JP5931986B2 - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
ガラス基板は、一般的に、ガラス原料から熔融ガラスを生成させた後、熔融ガラスをガラス基板へと成形する工程を経て製造される。上記の工程中には、熔融ガラスが内包する微小な気泡を除去する工程(以下、清澄ともいう)が含まれる。清澄は、管状の清澄槽の本体を加熱しながら、この清澄槽本体(以下、単に本体ともいう)に清澄剤を配合させた熔融ガラスを通過させ、清澄剤の酸化還元反応により熔融ガラス中の泡が取り除かれることで行われる。より具体的には、粗溶解した熔融ガラスの温度をさらに上げて清澄剤を機能させ泡を浮上脱泡させた後、温度を下げることにより、脱泡しきれずに残った比較的小さな泡は熔融ガラスに吸収させるようにしている。すなわち、清澄は、泡を浮上脱泡させる処理(以下、脱泡処理または脱泡工程ともいう)および熔融ガラス中に残存する小泡を熔融ガラスへ吸収させる処理(以下、吸収処理または吸収工程ともいう)を含む。清澄剤は従来三酸化二ヒ素Asが一般的であったが、近年の環境負荷の観点から、酸化錫SnO等が用いられるようになってきている。
高温の熔融ガラスから品位の高いガラス基板を量産するためには、ガラス基板の欠陥の要因となる異物等が、ガラス基板を製造するいずれの装置からも熔融ガラスへ混入しないようにすることが望まれる。このため、ガラス基板の製造過程において熔融ガラスに接する部材の内壁は、その部材に接する熔融ガラスの温度、要求されるガラス基板の品質等に応じ、適切な材料により構成する必要がある。たとえば、上述の清澄槽本体を構成する材料は、通常白金または白金合金等の白金族金属が用いられていることが知られている(特許文献1)。白金または白金合金は、高価ではあるが融点が高く、熔融ガラスに対する耐食性にも優れている。
脱泡工程時に清澄槽本体を加熱する温度は、成形するべきガラス基板の組成によって相違するが、1600〜1700℃程度である。
清澄槽本体を加熱する技術として、例えば、清澄槽本体に1対のフランジ状の電極を設け、この電極対に電圧を印加することにより、清澄槽本体を通電加熱する技術が知られている(特許文献2)。また、フランジ状の電極には、銅やニッケルから構成される水冷管が設けられている。
特表2006−522001号公報 特表2011−513173号公報
近年、ガラス基板に含まれる白金異物が、問題となっている。
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイに使用されるガラス基板(FPD用ガラス基板)に含まれる白金異物は、近年特に厳しく制限されている。また、フラットパネルディスプレイ用に限らず、他の用途でも問題となっている。
しかしながら、上記特許文献2に記載されているように、フランジ状の電極を水冷管で冷却すると、清澄槽の電極近傍の位置では、局所的に温度が低下する。
一方、清澄槽本体の内部表面が、白金または白金合金(白金族金属)から構成されている場合、気相空間(酸素を含む雰囲気)に接する部分が揮発する。揮発した白金または白金合金は、清澄槽の電極近傍の局所的に温度が低下した位置で凝固(凝集)し、付着する。凝固(凝集)した揮発物は脱泡工程中の熔融ガラス中に落下して混入し、ガラス基板に白金異物として混入する恐れがあった。
本発明は以上の点を鑑み、電極近傍での温度低下を抑制して、ガラス基板の白金異物を低減することが可能なガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、清澄剤を含む熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
前記清澄工程では、前記清澄剤が清澄を発現する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、かつ、前記白金管の長手方向中央部の温度と、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差が、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍の前記気相空間内で凝集する所定の温度以下になるよう、予め定められた前記電極の直径又は厚さと前記温度差との関係に基づいて、前記電極の直径又は厚さが決定される、ことを特徴とする。
前記所定の温度は、120℃である、ことが好ましい。
また、本発明の他の一態様は、清澄槽において熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
前記清澄槽は、
前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の直径との関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の直径との関係を予め求め、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう、2つの前記関係を用いて前記電極の直径を決定する、ことを特徴とする。
本発明のさらに他の一態様は、清澄槽において熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
前記清澄槽は、
前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
前記清澄工程では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の厚さとの関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の厚さとの関係を予め求め、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍の前記気相空間内で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう、2つの前記関係を用いて前記電極の厚さを決定する、ことを特徴とする。
前記電極近傍の温度は、前記電極に流れる電流値と前記電極の抵抗値とから求められる前記電極の発熱量と、前記電極の直径の2乗に反比例し、前記冷却管から前記白金管に伝わる冷却量と、の合算量から求められる温度であり、
前記電極の直径は、予め定められた前記電極の直径と前記温度差との関係に基づいて、決定される、ことが好ましい。
前記電極近傍の温度は、前記電極に流れる電流値と前記電極の厚さに反比例する前記電極の抵抗値とから求められる前記電極の発熱量と、前記冷却管から前記白金管に伝わる冷却量と、の合算量から求められる温度であり、
前記電極の厚さは、予め定められた前記電極の厚さと前記電極近傍の温度との関係に基づいて、決定される、ことが好ましい。
また、本発明のさらに他の一態様は、熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄槽を有するガラス基板の製造装置であって、
前記清澄槽は、
前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
前記清澄槽では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の直径との関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の直径との関係を用いて、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう、前記電極の直径が決定されている、ことを特徴とする。
また、本発明のさらに他の一態様は、熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄槽を有するガラス基板の製造装置であって、
前記清澄槽は、
前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
前記清澄槽では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の厚さとの関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の厚さとの関係を用いて、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう前記電極の厚さが決定されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、電極近傍での温度低下を抑制して、ガラス基板の白金異物を低減することができる。
ガラス基板の製造方法の簡単な工程を説明するためのフロー図である。 ガラス基板の製造装置の概略的な配置図である。 本実施形態の清澄槽の構成を示す概略図である。 (a)は、本実施形態の電極の概略的な正面図であり、(b)は、(a)のA−A線の断面図である。 白金管の長手方向の温度分布の一例を示す図である。 電極の直径と冷却管から白金管に伝わる冷却量との関係の一例を示す図である。 電極の直径と、白金管中央部の温度と電極近傍の温度の温度差との関係の一例を示す図である。 電極の厚さと電極の発熱量との関係の一例を示す図である。 電極の厚さと熔融ガラスの温度との関係の一例を示す図である。 電極の直径と白金管の気相空間における電極近傍の温度との関係の一例を示す図である。 電極の直径と、白金管中央部の温度と電極近傍の温度の温度差との関係の一例を示す図である。 電極の厚さと白金管の気相空間における電極近傍の温度との関係の一例を示す図である。 電極の厚さと、白金管中央部の温度と電極近傍の温度の温度差との関係の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、ガラス基板の製造方法の実施の形態について説明する。
図1は、ガラス基板の製造方法の工程を示すフロー図である。図1に示す
ように、ガラス基板は、主に溶解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、切断工程(ST7)を経て作製される。
また、図2は、上述の溶解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を経て作製されるガラス基板の製造装置の概略図であり、各工程において使用される装置の配置を概略的に示している。
図2に示すように、ガラス基板の製造装置200は、ガラス原料を加熱して熔融ガラスを生成する溶解装置40と、熔融ガラスを清澄する清澄槽41と、熔融ガラスを撹拌して均質化するための撹拌装置100と、ガラス基板に成形する成形装置42とを備えている。また、熔融ガラスを上述の装置間に移送するガラス供給管43a、43b、43cを有する。溶解装置40以降、成形装置42までの各装置間を接続するガラス供給管43a、43b、43cおよび清澄槽41と撹拌装置100は、白金族金属で構成されている。
溶解工程(ST1)では、たとえばSnO等の清澄剤が添加されて溶解装置40内に供給されたガラス原料を、加熱手段で加熱して溶解することで熔融ガラスMGを得る。
溶解装置40に投入されるガラス原料は、製造するべきガラス基板の組成に応じて適宜調製される。一例として、TFT(Thin Film Transistor)型LCD用基板として用いるガラス基板を製造する場合を挙げると、ガラス基板を構成するガラス組成物を質量%で表示して、
SiO:50〜70%、
Al:0〜25%、
:0〜15%、
MgO:0〜10%、
CaO:0〜20%、
SrO:0〜20%、
BaO:0〜15%、
RO:5〜30%(ただし、RはMg、Ca、Sr及びBaの合量)、
を含有する無アルカリガラスであることが、好ましい。
なお、本実施形態では無アルカリガラスとしたが、ガラス基板はアルカリ金属を微量含んだアルカリ微量含有ガラスであってもよい。アルカリ金属を含有させる場合、R’Oの合計が0.10%以上0.5%以下、好ましくは0.20%以上0.5%以下(ただし、R’はLi、Na及びKから選ばれる少なくとも1種であり、ガラス基板が含有するものである)含むことが好ましい。勿論、R’Oの合計が0.10%より低くてもよい。
次の清澄工程(ST2)は、清澄槽41において行われる。清澄工程では、清澄槽41内の熔融ガラスMGが所定温度(上記組成のガラスの場合は例えば1600℃以上)に昇温されることにより、熔融ガラスMG中に含まれるO、COあるいはSOを含んだ泡が、例えばSnO等の清澄剤の還元反応により生じたOを吸収して成長し、熔融ガラスMGの液面に浮上して放出される。その後、ガラス供給管43b等において熔融ガラスMGの温度を低下させることにより、SnO等の清澄剤が還元反応したSnOが酸化反応をすることにより、熔融ガラスMGに残存する泡中のO等のガス成分が熔融ガラスMG中に吸収されて、泡が消滅する。清澄剤による酸化反応および還元反応は、熔融ガラスMGの温度を制御することにより行われる。
均質化工程(ST3)では、ガラス供給管43bを通って供給された撹拌装置100内の熔融ガラスMGを、後述する攪拌機103を用いて撹拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管43cを通して熔融ガラスMGが成形装置42に供給される。熔融ガラスは、清澄槽41から成形装置に送られる際のガラス供給管43cにおいて、成形に適した温度(上記組成のガラスの場合は例えば1200℃程度)となるように冷却される。
成形装置42では、成形工程(ST5)および徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスMGをシート状ガラス44に成形し、シート状ガラス44の流れを作る。徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシート状ガラス44が所望の厚さになり、内部歪みが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、図示しない切断装置において、成形装置42から供給されたシート状ガラス44を所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作製される。この後、ガラス基板の端面の研削、研磨およびガラス基板の洗浄が行われ、さらに、泡やキズ、汚れ等の欠点の有無が検査された後、検査合格品のガラス基板が最終製品として梱包される。
[清澄槽41の構成]
次に、図3、図4を用いて、清澄槽41の構成を説明する。図3は、実施の形態の清澄槽41の構成を示す概略図である。また、図4(a)は、清澄槽41が有する電極50の正面図であり、図4(b)は、電極50のA−A線の断面図である。
清澄槽41は、白金又は白金合金から構成される筒状の形状の白金管400を有している。白金管400の両端の外周面には、一対のフランジ状の電極50a、50bが溶接されている。電極50a、50bには、電源装置52に接続される延在部51a、51bが溶接されている。電源装置52から電極50a、50b(延在部51a、51b)の間に電圧が印加されることにより、電極50a、50bの間の白金管400に電流が流れて、白金管400が通電加熱される。この通電加熱により、白金管400は例えば、1650℃〜1700℃程度に加熱され、ガラス供給管43aから供給された熔融ガラスMGは、脱泡に適した温度、例えば、1600℃〜1700℃程度に加熱される。また、電極50a、50b、延在部51a、51bにはそれぞれ、冷媒供給装置54a、54bが接続されている。冷媒供給装置54a、54bが冷媒を供給すると、電極50a、50b、延在部51a、51bは冷却され、冷却された電極50a、50bに接する白金管400も冷却される。このため、白金管400における電極50a、50b近傍において、温度が最も低くなる。ここで、電極近傍とは、白金管400における、電極の位置から例えば50cmの範囲内の場所を意味する。
図5は、清澄槽41の長手方向の温度分布を示した図である。図5の下段に示す温度のグラフの横軸は、白金管400の長手方向の位置を表し、図5の上段に示す白金管400の長手方向の各位置に対応している。電極50a、50bの間の白金管400に電流を流して白金管400を通電加熱すると、一般的に白金管400の長手方向中央部の温度Tが最高温度となり、長手方向両端部の電極50a、50b近傍の温度tが最低温度となる。温度差T−tが、例えば200℃以上である場合、白金管400内で揮発した白金が、電極50近傍で凝固(凝集)し、凝固(凝集)した揮発物が熔融ガラスMG中に落下して混入するおそれがある。しかし、温度差T−tを所定の温度以下、例えば120℃以下、より好ましくは100℃以下にすることにより、揮発した白金が、電極50近傍で凝固することを防ぐことができる。また、清澄剤SnOの清澄を発現するよう熔融ガラスMGの温度を制御している。ここで、所定の温度は、熔融ガラスMGの成分、清澄剤の種類によって変わるものであり、120℃、100℃に限定されるものではない。また、白金管400の長手方向において最高温度となる位置は、白金を含む揮発物を排出するための白金管400に形成される通気管の位置などによって変わるものであり、長手方向中央部の任意の位置である。白金管400の長手方向において最高温度となる位置は、冷却源である電極50a、50bから最も離れた位置であるが、外気と触れる白金管400に形成される通気管も冷却源であるため、通気管が形成される位置によって白金管400の最高温度の位置が変わってくる。電極50a、50b以外の冷却源がある場合、各冷却源から最も離れた位置の温度が最高温度となる。また、熔融ガラスMGの温度は、清澄剤SnOの含有量によって変わるものであり、1600℃〜1700℃に限定されるものではない。
なお、電極50aは50bと、延在部51aは51bと、冷却管502aは502bと、冷媒供給装置54aは冷媒供給装置54bと、それぞれ同じ構成を有するので、以下、電極50a、50bを電極50と総称し、延在部51a、51bを延在部51と総称し、冷却管502a、502bを冷却管502と、冷媒供給装置54a、54bを冷媒供給装置54と総称して説明する。
電極50は、白金、白金合金、白金ロジウムまたは白金ロジウム合金から構成されている。なお、本実施形態では、電極50が白金ロジウムまたは白金ロジウム合金から構成されている場合を具体例として説明するが、電極50の一部が、パラジウム,銀,銅などの他の金属から構成されていてもよい。例えば、白金または白金合金は高価であるため、電極50の比較的温度が低い場所では、パラジウム、銀、銅などを使用してもよい。電極50を構成する白金ロジウムは、白金と比較して耐熱温度(融点:1915℃)が高いため、電極50の耐久性能が向上している。
電極50、白金管400には、温度計測装置(図示せず)が接続されている。例えば、温度計測装置は、温度を計測するセンサ、熱電対から構成される。温度計測装置はそれぞれ、電極50、白金管400の温度を計測する。温度計測装置により、電極50の温度、電極50近傍の温度、白金管400の長手方向中央部の温度が計測される。温度計測装置が、白金管400の複数の位置の温度を計測することにより、白金管400における最高温度の位置、最低温度の位置が求められる。
また、電極50、延在部51の過熱を抑制するために、電極50、延在部51の周囲に接触するように冷却管502が設けられている。すなわち、電極50、延在部51は冷却管502により冷却されて、電極50、延在部51の温度上昇を抑制し、過熱を防いでいる。室温において、電極50を構成する白金ロジウム、例えば、ロジウム20質量%含有する白金ロジウムは、白金と比較して電気伝導性(体積抵抗率=20 μΩcm)、熱伝導性(熱伝導率=40W/(m・K))が低いため、同じ電流が流れた場合には電極50の発熱量が大きくなり、また、断熱性能が優れているため冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量が抑制される。ここで、冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量とは、電極50から電極50を通じて冷却管502によって奪われる熱量をいう。
電極50の直径Rは、例えば600〜800mm、電極50の厚さDは、例えば0.5〜4mmからなる。直径Rが大きくなるほど、白金管400と冷却管502との間隔が広がるため白金管400を断熱する効果が向上し、白金管400が冷却管502から受ける冷却量は減少する。また、厚さDが薄くなるほど、電極50の電気抵抗値が大きくなるため、電極50の発熱量が増える。このため、電極50近傍での温度降下を抑制するためには、電極50の直径Rを大きくし、電極50の厚さDを薄くすればよい。
延在部51は、電極50に溶接され、電源装置52が接続されている。延在部51は、電源装置52から流れてくる電流を電極50に流し、電極50を発熱させる。延在部51に電流が流れて、延在部51が所定の温度以上に発熱すると、延在部51が溶断するおそれがあるため、延在部51の発熱量を抑制する必要がある。ここで、延在部51と清澄槽41(白金管400)とは断熱層により断熱され、延在部51の発熱が熔融ガラスMGに伝わらないようになっている。このため、延在部51の発熱を抑制して延在部51の温度を例えば室温に近い温度に保っても、熔融ガラスMGの温度が低下せず、SnOが清澄を発現する温度を実現できる。従って、延在部51の過熱を抑制することにより、ガラス基板の品質を低下させることなく、延在部51の溶断を防ぐことができる。延在部51の過熱を抑制するために、延在部51の厚さdは、電極50の厚さDより厚く、例えば、5〜15mmからなる。延在部51は、銅、または銅合金から構成されているが、耐久性を向上させるために、白金、銀などの他の金属を含んでも良い。延在部51の厚さdが厚くなると、電気抵抗値が小さくなるため、延在部51の発熱量は減少する。また、延在部51と電極50とが同じ金属で構成されている場合、延在部51の厚さdを電極50の厚さDより厚くすると、延在部51の抵抗値は、電極50の抵抗値より小さくなり、延在部51の発熱量を抑制することができる。
冷却管502は、冷媒供給装置54に接続されている。冷却管502は、管状に構成されており、冷媒供給装置54から供給された冷媒(例えば、水などの液体)を受け入れる流入口と、供給された冷媒を冷媒供給装置54に対して排出する排出口とを有する。冷却管502は、冷媒供給装置54から供給された冷媒を通過させることにより、冷却管502に接触するように設けられている電極50、延在部51を冷却するように構成されている。冷却管502が電極50、延在部51を冷却することにより、電極50、延在部51が過熱して破損することを抑制しているが、冷却管502が冷却源となり、冷却管502により冷却された電極50及び電極50近傍が、清澄槽41における局所的に温度が低下する位置である。
清澄槽41において局所的な温度低下が起きると、清澄が十分に行なわれず、泡品質が低下するおそれがあった。また、白金又は白金合金から構成された清澄槽41では気相空間を有するので白金管400の白金又は白金合金が気相空間内で揮発する。揮発した白金又は白金合金は、電極50近傍の局所的に温度が低下した位置で凝固し、付着する。凝固した揮発物は脱泡工程中の熔融ガラスMG中に落下して混入し、ガラス基板の品質の低下を招くおそれがあった。したがって、本実施形態では、電極50近傍の温度低下を抑制し、熔融ガラスMGが流れる白金管400の長手方向中央部の最高温度Tと、白金管400の気相空間における電極50近傍の最低温度tとの温度差T−tが、120℃以下又は100℃以下になるよう電極50の直径を制御する。また、SnOが清澄を発現する熔融ガラスMGの温度を、電極50の厚さDを制御して実現する。
温度差T−tが120℃以下又は100℃以下になるよう電極50の直径Rを制御する方法について説明する。図6は、電極50の直径Rと冷却管502から白金管400に伝わる冷却量との関係の一例を示した図である。冷却管502における冷媒の温度及び冷媒の供給量が一定の場合、白金管400と冷却管502との間隔を広げる、つまり、直径Rを大きくすると、同図に示すように、冷却管502から白金管400に伝わる冷却量は距離の2乗に反比例して小さくなるため、白金管400及び白金管400の気相空間における電極50近傍の温度低下を抑制することができる。電極50近傍の温度tは、電極50の発熱量と冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定される。このため、電極50の直径を所定の値に設定することにより、白金管400に伝わる冷却量を抑制し、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下になるよう制御することができる。ここでは、電極50の発熱量を一定としているが、電極50の発熱量は、電極50に流れる電流値、電極50の抵抗値に基づいて求められる。そして、電極50の直径Rは、電極50に流れる電流値の2乗、電極50の抵抗値、冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量が関係付けられた計算式に基づいて、コンピュータシミュレーションを行うことにより決定される。図7は、電極50の直径Rと温度差T−tとの関係の一例を示した図である。同図に示す例では、電極50の直径Rが大きくなるにつれて温度差T−tは小さくなるため、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下となるようコンピュータシミュレーションを行って電極50の直径Rを決定する。例えば、最適化解析を行うソフトウェアを用いることで、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下となる電極50の直径Rを決定することができる。より具体的には、図3に示す白金管400、電極50、冷却管502の寸法値、荷重値、材料物性値、温度値を入力パラメータとして本ソフトウェアに入力することによりモデル化し、電極50の直径Rを出力パラメータとして、温度値を変化させる。指定した入力・出力パラメータから、例えば実験計画法に基づいて解析が行われ、各パラメータの相関性と影響度とが評価されることにより、電極50の直径Rの最適解が求められる。温度差T−tが120℃又は100℃以下となる電極50の直径Rは、最適解である必要はないため、入力パラメータとして温度差T−tが120℃又は100℃以下となる条件を追加することにより、温度差T−tが120℃又は100℃以下となる電極50の直径Rの最適な範囲が決定される。
次に、SnOが清澄を発現する熔融ガラスMGの温度を、電極50の厚さDを制御して実現する方法を説明する。図8は、電極50の厚さDと電極50の発熱量との関係の一例を示した図である。電極50の厚さDが薄くなる、つまり、電極50の断面積が小さくなると、電極50の断面積に反比例して電極50の抵抗値が大きくなる。電極50に流れる電流が一定の場合、電極50の単位時間当たりの発熱量は、電極50の抵抗値に比例して大きくなる。つまり、同図に示すように、電極50の厚さDが薄くなると、電極50の発熱量は大きくなる。熔融ガラスMGの温度は、電極50の発熱量と、冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定される。冷却管502から白金管400に伝わる冷却量が一定とすると、熔融ガラスMGの温度と電極50の厚さDから求まる電極50の発熱量との関係が規定されるため、電極50の厚さDを所定の値に設定することにより、SnOが清澄を発現する熔融ガラスMGの温度を制御することができる。ここでは、電極50に流れる電流を一定としているが、電極50の発熱量は、電極50に流れる電流値の2乗、電極50の抵抗値に基づいて求められる。そして、電極50の厚さDは、電極50に流れる電流値の2乗、電極50の抵抗値、冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量が関係付けられた計算式に基づいて、コンピュータシミュレーションを行うことにより決定される。図9は、電極50の厚さDと熔融ガラスMGの温度との関係の一例を示した図である。同図に示す例では、電極50の厚さDが薄くなるにつれて熔融ガラスMGの温度は上昇するため、SnOが清澄を発現する熔融ガラスMGの温度以上となるようコンピュータシミュレーションを行って電極50の厚さDを決定する。電極50の直径Rを決定する方法と同様に、例えば、最適化解析を行うソフトウェアを用いることで、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下となる電極50の厚さDを決定することができる。
以下、本実施形態における、電極50の直径Rを決定する方法について具体的に説明する。図10は、電極50の直径Rと白金管400の気相空間における電極50近傍の温度tとの関係の一例を示した図である。また、図11は、電極50の直径Rと温度差T−tとの関係の一例を示した図である。図10及び図11に示した充足範囲を同時に満たす電極50の直径Rが、求める電極50の直径Rである。まず、図10に示す電極50の直径Rと電極50近傍の温度との関係を予め求める必要がある。電極50近傍の温度tは、電極50の発熱量と冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定される。電極50の発熱量は、電極50に流れる電流値、電極50の抵抗値に基づいて求められる。電極50の発熱量は、熔融ガラスMGの温度を清澄可能な温度以上になるよう一定以上の発熱量からなるが、電極50の直径Rには依存しないため、ここでは、電極50の発熱量を一定とする。また、冷却管502から白金管400に伝わる冷却量は、電極50の直径Rを変えることによって変化する。電極50が過熱することにより破損することを防止するため、冷却管502は一定の冷却量を電極50に与えて冷却している。冷却管502における冷却量が一定の場合、白金管400と冷却管502との間隔を広げる、つまり、直径Rを大きくすると、冷却量は白金管400と冷却管502との距離(つまり、電極50の直径R)の2乗に反比例して小さくなる。電極50近傍の温度tは、電極50の直径Rの変化に依存しない一定の発熱量と、電極50の直径Rの二乗に反比例して小さくなる冷却管502から白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定されるため、図10に示すように、電極50近傍の温度tと電極50の直径Rの2乗との関係を予め求めることができる。電極50近傍の温度tの温度範囲は、電極50の破損が抑制できる温度範囲、電極50近傍において揮発した白金又は白金合金が凝集することを抑制できる温度範囲、熔融ガラスを清澄できる温度範囲等により決定される。そして、予め求めた図10に示すような関係から、電極50近傍の温度tの温度範囲を充足する電極50の直径Rの二乗の充足範囲を求める。
次に、図11に示すような、電極50の直径Rと温度差T−tとの関係を求める必要がある。熔融ガラスMGが流れる白金管400の長手方向中央部の最高温度Tは、電極50に流れる電流値等によって変化するが、電極50に流れる電流値は、熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう一定以上に定められた値であるため、ここでは一定とする。電極50近傍の温度tは、上述したように、電極50の直径Rに依存して変化する。このため、図11に示すように、温度差T−tと電極50の直径Rとの関係を予め求めることができる。。熔融ガラスMGを清澄し、揮発した白金又は白金合金が凝集することを抑制できる温度範囲は、温度差T−tが、120℃以下又は100℃以下である。予め求めた図11に示すような関係から、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下である温度範囲を充足する電極50の直径Rの充足範囲を求める。
そして、図10に示すような関係より求めた電極50の直径Rの二乗の充足範囲と図11に示すような関係より求めた電極50の直径Rの充足範囲とを同時に充足する直径Rの充足範囲が決定される。電極50の直径Rを、決定した直径Rに設定することにより、冷却管502から白金管400に伝わる冷却量を抑制し、電極50近傍の温度tが低下するのを抑制する。これにより、熔融ガラスMGを清澄しつつ、白金又は白金合金が凝集することを抑制できる。また、電極50の破損を防ぐことができる。
なお、図10及び図11に示すような関係、すなわち電極50の直径Rと温度との関係は、上述したコンピュータシミュレーションを行うことにより求めることもできる。
次に、本実施形態における、電極50の厚さDを決定する方法について説明する。図12は、電極50の厚さDと白金管400の気相空間における電極50近傍の温度tとの関係の一例を示した図である。また、図13は、電極50の厚さDと温度差T−tとの関係の一例を示した図である。図12及び図13に示すような充足範囲を同時に満たす電極50の厚さDが、求める電極50の厚さDである。まず、図12に示すような、電極50の厚さDと電極50近傍の温度との関係を予め求める必要がある。電極50近傍の温度tは、電極50の発熱量と冷却管502から電極50を通じて白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定される。電極50の発熱量は、電極50に流れる電流値、電極50の抵抗値に基づいて求められる。電極50の発熱量は、熔融ガラスMGの温度を清澄可能な温度以上になるよう一定以上の発熱量からなり、電極50の厚さDを変えることによって変化する。電極50の発熱量は、電極50の厚さDが薄くなる、つまり、電極50の断面積が小さくなると、電極50の断面積に反比例して電極50の抵抗値が大きくなる。熔融ガラスMGを清澄する温度以上になるよう電極50に流れる電流値を決定しているが、電極50に流れる電流が一定の場合、電極50の単位時間当たりの発熱量は、電極50の抵抗値に比例して大きくなる。つまり、電極50の厚さDが薄くなると、電極50の発熱量は大きくなる。また、電極50が過熱することにより破損することを防止するため、冷却管502は一定の冷却量を電極50に与えて冷却しているが、冷却管502から白金管400に伝わる冷却量は、電極50の厚さDには依存しないため、ここでは一定とする。冷却管502から白金管400に伝わる冷却量が一定とすると、電極50の厚さDから求まる電極50の発熱量と熔融ガラスMGの温度との関係が規定されるため、電極50の厚さDを所定の値に設定することにより、SnOが清澄を発現する熔融ガラスMGの温度を制御することができる。電極50近傍の温度tは、電極50の厚さDが薄くなるにつれて増加する電極50の発熱量と、電極50の厚さDの変化に依存しない一定の冷却管502から白金管400に伝わる冷却量との差分(合算量)から決定されるため、図12に示すように、電極50近傍の温度tと電極50の厚さDとの関係を予め求めることができる。電極50近傍の温度tの温度範囲は、電極50の破損が抑制できる温度範囲、電極50近傍において揮発した白金又は白金合金が凝集することを抑制できる温度範囲、熔融ガラスを清澄できる温度範囲等により決定される。そして、予め求めた図12に示すような関係から、電極50近傍の温度tの温度範囲を充足する電極50の厚さDの充足範囲を求める。
次に、図13に示すような、電極50の厚さDと温度差T−tとの関係を求める必要がある。熔融ガラスMGが流れる白金管400の長手方向中央部の最高温度Tは、電極50に流れる電流値等によって変化するが、電極50に流れる電流値は、熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう一定以上に定められた値であるため、ここでは一定とする。電極50近傍の温度tは、上述したように、電極50の厚さDに依存して変化する。このため、図13に示すように、温度差T−tと電極50の厚さDとの関係を予め求めることができる。熔融ガラスMGを清澄し、揮発した白金又は白金合金が凝集することを抑制できる温度範囲は、温度差T−tが、120℃以下又は100℃以下である。予め求めた図13に示すような関係から、温度差T−tが120℃以下又は100℃以下である温度範囲を充足する電極50の厚さDの充足範囲を求める。
そして、図12に示すような関係より求めた電極50の厚さDの充足範囲と図13に示すような関係より求めた電極50の厚さDの充足範囲とを同時に充足する厚さDの充足範囲が決定される。電極50の厚さDを、決定した厚さDに設定することにより、冷却管502から白金管400に伝わる冷却量を抑制し、電極50近傍の温度tが低下するのを抑制する。これにより、熔融ガラスMGを清澄しつつ、白金又は白金合金が凝集することを抑制できる。また、電極50の破損を防ぐことができる。
なお、図12及び図13に示す、電極50の厚さDと温度との関係は、電極50の直径Rを決定する方法と同様に、上述したコンピュータシミュレーションを行うことにより求めることもできる。
本実施形態では、白金管400の長手方向中央部の最高温度Tと、白金管400の気相空間における電極50近傍の温度tとの温度差T−tが、120℃又は100℃以下になるよう電極50の直径Rを制御している。具体的には、電極50の直径Rが600〜800mmとなるように形成されている。このような構成にすることにより、温度差T−tが120℃又は100℃以下となり、電極50近傍の気相空間内に含まれる白金揮発物の凝固を防止することができる。気相空間内に含まれる白金揮発物が凝集(凝固)する温度は、予め実験などにより求められる。この温度は、気相空間の酸素分圧等の気相空間の条件に影響を受ける白金揮発物の揮発量によって変動する。
また、熔融ガラスMGの温度が酸化錫の清澄を発現するよう電極50の厚さDを制御している。具体的には、電極の厚さDが0.5〜4mmとなるように形成されている。このような構成にすることにより、熔融ガラスMGの温度が酸化錫の清澄を発現する温度以上となる。これは、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝集(凝固)する温度を超える温度である。したがって、清澄槽41の気相空間に生じる白金蒸気が凝集(凝固)するのを防止し、ガラス中に白金異物が混入することを防止することができる。
なお,冷却管502は,白金管400、電極50内の電流密度を均一化する役割も担う。冷却管502を用いない場合、板状の電極50だけでは,電流は白金管400へ最短距離で向かう傾向にあり、白金管400内部での電流密度が電流の供給された側(図4(a)の紙面では上側)に偏る。一方、冷却管502は電気抵抗が小さくなるようにできており、電流を冷却管壁に誘導することで,電流を迂回させ,電流の偏りを低減することができる。また、電極50の電流密度が均一になるため、電極50を均一に発熱させることができ、電極50の近傍位置において、温度が局所的に低下することを防止することができる。
また、上記実施形態では、温度計測装置は、電極50、白金管400の長手方向中央部に設けられていたが、白金管400の温度が最高温度、最低温度となる位置に設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、清澄槽41は、フランジ状の1対の電極50a、50bを有する場合を具体例として説明したが、例えば、50bのみを有していてもよい。この場合、例えば、ガラス供給管43aに電極(図示せず)を設け、清澄槽41に設けられた電極50bと、ガラス供給管43aに設けられた電極との間に電流を流すことにより、清澄槽41を通電加熱してもよい。
このように、清澄槽41の白金管400は、温度が局所的に低下する電極50の近傍において、温度低下が抑えされているため、揮発した白金や白金合金が電極50の近傍において凝集(凝固)することなく、また結晶化することは無く、したがって、熔融ガラスMGに白金異物や白金合金異物等の金属異物が混入することは少なく、作製されるガラス基板への金属異物の混入を抑えることができる。
40 溶解装置
41 清澄槽
42 成形装置
43a、43b、43c(43) ガラス供給管
400 白金管
50a、50b(50) 電極
51a、51b(51) 延在部
52 電源装置
54a、54b(54) 冷媒供給装置
502a、502b(502) 冷却管
100 撹拌装置
200 ガラス基板の製造装置

Claims (6)

  1. 清澄剤を含む熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
    前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
    前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
    前記清澄工程では、前記清澄剤が清澄を発現する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、かつ、前記白金管の長手方向中央部の温度と、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差が、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍の前記気相空間内で凝集する所定の温度以下になるよう、予め定められた前記電極の直径又は厚さと前記温度差との関係に基づいて、前記電極の直径又は厚さが決定される、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記所定の温度は、120℃である、ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 清澄槽において熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記清澄槽は、
    前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
    前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
    前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
    前記清澄工程では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の直径との関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の直径との関係を予め求め、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう、2つの前記関係を用いて前記電極の直径を決定する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  4. 清澄槽において熔融ガラスを加熱しながら清澄する清澄工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記清澄槽は、
    前記熔融ガラスを清澄する白金管と、
    前記白金管に設けられた少なくとも一対のフランジ状の電極と、
    前記電極を冷却する冷却管と、を備え、
    前記清澄工程では、前記熔融ガラスを清澄する温度以上になるよう前記熔融ガラスの温度は定められ、前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度と前記電極の厚さとの関係、及び、前記白金管の最高温度と前記白金管の気相空間における前記電極近傍の温度との温度差と前記電極の厚さとの関係を予め求め、前記電極の破損が抑制できる前記電極近傍の温度範囲と、前記白金管の気相空間に含まれる揮発した白金が前記電極近傍の前記気相空間内で凝集するのを抑制できる前記温度差の範囲と、を同時に充足するよう、2つの前記関係を用いて前記電極の厚さを決定する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  5. 前記電極近傍の温度は、前記電極に流れる電流値と前記電極の抵抗値とから求められる前記電極の発熱量と、前記電極の直径の2乗に反比例し、前記冷却管から前記白金管に伝わる冷却量と、の合算量から求められる温度であり、
    前記電極の直径は、予め定められた前記電極の直径と前記温度差との関係に基づいて、決定される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記電極近傍の温度は、前記電極に流れる電流値と前記電極の厚さに反比例する前記電極の抵抗値とから求められる前記電極の発熱量と、前記冷却管から前記白金管に伝わる冷却量と、の合算量から求められる温度であり、
    前記電極の厚さは、予め定められた前記電極の厚さと前記電極近傍の温度との関係に基づいて、決定される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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