JP2009097051A - 高炉用微粉炭吹き込みランス - Google Patents

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Abstract

【課題】微粉炭の燃焼を促進して燃焼率を向上させることができるとともに、過度な燃焼促進を抑制し、燃焼焦点の移動に伴う操業の不安定さや羽口、炉体などの溶損を避けることのできる微粉炭吹き込みランスを提供する。
【解決手段】羽口の熱風ガス通路内の開口部を有する微粉炭吹き込み用ランス1であって、該ランスは、微粉炭を吹き込む内管2と酸素または酸素富化空気8を吹き込む外管3を少なくとも備え、且つ、内管および外管は、内径および外径が先端方向に漸次拡大するように湾曲され、且つ、肉厚が先端に向かって減じられた先端部2a、3aを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉などのシャフト炉型の高温反応容器に微粉炭を吹き込むための吹き込みランスに関する。
高炉操業においては、近年高価なコークスの代替燃料として、微粉炭を吹き込むことが一般化しており、最近では銑鉄トン当たり250〜300kgの石炭を吹き込む操業もある。しかし、将来的なコークスの需給、コークス製造設備の老朽化、環境に対する炭酸ガス排出規制などの状況をみると、今後さらにコークス使用量の低減が必要となる可能性が大きく、従って、より多量の微粉炭の吹き込みが必要となると考えられる。
一般に微粉炭は高炉の羽口に取り付けられたブローパイプに貫通して挿入される微粉炭吹き込みランスを通じて、羽口送風(熱風)と共に羽口から高炉内に吹き込まれ、炉内に形成されたレースウエイ内で燃焼するが、微粉炭の吹き込み量の増加に伴い、次のような二つの問題がある。
その一つは、微粉炭の燃焼率の低下による通気性、通液性の低下である。すなわち、微粉炭吹き込み量の増加と共に羽口先での酸素過剰率が減少するため、微粉炭の燃焼率が低下し、レースウエイ内で燃焼しきれない未燃チャーの発生量が増加する。発生した未燃チャーは、炉下部でソリューションロス反応により優先的に消費される可能性はあるが、その消費量には限界がある。そのため炉内消費量限界を超えた分はダストとして未燃チャーが炉頂から排出され、コークス置換率の低下や燃料費の増大を招いてしまう。また、発生した未燃チャーが炉心や融着帯根部等に蓄積すると通気性、通液性が悪化し、操業の安定性が損なわれる。
この微粉炭の燃焼率低下の問題への対処として、送風温度を上げる方法や酸素富化して送風する際に酸素濃度富化率を増加させるなどの方法があるが、前者の方法では、熱風炉の設備能力により限界があり、後者の方法では、熱流比などへの操業への影響があり、また、後述するようなランス直後での過剰な燃焼促進に伴う熱負荷の増大による操業の不安定化、ならびにランス、羽口や炉体の損耗が著しくなる可能性がある。
このようなことから、吹込み方法や、ランス形状を変更する各種の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、図6に示すような内管と外管とからなる通常の二重管ランスにおいて、内管から微粉炭を噴射し、内管と外管の間から混合した酸素および水蒸気を噴射することが提案されている。特許文献2では、微粉炭を噴射する内管と酸素富化空気を噴射する外管とからなる二重管ランスが提案されており、ランスの溶損を起こさせないために、内管の先端は外管の先端より内方側に位置されている。特許文献3には、微粉炭を吹き込む内管22、酸素または酸素富化空気を吹き込む外管23、および空気を吹き込む最外管24とからなる三重管ランスが開示され、さらに、図7に示すように、最外管から供給する空気の吹き出し角度をランスの軸方向に対して外向きに6゜傾けるようにすることも提案されており、酸素濃度の低い熱風が高酸素濃度の燃焼用空気流に侵入するのを防ぎ、高酸素濃度の空気が効率よく微風炭の燃焼に用いるようにされている。また、特許文献4には、微粉炭を吹き込む内管と支燃性ガスを吹き込む外管とからなる二重管ランスにおいて、図8に示すように、内管22の先端側部分に内径が管端側に向けて漸次縮径した縮径管部と、縮径管部に連なり、内径が管端側に向けて漸次拡径した拡径管部を備えた微粉炭吹き込みバーナーが提案され、これにより微粉炭と支燃性ガスと接触、混合が効率的になされ、微粉炭の燃焼効率が向上するとされている。
他の一つは、微粉炭燃焼の過剰促進による操業の不安定化と羽口及び炉体の損傷の問題である。上述のように、微粉炭の燃焼には微粉炭を炭素系ガスに分解するための分解熱が必要であり、この熱を補償するために、送風温度を上げたり、送風中の酸素量を増やす酸素富化が必要となっている。微粉炭の吹き込み量の増加につれてこれらの対応は一層重要となるが、これによってレースウエー内での燃焼の焦点が羽口側に近づき、レースウエイで発生した高温の還元ガスが炉周辺を上昇して羽口や炉体の損傷を加速する原因となり、又、燃焼の過剰な促進により高炉操業が不安定となる。
この課題に対して、特許文献5には、三重管を用いた微粉炭を吹き込みにおいて、内管から微粉炭を、中間管から窒素を、そして外管から酸素を、それぞれ吹き込む方法が提案されている。すなわち、微粉炭吹き込みと同時に、窒素などの不活性ガスを供給し、これによって、ランス先端近傍での微粉炭の炭素と外部からの酸素との接触反応を抑制し、羽口直前での燃焼焦点を羽口直前から遠ざけ、熱負荷の増大による羽口や炉体の損傷を抑制するものである。
特開平11−092809号公報 特開平06−100912号公報 特開平11−343511号公報 特開2005−60834号公報 特開平11−209807号公報
しかしながら、特許文献1のランスでは、外管と内管の間からの混合した酸素及び水蒸気が、微粉炭よりも送風中に拡散し微粉炭燃焼の効果はあまり得られない。また、特許文献2のランスでは、外管からの酸素富化空気の吹き込みにより微粉炭の燃焼促進効果は得られるが、微粉炭吹き込み流中の微粉炭の分散が進み難いため、微粉炭の燃焼促進効果は小さい。また、特許文献3のランスでは、特許文献2のように、外管からの酸素または酸素富化空気の吹き込みにより微粉炭の燃焼促進効果は得られるが、図7に示したように、外管23の前方の領域で強い乱流域が形成されるものの、微粉炭吹き込み流中の微粉炭の分散が進み難いため、微粉炭の燃焼促進効果は小さい。また、特許文献4のバーナーでは、図8に示すように内管22の前方の領域で強い乱流域が形成され、外管からの支燃性ガスを吹き込みによる燃焼促進に加えて、内管による微粉炭吹き込み流中の微粉炭の分散効果により、燃焼促進効果がさらに得られるが、この分散効果による燃焼促進は過度になり易く、燃焼焦点の位置が不安定となり、燃焼焦点の移動により操業が不安定となる。また、特許文献5の吹き込み方法では、中間管からの窒素の吹き込みにより微粉炭の過度な燃焼進行を抑制することはできるが、外管から吹き込まれた酸素が中間管からの窒素によって拡散され、また、微粉炭吹き込み流中の微粉炭の分散が進まないため、十分な燃焼促進効果を得ることができない。
このように、従来の微粉炭吹き込みランスは、燃焼を促進して燃焼率を向上させることが中心となっており、燃焼を促進して燃焼率を向上させる一方において、過度な燃焼促進を抑制し、燃焼焦点の移動に伴う操業の不安定さや羽口、炉体等の溶損を避けるという問題を同時に解決するものに至っていない。
本発明は、上述の状況に鑑み、高炉への微粉炭吹き込みにおいて、微粉炭の燃焼を促進して燃焼率を向上させることができるとともに、過度な燃焼促進を抑制し、燃焼焦点の移動に伴う操業の不安定さや羽口、炉体などの溶損を避けることのできる微粉炭吹き込みランスを提供することを課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1) 羽口の熱風ガス通路内の開口部を有する高炉用微粉炭吹き込みランスであって、該ランスは、微粉炭を吹き込む内管と酸素または酸素富化空気を吹き込む外管を少なくとも備え、内管および外管はそれぞれ、基部と基部に連続する先端側に、内径および外径が先端方向に漸次拡大すると共に、肉厚が先端方向に漸減し、かつ先端方向に拡開した形状の先端部を備えていることを特徴とする高炉用微粉炭吹き込みランス。
(2) さらに、前記ランスの軸方向断面において、内管および外管の基部と先端部の境界部における肉厚方向の中心と内管と外管の先端部の先端とをそれぞれ結ぶ直線が、ランスの管軸となす角度をそれぞれα、βとするとき、α>βであることを特徴とする(1)に記載の高炉用微粉炭吹き込みランス。
(3) 前記ランスの内管および/または外管は、基部と先端部との間において、基部の先端側に、内径が先端側に向けて漸次縮小した縮径管部と、この縮径管部に連なり、内径が先端側に向けて漸次拡大し先端部につながる拡径管部とを有することを特徴とする(1)または(2)に記載の高炉用微粉炭吹き込みランス。
本発明によれば、ランスの先端で内管からの微粉炭流(微粉炭と搬送気体の混合流)と外管からの酸素または酸素富化流との間、および管からの酸素または酸素富化空気流とランス外側の羽口送風流(熱風)との間に層流域が確保され、微粉炭流と酸素または酸素富化空気流間の拡散及び分散と混合が抑制され、ランス先端近傍での燃焼の過剰な促進を抑制することができ、燃焼焦点を羽口の先端近傍から遠ざけることができる。さらに、層流域が乱流域に変化した後では、微粉炭流が酸素または酸素富化空気流および羽口送風流の中に速やかに分散するため、高い燃焼率を確保することができる。
また、前記ランスの軸方向断面において、内管および外管それぞれの基部と先端部の境界部における肉厚方向の中心と先端部の先端とを結ぶ直線と、ランスの管軸とがなす角度をそれぞれα、βとするとき、α>βとすること、すなわち、内管の先端側への拡がりを外管のそれより大きくすることによって、ランスの外側の羽口送風流と外管からの酸素または酸素富化空気流との間で層流が維持されている領域で、外管の酸素または酸素富化空気流と微粉炭流との間を乱流域とし、外管の酸素または酸素富化空気流中の高濃度の酸素を羽口送風流中に拡散させることなく、微粉炭燃焼に寄与させることができ、燃焼率を向上させると共に、燃焼焦点を羽口近傍から離すことができる。
また、内管および/または外管の基部の先端側に、内径が管端側に向けて漸次縮径した縮径管部と、縮径管部に連なり、内径が管端側に向けて漸次拡径した拡径管部を設けることにより、微粉炭流および酸素または酸素富化空気流の層流域をより効率的に形成することができる。
本発明の実施態様の図面を用いてさらに詳細に説明する。図5は、高炉への送風が行われる羽口近傍を示す断面の模式図である。
高炉炉壁11には羽口12が設けられ、羽口12の後端にブローパイプ13が接続されている。ブローパイプ13には、加熱空気などの熱風ガスが熱風管(図示しない)から供給されており、ブローパイプ13を経由して羽口12から炉内14内に送風される。このような送風羽口構造において、微粉炭吹き込みランス1がブローパイプ13を貫通してガス通路内に開口し、このランス1を介して微粉炭がガス通路内に吹き込まれるように構成されている。羽口12の前方には熱風ガスによる噴流15が形成され、炉内14に装入されたコークスが燃焼する領域、すなわち、レースウエイ16が形成される。
図1は、本発明の微粉炭吹き込みランスの実施態様を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A視(基部と先端部の境界部gにおける)断面図である。なお、本明細書において、先端、或いは前方とは、ランスの吹き込み方向の前方あるいは先端を言うものとする。
ランス1は、内管2と外管3からなる2重管であり、内管2は、微粉炭と気体とが混合された微粉炭流7をブローパイプ13内に吹き込むための微粉炭流路4を構成し、外管3は、内管2との間に、酸素または酸素富化空気流8をブローパイプ13内に吹き込むための酸素または酸素富化空気流路5を構成している。
なお、ランス1がプロ−パイプ内に挿入された際、ランス1の外面(外管3の外面とブローパイプ13の内面との間は、羽口から炉内に吹き込む送風(熱風)流9のための羽口送風流路6となっている。
ランス1の内管2、及び外管3は、それぞれ管軸方向先端側に向かって基部2b、3bと、これに続く先端部2a、3aを備えている。基部は、基本的に一定径の管を同心状に配置した管体で構成される。先端部2a、3aは、内管、外管とも先端に向かって内径が漸次増加し、管軸側に向って凸となる滑らかな曲線(曲面)を形成している。また、内管、外管の外径も先端側に向かって漸次増加し、管軸側に向って凸となる滑らかな曲線(曲面)を形成している。さらに、先端部2a,3aの肉厚は、基部2b、3bに比べ、先端に行くに従って漸次減少している。
すなわち、内管2の先端部2aと基部2bとの境界部2gにおける内径をDi2g、外径をDo2g、先端2cにおける内径をDi2c、外径をDo2cとすると、Di2c>Di2g、Do2c>Do2gとなるように先端側に向かって漸次増加するとともに、基部2bと先端部2aとの境界部2gでの肉厚すなわち内径と外径の差(Do2g−Di2g)は、基部2bの肉厚に等しいのに対して、先端2cでの内径と外径の差(Do2c−Di2c)は、基部のそれと比べて極めて小さくなるように漸次減少している。
また、外管3についても内管2と同様、外管3の先端部3aと基部3bとの境界部3gにおける内径をDi3g、外径をDo3g、先端3cにおける内径をDi3c、外径をDo3cとすると、Di3c>Di3g、Do3c>Do3gとなるように先端側に向かって漸次増加するとともに、基部3bと先端部3aとの境界部3gでの肉厚すなわち内径と外径の差(Do3g−Di3g)は、基部の肉厚に等しいのに対して、先端での内径と外径の差(Do3c−Di3c)は、基部のそれと比べて極めて小さくなるように漸次減少している。
このように、内管および外管の先端部の断面形状は、いわゆる翼の気流方向の断面形状の一部をなすような湾曲した形状となっている。そして、外形はランスの前面側(先端方向)に向かって拡開した形状となっている。
このような断面形状とすることによって、ランスの先端部を経て先端から吹き出された微粉炭流7及び、酸素または酸素富化空気流8は、ランスの先端より前方の領域において、それぞれ層流域を形成する。さらに、ランス1の外側(外管の外面)においても、ランスの外管の先端部形状により、ランスの先端より前方の領域において、層流域を形成する。そして、層流域はその前方で乱流域に変化する。
すなわち、ランス1の先端で内管2からの微粉炭流7と外管3からの酸素または酸素富化流8との間、および外管3からの酸素または酸素富化空気流8とランス外側の羽口送風流(熱風流)6との間に層流域が確保され、微粉炭流7と酸素または酸素富化空気流8との間の拡散及び分散と混合が抑制され、ランス先端近傍での燃焼の過剰な促進を抑制することができる。さらに、層流域が乱流域に変化した後では、広範囲に形成された乱流域において、微粉炭流7が酸素又は酸素富化空気流8および羽口送風流9の中に速やかに分散するため、高い燃焼率を確保することができる。
内管2および外管3の先端部2a、3aの管軸方向の長さL(L2、L3)、内径及び外径の増加率Δd及び肉厚の減少率Δtは、羽口近傍の燃焼焦点が所望の位置となるように、ランスから吹き込む微粉炭の流量、酸素及び酸素富化空気流量、羽口送風流量などを勘案し、決定することができる。
内管2の管軸方向の長さL2は、内管2の先端2cから、この先端部2aと基部2bとの境界部2gまでの距離を、境界部2gでの内管外径Do2gで除したもので定義される。
また、外管3の管軸方向の長さL3も同様に、外管3の先端3cから、この先端部3aと基部3bとの境界部3gまでの距離を、境界部3gでの外管外径Do3gで除したもので定義される。これらの管軸方向の長さL2、L3が1未満では十分な層流域の確保が得られず、5超では乱流域遷移への制御性がえられなくなるため、1〜5の範囲にするのが好ましい。
内管2の管径の増加率Δd2は、内管2の先端2c部の管内径(Di2c)と、この先端部2aと基部2bとの境界部2gの管内径(Di2g)の差を、前記管軸方向の長さL2で除したもので定義される。また、外管の管径の増加率Δd3も同様に、外管3の先端3c部の管内径(Di3c)と、この先端部3aと基部3bとの境界部3gの管内径(Di3g)の差を、前記管軸方向の長さL3で除したもので定義される。
これらの管径の増加率は0.2未満では乱流域遷移への制御性が得られず、0.7超では十分な層流域の確保が得られなくなるため、好ましくは0.2〜0.7の範囲とするのが好ましい。なお、管径の増加率Δdを管の内径で説明したが、同様に外径に基いて規定しても良いことは言うまでもない。
内管2の肉厚の減少率Δt2は、内管2の先端2c部での肉厚(Do2c−Di2c)を、この先端部2aと基部2bとの境界部2g部での肉厚(Do2g−Di2g)で除したもので定義される。また、外管3の肉厚の減少率Δt3も同様に、外管3の先端3c部での肉厚(Do3c−Di3c)を、この先端部3aと基部3bとの境界部3g部での肉厚(Do3g−Di3g)で除したもので定義される。
これらの肉厚の減少率Δt2、Δt3が0.05未満では十分な強度及び作業性が得られず、0.2超では十分な乱流域の確保が得られなくなるため、0.05〜0.2の範囲とするのが好ましい。
なお、図1の例では、先端部の管軸方向の長さ、内径及び外径の増加率及び肉厚の減少率は、内管2、外管3においてほぼ同一としている。すなわち、このように先端部の形状を内管、外管において同一または相似形状とすることによって、より安定して層流域を形成することができる。
また、図1(a)において、ランス1の内管2及び外管3のそれぞれの基部2b、3bと先端部2a、3aの境界部2g、3gでの肉厚方向の中心を2d、3d、先端部の先端2c、3cの肉厚中心を2e、3eとして、内管2、外管3の肉厚方向の中心2d、3dと先端の肉厚中心2e、3eとをそれぞれ結ぶ線が管軸に対して時計回りになす角度(開き角、とも記す)をそれぞれα、βとするとき、α≒βとすることによって、さらに安定した層流域をランスの先端より遠方まで維持することができる。上記内管及び外管の開き角α、βは、管径の増加率によって決定され、これらの開き角α、βが5°未満では十分な乱流域遷移への制御性が得られず、20°超では十分な層流域の確保が得られなくなるため、5〜20°の範囲とするのが好ましい。
次に、図2は、本発明の微粉炭吹き込みランスの他の実施態様を示す図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は(a)のB−B視(基部と先端部の境界部gにおける)断面図である。
図2の態様のランス1の構成は図1の場合と類似するので、重複する部分は共通の符号を付与することによって説明を省略する。
図2に示したランス1の形状が、図1に示したランスの形状と異なる点は、図2(a)において、ランスの内管2及び外管3のそれぞれにおける基部2b、3bと先端部2a,3aの境界部2g、3gでの肉厚方向の中心を2d、3d、先端部の先端2c,3cの肉厚中心を2e,3eとして、基部の肉厚方向の中心2d、3dと先端2c,3cの肉厚中心2e,3eとを結ぶ線が管軸となす角度(開き角)をそれぞれα、βとするとき、α>βとした点である。すなわち、図2(b)で判るように、先端2cでの管内径Di2cがDi2gよりも大きくなっており、内管と外管の先端部における間隔が狭くなっている。
上記内管及び外管の開き角α、βは、管径の増加率Δdによって決定され、これらの開き角α、βが5°未満では十分な乱流域遷移への制御性が得られず、20°超では十分な層流域の確保ができなくなるため、5〜20°の範囲とするのが好ましい。
また、内管の開き角αと外管の開き角βとの差α−βが10°超では、十分な層流域の確保が得られなくなるため、10°未満とするのが好ましい。
なお、内管2および外管3の先端部2a、3aの管軸方向の長さL(L2、L3)、内径及び外径の増加率Δd(Δd2、Δd3)及び肉厚の減少率Δt(Δt2、Δt3)などは、図1で説明したのと同様にして設定することができる。
すなわち、内管の先端側への拡がり(開き角)を外管のそれより大きくすることによって、ランスの外側の羽口送風流9と外管3からの酸素または酸素富化空気流8との間で層流が形成されている領域において、外管3の酸素または酸素富化空気流8と内管2からの微粉炭流7との間は乱流域とすることができる。これによって、酸素または酸素富化空気流8中の高濃度の酸素を羽口送風流9中に拡散させることなく、微粉炭燃焼に寄与させることができ、燃焼率の向上を図ることができると共に、ランスの外側を層流域とすることによって、酸素または酸素富化空気流8と微粉炭流7とが過度に混合されて燃焼が過度に促進されるのを抑制することができ、燃焼焦点を羽口近傍から離すことができる。
このように、外管と内管の先端部の開き角を調整することにより、燃焼率の向上を図ると共に、燃焼焦点の位置を適切な位置に調節することができる。
図3は、本発明の微粉炭吹き込みランスの他の実施形態を示す断面図であり、図4は、図3のランスの(a)は正面図、(b)は図3のC−C視(基部と先端部の境界部g’における)断面図、(c)は図3のD−D視(最小縮径管部における)断面図である。図3の態様のランス1の構成は、図1の場合と類似するので、重複する部分は共通の符号を付与することにより説明を省略する。図3において、図1または図2における内管2及び/または外管3の先端部2a及び/または3aと基部2b及び/または3bとの境界部に相当する2g’及び/または3g’より基部2b及び/または3b側(基部側とも記す)に、内径が先端側に向けて漸次縮小した縮径管部2j及び/または3jと、この縮径管部の最小縮径部2f及び/または3fに連なり、内径が先端側に向かって漸次拡大した拡径管部2h及び/または3hが設けられている。縮径管部は、基部と縮径管部の基端側の境界部2k及び/または3kにおいて、また、拡径管部は、先端部と拡径管部の先端側の境界部2g’及び/または3g’において、基部の内面の曲線(曲面)、先端部の内面の曲線(曲面)とそれぞれ滑らかにつながるように形成されることはいうまでもない。
なお、拡径管部と先端部との境界部2g’及び/または3g’、及び縮径管部と基部との境界部2k及び/または3kは、図1、図2に示した先端部と基部の境界2g及び/または3gに対応するものである。
以下、内管2を例にとって説明すると、縮径管部2jでは、その内径Di2jは、基部2bとの境界部2k(=2g’に相当)における内径と同じDi2k(=Di2g’に相当)から前方側(先端側)に向かって、漸次縮小し、最小縮径部2fでDi2fとなる。一方、これに続く拡径管部2hにおいては、その内径は、最小縮径部の内径Di2fから漸次拡大し、先端部との境界部2g’において、上記のDi2g’と等しくなり、先端部2aへと滑らかに移行する。
拡径管部2hの管軸方向の長さL2hは、内管2の先端2cから、この先端部2aと基部2bとの境界部2g’までの距離L2を、境界部2g’での内管外径Do2g’で除したものと定義する。この拡径管部2hの管軸方向の長さL2hは、ガス流速などを勘案して決めれば良く、この管軸方向の長さL2hが1未満では十分な層流域の確保が得られず、5超では乱流域遷移への制御性がえられなくなるため、1〜5の範囲にするのが好ましい。
L2とL2hの関係は、後述するδから評価されるが、好ましくは、層流域の確保のためL2h≦L2である。
縮径管部2jの管軸方向の長さL2jはガス流速などを勘案して決めることができ、0.5未満では得られる効果が小さく、3.0超では層流域確保と乱流域遷移への制御性が得られなくなるため、0.5〜3.0の範囲とするのが好ましい。
管径が最も縮小した位置での内径Di2fは、ガス流速などを勘案して決めることができる。このDi2fは、先端部2aと拡径管部2hとの境界部2g’での内径がDi2g’とこの内径Di2fとの差(Di2g’−Di2f)の1/2をtとした場合に、境界部2kから管径が最も縮小した位置までの管軸方向の長さL2jと拡径管部2hの管軸方向の長さL2hの関係で、t/(L2j+L2h)が0.1超になると層流域確保と乱流域遷移への制御性が得られないため、0.1以下とするのが好ましい。
また、縮径管部2jの開き角度γは、図3に示すように、最小縮径部2fでの板厚中心2nと基部2aと縮径管部2jとの境界部2kでの板厚中心2mとを結ぶ線が管軸中心線に対して反時計回りになす角度とする。また、拡径管部2hの開き角度δは、最小縮径部2fでの板厚中心2nと先端部と拡径管部の境界部2g’における板厚中心2d’とを結ぶ線が管軸中心線に対して時計回りになす角度とする。δ、γの最大値及び適正値は、tの評価によって求めることができるが、好ましくはα、β>δ、γとする。
ランスの内管2を例にとって説明したが、この縮径管部、拡径管部は、図3に示すように内管と同様に外管にも設けることができる。また、縮径管部と拡径管部は、内管および外管のいずれか一方、あるいは、内管と外管の双方に設けることも可能である。
これにより、微粉炭流および酸素または酸素富化空気流の層流領域形成をより効果的にすることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
空塔微粉炭燃焼試験装置を用いて、表1に示す形状を有する図1〜図4に示した本発明の二重管ランス、および、図6に示すような通常の二重管ランスを用いて微粉炭の燃焼点位置および燃焼性の比較を行った。実施例及び比較例において使用した二重管ランスの内管の内径は7mm、外径は9mm、外管の内径は9.8mm、外径は13.8mmとした。
また、表1においては、α:内管の開き角(°)、β:外管の開き角(°)、γ:内管の縮径管部の開き角度(°)、δ:内管の拡径管部の開き角度(°)、L:内管及び外管の管軸方向の長さ(−)、Δd:内管及び外管の管径の増加率(−)、Δt:内管及び外管の管径の肉厚の減少率(−)、L2j:内管の基部2bと縮径管部2jとの境界部2kから管径が最も縮小した位置2fまでの管軸方向の長さ(−)、t(mm):内管の先端部2aと拡径管部2hとの境界部2g’での内径Di2g’と管径が最も縮小した位置2fでの内径Di2fとの差(Di2g’−Di2f)の1/2、L2h:内管の先端部2aと拡径管部2hとの境界2g’から管径が最も縮小した位置2fまでの管軸方向の長さ(−)、をそれぞれ示す。
なお、実施例3では、図3において内管2にのみ拡径部縮径部を設け、外管3は、実施例1と同じとした。
試験条件は、送風温度:1258℃、ガス流量:108.6Nm/h、微粉炭吹込み速度:19kg/h、微粉炭濃度:175g/Nm、酸素比:0.82、外管の酸素流量:3.3Nm/h、内管の微粉炭と窒素の流速:5.0Nm/hの同一とし、ランス先端より100mm離れた位置における温度と、ランス先端より700mm離れた位置における燃焼効率をそれぞれ測定した。これらの結果を表2に示す。
Figure 2009097051
Figure 2009097051
表2に示す通り、本発明の図1〜4に示すランスを用いた発明例1〜3は、通常のランスを用いた比較例に比べて燃焼効率の向上し、ランス先端より100mm離れた位置における温度も低くなることから、ランス先端での急激な燃焼の抑制も実現できた。
本発明の微粉炭吹き込みランスの一実施態様の構成を示す模式図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A視断面図である。 本発明の微粉炭吹き込みランスの他の実施態様の構成を示す模式図であり、(a)は断面図、(b)は正面図、(c)は(a)のB−B視断面図である。 本発明の微粉炭吹き込みランスの他の一実施態様の構成を示す断面模式図である。 図3の本発明の微粉炭吹込みランスの模式図であり、(a)は正面図、(b)は図3のC−C視断面図、(c)はD−D視断面図である。 微粉炭吹き込みランスを用いて微粉炭吹き込みを行う状況を説明する模式図である。 従来の微粉炭吹き込みランスの概要を示す断面模式図である。 従来の他の微粉炭吹き込みランスの概要を示す断面模式図である。 従来の他の微粉炭吹き込みランスの概要を示す断面模式図である。
符号の説明
1 微粉炭吹き込みランス
2 内管
3 外管
4 微粉炭吹き込み流路
5 酸素または酸素富化空気吹き込み流路
6 羽口送風流路
7 微粉炭流
8 酸素または酸素富化空気流
9 羽口送風流
11 高炉炉壁
12 羽口
13 ブローパイプ
14 炉内
15 噴流
16 レースウエイ
22 内管
23 外管
24 最外管
a 先端部
b 基部
c 先端
d 基部と先端部との境界部の肉厚中心
d’ 拡径管部と先端部との境界部の肉厚中心
e 先端の肉厚中心
f 最小縮径部
g 基部と先端部との境界部
g’ 拡径管部と先端部との境界部
h 拡径管部
j 縮径管部
k 縮径管部と基部との境界部
m 拡径管部と基部との境界部の肉厚中心
n 最小縮径部における肉厚中心
La 先端部の管軸方向長さ
Lh 拡径管部の管軸方向長さ
Lj 縮径管部の管理方向長さ
α 内管の開き角度
β 外管の開き角度
γ 縮径管部の開き角度
δ 拡径管部の開き角度

Claims (3)

  1. 羽口の熱風ガス通路内の開口部を有する高炉用微粉炭吹き込みランスであって、該ランスは、微粉炭を吹き込む内管と酸素または酸素富化空気を吹き込む外管を少なくとも備え、内管および外管はそれぞれ、基部と基部に連続する先端側に、内径および外径が先端方向に漸次拡大すると共に、肉厚が先端方向に漸減し、かつ、先端方向に拡開した形状の先端部を備えていることを特徴とする高炉用微粉炭吹き込みランス。
  2. さらに、前記ランスの軸方向断面において、内管および外管の基部と先端部の境界部における肉厚方向の中心と内管および外管の先端部の先端とをそれぞれ結ぶ直線が、ランスの管軸となす角度をそれぞれα、βとするとき、α>βであることを特徴とする請求項1に記載の高炉用微粉炭吹き込みランス。
  3. 前記ランスの内管および/または外管は、基部と先端部との間において、基部の先端側に、内径が先端側に向けて漸次縮小した縮径管部と、この縮径管部に連なり、内径が先端側に向けて漸次拡大し先端部につながる拡径管部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉用微粉炭吹き込みランス。
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JP2012188742A (ja) * 2010-12-27 2012-10-04 Jfe Steel Corp 高炉操業方法
RU2583558C2 (ru) * 2010-08-25 2016-05-10 Прайметалз Текнолоджиз Аустриа ГмбХ Способ повышения глубины проникновения кислородной струи
CN109764334A (zh) * 2019-01-24 2019-05-17 东方电气集团东方锅炉股份有限公司 低Nox焦炉煤气燃烧器

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