JP5922888B2 - 面状ヒータ - Google Patents

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Description

本発明は、面状ヒータに関する。就中、本発明は、電子炊飯器、足温浴器、さらには洋式便器の便座などの加熱・保湿用に適した面状ヒータに関する。
昨今は面状ヒータが組み込まれる機器本体の小型化が進み、これにともない、面状ヒータ自身にも外形寸法のさらなる縮小が要求されてきている。この要求に応える面状ヒータの一例が、その外縁部の断面として図6に示されている。この例では、表面(3a)にヒータ線(2)を固着・配置した両面粘着シート(3)(以下、“粘着シート(3)”と略記する。)は、ヒータ線(2)の外縁部から内縁部に向かって折り返し状態にある(例えば、特許文献1参照。)。この粘着シート(3)の折り返し部分が、所謂貼代(余り代)部である。また、(4)は、粘着シート(3)の裏面(3b)側の離型紙である。
上記の粘着シート(3)の表面には、さらに金属箔(5)が貼付されるが、その端面(P)は、単に離型紙(4)に直交状態で接触しているに過ぎない。このため、金属箔(5)は、該接触面を起点として、極めて剥がれ易い状況にある。そして、この状況は、ヒータ線(2)のはみ出しや位置ずれによる加熱斑を招来する。さらに、この先行技術で見逃してならないのは、熱効率の問題である。すなわち、ヒータ線(2)は、粘着シート(3)で包み込まれているので、熱伝導性の低下は免れない。
そこで、上記の問題を解消するため、本出願人は先に、図7或は図8に示す金属箔(5)の貼代部(5a)を粘着シート(3)の縁部(3c)を経て裏面に折り返して貼付した面状ヒータ(1)を提案した。(例えば、特許文献2参照)
しかしながら、この方法においても以下に示す問題が有った。
即ち、図7の方法においては、粘着シート(3)は一枚で済むものの、複雑な形状をした粘着シート(3)の裏面側離型紙(4)を金属箔の貼代部(折り返し部)(5a)の形状に従ってカットする必要があり、製造工程が複雑になる問題が有った。
一方、図8の方法においては、裏面側離型紙(4)を金属箔の貼代部(折り返し部)(5a)の形状に従ってカットする工程が無くて済むものの、粘着シート(3)とは別のもう一枚の粘着シート(11)が必要になり材料の無駄が発生、コストアツプになるという問題、あるいは熱伝達性が悪化する別の問題があった。
さらに、図7或は図8の何れの方法においても面状ヒータ(1)の全周に渡って貼代部(5a)を粘着シート(3)の縁部(3C)を経て裏面に折り返すため、工程が掛るとういう共通した問題があった。
さらには、ヒータ線の配置の制約から面状ヒータの金属箔の途中に切目を設けなくてはならない場合においては、この切目近傍は強度的に弱く、金属箔が剥離し易いという問題もあった。
それゆえ、これらの問題を解消するとともに、熱伝達性に優れるとともに、製造工程が簡略化されるとともに、コスト低減となる方法が切望されている。
特開2007−35385号公報 特開2008−288009号公報
したがって、本発明の課題は、金属箔の剥離の問題を解消するとともに、熱伝導性に優れるとともに、製造工程が簡略化された面状ヒータを提供することにある。
本発明者らは、面状ヒータの縁部全周に渡って貼代部を粘着シートの縁部を経て裏面に折り返す代わりに、ヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している箇所において、金属箔の部に金属箔がシートあるいはヒータ線から剥離するのを防止するための延出部を設けることにより、上記の課題を一挙に解決するに至った。
本発明の面状ヒータにあっては、その粘着シート表面が金属箔で直接被覆され、さらにヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している箇所では、金属箔に延出部が設けられているので、以下のような顕著な効果が奏される。
(1)延出部の接着効果によりヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している箇所においてもシートからの剥離やヒータ線のずれや浮きが生じず、加熱時の温度分布が均一化される。
(2)粘着シートの全周に渡って貼代部を裏面に折り返す必要が無く製造工程が簡略化できる。
(3)裏面側離型紙を金属箔の貼代部(折り返し部)の形状に従ってカットする工程が無くて済み工数が削減できる。
(4)2枚の粘着シートが必要でなくなり材料が節約できコスト低減化できる。
(5)金属箔に途中の切目が設けられた場合においても同様の効果が期待できる。
本発明において、粘着シートを形容する“所望の形状”とは、面状ヒータが組み込まれる機器内の配置スペースの形状に対応する。具体的には、円環状(電子炊飯器用)、足形状(足温浴器用)、さらには馬蹄形状(洋式便器の便座用)が挙げられる。そのほか、機器内での設置スペースに応じて 矩形状、多角形状も採用され、この場合も、必要に応じて、内部に刳り抜き部分(中空部分)を設けてもよい。また、シートの“縁部”とは、シート形状に付随する外縁部、あるいは外縁部と内縁部とを指す。
以下、本発明を、電子炊飯器のフタ用として適用する円環状面状ヒータの場合について説明する。
本発明に係る面状ヒータの一態様を示す上面(表面)図である。 図1の縁部横断面図(A−A断面)である。 本発明に係る面状ヒータの延出部を裏面に折り返した場合の下面(裏面)図である。 図2の延出部を裏面に折り返した縁部横断面図である。 本発明に係る面状ヒータの参考例を示す上面(表面)図である。 従来の面状ヒータの一態様を示す縁部横断面図である。 従来の面状ヒータの別の態様を示す縁部横断面図である。 従来の面状ヒータのさらに別の態様を示す縁部横断面図である。
図1〜図5を通して、符号(1)〜(5)は、既に述べた図6〜図8の場合と同じである。
図1の面状ヒータ形状は円環状で、その外縁部の断面図(図1のA−A線に沿う断面図)が図2に示されている。図2において、粘着シート(3)の表面(3a)では、ヒータ線(2)が縁部(3c)からそれぞれの離間距離で固着・配置されている。
このヒータ線(2)は、片端に接続コネクタ(10)が装着された2本のリード線(9)に接続子(8)を介して接続される。そして、このヒータ線(2)上部には、金属箔(5)が直接貼付され、その際、縁部(3c)から所定離間距離(L)以下(Q)では、金属箔(5)に一体的に延出部(5c)が設けられていて突起状に縁部(3c)を越えて外側に延出している。
図1、図2では延出部(5c)は、粘着シートの外縁部(3c)を越えた外方にまで延出している。
再度、図1を参照するに、面状ヒータ(1)の表面で金属箔(5)の上には、温度センサ(6)が金属箔テープ(7)で固定されている。このとき、金属箔テープ(7)は面状ヒータ(1)の外縁部および内縁部を跨ぐ形で貼付される。温度センサ(6)自身は、接続子(8a)を介して2本のリード線(9a)に接続され、このリード線(9a)の他端は接続コネクタ(10)に接続される。
図1〜図2に示した面状ヒータに特徴的なことは、ヒータ線(2)が縁部(3c)から所定の離間距離(L)以下で配置している箇所(A)では、金属箔(5)の端部に延出部(5c)を設けていることである。
こうすることにより、十分な貼代が確保できていない箇所において、延出部(5c)が貼代の役割を果たすので、金属箔(5)がシート(3)あるいはヒータ線(2)から剥離するのを防止でき,均一な温度分布効果が得られる。
ここで所定の離間距離(L)の下限値は面状ヒータ(1)の寸法、ヒータ線(2)の太さにより決定され、離間距離(L)の上限値は延出部(5)の数や面積をできるだけ少なくし材料を節約するため6mm〜20mmの範囲が好ましく、炊飯器においてはLは10mm近傍が更に好ましい。
離間距離(L)の下限値以下の離間距離の場合には十分な貼代が確保できないので、この部分を延出部(5c)で代用することになる。
逆に、Lの上限値以上の離間距離の箇所では十分な貼代が確保できており、金属箔がシートあるいはヒータ線から剥離する虞がないので延出部(5c)を設ける必要がない。
さらに、延出部(5c)の幅が余り小さいと接着力が得られず、ヒータ線の剥離を防止す効果がなく、一方、材料の節約上過度に大きくする必要もないことから延出部(5c)の幅は5mm〜20mmが望ましい。また、延出部の長さはLの下限値以下の離間距離である箇所の長さにも依るが効果を出すためには少なくとも5mmは必要である。延出部(5c)の形状は通常方形状である。
なお、延出部(5c)の少なくとも上面には輸送時あるいは作業時に延出部(5c)の損傷を防止するため、及び、取付機器に粘着させるため、別体の離型紙(12)付きの両面粘着シート(13)が貼付されていることが望ましい。
以上の例においては、粘着シート(3)の内縁部、ひいては面状シートの内縁部は、円状ではなく、彎曲形状で示した。これは、面状ヒータが設置される機器の部品との“当り”を避けるためである。したがって、この彎曲形状(刳り抜き形状)は機種により異なってくる。同様に、ヒータ線(2)の一部も彎曲配置されているが、これは、温度分布を均一にするため、あるいは機器側部品との沿面距離(絶縁距離)を稼ぐためである。
上記の図1、図2においては、延出部(5c)が面状ヒータ(1)の裏面に折り曲げられる前の状態であって、金属箔(5)の端部から外方に延出したものを示したが、図3、図4には、この延出部(5c)を粘着シート(3)の縁部(3c)を経て裏面に折り返した態様が示されている。
延出部(5c)を裏面に折り返す際には、従来のように裏面側離型紙(4)全体をカットしたり持上げる必要はなく、延出部(5c)を貼付する部分の裏面側離型紙(4)を一時的に持上げるだけで良いので工数は問題とならない。この方法は別体の両面粘着シート(13)が不要で経済的な方法である。
勿論、従来のように工数が掛らないので延出部(5c)が貼付される部分の裏面側離型紙(4)を部分カットして、延出部(5c)を裏面に折返した後、別体の両面粘着シート(13)を貼付し裏面に折り返した延出部(5c)を保護してもよい。
さらに、図5には、本発明に係る面状ヒータの参考例を示す上面(表面)図が示されている。
この態様では、面状ヒータの一部に金属箔の切目(S)が設けられ、この部分の金属箔には該切目に対峙した状態で2つの延出部(5c−1)、(5c−2)が設けられている。
この場合のように、面状ヒータの途中に金属箔の切目がある場合には強度的に弱くなるので、スリット状の隙間に対峙した状態で延出部を設けることが効果的である。
図1〜図5に示した面状ヒータ(1)の作成に際しては、先ず、リード線(9)の他端に接続コネクタ(10)を設けた後、ヒータ線(2)には、接続子(8)を介して2本のリード線(9)を接続しておく。次に、離型紙付きの両面粘着シート(3)を、それに固着されるヒータ線(2)の配置形状に応じてカットする。次いで、上面(表面)側の離型紙を剥ぎ取り、表面側の粘着面(3a)を露出させ、その上にリード線(9)付、ヒータ線(2)を固着・配置する。
図2、図4で、離型紙(4)は面状ヒータ(1)を機器内に取り付ける際に、はじめて剥ぎ取られる。
面状ヒータ(1)の実使用上の発熱量は、最大3,000W/mである。この発熱量をヒータ表面温度に換算すると、150℃程度になるので、粘着シート(3)は耐熱性のものが好ましく採用される。また、ヒータ線(2)は、面状ヒータ(1)の仕様に応じて、外径、全長および配置形状が決定される。
ヒータ線(2)が配置された粘着シート表面(3a)には、図4に示す形状の金属箔(5)を貼付する。
この際、ヒータ線が縁部から所定の離間距離(L)以下で配置している箇所では、金属箔(5)の端部に金属箔(5)と一体となった延出部(5c)が設けてある。
ここで、延出部(5c)の幅は、固定力とスペースを考慮し、5mm〜20mmとすればよい。また、延出部の長さは固定力を考慮し、5mm〜30mmが好ましい。
なお、金属箔(5)自体は、ヒータ線(2)や粘着シート表面(3a)との固着力を向上させるため、粘着剤付であってもよい。
次いで、斜線で示す延出部(5c)を粘着シート(3)の外縁部(3c)に沿って折り返し処理する。
以上の態様では、面状ヒータ(1)のヒータ線(2)が縁部から所定の離間距離(L)以下で配置している箇所(A)では金属箔(5)の端部1箇所に延出部(5c)を設けた例である。しかし、ヒータ線(2)が粘着シートの縁部(3c)から所定の離間距離(L)以下となる箇所が複数個所ある場合には、複数の延出部(5c)を設け、同様に複数の延出部(5c)を粘着シート(3)の外縁部(3c)に沿って折り返し処理すればよい。
以上の説明では、面状ヒータ(1)のヒータ線(2)が粘着シートの外縁部(3c)から所定の離間距離(L)以下となる箇所(Q)に延出部(5c)を設けた例を示したが、円環状粘着シートの内縁部(3e)から所定の離間距離(L)以下となる箇所にも同様にして延出部(5c)を設ければよい。
本発明においては、図1に示すように、金属箔(5)上に温度センサ(6)を付設してもよい。この場合、金属箔(5)の外縁部および内縁部を跨ぐ金属箔テープ(7)にて温度センサ(6)を金属箔(5)上に固定すればよい。このような金属箔テープ(7)の幅は、温度センサ(6)の長さに応じて選定されるが、通常は10mm〜40mm程度である。また、金属箔テープ(7)の長さも、温度センサ(6)の外径および該センサ(6)の固定箇所の寸法に応じて適宜選定される。通常、この長さは20mm〜60mm程度にすればよい。さらに、金属箔テープ(7)の厚さは金属箔(5)のそれと同等であるのがよい。もちろん、この金属箔テープ(7)に代えて片面粘着テープを用いてもよいが、前者の方が薄いので、面状ヒータの厚み方向の嵩張りを抑える利点がある。
次に、本発明の参考例について図5を基に説明する。
図5では、面状ヒータの上面(表面)図が示されていて、この態様では、面状ヒータの一部に金属箔の切目(S)が設けられ、この部分の金属箔には切目に対峙した状態で2つの延出部(5c−1)、(5c−2)が設けられている。
この場合のように、面状ヒータの途中に金属箔の切目(S)がある場合には強度的に弱くなるので、切目に対峙した状態で金属箔に2箇所の延出部を設けることが効果的である。
しかも、この場合には切目の部分がヒータ線(2)の両端部に接続子(8)を介して接続された2本のリード線(9)の取出口になっているので切目(S)の近傍の強度を補強する意味においても延出部(5c−2)を設けることが肝要である。
以上の説明では、ヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している場合と面状ヒータの一部の金属箔の切目が設けられた場合を分けて説明したが、ヒータの一部に金属箔の切目があり、しかもヒータ線が縁部から所定の離間距離以下で配置している箇所がある場合にはそれぞれの箇所に延出部を設けて対応すればよい。
[実施例1]
外径120mm、厚さ0.2mm(本体厚さ0.12mm、離型紙(4)の厚さ 0.08mm)の粘着シート(3)を図1に示すような形状に刳り抜いた。このときの刳り抜きの程度は、金属箔テープ(7)の直線距離(粘着シート(3)の内縁部―外縁部間の直線距離)が20mmになる程度とした。次いで、この粘着シート(3)の表面(3a)に、ヒータ線(2)を固着・配置した(図1)。用いたヒータ線(2)は、100V20W、抵抗値500オーム、そしてワット密度58.5W/mのガラス芯にニクロム線を横巻きしたものをシリコーンゴムにて被覆したヒータ線である。
次に、フッ素樹脂で被覆され、片端に接続コネクタ(10)が装着されたリード線加工品(全長約300mm)の内、2本のリード線(9)とヒータ線(2)とを接続子(8)にて接続し、所定の位置に固着・配置した。
この状態で、図1に示すような形状のアルミニウム金属箔(5)を上方から貼付した。用いたアルミニウム金属箔(5)は、外径122mm、厚さ0.05mmで、ヒータ線(2)が縁部から所定の離間距離(L=3mm)以下の1.5mmで配置している箇所(Q)に位置する金属箔(5)に延出部(5c)を設けた。延出部の幅は8mm、長さは30mmとした。
また、内部の刳り抜き形状は、粘着シート(3)の刳り抜き形状に一致させた。
なお、延出部(5c)の上面側には離型紙(12)付きの別体の粘着シート(13)を貼付した。
次いで、離型紙(4)を持ち上げ、金属箔(5)の延出部(5c)を外縁に沿って、粘着シート(3)の裏面(3b)側に折返しながら固着した。
さらに、リード線加工品(全長約300mm)の内、残りの2本のリード線(9a)と温度センサ(6)とを接続子(8a)にて接続した。次いで、ヒータ線(2)側の接続子(8)近傍の金属箔(5)上で、温度センサ(6)を金属箔テープ(7)にて固定した。用いた金属箔テープ(7)は、長さ40mm、幅20mm、厚さ0.05mmのアルミ二ウム箔の片面に粘着剤層を設けたテープである。このようにして、図1〜図3に示す面状ヒータ(1)が完成した。
参考例
外径173mm、厚さ0.2mm(本体厚さ0.12mm、離型紙(4)の厚さ 0.08mm)の粘着シート(3)を図5に示すような形状に刳り抜いた。このときの刳り抜きの程度は、金属箔テープ(7)の直線距離(粘着シート(3)の内縁部―外縁部間の直線距離)が25mmになる程度とした。
次いで、この粘着シート(3)の表面(3a)のに図5で示すように折返状にヒータ線(2)を固着・配置した。用いたヒータ線(2)は、100V50W、抵抗値238オーム、そしてワット密度59.5W/mのガラス芯にニクロム線を横巻きしたものをシリコーンゴムにて被覆したヒータ線である。
次に、フッ素樹脂で被覆され、片端に接続コネクタ(10)が装着されたリード線加工品(全長約420mm)の内、2本のリード線(9)とヒータ線(2)とを接続子(8)にて接続し、所定の位置に固着・配置した。
次に、粘着シート(3)の一箇所をカットし切目(S)を入れた。切目の幅は2mmとした。
この状態で、図5に示すような形状のアルミニウム金属箔(5)を上方から貼付した。 用いたアルミニウム金属箔(5)は、外径177mm、厚さ0.05mmで、粘着シート(3)の切目の位置に合わせて切目(S)を設けた。
切目の幅は粘着シート(3)の切目の幅と同じ2mmとした。
また、内部の刳り抜き形状は、粘着シート(3)の刳り抜き形状に一致させた。
なお、金属箔(5)には予め切目に対峙した2箇所に延出部(5c−1)、(5c−2)を設けた。
さらに2箇所の延出部(5c−1)、(5c−2)の上面側には図4に示す延出部(5c)と同様に、それぞれ離型紙付きの別体の粘着シートを貼付した。(図示せず)
次いで、金属箔(5)の2箇所の延出部(5c−1)、(5c−2)を外縁に沿って、粘着シート(3)の裏面(3b)側に折返しながら固着した。
さらに、リード線加工品(全長約420mm)の内、残りの2本のリード線(9a)と温度センサ(6)とを接続子(8a)にて接続して、図5に示す面状ヒータ(1)が完成した。
上記の実施例では発熱体としてのニクロム線をシリコーンゴムにて被覆したヒータ線を使用したが、このほかに、ふっ素樹脂等他の被覆材にて被覆されたヒータ線を使用してもよい。また、上記のように、温度センサ(6)を金属箔テープ(7)で直接固定する代わりに、温度センサ(6)と接続子(8a)とを接続したものを編組チューブ等の保護チューブ内に挿入し、保護チューブを金属箔テープ(7)にて固定してもよい。
本発明の面状ヒータにあっては、ヒータ線の固定効果が向上するとともに、機器内の狭小箇所にでも設置できるので、従来は設置が難しかった設置面の端部や複雑な形状面への対応が可能となる。
1 面状ヒータ
2 ヒータ線
3 粘着シート
3a 粘着シートの表面
3b 粘着シートの裏面
3c 粘着シートの外縁部
4 粘着シートの裏面側離型紙
5 金属箔
5c 延出部
6 温度センサ
7 金属箔テープ
8 接続子
8a 接続子
9 リード線
9a リード線
10 接続コネクタ
11 別体の粘着シート
12 別体の粘着シートの裏面側離型紙
13 別体の延出部の裏面側両面粘着シート
P 金属箔の端面
Q ヒータ線が離間距離(L)以下に配置している場所
S 金属箔の切目




Claims (1)

  1. 所望形状の両面粘着シートの表面でヒータ線が該シートに配置・固着され、さらに該シート表面に金属箔が貼付され、その際、該ヒータ線が該シートの縁部から所定の離間距離の範囲で配置している箇所において
    該ヒータ線と該シートの縁部との間で該金属箔が該シートの表面に貼付されるとともに、
    該金属箔の部には該金属箔が該シートあるいは該ヒータ線から剥離するのを防止するための延出部が、該シートの縁部を越えて突起状に延出するよう該金属箔と一体的に設けられていることを特徴とする面状ヒータであり、
    該延出部の少なくとも上面に、該シートとは別体の離型紙付きの両面粘着シートが貼付された状態で、
    該延出部は、該シートの縁部に沿って、該シートの縁部の裏面に該延出部が貼付されるよう、折り返し状態で貼付され、
    該ヒータ線が配置される、該縁部からの所定の離間距離が2mm〜20mm、該延出部の長さが5mm〜30mm、幅が5mm〜20mmであることを特徴とする面状ヒータ。
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