JP2010232886A - マーカ及びマーカ検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像中に埋め込まれるマーカに関し、特に人の視知覚特性に基づく視認困難なパターンの記号からなるマーカ及びその検出方法を提供する。
【解決手段】 画像100中に記号として配置されるマーカ1が、青色系の照射光を反射すると共に色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一を前記画像の空間で空間周波数として高周期に変化するパターン10として形成されることから、画像100中に埋め込まれた情報領域20を視認することを極めて困難とすることができ、画像のデザイン性を損なうことなく画像に埋め込まれている情報の隠蔽性を向上させることができる。このように本発明においては、赤や緑に比べて青い光の変化に対する感度が低いという視覚特性と、高周期な色の変化を識別することが困難である空間周波数特性を利用しており、位置合わせ記号の配置場所を視認することは非常に困難となる。
【選択図】図1
【解決手段】 画像100中に記号として配置されるマーカ1が、青色系の照射光を反射すると共に色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一を前記画像の空間で空間周波数として高周期に変化するパターン10として形成されることから、画像100中に埋め込まれた情報領域20を視認することを極めて困難とすることができ、画像のデザイン性を損なうことなく画像に埋め込まれている情報の隠蔽性を向上させることができる。このように本発明においては、赤や緑に比べて青い光の変化に対する感度が低いという視覚特性と、高周期な色の変化を識別することが困難である空間周波数特性を利用しており、位置合わせ記号の配置場所を視認することは非常に困難となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、画像中に埋め込まれるマーカに関し、特に人の視知覚特性に基づく視認困難なパターンの記号からなるマーカ及びその検出方法に関するものである。
印刷機器の性能向上に伴い、有価印刷物の偽造防止が困難になっている。その対策として、著作権情報など固有識別情報を有価印刷物に埋め込む印刷形電子透かしが多く提案されている。
また、電子透かしと類似した構造を持ちながら、電子透かしとは異なる目的を持つ応用技術として、ステガノグラフィ技術がある。特に、近年のディジタルスキャナやディジタルカメラの小型化・高精度化に伴い、紙に印刷された画像にデータを埋め込むことにより、画像に原画像とは関係のない情報を持たせる印刷形ステガノグラフィ技術が盛んに研究されている。
これらの技術では、情報が埋め込まれた画像や文章などのコンテンツに対して印刷などのアナログ出力を行い、再度ディジタル化(D−A→A−D変換)し、埋め込んだ情報を復元・抽出することによって利用される。
特開2007−143123号公報(特許文献1)及び特開2007−189673号公報(特許文献2)に開示されるように、画像への情報を埋め込んで、この埋め込んだ情報が視覚により感知されないような発明が提案されている。
しかしながら、一般的にスキャナやディジタルカメラを用いて撮像画像の画像をディジタル化する際に、オリジナル画像に対して撮影画像は、スケーリング変換や回転変換、射影変換などの幾何学的な歪だけではなく、光源の非一様性やA−D変換時に発生する粒状雑音等の影響を受けている。一般的に、幾何学変換を逆変換するには、オリジナル画像と撮影画像間において対応する特徴点(以下、マーカ)の座標を複数点検出する必要がある。背景技術における代表的なマーカの検出として、画像中におけるコンテンツ周囲に視認可能なマーカが配置されているもの、画像中におけるコンテンツ周囲に何も配置せず白単一背景下でコンテンツの四隅を検出するもの、画像中におけるコンテンツ周囲を黒い枠で囲むものなどが挙げられる。
前記画像中におけるコンテンツの周囲にマーカや黒枠を配置する場合は、そのコンテンツ自体が持つデザイン性を損なうばかりではなく、第三者に対して情報の埋め込まれている場所を示しているようなものであり、セキュリティなどの用途には適していないという課題を有する。また、多くの従来技術では、コンテンツやマーカ周囲は単一背景色である必要があるため、使用する場所や用途が限られるという課題を有する。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、画像中において視認が困難で且つ画像中に配置されたマーカを背景画面の有無及び形態に拘わらず確実且つ簡易に検出することができるマーカ及びその検出方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマーカは、画像中に埋め込まれた情報の情報領域を記号を配置して示すマーカであって、前記マーカが、青色系の照射光を反射すると共に、色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一を前記画像の空間で空間周波数として高周期に変化するパターンとして形成されるものである。
本発明に係るマーカは必要に応じて、前記マーカが、同心円状のパターンで形成されるものである。
本発明に係るマーカは必要に応じて、前記マーカが、前記色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一を同心円状の内外方向に指数関数的に変化させるものである。
本発明に係るマーカは必要に応じて、前記マーカが、前記色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一を同心円状の内外方向に指数関数的に変化させるものである。
本発明に係るマーカは必要に応じて、前記マーカが、同心円状のパターンとして形成され、当該パターンの中心を色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一について最大の光強度とするものである。
本発明に係るマーカ検出方法は、画像中に配設された前記各マーカが配置された画像を走査して当該マーカを検出するマーカ検出方法において、前記マーカを包含する複数の画素数からなる矩形領域を検出単位とし、当該検出単位を一画素づつ移動させる走査工程と、前記走査工程における一画素移動毎に予め設定されたマーカのパターンデータとの一致を判別する判別工程とを備え、前記判別工程による判別結果に基づいて画像中のマーカを検出ものである。
本発明のマーカによれば、画像中に記号として配置されるマーカが、青色系の照射光を反射すると共に、色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一を前記画像の空間で空間周波数として高周期に変化するパターンとして形成されることから、画像中に埋め込まれた情報領域を視認することを極めて困難なものとすることができ、画像のデザイン性を損なうことなく画像に埋め込まれている情報の隠蔽性を向上させることができる。このように本発明においては、赤や緑に比べて青い光の変化に対する感度が低いという視覚特性と、高周期な色の変化を識別することが困難である空間周波数特性を利用しており、位置合わせ記号の配置場所を視認することは非常に困難となる。
また、本発明のマーカによれば、同心円状のパターンでマーカを形成しているので、検出処理に際して撮影状態により回転若しくは傾斜した画像に対してもロバストを確保できる。
また、本発明のマーカによれば、色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一を同心円状の内外方向に指数関数的に変化させて形成されており、自然界には存在が希な色相、輝度又は彩度の変化形態であることから、単一背景色以外の風景等の背景画像等であっても視認困難で且つマーカ検出が確実且つ簡易に可能であり、画像が印刷された印刷物等のデザイン性を保つことができる。
また、本発明のマーカによれば、同心円状のパターンとして形成され、このパターンの中心を色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一について最大の光強度とすることから、画像を走査してマーカを検出する際に、より正確且つ迅速に検出することができることとなる。
また、本発明のマーカ検出方法は、マーカをカバーする複数の画素数からなる矩形領域を検出単位とし、当該検出単位を一画素づつ移動させて対象画像を走査し、この走査における一画素移動毎に予め設定されたマーカのパターンデータとの一致を判別し、この判別による判別結果に基づいて画像中のマーカを検出するようにしているので、画像中に配置されたマーカを背景画像の有無及び形態に拘わらず確実且つ迅速に検出することができる。
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明に係る第1の実施形態に係るマーカを図1ないし図3に基づいて説明する。この図1は本実施形態に係るマーカの三次元光強度分布特性図、図2は図1に記載のマーカの配置態様図、図3は図1に記載のマーカの詳細断面図及び振動態様図を示す。
以下、本発明に係る第1の実施形態に係るマーカを図1ないし図3に基づいて説明する。この図1は本実施形態に係るマーカの三次元光強度分布特性図、図2は図1に記載のマーカの配置態様図、図3は図1に記載のマーカの詳細断面図及び振動態様図を示す。
前記各図において本実施形態に係るマーカは、画像100中に埋め込まれた情報2の情報領域20を記号を配置して示すマーカ1が、青色の照射光を反射すると共に同じ円状のパターン10として形成され、このパターン10の中心11を色相が最大の光強度とし外側に向かって空間周波数として高周期に光強度が波紋状に変化する構成である。
前記マーカ1は、マーカ配置のためにマーカフィルタと呼ばれるデジタル空間フィルタを生成する。本フィルタは、式(1)によって生成される、図1に示すような同心円形状で周期性を持つ2次元フィルタである。
式中のα,β,γはそれぞれ、フィルタの最大振幅、周期、減衰に関するパラメータである。なお、フィルタ中央部(図1において一番振幅が大きい所)を原点とする。
次に、マーカ1の配置は、画像100中の任意箇所の画素値に本フィルタを足しこむことによって、マーカの配置を行う。画像100のRGB成分の中でもB成分にのみフィルタを足しこみ、具体的には、画像中の任意点(x、y)にマーカを配置する場合、式(2)に示すように画像中の青色成分Bに足しこむ。
ここfsは、図3に示すようにマーカ1の外形寸法であるフィルタとしてのマーカ1の縦横のサイズを意味する。
また、一般的に取り扱われる24bitRGBカラーにおいて各刺激値は8bit(256階調)であり、最大振幅パラメータαの大きいフィルタを足しこんだ場合、8bitで表現不可能な値になる可能性がある。よって、フィルタを足しこんだ場合に1画素でも8bitで表現不可能な値(0以下 or 255以上)になる場合、フィルタを適応する領域全体に対して超過分の画素値を加算(または減算)することでこの問題を回避する。
なお、前記実施形態においては、色相を中心から外周に向かって波紋状に光強度を高周期で変化させる構成としたが、同心円状のパターン10のラジアル方向又は平行な縞状に光強度を高周期で変化させる構成とすることもできる。
また、前記各実施形態形態に係るマーカにおいては、色相に関する光強度を高周期で変化させる構成としたが、色相以外に輝度、彩度のうちいずれか、又は、これらを任意に組合わせて高周期に変化させる構成とすることもできる。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るマーカ検出方法を図4ないし図6に基づいて説明する。この図4は本実施形態に係るマーカ検出方法の動作フローチャート、図5は図4における動作説明態様図、図6は図4の動作説明図である。
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るマーカ検出方法を図4ないし図6に基づいて説明する。この図4は本実施形態に係るマーカ検出方法の動作フローチャート、図5は図4における動作説明態様図、図6は図4の動作説明図である。
前記図4及び図5(A)、(B)において本実施形態に係るマーカ検出方法は、マーカをカバーする複数の画素数からなる矩形領域を検出単位3とし、この検出単位3を一画素づつ移動させる走査工程と、前記走査工程における一画素移動毎に予め設定されたマーカ1のパターンデータとの一致を判別する判別工程とを備え、前記判別工程による判別結果に基づいて画像中のマーカ1を検出する構成である。
前記各図において本実施形態に係るマーカ検出方法は、前工程として画像100を入力し(ステップ1)、この入力された画像100の所定位置、例えばコーナー部分を起点101とし、マーカ1を包含するfs×fsピクセル(例えば、31×31ピクセル)を矩形状の検出単位3として位置決めする(ステップ2)。次に、この位置決めされたfs×fsピクセルの検出単位3をテンプレートマッチングで一致を検出し(ステップ3)、この検出により一致か否かが判定される(ステップ4)。
このステップ4で一致していないと判断された場合には、1ピクセルx軸又はy軸方向へ移動させるラスタスキャニングを実行し(ステップ5)、移動後の位置に位置決めし前記ステップ3に戻り前記動作を繰り返し実行する(ステップ3〜5)。また、前記ステップ3でfs×fsピクセルの検出単位3でテンプレートマッチングが一致したと判断された場合は画像100中のマーカ1が検出されたこととなる。
次に、図6(A)、(B)に基づいて画像100内でマーカ1の配置が回転して配置された場合の本実施形態に係るマーカ検出方法の動作について説明する。前記実施形態の場合と同様に検出単位3を一画素づつ移動させ、この検出単位3とマーカ1との一致を検出する。
この一致検出では、検出単位3とマーカ1の全画素の一致を検出するのではなく、マーカ1のパターン10と検出単位3中の予め登録された形状のパターンデータとを比較して一致を検出する。このように円形のパターン10と円形のパターンデータとを比較することから、マーカ1の回転若しくは画像100の回転若しくは傾斜入力等においても正確且つ迅速にマーカ1の検出が可能となる。
マーカの検出方法は、位置検出を行う対象の性質を考慮し、正規化相互相関法(NCC:Normalized Cross Correlation)を用いてマーカ検出位置の検出を行う。正規化相互相関法は、各点の画素値から局所的な平均値を引き、分散値の類似度でマッチングを取るため、線形な明るさの変化(画像の輝度値およびコントラストの線形変化とノイズ)に影響されない手法であり、任意画像中の点(x、y)における類似度RNCCは以下の式を用いて計算される。
ここで、ML(i,j)は既知のパターンに関するモデル(提案フィルタ)、MRは対応点領域、μLとμRはそれぞれの局所平均値を示す。また、NとMはそれぞれ縦と横のウィンドウサイズである。
相関係数RNCCは-1〜1までを示し、値が大きいほど、一般に双方が類似していることを意味する。よって、本手法におけるマーカの検出では、式(3)が最大となる点を求める処理となる。
前記第1の実施形態及び第2の実施形態に係るマーカ及びマーカの検出方法を用いて評価実験を行った。
(実験条件)
本評価実験にて用いたカラー画像として示すサンプル画像は図7に示すような25種類であり、風景画、人物画やイラストなどを含んでいる。画素数が256×256[pix.]のサンプル画像の周囲に50[pix.]程度の余白を設け、これをテスト画像とする。周囲余白領域に対して、ランダムに一様な色を配置したテスト画像を単色背景画像と定義する。一方、余白領域に対して、2色の連続的な変化を表現したテスト画像をグラデーション背景画像と定義する。単色背景画像とグラデーション背景画像の例を図8(a)と図8(b)に示す。これら画像では、図中の緑線で囲まれた領域に対してマーカの配置を行う。
(実験条件)
本評価実験にて用いたカラー画像として示すサンプル画像は図7に示すような25種類であり、風景画、人物画やイラストなどを含んでいる。画素数が256×256[pix.]のサンプル画像の周囲に50[pix.]程度の余白を設け、これをテスト画像とする。周囲余白領域に対して、ランダムに一様な色を配置したテスト画像を単色背景画像と定義する。一方、余白領域に対して、2色の連続的な変化を表現したテスト画像をグラデーション背景画像と定義する。単色背景画像とグラデーション背景画像の例を図8(a)と図8(b)に示す。これら画像では、図中の緑線で囲まれた領域に対してマーカの配置を行う。
また、周囲余白領域ではなく、サンプル画像領域内に直接マーカの配置を行うテスト画像を複雑背景画像と定義し、その例を図8(c)に示す。複雑背景画像も同様に、図中の緑線で囲まれた領域に対してマーカの配置を行う。本実験では、背景色と配置場所を変化させることにより、3種の画像(単色、グラデーション、複雑)に対してそれぞれ100枚を用意した。なお、マーカ配置に用いるフィルタのサイズは経験的に31[pix.]としている。
本実験では、マーカ配置に用いるフィルタ生成パラメータと検出率の関係や、スケール変化・雑音などの環境変動への耐性を実験的に明らかにする。なお、これら実験は、設備的な制約のため計算機上でシミュレーションを行う。最終的には、シミュレーションによって得られた最適なフィルタパラメータによって、カラープリンタとスキャナを用いた有効性の検証を行う。さらに、複数の被験者による視認性の評価実験も行う。
(フィルタ形状と検出率)
マーカ配置に用いる提案フィルタの形状は、その検出や視認性に大きく寄与する。我々は、フィルタ形状とマーカ検出率との関係を実験的に明らかにするため、複数のフィルタ形状パラメータを用いてテスト画像に対してマーカを配置し、その検出率を求めた。なお、実験で用いたフィルタ形状パラメータは、振幅α=40、周期β=2.0、4.0、6.0、減衰γ=−0.05、−0.1、−0.2とした。
マーカ配置に用いる提案フィルタの形状は、その検出や視認性に大きく寄与する。我々は、フィルタ形状とマーカ検出率との関係を実験的に明らかにするため、複数のフィルタ形状パラメータを用いてテスト画像に対してマーカを配置し、その検出率を求めた。なお、実験で用いたフィルタ形状パラメータは、振幅α=40、周期β=2.0、4.0、6.0、減衰γ=−0.05、−0.1、−0.2とした。
各パラメータに対して、3種の画像(各100枚)を用いて検出実験を行った結果を表1に示す。表より、単色背景とグラデーション背景に対しては高い検出率を得ることが可能であった。複雑背景画像に対してマーカ配置を行った場合、その配置場所や画像自体の持つ周波数特性等によって検出が困難になる場合があった。この問題に対しては、マーカ配置を行う際に、事前に誤検出の可能性がある領域を調査し、あらかじめ何らかの対策(平滑化)などを行うことで、検出率向上が可能であると考えられる。また、パラメータβとγは小さいほど検出率が高かった。これはイラストや人物画などの対象画像中において、同心円状に高周期で変化する成分が存在する頻度は低いことが原因であると考えられる。
(環境変動に対するロバスト性の評価)
ここでは、スケール変化・雑音などの環境変動に対するフィルタ生成パラメータの関係を明らかにするために行った実験を示す。
ここでは、スケール変化・雑音などの環境変動に対するフィルタ生成パラメータの関係を明らかにするために行った実験を示す。
(スケーリング変換に対する耐性)
スキャナやカメラ等の撮影デバイスを用いて画像を取り込む場合、解像度の違いや被写体との距離・角度によって、原画像に対して撮影後の画像はスケーリング変換や回転変換、射影変換などの影響を受ける。よって、我々は提案手法のこれら幾何学的な歪に対する頑健性を評価する実験を行った。本稿では、撮影デバイスとして特にスキャナを想定しているため、スケーリング変換と回転変換が対象となる。しかし、マーカ配置に用いる提案フィルタは同心円状であるため、撮影時の画像の回転変換に対してロバストであることは明らかである。よって、スケーリング変換と検出率の関係を実験的に明らかにするため、複数のスケーリング変換を施したテスト画像とフィルタ形状パラメータを用い、その検出率を求めた。
スキャナやカメラ等の撮影デバイスを用いて画像を取り込む場合、解像度の違いや被写体との距離・角度によって、原画像に対して撮影後の画像はスケーリング変換や回転変換、射影変換などの影響を受ける。よって、我々は提案手法のこれら幾何学的な歪に対する頑健性を評価する実験を行った。本稿では、撮影デバイスとして特にスキャナを想定しているため、スケーリング変換と回転変換が対象となる。しかし、マーカ配置に用いる提案フィルタは同心円状であるため、撮影時の画像の回転変換に対してロバストであることは明らかである。よって、スケーリング変換と検出率の関係を実験的に明らかにするため、複数のスケーリング変換を施したテスト画像とフィルタ形状パラメータを用い、その検出率を求めた。
各パラメータと各拡大率に対して、3種の画像(各100枚)を用いて検出実験を行った結果を表2に示す。本稿では、各パラメータによって生成されるフィルタを用いてマーカの配置を行い、拡大縮小アルゴリズムであるバイキュービック補間法を用いて85%〜115%(5%刻み)の拡大率でスケーリング変換を行った。結果より、パラメータβは大きいほど雑音に対する耐性が高いことがわかる。また、補間法の影響の可能性も考えられるが、縮小変換よりも拡大変換に強いことがわかる。
(雑音耐性)
雑音に対する頑健性を示すため、雑音を付加したテスト画像を用いてマーカの検出を行う。本実験では、図9に示すようにテスト画像に対してボックスミューラー法を用いて発生させた白色雑音を加えている。また、ピーク信号対雑音比(PSNR : Peak signal−to−noise−ratio)が40[dB]、 30[dB]、 20[dB]になるよう加える雑音量を変化させそれぞれに対する検出率を求めた。
雑音に対する頑健性を示すため、雑音を付加したテスト画像を用いてマーカの検出を行う。本実験では、図9に示すようにテスト画像に対してボックスミューラー法を用いて発生させた白色雑音を加えている。また、ピーク信号対雑音比(PSNR : Peak signal−to−noise−ratio)が40[dB]、 30[dB]、 20[dB]になるよう加える雑音量を変化させそれぞれに対する検出率を求めた。
実験結果を表3に示す。なお、マーカ配置に用いたフィルタ形状パラメータはそれぞれα=40、 β=4.0、 γ=0.1であり、これまでに実験において検出率が高かったパラメータの組み合わせである。特に、PSNRが20[dB]という高雑音下においても高精度での検出が可能であり、提案手法が雑音に対して頑健であることが確認できた。スキャナなどの実装置を使用した際に発生する粒状雑音に頑健であると考えられる。
(視認性評価実験)
ここでは、提案手法で画像中に配置したマーカが、人にとってどの程度視認困難であるかを検証するため、市販のプリンタを用いて実験を行った。印刷に使用した装置は、Canon製プリンタ ip7100であり、本装置は専用写真用紙を用いることによって、高品質の写真画印刷が可能である。実験方法は、複数名の被験者に印刷したテスト画像を提示し、配置しているマーカを目視で確認できるか回答していただく。テスト画像には1個以下のマーカが配置されており、3種の画像それぞれ複数枚を被験者に提示する。印刷時の条件として、印刷用紙には高品質用紙程度を用い、印刷解像度は150dpi(テスト画像が4cm×4cmに収まる)程度である。
ここでは、提案手法で画像中に配置したマーカが、人にとってどの程度視認困難であるかを検証するため、市販のプリンタを用いて実験を行った。印刷に使用した装置は、Canon製プリンタ ip7100であり、本装置は専用写真用紙を用いることによって、高品質の写真画印刷が可能である。実験方法は、複数名の被験者に印刷したテスト画像を提示し、配置しているマーカを目視で確認できるか回答していただく。テスト画像には1個以下のマーカが配置されており、3種の画像それぞれ複数枚を被験者に提示する。印刷時の条件として、印刷用紙には高品質用紙程度を用い、印刷解像度は150dpi(テスト画像が4cm×4cmに収まる)程度である。
(実装置を用いた評価実験)
提案手法の有効性を検証するため、市販のプリンタとスキャナを用いて実験を行った。使用した装置として、印刷装置には視認性評価実験で用いた物と同じであり、読取装置にはCanon製スキャナ F5400を使用した。本装置は一般的なイメージスキャナ装置であり、一般向けに広く利用されている市販品である。基本的に、印刷時の解像度以上の解像度で取り込みが可能である性能を持つスキャナであれば、本実験において結果に影響を及ぼすことはないと考えられる。よって、筆者らが所有していた市販品の等装置を検証に使用した。
提案手法の有効性を検証するため、市販のプリンタとスキャナを用いて実験を行った。使用した装置として、印刷装置には視認性評価実験で用いた物と同じであり、読取装置にはCanon製スキャナ F5400を使用した。本装置は一般的なイメージスキャナ装置であり、一般向けに広く利用されている市販品である。基本的に、印刷時の解像度以上の解像度で取り込みが可能である性能を持つスキャナであれば、本実験において結果に影響を及ぼすことはないと考えられる。よって、筆者らが所有していた市販品の等装置を検証に使用した。
以上のように、人の視知覚特性に基づく、視認困難なマーカ記号の配置とその検出法を提案した。マーカ配置に用いるフィルタ生成パラメータと検出率の関係や、スケール変化・雑音などの環境変動への耐性を実験的に明らかにし、その有効性を確認した。
1 マーカ
10 パターン
11 中心
100 画像
101 起点
2 情報
3 検出単位
20 情報領域
10 パターン
11 中心
100 画像
101 起点
2 情報
3 検出単位
20 情報領域
Claims (5)
- 画像中に埋め込まれた情報の情報領域を記号を配置して示すマーカであって、
前記マーカが、青色系の照射光を反射すると共に色相、輝度又は彩度のうちの少なくとも一を前記画像の空間で空間周波数として高周期に変化するパターンとして形成されることを
特徴とするマーカ。 - 前記請求項1に記載のマーカにおいて、
前記マーカが、同心円状のパターンで形成されることを
特徴とするマーカ。 - 前記請求項1又は2に記載のマーカにおいて、
前記マーカが、前記色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一を同心円状の内外方向に指数関数的に変化させることを
特徴とするマーカ。 - 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のマーカにおいて
前記マーカが、同心円状のパターンとして形成され、当該パターンの中心を色相、輝度又は彩度のうち少なくとも一について最大の光強度とすることを
特徴とするマーカ。 - 画像中に配設された前記請求項1ないし4のいずれかに記載のマーカが配置された画像を走査して当該マーカを検出するマーカ検出方法において、
前記マーカを包含する複数の画素数からなる矩形領域を検出単位とし、当該検出単位を一画素づつ移動させる走査工程と、
前記走査工程における一画素移動毎に予め設定されたマーカのパターンデータとの一致を判別する判別工程とを備え、
前記判別工程による判別結果に基づいて画像中のマーカを検出することを
特徴とするマーカ検出方法。
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