JP5922888B2 - 面状ヒータ - Google Patents
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Description
そこで、上記の問題を解消するため、本出願人は先に、図7或は図8に示す金属箔(5)の貼代部(5a)を粘着シート(3)の縁部(3c)を経て裏面に折り返して貼付した面状ヒータ(1)を提案した。(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、この方法においても以下に示す問題が有った。
即ち、図7の方法においては、粘着シート(3)は一枚で済むものの、複雑な形状をした粘着シート(3)の裏面側離型紙(4)を金属箔の貼代部(折り返し部)(5a)の形状に従ってカットする必要があり、製造工程が複雑になる問題が有った。
一方、図8の方法においては、裏面側離型紙(4)を金属箔の貼代部(折り返し部)(5a)の形状に従ってカットする工程が無くて済むものの、粘着シート(3)とは別のもう一枚の粘着シート(11)が必要になり材料の無駄が発生、コストアツプになるという問題、あるいは熱伝達性が悪化する別の問題があった。
さらに、図7或は図8の何れの方法においても面状ヒータ(1)の全周に渡って貼代部(5a)を粘着シート(3)の縁部(3C)を経て裏面に折り返すため、工程が掛るとういう共通した問題があった。
さらには、ヒータ線の配置の制約から面状ヒータの金属箔の途中に切目を設けなくてはならない場合においては、この切目近傍は強度的に弱く、金属箔が剥離し易いという問題もあった。
それゆえ、これらの問題を解消するとともに、熱伝達性に優れるとともに、製造工程が簡略化されるとともに、コスト低減となる方法が切望されている。
(1)延出部の接着効果によりヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している箇所においてもシートからの剥離やヒータ線のずれや浮きが生じず、加熱時の温度分布が均一化される。
(2)粘着シートの全周に渡って貼代部を裏面に折り返す必要が無く製造工程が簡略化できる。
(3)裏面側離型紙を金属箔の貼代部(折り返し部)の形状に従ってカットする工程が無くて済み工数が削減できる。
(4)2枚の粘着シートが必要でなくなり材料が節約できコスト低減化できる。
(5)金属箔に途中の切目が設けられた場合においても同様の効果が期待できる。
図1の面状ヒータ形状は円環状で、その外縁部の断面図(図1のA−A線に沿う断面図)が図2に示されている。図2において、粘着シート(3)の表面(3a)では、ヒータ線(2)が縁部(3c)からそれぞれの離間距離で固着・配置されている。
このヒータ線(2)は、片端に接続コネクタ(10)が装着された2本のリード線(9)に接続子(8)を介して接続される。そして、このヒータ線(2)上部には、金属箔(5)が直接貼付され、その際、縁部(3c)から所定離間距離(L)以下(Q)では、金属箔(5)に一体的に延出部(5c)が設けられていて突起状に縁部(3c)を越えて外側に延出している。
図1、図2では延出部(5c)は、粘着シートの外縁部(3c)を越えた外方にまで延出している。
こうすることにより、十分な貼代が確保できていない箇所において、延出部(5c)が貼代の役割を果たすので、金属箔(5)がシート(3)あるいはヒータ線(2)から剥離するのを防止でき,均一な温度分布効果が得られる。
離間距離(L)の下限値以下の離間距離の場合には十分な貼代が確保できないので、この部分を延出部(5c)で代用することになる。
逆に、Lの上限値以上の離間距離の箇所では十分な貼代が確保できており、金属箔がシートあるいはヒータ線から剥離する虞がないので延出部(5c)を設ける必要がない。
さらに、延出部(5c)の幅が余り小さいと接着力が得られず、ヒータ線の剥離を防止す効果がなく、一方、材料の節約上過度に大きくする必要もないことから延出部(5c)の幅は5mm〜20mmが望ましい。また、延出部の長さはLの下限値以下の離間距離である箇所の長さにも依るが効果を出すためには少なくとも5mmは必要である。延出部(5c)の形状は通常方形状である。
なお、延出部(5c)の少なくとも上面には輸送時あるいは作業時に延出部(5c)の損傷を防止するため、及び、取付機器に粘着させるため、別体の離型紙(12)付きの両面粘着シート(13)が貼付されていることが望ましい。
延出部(5c)を裏面に折り返す際には、従来のように裏面側離型紙(4)全体をカットしたり持上げる必要はなく、延出部(5c)を貼付する部分の裏面側離型紙(4)を一時的に持上げるだけで良いので工数は問題とならない。この方法は別体の両面粘着シート(13)が不要で経済的な方法である。
勿論、従来のように工数が掛らないので延出部(5c)が貼付される部分の裏面側離型紙(4)を部分カットして、延出部(5c)を裏面に折返した後、別体の両面粘着シート(13)を貼付し裏面に折り返した延出部(5c)を保護してもよい。
この態様では、面状ヒータの一部に金属箔の切目(S)が設けられ、この部分の金属箔には該切目に対峙した状態で2つの延出部(5c−1)、(5c−2)が設けられている。
この場合のように、面状ヒータの途中に金属箔の切目がある場合には強度的に弱くなるので、スリット状の隙間に対峙した状態で延出部を設けることが効果的である。
この際、ヒータ線が縁部から所定の離間距離(L)以下で配置している箇所では、金属箔(5)の端部に金属箔(5)と一体となった延出部(5c)が設けてある。
ここで、延出部(5c)の幅は、固定力とスペースを考慮し、5mm〜20mmとすればよい。また、延出部の長さは固定力を考慮し、5mm〜30mmが好ましい。
なお、金属箔(5)自体は、ヒータ線(2)や粘着シート表面(3a)との固着力を向上させるため、粘着剤付であってもよい。
以上の説明では、面状ヒータ(1)のヒータ線(2)が粘着シートの外縁部(3c)から所定の離間距離(L)以下となる箇所(Q)に延出部(5c)を設けた例を示したが、円環状粘着シートの内縁部(3e)から所定の離間距離(L)以下となる箇所にも同様にして延出部(5c)を設ければよい。
図5では、面状ヒータの上面(表面)図が示されていて、この態様では、面状ヒータの一部に金属箔の切目(S)が設けられ、この部分の金属箔には切目に対峙した状態で2つの延出部(5c−1)、(5c−2)が設けられている。
この場合のように、面状ヒータの途中に金属箔の切目(S)がある場合には強度的に弱くなるので、切目に対峙した状態で金属箔に2箇所の延出部を設けることが効果的である。
しかも、この場合には切目の部分がヒータ線(2)の両端部に接続子(8)を介して接続された2本のリード線(9)の取出口になっているので切目(S)の近傍の強度を補強する意味においても延出部(5c−2)を設けることが肝要である。
外径120mm、厚さ0.2mm(本体厚さ0.12mm、離型紙(4)の厚さ 0.08mm)の粘着シート(3)を図1に示すような形状に刳り抜いた。このときの刳り抜きの程度は、金属箔テープ(7)の直線距離(粘着シート(3)の内縁部―外縁部間の直線距離)が20mmになる程度とした。次いで、この粘着シート(3)の表面(3a)に、ヒータ線(2)を固着・配置した(図1)。用いたヒータ線(2)は、100V20W、抵抗値500オーム、そしてワット密度58.5W/mのガラス芯にニクロム線を横巻きしたものをシリコーンゴムにて被覆したヒータ線である。
また、内部の刳り抜き形状は、粘着シート(3)の刳り抜き形状に一致させた。
なお、延出部(5c)の上面側には離型紙(12)付きの別体の粘着シート(13)を貼付した。
外径173mm、厚さ0.2mm(本体厚さ0.12mm、離型紙(4)の厚さ 0.08mm)の粘着シート(3)を図5に示すような形状に刳り抜いた。このときの刳り抜きの程度は、金属箔テープ(7)の直線距離(粘着シート(3)の内縁部―外縁部間の直線距離)が25mmになる程度とした。
次いで、この粘着シート(3)の表面(3a)のに図5で示すように折返状にヒータ線(2)を固着・配置した。用いたヒータ線(2)は、100V50W、抵抗値238オーム、そしてワット密度59.5W/mのガラス芯にニクロム線を横巻きしたものをシリコーンゴムにて被覆したヒータ線である。
次に、粘着シート(3)の一箇所をカットし切目(S)を入れた。切目の幅は2mmとした。
切目の幅は粘着シート(3)の切目の幅と同じ2mmとした。
また、内部の刳り抜き形状は、粘着シート(3)の刳り抜き形状に一致させた。
なお、金属箔(5)には予め切目に対峙した2箇所に延出部(5c−1)、(5c−2)を設けた。
さらに2箇所の延出部(5c−1)、(5c−2)の上面側には図4に示す延出部(5c)と同様に、それぞれ離型紙付きの別体の粘着シートを貼付した。(図示せず)
2 ヒータ線
3 粘着シート
3a 粘着シートの表面
3b 粘着シートの裏面
3c 粘着シートの外縁部
4 粘着シートの裏面側離型紙
5 金属箔
5c 延出部
6 温度センサ
7 金属箔テープ
8 接続子
8a 接続子
9 リード線
9a リード線
10 接続コネクタ
11 別体の粘着シート
12 別体の粘着シートの裏面側離型紙
13 別体の延出部の裏面側両面粘着シート
P 金属箔の端面
Q ヒータ線が離間距離(L)以下に配置している場所
S 金属箔の切目
Claims (1)
- 所望形状の両面粘着シートの表面でヒータ線が該シートに配置・固着され、さらに該シート表面に金属箔が貼付され、その際、該ヒータ線が該シートの縁部から所定の離間距離の範囲で配置している箇所において、
該ヒータ線と該シートの縁部との間で該金属箔が該シートの表面に貼付されるとともに、
該金属箔の端部には、該金属箔が該シートあるいは該ヒータ線から剥離するのを防止するための延出部が、該シートの縁部を越えて突起状に延出するよう該金属箔と一体的に設けられていることを特徴とする面状ヒータであり、
該延出部の少なくとも上面に、該シートとは別体の離型紙付きの両面粘着シートが貼付された状態で、
該延出部は、該シートの縁部に沿って、該シートの縁部の裏面に該延出部が貼付されるよう、折り返し状態で貼付され、
該ヒータ線が配置される、該縁部からの所定の離間距離が2mm〜20mm、該延出部の長さが5mm〜30mm、幅が5mm〜20mmであることを特徴とする面状ヒータ。
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