JP5929704B2 - 内燃機関の排ガス処理装置 - Google Patents

内燃機関の排ガス処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5929704B2
JP5929704B2 JP2012233998A JP2012233998A JP5929704B2 JP 5929704 B2 JP5929704 B2 JP 5929704B2 JP 2012233998 A JP2012233998 A JP 2012233998A JP 2012233998 A JP2012233998 A JP 2012233998A JP 5929704 B2 JP5929704 B2 JP 5929704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular groove
insulator
exhaust gas
particulate matter
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012233998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014084783A (ja
Inventor
良彦 松井
良彦 松井
勇貴 梅本
勇貴 梅本
信行 佐竹
信行 佐竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2012233998A priority Critical patent/JP5929704B2/ja
Publication of JP2014084783A publication Critical patent/JP2014084783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5929704B2 publication Critical patent/JP5929704B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)

Description

本発明は、内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質を、コロナ放電を利用して帯電凝集させる凝集部を備える排ガス処理装置に関する。
近年の燃費向上要求に対し、自動車用ガソリンエンジンにおいて、筒内に直接燃料を噴射する直噴ガソリンエンジンの導入が進められている。一方、筒内噴射方式では、環境や健康への影響が懸念される粒子状物質(PM:パティキュレートマター)が排出されやすく、直噴ガソリンエンジンにおいても、排出粒子数等の規制が強化される傾向にあることから、対策が急務となっている。
粒子状物質を含む排気ガスの後処理装置として、一般には、ハニカム目封じ構造のパティキュレートフィルタが知られるが、粒子のすり抜けを防止するためにフィルタの細孔径を小さくすると目詰まりしやすく、捕集効率と低圧損が相反する関係にある。特に、直噴ガソリンエンジンから排出される粒子状物質は、ディーゼルエンジンに比し粒子径がより小さい微小粒子(例えば50nm)になる傾向が示唆されておりパティキュレートフィルタの有効性に限界がある。
そこで、コロナ放電を利用した電気集塵による後処理装置が検討されている。この装置は、放電プラグの高電圧電極と円筒管状の接地電極を対向させて配し、両電極の間に高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させて、粒子状物質を帯電凝集させる凝集部を備える。このような凝集部を、直噴ガソリンエンジンの排気通路の途中に設置すると、微小粒子を凝集粒子化してPM粒子数を低減し、クーロン力で捕集することができるので、圧損を増加させることなく浄化性能を向上させる効果が期待される。
ところで、低温始動時やエンジン負荷の変動時など、排気管に流入する粒子状物質が増大すると、放電プラグの絶縁碍子部に粒子状物質が衝突して付着しやすくなる。電気抵抗の低い煤を含む粒子状物質が堆積すると、碍子表面に電流が流れるため、安定した電圧を印加できなくなり、電気集塵効果が得られなくなる問題がある。これに対して、火力発電所等のプラントでは、電気集塵装置に碍子室を設けて、碍子部にオイルやガスを流すことでPM付着抑制を行なっているが、自動車等への適用は、システムの複雑化、スペース確保、コスト高といった問題から困難であった。
特許文献1では、絶縁碍子部へのPM付着による絶縁性の低下を回復するように、高電圧電源部から放電電極への電圧印加状態を制御する通電制御部を設けることが提案されている。通電制御部は、PM付着による過電流を検出したら、印加電圧を上昇させて、碍子部の表面に沿面放電を発生させ、付着成分を除去する。また、碍子部は、放電部の外周を囲む部分が途切れる境界領域を窪ませて環状凹部を形成し、粒子状物質が流れ込みにくく、付着しにくい空間を形成して絶縁性の低下を抑制している。
特開2006−105081号公報
ところが、特許文献1の構成を直噴ガソリンエンジンに適用し、通電による回復制御を実施したところ、必ずしもPM除去に十分な効果が得られない不具合が生じた。その一因は、碍子部の環状凹部の大きさやPM付着状態が、通電によるPM酸化に大きく影響し、酸化が起こる場合と起こらない場合が生じることにあると推測させる。その結果、絶縁性回復がなされないと、リーク電流量が増大してコロナ放電が安定せず、集塵捕集能力の低下およびエネルギロスの増大をまねく。
そこで、本願発明は、コロナ放電を利用した排ガス処理装置、特に放電プラグ構造を見直すことによって、絶縁碍子部の絶縁性を回復するための通電制御を効率よく実施可能とし、周辺形状を見直すことによって、PM付着時の通電回復制御を容易にし、浄化性能およびエネルギ効率を向上することを目的とする。
本発明請求項1の排ガス処理装置は、
内燃機関の排気管路に接続される筒状ハウジングと該筒状ハウジングに取り付けられる放電プラグを有し、上記筒状ハウジング内の放電空間にコロナ放電を生起して排ガス中の粒子状物質を帯電凝集させる凝集部を備えており、
上記放電プラグは、上記放電空間に先端側が露出する高電圧電極と、該高電圧電極の基端側外周を保持する絶縁碍子部と、該絶縁碍子部の中間部外周を保持し、接地電極となる上記筒状ハウジングに固定される取付金具とからなり、
上記放電空間において、上記高電圧電極の外表面と上記絶縁碍子部の端縁部内周面との間に第1の環状溝部を形成し、上記絶縁碍子部の外表面と上記取付金具の端縁部内周面との間に第2の環状溝部を形成し、かつ、上記第1の環状溝部および上記第2の環状溝部は、軸方向の少なくとも一部に粒子状物質の付着を許容する小隙間部をそれぞれ有すると共に、これら小隙間部の一方または両方が、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部の周方向の一部に形成され他の部位よりも溝幅が狭い小隙間部である。そして、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部の小隙間部に隣接する上記絶縁碍子部または上記取付金具の表面に、粒子状物質の付着しやすい材質からなる易付着部を形成することを特徴とする。
本発明請求項2の装置は、上記絶縁碍子部の先端部または上記取付金具の先端部の一部を径方向内方に延出して、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部に上記他の部位よりも溝幅が狭い小隙間部を形成する。
本発明請求項の装置は、上記第1の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部の端縁部、または上記第2の環状溝部を形成する上記取付金具の端縁部を、断面が円形、楕円、三角、四角、多角形の筒状形状とする。
本発明請求項の装置は、上記第1の環状溝部を形成する上記高電圧電極、または上記第2の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部を、断面が円形、楕円、三角、四角、多角形の外周形状とする。
本発明請求項の装置は、上記第1の環状溝部を形成する上記高電圧電極と上記絶縁碍子部の端縁部、または上記第2の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部と上記取付金具の端縁部とを偏芯させて配置する。
請求項1の排気浄化装置は、凝集部の放電プラグに高電圧を印加して放電空間内にコロナ放電を発生させ、排気ガスに含まれる粒子状物質を帯電凝集する。ここで、放電プラグの絶縁碍子部に、電気抵抗の低い粒子状物質が付着し、碍子表面に電流が流れると、電気集塵効果が低下することから、絶縁碍子部の内外に第1、第2の環状溝部を形成して、電流リーク経路を分断する一方、第1、第2の環状溝部のそれぞれについて、その少なくとも一部は、小隙間部として粒子状物質の付着を許容する。小隙間部に付着した粒子状物質が第1、第2の環状溝部を埋めると、この部分に電流が集中して赤熱し、次いで沿面放電が生じて、碍子表面の粒子状物質が酸化除去される。
本発明では、絶縁碍子部の端縁部と高電圧電極の外表面、取付金具の端縁部と絶縁碍子部の外表面の間に、それぞれ粒子状物質が付着しやすい小隙間部を設け、付着した粒子状物質を比較的早期に除去することができる。また、小隙間部に隣接して粒子状物質の付着しやすい易付着部を形成すると、小隙間部へ粒子状物質を誘導付着させることができる。よって、第1、第2の環状溝部による絶縁を維持し、安定した電圧を印加可能となるので、凝集部の集塵効果を最大限に発揮できる。
好適には、小隙間部を、絶縁碍子部の先端部または上記取付金具の先端部の少なくとも一部を径方向内方に延出して形成することができ、所定の径方向距離を容易に設定できる(請求項2)
絶縁碍子部または取付金具の端縁部を円筒状とすると、一定径の高電圧電極との間に、所定幅の第1の環状溝部または上記第2の環状溝部が形成される。楕円、三角、四角、多角形断面の筒状とすると、第1の環状溝部または上記第2の環状溝部を、溝幅が部位により異なるリング形状となり、小隙間部を容易に設定することができる(請求項)。高電圧電極または絶縁碍子部を、円形、楕円、三角、四角、多角形状としてもよく、あるいは、これらを偏芯配置することによっても、同様の効果が得られる(請求項4、5)。
内燃機関の排ガス処理装置の基本構成を示す第1形態において、主要部となる凝集部に用いられる放電プラグの全体概略構成を示す一部断面図および要部拡大図である。 第1形態の排ガス処理装置の主要部である凝集部の全体断面図である。 第1形態に用いられる放電プラグの側面図および正面図である。 第1形態の放電プラグにおける粒子状物質付着のメカニズムを説明するための図である。 排ガス処理装置の基本構成を示す第2形態における放電プラグの全体概略構成図および要部拡大図である。 排ガス処理装置の実施形態である第3形態における放電プラグの絶縁碍子部の構成例を示す図である。 排ガス処理装置の実施形態である第4形態における放電プラグの絶縁碍子部および高電圧電極の形状およびそれらの組み合わせ例を示す図である。 排ガス処理装置の実施形態である第5形態における放電プラグの絶縁碍子部および高電圧電極の形状およびそれらの組み合わせ例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明適用される内燃機関の排ガス処理装置の基本構成を示す第1形態について説明する。図2は、排ガス処理装置を構成する凝集部1であり、図示しないエンジン排気管路の途中に配置されている。凝集部1は、両端が排気管に接続される円筒状ハウジングHと、ハウジングHの上部壁に固定される放電プラグ2を有し、放電プラグ2の下半部が位置するハウジングHの内部を排気通路11としている。本形態において、エンジンは、筒内に燃料を直接噴射する方式の直噴ガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンであり、エンジンから排出される燃焼排気ガス(以下、排ガスと称する)に煤を主体とする粒子状物質(PM)が含まれる。
形態の凝集部1は、図2の左方を排気ガス流れの上流側、右方を下流側とし、ハウジングHの左端開口部をエンジンからの排気ガスが導入される入口部12として説明する。放電プラグ2は、先端側が放電空間となる排気通路11に露出し、基端側外周が絶縁碍子部3に保持される高電圧電極21を有し、絶縁碍子部3の中間部外周を保持する取付金具4にて、ハウジングHの取付部H1に取り付けられる。取付部H1は、ハウジングHから上方に突出する筒状部で内周面にねじ部が形成され、取付金具4を螺挿してナットで締結する。ハウジングHは車体に接続されており、排気通路11壁となるハウジングHの内周壁は接地電位の集塵電極5となっている。
図3に詳細を示す放電プラグ2は、絶縁碍子部3から露出する高電圧電極21の先端側を放電部22とする。放電部22は、L字状に屈曲しハウジングHの中心軸に沿って配置される棒状支持体23と、その外周に固定され軸方向に等間隔で配置される多数の放電体24を有している。放電体24は、ガス流れに対向するように配置された星型形状の板状体で、外周に多数の突起状電極25が放射状に配置されている。高電圧電極21の基端側端部は端子部26となる。突起状電極25を均等配置することによって、放電空間の全体に均等にコロナ放電を発生させて、凝集効果を高めることができる。
図2において、これら多数の放電体24は、突起状電極25がハウジングHの径方向に突出して、放電部22を同心状に取り囲む筒状の集塵電極5と、所定のギャップGで対向している。放電プラグ2の基端側半部(図の上半部)は、ハウジングHの外部空間に位置し、端子部26に接続される図示しない高電圧電源から高電圧が印加される。なお、放電部22の長さLは、放電空間のガス流れ方向の距離であり、放電体24の設置間隔S、突起数Nを適宜設定することで、放電空間内に所望の電界を均一形成することができる。
次に、図1により、本発明が適用される放電プラグの基本構成について詳述する。放電プラグ2の絶縁碍子部3は筒状体で、筒穴31内に棒状の高電圧電極21が挿通され、端子部26から放電部22への導電経路を絶縁保持している。絶縁碍子部3は、例えばアルミナ等のセラミック絶縁材料にて構成される。本形態では、絶縁碍子部3の先端側(図の下端側)の端縁部と、高電圧電極21の外表面との間に、第1の環状溝部32を形成する一方、取付金具4の先端側(図の下端側)の筒状端縁部41と、絶縁碍子部3の外表面との間に第2の環状溝部42を形成し、さらに、第1環状溝部32、第2環状溝部42の一方または両方において、周方向の少なくとも一部に粒子状物質の付着を許容する小隙間部を設ける。本形態では、第1環状溝部32に小隙間部34を、第2環状溝部42に小隙間部44を有している。
図1中に拡大して示す(図中A)第1環状溝部32は、絶縁碍子部3の下端縁部において、高電圧電極21に対向する内周面を、略全周に渡って所定高さ・所定幅で切り欠いて形成される。この時、略円形断面の内周面の一部に平面部33を設け、平面部33と対向する高電圧電極21の外表面との間に、他の部位より幅狭の小隙間部34を形成する。このように、第1環状溝部32により、高電圧電極21の露出表面を取り囲む環状空間を形成して、絶縁性を確保しつつ、さらに、その一部を小隙間部34として粒子状物質を誘導付着させることで、絶縁性の回復を容易にすることができる。
図1中に拡大して示す(図中B)第2環状溝部42は、取付金具4の下端縁部において、取付金具4の外表面の延長上に下方へ突出する筒状部41を一体に設けて、その内側に形成される。この時、筒状部41の内側に、さらに、絶縁碍子部3の外表面と略平行に下方へ突出する筒状凸部43を一体に設けて、対向する絶縁碍子部3の外表面を、所定高さ・所定幅で取り囲む小隙間部44を形成する。筒状部41の高さは、筒状凸部43の高さより高く設定される。このように、第2環状溝部42により、絶縁碍子部3の露出表面を取り囲む環状空間を形成して、絶縁性を確保しつつ、さらに、その内方に幅狭の小隙間部44を形成して粒子状物質を誘導付着させることで、絶縁性の回復を容易にすることができる。
第1環状溝部32、第2環状溝部42の幅は、熱膨張係数差や組み付けを考慮した通常のクリアランスより十分大きく、付着した粒子状物質が容易に対向する高電圧電極21、または絶縁碍子部3の外表面に到達しないように、例えば、0.1mm〜2mmの範囲で適宜設定される。これら溝幅を、想定付着粒子の最大粒径(通常、約200μm)の10倍(200μm×10=2mm)程度ないしそれ以下とすることで、絶縁性の確保に十分なギャップとすることができる。第2環状溝部42を構成する筒状部41の取付け位置や形状は、溝幅に応じて適宜変更することができる。第1環状溝部32、第2環状溝部42の深さは、付着した粒子状物質によって容易に溝が埋まらないように、通常、溝幅以上に設定される。
小隙間部34、小隙間部44は、それぞれ第1環状溝部32、第2環状溝部42の最小ギャップとなる部位であり、第1環状溝部32、第2環状溝部42よりも先に付着した粒子状物質が対向面に到達して、ブリッジを形成しやすい。このブリッジに電流が流れることで、付着した粒子状物質が酸化除去され、さらに沿面放電を誘起して、絶縁碍子部3の表面に付着した粒子状物質が酸化する。本実施形態では、絶縁碍子部3の先端側と取付け側の2箇所に2つの小隙間部34、小隙間部44を形成しているので、いずれかにて沿面放電を生起すれば、表面の粒子状物質が分断されて、容易に絶縁性を回復することができる。
小隙間部34、小隙間部44の幅は、第1環状溝部32、第2環状溝部42よりも小さければよく、通常、最小ギャップが1mm以下、好適には、10μm(0.01mm)〜0.5mmの範囲で適宜設定される。10μm以上とすることで、想定付着粒子、例えば直噴ガソリンエンジンから排出される付着微粒子の平均粒径(通常、約100nm)の100倍(100nm×100=10μm)程度ないしそれ以上となり、最小ギャップを対象エンジン等に応じて適宜設定することで、粒子状物質の付着状態および回復処理を容易に制御できる。最小ギャップが10μmより小さいと、わずかな粒子状物質でブリッジが形成され、回復制御の頻度が増すので好ましくない。また、想定付着粒子の最大粒径(通常、約200μm)の5倍(200μm×5=1mm)以下、好ましくはその半分(0.5mm)程度ないしそれ以下とすることで、必要以上にギャップが大きくならず、粒子状物質が排出される運転状態において確実に回復制御を実施可能となる。
上記構成の排ガス処理装置の作動を説明する。図4において、放電プラグ2の端子部26に、高電圧電源6から負の直流高電圧が印加されると(例えば、−5〜−20KV)、放電部22の放電体24近傍においてコロナ放電が発生し、電子が放射される。一方、図2の入口部12から、凝集部1内に排ガスが流入しており、排ガス中の粒子状物質は、放電空間に存在する電子またはイオンによって負に帯電する。帯電した粒子状物質は、クーロン力によって外周側へ移動し、集塵電極5に静電捕集される。粒子状物質は、ここで電子を放出し、凝集粒子となる。これにより、微小な粒子状物質を粗大化して捕集し、粒子状物質の個数を低減することができる。
ここで、放電プラグ2の絶縁碍子部3は、下半部が凝集部1内に突出位置して、排ガス流に晒されており、絶縁碍子部3の外表面にも粒子状物質が付着する。導電性の煤を含む粒子状物質の付着量が増加すると、絶縁性が低下して碍子表面に電流が流れるために、安定した電圧を印加できず、凝集部1の電気集塵性能を低下させるおそれがある。そこで、粒子状物質が排出される運転条件においては、定期的に粒子状物質を酸化除去して絶縁性を回復させる回復制御を行う。具体的には、放電電流を監視して過電流を検知した時に、印加電圧(絶対値)を通常より上昇させ、絶縁碍子部3の内周側の小隙間部34、外周側の小隙間部44に付着した粒子状物質を通電により酸化除去する。
この時、図4に拡大して示すように、絶縁碍子部3の先端側では、第1の環状溝部32に設けた小隙間部34に、粒子状物質PMが付着堆積して高電圧電極21との間にブリッジBを形成しやすい構造となっている。このため、ブリッジBを通電経路として電流が集中し、小隙間部34の粒子状物質PMが速やかに酸化除去される。さらに、粒子状物質PMが除去されると、この部位を放電経路として沿面放電に移行し、速やかに絶縁碍子部3の外表面に広がって粒子状物質PMを酸化除去する。
このように、本形態では、第1の環状溝部32、第2の環状溝部42にて絶縁碍子部3の絶縁を保持しつつ、小隙間部34、44に粒子状物質を誘導し、通電により沿面放電を誘起して付着した粒子状物質を除去する。したがって、小隙間部34、44の一方または両方において、絶縁碍子部3の外表面に付着した粒子状物質が分断されるので、効果的に絶縁性を確保することができる。また、使用するエンジン毎に粒子状物質の排出状態等に応じて、第1の環状溝部32、第2の環状溝部42や小隙間部34、44の大きさを適宜設定することによって、粒子状物質の付着量や付着状態に応じた回復制御を、制御性よく実施することができる。
形態の小隙間部34、44の形状は、一例であり、必ずしもこれら形状に限定されない。例えば、図1に示す第1の環状溝部32の小隙間部34は、周方向の一箇所に形成されるが、複数個所に平面部33を設けて複数の小隙間部34を形成してももちろんよい。あるいは、第1の環状溝部32、第2の環状溝部42の一方については、上述した周方向の一部に形成される小隙間部形状とし、他方については、例えば図5に第2形態として示すように、絶縁碍子部3の先端縁部を径方向内方に突出して、突出端と高電圧電極21の外表面との間に環状の小隙間部35を形成することもできる。小隙間部35は、第1の環状溝部32の入口部を小径として、最小ギャップを形成している。このように構成すると、第1の環状溝部32の内部へ粒子状物質が侵入しにくくなるので、小隙間部35にて粒子状物質が容易にブリッジを形成し、放電による回復制御が効果的になされる。
図6に第3形態として本発明の実施形態を示す。図5の第1の環状溝部32の小隙間部35、図1の第2の環状溝部42の小隙間部44のように、小隙間部を環状に形成する場合、粒子状物質を特定の部位に誘導するために、好適には、粒子状物質を付着しやすい易付着部を隣接して形成するとよい。具体的には、小隙間部に接する部位またはその近傍の表面粗さを、表面コーティングや材質変更により2段階に変えて、粒子状物質を付着しやすい部位と付着しにくい部位を形成する。図6は一例として、第1の環状溝部32の小隙間部35に適用した例としてあり、図6(a)において、小隙間部35に続く絶縁碍子部3の下端面とこれに続く外表面の一部に、略十字形状に表面粗度の粗い部位を形成して、易付着部7としている。図6(b)のように、対向する2箇所に、直線状の易付着部7を形成することもできる。
易付着部7は、例えば、略十字形状または直線状等、所定形状の部位を残して、他の表面に釉薬等を用いた表面コーティングを施し、相対的に表面粗度を低下させることで形成することができる。あるいは、易付着部7以外の部位に、疎水性の材質(TiO、Al比の高いゼオライト等)によるコーティングを施して、粒子状物質を付着しにくくすることもできる。また、易付着部7となる略十字形状または直線状等、所定形状の部位に、例えば、アルミナ粉末を塗布し、表面粗度をより低下させることで形成することができる。あるいは、親水性の材質(SiO、ガラス、ハロゲン(F、Cl、Br)、シリコン、アルミナ、Sl比の高いゼオライト等)によるコーティングを施して、粒子状物質を付着しやすくすることもできる。
図6(c)のように、絶縁碍子部3の材質を予め変更し、易付着部71となる部位を、上述したような粒子状物質をより付着しやすい材質としてもよい。このようにすると、絶縁碍子部3の先端近傍に存在する粒子状物質が、絶縁碍子部3の下端外周面から内側へ、易付着部7、71に沿って付着しやすくなる。したがって、小隙間部35の特定の部位へ粒子状物質を誘導付着させることが可能であり、効果的に回復制御を行なうことができる。また、図6(d)のように、絶縁碍子部3の外表面において、軸方向に材質を変更またはコーティングを施して難付着部72を形成することもできる。このようにすると、絶縁碍子部3の外表面に、粒子状物質が軸方向に連続して堆積にくくなるので、絶縁性の低下を抑制できる。
図7は実施形態である第4形態であり、図1の放電プラグ2において、絶縁碍子部3または高電圧電極21の形状を変更することにより、それらの間の第1の環状溝部32形状を変更している。具体的には、図7(a)において、第1の環状溝部32を構成する絶縁碍子部3の先端部を、断面楕円形状の扁平な筒状体とし、楕円形の絶縁碍子部3内周面と円形の高電圧電極21の間に、第1の環状溝部32を形成する。第1の環状溝部32は、楕円の長軸部において溝幅が広くなり、より溝幅が狭くなる短軸部において対向する高電圧電極21との間に、小隙間部36が形成される。
同様に、図7(b)〜(d)のように、絶縁碍子部3を三角形、四角形、六角形等の多角形の筒状体としてもよく、角部の溝幅が広く、角部の間において溝幅が狭い小隙間部36を有する第1の環状溝部32が形成される。また、図7(e)のように、高電圧電極21を四角形の断面形状とし、その角部と円筒状の絶縁碍子部3との間に、小隙間部36を形成してもよい。あるいは、図7(f)〜(h)のように、高電圧電極21を、楕円形断面、三角形断面、または薄い板状とし、それぞれ楕円形、六角形、楕円形の筒状体とした絶縁碍子部3と組み合わせても、溝幅が狭い小隙間部36を有する第1の環状溝部32が形成される。
図8は実施形態である第5形態であり、図1の放電プラグ2において、絶縁碍子部3と高電圧電極21の両方の形状、または配置を変更することにより、それらの間の第1の環状溝部32形状を変更している。具体的には、図8(a)において、第1の環状溝部32を構成する絶縁碍子部3の先端部を、六角形断面の筒状体とし、同様に六角形の外形を有する高電圧電極21の間に、第1の環状溝部32を形成する。この場合も、第1の環状溝部32の平面部の間において溝幅が狭い小隙間部36を有する。
あるいは、図8(a)の構成において、高電圧電極21の角部が、対向する絶縁碍子部3の角部間に位置するように、回転配置させてもよい(図8(b))。この場合、両者の間に形成される第1の環状溝部32は、高電圧電極21の角部と対向面間において溝幅が狭い小隙間部37を形成する。小隙間部37は、小隙間部36より幅狭となり、また突起状の角部が放電ギャップを構成するので、より短時間で粒子状物質を付着堆積させ、効率よく回復制御を行なうことができる。
同様に、図8(c)のように、絶縁碍子部3を四角形の筒状体、高電圧電極21を四角形断面として組み合わせて、第1の環状溝部32の平面部の間に小隙間部36を形成し、あるいは、図8(d)のように、さらに高電圧電極21を回転させて、その角部と対向面の間により溝幅が狭い小隙間部37を有する第1の環状溝部32を形成することもできる。また、図8(e)〜(f)のように、楕円を組み合わせた形状(図7(f)の形状)について、高電圧電極21を回転させ、より溝幅が狭い小隙間部37を有する第1の環状溝部32を形成してもよい。さらに、図8(g)〜(h)のように、円形断面または四角形断面といった同形状の組み合わせにおいて、円形または四角形の高電圧電極21を、円形または四角形の筒状の絶縁碍子部3に対して偏芯配置し、偏芯側により溝幅が狭い小隙間部37を形成することもできる。
上記各形態では、絶縁碍子部3と高電圧電極21の間に形成される第1の環状溝部32を例にして主に説明したが、絶縁碍子部3と取付金具4の間に形成される第2の環状溝部42、小隙間部44についても、同様の形状を適用することができ、同様の効果が得られる。
以上のように、本発明によれば、絶縁碍子部の内外2箇所に第1の環状溝部、第2の環状溝部を形成し、さらにそれらに小隙間部を形成し、易付着部を形成することで、特定部位への粒子状物質の付着を促し、付着した粒子状物質を沿面放電により効率よく除去できる。よって、簡易な構成で、制御性よく絶縁性を回復することができ、凝集部による電気集塵効果を最大限に発揮して、粒子数の低減に高い能力を発生する。
本発明の排ガス処理装置は、直噴方式のガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンその他の内燃機関にも利用することができ、排出される粒子状物質の低減に有効利用することができる。また、凝集部、例えば放電プラグの放電部形状が異なる構成にも適用することができ、同様の効果が得られる。
H ハウジング
1 凝集部
2 放電プラグ
21 高電圧電極
3 絶縁碍子部
32 第1の環状溝部
34、35、36、37 小隙間部
4 取付金具
42 第2の環状溝部
44 小隙間部
5 集塵電極
7、71 易付着部

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気管路に接続される筒状ハウジングと該筒状ハウジングに取り付けられる放電プラグを有し、上記筒状ハウジング内の放電空間にコロナ放電を生起して排ガス中の粒子状物質を帯電凝集させる凝集部を備えており、
    上記放電プラグは、上記放電空間に先端側が露出する高電圧電極と、該高電圧電極の基端側外周を保持する絶縁碍子部と、該絶縁碍子部の中間部外周を保持し、接地電極となる上記筒状ハウジングに固定される取付金具とからなり、
    上記放電空間において、上記高電圧電極の外表面と上記絶縁碍子部の端縁部内周面との間に第1の環状溝部を形成し、上記絶縁碍子部の外表面と上記取付金具の端縁部内周面との間に第2の環状溝部を形成し、かつ、上記第1の環状溝部および上記第2の環状溝部は、軸方向の少なくとも一部に粒子状物質の付着を許容する小隙間部をそれぞれ有すると共に、これら小隙間部の一方または両方が、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部の周方向の一部に形成され他の部位よりも溝幅が狭い小隙間部であり、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部の小隙間部に隣接する上記絶縁碍子部または上記取付金具の表面に、粒子状物質の付着しやすい材質からなる易付着部を形成することを特徴とする内燃機関の排ガス処理装置。
  2. 上記絶縁碍子部の先端部または上記取付金具の先端部の一部を径方向内方に延出して、上記第1の環状溝部または上記第2の環状溝部に上記他の部位よりも溝幅が狭い小隙間部を形成する請求項1記載の内燃機関の排ガス処理装置。
  3. 上記第1の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部の端縁部、または上記第2の環状溝部を形成する上記取付金具の端縁部を、断面が円形、楕円、三角、四角、多角形の筒状形状とする請求項1または2記載の内燃機関の排ガス処理装置。
  4. 上記第1の環状溝部を形成する上記高電圧電極、または上記第2の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部を、断面が円形、楕円、三角、四角、多角形の外周形状としている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内燃機関の排ガス処理装置。
  5. 上記第1の環状溝部を形成する上記高電圧電極と上記絶縁碍子部の端縁部、または上記第2の環状溝部を形成する上記絶縁碍子部と上記取付金具の端縁部とを偏芯させて配置する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の内燃機関の排ガス処理装置。
JP2012233998A 2012-10-23 2012-10-23 内燃機関の排ガス処理装置 Expired - Fee Related JP5929704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012233998A JP5929704B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 内燃機関の排ガス処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012233998A JP5929704B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 内燃機関の排ガス処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014084783A JP2014084783A (ja) 2014-05-12
JP5929704B2 true JP5929704B2 (ja) 2016-06-08

Family

ID=50788101

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012233998A Expired - Fee Related JP5929704B2 (ja) 2012-10-23 2012-10-23 内燃機関の排ガス処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5929704B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6954144B2 (ja) 2018-01-18 2021-10-27 トヨタ自動車株式会社 電気集塵装置
JP7274375B2 (ja) * 2019-07-18 2023-05-16 株式会社Soken スパークプラグ
JP7274374B2 (ja) * 2019-07-18 2023-05-16 株式会社Soken スパークプラグ
CN111691948A (zh) * 2020-07-09 2020-09-22 合肥宝发动力技术股份有限公司 一种免维护柴油颗粒电捕集器

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2789749B2 (ja) * 1989-12-26 1998-08-20 株式会社デンソー 内燃機関用スパークプラグ
JP2006105081A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Denso Corp 排気浄化装置
JP4457021B2 (ja) * 2005-01-24 2010-04-28 日本特殊陶業株式会社 スパークプラグ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014084783A (ja) 2014-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2078952C1 (ru) Способ очистки отработавших газов и устройство для его осуществления
JP5929704B2 (ja) 内燃機関の排ガス処理装置
EP2131017B1 (en) Exhaust gas cleaning device
KR101535362B1 (ko) 그을음 입자를 함유한 배기 가스의 처리 장치
US20070000236A1 (en) Exhaust gas processing method and exhaust gas processing system
EP1890014B1 (en) Exhaust emission control method and exhaust emission control system
JP2011069268A (ja) 排気ガス処理装置
WO2013179381A1 (ja) 粒子状物質処理装置
WO2006038461A1 (ja) ガス処理装置
JP5929734B2 (ja) 内燃機関の排ガス処理装置
EP2299073A1 (en) Exhaust gas treatment apparatus
JP4292511B2 (ja) 排ガス浄化装置
US8641808B2 (en) Method and apparatus for reducing soot particles in the exhaust gas of an internal combustion engine
JP2005232972A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2006105081A (ja) 排気浄化装置
JP4581130B2 (ja) 排気ガス処理方法及び排気ガス処理装置
JP2008051037A (ja) 排気ガス処理装置
JP4604803B2 (ja) 排気処理装置
JP5531978B2 (ja) 内燃機関の排気処理装置
JP2005232971A (ja) 排気ガス浄化装置
JP2006214393A (ja) 排ガス浄化装置
JP2005232969A (ja) 排気ガス浄化装置
JP5929329B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4345568B2 (ja) 排気処理装置用凝集器
JP2006170021A (ja) 排ガス浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141222

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20150219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151006

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160229

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160308

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160418

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5929704

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees