JP5556503B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気ガスに含まれる排気微粒子を、コロナ放電により発生させたラジカルを利用して浄化する排気微粒子浄化装置に関する。
直噴式ガソリンエンジンやディーゼルエンジンから排出される排気微粒子(PM)を処理するために、種々の装置が提案されている。一般的には、排気流路に多孔質セラミックスからなるパティキュレートフィルタを設置して、主に微粒子状炭素(Soot)を含む排気微粒子を捕集することが行われている。また、粒子径がナノミクロン級と小さい微粒子(ナノ微粒子)のすり抜けを防止するために、コロナ放電を利用した静電凝集装置をパティキュレートフィルタの前段に配置し、予め微粒子を静電凝集させた後、フィルタで捕集するシステムが知られている。
例えば、特許文献1には、排気流路の中央部に高電圧電極を、その外周に低電圧電極を配置し、コロナ放電を発生させて帯電した排気微粒子を外周側に移動させることにより、微粒子の空間密度分布が高い外周側と空間密度分布が低い中央部とに分流し、それぞれに適したフィルタを下流に配置して微粒子を捕集する装置が開示されている。また、特許文献2には、排気流路内に放電電極と、導電網状の集塵電極を対向配設させた装置が開示されている。この装置は、集塵電極に放出された電荷がコイルを介して接地部に回収される構成となっており、排気微粒子の帯電状態が持続しやすいために、集電電極に未到達の微粒子との間でクーロン力が作用し、帯電した微粒子の凝集を促進させる。
図8は、コロナ放電部を有する従来の装置構成の一例であり、ハウジング100内には、先端に放電部を有する高圧電極101を配置し、放電部の外周面に対向するハウジング内壁を接地電極102とするコロナ放電部が形成されている。高圧電極101はハウジング中央部に位置する放電部に多数の突起を有する形状で、外部電源から高電圧を印加すると、コロナ放電が発生し、排気微粒子が帯電して互いに引き寄せられる。
ところが、静電凝集した微粒子は結合力が弱いため、排気流れにより壁面等に衝突すると、再分散するおそれがある。そこで、本発明者等は、先に出願した特許文献3において、コロナ放電部への投入エネルギを、排出される排気微粒子の量に応じて制御し、排気微粒子を酸化燃焼させることにより浄化する装置を提案した。発生エネルギが排気微粒子を酸化するための活性化エネルギ以上であれば、酸化反応が生じて排気微粒子を燃焼により除去することができる。
また、特許文献4には、排気管中に、2電極高電圧発生器の電極の一方または他方に接続された複数の導体を配置し、その上流に未燃材料および煤量に応じた空気を導入して、高電圧を印加することにより微粒子を除去する装置が開示されている。導体は、例えば、排気流れ方向に鉛直に配置した複数の金属格子、排気流れ方向に平行に配置した格子または板またはワイヤの形をしており、導体間に電界を形成するようになっている。
特開2005−76497号公報 特開2006−37899号公報 特開2009−243419号公報 特開平2−241558号公報
しかしながら、図8に示した従来の装置構成において、コロナ放電部の全域に高いエネルギを発生させることは難しく、エネルギの低い領域を通過する排気微粒子が浄化されずに排出されてしまうおそれがある。また、特許文献4のように構成を大きく変更した装置は、導体形状が特殊であったり、複数の導体対を配置したりする必要があり、装置構造が複雑となりやすい。
また、排気微粒子の発生量に応じて投入するエネルギを制御し、しかもすり抜けを確実に防止するのは容易でない。推定される排気微粒子の量に対して発生エネルギを十分大きくすれば、排気微粒子の処理性能を高める効果は期待できるものの、印加電圧を必要以上に高く設定することはエネルギロスにつながる。これを抑制しようとすると、酸化反応による浄化と帯電凝集粒子の捕集を併用させることが必要となり、装置が大型化しやすい。
すなわち、本発明の目的は、内燃機関の排気ガス中の排気微粒子を、コロナ放電を利用して酸化燃焼させる装置において、比較的低い電圧で放電空間の全域に排気微粒子の浄化に必要な電界を発生させることができ、装置の複雑化や大型化を生じることのない、安全で低コストかつ高効率な排気浄化装置を提供することを目的とする。
本発明請求項1の排気浄化装置は、円筒管形状のハウジング内を内燃機関の排気流路の一部として排気ガスを導入し、該排気流路に配置した放電電極と複数の対向電極の間にコロナ放電を発生させて排気ガス中の微粒子を浄化する放電空間部を備えており、
該放電空間部は、上記ハウジングの一定径の円筒部を第1の対向電極とし、その中心部近傍に第2の対向電極を配置するとともに、これら第1および第2の対向電極の中間部に、上記放電電極を配置して、上記ハウジングの一端側から導入される排気ガスが、放電電極とその外周の第1の対向電極との間または内周の第2の対向電極との間を通過して、上記ハウジングの他端側へ向かう構成とする。そして、上記放電電極と上記対向電極の電極間ギャップGが一定であり、かつ上記放電空間部を構成する上記ハウジングの円筒部半径Rと上記電極間ギャップGを、式(1)で表される関係が成立するように設定したことを特徴とする。
ハウジングの円筒部半径R≧両電極間ギャップG×3・・・(1)
請求項2の発明において、上記放電空間部における電界強度は14.5kV/cm以上である。
請求項の発明において、上記放電電極は、環状または筒状の基体部と、該基体部の内外周から上記第1または第2の対向電極方向へ突出する複数の突起状電極部を備えている。
請求項の発明において、上記複数の突起状電極部は、上記基体部表面に等間隔で配置されている。
本発明請求項1の排気浄化装置は、円筒管形状のハウジング内に、内燃機関の排気流路から排気ガスが導入されると、放電電極と対向電極の間にコロナ放電を発生し、排気ガス中の微粒子を酸化浄化させる。この時、放電空間部を構成するハウジング半径Rよりも、電極間ギャップG×3が小さく、かつ電極間ギャップGが一定となるように両電極が配置されるので、放電空間部内の全域において電界強度が高く維持され、反応性の高いラジカルを排気微粒子の酸化に必要な十分な量となるように発生させることができる。よって、低電圧で効率よく排気微粒子を浄化し、安全で低コストな排気浄化装置を実現できる。
具体的には、放電空間部となるハウジングの円筒部を第1の対向電極とし、その中心部に第2の対向電極を配置して、これら第1および第2の対向電極の間に放電電極を配置する構成とすれば、上記式(1)の関係を容易に満足させることができる。
請求項2の発明によれば、放電電極と対向電極の配置を適切に設定し、放電空間部における電界強度を14.5kV/cm以上とすることで、排出される排気微粒子の浄化に必要なラジカルを確実に発生させ、浄化性能を向上させることができる。
請求項の発明のように、具体的には、放電電極の基体部を環状または筒状とし、その内外周に突起電極部を設けると、突起電極部近傍において高い電界強度が得られ、反応性の高いラジカルを生成して、第1または第2の対向電極との間を通過する排気微粒子を容易に浄化することができる。
請求項の発明のように、放電電極の複数の突起状電極部は、基体部表面に等間隔で配置するのがよく、第1または第2の対向電極との間に均等にコロナ放電を発生させて、効率よく排気微粒子を浄化することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態における排気浄化装置の全体概略構成図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 排気浄化装置を含むエンジン排気系の全体構成を示す図であり、浄化のメカニズムを説明するための図である。 第1の実施形態における電極の詳細構造を説明するための図である。 (a)は本発明の第2の実施形態における排気浄化装置の全体概略構成図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 電極間ギャップGと電極間ピッチPの影響を調べるための計算モデル図である。 (a)〜(d)は電極間ピッチPを変更した場合のシミュレーション結果を示す電界強度分布図である。 (a)〜(e)は電極間ギャップGを変更した場合のシミュレーション結果を示す電界強度分布図である。 従来の排気浄化装置の全体概略構成図である。 (a)、(b)は従来の排気浄化装置の構成を変更した例を全体概略構成図である。
以下、本発明をエンジンの排気浄化装置に適用した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は、排気浄化装置1の全体概略構成図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図である。図2は、排気浄化装置1を含むエンジン排気系の全体構造を示している。図2において、排気浄化装置1は、エンジンEの排気流路である排気管E1の途中に接続されるハウジングHを有し、ハウジングH内に、放電電極となる高圧電極2と対向電極となる接地電極3を配設して放電空間部12を構成している。エンジンEは、インジェクタIから筒内に燃料を直接噴射する方式のもので、図示しない電子制御装置(ECU)によって噴射量および噴射時期が制御される。
ハウジングH本体は、排気管E1より大径の円筒管形状で、その内部は燃焼排気ガスが流通する円形断面の排気流路11となり、両端小径部H1にて排気管E1の直線部に接続されるようになっている。排気管E1へ放出される燃焼排気ガスには、微粒子状炭素(Soot)を主体とする排気微粒子(パティキュレートマター;PM)が含まれており、本発明の排気浄化装置1は、放電空間部12においてコロナ放電を生起し、高エネルギの放電プラズマ中に発生するラジカルにより、通過する排気微粒子を浄化する。特に、本発明では、放電空間部12の全域において、所定の電界強度を得るために、高圧電極2と接地電極3の配置および形状を工夫している。
具体的には、高圧電極2と接地電極3との距離、すなわち両電極間のギャップGが、ハウジングH内のいずれにおいても一定となるように、さらにハウジングH本体の半径をRとした時に電極間ギャップGが、下記式(1)で表される関係が成立するように設定する。
ハウジングの円筒部半径R≧両電極間ギャップG×3・・・(1)
これによりハウジングH内の放電空間部12全域にコロナ放電を発生させ、高圧電極2と対向する接地電極3の間に、燃焼排気ガス中の排気微粒子PMを浄化するに十分なラジカルを発生させる。この一例である本実施形態の構成について、以下に詳述する。
図1(a)、(b)に示すように、本実施形態では、高圧電極2に対向する接地電極3を複数設けており、外周側から第1の接地電極31と第2の接地電極32としている。ここでは、ハウジングHの円筒部を接地電位として、筒内壁を第1の接地電極31として構成するとともに、円筒部の中心軸に沿って、円柱形状の第2の接地電極32を配置している。第2の接地電極32は、ハウジングHの下流半部内に配置され、その先端部(上流端部)外周を取り巻くように、円環状の高圧電極2が位置している。
図3に、高圧電極2と接地電極3の詳細構造を示す。図示するように、高圧電極2は、基体部である円環状の電極円板21と、ハウジングHの上部筒壁に固定される碍子部22と、これら電極円板21と碍子部22とをつなぐアーム部23を有している。電極円板21の内周縁および外周縁には、それぞれ径方向内方または外方に突出する突起状電極部である多数の針状電極24が形成されている。碍子部22は電極をハウジングHに対して絶縁保持するためのもので、図の上半部がハウジングHの筒壁からに突出して図示しない外部の高圧電源に接続され、下半部はハウジングH内の排気流路11に位置している。アーム部23は、碍子部22下端から排気流路11の中央部に延びるL字部材の先端231が、第2の接地電極32の円錐状先端部に対向位置しており、該先端から径方向外方へ放射状に延びる3本のL字状アーム232が、電極円板21の上流側端面に固定されている。
第2の接地電極32は、下流側端部の外周3箇所から径方向外方へ棒状のアーム34が放射状に延びて円環状のフランジ33に固定されている。ハウジングHは、フランジ33の設置位置において上流側に電極円板21の上流側端面に固定されている。ハウジングHは、ハウジングH本体と下流側の小径部H1との接続部となるテーパ部において二分割されており、両分割端部に設けたフランジH2、H3間に、第2の接地電極32のフランジ33を配置している。第2の接地電極32のフランジ33面には、複数のボルト孔35(ここでは4箇所)が設けられ、フランジH2、H3の対向位置に同様のボルト孔を設けてボルト固定することによりフランジ33を挟持し、第2の接地電極32を所定位置に保持することができる。
ここで、高圧電極2は、通気可能な円環状の電極円板21として構成され、アーム部23にてハウジングH内に保持されるので、排気流路11内の圧損増加を抑制できる。第2の接地電極32は円柱形状であるので、径や軸方向長を適宜設定することで、電極面積を確保し、対向する多数の針状電極24との間に、安定した放電を生起させることができる。また、第2の接地電極32は、フランジ33と3本のアーム34にて通気可能に保持されるので、圧損を増加させることはない。電極円板21の代わりに円筒形状の基体部を用いることもできる。
このようにして、図1に示すハウジングの下流半部内において、高圧電極2の電極円板21を、第1の接地電極31と第2の接地電極32の間に配置し、高圧電極2と接地電極3の距離が等間隔となるように構成することができる。具体的には、両電極間のギャップGは、電極円板21の外周縁から外方に突出形成される針状電極24の先端と、対向する第1の接地電極31の内周面との距離、または、電極円板21の内周縁から内方に突出形成される針状電極24の先端と、対向する第2の接地電極32の外周面との距離である。
この時、高圧電極2と第1の接地電極31、高圧電極2と第2の接地電極32のいずれにおいても、両電極間のギャップGが一定となるように、第2の接地電極32の径、電極円板21の幅を設定する。また、本実施例のように、排気流路11の断面において、径方向に高圧電極2と接地電極3が交互に配置される構成であれば、高圧電極2に接地電極3方向へ突出する針状電極24を設け、中心部に円柱形状の第2の接地電極32を配置する場合に、これらサイズを適切に設定することで、ハウジングH本体の円筒部半径Rと電極間ギャップGとの関係は、上記式(1)を容易に満足する。
また、高圧電極2は、電極円板21の内周縁または外周縁において、隣り合う針状電極24との距離が一定であることが、好適には、内周縁および外周縁の針状電極24間距離が同等であることが望ましい。これら設定条件を満足させるための装置形状として、具体的には、例えば、ハウジングH本体の円筒部径をΦ90mmとした時に、電極間ギャップGを8mm、第2の接地電極32の径をΦ32mm、電極円板21の幅を18mmとすることができる。この時、ハウジングの円筒部半径R(=45mm)>両電極間ギャップG×3(=24mm)である。また、高圧電極2において、電極円板21の内外周縁に設けた針状電極24間ピッチPは、例えば7mmとすることができる。
図4に示す第2実施形態のように、高圧電極2と接地電極3の形状を変更することもできる。本実施形態では、高圧電極2のアーム23´をL字状部材と、ハウジングHの中央部に位置するL字状部材の先端から、径方向外方に延びる直線部で構成し、該直線部と略C字状の電極部21´とを一体的に形成している。電極部21´の内外周には、略等間隔で針状電極24が形成されている。また、第2の接地電極32´は略C字状で、略C字状の電極部21´の内周側に所定の電極間ギャップGを有して対向し、一端から径方向外方に延びる直線部が、第1の接地電極31となるハウジングH内周壁に固定されている。
このように、高圧電極2と接地電極3は、外形が円形または略円形であればよく、本実施形態のように略C字状として、例えば円の一部が切れた形状として対向させても、同様の効果が得られる。また、本実施形態では、第2の接地電極32´を簡易な形状として、ハウジングHに直接固定させたので、支持用のアームやフランジを設ける必要がなく、さらにはこれらを保持するためにハウジングHを分割構造とする必要もない。よって、構成がより簡略であり、製造が容易になる。
本発明の排気浄化装置1による排気微粒子浄化のメカニズムについて説明する。図2において、エンジンE1で発生し排気管E1へ放出される排気微粒子PMは、燃焼排気ガスとともに排気浄化装置1内の排気流路11に流入する。排気微粒子PMは、通常、0.01μmから数μm程度の粒径であり、一般的なパティキュレートフィルタで捕捉できないナノミクロン級の微粒子を含んでいる。図1において、排気浄化装置1の高圧電極2に、外部の直流高電圧電源から負の直流高電圧(例えば−20kV)を印加すると、電極円板21の針状電極24と外周側の第1の接地電極31、内周側の第2の接地電極32との間にコロナ放電が生起する。この時、コロナ放電により放射される電子は高いエネルギを有しており、排気流路11内の排気ガスに含まれる気体に衝突して電離させ、放電空間部12に、Oラジカル(酸素ラジカル)やOHラジカル(水酸基ラジカル)、イオンを含む放電プラズマが発生する。特に、エネルギ状態が高く活性なラジカルは、反応性に富み、放電空間部12を通過する排気微粒子PMと容易に反応して、微粒子状炭素(C)を酸化分解し、二酸化炭素(CO)とすることができる。
この場合、排気微粒子PMに対して、発生するラジカルの量が十分でないと、排気微粒子PMが浄化されずに排出されてしまう。そこで、通常の運転条件においてエンジンE1から放出される排気微粒子の量と、これを浄化するために必要なラジカル数および必要な電界強度について調べた。評価条件は、次の通りとした。
2GR 3.5L ガソリン直噴エンジン
エンジン回転数 :1300rpm
エンジン負荷 :20%
A/F :14.4
排気浄化装置搭載:サブマフラー下流
ここで、排気微粒子PM比重:1.3、PM粒径:40nmとすると、排出PM原子数:3.3×1013個/cmである。
一方、試験用に作成した装置(高圧電極と接地電極とこれらの間に放電空間となる通路を含む)を用い、放電空間となる通路に既知量の排気微粒子PMを含むガスを通過させ、通過前後のガス組成と電界強度を調べた。この結果、電界強度:10kV/cmに対して、通過前後のガス組成から知られるPM浄化個数:2.28×1013個/cmの浄化が可能であることが判明した。また、モデル作成によるシミュレーション結果から、電界強度:10kV/cmに対して存在させることができるラジカル数:4×1014個/cmであることが知られた。これを利用すると、排出PM原子数:3.3×1013個/cmを浄化するためには、
必要ラジカル数:5.79×1014個/cm
電界強度:14.5kV/cm
となる。つまり、排気浄化装置1の放電空間部12において必要な電界強度は14.5kV/cm以上である。
そして、本発明の構成であれば、比較的低い印加電圧で、電界強度≧14.5kV/cmを実現することができる。また、高圧電極2および接地電極3は簡易な形状で、製造が容易であり、圧損を増加させることもない。したがって、低電圧で高電界強度が得られ、排気微粒子を放電により生成するラジカルにより酸化浄化して、すり抜けを防止できる。
これに対して、上記図8に示した従来の装置構成では、ハウジング100の中央部に高圧電極101を、ハウジング100内周壁を接地電極102としており、電極間ギャップGが大きい(ハウジング100の半径Rとほぼ同等)。このため、必要な電界強度≧14.5kV/cmを得るには、例えば、投入電圧−50kV以上の印加が必要であり、これまでより高電圧電源が必要でコストが上昇し、安全対策も必要となる。
この構成で電極間ギャップGを小さくしようとすると、例えば、図9(a)のように、高圧電極101先端の放電部を大径とすることになり、電極間ギャップGに排気微粒子を通過させる必要があるために、ガス流路が狭くなり圧損が増加する。図9(b)のように、高圧電極101の放電部の外周に、新たな接地電極103を配置することもできるが、接地電極103外周の空間を利用しようとすると、ハウジング100の内周壁を高圧電極104とする必要がある。この場合、ハウジング100に高電圧を印加することになり、安全対策が必要となることから、現実的ではない。
図5は、本発明の排気浄化装置1における高圧電極2と接地電極3の電極間ギャップGと、高圧電極2の針状電極24間ピッチPの影響を調べるために用いた計算モデルであり、図6、7にシミュレーション結果を示す。図5の計算モデルにおいて、高圧電源に接続された2つの針状電極には、平板状の接地電極が対向位置しており、これら針状電極と接地電極間のギャップ(Gap)、2つの針状電極間のピッチ(Pitch)の一方を変化させた場合について、それぞれシミュレーションを行なって電界強度を算出した。図6は、電極間ギャップGを固定とし(G=8mm)、電極間ピッチPを5mm、7mm、10mm、15mmとした場合であり、それぞれシミュレーションにより得られた電界強度分布を示した。また、図7は、電極間ピッチPを固定とし(P=7mm)、電極間ギャップGを5mm、8mm、10mm、20mm、40mmとした場合であり、同様にシミュレーションにより得られた電界強度分布を示した。いずれも、針状電極の先端の曲率半径R:0.2mm、投入電圧:−20kVとした。
図6、7において、針状電極と接地電極の間に高電圧が印加されるとコロナ放電が発生し、放電電極である2つの針状電極の先端近傍から放射状に電界強度の高い領域が形成される。図6(a)〜(d)に示されるように、電極間ピッチPを5mm〜15mmの範囲で可変とした場合には、いずれの電極間ピッチPにおいても、針状電極と接地電極間の放電空間(図中に点線で示される電極間ピッチP×2の幅の領域)における電界強度は、16kV/cm程度ないしそれ以上であり、上述した必要とされる電界強度(14.5kV/cm)を上回る。また、2つの針状電極が近接するほど、電界強度の高い領域が重なるために、電極間の電界強度を高く維持することができるが、電極間ピッチPが15mmとやや大きい図6(d)では、2つの針状電極の間の領域において電界強度が低下する。
したがって、図6から電極間ピッチPは、隣り合う針状電極の間の領域において所望の電界強度が維持できるようにし、通常は15mm以下、好適には10mm以下の範囲で適宜設定するのがよい。
図7(a)〜(e)に示されるように、電極間ギャップGを5mm〜40mmの範囲で可変とした場合には、電極間ギャップGが小さくなるほど、電界強度が高くなっている。電極間ギャップGが5mmの図7(a)では、放電空間(図中に点線で示される電極間ピッチP×2の幅の領域)における電界強度が20kV/cm以上と高く、電極間ギャップGが8mm、10mmの図7(b)、(c)においても、ほとんどの領域で16kV/cm以上ないしその前後と、必要な電界強度(14.5kV/cm)が維持できることがわかる。電極間ギャップGが20mm、40mmの図7(d)、(e)では、接地電極に近い下半部における電界強度が低下している。
したがって、図7から電極間ギャップGは、接地電極に近い領域において所望の電界強度が維持できるように、通常は20mmより小さく、例えば15mm以下に設定するのがよい。この時、図1に示す排気浄化装置1(半径R=45mm)に対して、電極間ギャップG(G≦15mm)が上記式(1)の関係を満足する。
以上により、本発明の排気浄化装置1によれば、高圧電極と接地電極の配置を適切に設定することで、放電空間部12の広い領域において、必要なラジカルを発生させるために十分な電界強度を得ることができる。よって、エンジンから排出される排気微粒子を、効率よく浄化して、大気に放出されるのを防止することができる。
本発明の排気浄化装置は、直噴方式のガソリンエンジンやディーゼルエンジンに限らず、内燃機関から排出される排気微粒子の浄化に利用することができ、低電圧、低圧損であり、安全性が高く、製造が容易である。
1 排気浄化装置
11 排気流路
12 放電空間部
2 高圧電極(放電電極)
21 電極円板(基体部)
22 碍子部
23 アーム部
24 針状電極(突起状電極部)
3 接地電極(対向電極)
31 第1の接地電極
32 第2の接地電極
33 フランジ
34 アーム
35 ボルト孔
E エンジン
E1 排気管
H ハウジング
H1 小径部
H2、H3 フランジ

Claims (4)

  1. 円筒管形状のハウジング内を内燃機関の排気流路の一部として排気ガスを導入し、該排気流路に配置した放電電極と複数の対向電極の間にコロナ放電を発生させて排気ガス中の微粒子を浄化する放電空間部を備えており、
    該放電空間部は、上記ハウジングの一定径の円筒部を第1の対向電極とし、その中心部近傍に第2の対向電極を配置するとともに、これら第1および第2の対向電極の中間部に、上記放電電極を配置して、上記ハウジングの一端側から導入される排気ガスが、放電電極とその外周の第1の対向電極との間または内周の第2の対向電極との間を通過して、上記ハウジングの他端側へ向かう構成とし、
    上記放電電極と上記対向電極の電極間ギャップGが一定であり、かつ上記放電空間部を構成する上記ハウジングの円筒部半径Rと上記電極間ギャップGを、
    ハウジングの円筒部半径R≧両電極間ギャップG×3・・・(1)
    式(1)で表される関係が成立するように設定したことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記放電空間部における電界強度が14.5kV/cm以上である請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記放電電極は、環状または筒状の基体部と、該基体部の内外周から上記第1または第2の対向電極方向へ突出する複数の突起状電極部を備えている請求項1または2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記複数の突起状電極部は、上記基体部表面に等間隔で配置されている請求項3記載の内燃機関の排気浄化装置。
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