JP5926285B2 - 任意k空間トラジェクトリの高速並行再構成 - Google Patents

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Description

以下の説明は、磁気共鳴画像化技術、医療画像化技術、その他関連技術に関する。
磁気共鳴(MR)画像化は既知の医療画像化方法であり、獣医療画像化その他の、考古学的人工物の特徴評価など画像化アプリケーションでも利用されている。MR画像化は他の画像化方法よりも、イオン化放射の不使用など多くの利点を有し、多様な解剖学的モード及び機能コントラストモードを提供する。機能磁気共鳴画像化(fMRI)において、機能面を検出するコントラストモードを利用する。例えば、脳fMRIでは、神経活動に間接的に関係するコントラストを提供するBOLD(blood oxygen level dependence)などのコントラストモードを利用する。時期共鳴血管造影(MRA)では、血液コントラストを提供する方法を利用する。あるMRAアプローチでは、外生的磁気造影剤を血流に注射する。
これらの様々な動的MR画像化方法は、画像取得時間に厳しい時間的制約を課す。動きアーティファクトの低減とMRラボラトリの効率向上などのその他の理由により、高速MR画像化も有利である。このため、超短エコー時間(UTE)方などの高速MR画像化方法が開発されている。しかし、画像化には数分、数十分、又はそれ以上のオーダーの時間がかかる。
より速いMR画像化データ取得を実現するその他のアプローチは、部分並行画像化(partially parallel imaging、PPI)として知られる画像化方法のクラスである。PPI法の例には、SENSE(sensitivity encoding)、SMASH(simultaneous acquisition of spatial harmonics)、GRAPPA(generalized autocalibrating partially parallel acquisition)などがある。これらの方法では、コイル感度が異なる複数のラジオ周波数受信コイルが、(例えば、SENSEで行われるように、位相エンコーディングラインの取得をスキップして)アンダーサンプリングされデータを一部消失しているMR画像化データセットを取得する。消失したデータは、コイル感度が異なる複数の受信コイルを用いて提供される追加的情報により、好適な再構成法(例えば、SENSE又はSMASH再構成法)を用いて補完される。取得されたPPIデータセットのアンダーサンプリングは、画像化データ取得加速要因(一般的にはR)に対応する。この要因の大きさは、アンダーサンプリングの程度に依存する。一般的に、アンダーサンプリングの程度が高いデータセットほど高速に取得できるが、アンダーサンプリングによる画像アーティファクトが生じる潜在的な危険性(potential cost)がある。
以下に、新規の改良された装置と方法を開示する。
一開示態様では、一方法は、複数のラジオ周波数受信コイルを用いてアンダーサンプリングされたMR−PPI(magnetic resonance partially parallel imaging)を取得するステップ;及び前記アンダーサンプリングMR−PPIデータセットを再構成して、再構成磁気共鳴(MR)画像を生成する、再構成するステップを有する。前記再構成するステップは:(i)GRAPPA(generalized auto-calibrating partially parallel acquisition)又は直接畳み込みを用いて、前記アンダーサンプリングMR−PPIデータセットの少なくとも一部の失われたデータをフィルインし、前記アンダーサンプリングMR−PPIデータセットと失われていたがフィルインされたデータとを含む改良データセットを生成するようにする、用いるステップと、(ii)GRAPPA以外のかつ直接畳み込み以外のアルゴリズムを用いて、前記改良データセットを再構成し、又は反復再構成アルゴリズムの初期データセットとして前記改良データセットを用いて前記アンダーサンプリングMR−PPIデータセットを再構成するステップとを有する。
他の一開示態様では、直前の段落に記載した方法において、前記取得するステップは、アンダーサンプリングされていないk=0を含む中心k空間領域と、第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされた、前記中心k空間領域を取り囲む中間k空間領域と、第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされた、前記中間k空間領域を取り囲む外側k空間領域とを含むアンダーサンプリングMR−PPIデータセットを取得する、R2>R1であるステップを有する。動作(i)の実行は、動作(ii)の実行の前であってもよい。直前の段落に記載した他の一方法において、前記取得するステップは、アンダーサンプリングされていないk=0を含む中心k空間領域と、第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされた、前記中心k空間領域を取り囲む中間k空間領域と、第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされた、前記中間k空間領域を取り囲む外側k空間領域とを含む、複数の時間フレームにわたるアンダーサンプリングk−tMR−PPIデータセットを取得する、R2>R1であるステップを有する。
他の一開示態様では、方法は、複数のラジオ周波数受信コイルを用いてアンダーサンプリングされた非カーテシアンMR−PPI(magnetic resonance partially parallel imaging)を取得するステップ;及び前記アンダーサンプリング非カーテシアンMR−PPIデータセットを再構成して再構成磁気共鳴(MR)画像を生成するステップであって、前記再構成は、GROWL(GRAPPA (generalized auto-calibrating partially parallel acquisition) operator for wider radial bands)を用いて前記アンダーサンプリング非カーテシアンMR−PPIデータセットの少なくとも一部の失われたデータをフィルインするステップを有する。
他の一開示態様では、直前の段落に記載した方法において、前記取得するステップは、複数の時間フレームにわたりアンダーサンプリング非カーテシアンk−tMR−PPIデータセットを取得するステップであって、前記アンダーサンプリングは時間次元においてアンダーサンプリングする隣接する時間フレームにおいて異なり、前記再構成はGROWLを用いて時間次元におけるアンダーサンプリングにより失われた少なくとも一部のデータをフィルインするステップを有する。
他の一開示態様では、直前の4段落に記載した方法は、さらにディスプレイ装置に再構成MR画像を表示するステップを含んでもよい。 他の一開示態様では、一装置は、磁気共鳴(MR)スキャナ;複数のラジオ周波数受信コイル;及び前記MRスキャナ及び前記ラジオ周波数受信コイルと協働して、直前の4段落に記載の一又は複数の方法を実行するように構成されたデータ処理装置とを有する。 他の一開示態様では、記憶媒体は、磁気共鳴(MR)画像化システムにより実行可能な、直前の4段落に記載の方法のうち一又は複数を実行する命令を記憶する。
一効果として、MR−PPI(magnetic resonance partially parallel imaging)の画像アーティファクトを低減できる。
他の一効果として、MR−PPIにおいて、高速なデータセット取得に対応するネットアクセラレーションを改善できる。
さらに別の効果は、下記の詳細な説明を読んで理解すれば、本技術分野の当業者に明らかになるであろう。
ここに開示する磁気共鳴部分並行画像化(MR−PPI)を実行するように構成された画像化システムを示す図である。 図1の画像化システムにより好適に取得され、図1の制御モジュールによりGROWLを適用するように処理されたラジアルMR−PPIデータセットを示す図である。 図1の画像化システムにより好適に取得され、図1の制御モジュールによりGROWLを適用するように処理されたスパイラルMR−PPIデータセットを示す図である。 アンダーサンプリングされたラジアルデータセットをGROWLオペレータを用いてカーテシアングリッド上に直接再構成したラジアル画像化の例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGRAPPAオペレータとマルチチャネル圧縮センシングとを用いてMR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。 図1の画像化システムがGROWLと時間フィルタリングとを用いて動的(k−t)MR−PPIデータセットを処理する例を示す図である。
図1を参照するに、画像化システムは磁気共鳴(MR)スキャナ10を含む。スキャナ10は、例えば、図示したAchievaTM MR scanner(Koninklijke Philips Electronics N.V., Eindhoven, The Netherlandsから入手可能である)、InteraTM又はPanoramaTM MR scanner(両方ともKoninklijke Philips Electronics N.V.社から入手可能である)、その他の商業的に入手可能なMRスキャナ、又は非商業的なMRスキャナなどを含む。典型的な一実施形態では、MRスキャナは、次の内部コンポーネント(図示せず)を含む:静磁場(B0)を発生する超伝導又は抵抗性主磁石;静磁場に選択的に磁場グラジエントを重畳する複数セットの磁場グラジエントコイル巻線;磁気共鳴(典型的には1H磁気共鳴であるが、他の磁気共鳴核又は複数の磁気共鳴核も想定している)を励起するように選択された周波数でラジオ周波数磁場(B1)を発生するラジオ周波数励起システム;ラジオ周波数受信コイルアレイを含むラジオ周波数受信システム;及び被験者から放射された磁気共鳴信号を検出するラジオ周波数受信コイルアレイすなわち複数の受信コイルを含むラジオ周波数受信システム。
MRスキャナ10は、磁気共鳴(MR)制御モジュール12の制御下で動作し、磁気共鳴部分並行画像化(MR−PPI)を実行する。MR−PPIにおいて、図示した受信コイルアレイ114のラジオ周波数受信コイルなどを含む複数の磁気共鳴受信チャネルにより、アンダーサンプリング画像化データセットが取得される。MR−PPIでは、コイル感度が異なる複数の受信コイルが、(例えば、SENSEで行われるように、位相エンコーディングラインの取得をスキップして)アンダーサンプリングされデータを一部消失しているMR画像化データセットを取得する。消失したデータは、コイル感度が異なる複数の受信コイルを用いて提供される追加的情報により、好適な再構成法(例えば、SENSE又はSMASH再構成法)を用いて補完される。取得されたPPIデータセットのアンダーサンプリングは、画像化データ取得加速要因(一般的にはR)に対応する。この要因の大きさは、アンダーサンプリングの程度に依存する。図示した制御モジュール12において、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットの取得はMR−PPI取得サブモジュール16により制御され、画像再構成は画像再構成サブモジュール18により行われる。
MR制御モジュール12は、マルチコアプロセッサその他のパラレルプロセッサ、シングルコアプロセッサ、画像処理ユニットすなわちGPUなどにより実施され、MRスキャナ10との通信バスその他の動作可能な接続を有し、MRスキャナ10にMR−PPIデータセットの取得をさせるコンピュータ20その他のデジタル処理装置により実施できる。デジタル処理装置はデジタルプロセッサを用いるが、アナログ回路も含む又はアクセスできるものであり、例えば画像再構成サブモジュール18の画像再構成処理の一部又は全部を実行するように構成されたASIC(application specific integrated circuitry)などである。開示のMR−PPI技術は、デジタル処理装置20のプロセッサにより実行されたとき、開示のMR−PPI動作を実行する命令を記憶した記憶媒体として実施してもよい。例えば、記憶媒体は、ハードディスクドライブ、光学ドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、その他の静電メモリ、これらの様々な組合せ、その他の好適な記憶媒体を含む。
画像化システムは、一般的に、ユーザが画像化プロセスを開始し制御するコマンド、パラメータなどを入力できるキーボード22その他のユーザ入力装置(例えば、マウス、トラックボール、その他のポインティングデバイス)も含む。画像再構成モジュール18により生成される再構成MR画像は、コンピュータ20の表示装置24などの表示装置に表示される。この目的のため、MR制御モジュール12は、3次元レンダリングの生成、2次元スライスの抽出、最大強度プロジェクション(MIP)の形成、時間フレームのシーケンスにわたり取得された画像のシネシーケンスの生成などの再構成MR画像の好適なレンダリングを実行する画像表示サブモジュール26を含む又はインプリメントし、表示サブモジュール26により生成されたレンダリングは表示装置24上に表示される。追加的又は代替的に、再構成されたMR画像は、メモリ又は記憶装置に記憶され、病院ネットワーク又はインターネットを介して伝送され、又は利用される(これらの追加的/代替的オプションは図1には図示していていない)。
引き続き図1を参照して、ここに開示するMR−PPI法では、失われた(すなわち、アンダーサンプリングされた)データの構成と、(2)その失われたデータをフィル(fill)する方法との組合せを設計し、既存の方法と比較して画像アーティファクトを低減して、(完全なデータセット取得に対する高いネットアクセラレーション要因Rに対応する)画像データ取得を実質的に速くする。開示されたかかる方法は、GROWL(GRAPPA operator for wider radial bands)を用いて、GRAPPAオペレータの利益をアンダーサンプリングされたラジアルデータセット、スパイラルデータセット、又はその他の非カーテシアンデータセットに拡張する。ここに説明するように、これには、アンダーサンプリングされておらず、GROWLのキャリブレーションに利用できる(k=0を含む)中心k空間領域の形式における、ビルトイン・セルフキャリブレーションを提供するという利益がある。このセルフキャリブレーションデータが得られるのは、ラジアル又はスパイラルデータセットのラジアルラインがk=0で収束することの自然な結果である。カーテシアンMR−PPIデータセットの場合には、k=0を含む中心k空間領域は、任意的にフルサンプリングされ、カーテシアンMR−PPIデータセットに組み込まれたセルフキャリブレーションデータを提供する。さらに他の想定される実施形態では、セルフキャリブレーションデータを取得してから、MR−PPIデータセットを取得する。
再構成サブモジュール18によりインプリメントされる動作32において、(非カーテシアンMR−PPIデータセットの場合にGROWLにより実施できる)GRAPPAオペレータ、又はその他の、好適な畳み込みカーネルを用いる直接畳み込みなどの補間法を用いて、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットの失われたデータをフィル(fill)する。動作32は、キャリブレーションのため、ビルトイン・セルフキャリブレーションデータ30を用いる。ある実施形態では、GRAPPAオペレータ、GROWL、又は直接畳み込みにより、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットの失われたすべてのデータをフィル(fill)して、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットとフィルされたデータとを含む改善データセットを生成することができる。かかる実施形態では、(GRAPPAオペレータでも直接畳み込みでもない)再構成アルゴリズム34を用いて、改善データセットを再構成し、又はその改善データセットを反復再構成アルゴリズムの初期データセットとして用いて、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットを再構成する。
しかし、他の実施形態では、オペレータ32は、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットの一部の(全部ではない)失われたデータのみをフィル(fill)する。これらの実施形態は、GROWLなどの方法は、狭い範囲での失われたデータを、すなわち失われたデータがk空間において取得データの近くにある時に、フィルするのに非常に有効であるとの認識に基づく。しかし、GROWLなどの方法は、より広い範囲での失われたデータを、すなわち失われたデータがk空間において取得データから比較的遠くにある時に、フィルするのにはあまり有効ではない。これらの実施形態では、動作32は、中心領域を囲む中間k空間領域のデータをフィルするGRAPPAオペレータ(ここで用いられるものはGROWLを含む)を含むが、アルゴリズム34(GRAPPAオペレータやその他の直接畳み込みではないもの)を用いて、中間k空間領域を囲む外側k空間領域の失われたデータをフィルすることを含む再構成を実施する。かかる実施形態では、中間k空間領域は第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされ、外側k空間領域は第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされる。ここでR2>R1である。さらに、かかる実施形態では、再構成アルゴリズム34は、少なくとも、失われたデータをGRAPPAオペレータによりフィルした中間k空間領域を、セルフキャリブレーションデータとして用いる。任意的に、再構成アルゴリズム34では、中心k空間領域30と、失われたデータをGRAPPAオペレータによりフィルした中間k空間領域とを組み合わせて、セルフキャリブレーションデータとして用いても良い。
再構成アルゴリズム34では、フーリエ変換再構成やインターラクティブ再構成法などを用いても良い。動作32、34は様々な方法で一体化できる。例えば、動作32をk空間又は画像空間で実行してもよい。繰り返し再構成アプローチでは、初期推定画像を生成し、次に動作32を用いて失われたデータをフィルし、次に繰り返し再構成アルゴリズムをくり返すために、取得されたMR−PPIデータセットのみで一又は複数の繰り返しを実行することが想定できる。動作34により、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットとフィルされたデータとを含む改良データセットを再構成し、再構成画像を形成する。代替的に、動作34により、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットが繰り返し再構成され、アンダーサンプリングMR−PPIデータセットとフィルされたデータとを含む改良データセットを、反復再構成アルゴリズムの初期データセットとして用いる。
引き続き図1を参照し、さらに図2も参照して、動作32においてGRPWLを用いるラジアルMR−PPIデータセットの再構成をする実施形態を説明する。この実施形態では、動作32はGRAPPA外挿オペレータを用いて、各ラジアルラインを複数の平行ラインよりなるロッドに広げる。セルフキャリブレーションは、中心k空間領域30を用いて実行される。ナイキスト基準が満たされる。このアプローチを用いて、既存の既存のラジアルパラレル画像化再構成法の1時間以上の再構成時間は、5分乃至10分の時間に短縮できる。例として、図2には、3次元(3D)ラジアルトラジェクトリ40を示した。データはk空間のラジアルラインに沿って取得されるが、角度レートはナイキストサンプリング基準を満たすのに必要なものより低い。再構成フェーズ中、GROWL(GRAPPA operator for wider radial bands)を用いて、各ラジアルラインを、複数のパラレルk空間ラインよりなるロッド42に拡張する。中心k空間に近いデータはフルサンプリングされるので、セルフキャリブレーションデータ30(図1)として用いることができる。
GROWLを用いて失われたデータをフィルインする好適なアプローチでは、GRAPPA相対シフトオペレータを用いて、各ラジアルラインをm本のパラレルk空間ラインよりなるロッド又はk空間セグメント42に拡張する。中心k空間領域30は、サンプリングがナイキストサンプリング基準を満たすナイキスト円(又は球)に対応する。中心k空間領域30はキャリブレーションに用いられる。一例において、最適Tikhonov規格化ファクタを導入して、GRAPPA相対シフトオペレータにより導入されるエラーを最小化する。tとSを、複数のk空間ロケーションとコイルチャンネルからの目標ベクトルとソースデータ点の行列であるとする。wをGRAPPA相対シフトオペレータの重みベクトルであるとする。キャリブレーションプロセスにおいて、過剰決定された線形方程式tACS=SACSwを解くことにより、重みベクトルwを決定する。ここで、添字ACSは、自動キャリブレーション信号(すなわち、中心k空間領域30)を示す。添字ACSは、目標及びソースデータ点の両方を示し、ACS領域30で集められる。線形方程式tACS=SACSwを解く好適な方法は、残余誤差w0=arg minw(||tACS - SACSw||2)を最小化する線形最小二乗アプローチである。ここで、記号||…||はL2ノルムを示す。しかし、最適重みベクトルは、k空間全体にわたり誤差を最小化しなければならない。すなわち、wopt=arg minw(||tE - SE w||2)である。ここで、添字Eは目標及びソースデータ点がk空間全体で集められることを示す。換言すると、理想的な重みベクトルは次式tE=SEwの解である。しかし、SEのみが既知なので、この方程式は解けない。替わりに、Tikhonov規格化を用いて、wopt=arg minw{||tACS - SACS w||2+・2||w||2}を最小化することにより、方程式tACS=SACS w を解く。ここで、・はTikhonovファクタとして知られている。この方程式の解は、
Figure 0005926285
である。ここで、uj、vj、及びsjは、それぞれ、特異値分解により生成される左特異ベクトル、右特異ベクトル、及びSの特異値である。特異ベクトルと特異値はjのインデックスを付した。
データフィル動作32をインプリメントする好適なアプローチにおいて、(この場合ナイキスト円又は球である)中心k空間領域30内のデータは、最初に、取得されたラジアルラインからカーテシアングリッドにリグリッド(regridded)される。各ラジアル読み出しラインに対して、共有法(shearing method)を用いて、リグリッドされたカーテシアンデータセットを回転し、読み出しラインに合わせる(align)。このキャリブレーション領域からGRAPPA相対シフトオペレータの重みを計算し、それを用いて各読み出しラインをより広い帯域に拡張する。代替的に、取得された読み出しラインに近いカーテシアン目標点を、畳み込みカーネルを用いて直接決定する。
引き続き図1を参照し、さらに図3も参照して、スパイラルMR−PPIデータセット50の再構成をする実施形態は、動作32においてGROWLを用いる。本アプローチは以下の所見に基づく。どのMRスキャナーもグラジエント回転レート(gradient slew rate)は有限なので、どのトラジェクトリの読み出しラインの曲率も有限である。第1次近似では、読み出しライン上のデータポイントは直線上に並んでいる。動作32は、この実施形態ではGROWLオペレータであるが、複数のチャネル要素のうちの複数の隣接ソースポイントを組み合わせる畳み込みカーネルである。それゆえGROWLオペレータを用いて、ソース読み出しラインから、さらに遠い(コイルとノイズレベルにもよるが、一般的には1−3/FOV)目標ポイントを推定する。これは、スパイラルトラジェクトリ50の場合について、図3のインセット52に示した。GROWLオペレータを決定する3つのパラメータは次の通りである:ソースポイントの数Nx、目標ポイントのソース読み出しラインからの距離Δky、及び方向θ。あるコイル構成に対して、Nxを一定にし、Δkyとθの離散的セットが異なるGROWLオペレータの配列を事前にキャリブレーションし、後で用いることができる。GROWLオペレータのキャリブレーションは、(例えば、ラジアル及び可変密度スパイラルに対して)フルサンプリングしたk空間を用いて、又はセパレートセンシティビティマッピングスキャン(separate sensitivity mapping scan)を用いて、実行できる。
図2の方法や図3の方法は次のようにインプリメントできる:各読み出しラインを、より広い帯域に拡張する。目標ポイントはまだ非カーテシアングリッド上にある。次に、リグリッド手順(regridding procedure)を用いて最終的再構成をレンダリングする。代替的なインプリメンテーションでは、取得された読み出しラインに近いカーテシアン目標点を、畳み込みカーネルを用いて直接決定する。これをここでは直接畳み込みと呼ぶ。ラジアルトラジェクトリとスパイラルトラジェクトリの場合、データを異なる角度に外挿するために、多くの畳み込みカーネルが必要である。距離Δkyは任意の値でよいので、Δky値が最も近い2つのカーネルを内挿して、短い計算時間で所望のカーネル値を求めることができる。
図4は、アンダーサンプリングされたラジアルデータセット(8チャンネルコイル、32ビュー、256×256マトリックスサイズ)をGROWLオペレータを用いてカーテシアングリッド上に直接再構成したラジアル画像化の例を示す図である。左側にはカーテシアングリッドにリグリッドした後の結果を示し、右側にはGROWLオペレータを適用した後の結果を示す。上側の画像は再構成したMR画像であり、下側の画像は対応するk空間の大きさを対数スケールで示す。
GROWLは、カーネルサイズが小さくキャリブレーション領域が一般的に小さいため、高速再構成技術である。実験では、3.0GHzのパーソナルコンピュータ(PC)で、ラジアル画像とスパイラル画像の療法を10秒以内に再構成できた。GROWLオペレータの性能は、読み出しラインの曲率を考慮して、k空間の領域ごとに異なる規格化を適用する(すなわち、選択された各領域において曲率が比較的一様であるように、k空間全体の各目標及びソースデータポイントを集めることに対応するtEとSEを、k空間の選択された領域の値で置き換える)ことにより、さらに改善できる。
図2乃至図4の例では、GROWLを用いるデータフィルイン動作32を、データフィルイン動作として利用している。以下の例では、データフィルイン動作32により失われたデータの一部をフィルインする一方、その他の失われたデータを異なる方法を用いてフィルインする。これは、GROWLの結果を自己キャリブレーションデータとして用いることができる。
引き続き図1を参照して、さらに図5乃至図11を参照して、動作32がGRAPPAオペレータを利用し、再構成アルゴリズム34がマルチチャンネル圧縮検知を利用する例を説明する。これらの例では、動作32においてGRAPPAオペレータを用いて、失われたデータをフィルイン(fill in)し、任意的に、圧縮検知を利用する再構成アルゴリズム34(又は、より一般的には反復再構成)の初期化を改善する。図5から分かるように、これは、高アクセラレーションファクタと画質とをバランスするように選択された3つの密度レベルを有するk空間トラジェクトリまたはデータセット60に関して好適に行える。取得されるMR−PPIデータセット60は、3つの領域を含む:アンダーサンプリングされていないk=0を含む中心k空間領域62;中心k空間領域62を取り囲む、第1アクセラレーションファクタR1でアンダーサンプリングされた中間k空間領域64;及び中間k空間領域64を取り囲む、第2のアクセラレーションファクタR2でサンダーサンプリングされた外側k空間領域66。ここでR2>R1である(すなわち、外側領域66は、中間領域64より粗いサンプリングがされ、すなわちよりアンダーサンプリングされている)。実施形態では、R1=2であり、中間領域64はチェッカーボードパターンを用いてサンプリングされ、R2>2であり、外側領域66はポアソンディスクトラジェクトリ(Poisson disk trajectory)に対応する。図5において、kx方向は紙面に垂直である。中心k空間領域62は、24×24領域であり、R=1(すなわち、アンダーサンプリング)である。中間k空間領域64は64×64領域であり、R1=2でありチェッカーボードパターンを有する。外側k空間領域66はR2=9でありポアソンディスクトラジェクトリを有する。
図6は、GRAPPAオペレータを利用した動作32の適用後の、図5のk空間トラジェクトリ又はデータセット60に対応するk空間トラジェクトリ又はデータセット60’を示す。GRAPPAオペレータを用いて、各kxラインを少なくとも5ラインに拡張する。外挿はkyとkzの方向である。カーネルサイズは各チャンネルから1ポイントまで小さくできるが、カーネルサイズはもっと大きくても良い。畳み込みカーネルのサイズが小さいので、この動作32は高速である。さらに、再構成アルゴリズム34によるこれらの実施形態で得られる失われたデータフィルインにより、すべての未取得k空間データを近似する必要はない。図6のk空間トラジェクトリ又はデータセット60’は、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセット60と、失われていたが動作32(この実施形態ではGRAPPAオペレータを利用している)によりフィルインされたデータとを含む改良データセット60’である。改良データセット60’において、中心k空間領域62は、取得時にフルサンプリングされており、GRAPPAオペレータにより修正されない。むしろ、中心k空間領域62は、GRAPPAオペレータを適用する際のセルフキャリブレーションデータとして用いられる。取得されたR1=2である中間k空間領域64は、GRAPPAオペレータを適用することにより、R1’=1である改良中間k空間領域64’に変換される。このように、改良中間k空間領域64’はアンダーサンプリングはされておらず、反復再構成アルゴリズム34のセンシティビティマップを計算するのに用いることができる。R2=9である外側k空間領域66におけるGRAPPAオペレータの適用により、失われていたデータが一部フィルインされているが、まだアンダーサンプリングでありR2’が1より大きい改良外側k空間領域66’が得られる。
図5乃至図11の実施形態では、反復再構成アルゴリズム34は、一種の圧縮検知である。ある実施形態では、ここでは「ストロング」アプローチと呼ぶが、再構成アルゴリズム34により、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセット60(図5参照)と、失われていたがGRAPPAオペレータを用いて動作32によりフィルイン(filled in)されたデータとを有する改良データセット60’(図6参照)を再構成する。GRAPPAオペレータの精度が高いと見なせる場合、このアプローチは好ましい。これらの実施形態において、GRAPPAオペレータの結果は、取得データと同様に扱われ、圧縮検知その他の再構成最小化式の忠実度項(fidelity term)で用いられる。
他の実施形態では、ここでは「ウィーク(weak)」アプローチと呼ぶが、再構成アルゴリズム34により、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセット60(図5参照)を再構成し、アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットと、失われていたがGRAPPAオペレータを用いて動作32によりフィルイン(filled in)されたデータとを有する改良データセット60’(図6参照)を用いる。このアプローチは、GRAPPAオペレータの精度があまり高くないと見なせる場合に好ましい。これらの実施形態では、GRAPPAオペレータの結果は、再構成の繰り返しの初期化の改良のみに用いられる。
GRAPPAオペレータの精度は、コイルのジオメトリと畳み込みカーネルのサイズに基づき好適に評価される。よって、GRAPPAオペレータの結果を取り扱うストロングアプローチ又はウィークアプローチの選択は、再構成実行前にできる。例えば、米国フロリダ州ゲインズビルのInvivoCorp.から入手できる8チャンネルヘッドを用いて、位相エンコーディング方向が左右又は前後であり、各チャネルデータの同じスライスからの3つ以上のソースポイントを用いる場合、ストロングアプローチが適している。他方、各コイル要素から1ソースポイントのみを用いる場合、ウィークアプローチが適している。
図5乃至図11の実施形態では、動作32で得られたGRAPPAオペレータの結果を初期値として用いて、再構成アルゴリズム34において圧縮検知又はセルフフィーディングスパースSENSEを好適に利用する。コイルが3方向すべてにおいて空間的エンコーディング能力を備えている場合、動作32において5×1カーネルを用いることができる。さらに、任意的に、GRAPPAオペレータの結果は、セルフフィーディングスパースSENSE(ストロングアプローチのみ)の忠実度項において、及び改善初期値(ストロングアプローチとウィークアプローチの両方)において使える。
図7と図8を参照して、それぞれ図5のデータセット60と60’の再構成に対応する再構成MR画像を示す。画質は、GRAPPAオペレータを使わない場合(図7、及び図5のデータセット60)と比較して、GRAPPAオペレータを使った場合(図8、及び図6のデータセット60’)には大幅に改善している。よって、GRAPPAオペレータの結果(図8)は、セルフフィーディングスパースSENSEにとって、図7より良い初期値である。
図9と図10を参照して、初期化にGRAPPAオペレータを用いる場合と用いない場合のセルフフィーディングスパースSENSEの性能の比較を示す。図9は、CPU時間(すなわち、計算スピード)の比較を示し、一方図10は精度の比較を示す。図9と図10にプロットした画像化結果において、GRAPPAオペレータの結果をウィークアプローチで、すなわち初期化の改善のみで用いた。図9は、ネット加速ファクタが5に近い場合に、収束スピードは4倍まで可能である。図10は、GRAPPAオペレータで初期化を改善した場合に精度も改善される事を示す。
図11を参照して、ここに開示したように、GRAPPAオペレータ(又は、非カーテシアンデータの場合、GROWL)を利用した動作32と、圧縮検知との組合せにより、高解像度3次元画像化においてMRデータ取得時間が大幅に短縮できる。256×227×8×115データセットの場合、フィリップスMRスキャナにおいて3D FFEシーケンスを用いることにより、取得時間は10分近くかかる。開示のアプローチを用いることにより、大きな画像劣化無しに、取得時間を2分まで短縮できる。図11はこれを例示している。図11の最上段は、8チャンネルヘッドコイルを用いて取得時間10分で取得した高解像度3次元画像を示す。中段は、(75%のデータはサンプリングされていない)25%サンプリングを含むMR−PPIデータセットを用いた開示の方法による再構成を示す。これは取得時間を2.5分に短縮できることを意味する。下段は、(80%のデータがサンプリングされていない)20%サンプリングのみのMR−PPIデータセットを用いた開示の方法による再構成を示す。これは取得時間を2分に短縮できることを意味する。図11から分かるように、これらの非常に加速したMR−PPI取得の場合であっても、画質は大きく劣化しない。
図5乃至図11の実施形態ではカーテシアンMR−PPIデータセットとGRAPPAオペレータとを用いたが、GROWL(GRAPPA operator for wider radial bands)を用いた非カーテシアンMR−PPIデータセットへの拡張は簡単である。さらに、GRAPPAオペレータの替わりに、直接畳み込みなどの方法を用いることができる。
図12乃至図17を参照して、連続する時間フレームのシーケンスにわたる動的画像化に、図5乃至図11のアプローチを適用する例を説明する。図12から分かるように、このアプローチは3つの密度レベルを有するk−tトラジェクトリ又はデータセット70を用いる。k=0を含む中心k空間領域72はアンダーサンプリングされていない(すなわち、加速ファクタR=1である)。この領域は、例えばk空間の中心の周りに5ラインを有する。中心k空間領域72を取り囲む中間k空間領域74は、第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされる。ある実施形態では、R1=3であり、領域は幅が20ラインであるが、他の値を想定できる。中間k空間領域74を取り囲む外側k空間領域76は、第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされる。ここでR2>R1である(すなわち、外側領域76はサンプリングが中間領域74より粗い、すなわちよりアンダーサンプリングされている)。ある実施形態では、外側領域76は、Tsao et al.著「Optimizing Spatiotemporal Sampling for k-t BLAST and k-t SENSE: Application to High-Resolution Real-Time Cardiac Steady-State Free Precession」(Magn. Reson. Med. vol. 53 pages 1372-82 (2005))に記載されたトラジェクトリ又はパターンを用いてサンプリングされるが、他のパターンやk空間トラジェクトリも想定できる。図12の例は、ネット加速ファクタが6.4であり、真ん中の5ライン(中心k空間領域72)のすべての時間フレームをフルサンプリングする。その次の外側21ライン(中間k空間領域74)は、低減ファクタが3として取得した。21ラインのロケーションは、3つの隣接する時間フレームの時間的長さを有する周期的なパターンである。最も外側のライン(外側k空間領域76)は低減ファクタ10である。
図12乃至図17の動的MR画像化アプローチでは、GROWLを用いてk空間ラインを正確に外挿し、よって時間的フィルタリングの加速ファクタを低減する。ここで、GROWLは時間次元で用いる。カーテシアンサンプリングの例(図13乃至図15)と、ラジアルサンプリングの例(図16)を示した。
図13乃至図15はカーテシアンサンプリングの例を示す。図13は、MR−PPIサブモジュール16(図1を参照)により取得したk−tMR−PPIデータセット80の例を示す。取得されたサンプルは黒丸で示し、失われた(すなわち取得されていない)サンプルは白丸で示す。図13は、3つの時間的周期性を有する時間的に可変な取得パターンの2つの期間(すなわち、6時間フレーム)を示す。
図14は、取得されたサンプルと、失われていたがGROWLによりフィルインされたサンプルを含む改良k−tデータセット80’を示し、GROWLにより付加したサンプルを黒丸を用いて示した。GROWL後、低減ファクタを3倍低減する。
図15は、隣接する時間フレーム間でのデータ共有により失われたサンプルがファイルインされる任意的な別のフィルイン動作後の、さらに改良したk−tデータセット80’’を示す。図15において、時間フレームにわたるデータ共有によりフィルインされたサンプルも、黒丸で示した。
図16はラジアル取得の例を示す。具体的に、図16は、取得されたk−tMR−PPIデータセットが単一ラインであり、GROWLと隣接するt=1及びt=3時間フレームからのデータ共有とにより増強されている、t=2で示した時間フレームを示す。連続する各時間フレーム間のサンプリングは、異なるラジアル方向で行われ、ラジアル取得時間フレーム間のデータ共有により大幅な加速ができる。再び、k=0を含む中心k空間領域のデータが各時間フレームでサンプリングされ、GROWLのセルフキャリブレーションのためのフルサンプリングデータを提供する。t=2時間フレームで取得された単一の(垂直な)k空間ラインが5ラインに増える(2本の垂直ラインがGROWLにより付加され、2本の直交ラインが隣接するt=1及びt=3時間フレームからの任意的時間共有により付加される)ので、加速は大幅である。任意的な時間共有が省略された場合、加速は3倍である(1ラインが取得され、2ラインがGROWLにより生成される)。
図13乃至図16のカーテシアン及びラジアルデータセットの例により説明したデータフィリングを用いる動的画像化アプローチは次のように進行する。最初に、画像支援低減を実行し、GROWLの正確性を高める。好適なアプローチとしては、対応する必要なロケーションにおける各時間フレームから(時間方向に沿った)平均k空間を減算する。 各時間フレームに対してGROWLを行う。これには、各ラインを3ラインにする拡張を含む(より一般的には、この拡張はGROWLで用いられるカーネルサイズに依存して3ラインより多くても少なくてもよい。カーネルは、上記の例のように、フルサンプリングされた中心k空間領域72を用いてセルフキャリブレーションしてもよいし、プリスキャンセンシティビティマップを用いて計算してもよい。GROWLデータフィルインは動作32により好適に実行される(図1参照)。
任意的に、隣接時間フレームとのデータ共有により、さらに別のデータフィルインを行う。(これは、カーテシアンデータ、又は図16のラジアルデータセットの例のt=1及びt=3時間フレームデータに対して図15で示したデータフィルインに対応する)。隣接時間フレームからの高周波数情報は、時間的解像度に大きな影響無く、さらに加速ファクタを低減するように、共有できる。
少なくとも一部のデータが、失われていたがGROWLにより、及び任意的に時間フレームにわたる時間共有によりフィルインされたk−tデータセットは、時間的フィルタリングを行う反復アルゴリズムにより処理され、少なくとも一部の失われたデータがフィルインされる。この反復アルゴリズムは、再構成アルゴリズム34として好適にインプリメントされる(図1参照)。k−tPCA、k−tBLAST、k−tFOCUSS、k−tSPARSE、k−tGRAPPAなどの様々な時間的フィルタリングアルゴリズムを利用できる。ある実施形態では、k−tFOCUSSを利用する。例えば、Jung et al.著「k-t FOCUSS: A general compressed sensing framework for high resolution dynamic MRI」(Magnetic Resonance in Medicine vol. 61 pp. 103-116 (2009))を参照されたい。これの後に、平均k空間を各時間フレームに足し戻すことによりインプリメントされる画像支援補正を行う。カーネルサイズ5×1又は7×1などの小さいカーネルを用いるk空間における畳み込みも任意的に行う。時間的フィルタリングを用いて補間されたデータのみにより、任意的畳み込みの結果が用いられる。
図17を参照して、リアルタイム画像及び/又は任意のトラジェクトリを有する動的画像化を取得するために、開示のk−tMR−PPI画像化を適用する。例示した例は、データセットのサイズが160×256×24(チャンネル)×24(時間フレーム)の心臓シネ画像化である。図17は、ネット低減ファクタが5の場合に、心臓の関心領域におけるRMSE(root mean square error)により測定される精度の比較を示す。
本願では、一又は複数の好ましい実施形態を説明した。前述の詳細な説明を読んで理解すれば、修正と変更に想到することができる。本願は、添付した請求項とその均等の範囲内に入るこのような修正及び変更はすべて含むものと解釈しなければならない。

Claims (14)

  1. 複数のラジオ周波数受信コイルを用いてアンダーサンプリングされたMR−PPI(magnetic resonance partially parallel imaging)データセットを取得するステップ;及び
    前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットを再構成して、再構成磁気共鳴(MR)画像を生成する、再構成するステップを有し、前記再構成するステップは:
    (i)GRAPPA(generalized auto-calibrating partially parallel acquisition)又は直接畳み込みを用いて、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットの少なくとも一部の失われたデータをフィルインし、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットと失われていたがフィルインされたデータとを含む改良データセットを生成する動作と、
    (ii)GRAPPA以外のかつ直接畳み込み以外の再構成アルゴリズムを用いて、前記改良データセットを再構成し、又は反復再構成アルゴリズムの初期データセットとして前記改良データセットを用いて前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットを再構成する動作とを有し、
    前記取得するステップは、アンダーサンプリングされていないk=0を含む中心k空間領域と、第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされた、前記中心k空間領域を取り囲む中間k空間領域と、第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされた、前記中間k空間領域を取り囲む外側k空間領域とを取得するステップを含み、
    前記中間k空間領域のアンダーサンプリングは、隣接する時間フレームの中間k空間領域の異なるサンプリングを用いるステップを含む、
    方法。
  2. 前記取得するステップは、アンダーサンプリングされていないk=0を含む中心k空間領域と、第1の加速ファクタR1でアンダーサンプリングされた、前記中心k空間領域を取り囲む中間k空間領域と、第2の加速ファクタR2でアンダーサンプリングされた、前記中間k空間領域を取り囲む外側k空間領域とを含むアンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットを取得する、R2>R1であるステップを有する、
    請求項1に記載の方法。
  3. R1=2であり、前記中間k空間領域はチェッカーボードアンダーサンプリングパターンを有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記動作(i)は、GRAPPAオペレータ又は直接畳み込みを用い、アンダーサンプリングされていない前記中心k空間をセルフキャリブレーションデータとして利用する請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記動作(ii)は、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットと、失われていたが前記動作(i)によりフィルインされたデータとを含む改良データセットを再構成する反復再構成を含む、
    請求項4に記載の方法。
  6. 前記動作(ii)は、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットを再構成し、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットと、失われていたが前記動作(i)によりフィルインされたデータとを含む改良データセットを反復再構成の初期化に用いる前記反復再構成を含む、
    請求項4に記載の方法。
  7. 前記動作(ii)は圧縮センシングを用いて、
    前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットと、
    前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセット及び失われていたが前記動作(i)によりフィルインされたデータを含む改良データセットと
    のうち1つを含むデータセットを再構成する、
    請求項2乃至5いずれか一項に記載の方法。
  8. 前記動作(i)は、GRAPPAオペレータ又は直接畳み込みを用いて前記アンダーサンプリングされた中間k空間領域の失われたデータをフィルインし、アンダーサンプリングされていない中心k空間領域をセルフキャリブレーションデータとして利用する、
    請求項に記載の方法。
  9. 前記動作(i)は、少なくとも、失われたデータを前記動作(i)によりフィルインした中間k空間領域をセルフキャリブレーションデータとして用いる、
    請求項に記載の方法。
  10. 前記動作(ii)は、k−tFOCUSSを利用して、前記アンダーサンプリングされたMR−PPIデータセットの失われたデータの全部でなく一部をフィルインする、
    請求項1乃至9いずれか一項に記載の方法。
  11. 前記取得するステップはアンダーサンプリングされた非カーテシアンMR−PPIデータセットを取得するステップを有し、
    前記動作(i)は、GROWL(GRAPPA operator for wider radial bands)を用いて前記アンダーサンプリングされた非カーテシアンMR−PPIデータセットの失われたデータの全部ではなく一部をフィルインするステップを有する、
    請求項1乃至10いずれか一項に記載の方法。
  12. 磁気共鳴(MR)スキャナ;
    複数のラジオ周波数受信コイル;及び
    前記MRスキャナ及び前記ラジオ周波数受信コイルと協働して、請求項1乃至10いずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたデータ処理装置とを有する、
    装置。
  13. 磁気共鳴(MR)画像化システムにより実行可能な、請求項1乃至11いずれか一項に記載の方法を実行させる命令を記憶した記憶媒体。
  14. 磁気共鳴(MR)画像化システムのプロセッサに、請求項1乃至11いずれか一項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。
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