JP5935832B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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本発明は、2軸台車の進行方向前側の輪軸(以下、前軸という。)或いは進行方向後側の輪軸(以下、後軸という。)のみを操舵する鉄道車両用片軸操舵台車を有する鉄道車両に関するものである。
鉄道車両用台車が急曲線を通過する際、レールと輪軸が成す角度(アタック角)が大きくなって、高い横圧が発生する。そこで、曲線通過時に、2軸台車の両輪軸をレールに沿うよう、図10に示すようなハの字状に操舵する両軸操舵台車1aの開発が行われている。なお、図10中の2aは操舵輪軸、3は台車枠、4aは外軌側のレール、4bは内軌側のレールを示す。
このような両軸操舵台車1aでは、2軸台車の両輪軸を非操舵輪軸(通常輪軸)2bとした従来台車1b(図11参照)に別途操舵装置を追加することになるので、部品点数が増加する。しかしながら、製造コスト、メンテナンスコスト、軽量化の点からは追加部品点数は少ない方が好ましいので、2軸台車の両輪軸を操舵するのではなく、図12(a)(b)に示すように片方の輪軸2aのみを操舵する片軸操舵台車1cも提案されている。
ところで、曲線通過中に2軸台車の両輪軸を操舵する両軸操舵台車の場合、車体・台車の諸元と、曲線半径によって計算される理論的な操舵量が一般的に定められている。実際の両軸操舵台車では、横圧減少などの曲線通過性能の向上を目的として、理論的な操舵量に対して増分を加えることが多いが、増分の詳細値に関しては事前に検討する必要がある。
例えば特許文献1で提案された両軸操舵台車では、ボギー角(曲線通過時に、車体と台車間に発生する相対角度)に連動して両操舵輪軸を曲線中心に向け、アタック角を低下するようにしている。
このとき、台車と車体間の旋回抵抗等を考慮して、下記数式1で定義する操舵量が100%の理論操舵量に対する増分率を20〜35%とした操舵量(操舵量:120〜135%)を機械的に与えることにより、横圧の減少量の最適化を志向している。
Figure 0005935832
しかしながら、特許文献1で提案された操舵量は、2軸台車の両輪軸を操舵する両軸操舵台車に関するものであり、片方の輪軸のみを操舵する片軸操舵台車の操舵量に関するものではない。
また、特許文献2では、前記特許文献1と同様の両軸操舵台車において、総合横圧を減少させることを志向して、緩和曲線や摩擦係数の変動を考慮したシミュレーションの実施結果が記載されている。
そのシミュレーション結果によれば、理論操舵量に対する増分率は、0%を超え、17%以下(操舵量:100%を超え、117%以下)が適していると記載されている。しかしながら、この検討も両軸操舵台車に関するものであり、片軸操舵台車に関するものではない。また、特許文献2で開示された評価により操舵量を過剰に増やすと、逆に横圧が増加して安全性が悪化する点が指摘されている。
一方、特許文献3、4には、2軸台車の片方の輪軸のみを操舵する片軸操舵台車について開示されている。しかしながら、特許文献3、4には、前記特許文献1、2のような操舵量の増分率に関する検討についての記載はない。
また、特許文献5には、前軸と後軸の操舵量を意図的に異なるものとし、後軸の操舵量>前軸の操舵量とする両軸操舵台車が開示されている。しかしながら、特許文献5では、前軸と後軸の操舵量の大小のみを論じており、特許文献1、2のように、操舵量の増分率を具体的に検討していない。
前記特許文献5には、後軸の操舵量>前軸の操舵量とした場合は、後軸が軌道中央寄りから外軌側に移動することで、前軸の横圧が減少するとの記載がある。また、後軸のみを操舵する片軸操舵台車(以下、後軸操舵台車という。)を提案している特許文献4でも、操舵する後軸の姿勢が変化する(軌道中央寄りから外軌側に移動する)ことで、横圧が減少するとの記載がある。しかしながら、この記載は、後軸操舵台車に関してのものである。
一方で、前軸を操舵し、後軸を操舵しない前軸操舵の片軸操舵台車(以下、前軸操舵台車という。)の場合は、操舵する輪軸が異なるため、後軸操舵台車とは曲線通過時の台車、輪軸の挙動が異なると予測される。
また、これら後軸操舵台車及び前軸操舵台車の、曲線通過時における台車、輪軸の挙動は、両軸操舵台車の台車、輪軸の挙動とは異なると予想される。
上記説明をまとめると、両軸操舵台車と片軸操舵台車とでは、曲線通過時の台車、輪軸の挙動が異なり、また片軸操舵台車でも、前軸操舵台車と後軸操舵台車とでは、曲線通過時の台車、輪軸の挙動が異なる。そして、適切な操舵量増分率を検討した事例は両軸操舵台車についてのものがあるだけで、片軸操舵台車について適切な操舵量増分率を検討した事例は無い。
従って、両軸操舵台車について検討した操舵量の増分率を、片軸操舵台車に適用したとしても、曲線通過性能の最適化(例えば総合横圧の最小化)が図れるわけではなく、逆に曲線通過性能が悪化する可能性もある。
特開平10−203364号公報 特開2008−126811号公報 特開2000−272514号公報 特開2010−58650号公報 国際公開2009/038068号パンフレット
本発明が解決しようとする課題は、曲線通過時の台車、輪軸の挙動が両軸操舵台車とは必ずしも同じでない片軸操舵台車の曲線通過性能を向上することにある。
本発明は、曲線通過時に、鉄道車両用2軸台車の外軌側車輪の最大横圧を低下させ、かつ内軌側車輪においても従来台車より安全性が悪化しないようにすることを目的としている。
すなわち、本発明の鉄道車両は
曲線通過時に、下記式で表す操舵量が100%の場合の理論操舵量に対する輪軸を操舵する操舵装置の操舵量増分率を、−14%以上、−6%以下の範囲で調整した、2軸台車の進行方向前側の輪軸或いは進行方向後側の輪軸の何れかのみを操舵する鉄道車両用片軸操舵台車を車両の両側に配置する際、進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸或いは第2番目と第3番目の輪軸を操舵するように配置したことを最も主要な特徴としている。
操舵量(%)=β/{ sin-1(a sinα/L)}×100
但し、β:輪軸の操舵角
a:軸距
α:ボギー角
L:台車中心間距離
本発明では、操舵量の増分率を最適範囲に調整した片軸操舵台車を車両の両側に配置する際、進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸或いは第2番目と第3番目の輪軸を操舵するように配置するので、曲線通過時に、鉄道車両用2軸台車の外軌側車輪の最大横圧が低下し、かつ内軌側車輪においても従来台車より安全性が悪化しないようになる。
本発明によれば、前軸或いは後軸のみを操舵する鉄道用片軸操舵台車において、曲線走行時における外軌側車輪に作用する横圧を低下させ、かつ内軌側車輪の脱線可能性の発生を回避することができるので、曲線通過時の安全性が向上する。
車輪とレールの位置関係を示した図で、(a)は軌道の中央走行時、(b)は外軌側車輪のフランジ当り時、(c)は内軌側車輪のフランジ当り時の図である。 曲線走行時における後軸操舵台車の操舵量増分率と前後の輪軸の左右位置の関係を示した図である。 図2で示した結果を得た際の、後軸操舵台車の操舵量増分率と前軸と後軸に作用する横圧測定値の関係を示した図で、(a)は外軌での横圧測定値、(b)は内軌での横圧測定値である。 表2に関して操舵量増分率毎に最大の横圧を選択してグラフ化した図である。 曲線走行時における前軸操舵台車の操舵量増分率と前後の輪軸の左右位置の関係を示した図である。 図5で示した結果を得た際の、前軸操舵台車の操舵量増分率と前軸と後軸に作用する横圧測定値の関係を示した図で、(a)は外軌での横圧測定値、(b)は内軌での横圧測定値である。 表4に関して操舵量増分率毎に最大の横圧を選択してグラフ化した図である。 表7の操舵量増分率毎の総合横圧をグラフ化した図である。 操舵台車の配置を説明する図で、(a)は進行方向前側から第1番目と第3番目の輪軸を操舵する1−3軸操舵台車系、(b)は進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸を操舵する1−4軸操舵台車系、(c)は進行方向前側から第2番目と第3番目の輪軸を操舵する2−3軸操舵台車系、(d)は進行方向前側から第2番目と第4番目の輪軸を操舵する2−4軸操舵台車系を示した図である。 両軸操舵台車が曲線を通過する時の概念図である。 2軸台車の両輪軸を非操舵輪軸(通常輪軸)とした従来台車が曲線を通過する時の概念図である。 片軸操舵台車が曲線を通過する時の概念図で、(a)は前軸操舵台車、(b)は後軸操舵台車である。
本発明では、曲線通過時に、鉄道車両用2軸台車の外軌側車輪の最大横圧を低下させ、かつ内軌側車輪においても従来台車より安全性が悪化しないようにするという目的を、操舵量の増分率を最適範囲に調整した片軸操舵台車を車両の両側に配置する際、進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸或いは第2番目と第3番目の輪軸を操舵するように配置することで実現した。
以下、本発明を実施するための形態例を、図1〜図9を用いて説明する。
輪軸を操舵する操舵台車においては、曲線通過時の通過性能に影響を与える操舵量の増分率は、操舵装置の設計時に自由に設定することが可能である。特に前軸或いは後軸のどちらか一方を操舵する片軸操舵台車は、曲線通過時の挙動が両軸操舵台車とは異なるのとともに、前軸を操舵する場合と後軸を操舵する場合でも曲線通過時の挙動が異なる。
そこで、発明者らは、片軸操舵台車のうち、前軸を操舵する前軸操舵台車と、後軸を操舵する後軸操舵台車の両者に対し操舵量増分率が与える影響の調査を行った。
片軸操舵台車における操舵量と曲線通過性能の関連性を評価するため、前軸操舵台車と後軸操舵台車を混在させた模擬鉄道車両を使用し、以下の曲線条件で操舵量の増分率を変化させて曲線走行試験を実施した。
曲線条件:
曲線半径:120m
カント:60mm
スラック:18mm
A.安全性評価(最大横圧評価)について
直線走行時、車輪11a,11bは、図1(a)に示すようにレール4a,4bの中央に位置している。
一方、曲線通過時は、図1(b)に示すように、外軌側の車輪11aは外軌側のレール4aに、内軌側の車輪11bは両レール4a,4bの中心側に寄って、外軌側の車輪11aのフランジが外軌側のレール4aの肩部に接触する(外軌フランジ当り)。或いは、図1(c)に示すように、内軌側の車輪11bは内軌側のレール4bに、外軌側の車輪11aは両レール4a,4bの中心側に寄って、内軌側の車輪11bのフランジが内軌側のレール4bの肩部に接触する(内軌フランジ当り)。フランジ当りした場合、高い横圧が発生し、車輪がレール上に乗り上がって脱線する(乗り上がり脱線)可能性が発生する。
脱線に対する安全性を評価する場合、1台車当り2軸4枚の車輪の中で、フランジ当りしている車輪に発生する横圧の最大値を最悪値として評価指標とすると、この値の低い方が曲線通過性能は高いと判断される。
通常台車の場合は、フランジ当りするのは外軌側車輪のみであるため、外軌側の車輪の横圧で判断すればよいが、片軸操舵台車では、従来台車と曲線通過時の特性が異なると考えられ、内軌側の車輪もフランジ当りする可能性があるので、1台車当り4枚の全ての車輪を評価した。
以下、試験結果を、前軸操舵台車と後軸操舵台車に分けて説明する。
〔後軸操舵台車〕
フランジ当りの有無は、輪軸の台車左右方向の位置(左右変位)の測定結果から判断する。図2は、前記条件の曲線走行時における後軸操舵台車の操舵量と前後の輪軸(以下、前軸、後軸という。)の左右位置の関係を示した図である。
図2より、操舵量増分率が−100%(通常台車と同等)の場合は、前軸が外軌側に寄ってフランジ当りしているが、後軸は軌道中央側に位置しているのでフランジ当りしていないことが分かる。一方、操舵量増分率が−26%以上の場合は、後軸も前軸と同じく外軌側に移動してフランジ当りしていることが分かる。下記表1は、図2に示した関係に基づき、前軸と後軸が内外軌側のどちらにフランジ当りするのかをまとめたものである。
Figure 0005935832
次に、図2で示した結果を得た際の、外軌及び内軌での前軸と後軸に作用する横圧を測定した結果を図3に示す。表1に示したフランジ当りしている車輪の横圧を、図3より抜粋してまとめたのが下記表2である。
Figure 0005935832
また、表2に関して操舵量増分率毎に最大の横圧を選択し、これをグラフ化したのが図4である。図4に示す値が低いほど曲線通過性能が高いといえる。
図4より、操舵量増分率が−100%(通常台車)から8%までは、最大横圧は減少して曲線通過性能が向上することが分かる。しかしながら、操舵量増分率が44%では、図4より操舵量増分率が0%の場合とほぼ同等程度の最大横圧であった。また、操舵量増分率が44%から100%の間では、最大横圧は逆に増加に転じており、操舵量増分率が100%の場合は操舵量増分率が−100%(通常台車と同等)の場合と最大横圧がほぼ等しく、操舵しても曲線通過性能は改善しないことが分かった。
図4に示すように、操舵量増分率が44%を超えると曲線通過性能が悪化するのは、図3(a)に示されるように、操舵量増分率が増加すると後軸の横圧が急激に増加するからである。この図3(a)より、144%以上に操舵量を増やした場合(操舵量増分率が44%以上)に、さらに後軸の横圧が増大すると予測され、曲線通過性能は通常台車よりも悪化すると考えられる。
従って、後軸操舵台車の場合は、操舵量増分率が−10%以上、44%以下が適しており、8%以上、44%以下がより好ましい範囲であることがわかる。
〔前軸操舵台車〕
フランジ当りの有無は、図5の輪軸左右方向の位置(左右変位)の測定結果から判断する。図5より、操舵量増分率が−100%(通常台車)から44%では、前軸が外軌側に寄り、後軸は軌道中央側に位置していることが分かる。一方、操舵量増分率が100%では、前軸、後軸ともに内軌側に移動し、内軌側でフランジ当りしていることが分かる。下記表3は、図5に示した関係に基づき、前軸と後軸が内外軌側のどちらにフランジ当りするのかをまとめたものである。
Figure 0005935832
次に、図5で示した結果を得た際の、外軌及び内軌での前軸と後軸に作用する横圧を測定した結果を図6に示す。表3に示したフランジ当りしている車輪の横圧を、図6より抜粋してまとめたのが下記表4である。
Figure 0005935832
また、表4に関して操舵量増分率毎に最大の横圧を選択し、これをグラフ化したのが図7である。図7に示す最大横圧値が低いほど曲線通過性能が高いといえる。
図7より、操舵量増分率が−100%から44%までは、操舵量増分率が増加するに従って最大横圧は減少して曲線通過性能が改善されることが分かる。一方、操舵量増分率が44%から100%の間では、最大横圧は逆に増加に転じており、曲線通過性能が悪化していることが分かる。特に注意すべきは、操舵量増分率が100%では、内軌側でフランジ当りが発生している点である。
一般的な鉄道の急曲線においては、外軌側への脱線を想定して脱線防止ガードを設置して安全性を確保しているが、内軌側への脱線を想定した脱線防止ガードは必ずしも設置されているとは限らない。従って、内軌側への脱線可能性を誘発する内軌側でのフランジ当りは、例え最大横圧の値が低くとも回避すべきである。
以上の結果より、前軸を操舵する片軸操舵台車では、最大横圧の減少と内軌側脱線回避の観点から、操舵量の増分率を−10%以上、44%以下とするのが適しており、20%以上、44%以下、さらには35%以上、44%以下がより好ましい範囲であることがわかる。
以上より、最大横圧を指標とした場合の曲線通過性能向上を目的とした場合、後軸を操舵する片軸操舵台車、前軸を操舵する片軸操舵台車ともに、理論操舵量に対する増分率は−10%以上、44%以下にすることが望ましいことが判明した。
B.摩耗を考慮した評価(総合横圧評価)について
前節のAでは、脱線に対する安全性評価ということで、台車内に発生する最大横圧を評価指標としている。一方で、車輪のフランジ部摩耗量の低減を志向して、フランジ接触する車輪の横圧の総和で評価する方法もある。
一般的な摩耗則(ホイマン、アーチャードなど)では、物体の摩耗量は押付荷重に比例するとされている。鉄道車両の場合、押付荷重には横圧が該当することになる。従って、1台車内における車輪の摩耗量を表現する指標として、フランジ当りする車輪の横圧の総和(以下、総合横圧という。)を評価指標として導入した場合、総合横圧が低いほど、車輪の摩耗量は少なくなると考えられる。
以下、試験結果を、前軸操舵台車と後軸操舵台車に分けて説明する。
〔後軸操舵台車〕
フランジ当りしている車輪の横圧は、先の表2に示している。表2の各操舵量増分率条件における前軸と後軸の横圧の正の値の和を下記表5に示す。
Figure 0005935832
表5より、操舵量増分率が−100%から−10%の場合は、操舵量増分率が増加すると総合横圧が減少することが分かる。一方、操舵量増分率が−10%から100%の場合は、操舵量増分率の増加に伴って総合横圧は増加している。1台車内における車輪摩耗量の最適化を図る場合、操舵量増分率は−26%から+8%とするのが望ましい。
〔前軸操舵台車〕
フランジ当りしている車輪の横圧は、先の表4に示している。表4の各操舵量増分率条件における前軸と後軸の横圧の正の値の和を下記表6に示す。
Figure 0005935832
表6より、操舵量増分率が−100%から44%の場合は、操舵量増分率の増加に伴って総合横圧は減少することが分かる。一方、操舵量増分率が44%から100%の場合は、操舵量増分率の増加に伴って総合横圧は増加している。従って、1台車内における車輪摩耗量の最適化を図る場合、操舵量増分率は44%とするのが望ましい。
ところで、一般の鉄道車両は、使用時、進行方向が前後に切り替わる。従って、片軸操舵台車を一般の鉄道車両に適用する場合、車両中心位置から見て対称に操舵軸を配置することになる。
従って、図10(b)に示す進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸を操舵する1−4軸操舵台車系か、図10(c)に示す進行方向前側から第2番目と第3番目の輪軸を操舵する2−3軸操舵台車系の場合は、進行方向により操舵軸を切り替える機構が不要となるので、鉄道車両としてシンプルな構成が可能となり、製造・保守コストを抑制できる。
しかしながら、1−4軸操舵台車系か2−3軸操舵台車系で鉄道車両を構成する場合、1車両2台車のうち、片方は前軸操舵台車、もう片方は後軸操舵台車となって、両者が必ず混在することになる。
脱線への安全性を評価する場合、1−4軸操舵台車系、2−3軸操舵台車系の、後軸操舵台車、前軸操舵台車も、結果的に操舵量増分率は、前述した通り、操舵量の増分率を−10%以上、44%以下とするのが適している。さらに後軸操舵台車と前軸操舵台車の組合せとして見た場合、操舵量増分率は20%以上、44%以下、さらには35%以上、44%以下がより望ましい。
一方、車輪摩耗の最適化を目的とする場合は、前軸操舵台車では操舵量増分率が44%の場合に総合横圧が最も低い値となるが(表6参照)、後軸操舵台車で操舵量増分率を44%とすると、通常台車よりも総合横圧が増加するので(表5参照)、通常台車よりも車輪摩耗が増加する可能性がある。
後軸操舵台車と前軸操舵台車の組み合わせの場合について、表5と表6から求めた総合横圧を下記表7に示す。この表をグラフ化したものを図8に示す。
Figure 0005935832
図8より、操舵量増分率が−10%において総合横圧は最小値をとることが分かる。また、この総合横圧の結果により、後軸操舵台車と前軸操舵台車の組み合わせの場合、操舵量増分率が−26%以上、44%以下が適しており、さらには、−20%以上、4%以下、よりさらには−14%以上、−6%以下とするのがより望ましい。
従って、1−4軸操舵台車系か2−3軸操舵台車系で鉄道車両を構成する場合は、前述した通り、操舵量増分値を適切とすることにより、最大横圧(安全性)、総合横圧(車輪摩耗)の各々を適切なものとすることができる。さらに、操舵量増分率は−10%以上4%以下とすれば、最大横圧(安全性)、総合横圧(車輪摩耗)の両面をより考慮することができる。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
例えば操舵台車の操舵方式は、アクティブ強制操舵方式、半強制操舵方式のどちらの方式を採用しても良い。なお、アクティブ強制操舵方式とは、空圧、油圧或いは電動方式のアクチュエータを使用し、外部からエネルギーを投入して制御しながら能動的に輪軸を操舵する方式である。一方、半強制操舵方式とは、車体・台車・輪軸をリンクなどの機械的機構で繋いで、曲線通過時に車体・台車間に発生するボギー変位を駆動力とする方式である。このうち、アクティブ強制操舵方式は、装置自体の製造・保守コストが高いが、半強制操舵方式はリンク式テコなど簡便な機構を用いるため、製造・保守コストは低くなる。
1c 片軸操舵台車
2a 操舵輪軸
2b 非操舵輪軸(通常輪軸)
3 台車枠
4a 外軌側のレール
4b 内軌側のレール

Claims (2)

  1. 曲線通過時に、下記式で表す操舵量が100%の場合の理論操舵量に対する輪軸を操舵する操舵装置の操舵量増分率を、−14%以上、−6%以下の範囲で調整した、2軸台車の進行方向前側の輪軸或いは進行方向後側の輪軸の何れかのみを操舵する鉄道車両用片軸操舵台車を車両の両側に配置する際、進行方向前側から第1番目と第4番目の輪軸或いは第2番目と第3番目の輪軸を操舵するように配置したことを特徴とする鉄道車
    操舵量(%)=β/{ sin-1(a sinα/L)}×100
    但し、β:輪軸の操舵角
    a:軸距
    α:ボギー角(曲線での台車と車体の相対角)
    L:台車中心間距離
  2. 前記操舵装置は、ボギー角に連動するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車
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