JP5933350B2 - 誘導装置 - Google Patents

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Description

この発明は、飛しょう体を複数の目標から特定の追尾目標へ誘導する誘導装置に関するものである。
飛しょう体に搭載され、飛しょう体を追尾目標へ誘導する誘導装置においては、従来より誘導則として比例航法が広く用いられている(非特許文献1参照)。
従来の誘導装置は、対象となる目標から信号を検出して観測値を出力する信号処理部と、観測値から誘導信号を出力するための目標の相対位置や相対速度を推定するカルマンフィルタで構成され、観測値の雑音を除去する追尾処理部と、追尾処理部の出力信号から誘導信号として目視線変化率を算出する目視線変化率計算部と、目視線変化率計算部の出力信号から飛しょう体に指示する加速度である指令加速度を算出する指令加速度計算部とを備える。指令加速度計算部から入力される指令加速度に基づく加速度ベクトルにより飛しょう体が移動し、目標に会合する。
図1は、従来の誘導装置の指令加速度の算出方法を示す図である。図1では、指令加速度の算出方法を、2次元平面を用いて示しており、飛しょう体Pと追尾目標Qがそれぞれ速度ベクトルVMと速度ベクトルVTで移動している。飛しょう体Pと追尾目標Qとを結ぶ線分は目視線PQであり、慣性座標において観測される飛しょう体Pの経路角、目視線角をそれぞれγ、σとする。飛しょう体Pは進行方向に垂直な加速度ベクトルncを発生し、追尾目標Qに会合する。加速度ベクトルncは、以下の式(1)に基づいて算出される。
c=N1cσ´ ・・・(1)
式(1)において、N1は航法定数、vcは接近速度、σ´は目視線変化率を示す。「´」は時間に対する微分を示す。
また、慣性座標系において、以下の式(2)から式(4)が成り立つ。
MX=−ncsinσ ・・・(2)
MY=nccosσ ・・・(3)
c=−R´TM ・・・(4)
式(2)から式(4)において、σは目視線角、R´TMは飛しょう体Pから追尾目標Qの相対距離変化率を示す。このように、目視線変化率にゲインである航法定数と接近速度を乗ずることにより指令加速度が算出される。
一方、複数存在する目標から追尾すべき追尾目標を選択する目標選択処理(以下、相関処理と称する)として、NN(Nearest Neighbor)方式による相関処理やPDA(Probabilistic Data Association)方式による相関処理などが知られている。NN方式は、追尾フィルタの予測値を中心に所定の領域を設定し、設定した領域内に複数の観測値が存在した場合には、予測値に最も近い観測値を追尾目標から得られた観測値と判断するアルゴリズムである。一方、PDA方式は、設定した領域内の観測値はすべて追尾目標から得られている可能性があると考え、各観測値に対して信頼度に基づく荷重平均をとるアルゴリズムである。
なお、複数存在する目標から追尾目標を選択し、飛しょう体を追尾目標へと誘導する場合には、追尾処理部の前段に相関処理を行う相関処理部を設けるのみであり、目視線変化率計算部および指令速度計算部は上述した処理と同様の処理を行う。
P. Zarchan,Tactical and Strategic Missile Guidance Fourth Edition,Vol.199,AIAA,2002.
しかしながら、上述した従来の誘導装置では、複数存在する目標から追尾目標を選択する相関処理において、観測状況により追尾処理部の追尾フィルタの平滑値が不安定となるという課題があった。例えば、目標を遠く離れた地点から観測すると、測角誤差により追尾目標とその他の目標との区別が困難となり、区別が困難な状況において追尾目標を選択するあるいはその他の目標を選択すると、追尾処理部の追尾フィルタの平滑値が不安定となる。不安定な平滑値を用いて指令加速度を算出し、舵角指令を出力すると、舵角が安定せず、誘導装置の機体がふらつき、飛しょう体を確実に追尾目標へ誘導することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、複数存在する目標から追尾目標を選択し、選択した追尾目標へ飛しょう体を誘導する場合に、観測状況に合わせて目標選択方法を選択し、飛しょう体を確実に追尾目標へ誘導する誘導装置を得ることを目的とする。
この発明に係る誘導装置は、複数存在する目標の検出信号から、目標の運動を示す観測値を取得する信号処理部と、信号処理部が取得した観測値に対してPDA相関に基づいて、またはNN相関に基づいて相関処理を行い、複数存在する目標から追尾目標を決定する相関処理部と、相関処理部が決定した追尾目標の観測値から、当該追尾目標の運動を推測する追尾処理部と、飛しょう体の運動と、追尾処理部が推測した追尾目標の運動とから、飛しょう体と追尾目標との相対運動を算出する相対運動計算部と、追尾処理部が推測した追尾目標の運動と、相対運動計算部が算出した飛しょう体と追尾目標との相対運動とに基づいて、飛しょう体が追尾目標に会合するための飛しょう経路および加速度を算出し、算出した飛しょう経路および加速度から飛しょう体の航法計画を示す航法定数を算出する航法定数計算部と、航法定数計算部が算出した航法計画に基づいて、飛しょう体の加速度ベクトルを算出する指令加速度計算部とを備え、相関処理部は、飛しょう体が追尾目標に会合すると推測される時間である予想会合時間に応じて、追尾目標の観測値に対してPDA相関に基づく相関処理を実行するか、またはNN相関による相関処理を実行するかを決定し、航法定数計算部は、相関処理部においてPDA相関による相関処理を実行すると決定された区間において発生する飛しょう遅れを、NN相関による相関処理を実行すると決定された区間において補償する加速度を算出し、飛しょう体の航法計画を決定するものである。
この発明によれば、目標を遠く離れた地点から観測する場合にも、誘導装置の舵角を安定させ、飛しょう体を追尾目標へ確実に誘導することができる。
誘導装置における指令加速度の算出方法を示す図である。 実施の形態1による誘導装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1による誘導装置の相関処理部の構成を示すブロック図である。 実施の形態1による誘導装置の航法定数計算部の構成を示すブロック図である。 飛しょう体にかかる荷重を示す説明図である。 飛しょう体の機体を追尾目標に指向させる荷重を示す説明図である。 実施の形態1による誘導装置の航法定数のスケジュールを示す図である。 実施の形態2による誘導装置の航法定数計算部の構成を示すブロック図である。 実施の形態3による誘導装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4による誘導装置の航法定数のスケジュールを示す図である。 実施の形態5による誘導装置の航法定数を示す説明図である。
本願発明の誘導装置が誘導を行う飛しょう体と、飛しょう体が会合する追尾目標との関係は、上述した図1と同様の関係を有している。さらに本願発明の誘導装置は、飛しょう体が会合すべき追尾目標以外の別目標が観測された時点で、以下に示す特徴的な処理動作を実行する。以下では、飛しょう体が会合すべき目標を追尾目標Qとし、そのほかに観測された別目標を観測目標S(図1参照)として説明を行う。なお、図1では複数の観測目標Sを記載しているが、観測目標Sの数はこれに限定されるものではない。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1による誘導装置の構成を示すブロック図である。
誘導装置10は、信号処理部1、追尾処理部2、目視線変化率計算部(相対運動計算部)3、指令加速度計算部4、相関処理部5および航法定数計算部6を備えて構成される。
信号処理部1は、アンテナ、赤外線センサや光学カメラなどを用いて、対象となる追尾目標Qが放射または反射する信号を検出し、当該検出した信号に対して信号処理を行い、観測値として出力する。追尾処理部2は、信号処理部1または相関処理部5から入力される観測値に基づいて、追尾目標Qの運動を推測し、各回のサンプリング時刻(観測時刻)における追尾目標Qに対する予測値、予測誤差共分散行列、観測誤差共分散行列および平滑値を算出する。
目視線変化率計算部3は、飛しょう体Pの運動と、追尾処理部2が推測した追尾目標Qの運動とに基づいて、飛しょう体Pと追尾目標Qとの相対運動を計算する。具体的には、追尾処理部2が算出した平滑値から相対距離、接近速度、目視線角および目視線変化率を算出する。指令加速度計算部4は、上述した式(1)に基づいて、目視線変化率計算部3が算出した目視線変化率に、ゲインである接近速度と航法定数を乗じることにより指令加速度を算出する。指令加速度計算部4が算出した指令加速度に基づいて飛しょう体Pを制御することにより、飛しょう体Pは進行方向に垂直な加速度ベクトルncを発生して移動し、追尾目標Qに会合する。
相関処理部5は、複数存在する目標から追尾する追尾目標Qを選択する目標選択処理(以下、相関処理と称する)を行う。指令加速度計算部4が算出した予想会合時間tgoに基づいて、信号処理部1から入力される観測値に対して、PDA方式相当の相関処理、あるいはNN方式相当の相関処理を行う。
航法定数計算部6は、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きい場合の遠距離航法定数(以下、第1の航法定数と称する)および、予想会合時間tgoの1/M(Mは後述するパラメータ)以降であって発生した遅れを補償するための補償航法定数(以下、第2の航法定数と称する)の設定を行う。なお、第1の航法定数の設定において、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きい場合には、目標選択の結果が飛しょう体Pの誘導に大きく反映されるのを抑制するために、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間において第1の航法定数の値を小さく設定する。
次に、相関処理部5の詳細について説明する。
図3は、この発明の実施の形態1による誘導装置の相関処理部の構成を示すブロック図である。
相関処理部5は、パラメータ設定部51、切替設定部52および残差二次形式計算部53で構成されている。
パラメータ設定部51は、切替設定部52に対してあらかじめ記憶するパラメータMを設定する。切替設定部52は、パラメータ設定部51により設定されたパラメータMを用いて、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間ではPDA方式相当の相関処理を選択し、予想会合時間tgoの1/M以降の区間ではNN方式相当の相関処理を選択し、選択した相関処理方法を残差二次形式計算部53に設定する。
残差二次形式計算部53は、切替設定部52により設定された方式の相関処理を実施する。具体的には、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では、追尾目標Qの残差二次形式と観測目標Sの残差二次形式の逆比で荷重観測値を算出する。また、予想会合時間tgoの1/M以降の区間では、追尾目標Qまたは観測目標Sのいずれかの観測値を選択する。
次に、航法定数計算部6の詳細について説明する。
図4は、この発明の実施の形態1による誘導装置の航法定数計算部の構成を示すブロック図である。
航法定数計算部6は、標準航法定数設定部61、パラメータ設定部62、遠距離用航法定数設定部63、補償加速度計算部64および航法定数スケジュール計算部65から構成されている。
標準航法定数設定部61は、標準航法定数をあらかじめ記憶し、遠距離用航法定数設定部63に対して設定する。標準航法定数は、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離を考慮することなく、飛しょう体Pが追尾目標Qに会合するまで一定の条件で飛しょうする場合に適用する航法定数である。パラメータ設定部62は、遠距離用航法定数設定部63に対してあらかじめ記憶するパラメータNを設定する。
遠距離用航法定数設定部63は、標準航法定数設定部61により設定された標準航法定数に、パラメータ設定部62により設定されたパラメータNの1/Nを乗じた値を、第1の航法定数とする。第1の航法定数は、標準航法定数の1/N倍であることから、相関処理結果に対する操舵の感度を低下させる航法定数となる。
補償加速度計算部64は、遠距離用航法定数設定部63が設定した第1の航法定数および目視線変化率計算部3から入力される相対距離、接近速度、目視線角、目視線変化率、指令加速度計算部4から入力される予測会合時間および追尾処理部2から入力される平滑値に基づいて飛しょう経路を算出した後、相関処理切替時間、すなわち予想会合時間tgoの1/M以降の区間の会合経路を算出する。予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では値の小さい第1の航法定数を設定するため、飛しょう経路としては遅れが生じる。生じる遅れを補償するため、予想会合時間tgoに飛しょう体Pが追尾目標Qと会合すべき飛しょう経路を計算し、相関処理をNN方式相当の相関処理に切り替えた後に追尾目標Qに会合するための所要加速度を算出する。
航法定数スケジュール計算部65は、補償加速度計算部64が算出した所要加速度と、飛しょう体Pの飛しょう履歴から、相関処理をNN方式相当の相関処理に切り替えた後の第2の航法定数を算出し、航法定数のスケジュールを決定する。
次に、誘導装置10の処理動作について説明する。なお以下では、誘導装置10の動作を、追尾目標Q以外の観測目標Sが観測されていない場合であって、所定のサンプリング時間毎に飛しょう体Pと追尾目標Qが会合すると予想される時間を算出する動作と、追尾目標Q以外の観測目標Sが観測された場合に、設定された予想会合時間tgoを用いて相関処理を行い、指令加速度を算出する動作とに分けて説明を行う。
(1)追尾目標Qのみ観測;サンプリング時間毎の予想会合時間tgo,kの算出処理
まず、追尾処理部2が信号処理部1から入力される観測値に基づいて各回のサンプリング時刻における追尾目標Qに対する予測値、予測誤差共分散行列、観測誤差共分散行列および平滑値を算出する。
追尾処理部2は等速直線運動モデル、等加速度運動モデルなどの追尾目標Qの運動状態を定義する。ここでは追尾目標Qの状態ベクトルxkは、航法座標系における相対位置、相対速度として以下の式(5)で示される。
Figure 0005933350
式(5)において、xk、yk、zkはサンプリング時刻tkにおける飛しょう体Pに対する追尾目標Qの相対位置、x´k、x´k、z´kはサンプリング時刻tkにおける飛しょう体Pに対する追尾目標Qの相対速度を示す。Tは転置を示す。
また、観測ベクトルzkを以下の式(6)に示すように定義する。
Figure 0005933350
式(6)において、rは飛しょう体Pから追尾目標Qまでの相対距離、r´は相対距離の時間変化率を示す。
Figure 0005933350
Figure 0005933350

Figure 0005933350
指令加速度計算部4は、目視線変化率計算部3から出力される接近速度vc、目視線変化率σ´およびあらかじめ設定された標準航法定数を乗じて指令加速度を算出する。さらに指令加速度計算部4は、目視線変化率計算部3から出力される相対距離r、接近速度vcを用いて、サンプリング時刻毎に予想会合時間tgo,k(tgo,1,tgo,2,・・・,tgo,k)を算出する。さらに指令加速度計算部4は、追尾目標Qとは異なる観測目標Sが観測された場合に、当該観測目標Sが観測される直前に算出した予想会合時間tgo,kを予想会合時間tgoに設定し、相関処理部5に出力する。
なお、上述した説明では、追尾目標Qとは異なる観測目標Sが観測された場合に、サンプリング時刻毎の予想会合時間tgo,kを用いて予想会合時間tgoを設定する構成を示したが、追尾目標Qとは異なる観測目標Sが観測された場合に、指令加速度計算部4が任意のパラメータを予想会合時間tgoに設定するように構成してもよい。
次に、追尾目標Q以外の観測目標Sが観測され、指令加速度計算部4が設定した予想会合時間tgoを用いて相関処理を行って指令加速度を算出する動作について説明する。
Figure 0005933350

Figure 0005933350
式(13)および式(14)において、Hはカルマンフィルタ処理器の観測行列であり、追尾処理部2より出力される。
切替設定部52は、指令加速度計算部4から出力される予想会合時間tgoに基づいて、パラメータ設定部51により設定されるパラメータMを用いて、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間ではPDA方式相当の相関処理を選択し、いずれの目標も完全に選択しないように荷重観測値を選択し、予想会合時間tgoが1/M以降の区間ではNN方式相当の相関処理を選択する。
残差二次形式計算部53は、切替設定部52で選択された方式に基づく相関処理を行う。例えば、追尾目標Qの観測値をzk,t、観測目標Sの観測値をzk,aとすると、追尾目標Qの観測値から計算される残差二次形式をQk,t、観測目標Sの観測値から計算される残差二次形式をQk,aとすると、予想会合時間tgoが1/Mまでの区間では以下の式(16)に基づいて、追尾目標Qの残差二次形式と観測目標Sの残差二次形式の逆比で荷重観測値zk,gを算出する。
Figure 0005933350
一方、予想会合時間tgoが1/M以降の区間では、追尾目標Qの残差二次形式Qk,tと観測目標Sの残差二次形式Qk,aを比較し、追尾目標Qの残差二次形式Qk,tが観測目標Sの残差二次形式Qk,aよりも小さい場合には追尾目標Qの観測値をzk,tを選択し、追尾目標Qの残差二次形式Qk,tが観測目標Sの残差二次形式Qk,a以上の場合には観測目標Sの観測値をzk,aを選択する。
このように、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きく、観測条件が悪い場合、具体的には測角誤差が大きく追尾目標Qと観測目標Sのどちらが選択されるか分からないと想定される予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では、追尾目標Qの観測値と観測目標Sの観測値の荷重平均を算出することにより、追尾処理部2の追尾フィルタの平滑値を安定化させ、飛しょう体Pの機体のふらつきを抑制することができる。一方、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が小さい場合であって、観測条件が良い場合、具体的には測角誤差が小さく追尾目標Qと観測目標Sとが分離できると想定される予想会合時間tgoの1/M以降の区間では、追尾目標Qの観測値を選択することにより、確実な目標選択を行うことができる。
Figure 0005933350
目視線変化率計算部3は、追尾処理部2から入力される相関処理後の観測値に対する平滑値xk(+)から、上述した式(7)から式(12)に基づいて相対距離r、接近速度vc、目視線角σp、σy、目視線変化率σ´p、σ´yを算出する。
Figure 0005933350
航法定数計算部6の遠距離用航法定数設定部63は、標準航法定数設定部61により設定される標準航法定数と、パラメータ設定部62により設定されるパラメータNとを用いて、標準航法定数に1/Nを乗じた値を第1の航法定数とする。補償加速度計算部64は、まず第1の航法定数での飛しょう体Pの飛しょう経路を算出する。遠距離用航法定数設定部63が設定した第1の航法定数および目視線変化率計算部3から入力される接近速度vc、目視線角σp、σy、目視線変化率σ´p、σ´yとから、上述した式(1)から式(3)に基づいて加速度を計算することにより飛しょう体Pの飛しょう経路を算出する。
第1の航法定数は、標準航法定数よりも小さい値であるため、標準航法定数による飛しょう経路より遅れが生じる。そこで予想会合時間tgoの1/M以降の区間の飛しょう経路において追尾目標Qへ会合するために必要な加速度を算出する。飛しょう体Pの状態ベクトルxk,sをNED(X軸:East、Y軸:North、Z軸:Down)座標系において定義すると以下の式(17)のように示される。
Figure 0005933350
式(17)において、xk,s、yk,s、zk,sはサンプリング時刻tkにおける飛しょう体Pの位置、x´k,s、y´k,s、z´k,sはサンプリング時刻tkにおける飛しょう体Pの速度を示す。
このとき,飛しょう体Pの運動モデルを、以下の式(18)および式(19)のように定義する。
Figure 0005933350
式(18)および式(19)において、Φkは等速直線運動を示す推移行列、Γkは飛しょう体Pの速度ベクトル方向の機体軸とみなした場合の運動座標からNED座標への変換行列、ukは飛しょう体Pの加速度、I3x3は3行3列の単位行列、Δtは予測のサンプリング時間を示す。
式(18)に適用する飛しょう体Pにかかる荷重(加速度ベクトル)は、図5に示すように左右旋回加速度、上昇下降加速度を考慮する一方、加減速は考慮されず、以下の式(20)のように示される。
Figure 0005933350
式(20)において、vkは左右旋回加速度、wkは上昇下降加速度を示す。左右旋回加速度vkおよび上昇下降加速度wkで飛しょう体Pは追尾目標Qを目指すものとする。さらに、以下の式(21)および式(22)に基づいて、図6に示すように一定時間後に飛しょう体Pの機体を追尾目標Qに指向させる荷重を計算する。
Figure 0005933350

Figure 0005933350
次に、以下の式(23)に示すように、飛しょう体Pの加速度ukを機体軸からNED座標に変換する。
Figure 0005933350

Figure 0005933350

Figure 0005933350
予想会合時間tgoの1/M以降の区間の第2の航法定数は、航法定数スケジュール計算部65において、補償加速度計算部64による出力される所要加速度dkから上述した式(1)を用いて以下の式(25)のように逆計算される。また計算された第2の航法定数に基づいて、航法定数のスケジュールを決定する。
Figure 0005933350
式(25)において、hkはサンプリング時刻tkにおける航法定数、vc,kはサンプリング時刻tkにおける接近速度、σ´kはサンプリング時刻tkにおける目視線変化率を示す。
図7は、この発明の実施の形態1による誘導装置の航法定数計算部により算出される航法定数のスケジュールの一例を示す図である。図7では、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では第1の航法定数が設定され、予想会合時間tgoの1/M以降の区間では第2の航法定数が設定される例を示している。
最後に、指令加速度計算部4は、目視線変化率計算部3から出力される接近速度vc、目視線変化率σ´および航法定数計算部6により出力される第1および第2の航法定数を用いて、上述した式(1)から式(3)から指令加速度を計算し、出力する。
なお、上述した処理動作では、予想会合時間tgoを用いて相関処理および航法定数を算出する処理を行う構成を示したが、指令加速度計算部4におけるサンプリング時刻毎の予想会合時間tgo,k算出時の飛しょう体Pと追尾目標Qとの距離に基づいて、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きいか否か判定し、大きい場合には相関処理および航法定数算出処理に移行するように構成してもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きい場合に予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では追尾目標Qと観測目標Sの観測値の荷重平均を取り、予想会合時間tgoの1/M以降の区間では、追尾目標Qを完全に選択する相関処理を行う相関処理部5を備えるように構成したので、追尾処理部2の追尾フィルタの平滑値を安定させることができ、且つ確実な目標選択を行うことができる。
また、この実施の形態1によれば、飛しょう体Pと追尾目標Qとの距離が遠距離である場合に予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では標準航法定数よりも小さい値を有する遠距離用航法定数(第1の航法定数)を算出し、予想会合時間tgoの1/M以降の区間では遠距離用航法定数により発生した遅れを補償するための加速度を算出し、補償航法定数(第2の航法定数)を算出し、航法定数のスケジュールを決定する航法定数計算部5を備えるように構成したので、飛しょう体を追尾目標へ確実に誘導することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、上述した実施の形態1の構成に加えて航法定数の異常値を判定する構成を有する誘導装置について示す。
図8は、実施の形態2による誘導装置の航法定数計算部の構成を示すブロック図である。図8に示すように、実施の形態1で示した航法定数計算部6に異常値判定パラメータ設定部66および航法定数異常値判定部67を追加して設け、航法定数計算部6´を構成している。なお、航法定数計算部6´以外の構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
航法定数スケジュール計算部65が算出した第1の航法定数および第2の航法定数の値が大きすぎる場合には飛しょう体Pに急激な旋回加速度が発生する可能性があるため、算出した第1の航法定数および第2の航法定数が異常値でないか否か判定し、適正な航法定数を再設定する。
異常値判定パラメータ設定部66は、航法定数スケジュール計算部65で算出された航法定数が異常値であると判定するためのパラメータを有しており、当該パラメータを航法定数異常値判定部67に設定する。航法定数異常値判定部67は、航法定数スケジュール計算部65が算出した第1の航法定数および第2の航法定数の値が、異常値判定パラメータ設定部66により設定されたパラメータより大きいか否か判定を行う。さらに第1の航法定数および第2の航法定数がパラメータより大きく異常値であると判定した場合には、異常値である第1の航法定数および第2の航法定数の値がパラメータ以下となる航法定数に再設定する。航法定数異常値判定部67において異常値でないと判定された航法定数、あるいは異常値であったため適正な値に再設定された航法定数は、指令加速度計算部4に出力される。
以上のように、この実施の形態2によれば、航法定数スケジュール計算部65が算出した第1の航法定数および第2の航法定数が異常値であるか否か判定を行い、異常値であると判定した場合に閾値以下となる適正な航法定数を再設定する航法定数異常値判定部67を備えるように構成したので、飛しょう体に急激な指令加速度が発生するのを抑制し、飛しょう体を安定して誘導することができる。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態1による誘導装置の構成を示すブロック図である。図9に示すように、実施の形態1で示した誘導装置10に領域内外判定部7を追加して設けている。なお、領域内外判定部7以外の構成は実施の形態1と同様であるため、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
領域内外判定部7は、上述した実施の形態1の指令加速度算出処理において、信号処理部1から入力される観測値、および追尾処理部2から入力される予測値、予測誤差共分散行列、観測誤差共分散行列に基づいて、追尾目標Qの観測値が観測される可能性が高い領域を設定する。さらに、観測値、予測値、予測誤差共分散行列、および観測誤差共分散行列から上述した式(7)から式(9)に基づいて残差二次形式を求め、求めた残差二次形式が以下の式(26)を満たすか否か判定することにより、観測値が領域内に存在するか否か判定を行う。
k<e ・・・(26)
式(26)において、eはあらかじめ設定したパラメータである。信号処理部1から入力される複数の観測値のうち、上述した式(26)の条件を満たす観測値は設定した領域内に存在すると判定し、式(26)の条件を満たさない場合には設定した領域外に存在すると判定する。
領域内外判定部7において、領域内に存在すると判定された観測値のみが相関処理部5に出力され、相関処理部5において入力された観測値について実施の形態1と同一の相関処理が行われる。また、航法定数計算部6において実施の形態1と同様に第1の航法定数および第2の航法定数の設定を行う。
また、領域内外判定部7において領域内に存在すると判定された観測値が1つのみであった場合、相関処理部5および航法定数計算部6の処理が不要となるため、相関処理部5に対して観測値を出力せず、且つ航法定数計算部6に対して観測値が1つである旨を通知する制御信号を出力する。航法定数計算部6は、観測値が1つである旨を通知する制御信号を受信すると、航法定数に標準航法定数を設定し、指令加速度計算部4に出力する。
以上のように、この実施の形態3によれば、観測値が観測される可能性が高い領域を設定し、信号処理部1から入力された観測値が設定した領域の内側に存在するか、あるいは領域の外側に存在するか判定を行う領域内外判定部7を備えるように構成したので、相関処理部5において領域の内側に存在する観測値のみについて相関処理を実施すればよく、複数存在する目標の中から追尾目標を選択し、選択した追尾目標への誘導を高速に処理することができる。
また、この実施の形態3によれば、領域内外判定部7において領域内に存在すると判定された観測値が1つのみであった場合に、航法定数計算部6が標準航法定数を設定するように構成したので、飛しょう体を安定して誘導することができる。
実施の形態4.
この実施の形態4では、上述した実施の形態1の構成に加えて、飛しょう体Pが追尾目標Qに会合する直前に飛しょう体Pの機体がふらつくのを抑制する構成について説明する。実施の形態4による誘導装置は、実施の形態1の図2で示した誘導装置10、図3で示した相関処理部5、図4で示した航法定数計算部6と同一の構成を有している。そのため、以下では実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を行う。
上述した実施の形態1では、予想会合時間tgoに応じて第1の航法定数および第2の航法定数を設定するとともに、第1の航法定数ではPDA方式相当の相関処理を行い、第2の航法定数ではNN方式相当の相関処理を行う構成を示したが、飛しょう体Pが追尾目標Qに会合する前において、追尾目標Q以外に複数の観測目標Sが存在する場合、飛しょう体Pと追尾目標Qとの離間距離が大きい場合と同様に追尾処理部2の追尾フィルタの推定値が不安定となり、飛しょう体Pの機体がふらつき、正確な誘導を行えない場合がある。
そこで、この実施の形態4では、図11に示すようにパラメータR(R>1/M)をあらかじめ設定し、(予想会合時間tgo−R)以降の区間において、第3の航法定数に切り替える処理を行う。また、相関処理においては、第2の航法定数においてNN方式相当の相関処理を実施しているため目標の複数の反射点において追尾処理部2の追尾フィルタの推定値が不安定となる。そこで、(予想会合時間tgo−R)以降の区間においてPDA方式相当の相関処理に切り替え、追尾処理部2の追尾フィルタの推定値を安定させる。
相関処理部5のパラメータ設定部51は、パラメータMに加えてパラメータRをあらかじめ記憶し、当該パラメータM,Rを切替設定部52に設定する。切替設定部52は、パラメータ設定部51により設定されたパラメータM,Rを用いて、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間ではPDA方式相当の相関処理を選択し、予想会合時間tgoの1/M以降の区間であり、且つ(予想会合時間tgo−R)までの区間ではNN方式相当の相関処理を選択し、さらに(予想会合時間tgo−R)以降の区間ではPDA方式相当の相関処理を選択する。選択した相関処理方法は、残差二次形式計算部53に設定される。
残差二次形式計算部53は、切替設定部52により設定された方式の相関処理を実施する。具体的には、予想会合時間tgoの1/Mまでの区間、および(予想会合時間tgo−R)以降の区間では、追尾目標Qの残差二次形式と観測目標Sの残差二次形式の逆比で荷重観測値を算出する。一方、予想会合時間tgoの1/M以降の区間であり、且つ(予想会合時間tgo−R)までの区間では、追尾目標Qまたは観測目標Sのいずれかの観測値を選択する。
航法定数計算部6のパラメータ設定部62は、パラメータNに加えてパラメータN´をあらかじめ記憶し、当該パラメータN,N´を遠距離用航法定数設定部63に設定する。遠距離用航法定数設定部63は、標準航法定数設定部61により設定された標準航法定数に、パラメータ設定部62により設定されたパラメータNの1/Nを乗じた値を第1の航法定数とし、標準航法定数にパラメータN´の1/N´を乗じた値を第3の航法定数とする。第1の航法定数および第3の航法定数は、標準航法定数の1/N倍および1/N´倍であることから、相関処理結果に対する操舵の感度を低下させる航法定数となる。
補償加速度計算部64は、遠距離用航法定数設定部63が設定した第1および第3の航法定数、目視線変化率計算部3から入力される相対距離、接近速度、目視線角、目視線変化率、指令加速度計算部4から入力される予測会合時間および追尾処理部2から入力される平滑値に基づいて飛しょう経路を算出した後、相関処理切替時間、すなわち予想会合時間tgoの1/M以降の区間、且つ(予想会合時間tgo−R)までの区間の会合経路を算出する。予想会合時間tgoの1/Mまでの区間では値の小さい第1の航法定数を設定し、(予想会合時間tgo−R)以降の区間では値の小さい第3の航法定数を設定するため、飛しょう経路として遅れが生じる。生じる遅れを補償するため、予想会合時間tgoに飛しょう体Pが追尾目標Qと会合すべき飛しょう経路を計算し、相関処理をNN方式相当の相関処理に切り替えた後に追尾目標Qに会合するための所要加速度を算出する。
航法定数スケジュール計算部65は、補償加速度計算部64が算出した所要加速度と、飛しょう体Pの飛しょう履歴から、相関処理をNN方式相当の相関処理に切り替えた後の第2の航法定数を算出し、航法定数のスケジュールを決定する。
以上のように、この実施の形態4によれば、(予想会合時間tgo−R)以降の区間において値の小さい第3の航法定数に切り替えてPDA方式相当の相関処理を行う相関処理部5および航法定数計算部6とを備えるように構成したので、飛しょう体が目標に会合する直前において、飛しょう体の機体がふらつくのを抑制し、飛しょう体が目標に会合するまで正確な誘導を行うことができる。
実施の形態5.
この実施の形態5では、上述した実施の形態1の構成に加えて、第1の航法定数と第2の航法定数とが不連続に切り替わるのを抑制する構成について説明する。実施の形態5による誘導装置は、実施の形態1の図2で示した誘導装置10、図3で示した相関処理部5、図4で示した航法定数計算部6と同一の構成を有している。そのため、以下では実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を行う。
上述した実施の形態1では、予想会合時間tgoの1/Mにおいて第1の航法定数と第2の航法定数とを切り替える構成を示したが、図16(a)に示すように航法定数に不連続な切り替えが発生する。航法定数の不連続な切り替えが発生すると、飛しょう体Pの機体に急激な加速度が加わり、安定した誘導を行うことができない。
そこで、この実施の形態5では、航法定数計算部6の航法定数スケジュール計算部65が、第1の航法定数、予想会合時間tgoの1/Mにおける第2の航法定数および指数関数を用いて第1の航法定数以降の区間における航法定数gkを以下の式(27)に基づいて算出する。
k<f1+(f2−f1)eak ・・・(27)
式(27)において、f1は第1の航法定数、f2は予想会合時間tgoの1/Mにおける第2の航法定数、aはあらかじめ設定されたパラメータである。式(27)に基づいて算出した航法定数gkを用いることにより、図16(b)に示すように航法定数を連続的に切り替えることができる。
以上のように、この実施の形態5によれば、航法定数スケジュール計算部65が、予想会合時間tgoの1/Mにおいて連続的な切り替えを可能とする航法定数gkを算出するように構成したので、飛しょう体の機体に急激な加速度が加わるのを抑制し、安定した誘導を行うことができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 信号処理部、2 追尾処理部、3 目視線変化率計算部、4 指令加速度計算部、5 相関処理部、6,6´ 航法定数計算部、7 領域内外判定部、10,10´ 誘導装置、51 パラメータ設定部、52 切替設定部、53 残差二次形式計算部、61 標準航法定数設定部、62 パラメータ設定部、63 遠距離用航法定数設定部、64 補償加速度計算部、65 航法定数スケジュール計算部、66 異常値判定パラメータ設定部、67 航法定数異常値判定部。

Claims (6)

  1. 複数存在する目標から飛しょう体が追尾すべき追尾目標を選択し、選択した追尾目標へ前記飛しょう体を誘導する誘導装置において、
    前記複数存在する目標の検出信号から、前記目標の運動を示す観測値を取得する信号処理部と、
    前記信号処理部が取得した観測値に対してPDA(Probabilistic Data Association)相関に基づいて、またはNN(Nearest Neighbor)相関に基づいて相関処理を行い、前記複数存在する目標から追尾目標を決定する相関処理部と、
    前記相関処理部が決定した追尾目標の観測値から、当該追尾目標の運動を推測する追尾処理部と、
    前記飛しょう体の運動と、前記追尾処理部が推測した前記追尾目標の運動とから、前記飛しょう体と前記追尾目標との相対運動を算出する相対運動計算部と、
    前記追尾処理部が推測した前記追尾目標の運動と、前記相対運動計算部が算出した前記飛しょう体と前記追尾目標との相対運動とに基づいて、前記飛しょう体が前記追尾目標に会合するための飛しょう経路および加速度を算出し、算出した飛しょう経路および加速度から前記飛しょう体の航法計画を示す航法定数を算出する航法定数計算部と、
    前記航法定数計算部が算出した航法計画に基づいて、前記飛しょう体の加速度ベクトルを算出する指令加速度計算部とを備え、
    前記相関処理部は、前記飛しょう体が前記追尾目標に会合すると推測される時間である予想会合時間に応じて、前記追尾目標の観測値に対してPDA相関に基づく相関処理を実行するか、またはNN相関による相関処理を実行するかを決定し、
    前記航法定数計算部は、前記相関処理部においてPDA相関による相関処理を実行すると決定された区間において発生する飛しょう遅れを、前記NN相関による相関処理を実行すると決定された区間において補償する加速度を算出し、前記飛しょう体の航法計画を決定することを特徴とする誘導装置。
  2. 前記航法定数計算部は、
    前記飛しょう体の航法定数の標準値である標準航法定数をあらかじめ保有する標準航法定数設定部と、
    前記予想会合時間の閾値未満の区間である前記PDA相関による相関処理を実行すると決定された区間において、前記標準航法定数より小さい値の第1の航法定数を設定する航法定数設定部と、
    前記予想会合時間と、前記航法定数設定部が設定した第1の航法定数と、前記追尾処理部が算出した前記追尾目標の運動推定結果と、前記相対運動計算部が算出する前記飛しょう体と前記追尾目標との相対運動結果とに基づいて、前記予想会合時間に前記飛しょう体が前記追尾目標に会合する飛しょう経路を算出し、算出した飛しょう経路に基づいて予想会合時間の閾値以上の区間である前記NN相関による相関処理を実行すると決定された区間における前記飛しょう体の加速度を算出する補償加速度計算部と、
    前記補償加速度計算部が算出した予想会合時間の閾値以上の区間における前記飛しょう体の加速度から前記飛しょう体の第2の航法定数を算出し、前記第1の航法定数と、算出した前記第2の航法定数とを航法定数スケジュールとして出力する航法定数スケジュール計算部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の誘導装置。
  3. 前記航法定数計算部は、前記航法定数スケジュール計算部が算出した前記第1の航法定数および前記第2の航法定数があらかじめ設定した異常値判定の閾値より大きいか否か判定を行い、前記異常値判定の閾値より大きいと判定された第1の航法定数あるいは第2の航法定数を前記異常値判定の閾値以下の値に設定する航法定数異常値判定部を備えたことを特徴とする請求項2記載の誘導装置。
  4. 前記信号処理部が取得した観測値、および前記追尾処理部が推測した前記追尾目標の運動に基づいて、前記追尾目標が存在すると予測される領域を設定し、設定した領域内に前記目標の観測値が存在するか否か判定を行う領域内外判定部を備え、
    前記相関処理部は、前記領域内外判定部において、前記設定した領域内に存在すると判定された観測値を有する目標に対して前記PDA相関または前記NN相関による相関処理を実行することを特徴とする請求項1記載の誘導装置。
  5. 前記相関処理部は、前記予想会合時間から所定値後の区間において、PDA相関に基づく相関処理を実行し、
    前記航法定数設定部は、前記予想会合時間から所定値後の区間において、前記標準航法定数より小さい値の第3の航法定数を設定することを特徴とする請求項2記載の誘導装置。
  6. 前記航法定数計算部は、前記航法定数の切り替え区間において、前記航法定数を連続的に切り替えることを特徴とする請求項2または請求項5記載の誘導装置。
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