JP5935662B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸発燃料処理装置に関する。
近年、厳しくなるエバポエミッション規制に対応すべく、燃料タンク内にて発生する蒸発燃料が大気中へ放出されるのを抑制するための封鎖弁を搭載する車両がある。
封鎖弁が搭載された車両において、封鎖弁を開弁しない状態が続くと、燃料タンクの内圧と大気圧との間に差圧が生じることがある。燃料タンクの内圧が大気圧より高い状態であるときに、ユーザが給油のために給油口を開放すると、給油口から蒸発燃料が放出される虞がある。そのため、給油時に給油口が開放されることによる給油口からの蒸発燃料の放出を抑制すべく、走行中は燃料タンクの内圧を大気圧近傍に維持することが好ましい。例えば特許文献1では、燃料タンクに内圧センサを設け、内圧センサの検出値に基づき、燃料タンクの内圧を大気圧近傍となるように封鎖弁の駆動を制御している。
また、例えば特許文献2では、内圧センサの検出値に基づき、封鎖弁の異常を検出している。
特開2004−156496号公報 特許第4151382号
ところで、例えば燃料タンクからの燃料リーク検出等が不要な車両においては、燃料タンクの内圧センサは、必ずしも設けなくてもよい。そのため、燃料タンクの内圧センサがない、所謂センサレスであっても、封鎖弁を適切に制御したり、封鎖弁の異常を検出したりすることが望まれる。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料タンクの内圧センサによらず、封鎖弁の挙動を検出可能な蒸発燃料処理装置を提供することにある。
本発明の蒸発燃料処理装置は、燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタで吸着し、当該キャニスタにて吸着した蒸発燃料を内燃機関に供給するものであって、封鎖弁と、制御部と、を備える。
封鎖弁は、燃料タンクとキャニスタとを連通するベーパ通路に設けられる。
制御部は、封鎖弁駆動手段、電流検出手段、パラメータ算出手段、および、内圧推定手段を有する。封鎖弁駆動手段は、封鎖弁を駆動する。電流検出手段は、封鎖弁に通電される電流である駆動電流を検出する。パラメータ算出手段は、駆動電流に基づき、封鎖弁の挙動に係るパラメータを算出する。内圧推定手段は、パラメータに基づき、燃料タンクの内圧を推定する。
内圧推定手段は、封鎖弁が間欠駆動されているときのパラメータの変化量の絶対値が所定値より小さくなった場合、燃料タンクの内圧開放が終了したと推定する。封鎖弁駆動手段は、燃料タンクの内圧開放が終了したと推定された場合、封鎖弁の間欠駆動を終了する。
封鎖弁に通電される駆動電流は、封鎖弁の挙動により変化する。そこで本発明では、駆動電流を検出し、駆動電流に基づいて封鎖弁の挙動に係るパラメータを算出している。したがって、このパラメータを監視することにより、封鎖弁の挙動を検出することができる。
例えば、封鎖弁の挙動は、燃料タンクの内圧と大気圧との差圧の影響を受けて変化する。そのため、燃料タンクの内圧が変化すると、駆動電流も変化する。したがって、駆動電流に基づいて算出されるパラメータを監視して封鎖弁の挙動を検出することにより、燃料タンクの内圧を推定することができる。これにより、燃料タンクの内圧を検出するセンサ等がなくても、燃料タンクの内圧を推定し、封鎖弁の駆動を適切に制御することができる。
また例えば、封鎖弁に固着異常が生じている場合、正常時とは異なり封鎖弁が駆動しないため、駆動電流は正常時とは異なる。そこで、駆動電流に基づいて算出されるパラメータを監視することにより、燃料タンクの内圧を検出するセンサ等がなくても、封鎖弁の固着異常を検出することができる。
本発明の第1実施形態の蒸発燃料処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態の封鎖弁を示す模式的な断面図である。 本発明の第1実施形態の封鎖弁の挙動を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による燃料タンク内圧と封鎖弁の応答時間との関係を説明する説明図である。 本発明の第1実施形態による異なる燃料タンク内圧における封鎖弁の挙動を説明するタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による封鎖弁の駆動状態を説明する状態遷移図である。 本発明の第1実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態による封鎖弁の駆動と燃料タンクの内圧を説明するタイムチャートである。 本発明の第2実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第3実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第4実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第5実施形態の封鎖弁の挙動を説明するタイムチャートである。 本発明の第5実施形態による封鎖弁の駆動状態を説明する状態遷移図である。 本発明の第5実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第6実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第7実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の第8実施形態による封鎖弁の駆動制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明による蒸発燃料処理装置を図面に基づいて説明する。なお、以下、複数の実施形態において、実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による蒸発燃料処理装置を図1に示す。
本実施形態の蒸発燃料処理装置1は、内燃機関(以下、「エンジン」という。)20を搭載する図示しない車両に適用される。本実施形態の蒸発燃料処理装置1は、制御部としての電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)10および封鎖弁80等を備え、燃料タンク31で発生した蒸発燃料をエンジン20に供給することにより処理するために設けられる。以下、蒸発燃料をエンジン20へ供給し処理することを、適宜「パージ」という。
燃料タンク31は、給油口32を有し、給油口32から給油されたガソリン等の液体燃料(以下適宜、単に「燃料」という。)が貯留される。燃料タンク31内の燃料は、その一部が液面から蒸発し、蒸発した燃料(以下、「蒸発燃料」という。)が燃料タンク31の上部空間を満たす。
燃料タンク31内の蒸発燃料の量は、エンジン20へのパージ状況や気温等により変動し、これに伴って燃料タンク31の内圧も変化する。なお本実施形態では、燃料タンク31の内圧を検出するための内圧センサが設けられていない。
エンジン20は、ガソリン等の燃料により駆動する。本実施形態のエンジン20は、4つの気筒21を有している。すなわちエンジン20は、4気筒エンジンである。エンジン20には、吸気管40および排気管50が接続されている。吸気管40は、エンジン20側が4つに分岐し、それぞれが気筒21に接続している。吸気管40の4つに分岐した部位は、インテークマニホールド41を構成している。排気管50は、エンジン20側が4つに分岐し、それぞれが気筒21に接続している。排気管50の4つに分岐した部位は、エキゾーストマニホールド51を構成している。吸気管40のエンジン20とは反対側には、図示しない吸気口が形成される。また、排気管50のエンジン20とは反対側には、図示しない排気口が形成される。吸気口および排気口は、大気に開放されている。
エンジン20が運転しているとき、吸気管40に形成された吸気通路42を経由し、空気が気筒21に吸入される。以下、気筒21に吸入される空気を「吸気」という。吸気通路42の吸気口とインテークマニホールド41との間には、スロットルバルブ43が設けられる。スロットルバルブ43は、吸気通路42を開閉することにより、吸気の量を調整する。スロットルバルブ43は、アクチュエータ44により開閉駆動される。アクチュエータ44は、アクセル開度に関する情報等に基づいてECU10により駆動制御される。
吸気管40には、吸気管40の内圧を検出する吸気圧センサ45が設けられる。
また、燃料タンク31から供給され図示しないインジェクタから噴射された燃料は、吸気に混合され、気筒21内で燃料する。燃料の燃焼により生じた燃焼ガスは、気筒21から排気管50内に形成された排気通路52を経由して大気へ排出される。以下、気筒21から排出される燃焼ガスを含む気体を「排気」という。
排気管50には、排気中の酸素量を検出するA/Fセンサ53が設けられる。
燃料タンク31には、ベーパ通路61の一端が接続される。ベーパ通路61の他端は、キャニスタ37に接続される。これにより、ベーパ通路61は、燃料タンク31とキャニスタ37とを連通する。ベーパ通路61には、封鎖弁80が設けられる。本実施形態では、封鎖弁80の燃料タンク31側を第1ベーパ通路611とし、封鎖弁80のキャニスタ37側を第2ベーパ通路とする。
キャニスタ37は、燃料タンク31内で発生し、ベーパ通路61を経由して供給された蒸発燃料を吸着し、貯留する。また、キャニスタ37には、大気通路62の一端が接続される。大気通路62の他端は、大気に開放されている。さらに、キャニスタ37には、パージ通路63の一端が接続される。パージ通路63の他端は、吸気通路42のスロットルバルブ43のインテークマニホールド41側に接続される。パージ通路63には、パージバルブ70が設けられる。
上記構成により、吸気通路42のスロットルバルブ43のエンジン20側(以下、「下流側」という。)に負圧が生じると、キャニスタ37に吸着された蒸発燃料は、大気通路62から流入した大気(空気)とともにパージ通路63を経由し、吸気通路42のスロットルバルブ43の下流側へ流入する。吸気通路42のスロットルバルブ43の下流側へ流入した蒸発燃料は、吸気とともにインテークマニホールド41を経由してエンジン20の気筒21に供給され、インジェクタから噴射された燃料とともに気筒21内で燃焼する。このようにして燃料タンク31内の蒸発燃料が処理される。
パージバルブ70は、キャニスタ37と吸気通路42のスロットルバルブ43の下流側とを連通するパージ通路63に設けられる。パージバルブ70は、ソレノイドによって駆動される電磁駆動式の弁装置であって、ECU10により駆動が制御される。パージバルブ70は、パージ弁部材71、パージ電磁駆動部72およびパージ付勢部材73を有する。パージ弁部材71は、往復移動することによりパージ通路63を開閉する。パージ電磁駆動部72は、ECU10から駆動指令信号が入力されると、通電されて磁気回路が形成されることによりパージ弁部材71を開弁方向に駆動する。パージ付勢部材73は、パージ弁部材71を閉弁方向に付勢する。これにより、パージバルブ70は、パージ電磁駆動部72に通電されていないとき、パージ付勢部材73の付勢力により閉弁する。すなわち、パージバルブ70は、所謂ノーマリークローズ型の弁装置である。パージバルブ70が閉弁しているとき、パージ通路63の流体の流れは遮断される。一方、パージバルブ70が開弁しているとき、パージ通路63の流体の流れは許容される。
封鎖弁80は、燃料タンク31とキャニスタ37とを連通するベーパ通路61に設けられる。ベーパ通路61に封鎖弁80を設けることにより、燃料タンク31からキャニスタ37および大気通路62を経由して蒸発燃料が大気中に放出されることを抑制している。すなわち、本実施形態では、封鎖弁80を設けることにより、燃料タンク31は密閉タンクシステムとなっている。また、燃料タンク31の内圧が所定値以上になった場合に開弁される図示しない機械式の弁装置(以下適宜、「異常圧開放弁」という。)が封鎖弁80と並列に設けられる。
ここで、封鎖弁80について、図2に基づいて説明する。封鎖弁80は、ソレノイドによって駆動される電磁駆動式の弁装置であって、ECU10により駆動が制御される。封鎖弁80は、弁部材81、電磁駆動部82、および、付勢部材83等を有する。弁部材81、電磁駆動部82、および、付勢部材83は、外郭を構成するハウジング800の内部に収容される。
ハウジング800は、燃料タンク31側のベーパ通路61である第1ベーパ通路611と連通する第1ポート801、および、キャニスタ37側のベーパ通路61である第2ベーパ通路612と連通する第2ポート802を有する。第2ポート802のキャニスタ37と反対側の端部には、弁部材81が着座可能な弁座804が形成される。
弁部材81は、電磁駆動部82の径方向内側にて往復摺動可能に設けられ、往復移動することによりベーパ通路61を開閉する。弁部材81は、付勢部材83により弁座804に着座する方向に付勢される。
電磁駆動部82は、コイル821、ボビン822、および、磁気回路形成部823を有する。コイル821は、ボビン822に巻回される。磁気回路形成部823は、磁性材により形成され、コイル821への通電により磁気回路を形成する。
封鎖弁80において、ECU10からの駆動指令が入力されると、コイル821に通電されることにより、磁気回路形成部823に磁気回路が形成される。磁気回路形成部823に磁気回路が形成されると、弁部材81は、付勢部材83の付勢力に抗して、弁座804から離座する方向に移動し開弁する。一方、コイル821への通電が終了すると、弁部材81は、付勢部材83の付勢力により、弁座804へ着座する方向へ移動し閉弁する。すなわち、封鎖弁80は、所謂ノーマリークローズ型の弁装置である。封鎖弁80が閉弁しているとき、ベーパ通路61の流体流れは遮断される。一方、封鎖弁80が開弁しているとき、ベーパ通路61の流体流れは許容される。
図1に戻り、ECU10は、演算手段としてのCPU11、記憶手段としてのROMおよびRAM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。またECU10は、車両の各部に取り付けられた各種センサから取得される信号等の情報に基づき、ROMに記憶されたプログラムに従って処理を行い、インジェクタ、スロットルバルブ43、パージバルブ70および封鎖弁80等の車両の各種装置の駆動を制御することで車両を統合的に制御する。
具体的には、ECU10は、パージバルブ70を駆動するためのパージバルブ駆動回路12、および、封鎖弁80を駆動するための封鎖弁駆動手段としての封鎖弁駆動回路13等を有している。パージバルブ駆動回路12は、CPU11からの指令を受けて、パージバルブ70を駆動するための電圧をパージバルブ70に印加する。また、封鎖弁駆動回路13は、CPU11からの指令を受けて、封鎖弁80を駆動するための駆動電圧を封鎖弁80に印加する。
また、ECU10は、封鎖弁80のコイル821に通電された電流である駆動電流を検出する電流検出手段としての電流検出回路14を有している。電流検出回路14により検出された封鎖弁80の駆動電流は、CPU11に送られ、後述する判定パラメータの算出等に用いられる。
封鎖弁80の駆動電流は、封鎖弁80の挙動により変化する。ここで、封鎖弁80の挙動と駆動電流との関係について、図3に基づいて説明する。なお、(a)はコイル821にパルス状に印加される駆動電圧を示し、(b)は駆動電流を示し、(c)は閉弁時を0としたときの弁部材81のバルブストロークを示している。また、図3は、燃料タンク31の内圧が大気圧である場合について説明するものである。
図3に示すように、時間txにて駆動パルスが送出され、所定の駆動電圧がコイル821に印加されると、弁部材81の開弁方向への移動が開始する時間tyまでの間、コイル821に通電される駆動電流は増加する。また、時間tyにて弁部材81の開弁方向への移動が開始すると、コイル821に通電される駆動電流は、増加から減少に転じる。
また、時間tzにて、すなわち磁気回路形成部823に形成される磁気回路による吸引力と付勢部材83の付勢力とがつり合った状態となり、弁部材81の移動が終了すると、コイル821に通電される駆動電流は、再び減少から増加に転じる。そして、時間twにてコイル821に通電される駆動電流が安定し、コイル821のコイルインダクタンスに応じた所定の電流が通電されるようになる。
一方、時間tpにて駆動パルスの送出が終了し、コイル821に駆動電圧が印加されなくなった後、弁部材81の閉弁方向への移動が開始するtqまでの間、コイル821に通電される駆動電流は減少する。また、時間tqにて弁部材81の閉弁方向への移動が開始すると、コイル821に通電される駆動電流は、減少から増加に転じる。
また、時間trにて、付勢部材83の付勢力により弁部材81が弁座804に着座し、弁部材81の移動が終了すると、コイル821に通電される駆動電流は、再び増加から減少に転じる。そして、時間tsにてコイル821に通電される駆動電流が0となる。
本実施形態では、駆動電圧の印加開始から、駆動電流が増加から減少に転じるまでの期間、すなわち時間txから時間tyまでの期間を、「期間A」とする。駆動電圧の印加開始から、駆動電流が増加、減少し再度増加に転じるまでの期間、すなわち時間txから時間tzまでの期間を、「期間B」とする。駆動電流が増加から減少に転じてから、再度増加に転じるまでの期間、すなわち時間tyから時間tzまでの期間を、「期間C」とする。また、駆動電圧の印加開始から、駆動電流が安定するまでの期間、すなわち時間txから時間twまでの期間を、「期間D」とする。
また、駆動電圧の印加終了から、駆動電流が減少から増加に転じるまでの期間、すなわち時間tpから時間tqまでの期間を、「期間E」とする。駆動電圧の印加終了から、駆動電流が減少、増加し再度減少に転じるまでの期間、すなわち時間tpから時間trまでの期間を、「期間F」という。駆動電流が減少から増加に転じてから、再度減少に転じるまで期間、すなわち時間tqから時間trまでの期間を、「期間G」とする。また、駆動電圧の印加終了から駆動電流が0で安定するまでの期間、すなわち時間tpから時間tsまでの期間を、「期間H」とする。
封鎖弁80が間欠駆動されるとき、駆動電圧が印加されているオン期間と、駆動電圧が印加されていないオフ期間と、が交互に繰り返される。期間A、期間B、期間Cおよび期間Dは、オン期間であって、弁部材81の開弁方向への移動に係る期間である。一方、期間E、期間F、期間Gおよび期間Hは、オフ期間であって、弁部材81の閉弁方向への移動に係る期間である。
ところで、図2に示すように、封鎖弁80において、燃料タンク31に連通する第1ポート801側は、燃料タンク31の内圧と略等しくなる。一方、キャニスタ37に連通する第2ポート802側は、大気圧と略等しくなる。そのため、封鎖弁80では、燃料タンク31の内圧と大気圧との差圧の影響により、弁部材81の移動速度が異なり、弁部材81の応答時間が異なる。
まず、弁部材81を弁座804から離座する方向、すなわち開弁方向へ駆動する場合について説明する。開弁駆動時において、燃料タンク31の内圧が大気圧より高い正圧である場合、すなわち第2ポート802側よりも第1ポート801側の圧力が高い場合、第1ポート801と第2ポート802との差圧は、弁部材81の開弁駆動を妨げる方向に働く。一方、燃料タンク31の内圧が大気圧より低い負圧である場合、すなわち第2ポート802側よりも第1ポート801の圧力が低い場合、第1ポート801と第2ポート802との差圧は、弁部材81の開弁駆動を助ける方向に働く。
そのため、図4中に実線Loで示すように、開弁駆動時には、燃料タンク31の内圧が低いほどバルブ応答時間が短く、燃料タンク31の内圧が高いほどバルブ応答時間が長くなる。なお、開弁方向のバルブ応答時間は、駆動パルスの送出開始から弁部材81の移動が完了するまでの期間であって、上記「期間B」に対応する。
また、弁部材81を弁座804に着座する方向、すなわち閉弁方向へ駆動する場合について説明する。閉弁駆動時において、燃料タンク31の内圧が大気圧より高い正圧である場合、第1ポート801と第2ポート802との差圧は、弁部材81の閉弁駆動を助ける方向に働く。一方、燃料タンク31の内圧が大気圧より低い負圧である場合、第1ポート801と第2ポート802との差圧は、弁部材81の閉弁駆動を妨げる方向に働く。
そのため、図4中に破線Lcで示すように、閉弁駆動時には、燃料タンク31の内圧が低いほどバルブ応答時間が長く、燃料タンク31の内圧が高いほどバルブ応答時間が短くなる。なお、閉弁方向のバルブ応答時間は、駆動パルスの送出終了から弁部材81が弁座804に着座するまでの期間であって、上記「期間F」に対応する。
ここで、燃料タンク31の内圧による駆動電流および弁部材81の挙動を図5に基づいて説明する。図5中に実線L0で示す燃料タンク31の内圧が大気圧である場合は、図3にて説明したものと同様であり、図5中の「期間A0」は図3中の「期間A」と対応し、図5中の「期間E0」は図3中の「期間E」と対応している。
<開弁駆動時、正圧時>
開弁駆動時において、図5(c)に示すように、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、大気圧との差圧が開弁駆動を妨げる方向に作用するので、時間tyよりも遅いタイミングである時間ty+にて弁部材81が開弁方向への移動を開始する。そのため、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、破線L+で示すように、実線L0で示す燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合よりも、弁部材81が移動し始めるまでの時間および移動が完了するまでの時間が長くなる。
また、図5(b)に示すように、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、駆動電流が増加から減少に転じるまでの時間が長くなる。したがって、燃料タンク31の内圧が正圧である場合の期間A+は、燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合の期間A0と比較して長くなる。同様に、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、燃料タンク31の内圧が大気圧である場合と比較して、期間B、期間Cおよび期間Dは、いずれも長くなる。
<開弁駆動時、負圧時>
開弁駆動時において、図5(c)に示すように、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、大気圧との差圧が開弁駆動を助ける方向に作用するので、時間tyよりも早いタイミングである時間ty−にて弁部材81が開弁方向への移動を開始する。そのため、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、一点鎖線L−で示すように、実線L0で示す燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合よりも、弁部材81が移動し始めるまでの時間および移動が完了するまでの時間が短くなる。
また、図5(b)に示すように、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、駆動電流が増加から減少に転じるまでの時間が短くなる。したがって、燃料タンク31の内圧が負圧である場合の期間A−は、燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合の期間A0と比較して短くなる。同様に、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、燃料タンク31の内圧が大気圧である場合と比較して、期間B、期間Cおよび期間Dは、いずれも短くなる。
<閉弁駆動時、正圧時>
一方、閉弁駆動時において、図5(c)に示すように、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、大気圧との差圧が閉弁駆動を助ける方向に作用するので、時間tqより早いタイミングである時間tq+にて弁部材81が閉弁方向への移動を開始する。そのため、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、破線L+で示すように、実線L0で示す燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合よりも、弁部材81が移動し始めるまでの時間および移動が完了するまでの時間が短くなる。
また、図5(b)に示すように、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、駆動電流が減少から増加に転じるまでの時間が短くなる。したがって、燃料タンク31の内圧が正圧である場合の期間E+は、燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合の期間E0と比較して短くなる。同様に、燃料タンク31の内圧が正圧である場合、燃料タンク31の内圧が大気圧である場合と比較して、期間F、期間Gおよび期間Hは、いずれも短くなる。
<閉弁駆動時、負圧時>
閉弁駆動時において、図5(c)に示すように、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、大気圧との差圧が閉弁駆動を妨げる方向に作用するので、時間tqよりも遅いタイミングである時間tq−にて弁部材81が閉弁方向への移動を開始する。そのため、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、一点鎖線L−で示すように、実線L0で示す燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合よりも、弁部材81が移動し始めるまでの時間および移動が完了するまでの時間が長くなる。
また、図5(b)に示すように、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、駆動電流が減少から増加に転じるまでの期間が長くなる。したがって、燃料タンク31の内圧が負圧である場合の期間E−は、燃料タンク31の内圧が大気圧と等しい場合の期間E0と比較して長くなる。同様に、燃料タンク31の内圧が負圧である場合、燃料タンク31の内圧が大気圧である場合と比較して、期間F、期間Gおよび期間Hは、いずれも長くなる。
そこで本実施形態では、上述のような燃料タンク31の内圧変化に応じで変化する駆動電流に基づく「パラメータ」としての判定パラメータを算出し、判定パラメータに基づいて封鎖弁80の駆動を制御している。
封鎖弁80の駆動制御の説明に先立ち、車両の運転状態に応じた封鎖弁80の駆動状態の遷移を図6に基づいて説明する。
エンジン20が始動していない初期状態F1では、封鎖弁80は非駆動である。エンジン20が始動すると、圧抜き待ち状態F2となる。
圧抜き待ち状態F2では、封鎖弁80が駆動されていない非駆動状態が継続されており、燃料タンク31の圧抜きが行われていないので、圧抜き完了フラグはオフである。
エンジン20の運転状態に応じ、パージバルブ70が間欠駆動されると、圧抜き状態F3へ遷移する。このとき、パージバルブ70の駆動に同期して所定の周期(例えば数百msec)で駆動電圧が封鎖弁80に印加され、封鎖弁80は、間欠駆動される。封鎖弁80の間欠駆動により、封鎖弁80が開弁されて燃料タンク31の内圧が大気圧近傍となると、封鎖弁80の間欠駆動を終了し、圧抜き完了フラグをオンとし、圧抜き完了状態F4へ遷移する。圧抜き完了状態F4では、封鎖弁80は非駆動、すなわち閉弁している。一方、圧抜き完了状態F4において、パージバルブ70は間欠駆動が継続される。エンジン20への蒸発燃料のパージが終了すると、パージバルブ70の間欠駆動を停止し、圧抜き待ち状態F2に戻る。
また、圧抜き状態F3において、燃料タンク31の圧抜きが終了していないとしても、パージバルブ70の駆動が停止された場合、圧抜き待ち状態F2に戻る。
さらにまた、圧抜き待ち状態F2、圧抜き状態F3、圧抜き完了状態F4のいずれであっても、エンジン20が停止すると、初期状態F1に戻る。
本実施形態では、上述の通り、封鎖弁80の弁部材81の挙動が燃料タンク31の内圧により変化することに着目し、期間A、期間Bまたは期間Dに応じた判定パラメータを駆動電流に基づいて算出し、算出された判定パラメータに基づいて封鎖弁80の駆動を制御している。なお、期間E、期間Fまたは期間Gに応じた判定パラメータについては第2実施形態、期間Cに基づく判定パラメータについては第3実施形態、期間Gに応じた判定パラメータについては第4実施形態で説明する。また、判定パラメータの算出に係る各期間を、適宜「パラメータ期間」という。
ここで、図7に示すフローチャートに基づき、封鎖弁80の駆動制御処理を説明する。このフローチャートは、圧抜き状態F3のときにCPU11にて実行される。また、封鎖弁80の間欠駆動に際し、駆動電圧が印加された後に印加終了し、再度印加されるまでの期間を「駆動パルスの1サイクル」とすると、駆動パルスの1サイクルが例えば数百msecであれば、このフローチャートは、例えば数msec周期で実行される。
まずフローチャートの概略を説明し、その後、判定パラメータ毎に詳細を説明する。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、封鎖弁80の駆動電圧が閾値より大きいか否かを判断する。駆動電圧が閾値より大きい場合、駆動電圧が印加されているオン期間である。封鎖弁80の駆動電圧が閾値より大きいと判断された場合(S101:YES)、すなわち駆動電圧が印加されているオン期間である場合、S103へ移行する。封鎖弁80の駆動電圧が閾値以下であると判断された場合(S101:NO)、すなわち駆動電圧が印加されていないオフ期間である場合、S102へ移行する。
S102では、パラメータカウンタをリセットし、パラメータ確定フラグをオフにする。
封鎖弁80の駆動電圧が閾値より大きいと判断された場合(S101:YES)に移行するS103では、パラメータ確定フラグがオンか否かを判断する。パラメータ確定フラグがオンであると判断された場合(S103:YES)、S104以降の処理を行わない。パラメータ確定フラグがオフであると判断された場合(S103:NO)、S104へ移行する。
S104では、パラメータカウンタをインクリメントする。
S105では、駆動電流を取得し、駆動電流の変化量を算出する。
S106では、該当するパラメータ期間が終了したか否かを、駆動電流の変化量に基づいて判断する。該当するパラメータ期間が終了していないと判断された場合(S106:NO)、S107以降の処理を行わない。該当するパラメータ期間が終了したと判断された場合(S106:YES)、S107へ移行する。
S107では、現在のパラメータカウンタ値を、今サイクルの判定パラメータとする。ここで確定する判定パラメータは、該当するパラメータ期間の長さに対応する値である。
S108では、パラメータ確定フラグをオンにする。
S109では、判定パラメータの変化量として、今サイクルの判定パラメータと前サイクルの判定パラメータとの差を算出する。そして判定パラメータの変化量の絶対値が所定値より小さいか否かを判断する。判定パラメータの変化量が所定値より小さいと判断された場合(S109:YES)、燃料タンク31の内圧が大気圧近傍であると推定し、燃料タンク31の内圧開放が終了した推定し、S111へ移行する。判定パラメータの変化量が所定値以上であると判断された場合(S109:NO)、燃料タンク31の内圧が大気圧近傍ではないと推定し、S110へ移行する。
S110では、前サイクルの判定パラメータを今サイクルの判定パラメータで上書きする。
判定パラメータの変化量が所定値より小さいと判断された場合(S109:YES)に移行するS111では、封鎖弁駆動回路13による封鎖弁80の間欠駆動を終了する。また、圧抜き完了フラグをオンとし、本処理を終了する。
S111にて、圧抜き完了フラグがオンされると、圧抜き状態F3から圧抜き完了状態F4へ遷移する。なお、圧抜き完了フラグは、パージバルブ70の駆動が終了し、圧抜き待ち状態F2へ遷移したときにオフされる。
ここで、封鎖弁80の制御処理を判定パラメータ毎に説明する。なお、判定パラメータは、少なくとも1つ算出すればよい。
<パラメータ期間:期間A>
パラメータ期間を期間Aとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が増加から減少に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が増加中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間B>
パラメータ期間を期間Bとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が増加から減少し再度増加に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の増加中である場合、または減少中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間D>
パラメータ期間を期間Dとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が安定した場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が安定していない場合、すなわち駆動電流が増加中または減少中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
ここで、パラメータ期間を期間Aとした場合の圧抜き状態F3における燃料タンク31の内圧変化を図8に基づいて説明する。なお、図8中において、(a)はパージバルブ70の駆動電圧を示し、(b)は燃料タンク31の内圧を示し、(c)は算出される判定パラメータを示し、(d)は判定パラメータの変化量を示し、(e)は封鎖弁80の駆動電圧を示し、(f)は図6にて説明した封鎖弁80の駆動状態の遷移を示している。
図8(a)に示すように、パージバルブ70の間欠駆動が開始されると、図8(e)に示すように、パージバルブ70の駆動開始に同期して封鎖弁80の間欠駆動を開始する。また、封鎖弁80の駆動が開始されると、図7中のS101にて肯定判断され、判定パラメータの演算が開始される。判定パラメータは、駆動パルスの1サイクル毎に1つの値が算出されるため、実際には離散値となるが、図8(c)中では連続的に記載している。なお、封鎖弁80が間欠駆動されていないとき、すなわち圧抜き状態F3(図6参照)以外のときには、判定パラメータの算出は行われない。
封鎖弁80が間欠駆動されると、図8(b)に示すように、燃料タンク31の内圧は徐々に低下する。これに伴い、図8(c)に示す判定パラメータも低下していく。また、燃料タンク31の内圧が大気圧近傍となると、図8(d)に示すように、判定パラメータの変化量が小さくなる。そこで本実施形態では、判定パラメータの変化量の絶対値が所定値より小さくなった場合(S109:YES)、燃料タンク31の内圧が大気圧近傍であると推定している。そして、燃料タンク31の圧力開放が終了したと推定し、封鎖弁80の間欠駆動を終了し、圧抜き完了フラグをオンとする(S110)。
図8においては、パラメータ期間を期間Aとし、燃料タンク31の内圧が正圧である場合の圧力開放について説明したが、パラメータ期間を期間B、期間Cまたは期間Dとした場合も同様である。
また、燃料タンク31の内圧が正圧であり、パラメータ期間を期間E、期間F、期間Gまたは期間Hとした場合、判定パラメータは燃料タンク31の内圧が大気圧に収束するにつれて増加し、判定パラメータの変化量は正側の判定値に正側から収束するように変化する。
さらに、燃料タンク31の内圧が負圧であり、パラメータ期間を期間A、期間B、期間Cまたは期間Dとした場合、燃料タンク31の内圧は負側から大気圧近傍に収束し、判定パラメータは燃料タンク31の内圧が大気圧に収束するにつれて増加し、判定パラメータの変化量は正側の判定値に正側から収束するように変化する。
また、燃料タンク31の内圧が負圧であり、パラメータ期間を期間E、期間F、期間Gまたは期間Hとした場合、燃料タンク31の内圧は負側から大気圧近傍に収束し、判定パラメータは燃料タンク31の内圧が大気圧に収束するにつれて減少し、判定パラメータの変化量は負側の判定値に負側から収束するように変化する。この場合、判定パラメータおよび判定パラメータの変化量は、図8(c)、(d)と同様の挙動となる。
以上詳述したように、本実施形態の蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク31内で発生する蒸発燃料をキャニスタ37で吸着し、当該キャニスタ37にて吸着した蒸発燃料をエンジン20に供給するものであって、封鎖弁80とECU10とを備える。
封鎖弁80は、燃料タンク31とキャニスタ37とを連通するベーパ通路61に設けられる。ECU10は、封鎖弁駆動回路13、電流検出回路14、および、CPU11を有する。封鎖弁駆動回路13は、封鎖弁80を駆動する。電流検出回路14は、封鎖弁80に通電される電流である駆動電流を検出する。CPU11では、駆動電流に基づいて封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを算出する(S107)。
封鎖弁80に通電される駆動電流は、封鎖弁80の挙動により変化する。そこで本実施形態では、駆動電流を検出し、駆動電流に基づいて封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを算出している。したがって、判定パラメータを監視することにより、封鎖弁80の挙動を検出することができる。
封鎖弁80の弁部材81の挙動は、燃料タンク31の内圧と大気圧との差圧の影響を受けて変化する。そのため、燃料タンク31の内圧が変化すると、駆動電流も変化する。本実施形態では、駆動電流に基づいて算出される判定パラメータを監視して封鎖弁80の挙動を検出することにより、燃料タンク31の内圧を推定している。
換言すると、CPU11では、判定パラメータに基づき、燃料タンク31の内圧、詳細には燃料タンク31の内圧と大気圧との差圧を推定している。具体的には、封鎖弁80が間欠駆動されているときの判定パラメータの変化量の絶対値が所定値より小さくなった場合、燃料タンクの内圧が大気圧近傍であると推定し、燃料タンク31の内圧開放が終了したと推定する(S109)。また、封鎖弁駆動回路13は、燃料タンク31の内圧開放が終了したと推定された場合(S109:YES)、封鎖弁80の間欠駆動を終了する(S111)。すなわち本実施形態では、「判定パラメータの変化量に基づき、封鎖弁80の駆動終了タイミングを制御している」ということである。
これにより、駆動電流に基づいて燃料タンク31の内圧を推定することができるので、燃料タンク31の内圧を検出するための内圧センサを省くことができ、システムを簡素化することができる。また、燃料タンク31の内圧を検出するセンサ等がなくても、燃料タンク31の内圧を推定し、封鎖弁の駆動、特に封鎖弁80の駆動終了タイミングを適切に制御することができるので、封鎖弁80の無駄な駆動を回避することができ、駆動エネルギーの無駄を省くことができる。
また本実施形態では、判定パラメータとして、封鎖弁80を駆動するための駆動電圧の印加開始から、駆動電流が増加から減少に転じるまでの期間である期間A、印加電圧の印加開始から、駆動電流が増加から減少し再度増加に転じるまでの期間である期間B、または、駆動電圧の印加開始から、駆動電流が安定するまでの期間である期間Dに応じた値を算出している。これにより、封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを適切に算出することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、期間E、期間Fまたは期間Hに対応する判定パラメータに基づいて封鎖弁80の駆動を制御する。本実施形態の駆動制御処理を、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。以下の実施形態では、上記実施形態と異なる箇所についてのみ説明し、他の構成や制御についての説明は省略する。
図9に示すフローチャートは、図7中のS101に替えてS101aとする以外は同様である。
最初のS101aでは、封鎖弁80の駆動電圧が0か否かを判断する。駆動電圧が0である場合、駆動電圧が印加されていないオフ期間である。封鎖弁80の駆動電圧が0でると判断された場合(S101a:YES)、すなわち駆動電圧が印加されていないオフ期間である場合、S103へ移行する。封鎖弁80の駆動電圧が0でないと判断された場合(S101a:NO)、すなわち駆動電圧が印加されているオン期間である場合、S102へ移行する。
ここで、封鎖弁80の制御処理を判定パラメータ毎に説明する。
<パラメータ期間:期間E>
パラメータ期間を期間Eとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が減少から増加に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が減少中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間F>
パラメータ期間を期間Fとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が減少から増加し再度減少に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の減少中である場合、または増加中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間H>
パラメータ期間を期間Hとする場合、S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が安定した場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が安定していない場合、すなわち駆動電流が減少中または増加中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
また、判定パラメータを期間Hとする場合、S106では、駆動電流が0の場合にパラメータ期間が終了したとみなして肯定判断し、駆動電流が0でない場合にパラメータ期間が終了していないとみなして否定判断するようにしてもよい。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また本実施形態では、判定パラメータとして、駆動電圧の印加終了から、駆動電流が減少から増加に転じるまでの期間である期間E、駆動電圧の印加終了から、駆動電流が減少から増加し再度減少に転じるまでの期間である期間F、または、駆動電圧の印加終了から駆動電流が安定するまでの期間または駆動電流が0になるまでの期間である期間Hに応じた値を算出している。これにより、封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを適切に算出することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、期間Cに対応する判定パラメータに基づいて封鎖弁80の駆動を制御する。本実施形態の駆動制御処理を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
図10に示すフローチャートは、図7中のS101とS103の間にS121およびS122が追加されており、S105が省略されている。
封鎖弁80の駆動電圧が閾値より大きいと判断された場合(S101:YES)に移行するS121では、駆動電流を取得し、駆動電流の変化量を算出する。ここでの処理は、図7中のS105と同様の処理である。
S122では、パラメータ期間が開始したか否かを、駆動電流の変化量に基づいて判断する。パラメータ期間が開始していないと判断された場合(S122:NO)S102へ移行する。パラメータ期間が開始したと判断された場合(S122:YES)、S103へ移行する。
また本実施形態では、S104にてパラメータカウンタをインクリメントした後、S106へ移行する。
<パラメータ期間:期間C>
本実施形態ではパラメータ期間を期間Cとしているので、S122では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が増加から減少に転じた場合、パラメータ期間が開始したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の増加中である場合、パラメータ期間が開始していないとみなし、否定判断する。
S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が増加し減少し再度増加に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が減少中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また本実施形態では、判定パラメータとして、駆動電流が増加から減少に転じてから、再度増加に転じるまでの期間である期間Cに応じた値を算出している。これにより、封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを適切に算出することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、期間Gに対応する判定パラメータに基づいて封鎖弁80の駆動を制御する。本実施形態の駆動制御処理を、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
図11に示すフローチャートは、図10中のS101に替えてS101aとする以外は図10と同様である。
最初のS101aは、図11のS101aと同様であり、封鎖弁80の駆動電圧が0か否かを判断する。駆動電圧が0であると判断された場合(S101a:YES)、すなわち駆動電圧が印加されていないオフ期間である場合、S121へ移行する。封鎖弁80の駆動電圧が0でないと判断された場合(S101a:NO)、すなわち駆動電圧が印加されているオン期間である場合、S102へ移行する。
<パラメータ期間:期間G>
本実施形態ではパラメータ期間を期間Gとしているので、S122では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が減少から増加に転じた場合、パラメータ期間が開始したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の減少中である場合、パラメータ期間が開始していないとみなし、否定判断する。
S106では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が減少し増加し再度減少に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断する。駆動電流が増加中である場合、パラメータ期間が終了していないとみなし、否定判断する。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また本実施形態では、判定パラメータとして、駆動電流が減少から増加に転じてから、再度減少に転じるまでの期間である期間Gに応じた値を算出している。これにより、封鎖弁80の挙動に係る判定パラメータを適切に算出することができる。
続く第5実施形態〜第8実施形態では、封鎖弁80の固着異常を検出している点が上記実施形態と異なっている。以下、主に封鎖弁80の固着異常検出について説明し、他の構成等の説明は省略する。ここでいう「封鎖弁80の固着異常」とは、封鎖弁80が閉弁状態にて固着している状態、および、開弁状態にて固着している状態を含むものとする。
なお、第5実施形態では、パラメータ期間を期間A、期間Bまたは期間Dとし、第6実施形態では、パラメータ期間を期間E、期間Fまたは期間Hとし、第7実施形態では、パラメータ期間を期間Cとし、第8実施形態では、パラメータ期間を期間Gとしている。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態を、図12〜図14に基づいて説明する。
まず、封鎖弁80が固着しているときの駆動電流について、図12に基づいて説明する。なお、図12に実線で示す正常時の挙動は、図3と同様である。
図12に破線で示すように、封鎖弁80が固着していると、弁部材81が移動しないので、弁部材81の移動に伴う駆動電流の変化がない。すなわち、駆動パルスが送出され駆動電圧が印加されると、駆動電流は増加し、減少することなく、コイル821のコイルインダクタンスに応じた所定の電流が通電され、駆動電流が安定する。また、駆動パルスの送出が終了し駆動電圧が印加されなくなると、駆動電流は減少し、増加することなく、駆動電流が0となる。
本実施形態では、封鎖弁80が固着しているとき、正常時とは駆動電流が異なる点に着目し、各パラメータ期間に対応する判定パラメータを算出し、判定パラメータに基づいて封鎖弁80の固着異常を検出している。
ここで、封鎖弁80の駆動制御の説明に先立ち、車両の運転状態に応じた封鎖弁80の駆動状態の遷移を図13に基づいて説明する。図13に示す状態遷移図は、図6の状態遷移図に対し、異常状態F5が追加されている点が異なるので、この点を中心に説明し、図6と同様の箇所については説明を省略する。
本実施形態では、圧抜き状態F3のとき、封鎖弁80の固着異常検出を行う。封鎖弁80の固着異常が検出されると、封鎖弁80の駆動を中止し、固着判定フラグをオンとし、異常状態F5へ遷移する。異常状態F5では、封鎖弁80の駆動に係る指令の送出を停止するとともに、封鎖弁80に固着異常が生じている旨のダイアグ情報をECU10に記録する。また、エンジン20が停止すると、初期状態F1に戻る。
本施形態による封鎖弁80の駆動制御処理について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
S201〜S208は、図7中のS101〜S108と同様の処理であるので、説明を省略する。
S208にてパラメータ確定フラグをオンした後に移行するS209では、今サイクルの判定パラメータが固着判定範囲内か否かを判断する。判定パラメータが固着判定範囲内ではないと判断された場合(S209:NO)、封鎖弁80は正常であると判断し、S211へ移行する。判定パラメータが固着判定範囲内であると判断された場合(S209:YES)、封鎖弁80に固着異常が生じていると判断し、S210へ移行する。
S210では、駆動電圧の印加を中止し、固着判定フラグをオンとし、本処理を終了する。S210にて固着判定フラグがオンされると、圧抜き状態F3から異常状態F5へ遷移する(図13参照)。
S211〜S213の処理は、図7中のS109〜S111と同様の処理であるので、説明を省略する。
ここで、封鎖弁80の固着異常検出について、判定パラメータ毎に説明する。
<パラメータ期間:期間A>
パラメータ期間を期間Aとする場合、S206では、駆動電流が増加から減少に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断している。ここで、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が増加から減少に転じることがない。そこで、燃料タンク31の内圧を考慮し、燃料タンク31の内圧が封鎖弁80と並列に設けられる異常圧開放弁が開弁される圧力(以下、「上限圧」という。)のときの期間Aの長さに対応する判定パラメータ値よりも十分に大きい所定の期間終了判定値を設定しておく。そして、パラメータカウンタ値が当該期間終了判定値を超えた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、S206にて肯定判断する。
そのため、S207にて確定する判定パラメータは、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、正常時より大きくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より大きい場合、固着判定範囲内であって封鎖弁80に固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以下である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間B>
パラメータ期間を期間Bとする場合、S206では、駆動電流が増加から減少し再度増加に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断している。ここで、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が増加から減少し再度増加に転じることがない。そこで、判定パラメータを期間Aとした場合と同様、燃料タンク31の内圧が封鎖弁80と並列に設けられる異常圧開放弁が開弁される上限圧のときの期間Bに対応する判定パラメータ値よりも十分に大きい所定の期間終了判定値を設定しておく。そして、パラメータカウンタ値が当該期間終了判定値を超えた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、S206にて肯定判断する。
そのため、S207にて確定する判定パラメータは、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、正常時より大きくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より大きい場合、固着判定範囲内であって封鎖弁80に固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以下である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間D>
図12に示すように、封鎖弁80が正常である場合と比較し、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が安定するまでの期間である期間Dは、短くなる。そのため、パラメータ期間を期間Dとする場合、封鎖弁80に固着異常が生じている場合の判定パラメータは、正常時より小さくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より小さい場合、固着判定範囲内であって固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以上である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
以上詳述したように、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、封鎖弁80が駆動しないため、駆動電流は正常時とは異なる。そこでCPU11は、判定パラメータに基づき、封鎖弁80の固着異常を検出している(S210)。これにより、燃料タンク31の内圧を検出するセンサ等がなくても、封鎖弁80の固着異常を検出することができる。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第6実施形態)
第6実施形態では、パラメータ期間を期間E、期間Fまたは期間Hとする。
図13に示すフローチャートは、図12のS201に替えてS201aとする以外は同様である。
最初のS201aでは、S101aと同様、封鎖弁80の駆動電圧が0か否かを判断する。駆動電圧が0であると判断された場合(S201a:YES)、S203へ移行する。封鎖弁80の駆動電圧が0でないと判断された場合(S201a:NO)、S202へ移行する。
ここで、封鎖弁80の制御処理を判定パラメータ毎に説明する。
<パラメータ期間:期間E>
パラメータ期間を期間Eとする場合、S206では、駆動電流が減少から増加に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断している。ここで、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が減少から増加に転じることがない。そこで、燃料タンク31が取り得る所定の下限圧のときの期間Eに対応する判定パラメータ値よりも十分に大きい所定の期間終了判定値を設定しておく。そして、パラメータカウンタ値が当該期間終了判定値を超えた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、S206にて肯定判断する。
そのため、S207にて確定する判定パラメータは、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、正常時より大きくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より大きい場合、固着判定範囲内であって封鎖弁80に固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以下である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間F>
パラメータ期間を期間Fとする場合、S206では、駆動電流が減少から増加し再度減少に転じた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、肯定判断している。ここで、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が減少から増加し再度減少に転じることがない。そこで、燃料タンク31が取り得る所定の下限圧のときの期間Fに対応する判定パラメータ値よりも十分に大きい所定の期間終了判定値を設定しておく。そして、パラメータカウンタ値が当該期間終了判定値を超えた場合、パラメータ期間が終了したとみなし、S206にて肯定判断する。
そのため、S207にて確定する判定パラメータは、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、正常時より大きくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より大きい場合、固着判定範囲内であって封鎖弁80に固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以下である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
<パラメータ期間:期間H>
図12に示すように、封鎖弁80が正常である場合と比較し、封鎖弁80に固着異常が生じている場合、駆動電流が安定するまでの期間Hは、期間Dと同様、短くなる。そのため、パラメータ期間を期間Hとする場合、封鎖弁80に固着異常が生じている場合の判定パラメータは、正常時より小さくなる。
そこでS209では、判定パラメータが固着判定閾値より小さい場合、固着判定範囲内
であって封鎖弁80に固着異常が生じているものとし、肯定判断する。判定パラメータが固着判定閾値以上である場合、固着判定範囲内ではなく封鎖弁80は正常であるとし、否定判断する。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第7実施形態)
第7実施形態では、パラメータ期間を期間Cとする。本実施形態の駆動制御処理を図16に示すフローチャートに基づいて説明する。
図16に示すフローチャートは、図14のS201とS202の間にS220が、S201とS203の間にS221〜S225が追加されており、S205、S209およびS210が省略されている。
封鎖弁80の駆動電圧が閾値以下であると判断された場合(S201:NO)に移行するS220では、待ち時間カウンタをリセットし、S202へ移行する。
封鎖弁80の駆動電圧が閾値より大きいと判断された場合(S201:YES)に移行するS221では、駆動電流を取得し、駆動電流の変化量を算出する。ここでの処理は、図10中のS121と同様の処理である。
S222では、図10中のS122と同様、パラメータ期間が開始したか否かを駆動電流の変化量に基づいて判断する。パラメータ期間が開始した判断された場合(S222:YES)、S203へ移行する。パラメータ期間が開始していないと判断された場合(S222:NO)、S223へ移行する。
S223では、パラメータ期間が開始するまでの待ち時間を計時するための待ち時間カウンタをインクリメントする。
S224では、待ち時間カウンタのカウント値が固着判定閾値より大きいか否かを判断する。待ち時間カウンタのカウント値が固着判定閾値以下であると判断された場合(S224:NO)、封鎖弁80は正常であると判断し、S202へ移行する。待ち時間カウンタのカウント値が固着判定閾値より大きいと判断された場合(S224:YES)、封鎖弁80に固着異常が生じていると判断し、S225へ移行する。
S225では、固着判定フラグをオンとし、本処理を終了する。S225にて固着判定フラグがオンされると、圧抜き状態F3から異常状態F5へ遷移する(図13参照)。
また本実施形態では、S204にてパラメータカウンタをインクリメントした後、S206へ移行する。さらにまた、S208にてパラメータ確定フラグをオンした後、S211へ移行する。
<パラメータ期間:期間C>
本実施形態では、パラメータ期間を期間Cとしているので、S222では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が増加から減少に転じた場合、パラメータ期間が開始したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の増加中である場合、パラメータ期間が開始していないとみなし、否定判断する。
本実施形態では、固着異常が生じているとき、駆動電圧が印加されているオン期間では、駆動電流が増加から減少に転じることがなく、期間Cが開始しない。そこで、期間Cが始まるまでの期間を待ち時間カウンタにて計時しておき、このカウント値に基づき、封鎖弁80の固着異常を検出している。具体的には、待ち時間カウンタのカウント値が固着判定閾値より大きい場合、封鎖弁80に固着異常が生じていると判断する。
なお、本実施形態における待ち時間カウンタのカウント値は、期間Aに対応する判定パラメータであるとみなすこともできる。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
(第8実施形態)
第8実施形態では、パラメータ期間を期間Gとする。図17に示すフローチャートは、図16中のS201に替えてS201aとする以外は、図16と同様である。
最初のS201aは、図15のS201aと同様であり、封鎖弁80の駆動電圧が0か否かを判断する。駆動電圧が0であると判断された場合(S201a:YES)、S221へ移行する。封鎖弁80の駆動電圧が0でないと判断された場合(S201a:NO)、S220へ移行する。
<パラメータ期間:期間G>
本実施形態では、パラメータ期間を期間Gとしているので、S222では、駆動電流の変化量に基づき、駆動電流が減少から増加に転じた場合、パラメータ期間が開始したとみなし、肯定判断する。駆動電流が最初の減少中である場合、パラメータ期間が開始していないとみなし、否定判断する。
本実施形態では、固着異常が生じているとき、駆動電圧が印加されていないオフ期間では、駆動電流が減少から増加に転じることがなく、期間Gが開始しない。そこで、期間Gが始まるまでの期間を待ち時間カウンタにて計時しておき、このカウント値に基づき、封鎖弁80の固着異常を検出している。具体的には、待ち時間カウンタのカウント値が固着判定閾値より大きい場合、封鎖弁80に固着異常が生じていると判断する。
なお、本実施形態における待ち時間カウンタのカウント値は、期間Eに対応する判定パラメータであるとみなすこともできる。
このように構成しても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
第1実施形態〜第8実施形態では、ECU10の封鎖弁駆動回路13が「封鎖弁駆動手段」を構成し、電流検出回路14が「電流検出手段」を構成する。
第1実施形態〜第4実施形態では、CPU11が「パラメータ算出手段」および「内圧推定手段」を構成し、第5実施形態〜第8実施形態では、CPU11が「パラメータ算出手段」および「内圧推定手段」に加え、「固着異常検出手段」を構成する。
第1実施形態〜第4実施形態では、図7、図9、図10または図11中のS107が「パラメータ算出手段」の機能としての処理に相当し、S109が「内圧推定手段」の機能としての処理に相当する。
第5実施形態、第6実施形態では、図14または図15中のS207が「パラメータ算出手段」の機能としての処理に相当し、S211が「内圧推定手段」の機能としての処理に相当し、S209が「固着異常検出手段」の機能としての処理に相当する。
第7実施形態、第8実施形態では、図16または図17中のS207およびS223が「パラメータ算出手段」の機能としての処理に相当し、S211が「内圧推定手段」の機能としての処理に相当し、S224が「固着異常検出手段」の機能としての処理に相当する。すなわち、第7実施形態および第8実施形態では、S207にて確定するパラメータ値に加え、S223にてカウントされる待ち時間カウンタのカウント値も「封鎖弁の挙動に係るパラメータ」に対応している。
(他の実施形態)
(ア)上記実施形態では、パラメータとして、期間A〜Hのいずれかに対応する値を算出した。他の実施形態では、複数のパラメータを算出してもよい。また、複数のパラメータ期間に対応するような値をパラメータとしてもよい。
また、第1実施形態にて説明した封鎖弁の駆動制御処理と第2実施形態にて説明した封鎖弁の固着異常判定処理とを、同時に行わず、別処理として実行するように構成してもよい。この場合、例えば駆動制御処理には期間Aに対応するパラメータを採用し、固着異常判定処理には期間Dに対応するパラメータを採用する、といった具合に、処理毎に異なる判定パラメータを用いてもよい。
また、パラメータは、駆動電流に基づいて算出される値であれば、どのような値を用いてもよい。
さらに、上記第5実施形態〜第8実施形態では、例えばパージバルブと同期して封鎖弁を駆動するようにし、パラメータに基づく燃料タンクの内圧推定およびパラメータに基づく封鎖弁の駆動制御を省略してもよい。
(イ)上記実施形態では、燃料タンクの内圧が所定値より大きくなった場合に開弁される異常圧開放弁は、封鎖弁と並列に設けられていたが、他の実施形態では封鎖弁と一体としてもよい。
(ウ)上記実施形態では、エンジンは4気筒エンジンであったが、いかなる気筒数のエンジンにも適用することができる。また、蒸発燃料処理装置は、アイドリングストップ車等、どのような車両に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・蒸発燃料処理装置
10・・・ECU(制御部)
11・・・CPU(パラメータ算出手段、内圧推定手段、固着異常検出手段)
13・・・封鎖弁駆動回路(封鎖弁駆動手段)
14・・・電流検出回路(電流検出手段)
20・・・エンジン(内燃機関)
31・・・燃料タンク
37・・・キャニスタ
80・・・封鎖弁

Claims (3)

  1. 燃料タンク(31)内で発生する蒸発燃料をキャニスタ(37)で吸着し、当該キャニスタにて吸着した蒸発燃料を内燃機関(20)に供給する蒸発燃料処理装置(1)であって、
    前記燃料タンクと前記キャニスタとを連通するベーパ通路(61)に設けられる封鎖弁(80)と、
    前記封鎖弁を駆動する封鎖弁駆動手段(13)、前記封鎖弁に通電される電流である駆動電流を検出する電流検出手段(14)、前記駆動電流に基づいて前記封鎖弁の挙動に係るパラメータを算出するパラメータ算出手段(11)、および、前記パラメータに基づき、前記燃料タンクの内圧を推定する内圧推定手段(11)を有する制御部(10)と、
    を備え
    前記内圧推定手段は、前記封鎖弁が間欠駆動されているときの前記パラメータの変化量の絶対値が所定値より小さくなった場合、前記燃料タンクの内圧開放が終了したと推定し、
    前記封鎖弁駆動手段は、前記燃料タンクの内圧開放が終了したと推定された場合、前記封鎖弁の間欠駆動を終了することを特徴とする蒸発燃料処理装置。
  2. 前記制御部は、前記パラメータに基づき、前記封鎖弁の固着異常を検出する固着異常検出手段(11)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記パラメータ算出手段は、前記パラメータとして、
    前記封鎖弁を駆動するための駆動電圧の印加開始から、前記駆動電流が増加から減少に転じるまでの期間、
    前記駆動電圧の印加開始から、前記駆動電流が増加から減少し再度増加に転じるまでの期間、
    前記駆動電流が増加から減少に転じてから、再度増加に転じるまでの期間、
    前記駆動電圧の印加開始から、前記駆動電流が安定するまでの期間、
    前記駆動電圧の印加終了から、前記駆動電流が減少から増加に転じるまでの期間、
    前記駆動電圧の印加終了から、前記駆動電流が減少から増加し再度減少に転じるまでの期間、
    前記駆動電流が減少から増加に転じてから、再度減少に転じるまでの期間、
    および、
    前記駆動電圧の印加終了から、前記駆動電流が安定するまでの時間または前記駆動電流が0になるまでの期間、
    の少なくとも1つに応じた値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の蒸発燃料処理装置。
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