JP5928719B2 - 画像処理装置および画像処理プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置および画像処理プログラムに関するものである。
近年、画像を出力する際に、電子的な情報を、一見、人間の目には認識されない形式で付加した画像を出力し、その画像を読取装置で読み取った際に、付加した情報の存在を検出し、あるいは付加した情報を取り出す技術が開発され、利用されている。
例えば特許文献1や特許文献2では、出力装置で画像を出力する際に画像中にイエローの孤立した領域を付加情報として埋め込んでおく。そして画像を読み取った際に、画像からイエローの孤立した領域を検出するとともに、白地に相当する領域を検出し、検出されたイエローの孤立した領域と白地に相当する領域をもとに、読み取った画像が当該出力装置で出力したものか否かを判定している。
これらの文献では、地色及び孤立した領域の色が固定されており、例えば余白や文書の行間などで付加情報を検出することになる。画像の出力の際には、周波数劣化、用紙の表面荒れ、雑音成分の混入などが生じ、また読み取りの際のMTFが劣化するなど、様々な要因により色変動が発生する場合がある。そのため、付加した情報の検出や取り出しは、様々な色変動に対応することが要求されている。
特開平10−145623号公報 特開平10−243221号公報
本発明は、様々な画像や色変動に対応して埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができる画像処理装置および画像処理プログラムを提供することを目的とするものである。
本願請求項1に記載の発明は、与えられた画像の注目領域ごとに局所的な色の変位を局所色変位として算出する色変位算出手段と、前記注目領域を含む予め決められた大きさの領域として設定される参照領域において予め設定された色の変位である抽出色変位に対する前記局所色変位の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域についての前記抽出色変位との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
また本願請求項2に記載の発明は、与えられた画像の注目領域ごとに局所的な色の変位を局所色変位として算出する色変位算出手段と、前記局所色変位のベクトルと予め設定された色の変位である抽出色変位のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である局所色変位に対応する注目領域を画像平面上で連結した連結領域として参照領域を設定し、該参照領域において前記抽出色変位に対する前記局所色変位の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域についての前記抽出色変位との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項3に記載の発明は、本願請求項1または請求項2に記載の発明における前記類似度算出手段が、分布状態から得た類似度と、前記注目領域の前記局所色変位と前記抽出色変位との類似度とから総合類似度を算出することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項4に記載の発明は、本願請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発明における前記分布取得手段が、前記参照領域内の前記局所色変位について、前記抽出色変位からの広がりを前記分布状態として取得することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項5に記載の発明は、本願請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の発明の構成に、さらに、それぞれの注目領域から得られる局所色変位の方向と与えられた色の変位の方向から前記抽出色変位を設定する抽出色変位設定手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項6に記載の発明は、与えられた画像の注目領域を含む予め決められた大きさの領域として設定される参照領域において予め設定された色である抽出色に対する色の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域における前記抽出色との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
また本願請求項7に記載の発明は、与えられた画像の注目領域における色のベクトルと予め設定された色である抽出色のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である注目領域を画像平面上で連結した連結領域として参照領域を設定し、該参照領域において前記抽出色に対する色の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域における前記抽出色との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項8に記載の発明は、本願請求項6または請求項7に記載の発明における前記類似度算出手段が、分布状態から得た類似度と、前記注目領域の色と前記抽出色との類似度とから総合類似度を算出することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項9に記載の発明は、本願請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の発明における前記分布取得手段が、前記参照領域内の前記注目領域の色について、前記抽出色からの広がりを前記分布状態として取得することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項10に記載の発明は、本願請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の発明の構成に、さらに、それぞれの注目領域の色と抽出するとして与えられた色から前記抽出色を設定する抽出色設定手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項11に記載の発明は、本願請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の発明の構成に、さらに、前記類似度を二値化する二値化手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項12に記載の発明は、本願請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の発明の構成に、さらに、前記類似度に基づいて前記画像に対して強調処理を施し、強調された画像を二値化する二値化手段を有することを特徴とする画像処理装置である。
本願請求項13に記載の発明は、コンピュータに、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラムである。
本願請求項1及び請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、様々な画像や色変動に対応して埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができるという効果がある。
本願請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに精度よく埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項4に記載の発明によれば、与えられた画像における抽出色変位に類似した色変位が存在していても、その存在状態に応じて埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項5に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに色変動を排除した情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項6及び請求項7に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、様々な色変動に対応して埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができるという効果がある。
本願請求項8に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに精度よく埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項9に記載の発明によれば、与えられた画像における抽出色に類似した色が存在していても、その存在状態に応じて埋め込まれた情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項10に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに色変動を排除した情報の検出や取得を行うことができる。
本願請求項11に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに雑音成分を排除して埋め込まれた情報を明示的に現出させた画像を得ることができる。
本願請求項12に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比べて、さらに雑音成分を排除して情報が埋め込まれた領域を強調した画像を得ることができる。
本願請求項13に記載の発明によれば、本願請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。 情報の埋め込みの一例の説明図である。 情報を埋め込んだ場合の色の変化の説明図である。 本発明の第1の実施の形態における動作の一例を示す流れ図である。 本発明の第1の実施の形態における動作の具体例の説明図である。 本発明の第1の実施の形態の第1の変形例を示す構成図である。 局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルの一例の説明図である。 本発明の第1の実施の形態の第2の変形例を示す構成図である。 本発明の第1の実施の形態の第3の変形例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態における動作の一例を示す流れ図である。 本発明の第2の実施の形態の第1の変形例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態の第2の変形例を示す構成図である。 本発明の第2の実施の形態の第3の変形例を示す構成図である。 本発明の各実施の形態およびその変形例で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。
まず、本願発明の各実施の形態において前提となる情報が埋め込まれた画像について説明しておく。図2は、情報の埋め込みの一例の説明図、図3は、情報を埋め込んだ場合の色の変化の説明図である。図2(A)には原画像の一例を示し、図2(B)には埋め込む情報の画像の一例を示している。図2(A)に示した原画像の一例では、色の違いを斜線の違いとして示している。もちろん、原画像には制限はない。また、原画像に情報を埋め込む際には、予め決めておいた色の点を埋め込むものとし、図2(B)に示した埋め込む情報の画像においては予め決められた色の点を黒点によって示している。もちろん、埋め込みに用いるパターンは点に限られず、パターンの大きさ及び形状、配置については予め決めておけばよく、この例に限られない。情報を埋め込む際に用いる色を含め、一見しただけでは一般の人の目には認識されないように設定される。
原画像に情報を埋め込む際には、両者を合成すればよい。例えば図2(A)に示した画像に図2(B)に示した情報の画像を合成して、図2(C)に示した画像を得る。この図2(C)に示した画像を出力すれば、情報が埋め込まれた画像が出力されることになる。
情報が埋め込まれた画素の色の変化の具体例を図3に示している。色aは原画像における当該画素の色を示し、色bは埋め込む色を示している。原画像に情報を埋め込むことにより、当該画素の色は色cへと変化する。このように色が変化した画素が、合成後の画像には存在することになる。しかし、上述のように埋め込む色や大きさなどを見かけ上では分からないように設定しておくことによって、原画像の見かけ上の色などは保持される。
ここで、当該画素の色の変位をみると、色aが色cへ変位dだけ変化していることになる。この変位dは、埋め込んだ色bの白からの変位である。従って、情報を埋め込む際に用いた色を変位として与え、色aの領域に色cの画素が存在している場合、その変位を与えられた変位と比較すれば、情報が埋め込まれた画素であるか否かが分かることになる。
もちろん、紙白部分では色の変位を用いずに、情報の埋め込みに使用している色そのものを検出すれば、情報が埋め込まれているか否か、あるいは埋め込まれた情報の取得が行われることは言うまでもない。図2(C)にpとして示した領域は、紙白部分に情報が埋め込まれた領域を示している。
以下に説明する本発明の各実施の形態では、このような知見を基本として用い、色の変位を用いる場合と色そのものを用いる場合について示している。色の変位を用いる場合でも、色そのものを用いる場合でも、与えられた画像においては上述した様々な色変動が生じていることがある。与えられる画像はどのようなものでもよいが、図2(C)に示した画像のように情報が埋め込まれた画像については、情報が埋め込まれていることを検出し、あるいは埋め込まれている情報を取得するための処理を行う。
図1は、本発明の第1の実施の形態を示す構成図である。図中、1は局所色変位算出部、2は分布取得部、3は類似度算出部である。この第1の実施の形態では、色変位を用いる場合について説明する。
局所色変位算出部1は、与えられた画像の注目領域ごとに局所的な色の変位を局所色変位として算出する。注目領域は1または複数の画素とし、与えられた画像の全体あるいは部分について注目領域を変更して局所色変位を算出する。局所色変位は、例えば注目領域の色について局所平均色からの色の変位を算出すればよい。局所平均色は、注目領域を含む予め決められた大きさ及び形状の領域(局所領域)について、全体あるいはいくつかの画素の色の平均を算出すればよい。また、色の変位は色差ベクトルとして求めればよい。この場合、色空間における注目領域の色ベクトルと局所平均色の色ベクトルとから求めるほか、色を表す成分ごとに差分を求め、差分を要素とするベクトルを色差ベクトルとしてもよい。例えば色成分ごとに注目領域の色と局所平均色の差を求めて色差ベクトルの各色成分の値とすればよい。あるいは、画像の色値から局所微分値を求め、または色成分ごとに局所微分値を求め、これらの微分値より局所色変位を求めてもよい。
分布取得部2は、注目領域に対して参照領域を設定し、その参照領域において予め設定された色の変位である抽出色変位に対する局所色変位の分布状態を取得する。局所色変位は様々な方向及び大きさで得られるが、抽出色変位からの相違が予め決められた範囲内の局所色変位を対象として分布状態を取得するとよい。分布状態としては、抽出色変位からの広がりを取得するとよく、例えば抽出色変位のベクトル方向に対して異なる方向についての広がり、一例としては分散や標準偏差、最大距離や平均距離などを分布状態として取得するとよい。抽出色変位は、この例では与えられた情報の埋め込みの際に使用した色のベクトルあるいは当該色の局所微分値から求めたベクトルを用いればよい。
分布状態を取得する際の参照領域は、注目領域を含む予め決められた大きさの領域としたり、当該注目領域における局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルとのなす角度または局所色変位のベクトルの長さなどに応じて設定される領域とするとよい。あるいは、局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である局所色変位に対応する注目領域について、そのような注目領域が画像平面上で連結した連結領域を参照領域とするとよい。
類似度算出部3は、注目領域についての抽出色変位との類似度を、分布取得部2で取得した分布状態から算出する。例えば、局所色変位の分布状態が抽出色変位から大きな広がりを有している場合には、広がりが小さい場合に比べて、ゴミや紙粉などの外部からの影響や画像面の荒れなど、様々な要因によって色の混入が生じていることが考えられ、それらが存在しない理想的な状態の場合に比べて類似度の値を小さくする。逆に、分布状態として広がりが小さい場合には、局所色変位が抽出色変位を表していることが想定され、大きく広がっている場合に比べて類似度の値を大きくする。分布状態tと類似度Fyの関係は、例えば関数S(t)を予め定めておけばよい。さらに、例えば抽出色変位のベクトルの長さに応じて関数S(t)を制御し、一例としては抽出色変位のベクトルの長さが長いほど分布状態の広がりに対する関数S(t)の値を大きくして類似度を高めるように制御してもよい。このほかにも種々の要因により関数S(t)の値を制御するように構成してもよい。分布状態から類似度を算出する際に、抽出色変位のベクトルと局所色変位のベクトルが反対方向を向いている場合を考慮し、正方向と反対方向の類似度を求めていずれか大きい方を選択するようにし、情報を埋め込む際に反転(減算)して埋め込んだ場合に対応してもよい。
図4は、本発明の第1の実施の形態における動作の一例を示す流れ図、図5は、本発明の第1の実施の形態における動作の具体例の説明図である。図4のS11において、局所色変位算出部1はそれぞれの注目領域における局所的な色の変位、例えば局所平均値と注目領域の色の色差ベクトルや局所微分値などから局所色変位を求める。
次に、分布取得部2は、局所色変位算出部1で算出したそれぞれの注目領域の局所色変位をもとに、局所色変位の分布状態を取得する。ここでは一例として、局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルとのなす角度または角度と長さから参照領域を設定し、その参照領域において抽出色変位からの広がりを取得する場合について示している。この場合の具体例を図5に示しており、図4とともに用いて説明する。
S12において、S11で算出したそれぞれの局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルとのなす角度、または、角度とベクトルの長さが、予め決められた範囲である局所色変位を抽出する。図5(A)は、ある画像について局所色変位を求めて得られた局所色変位画像である。この例において、局所色変位の違いを斜線の違いとして示している。領域bが情報を埋め込んだ領域を示しており、領域c、領域dについては領域bとは局所色変位のベクトルが異なる方向または長さを有している。領域aの局所色変位は、抽出色変位のベクトルとのなす角度、または、なす角度とベクトルの長さが、予め決められた範囲内であるものとしている。予め決められた範囲内であるか否かを判定し、範囲内である場合に黒く、範囲外の場合に白く示すと、図5(B)に示すようになる。実質的に、判定により二値化されることになる。そして、範囲内と判定された局所色変位に対応する注目領域について、そのような注目領域が画像平面上で連結した連結領域を参照領域とする。図5(B)に示した二値画像において、黒く示したそれぞれの連結領域、ここでは領域aと領域bをそれぞれ参照領域とすればよい。
S13において、参照領域における局所色変位の抽出色変位からの広がりを分布状態として取得する。図5(C)には、抽出色変位のベクトルVyと各局所色変位のベクトルについて、始点を原点として局所色変位のベクトルの終点が広がる領域の一例を示している。この領域について、抽出色変位のベクトルから離れる方向の広がりを分布状態として取得する。例えば領域bでは情報を埋め込んだことによる色変位がまとまって現れる傾向にある。逆に領域aでは、特定の色を用いている訳ではないことから、色変位にはバラツキがある。従って、領域aの分布状態は領域bの分布状態に比べて広がりが大きくなる。このように、分布取得部2で得る分布状態は、情報が埋め込まれた領域であることの確からしさを示すことになる。
なお、上述の方法以外の方法により分布状態を取得してもよく、その場合には使用する方法に応じた処理を行って分布状態を取得すればばよい。
S14において、類似度算出部3は、注目領域についての抽出色変位との類似度を、分布取得部2で取得した分布状態から算出する。注目領域が図5(B)で黒く示した参照領域のいずれかに含まれる場合には、その参照領域から取得した分布状態を用いて類似度を算出する。上述したが、分布状態として図5(C)に示した広がりが大きいほど類似度を小さくし、広がりが小さいほど類似度を大きくする。また、注目領域が参照領域のいずれにも含まれない場合、参照領域を求める際に抽出色変位のベクトルからの角度や長さが条件の範囲外であると判断されており、注目領域には情報が埋め込まれていないと判断してよい。従って、類似度は算出しなくてもよく、あるいは0などの定数としてもよい。
類似度算出部3で注目領域ごとに算出した類似度は、例えば、予め設定しておいた閾値と比較し、閾値以上となる注目領域が存在していれば、与えられた画像には情報が埋め込まれていると判断すればよい。また、それぞれの注目領域に類似度の値を割り付けた類似度画像を生成してもよい。類似度画像には、情報が埋め込まれた領域に他よりも大きな値が割り付けられており、例えば図2(B)に示した画像のように、埋め込む情報の画像が再生されることになる。値が局所的に極大となる画像中の位置や形状を特定すれば、情報の埋め込み位置が判明し、情報の取得につながる。
類似度を使用してこのような情報の有無の判定や情報の取得を行えば、白の余白以外に埋め込まれた情報も検出、取得される。また、様々な要因により色変動が生じていても、類似度の値で判断すれば情報の検出、取得が確実に行われることになる。
図6は、本発明の第1の実施の形態の第1の変形例を示す構成図である。この第1の変形例では、分布取得部2で取得した分布状態だけでなく、抽出色変位とそれぞれの局所色変位との関係も用いて類似度を求める例を示している。
この第1の実施の形態の第1の変形例における類似度算出部3は、分布取得部2で取得した分布状態から得た類似度と、注目領域の局所色変位と抽出色変位との類似度を求め、両者の類似度から総合類似度を算出する。算出する総合類似度の一例としては、ある注目領域についての総合類似度Fを、抽出色変位をベクトルVy、局所色変位をベクトルV、ベクトルVyとベクトルVとがなす角度をα、分布状態をt、分布状態tから類似度を求める関数をS(t)として
F=|V|m (cos(α))n ・S(t)
で求めればよい。なお、m、nは定数である。
この総合類似度Fの式においてS(t)を固定すると、ベクトルVyとベクトルVのなす角度が小さいほど総合類似度Fが大きな値を取ることになる。理論的には情報が埋め込まれている場合に局所色変位は抽出色変位となることから、総合類似度Fの値が大きいほど、注目領域に情報が埋め込まれていると推測される。また、関数S(t)については、分布状態tが局所色変位の広がりが小さいほど、大きく広がっている場合に比べて大きな値となり、参照領域の局所色変位が情報の埋め込みによる色変位であると推測されることから、総合類似度Fも大きな値となる。なお、上述の式では関数S(t)を乗算しているが、加減算する構成でもよい。また、局所色変位と抽出色変位から算出する類似度についても、上述の式に限らず、別の方法により類似度を求めてもよいことは言うまでもない。また、抽出色変位のベクトルと局所色変位のベクトルについて反対方向の類似度も求めて選択的に用いることは、この第1の変形例においても適用してよい。
本発明の第1の実施の形態の第1の変形例における動作の一例としては、図4に示した流れ図のS14で類似度を算出する際に、分布状態から算出した類似度とともに、局所色変位と抽出色変位から算出する類似度を用いて総合類似度を算出すればよい。例えば、図4のS11において局所色変位を求めた後、S12において参照領域を設定してS13で分布状態を取得する。そして、S14において、類似度算出部3は、注目領域についての抽出色変位との類似度をS13で取得した分布状態から求めるとともに、注目領域の局所色変位と抽出色変位との類似度を求め、両者の類似度から総合類似度を算出する。
図7は、局所色変位のベクトルと抽出色変位のベクトルの一例の説明図である。図7では、局所色変位のベクトルVと抽出色変位のベクトルVyについて、始点を原点として示している。上述の総合類似度Fを求める式を用いる場合、局所色変位のベクトルVと抽出色変位のベクトルVyのなす角度がαであり、この角度αが大きいほど総合類似度の値は小さくなる。さらに、分布状態として図5(C)に示した広がりが大きいほど総合類似度は小さくなり、広がりが小さいほど総合類似度は大きくなる。
類似度算出部2で総合類似度を算出した場合も、例えば、予め設定しておいた閾値と比較し、閾値以上となる注目領域が存在していれば、与えられた画像には情報が埋め込まれていると判断すればよい。また、それぞれの注目領域に総合類似度の値を割り付けた類似度画像を生成してもよい。値が局所的に極大となる画像中の位置や形状を特定すれば、情報の埋め込み位置が判明し、情報の取得につながる。
総合類似度を使用してこのような情報の有無の判定や情報の取得を行う場合、局所色変位の分布状態だけでなく局所色変位と抽出色変位との関係を用いることから、分布状態から類似度を算出する場合に比べて当該注目領域における情報の埋め込み状況がより確実に把握されることになる。
図8は、本発明の第1の実施の形態の第2の変形例を示す構成図である。図中、4は二値化部である。この第2の変形例では、図1に示した構成に加えて二値化部4を設けている。
二値化部4は、類似度算出部3で算出された類似度に基づいて注目領域を二値化する。二値化は、類似度算出部3で算出された類似度を予め設定されている閾値と比較して二値化すればよい。類似度の値が閾値以上の領域が二値画像に現出することになる。あるいは、類似度に基づいて与えられた画像に対して強調処理を施し、強調された画像を二値化してもよい。例えば類似度の値が大きいほど強調すれば、情報が埋め込まれた領域が強調され、その部分が二値化により二値画像に現出することになる。強調処理の方法としては種々の周知の方法を用いればよいが、例えば、抽出するとして与えられた色の成分に対して類似度を加算または乗算する方法でもよい。
上述したように類似度算出部3から出力された類似度の値により類似度画像を生成しても情報の埋め込み具合が分かるが、二値画像とすると情報が埋め込まれた領域が明示されることになる。
図8に示した構成では、図1に示した構成に二値化部4を加えて構成した例を示しているが、もちろん、図7に第1の変形例として示した構成に加えて二値化部4を設けてもよい。その場合、二値化部4は類似度算出部3で算出された総合類似度に基づいて注目領域を二値化することになる。
図9は、本発明の第1の実施の形態の第3の変形例を示す構成図である。図中、5は抽出色変位設定部である。この第3の変形例では、抽出色変位として、与えられた情報の埋め込みの際に使用した色のベクトルあるいは当該色の局所微分値から求めたベクトルを修正して用いる例を示している。
抽出色変位設定部5は、それぞれの注目領域から得られる局所色変位の方向と、抽出するとして与えられた色の変位の方向から、抽出色変位を設定する。設定方法としては、例えば、それぞれの注目領域から得られる局所色変位のうち、変位の方向が、与えられた色の変位から予め定められた角度以内であるものを選出して、平均値や中央値、極大値などを推定色変位として求め、その推定色変位から抽出色変位を設定する。推定色変位をそのまま抽出色変位として設定してもよいし、与えられた色の変位の方向を推定色変位の方向に修正し、長さについては修正せずに抽出色変位として設定してもよい。
別の設定方法としては、それぞれの注目領域から得られる局所色変位の方向についての頻度分布を求め、その頻度分布から頻度の極大値のうち与えられた色の変位の方向に最も近い極大値を示す方向を求める。その方向に、与えられた色の変位の方向を修正して抽出色変位を設定してもよい。もちろん、これらの設定方法に限らず、種々の方法により抽出色変位を設定してもよい。
分布取得部2では、抽出色変位設定部5で設定された抽出色変位を用い、参照領域において抽出色変位に対する局所色変位の分布状態を取得する。抽出色変位が与えられた画像に応じて抽出色変位設定部5で設定されていることから、様々な要因により色変動が生じていても、その色変動による抽出色変位からの局所色変位の広がりが修正され、色変動による分布状態への影響が修正されることになる。そのため、分布取得部2で取得した分布状態を用いる類似度算出部3では、与えられた色の変位をそのまま用いる場合に比べて情報が埋め込まれた領域の類似度が大きく算出され、情報の検出や取得がより確実に行われることになる。
なお、図6で示した第1の変形例、または図8で示した第2の変形例、さらには第1の変形例に第2の変形例で説明した二値化部4を追加した構成に、この第3の変形例で示した抽出色変位設定部5をさらに追加して構成してもよいことは言うまでもない。第1の変形例または第1の変形例に二値化部3を追加した構成に抽出色変位設定部5を追加した場合、類似度算出部3では、与えられた色の変位を抽出色変位設定部5で設定した抽出色変位を用いて、局所色変位と抽出色変位との類似度を算出し、分布状態から算出した類似度とともに総合類似度を算出すればよい。
図10は、本発明の第2の実施の形態を示す構成図である。上述の第1の実施の形態では色変位を用いる場合について説明したが、この第2の実施の形態では、色そのものを用いる場合について説明する。なお、上述の第1の実施の形態と異なる点について主に説明してゆく。
分布取得部2は、注目領域に対して参照領域を設定し、その参照領域において予め設定された色である抽出色に対する色の分布状態を取得する。画像中には様々な色が使用されている場合があるが、抽出色からの色の相違が予め決められた範囲内の色を対象とし、すなわち抽出色から決まる部分色空間において、参照領域中の色の分布状態を取得するとよい。分布状態としては、抽出色からの色の広がりを取得するとよく、例えば抽出色のベクトル方向に対して異なる方向についての広がり、一例としては分散や標準偏差、最大距離や平均距離などを分布状態として取得するとよい。
分布状態を取得する際の参照領域は、注目領域を含む予め決められた大きさの領域としたり、当該注目領域の色のベクトルと抽出色のベクトルとのなす角度または注目領域の色のベクトルの長さなどに応じて設定される領域とするとよい。あるいは、注目領域の色のベクトルと抽出色のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である注目領域について、そのような注目領域が画像平面上で連結した連結領域を参照領域とするとよい。
また、抽出色から決まる部分色空間は、色空間において抽出色から予め決められた距離の範囲とするほか、例えば白色などの固定色と抽出色を結ぶ線分を含む予め決められた色領域とするなど、種々の方法により設定される。
類似度算出部3は、注目領域についての抽出色との類似度を、分布取得部2で取得した分布状態から算出する。例えば、分布取得部2で取得した参照領域の色の分布状態が、抽出色から大きな広がりを有している場合には、広がりが小さい場合に比べて、ゴミや紙粉などの外部からの影響や画像面の荒れなど、様々な要因によって色の混入が生じていることが考えられ、それらが存在しない理想的な状態の場合に比べて類似度の値を小さくする。逆に、分布状態として広がりが小さい場合には、参照領域の色が抽出色を表していることが想定され、大きく広がっている場合に比べて類似度の値を大きくする。分布状態tと類似度Fyの関係は、例えば関数S(t)を予め定めておけばよい。さらに、例えば抽出色のベクトルの長さに応じて関数S(t)を制御し、一例としては抽出色のベクトルの長さが長いほど分布状態の広がりに対する関数S(t)の値を大きくして類似度を高めるように制御してもよい。このほかにも種々の要因により関数S(t)の値を制御するように構成してもよい。
図11は、本発明の第2の実施の形態における動作の一例を示す流れ図である。ここでは、分布取得部2が分布状態を取得する際の参照領域の設定方法の一例として、それぞれの注目領域の色のベクトルと抽出色のベクトルとのなす角度または角度と長さから参照領域を設定する場合について示している。異なる方法を用いて参照領域を設定する場合には、使用する方法に応じた処理をS21で行えばよい。
S21において、分布取得部2は、注目領域の色のベクトルと抽出色のベクトルとのなす角度、または、角度とベクトルの長さが、予め決められた範囲である注目領域を抽出し、そのような注目領域が画像平面上で連結した連結領域を参照領域とする。基本的な処理は上述の第1の実施の形態において図5を用いて説明しているが、図5(A)に示した処理対象の画像が、この第2の実施の形態では与えられた画像またはその部分画像である。
S22において、参照領域の色について抽出色からの広がりを分布状態として取得する。例えば抽出色により情報が埋め込まれた領域では、使用されている色は抽出色の近辺にまとまる傾向にある。逆に、ゴミや埃、その他様々な要因により抽出色の類似色が生じている領域では、情報が埋め込まれた領域に比べて広がりが大きくなる傾向にある。取得した分布状態は、このように情報が埋め込まれた領域であることの確からしさを示すことになる。
S23において、類似度算出部3は、注目領域についての抽出色との類似度を、分布取得部2で取得した分布状態から算出する。上述したが、分布状態として抽出色のベクトルと異なる方向への広がりが大きいほど類似度を小さくし、広がりが小さいほど類似度を大きくする。なお、注目領域が参照領域のいずれにも含まれず、分布状態が取得されていない注目領域については、参照領域を求める際に抽出色のベクトルからの角度や長さが条件の範囲外であると判断されており、注目領域には情報が埋め込まれていないと判断してよい。従って、類似度は算出しなくてもよく、あるいは0などの定数としてもよい。
類似度算出部3で注目領域ごとに算出した類似度は、例えば、予め設定しておいた閾値と比較し、閾値以上となる注目領域が存在していれば、与えられた画像には情報が埋め込まれていると判断すればよい。また、それぞれの注目領域に類似度の値を割り付けた類似度画像を生成してもよい。類似度画像には、情報が埋め込まれた領域に他よりも大きな値が割り付けられており、埋め込む情報の画像が再生されることになる。値が局所的に極大となる画像中の位置や形状を特定すれば、情報の埋め込み位置が判明し、情報の取得につながる。
類似度を使用してこのような情報の有無の判定や情報の取得を行えば、例えば白の余白などの地色部分に埋め込まれた情報について検出、取得される。その際に、様々な要因により色変動が生じていても、類似度の値で判断すれば情報の検出、取得が確実に行われることになる。
図12は、本発明の第2の実施の形態の第1の変形例を示す構成図である。この第1の変形例では、分布取得部2で取得した分布状態だけでなく、抽出色とそれぞれの注目領域の色との関係も用いて類似度を求める例を示している。
この第2の実施の形態の第1の変形例における類似度算出部3は、分布取得部2で取得した分布状態から得た類似度と、注目領域の色と抽出色との類似度を求め、両者の類似度から総合類似度を算出する。算出する総合類似度の一例としては、上述の第1の実施の形態の第1の変形例で示した式について、色変位のベクトルに代えて色のベクトルとして適用し、総合類似度を求めればよい。すなわち、ある注目領域についての総合類似度Fを、抽出色のベクトルVy、注目領域の色のベクトルV、ベクトルVyとベクトルVとがなす角度α、分布状態をt、分布状態tから類似度を求める関数S(t)を用い、
F=|V|m (cos(α))n ・S(t)
で求めればよい。なお、m、nは定数である。
この総合類似度Fの式においてS(t)を固定すると、ベクトルVyとベクトルVのなす角度が小さいほど総合類似度Fが大きな値を取ることになる。理論的には情報が埋め込まれている場合に注目領域の色は抽出色となることから、総合類似度Fの値が大きいほど、注目領域に情報が埋め込まれていると推測される。また、関数S(t)については、分布状態tが参照領域の色の広がりが小さいほど、大きく広がっている場合に比べて大きな値となり、参照領域の色が情報の埋め込みによる色であると推測されることから、総合類似度Fも大きな値となる。なお、上述の式では関数S(t)を乗算しているが、加減算する構成でもよい。また、注目領域の色と抽出色から算出する類似度についても、上述の式に限らず、別の方法により類似度を求めてもよいことは言うまでもない。
本発明の第1の実施の形態の第1の変形例における動作の一例としては、図11に示した流れ図のS23で類似度を算出する際に、分布状態から算出した類似度とともに、注目領域の色と抽出色から算出する類似度を用いて総合類似度を算出すればよい。例えば、図11のS21において参照領域を設定してS22で分布状態を取得する。そして、S23において、類似度算出部3は、注目領域についての類似度として、S22で取得した分布状態から求めるとともに、注目領域の色と抽出色との類似度を求め、両者の類似度から総合類似度を算出する。
類似度算出部2で総合類似度を算出した場合も、例えば、予め設定しておいた閾値と比較し、閾値以上となる注目領域が存在していれば、与えられた画像には情報が埋め込まれていると判断すればよい。また、それぞれの注目領域に総合類似度の値を割り付けた類似度画像を生成してもよい。値が局所的に極大となる画像中の位置や形状を特定すれば、情報の埋め込み位置が判明し、情報の取得につながる。
総合類似度を使用してこのような情報の有無の判定や情報の取得を行う場合、参照領域の色の分布状態だけでなく、注目領域の色と抽出色との関係を用いることから、分布状態から類似度を算出する場合に比べて当該注目領域における情報の埋め込み状況がより確実に把握されることになる。
図13は、本発明の第2の実施の形態の第2の変形例を示す構成図である。この第2の実施の形態の第2の変形例では、図10に示した構成に加えて二値化部4を設けている。この二値化部4は第1の実施の形態の第2の変形例で説明したものであり、第2の実施の形態においても二値化部4を設けて構成してもよい。二値化部4についてはすでに説明しているので、ここでの説明は省略する。二値画像であれば、情報が埋め込まれた領域が明示されることになる。
図13に示した構成では、図10に示した構成に二値化部4を加えて構成した例を示しているが、もちろん、図12に第2の実施の形態の第1の変形例として示した構成に加えて二値化部4を設けてもよい。その場合、二値化部4は類似度算出部3で算出された総合類似度に基づいて注目領域を二値化することになる。
図14は、本発明の第2の実施の形態の第3の変形例を示す構成図である。図中、6は抽出色設定部である。この第2の実施の形態の第3の変形例では、抽出色として、与えられた情報の埋め込みの際に使用した色を修正して用いる例を示している。
抽出色設定部6は、それぞれの注目領域の色と、抽出するとして与えられた色から、抽出色を設定する。設定方法としては、例えば、それぞれの注目領域の色のうち、色のベクトルの方向が、与えられた色のベクトルから予め定められた角度以内である色を選出して、平均値や中央値、極大値などを推定色として求め、その推定色から抽出色を設定する。推定色をそのまま抽出色として設定してもよいし、与えられた色のベクトルの方向を推定色のベクトルの方向に修正し、ベクトルの長さについては修正せずに抽出色として設定してもよい。
別の設定方法としては、それぞれの注目領域の色のベクトルの方向についての頻度分布を求め、その頻度分布から頻度の極大値のうち与えられた色のベクトルの方向に最も近い極大値を示す方向を求める。その方向に、与えられた色のベクトルの方向を修正して抽出色を設定してもよい。もちろん、これらの設定方法に限らず、種々の方法により抽出色を設定してもよい。
分布取得部2では、抽出色設定部6で設定された抽出色を用い、参照領域における抽出色に対する色の分布状態を取得する。与えられた画像に応じて抽出色設定部6で抽出色が設定されていることから、様々な要因により色変動が生じていても、その色変動の影響を考慮した抽出色からの色の広がりが取得され、色変動による分布状態への影響が修正されることになる。そのため、分布取得部2で取得した分布状態を用いる類似度算出部3では、抽出するとして与えられた色をそのまま用いる場合に比べて情報が埋め込まれた領域の類似度が大きく算出され、情報の検出や取得がより確実に行われることになる。
なお、図12で示した第2の実施の形態の第1の変形例、または図13で示した第2の実施の形態の第2の変形例、さらには第1の変形例に第2の変形例で説明した二値化部4を追加した構成に、この第3の変形例で示した抽出色設定部6をさらに追加して構成してもよいことは言うまでもない。第1の変形例または第1の変形例に二値化部4を追加した構成にさらに抽出色設定部6を追加した場合、類似度算出部3では、与えられた色を抽出色設定部6で設定した抽出色を用いて、注目領域の色と抽出色との類似度を算出し、分布状態から算出した類似度とともに総合類似度を算出すればよい。
図15は、本発明の各実施の形態およびその変形例で説明した機能をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体とコンピュータの一例の説明図である。図中、31はプログラム、32はコンピュータ、41は光磁気ディスク、42は光ディスク、43は磁気ディスク、44はメモリ、51はCPU、52は内部メモリ、53は読取部、54はハードディスク、55はインタフェース、56は通信部である。
上述の本発明の各実施の形態及びその変形例で説明した各部の機能を全部あるいは部分的に、コンピュータが実行するプログラム31によって実現してもよい。その場合、そのプログラム31およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取る記憶媒体に記憶させておけばよい。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取部53に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取部53にプログラムの記述内容を伝達するものである。例えば、光磁気ディスク41、光ディスク42(CDやDVDなどを含む)、磁気ディスク43、メモリ44(ICカード、メモリカード、フラッシュメモリなどを含む)等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
これらの記憶媒体にプログラム31を格納しておき、例えばコンピュータ32の読取部53あるいはインタフェース55にこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプログラム31を読み出し、内部メモリ52またはハードディスク54(磁気ディスクやシリコンディスクなどを含む)に記憶し、CPU51によってプログラム31を実行することによって、上述の本発明の各実施の形態及びその変形例として説明した機能が全部あるいは部分的に実現される。あるいは、通信路を介してプログラム31をコンピュータ32に転送し、コンピュータ32では通信部56でプログラム31を受信して内部メモリ52またはハードディスク54に記憶し、CPU51によってプログラム31を実行することによって実現してもよい。
コンピュータ32には、このほかインタフェース55を介して様々な装置を接続してもよい。例えば、画像読取装置がインタフェース55を介して接続され、画像読取装置で読み取った画像あるいは該画像に処理を施した画像を処理対象の画像として本発明の各実施の形態及びその変形例で説明した処理を行ってもよい。処理後の類似度あるいは類似度画像は、他のプログラムに渡してもよいし、ハードディスク54に記憶させ、またはインタフェース55を介して記憶媒体に記憶させ、あるいは通信部56を通じて外部へ転送してもよい。類似度画像であれば、表示装置などの出力装置から出力させてもよい。
もちろん、部分的にハードウェアによって構成してもよいし、全部をハードウェアで構成してもよい。あるいは、他の構成とともに本発明の各実施の形態及びその変形例で説明した機能の全部あるいは部分的に含めたプログラムとして構成してもよい。もちろん、他の用途に適用する場合には、その用途におけるプログラムと一体化してもよい。
1…局所色変位算出部、2…分布取得部、3…類似度算出部、4…二値化部、5…抽出色変位設定部、6…抽出色設定部、31…プログラム、32…コンピュータ、41…光磁気ディスク、42…光ディスク、43…磁気ディスク、44…メモリ、51…CPU、52…内部メモリ、53…読取部、54…ハードディスク、55…インタフェース、56…通信部。

Claims (13)

  1. 与えられた画像の注目領域ごとに局所的な色の変位を局所色変位として算出する色変位算出手段と、前記注目領域を含む予め決められた大きさの領域として設定される参照領域において予め設定された色の変位である抽出色変位に対する前記局所色変位の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域についての前記抽出色変位との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 与えられた画像の注目領域ごとに局所的な色の変位を局所色変位として算出する色変位算出手段と、前記局所色変位のベクトルと予め設定された色の変位である抽出色変位のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である局所色変位に対応する注目領域を画像平面上で連結した連結領域として参照領域を設定し、該参照領域において前記抽出色変位に対する前記局所色変位の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域についての前記抽出色変位との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記類似度算出手段は、分布状態から得た類似度と、前記注目領域の前記局所色変位と前記抽出色変位との類似度とから総合類似度を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記分布取得手段は、前記参照領域内の前記局所色変位について、前記抽出色変位からの広がりを前記分布状態として取得することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. さらに、それぞれの注目領域から得られる局所色変位の方向と与えられた色の変位の方向から前記抽出色変位を設定する抽出色変位設定手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 与えられた画像の注目領域を含む予め決められた大きさの領域として設定される参照領域において予め設定された色である抽出色に対する色の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域における前記抽出色との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  7. 与えられた画像の注目領域における色のベクトルと予め設定された色である抽出色のベクトルとのなす角度または角度と長さが予め決められた範囲である注目領域を画像平面上で連結した連結領域として参照領域を設定し、該参照領域において前記抽出色に対する色の分布状態を取得する分布取得手段と、前記注目領域における前記抽出色との類似度を前記分布状態から算出する類似度算出手段を有することを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記類似度算出手段は、分布状態から得た類似度と、前記注目領域の色と前記抽出色との類似度とから総合類似度を算出することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記分布取得手段は、前記参照領域内の前記注目領域の色について、前記抽出色からの広がりを前記分布状態として取得することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. さらに、それぞれの注目領域の色と抽出するとして与えられた色から前記抽出色を設定する抽出色設定手段を有することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記類似度を二値化する二値化手段を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記類似度に基づいて前記画像に対して強調処理を施し、強調された画像を二値化する二値化手段を有することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. コンピュータに、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能を実行させるものであることを特徴とする画像処理プログラム。
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