JP5932565B2 - 防食材 - Google Patents

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Description

この発明は、防食材に係り、特に、鋼材から構成される被防食材の表面上に犠牲陽極材を配置する防食材に関する。
化学プラントの配管および橋梁等の構造物に使用される鋼材は、大気に含まれる酸素や水分などの腐食成分に曝された状態で長期間にわたって使用され続ける。このため、鋼材の腐食を長期間継続して抑制する技術が求められている。
鋼材の腐食を抑制する技術として、鋼材に塗装やめっき等を施して鋼材と腐食成分との直接的な接触を妨げる方法が知られている。しかしながら、塗装を塗り替える際にはブラストなどの下地処理が必要となり、この下地処理の状態は天候によって大きく変動するため塗装の施工管理が難しく、塗装の品質を長期間にわたって一定に保つには多くの手間とコストを要した。このため、下地処理の状態に依存することなく一定の防食効果が得られる防食技術が求められている。
そこで、鋼材よりも卑な金属を犠牲陽極材として利用した防食技術が提案されている。この防食技術は、犠牲陽極材から鋼材に電子を順次供給することにより鋼材の表面を防食環境に保つもので、下地処理の状態に大きく影響されることなく鋼材を防食することができる。しかしながら、犠牲陽極材は、鋼材への電子の供給に伴って自らがイオン化されて次第に消耗されていくため定期的に交換する必要がある。このため、犠牲陽極材を容易に交換する技術が求められている。
そこで、犠牲陽極材の交換を容易にする技術として、例えば特許文献1に開示されているように、永久磁石を備えた固定材により被防食材の表面上に犠牲陽極材を固定する防食材が提案されている。
特開2008−144257号公報
特許文献1に記載の防食材では、被防食材に対して犠牲陽極材を挟むように固定材が配置され、磁力により犠牲陽極材を被防食材に固定するため、犠牲陽極材を容易に交換することができる。
しかしながら、固定材の永久磁石は犠牲陽極材を被防食材に固定することのみに使用され、犠牲陽極材と被防食材との電気的な導通は導電性粘着剤により保たれている。すなわち、被防食材と犠牲陽極材との電気的な導通は、導電性粘着剤が被防食材と犠牲陽極材にそれぞれ粘着して接続されることにより確保されており、導電性粘着剤の粘着性が低下してこれらの接続が失われると、被防食材に対する防食効果も失われてしまう。このため、犠牲陽極材が完全に消耗する前でも導電性粘着剤が劣化すると交換作業を行わなければならず、防食材の管理が困難であった。
また、導電性粘着剤の電気抵抗成分により、犠牲陽極材から被防食材への電子の流れが妨げられるため、充分な防食効果を得ることができなかった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、犠牲陽極材の優れた防食効果が長期間にわたって持続され且つ犠牲陽極材を容易に交換することができる防食材を提供することを目的とする。
この発明に係る防食材は、鋼材から構成される被防食材の表面上に配置された犠牲陽極材と、被防食材の表面に磁力で固着されると共に前記犠牲陽極材に係合して被防食材の表面上に前記犠牲陽極材を保持する保持部材とを備え、前記保持部材の内部に、前記犠牲陽極材から被防食材の表面に至る電子の流通路が形成され、犠牲陽極材は貫通孔を有し、保持部材は、貫通孔に挿入されて先端部が被防食材の表面に磁力により固着される支柱部と、支柱部の後端部に接続されると共に犠牲陽極材の表面に当接して押さえる押さえ部とを有するものである。
た、前記支柱部は導電性磁石からなると共に、前記押さえ部は導電性磁石または磁性材からなり、前記押さえ部が前記支柱部に磁力で固着されて前記支柱部に接触することにより前記電子の流通路を形成することができる。
また、前記支柱部の側面は、絶縁層で覆われているのが好ましい。
また、前記導電性磁石は、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石またはアルニコ磁石から構成することができる。
また、前記支柱部は、先端部から後端部まで延びる筒形状の非導電性磁石と、前記非導電性磁石の内部に配置された導電材とから構成され、前記押さえ部は、磁性材からなり、前記押さえ部が、前記支柱部の前記非導電性磁石に磁力で固着されて前記導電材に接触することにより、前記電子の流通路を形成することもできる。
また、前記押さえ部の外部に露出された外表面は、絶縁層で覆われているのが好ましい。
また、前記押さえ部と前記犠牲陽極材の当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材が配置されているのが好ましい。また、前記挿入部の先端部と被防食材の当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材が配置されているのが好ましい。
また、前記犠牲陽極材は、被防食材の表面に直接当接するように配置することができる。
また、前記犠牲陽極材と被防食材との間に配置され、被防食材の表面を湿潤環境に保つための水分を外部から吸収する吸水シートをさらに有することもできる。また、前記吸水シートは、親水性官能基を有する繊維を含むことが好ましい。
この発明によれば、被防食材の表面に磁力で固着される保持部材の内部に犠牲陽極材から被防食材の表面に至る電子の流通路が形成されるため、犠牲陽極材の交換を容易にし且つ犠牲陽極材と被防食材との電気的な導通を長期間にわたって保つことができる。
この発明の実施の形態1に係る防食材の構成を示す断面図である。 腐食のメカニズムを説明するための図である。 実施の形態1に係る防食材による犠牲陽極材を用いた防食作用を説明するための図である。 実施の形態1に係る防食材を被防食材に取り付ける方法を説明するための図である。 この発明の実施の形態2に係る防食材の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る防食材の構成を示す上面図である。 この発明の実施の形態3に係る防食材の構成を示す断面図である。 この発明の他の実施形態に係る防食材の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る防食材を用いて防食効果を検証した実施例を示し、(A)は実施の形態2に係る防食材による防食効果、(B)は対象による防食効果を示す図である。
以下に、添付の図面に示す好適な実施の形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係る防食材の構成を示す。この防食材は、鋼材から構成される被防食材Sを防食するためのもので、被防食材Sの表面上に配置される犠牲陽極材1と、被防食材Sの表面に磁力で固着されると共に犠牲陽極材1に係合して被防食材Sの表面上に犠牲陽極材1を保持する保持部材2とを有する。
犠牲陽極材1は、被防食材Sの表面に直接当接するように配置され、被防食材Sを臨むように貫通孔3が形成されている。犠牲陽極材1は、被防食材Sに対して卑な金属を主成分として含むことにより被防食材Sの犠牲陽極として機能するものであり、例えば、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、またはこれらを含む合金を主成分として含むことができる。例えば、被防食材Sが一般的な炭素鋼またはステンレス鋼からなる場合には、犠牲陽極材1は、アルミニウム合金であることが好ましい。このアルミニウム合金は、電流効率を向上させるために、亜鉛、インジウム、錫、マグネシウム、カルシウム、マンガン、チタン、ベリリウム、ストロンチウム、カドミウム、ケイ素、ジルコニウム及びガリウムのいずれかを含むことが好ましい。また、犠牲陽極材1は、外部から雨水等の水分を内部に浸透して被防食材Sとの間を湿潤環境とするために、多孔質性の材料から構成されるのが好ましい。
保持部材2は、犠牲陽極材1の貫通孔3に挿入されて先端部4が被防食材Sの表面に磁力で固着される支柱部5と、この支柱部5の後端部6に磁力で固着されると共に犠牲陽極材1の表面に当接して犠牲陽極材を押さえる押さえ部7とを有する。
支柱部5は、先端部4から後端部6まで延びる導電性磁石からなり、この導電性磁石の磁力により先端部4が被防食材Sの表面に脱着可能に固着され、犠牲陽極材1を被防食材Sの表面上に支持するものである。ここで、支柱部5は、導電性磁石から構成されるため、被防食材Sの表面に固着されると同時に被防食材Sに対して電気的にも接続される。また、支柱部5の側面は絶縁層8で覆われており、これにより犠牲陽極材1と導電性磁石との間が絶縁されている。ここで、導電性磁石としては、例えば、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石またはアルニコ磁石から構成することができる。また、絶縁層8としては、例えば、エポキシ、アクリル、フッ素およびシリコーンなどの樹脂から構成することができる。
押さえ部7は、板形状の導電性磁石からなり、支柱部5の後端部6と犠牲陽極材1の表面にそれぞれ当接して犠牲陽極材1の貫通孔3を外側から塞ぐように配置されている。この時、押さえ部7は、支柱部5と共に導電性磁石から構成されているため、支柱部5の後端部6に磁力で脱着可能に固着されると共に支柱部5に対して電気的にも接続される。このように、押さえ部7と支柱部5が電気的に接続されることにより、保持部材2では、押さえ部7と犠牲陽極材1との接触面から、支柱部5の先端部4と被防食材Sとの接触面までの電気的な導通が確保され、犠牲陽極材1から被防食材Sに至る電子の流通路が形成される。また、押さえ部7の外部に露出された外表面は、絶縁層9で覆われている。なお、押さえ部7は、支柱部5と同様の導電性磁石から構成することができるが、支柱部5との間で電子の流通を妨げないように支柱部5と同じ材料の導電性磁石から構成されるのが好ましい。また、絶縁層9も支柱部5の絶縁層8と同様の樹脂から構成することができる。
次に、このような防食材により被防食材Sの腐食を抑制する方法について説明する。
一般的に、金属材料の腐食は、金属材料中の原子が水分(電解質水溶液)中に陽イオンとして溶け出すアノード反応(酸化反応)と、酸化剤が電子を受け取るカソード反応(還元反応)が対をなして同時におこる現象である。
例えば、図2に示されるような鉄板上の水滴(中性)により腐食が発生する場合は、下記のように2つの反応がおこる。
まず、相対的に水滴が厚く酸素濃度が低い水滴中央部の鉄板上では、次式(1)のようなアノード反応(酸化反応)がおこり、鉄原子Feは、鉄板に電子eを残し、第一鉄イオンFe2+の形で溶解し、水滴中に拡散する。
Fe→Fe2++2e (1)
一方、水滴中の酸素濃度の高い所では、次式(2)のようなカソード反応(還元反応)がおこり、水HO、酸素O及び鉄溶解部から供給される電子eが反応して水酸化物イオンOHを生じる。
O+O/2+2e→2OH (2)
そして、これらの反応で生じた第一鉄イオンFe2+と水酸化物イオンOHが反応して水酸化鉄Fe(OH)などの腐食生成物が生成され、この腐食性生物が鉄板上に堆積することにより、いわゆる錆びが発生することになる。
このような腐食反応を抑制するために、実施の形態1では、図1に示すように、被防食材Sよりも卑な金属からなる犠牲陽極材1が、被防食材Sの表面に接触した状態で保持部材2により保持される。
被防食材Sの表面に犠牲陽極材1を保持した状態で放置すると、図3に示すように、外部から雨などの水分Wが被防食材Sと犠牲陽極材1との間に侵入する。この時、犠牲陽極材1は被防食材Sよりも卑な金属からなるため、犠牲陽極材1側でアノード反応が生じると共に被防食材S側でカソード反応が生じる。すなわち、犠牲陽極材1側で先行して生じるアノード反応により自由電子eが発生し、この電子eが犠牲陽極材1と保持部材2の押さえ部7との接触部分を介して保持部材2内に流入し、押さえ部7と支柱部5が接続されて形成された電子の流通路を介して支柱部5の先端部4まで流通される。そして、支柱部5の先端部4に到達した電子eは、その先端部4と被防食材Sとの接触部分を介して被防食材Sに供給され、被防食材S内を通って水分Wの位置まで移動すると、被防食材S内から水分W中に放出されて被防食材Sの表面上でカソード反応が生じる。このようにして、犠牲陽極材1から保持部材2を介して被防食材Sに電子eが順次供給される防食回路Cが形成される。
ここで、保持部材2は、導電性磁石を利用して被防食材Sに固着するための機能と電子eの流通路としての機能が一体に構築されており、保持部材2が被防食材Sに固着される限り電子eの流通路も同時に確保されるものである。このため、接着剤や粘着剤を使用して電子eの流通路を形成するものに比べて長期間にわたって電子eの流通路を維持することができ、犠牲陽極材1が完全に消耗する前に保持部材2が消耗して電子eの流通路が分断されるのを抑制することができる。また、保持部材2は、犠牲陽極材1および被防食材Sとの接続を導電性磁石の磁力のみで行うため、その接続部分に接着剤や粘着剤などが介在して無用に抵抗が増加することを抑制することができ、電子eを犠牲陽極材から被防食材Sまで円滑に流通させることができる。
また、保持部材2の押さえ部7は、外部に露出された外表面に絶縁層9を有することにより、その外表面に他の物質が接触して電子eの流通が妨げられるのを抑制することができる。また、支柱部5は、側面に絶縁層8を有することにより、その側面が犠牲陽極材1に短絡されて適正な防食回路Cの形成が妨げられるのを抑制することができる。
このように、防食回路Cが形成されることにより、被防食材Sに電子eが順次供給されるので、被防食材Sにおいて腐食反応が生じるのを抑制し、被防食材Sを防食することができる。
本実施の形態によれば、保持部材2と被防食材Sの間の電気的な導通は、保持部材2が被防食材Sに固着する限り確保されるものであり、長期間にわたって防食回路Cを形成することができ、犠牲陽極材1が完全に消耗する前に防食回路Cが消失するのを抑制することができる。
次に、被防食材Sに防食材を取り付ける方法について説明する。
防食材は、例えば、図4(A)に示すように、橋梁などに使用されるH型鋼の表面に取り付けられる。まず、図4(B)に示すように、複数の貫通孔3が形成された犠牲陽極材1を被防食材Sの表面上に配置する。
そして、犠牲陽極材1の貫通孔3内にそれぞれ保持部材2の支柱部5を挿入する。この時、支柱部5は導電性磁石から構成されるため、支柱部5が貫通孔3に挿入されると同時に支柱部5の先端部4が被防食材Sの表面に磁力で固着される。このように、支柱部5を導電性磁石から構成することにより、被防食材Sに対する支柱部5の固定を容易にすると共にこの固定と同時に被防食材Sと支柱部5の間の電気的な導通も確保することができる。また、支柱部5は、被防食材Sの表面に磁力のみで固着され、ネジ止め等を施すことなく固着されるため、被防食材Sを新たに加工することなく容易に固定することができる。
なお、支柱部5を被防食材Sに固着した後で、犠牲陽極材1を被防食材Sの表面上に配置してもよい。すなわち、被防食材Sの表面上において犠牲陽極材1の貫通孔3が配置されるそれぞれの位置に予め支柱部5を設置し、被防食材Sの表面上に設置された支柱部5に貫通孔3を通して犠牲陽極材1を被防食材Sの表面上に配置することができる。
次に、図4(D)に示すように、犠牲陽極材1の貫通孔3を外側から塞ぐように押さえ部7が配置され、押さえ部7が支柱部5の後端部6と被防食材Sの表面にそれぞれ当接される。この時、押さえ部7と支柱部5は、それぞれ導電性磁石から構成されるため、押さえ部7が貫通孔3を塞ぐように配置されると同時に支柱部5の後端部6に磁力で固着される。このように、押さえ部7と支柱部5を導電性磁石から構成することにより、支柱部5に対する押さえ部7の固定を容易にすると共にこの固定と同時に押さえ部7と支柱部5の間の電気的な導通も確保することができる。さらに、押さえ部7と支柱部5の固着に伴い、押さえ部7は犠牲陽極材1にも当接するため、押さえ部7と犠牲陽極材1の間の電気的な導通も同時に確保することができる。
これにより、犠牲陽極材1と保持部材2の間の電気的な導通と、保持部材2と被防食材Sの間の電気的な導通が確保され、犠牲陽極材1から被防食材Sに至る電子の流通路が形成される。
このように、犠牲陽極材1は、保持部材2の磁力により被防食材Sに取り付けられるため、被防食材Sに新たな加工を施すことなく容易に取り付けることができる。また、保持部材2を導電性磁石から構成することにより、犠牲陽極材1を被防食材Sに取り付けると同時に、犠牲陽極材1と被防食材Sの間を電気的に接続することができる。
さらに、犠牲陽極材1は保持部材2の磁力のみで着脱可能に被防食材Sに取り付けられているため、被防食材Sから犠牲陽極材1を取り外す場合においても、押さえ部7を取り外すだけで犠牲陽極材1を支柱部5に沿って抜き取ることができる。その後、犠牲陽極材1を交換する場合には、被防食材Sの表面上に固着された支柱部5に新たな犠牲陽極材1の貫通孔3を通すことで新たな犠牲陽極材が被防食材Sの表面上に配置され、容易に交換作業を行うことができる。なお、犠牲陽極材1を支柱部5から抜き取った後、支柱部5を被防食材Sの表面上から取り外し、図4(A)〜(D)と同様にして、新たな犠牲陽極材1を被防食材Sの表面上に取り付けてもよい。ただし、支柱部5を取り外さずに新たな犠牲陽極材1を配置する交換方法は、少ない作業工程で交換できるため好ましい。
なお、保持部材2の間隔は、防食回路が形成可能な範囲で且つ犠牲陽極材1を被防食材Sの表面に保持できればよく、例えば70mm以下の間隔を空けて保持部材2を設置することができる。
また、保持部材2は、支柱部5と押さえ部7が磁力で固着されることにより構成されたが、両者を一体に構成することもできる。支柱部5と押さえ部7が一体に構成されることにより、支柱部5と押さえ部7の接続部分において電子の流通が妨げられることを抑制し、犠牲陽極材1から被防食材Sまで電子を円滑に流通させることができる。
また、押さえ部7は、支柱部5に磁力により接続されると共に犠牲陽極材1と支柱部5の間の電気的な導通を確保できればよく、導電性磁石に換えて磁性材から構成することもできる。ただし、押さえ部7と支柱部5の両方を導電性磁石で構成すると、押さえ部7と支柱部5は互いの磁力でより強固な固着力を発揮するため好ましい。
実施の形態2
図5に、実施の形態2に係る防食材の構成を示す。この防食材は、実施の形態1で用いられた防食材において、被防食材Sと犠牲陽極材1の間に、被防食材Sの表面を湿潤環境に保つための吸水シート21を新たに配置したものである。
吸水シート21は、例えば、布、紙、編織物、および不織布など、繊維素材が平面状に構成されると共にこの繊維素材中に親水性官能基を有する繊維が含まれるものである。親水性官能基を有する繊維は、繊維中、また繊維表面に、−SOH、−COOH、−NH、−CONH、−CHO、−SH、−OH、などの親水性官能基を有しており、繊維中および繊維間において水分を保持することができる。親水性官能基を有する繊維としては、例えば、レーヨン、綿、ビニロン、ナイロン、羊毛、アクリレートなどが挙げられるが、親水性官能基が付加されていればよく、特に限定されるものではない。
このような吸水シート21を被防食材Sの表面に当接して配置すると共に犠牲陽極材1が被防食材Sとは反対側の吸水シート21の表面に当接して配置される。また、犠牲陽極材1と吸水シート21には、被防食材Sを臨むように両者を連通する貫通孔22が形成されている。
保持部材2の支柱部5は、貫通孔22に挿入されて先端部4が被防食材Sの表面に磁力で固着されている。また、押さえ部7は、支柱部5の後端部6に固着すると共に犠牲陽極材1の表面に当接して貫通孔22を塞ぐように配置されている。
このような防食材による被防食材Sの防食方法について説明する。
被防食材Sの表面に取り付けられた防食材の外部から雨などの水分Wが吸水シート21に浸透され、所定量の水分Wが繊維間および繊維中で保持される。この時、吸水シート21が親水性官能基を含まない繊維のみから構成された場合には、その水分Wは短期間のうちに消失されてしまうが、高い水分保持能を有する親水性官能基を有する繊維が水分保持を担うことで、吸水シート21は長期間にわたって所定の水分量を保持することができる。また、吸湿性の高い親水性官能基を導入した繊維を用いた場合には、外部から直接的に雨水等が供給されない環境においても吸水シート21は所定の水分量を保つことができる。
吸水シート21の繊維中及び繊維間で保持された水分は、犠牲陽極材1と被防食材Sの表面の間を湿潤環境とする。これにより、犠牲陽極材1と被防食材Sの表面との間には長期間にわたって水分Wが存在するため、それら材料間には継続して電位差が生じ、犠牲陽極材1側では、アノード反応が起こり、被防食材S側では、カソード反応が起こる。
すなわち、犠牲陽極材1側で継続的に生じるアノード反応により自由電子eが発生し、この電子eが犠牲陽極材1と保持部材2の押さえ部7との接触部分を介して保持部材2内に順次流入し、押さえ部7と支柱部5が接続されて形成された電子の流通路を介して支柱部5の先端部4まで流通される。そして、支柱部5の先端部4に到達した電子eは、その先端部4と被防食材Sとの接触部分を介して被防食材Sに順次供給され、被防食材S内を通って水分Wの位置まで移動すると、被防食材S内から水分W中に放出されて被防食材Sの表面上でカソード反応が継続して生じることになる。
このように、被防食材Sの表面が湿潤環境に維持されることにより、防食反応を継続して犠牲陽極材1にもたせ、その間は被防食材Sに電子eが供給されるので、その結果、被防食材Sの表面には、長期間にわたって腐食が発生しない。
本実施の形態によれば、水分保持能が高められた吸水シート21により被防食材Sの表面と犠牲陽極材1の間における湿潤環境が維持されるため、長期間継続して被防食材Sの腐食を抑制することができる。また、吸水シート21を利用することで、多孔質の材料から構成された犠牲陽極材1に頼ることなく、被防食材Sと犠牲陽極材1の間を湿潤環境に維持することができる。さらに、犠牲陽極材1と被防食材Sは、均一に配置された保持部材2のみで電気的に接続されるため、被防食材Sに対する防食回路Cの形成が均一化され、被防食材Sを全体にわたって均一に防食することができる。
なお、図6に示すように、吸水シート21は、犠牲陽極材1に対して表面積を大きくし、犠牲陽極材1の外縁から外側にはみ出すように設置するのが好ましい。このように吸水シート21を配置することにより、図5に示すように、犠牲陽極材1が配置されていない外側部分まで電子を供給することができ、被防食材Sを広範囲に防食することができる。
また、吸水シート21に含ませる親水性官能基を有する繊維の水分保持率は、0.4〜3.0で、この親水性官能基を有する繊維を10%以上吸水シート21に含ませることが好ましい。例えば、水分保持率1.6の繊維を30%使用した吸水シート21では、その水分保持率が0.6となり、吸水シート21に水分を長期間にわたって安定的に保持させることができる。
すなわち、親水性官能基を有する繊維の水分保持率が、0.4未満であると、吸水シート21に10%以上の親水性官能基を有する繊維を含有させた場合でも、吸水シート21の水分保持率が低下し、かつ、親水性官能基を有する繊維から由来する長期間の水分保持性が発揮されず、結果的に吸水シート21に長期間の水分が保持できないおそれがある。
反対に、3.0以上の水分保持率を備えた親水性官能基を有する繊維を吸水シート21に10%以上含ませた場合には、吸水シート21が水分を飽和状態まで含んだ時と、乾燥した時の体積変化が大きくなり、吸水シート21が被防食材Sおよび犠牲陽極材1に対して離間するおそれがある。
ここで、水分保持率は、熱風乾燥機を用いて吸水シート21、もしくは、繊維を温度105℃で3時間乾燥した後の重量をX(g)とし、イオン交換水に30分間浸漬して取り出した後、190G、5分間遠心脱水した後の重量をYgとすると、(Y/X)−1で表される。
次に、親水性官能基が導入された繊維の一例としてアクリレート繊維の内容を示す。
アクリレート繊維は、例えば特開2003−089971に記載されるように、アクリル系繊維を薬剤処理することにより得られる。
処理前の出発アクリル系繊維としてはアクリロニトリル(AN)系重合体により形成された繊維であり、例えば、短繊維、トウ、糸、編織物、不織布等の形態のものを用いることができる。
ここで、AN系重合体は、AN単独重合体、ANと他の単量体との共重合体のいずれでも良い。ANと共重合する単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体、メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体、及びその塩、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニル単量体、(メタ)アクリル酸、スチレン、等が挙げられる。尚、(メタ)を付した表記は、アクリル酸,メタアクリル酸の双方を表わしている。
このようなアクリル系繊維は、まず、ヒドラジン系化合物により架橋導入処理が施され、アクリル系繊維の溶剤では最早溶解されないものとなるという意味で架橋が形成され、同時に窒素含有量の増加が起きる。この処理による窒素含有量の増加は、1.0〜10重量%の範囲内とするのが好ましいが、窒素含有量の増加が0.1〜1.0重量%であってもよい。なお、窒素含有量の増加を1.0〜10重量%に調整し得る手段としては、ヒドラジン系化合物の濃度5〜60重量%の水溶液中に、アクリル系繊維を温度50〜120℃で5時間以内で処理する手段が工業的に好ましい。ここで、窒素含有量の増加とは、出発アクリル系繊維の窒素含有率(重量%)と、ヒドラジン系化合物による架橋が導入されたアクリル系繊維の窒素含有率(重量%)との差をいう。架橋導入処理による窒素含有量の増加が1.0重量%未満では、後の加水分解処理後に得られた繊維の水に対する膨潤が大きくなり、本繊維を有する構造体としては水分保持率の点から有利になるが、繊維物性が低くなり易い。
ここに使用するヒドラジン系化合物としては、特に限定はなく、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジン、ヒドラジンカーボネート等、この他エチレンジアミン、硫酸グアニジン、塩酸グアニジン、リン酸グアニジン、メラミン等のアミノ基を複数含有する化合物が例示される。
かかるヒドラジン系化合物による架橋導入処理工程を経た繊維は、次いでなされる加水分解に先立ち酸化処理Aを施しても良い。酸化処理を行うことで、吸湿速度が向上し、大気中での犠牲防食に有利に働く。ここに使用する酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素水等が挙げられるが特に限定されない。該酸化処理の条件としては、特に限定されないが、大概濃度1〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の水溶液に、温度50〜110℃で0.5〜5時間被処理繊維を浸漬するといった例が挙げられる。
ヒドラジン系化合物による架橋導入処理工程を経た繊維、或いは酸化処理Aを経た繊維は、続いて酸の水溶液又はアルカリ性金属塩水溶液により加水分解される。この処理により、出発アクリル系繊維に対するヒドラジン系化合物処理による架橋導入処理に関与せずに残留しているCN基、及び架橋処理工程後酸処理Aを施した場合には残留しているCN基と一部酸処理で加水分解されたCONH基の加水分解が進められる。これらの基は加水分解によりカルボキシル基 −COOを形成するが、使用している薬剤がアルカリ性金属塩である場合は、金属塩型カルボキシル基(−COOM、Mは金属を表わす)を、酸を用いた場合はH型カルボキシル基(−COOH)を生成している。ここで使用する酸としては、硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液、有機酸等が挙げられ、アルカリ性金属塩としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。加水分解を行う程度は、生成するカルボキシル基(−COO)の量で表現して1〜12mmol/gの範囲であり、これを達成する手段として、使用する酸又はアルカリ性金属塩の濃度は特に限定されないが、1〜10重量%さらに好ましくは0.5〜5重量%の水溶液中、温度50〜120℃で0.5〜5時間で処理する手段が工業的、繊維物性的にも好ましい。
このようにして、加水分解を経た繊維のカルボキシル基の型は、用いた薬剤に依存してH型カルボキシル基又は金属塩型カルボキシル基になっており、一般に水分保持率については金属塩型である方が高い。本発明においてカルボキシル基が1mmol/g以上必要であるというのは、これ未満の量ではその全量を金属塩型としても、繊維自体の水分保持率が0.4に至らず、大気中での犠牲防錆を実現するのに十分とはいえない。
このようにして、水分保持率が0.4〜3.0のアクリレート繊維を作成することができ、このアクリレート繊維を10%以上含むように構成して吸水シート21を作成することができる。
実施の形態3
上記の実施の形態1および2では、保持部材2の支持部5は、導電性磁石からなると共にその側面が絶縁層8で覆われて構成されていたが、被防食材Sおよび犠牲陽極材1に対して磁力により固着すると同時に電気的な導通も確保され、保持部材が被防食材Sに固着される限り電気的な導通も確保されるものであれば特に限定されるものではない。
例えば、図7に示すように、実施の形態1で用いられた防食材において、保持部材2に換えて保持部材31を備えることができる。保持部材31は、貫通孔3に挿入されて先端部4が被防食材Sの表面に固着される支柱部32と、支柱部32の後端部6に接続されると共に犠牲陽極材1の表面に当接して押さえる押さえ部33とを有する。
支柱部32は、先端部4から後端部6まで延びる筒状の非導電性磁石34と、この非導電性磁石34の内部に配置された導電材35とを有する。非導電性磁石34と導電材35の先端部4は互いに同一平面となるように形成されており、支柱部32が非導電性磁石34の磁力により被防食材Sの表面に固着されると同時に、導電材35が被防食材Sの表面に接触して電気的にも接続される。同様に、非導電性磁石34と導電材35の後端部6も互いに同一平面となるように形成されている。また、導電材35の側面は非導電性磁石34で覆われており、これにより犠牲陽極材1と導電材35との間が絶縁されている。ここで、非導電性磁石34としては、フェライト磁石などを用いることができる。
押え部33は、板形状の磁性材からなり、支柱部32の後端部6と犠牲陽極材1の表面にそれぞれ当接して犠牲陽極材1の貫通孔3を塞ぐように配置されている。押え部33は磁性材からなるため、支柱部32の後端部6に非導電性磁石34の磁力により固着されると同時に、押さえ部33の表面が導電材35に接触して電気的にも接続される。このように、押さえ部33と支柱部32が電気的にも接続されることにより、保持部材31では、実施の形態1と同様に、押さえ部33と犠牲陽極材1との接触面から、支柱部32の先端部4と被防食材Sとの接触面までの電気的な導通が確保され、犠牲陽極材1から被防食材Sに至る電子の流通路が形成される。また、押さえ部33の外部に露出された外表面は、絶縁層9で覆われている。
このような保持部材31により、犠牲陽極材1が被防食材Sの表面上に取り付けられると、犠牲陽極材1側におけるアノード反応で生じた自由電子eは、犠牲陽極材1と押さえ部33との接触部分を介して保持部材31内に流入し、押さえ部33から支柱部32の導電材35に伝達されて導電材35内を先端部4まで流通する。そして、導電材35の先端部4に到達した電子eは、その先端部4と被防食材Sとの接触部分を介して被防食材Sに供給され、被防食材S内を通って水分Wの位置まで移動すると、被防食材S内から水分W中に放出されて被防食材Sの表面上でカソード反応が生じる。このようにして、電子eが犠牲陽極材1から被防食材Sに順次供給される防食回路Cが形成されることにより、被防食材Sにおいて腐食反応が生じるのを抑制し、被防食材Sを防食することができる。
このように、保持部材31は、被防食材Sおよび犠牲陽極材1に対して、磁力により固着する非導電性磁石34と、電気的な導通を確保する導電材35とが一体に構成されており、被防食材Sおよび犠牲陽極材1に固着すると同時に電気的にも接続される。このため、保持部材31は、被防食材Sに固着される限り電気的な接続も確保され、接着剤や粘着剤を使用して電気的な接続を確保するものに比べて長期間にわたって電気的な接続を確保することができ、犠牲陽極材1が完全に消耗する前に保持部材31が消耗して防食回路Cが分断されるのを抑制することができる。
なお、本実施の形態において、押さえ部33は、磁性材から構成されたが、導電性磁石から構成することもできる。
また、上記の実施の形態1〜3において、保持部材の押さえ部と犠牲陽極材との間、および、保持部材の支柱部の先端部と被防食材Sとの間に水分が侵入しないように防水処理を施すことができる。
例えば、図8に示すように、実施の形態1において、保持部材2の押さえ部7と犠牲陽極材1の当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材41を配置することができる。また、支柱部5の先端部4と被防食材Sの当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材42を配置することもできる。
これにより、保持部材と犠牲陽極材の間、および、保持部材と被防食材Sの間にそれぞれ水分が侵入して保持部材が腐食するのを抑制し、保持部材の腐食により固着力の低下あるいは電気的な導通が妨げられるのを未然に防ぐことができる。
次に、実施の形態2の防食材を用いて実際に防食効果を検証した実施例について説明する。
この実施例では、被防食材Sに鋼板(SM400A)を使用すると共に犠牲陽極材1にAl−Zn多孔質焼結板を使用し、被防食材Sと犠牲陽極材1の間に吸水シート21を配置した状態で保持部材2により固定した。保持部材2を構成する導電性磁石にはサマリウムコバルト磁石を使用した。このようにして、被防食材Sの表面上に防食材を取り付け、4wt%NaCl水溶水を犠牲陽極材1上に滴下して室温で120時間静置した。なお、対象として、犠牲陽極材1から被防食材Sに電子が流通しないように、保持部材2と被防食材Sの接触部分を絶縁したものも同様の環境で静置した。
その結果、図9(A)に示される実施例では被防食材Sの腐食がほとんど確認されないのに対し、図9(B)に示される対称では被防食材Sが全体的に腐食されているのが確認された。このことから、犠牲陽極材1で生じた電子は、保持部材2を介して被防食材Sに順次流通しており、保持部材2が磁力により被防食材Sに固着することで犠牲陽極材1から被防食材Sに至る電気的な導通が確保されることが確認された。
1 犠牲陽極材、2,31 保持部材、3,22 貫通孔、4 先端部、5,32 支持部、6 後端部、7,33 押さえ部、8,9 絶縁層、21 吸水シート、34 非導電性磁石、35 導電材、41,42 シーリング材、S 被防食材、W 水分、C 防食回路。

Claims (11)

  1. 鋼材から構成される被防食材の表面上に配置された犠牲陽極材と、
    被防食材の表面に磁力で固着されると共に前記犠牲陽極材に係合して被防食材の表面上に前記犠牲陽極材を保持する保持部材と
    を備え、
    前記保持部材の内部に、前記犠牲陽極材から被防食材の表面に至る電子の流通路が形成され
    前記犠牲陽極材は貫通孔を有し、
    前記保持部材は、前記貫通孔に挿入されて先端部が被防食材の表面に磁力により固着される支柱部と、前記支柱部の後端部に接続されると共に前記犠牲陽極材の表面に当接して押さえる押さえ部とを有することを特徴とする防食材。
  2. 前記支柱部は導電性磁石からなると共に、前記押さえ部は導電性磁石または磁性材からなり、前記押さえ部が前記支柱部に磁力で固着されて前記支柱部に接触することにより前記電子の流通路が形成される請求項に記載の防食材。
  3. 前記支柱部の側面は、絶縁層で覆われている請求項に記載の防食材。
  4. 前記導電性磁石は、ネオジム磁石、サマリウムコバルト磁石またはアルニコ磁石から構成される請求項2または3に記載の防食材。
  5. 前記支柱部は、先端部から後端部まで延びる筒形状の非導電性磁石と、前記非導電性磁石の内部に配置された導電材とから構成され、
    前記押さえ部は、磁性材からなり、
    前記押さえ部が、前記支柱部の前記非導電性磁石に磁力で固着されて前記導電材に接触することにより、前記電子の流通路が形成される請求項に記載の防食材。
  6. 前記押さえ部の外部に露出された外表面は、絶縁層で覆われている請求項1〜5のいずれか一項に記載の防食材。
  7. 前記押さえ部と前記犠牲陽極材の当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材が配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の防食材。
  8. 前記挿入部の先端部と被防食材の当接部分を取り囲むように防水用のシーリング材が配置されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の防食材。
  9. 前記犠牲陽極材は、被防食材の表面に直接当接するように配置される請求項1〜のいずれか一項に記載の防食材。
  10. 前記犠牲陽極材と被防食材との間に配置され、被防食材の表面を湿潤環境に保つための水分を外部から吸収する吸水シートをさらに有する請求項1〜のいずれか一項に記載の防食材。
  11. 前記吸水シートは、親水性官能基を有する繊維を含む請求項10に記載の防食材。
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