JP5930686B2 - 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法 - Google Patents

溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5930686B2
JP5930686B2 JP2011267552A JP2011267552A JP5930686B2 JP 5930686 B2 JP5930686 B2 JP 5930686B2 JP 2011267552 A JP2011267552 A JP 2011267552A JP 2011267552 A JP2011267552 A JP 2011267552A JP 5930686 B2 JP5930686 B2 JP 5930686B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
candesartan cilexetil
type
crystal
pulverization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011267552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013119527A (ja
Inventor
森 博志
博志 森
小林 健介
健介 小林
健次 田中
健次 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2011267552A priority Critical patent/JP5930686B2/ja
Publication of JP2013119527A publication Critical patent/JP2013119527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5930686B2 publication Critical patent/JP5930686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、難溶性医薬品原体、なかでもアンジオテンシンII受容体拮抗薬として高血圧治療薬等に有用なカンデサルタンシレキセチル(化学名称:(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2―エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート)に関し、特に溶解性および安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末およびその新規な製造方法に関する。
下記化学式(1)
Figure 0005930686
で示されるカンデサルタンシレキセチル(化学名称:(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2―エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラート)は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬として優れた効果を示す治療薬として有用である。
このような治療薬として有用なカンデサルタンシレキセチルは、非常に高純度のものが望まれており、かつ安定である必要がある。カンデサルタンシレキセチルには、種々の結晶形が存在することが知られている(例えば、特許文献1〜5、非特許文献1参照)。これら文献(具体的には、特許文献1)には、C型結晶である融点が158℃以上166℃以下の結晶(以下、I型結晶とする場合もある)が記載されている。そして、このフォームI型結晶のカンデサルタンシレキセチルが、最も安定であることが知られており、通常、原薬として使用されている。このようなI型結晶は、上記文献に記載されているように、カンデサルタンシレキセチルをアルコール溶媒、または、アセトンおよび水の混合溶媒中で結晶化させることにより製造できる。
カンデサルタンシレキセチルは、水に非常に難溶であるため、医薬品として製剤化する際には、100μmより細かい微粒子が使用されている。ところが、非特許文献1に記載されている通り、最も安定なI型結晶においても、微粒子化するため粉砕を行うと、その一部(或いは大部分)がアモルファス(非晶)となる場合がある。そして、アモルファスを含んだままI型結晶を保存すると、下記式(2)に示したような不純物であるデスエチル体が増加することが知られている(特許文献6参照)。
Figure 0005930686
以上のように難溶性のカンデサルタンシレキセチルについて、従来から、高純度で、溶解性が高く、かつ安定なカンデサルタンシレキセチルのフォームI結晶を製造する方法が検討されてきた。
例えば、カンデサルタンシレキセチルが溶解したアセトンおよび水の混合溶液を、30分間で53℃以上57℃以下の温度から20℃以上30℃以下の温度まで冷却して、I型結晶のカンデサルタンシレキセチルの結晶を析出させる方法やアルコール溶媒を使用して結晶化する方法が開示されている(特許文献1、3および4参照)。しかしながら、本発明者等が追試したところ、上記方法においては、粉体の一部に、粒子径が200μm〜2000μm程度の硬く凝集した粒子が存在することが分かった。これら凝集粒子は硬い形状であることから、非特許文献2に記載されているように、製剤の溶出性に悪影響を及ぼすことが考えられる。また、粉体中に、粒子径が100μm以上の粗大粒子が存在する場合には、その数がごく僅かであっても手触りなどによって認識できるため、そのような粗大粒子の混入は品質管理上受け入れられない。そして、このような粗大凝集粒子を選択的に除去することは困難であることも判明した。たとえば、本発明者らが、篩がけによる粗大粒子の除去を試みたところ、これら粗大凝集粒子を完全に取り除くことはできなかった。
また、カンデサルタンシレキセチルの結晶が析出する初期段階の冷却速度を制御することにより、平均粒子径の小さい粒子を得る方法が開示されている。すなわち、カンデサルタンシレキセチルを製造するに当たり、カンデサルタンシレキセチルを溶解させたアセトンおよび水の混合溶液において、カンデサルタンシレキセチルの結晶が析出する初期段階の冷却速度を従来の方法よりも遅くすることにより、平均粒子径の小さい粒子(結晶)が得られている(特許文献7参照)しかしながら、該方法で得られる粉体においても、ごくわずかではあるが、100μm程度の粗大粒子が含まれることが判明した。
さらに、カンデサルタンシレキセチルをアセトンに溶解させ、得られた溶液を水に滴下する方法が開示されているが、この方法においても、凝集粒子が生成し易く、やはり、粉砕する必要があった(特許文献5参照)。
以上の通り、従来の方法では、結晶化によって、得られる粉体は粒子径が100μm以上の硬い粒子が含まれるものしか存在しなかった。よって、製剤として実使用する場合には、どうしても粉砕が必要であった。そのため、非特許文献1に記載されているように、デスエチル体が増加するおそれがあり、その点で改善の余地があった。
これに対し、微粒子化したカンデサルタンシレキセチルからデスエチル体の生成を抑制する方法も開示されている。具体的には、先ず、カンデサルタンシレキセチルを粉砕して微粒子とする。次いで、該微粒子とアルコールとを混合してスラリーとした後、微粒子を回収することにより、デスエチル体の増加を抑制したカンデサルタンシレキセチル(フォームI結晶)を製造する方法である(特許文献6参照)。
特許2853611号公報 特開2009−185060号公報 特許2514282号公報 特許3003030号公報 特開2005−330277号公報 特表2008−505935号公報 特開2011−162538号公報
ケミカル・パーマシューティカル・ブレティンVol.47,No.2,182−186,1999
しかしながら、本発明者らの検討により、上記文献に開示された方法では、高純度で、溶解性が高く、かつ安定なカンデサルタンシレキセチルのI型結晶を簡易に製造する点で問題点があることが分かった。
すなわち、特許文献1、3、4、5および7の方法では、上記の通り、得られた粉体の一部に粗大凝集粒子が存在することから、実使用する場合には粉砕して使用する必要があった。そのため、非特許文献1に記載されている通り、デスエチル体が増加するおそれがあり、その安定性に問題があった。
特許文献6の方法では、カンデサルタンシレキセチルを粉砕した後、さらにスラリーとする工程、回収工程等が必要となり、工程が煩雑となり、回収率が低下する点で問題があった。また、回収工程において、粒子が凝集してしまい、得られた凝集粒子は容易に解砕せず、微粉化するためには機械的粉砕が必要となり、前記非晶質化の問題が完全には回避できないことが判明した。これは、特許文献6に記載されている方法では、粉砕によって微粒子化した粉体をスラリーするため、過度に細かい微粒子が生成し、遠心分離や濾別などの圧力が加わる操作が行われる回収工程において上記微細粒子によって凝集力が強まり、簡単には解粉できない凝集粒ができるためであると考えられる。
以上のように、粉砕法によればデスエチル体が増加して原体粉末の安定性が低下するという問題があった。その一方、溶媒を使用した結晶化やリスラリー等の方法だけでは粒径が100μm以上の大粒子を紛体から除去できず、除去できたとしてもその後凝集しやすかったり粒子径が揃ったものが得られなかった。その結果、原体粉末の溶解性が低下するというジレンマがあった。
したがって、本発明の目的は、溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体粉末を提供すること、特にカンデサルタンシレキセチルにおける前記ジレンマを解決し、平均粒子径が比較的小さく、粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない(高溶解性)、かつデスエチル体の増加が少ない(高安定性)、高純度の、特にカンデサルタンシレキセチルのフォームI型結晶粉末を提供すること、およびその簡便な製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、難溶性医薬品粉末、特にカンデサルタンシレキセチルのI型結晶粉末を製造するに当たり、比較的大粒子のカンデサルタンシレキセチルのI型結晶を特定条件によって粉砕処理することより、驚くべきことに、安定性の低いアモルファスの形成が抑制され、平均粒子径が比較的小さく粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない(高溶解性)、かつデスエチル体の増加が抑制された(高安定性)結晶粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は[1]〜[10]の各発明である。
[1]
難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた小粒子粉末の製造方法であって、
目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び
当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、
を含む製造方法。
[3]
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び
前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、
を含む製造方法。
[4]
前記大粒子を含む粉末のD90が前記小粒子粉末のD90の値よりも大きく、かつ8μm以上である[3]に記載の方法。
[5]
前記供給する工程(工程1)が粉砕処理を含まない[3]または[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]
前記供給する工程(工程1)が結晶化法または晶析法である[3]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]
前記粉砕工程(工程2)がピンミル粉砕法である[3]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]
回転速度5000〜15000rpmの条件下でピンミル粉砕を行う[7]に記載の方法。
[9]
難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない小粒子粉末であって、
[1]〜[8]のいずれかの記載の方法で得られる小粒子粉末。
[10]
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒径の粉末であって、
DSC測定で決定される融点が162℃以上167℃以下である小粒子粉末。
本発明によれば、難溶性医薬品原体、特に平均粒子径が比較的小さく粒径が100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない(高溶解性)、かつデスエチル体の増加も少ない(高安定性の)カンデサルタンシレキセチルのI型結晶を、効率よく、高収率、かつ高純度で提供することができ、その簡易な製造方法を提供することができる。
本発明にかかるカンデサルタンシレキセチルI型結晶小粒子粉末の製造方法におけるリッティンガー仕事量/リッティンガー定数とカンデサルタンシレキセチルI型結晶の安定性(デスエチル体の増加量)との間の比例相関関係を示す図である。 本発明にかかるカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の融点である外挿点温度を示す図である。
(溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体小粒子粉末の製造方法)
本発明にかかる製造方法は、難溶性医薬品原体粉末の溶解性および安定性を向上させた小粒子粉末の製造方法であって、目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子(「大粒径粒子」ともいう。)を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、を含むことを特徴とする。
本発明にかかる製造方法においては、難溶性医薬品原体粉末の溶解性および安定性を向上させた小粒子粉末を得ることができる。難溶性医薬品が吸収されて、その血中濃度が上昇して薬効を奏するためには、難溶性医薬品原体粉末は、体内溶液への分散後、体内溶液へ効果的に溶出されることが必要である。したがって、溶解性を高めるため難溶性医薬品は何らかの方法により調製された、一般に100μm以下の粒径を有する小粒子粉末として使用される。一方、難溶性医薬品においても医薬品としての安定性が求められるが、小粒子粉末に調製する過程で不純物の生成および不安定結晶形の生成等により、その安定性が低下することが知られている(上記非特許文献1参照)。本発明の製造方法では、得られる難溶性医薬品原体粉末の溶解性および安定性を同時に向上させることができる。
本発明の製造方法は、2つの工程、すなわち、目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程(以下、「供給工程」という。)、及び当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程(以下、「粉砕工程」という。)を含むことを特徴とする。「粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない」とは、粒度分布測定において100μm以上における分布が実質的に確認されず(体積全体の1%未満)、小粒子粉末を篩(東京スクリーン社製 試験用ふるい、目開き:1mm、線径:0.56mm)にかけた際に、大粒径粒子、いわゆる粒(ダマ)が確認されないことをいう。
前記供給工程は、先ず目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程である。「目的とする結晶型」とは、最終的に医薬品の有効成分として実使用に供する結晶型のことをいう。「大粒子」とは、アルコール等の溶媒で通常の条件により結晶化して得られる、最終的な医薬品の有効成分として供するには粒径が大き過ぎるため難溶性である粒子粉末のことをいう。先ず目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給し、次の工程に用いる。
前記粉砕工程は、特定の粉砕方法および条件を用いて前記大粒子を含む粉末を粉砕する工程である。前述のとおり、本工程は、比較的大粒子径の難溶性医薬品原体粉末を特定方法および条件の粉砕処理により粉砕することより、驚くべきことに、結晶化および晶析等の溶媒を用いる最終処理を経ることなく、平均粒子径が比較的小さく粒径が100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない(高溶解性)、かつデスエチル体の増加が抑制された(高安定性の)粒子(結晶)が得られることを見出したことに基づいている。
すなわち、前記大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕することにより、安定性の低いアモルファスの形成が抑制され、粒子径が比較的小さく(高い溶解性)、不純物含量が少なく、かつ不純物含量の増加も少ない(高い安定性)小粒子粉末を得ることができる。
ここで、前記「D90」(90%体積粒子径)は、当該粉末の粒径分布曲線下において低粒子径から積算した体積が全体の90%に当たる粒子径値のことをいい、後に出てくる「D50」(50%体積粒子径、または平均粒子径)は、当該粉末の粒径分布曲線下において低粒子径から積算した体積が全体の50%に当たる粒子径値のことをいう。また、前記{(1/D2)−(1/D1)}は、粉砕理論で論じられる仕事法則のうち、固体の表面エネルギーに基づき、D<0.05mmの比較的脆弱な材料の微粉砕に対して適合するといわれるリッティンガー(Rittinger)の法則によるものであり、リッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値W/Cを表している。
すなわち、粉砕の仕事法則であるリッティンガー(Rittinger)の法則において、一般に、リッティンガー仕事量WはW=C’(S2−S1)=C{(1/D2)−(1/D1)}で表される。ここで、D1およびD2は粉砕前および後の粒径(m)を表し、S1およびS2は粉砕前および後の比表面積(m/g)を表し、CおよびC’は物質および粉砕条件による定数を表す。
前記粉砕工程に用いられる粉砕方法には、前記固有のリッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値で粉砕可能な様々な粉砕方法を採用することができる。なかでもハンマーミル粉砕法およびピンミル粉砕法を挙げることができ、ピンミル粉砕法が好ましい。
前記製造方法における難溶性医薬品としては、分子量が約1000までの低分子の脂溶性である難溶性医薬品であれば特に限定されない。なかでも、上記化学式(1)で示されるカンデサルタンシレキセチルを挙げることができる。カンデサルタンシレキセチルの中でも、特にI型結晶を挙げることができる。
(溶解性および安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶小粒子粉末の製造方法)
また、本発明にかかる製造方法は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法は、2つの工程、すなわち、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、および前記カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)を含むことを特徴とする。
前記製造方法は、医薬品原体に供するカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末を特定の粉砕方法および条件で調製することにより、平均粒子径が比較的小さく粒径100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない(高溶解性の)、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末を提供できる。また、結晶化および晶析等の溶媒を用いる最終処理を最終工程で含まないため、さらにデスエチル体の増加が抑制された(高安定性の)カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末を提供することができる。
前記製造方法における小粒子粉末は医薬品原体として良好な溶解性を有する原体粉末のことをいい、D90が5〜15μmの原体粉末のことをいう。溶解性の向上の点から、前記D90は7〜13μmであることが好ましい。ここで、D90(90%体積粒子径)は当該粉末の粒子径分布曲線下において低粒子径から積算した体積が全体の90%に当たる粒子径値のことをいう。
前記工程1においては、医薬品原体粉末として供するカンデサルタンシレキセチルI型結晶と同一結晶型の大粒子を含む粉末が従来からの調製法により調製される。カンデサルタンシレキセチルI型結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有する。
前記工程1における「大粒子」とは、アルコール等の溶媒で通常の条件により結晶化して得られる、最終的な医薬品の有効成分として供するには粒径が大きすぎるため難溶性の粒子のことをいう。前記大粒子を含む粉末のD90は、粉末の安定性の点から、前記小粒子粉末のD90の値よりも大きく、かつ8μm以上であることが好ましく、9μm以上であることがより好ましい。「粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない」とは、粒度分布測定において100μm以上における分布が実質的に確認されず(体積全体の1%未満)、小粒子粉末を篩(東京スクリーン社製 試験用ふるい、目開き:1mm、線径:0.56mm)にかけた際に、大粒径粒子、いわゆる粒(ダマ)が確認されないことをいう。
前記調製法としては、結晶化、晶析、および粉砕など従来から知られ、前記製造方法におけるカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末を提供できるものであれば特に限定されないが、得られるカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末の安定性の点から、結晶化および晶析などの溶媒を用いる調製法が好ましい。
前記カンデサルタンシレキセチルI型結晶の調製法としては、アルコール溶媒、または、アセトン、および水の混合溶媒中で結晶化させる方法を挙げることができる(上記特許文献1:特許2853611号公報、特許文献7:特開2011−162538号公報)。一つの具体的な調製方法を以下に示す。
先ず、カンデサルタンシレキセチルの製造方法を例示すれば、下記式(3)で示されるトリチルカンデサルタンシレキセチル(化学名称:(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2―エトキシ−1−[[2’−(1−トリフェニルメチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]ベンズイミダゾール−7−カルボキシラートを脱トリチル化する方法を挙げることができる。なお、このトリチルカンデサルタンシレキセチルの製造方法も、特許文献1または4(特許2853611号公報および特許3003030号公報)に記載されている。
Figure 0005930686
前記式(3)で示されるトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱トリチル化は、メタノール、水、酸、またはアルカリを使用することにより実施できる。例えば、メタノール、および1N−塩酸存在下、室温でトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱トリチル化を行うことができる。また、メタノール、塩化水素存在下、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素溶媒中、室温でトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱トリチル化を行うこともできる。このように酸を使用した場合には、中和処理を行うことが好ましい。酸を使用しない方法としては、塩化メチレン、またはクロロホルムのようなハロゲン化炭化水素中、メタノール存在下、溶媒の還流温度下でトリチルカンデサルタンシレキセチルの脱トリチル化を行う方法を挙げることができる。酸を使用しない方法を採用することにより、中和処理等を省略することができる。
このようにして調製されたカンデサルタンシレキセチルを用いて、前述の通り、さらにアルコール溶媒、または、アセトン、および水の混合溶媒中で結晶化させる方法を用いて、カンデサルタンシレキセチルI型結晶を調製することができる。
このような方法で得られたカンデサルタンシレキセチルI型結晶においては、純度を98.5%以上99.9%以下程度とすることもでき、デスエチル体の含有量を0.05%以上0.15%以下程度とすることができる。前記工程2には、このようなカンデサルタンシレキセチルI型結晶を対象物とすることができるが、特にデスエチル体の量を低減するためには、このカンデサルタンシレキセチルI型結晶をさらに同様の方法で精製を繰り返したものを対象物とすることもできる。これにより、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の純度を99.0以上%99.9%以下程度とすることもでき、デスエチル体の含有量を0.01%以上0.1%以下とすることができる(特許文献7:特開2011−162538号公報参照)。
なお、上記のカンデサルタンシレキセチルI型結晶の純度、およびデスエチル体の含有量は、下記の実施例で記載した条件で求めた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のピーク面積%の値である。以下、本発明において、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の純度、デスエチル体の含有量は、同様の測定で求めたピーク面積%の値である。また、本願において、デスエチル体の増加量として示している値は、所定の期間、所定の環境にて保存した粉体における含有量(%)の値から、初期の粉体における含有量(%)の値を差し引いた値であるとする。
前記工程2においては、前記工程1で提供された前記カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得ることにより、粒子径が比較的小さく、粒径100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない(高溶解性の)、デスエチル体が少なく、かつデスエチル体の増加も少ない(高安定性の)カンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末を得ることができる。
本発明において、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕することによって、上記の効果が得られるのは、以下の検討による。
すなわち、本発明者等が、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の未粉砕の大粒子を含む粉末、ピンミル粉砕小粒子粉末、およびハンマーミル粉砕小粒子粉末の粉砕における、リッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値、すなわち{(1/D2)−(1/D1)}の値(以下、単にW/Cとも言う。)とカンデサルタンシレキセチルI型結晶の安定性(デスエチル体の増加量)との相関を検討したところ、表1および図1のような比例相関関係が認められた。さらに、W/Cの値が70(1/m)以上にてハンマーミル粉砕したときは、デスエチル体の増加量(55℃にて14日間保存)が0.09%以上であるのに対して、W/Cの値が50(1/m)にてピンミル粉砕したときには、デスエチル体の増加量(55℃にて14日間保存)は0.07%以下であり、安定性が良いことを見出した。このように、本発明は、粉砕に係る仕事量を制御することによって、粉砕をしても、デスエチル体の増加が抑制され、安定性の良いカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末が得られることを見出したものである。このような効果が得られるのは、粉砕に係る仕事量を制御することによって、カンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末のアモルファス化を抑制することができるためであると考えられる。
Figure 0005930686
また、前記工程2における粉砕は、前記リッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値が10〜50(1/m)である特定の粉砕方法および条件により達成される。前記粉砕工程に用いられる粉砕方法には、前記固有のリッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値で粉砕可能な様々な粉砕方法を採用することができる。なかでもハンマーミル粉砕法およびピンミル粉砕法を挙げることができ、ピンミル粉砕法が好ましい。また、回転速度9000〜15000rpmにてピンミル粉砕を行うことがより好ましい。
(前記製造方法による難溶性医薬品原体の小粒子粉末)
本発明にかかる難溶性医薬品原体の小粒子粉末は、難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない小粒子粉末であり、前記いずれかの製造方法で得られる。
本発明にかかる難溶性医薬品原体の小粒子粉末の製造方法は、2つの工程、すなわち、目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程(以下、「供給工程」という。)、及び当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程(以下、「粉砕工程」という。)を含む。本製造方法においては、安定性の低いアモルファスの形成が抑制され、平均粒子径が比較的小さく粒径が100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない(高溶解性の)、かつデスエチル体の増加が抑制された(高安定性の)粒子(結晶)が得られる。
(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末)
本発明にかかるカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径が100μm以上である粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末であって、示差走査熱量計測定(以下、DSC測定とも言う。)で決定される融点が162℃以上167℃以下であることを特徴とする。
ここで、前記DSC測定で決定される融点は「外挿点温度」を表す。通常、DSC測定においては、測定で得られる曲線(以下、DSC曲線とも言う。)において負の極大を示す温度を融点とすることが多い。しかし、DSC曲線における負の極大は、サンプル量、サンプルの詰め具合、温度プログラムなど多くの変動要素を有するため、安定した値を測定することが難しく、融点を物質固有の値として測定するには問題がある。そこで、低分子有機化合物では、DSC曲線における極大の外挿点における温度、すなわち「外挿点温度」が変動要因が少なく、安定した値を測定することができることから、真の融点として取り扱われることが多い。そこで、本発明においても、変動要素が少なく、物質固有の値を示す「外挿点温度」を融点とする。この「外挿点温度」は、DSC曲線において負の極大の立ち下がりの最大傾斜を示す接線と極大の低温側のベースラインを外挿した直線の交点における温度として求めることができる(図2)。
このように、融点を計測することによって、結晶粉末におけるアモルファス化の程度を推定することができる。すなわち、非特許文献1に記載のとおり、カンデサルタンシレキセチルは粉砕することによって、I型結晶がアモルファスに変化し、当該アモルファスは特定の融点を有さないものである。そのため、例えば、粉砕によって結晶の一部がアモルファス化した粒子において、アモルファス部分が多いほど、アモルファス部分を有さない結晶粒子より融点が低く計測される。よって、結晶粒子の融点と測定対象の融点を比較することによって、アモルファス化の程度を推定することができる。さらに、前記のとおり、アモルファス部分を有するカンデサルタンシレキセチルは、安定性が良くなく保存中にデスエチル体が増加することが知られており、当該アモルファス化の程度を制御することによって、結晶粉末の安定性を向上することができる。
また、本発明において、前記DSC測定で決定される融点が162℃以上167℃以下であれば、高い安定性のカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末が得られるが、安定性の点から163℃以上167℃以下であることがより好ましい。
また、本発明の方法によれば、平均粒子径が比較的小さく粒径100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない、融点が162℃以上167℃以下であるカンデサルタンシレキセチルI型結晶を得ることができる。そのため、粉砕することなく、そのまま医薬品として十分に使用可能である。
(本発明にかかる難溶性医薬品原体粉末を有効成分として含有する医薬組成物)
本発明にかかる難溶性医薬品原体の小粒子粉末、特にカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末は、有効成分として様々な医薬品組成物を構成することができる。本医薬組成物は、経口剤、経皮投与剤、外用剤など様々な投与経路をとることができる。また、本医薬品組成物は、錠剤、カプセル剤、注射剤など様々な剤形をとることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
なお、実施例、比較例で得られたカンデサルタンシレキセチルの粒子径および粒度分布の測定、カンデサルタンシレキセチルの純度、デスエチル体の含有量の測定、粉末X線回折の測定、融点の測定は、以下のように行った。
<粒子径および粒度分布の測定>
装置:レーザー回折方式粒度分布計
機種:Helos&Rodos system(Sympatec社製)
計算:Windox5.2
分散圧:1.5bar
引圧:0
回転:なし
以上の条件により、累計体積粒子径が50%となる50%体積粒子径D50、および累積体積粒子径が90%となる90%体積粒子径D90を求めた。また、併せて粒度分布を求めた。
<カンデサルタンシレキセチルの純度、デスエチル体の含有量の測定>
装置:高速液体クロマトグラフィー
機種:2695−2489−996(Waters社製)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:Inertsil ODS−3、内径4.6mm、長さ15cm(粒子径5μm、細孔径12nm)(株式会社ジーエルサイエンス製)
カラム温度:40℃一定
サンプル温度:25℃一定
移動相:アセトニトリル/1%酢酸水溶液=80/20
流量:1.5ml/分
上記条件において、カンデサルタンシレキセチルは約4.9分にピークが確認され、デスエチル体は、約3.0分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、カンデサルタンシレキセチルの純度、デスエチル体の含有量は共に、上記条件で測定したピーク面積%の値である。
<カンデサルタンシレキセチルの粉末X線回折の測定>
装置:X線回折装置
機種:Smart Lab(株式会社リガク製)
測定方法:ASC6 BB Dtex、
X線出力:40kV−30mA
波長:CuKa/1.541862Å
以上の条件により、粉末X線回折を測定し、カンデサルタンシレキセチルの粉末がI型結晶であることを確認した。
<カンデサルタンシレキセチルの融点の測定>
装置:示差走査熱量計
機種:DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)
昇温条件:5℃/分
ガス:アルゴン
製造例1(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の製造)
100L反応缶に、トリチルカンデサルタンシレキセチル10860g、クロロホルム13000ml、メタノール44000mlを加え、60℃で4時間反応した(反応終了時、カンデサルタンシレキセチルの純度は96.4%、デスエチル体の含有量は1.08%であった。)。反応後、45℃で溶媒を減圧濃縮し、アセトン33000mlを加え、10℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、第一粗体の湿体を得た(カンデサルタンシレキセチルの純度99.7%、デスエチル体0.11%)。この第一粗体を52500mlのアセトンに50℃で溶解し、溶解後、冷却して27℃とした。この溶液に17500mlの水を加え、20℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、該結晶を乾燥し、カンデサルタンシレキセチルの純度99.9%、デスエチル体の含有量0.04%の第二粗体を得た。第二粗体(カンデサルタンシレキセチルの純度99.9%、デスエチル体の含有量0.04%)をアセトン29760mlで溶解し、溶解後、水9920mlを加え、攪拌しながら混合溶液の温度を55℃とした。その後、種結晶としてカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)50gを加え、混合溶液を攪拌しながら65分かけて混合溶液の温度を30℃まで冷却し、20℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、該結晶を乾燥し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は4.6μm、D90は17.5μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
製造例2(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の製造)
5000gのトリチルカンデサルタンを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は5.0μm、D90は19.4μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
製造例3(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の製造)
10000gのトリチルカンデサルタンシレキセチルを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。この際、第二粗体の再結晶にてカンデサルタンシレキセチルI型結晶のジェットミル粉砕品を種結晶として用いた。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.7μm、D90は9.8μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
製造例4(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の製造)
5000gのトリチルカンデサルタンシレキセチルを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.9μm、D90は15.2μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
製造例5(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の製造)
15000gのトリチルカンデサルタンを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.5μm、D90は14.9μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
実施例1(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末88gを得た(回収率:88%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.4μm、D90は11.4μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例2(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末85gを得た(回収率:85%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.8μm、D90は12.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例3(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例3で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末90gを得た(回収率:90%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.4μm、D90は8.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例4(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製
製造例4で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末88gを得た(回収率:88%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.8μm、D90は10.7μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例5(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1300gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1160gを得た(回収率:89%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.1μm、D90は10.3μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例6(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)5000gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SCM−2型)を用いて粉砕(粉砕条件は9000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末4700gを得た(回収率:94%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.8μm、D90は9.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
実施例7(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末の調製)
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)5000gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SCM−2型)を用いて粉砕(粉砕条件は9000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末4750gを得た(回収率:95%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.5μm、D90は12.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
比較例1(ジェットミル粉砕品)
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1500gを日本ニューマチック社製ジェットミル粉砕機(PJM80SP)を用いて粉砕(粉砕条件は供給速度:0.8kg/hr、粉砕圧力:0.6MPa)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1100gを得た(回収率:73%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は1.1μm、D90は2.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
比較例2(ジェットミル粉砕品)
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1600gを日本ニューマチック社製ジェットミル粉砕機(PJM80SP)を用いて粉砕(粉砕条件は供給速度:0.8kg/hr、粉砕圧力:0.6MPa)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1200gを得た(回収率:75%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は1.1μm、D90は2.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
参考例1〜8(ハンマーミル粉砕品)
製造例1〜5で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)をパウレック社製ハンマーミル粉砕機(FA−AW−3型)を用いて、表2の供給速度(kg/hr)および回転数(rpm)の粉砕条件で粉砕し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末を同表のように得た。得られた小粒子粉末のD90(μmで)は表1に示した。
Figure 0005930686
実施例8(カンデサルタンシレキセチルI型結晶の融点と安定性の評価)
製造例1および2(未粉砕)、実施例1および2(ピンミル粉砕)、および比較例1および2(ジェットミル粉砕)のカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末について、融点(外挿点温度)を測定した。その結果、未粉砕の粉末とピンミル粉砕した粉末では融点にほとんど差が見られなかったが、ジェットミル粉砕した粉末ではこれらの値を大きく下回る融点が測定された。また、これらの粉末の安定性を14日目のデスエチル体の含有率を指標に検討したところ、下記表3から明らかなように、ピンミル粉砕したカンデサルタンシレキセチルのI型結晶粉末は、未粉砕の粉末と同等の良好な安定性を示した。一方、ジェットミル粉砕したカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末の安定性は不良であった。
Figure 0005930686

Claims (7)

  1. 粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子の含量が体積全体の1%未満である、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、
    粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び
    前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(mm)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(mm)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/mm)である仕事量で衝撃式粉砕により粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、
    を含む製造方法。
  2. 前記大粒子を含む粉末のD90が前記小粒子粉末のD90の値よりも大きく、かつ8μm以上である請求項に記載の方法。
  3. 前記供給する工程(工程1)が粉砕処理を含まない請求項またはのいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記供給する工程(工程1)が結晶化法または晶析法である請求項のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記粉砕工程(工程2)の衝撃式粉砕がピンミル粉砕法又はハンマーミル粉砕法である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記粉砕工程(工程2)の衝撃式粉砕がピンミル粉砕法である請求項のいずれか1項に記載の方法。
  7. 回転速度5000〜15000rpmの条件下でピンミル粉砕を行う請求項に記載の方法。
JP2011267552A 2011-12-07 2011-12-07 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法 Active JP5930686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267552A JP5930686B2 (ja) 2011-12-07 2011-12-07 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011267552A JP5930686B2 (ja) 2011-12-07 2011-12-07 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016043605A Division JP2016106139A (ja) 2016-03-07 2016-03-07 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013119527A JP2013119527A (ja) 2013-06-17
JP5930686B2 true JP5930686B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=48772350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011267552A Active JP5930686B2 (ja) 2011-12-07 2011-12-07 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5930686B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016106139A (ja) * 2016-03-07 2016-06-16 株式会社トクヤマ 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
UA71629C2 (en) * 1999-08-03 2004-12-15 Lilli Icos Llc Composition containing free drug particulate form of ?-carboline (variants), method for its manufacture (variants), and method for treating sexual dysfunction
WO2005123720A1 (en) * 2004-06-18 2005-12-29 Ranbaxy Laboratories Limited Fine particles of the angiotensin ii antagonist candesartan cilexetil and process for production thereof
EP1763525A2 (en) * 2005-05-10 2007-03-21 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Stable micronized candesartan cilexetil and methods for preparing thereof
EP1896455A2 (en) * 2005-06-06 2008-03-12 Medichem, S.A. Process for the preparation of tetrazolyl compounds
ES2627217T3 (es) * 2007-05-21 2017-07-27 Toray Industries, Inc. Partículas micropulverizadas cristalinas
EP2050440A1 (en) * 2007-10-18 2009-04-22 Krka Stable solid pharmaceutical composition comprising candesartan or pharmaceutically acceptable forms thereof
JP5595820B2 (ja) * 2010-01-15 2014-09-24 株式会社トクヤマ カンデサルタンシレキセチルの製造方法
JP5367735B2 (ja) * 2011-01-25 2013-12-11 大原薬品工業株式会社 錠剤の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013119527A (ja) 2013-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3689855A1 (en) Crystals
JP5453559B1 (ja) 晶癖を有する結晶及び該結晶を加工してなる医薬組成物
CN113939299A (zh) 含有别孕烷醇酮、加奈索酮或祖拉诺醇酮的药物组合物及其用途
Gniado et al. The influence of co-formers on the dissolution rates of co-amorphous sulfamerazine/excipient systems
JP2010270148A (ja) 超微粉砕された安定性カンデサルタンシレキセチル及びその調製方法
EP3327012B1 (en) Crystalline forms of bilastine and preparation methods thereof
JP5595820B2 (ja) カンデサルタンシレキセチルの製造方法
JP5930686B2 (ja) 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法
JP2008537540A (ja) アリピプラゾールの粒径を小さくする方法
JP2016106139A (ja) 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法
EP2558440B1 (en) Process for the production of polymorph form i of agomelatine
KR100584104B1 (ko) 결정형 에플레레논
JP5850697B2 (ja) カンデサルタンシレキセチルの製造方法
JP6375045B2 (ja) 2−[3−シアノ−4−(2−メチルプロポキシ)フェニル]−4−メチルチアゾール−5−カルボン酸の小型化結晶、その微粉化物及びこれらを含有する固形製剤
CA2755314A1 (en) New crystals of a benzoylbenzeneacetamide derivative
TWI312683B (en) Crystalline isoxazole derivative and medical preparation thereof
WO2014030082A1 (en) Novel method to obtain olmesartan medoxomil with reduced particle size
EP2451809B1 (en) A process for the preparation and purification of solifenacin salts
JP6711709B2 (ja) エゼチミブの製造方法
JP5866342B2 (ja) ロキソプロフェンナトリウム二水和物の医薬品製剤用微粉末の製造方法
AU2007200816B2 (en) A new crystalline and stable form of andolast
US20070244144A1 (en) Process for the preparation of desloratadine
CA2918908A1 (en) Formulation of metaxalone
JP6076736B2 (ja) 1−アミノ−1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロヘキサンメシラートの合成
EP4056182A1 (en) Crystal form of aprocitentan, preparation method therefor and use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151208

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160222

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160426

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 5930686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150