JP5932426B2 - パチスロ遊技用メダル及びその製造方法 - Google Patents

パチスロ遊技用メダル及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パチスロ遊技機のための疑似コインとして使用するメダル及びその製造方法に関する。
パチスロ遊技機を設置した遊技場においては、近年、メダルの貸出料金に関して、例えば、20円、10円、5円のような異なる単価レートを設定し、商品交換率に差をつけたメダルによる遊技サービスを提供している。
そこで、単価レートが異なるメダルを相互に識別する必要があり、識別容易性の観点からは、メダルの種類別に異なる着色を施すことが好ましい。
パチスロ遊技用メダルは、材質としてステンレス、真鍮、洋白が一般的であり、真鍮や黒ニッケルや銅のメッキ又はイオンプレーティング等による着色が可能である。
しかしながら、メダルの素材に関して、真鍮は、銅成分による独特の金属臭を発し、これが多数のメダルを取り扱うユーザの手指に付着し、嫌われる問題がある。また、比較的軟らかいので、変形や摩耗に対する耐久性が低く、パチスロ遊技機の機器トラブル等を頻発する可能性がある。
また、メダルの着色に関して、塗装は、剥離し易いため実用的でなく、メッキは、耐剥離性等に難点があり、イオンプレーティングは、コスト高の問題がある。
ところで、パチスロ遊技機を列設した島の内部には、ホッパーを備えたメダル自動補給システムが設けられ、接触式電気センサーでメダルを検知することにより、ホッパー内のメダル保有量を調整するように構成されている。
従って、このような自動補給システムが設けられたパチスロ遊技機に使用されるメダルは、前記接触式電気センサーにより検知可能なように構成されていなければならない。
実用新案登録第3048232号公報 特開2001−212282号公報
上述の問題を解決するためには、ステンレス鋼板を素材としてメダルを形成し、該メダル表面に酸化被膜を形成することにより着色効果を得ることが好ましい。
ステンレス素材は、真鍮のような金属臭がなく、しかも、高硬度のため耐変形性及び耐摩耗性に優れ、機器トラブルを生じるおそれがない。また、ステンレス素材は、表面に酸化被膜を形成することができ、膜厚に応じて異なる干渉色を発する発色膜を形成することが可能となるので、上述のような着色のニーズに応えることができる。
この点に関して、従来、ステンレス素材の酸化被膜による着色技術として、テンパーカラー処理が知られている。ステンレス素材を加熱すると、酸化被膜が形成され、淡黄色のテンパーカラーを発色する。加熱温度を上昇すると膜厚が増し、茶褐色のテンパーカラーを発色する。
しかしながら、テンパーカラーは、耐蝕性を良好とするCrの濃化した不動態被膜ではなく、Feの濃化した酸化被膜であるため、ステンレス素材の耐蝕性を劣化し(孔食電位が低くなる)、ステンレス本来の防錆性を低下するので、好ましくない。そして、錆により表面の平滑性に不良が生じると、前述のような機器トラブルを起こし易くなるので、パチスロ遊技用メダルには適切でない。
しかも、テンパーカラーは、加熱処理を行うため、焼きなましが生じて硬度を低下するので、この点においても、変形や摩耗による機器トラブルを起こし易いパチスロ遊技用メダルには不向きである。
上記問題は、別の処理工程やノウハウを実施することにより解消可能であるが、工程が煩雑となり、ノウハウの秘匿管理が必要となる。
ところで、市販のステンレス鋼板は、不動態化処理により、表面に不動態被膜(Crを濃縮した安定な酸化膜)が形成されており、これにより優れた耐蝕性を有することが知られている。不動態被膜は、通常、膜厚が極めて薄いため、ステンレス地肌と異なる色を発色しないが、膜厚を増すように成長させると、膜厚に応じて異なる干渉色を発する発色膜が形成される。このような不動態被膜の成長は、酸液中で陽極分極する電解反応処理又は硝酸等の強酸化剤で処理する化学反応処理により可能となる。
従って、本発明の目的を達するためには、ステンレス鋼板を素材としてメダルを形成すると共に、ステンレス鋼板の表面に形成されている不動態被膜を成長させ、膜厚を厚くすることにより、干渉色を発する酸化被膜を形成することが好ましい。酸化被膜の膜厚は、濃色の干渉色を発するまで厚くすることができるので、上述のようなメダルの識別に供することが可能である。これにより、テンパーカラー処理のような耐蝕性の劣化や、焼きなましの問題はなく、パチスロ遊技用メダルに適した着色メダルを提供することが可能となる。
ところが、本発明者が知見したところによると、金属酸化物は、一部のものを除いて、導電性が低いため、酸化被膜が濃色の干渉色を発するまでその膜厚を厚くすると、導電性が顕著に低下し、上述のような自動補給システムに設けられた接触式電気センサーにより検知できなくなるという問題がある。
その一方において、導電性の低い酸化被膜であっても、膜厚を薄くすると、薄膜部分に接触するセンサー端子の通電による検知が可能であり、上記問題を解決することができる。
本発明は、上記課題を解決したパチスロ遊技用メダル及びその製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法に関する第1発明が手段として構成したところは、パチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法であり、ステンレス鋼板を素材として、打ち抜き工程及び刻設工程を経ることにより、表面に凹凸部を備えた円板状のメダルを得るメダル形成工程と、前記メダルの全表面に、電解反応又は化学反応により酸化被膜を形成し、該酸化被膜が所定色彩を発色するまで膜厚を厚くすることにより低導電性とされた低導電性発色膜を形成する酸化処理工程と、前記メダルの外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜を研磨し、前記接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じることにより検知薄膜部を形成する研磨処理工程とから成る点にある。
本発明の製造方法に関する第2発明が手段として構成したところは、パチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法であり、ステンレス鋼板の全表面に、電解反応又は化学反応により酸化被膜を形成し、該酸化被膜が所定色彩を発色するまで膜厚を厚くすることにより低導電性とされた低導電性発色膜を形成する酸化処理工程と、前記低導性発色膜により被覆されたステンレス鋼板を打ち抜き及び刻設することにより、表面に前記低導性発色膜により被覆された凹凸部を備えると共に、外周面に前記低導性発色膜を有しない円板状のメダルを得るメダル形成工程と、前記メダルの外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜を研磨し、前記接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じることにより検知薄膜部を形成する研磨処理工程とから成る点にある。
前記酸化処理工程は、ステンレス鋼板の表面に形成された不動態被膜を成長させることにより、前記低導電性発色膜を形成する。
前記酸化処理工程は、酸化被膜の膜厚を0.5μm以上1.5μm以下とした低導電性発色膜を形成することが好ましい。
前記研磨処理工程は、膜厚を0.3μm以下とした検知薄膜部を形成することが好ましい。
これにより、本発明のパチスロ用遊技メダルは、凹凸部を備えたステンレス板の表面に酸化被膜を設けており、該酸化被膜は、所定の色彩を発色する厚い膜厚Tとされた低導電性発色膜と、前記凸部の縁部において前記接触式電気センサーの通電による検知を可能とする薄い膜厚tとされた検知薄膜部を備えている。従って、前記低導電性発色膜により単価レートの種類別に識別可能とされ、前記検知薄膜部により自動補給システムの接触式電気センサーで検知可能とされる
本発明によれば、ステンレス鋼板により形成されているので、真鍮のような金属臭を発することがなく、しかも、耐変形性及び耐摩耗性に優れており、機器トラブルを発生しないパチスロ遊技用メダルを提供することができる。
そして、メダルは、表面を酸化被膜により被覆され、所定色彩を発色するまでその膜厚を厚くすることにより低導電性発色膜を形成しているので、これにより、発色膜の有無によるメダルの識別や、発色膜の色違いによるメダルの識別が可能となる。この際、低導電性発色膜は、常温又は低温雰囲気において電解反応又は化学反応により生成される酸化被膜により形成されているので、加熱処理による耐蝕性の劣化や、焼きなましの問題を生じない。
前記酸化被膜は、濃い色彩を発色するまで膜厚を厚くすると、低導電性の被膜を形成し、パチスロ遊技機に付設された自動補給システムの接触式電気センサーによる検知を妨げるが、本発明は、メダル表面の所定個所に対応して前記低導電性発色膜の膜厚を減じた検知薄膜部を形成しており、接触式電気センサーの端子が接触すると通電を許すので、これにより、該センサーによるメダルの検知を可能にする。
自動補給システムにおける接触式電気センサーは、アトランダムな姿勢とされたメダルにセンサー端子を接触させることにより検知するが、メダルがどのような姿勢とされている場合でも、少なくとも、メダルの面取り部1dと凸部1cの縁部には必ずセンサー端子が接触する。
そこで、請求項1に記載の本発明によれば、少なくとも、メダルの面取り部1dの縁部と凸部1cの縁部には、検知薄膜部3が形成されているので、常に必ず接触式電気センサーによる検知を可能にする。
また、請求項2に記載の本発明によれば、メダルの外周面と面取り部1dには地肌部5a、5bが形成され、面取り部1dに臨む環状リブ1aの外周縁部と凸部1cの縁部には、検知薄膜部3が設けられているので、常に必ず接触式電気センサーによる検知を可能にする。
そして、請求項3に記載のように、ステンレス鋼板の表面に形成された不動態被膜を成長させることにより低導電性発色膜2を形成すれば、耐蝕性及び防錆性に優れたメダルが提供される。
請求項4に記載のように、低導電性発色膜2は、膜厚を0.5μm以上1.5μm以下の範囲で選択することにより、メダルを識別可能とする比較的濃い発色を可能とする。これに対して、検知薄膜部3は、膜厚を0.3μm以下の範囲で選択することにより、接触式電気センサーによる検知が可能になり、しかも、ステンレス地肌の表面に淡い色を発色する。
本発明の製造方法に関する第1発明を示しており、(A)はメダル形成工程により得られたメダルを示す斜視図、(B)はメダルの拡大断面図、(C)は酸化処理工程を経たメダルを示す拡大断面図である。 本発明の製造方法に関する第1発明を示しており、研磨工程を経たメダルの部分的拡大断面図である。 本発明の製造方法に関する第2発明を示しており、(A)は酸化処理工程とメダル形成工程により得られたメダルを示す斜視図、(B)はメダルの拡大断面図である。 本発明の製造方法に関する第2発明を示しており、研磨工程を経たメダルの部分的拡大断面図である。
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
[第1発明]
図1及び図2は、本発明に係るパチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法に関して、第1発明を示している。
(メダル形成工程)
所定板厚とされたステンレス鋼板を素材として、メダル製造方法に周知とされた打ち抜き工程及び刻設工程を経ることにより、図1(A)に示すような表面に凹凸部を備えた円板状のメダル1が形成される。図示のように、凹凸部は、メダル1の周縁に沿って表裏面に隆起する環状リブ1aと、該環状リブの内側に位置する表裏面の平坦な凹部1bと、該凹部1bから隆起して所望の図柄や模様を表す凸部1cを含んでいる。
ステンレス鋼板を構成するステンレスは、クローム系ステンレス又はクローム−ニッケル系ステンレスの何れでも良い。ステンレス鋼板は、市販のものを使用することができ、図示省略しているが、予め不動態化処理が施され、表面にCrを濃縮した不動態被膜を形成している。
(面取り工程)
前記メダル1は、外周の縁部に面取りが施され、図1(B)に示すように、前記環状リブ1aの外周側のコーナエッジ部分に面取り部1dを形成することが好ましいが、面取りを施さなくても良い。
(酸化処理工程)
前記メダル1は、全表面に、電解反応又は化学反応による酸化処理を行うことにより、酸化被膜が形成される。酸化被膜は、被膜表面を反射する光と、被膜を透過してステンレス表面を反射する光が干渉し合い、被膜の膜厚に応じて異なる色を発光する。そこで、酸化被膜が所定色彩を発色するまで膜厚を厚くすることにより、メダル1の表面に、所望の色相、彩度、明度を有する色彩が与えられる。
肉眼の視覚による識別を可能とする本発明の目的に応じて、酸化被膜は、膜厚を0.5μm以上1.5μm以下の範囲で選択され、これにより、メダル1の表面に、色相、彩度、明度の少なくとも1つを識別可能とする異なる色彩が与えられる。
酸化被膜は、メダル1の素材とされたステンレス鋼板の表面における不動態被膜を成長させることにより形成するのが好ましい。これにより、Crを濃縮した耐蝕性に優れる安定な被膜が提供される。
不動態被膜の成長は、加熱処理ではなく、常温又は低温(焼きなましを生じない低温)における酸化処理により行われ、酸液中で陽極分極する電解反応処理又は硝酸等の強酸化剤で処理する化学反応処理により行われる。従って、ステンレス鋼板の焼きなましを生じることはない。
前記酸化被膜は、その膜厚を0.5μm以上1.5μm以下に形成することにより、本発明が目的とする識別容易な濃色系の色彩を発色するが、その場合、低導電性の被膜となる。この点に関し、本発明において「低導電性」とは、自動補給システムの接触式電気センサーによる検知を困難にする低導電性を意味する。
従って、酸化処理工程により、メダル1の全表面は、図1(C)に示すように、低導電性発色膜2により被覆される。
(研磨処理工程)
次いで、前記低導電性発色膜2を形成したメダル1は、研磨処理が行われ、メダル1の外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜2が研磨され、自動補給システムに設けられた接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じられる。
これにより、図2に示すように、前記酸化処理により形成された膜厚Tの低導電性発色膜2は、メダル1の凹部1b及び凸部1cにおいては前記膜厚Tに匹敵する膜厚T1及びT2を維持するが、外周縁部の面取り部1dや、凸部1cの縁部においては、膜厚tで示すように極めて薄くなるように研磨され、検知薄膜部3が形成される。
研磨処理工程は、低導電性発色膜2を形成したメダル1に対して、30分ないし90分間のバレル研磨を施すことにより行われ、例えば、酸化処理後に膜厚1.0μmの低導電性発色膜2を形成したメダル1に約60分間のバレル研磨を施すことにより、面取り部1dと凸部1cの縁部の膜厚tを0.1μmまで減じた検知薄膜部3が形成される。
例えば、酸化処理後に膜厚を1.0μmとされた低導電性発色膜2が濃い黒色を呈するのに対して、研磨処理されたメダル1は、膜厚T1及びT2とされた凹部1b及び凸部1cではやや黒色が淡くなり、膜厚tを0.1μmまで減じた検知薄膜部3では彩度及び明度が高くなるが、依然として、ステンレス素材とは異なる淡色の色彩を発色する。
そして、検知薄膜部3は、膜厚tを0.3μm以下(0μmを含む)の範囲で選択可能であり、好ましくは0.1μm以上0.3μm以下の範囲で選択され、これにより、淡色を発色し、しかも、自動補給システムに設けられた接触式電気センサーの端子が接触すると通電を許し、該センサーによりメダル1の検知を可能にする。
自動補給システムに設けられた接触式電気センサーは、アトランダムな姿勢とされたメダルにセンサー端子を接触させることにより検知するが、メダルがどのような姿勢とされている場合でも、少なくとも、メダル1の面取り部1dと凸部1cの縁部には必ずセンサー端子が接触するので、この部分に検知薄膜部3が設けられていれば、検知不良を生じることはない。
本発明者の実験によれば、膜厚T1及びT2を0.5μm以上とした凹部1b及び凸部1cの濃い黒色の低導電性発色膜2の電気抵抗値が150オームから500オームの範囲とされ、接触式電気センサーの通電を不可能とするのに対して、膜厚tを0.3μm以下とした検知薄膜部3の電気抵抗値は、100オーム以下であり、接触式電気センサーの通電による検知が実用的に可能になることが判明した。そして、検知薄膜部3の膜厚tを0.1μmまで減じると、電気抵抗値が35オーム以下まで低下し、接触式電気センサーの感度が低い場合でも、確実に検知可能であることが判明した。
従って、検知薄膜部3の膜厚tは、接触式電気センサーの検知を可能とする0.3μm以下であれば良いが、0.1μm以上の膜厚を保持させることによりステンレス地肌とは異なる色彩を発色させることができる。
[第2発明]
図3及び図4は、本発明に係るパチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法に関して、第2発明を示している。
(酸化処理工程)
図3(A)に示すように、メダルを形成するためのステンレス鋼板4は、全表面に、電解反応又は化学反応による酸化処理を行うことにより、酸化被膜が形成される。酸化被膜は、被膜表面を反射する光と、被膜を透過してステンレス表面を反射する光が干渉し、被膜の膜厚に応じて異なる色を発光する。例えば、酸化被膜の膜厚を0.5μm以上1.5μm以下の範囲で選択することにより、ステンレス鋼板4の表面に、色相、彩度、明度の少なくとも1つを識別可能とする異なる色彩が与えられる。
尚、ステンレス鋼板を構成するステンレスは、クローム系ステンレス又はクローム−ニッケル系ステンレスの何れでも良い。ステンレス鋼板は、市販のものを使用することができ、図示省略しているが、予め不動態化処理が施され、表面にCrを濃縮した不動態被膜を形成しており、前記酸化処理工程において、該不動態被膜を成長させることにより前記酸化被膜が形成される。
前記酸化被膜は、加熱処理ではなく、常温又は低温(焼きなましを生じない低温)における酸化処理により行われ、ステンレス鋼板4に対し、酸液中で陽極分極する電解反応処理又は硝酸等の強酸化剤で処理する化学反応処理を行うことにより、該ステンレス鋼板4の表面の不動態被膜を成長させることにより形成される。従って、耐蝕性に優れた被膜が提供され、しかも、ステンレス鋼板の焼きなましを生じることはない。しかしながら、上述のように膜厚を厚くされるので、低導電性(「低導電性」の定義は上述の通り。)の被膜を形成する。従って、酸化処理工程を経たステンレス鋼板4は、全表面が低導電性発色膜2により被覆されている。
(メダル形成工程)
図3(A)に示すように、低導電性発色膜2により被覆されたステンレス鋼板4は、メダル製造方法に周知とされた打ち抜き工程及び刻設工程を経ることにより、図3(B)に示すような表面に前記低導電性発色膜2により被覆された凹凸部を備えた円板状のメダル1を形成する。この際、打ち抜きにより、メダル1の外周面には、前記低導電性発色膜2を有しないステンレス素材の地肌を露出した地肌部5aが形成される。図示のように、凹凸部は、メダル1の周縁に沿って表裏面に隆起する環状リブ1aと、該環状リブの内側に位置する表裏面の平坦な凹部1bと、該凹部1bから隆起して所望の図柄や模様を表す凸部1cを含んでいる。
(面取り工程)
前記メダル1は、外周の縁部に面取り部1dが形成され、図3(B)に示すように、前記環状リブ1aの外周側のコーナエッジ部分に面取りによりステンレス素材の地肌を露出した地肌部5bが形成される。
(研磨処理工程)
次いで、低導電性発色膜2を備えたメダル1は、研磨処理が行われ、メダル1の外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜2が研磨され、自動補給システムに設けられた接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じられる。
これにより、図4に示すように、前記酸化処理により形成された膜厚Tの低導電性発色膜2は、メダル1の凹部1b及び凸部1cにおいては前記膜厚Tに匹敵する膜厚T1及びT2を維持するが、環状リブ1aの面取り部1dに臨む外周縁部や、凸部1cの縁部においては、膜厚tで示すように極めて薄くなるように研磨され、検知薄膜部3が形成される。
研磨処理工程は、低導電性発色膜2を備えたメダル1に対して、30分ないし90分間のバレル研磨を施すことにより行われ、例えば、酸化処理後に膜厚1.0μmの低導電性発色膜2を備えたメダル1に約60分間のバレル研磨を施すことにより、面取り部1dに臨む環状リブ1aの外周縁部と凸部1cの縁部の膜厚tを0.1μmまで減じた検知薄膜部3が形成される。
第1発明の場合と同様に、例えば、膜厚を1.0μmとされた低導電性発色膜2が濃い黒色を呈するのに対して、研磨処理されたメダル1は、膜厚T1及びT2とされた凹部1b及び凸部1cではやや黒色が淡くなり、膜厚tを0.1μmまで減じた検知薄膜部3では彩度及び明度が高くなるが、依然として、ステンレス素材とは異なる淡色の色彩を発色する。そして、検知薄膜部3は、膜厚tを0.1μm以上0.3μm以下の範囲で選択され、これにより、淡色を発光し、しかも、スロットマシンに設けられた接触式電気センサーの端子が接触すると通電を許し、該センサーによりメダル1の検知を可能にする。
上述したように、自動補給システムに設けられた接触式電気センサーは、アトランダムな姿勢とされたメダルにセンサー端子を接触させることにより検知するが、メダルがどのような姿勢とされている場合でも、少なくとも、メダル1の面取り部1dと凸部1cの縁部には必ずセンサー端子が接触する。第2発明の場合、メダル1の外周面と面取り部1dには地肌部5a、5bが形成されており、しかも、面取り部1dに臨む環状リブ1aの外周縁部と凸部1cの縁部に検知薄膜部3が設けられているので、検知不良を生じることはない。
第1発明に関して説明した通り、検知薄膜部3の膜厚tは、接触式電気センサーの実用的検知を可能にする0.3μm以下であれば良く、0.1μm以上の膜厚を保持させれば、ステンレス地肌とは異なる色彩を発色させることができる。
1 メダル
1a 環状リブ
1b 凹部
1c 凸部
1d 面取り部
2 低導電性発色被膜
3 検知薄膜部
4 ステンレス鋼板
5a、5b 地肌部

Claims (5)

  1. パチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法であり、
    ステンレス鋼板を素材として、打ち抜き工程及び刻設工程を経ることにより、表面に凹凸部を備えた円板状のメダルを得るメダル形成工程と、
    前記メダルの全表面に、電解反応又は化学反応により酸化被膜を形成し、該酸化被膜が所定色彩を発色するまで膜厚を厚くすることにより低導電性とされた低導電性発色膜を形成する酸化処理工程と、
    前記メダルの外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜を研磨し、前記接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じることにより検知薄膜部を形成する研磨処理工程と、
    から成ることを特徴とするパチスロ遊技用メダルの製造方法。
  2. パチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能なメダルの製造方法であり、
    ステンレス鋼板の全表面に、電解反応又は化学反応により酸化被膜を形成し、該酸化被膜が所定色彩を発色するまで膜厚を厚くすることにより低導電性とされた低導電性発色膜を形成する酸化処理工程と、
    前記低導性発色膜により被覆されたステンレス鋼板を打ち抜き及び刻設することにより、表面に前記低導性発色膜により被覆された凹凸部を備えると共に、外周面に前記低導性発色膜を有しない円板状のメダルを得るメダル形成工程と、
    前記メダルの外周縁部と表面凸部の縁部に位置する低導電性発色膜を研磨し、前記接触式電気センサーにより検知可能となるまで膜厚を減じることにより検知薄膜部を形成する研磨処理工程と、
    から成ることを特徴とするパチスロ遊技用メダルの製造方法。
  3. 前記酸化処理工程は、ステンレス鋼板の表面に形成されたCrを含有する不動態被膜を成長させることにより、前記低導電性発色膜を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のパチスロ遊技用メダルの製造方法。
  4. 前記酸化処理工程は、酸化被膜の膜厚を0.5μm以上1.5μm以下とした低導電性発色膜を形成し、
    前記研磨処理工程は、膜厚を0.3μm以下とした検知薄膜部を形成することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパチスロ遊技用メダルの製造方法。
  5. パチスロ遊技機のメダル補給システムにおける接触式電気センサーにより検知可能であると共に、単価レートに対応して異なる色彩を有する円板状のメダルであり、
    メダル(1)は、凹凸部を備えたステンレス板の表面に酸化被膜を設けており
    前記酸化被膜は、メダル表面において前記色彩を発色する厚い膜厚(T)とされた低導電性発色膜(2)と、前記凸部の縁部において前記接触式電気センサーの通電による検知を可能とする薄い膜厚(t)とされた検知薄膜部(3)により構成されて成ることを特徴とするパチスロ遊技用メダル
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