JP2016106139A - 溶解性および安定性の向上した難溶性医薬品原体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の難溶性医薬品原体粉末の小粒子粉末を、目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、を含む製造方法により製造する。
【選択図】なし
Description
[1]
難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた小粒子粉末の製造方法であって、
目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び
当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、
を含む製造方法。
[2]
前記難溶性医薬品が、カンデサルタンシレキセチルである[1]に記載の方法。
[3]
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び
前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、
を含む製造方法。
[4]
前記大粒子を含む粉末のD90が前記小粒子粉末のD90の値よりも大きく、かつ8μm以上である[3]に記載の方法。
[5]
前記供給する工程(工程1)が粉砕処理を含まない[3]または[4]のいずれか1項に記載の方法。
[6]
前記供給する工程(工程1)が結晶化法または晶析法である[3]〜[5]のいずれか1項に記載の方法。
[7]
前記粉砕工程(工程2)がピンミル粉砕法である[3]〜[6]のいずれか1項に記載の方法。
[8]
回転速度5000〜15000rpmの条件下でピンミル粉砕を行う[7]に記載の方法。
[9]
難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない小粒子粉末であって、
[1]〜[8]のいずれかの記載の方法で得られる小粒子粉末。
[10]
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒径の粉末であって、
DSC測定で決定される融点が162℃以上167℃以下である小粒子粉末。
本発明にかかる製造方法は、難溶性医薬品原体粉末の溶解性および安定性を向上させた小粒子粉末の製造方法であって、目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子(「大粒径粒子」ともいう。)を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる製造方法は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の大粒径粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明者等が、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の未粉砕の大粒子を含む粉末、ピンミル粉砕小粒子粉末、およびハンマーミル粉砕小粒子粉末の粉砕における、リッティンガー仕事量をリッティンガー定数で除した値、すなわち{(1/D2)−(1/D1)}の値(以下、単にW/Cとも言う。)とカンデサルタンシレキセチルI型結晶の安定性(デスエチル体の増加量)との相関を検討したところ、表1および図1のような比例相関関係が認められた。さらに、W/Cの値が70(1/m)以上にてハンマーミル粉砕したときは、デスエチル体の増加量(55℃にて14日間保存)が0.09%以上であるのに対して、W/Cの値が50(1/m)にてピンミル粉砕したときには、デスエチル体の増加量(55℃にて14日間保存)は0.07%以下であり、安定性が良いことを見出した。このように、本発明は、粉砕に係る仕事量を制御することによって、粉砕をしても、デスエチル体の増加が抑制され、安定性の良いカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末が得られることを見出したものである。このような効果が得られるのは、粉砕に係る仕事量を制御することによって、カンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末のアモルファス化を抑制することができるためであると考えられる。
本発明にかかる難溶性医薬品原体の小粒子粉末は、難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない小粒子粉末であり、前記いずれかの製造方法で得られる。
本発明にかかるカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末は、粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径が100μm以上である粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末であって、示差走査熱量計測定(以下、DSC測定とも言う。)で決定される融点が162℃以上167℃以下であることを特徴とする。
本発明にかかる難溶性医薬品原体の小粒子粉末、特にカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末は、有効成分として様々な医薬品組成物を構成することができる。本医薬組成物は、経口剤、経皮投与剤、外用剤など様々な投与経路をとることができる。また、本医薬品組成物は、錠剤、カプセル剤、注射剤など様々な剤形をとることができる。
装置:レーザー回折方式粒度分布計
機種:Helos&Rodos system(Sympatec社製)
計算:Windox5.2
分散圧:1.5bar
引圧:0
回転:なし
以上の条件により、累計体積粒子径が50%となる50%体積粒子径D50、および累積体積粒子径が90%となる90%体積粒子径D90を求めた。また、併せて粒度分布を求めた。
装置:高速液体クロマトグラフィー
機種:2695−2489−996(Waters社製)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:Inertsil ODS−3、内径4.6mm、長さ15cm(粒子径5μm、細孔径12nm)(株式会社ジーエルサイエンス製)
カラム温度:40℃一定
サンプル温度:25℃一定
移動相:アセトニトリル/1%酢酸水溶液=80/20
流量:1.5ml/分
上記条件において、カンデサルタンシレキセチルは約4.9分にピークが確認され、デスエチル体は、約3.0分にピークが確認される。以下の実施例、比較例において、カンデサルタンシレキセチルの純度、デスエチル体の含有量は共に、上記条件で測定したピーク面積%の値である。
装置:X線回折装置
機種:Smart Lab(株式会社リガク製)
測定方法:ASC6 BB Dtex、
X線出力:40kV−30mA
波長:CuKa/1.541862Å
以上の条件により、粉末X線回折を測定し、カンデサルタンシレキセチルの粉末がI型結晶であることを確認した。
装置:示差走査熱量計
機種:DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)
昇温条件:5℃/分
ガス:アルゴン
100L反応缶に、トリチルカンデサルタンシレキセチル10860g、クロロホルム13000ml、メタノール44000mlを加え、60℃で4時間反応した(反応終了時、カンデサルタンシレキセチルの純度は96.4%、デスエチル体の含有量は1.08%であった。)。反応後、45℃で溶媒を減圧濃縮し、アセトン33000mlを加え、10℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、第一粗体の湿体を得た(カンデサルタンシレキセチルの純度99.7%、デスエチル体0.11%)。この第一粗体を52500mlのアセトンに50℃で溶解し、溶解後、冷却して27℃とした。この溶液に17500mlの水を加え、20℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、該結晶を乾燥し、カンデサルタンシレキセチルの純度99.9%、デスエチル体の含有量0.04%の第二粗体を得た。第二粗体(カンデサルタンシレキセチルの純度99.9%、デスエチル体の含有量0.04%)をアセトン29760mlで溶解し、溶解後、水9920mlを加え、攪拌しながら混合溶液の温度を55℃とした。その後、種結晶としてカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)50gを加え、混合溶液を攪拌しながら65分かけて混合溶液の温度を30℃まで冷却し、20℃以上30℃以下で終夜撹拌した。次いで、0℃で2時間撹拌後、遠心分離して析出した結晶を分取し、該結晶を乾燥し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は4.6μm、D90は17.5μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
5000gのトリチルカンデサルタンを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は5.0μm、D90は19.4μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
10000gのトリチルカンデサルタンシレキセチルを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。この際、第二粗体の再結晶にてカンデサルタンシレキセチルI型結晶のジェットミル粉砕品を種結晶として用いた。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.7μm、D90は9.8μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
5000gのトリチルカンデサルタンシレキセチルを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.9μm、D90は15.2μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
15000gのトリチルカンデサルタンを用い、製造例1と同様にして、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)を得た。得られた粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.5μm、D90は14.9μmであった。また、この粉末の手触りはゴロゴロした感触があり、粒度分布を測定すると100μm以上にも分布が観測された。
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末88gを得た(回収率:88%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.4μm、D90は11.4μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末85gを得た(回収率:85%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.8μm、D90は12.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例3で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末90gを得た(回収率:90%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.4μm、D90は8.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例4で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)100gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末88gを得た(回収率:88%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.8μm、D90は10.7μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1300gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SAM−O型)を用いて粉砕(粉砕条件は15000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1160gを得た(回収率:89%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.1μm、D90は10.3μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)5000gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SCM−2型)を用いて粉砕(粉砕条件は9000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末4700gを得た(回収率:94%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は2.8μm、D90は9.5μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)5000gを奈良機械製作所社製ピンミル粉砕機(SCM−2型)を用いて粉砕(粉砕条件は9000rpm)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末4750gを得た(回収率:95%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は3.5μm、D90は12.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例1で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1500gを日本ニューマチック社製ジェットミル粉砕機(PJM80SP)を用いて粉砕(粉砕条件は供給速度:0.8kg/hr、粉砕圧力:0.6MPa)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1100gを得た(回収率:73%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は1.1μm、D90は2.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例2で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)1600gを日本ニューマチック社製ジェットミル粉砕機(PJM80SP)を用いて粉砕(粉砕条件は供給速度:0.8kg/hr、粉砕圧力:0.6MPa)し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末1200gを得た(回収率:75%)。得られた小粒子粉末について粒子径を測定したところ、D50は1.1μm、D90は2.2μmであった。また、この小粒子粉末は、手触りではゴロゴロした感触が無く、粒度分布測定において、粒子径が100μm以上の硬い粒子は確認されなかった。
製造例1〜5で調製したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の大粒子を含む粉末(未粉砕品)をパウレック社製ハンマーミル粉砕機(FA−AW−3型)を用いて、表2の供給速度(kg/hr)および回転数(rpm)の粉砕条件で粉砕し、カンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末を同表のように得た。得られた小粒子粉末のD90(μmで)は表1に示した。
製造例1および2(未粉砕)、実施例1および2(ピンミル粉砕)、および比較例1および2(ジェットミル粉砕)のカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末について、融点(外挿点温度)を測定した。その結果、未粉砕の粉末とピンミル粉砕した粉末では融点にほとんど差が見られなかったが、ジェットミル粉砕した粉末ではこれらの値を大きく下回る融点が測定された。また、これらの粉末の安定性を14日目のデスエチル体の含有率を指標に検討したところ、下記表3から明らかなように、ピンミル粉砕したカンデサルタンシレキセチルのI型結晶粉末は、未粉砕の粉末と同等の良好な安定性を示した。一方、ジェットミル粉砕したカンデサルタンシレキセチルI型結晶粉末の安定性は不良であった。
Claims (10)
- 難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた小粒子粉末の製造方法であって、
目的とする結晶型の大粒子を含む粉末を供給する工程、及び
当該大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない前記小粒子粉末を得る粉砕工程、
を含む製造方法。 - 前記難溶性医薬品が、カンデサルタンシレキセチルである請求項1に記載の方法。
- 粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmであり、かつ粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型の小粒子粉末の製造方法であって、
粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有するカンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を供給する工程(工程1)、及び
前記カンデサルタンシレキセチルI型の大粒子を含む粉末を、当該粉末のD90をD1(m)とし、粉砕後に得られる小粒子粉末のD90をD2(m)としたときに、{(1/D2)−(1/D1)}の値が10〜50(1/m)である仕事量で粉砕して前記小粒子粉末を得る粉砕工程(工程2)、
を含む製造方法。 - 前記大粒子を含む粉末のD90が前記小粒子粉末のD90の値よりも大きく、かつ8μm以上である請求項3に記載の方法。
- 前記供給する工程(工程1)が粉砕処理を含まない請求項3または4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記供給する工程(工程1)が結晶化法または晶析法である請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記粉砕工程(工程2)がピンミル粉砕法である請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 回転速度5000〜15000rpmの条件下でピンミル粉砕を行う請求項7に記載の方法。
- 難溶性医薬品原体粉末の溶解性及び安定性を向上させた、溶解性向上の妨げとなる粒径100μm以上の粒子を実質的に含まない小粒子粉末であって、
請求項1〜8のいずれかの記載の方法で得られる小粒子粉末。 - 粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=9.8、17.0、18.5、及び22.2±0.2°に特徴的なピークを有し、D90が5〜15μmである、溶解性及び安定性の向上したカンデサルタンシレキセチルI型結晶の小粒子粉末であって、
DSC測定で決定される融点が162℃以上167℃以下である小粒子粉末。
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