JP5927922B2 - ガラス母材の切断装置、ガラス母材の切断方法、および短尺ガラス母材の製造方法 - Google Patents

ガラス母材の切断装置、ガラス母材の切断方法、および短尺ガラス母材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス母材の切断装置、ガラス母材の切断方法、および短尺ガラス母材の製造方法に関し、特に、円柱形状のガラス母材における切断箇所の上方側を把持機構で把持するとともに当該切断箇所の下方側を支持機構で支持し、回転する切断刃によりガラス母材の軸線の直交方向から切断する切断装置、切断方法、および当該切断方法にて長尺のガラス母材を一端側から順次に切断して複数の短尺ガラス母材を製造する製造方法に関する。
長手方向が鉛直方向となるようにガラス棒を保持した状態で円盤の外周に刃を有する切断刃を用いてガラス棒を切断する切断装置が知られている(例えば特許文献1参照)。このような装置では、ガラス棒の切断部の上方および下方を把持した状態で切断が行われる。
特開平10−316442号公報
ところで、ガラス棒の外周面にチャックを当接させることによってガラス棒を把持する機構では、ガラス棒の重量が非常に大きいことから、昇降ターン時や掴み換え時など瞬間的に荷重が掛かる場合にガラス母材がチャックから滑り落ちて破損することがあり、その際は、落下したガラス棒は廃却せざるを得なかった。また、チャックの支持アームがガラス棒の重さで下方に撓むと、チャックとともにガラス母材も下方に移動することから、切断位置が目標位置からずれたり、切断中にガラス母材の位置がずれることによりガラス母材切断面に欠けやクラックが入ったりする虞があった。
本発明の目的は、ガラス母材を支える力が通常のチャック構造より大きくなるようにすることによって、切断時にガラス母材が滑り落ちたり、クラックが生じたりするのを防ぐことができるガラス母材の切断装置、ガラス母材の切断方法、および短尺ガラス母材の製造方法を提供することにある。
本発明に係る上記目的は、下記の(1)〜(7)のいずれかの特徴を備えるガラス母材の切断装置により達成される。
(1)
軸線が上下方向に配置された円柱形状のガラス母材を、回転する切断刃により前記軸線の直交方向から前記ガラス母材を切断する切断機構と、
前記ガラス母材における前記切断刃により切断する箇所の上方側を把持する把持機構と、
前記ガラス母材における前記切断刃により切断する箇所の下方側を支持する支持機構と、
を備え、
前記支持機構は、
前記ガラス母材の外周面に径方向の両側から当接する一対の当接部材と、
前記当接部材の径方向外側に配され、下方に向かうにつれて前記ガラス母材の外周面に近づくように傾斜する傾斜面を有するチャック本体と、
を有し、
前記当接部材は前記傾斜面と対向する対向傾斜面を有し、前記チャック本体に保持されつつ前記傾斜面に沿って移動可能であり、
前記当接部材と前記チャック本体との間の摩擦係数は、前記当接部材と前記ガラス母材との間の摩擦係数よりも小さいことを特徴とするガラス母材の切断装置。
(2)
前記把持機構は、
前記支持機構と同様の前記チャック本体および前記当接部材を有することを特徴とする上記(1)に記載のガラス母材の切断装置。
(3)
前記チャック本体の前記傾斜面には、前記当接部材を前記傾斜面に沿って移動させる案内部が設けられていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のガラス母材の切断装置。
(4)
前記チャック本体には、前記当接部材の下面と対向する面に、前記当接部材に対して上向きの弾性力を与える弾性部材が設けられていることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のガラス母材の切断装置。
(5)
前記当接部材における前記ガラス母材との当接面は、ポリイミド樹脂で形成されていることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載のガラス母材の切断装置。
また、本発明に係る上記目的は、下記の(6)の特徴を備えるガラス母材の切断方法によっても達成される。
(6)
上記(1)から(5)のいずれかに記載のガラス母材の切断装置を用いてガラス母材を切断することを特徴とするガラス母材の切断方法。
また、本発明に係る上記目的は、下記の(7)の特徴を備える短尺ガラス母材の製造方法によっても達成される。
(7)
上記(6)に記載のガラス母材の切断方法にて長尺のガラス母材を一端側から順次に切断して複数の短尺のガラス母材を製造することを特徴とする短尺ガラス母材の製造方法。
本発明に係るガラス母材の切断装置によれば、単体のチャックでガラス母材を直接支持する場合と比べてガラス母材を支える力がより大きくなるので、ガラス母材が支持機構から滑り落ちたり、切断面にクラックが入ったりするのを防ぐことができる。これは、チャック本体を支えているアームがガラス母材の重量で撓むことによりチャック本体が支持位置よりも下方に落ち込もうとした場合でも、当接部材とチャック本体との間の摩擦係数が当接部材とガラス母材との間の摩擦係数よりも小さいことにより、当接部材が傾斜面で上方に押し上げられようとするので、当接部材には(チャック本体とともに落ち込まずに)支持位置で留まりつつガラス母材を上方へ押し上げる力が作用するためである。したがって、ガラス母材をより安定した状態で支持することができる。
また、瞬間的に荷重が掛かり、ガラス母材が落下しそうになるような場合にも、楔形の当接部材の構造により水平方向の把持力が加わるので、ガラス母材の落下を防ぐことができる。
また、本発明に係るガラス母材の切断方法によれば、ガラス母材をより安定した状態で支持しつつ当該ガラス母材を切断することができる。また、本発明に係る短尺ガラス母材の製造方法によれば、長尺のガラス母材をより安定した状態で支持しつつ当該ガラス母材から複数の短尺ガラス母材を製造することができる。
本発明の実施形態に係る短尺ガラス母材の製造装置を概念的に表した側面図である。 搬送・保持装置における尺取り動作を(a)(b)(c)で示した側面図である。 搬送・保持装置、切断機、および支持機構を概念的に表した側面図である。 支持機構の上面図である。 図4のA−A断面矢視図である。 搬送・保持装置における下側把持機構の上面図である。 図6のB−B断面矢視図である。 切断刃の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る短尺ガラス母材の製造装置10を概念的に表した側面図である。本実施形態に係る製造装置10は、ガラス母材1000から延伸した長尺ガラス母材1010を製造し、さらに、長尺ガラス母材1010を切断して複数の短尺ガラス母材1020を製造するための装置であって、延伸装置200と、搬送・保持装置300と、切断機400と、支持機構500とを備える。これらの構成のうち、搬送・保持装置300、切断機400、および支持機構500は、本発明におけるガラス母材の切断装置の一例であり、本発明に係るガラス母材の切断方法は、これらの構成によって実施することができる。また、本発明に係る短尺ガラス母材の製造方法は、本実施形態に係る製造装置10によって実施することができる。
延伸装置200は、昇降装置205、第一チャック210、第二チャック220、第三チャック230、および炉部240を有する。昇降装置205は、第一チャック210、第二チャック220、および第三チャック230を鉛直方向に昇降させる。延伸前のガラス母材1000は、その上端部が支持棒207に接続され、該支持棒207が第一チャック210によって把持されるとともに、下端部が第二チャック220および第三チャック230によって把持されている。そして、ガラス母材1000を炉部240により加熱しながら、第一チャック210と第二チャック220および第三チャック230との間の距離が拡がるようにこれらのチャック210,220,230を異なる速度で移動させることにより、ガラス母材1000が延伸される。この延伸後のガラス母材1000を長尺ガラス母材1010と称する。
搬送・保持装置300は、フレーム305、上側把持機構310、および下側把持機構360を有し、延伸装置200で延伸が終わった長尺ガラス母材1010を切断機400まで搬送する。フレーム305は、上側把持機構310および下側把持機構360を鉛直方向に上下移動自在に支持する。上側把持機構310および下側把持機構360は、延伸装置200で延伸が終わった長尺ガラス母材1010をその軸線が鉛直方向(図中の上下方向)となるように把持する。
搬送・保持装置300は、長尺ガラス母材1010を延伸装置200から切断機400へと搬送する途中で、切断機400に長尺ガラス母材1010を衝突させないように、長尺ガラス母材1010を切断機400の上方に持ち上げるための尺取り動作を行う。図2は、搬送・保持装置300における尺取り動作を(a)(b)(c)で示した側面図である。
この尺取り動作は、まず、図2(a)に示すように、上側把持機構310と下側把持機構360で長尺ガラス母材1010を把持した状態から、上側把持機構310の把持を開放して下側把持機構360により長尺ガラス母材1010を上昇させる。これにより、図2(b)に示す位置まで長尺ガラス母材1010が上昇する。次に、上側把持機構310で長尺ガラス母材1010を把持するとともに、下側把持機構360の把持を開放して下降させる。これにより、図2(c)に示す状態となる。搬送・保持装置300は、この一連の動作を繰り返すことで、長尺ガラス母材1010の下端が切断機400に当たらない位置まで持ち上げた後、切断機400の上方まで移動する。
そして、搬送・保持装置300は、長尺ガラス母材1010を下降させて切断機400へ挿入するための尺取り動作を行う。このとき、搬送・保持装置300は、長尺ガラス母材1010を持ち上げる際とは逆の順序、すなわち図2の(c)から(a)への動作を一連に行うことで長尺ガラス母材1010を下降させる。
図3は、搬送・保持装置300、切断機400、および支持機構500を概念的に表した側面図である。図3に示すように、搬送・保持装置300の上側把持機構310は、送りねじ311、送りモータ313、および把持部320を有する。送りモータ313は、送りねじ311を正転または逆転させる。把持部320は、送りモータ313によって送りねじ311が回転されることによって長尺ガラス母材1010を保持または開放する。下側把持機構360は、送りねじ361、送りモータ363、および把持部370を有する。これらの送りねじ361、送りモータ363、および把持部370は、上側把持機構310が備える送りねじ311、送りモータ313、および把持部320と同様の機能を有することからその説明を省略する。
なお、図示は省略するが、搬送・保持装置300は、上側把持機構310の送りモータ313および下側把持機構360の送りモータ363の回転数や回転速度などを制御する制御装置を備える。なお、これに替えて、上側把持機構310の送りモータ313および下側把持機構360の送りモータ363は、外部の制御装置からの制御信号に基づいてその回転数や回転速度などが制御されてもよい。
切断機400は、図3に示すように、切断刃410と、筐体420とを有する。切断刃410は、略円盤形状の一枚刃であり、不図示の回転機構によって回転駆動されるとともに、不図示の送り機構によって水平方向に移動される。なお、切断刃410の回転数および送りは、手動または予め定められたプログラムに基づいて変更が可能である。筐体420は、切断刃410の外側を覆っており、切断刃410で長尺ガラス母材1010を切断したときに発生するガラス片が飛散するのを防止する。この筐体420には、例えば透明のアクリルボックスなどが好ましく用いられる。この切断機400によって長尺ガラス母材1010を切断する際には、切断刃410の軌道と長尺ガラス母材1010の切断しようとする箇所(以下、省略のために「切断箇所」と称する)とが交差するように長尺ガラス母材1010を配置し、切断刃410で軸線Axの直交方向から切断する。
支持機構500は、上記の上側把持機構310および下側把持機構360が長尺ガラス母材1010における切断機400による切断箇所の上方側を把持するのに対して当該切断箇所の下方側を支持するためのものであり、送りねじ511、ハンドル513、および支持部520を有する。ハンドル513は、手動にて正転または逆転させることにより送りねじ511を正転または逆転させることができる。支持部520は、ハンドル513によって送りねじ511が回転されることによって長尺ガラス母材1010を保持または開放する。以下において、支持機構500における支持部520のより詳細な構成を示しながら、本実施形態の製造装置10が備える支持機構500の特徴について説明する。
図4は、支持機構500の上面図である。また、図5は、図4のA−A断面矢視図である。図4および図5に示すように、支持機構500の支持部520は、長尺ガラス母材1010の外周面に径方向の両側から当接する一対の当接部材521a,521bと、当接部材521a,521bの径方向外側に配されて当接部材521a,521bを保持する一対のチャック本体522a,522bと、一端が送りねじ511に挿通されているとともに他端にチャック本体522a,522bの各一方が取り付けられたアーム529a,529bと、を有する。
当接部材521a,521bは、図5に示すように、ともに縦断面が略楔形状であるが、当接部材521aと当接部材521bとで長尺ガラス母材1010の外周面との当接面の形状が異なる。より具体的には、図4に示すように、当接部材521aは、長尺ガラス母材1010の外周面と対向する面が水平方向に略V字型に凹んでおり、当該外周面と2箇所で当接する。これに対し、当接部材521bは、長尺ガラス母材1010の外周面と対向する面が鉛直方向に平行な面であり、長尺ガラス母材1010の外周面と1箇所で当接する。
また、当接部材521a,521bの各々における上記長尺ガラス母材1010の外周面との当接面は、長尺ガラス母材1010の外周面との間の摩擦係数がより大きい材料で形成されることが好ましい。本例では当接部材521a,521bの上記当接面は、ポリイミド樹脂526a,526bで形成されているので、長尺ガラス母材1010との間の摩擦係数が比較的大きいだけでなく耐摩耗性や耐熱性にも優れる。ゆえに、上記当接面が高温の長尺ガラス母材1010と繰り返し当接しても劣化や磨耗が生じにくい。
チャック本体522a,522bは、長尺ガラス母材1010を挟んで互いに対向する面に、下方に向かうにつれて長尺ガラス母材1010の外周面に近づくように傾斜する傾斜面523a,523bを有する。そして、これらの傾斜面523a,523bには、リニアガイド525a,525bが取り付けられたガイドレール524a,524bが設けられている。リニアガイド525aは、当接部材521aに固定されており、チャック本体522aの傾斜面523a上をガイドレール524aに沿って上下に移動可能である。同様に、リニアガイド525bは、当接部材521bに固定されており、チャック本体522bの傾斜面523b上をガイドレール524bに沿って上下に移動可能である。
なお、本例のガイドレール524a,524bおよびリニアガイド525a,525bは、本発明の切断装置における案内部の一例に過ぎず、チャック本体522a,522bの傾斜面523a,523b上を当接部材521a,521bが後述の条件を満たす摩擦係数で移動可能な構成であれば、上記案内部は本例に限られない。
当接部材521a,521bは、ガイドレール524a,524bに取り付けられたリニアガイド525a,525bによってチャック本体522a,522bの傾斜面523a,523b上を上下に移動することができる。なお、ガイドレール524a,524bおよびリニアガイド525a,525bを介してチャック本体522a,522bに対して移動可能な当接部材521a,521bと、チャック本体522a,522bの傾斜面523a,523bとの間の移動に対する摩擦係数(μ)は、当接部材521a,521bの上記当接面と長尺ガラス母材1010の外周面との間の摩擦係数(μ)よりも小さく、例えば前者(μ)は0.004〜0.006であるのに対し、後者(μ)は0.1〜0.3である。したがって、後述のように、支持機構500で長尺ガラス母材1010を支持するときに当接部材521a,521bの楔効果により上方に押し上げる力が長尺ガラス母材1010に加わる。
また、チャック本体522a,522bの下端部からは、水平方向に弾性部材取付部527a,527bが内側(長尺ガラス母材1010の外周面に近づく側)に延出している。そして、弾性部材取付部527aの上面と当接部材521aの下面との間には弾性部材528aが配されており、弾性部材取付部527bの上面と当接部材521bの下面との間には弾性部材528bが配されている。これらの弾性部材528a,528bは、例えば弦巻バネや板バネなどが好ましく用いられ、対応する当接部材521a,521bに対して上向きの弾性力を与える。このような弾性部材528a,528bを設けることにより、支持機構500で長尺ガラス母材1010を支持するときに、当接部材521a,521bは、対応するチャック本体522a,522bの傾斜面523a,523bに対して最も下まで滑り落ちた状態とはなっておらず、やや持ち上げられた状態で長尺ガラス母材1010の外周面と当接する。
次に、以上の支持部520を有する支持機構500を用いて長尺ガラス母材1010を支持する際に支持機構500によって加えられる支持力について説明する。図5に示すように、送りねじ511を正転させることによって当接部材521a,521bの上記当接面を長尺ガラス母材1010の外周面に径方向の両側から当接させると、当接部材521a,521bにより、長尺ガラス母材1010の落下力(自重:大きさF)に対して以下の式で与えられる水平方向の把持力(F)が長尺ガラス母材1010に加わる。
=F/(tanθ+μ)
ここで、μは、前述のチャック本体522a,522bの傾斜面523a,523bとの間の摩擦係数であり、θは、傾斜面523a,523bの鉛直方向に対する傾斜角である(図5参照)。この式に示すように、長尺ガラス母材1010の自重が把持力に変わることにより、長尺ガラス母材1010が支持機構500によって安定的に支持される。
なお、本例の支持機構500によって長尺ガラス母材1010に加えられる上記把持力(F)は、従来のチャック(楔形の当接部材521a,521bのようなパーツのない単純把持構造のチャック)により加えることのできる把持力に比べて、長尺ガラス母材1010の外周面と当接面との摩擦係数(μ)が同じ場合、およそ2.3倍となる。したがって、長尺ガラス母材1010が支持機構500から落下する可能性がより小さくなる。
また、本例の支持機構500によって長尺ガラス母材1010を支持すると、上記把持力(F)の一部が図5にFとして示す上方支持力として作用し、長尺ガラス母材1010を上方に押し上げる。したがって、切断機400によって長尺ガラス母材1010を切断したときにその衝撃によって長尺ガラス母材1010が支持機構500から落下したり、切断面にクラックが入ったりするのをより確実に防止することができる。
ところで、傾斜面523a,523bの鉛直方向に対する傾斜角(θ)は、本例の5度に限られず、少なくとも11度未満、好ましくは3〜7度である。上記傾斜角(θ)は、上記摩擦係数(μ)の大きさなどに応じてその許容範囲は異なるが、傾斜角が大きすぎると把持力が小さくなりすぎ、逆に傾斜角が小さくなりすぎると上向きの力が生じない。
図6は、下側把持機構360の上面図である。また、図7は、図6のB−B断面矢視図である。図6および図7に示すように、下側把持機構360の把持部370は、支持機構500の支持部520と一部を除いて同様の構成を有する。すなわち、把持部370は、長尺ガラス母材1010の外周面に径方向の両側から当接する一対の当接部材371a,371bと、当接部材371a,371bの径方向外側に配されて当接部材371a,371bを保持する一対のチャック本体372a,372bと、一端が送りねじ361に挿通されているとともに他端にチャック本体372a,372bの各一方が取り付けられたアーム379a,379bと、を有する。
これらの当接部材371a,371b、チャック本体372a,372b、およびアーム379a,379bに加えて、チャック本体372a,372bに形成された傾斜面373a,373b、傾斜面373a,373b上に配されたガイドレール374a,374bおよびリニアガイド375a,375b、当接部材371a,371bにおける長尺ガラス母材1010との当接面に設けられたポリイミド樹脂376a,376b、チャック本体372a,372bの下端部から延出する弾性部材取付部377a,377b、および、弾性部材取付部377a,377bと当接部材371a,371bとの間に配された弾性部材378a,378bは、いずれも、支持機構500の支持部520における当接部材521a,521b、チャック本体522a,522b、傾斜面523a,523b、ガイドレール524a,524b、リニアガイド525a,525b、ポリイミド樹脂526a,526b、弾性部材取付部527a,527b、弾性部材528a,528b、およびアーム529a,529bと対応する構成であり、同様の機能を有することから、その説明を省略する。
図6および図7に示すように、下側把持機構360は、チャック本体372a,372bの上端部から水平方向にストッパボルト取付部380a,380bが内側(長尺ガラス母材1010の外周面に近づく側)に延出している。そして、ストッパボルト取付部380aには、当接部材371aの上面と当接することで当接部材371aの上方への移動を規制するストッパボルト381aが挿通されており、ストッパボルト取付部380bには、当接部材371bの上面と当接することで当接部材371bの上方への移動を規制するストッパボルト381bが挿通されている。
下側把持機構360は、支持機構500と同様に、楔形状により当接部材371a,371bに上向きの力を加えることになり、長尺ガラス母材1010に対しても、上方に押し上げる力が加わるが、このようにストッパボルト381a,381bで当接部材371a,371bの上方への移動を規制することで、切断機400によって長尺ガラス母材1010を切断したときの衝撃などによって長尺ガラス母材1010が上方へ移動してしまうのを防止することができる。また、下側把持機構360は、支持機構500と同様に、チャック本体372a,372bの内側に設けられた楔形の当接部材371a,371bで長尺ガラス母材1010と当接するので、長尺ガラス母材1010に加える把持力が従来のチャックと比べて大きくなる。ゆえに、長尺ガラス母材1010が下側把持機構360から落下する可能性がより小さくなる。
なお、上側把持機構310も、本例の下側把持機構360と同様の構成を備えてもよい。これにより、長尺ガラス母材1010が落下する可能性がさらに小さくなる。
図8は、切断機400が有する切断刃410の平面図である。図8に示すように、本例の切断刃410は、長尺ガラス母材1010の切断面と対向する面の複数箇所に砥石412が設けられている。したがって、切断機400による切断時に長尺ガラス母材1010の切断面が切断刃410に接触した場合でも、接触した切断面を傷つけることなく表面に設けられた砥石412によって研磨することができるので、切断面のガラスの欠けやクラックの発生を、より防ぐことができる。
以上に説明した製造装置10によって上記のようにガラス母材1000から延伸した長尺ガラス母材1010を製造し、さらに、長尺ガラス母材1010を上側把持機構310、下側把持機構360、および支持機構500によって支持した状態で切断機400によって一端側から順次に切断することで、複数の短尺のガラス母材を製造することができる。
10…製造装置、200…延伸装置、205…昇降装置、207…支持棒、210…第一チャック、220…第二チャック、230…第三チャック、240…炉部、300…搬送・保持装置、305…フレーム、310…上側把持機構、311,361,511…送りねじ、313…送りモータ、320…把持部、360…下側把持機構、363…送りモータ、370…把持部、371a,371b…当接部材、372a,372b…チャック本体、373a,373b…傾斜面、374a,374b…ガイドレール(案内部)、375a,375b…リニアガイド(案内部)、376a,376b…ポリイミド樹脂、377a,377b…弾性部材取付部、378a,378b…弾性部材、379a,379b…アーム、380a,380b…ストッパボルト取付部、381a,381b…ストッパボルト、400…切断機(切断機構)、410…切断刃、412…砥石、420…筐体、500…支持機構、513…ハンドル、520…支持部、521a,521b…当接部材、522a,522b…チャック本体、523a,523b…傾斜面、524a,524b…ガイドレール(案内部)、525a,525b…リニアガイド(案内部)、526a,526b…ポリイミド樹脂、527a,527b…弾性部材取付部、528a,528b…弾性部材、529a,529b…アーム、1000…ガラス母材、1010…長尺ガラス母材、1020…短尺ガラス母材

Claims (7)

  1. 軸線が上下方向に配置された円柱形状のガラス母材を、回転する切断刃により前記軸線の直交方向から前記ガラス母材を切断する切断機構と、
    前記ガラス母材における前記切断刃により切断する箇所の上方側を把持する把持機構と、
    前記ガラス母材における前記切断刃により切断する箇所の下方側を支持する支持機構と、
    を備え、
    前記支持機構は、
    前記ガラス母材の外周面に径方向の両側から当接する一対の第一当接部材と、
    前記第一当接部材の径方向外側に配され、下方に向かうにつれて前記ガラス母材の外周面に近づくように傾斜する第一傾斜面を有する第一チャック本体と、
    を有し、
    前記第一当接部材は前記第一傾斜面と対向する第一対向傾斜面を有し、前記第一チャック本体に保持されつつ前記第一傾斜面に沿って移動可能であり、
    前記第一当接部材と前記第一チャック本体との間の摩擦係数は、前記第一当接部材と前記ガラス母材との間の摩擦係数よりも小さく、
    前記第一傾斜面の鉛直方向に対する傾斜角は3度以上7度以下であることを特徴とするガラス母材の切断装置。
  2. 前記把持機構は、
    前記ガラス母材の外周面に径方向の両側から当接する一対の第二当接部材と、
    前記第二当接部材の径方向外側に配され、下方に向かうにつれて前記ガラス母材の外周面に近づくように傾斜する第二傾斜面を有する第二チャック本体と、
    を有し、
    前記第二当接部材は前記第二傾斜面と対向する第二対向傾斜面を有し、前記第二チャック本体に保持されつつ前記第二傾斜面に沿って移動可能であり、
    前記第二当接部材と前記第二チャック本体との間の摩擦係数は、前記第二当接部材と前記ガラス母材との間の摩擦係数よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のガラス母材の切断装置。
  3. 前記第一チャック本体の前記第一傾斜面には、前記第一当接部材を前記第一傾斜面に沿って移動させる案内部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス母材の切断装置。
  4. 前記第一チャック本体には、前記第一当接部材の下面と対向する面に、前記第一当接部材に対して上向きの弾性力を与える弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のガラス母材の切断装置。
  5. 前記第一当接部材における前記ガラス母材との当接面は、ポリイミド樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のガラス母材の切断装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のガラス母材の切断装置を用いてガラス母材を切断することを特徴とするガラス母材の切断方法。
  7. 請求項6に記載のガラス母材の切断方法にて長尺のガラス母材を一端側から順次に切断して複数の短尺のガラス母材を製造することを特徴とする短尺ガラス母材の製造方法。
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