隙間寸法(クリアランス)よりも小さくなっている。これにより、大入賞口中継基板227やその他周辺部材(要は可変入賞装置32)に対して外部から不正道具を差し入れたりすることが困難なものとなっている。また、大入賞口中継基板227周辺においては電気配線等の取り回しが容易となっている。
以上詳述した第5の実施の形態によれば、スペーサ部材1001において遊技盤側(遊技機本体との対向部位)に、可変入賞装置との干渉を回避させるようにしてアタッカ収容凹部1017を形成するとともに、そのアタッカ収容凹部1017と配線案内溝1018との間に起立板部1019を形成し、その起立板部1019によりハーネスHAを突っ張らせて弛みを伸ばすようにしたため、仮にハーネスHAに紛らわせるようにして不正装置等を取り付けてもそれが容易に発見できるようになる。したがって、本パチンコ機の背面側における不正抑止効果を高めることができる。
上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第5の実施の形態で説明したスペーサ部材1001の構成を以下のように変更する。なおここでは、スペーサ部材1001の縦断面を図45の(a),(b),(c)及び図46の(a),(b)に示しており、これらを図43と比較することで構成の変更箇所を確認されたい。図45の(a)〜(c)及び図46の(a),(b)では、説明の便宜上、可変入賞装置の大入賞口中継基板227やハーネスHAを仮想線で図示している。
図45の(a)は、スペーサ部材1001の裏側において、前後に傾斜した配線案内溝1018を省略した構成としている。ただし、上記実施の形態と同様、スペーサ部材1001の裏側に、遊技盤側に起立する起立板部1019が設けられている。この場合にも、「配線案内エリア」の途中に起立板部1019が設けられていることには変わりなく、起立板部1019によって、ハーネスHAが張られて弛みが伸びるようになっている。なお図45の(a)では、アタッカ収容凹部1017の下方が開放された事例を図示している。
図45の(b)は、スペーサ部材1001の裏側において、アタッカ収容凹部1017の奥底部よりも遊技盤側となる部位が「配線案内エリア」となっており、その配線案内エリアには、遊技盤側(すなわち遊技盤に対向する状態で遊技盤側)に起立するようにして起立板部1021が形成されている。この場合、起立板部1021によって、ハーネスHAが張られて弛みが伸びるようになっている。
図45の(b)に示す起立板部1021を、図45の(c)に示す起立部1022に変更することもできる。この場合、起立部1022は、所定間隔を隔てた上下2つの板部を有して構成され、それにより上下方向に厚みを持つものとなっている。
また、図46の(a)は、スペーサ部材1001の裏側において、アタッカ収容凹部1017を省略し、スペーサ部材1001の背面側を面一又は略面一としている。そして、そのスペーサ部材背面部に、遊技盤側(すなわち遊技盤に対向する状態で遊技盤側)に起立するようにして起立板部1025が形成されている。より詳しくは、スペーサ部材背面部が「配線案内エリア」となっており、その配線案内エリアに、ハーネスHAの始端部(大入賞口中継基板227上のハーネス接続部)となる位置よりも遊技盤側に延びるようにして起立板部1025が形成されている。この場合、起立板部1025によって、ハーネスHAが張られて弛みが伸びるようになっている。
図46の(a)に示す起立板部1025を、図46の(b)に示す起立部1026に変更することもできる。この場合、起立部1026は、所定間隔を隔てた上下2つの板部を有して構成され、それにより上下方向に厚みを持つものとなっている。
上記いずれの構成においても、起立部によって、ハーネスHAが張られて弛みが伸びるため、仮にハーネスHAに紛らわせるようにして不正装置等を取り付けてもそれが容易に発見できるようになる。したがって、遊技機背面側における不正抑止効果を高めることができる。
(b)第1制御基板ユニット201において取付台251の背後空間に設けられるスペーサ部材を、図47のように構成しても良い。図47には、スペーサ部材285についての変形例を示す。図47の(a)では、スペーサ部材285に多数のリブ286を格子状に設けることは同じであるが、リブ286の設置域を一部にのみ限定している。つまり、スペーサ部材285において、空間を細分化する空間細分化領域と、空間を細分化しない空間非細分化領域とを設けている。ここでは、図の上半分の領域に限定してリブ286を設けている。その他、下半分、右半分、左半分など、特定の領域に限定してリブ286を設ける構成であっても良い。
また、図47の(b)では、スペーサ部材285において、格子状の多数のリブ286に代えて、柱部材として円柱状をなす複数のボス621を点在させて設けている。柱部材として、多角形状、断面十字状、断面T字状、クランク状、断面ドーナツ状などをなす柱部材を設けても良い。かかる構成においても、取付台251の背後空間を遮る部材を適宜配することができる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。例えば、円柱状をなすボス621を点在させて設ける場合、その外径寸法は大きい方が良い。外径寸法が大きくなれば、不正道具等を直線的に差し入れることが困難になるためである(特に、ボス621が千鳥パターンで配置される場合に有効)。外径寸法を大きくするには、断面ドーナツ状の中空形状とするのが望ましい。
その他、図47の(c)に示すように、スペーサ部材285において、リブ623とボス624とを混在させて設けることも可能である。以上の各構成はスペーサ部材601,741,1001についても同様に適用できる。
(c)上記第1の実施の形態では、スペーサ部材285において格子状の多数のリブ286を設け、それらリブ286により区画された各空間(細分化された空間)が前後方向に延びるように構成したが、これを変更する。同空間(細分化された空間)は左右方向又は上下方向に延びるものであっても良い。この場合、例えば、前後2枚の板材の間に、上下方向又は左右方向に延びる複数の仕切り板部を設ける。これにより、スペーサ部材において、左右方向又は上下方向に延びる細分空間が形成できる。本構成では、スペーサ部材285の前後両面が閉じた面となることから、仮に台座部材(取付台251)の基板装着部に孔や開口があったとしても、その孔や開口を通じて不正行為が行われることが排除できる。スペーサ部材601,741についても同様である。
(d)上記実施の形態では、スペーサ部材285の厚さを、取付台251の脚部の長さとほぼ同じ、又は取付台251の脚部の長さよりも若干小さい長さ寸法としたが、この構成を変更する。例えば、スペーサ部材285の厚さを、取付台251の脚部の長さよりも大きい長さ寸法としても良い。この場合、取付台251の脚部からはみ出るようにしてスペーサ部材285が存在することとなる。故に、スペーサ部材285の存在の有無や、正常状態であることの確認を容易に行うことができる。スペーサ部材601,741についても同様である。
(e)上記実施の形態では、スペーサ部材285を無色透明の合成樹脂材料により形成したが、これを変更し有色材料により形成しても良い。ただし、有色材料にすると内部の視認性が低下するため、その対策が必要となる場合がある。上記のようにスペーサ部材285の表側(取付台251側)を閉ざされた面とし、裏側(取付台251とは反対側)を開放された面とする場合にはさして問題にならないが、その逆にスペーサ部材285の表側(取付台251側)を開放された面とし、裏側(取付台251とは反対側)を閉ざされた面とする場合には、視認性の低下防止のために、裏側(取付台251とは反対側)に透明板を貼り付ける構成として内部視認可能にすると良い(両方を閉ざされた面とする場合も同様)。スペーサ部材601,741についても同様である。
(f)複数のスペーサ形成片を用いてスペーサ部材を形成するようにしても良い。その具体的構成を図48により説明する。図48において、(a),(b)はスペーサ形成片831の構成を示す斜視図であり、(c),(d)は2つのスペーサ形成片831を組み合わせてスペーサ部材を形成した状態を示す断面図である。
図48の(a)に示す構成では、スペーサ形成片831は、ベース板部832と、そのベース板部832上に立設された複数の起立リブ833とから構成されている。また、図48の(b)に示す構成では、スペーサ形成片831は、ベース板部832と、そのベース板部832上に立設された複数の起立ピン834とから構成されている。起立リブ833と起立ピン834とが突状部に相当する。そして、図48の(c)に示すように、起立リブ833が突き出た方を互いに向き合わせて2つのスペーサ形成片831を組み合わせてスペーサ部材を形成する。又は、図48の(d)に示すように、起立リブ833が突き出た方を同方向として2つのスペーサ形成片831を組み合わせてスペーサ部材を形成する。ただし(d)の場合には、少なくとも一方のベース板部832に、起立リブ833を貫通させるための貫通孔835を形成する必要がある。図48の(c),(d)では、起立リブ833が互いに違いに並ぶようにして2つのスペーサ形成片831が組み付けられている。
なお、2つのスペーサ形成片831を組み合わせる場合、上記のように共に起立リブ833を有する組み合わせとする他、共に起立ピン834を有する組み合わせとしたり、それぞれ起立リブ833と起立ピン834とを有する組み合わせとしたりすることが可能である。また、スペーサ形成片831を3つ以上組み合わせることも可能である。突状部の形状としては、格子状、短辺フィン状、断面L字状、断面T字状、クランク状、断面ドーナツ状などであっても良い。
上記のように、複数のスペーサ形成片831を組み合わせることにより、スペーサ部材の中空部においてより細かな細分化が容易に実現できる。つまり、リブ等の突状部を作製する場合、製造上の都合によりその設置間隔が制限されるが、複数のスペーサ形成片831の組み合わせによれば設置間隔の狭小化が可能となる。例えば、スペーサ部材を樹脂成形する場合には、金型の大きさ等の制約から突状部の設置間隔が制限されるが、上記構成によればこの不都合が解消される。
(g)台座部材(取付台251等)の脚部に側方から櫛歯状の空間細分化部材を差し入れ、それにより台座部材の背後空間を細分化する構成としても良い。その具体的構成を図49に示す。図49において、台座部材としての取付台841は四辺形をなす基板装着部842と、その二辺に設けられる板状の脚部843とを有し、各脚部843には所定間隔で複数の貫通孔844が設けられている。一方、空間細分化部材846は、櫛歯部847を有している。そして、取付台841の貫通孔844に貫通させるようにして、空間細分化部材846の櫛歯部847を差し入れる。これにより、取付台841の背後空間が細分化される。図示は省略するが、本構成において、取付台841と空間細分化部材846とには、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした封印部材が設けられている。なお、取付台841に対して空間細分化部材846を複数装着するようにしても良い。
(h)上記各実施の形態では、スペーサ部材(スペーサ部材285等)を台座部材(取付台251等)に装着する際、スペーサ部材を台座部材の基板装着部に取り付ける構成としたが、これを変更し、スペーサ部材を台座部材の脚部に取り付ける構成としても良い。例えば、第1の実施の形態の構成において、取付台251の脚部(下側脚部261)に、突起部や孔部などからなるスペーサ部材用保持部を設け、その保持部によってスペーサ部材285を保持する構成とする。他の実施の形態における台座部材(取付台711)についても同様である。
(i)上記実施の形態では、スペーサ部材(スペーサ部材285等)を台座部材(取付台251等)に装着する構成としたが、これを変更し、スペーサ部材(スペーサ部材285等)を遊技盤側(遊技機本体の背面側)に装着する構成としても良い。例えば、スペーサ部材285を遊技盤30側に装着する。本構成においても、前記同様、取付台251の背後空間を埋めることができ、不正行為に対する抑止力を発揮することができる。
ここで、スペーサ部材285の一部を遊技盤30に回動可能に支持する構成を設け、必要に応じてスペーサ部材285を回動させることができるようにすると良い。更にこの場合、スペーサ部材285と遊技盤30とに対して結合部材による結合(封印)を施すと良い。特にこの場合、遊技盤30とスペーサ部材285とに結合部材による結合処理が施された状態でスペーサ部材285の回動可能な状態が維持されているのが望ましい。そのための具体的な構成として、スペーサ部材285の軸支部に軸部材としての圧入ピン(カシメピン)等を差し込んで両部材の結合を行い、強引な破壊等を伴わなければ結合解除ができないようにすると良い。
上記のようにスペーサ部材285が回動可能に軸支されていれば、遊技盤30の背面に取り付けられた各種役物や基板装置などがスペーサ部材285の裏側に隠れていても、これらをスペーサ部材285の回動動作によって現出させることができる。したがって、各種役物や基板装置などのメンテナンス作業等を容易なものとすることができる。また、圧入ピン(カシメピン)等による結合によって、スペーサ部材285の不正な取り外し行為が抑止できる。
(j)上記第1の実施の形態では、取付台251とスペーサ部材285とを連結するための連結手段として、締付及び取り外しが共に可能なネジ(汎用ネジ)を用いたが、これに代えて、破断ネジやワンウェイネジといった封印ネジを用いても良い。封印ネジは、「初回の連結操作のみ可能とし以後の連結解除操作を不可とする連結手段」に相当する。また、同連結手段として、封印ネジに代えて圧入ピンを用いても良い。この場合、圧入ピンを圧入する孔部の差込口とは逆側を閉じておき、圧入ピンを孔部内に完全に没入するまで押し入れる。これにより、圧入ピンの圧入後は、同圧入ピンを抜き取ること(すなわち連結解除すること)が不可能となる。圧入ピンには返し部が設けられていると良く、これにより圧入ピンの抜き取りがより一層困難なものとなる。
(k)上記第3,第4の実施の形態では、連結手段(特に、初回の連結操作のみ可能とし以後の連結解除操作を不可とする連結手段)として、連結片811,812を用いたが、これを変更しても良い。例えば、破断ネジやワンウェイネジといった封印ネジ等を用いる。
(l)上記第3,第4の実施の形態では、主制御装置ユニット700において取付台711にスペーサ部材741を一体化した構成を説明したが、音声ランプ制御装置ユニット780についても同等に取付台にスペーサ部材を一体化した構成が適用できる。
(m)第1制御基板ユニット201において取付台251の背後空間に設けられるスペーサ部材285を、複数のピース(複数のスペーサブロック)の集合体により構成することも可能である。具体的には、上下方向、左右方向、又は前後方向に並べて各ピース(スペーサブロック)を配置してスペーサ部材を構成すると良い。この場合、個々のピース(スペーサブロック)ごとに、結合処理により分離不能となりかつ結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部(封印部)を設けるのが望ましい。個々のスペーサブロックに設けられる結合部は、スペーサブロック同士で結合処理が施されるものでも良いし、その他スペーサブロックと台座部材(取付台251等)、スペーサブロックと遊技機本体(遊技盤30等)、スペーサブロックと制御装置(主制御装置271等)のいずれの間で結合処理が施されるものでも良い。又は、パチンコ機後方にカバー体が設けられる場合には、スペーサブロックとカバー部材の間で結合処理が施されるものでも良い。結合部に設けられる結合部材としては、封印シールや封印ネジなどが用いられる。
スペーサ部材が、複数のスペーサブロックの集合体として構成されることにより、スペーサブロックの組み合わせを適宜変更することで、スペーサ部材としての立体形状を様々に変化させることができる。この場合、都度の空間領域に対応させてスペーサ部材を容易に形作ることができ、例えば機種・型式等の変更時にも好適に対処できる。また、個々のスペーサブロックごとに結合部が設けられるため、複数のスペーサブロックのいずれかが不正に取り除かれる等の不正を抑止できる。
また、取付台251に対して引っ掛け部により係止結合される複数のスペーサ部材を用い、それらスペーサ部材を取付台251の裏面側で封印手段等により結合する構成としても良い。封印手段としては、機械的な結合を伴う構成や封印シール等が適用できる。他の実施の形態の台座部材(取付台711)についても同様である。
(n)上記各実施の形態において、台座部材(取付台251等)とスペーサ部材(スペーサ部材285等)とを接合手段により接合するようにしても良い。具体的には、台座部材(取付台251等)とスペーサ部材(スペーサ部材285等)との互いの当接面に接着剤を付けて両部材を接合する。なお、台座部材とスペーサ部材とを接合した状態で、更にそれら両部材に封印シール等による結合処理(封印処理)を施すようにしても良い。
又は、台座部材(取付台251等)とスペーサ部材(スペーサ部材285等)とを分離不能に結合する部位を接合手段により接合するようにしても良い。例えば、第3の実施の形態の構成にあっては、取付台711とスペーサ部材741とを一体化した状態で、係止片745,746による係止部位に接着剤付けて両部材を接合する。更に、第4の実施の形態の構成にあっては、取付台711とスペーサ部材741とを一体化した状態で、連結片811,812による結合部位に接着剤付けて両部材を接合する。接着剤等の接合手段による接合を行う際、その接合部は主制御装置等による隠れた部位であると良い。
接合手段として、超音波溶着を用いても良い。この場合、超音波振動用のホーンを取付台又はスペーサ部材に当接させ、その状態でホーンを超音波振動させることにより取付台とスペーサ部材とを溶融させてそれら両者を接合させると良い。
(o)上記第1,第2の実施の形態では、第1制御基板ユニット201の構成として、遊技盤30の背面側に取付台251を装着し、その取付台251の基板装着部252,253に主制御装置271や音声ランプ制御装置272を装着したが、この構成を変更する。例えば、遊技盤30の背面側に台座部材として複数の脚部材を立設する。そして、その脚部材によって、遊技盤30の背面側から離間した状態(浮いた状態)で主制御装置271や音声ランプ制御装置272を装着する。かかる構成において、遊技盤30の背面部と主制御装置271との間に形成される空間領域(主制御装置271の背後領域)にスペーサ部材を配し、当該空間領域を埋めるようにする。
また、台座部材として、主制御装置等を搭載する枠体と、その枠体を支持する脚部とを有する構成であっても良い。この場合、主制御装置等を搭載する部位は、取付台251等のように平板部ではなく中央に大きな開口を有するものとなる。
(p)主制御装置や音声ランプ制御装置を台座部材上に装着するとともに、更にそれらをカバー部材(カバー体)により覆う構成が考えられ、かかる構成のパチンコ機では、カバー部材により形成される空間領域にスペーサ部材を設けるとともに、そのスペーサ部材とカバー部材(又は遊技機本体)とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部(封印手段)を設けると良い。その具体的構成を図50により説明する。なおこれは、上記第1の実施の形態において、取付台251上に装着された音声ランプ制御装置272と、その音声ランプ制御装置272を覆う保護カバー部354との構成に該当する。
図50において、遊技盤851の背面側には、台座部材としての取付台853,854が取り付けられるとともに、その取付台853,854上に主制御装置855と音声ランプ制御装置856がそれぞれ装着されている。なおこの場合、主制御装置855と音声ランプ制御装置856の構成は、前述した主制御装置271、音声ランプ制御装置272に準ずる。また、取付台853,854の背面側(遊技盤側)にはそれぞれスペーサ部材857,858が取り付けられている。なお、スペーサ部材857,858の構成は、前述したスペーサ部材285等に準ずる。更に、遊技盤851の背面側には、少なくとも音声ランプ制御装置856を取付台854ごと覆うようにしてカバー体859が取り付けられている。カバー体859は遊技機本体側に回動可能に支持される回動機構などを有し、必要に応じて開閉できる構成となっている。パチンコ機においては、遊技機本体の背面側上部に遊技球タンクが設けられており、該タンクからこぼれ落ちる遊技球が制御装置類に当たらないよう、カバー体859は少なくとも上面部が閉じた構成となっている。この場合、カバー体859により形成された空間領域には余剰空間が存在しており、その余剰空間が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念される。
そこで本例では、カバー体859により形成される空間領域にスペーサ部材860を設置し、そのスペーサ部材860により前記空間領域(余剰空間)を制限するようにした。すなわちスペーサ部材860により前記空間領域(余剰空間)を埋めるようにした。スペーサ部材860は無色透明の合成樹脂材料により成形されている。またその構成は、前述したスペーサ部材285等に準ずるものである。加えて、スペーサ部材860と遊技盤851(又はカバー体859でも可)とには、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした封印部材861が設けられている。封印部材861は、機械的な結合を伴う構成や封印シールなどが適用できる。
上記構成によれば、取付台853,854の背後の空間領域だけでなく、カバー体859により形成される空間領域(余剰空間)をも縮小又は無くすことができ、当該空間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また更に、スペーサ部材860と遊技盤851とを封印部材861により封印結合したため、不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。
なお、図50の構成では、主制御装置855と音声ランプ制御装置856との間にも空間領域(余剰空間)が存在するため、その空間領域を制限する(埋める)ために別のスペーサ部材を設置しても良い。加えて、取付台853,854を挟んでその上下にそれぞれスペーサ部材を設けるとともに、それら各スペーサ部材を結合手段(封印手段)により互いに結合する構成とすることも可能である。
(q)上記各実施の形態では、スペーサ部材を合成樹脂製としたが、これ以外に、スペーサ部材をアルミニウム等の軽金属により作製したり、セラミックス等の陶磁器により作製したりしても良い。ただし、合成樹脂製した方が、成型の容易さ、軽量化、低コスト化の観点で言って有利であると言える。
(r)スペーサ部材は、中空ブロック状とする以外に、中空でない塊状(ソリッド状)であっても良い。
(s)第1制御基板ユニット201において、取付台251とスペーサ部材285との間で結合処理を施すための結合部材として封印シール等を用いることも可能である。
(t)上記第1,第2の実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、遊技盤30の裏面に対して平行な2つの基板装着部252,253を略L字状に且つ段差を付けて設けたが、この構成を変更する。例えば、前記基板装着部252,253のうち少なくとも一方を、遊技盤30の裏面に対して非平行に設ける。また、前記基板装着部252,253を略T字状に設ける。この場合、例えば音声ランプ制御装置272用の基板装着部253の途中位置に、主制御装置271用の基板装着部252を連結する。その他、各基板装着部252,253を略十文字状に設けることも可能である。
また、同基板装着部252,253の長手方向を同方向とし、それらを横又は縦に並べて配置する。また、同基板装着部252,253の段差を無くし、ほぼ同じ高さとする。ただしこの場合、主制御装置271用の基板装着部252の背後空間を確保することを考えると、当該基板装着部252と同様、音声ランプ制御装置272用の基板装着部253も遊技盤30の裏面から離間させるようにして配置されるとよい。さらに、3つ以上の基板装着部を設ける構成とする。例えば、3つの基板装着部を設ける場合、3辺に折れ曲がったように各基板装着部を設けることも可能である。
(u)主制御装置271と共に取付台251に搭載される制御装置を、音声ランプ制御装置272から別の制御装置に変更してもよい。又は、音声ランプ制御装置272に更に加えて別の制御装置を主制御装置271と共に取付台251に搭載してもよい。別の制御装置としては、図柄の表示制御を実施するための表示制御装置などが考えられる。
(v)脚部を取付台251とは別体で設ける構成としてもよい。例えば、遊技盤30の裏面に取り付けた集合板ユニット215に、板部を後方に起立させて設け、この板部を遮蔽部とする。
(w)上記第1,第2の実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、主制御装置271用の基板装着部252の背後空間に通じる開口部のうち、上側の開口部を可変表示ユニット35で塞ぐように構成したが、可変表示ユニット35でなく、第1制御基板ユニット201(取付台251)に隣接して設けられる別の構成部材で塞ぐ構成としてもよい。
(x)上記第1,第2の実施の形態では、遊技盤30の裏面に第1制御基板ユニット201(取付台251)を取り付ける構成としていたが、これを変更し、遊技機本体の裏面において第1制御基板ユニット201を別部材に取り付ける構成としてもよい。例えば、第1制御基板ユニット201(取付台251)を、遊技機本体を構成する本体枠12に取り付ける。
(y)上記第1,第2の実施の形態では、第1制御基板ユニット201の取付台251において、各基板装着部252,253に高さがほぼ等しい制御装置271,272を装着したが、この構成を変更する。例えば、各基板装着部252,253に装着する制御装置の高さを各々異なるものとし、下段側には比較的背の高い制御装置を装着し、上段側には比較的背の低い制御装置を装着する構成としても良い。この場合、パチンコ機10後方への各制御装置の高さ(出っ張り)をほぼ均等にすることが可能となる。従って、制御装置等の望ましいレイアウトが実現できる。
(z)上記実施の形態では、パチンコ機10の裏面側において、各種制御装置を2つの制御基板ユニット(第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202)に分散して搭載したが、この構成も変更でき、制御基板ユニット(すなわち取付台)を3つ以上設ける構成としてもよい。
(a1)制御装置以外の部材を装着するための台座部材を本体枠12や遊技盤30に取り付ける構成としても良い。制御装置以外の部材としては、電源装置313、モータやソレノイド等の電気部材、遊技球通路部材などが考えられる。
(a2)上記パチンコ機10の構成に代えて、遊技機本体(本体枠12や遊技盤30等の集合体)の背面側に制御装置(主制御装置271等)や機能部品類(可変入賞装置32等)などを台座部材を使わずに搭載するとともに、それら制御装置や機能部品類などの少なくとも遊技機後方側を覆うように、同じく遊技機本体の背面側にカバー部材を取り付けた構成が考えられる。かかる構成のパチンコ機において、カバー部材により形成される空間領域にスペーサ部材を設けるとともに、遊技機本体及びカバー部材の少なくともいずれかとスペーサ部材とに、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした結合部(封印手段)を設けると良い。その具体的構成を図51により説明する。
図51の(a)に示すように、遊技盤901の背面側には、主制御装置902が取り付けられている。なおこの場合、主制御装置902の構成は、前述した主制御装置271等に準ずる。主制御装置902は遊技盤901(又はその背面側の集合板ユニット)に対して直接固定されていても良いし、ベース板等を介して固定されていても良い。また、同じく遊技盤901の背面側には、主制御装置902の少なくとも表側(パチンコ機で言えば後方側)を覆うようにしてカバー体903が取り付けられている。カバー体903は回動機構などを有し、必要に応じて開閉できる構成となっている。この場合、カバー体903により形成された空間領域に主制御装置902やその他機能部品類(図示略)などが配設されるが、同空間領域には余剰空間が存在しており、その余剰空間が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念される。
そこで本例では、カバー体903により形成される空間領域にスペーサ部材904を設置し、そのスペーサ部材904により前記空間領域(余剰空間)を制限するようにした。すなわちスペーサ部材904により前記空間領域(余剰空間)を埋めるようにした。スペーサ部材904は無色透明の合成樹脂材料により成形されている。またその構成は、前述したスペーサ部材285等に準ずるものである。加えて、スペーサ部材904と遊技盤901(又はカバー体903でも可)とには、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした封印部材905が設けられている。封印部材905は、機械的な結合を伴う構成や封印シールなどが適用できる。
上記構成によれば、カバー体903により形成される空間領域(余剰空間)を縮小又は無くすことができ、当該空間領域を用いての不正基板等の設置などが抑制できる。また更に、スペーサ部材904と遊技盤901とを封印部材905により封印結合したため、不正行為に対する抑止力を十分に発揮できる。以上によれば、遊技盤901(遊技機本体)の背面に、カバー部材により区画された区画空間を有するパチンコ機において十分な不正対策を講じることができる。
図51の(a)の変形例を図51の(b)に示す。図51の(b)では、(a)の構成に比してカバー体903がパチンコ機後方に大きく張り出す構成となっており、それ故に主制御装置902とカバー体903との間にも空間領域(余剰空間)が形成されている。この場合、(a)の構成よりも大型のスペーサ部材911が設けられる。図示の例では、スペーサ部材911は、主制御装置902の上方領域と表側領域とを埋めるものとなっている。スペーサ部材911は無色透明の合成樹脂材料により成形されている。またその構成は、前述したスペーサ部材285等に準ずるものである。ただしこうして空間領域(余剰空間)が比較的大きい場合、複数ピースからなるスペーサ部材を設ける構成としても良い。前記同様、スペーサ部材911と遊技盤901(又はカバー体903でも可)とには、結合処理によりそれら両者を分離不能とするとともに結合後の結合解除により痕跡が残るようにした封印部材905が設けられている。
なお、カバー体903内に、上記した主制御装置902に代えて他の制御装置(音声ランプ制御装置等)を設けても良いし、主制御装置902を設けずに、可変入賞装置(大入賞当アタッカ)等の機能部品類などを設けても良い。また、カバー体903は、少なくとも主制御装置902等の表側(パチンコ機で言えば後方側)を覆うものであることが要件であるが、例えばカバー体下部又は上部等に開口が設けられていても良い。
(a3)上記各実施の形態では、台座部材としての取付台(取付台251等)とスペーサ部材(スペーサ部材285等)とを別体で成形し、取付台の背面側(遊技盤側)にスペーサ部材を装着する構成としたが、これを変更し、取付台と台座部材とを一体物として成形する構成としても良い。すなわちこの場合、台座部材(取付台)の遊技機本体(遊技盤等)と相対する側に、台座部材の背後領域を制限する空間制限部を設ける。さらに、その空間制限部において遊技機本体(遊技盤等)との対向部位には、遊技盤背面側に設けた可変入賞装置等との干渉を回避させるようにして凹部を形成するとともに、その凹部と配線案内溝との間に(又は配線案内エリアの途中に)、遊技機本体側に起立する起立部(起立板部)を形成する。具体的には、空間制限部を有する台座部材は、上記各実施の形態において取付台251等とスペーサ部材とを一体成形したものに相当する。
特にこの場合、台座部材(取付台)の背後側に設けられる空間制限部は、第5の実施の形態でスペーサ部材1001として説明した構成が流用されると良い。つまり、台座部材(取付台)の遊技盤側において、可変入賞装置との干渉を回避させるようにしてアタッカ収容凹部(図41のアタッカ収容凹部1017)を形成するとともに、そのアタッカ収容凹部と配線案内溝(図41の配線案内溝1018)との間に起立板部(図41の起立板部1019)を形成し、その起立板部によりハーネスを突っ張らせて弛みを伸ばすように構成する。これにより、仮にハーネスに紛らわせるようにして不正装置等を取り付けてもそれが容易に発見できるようになる。したがって、本パチンコ機の背面側における不正抑止効果を高めることができる。
また、こうして台座部材とスペーサ部材とを一体成形した構成において、図45及び図46に示した態様で空間制限部を形成することも可能である。
(a4)上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機や、メダルに代えて遊技球(パチンコ球)を使用する球使用タイプの回胴式遊技機にも適用できる。
球使用タイプの回胴式遊技機では、外周に複数の図柄が付されたリール装置(回胴装置)、遊技者により操作されるベットスイッチやスタートレバー等の装置類、遊技球の取込を許可又は禁止すると共に順次取り込まれる遊技球をカウントするための取込装置などが設けられる。この場合、球受皿に貯留された遊技球は、整列通路部及び取込口を介して取込装置に導かれる。そして、遊技者によるベットスイッチの操作に伴い取込装置で遊技球の取込が行われ、その取り込まれた遊技球数に応じて毎回の遊技の開始(スタートレバー操作に伴うリール回転)が許容される。
10…パチンコ機、11…外枠、12…本体枠、13…前扉枠、30…遊技盤、32…可変入賞装置、35…可変表示ユニット、38…切欠、41…第1図柄表示装置、50…レールユニット、91…シリンダ錠、101…窓部、201…第1制御基板ユニット、202…第2制御基板ユニット、203…裏パックユニット、214…表示制御装置、235…軸受け金具、248…連動杆、251…取付台、252,253…基板装着部、252a,253a…基板搭載面、255…被結合片、261…下側脚部、262…上側脚部、271…主制御装置、272…音声ランプ制御装置、273…基板ボックス、278…係止具、285…スペーサ部材、286…リブ、295…結合突起、601…スペーサ部材、602…リブ、700…主制御装置ユニット、701…主制御装置、702…基板ボックス、704…封印部、711…取付台、712…基板装着部、712a…基板搭載面、741…スペーサ部材、745,746…係止片、771…遊技盤、801,802…係止受け部、811,812…連結片、811b,812b…係止部、831…スペーサ形成片、833…起立リブ、834…起立ピン、903…カバー体、904…スペーサ部材、905…封印部材、1001…スペーサ部材、1017…アタッカ収納凹部、1018…配線案内溝、1019…起立板部、1021,1025…起立板部、1022,1026…起立部、HA…ハーネス、SF…封印シール。