JP5929831B2 - 搬送システム - Google Patents

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Description

本発明は、搬送システムに関する。
この種の技術として、特許文献1は、ファンフィルターユニットを用いてウエハーを浮上搬送する浮上搬送装置を開示している。この浮上搬送装置は、搬送空間をカバーで囲うことで、搬送空間を清浄雰囲気にしている。この浮上搬送装置は、ウエハーの移動を停止するべく、搬送空間に突出するストッパーを進退自在に保持している。
特開2008-140987号公報
上記特許文献1の構成では、ストッパーの進退によって発生したダストが搬送空間内の空気清浄度を低下させてしまう虞がある。
本発明の目的は、搬送空間の空気清浄度を低下させることなく搬送対象物の移動を停止するための技術を提供することにある。
板状の搭載装置本体を有し、搬送対象物を搭載可能な搭載装置と、前記搭載装置本体に対して対向すると共に複数の噴射孔が形成された搬送板と、前記搬送板上に外部環境から隔離された搬送空間を形成するためのカバーと、清浄空気を生成する清浄空気生成手段と、を有し、前記清浄空気生成手段が生成した前記清浄空気を前記搬送板の前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射させることで前記搭載装置を浮上させつつ前記搭載装置を清浄雰囲気内で搬送する浮上搬送装置を備えた搬送システムであって、前記浮上搬送装置の前記搬送板は、前記搬送空間内の前記清浄空気を前記外部環境へ排出するための排出スリットを有し、前記搭載装置は、浮上搬送時に、前記排出スリットを通って前記外部環境に至るまで延びる操作部を有し、前記浮上搬送装置は、前記外部環境に配置され、前記操作部を用いて前記搭載装置の移動を所定位置にて停止する移動停止手段を更に有する、搬送システムが提供される。以上の構成によれば、前記移動停止手段が前記搬送空間から見て前記清浄空気の流れの下流側に配置されるので、前記移動停止手段の作動によって発生したダストが前記搬送空間に侵入することがない。従って、前記搬送空間の空気清浄度を低下させることなく前記搬送対象物の移動を前記所定位置にて停止することができる。
前記排出スリットは、前記搭載装置の搬送の方向に沿って形成されている。以上の構成によれば、前記搭載装置の前記操作部が前記排出スリットを通って前記外部環境に至る構成でも、前記搭載装置の搬送を問題なく行うことができる。
前記排出スリットは、前記浮上搬送装置の前記搬送板の前記複数の噴射孔の近傍に形成されている。以上の構成によれば、前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射された前記清浄空気が前記搬送空間内に満遍なく行き渡るので、前記搬送空間内で空気の澱みが発生し難い。
前記移動停止手段は、前記操作部と磁気的に結合可能な磁気結合部を有する。以上の構成によれば、前記搭載装置の移動を簡素な構成で停止させることができる。
前記搭載装置は、前記搬送対象物を搭載した状態で前記搬送対象物と重ならない位置に配置された突起を有する。以上の構成によれば、前記突起を用いて前記搭載装置を押し出すことで、前記操作部と前記磁気結合部との磁気的な結合を解除することができる。
前記移動停止手段は、前記操作部と磁気的に結合した前記磁気結合部を前記搭載装置の搬送の方向へ移動させると同時に前記操作部から遠ざけるように前記磁気結合部を移動させる磁気結合部移動手段を更に有する。以上の構成によれば、前記搭載装置を加速させながら前記操作部と前記磁気結合部との磁気的な結合を解除することができる。
前記浮上搬送装置は、前記搭載装置の搬送の方向に沿って延びる磁石である搬送案内磁石を有し、前記搭載装置には、浮上搬送時に前記浮上搬送装置の前記搬送案内磁石と同時に磁気的に結合可能な少なくとも2つの磁石である搬送案内対象磁石を有する。以上の構成によれば、前記搭載装置の浮上搬送時における向きを一定に維持することが可能となる。
前記カバーは、前記搬送板に対して着脱自在に構成されている。以上の構成によれば、前記搬送板のメンテナンス性がよい。
前記搬送板と前記カバーの間には、シール部材が配置されている。以上の構成によれば、前記搬送板と前記カバーとの間からの前記清浄空気の意図しない漏れを効果的に抑制できる。
前記浮上搬送装置は、前記清浄空気生成手段によって生成された前記清浄空気を前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射する前に一時的に溜め込む高圧空間を形成する高圧筒体と、前記高圧空間を前記搭載装置の搬送の方向において仕切ることで前記高圧空間を複数の高圧室に分割する仕切り板と、を有し、前記清浄空気生成手段によって生成された前記清浄空気は、前記仕切り板の近傍に形成される。以上の構成によれば、前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射された前記清浄空気の前記搬送空間内における噴射方向は鉛直上向き又は単一の方向に若干傾いた斜め上向きとなる。従って、前記搭載装置を前記単一の方向に搬送する場合は、その搬送を円滑に行うことができる。
本発明によれば、前記移動停止手段が前記搬送空間から見て前記清浄空気の流れの下流側に配置されるので、前記移動停止手段の作動によって発生したダストが前記搬送空間に侵入することがない。従って、前記搬送空間の空気清浄度を低下させることなく前記搬送対象物の移動を前記所定位置にて停止することができる。
図1は、半導体製造ラインの斜視図である。 図2は、パレットの斜視図である。 図3は、図2のA部拡大図であって、説明の便宜上、一部の線分を二点鎖線で描いている。 図4は、浮上搬送装置の一部切り欠き斜視図である。 図5は、浮上搬送装置の一部切り欠き斜視図である。 図6は、浮上搬送装置の一部切り欠き斜視図である。 図7は、図1のVII-VII線断面図である。 図8は、図1のVIII-VIII線断面図である。 図9は、浮上搬送装置の断面図であって、パレットの移動が禁止されている状態を示す図である。 図10は、浮上搬送装置の一部切り欠き斜視図であって、変形例を示す図である。
図1及び図2に示すように、半導体製造ライン1は、破線で示すウエハ2(搬送対象物)を搬送するウエハ搬送システム3(搬送システム)と、ウエハ2に対して所定の処理を行うプロセス装置4と、ウエハ搬送システム3によって搬送されているウエハ2をウエハ搬送システム3から受け取ってプロセス装置4に渡すと共にプロセス装置4によって処理されたウエハ2をプロセス装置4から受け取ってウエハ搬送システム3に戻す仲介装置5と、を備える。
ウエハ搬送システム3は、パレット6(搭載装置)と、浮上搬送装置7と、を備える。図1に示すように、浮上搬送装置7は、水平方向において直線的に構成されている。
ここで、図1を参照して、「システム長手方向」及び「鉛直方向」、「システム幅方向」を定義する。システム長手方向は、浮上搬送装置7の長手方向を意味する。システム長手方向のうち、ウエハ2を搬送する方向を「搬送方向」とし、搬送方向と反対の方向を「反搬送方向」とする。鉛直方向は、地面に対して垂直な方向である。鉛直方向のうち、地面に向かう方向を「下方向」とし、地面から離れる方向を「上方向」とする。システム幅方向は、システム長手方向及び鉛直方向に対して直交する方向である。システム幅方向のうち、浮上搬送装置7の中央に近づく方向をシステム幅中央方向とし、浮上搬送装置7の中央から離れる方向をシステム幅反中央方向とする。
(パレット6)
パレット6は、ウエハ2を搭載するものである。即ち、本実施形態のウエハ搬送システム3は、ウエハ2を直接的に搬送するのではなく、ウエハ2を搭載したパレット6を搬送することで間接的にウエハ2を搬送する。パレット6は、パレット本体8(搭載装置本体)と、3本の搭載ピン9、3本の位置決めピン10、一対のフラつき防止磁石11(搬送案内対象磁石)、押し出しピン12(突起)、一対の停止操作部13(操作部)、を備える。
パレット本体8は、薄板状に形成されている。パレット本体8は、長方形の基部14と、一対の張り出し部15と、を有する。本実施形態において、パレット6は、パレット本体8の基部14の長手方向がシステム長手方向に対して平行となるような姿勢で拘束されたまま、浮上搬送装置7によって搬送される。従って、以降、パレット6を説明するに際しても、前述した「システム長手方向」及び「鉛直方向」、「システム幅方向」をそのまま利用するものとする。一対の張り出し部15は、基部14の各長辺14aの略中央からシステム幅反中央方向へ突出する。
4本の搭載ピン9は、ウエハ2をパレット6に搭載するに際し、ウエハ2とパレット本体8との間の距離を制御するためのピンである。4本の搭載ピン9は、パレット本体8の基部14から上方向に突出するように配置されている。ウエハ2は、4本の搭載ピン9の上端に搭載される。即ち、ウエハ2は、4本の搭載ピン9によって支持される。
2本の位置決めピン10は、ウエハ2をパレット6に搭載するに際し、パレット6に対するウエハ2の水平方向での位置決めを行うためのピンである。2本の位置決めピン10は、一対の張り出し部15から上方向に突出するように配置されている。
一対のフラつき防止磁石11は、パレット6が浮上搬送装置7によって搬送される際の、パレット6を平面視で見たときのパレット6のフラつきを防止するための磁石である。一対のフラつき防止磁石11は、パレット本体8の基部14の各短辺14bの略中央近傍に配置されている。
押し出しピン12は、パレット6を搬送方向へ強制的に押し出すためのピンである。押し出しピン12は、パレット本体8の基部14から上方向に突出するように配置されている。押し出しピン12は、パレット6がウエハ2を搭載した状態でウエハ2と重ならないような位置に配置される。押し出しピン12は、パレット6がウエハ2を搭載した状態で、ウエハ2から離れるように配置される。押し出しピン12は、パレット6がウエハ2を搭載した状態で、ウエハ2よりも反搬送方向側となるように配置される。
一対の停止操作部13は、パレット6の移動を所定位置で停止するためのものである。図3に示すように、各停止操作部13は、薄板16と、パレット側停止磁石17と、を有する。各停止操作部13の薄板16は、パレット本体8の基部14の各各長辺14aの略中央から下方向に延びる。各停止操作部13のパレット側停止磁石17は、薄板16の下端に取り付けられている。なお、薄板16の下端は、平面視でシステム幅反中央方向に凸のV字状となるように若干折り曲げられている。
(浮上搬送装置7)
図1に示すように、浮上搬送装置7は、パレット浮上ユニット20と複数のカバー21、複数のFFU22(Fan Filter Unit)を備える。
複数のFFU22は、清浄空気を生成するものである。複数のFFU22は、システム長手方向において間隔を空けて配置されている。
パレット浮上ユニット20は、複数のFFU22が生成した清浄空気を用いてパレット6を浮上させつつパレット6を搬送するものである。図4に示すように、パレット浮上ユニット20は、中央ユニット23と、一対の側方ユニット24と、を備える。
中央ユニット23は、システム幅方向において一対の側方ユニット24に挟まれるように配置されている。中央ユニット23は、高圧筒体25と、マグネットガイド26(搬送案内磁石)と、を有する。高圧筒体25は、複数のFFU22によって生成された清浄空気を溜め込むことで高圧空間Pを形成するものである。高圧筒体25は、システム長手方向に延びる。高圧筒体25は、天板27と一対の側板28、底板29によって構成される。天板27には、複数の噴射スリット30(噴射孔)が形成されている。複数の噴射スリット30は、高圧筒体25内の清浄空気を上方向に噴射するためのスリットである。複数の噴射スリット30は、システム長手方向に2列を成して並んでいる。マグネットガイド26は、パレット6が浮上搬送装置7によって搬送される際の、パレット6を平面視で見たときのパレット6のフラつきを防止するための磁石である。マグネットガイド26は、システム長手方向に直線的に延びている。マグネットガイド26は、天板27の下面27aに取り付けられている。
また、図5に示すように、中央ユニット23は、複数の仕切り板40を有する。複数の仕切り板40は、高圧筒体25内に形成された高圧空間Pをシステム長手方向で仕切る薄板である。高圧空間Pは、複数の仕切り板40で仕切られることで、複数の高圧室Qに分割されている。そして、底板29には、FFU22によって生成された清浄空気を高圧室Qに供給するための複数の供給孔41が形成されている。各供給孔41は、仕切り板40の近傍に形成されている。各供給孔41は、仕切り板40の配置位置よりも僅かに搬送方向側にズレた位置に形成されている。
図4に戻り、各側方ユニット24は、天板31と側板32、底板33、シール34(シール部材)を有する。一対の側方ユニット24は、システム幅方向において線対称であるから、一方の側方ユニット24のみ説明し、他方の説明は省略する。
天板31は、中央ユニット23の高圧筒体25の天板27に対してシステム幅方向で隣り合っている。天板31と天板27の間には、ガイドスリット35(排出スリット)が形成されている。ガイドスリット35は、システム長手方向に沿って細長く形成されている。シール34は、側板32からシステム幅反中央方向に突出している。
また、図6に示すように、各側方ユニット24は、浮上ユニット側停止磁石42(磁気結合部、移動停止手段)を有する。浮上ユニット側停止磁石42は、底板33に支持されている。浮上ユニット側停止磁石42は、天板31の下方向側に配置されている。浮上ユニット側停止磁石42は、外部環境Fに配置されている。浮上ユニット側停止磁石42は、ガイドスリット35の下方向に配置されている。
そして、図4に戻り、中央ユニット23の高圧筒体25の天板27と、一対の側方ユニット24の天板31と、によって搬送板36が構成される。
中央ユニット23と一対の側方ユニット24は、所定の位置で相互に連結されている。
複数のカバー21は、搬送板36上に外部環境Fから隔離された搬送空間Sを形成するためのものである。複数のカバー21は、システム長手方向に並べて配置されている。各カバー21は、システム長手方向で見て下方向に開口する断面U字状に形成されている。各カバー21は、天板37と一対の側板38を有する。そして、各カバー21の一対の側板38でパレット浮上ユニット20をシステム幅方向で挟み込むことで、各カバー21とパレット浮上ユニット20の搬送板36との間に搬送空間Sが形成される。なお、各カバー21の一対の側板38でパレット浮上ユニット20をシステム幅方向で挟み込むと、各カバー21の一対の側板38は、パレット浮上ユニット20の各側方ユニット24のシール34に対して接触し、シール34がシステム幅中央方向に圧縮されるようにシール34を弾性変形させる。各カバー21は、シール34の自己弾性復元力によってパレット浮上ユニット20との間で気密にシールされている。なお、各カバー21は、上方向へ引っ張り上げればパレット浮上ユニット20から比較的容易に取り外すことができる。
次に、図7及び図8を参照して、浮上搬送装置7内における清浄空気の流れについて説明する。先ず、FFU22によって生成された清浄空気は、パレット浮上ユニット20の中央ユニット23の高圧筒体25の底板29の供給孔41を通って高圧筒体25内の高圧空間Pの高圧室Qに供給される。この結果、高圧室Qの気圧は、例えば2atm程度の高気圧(第1の気圧)となる。
次に、高圧室Q内の圧縮状態にある清浄空気は、パレット浮上ユニット20の中央ユニット23の高圧筒体25の天板27が有する複数の噴射スリット30を通って上方向に、搬送空間Sへ噴射される。これにより、搬送空間Sの気圧は、高圧室Qの気圧である高気圧よりも低く、外部環境Fの気圧である大気圧(第3の気圧)よりも高い、例えば20Pa(ゲージ圧)程度の中気圧(第2の気圧)となる。図5には、各噴射スリット30から噴射された清浄空気の流れの向きを太い矢印で示している。図5に示すように、高圧室Q内の清浄空気は、複数の噴射スリット30を通って概ね上方向に噴射されるが、実際には若干傾いて噴射される。詳しくは、複数の噴射スリット30のうち供給孔41に近い噴射スリット30を通って噴射される清浄空気は確かに殆ど上方向に噴射されるが、供給孔41から離れた噴射スリット30を通って噴射される清浄空気の噴射は、供給孔41から離れる方向の水平成分を有している。ところで、本実施形態では、供給孔41が仕切り板40の配置位置よりも僅かに搬送方向側にズレた位置に形成されている。従って、供給孔41から離れた噴射スリット30を通って噴射される清浄空気の噴射は、搬送方向の水平成分を有することになる。別の言葉で言えば、清浄空気は、殆ど上方向か若干搬送方向に傾きながら高圧室Qから搬送空間Sへと噴射される。
次に、図8に示すように、高圧室Qから複数の噴射スリット30を通じて搬送空間Sへ噴射された清浄空気は、搬送空間Sを清浄雰囲気に維持しつつ、やがてガイドスリット35から外部環境Fへ排出される。ここで、ガイドスリット35は複数の噴射スリット30の近傍に形成されているので、高圧室Qから複数の噴射スリット30を通じて搬送空間Sへ噴射された清浄空気は、搬送空間S内に満遍なく行き渡ることになり、搬送空間S内での空気の澱みが発生し難くなっている。
図9には、高圧室Qから複数の噴射スリット30を通じて搬送空間Sへ噴射された清浄空気により、パレット6が搬送空間S内で浮上している様子を示している。図9に示すように、パレット浮上ユニット20の搬送板36と、パレット6のパレット本体8の基部14と、の間に清浄空気が高い圧力で供給されることで、パレット6は、搬送空間S内で浮上する。そして、パレット6のパレット本体8の基部14に斜めに形成された図示しない駆動スリットの存在により、パレット6は、浮上しながら搬送方向へと搬送される。
このとき、図2に示すパレット6の一対のフラつき防止磁石11が、図4に示す浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の中央ユニット23のマグネットガイド26と磁気的に結合する。これにより、図2に示すパレット6は、浮上搬送時、搬送空間S内でパレット6を平面視で見てふらつき難い。
また、図9に示すように、パレット6の停止操作部13は、浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の搬送板36のガイドスリット35を通じて、搬送板36の下方向に突出している。そして、浮上搬送装置7のシステム長手方向における所定の位置において、パレット6の停止操作部13のパレット側停止磁石17と、浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の側方ユニット24の浮上ユニット側停止磁石42と、が磁気的に結合する。これにより、浮上搬送装置7のシステム長手方向における所定の位置において、パレット6は、浮上したまま浮上搬送装置7によって拘束され、パレット6の移動が禁止される。このように、浮上搬送装置7のシステム長手方向における所定の位置においてパレット6の移動が禁止されることで、図1に示す仲介装置5が浮上搬送装置7からウエハ2を簡単に受け取ることができるようになる。なお、「磁気的な結合」とは、物理的な接触を伴った磁気的結合である場合と、物理的な接触を伴わない磁気的結合で場合と、が考えられる。本実施形態では、物理的な接触を伴わない磁気的結合を例示している。
上記のように、パレット6の移動が禁止され、パレット6に搭載されているウエハ2が仲介装置5によってプロセス装置4に引き渡され、プロセス装置4による所定の処理が完了すると、処理後のウエハ2が仲介装置5によってパレット6上に再び搭載される。その後、パレット6の移動を再開するには、仲介装置5が有するロボットアームなどを用いて図2に示すパレット6の押し出しピン12を搬送方向に押し出してやればよい。これにより、パレット6の停止操作部13のパレット側停止磁石17と、浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の側方ユニット24の浮上ユニット側停止磁石42と、の磁気的な結合が強制的に解除されるので、パレット6の移動が再び許容されることになる。ところで、パレット6の停止操作部13のパレット側停止磁石17と、浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の側方ユニット24の浮上ユニット側停止磁石42と、は相互に物理的に接触する場合がある。物理的な接触はダストの発生源となる。しかしながら、パレット6の停止操作部13のパレット側停止磁石17と、浮上搬送装置7のパレット浮上ユニット20の側方ユニット24の浮上ユニット側停止磁石42と、がシステム幅方向において対向する場所は、搬送空間Sから見て、清浄空気の流れの下流側である。従って、仮に、上記の物理的な接触によりダストが発生したとしても、発生したダストが搬送空間S内に侵入することはなく、搬送空間Sの空気清浄度が高いレベルで維持されることになる。
それでも、搬送板36は定期的にアルコール拭き取りなどによる清掃をすることが好ましい。これに対し、本実施形態において複数のカバー21は、シール34の自己弾性復元力によりパレット浮上ユニット20に保持されているだけなので、パレット浮上ユニット20から簡単に取り外すことができる。従って、本実施形態の浮上搬送装置7はメンテナンス性が高い。
以上に、本願発明の好適な実施形態を説明したが、上記実施形態は、以下の特長を有する。
(1)ウエハ搬送システム3(搬送システム)は、板状のパレット本体8(搭載装置本体)を有し、ウエハ2(搬送対象物)を搭載可能なパレット6(搭載装置)と、パレット本体8に対して対向すると共に複数の噴射スリット30(噴射孔)が形成された搬送板36と、搬送板36上に外部環境Fから隔離された搬送空間Sを形成するためのカバー21と、清浄空気を生成するFFU22(清浄空気生成手段)と、を有し、FFU22が生成した清浄空気を搬送板36の複数の噴射スリット30から搬送空間S内に噴射させることでパレット6を浮上させつつパレット6を清浄雰囲気内で搬送する浮上搬送装置7と、を備える。浮上搬送装置7の搬送板36は、搬送空間S内の清浄空気を外部環境Fへ排出するためのガイドスリット35(排出スリット)を有する。パレット6は、浮上搬送時に、ガイドスリット35を通って外部環境Fに至るまで延びる停止操作部13(操作部)を有する。浮上搬送装置7は、外部環境Fに配置され、停止操作部13を用いてパレット6の移動を所定位置にて停止する移動停止手段を更に有する。以上の構成によれば、移動停止手段が搬送空間Sから見て清浄空気の流れの下流側に配置されるので、移動停止手段の作動によって発生したダストが搬送空間Sに侵入することがない。従って、搬送空間Sの空気清浄度を低下させることなくウエハ2の移動を所定位置にて停止することができる。なお、本実施形態において移動停止手段は、浮上ユニット側停止磁石42によって構成される。
(2)ガイドスリット35は、システム長手方向(パレット6の搬送の方向)に沿って形成されている。以上の構成によれば、パレット6の停止操作部13がガイドスリット35を通って外部環境Fに至る構成でも、パレット6の搬送を問題なく行うことができる。
また、ガイドスリット35は、浮上搬送装置7の搬送板36に形成されている。以上の構成によれば、搬送空間S内の清浄空気の、外部環境Fへの排出の方向を下向きにすることができる。
(3)ガイドスリット35は、浮上搬送装置7の搬送板36の複数の噴射スリット30の近傍に形成されている。以上の構成によれば、複数の噴射スリット30から搬送空間S内に噴射された清浄空気が搬送空間S内に満遍なく行き渡るので、搬送空間S内で空気の澱みが発生し難い。
(4)移動停止手段は、停止操作部13と磁気的に結合可能な浮上ユニット側停止磁石42(磁気結合部)を有する。以上の構成によれば、パレット6の移動を簡素な構成で停止させることができる。
(5)パレット6は、ウエハ2を搭載した状態でウエハ2と重ならない位置に配置された押し出しピン12(突起)を有する。以上の構成によれば、押し出しピン12を用いてパレット6を押し出すことで、停止操作部13と浮上ユニット側停止磁石42との磁気的な結合を解除することができる。
(7)浮上搬送装置7は、システム長手方向(パレット6の搬送の方向)に沿って延びる磁石であるマグネットガイド26(搬送案内磁石)を有する。パレット6には、浮上搬送時に浮上搬送装置7のマグネットガイド26と同時に磁気的に結合可能な少なくとも2つの磁石であるフラつき防止磁石11(搬送案内対象磁石)を有する。以上の構成によれば、パレット6の浮上搬送時における向きを一定に維持することが可能となる。
(8)カバー21は、搬送板36に対して着脱自在に構成されている。以上の構成によれば、搬送板36のメンテナンス性がよい。
(9)搬送板36とカバー21の間には、シール34(シール部材)が配置されている。以上の構成によれば、搬送板36とカバー21との間からの清浄空気の意図しない漏れを効果的に抑制できる。
(10)浮上搬送装置7は、FFU22によって生成された清浄空気を複数の噴射スリット30から搬送空間S内に噴射する前に一時的に溜め込む高圧空間Pを形成する高圧筒体25と、高圧空間Pをシステム長手方向(パレット6の搬送の方向)において仕切ることで高圧空間Pを複数の高圧室Qに分割する仕切り板40と、を有する。FFU22によって生成された清浄空気は、仕切り板40の近傍に形成される。以上の構成によれば、複数の噴射スリット30から搬送空間S内に噴射された清浄空気の搬送空間S内における噴射方向は鉛直上向き又は単一の方向に若干傾いた斜め上向きとなる。従って、パレット6を上記単一の方向に搬送する場合は、その搬送を円滑に行うことができる。
以上に、上記実施形態を説明したが、上記実施形態は以下のように変更できる。
図6に示すように、上記実施形態では、移動停止手段としての浮上ユニット側停止磁石42は側方ユニット24に固定されているとした。しかし、これに代えて、図10に示すように、浮上ユニット側停止磁石42が側方ユニット24によって移動可能に支持される構成を採用してもよい。具体的には、側方ユニット24は、モータ50(磁気結合部移動手段)と、モータ50の回転軸に取り付けられた円盤51と、浮上ユニット側停止磁石42と、を備える。浮上ユニット側停止磁石42は、円盤51の円周上の任意の箇所に取り付けられている。以上の構成によれば、モータ50を駆動させることで、パレット6の停止操作部13のパレット側停止磁石17と磁気的に結合した浮上ユニット側停止磁石42を搬送方向へ移動させると同時に停止操作部13から遠ざけるように浮上ユニット側停止磁石42を移動させることができる。即ち、本変形例は以下の特長を有する。
(6)移動停止手段は、停止操作部13と磁気的に結合した浮上ユニット側停止磁石42を搬送方向(パレット6の搬送の方向)へ移動させると同時に停止操作部13から遠ざけるように浮上ユニット側停止磁石42を移動させる磁気結合部移動手段を更に有する。以上の構成によれば、パレット6を加速させながら停止操作部13と浮上ユニット側停止磁石42との磁気的な結合を解除することができる。なお、本実施形態において移動停止手段は、浮上ユニット側停止磁石42とモータ50と円盤51により実現される。磁気結合部移動手段は、モータ50及び円盤51によって実現される。
1 半導体製造ライン
2 ウエハ
3 ウエハ搬送システム
6 パレット
7 浮上搬送装置

Claims (8)

  1. 板状の搭載装置本体を有し、搬送対象物を搭載可能な搭載装置と、
    前記搭載装置本体に対して対向すると共に複数の噴射孔が形成された搬送板と、前記搬送板上に外部環境から隔離された搬送空間を形成するためのカバーと、清浄空気を生成する清浄空気生成手段と、を有し、前記清浄空気生成手段が生成した前記清浄空気を前記搬送板の前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射させることで前記搭載装置を浮上させつつ前記搭載装置を清浄雰囲気内で搬送する浮上搬送装置と、
    を備えた搬送システムであって、
    前記浮上搬送装置の前記搬送板は、前記搬送空間内の前記清浄空気を前記外部環境へ排出するための排出スリットを有し、
    前記搭載装置は、浮上搬送時に、前記排出スリットを通って前記外部環境に至るまで延びる操作部を有し、
    前記浮上搬送装置は、前記外部環境に配置され、前記操作部を用いて前記搭載装置の移動を所定位置にて停止する移動停止手段を更に有し、
    前記移動停止手段は、
    モータと、
    前記モータの回転軸に取り付けられた円盤と、
    前記円盤の円周上の任意の箇所に取り付けられ、前記操作部と磁気的に結合可能な磁気結合部と、
    を有する、
    搬送システム。
  2. 請求項1に記載の搬送システムであって、
    前記排出スリットは、前記搭載装置の搬送の方向に沿って形成されている、
    搬送システム。
  3. 請求項2に記載の搬送システムであって、
    前記排出スリットは、前記浮上搬送装置の前記搬送板の前記複数の噴射孔の近傍に形成されている、
    搬送システム。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の搬送システムであって、
    前記搭載装置は、前記搬送対象物を搭載した状態で前記搬送対象物と重ならない位置に配置された突起を有する、
    搬送システム。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の搬送システムであって、
    前記浮上搬送装置は、前記搭載装置の搬送の方向に沿って延びる磁石である搬送案内磁石を有し、
    前記搭載装置には、浮上搬送時に前記浮上搬送装置の前記搬送案内磁石と同時に磁気的に結合可能な少なくとも2つの磁石である搬送案内対象磁石を有する、
    搬送システム。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の搬送システムであって、
    前記カバーは、前記搬送板に対して着脱自在に構成されている、
    搬送システム。
  7. 請求項に記載の搬送システムであって、
    前記搬送板と前記カバーの間には、シール部材が配置されている、
    搬送システム。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の搬送システムであって、
    前記浮上搬送装置は、前記清浄空気生成手段によって生成された前記清浄空気を前記複数の噴射孔から前記搬送空間内に噴射する前に一時的に溜め込む高圧空間を形成する高圧筒体と、前記高圧空間を前記搭載装置の搬送の方向において仕切ることで前記高圧空間を複数の高圧室に分割する仕切り板と、を有し、
    前記清浄空気生成手段によって生成された前記清浄空気は、前記仕切り板の近傍に形成される、
    搬送システム。
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