JP5923967B2 - 高炉操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉羽口から微粉炭を吹込んで、燃焼温度を上昇させることにより生産性の向上及び排出CO2の低減を図る高炉の操業方法に関するものである。
近年、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においても排出CO2の抑制は重要な課題である。高炉は、主にコークス及び羽口から吹込む微粉炭を還元材として使用しており、事前処理により生じる炭酸ガス排出量の差から、できるだけコークスよりも微粉炭を使用することが排出CO2の抑制につながる。例えば、下記特許文献1では、微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上、揮発分が25mass%以下の微粉炭を用い、羽口から燃料を吹込むためのランスに微粉炭と酸素を供給し、ランス中の酸素濃度を70vol%以上とすることで、燃焼効率を向上することができるとしている。また、この特許文献1では、ランスが単管である場合には、酸素と微粉炭の混合物をランスから吹込みランスが二重管である場合には、二重管ランスの内側管から微粉炭を吹込み、二重管ランスの外側管から酸素を吹込むことも提案されている。なお、微粉炭比とは、銑鉄1tあたりに使用される微粉炭の質量である。
また、下記特許文献2では、二重管ランスの外側管に凹凸を設けて微粉炭を分散させ、微粉炭と酸素の反応を促進するようにしている。
また、下記特許文献3では、二重管の内側管から微粉炭を吹込み、二重管ランスの外側管から酸素を吹込む場合に、二重管ランスの内側管を外側管より短くして、つまり内側管の微粉炭吹出し先端部を外側管の酸素吹出し先端部より吹出し方向手前側として微粉炭と酸素の接触性を向上している。
特許第4074467号公報 韓国特許公開公報2002−00047359 特開平6−100912号公報
羽口には大量の空気が送風されているものの、ランスは高温に晒される恐れがあり、前記特許文献1に記載されるように、単管ランスに高濃度の酸素と微粉炭の混合物を供給するのは安全面から現実的でない。また、更なる排出CO2の低減が要求されていることから、例えば微粉炭比を170kg/t−銑鉄以上とすることが望まれているが、微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比では、前記特許文献1に記載されるように、単に二重管ランスの内側管から微粉炭を吹込み、外側管から酸素を吹込んでも、燃焼温度が飽和してしまって燃焼効率が高くならない。
また、二重管ランスの外側管に流れるガスは当該外側管の冷却の役目も担っているため、前記特許文献2に記載されるように、外側管に設けられた凹凸のようにガスの流れを妨げるものが存在する場合、流れが弱い部分に熱負荷がかかり、割れや溶損などの損耗が生じる可能性がある。このような損耗が発生した場合、逆火やランスの詰まりなどを誘発する恐れがある。また、微粉炭量が増加すると、内側管から噴出する微粉炭により凸部の摩耗発生を避けられない問題がある。
また、前記特許文献3に記載されるように、二重管ランスの内側管の先端部を単に外側管より短くしただけでは、微粉炭と酸素の接触性は向上しても、酸素の流れによって微粉炭の分散が抑制され、十分な燃焼性向上効果が得られない。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、燃焼温度を向上することができ、その結果、排出CO2の低減を可能とする高炉操業方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に係る発明は、揮発分が25mass%以下の微粉炭を準備し、羽口から微粉炭と支燃性ガスを吹込むための、内側管と外側管とを有する二重管ランスを準備し、前記羽口から熱風を吹込み、前記二重管ランスの内側管の吹込み先端部に、軸方向に凹んだ切欠きを周方向に複数設け、当該内側管から150kg/t−銑鉄以上の微粉炭比で前記微粉炭を搬送ガスと共に吹込み、前記二重管ランスの外側管から支燃性ガスを吹込み、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上である、高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項2に係る発明は、前記切欠きは、前記二重管ランスの内側管の先端部周方向に等間隔に設けられている請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項3に係る発明は、前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0を超え、0.5以下とする請求項2に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項4に係る発明は、前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0.05以上、0.3以下とする請求項3に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項5に係る発明は、前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0.1以上、0.2以下とする請求項4に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項6に係る発明は、前記切欠きの深さは、0mmを超え、12mm以下とする請求項2に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項7に係る発明は、前記切欠きの深さは、2mm以上、10mm以下とする請求項6に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項8に係る発明は、前記切欠きの深さは、3mm以上、7mm以下とする請求項7に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項9に係る発明は、前記二重管ランスの内側管の内周長を1つの切欠きの幅で除したときの整数部を最大切欠き数とした場合、前記切欠きの数は、最大切欠き数に対する切欠き数の比で0を超え、0.8以下とする請求項2に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項10に係る発明は、前記切欠きの数は、前記最大切欠き数に対する切欠き数の比で0.1以上、0.6以下とする請求項9に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項11に係る発明は、前記切欠きの数は、前記最大切欠き数に対する切欠き数の比で0.2以上、0.5以下とする請求項10に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項12に係る発明は、前記支燃性ガスは酸素であり、送風に富化する酸素の一部を前記二重管ランスの外側管から吹込む請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項13に係る発明は、前記微粉炭が、3mass%以上25mass%以下の揮発分を有する請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項14に係る発明は、前記二重管ランスの外側管から吹込まれる支燃性ガスが、20〜120m/secの出口流速を有する請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項15に係る発明は、前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上である請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項16に係る発明は、前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上であり、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上70vol%未満である、請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項17に係る発明は、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が40vol%以上65vol%以下である請求項16に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項18に係る発明は、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が45vol%以上60vol%以下である請求項17に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項19に係る発明は、前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項15に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項20に係る発明は、前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項16に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項21に係る発明は、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上70vol%未満である請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項22に係る発明は、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が40vol%以上65vol%以下である請求項21に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項23に係る発明は、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が45vol%以上60vol%以下である請求項22に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項24に係る発明は、前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項25に係る発明は、前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満である請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項26に係る発明は、前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満であり、前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol以上70vol%未満である、請求項1に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項27に係る発明は、前記微粉炭に、廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材、CDQ集塵コークスからなるグループのうち、少なくとも1つを加える請求項1乃至26の何れか一項に記載の高炉操業方法である。
また、本発明のうち請求項28に係る発明は、前記微粉炭の割合を80mass%以上として、前記廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材、CDQ集塵コークスを使用する請求項27に記載の高炉操業方法である。
而して、本発明の高炉操業方法によれば、羽口から燃料を吹込むためのランスを二重管とし、二重管ランスの内側管から微粉炭を搬送ガスと共に吹込むと共に、二重管ランスの外側管から支燃性ガスを吹込み、二重管ランスの内側管の吹込み先端部に切欠きを設け、二重管ランス中の搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度を35vol%以上とすることにより、微粉炭の揮発分が25mass%以下で且つ微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業であっても燃焼温度を高めることができ、その結果、排出CO2を低減することができる。また、微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上である場合には、二重管ランス中の搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度を70vol%未満とすることにより、酸素などの支燃性ガスの原単位を抑制することができる。
また、切欠きを二重管ランスの内側管の先端部周方向に等間隔に複数設けることにより、微粉炭及び支燃性ガスの拡散を促進し、燃焼効率をより一層向上することができる。
また、送風に富化する酸素の一部を支燃性ガスとして二重管ランスの外側管から吹込むことにより、高炉内のガスバランスを損なうことがなく、酸素の過剰供給を回避することができる。
本発明の高炉操業方法が適用された高炉の一実施形態を示す縦断面図である。 図1のランスから微粉炭だけを吹込んだときの燃焼状態の説明図である。 図2の微粉炭の燃焼メカニズムの説明図である。 微粉炭と酸素を吹込んだときの燃焼メカニズムの説明図である。 燃焼実験装置の説明図である。 微粉炭流の濃化の説明図である。 図1のランスの吹込み先端部の詳細図である。 図7のランス及びストレート管からなるランスの微粉炭流の説明図である。 微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満であるときのランス供給ガス中の酸素濃度と燃焼率の関係を示すグラフである。 微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上であるときのランス供給ガス中の酸素濃度と燃焼率の関係を示すグラフである。 内側管の径方向から見たときの切欠きの形状の説明図である。 切欠きの先端中心と下端中心のなす角度θの説明図である。 酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅の実験の説明図である。 切欠きの幅を変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅の説明図である。 切欠きの深さを変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅の説明図である。 切欠きの数を変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅の説明図である。 切欠きの形状が四角形である場合と三角形である場合で、それらの切欠きの幅を変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅の説明図である。 ランスの出口流速とランス表面温度の関係を示す説明図である。
次に、本発明の高炉操業方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の高炉操業方法が適用された高炉の全体図である。図に示すように、高炉1の羽口3には、熱風を送風するための送風管2が接続され、この送風管2を貫通してランス4が設置されている。羽口3の熱風送風方向先方のコークス堆積層には、レースウエイ5と呼ばれる燃焼空間が存在し、主として、この燃焼空間で還元材の燃焼、ガス化が行われる。
図2には、ランス4から固体還元材として微粉炭6だけを吹込んだときの燃焼状態を示す。ランス4から羽口3を通過し、レースウエイ5内に吹込まれた微粉炭6は、コークス7と共に、その揮発分と固定炭素が燃焼し、揮発分が放出されて残った、一般にチャーと呼ばれる炭素と灰分の集合体は、レースウエイから未燃チャー8として排出される。羽口3の熱風送風方向先方における熱風速度は約200m/secであり、ランス4の先端からレースウエイ5内における酸素の存在領域は約0.3〜0.5mとされているので、実質的に1/1000秒のレベルで微粉炭粒子の昇温及び酸素との接触効率(分散性)の改善が必要となる。
図3は、ランス4から送風管2内に微粉炭(図ではPC:Pulverized Coal)6のみを吹込んだ場合の燃焼メカニズムを示す。羽口3からレースウエイ5内に吹込まれた微粉炭6は、レースウエイ5内の火炎からの輻射伝熱によって粒子が加熱し、更に輻射伝熱、伝導伝熱によって粒子が急激に温度上昇し、300℃以上昇温した時点から熱分解が開始し、揮発分に着火して火炎が形成され、燃焼温度は1400〜1700℃に達する。揮発分が放出してしまうと、前述したチャー8となる。チャー8は、主に固定炭素であるので、燃焼反応と共に、ソリューションロス反応、水素ガスシフト反応といった炭素溶解反応と呼ばれる反応も生じる。
図4は、ランス4から送風管2内に微粉炭6と共に支燃性ガスとして酸素9を吹込んだ場合の燃焼メカニズムを示す。微粉炭6と酸素9の吹込み方法は、単純に平行に吹込んだ場合を示している。なお、図中の二点鎖線は、図3に示した微粉炭のみを吹込んだ場合の燃焼温度を参考に示している。このように微粉炭と酸素を同時に吹込む場合、ランス近傍で微粉炭と酸素との混合が促進され、より早期から微粉炭の燃焼が開始するものと考えられ、これによりランスに近い位置で燃焼温度が更に上昇する。
このような知見に基づき、図5に示す燃焼実験装置を用いて燃焼実験を行った。高炉内部を模擬して実験炉11内にはコークスが充填されており、覗き窓からレースウエイ15の内部を観察することができる。送風管12にはランス14が差し込まれ、熱風炉から高炉へ送風する熱風として燃焼バーナ13で生じた熱風を実験炉11内に所定の送風量で送風することができるようになっている。また、この送風管12では、送風の酸素富化量を調整することも可能である。ランス14は、微粉炭及び酸素の何れか一方又は双方を送風管12内に吹込むことができる。実験炉11内で生じた排ガスは、サイクロンと呼ばれる分離装置16で排ガスとダストに分離され、排ガスは助燃炉などの排ガス処理設備に送給され、ダストは捕集箱17に捕集される。
微粉炭の諸元は、固定炭素(FC:Fixed Carbon)71.4%、揮発分(VM:Volatile Matter)19.5%、灰分(Ash)9.1%である。送風条件は、送風温度1200℃、流量300Nm/h、羽口先風速130m/s、酸素富化6%(酸素濃度27.0%、空気中酸素濃度21%に対し、6.0%の富化)とした。微粉炭吹込み条件として、ランス14には二重管ランスを用い、二重管ランスの内側管から微粉炭を吹込み、二重管ランスの外側管から支燃性ガスとして酸素を吹込んだ。微粉炭は搬送ガスと共に吹込まれ、微粉炭の搬送ガスには窒素を用いた。なお、微粉炭と、微粉炭を搬送する搬送ガスの固気比は、少ないガス量で粉体、つまり微粉炭を輸送する方式(高濃度搬送)では固気比10〜25kg/Nm3、多量のガスで輸送する方式(低濃度搬送)では固気比5〜10kg/Nm3である。搬送ガスには窒素の他、空気を用いることもできる。そして、微粉炭比を100kg/t−銑鉄〜180kg/t−銑鉄の間で種々に変更して、特に微粉炭流の変化について実験した。なお、支燃性ガスとして酸素を吹込む場合には、送風に富化する酸素の一部を用い、炉内に吹込まれる酸素の総量が変化しないようにした。また、支燃性ガスとしては酸素富化空気を用いることもできる。
この実験を通じて、本発明者等は更に以下の知見を得た。即ち、二重管ランスの内側管から微粉炭を吹込み、外側管から支燃性ガス、即ち酸素を吹き込む場合、微粉炭の揮発分が25mass%以下であっても、微粉炭比が150kg/t−銑鉄未満の低い微粉炭比操業であれば、酸素濃度を高めることで燃焼温度が高くなる。しかしながら、微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業では、酸素濃度を高めても燃焼温度が高くならない。微粉炭比150kg/t−銑鉄以上の領域では、酸素濃度35vol%程度で燃焼温度が飽和してしまう。これは、後述するように、二重管ランスの内側管から吹込まれる微粉炭が吹込み流の中央部分に集中(濃化ともいう)し、二重管ランスの外側管から吹込まれる酸素と接触しにくくなる、或いは接触しなくなるためである。そこで、本発明では、二重管ランスの内側管から微粉炭を吹込み、外側管から支燃性ガス、例えば酸素を吹込む点は同じであるが、特に内側管の吹込み先端部に切欠きを設け、微粉炭及び支燃性ガスの拡散を促進し、両者を接触し易くして燃焼温度の向上を図る。しかし、一方で、二重管ランスの内側管吹込み先端部に切欠きを設けても、微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上の場合には、ランス全体の酸素濃度が70vol%以上になると、やはり燃焼温度は飽和してしまって高くならない。つまり、それ以上、酸素濃度を高めても、酸素原単位が増すだけで燃焼効率は高くはならない。なお、二重管ランスの内側管に切欠きを設ける場合には、邪魔板などの突起物を突設する場合と異なり、突起物に微粉炭が衝突して突起物が損耗するなどのトラブルがない。
図6aには、微粉炭比が150kg/t−銑鉄未満の低微粉炭比操業状態における微粉炭流を示す。実験では、ランスの形状が一定径のストレート管であるため、微粉炭の分散幅はほぼ一定である。このように微粉炭比が低い場合には、分散幅内で微粉炭流はほぼ均一な濃度となる。しかしながら、微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業状態では、図6bに示すように、分散幅内の中央部が濃化し、特に微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業状態では、微粉炭流の中央部が著しく濃化する。酸素は、二重管ランスの外側管から吹込まれるので、微粉炭流の中央部に濃化した微粉炭は酸素と接触せず、未燃焼のまま炉内に持ち込まれ、高炉内の通気を悪化させる。酸素との接触を促進するために酸素の吹込み量を増加しても、図6cに示すように、酸素の吹込み量が一定量以上になると、周囲の酸素流の中央部に一段と微粉炭流が濃化するだけで、酸素との接触は実質的に促進せず、後述するように燃焼温度は飽和する。
図7は、本実施形態の二重管ランス4の吹込み先端部の詳細を示すものであり、図7aは縦断面図、図7bは図7aのA−A断面図である。そこで、本実施形態では、図7に示すように、二重管ランス4の内側管21の吹込み先端部に切欠き23を設け、この切欠き23を通じて微粉炭6と支燃性ガスである酸素9とが互いに拡散し、これにより両者が効率的に接触する状態を作り出し、もって燃焼温度を向上する。切欠き23は、例えば内側管21の内径がφ16mm程度である場合に、5mm×5mm程度の方形断面とし、これを内側管21の周方向に90度毎の等間隔に4つ設けた。外側管22はストレート管のままとした。なお、切欠き23の形状は前記に限定されるものではなく、後述するように、例えば三角形状、U字形状などであってもよく、また、切欠き23の個数も前記に限定されるものではない。
このように二重管ランス4の内側管21の吹込み先端部に切欠き23を設けると、図8aに示すように、この切欠き23を通じて微粉炭6と支燃性ガスである酸素9とが互いに拡散して接触し、燃焼温度を高めることができる。これに対し、内側管21の吹込み先端部に切欠きがない、従来の二重管ランス4では、図8bに示すように、微粉炭6が支燃性ガスである酸素9の中央部にのみ濃化してしまい、酸素9との接触量が低下して燃焼温度が飽和する。なお、前述したように、二重管ランス4の内側管21に切欠き23を設ける場合には、邪魔板などの突起物を突設する場合と異なり、突起物に微粉炭が衝突して突起物が損耗するなどのトラブルがない。
図9には、微粉炭比150kg/t−銑鉄、微粉炭の揮発分25mass%以下、送風条件一定、酸素富化率一定で、内側管21の吹込み先端部に切欠き23を設けた二重管ランス4を用いた場合と、内側管21の吹込み先端部に切欠きのない二重管ランス4を用いた場合の燃焼温度を燃焼率で表した。何れも、二重管ランス4の内側管から微粉炭を吹込み、外側管から支燃性ガスとして酸素を吹込んだ。同図から明らかなように、内側管21に切欠きのない二重管ランス4を用いた場合には、ランス中の微粉炭を搬送する搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上で燃焼温度が飽和してしまう。つまり、内側管21に切欠きのない二重管ランス4の場合には、酸素濃度を35vol%以上にしても燃焼温度は高くならない。これに対し、内側管21に切欠き23を設けた二重管ランス4を用いる場合には、搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上でも燃焼温度が高くなる。これは、微粉炭比150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満の領域では、二重管ランス4から吹込まれる微粉炭流が濃化していないことを意味する。
しかし、一方、内側管21に切欠き23を設けた二重管ランス4を用いた場合でも、微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上である場合には、図10に示すように、ランス中の搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が70vol%以上となると、燃焼温度が飽和してしまい、それ以上、酸素濃度を高めても燃焼温度は高くならない。つまり、微粉炭比170kg/t−銑鉄以上の領域では、ランス中の搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が70vol%以上で酸素原単位が増加するだけで、燃焼効率はよくならない。従って、内側管21に切欠き23を設けた二重管ランス4を用いる場合でも、微粉炭比を150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満とするか、又は微粉炭比が170kg/t−銑鉄である場合には搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度を35vol%以上70vol%未満、好ましくは40vol%以上65vol%以下、より好ましくは45vol%以上60vol%以下とする。なお、微粉炭比の上限は300kg/t−銑鉄以下、好ましくは250kg/t−銑鉄以下とする。
また、内側管21の径方向から見たときの切欠き23の形状は、図11aに示すような四角形、図11bに示すような三角形、図11cに示すようなU字形などとし、切欠きの大きさは、単純に切欠き21の開口の幅と、切欠き21の開口から底までの深さで表す。また、切欠き23の先端中心と下端中心のなす角度θ、具体的には切欠き23の開口の中心と底の中心を結ぶ線分が当該開口を結ぶ弦となす角度θは、図12に示すように、30〜90°とするのが好ましい。この切欠きの形状、特に大きさを種々に変更したときの酸素と微粉炭の接触面積や微粉炭の分散幅について実験した。実験は、図13に示すように、二重管ランスの内側管及び外側管、つまり微粉炭流路及び酸素流路から夫々煙を流し、微粉炭流路から出た煙と酸素流路から出た煙の重なる領域の面積を酸素と微粉炭の接触面積として画像解析によって算出すると共に、微粉炭流路から出た煙の広がり角度から微粉炭の分散幅を求めた。実験は、内側管の径方向から見たときの切欠きの形状が四角形のものについて主として行った。
まず、切欠きの幅を種々に変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅を図14に示す。切欠きの幅は、内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で表し、酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅は、切欠きのない内側管を用いたときの比率で表した。図から明らかなように、切欠きの幅を大きくすると、酸素と微粉炭の接触面積も微粉炭の分散幅も大きくなるが、微粉炭の分散幅はあるところから減少傾向となる。これは、切欠きの幅を大きくすると、酸素と微粉炭の混合性はよくなるものの、切欠きの幅が大きすぎると、酸素が二重管ランスの径方向内側に流れ込んで微粉炭の分散が抑えられるためであると考えられる。そのため、切欠きの幅は、内側管外周に対する全ての切欠きの幅の計の比で0を超え、0.5以下とするのが好ましく、より好ましくは0.05以上、0.3以下とし、更に好ましくは0.1以上、0.2以下とする。
また、切欠きの深さを種々に変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅を図15に示す。切欠きの深さは深さそのものの寸法で表し、酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅は、切欠きのない内側管を用いたときの比率で表した。図から明らかなように、切欠きの深さを大きくすると、酸素と微粉炭の接触面積も微粉炭の分散幅も大きくなるが、微粉炭の分散幅はあるところから減少傾向となる。これは、切欠きの深さを大きくすると、酸素と微粉炭の混合性はよくなるものの、切欠きの深さが大きすぎると、ランス先端での流れが安定化するため、微粉炭の分散が抑えられるためであると考えられる。そのため、切欠きの深さは、寸法で0を超え、12mm以下とするのが好ましく、より好ましくは2mm以上、10mm以下とし、更に好ましくは3mm以上、7mm以下とする。
また、切欠きの数を種々に変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅を図16に示す。切欠きの数は最大切欠き数に対する切欠き数の比で表し、酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅は、切欠きのない内側管を用いたときの比率で表した。なお、最大切欠き数とは、内側管の内周長を切欠きの幅で除したときの整数部であり、具体的には内側管に所定幅の切欠きを最大で幾つ形成できるかを表すものである。図から明らかなように、切欠きの数を多くすると、酸素と微粉炭の接触面積も微粉炭の分散幅も大きくなるが、微粉炭の分散幅はあるところから減少傾向となる。これは、切欠きの数を多くすると、酸素と微粉炭の混合性や微粉炭の分散性はよくなるものの、切欠きの数が多すぎると、内側管に流れる酸素の比率が大きくなり、微粉炭の分散が抑えられるためであると考えられる。そのため、切欠きの数は、最大切欠き数に対する切欠き数の比で0を超え、0.8以下とするのが好ましく、より好ましくは0.1以上、0.6以下とし、更に好ましくは0.2以上、0.5以下とする。
また、切欠きの形状が四角形である場合と三角形である場合で、それらの切欠きの幅を種々に変更したときの酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅を図17に示す。図17は、前述した図14に、三角形の切欠きの実験結果を上書きしたものである。切欠きの幅は、内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で表し、酸素と微粉炭の接触面積及び微粉炭の分散幅は、切欠きのない内側管を用いたときの比率で表した。図から明らかなように、切欠きの形状が四角形である場合も三角形である場合も、切欠きの幅を大きくすると、酸素と微粉炭の接触面積も微粉炭の分散幅も大きくなるが、微粉炭の分散幅はあるところから減少傾向となる。この理由は、切欠きの形状が三角形である場合も、前記図14の説明と同様に、切欠きの幅を大きくすると、酸素と微粉炭の混合性はよくなるものの、切欠きの幅が大きすぎると、酸素が二重管ランスの径方向内側に流れ込んで微粉炭の分散が抑えられるためであると考えられる。そのため、切欠きの幅は、切欠きの形状そのものにかかわらず、内側管外周に対する全ての切欠きの幅の計の比で0を超え、0.5以下とするのが好ましく、より好ましくは0.05以上、0.3以下とし、更に好ましくは0.1以上、0.2以下とする。
ところで、前述のような燃焼温度の上昇に伴って、二重管ランスの外側管は高温に晒され易くなる。ランスは、例えばステンレス鋼鋼管で構成される。ランスの外側には所謂ウォータージャケットと呼ばれる水冷が施されている例もあるが、ランス先端までは覆うことができない。特に、この水冷の及ばない二重管ランスの外側管の先端部が熱で変形し易いことが分かった。ランスが変形する、つまり曲がると所望部位にガスや微粉炭を吹込むことができないし、消耗品であるランスの交換作業に支障がある。また、微粉炭の流れが変化して羽口に当たることも考えられ、そのような場合には羽口が損傷する恐れがある。また、二重管ランスの外側管が曲がると、内側管との隙間が閉塞され、外側管からガスが流れなくなると、二重管ランスの外側管が溶損し、場合によっては送風管が破損する可能性もある。ランスが変形したり損耗したりすると、前述のような燃焼温度を確保することができなくなり、ひいては還元材原単位を低減することもできない。
水冷できない二重管ランスの外側管を冷却するためには、内部に流れるガスで冷却するしかない。内部に流れるガスに放熱して例えば二重管ランスの外側管自体を冷却する場合、ガスの流速がランス温度に影響を与えると考えられる。そこで、本発明者等は、二重管ランスの外側管から吹込まれるガスの流速を種々に変更してランス表面の温度を測定した。実験は、二重管ランスの外側管から酸素を吹込み、内側管から微粉炭を吹込んで行い、ガスの流速調整は、外側管から吹込まれる酸素の供給量を加減した。なお、酸素は、酸素富化空気でもよく、2%以上、好ましくは10%以上の酸素富化空気を使用する。酸素富化空気を使用することによって、冷却の他、微粉炭の燃焼性の向上を図る。測定結果を図18に示す。
二重管ランスの外側管には、20Aスケジュール5Sと呼ばれる鋼管を用いた。また、二重管ランスの内側管には、15Aスケジュール90と呼ばれる鋼管を用い、外側管から吹込まれる酸素と窒素の合計流速を種々に変更してランス表面の温度を測定した。ちなみに、「15A」、「20A」はJIS G 3459に規定する鋼管外径の称呼寸法であり、15Aは外径21.7mm、20Aは外径27.2mmである。また、「スケジュール」はJIS G 3459に規定する鋼管の肉厚の称呼寸法であり、20Aスケジュール5Sは1.65mm、15Aスケジュール90は3.70mmである。なお、ステンレス鋼鋼管の他、普通鋼も利用できる。その場合の鋼管の外径はJIS G 3452に規定され、肉厚はJIS G 3454に規定される。
同図に二点鎖線で示すように、二重管ランスの外側管から吹込まれるガスの流速の増加に伴ってランス表面の温度が反比例的に低下している。鋼管を二重管ランスに使用する場合、二重管ランスの表面温度が880℃を上回るとクリープ変形が起こり、二重管ランスが曲がってしまう。従って、二重管ランスの外側管に20Aスケジュール5Sの鋼管を用い、二重管ランスの表面温度が880℃以下である場合の二重管ランスの外側管の出口流速は20m/sec以上となる。そして、二重管ランスの外側管の出口流速が20m/sec以上である場合には二重管ランスに変形や曲がりは生じない。一方、二重管ランスの外側管の出口流速が120m/secを超えたりすると、設備の運用コストの点で実用的でないので、二重管ランスの外側管の出口流速の上限を120m/secとした。ちなみに、単管ランスは二重管ランスに比べて熱負荷が少ないため、必要に応じ、出口流速を20m/sec以上とすればよい。
前記実施形態では、微粉炭の平均粒子径は10〜100μmで使用されるが、燃焼性を確保し、ランスからの送給並びにランスまでの供給性を考慮したとき、好ましくは20〜50μmとするとよい。微粉炭の平均粒子径が20μm未満では、燃焼性は優れるが、微粉炭輸送時(気体輸送)にランスが詰まり易く、50μmを超えると微粉炭燃焼性が悪化する恐れがある。
また、二重管ランスの内側管から吹込む微粉炭として使用できるのは、25mass%以下の揮発分を有する石炭の他、無煙炭も固体還元材として使用してよい。無煙炭は3〜5mass%の揮発分を有する。従って、本発明では、使用する微粉炭は、無煙炭を含む、3mass%以上25mass%以下の揮発分を有する微粉炭と表現する。
また、吹込む固体還元材には、微粉炭を主として、その中に廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材、CDQ集塵コークスを使用してもよい。CDQ集塵コークスは、乾式消火装置(CDQ)で集塵されたコークス粉である。使用の際は、微粉炭の全固体還元材に対する比は80mass%以上とするのが好ましい。即ち、微粉炭と、廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材、CDQ集塵コークスなどでは反応による熱量が異なるため、互いの使用比率が近くなると燃焼に偏りが生じ易くなり、操業の不安定となり易い。また、微粉炭と比して、廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材等は燃焼反応による発熱量が低位であるため、多量に吹込むと炉頂より装入される固体還元材に対する代替効率が低下するため、またCDQ集塵コークスは発熱量は高いが、揮発分がないため着火しにくく、代替効率が低下するため、微粉炭の割合を80mass%以上とするのが好ましいのである。
なお、廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材は、6mm以下、好ましくは3mm以下の細粒として微粉炭と使用できる。また、CDQ集塵コークスはそのまま使用可能である。微粉炭との割合は、搬送ガスにより気送される微粉炭と合流させることで混合可能である。予め微粉炭と混合して使用しても構わない。
このように、本実施形態の高炉操業方法では、羽口3から燃料を吹込むためのランス4を二重管とし、二重管ランス4の内側管21から微粉炭を吹込むと共に、二重管ランス4の外側管22から酸素(支燃性ガス)を吹込み、二重管ランス4の内側管21の吹込み先端部に切欠き23を設け、微粉炭を搬送する搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度を35vol%以上とすることにより、微粉炭の揮発分が25mass%以下で且つ微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業であっても燃焼温度を高めることができ、その結果、排出CO2を低減することができる。また、微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上の場合には、微粉炭を搬送する搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度を70vol%未満とすることにより、酸素原単位を抑制することができる。
また、切欠き23を二重管ランス4の内側管21の先端部周方向に等間隔に複数設けることにより、微粉炭及び支燃性ガスの拡散を促進し、燃焼効率をより一層向上することができる。
また、送風に富化する酸素の一部を(支燃性ガスとして)二重管ランス4の外側管22から吹込むことにより、高炉内のガスバランスを損なうことがなく、酸素の過剰供給を回避することができると共に、使用する酸素の原単位を低減することができる。
1は高炉
2は送風管
3は羽口
4はランス
5はレースウエイ
6は微粉炭
7はコークス
8はチャー
9は酸素
21は内側管
22は外側管
23は切欠き

Claims (28)

  1. 揮発分が25mass%以下の微粉炭を準備し、
    羽口から微粉炭と支燃性ガスを吹込むための、内側管と外側管とを有する二重管ランスを準備し、
    前記羽口から熱風を吹込み、
    前記二重管ランスの内側管の吹込み先端部に、軸方向に凹んだ切欠きを周方向に複数設け、
    当該内側管から150kg/t−銑鉄以上の微粉炭比で前記微粉炭を搬送ガスと共に吹込み、
    前記二重管ランスの外側管から支燃性ガスを吹込み、
    前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上である、
    高炉操業方法。
  2. 前記切欠きは、前記二重管ランスの内側管の先端部周方向に等間隔に設けられている請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0を超え、0.5以下とする請求項2に記載の高炉操業方法。
  4. 前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0.05以上、0.3以下とする請求項3に記載の高炉操業方法。
  5. 前記切欠きの幅は、前記二重管ランスの内側管の内周の長さに対する全ての切欠きの幅の計の比で0.1以上、0.2以下とする請求項4に記載の高炉操業方法。
  6. 前記切欠きの深さは、0mmを超え、12mm以下とする請求項2に記載の高炉操業方法。
  7. 前記切欠きの深さは、2mm以上、10mm以下とする請求項6に記載の高炉操業方法。
  8. 前記切欠きの深さは、3mm以上、7mm以下とする請求項7に記載の高炉操業方法。
  9. 前記二重管ランスの内側管の内周長を1つの切欠きの幅で除したときの整数部を最大切欠き数とした場合、前記切欠きの数は、最大切欠き数に対する切欠き数の比で0を超え、0.8以下とする請求項2に記載の高炉操業方法。
  10. 前記切欠きの数は、前記最大切欠き数に対する切欠き数の比で0.1以上、0.6以下とする請求項9に記載の高炉操業方法。
  11. 前記切欠きの数は、前記最大切欠き数に対する切欠き数の比で0.2以上、0.5以下とする請求項10に記載の高炉操業方法。
  12. 前記支燃性ガスは酸素であり、送風に富化する酸素の一部を前記二重管ランスの外側管から吹込む請求項1に記載の高炉操業方法。
  13. 前記微粉炭が、3mass%以上25mass%以下の揮発分を有する請求項1に記載の高炉操業方法。
  14. 前記二重管ランスの外側管から吹込まれる支燃性ガスが、20〜120m/secの出口流速を有する請求項1に記載の高炉操業方法。
  15. 前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上である請求項1に記載の高炉操業方法。
  16. 前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上であり、
    前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上70vol%未満である、
    請求項1に記載の高炉操業方法。
  17. 前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が40vol%以上65vol%以下である請求項16に記載の高炉操業方法。
  18. 前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が45vol%以上60vol%以下である請求項17に記載の高炉操業方法。
  19. 前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項15に記載の高炉操業方法。
  20. 前記微粉炭比が170kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項16に記載の高炉操業方法。
  21. 前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol%以上70vol%未満である請求項1に記載の高炉操業方法。
  22. 前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が40vol%以上65vol%以下である請求項21に記載の高炉操業方法。
  23. 前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が45vol%以上60vol%以下である請求項22に記載の高炉操業方法。
  24. 前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上300kg/t−銑鉄以下である請求項1に記載の高炉操業方法。
  25. 前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満である請求項1に記載の高炉操業方法。
  26. 前記微粉炭比が150kg/t−銑鉄以上170kg/t−銑鉄未満であり、
    前記搬送ガスと支燃性ガスとからなるガスの酸素濃度が35vol以上70vol%未満である、
    請求項1に記載の高炉操業方法。
  27. 前記微粉炭に、廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材、CDQ集塵コークスからなるグループのうち、少なくとも1つを加える請求項1乃至26の何れか一項に記載の高炉操業方法。
  28. 前記微粉炭の割合を80mass%以上として、前記廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材、CDQ集塵コークスを使用する請求項27に記載の高炉操業方法。
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