JP5935926B1 - ウェーハの両面研磨装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】下定盤にトルクを伝達するためのスピンドルの熱膨張に起因する下定盤の変形を抑制することが可能なウェーハの両面研磨装置を提供する。【解決手段】本発明の両面研磨装置は、キャリアプレートと、その孔に保持されたウェーハを挟み込む上定盤及び下定盤と、サンギアと、周辺ギアとを有し、前記サンギア及び前記周辺ギアを回転させて前記キャリアプレートを回転させつつ、前記上定盤及び前記下定盤を回転させて、前記ウェーハを両面研磨する。下定盤14と、その下方に位置するスピンドル20とは、連結具により連結されるが、連結具は、スピンドルと下定盤とを締め付け固定しない。【選択図】図3

Description

本発明は、ウェーハの両面研磨装置に関する。
シリコンウェーハなどの半導体ウェーハの製造において、より高精度な平坦度品質や表面粗さ品質の半導体ウェーハを得るために、研磨パッドを有する一対の定盤(上定盤及び下定盤)で半導体ウェーハを挟みつつ、研磨パッドと半導体ウェーハの間に研磨スラリーを供給して、その表裏面を研磨パッドで同時に化学機械研磨する両面研磨が行われている。
このような両面研磨においてより高い平坦度のウェーハを得るためには、両面研磨装置の上定盤及び下定盤の形状の一致(マッチング)が必要である。ここで、上下定盤の形状が静的状態(研磨中の熱影響を考慮しない状態)で一致するように、これらの形状を設計しても、動的状態(研磨中の熱影響を受けた状態)では上下定盤の形状が変形し、上下定盤の形状が一致しなくなるという問題が知られている。
研磨中の発熱源としては、主に加工による摩擦熱と、上下定盤を駆動するための駆動部(減速機、モーター、ベアリング等)からの発熱が考えられる。加工による摩擦熱については、上下定盤に直接伝わり、上下定盤の温度を上昇させる。このため、上下定盤内部へ冷却水を供給したり、上下定盤の材料を熱膨張係数が低い材料とすることにより対応してきた。
次に、駆動部の発熱に起因する下定盤の変形を抑制する技術としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、下定盤の加工作用面より下の部分を覆うボックス内を隔壁で複数の領域に分離し、下定盤を駆動するモーター及び減速機を、下定盤が含まれる領域とは異なる領域に配置することで、モーター及び減速機からの熱が下定盤に影響しないようにすることが記載されている。また、下定盤用の減速機については、冷却用流体をホースで循環供給して、減速機自体を冷却することが記載されている。
特開2008−207282号公報
本発明者は、モーター及び減速機を含む駆動部の発熱に起因する下定盤の変形に関して、特許文献1が着目するような下定盤への伝熱による下定盤の温度上昇を抑制するという観点ではなく、以下のメカニズムに着目した。すなわち、下定盤の下方には、下定盤にボルト等の締付具で締め付け固定されたスピンドルがあり、駆動部がスピンドルを回転させると、このトルクが下定盤に伝達して、下定盤が回転する。そのため、駆動部の発熱は、これと直接接触しているスピンドルに伝達され、スピンドルは、温度が上昇し熱膨張する。ここで、スピンドルはSUS304等の低コスト材料で作製され、下定盤は既述のように熱膨張係数の低い鋳物等で作製されるのが通常であるため、熱膨張係数の異なる金属体が締め付け固定されていることになる。そのため、スピンドルの熱膨張によってバイメタル効果が生じ、下定盤も変形に至るのである。一方で、上定盤は追従機構(ユニバーサルジョイント、ワイヤー等)を介して取り付けられており、スピンドルに直接締結される構成ではないため、このようなバイメタル効果による変形は生じない。そのため、上下定盤の形状が一致しなくなり、研磨加工されたウェーハの平坦度を損なう原因となっている。
特許文献1では、駆動部と下定盤とを分離する隔壁を設けたり、減速機を冷却させる為の冷却機構が必要となるため、装置構造が複雑となり、また装置価格も高価となる。また、駆動部を下定盤と分離させても、駆動部がスピンドルとは直接接触する箇所があるため、上記のようなバイメタル効果による下定盤の変形を根本的に抑えることはできない。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、下定盤にトルクを伝達するためのスピンドルの熱膨張に起因する下定盤の変形を抑制することが可能なウェーハの両面研磨装置を提供することを目的とする。
本発明者は、スピンドルの熱膨張に伴うバイメタル効果による下定盤の変形を抑制するために鋭意検討した。ここで、スピンドルは、そのトルクを下定盤に伝達することが必須であるため、連結具により下定盤と連結されていることが必要である。一方で、この連結具によってスピンドルと下定盤とを締め付け固定しない状態とすることにより、スピンドルの熱膨張の影響を下定盤に与えないようにすることを着想した。そして実験の結果、この状態であれば、スピンドルの熱膨張に伴うバイメタル効果による下定盤の変形を大きく抑制できることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)ウェーハを保持する1つ以上の孔が設けられたキャリアプレートと、
前記孔に保持されたウェーハを挟み込む上定盤及び下定盤と、
前記キャリアプレートの外周と噛み合うサンギア及び周辺ギアと、
を有し、前記サンギア及び前記周辺ギアを回転させて前記キャリアプレートを回転させつつ、前記上定盤及び前記下定盤を回転させて、前記ウェーハを両面研磨するウェーハの両面研磨装置であって、
前記下定盤の下面と接触する上面を有し、前記下定盤の下方に位置して前記上面で前記下定盤を支持するスピンドルと、
該スピンドルを回転させるモーター及び減速機と、
前記スピンドルと前記下定盤とを連結し、前記スピンドルのトルクを前記下定盤に伝達して、前記下定盤を回転せしめる連結具と、
を有し、
前記下定盤には回転中心を中心として同心円状に複数の貫通孔が設けられ、
前記スピンドルの上面には、前記下定盤の貫通孔の各々と鉛直方向に揃った位置に、複数の穴が設けられ、
前記連結具が、前記下定盤の貫通孔から前記スピンドルの穴に挿入され、前記スピンドルに対して固定されたピン状部材であり、該ピン状部材が前記スピンドルと前記下定盤とを締め付け固定しないことを特徴とするウェーハの両面研磨装置。
)前記ピン状部材の軸部と前記下定盤の貫通孔の内壁とのクリアランスが0.05mm以上である、上記()に記載のウェーハの両面研磨装置。
)前記ピン状部材が雄ねじであり、前記スピンドルの前記複数の穴には雌ねじが切られている、上記()又は()に記載のウェーハの両面研磨装置。
)前記雄ねじがボルトである上記()に記載のウェーハの両面研磨装置。
)前記下定盤の貫通孔は、内径r1の第1内壁により区画される第1貫通孔と、該第1貫通孔の下方に位置し、r1より小さい内径r2の第2内壁により区画される第2貫通孔とからなり、
前記貫通孔の内壁のうち、前記第1内壁と前記第2内壁との間に位置する平坦部と、前記ボルトの頭部とは非接触である上記()に記載のウェーハの両面研磨装置。
)前記平坦部と前記ボルトの頭部の下面とのクリアランスが0.05mm以上である上記()に記載のウェーハの両面研磨装置。
)前記ピン状部材の上端が前記下定盤の貫通孔内に位置する上記()〜()のいずれか一項に記載のウェーハの両面研磨装置。
本発明のウェーハの両面研磨装置によれば、下定盤にトルクを伝達するためのスピンドルの熱膨張に起因する下定盤の変形を抑制することができる。
本発明の一実施形態による両面研磨装置100の模式断面図である。 (A)は、図1における下定盤14及びスピンドル20の部分拡大図(ボルトは図示せず)であり、(B)は、図1で用いられるボルト40の正面図である。 本発明の一実施形態における、ボルト40による下定盤14とスピンドル20との連結状態を示した図である。 比較例における、ボルト40による下定盤14とスピンドル20との連結状態を示した図である。 (A)は、本発明の他の実施形態で用いる棒状雄ねじ50の正面図であり、(B)は、棒状雄ねじ50による下定盤14とスピンドル20との連結状態を示した図である。
図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態による両面研磨装置100を説明する。図1を参照して、両面研磨装置100は、キャリアプレート10、上定盤12、下定盤14、サンギア16、及び周辺ギアとしてのインターナルギア18を有する。キャリアプレート10は、ウェーハWを保持する1つ以上の孔が設けられた、上面視で円形の板状部材である。図1では、各々1枚のウェーハWを保持した2つのキャリアプレート10を図示したが、キャリアプレートの数や、各キャリアプレートに設けられる孔の数は限定されない。上定盤12及びこれに対向する下定盤14は、キャリアプレート10の孔に保持されたウェーハWを挟み込む回転定盤であり、上定盤12の研磨面である下面側及び下定盤14の研磨面である上面側には、それぞれ研磨パッドが貼布されている。
サンギア16は、上定盤12及び下定盤14の回転中心部に設けられ、キャリアプレートの外周10Aに設けられたギアと噛み合う。また、インターナルギア18は、上定盤12及び下定盤14の外周部に円環状に設けられた複数のギアからなり、各ギアは、キャリアプレートの外周10Aに設けられたギアと噛み合う。
サンギア16は、図示しないモーター及び減速機により回転軸17を中心として回転する。インターナルギア18も、図示しないモーター及び減速機により回転する。これらサンギア16及びインターナルギア18の回転に伴い、上記ギアの噛み合わせによって、キャリアプレート10は、その中心を中心軸として回転しつつ(以下、「自転」という。)、上定盤12及び下定盤14の中心を中心軸としてサンギア16の周りを回転する(以下、「公転」という。)。それと同時に、上定盤12も、図示しないモーター及び減速機により回転させ、下定盤14も図1に示すモーター28及び減速機30により、上定盤12とは逆方向に回転させる。
このようにして、両面研磨装置100は、サンギア16及びインターナルギア18を回転させてキャリアプレート10を自転及び公転させつつ、上定盤12及び下定盤14を回転させて、各定盤の研磨パッド及び供給される研磨スラリーの研磨作用により、ウェーハWの両面を同時に化学機械研磨する。
次に、下定盤14の回転メカニズムを詳細に説明する。下定盤14の下方にはスピンドル20が設けられている。スピンドル20は、サンギアの回転軸17が配置される中空部を区画する筒部22と、該筒部22の上端部のフランジ部24とを有する。スピンドルの上面20A(フランジ部の上面)は平坦であり、下定盤14を支持する。フランジ部24の外周部は、ベアリング26により支持されている。
モーター28及び減速機30は、スピンドル20を回転させる駆動部であり、減速機30はスピンドル20と直接接触している。スピンドル20と下定盤14とは、連結具としての複数のボルト40によって連結されている。本実施形態では、下定盤14の回転中心を中心として同心円状に8〜10本のボルトを配置すればよく、図1ではそのうちの2本を図示した。このように下定盤14はボルト40によってスピンドル20と連結されているため、駆動部がスピンドル20を回転させると、このトルクが下定盤14に伝達して、下定盤14が回転する。
スピンドル20の材質は特に限定されないが、SUS304、S45C等の低コスト材料が好適であり、これらの熱膨張係数は11〜18×10−6−1程度である。一方、上定盤12及び下定盤14の材料は特に限定されないが、熱膨張係数が1.0〜3.0×10−6−1程度と低い材料であることが好ましく、低熱膨張鋳物、インバー材、スーパーインバー材等を挙げることができる。
本実施形態では、ボルト40によるスピンドル20と下定盤14との連結状態が重要であるため、以下、図2(A),(B)及び図3を参照して詳細に説明する。
下定盤14には、その回転中心を中心として同心円状に複数の貫通孔が設けられており、スピンドル20には、当該下定盤の貫通孔の各々と鉛直方向に揃った位置に複数の穴が設けられる。図2(A)は、下定盤14の貫通孔及びスピンドル20の穴を抜き出した拡大断面図である。下定盤14の貫通孔は、内径r1の第1内壁66により区画される第1貫通孔62と、この第1貫通孔62の下方に位置し、r1より小さい内径r2の第2内壁68により区画される第2貫通孔64とからなる。また、スピンドルの穴72は、r2よりわずかに小さい内径を有し、内壁74の一部には雌ねじが切られている(ねじ山が形成されている)。
図2(B)を参照して、ボルト40は、軸部42と、この軸部の幅よりも大きな幅を有する六角の頭部44とを有し、軸部42の下部42Aには雄ねじが形成され、上部42Bにはねじ山がない。
図2及び図3を参照して、ボルト40は、下定盤の貫通孔62,64からスピンドルの穴72に挿入される。ボルトの雄ねじ部分とスピンドルの穴の雌ねじ部分の組合せによって、ボルト40はスピンドルに対して固定される。ここで本実施形態では、図3に示すように、ボルト40がスピンドル20と下定盤14とを締め付け固定しないことが肝要である。以下、その技術的意義を、図4と比較して説明する。
図4では、ボルト40がスピンドルの穴72に底突きしておらず、ボルト40が下定盤14をスピンドルに対して締め付け固定している。既述のように、スピンドル20は駆動部の熱を受けて熱膨張し、特にフランジ部24は水平方向に約0.1mm程度膨張する。ここで図4のように、下定盤14がスピンドルに対して締め付け固定されていると、下定盤12は、その締め付け固定部でスピンドル14に引っ張られ、中心付近が外周部よりも沈み込むように変形する(バイメタル効果)。ウェーハの平坦度はナノメートルオーダーの高精度が要求されているため、上記のような約0.1mm程度の熱膨張であっても、ウェーハの平坦度に与える影響は大きい。特に、スピンドルの温度が飽和状態になるまでの期間は下定盤14の形状が安定しないため、ウェーハの形状も安定せず製品歩留りが悪化する。
これに対し本実施形態では、図3に示すように、ボルト40がスピンドルの穴72に底突きしており、ボルト40がスピンドル20と下定盤14とを締め付け固定しない。つまり、貫通孔の内壁のうち、第1内壁と第2内壁との間に位置する平坦部70と、ボルトの頭部44とは非接触である。さらに換言すると、スピンドル20に固定されたボルト40に下定盤14が遊嵌されている。この場合、下定盤14はスピンドルのフランジ部24の上面に押しつけられておらず、自重で載っているだけの状態である。つまり、下定盤14を上方に持ち上げれば、フランジ部24から浮き上がる。また、下定盤14とスピンドル20とが水平方向に相対的にずれることも可能である。
そのため、スピンドル20が駆動部の熱を受けて、フランジ部24が水平方向に熱膨張しても、下定盤12はスピンドル14に引っ張られない。その結果、スピンドル20の熱膨張に伴うバイメタル効果による下定盤14の変形を大きく抑制できる。
なお、上定盤12は、図示しない追従機構(ユニバーサルジョイント、ワイヤー等)を介して取り付けられており、スピンドルに直接締結される構成ではないため、このようなバイメタル効果による変形はもともと生じない。そのため本実施形態によれば、上下定盤の不一致を防ぎ、研磨加工されたウェーハの平坦度を向上させることができる。また、運転開始からの経過時間や装置停止の有無に関わらず、安定してウェーハの加工が可能となる。
なお本発明は、下定盤14及びスピンドル20が異なる材質である場合に限定されず、同じ材料でもよい。同じ材料の場合でも、図4のように下定盤14がスピンドルに対して締め付け固定されていると、スピンドルと下定盤の温度差によって、スピンドル20の熱膨張が下定盤14の変形を引き起こし、同様の問題が生じ得るからである。
図3を参照して、静的状態では、ボルトの軸部42Bと下定盤の第2貫通孔64を区画する第2内壁68とのクリアランスD1は、0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。換言すると、第2貫通孔64の内径r2は、ボルトの軸部42Bの周径よりも0.1mm以上2mm以下の範囲で大きいことが好ましい。D1が0.05mm未満の場合、スピンドル20の水平方向の熱膨張によって、ボルト40が下定盤14に接触して、下定盤14の変形を誘起する可能性がある。D1が1mmを超えると、下定盤停止時の位置決め精度が悪化する可能性がある。
図3を参照して、静的状態では、平坦部70とボルトの頭部の下面44AとのクリアランスD2は、0.05mm以上であることが好ましい。D2が0.05mm未満の場合、下定盤自体が熱膨張した場合、D2が0となる可能性があり、その場合、下定盤の変形を誘起するからである。
図3を参照して、ボルトの上端(頭部の上面44C)は下定盤の貫通孔62内に位置することが、下定盤上部の部材との接触を防ぐためには好ましい。
本発明の他の実施形態では、ボルト40に替えて、図5(A)に示す棒状雄ねじ50を用いてもよい。棒状雄ねじ50は、下部52Aに雄ねじが形成され、上部52にねじ山がない軸部52からなる。図5(B)を参照して、棒状雄ねじ50は、下定盤の貫通孔60からスピンドルの穴に挿入される。軸部の雄ねじ部分とスピンドルの穴の雌ねじ部分の組合せによって、棒状雄ねじ50はスピンドルに対して固定される。軸部の上部52Bは下定盤の貫通孔60内に位置するため、下定盤14は棒状雄ねじ50によってスピンドル20と連結されている。このため、スピンドル20のトルクを下定盤14に伝達できる。
本実施形態でも、図5(B)に示すように、棒状雄ねじ50がスピンドルの穴72に底突きしており、棒状雄ねじ50は、スピンドル20と下定盤14とを締め付け固定しない。よって、スピンドル20の熱膨張に伴うバイメタル効果による下定盤14の変形を大きく抑制できる。なお、雄ねじの形状は図2(B)及び図5(B)に示す形状に限られない。
図5(B)においても、静的状態では、棒状雄ねじの軸部52Bと下定盤の貫通孔60を区画する内壁とのクリアランスD1は、0.05mm以上1mm以下であることが好ましい。換言すると、貫通孔60の内径r3は、軸部52の周径よりも0.1mm以上2mm以下の範囲で大きいことが好ましい。また、棒状雄ねじの上端52Cは下定盤の貫通孔60内に位置することが好ましい。
なお、図3では連結具がボルト40である例を示し、図5では連結具が棒状雄ねじ50である例を示したが、本発明はこれに限定されず、連結具は、ノックピンなどのピン状部材であってもよい。その場合、スピンドルに設けられた複数の穴72の内壁には、雌ねじは切られていない。複数の穴72は、ピン状部材の周径よりもわずかに小さい直径を有し、ピン状部材の下部が穴72に差し込まれることで、ピン状部材はスピンドル20に対して固定される。一方、ピン状部材の上部は、下定盤の貫通孔内に位置する。このような形態でも、下定盤はピン状部材によってスピンドル20と連結されていると言え、スピンドル20のトルクを下定盤14に伝達できる。そして、ピン状部材は、スピンドル20と下定盤14とを締め付け固定しないので、本発明の効果を得ることができる。
なお、図1では、サンギア及びインターナルギアにより、キャリアプレートを自転及び公転させる、遊星運動方式の両面研磨装置を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、周辺ギアとして、各キャリアプレートに対して、その外周のギアと噛み合う2つの回転軸ピンを上定盤及び下定盤の外周部に設け、各キャリアプレートを、サンギアと2つの回転軸ピンとで自転のみさせる(公転はさせない)両面研磨装置であってもよい。
図1に示す構成を有する3台の両面研磨装置において、モーター及び減速機からの熱影響のみを考えるために、下定盤を30rpm×3時間空運転させて、その運転前後での下定盤の形状を測定して、変形量を確認した。連結具としては、図2(B)に示す10本のボルトを用いた。発明例では、図3に示すように、ボルトがスピンドルと下定盤とを締め付け固定しない状態で空運転させた。比較例では、図4に示すように、ボルトがスピンドルと下定盤とを締め付け固定した状態で空運転させた。発明例では、全ての両面研磨装置において、図3に示すクリアランスD1,D2はそれぞれ1mm、1.5mmとした。比較例では、クリアランスD2は0mmである。なお、「30rpm×3hr」という条件は、安定稼動状態での実研磨中のスピンドルの温度を予め測定しておき、空運転後の温度がその温度と同じになるように導き出した条件である。
接触式温度計(安立計器株式会社製、HA−200E)を用いて、運転前後のスピンドルの温度を測定したところ、3台の両面研磨装置の発明例及び比較例ともに、運転後ではスピンドルの温度が3〜5℃上昇したことを確認した。また、定盤形状測定機(日立造船株式会社製、HSSシリーズ)で下定盤の運転前後での下定盤の形状を測定して、変形量を確認した。運転前における下定盤表面の最大高さをH(下定盤表面の最外周を基準)とし、運転後における下定盤表面の最大高さをH(下定盤表面の最外周を基準)としたとき、変形量は、H−Hとした。結果を表1に示す。
Figure 0005935926
表1に示すように、3台の両面研磨装置とも、発明例では比較例よりも下定盤の変形量を大きく低減できた。
本発明のウェーハの両面研磨装置によれば、下定盤にトルクを伝達するためのスピンドルの熱膨張に起因する下定盤の変形を抑制することができる。
100 ウェーハの研磨装置
10 キャリアプレート
10A キャリアプレートの外周
12 上定盤
14 下定盤
16 サンギア
17 サンギアの回転軸
18 インターナルギア
20 スピンドル
20A スピンドルの上面
22 筒部
24 フランジ部
26 ベアリング
28 モーター
30 減速機
40 ボルト(連結具)
42 ボルトの軸部
44 ボルトの頭部
50 棒状雄ねじ(連結具)
52 棒状雄ねじの軸部
60 下定盤の貫通孔
62 第1貫通孔
64 第2貫通孔
66 第1内壁
68 第2内壁
70 平坦部
72 スピンドルの穴
74 スピンドルの穴の内壁
W ウェーハ

Claims (7)

  1. ウェーハを保持する1つ以上の孔が設けられたキャリアプレートと、
    前記孔に保持されたウェーハを挟み込む上定盤及び下定盤と、
    前記キャリアプレートの外周と噛み合うサンギア及び周辺ギアと、
    を有し、前記サンギア及び前記周辺ギアを回転させて前記キャリアプレートを回転させつつ、前記上定盤及び前記下定盤を回転させて、前記ウェーハを両面研磨するウェーハの両面研磨装置であって、
    前記下定盤の下面と接触する上面を有し、前記下定盤の下方に位置して前記上面で前記下定盤を支持するスピンドルと、
    該スピンドルを回転させるモーター及び減速機と、
    前記スピンドルと前記下定盤とを連結し、前記スピンドルのトルクを前記下定盤に伝達して、前記下定盤を回転せしめる連結具と、
    を有し、
    前記下定盤には回転中心を中心として同心円状に複数の貫通孔が設けられ、
    前記スピンドルの上面には、前記下定盤の貫通孔の各々と鉛直方向に揃った位置に、複数の穴が設けられ、
    前記連結具が、前記下定盤の貫通孔から前記スピンドルの穴に挿入され、前記スピンドルに対して固定されたピン状部材であり、該ピン状部材が前記スピンドルと前記下定盤とを締め付け固定しないことを特徴とするウェーハの両面研磨装置。
  2. 前記ピン状部材の軸部と前記下定盤の貫通孔の内壁とのクリアランスが0.05mm以上である、請求項に記載のウェーハの両面研磨装置。
  3. 前記ピン状部材が雄ねじであり、前記スピンドルの前記複数の穴には雌ねじが切られている、請求項又はに記載のウェーハの両面研磨装置。
  4. 前記雄ねじがボルトである請求項に記載のウェーハの両面研磨装置。
  5. 前記下定盤の貫通孔は、内径r1の第1内壁により区画される第1貫通孔と、該第1貫通孔の下方に位置し、r1より小さい内径r2の第2内壁により区画される第2貫通孔とからなり、
    前記貫通孔の内壁のうち、前記第1内壁と前記第2内壁との間に位置する平坦部と、前記ボルトの頭部とは非接触である請求項に記載のウェーハの両面研磨装置。
  6. 前記平坦部と前記ボルトの頭部の下面とのクリアランスが0.05mm以上である請求項に記載のウェーハの両面研磨装置。
  7. 前記ピン状部材の上端が前記下定盤の貫通孔内に位置する請求項のいずれか一項に記載のウェーハの両面研磨装置。
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CN109500730A (zh) * 2018-12-18 2019-03-22 浙江晶盛机电股份有限公司 一种用于精密双面研磨机的动压轴承支撑结构

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