JP2016160482A - 還元材吹き込み装置 - Google Patents

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【課題】微粉炭などの固体還元材の燃焼効率を向上させることにより、生産性の向上及び排出CO2の低減を可能とする還元材吹き込み装置を提供する。【解決手段】二重管で構成される上流側ランス4を送風管2の上側に取付け、その送風方向下流側に単管で構成される下流側ランス6を送風管2の下側の位置で羽口3に取付け、上流側ランス4から固体還元材である微粉炭と易燃性ガスであるLNG又は支燃性ガスである酸素の何れか一方とを吹き込み、下流側ランス6からLNG又は酸素の何れか他方を吹き込む。このとき、上流側ランス4の吹き込み先端部と下流側ランス6の吹き込み先端部とを送風管2の径方向に対向させ、送風管2の内径をDとしたとき、下流側ランス6の吹き込み先端部の位置を送風管2の内周壁からの送風管2の径方向の距離xで0超0.5D以下とすることで、微粉炭の周囲の酸素又はLNG濃度を高めることができる。【選択図】図2

Description

本発明は、羽口を経て高炉内に熱風を送る送風管にランスを差し込み、そのランスから還元材を吹き込む還元材吹き込み装置に関し、羽口から微粉炭を吹き込んで燃焼温度を上昇させることにより生産性の向上及び排出COの低減を図る場合に好適なものである。
近年、炭酸ガス排出量の増加による地球温暖化が問題となっており、製鉄業においても排出COの抑制は重要な課題である。これを受け、最近の高炉操業では、低還元材比(低RAR:Reduction Agent Ratioの略で、銑鉄1t製造当たりにおける羽口からの吹き込み還元材と炉頂から装入されるコークスの合計量)操業が強力に推進されている。高炉は、主に炉頂から装入するコークス及び羽口から吹き込む微粉炭を還元材として使用しており、低還元材比、ひいては炭酸ガス排出抑制を達成するためには、コークスなどをLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)や重油など、水素含有率の高い還元材で置換する方策が有効である。下記特許文献1では、羽口から燃料を吹き込むランスを三重管とし、三重管ランスの内側管から微粉炭を吹き込み、内側管と中間管の隙間からLNGを吹き込み、中間管と外側管の隙間から酸素を吹き込み、LNGを先に燃焼させることで微粉炭の温度を上昇させ、微粉炭の燃焼効率を改善している。また、下記特許文献2では、送風管(ブローパイプ)に設置した単管ランスから、送風管を流れる高温空気の中心部に酸素を吹き込んで、その酸素を数百度まで昇温させると共に、羽口を貫くように設置したランスから微粉炭を吹き込み、吹き込まれた微粉炭を数百度の熱酸素と接触させることで微粉炭の昇温を改善し、微粉炭の燃料効率を改善しようとしている。
特開2011−174171号公報 特表2013−531732号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるように、三重管ランスから微粉炭とLNGと酸素を吹き込む場合、LNGは燃焼しやすい、所謂易燃性であることから微粉炭よりもLNGが先に燃焼し、ランスから吹き込んだ酸素がLNGの燃焼によって使用されてしまい、微粉炭が酸素と接触できなくなるので、燃焼効率が低下する可能性がある。また、三重管ランスは外径が大きくなるので、既存のランス挿通孔では三重管ランスを挿通することができない場合があり、そのような場合にはランス挿通孔の内径を大きくする必要が生じる。また、LNGは易燃性であり、急速に燃焼するため、ランス先端においてLNGが急速に燃焼すると、ランス先端の温度が上昇し、ランス先端に割れや溶損などの損耗の生じる可能性がある。そして、このような損耗がランス先端に生じた場合、逆火やランスの詰まりなどを誘発する恐れがある。また、特許文献2に記載されるように、羽口先端から微粉炭を吹き込み、微粉炭を熱酸素に接触させる場合には、微粉炭の昇温は改善しても、微粉炭はすぐにレースウェイ内に吹き込まれてしまうから、微粉炭が送風管内や羽口内で燃焼する時間がなく、結果的に微粉炭の燃焼効率が向上しない可能性がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、微粉炭などの固体還元材の燃焼効率を向上させることにより、生産性の向上及び排出COの低減を可能とする還元材吹き込み装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様によれば、羽口を経て高炉内に熱風を送る送風管に差し込まれたランスから還元材を吹き込む場合に、送風管の上側に取付けられた上流側ランスと、送風管の下側に取付けられ且つ上流側ランスよりも送風方向下流側に配置される下流側ランスとを備え、上流側ランスを二重管とすると共に、下流側ランスを単管とし、送風管の軸方向から見たとき、上流側ランスの吹き込み先端部と下流側ランスの吹き込み先端部とを送風管の径方向に対向させ、送風管の内径をDとしたとき、下流側ランスの吹き込み先端部の位置を送風管の内周壁からの送風管の径方向の距離で0超0.5D以下とした還元材吹き込み装置が提供される。
上流側ランス及び下流側ランスからは、固体還元材、支燃性ガス、易燃性ガスが吹き込まれる。固体還元材は、窒素や大気などの搬送ガスと共に吹き込まれる。
固体還元材とは、例えば微粉炭が挙げられる。
また、支燃性ガスとは、少なくとも50vol%以上の酸素濃度を有するガスと定義する。
また、易燃性ガスとは、文字通り、微粉炭よりも燃焼性のよいガスであり、例えば純水素ガス、水素を主要成分として含有するガス、都市ガス、LNG、プロパンガスの他、製鉄所で発生する転炉ガス、高炉ガス、コークス炉ガスなどが適用可能である。また、LNGと等価としてシェールガス(shale gas)も利用できる。シェールガスは頁岩(シェール)層から採取される天然ガスであり、従来のガス田ではない場所から生産されることから、非在来型天然ガス資源と呼ばれているものである。都市ガスなどの易燃性ガスは、着火・燃焼が非常に早く、水素含有量が多いものでは燃焼カロリーも高い。また易燃性ガスは、微粉炭と異なり、灰分を含んでいないことも高炉の通気性、熱バランスに対して有利である。
本発明の還元材吹き込み装置では、固体還元材の燃焼効率が向上し、結果的に生産性の向上及び排出COの低減を効率的に図ることが可能となる。
本発明の高炉操業方法が適用された高炉の一実施形態を示す縦断面図である。 図1の送風管及び羽口における上流側ランス及び下流側ランスの配置状態を説明する縦断面図である。 図1の送風管及び羽口における上流側ランス及び下流側ランスの配置状体を説明する縦断面図である。 図2の上流側ランス及び下流側ランスの作用の説明図である。 酸素モル分率の説明図である。 上流側ランスから酸素を吹き込み且つ下流側ランス先端部の位置を変化させたときの酸素モル分率の説明図である。 上流側ランスからLNGを吹き込み且つ下流側ランス先端部の位置を変化させたときのLNGモル分率の説明図である。
次に、本発明の還元材吹き込み装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この実施形態の還元材吹き込み装置が適用された高炉の全体図である。図に示すように、高炉1の羽口3には、熱風を送風するための送風管2が接続され、この送風管2の管壁を貫通してランス4が設置されている。ランス4は、送風管2内に微粉炭などの固体還元材を吹き込むためのものである。この実施形態では、熱風には大気を用いた。羽口3の熱風送風方向先方のコークス堆積層には、レースウェイ5と呼ばれる燃焼空間が存在し、主として、この燃焼空間で鉄鉱石の還元が行われる。図では、図示左方の送風管2にランス4が1本だけ挿入されているが、周知のように、炉壁に沿って円周状に配置された送風管2及び羽口3の何れにもランス4を挿入設定することは可能である。また、羽口当たりのランスの数も1本に限定されず、2本以上を挿入することが可能である。また、ランスの形態も、単管ランスをはじめ、二重管ランスや複数のランスを束ねたものも適用可能である。但し、現状の送風管2のランス挿通孔では、三重管ランスを挿入することは困難である。また、以下の説明では、送風管2に貫通するランス4を上流側ランスとも呼ぶ。
例えば固体還元材として微粉炭をランス4から吹き込む場合、微粉炭は、Nなどのキャリアガス(搬送ガス)と共に吹き込まれる。ランス4から固体還元材として微粉炭だけを吹き込む場合、ランス4から羽口3を通過してレースウェイ5内に吹き込まれた微粉炭は、コークスと共に、その揮発分と固定炭素が燃焼する。燃焼しきれずに残った、一般にチャーと呼ばれる炭素と灰分の集合体は、レースウェイ5から未燃チャーとして排出される。未燃チャーは炉内に蓄積され、炉内通気性を悪化させるため、レースウェイ5内で微粉炭をできるだけ燃焼させる、つまり微粉炭の燃焼性向上が求められる。羽口3の熱風送風方向先方における熱風速度は約200m/secであり、ランス4の先端からレースウェイ5内における酸素の存在領域は約0.3〜0.5mとされているので、実質的に1/1000秒のレベルで微粉炭粒子の昇温及び酸素との接触効率(分散性)の改善が必要となる。
羽口3からレースウェイ5内に吹き込まれた微粉炭は、まず送風からの対流伝熱によって加熱される。更にレースウェイ5内の火炎からの輻射伝熱、伝導伝熱によって急激に微粉炭粒子の温度が上昇し、300℃以上昇温した時点から微粉炭粒子の熱分解が開始される。そして、微粉炭から放出された揮発分に着火して火炎が形成され、燃焼温度は1400〜1700℃に達する。揮発分が全て放出されると、前述したチャーとなる。チャーは、主に固定炭素であるので、燃焼反応と共に、炭素溶解反応と呼ばれる反応も生じる。このとき、ランス4から送風管2内に吹き込まれる微粉炭の揮発分の増加により、微粉炭の着火が促進され、揮発分の燃焼量増加により微粉炭の昇温速度と最高温度が上昇し、微粉炭の分散性と温度の上昇によりチャーの反応速度が上昇する。即ち、揮発分の気化膨張に伴って微粉炭が分散し、揮発分が燃焼し、この燃焼熱によって微粉炭が急速に加熱、昇温すると考えられる。一方、ランス4から送風管2内に微粉炭と共に例えば易燃性ガスとしてLNGを吹き込む場合、LNGが送風中の酸素と接触してLNGが燃焼し、その燃焼熱によって微粉炭が急速に加熱、昇温されると考えられ、これにより微粉炭の着火が促進される。
図2および図3は、本発明の実施形態を示す図である。図2は側面図、図3は断面図である。上流側ランス4に対し、熱風の送風方向下流側に下流側ランス6が配置される。下流側ランス6は、羽口(部材)3を貫通するようにして配置されている。また、図2、図3に示すように、この実施形態の上流側ランス4は送風管2の最上部を貫通して送風管2の中心軸に向かうように配置されている。これに対し、下流側ランス6は、図3に明示するように、上流側ランス4の配置位置から送風管2の円周方向角度θで180°の位置、つまり送風管2の最下部の位置で羽口3を貫通するようにした。つまり、送風管2の軸方向から見たとき、上流側ランス4の吹き込み先端部と下流側ランス6の吹き込み先端部とを送風管2の径方向に対向するように配置した。さらに、前述した上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置は、羽口3の送風方向先端部から送風方向と逆方向に例えば100mmの位置とし、上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置から下流側ランス6の羽口貫通部中心位置までの距離を例えば80mmとした。なお、下流側ランス6の羽口貫通部中心位置からの差し込み長さは後述のように種々に変更した。
ここで、固体還元材として微粉炭を、易燃性ガスとしてLNGを、支燃性ガスとして酸素(純酸素)を用いた。また、上流側ランス4には、二重管ランスを用い、二重管ランスからなる上流側ランス4の内側管から微粉炭を、内側管と外側管との隙間からLNG又は酸素の何れか一方を夫々吹き込む形態とした。また、下流側ランス6からは、LNG又は酸素の何れか他方を吹き込む形態とした。即ち、上流側ランス4の内側管と外側管との隙間からLNGを吹き込む場合には、下流側ランス6から酸素を吹き込む。また、上流側ランス4の内側管と外側管との隙間から酸素を吹き込む場合には、下流側ランス6からLNGを吹き込む。
まず、二重管ランスからなる上流側ランス4の内側管と外側管との間からLNGを吹き込み、単管ランスからなる下流側ランス6から酸素を吹き込む例について説明する。ここで、使用する微粉炭の密度は1400kg/m3で、キャリアガスにNを用い、上流側ランス4の内側管から吹き込む微粉炭の吹き込み条件は1100kg/hとした。また、上流側ランス4の内側管と外側管との隙間から吹き込むLNGの吹き込み条件は100Nm3/hで、送風管2からの送風条件は、送風温度1200℃、流量12000Nm3/h、流速150m/sで大気を用いた。また、下流側ランス6から吹き込む酸素の吹き込み条件は、流量350Nm3/h、流速146m/sとした。
上流側ランス4から吹き込まれる微粉炭(LNGやキャリアガスを含む)の主流は、熱風の送風によって図4に実線で示すように流れる。しかしながら、微粉炭の中には、質量の大きい、つまり慣性力の大きい粉粒も存在し、そうした質量の大きい微粉炭は、図4に破線で示すように、微粉炭の主流から離れるようにして吹き込み方向先方に流れる。このように微粉炭の主流から離れた微粉炭は、前述したLNGの先行燃焼による昇温効果が小さくなるので燃焼しにくい状態が継続する。そこで、このように微粉炭の主流から離れる微粉炭に対して十分に酸素が供給されるようにするのが望ましいと考えられ、その結果、下流側ランス6が上流側ランス4に送風管2の径方向に対向するように、上流側ランス4の位置に対する下流側ランス6の位置を送風管円周方向角度θで180°とした。
そして、下流側ランス6の吹き込み先端部の位置、具体的には送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離xを種々に変更し、汎用流体ソフトを用いて、コンピュータによりレースウェイ5内の流体解析を行って微粉炭の周辺の酸素モル分率を評価した。酸素モル分率の評価位置は、図2に示すように、上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置から熱風の送風方向に300mmの位置、即ち羽口3の送風方向先端部からレースウェイ5内200mmの位置とした。コンピュータによる流体解析では、図5に示すように、流体シミュレーションにメッシュを形成し、微粉炭粒子が存在するメッシュのガス中の酸素のモル分率を微粉炭粒子と接触している酸素モル分率と定義した。そして、上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置から送風方向300mmの評価地点にある全ての微粉炭粒子に接触しているガス中の酸素モル分率の平均値で評価した。なお、前述のように、送風には大気を使用しているが、下流側ランス6から酸素を吹き込む場合、大気中の酸素は考慮せず、下流側ランス6から吹き込まれる酸素についてのみ微粉炭粒子と接触しているガス中の酸素モル分率を評価する。即ち、下流側ランス6から酸素を吹き込む場合の微粉炭粒子と接触しているガス中の酸素モル分率の数値には、送風中、つまり大気中の酸素分が含まれていない。
図6には、送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離xを変更したときの微粉炭粒子に接触しているガス中の酸素モル分率を示す。このとき、下流側ランス6から吹き込まれる酸素の吹き込み方向は、羽口3(又は送風管2)の半径方向中心に向け且つ熱風の送風方向と垂直になるように設定した。なお、比較例として、下流側ランスからは酸素を吹き込まず、大気に酸素を350Nm3/h添加して送風し、その結果、微粉炭粒子に接触しているガス中の酸素モル分率が2.7%一定となった曲線(直線)を下流側ランス6からの酸素吹き込みなしとして図に併記した。図から明らかなように、送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離x、つまりこの場合の下流側ランス6の差し込み長さは、0超〜35mmの範囲で、下流側ランスからの酸素吹き込みなしの場合よりも微粉炭粒子に接触しているガス中の酸素モル分率が増大し、下流側ランス6の差し込み長さが35mmのとき、最大となる。これは、送風管2の内径Dの半分に相当し、上流側ランス4から送風管2の径方向中央部に吹き込まれる微粉炭の主流に対し、下流側ランス6から吹き込まれる酸素が十分に供給されることを意味し、結果的にレースウェイ5内での微粉炭の燃焼性が向上すると考えられる。
次に、二重管ランスからなる上流側ランス4の内側管と外側管との間から酸素を吹き込み、単管ランスからなる下流側ランス6からLNGを吹き込む例について説明する。ここで、使用する微粉炭の密度は1400kg/m3で、キャリアガスにNを用い、上流管ランス4の内側管から吹き込む微粉炭の吹き込み条件は1100kg/hとした。また、上流管ランス4の内側管と外側管との間から吹き込む酸素の吹き込み条件は100Nm3/hで、送風管2からの送風条件は、送風温度1200℃、流量12000Nm3/h、流速150m/sで大気を用いた。また、下流側ランス6から吹き込むLNGの吹き込み条件は、流量350Nm3/h、流速146m/sとした。
また、上流側ランス4の内側管と外側管との間からLNGを吹き込み、下流側ランス6から酸素を吹き込む場合と同様に、下流側ランス6が上流側ランス4に送風管2の径方向に対向するように、上流側ランス4の位置に対する下流側ランス6の位置を送風管円周方向角度θで180°とした。そして、下流側ランス6の吹き込み先端部の位置、具体的には送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離xを種々に変更し、汎用流体ソフトを用いて、コンピュータによりレースウェイ5内の流体解析を行って微粉炭の周辺のLNGモル分率を評価した。LNGモル分率の評価位置は、図2に示すように、上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置から熱風の送風方向に300mmの位置、即ち羽口3の送風方向先端部からレースウェイ5内200mmの位置とした。コンピュータによる流体解析では、前述と同様に、流体シミュレーションにメッシュを形成し、微粉炭粒子が存在するメッシュのガス中のLNGのモル分率を微粉炭粒子と接触しているLNGモル分率と定義した。そして、上流側ランス4の吹き込み先端部中心位置から送風方向300mmの評価地点にある全ての微粉炭粒子に接触しているガス中のLNGモル分率の平均値で評価した。
図7には、送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離xを変更したときの微粉炭粒子に接触しているガス中のLNGモル分率を示す。このとき、下流側ランス6から吹き込まれるLNGの吹き込み方向は、羽口3(又は送風管2)の半径方向中心に向け且つ熱風の送風方向と垂直になるように設定した。なお、比較例として、下流側ランスからはLNGを吹き込まず、大気にLNGを350Nm3/h添加して送風し、その結果、微粉炭粒子に接触しているガス中のLNGモル分率が一定となった曲線(直線)を下流側ランス6からのLNG吹き込みなしとして図に併記した。図から明らかなように、送風管2の内周壁から下流側ランス6の吹き込み先端部までの送風管2の径方向の距離x、つまりこの場合は下流側ランス6の差し込み長さは、0超〜35mmの範囲で、下流側ランスからの酸素吹き込みなしの場合よりも微粉炭粒子に接触しているガス中のLNGモル分率が増大し、下流側ランス6の差し込み長さが35mmのとき、最大となる。これは、送風管2の内径Dの半分に相当し、上流側ランス4から送風管2の径方向中央部に吹き込まれる微粉炭の主流に対し、下流側ランス6から吹き込まれるLNGが十分に供給されることを意味し、結果的にレースウェイ5内での微粉炭の燃焼性が向上すると考えられる。
このように、この実施形態の還元材吹き込み装置では、二重管で構成される上流側ランス4から固体還元材である微粉炭と易燃性ガスであるLNG又は支燃性ガスである酸素とを吹き込み、その送風方向下流側に配置され且つ単管で構成される下流側ランス6から酸素又はLNGを吹き込む。このとき、上流側ランス4の吹き込み先端部と下流側ランス6の吹き込み先端部とを送風管2の径方向に対向させ、送風管2の内径をDとしたとき、下流側ランス6の吹き込み先端部の位置を送風管2の内周壁からの送風管2の径方向の距離xで0超0.5D以下としたために、上流側ランス4からLNGを吹き込む場合には、LNGの燃焼で使用された酸素が下流側ランス6から供給され、LNGの燃焼によって昇温した微粉炭が供給された酸素と共に燃焼する。また、上流側ランス4から酸素を吹き込む場合には、LNGの燃焼で使用される酸素が上流側ランス4から供給され、LNGの燃焼によって昇温した微粉炭が供給された酸素又は送風中の酸素と共に燃焼する。従って、微粉炭の燃焼効率が向上し、結果的に生産性の向上及び排出COの低減を効率的に図ることが可能となる。
なお、吹き込む固体還元材には、微粉炭を主として、その中に廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材(木材)、コークス炉集塵コークスを混合使用してもよい。ちなみに、混合使用の際は、微粉炭の全固体還元材に対する比は80mass%以上とするのが好ましい。即ち、微粉炭と、廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材などでは反応による熱量が異なるため、互いの使用比率が近くなると燃焼に偏りが生じ易くなり、操業の不安定となり易い。また、微粉炭と比して、廃プラスチック、廃棄物固形燃料(RDF)、有機性資源(バイオマス)、廃材(木材)等は燃焼反応による発熱量が低位であるため、多量に吹込むと炉頂より装入される固体還元材に対する代替効率が低下するため、微粉炭の割合を80mass%以上とするのが好ましいのである。
また、廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材は、大きさが6mm以下、好ましくは3mm以下の細粒として微粉炭と混合使用できる。これらは、搬送気体により気送される微粉炭と合流させることで混合可能である。予め微粉炭と混合して使用しても構わない。
1 高炉
2 送風管
3 羽口
4 上流側ランス
5 レースウェイ
6 下流側ランス

Claims (5)

  1. 羽口を経て高炉内に熱風を送る送風管に差し込まれたランスから還元材を吹き込む還元材吹き込み装置であって、
    前記送風管の上側に取付けられた上流側ランスと、
    前記送風管の下側に取付けられ且つ前記上流側ランスよりも送風方向下流側に配置される下流側ランスとを備え、
    前記上流側ランスを二重管とすると共に、前記下流側ランスを単管とし、
    前記送風管の軸方向から見たとき、前記上流側ランスの吹き込み先端部と前記下流側ランスの吹き込み先端部とを前記送風管の径方向に対向させ、
    前記送風管の内径をDとしたとき、前記下流側ランスの吹き込み先端部の位置を前記送風管の内周壁からの前記送風管の径方向の距離で0超0.5D以下とした
    ことを特徴とする還元材吹き込み装置。
  2. 前記上流側ランスの内側管から固体還元材を吹き込むと共に前記上流側ランスの内側管と外側管との隙間から易燃性ガスを吹き込み、前記下流側ランスから支燃性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の還元材吹き込み装置。
  3. 前記上流側ランスの内側管から固体還元材を吹き込むと共に前記上流側ランスの内側管と外側管との隙間から支燃性ガスを吹き込み、前記下流側ランスから易燃性ガスを吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の還元材吹き込み装置。
  4. 前記固体還元材が微粉炭であり、前記易燃性ガスがLNGであり、前記支燃性ガスが酸素であることを特徴とする請求項2又は3に記載の還元材吹き込み装置。
  5. 前記固体還元材の微粉炭に、廃プラスチック、廃棄物固形燃料、有機性資源、廃材、コークス炉集塵コークスのうちの少なくとも1つを加えることを特徴とする請求項4に記載の還元材吹き込み装置。
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