JP5531978B2 - 内燃機関の排気処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガスに含まれる粒子状物質を、コロナ放電を利用して集塵捕集する排気処理装置に関する。
筒内に直接燃料を噴射する直噴ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、リーン燃焼により燃費性能に優れる反面、粒子状物質(パティキュレートマター;PM)が発生しやすいという問題がある。粒子状物質は、主に煤(Soot)と可溶性有機成分(SOF)からなり、特に、直径が1μm以下の浮遊粒子状物質(SPM)は、空気中に長期間浮遊してしまう問題がある。
粒子状物質を含む排気ガスの後処理装置として、例えば、ディーゼルエンジンでは、ハニカム構造のパティキュレートフィルタを設置することが一般に行なわれている。しかしながら、微小な浮遊粒子状物質(SPM)を捕集するために、パティキュレートフィルタの孔径を小さくすると目詰まりしやすく、気孔率を大きくするとすり抜けが生じるおそれがある。また、ディーゼルエンジンに比し熱効率の低い直噴ガソリンエンジンに、パティキュレートフィルタを搭載すると排気抵抗増加に伴う燃費悪化の懸念がある。したがって直噴ガソリンエンジンへのパティキュレートフィルタ搭載はふさわしくない。
一方、パティキュレートフィルタを用いない後処理装置として、コロナ放電を利用した集塵装置がある(例えば、特許文献1、2)。この装置は、コロナ放電電極と接地電極を対向させて配し、両電極の間に高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させて、粒子状物質を帯電凝集させる構成となっている。特許文献1において、コロナ放電電極は、多数の突起を有する板状電極であり、接地電極は、コロナ放電電極の下流に配置される導電性網または外周を取り囲む筒状の排気通路壁である。特許文献2では、コロナ放電電極を線状または棒状電極として、排気通路の流れ方向に配置しており、電極の両端を碍子部で保持している。
従来の装置構成の一例を図8(a)に示すと、排気通路となる円筒ハウジング101内に、コロナ放電電極102と接地電極103を備えている。コロナ放電電極102は、例えば棒状電極で、排気流れ方向に配置され、その外周を同心状に取り巻くハウジング101壁を接地電極103としている。コロナ放電電極102を保持する絶縁碍子部104はハウジング101壁に固定され、ハウジング101外の電源から両電極間に高電圧が印加されると、コロナ放電により粒子状物質が帯電して外周の接地電極103にて捕集される。
特開2005−313066号公報 特開2006−342730号公報
そこで、コロナ放電を利用した集塵装置を、ディーゼルエンジンや直噴ガソリンエンジンに適用することが検討されている。近年は、粒子状物質の排出規制が厳しくなる傾向にあることから、ディーゼルエンジンでは、パティキュレートフィルタの前段または後段に、コロナ放電を利用した装置を配置することで、捕集効率を向上させることができる。
ところが、集塵装置に導入される粒子状物質濃度の量が多くなると、図8(b)のように、コロナ放電電極102を保持する絶縁碍子部104に粒子状物質(PM)が堆積し、絶縁機能が低下するおそれがある。この場合、排気流れが衝突する絶縁碍子部104の上流側表面に粒子状物質(PM)が付着しやすく、堆積した粒子状物質が外周のハウジング101に達すると、絶縁機能を失ってしまう。特許文献1の装置構成も同様であり、粒子状物質の他、排気ガス中に含まれる水蒸気が付着した場合も同様の問題が生じる。特許文献2の装置は、排気通路をコ字状として対向する2つの壁面に線状電極の両端を保持する碍子部を固定しており、排気流れが衝突しにくい位置にあるものの、粒子状物質の付着を防止することは難しい。
その対策として、特許文献1では、碍子部の外周にリング状の酸化触媒担持部を設けて、付着した粒子状物質を酸化除去する構成を提案している。この構成では、粒子状物質が付着しても軸方向で分断されるために、粒子状物質を通じて排気管への電流リークが生じるのを抑制できる。しかしながら、粒子状物質の付着自体を防止するものではないため、粒子状物質濃度が高い状態が続くと、酸化触媒による粒子状物質の除去に時間がかかり、あるいは酸化触媒が劣化した場合に、電流リークによるエネルギロスを生じるおそれがあった。
そこで、本発明の目的は、内燃機関の排気ガス中の粒子状物質を、コロナ放電を利用して捕集する排気処理装置において、コロナ放電電極を保持する碍子部に粒子状物質が付着することを防止し、電流リークの発生を防止して、エネルギロスによるコストの増大を抑制できる高効率な排気処理装置を提供することを目的とする。
本発明請求項1の排気処理装置は、内燃機関の排気管に接続される円筒管形状のハウジング内を放電空間とし、該放電空間に配設した放電電極と対向電極の間にコロナ放電を発生させて排気ガス中の粒子状物質を帯電凝集させる集塵部を備えており、
上記ハウジング壁の一部を径方向外方に膨出させて、上記放電空間に開口し内部に導入される排気ガスに旋回流を形成するサイクロンチャンバとなし、該サイクロンチャンバ壁に上記放電電極を支持する絶縁碍子部の一端側を固定するとともに、他端側を上記サイクロンチャンバの開口部から上記放電空間内に突出位置させ、かつ上記絶縁碍子部の上流側外周面を上記開口部の上流側開口縁部に近接配置して、両者の間に形成される間隙を上記旋回流の出口流路とし
上記サイクロンチャンバは、上記開口部の上記絶縁碍子部より下流側を上記サイクロンチャンバへの入口部とし、該入口部に続く内壁面を略円弧状の曲面形状として、内部に導入される排気ガスを上記内壁面に沿って下流側から上流側へ旋回させることを特徴とする。
請求項の発明において、上記サイクロンチャンバは、上記放電空間となる上記ハウジングの内径dに対して、上記サイクロンチャンバの突出高さhを1/4d〜1/2d、上記内壁面の曲率Rを1/4d〜3/4dに設定している。
請求項の発明において、上記サイクロンチャンバは、上記放電空間への上記開口部を、排気流れ方向を長手方向とする略長円形状とし、略円形の上流側開口縁部に近接させて上記絶縁碍子部を配置している。
請求項の発明において、上記サイクロンチャンバは、上記入口部の長手方向長を2/d以上に設定している。
請求項の発明において、上記放電電極は、上記ハウジングの軸線に沿って位置する棒状電極である。
請求項の発明において、上記放電電極は、軸方向の複数個所からそれぞれ放射状に突出する突起状電極部を有する。
本発明請求項1の排気処理装置において、排気管から集塵部のハウジング内に流入する排気ガスは、一部が分流してサイクロンチャンバに導入され、旋回流を形成する。この旋回流は、排気流れの下流から上流へ向かい、サイクロンチャンバの開口部において、絶縁碍子部の上流側に形成される出口流路から噴出する。この流れは、絶縁碍子部の上流側表面に沿って、サイクロンチャンバからハウジング内へ向かうので、絶縁碍子部の上流側に粒子状物質や水分が接近しにくくなり、付着自体を抑制できる。したがって、絶縁碍子部に部分的な付着が生じたとしても、絶縁碍子部表面を通じてハウジングに到達する可能性は小さく、電流リークを抑制して、エネルギロスの少ない高性能な排気処理装置を実現できる。
体的には、サイクロンチャンバの内部形状を工夫し、開口部の下流側からの導入される排気ガスが、曲面状の内壁面に沿って旋回する構成とすることで、上流へ向かう旋回流を形成することができる。
請求項3の発明のように、具体的には、サイクロンチャンバの高さhと内壁面の曲率Rを適切に設定することで、サイクロンチャンバ内に下流から上流へ向かう旋回流を、容易に形成することができる。
請求項4の発明のように、好適には、サイクロンチャンバからハウジング内への開口を、略長円形状とすると、近接配置される絶縁碍子部の上流側外周面との間に、出口流路となる間隙を形成し、絶縁碍子部の下流側に、サイクロンチャンバへの十分な大きさの入口部を形成することができる。
請求項5の発明のように、好適には、サイクロンチャンバの入口部の長手方向長が、ハウジング径の半分以上であれば、入口部からサイクロンチャンバ内へ排気ガスを容易に導入して旋回流を形成できる。
請求項6の発明のように、放電電極を棒状電極とすると、その周囲の広い範囲を放電空間とすることができ、効率よく静電捕集を行なうことができる。
請求項7の発明のように、棒状の放電電極に、さらに突起状電極部を設けると、放電率が向上し、集塵性能を高めることができる。
(a)は本発明の第1の実施形態における排気処理装置の上方視図、(b)は排気処理装置の概略構成を示す全体断面図、(c)は(b)のA−A線断面図である。 本発明の排気処理装置の集塵部の作用効果を説明するための全体断面図である。 本発明の排気処理装置の集塵部における排気浄化のメカニズムを説明するための模式図である。 (a)は、第2の実施形態における排気処理装置の全体概略構成図、(b)は、電極形状を説明するための図である。 第3の実施形態における排気処理装置の全体概略構成図である。 第4の形態における排気処理装置の全体概略構成図である。 第5の形態における排気処理装置の全体概略構成図である。 (a)は、従来の排気処理装置の全体概略構成図、(b)は、従来の排気処理装置の課題を説明するための図である。
以下、本発明を内燃機関の排気処理装置に適用した第1の実施形態について、図面を用いて説明する。図1(b)は、排気処理装置の全体概略構成を示す断面図であり、図1(a)はその上方視図、図1(c)は、図1(b)のA−A線断面図である。本実施形態の排気処理装置は、内燃機関である自動車用エンジンへの適用例としてあり、図1(a)、(b)において、図示しないエンジンの排気管の途中に接続される集塵部1を備えている。エンジンは、直噴ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンであり、インジェクタから筒内に燃料を直接噴射する方式となっている。
本実施形態において、排気処理装置の集塵部1は、円筒管形状の排気管の一部をハウジングHとして用いる。ハウジングH内は、エンジンからの燃焼排気ガスが流通する排気通路11であり、ここでは、図の左方を排気流れの上流側、右方を下流側とし、ハウジングHの左端開口部をエンジンからの排気ガスが導入される入口部として説明する。ハウジングHの中央部には、放電電極となる高圧電極2が配設されており、対向電極となる接地電極3との間に、放電空間12を形成している。接地電極3は、ここでは、接地電位としたハウジングHの周壁にて構成されている。
高圧電極2は、ハウジングH壁に保持固定される絶縁碍子部21と、絶縁碍子部21に支持される放電部22からなる。図1(b)に示すように、放電部22は、ハウジングHの中心軸に沿って配置される棒状電極で、外周を同心状に取り巻く接地電極3と対向している。図1(c)に示すように、絶縁碍子部21は筒状で、内部に棒状の導電部23が挿通保持される。導電部23の基端部は、絶縁碍子部21の基端側(図1(b)の上端側)から突出してハウジングH外に位置する端子部24を構成し、図示しない直流高圧電源に接続される。導電部23の先端部は、ハウジングH内の放電空間12に位置する放電部22の一端側(図の左端側)と接続される。高圧電極2の絶縁碍子部21は、例えばアルミナ等のセラミック絶縁材料にて構成される。
本発明の集塵部1は、ハウジングHの一部を径方向外方に膨出させた膨出部H1を有し、その内部をサイクロンチャンバ4としている。膨出部H1は、排気流れ方向を長手方向とする略直方体状の外形を有しており、その長方形状の突出端面には、中央よりやや上流側(図の左端側)にネジ穴H2が形成されて、高圧電極2の絶縁碍子部21が螺合されボルト25によって固定されている。サイクロンチャンバ4は、排気流れ方向を長手方向とする略長円形状の断面形状を有し、長円形状の開口部41にて放電空間12へ開口している。絶縁碍子部21は、中間部がサイクロンチャンバ4内に位置し、先端部が開口部41を通過して放電空間12に突出位置している。
サイクロンチャンバ4は、本発明の特徴部分であり、以下に詳述する。図1(a)、(b)のように、高圧電極2の絶縁碍子部21は、サイクロンチャンバ4を形成する膨出部H1中央に対して、やや上流側よりに配置されている。一方、サイクロンチャンバ4の開口部41は、長円形断面のサイクロンチャンバ4の直線部に対応する位置で、排気流れのやや下流側よりに形成され、サイクロンチャンバ4の内部空間の任意の断面よりも小さく形成される。これにより、図1(b)、(c)のように、絶縁碍子部21の上流側表面と、開口部41の上流側開口縁部とが近接位置する。本発明では、この時、絶縁碍子部21より下流側の開口部41を、サイクロンチャンバ4への入口流路として、内部に流入する排気ガスに旋回流を形成するとともに、絶縁碍子部21より上流側において、開口部41の端縁部との間に形成される小間隙を、出口流路42とする。
サイクロンチャンバ4の内側壁は、開口部41から緩やかに拡がる曲面形状となっており、好適には、図1(b)において、開口部41の入口流路に続く下流側の内側壁の曲率Rを、ハウジングHの内径すなわち排気通路11の径φdに対して、R=1/4d〜3/4dとするとよい。また、サイクロンチャンバ4の突出高さhは、h=1/4d〜1/2dとすることが望ましい。これにより、サイクロンチャンバ4内に、旋回流を容易に発生させることができる。また、出口流路42となる絶縁碍子部21の上流側表面と開口部41との距離は、組み付け交差等による接触のおそれがない範囲で十分小さく設定し、絶縁碍子部21の近傍の圧力を高めて排気ガスの侵入を抑制することが望ましい。例えば、絶縁碍子部21の径D(=φ12mm)に対して、0.5〜2.0(mm)の範囲とすることができる。
また、図1(c)において、開口部41の大きさは、絶縁碍子部21下流側の長さをd/2以上とし、幅(平行な2辺間の距離)をD+1.0〜D+3.0(mm)の範囲となるように設定するのがよい。この時、絶縁碍子部21下流側の開口部41を十分大きくし、サイクロンチャンバ4の内部に排気通路11から排気ガスを分流させやすい。また、絶縁碍子部21の外周と開口部41との間隙を小さくして、出口流路42から流出するガス流速を高めることができる。好適には、出口流路42のガス流速が、排気通路11内のガス流速(例えば10−40m/秒)以上であるとよく、例えば、絶縁碍子部21の上流半部表面と、開口部41の半円形状の開口縁部との距離が、0.5〜1.5(mm)の範囲となるように設定するのがよい。これにより、出口流路42から流出するガス流速を高め、排気ガス中の粒子状物質の付着を防止する効果を高めることができる。
上記構成の排気処理装置において、サイクロンチャンバ4を設けた集塵部1の作用効果について説明する。図2に示すように、エンジンで発生し排気管へ放出される粒子状物質(PM)は、燃焼排気ガスとともに排気処理装置の集塵部1に流入する。集塵部1の排気通路11内には、図の左右方向に排気ガスが流通しており、高圧電極2と接地電極3の間に放電空間12が形成されるようになっている。粒子状物質(PM)は、例えば、数10nmから数100nm程度のナノメートル級の微粒子を含んでおり、そのままでは捕集されにくいため、集塵部1では、放電空間12にコロナ放電を発生させて粒子状物質(PM)を凝集捕集する。
そのメカニズムを図3に示す。図中、高圧電極2の放電部22に、外部電源から負の直流高電圧を印加すると、コロナ放電が発生し電子が放射される。この電子によって放電空間12内の排気ガスに含まれる電子親和性の高い気体分子(酸素)がマイナスイオン化し、付近の粒子状物質(PM)を帯電させる。帯電した粒子状物質(PM)は、クーロン力とガス流れにより移動し、外周の接地電極3にて静電捕集される。粒子状物質(PM)は、ここで電子を放出し、凝集粒子となる。凝集粒子は、例えば、集塵部1の後段にパティキュレートフィルタを設置することにより容易に捕集される。
ここで、集塵部1には、排気通路11の中央部に高圧電極2が突出位置しており、排気ガスが衝突しやすい。また、上述した静電捕集は主に高圧電極2下流の放電空間12においてなされる。このため、粒子状物質(PM)が高濃度の状態では、高圧電極2の絶縁碍子部21、特に上流側の先端部表面に、粒子状物質(PM)や水分が付着しやすくなる。そこで、本発明では、集塵部1に設けたサイクロンチャンバ4により、絶縁碍子部21の下流側において、排気ガスを分流させ、排気通路11の側壁に開口するサイクロンチャンバ4に流入する。この時、絶縁碍子部21の下流では、粒子状物質(PM)や水分が比較的低濃度の状態で、サイクロンチャンバ4内に入る。
分流した排気ガスは、開口部41の下流側からサイクロンチャンバ4の曲面状の内側壁面に沿って旋回し、下流側から上流側へ向かう旋回流を形成する。さらに旋回流は、サイクロンチャンバ4の上流側内壁面に沿って、開口部41と絶縁碍子部21の間隙にて形成される出口流路42に達し、出口流路42を通過して、再び排気通路11へ流出する。ここで、出口流路42は断面積の小さい絞り部となっているために、排気ガスの圧力が高まって流速が増し、絶縁碍子部21の上流側表面に沿って噴出する流れが形成される。この流れにより、排気通路11に存在する粒子状物質(PM)や水分が、絶縁碍子部21の中間部より基端側に付着するのを防止することができる。
このため、絶縁碍子部21の先端側に粒子状物質(PM)や水分が付着しても、出口流路42の近傍において分断されるので、堆積した粒子状物質(PM)や水分を通じてハウジングHへ電流がリークすることがない。したがって、電流リークによるエネルギロスを抑制し、効率よい静電捕集を行なうことができる。
さらに、好適には、絶縁碍子部21にヒータを埋設した構成とすることもできる。このようにすると、先端側のみならず中間部より基端側に粒子状物質(PM)や水分が付着しても、絶縁碍子部21を加熱することで除去できるので、電流リークを確実に防止することができる。
図4に本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態では、上記第1の実施形態の構成において、高圧電極2の放電部22形状を変更している。集塵部1の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、同一部材には同じ符号を付している。図4(a)に示すように、本実施形態において、放電部22は、ハウジングHの中心軸に沿って配置される棒状電極であり、さらに棒状電極の外周に、複数の突起状電極部26を有している。ここでは、棒状電極の先端を含む軸方向の7箇所に、ほぼ等間隔で突起状電極部26を配置する。
図4(b)に示すように、各突起状電極部26は、棒状電極の全周を取り囲むように放射状に配置される複数の山形突起27を有しており、形状は、エンジン排気状態や粒子状物質の量に応じて、適宜設定することができる。突起27の数は多いほど放電性能が高く、例えば8山とすることで、放電空間12全体に効率よく放電を発生させることができるが、必要な性能を比較的低コストで実現したい場合には、6山、4山とすることもできる。いずれも突起27を全周に均等配置することで、放電空間12に均等にコロナ放電を発生させることができる。このように、棒状電極に突起状電極部26を組み合わせることで、放電率を高め、粒子状物質の静電捕集効果を向上させることができる。
図5に本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態では、上記第1の実施形態の構成におけるサイクロンチャンバ4の形状を変更している。集塵部1の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、同一部材には同じ符号を付している。図5(a)に示すように、本実施形態において、サイクロンチャンバ43を形成する膨出部H3は、上記第1の実施形態における膨出部H1よりも径方向外方への膨出高さを大きくして、内部に形成されるサイクロンチャンバ43を略円形断面形状としている。この場合も、サイクロンチャンバ43の内側壁の曲率Rを、ハウジングHの内径すなわち排気通路11の径φdに対して、R=1/4d〜3/4dとするとよい。
サイクロンチャンバ43の開口部41は、円形断面のサイクロンチャンバ43の円弧部に対応する位置で、排気流れのやや下流側よりに形成される。また、高圧電極2の絶縁碍子部21は、膨出部H3の中央に対して、やや上流側よりに配置される。これにより、上記第1の実施形態と同様に、絶縁碍子部21の上流側表面と、開口部41の上流側開口縁部とが近接位置し、出口流路42を形成する。このように、設置スペースに余裕がある場合には、サイクロンチャンバ43が円形となるように構成することで、開口部41から内部に流入する排気ガスに旋回流を容易に形成することができ、出口流路42の流速を大きくして絶縁機能を高めることができる。
図6に本発明の参考形態としての第4の形態を示す。本形態では、上記第1の実施形態の構成におけるサイクロンチャンバ4を設けず、外部から二次エアを導入するチャンバ44を配設している。集塵部1の基本構成は、上記第1の実施形態と同様であり、同一部材には同じ符号を付している。図6に示すように、本形態において、集塵部1のハウジングHには、その一部を径方向に膨出させた膨出部H4が設けられ、内部にチャンバ44を形成している。膨出部H4は、上記第1の実施形態における膨出部H1と径方向外方への膨出高さが同等で、長手方向の長さを小さく形成してあり、内部に形成されるチャンバ44の容量は、上記第1の実施形態における膨出部H1よりも小さくしてある。チャンバ44は、略長円形の断面形状を有し、チャンバ44の内側壁は緩やかな曲面状に形成されている。
本形態では、電極2の絶縁碍子部21が螺合されるネジ穴H2を、棒出部H4の突出端面の中央部に設けている。また、チャンバ44から排気通路11への開口部45を、棒出部H4のネジ穴H2と対向する位置に設けるとともに、絶縁碍子部21よりやや大きい径を有する円形状としている。この時、絶縁碍子部21は、開口部45と同心状に配置され、絶縁碍子部21の外周面と開口部45の内周縁部との間隙にて出口流路46が形成される。出口流路46へ至るチャンバ44の内壁面は、すり鉢状の傾斜面としてある。一方、棒出部H4の上流側側壁には、例えば、エンジン吸気系に至る二次エア供給通路5が接続されて、チャンバ44内に、二次エアを導入可能となっている。
ここで、絶縁碍子部21の外周に形成されるリング状の出口流路46の断面積A1と、チャンバ44への二次エア供給通路5の供給口51の断面積A2は、出口流路46の断面積A1<供給口51の断面積A2となるように設定する。これにより、チャンバ44内の圧力を二次エア供給通路5からの供給圧以上に保持し、チャンバ44へ導入される二次エアを出口流路46から噴出させることができる。好適には、チャンバ44容積や、出口流路46の断面積A1と供給口51の断面積A2の比、二次エアの供給圧等を適切に設定することで、出口流路46における流速を調整することができる。絶縁碍子部21の外周面と開口部45の内周縁部との距離は、組み付け交差等による接触を防止しながら、流速を確保できるように、例えば、1.0〜2.0(mm)の範囲で設定することができる。
このように、本形態では、外部から二次エアを導入するチャンバ44を設け、絶縁碍子部21の外周に絞り部となる出口流路46を設けたので、絶縁碍子部21の全周から二次エアを噴出させることができる。したがって、排気ガス中の粒子状物質(PM)や水分の付着を抑制する効果が高く、チャンバ44は比較的小型とすることができる。また、二次エアの供給手段として、例えば、ターボチャージャを搭載したエンジンであれば加圧エアの流通部に接続することができ、容易に供給圧を高めることができる。二次エア供給通路5にポンプを接続して加圧する構成としてももちろんよい。
図7に本発明の参考形態としての第5の形態を示す。本形態では、上記第4の形態の構成におけるチャンバ44を、内部に旋回流を発生させるサイクロンチャンバ47として構成している。本形態において、サイクロンチャンバ47を構成する膨出部H4形状は、上記第4の形態と同様であり、二次エア供給通路5を膨出部H4の下流側から接続している点で異なっている。二次エア供給通路5は、サイクロンチャンバ47の開口部45に比較的近い位置に接続され、さらに、膨出部H4の下流側壁を貫通する供給口52を、サイクロンチャンバ47の内周曲面に沿って突出端面側を向くように形成する。
この時、供給口52から導入される二次エアは、サイクロンチャンバ47の下流側壁から突出端面さらに上流側壁の表面に沿って流れ、旋回流を形成する。また、本形態では、高圧電極2の絶縁碍子部21を固定するためのネジ穴H2を、膨出部H4の中央よりやや上流側に配置する。これにより、高圧電極2の絶縁碍子部21は、開口部45のやや上流側に偏心して位置し、上流側表面との開口部45の内周縁部との間隙が、下流側より小さい絞り部となる。
この絞り部を出口流路46とすることで、旋回流の流速を高めることができるので、絶縁碍子部21の上流側表面に沿う流れを形成して、粒子状物質(PM)や水分の付着を防止することができる。このように構成すれば、二次エア供給通路5からの供給圧が比較的低い場合でも、サイクロンチャンバ47内に導入される二次エアを旋回流として噴出させ、十分な効果を得ることが可能となる。
本発明の排気処理装置は、直噴ガソリンエンジンやディーゼルエンジンに限らず、内燃機関から排出される粒子状物質の浄化にコロナ放電を利用する場合のいずれにも好適である。そして、放電電極を支持する絶縁碍子部を、粒子状物質や水分の付着から保護するので、電流リークによるエネルギロスの小さい高効率の集塵部となる。また、他の後処理装置と併用することにより、浄化性能をさらに向上させることができる。
H ハウジング
H1、H3、H4 膨出部
H2 ネジ穴
1 集塵部
11 排気通路
12 放電空間
2 高圧電極(放電電極)
21 絶縁碍子部
22 放電部
23 導電部
3 接地電極(対向電極)
4、43、47 サイクロンチャンバ
41、45 開口部
42、46 出口流路
44 チャンバ
5 二次エア供給路
51 供給口

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気管に接続される円筒管形状のハウジング内を放電空間とし、該放電空間に配設した放電電極と対向電極の間にコロナ放電を発生させて排気ガス中の粒子状物質を帯電凝集させる集塵部を備えており、
    上記ハウジング壁の一部を径方向外方に膨出させて、上記放電空間に開口し内部に導入される排気ガスに旋回流を形成するサイクロンチャンバとなし、該サイクロンチャンバ壁に上記放電電極を支持する絶縁碍子部の一端側を固定するとともに、他端側を上記サイクロンチャンバの開口部から上記放電空間内に突出位置させ、かつ上記絶縁碍子部の上流側外周面を上記開口部の上流側開口縁部に近接配置して、両者の間に形成される間隙を上記旋回流の出口流路とし
    上記サイクロンチャンバは、上記開口部の上記絶縁碍子部より下流側を上記サイクロンチャンバへの入口部とし、該入口部に続く内壁面を略円弧状の曲面形状として、内部に導入される排気ガスを上記内壁面に沿って下流側から上流側へ旋回させることを特徴とする内燃機関の排気処理装置。
  2. 上記サイクロンチャンバは、上記放電空間となる上記ハウジングの内径dに対して、上記サイクロンチャンバの突出高さhを1/4d〜1/2d、上記内壁面の曲率Rを1/4d〜3/4dに設定する請求項1記載の内燃機関の排気処理装置。
  3. 上記サイクロンチャンバは、上記放電空間への上記開口部を、排気流れ方向を長手方向とする略長円形状とし、略円形の上流側開口縁部に近接させて上記絶縁碍子部を配置する請求項2記載の内燃機関の排気処理装置。
  4. 上記サイクロンチャンバは、上記入口部の長手方向長を2/d以上に設定する請求項3記載の内燃機関の排気処理装置。
  5. 上記放電電極は、上記ハウジングの軸線に沿って位置する棒状電極である請求項4記載の内燃機関の排気処理装置。
  6. 上記放電電極は、軸方向の複数個所からそれぞれ放射状に突出する突起状電極を有する請求項5記載の内燃機関の排気処理装置。
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