JP5929243B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
即ち、特許文献2には、いわゆるピクチャインピクチャの表示画面において、ユーザにより設定されたサブ画面の透明度に応じて、メイン画面とサブ画面との音量比を調整する技術が開示されている。
また、他の態様による発明は、動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段と、前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定する算定手段と、前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整する音量比調整手段と、を備えることを特徴とする。
[第1実施形態]
図1は、本発明の情報処理装置に係る第1実施形態としての複数動画再生音処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
複数動画再生音処理とは、動画像及び音声を含むコンテンツが複数個同時に再生されている最中の処理であって、同時に表示されている複数の動画像のそれぞれに対応する複数の音声の各々について、音量を制御する処理をいう。
また、記憶部20の一領域として、表示位置情報記憶部71と、コンテンツ記憶部72と、が構成される。
そこで、本実施形態では、各分割領域の表示対象のコンテンツが特定可能となるように、再生対象になり得る複数のコンテンツ(動画像及び音声)の各データは、ID(Identification)が付されてコンテンツ記憶部72に記憶されているとする。
また、所定のコンテンツが再生対象になると、当該所定のコンテンツの動画像が表示部18内の何れの分割領域に表示されるのかを示す情報、即ち当該動画像の表示部18における表示位置を示す情報(以下、「表示位置情報」と呼ぶ)が表示位置情報記憶部71に記憶されるとする。具体的には例えば、再生対象のコンテンツのIDと、そのコンテンツの動画像が表示される分割領域の座標(表示部18の座標系での座標)等とが対応付けられた情報が、表示位置情報として表示位置情報記憶部71に記憶されるとする。
表示制御部61は、再生対象の複数のコンテンツ毎に上述の一連の制御を並列して実行することで、再生対象の複数のコンテンツの各々についての複数の動画像を、表示部18の各分割領域にそれぞれ表示させる。
具体的には本実施形態では、ユーザは、入力部17を適宜操作して、表示部18の複数の分割領域の各々に表示された複数の動画像の中から、所望の動画像を指定することができる。この場合、音声制御部62は、指定された動画像に対応する音声の音量を、他の動画像よりも大きくするように制御する。これにより、ユーザは、所望の動画像の音声を容易に聴き取ることができるようになる。
具体的には例えば、ユーザが音量を大きくしたい所望の動画像を指示するためのマーク(以下、「音ポインタ」と呼ぶ)が、表示部18において移動可能に表示されているものとする。ユーザは、マウス31を用いて、当該音ポイントを、所望の動画像が表示されている分割領域内まで移動させた後、所望の動画像の選択の指示操作として、当該マウス31をクリックする。なお以下、このように所望の動画像が表示されている位置に音ポイントが配置されて、マウス31がクリックされることにより、所望の動画像が選択される指示操作を、「音ポインタ指定操作」と呼ぶ。
取得部53は、音ポインタ指定操作がなされた際にマウス31から入力されてくる情報を取得して、指定位置特定部54に供給する。なお、マウスポインタの位置の移動をマウス31の操作だけでなく、キーボード32によっても操作可能である場合には、取得部53による、キーボード32の操作情報の取得についても、マウス31の操作情報と同様に取得される。
ここで、指定位置と複数の分割領域の表示位置との距離とは、指定位置とそれぞれの分割領域の基準位置との距離としてもよい。
基準位置とは、分割領域内の基準となる所定の1点の位置であれば足りるが、本実施形態では、分割領域の重心が採用されているとする。また、特定位置と各基準位置との距離又は角度の大小関係も、その表現形態は特に限定されないが、本実施形態では、特定位置と基準位置との間の距離が採用されているとする。
即ち、本実施形態では、算定部55は、表示位置情報記憶部71に記憶された表示位置情報に基づいて、複数の分割領域の基準位置の各々を算定する。そして、算定部55は、指定位置と、複数の分割領域の基準位置の各々との間の距離を算定し、その算定結果を音量比調整部57に通知する。
なお、音量比調整部57は、音量比の算定にあたって、計時部56により計時された継続時間を考慮することができる。ただし、本実施形態における音量比の算定では、特に継続時間を考慮しないものとし、継続時間を考慮した音量比の算定については、第3実施形態として図9を参照して後述することにする。
ここで、基準音量とは、音声出力部19から出力される基準となる音量であって、再生対象の複数のコンテンツの各音量が総加算されたものをいう。即ち、複数のコンテンツの各々の音声の音量は、基準音量が音量比に従って分配されたものになる。
ユーザは、例えば特定の動画像の音声でなく複数の動画像の各音声の総音量を大きくしたいと思う場合は、表示部18に表示された基準音量調整バー(図示せず)のレベルをマウス31を用いて変更することにより、基準音量を調整すればよい。
音ポインタ81の初期位置は、特に限定されないが、図3(B)の例では、表示部18の画面の中心位置、即ち、4つの分割領域18UL,18UR,18DL,18DRの交点であるとする。
また、4つの分割領域18UL,18UR,18DL,18DRの各々の基準位置p_UL,p_UR,p_DL,p_DRは、図3(B)の例では、4つの分割領域18UL,18UR,18DL,18DRの各々の中心位置であるとする。
例えば、表示部18における分割領域は、図3の分割領域18UL,18UR,18DL,18DRに特に限定されず、マウス31のユーザ操作により分割位置や分割個数が任意に変更できるものもある。このような分割領域の変更タイミングも任意であるならば、コンテンツの再生有無にかかわらず分割領域が変更される毎に、基準位置が、変更後の各分割領域の中心位置の各々に更新される。
この場合、指定位置特定部54は、取得部53を介してマウス31の情報を取得し、当該情報に基づいて、音ポインタ81の初期位置である表示部18の中心位置を、指定位置として特定する。
音量比の算定手法は、指定位置と各基準位置との大小関係を用いる手法であれば特に限定されないが、本実施形態では、指定位置と各基準位置との距離が採用されているので、相対的に距離が短くなる程音量比が大きくなるような所定のアルゴリズムに従って、音量比を算定する手法が採用されている。
具体的には本実施形態では、音ポインタ81に最近の基準位置に対応するコンテンツの音量が「1」となり、かつ、それ以外のコンテンツの音量が「0」〜「1」の範囲内で、各々の基準位置と指定位置との間の距離に反比例して変化するように音量比を算定する手法が採用されている。
より具体的には本実施形態では、IDiのコンテンツの音量比Riを、次の式(1)及び式(2)の演算により求める処理を、i=1〜n(nは、再生対象のコンテンツの総数であり、図3の例では4)の各々について繰り返し実行することで、音量比R1:R2:・・・:Rnを算定する手法が採用されている。
このため、音量比調整部57は、図3(D)に示すように、音量比R1,R2,R3,R4の全てを等しく「1」と算定する。即ち、音量比R1:R2:R3:R4=1:1:1:1に算定される。
ここで、IDiのコンテンツの出力音量を「Roi」と記述し、基準音量を「Rs」と記述するならば、出力音量Roiは、次の式(3)により決定される。
図3(D)の例では、ID1,ID2,ID3,ID4のコンテンツの各出力音量Ro1,Ro2,Ro3,Ro4は同一となるため、ユーザにとっては、ID1,ID2,ID3,ID4のコンテンツの各音声が均等に混合されて耳に入ることになる。
この場合、図4(A)に示すように、ユーザは、マウス31を用いて音ポインタ81を、分割領域18UL内の同図に示す位置まで移動させて、マウス31をクリックすることで、音ポインタ指定操作を実行する。
指定位置特定部54は、取得部53を介してマウス31の情報を取得し、当該情報に基づいて、分割領域18UL内の図4(A)に示す音ポインタ81の位置を、指定位置として特定する。
具体的には、図4(A)に示すように、距離D1,D2,D3,D4の順で長距離となっている。従って、図4(B)に示すように、最短距離D1に対応するID1のコンテンツの音量が「1」で最大となり、それ以外のコンテンツの音量は、ID2,ID3,ID4の順で小さくなる。
これにより、ユーザにとっては、所望のID1のコンテンツの音声が最も聴き取りやすくなると共に、他のコンテンツの音声も全く聞こえなくなるのではなく、小さい音量ながらも混入されて聴くことができる。その結果、所望のID1のコンテンツの音声を明確に認識しつつ、他のコンテンツの音声もある程度把握できるようになる。
指定位置特定部54は、取得部53を介してマウス31の情報を取得し、当該情報に基づいて、分割領域18UL内の図5(A)に示す音ポインタ81の位置を、指定位置として特定する。
そこで、本実施形態では、音量比調整部57は、距離diが閾値以下か否かを判定し、閾値以下の場合には、式(2)の演算を禁止して、指定位置の最近傍の基準位置に対応するコンテンツ(図5(A)の例では、基準位置p_ULに対応するID1のコンテンツ)の音量を「1」とし、他のコンテンツの音量を「0」又は均一の小さい値とする。即ち、図5(B)に示すように、音量比R1:R2:R3:R4が算定される。
この結果、ユーザにとっては、分割領域18ULのID1のコンテンツの音声は図4の例よりもさらに相対的に大きな音量で聴こえるようになり、それ以外のコンテンツの音声はほぼ聴こえなくなる。換言すると、ユーザは、関心のあるコンテンツの音声のみを聴きたい場合には、マウス31を用いて、当該関心のあるコンテンツの基準位置まで音ポインタを移動させて、マウス31をクリックする、といった音ポインタ指定操作を実行すればよい。
図6(A)においては、音ポインタ81が配置されている指定位置からすると、最近傍の基準位置は、ID1のドラマが表示対象となっている分割領域18UL内の基準位置p_ULである。
従って、ID1のドラマの音量比R1が最も大きくなるような音量比、即ち、図6(B)に示すような音量比=R1:R2:R3:R4が算定される。
これにより、ユーザは、ドラマ(ID1)の音声を、他のコンテンツ(ID2,ID3,ID4)の音声に比べて、相対的に大きな音量ではっきりと聴くことができる。
そこで、サッカーの実況の関心が高まったユーザは、当該サッカーの実況の音声を最も大きな音量で聴くために、マウス31を用いて、音ポインタ81を図6(A)の位置から図6(C)の位置まで移動させ、マウス31をクリックすることで、音ポインタ指定操作を実行する。
当該音ポインタ指定操作がなされると、ID2のサッカーの音量比R2が最も大きくなる。即ち、図6(D)に示すような音量比=R1:R2:R3:R4に更新される。これにより、ユーザは、今度はサッカー(ID2)の音声を、他のコンテンツ(ID1,ID3,ID4)の音声に比べて、相対的に大きな音量ではっきりと聴くことができる。
このように、ユーザは、別のコンテンツに関心が移行したならば、当該別のコンテンツが表示対象になっている分割領域内の基準点に対して音ポインタ81を近づけるように移動させてマウス31をクリックする、といった音ポインタ指定操作を実行することで、関心が移行した別のコンテンツの音声を最大音量で聴くことができるようになる。
図7は、図2の機能的構成を有する図1の複数動画再生音処理装置1が実行する複数動画再生音処理の流れの一例を説明するフローチャートである。
即ち、表示制御部61は、ステップS1の処理で選択された複数のコンテンツの各々についての複数の動画像のデータをコンテンツ記憶部72から読みだすと共に、表示位置情報を表示位置情報記憶部71から読みだす。そして、表示制御部61は、当該複数の動画像の各々を、表示部18のうち、ステップS2の処理で割り当てられた各分割領域にそれぞれ表示させる。さらに、表示制御部61は、音ポインタを、表示部18のうち、ステップS3の処理で設定された初期位置に表示させる。
また、音声制御部62は、ステップS1の処理で選択された複数のコンテンツの各々についての複数の音声のデータを、コンテンツ記憶部72から読みだす。そして、音声制御部62は、当該複数の音声を同一音量となるように混合して、音声出力部19から出力させる。
上述のように、音ポインタ指定操作とは、マウス31により音ポインタが適宜移動された後、マウス31がクリックされる操作である。
このような音ポインタ指定操作に伴いマウス31から出力されてくる情報が取得部53により取得されるまでの間、ステップS5においてNOであると判定されて、処理はステップS10に進む。ただし、ステップS10以降の処理については後述する。
これに対して、音ポインタ指定操作に伴いマウス31から出力されてくる情報が取得部53により取得されると、ステップS5においてYESであると判定されて、処理はステップS6に進む。
なお、上述したように、基準位置は、表示位置情報記憶部71に記憶された表示位置情報に基づいて算出可能である。このため、基準位置の算定タイミングは、ステップS2の処理以降であれば、特に限定されない。即ち、ステップS7の処理の一部として基準位置が算定されてもよいし、ステップS7の処理前に予め基準位置が算定されていてもよい。
このような処理の終了の指示が通知されない限り、ステップS10においてNOであると判定されて、処理はステップS5に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、処理の終了の指示が通知されるまでの間、ユーザは、マウス31を用いて、音ポインタを所望の位置に移動させてクリックするという音ポインタ指定操作を何度でも繰り返し実行することができる。そして、音ポインタ指定操作が実行される毎に、ステップS6〜S9の処理が繰り返し実行され、音量比がその都度更新されて、更新された音量比に従って複数のコンテンツの音量もその都度調整される。
その後、処理の終了の指示が通知されると、ステップS10においてYESであると判定されて、複数動画再生音処理が終了となる。
即ち、表示制御部61は、複数の動画像の各々を、表示画面を分割した複数の分割領域に表示させる制御を実行する。
音声制御部62は、音量比調整部57により算定された音量比に従ったそれぞれの音量で、複数の音声を出力させる制御を実行する。
このような音声制御部62の制御を実現すべく、指定位置特定部54と、算定部55と、音量比調整部57と、がCPU11において機能する。
指定位置特定部54は、ユーザが着目する動画像の表示位置との距離又は角度を、複数のコンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する。具体的には、第1実施形態では、表示部18の表示画面内で音ポインタ81により指定される位置が、指定位置として用いられる。
算定部55は、複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置を基準位置の各々とする。第1実施形態では、算定部55は、複数の分割領域の各々の内部の位置を、基準位置の各々とする。算定部55は、指定位置又は指定方向と、複数の基準位置の各々との間の距離又は角度の大小関係を算定する。
音量比調整部57は、算定部55により算定された距離、及び、指定位置と複数の基準位置の各々との間の距離又は角度に連動して複数の音声の音量が変更される所定のアルゴリズム(例えば上述の式(1),式(2)で規定されるアルゴリズム)に基づいて、複数のコンテンツについての音量比を算定する。
従って、ユーザにとっては、表示部18に複数の動画像の表示が継続された状態で、マウス31を用いて、関心の高いコンテンツの動画像が表示されている分割領域に音ポインタ81を近づけるといった直感的でわかりやすい操作をするだけで、各コンテンツの音量調整を容易かつ適切にすることが可能になる。
さらに、この場合、主となるコンテンツの音声が大音量で出力されつつも、副となる他のコンテンツの音声も小音量ながら出力される。従って、ユーザは、主のコンテンツの音声を明確に聴きながら、副のコンテンツの音声も把握することができる。このため、ユーザは、一度音量調整された後に別のコンテンツに関心が移行しても、関心が移った別のコンテンツの動画像が表示されている分割領域に音ポインタ81を近づけるといった直感的でわかりやすい操作を再度することで、各コンテンツの音量調整の更新も可能になる。
以上まとめると、複数の動画像の表示と複数の音声の出力とを継続させながら、複数の音声の各音量を適切に調整することが容易に可能になる。
複数のコンテンツの各動画像は、第1実施形態では表示部18の1画面から分割された分割領域に表示されたが、特に第1実施形態の例に限定されず、任意の表示デバイスに表示が可能である。
そこで、第2実施形態では、複数のコンテンツの各動画像は、表示部18(複数動画再生音処理装置1の内蔵ディスプレイ等)ではなく、近距離無線通信が可能な範囲内に集合している外部の複数の表示デバイス(図示せず)の各々に表示されるものとする。この場合、複数の動画像の表示の制御については、複数動画再生音処理装置1が一括して実行してもよいし、外部の複数の表示デバイスの各々が独立して実行してもよい。
一方で、複数のコンテンツの各音声の音量については、複数動画再生音処理装置1が音量比を決定して、当該音量比に基づいて調整するものとする。ただし、各音声は、音声出力部19(複数動画再生音処理装置1の内蔵スピーカ等)から混合されて出力される必要はないため、本実施形態では、複数の表示デバイスに内蔵又は接続される各々のスピーカから個別に出力されるとする。
そこで以下、図8を参照して、第2実施形態の複数動画再生音処理装置1が実行する複数動画再生音処理についてのみ説明する。
図8は、図2の機能的構成を有する図1の複数動画再生音処理装置1が実行する複数動画再生音処理の流れの一例であって、図7とは異なる例を説明するフローチャートである。
ここで、ステップS1の処理で検出され得る複数の表示デバイスの設置位置については何れも既知であり、各々の設置位置を示す情報(以下、「設置位置情報」と呼ぶ)は表示位置情報記憶部71に予め記憶(登録)されているものとする。
そこで、ステップS23において、指定位置特定部54は、センサ部16からの情報を取得部53を介して取得すると、当該情報に基づいて、ユーザの位置又は視線の方向を、指定位置又は指定方向として特定する。
この際、ユーザが鑑賞中の表示デバイスの動画像の表示位置との距離又は角度が最小となるように、指定位置又は指定方向を検出するものとすることが望ましい。即ち、ユーザと複数の表示デバイスとの距離が等距離でない場合は、複数の表示デバイスの設置位置と指定位置(ユーザの位置)とのそれぞれの距離のうち、ユーザの鑑賞中の表示デバイスの動画像に対応する距離が最小になるとは限らない場合も考えられる。こうした場合に、算定部55は、ユーザから見た表示デバイスの設置された方向と指定方向との角度差を求めて大小関係を算定するのが望ましい。なぜなら、角度差が小さい表示デバイスの音量を他のデバイスよりも大きくするようなアルゴリズムを適用される場合に、ユーザの鑑賞中の動画像の表示位置との角度が最小となるように指定方向が検出されることによって、ユーザの鑑賞中の動画像の音量を他の動画像の音量よりも大きくすることができるからである。
このような処理の終了の指示が通知されない限り、ステップS27においてNOであると判定されて、処理はステップS21に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
その後、処理の終了の指示が通知されると、ステップS27においてYESであると判定されて、複数動画再生音処理が終了となる。
このように、ユーザは、所望の動画像の表示された表示デバイスの方向に、視線を移す動作をしたり、その場所に位置するといった簡単で直観的な動作をするだけで、所望の動画像の音量を大きくする指示をすることが可能となる。
このため、ユーザは、第1実施形態のようにマウス31といった明示的な入力機器を操作するという煩わしさがなく、所望の動画像に視線を向けるという本来的な動作をするだけで、複数のコンテンツの各々の音量調整を指示することができる。
さらに、この場合、主となるコンテンツの音声が大音量で出力されつつも、副となる他のコンテンツの音声も小音量ながら出力される。従って、ユーザは、主のコンテンツの音声を明確に聴きながら、副のコンテンツの音声も把握することができる。このため、ユーザは、一度音量調整された後に別のコンテンツに関心が移行しても、関心が移った別のコンテンツの動画像が表示されている表示デバイスを視聴するための本来的な動作を再度することで、各コンテンツの音量調整の更新も可能になる。
以上まとめると、第2実施形態でも、複数の動画像の表示と複数の音声の出力とを継続させながら、複数の音声の各音量を適切に調整することが容易に可能になる。
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、複数のコンテンツの各動画像は、近距離無線通信が可能な範囲内に集合している外部の複数の表示デバイス(図示せず)の各々に表示されるものとする。
一方、複数のコンテンツの各音声の音量については、複数動画再生音処理装置1が調整する点では第2実施形態と同様であるが、調整の仕方が第2実施形態とは異なり、上述した計時部56により計時された継続時間が考量される。
そこで以下、図9を参照して、第3実施形態の複数動画再生音処理装置1が実行する複数動画再生音処理についてのみ説明する。
図9は、図2の機能的構成を有する図1の複数動画再生音処理装置1が実行する複数動画再生音処理の流れの一例であって、図7や図8とは異なる例を説明するフローチャートである。
ステップS46において、音量比調整部57は、この状態(距離差又は角度差が所定内を継続している状態)の継続時間に応じて徐々に、当該表示デバイスの音量を大きく、それ以外の表示デバイスの音量を小さくするように、複数のコンテンツについての音量比を逐次算定する。
ステップS47において、音量比調整部57は、この状態(距離差又は角度差が所定内を継続していない状態)の継続時間に応じて徐々に、全表示デバイスの音量が平均化するように、複数のコンテンツについての音量比を逐次算定する。
このような処理の終了の指示が通知されない限り、ステップS48においてNOであると判定されて、処理はステップS41に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
その後、処理の終了の指示が通知されると、ステップS48においてYESであると判定されて、複数動画再生音処理が終了となる。
これにより、第2実施形態と同様の効果を奏することが可能になる。即ち、第3実施形態でも、複数の動画像の表示と複数の音声の出力とを継続させながら、複数の音声の各音量を適切に調整することが容易に可能になる。
そして、音量比調整部57は、距離差又は角度差が所定内の表示デバイスがある場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、当該表示デバイスの音量を大きく、それ以外の表示デバイスの音量を小さくするように、複数のコンテンツについての音量比を算定する。
一方、音量比調整部57は、距離差又は角度差が所定外の表示デバイスがある場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、全表示デバイスの音量が平均化するように、複数のコンテンツについての音量比を算定する。
これにより、次のような効果を奏することができる。
即ち、ユーザは、所望の動画像を視聴している最中でも、他の注意を払う事象に対して視線を向けたり、関心のない動画像にも一瞬視線を向ける場合がある。こうした場合であっても、ユーザの動きに、いちいち連動してコンテンツの音声の音量がすぐに変化してしまうと、ユーザの関心のあるコンテンツの音声の音量が小さくなってしまい視聴しにくくなってしまう。こうした事態が防止可能になる。即ち、第3実施形態では、ある状態が継続する継続時間に応じて徐々に、ユーザの所望する表示デバイスの音量を大きくしたり、各表示デバイスの音量を平均化することができる。
例えば、本発明は、画像表示機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
換言すると、図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画像表示装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
[付記1]
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段と、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定手段と、
前記算定手段により算定された前記距離又は角度の大小関係に連動して、距離又は角度が小さいほど音量が大きくなる所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツについての音量比を調整する音量比調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
前記ユーザの行動は、ユーザが所望の動画像を選択的に鑑賞する際にとる鑑賞行動であり、
前記指定位置特定手段は、ユーザが主として鑑賞中の動画像の表示位置との距離又は角度が最小となるような検出方法によって前記指定位置又は指定方向を検出することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記複数の動画像の各々は、既知の設置位置の各々に設置された複数の表示デバイスの各々に表示され、
前記指定位置特定手段は、前記ユーザの位置又は視線の方向に基づいて前記指定位置又は前記指定方向を特定する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記音量比調整手段は、前記算定手段により算定される前記距離又は角度の大小関係が所定の状態を維持している間、最も距離又は角度が小さい表示デバイスの音量が、それ以外の表示デバイスの音量よりも大きくなっていくように、前記複数のコンテンツについての音量比を徐々に変化させることを特徴とする付記3に記載の情報処理装置。
[付記5]
前記算定手段は、各々の動画像の表示位置に対応して算定される距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定し、
前記音量比調整手段は、前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整することを特徴とする付記4に記載の情報処理装置。
[付記6]
所定の状態が継続する継続時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記音量比調整手段は、
前記距離差又は前記角度差が所定内の表示デバイスがある場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、当該表示デバイスの音量を大きく、それ以外の表示デバイスの音量を小さくするように、前記複数のコンテンツについての音量比を算定し、
前記距離差又は前記角度差が所定外の表示デバイスがある場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、全表示デバイスの音量が平均化するように、前記複数のコンテンツについての音量比を算定する、
ことを特徴とする付記5に記載の情報処理装置。
[付記7]
前記複数の動画像の各々を、表示画面を分割した複数の分割領域に表示させる制御を実行する表示制御手段をさらに備え、
前記ユーザの行動は、前記表示画面内で任意の位置を指示する指示操作の行動であり、
前記指定位置特定手段は、ユーザによる前記指示操作の行動に基づいて検出される前記表示画面内の位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定することを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
[付記8]
前記算定手段は、前記複数の分割領域の各々の基準位置に対応して算定される距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定し、
前記音量比調整手段は、前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整することを特徴とする付記7に記載の情報処理装置。
[付記9]
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定ステップと、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定ステップにより特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記距離又は角度の大小関係に連動して、距離又は角度が小さいほど音量が大きくなる所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツについての音量比を調整する音量比調整ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
[付記10]
コンピュータを、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定手段、
前記算定手段により算定された前記距離又は角度の大小関係に連動して、距離又は角度が小さいほど音量が大きくなる所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツについての音量比を調整する音量比調整手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
Claims (12)
- 動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段と、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定手段と、
前記算定手段により算定された前記距離又は角度が最も小さい表示デバイスの音量が、それ以外の表示デバイスの音量よりも徐々に大きくなっていくように、前記複数のコンテンツについての音量比を変化させて音量を調整する音量比調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段と、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定する算定手段と、
前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整する音量比調整手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 所定の状態が継続する継続時間を計時する計時手段をさらに備え、
前記音量比調整手段は、前記距離差又は前記角度差が所定内の表示デバイスがある場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、当該表示デバイスの音量を大きく、それ以外の表示デバイスの音量を小さくするように、前記複数のコンテンツについての音量比を算定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記音量比調整手段は、前記距離差又は前記角度差が所定内の表示デバイスがない場合、その場合の状態が継続する継続時間に応じて徐々に、全表示デバイスの音量が平均化するように、前記複数のコンテンツについての音量比を算定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記ユーザの行動は、ユーザが所望の動画像を選択的に鑑賞する際にとる鑑賞行動であり、
前記指定位置特定手段は、ユーザが主として鑑賞中の動画像の表示位置との距離又は角度が最小となるような検出方法によって前記指定位置又は指定方向を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。 - 前記複数の動画像の各々は、既知の設置位置の各々に設置された複数の表示デバイスの各々に表示され、
前記指定位置特定手段は、前記ユーザの位置又は視線の方向に基づいて前記指定位置又は前記指定方向を特定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。 - 前記複数の動画像の各々を、表示画面を分割した複数の分割領域に表示させる制御を実行する表示制御手段をさらに備え、
前記ユーザの行動は、前記表示画面内で任意の位置を指示する指示操作の行動であり、
前記指定位置特定手段は、ユーザによる前記指示操作の行動に基づいて検出される前記表示画面内の位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の情報処理装置。 - 前記算定手段は、前記複数の分割領域の各々の基準位置に対応して算定される距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定し、
前記音量比調整手段は、前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。 - 情報処理装置が実行する情報処理方法において、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定ステップと、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定ステップにより特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記距離又は角度が最も小さい表示デバイスの音量が、それ以外の表示デバイスの音量よりも徐々に大きくなっていくように、前記複数のコンテンツについての音量比を変化させて音量を調整する音量比調整ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の大小関係を算定する算定手段、
前記算定手段により算定された前記距離又は角度が最も小さい表示デバイスの音量が、それ以外の表示デバイスの音量よりも徐々に大きくなっていくように、前記複数のコンテンツについての音量比を変化させて音量を調整する音量比調整手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。 - 情報処理装置が実行する情報処理方法において、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定ステップと、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定ステップにより特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定する算定ステップと、
前記算定ステップにより算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整する音量比調整ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを、
動画像と音声を含むコンテンツが複数同時に再生される場合に、ユーザの行動に基づいて検出される位置又は方向を、複数の前記コンテンツの各々の音量を指定するための指定位置又は指定方向として特定する指定位置特定手段、
前記複数のコンテンツの動画像の各々の表示位置と、前記指定位置特定手段により特定された前記指定位置又は指定方向との間の距離又は角度の差である距離差又は角度差を算定する算定手段、
前記算定手段により算定された前記距離差又は前記角度差に対応して複数段階で音量を調整する所定のアルゴリズムに基づいて、前記複数のコンテンツの音量が各々異なるように音量比を調整する音量比調整手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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