JP5926880B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関し、特に航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤへの使用に好適で、タイヤの耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性を高度にバランスさせることが可能なゴム組成物に関するものである。
従来、航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤにおいては、高シビアリティー領域での耐摩耗性と、耐発熱性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性等の諸性能との両立化が求められている。
例えば、航空機用空気入りタイヤは、異常時のオーバーロードにおける離着陸の際に、トレッドゴムに対して大きな歪み及び荷重が加わり、これによって、トレッドゴムの発熱量は極めて大きくなり、台タイヤと更生ゴムとの界面、即ち更生界面にて更生ゴムの剥離を起こす懸念がある。また、通常の使用状況であっても、航空機の地上走行中のタイトターン等で荷重が加わり、タイヤが大きく変形して、チッピングと呼ばれるリブ端でのゴム欠けが発生する懸念がある。更に、着陸時においては、滑走路を横断する向きに形成されている排水用ランウエイグルーブの縁によって、タイヤのトレッドゴムはシェブロンカットと呼ばれる、松かさ状又はささくれ状のカット傷が発生する問題がある。そして、着陸開始から長時間にわたるトレッドゴムの滑走面に対する激しいスリップや、引っ掻きによるトレッドゴムの早期摩耗等の問題もある。
これに対し、例えば、特開2000−301908号公報(特許文献1)では、トレッドゴムの早期摩耗を抑制するゴム組成物として、高シス-1,4結合量のポリブタジエンゴムに対して特定構造を有する有機チオスルフェート化合物と窒素吸着比表面積(N2SA)及びジブチルフタレート(DBP)吸油量の高いカーボンブラックとを配合してなるゴム組成物が開示されている。また、特開2001−253974号公報(特許文献2)では、高速高荷重用空気入りタイヤの耐チッピング性、耐久性及び耐摩耗性を向上させるため、高シス-1,4結合量のポリブタジエンゴムに対してN2SA及びDBP吸油量の高いカーボンブラックとスルフェンアミド系化合物とを配合してなるゴム組成物が開示されている。しかしながら、近年では、タイヤの長寿命化に伴い、ゴム劣化による耐摩耗性の経時変化を抑えることも求められており、特開2000−301908号公報及び特開2001−253974号公報では、この点に関する検討が一切なされていない。
更に、特開2008−169317号公報(特許文献3)では、高荷重、高滑り速度等の高シビアリティー領域での耐摩耗性と、耐発熱性、耐チッピング性等の諸性能との両立化を可能にするゴム組成物として、結晶性トランスポリブタジエンゴムに対して特定構造を有する有機チオスルフェート化合物を特定量配合してなるゴム組成物が開示されている。そして、該ゴム組成物をトレッドゴムに適用することにより、高温域での耐摩耗性及びゴム劣化後の耐摩耗性が向上できるが、ゴム劣化後の耐チッピング性と耐シェブロンカット性との両立には限界があった。また、近年では、タイヤの更なる長寿命化や高荷重下での耐久性に対する要求が存在しており、更には地球温暖化によるゴム劣化の進行も考えられるため、従来よりも耐チッピング性及び耐シェブロンカット性の双方に優れたタイヤが望まれている。
一方、特許第3585536号公報(特許文献4)においては、特定の条件下で乾燥処理された天然ゴムに対し、恒粘度剤を配合することによって、天然ゴム中のゲル量の増加を抑制し且つ分子量の低下を防止することができ、これにより、該恒粘度剤含有天然ゴムを用いたゴム組成物は、カーボンブラック分散性や加硫ゴムの引張強さに優れることが報告されている。しかしながら、ゴム劣化後の特性、例えば、耐チッピング性については一切検討されていない。
特開2000−301908号公報 特開2001−253974号公報 特開2008−169317号公報 特許第3585536号公報
以上のように、航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤとして、耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性が高度にバランスされたタイヤを提供する技術は知られていない。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性を高度にバランスさせることが可能なゴム組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、結晶性トランスポリブタジエンゴムを含むゴム成分に特定の構造を有する有機チオスルフェート化合物が配合されたゴム組成物に対し、更に恒粘度剤含有天然ゴムを適用することで、タイヤの耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性を高度にバランスできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、恒粘度剤が添加された天然ゴム(A)60〜98質量%及び重量平均分子量(Mw)が1×104〜10×104で且つトランス-1,4結合量が70%以上の共役ジエン化合物重合体(B)2〜20質量%を含むゴム成分100質量部に対し、下記式(I):
1/p3S−S−(CH2)n−S−SO31/p ・・・ (I)
[式中、nは3〜10の整数を示し、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトよりなる群から選択される金属であり、pは該金属の価数を示す]で表された、結晶水を含有してもよい有機チオスルフェート化合物(C)0.5〜2質量部を配合してなることを特徴とする。
なお、トランス-1,4結合量とは、重合体中の共役ジエン化合物単位におけるトランス-1,4結合の割合であり、シス-1,4結合量とは、重合体中の共役ジエン化合物単位におけるシス-1,4結合の割合である。また、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算した値で示される。
本発明のゴム組成物において、前記天然ゴム(A)は、乾燥前後のゲル変化率が10質量%以下で且つ分子量保持率が85%以上となるように乾燥処理されるのが好ましい。この場合、生産性を大幅に向上でき、更には、ゴム物性等を向上させることもできる。
本発明のゴム組成物の好適例においては、更に、脂環式化合物系石油樹脂(D)をゴム成分100質量部に対して1〜5質量部含む。この場合、耐チッピング性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分が、更に重量平均分子量(Mw)が50×104以上で且つシス-1,4結合量が95%以上の共役ジエン化合物重合体(E)を含み、
前記ゴム成分中、前記天然ゴム(A)の含有量が60質量%以上で且つ98質量%未満で、前記共役ジエン化合物重合体(B)の含有量が2〜20質量%で、前記共役ジエン化合物重合体(E)の含有量が38質量%以下である。この場合、耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物において、前記有機チオスルフェート化合物(C)としては、1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物が好ましい。この場合、耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、更に、窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜160m2/gで、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が130〜160ml/100gで且つ発生水素量が1500〜2500ppmであるカーボンブラック(F)をゴム成分100質量部に対して40〜55質量部含む。この場合、耐摩耗性を更に向上させることができる。
本発明のゴム組成物においては、前記恒粘度剤の添加量が、天然ゴム100質量部に対して0.001質量部以上であるのが好ましい。また、前記恒粘度剤としては、下記式(II):
1−CONHNH2 ・・・ (II)
[式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す]で表されるヒドラジド化合物が好ましい。この場合、耐チッピング性を更に向上させることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記のゴム組成物を用いたことを特徴とし、航空機用タイヤとして好適である。
本発明によれば、特定の重量平均分子量及びトランス-1,4結合量を有する共役ジエン化合物重合体と恒粘度剤含有天然ゴムとを特定量含むゴム成分に対し、特定の構造を有する有機チオスルフェート化合物を特定量配合することで、タイヤの耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性を高度にバランスさせることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物を用いた、耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性に優れる空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の左側断面図である。 本発明の空気入りバイアスタイヤの一例の左側断面図である。
以下に、本発明のゴム組成物を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、恒粘度剤が添加された天然ゴム(A)60〜98質量%及び重量平均分子量(Mw)が1×104〜10×104で且つトランス-1,4結合量が70%以上の共役ジエン化合物重合体(B)2〜20質量%を含むゴム成分100質量部に対し、上記式(I)で表された、結晶水を含有してもよい有機チオスルフェート化合物(C)0.5〜2質量部を配合してなる。
ここで、上記ゴム組成物のゴム成分として用いる天然ゴム(A)は、恒粘度剤が添加されることを要する。該恒粘度剤が天然ゴムに添加されることで、天然ゴムのゲル化を抑制し且つ分子量の低下を防止することができるため、天然ゴムの加工性が改善され、延いては、空気入りタイヤの生産性を向上させることになる。また、本発明のゴム組成物においては、上記天然ゴム(A)を後述する共役ジエン化合物重合体(B)及び有機チオスルフェート化合物(C)と組み合わせることで、耐シェブロンカット性及び耐チッピング性の双方を向上させることができる。従来、恒粘度剤含有天然ゴムにより耐チッピング性を向上させることは知られておらず、本発明によって得られる効果が、従来技術に比べて有利な効果であることは明らかである。
上記天然ゴム(A)は、天然ゴムの製造工程中、乾燥前後のゲル変化率が10質量%以下で且つ分子量保持率が85%以上となるように乾燥処理されるのが好ましい。通常、天然ゴムの製造工程には、乾燥工程が含まれており、ここで、乾燥の前後での天然ゴムのゲル変化率及び分子量保持率を上記特定した範囲内に調整することで、生産性を大幅に向上でき、更には、ゴム物性等を向上させることもできる。天然ゴムの製造工程中、乾燥前後の天然ゴムのゲル変化率が10質量%を超えると、天然ゴムが高粘度化し、カーボンブラック等の充填剤の分散性が低下し、該充填剤による補強効果が十分に得られないことがある。一方、乾燥前後の天然ゴムの分子量保持率が85%未満では、耐摩耗性の向上効果が十分に得られない場合がある。また、乾燥前後のゲル変化率及び分子量保持率を調整するには、乾燥温度及び乾燥時間を適宜選択すればよい。なお、乾燥前後の天然ゴムのゲル変化率は5質量%以下が好ましく、分子量保持率は90%以上が好ましい。
また、上記恒粘度剤は、通常の天然ゴムに配合されると、イソプレン鎖中の異種結合(アルデヒド基等)に反応してブロックすることにより、天然ゴムのゲル化反応を阻害し、ゲル量の増加を抑制するものである。具体例としては、硫酸ヒドロキシルアミン、セミカルバジド及びジメドン(1,1-ジメチルシクロヘキサン-3,5-ジオン)の他、上記式(II)で表されるヒドラジド化合物等が挙げられる。これらの中でも、耐チッピング性を向上させる観点から、上記式(II)で表されるヒドラジド化合物が好ましい。
式(II)において、R1は、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す。ここで、R1が炭素数1〜5のアルキル基である場合の脂肪族ヒドラジド化合物としては、例えば、酢酸ヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、酪酸ヒドラジド、カプロン酸ヒドラジド等が挙げられる。一方、R1が炭素数3〜5のシクロアルキル基である場合の脂環式ヒドラジド化合物としては、例えば、シクロプロピルヒドラジド等が挙げられる。
本発明のゴム組成物において、前記恒粘度剤の添加量は、天然ゴム100質量部に対して0.001質量部以上が好ましく、0.01〜3.0質量部の範囲が更に好ましく、0.01〜2.0質量部の範囲が一層好ましい。天然ゴム100質量部に対する恒粘度剤の添加量が0.001質量部未満では、恒粘度効果や耐チッピング性の向上効果を十分に得ることができない場合がある。
また、上記ゴム組成物のゴム成分として用いる共役ジエン化合物重合体(B)は、重量平均分子量(Mw)が1×104〜10×104で且つトランス-1,4結合量が70%以上であることを要する。該共役ジエン化合物重合体(B)は、結晶性が高いため、高シビアリティー領域での耐摩耗性を向上させると共に、耐発熱性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性及び製造時作業性(低粘度性)を向上させることができる。なお、航空機用空気入りタイヤでは、着陸時に高温に達するため、高温域での耐摩耗性の確保が重要となるが、共役ジエン化合物重合体(B)による耐摩耗性の向上効果は、高温域でも持続し、熱劣化による耐摩耗性の経時変化も少ないことから、航空機用空気入りタイヤ等の高速高荷重用タイヤに特に好適である。
上記共役ジエン化合物重合体(B)は、重量平均分子量(Mw)が1×104〜10×104であることを要する。該重量平均分子量(Mw)が1×104未満では、耐摩耗性の向上効果が低減し、一方、10×104を超えると、粘度が増大し、製造時作業性が低下する。また、上記共役ジエン化合物重合体(B)は、トランス-1,4結合量が70%以上であることを要し、90%以上であることが好ましい。該トランス-1,4結合量が70%未満では、単体での結晶性が損なわれ、液状となり、使用時の取り扱いが困難となり、タイヤの耐シェブロンカット性や耐チッピング性を低下させる。
上記共役ジエン化合物重合体(B)は、一種又は複数種の共役ジエン化合物を重合して得られる。ここで、上記重合体(B)の重合方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、溶媒中で単量体としての共役ジエン化合物単量体を、ニッケルボロアシレート、トリブチルアルミニウム、トリフェニルホスファイト及びトリフルオロ酢酸からなる4元系触媒を用いて重合する方法等が挙げられる。なお、共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン、ミルセン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。共役ジエン化合物が1,3-ブタジエンである場合の共役ジエン化合物重合体(B)を、結晶性トランスポリブタジエンと称することもある。
更に、上記ゴム組成物のゴム成分としては、重量平均分子量(Mw)が50×104以上で且つシス-1,4結合量が95%以上の共役ジエン化合物重合体(E)を用いてもよい。該共役ジエン化合物重合体(E)は、高シビアリティー領域での耐摩耗性及び耐発熱性を向上させることができる。共役ジエン化合物重合体(E)の重量平均分子量(Mw)が50×104未満であるか又はシス-1,4結合量が95%未満であると、耐摩耗性が低下することがある。
上記共役ジエン化合物重合体(E)は、一種又は複数種の共役ジエン化合物を重合して得られる。ここで、上記重合体(E)の重合方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、(i)成分:周期律表の原子番号57〜71のランタン系列希土類元素含有化合物又は該ランタン系列希土類元素含有物とルイス塩基との反応物、(ii)成分:AlR234[式中、R2及びR3は、同一でも異なってもよいが、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R4は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R4はR2又はR3と同一でも異なってもよい]で表される有機アルミニウム化合物、並びに(iii)成分:ルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物、の少なくとも一種からなる触媒系により共役ジエン化合物を重合させる手法が挙げられる。更に、上記触媒系には、(i)〜(iii)成分の他に、更に(iv)成分として、有機アルミニウムオキシ化合物、所謂アルミノキサンを添加するのが好ましい。なお、共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン、ミルセン等が挙げられ、これらの中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。
上記(i)成分においては、周期律表の原子番号57〜71の希土類元素の中でも、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウム又はこれらの混合物が好ましく、ネオジムが特に好ましい。また、上記ランタン系列希土類元素含有化合物としては、炭化水素溶媒に可溶な塩が好ましく、具体的には、上記希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩が挙げられ、これらの中でも、カルボン酸塩及びリン酸塩が好ましく、カルボン酸塩が特に好ましい。従って、上記ランタン系列希土類元素含有化合物の中でも、ネオジムのリン酸塩及びネオジムのカルボン酸塩が好ましく、ネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのネオデカン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のネオジムの分岐カルボン酸塩が更に好ましい。また、上記ランタン系列希土類元素含有化合物とルイス塩基との反応物でもよく、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N-ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。
上記(ii)成分として、具体的には、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等が好適に挙げられる。
上記(iii)成分のルイス酸として、具体的には、塩化ジエチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、セスキ臭化エチルアルミニウム、二臭化エチルアルミニウム等が好適に挙げられる。また、上記(iii)成分の金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物を構成する金属ハロゲン化物としては、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅等が好ましく、ルイス塩基としては、リン酸トリ-2-エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2-エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2-エチルヘキシルアルコール、1-デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。更に、上記(iii)成分の活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が好適に挙げられる。
上記(iv)成分としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、クロロアルミノキサン等が挙げられる。
また更に、上記ゴム組成物のゴム成分としては、更に他の共役ジエン化合物重合体や芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体を用いてもよく、具体例としては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム等が挙げられる。
上記ゴム組成物のゴム成分は、上記天然ゴム(A)を60〜98質量%含むことが好ましく、上記共役ジエン化合物重合体(B)を2〜20質量%含むことが好ましい。該天然ゴム(A)の含有量が60質量%未満では、耐チッピング性の向上効果が十分に得られない。また、該共役ジエン化合物重合体(B)の含有量が2質量%未満では、重合体(B)による効果が十分に得られず、一方、20質量%を超えると、ゴム成分中に占める低分子量成分の割合が高まり、耐摩耗性を低下させる。なお、上記ゴム成分が更に上記共役ジエン化合物重合体(E)を含む場合、ゴム成分中での天然ゴム(A)の含有量は60質量%以上で且つ98質量%未満で、共役ジエン化合物重合体(B)の含有量が2〜20質量%で、共役ジエン化合物重合体(E)の含有量が38質量%以下であることが好ましい。
また、上記ゴム組成物に用いる有機チオスルフェート化合物(C)は、上記式(I)で表される化合物であり、該化合物は分子内に結晶水を有する水和物であってもよい。有機チオスルフェート化合物(C)は、硫黄架橋と比較して熱的に安定な架橋構造を形成する架橋剤であり、高温域での耐摩耗性及びゴム劣化後の耐摩耗性を向上させる効果が顕著である。更に、共役ジエン化合物重合体(B)と併用することにより、常温領域から高温領域までの全領域に及ぶ摩耗時ゴム表面温度において耐摩耗性を十分に確保することができ、かかる耐摩耗性は、タイヤの新品時から劣化に至るまで確保される。式(I)において、nで示されるメチレン鎖の数は3〜10の整数であることを要し、3〜6であるのが好ましい。また、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトよりなる群から選択される金属であり、pは該金属の価数を示す。具体的に、式(I)の化合物としては、ナトリウム塩一水和物、ナトリウム塩二水和物等が挙げられ、チオ硫酸ナトリウムからの誘導体、例えば1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物が最も好ましい。なお、上記ゴム組成物中の有機チオスルフェート化合物(C)の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜2質量部の範囲が好ましい。該有機チオスルフェート化合物(C)の配合量がゴム成分100質量部に対して0.5質量部未満では、化合物(C)による効果が十分に得られず、一方、2質量部を超えても、化合物(C)による効果は増大せず、経済的に適さない。
更に、上記ゴム組成物は、脂環式化合物系石油樹脂(D)をゴム成分100質量部に対して1〜5質量部含むことが好ましい。脂環式化合物系石油樹脂(D)は、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、及び製造時作業性(低粘度性)を向上させることができる。脂環式化合物系石油樹脂(D)として、具体的には、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンとメチルシクロペンタジエンとのディールスアルダー反応生成物、トリシクロペンタジエン等が挙げられ、特にジシクロペンタジエンが好ましい。また、脂環式化合物系石油樹脂(D)の含有量がゴム成分100質量部に対して1質量部未満では、石油樹脂(D)による効果が十分に得られず、一方、5質量部を超えると、耐発熱性及び耐摩耗性が低下する場合がある。なお、これら脂環式化合物系石油樹脂(D)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
また更に、上記ゴム組成物は、補強性充填剤として、窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜160m2/gで、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が130〜160ml/100gで且つ発生水素量が1500〜2500ppmであるカーボンブラック(F)をゴム成分100質量部に対して40〜55質量部含むことが好ましい。カーボンブラックのN2SAが140〜160m2/gの範囲内にあれば、充填剤の分散性、耐摩耗性及び耐発熱性を向上できる。また、カーボンブラックのDBP吸油量が130〜160ml/100gの範囲内であれば、耐摩耗性及び耐発熱性を向上できる。更に、カーボンブラックの発生水素量が1500〜2500ppmの範囲内にあれば、耐摩耗性及び耐劣化性を向上できる。なお、窒素吸着比表面積(N2SA)はJIS K6217−2:2001に準拠して測定され、ジブチルフタレート(DBP)吸油量はJIS K6217−4:2001に準拠して測定される。また、発生水素量とは、カーボンブラック加熱時に発生する水素の量であり、以下のように測定できる。カーボンブラック約0.1gをアルゴンガス気流中で加熱し、発生するガスをガスクロマトグラム(例えば、島津製作所製「GC−9A」)にて分析し、定量する。測定は、10℃/分の昇温条件で行い、キャリアガスとしてアルゴンガスを流入させ(流入量50ml/分)、加熱炉が400℃になった際に、カーボンブラックから発生したガスをアルゴンガスと共にガスクロマトグラムに導き、定量する。この測定を400〜1200℃の間で200℃毎に行い、各温度のピーク面積を算出し、各温度での測定値の和を発生した水素量とし、カーボンブラック1g当たりから発生する水素量を発生水素量(ppm)として求める。また、カーボンブラック(F)の含有量がゴム成分100質量部に対して40〜55質量部の範囲内にあれば、耐摩耗性及び耐発熱性を向上させることができる。
上記ゴム組成物には、例えば、上記天然ゴム(A)及び共役ジエン化合物重合体(B)を含むゴム成分に、有機チオスルフェート化合物(C)、脂環式化合物系石油樹脂(D)、共役ジエン化合物重合体(E)及びカーボンブラック(F)の他、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、他の充填剤、軟化剤、シランカップリング剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤、他の加硫剤等を目的に応じて適宜配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、天然ゴム(A)及び共役ジエン化合物重合体(B)を含むゴム成分に、有機チオスルフェート化合物(C)と共に、必要に応じて適宜選択した各種配合剤を配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
次に、図を参照しながら、本発明の空気入りタイヤを詳細に説明する。図1は、本発明の空気入りラジアルタイヤの一例の左側断面図であり、図2は、本発明の空気入りバイアスタイヤの一例の左側断面図である。図1に示すラジアルタイヤ及び図2に示すバイアスタイヤは、一対のビード部1及び一対のサイドウォール部2と、両サイドウォール部2に連なるトレッド部3とを有し、上記一対のビード部1間にトロイド状に延在させたカーカス4と、前記一対のビード部に埋設された少なくとも一対のビードコア5とを備える。なお、図1に示すビード部1は一対のビードコア5が埋設され、図2に示すビード部2には三対のビードコア5が埋設されるが、本発明の空気入りタイヤにおいては、一対以上のビードコアが埋設されていればよい。
ここで、本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いたことを特徴とし、該ゴム組成物をトレッド部3に用いるのが好ましい。本発明の空気入りタイヤは、耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性に優れ、航空機用タイヤ等の高速高荷重用タイヤとして好適である。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物を用いる以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
図1に示すラジアルタイヤにおいて、カーカス4は、一枚のカーカスプライからなり、また、上記ビード部1内に夫々配設した一対のビードコア5間にトロイド状に延在する本体部と、各ビードコア5の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とからなる。一方、図2に示すバイアスタイヤにおいては、上記ビードコア5の対毎に該ビードコア5間をトロイド状に延在する本体部と該ビードコア5の周りでタイヤ幅方向の内側から外側に向けて半径方向外方に巻上げた折り返し部とを有する少なくとも2枚のカーカスプライよりなるターンアッププライ4aと、該ターンアッププライ4aを折り返し部も含めて外包する少なくとも2枚のカーカスプライよりなるダウンプライ4bとからなる。なお、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカスの構造は、特に制限されず、ラジアルタイヤ及びバイアスタイヤのカーカス構造をいずれも選択できる。また、本発明の空気入りタイヤにおいて、カーカスプライの枚数は、特に限定されるものではない。
また、図1に示すラジアルタイヤにおいては、該カーカス4のクラウン部のタイヤ半径方向外側に4枚のベルト層からなるベルト6が配置されており、該ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層からなり、4枚のベルト層は、該ベルト層を構成するコードが互いに赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト6を構成する。なお、図1中のベルト6は、4枚のベルト層からなるが、本発明の空気入りタイヤにおいて、ベルトを構成するベルト層の枚数は特に限定されるものではなく、例えば、図2に示すバイアスタイヤのベルトは、2枚のベルト層からなる。
更に、本発明の空気入りタイヤは、公知のタイヤ部材を必要に応じて備えることができ、例えば、図1に示すように、ベルト補強層7を備えることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(天然ゴムA〜Dの製造例)
表1に示す乾燥条件でアンスモークドシートを乾燥させて、天然ゴムを作製した。乾燥の前後における天然ゴムのゲル量及び分子量を下記の方法で測定した。なお、天然ゴムA及びBについては、乾燥処理が施された後に恒粘度剤が添加された。
(1)ゲル量
ゴム片0.2gをトルエン(1級)60ccに溶解し、遠心分離法でゲル分を分離し、それを乾燥した後、ゲル量を測定した。
(2)分子量
ゲル浸透クロマトグラフィー法により重量平均分子量(Mw)を測定した。測定装置には東ソー(株)製「HCL−8020」、カラムには東ソー(株)製「GMHXL」、較正には東ソー(株)製の標準ポリスチレン及び溶媒にはテトラヒドロフラン(THF)1級を用い、サンプル濃度を0.01g/30ccとした。
Figure 0005926880
(結晶性トランスポリブタジエンゴムA)
温度計、攪拌装置、加圧装置、注入・注出口を備えたステンレス製反応装置を窒素ガスにて置換し、これに4086gのブタジエン/へキサン溶液(ブタジエン濃度=23.7質量%)、12.0mlのニッケルボロアシレート(NiOB)のヘキサン溶液(NiOB濃度=0.84mol/l、モノマー100gに対するNiOBの添加量=1.0mmolphgm)を25mlのへキサンに溶解させたもの、49mlのトリブチルアルミニウム(TIBAL)のヘキサン溶液(TIBAL濃度=0.62mol/l、TIBALの添加量=3.0mmolphgm)、2.64mlの原液のトリフェニルホスファイト(TPP)(TPPの添加量=1.0mmol phgm)を25mlのヘキサンに溶解させたもの、15.6mlのトリフルオロ酢酸(TFA)(TFAの添加量=20mmolphgm)を25mlのヘキサンに溶解させたもの、を注入する。その後、80℃にて6時間重合させ、この溶液を過剰のイソプロパノールと老化防止剤の入った溶液に注入し、重合を停止し再沈殿した。更に、これをろ過し、50℃にて真空乾燥し、重量平均分子量(Mw)が3.2×104で且つトランス-1,4結合量が92%の結晶性トランスポリブタジエンゴムAを得た。なお、上記触媒のモル比は、NiOB/TIBAL/TPP/TFA=1/3/1/20であった。また、重量平均分子量(Mw)は上記の方法で測定され、トランス-1,4結合量は下記の方法で測定された。
(3)ミクロ構造[トランス-1,4結合量(%)及びシス-1,4結合量(%)]
フーリエ変換赤外分光光度計(商品名「FT/IR−4100」,日本分光社製)を使用し、赤外法(モレロ法)によって測定した。
(結晶性トランスポリブタジエンゴムB)
触媒の添加量をNiOB/TIBAL/TPP/TFA=1/3/0.5/10(mmol phgm)とし、重合温度を40℃、重合時間を24時間に変更した以外は、結晶性トランスポリブタジエンゴムAの調製方法と同様にして、結晶性トランスポリブタジエンゴムBを得た。結晶性トランスポリブタジエンゴムBについて、上記の方法で測定したところ、重量平均分子量(Mw)が14.8×104で、トランス-1,4結合量が91%であった。
次に、表2〜3に示す配合処方に従って調製したゴム組成物に対して、粘度、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性(レジリエンス)及び耐摩耗性を下記の方法により測定した。また、該ゴム組成物をトレッドゴムに適用して、図1に示す構造を有し、サイズが50×20.0 R22 32PRの航空機用ラジアルタイヤを製造し、タイヤ性能を評価した。結果を表2〜3に示す。
(4)ゴム組成物の粘度
JIS K6300−1:2001に準拠し、L型ロータを用い、130℃にてムーニー粘度[ML1+4(130℃)]を測定し、実施例1のゴム組成物のムーニー粘度を100として指数表示した。指数値が小さい程、加工性に優れ、生産性が良好であることを示す。
(5)耐シェブロンカット性(M300)
厚さ2mmのシートを145℃で30分間加硫し、該加硫ゴムシートをJIS−3号ダンベルに打ち抜き、JISK6251:2004に準拠して300%伸び時における引張応力(M300)を測定し、実施例1の加硫ゴムの引張応力を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐シェブロンカット性に優れることを示す。
(6)耐チッピング性(AGED EB)
厚さ2mmのシートを145℃で30分間加硫し、JIS−3号ダンベルに打ち抜いたサンプルを、ギヤオーブン中空気雰囲気下で100℃にて24時間放置(劣化)させた後、JISK6251:2004に準拠して切断時伸びを測定し、実施例1の加硫ゴムの老化後の切断時伸びを100として指数表示した。指数値が大きい程、耐チッピング性に優れることを示す。
(7)耐発熱性(レジリエンス)
ゴム組成物を145℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、ブリティッシュスタンダード903:PartA8:1963に準拠した反発弾性試験を行い、実施例1の加硫ゴムの反発弾性率を100として、以下の式により指数表示した。指数値が大きい程、耐発熱性に優れ、発熱量が小さいことを示す。
耐発熱性(指数)=(供試試験片の反発弾性率/実施例1の試験片の反発弾性率)×100
(8)耐摩耗性(ランボーン)
ゴム組成物を145℃で30分間加硫して得た加硫ゴムに対して、JIS K6264−1993に準拠したランボーン型摩耗試験を行い、実施例1の加硫ゴムの耐摩耗性を100として、以下の式により指数表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性に優れることを示す。
耐摩耗性(指数)=(実施例1の摩耗量/供試サンプルの摩耗量)×100
(9)タイヤ性能(オーバーロードドラム耐久)
各供試タイヤをリム組みした組立体に、ドラム上で51800kgの負荷をかけて、48.3km/hの速度で366秒間走行させた。17秒間停止させた後、1.5727m/s2の加速度で加速し、105.06m/sの速度にて離陸する条件で、タイヤ性能試験を行い、トレッドに故障が生じるか否かを評価した。
Figure 0005926880
Figure 0005926880
*1 JSR(株)製「BR01」,重量平均分子量(Mw)=5.2×105,シス-1,4結合量=96%.
*2 新日本石油(株)製,日石ネオレジンB−100,ジシクロペンタジエン含有量65質量%,トリメチルペンテンを含む.
*3 1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物.
*4 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン.
*5 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド.
実施例のゴム組成物は、優れたゴム物性を有しており、空気入りタイヤの耐摩耗性、耐シェブロンカット性、耐チッピング性、耐発熱性及び生産性を高度にバランスできることが分かる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカス
5 ビードコア
6 ベルト
7 ベルト補強層

Claims (8)

  1. 恒粘度剤が添加された天然ゴム(A)60〜98質量%及び重量平均分子量(Mw)が1×104〜10×104で且つトランス−1,4結合量が70%以上の共役ジエン化合物重合体(B)2〜20質量%を含むゴム成分100質量部に対し、下記式(I):
    1/p3S−S−(CH2)n−S−SO31/p・・・ (I)
    [式中、nは3〜10の整数を示し、Mはリチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ニッケル及びコバルトよりなる群から選択される金属であり、pは該金属の価数を示す]で表された、結晶水を含有してもよい有機チオスルフェート化合物(C)0.5〜2質量部とシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロペンタジエンとメチルシクロペンタジエンとのディールスアルダー反応生成物及びトリシクロペンタジエンからなる群より選択される少なくとも1種の脂環式化合物系石油樹脂(D)1〜5質量部とを配合することを含む、ゴム組成物の製造方法であって、
    該(A)の該天然ゴムは、乾燥前後のゲル変化率が10質量%以下で且つ分子量保持率が85%以上となるように乾燥処理されたことを特徴とする、ゴム組成物の製造方法
  2. 前記ゴム成分が、更に重量平均分子量(Mw)が50×104以上で且つシス-1,4結合量が95%以上の共役ジエン化合物重合体(E)を含み、
    前記ゴム成分中、前記天然ゴム(A)の含有量が60質量%以上で且つ98質量%未満で、前記共役ジエン化合物重合体(B)の含有量が2〜20質量%で、前記共役ジエン化合物重合体(E)の含有量が38質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物の製造方法
  3. 前記有機チオスルフェート化合物(C)が1,6-ヘキサメチレンジチオ硫酸ナトリウム・2水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法
  4. 更に、窒素吸着比表面積(N2SA)が140〜160m2/gで、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が130〜160ml/100gで且つ発生水素量が1500〜2500ppmであるカーボンブラック(F)をゴム成分100質量部に対して40〜55質量部含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法
  5. 前記恒粘度剤の添加量が、天然ゴム100質量部に対して0.001質量部以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法
  6. 前記恒粘度剤が、下記式(II):
    1−CONHNH2・・・(II)
    [式中、R1は炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数3〜5のシクロアルキル基を示す]
    で表されるヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法によって製造されたゴム組成物を用いて空気入りタイヤを製造する、空気入りタイヤの製造方法
  8. 前記空気入りタイヤが、航空機用タイヤであることを特徴とする請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法
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