JP5922683B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
従来のこの種のスロットマシンは、たとえば、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、遊技者がスタートスイッチを操作することにより各リールが回転した後、遊技者が各リールに対応して設けられた停止スイッチを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内でリールの回転が停止し、全リールの回転が停止することで導出された表示結果に従って入賞が発生する。
この種のスロットマシンの中には、いわゆる“ウエイトタイム”と称される1ゲーム待機時間(たとえば、4.1秒)が経過するまで次回のゲームを開始できないように制御するものがある。このウエイトタイムは、射倖性を防止する観点から単位時間当たりのゲーム数を制限するために規定されたものであり、それゆえ、スロットマシンでは1ゲーム毎にウエイトタイムの経過の有無が判定される。
このようなウエイトタイムとは別に、ゲームの演出の一つとして、ウエイトタイムが経過していても敢えてベット操作やスタート操作、あるいはリールの停止操作に対応する制御を保留してゲームの進行を所定期間だけ遅延させるいわゆる“フリーズ”と称される遅延制御を行なうスロットマシンがある。
たとえば、特許文献1には、内部抽選で所定の役が当選したゲームの次回以降のゲームにおいて、フリーズを実行することによって、所定の役が当選したことに関連する情報を事後的に報知し、遊技者の期待感を複数のゲームに渡って継続させるように工夫されたスロットマシンが記載されている。
特開2009−45089号公報
しかしながら、特許文献1に記載のスロットマシンは、所定の役が当選してから単に所定カウント数のゲーム数が消化されたことを契機にフリーズを行なうものであり、フリーズの発生タイミングの違いに応じて異なる期待感を遊技者に与えることができるものではなかった。
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遅延制御の実行タイミングの違いに応じて異なる期待感を遊技者に与えることが可能なスロットマシンを提供することである。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン(スロットマシン1)において、
表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(乱数抽選により当選の有無を判定するメイン制御部41)と、
遊技者にとって有利な有利状態に移行させるか否かを決定する有利状態決定手段と、
遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作、あるいはスタートスイッチ7の操作の検出信号を入力するメイン制御部41)と、
前記導出操作手段への操作に応じてゲームの進行を制御するゲーム制御手段(メイン制御部41)と、
前記導出操作手段への操作に応じて、表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段(リールの回転を開始させた後に停止させるメイン制御部41)とを備え、
前記スロットマシンは、特定入賞(リプレイ(1)、ベル)の発生を許容する旨の決定とともに、前記有利状態に移行させる旨も決定可能であり、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定入賞の発生を許容することを含む決定結果であるときにおいて、ゲームの進行を遅延させるための遅延制御(フリーズ)を実行するときに、該遅延制御を実行するタイミングを決定する遅延制御決定手段(図16のフリーズ決定処理)と、
前記遅延制御決定手段の決定に従って前記遅延制御を実行する遅延制御手段(図11参照)と、
前記遅延制御の実行中に開始して終了するように実行期間が定められた演出を実行する演出実行手段とをさらに備え、
前記遅延制御決定手段が前記遅延制御を今回のゲームで実行すると決定する割合と次回以降のゲームで実行すると決定する割合との比率は、前記有利状態に移行させる旨および前記特定入賞の発生を許容する旨の双方が決定されるときと前記特定入賞の発生を許容する旨が決定されるが前記有利状態に移行させる旨が決定されないときとで異な(図9参照)
前記導出制御手段は、前記特定入賞の発生が許容されているときに、前記導出操作手段の操作手順に関わらず、前記特定入賞を発生させる表示結果を導出させる制御を行なう。
このような構成によれば、遅延制御は、特定入賞の発生が許容されたことを条件に実行されるが、特定入賞は有利状態に移行させる旨の決定と併せてその発生が許容されることがあるため、遅延制御の実行によって有利状態に移行されることの期待感を遊技者に与えることになる。
しかも、特定入賞の発生が許容されたときにおいて、遅延制御を実行するときに、該遅延制御が実行されるタイミングが決定されるため、特定入賞が発生したときには、遊技者に対して遅延制御が実行されるのではないか、ひいては有利状態に移行される旨が決定されるのではないかという期待感を継続させることができる。
さらに、遅延制御を伴うゲームで特定入賞が発生するか、特定入賞が発生してから次回以降のゲームで遅延制御が実行されるかによって有利状態に移行される期待度が異なるため、どのタイミングで遅延制御が実行されるかという点にも遊技者の関心を向けることにより、さらなる興趣の向上を図ることができる。
さらに、特定入賞としては、リプレイ(1)およびベルに限られず、他の小役であってもよい。また、リプレイ(1)またはベルと他の小役とが同時当選するような場合、あるいは複数種類の小役のうちの小役1と小役2とが同時当選するような場合において、小役1または小役2のいずれか一方を特定入賞としてもよい。また、前記特定入賞としては、極めて当選率の低いいわゆるレア小役やレアリプレイを選定してもよい。
(2) 前記特別入賞の発生が許容されていない複数種類の遊技状態のいずれかに制御する遊技状態制御手段(RT(1)、RT(2))をさらに含み、
前記遅延制御手段が前記遅延制御を実行すると決定する割合は、前記複数種類の遊技状態の各々に応じて異なる(図9参照)。
このような構成によれば、遊技状態の種類によって遅延制御が実行される割合が変化するため、より一層興趣の向上を図ることが可能となる。
(3) 前記遅延制御の実行中に所定の遅延対応演出を実行する遅延対応演出手段(サブ制御部91)をさらに含み、
前記遅延対応演出手段は前記遅延対応演出を実行しているときに所定の操作手段が操作されたことに基づいて前記遅延対応演出の内容を変更する(「遊技者の操作が検出されることを条件にフリーズ演出が変化する変形例」参照)。
このような構成によれば、遅延制御の実行途中であっても遅延対応演出に関与する操作は可能であるので、ゲームを進行させることができないことによる遊技者の退屈を紛らわすことができる。特に、操作をすれば遅延対応演出の内容が変更されるため、遅延制御期間において遊技者に対して趣向性の高い演出を提供できる。さらに、ゲームを進行させることができない状態であるので、遊技者がこのときに誤操作をしたとしても、それによってゲームが遊技者の意図しない方向に進行してしまうこともない。
(4) 前記遅延制御の実行中に所定の遅延対応演出を実行する遅延対応演出手段(サブ制御部91)と、
前記事前決定手段の決定結果に応じて前記遅延制御終了後に特別演出を実行する特別演出手段(図11および図14のステップアップ演出を実行するサブ制御部91)とをさらに含み、
前記遅延対応演出は、前記特別演出の内容に関連した演出である(図14参照)。
このような構成によれば、特別演出に先立ってその内容に関連した遅延対応演出が実行されるため、まず、演出の前段として遅延対応演出を実行した上で、続く特別演出の内容へと遊技者をスムーズに導くことができる。
(5) 前記遅延制御決定手段は、前記遅延制御を次回のゲームで実行すると決定した第1ゲームの後、当該次回のゲームである第2ゲームにおける前記事前決定手段の決定結果が前記特定入賞の発生を許容することを含む決定結果であるとき、前記遅延制御を当該第2ゲームではなく次回の第3ゲームにおいて実行することに決定し直す(図13参照)。
このような構成によれば、第1ゲームにおいて遅延制御を次回ゲームで実行することが決定されたものの、第2ゲームにおいて特定入賞の発生が許容されると、当該第2ゲームでは遅延制御は実行されずに、第3ゲームにおいて遅延制御が実行される。
仮に、特定入賞の発生が許容された第2ゲームにおいて、第1ゲームでの決定に従って遅延制御を実行すると、遅延制御実行後の第2ゲームの結果として特定入賞が発生した場合には、当該第2ゲームで実行された遅延制御が、第1ゲーム(特定入賞の発生が許容)での「次回ゲームにおいて遅延制御実行」との決定に基づくものであるのか、あるいは第2ゲーム(特定入賞の発生が許容)での「今回ゲームにおいて遅延制御実行」との決定に基づくものであるのか、遊技者は判別不能となる。
その結果、「前記遅延制御決定手段が前記遅延制御を今回のゲームで実行すると決定する割合と次回のゲームで実行すると決定する割合との比率は、前記特別入賞および前記特定入賞の双方の発生が許容されているときと前記特定入賞の発生が許容されているが前記特別入賞の発生が許容されていないときとで異なる」ようにして「次回ゲームにおいて遅延制御実行」の場合と「今回ゲームにおいて遅延制御実行」の場合とで特別入賞が許容されている期待度を異ならせることとした意義が失われてしまう。
これに対して、上記構成によれば、第2ゲームにおいて遅延制御が実行されることなく、第3ゲームにおいて遅延制御が実行されることになるため、当該遅延制御が第1ゲームにおける「次回ゲームにおいて遅延制御実行」との決定に基づくものであることを遊技者が判別可能となる。
なお、第3ゲームにおいて、さらに特定入賞の発生が許容されたときには、当該第3ゲームにおいて遅延制御を実行することなく、第4ゲームに「次回ゲームにおいて遅延制御実行」との決定を持ち越せばよい。そして、当該決定が持ち越されたゲームにおいて特定入賞の発生が許容されなかったことを条件として、当該ゲームにおいて遅延制御を実行すればよく、もし、当該ゲームでもさらに特定入賞の発生が許容されたときには、さらに次回のゲームに「次回ゲームにおいて遅延制御実行」との決定を持ち越せばよい。
スロットマシンの全体構造を示す正面図である。 可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。 スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。 入賞として定められた役の構成を示す図である。 遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。 リプレイGRを構成する再遊技役の組合せを示す図である。 リプレイGR当選時において操作手順別に入賞ラインに揃う再遊技役を示す図である。 遊技状態の移行状況を示す図である。 フリーズに関してメイン制御部が用いる各種の制御テーブルを示す図である。 停止順報知に関する権利数を決定するための制御テーブルを示す図である。 フリーズの発生とフリーズ演出、およびフリーズ演出後のステップアップ演出を説明するためのタイミングチャートである。 フリーズの制御を説明するためのタイミングチャートである。 フリーズの制御を説明するためのタイミングチャートである。 フリーズ演出およびステップアップ演出の具体例を示す図である。 小役告知演出を説明するための図である。 フリーズ決定処理を示すフローチャートである。 特定演出を選択するための制御テーブルを示す図である。 特定演出を説明するためのタイミングチャートである。 特定演出の画面図(1)〜(5)を説明するための図である。 特定演出の画面図(6)〜(10)を説明するための図である。 特定演出の変形例を説明するためのタイミングチャートである。 特定演出の変形例に対応する画面図(11)〜(16)を説明するための図である。 特定演出の変形例に対応する制御テーブルを説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、スロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「黒スイカ」、「白スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示される。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、さらにその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
本実施の形態では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施の形態では遊技状態に関わらず3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するBB中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、図3に示されるように、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25が設けられている。
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施の形態では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められている。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出される。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止と称する。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給される。
また、電源基板101には、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力される。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介してホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動される。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態および遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持される。
メインCPU41aは、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。また、メインCPU41aは、割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施の形態では、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。また、メインCPU41aは、一定時間間隔(本実施の形態では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理を実行する。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、タッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力される。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動される。また、演出制御基板90には、タッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動される。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持される。
本実施の形態のスロットマシン1では、遊技の制御を行なうメイン制御部41が設けられた遊技制御基板40などの各種基板が搭載されており、これらの基板には、遊技者による遊技の進行操作が可能なスイッチ類等からなる電子部品がケーブルを介して接続されている。
遊技制御基板40には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34c、演出制御基板90が接続されている。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、投入メダルセンサ31、リールモータ32L、32C、32R、リールセンサ33L、33C、33R、ホッパーモータ34b、払出センサ34cは、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板40に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、たとえば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール2L、2C、2Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板40に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板40に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール2L、2C、2Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパーを駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板40から出力されて遊技用電子部品に入力される信号と、を含む。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施の形態では、メインCPU41aが演出制御基板90に対して、BETコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、初期化コマンド、設定終了コマンド、電源投入コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。内部当選コマンドには、フリーズの有無を示す情報が含まれる。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行なわれる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(初期遊技状態であるか、RT(1)中であるか、RT(2)中であるか、BB中であるか、RB中であるか、等)およびRT(1)、(2)の残りゲーム数、現在設定されている設定値を特定可能なコマンドであり、後述する設定終了コマンドの送信後およびゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨および設定変更モードの開始を示すコマンドであり、RAM41cが初期化され、設定変更モードに移行した時点で送信される。
設定終了コマンドは、設定変更モードの終了を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
電源投入コマンドは、電源投入時にいずれかの特別役(遊技状態の移行を伴う役。たとえば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス。)に当選しているか否かを示すコマンドであり、起動時に電断前の状態に復帰することが可能な場合に、電断前の状態に復帰するときに送信される。
操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFFを示すコマンドである。
メインCPU41aは、これらスイッチの検出状態が変化したときに、検出されたスイッチに対応する操作検出コマンドを送信する。
1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作の受付は、賭数の設定が可能な状態で、かつ規定数の賭数が未だ設定されておらず、さらにクレジットが残っている状態で有効となりそれ以外では無効となる。スタートスイッチ7の操作の受付は、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されるまで有効となり、それ以外では無効となる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の受付は、リールが定速回転となり、リールの停止準備ができた後、それぞれの停止操作が検出されるまで有効となり、それ以外では無効となる。精算スイッチ10は、ゲーム終了後、次ゲームが開始されるまでの期間においてクレジットが残存するか、賭数が設定されている場合に有効となり、それ以外は無効となる。
しかしながら、メインCPU41aは、上記各スイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか無効な期間であるかに関わらず、各スイッチの操作が検出されると、各スイッチに対応する操作検出コマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンド送信用バッファに格納された後にタイマ割込処理(メイン)において送信される。
一方、サブCPU91aでは、受信用バッファに受信したコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、メインCPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行なった場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
本実施の形態では、起動処理またはゲーム処理においてゲームの進行に応じて操作検出コマンド以外のコマンドを生成し、操作検出コマンドは、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10のいずれかの検出状態が変化した場合に、生成される。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された演出用の各種制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の制御を行なう。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の制御を行なう。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
サブCPU91aは、ゲームが開始して全てのリール2L、2C、2Rが回転し始めた後にMAXBETスイッチ6に対応する操作検出コマンドを受信した場合には、これを遊技者による演出の要求操作と判断して、当選の可能性のある小役を示唆する特定演出を実行するための特定演出パターンが制御パターンとして参照される。
待機コマンドを受信した場合には、デモ演出(デモンストレーション演出)を実行するためのデモパターンが制御パターンとして参照される。なお、特別役の当選を報知する確定演出が実行されている場合には、デモ演出の実行が禁止されるようになっており、このような状態で待機コマンドを受信してもデモパターンが制御パターンとして参照されることはなく、デモ演出が実行されることもない。
打止状態の発生を示す打止コマンド受信した場合には、打止状態である旨を報知するための打止報知パターンが制御パターンとして参照される。また、打止状態の解除を示す打止コマンドを受信した場合には、デモパターンが制御パターンとして参照される。すなわち打止状態が解除されるとデモ演出が実行されることとなる。
エラー状態の発生を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー状態である旨およびその種類を報知するためのエラー報知パターンが制御パターンとして参照される。また、エラー状態の解除を示すエラーコマンドを受信した場合には、エラー発生時に実行していた制御パターンが参照される。すなわちエラー発生時の演出が最初から実行されることとなる。
サブCPU91aは、操作検出コマンドの受信に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作がなされたか否かを判定する。詳しくは、サブCPU91aが操作検出コマンドを受信したときに、その後、100ms経過しても新たに操作検出コマンドを受信しなかった場合に、受信した操作検出コマンドが示す各スイッチの検出状態を確定検出状態とし、前回の確定検出状態と比較していずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチが操作された旨を判定し、いずれかのスイッチがOFFの状態からONの状態に変化していれば、該当するスイッチの操作が解除された旨を判定する。
このため、操作検出コマンドを受信し、いずれかのスイッチの検出状態が変化している場合でも、その後100ms以内に、変化前と同じ検出状態を示す操作検出コマンドを受信した場合には、スイッチの操作またはその操作の解除は判定されない。
このように本実施の形態では、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態、すなわちON/OFF、これらスイッチが遊技の進行上、有効な状態であるか、無効な状態であるか、を示す操作検出コマンドが、これらスイッチの検出状態が変化したときに、これらスイッチの操作の受付が遊技の進行上、有効な期間であるか、無効な期間であるか、に関わらず送信されるようになっており、サブCPU91aもメインCPU41aが検出した操作を、その操作が有効に操作されたか否かに関わらず特定できるので、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の操作が有効になされて遊技の制御が進行するタイミングと一致するタイミングに加えて、これらのスイッチの操作が無効な状態で操作された場合、すなわち遊技の進行の制御に直接関わらないタイミングで演出を実行することが可能となる。
すなわち演出用の操作を行なうために、新たな検出手段を搭載せずとも、本来であればゲームを進行させるために搭載され、メインCPU41aが検出する操作手段を用いて、これら操作手段がゲームの進行上は無効化されている状態であっても演出用の操作を行なうことが可能となり、サブCPU91aは、これら操作手段の操作を利用して演出を実行できるので、演出のタイミングに多様性を持たせることができる。
また、操作検出コマンドから各スイッチの操作が有効な状態であるか、無効な状態であるか、を特定できるようになっており、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、スイッチの操作の受付が有効な期間にされているか否かに応じて適切な演出を実行することができる。
また、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたり、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10の検出状態を示す操作検出コマンドを送信するのみで、その検出状態からスイッチが操作されているか否かの判定は行なわず、サブCPU91aが、メインCPU41aから受信した操作検出コマンドが示す検出状態に基づいて1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10が操作されているか否かの判定を行ない、その判定結果に基づいてこれらスイッチの操作状況を把握できるようになっているため、メインCPU41aは、操作検出コマンドを送信するにあたって、無効な期間にあるスイッチ、すなわち遊技の進行制御上は関係のないスイッチについてまで操作されているか否かの判定(チャタリング防止判定など)を行なう必要がなく、メインCPU41aの制御負荷を軽減することができる。
サブCPU91aとタッチパネルコントローラ99とは、シリアル通信にてデータの送受が可能に接続されている。
サブCPU91aは、起動時にタッチパネルコントローラ99に対してハードウェアリセットを命令して、タッチパネルコントローラ99を初期化させるとともに、初期化の終了に伴いタッチパネルコントローラ99から送信されたステータスレポートを解析し、異常がなければシステムオンコマンドを送信し、タッチパネルコントローラ99のシステムを起動させる。これに伴い、タッチパネルコントローラ99は、タッチ操作を検出可能な状態に移行する。
本実施の形態のスロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)、初期遊技状態、RT(1)(リプレイタイム(1))、RT(2)(リプレイタイム(2))があるが、どの遊技状態においても賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がRBであるか、初期遊技状態であるか、RT(1)、RT(2)であるか、に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施の形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、たとえ、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、図4に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下ではレギュラーボーナスをRBとする)、ビッグボーナス(1)、(2)(以下ではビッグボーナスをBB(1)、(2)とする)が、小役として黒スイカ、白スイカ、チェリー、1枚、ベルが、再遊技役としてリプレイ(1)〜(10)が定められている。
チェリーは、いずれの遊技状態においても右リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、6枚のメダルが払い出される。なお、「チェリー」の図柄が右リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L5または入賞ラインL3、L4の2本の入賞ラインにチェリーの組合せが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、12枚のメダルが払い出されることとなる。
黒スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「黒スイカ−黒スイカ−黒スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。白スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「白スイカ−黒スイカ−黒スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。1枚は、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「網7−BAR−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、1枚のメダルが払い出される。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
リプレイ(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−ベル−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(3)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。
リプレイ(4)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「チェリー−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(5)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白7−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(6)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒スイカ−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(7)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「白スイカ−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(8)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(9)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(10)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「BAR−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ(1)〜(10)が入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインのいずれかに「網7−網7−網7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB(1)またはBB(2)が入賞すると、メイン制御部41により、遊技状態がBBに移行されるとともに同時にRBに移行され、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行され、BBが終了するまで繰り返しRBに制御される。すなわちBB中は、常にRBに制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が300枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
以下、BB(1)およびBB(2)をまとめてビッグボーナスまたはBBと称する。特に、以下の説明において、“ビッグボーナス当選”または“BB当選”と記載したときには、BB(1)およびBB(2)のいずれかの当選を意味するものとする。
次に、本実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役および役の組合せについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役および役の組合せの判定値数に応じて行なわれる。本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、特別役、小役、再遊技役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲、小役および特別役または再遊技役および特別役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の小役が重複して当選する判定値の範囲、複数種類の再遊技役が重複して当選する判定値の範囲、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は排他的なものではなく、1ゲームにおいて複数種類の役が同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行なうものである。
本実施の形態では、図5および図6に示すように、遊技状態が、初期遊技状態、RT(1)、RT(2)であるか、RBであるかによって内部抽選の対象となる役および役の組合せが異なる。さらに遊技状態が初期遊技状態、RT(1)においては、特別役の持越中であるか否かによっても内部抽選の対象となる役および役の組合せが異なる。
遊技状態が初期遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(1)+リプレイGR(4)(リプレイGR(4)とは、リプレイ(1)+リプレイ(8)+リプレイ(9)+リプレイ(10)をいう)、BB(1)+リプレイGR(5)(リプレイGR(5)とは、リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(6)+リプレイ(7)をいう)、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、BB(2)+リプレイGR(4)、BB(2)+リプレイGR(5)、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイGR(1)(リプレイGR(1)とは、リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(6)+リプレイ(7)をいう)、リプレイGR(2)(リプレイGR(2)とは、リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(7)をいう)、リプレイGR(3)(リプレイGR(3)とは、リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(6)+リプレイ(7)をいう)、リプレイGR(4)、リプレイGR(5)、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
なお、以下の説明において、ビッグボーナス(BB)とベルとの同時当選とは、「BB(1)+ベル」および「BB(2)+ベル」のいずれかを意味するものとする。また、ビッグボーナス(BB)とリプレイ(1)との同時当選とは、「BB(1)+リプレイ(1)」および「BB(2)+リプレイ(1)」のいずれかを意味するものとする。
遊技状態が初期遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、リプレイGR(3)、リプレイGR(4)、リプレイGR(5)、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT(1)であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態では、初期遊技状態であるときと同様に、RB、BB(1)、BB(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(1)+リプレイGR(4)、BB(1)+リプレイGR(5)、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、BB(2)+リプレイGR(4)、BB(2)+リプレイGR(5)、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚、リプレイ(1)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、リプレイGR(3)、リプレイGR(4)、リプレイGR(5)、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT(1)またはRT(2)であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態では、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)、リプレイGR(1)、リプレイGR(2)、リプレイGR(3)、リプレイGR(4)、リプレイGR(5)、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRT(2)では、RB、BB(1)、BB(2)、RB+リプレイ(1)、RB+ベル、RB+チェリー、RB+チェリー+1枚、BB(1)+リプレイ(1)、BB(1)+ベル、BB(1)+リプレイGR(4)、BB(1)+リプレイGR(5)、BB(1)+チェリー、BB(1)+チェリー+1枚、BB(2)+リプレイ(1)、BB(2)+ベル、BB(2)+リプレイGR(4)、BB(2)+リプレイGR(5)、BB(2)+チェリー、BB(2)+チェリー+1枚、リプレイ(1)、リプレイ(2)、リプレイ(3)、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRBでは、黒スイカ+白スイカ、チェリー、チェリー+1枚、ベル、黒スイカ、白スイカが内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
そして、いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合(たとえば、BB(1)+リプレイ(1)当選時と、BB(2)+ベル当選時と、で同一の制御を適用する場合など)においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
テーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合(BB(1)+チェリー、BB(1)+ベルなど)には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。なお、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
なお、本実施の形態では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行なっているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行なってもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(BB(1)+リプレイ(1)など)には、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。なお、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイGR(1)〜(5)(特別役と同時当選している場合も同じ))には、図7に示すように、当選した再遊技役のうち同時当選した再遊技役のグループおよび最初に停止操作がなされたリール(第1停止リール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。
リプレイGR(1)(リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(6)+リプレイ(7))が当選し、左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(4)〜(7)の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、リプレイ(4)を構成する「チェリー」、リプレイ(5)を構成する「白7」、リプレイ(6)を構成する「黒スイカ」、リプレイ(7)を構成する「白スイカ」は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているとともに、リプレイ(4)〜(7)を構成する「ベル」は、中、右リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(1)が当選し、左リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(4)〜(7)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
一方、リプレイGR(1)が当選し、中リールまたは右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(1)の組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、「リプレイ」は全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(1)が当選し、中リールまたは右リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(1)が必ず入賞するようになっている。
リプレイGR(2)(リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(7))が当選し、中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(4)(5)(7)の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、リプレイ(4)を構成する「チェリー」、リプレイ(5)を構成する「白7」、リプレイ(7)を構成する「白スイカ」は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているとともに、リプレイ(4)(5)(7)を構成する「ベル」は、中、右リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(2)が当選し、中リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(4)(5)(7)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
一方、リプレイGR(2)が当選し、左リールまたは右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(1)の組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、「リプレイ」は全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(2)が当選し、左リールまたは右リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(1)が必ず入賞するようになっている。
リプレイGR(3)(リプレイ(1)+リプレイ(4)+リプレイ(6)+リプレイ(7))が当選し、右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(4)(6)(7)の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、リプレイ(4)を構成する「チェリー」、リプレイ(6)を構成する「黒スイカ」、リプレイ(7)を構成する「白スイカ」は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているとともに、リプレイ(4)(6)(7)を構成する「ベル」は、中、右リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(3)が当選し、右リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(4)(6)(7)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
一方、リプレイGR(3)が当選し、左リールまたは中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうちリプレイ(1)の組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、「リプレイ」は全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(3)が当選し、左リールまたは中リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(1)が必ず入賞するようになっている。
リプレイGR(4)(リプレイ(1)+リプレイ(8)+リプレイ(9)+リプレイ(10))が当選した場合には、停止操作がなされた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した再遊技役のうちリプレイ(8)〜(10)の組合せを揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選した再遊技役のうちリプレイ(8)〜(10)の組合せを引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイ(1)を揃えて停止させる制御が行なわれる。図2に示すように、リプレイ(8)を構成する「黒7」、リプレイ(9)を構成する「網7」、リプレイ(10)を構成する「BAR」がいずれかの入賞ライン上に停止する停止位置は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているとともに、リプレイ(8)〜(10)を構成する「リプレイ」は、中、右リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(4)が当選し、左リールを第1停止とした場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(8)〜(10)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
一方で、リプレイ(8)を構成する「黒7」、リプレイ(9)を構成する「網7」、リプレイ(10)を構成する「BAR」がいずれかの入賞ライン上に停止する停止位置は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているものの、これら「黒7」「網7」「BAR」は、左リールにおいて4コマを超えて配置されている箇所が存在するとともに、中、右リールを第1停止とした場合には、リプレイ(8)〜(10)の組合せが揃いうる入賞ラインが限定されるため、中、右リールを第1停止とした場合には、中リールまたは右リールにおいて「リプレイ」が停止した入賞ラインにリプレイ(8)を構成する「黒7」、リプレイ(9)を構成する「網7」、リプレイ(10)を構成する「BAR」のいずれかを最大4コマで引込可能なタイミングで停止操作がなされたことを条件に、リプレイ(8)〜(10)が入賞し、それ以外のタイミングで停止操作がなされた場合には、リプレイ(8)〜(10)が入賞することはない。なお、この場合には、リプレイ(1)が必ず入賞する。
リプレイGR(5)(リプレイ(4)+リプレイ(5)+リプレイ(6)+リプレイ(7))が当選した場合には、第1停止リールがいずれのリールであっても、リプレイ(4)〜(7)の組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図2に示すように、リプレイ(4)を構成する「チェリー」、リプレイ(5)を構成する「白7」、リプレイ(6)を構成する「黒スイカ」、リプレイ(7)を構成する「白スイカ」は、左リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているとともに、リプレイ(4)〜(7)を構成する「ベル」は、中、右リールにおいて4コマ以内の間隔で配置されているため、リプレイGR(5)が当選した場合には、第1停止リール、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたタイミングに関わらず、リプレイ(4)〜(7)のいずれかが必ず入賞するようになっている。
このように本実施の形態では、リプレイGR(1)〜(3)が当選した場合には、リプレイ(1)、リプレイ(4)〜(7)のいずれも入賞させることは可能であるが、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、リプレイGR(3)が当選したか、によって、リプレイ(4)〜(7)の入賞条件となる第1停止リールが異なり、リプレイ(4)〜(7)の入賞条件となる第1停止リールが一致すれば、リプレイ(4)〜(7)が入賞するが、一致しない場合には、リプレイ(1)が入賞することとなる。
また、リプレイGR(4)が当選した場合には、リプレイ(8)〜(10)が優先的に入賞し、リプレイ(8)〜(10)を入賞させることができない場合には、リプレイ(1)が入賞することとなるが、左リールを第1停止リールとすれば、必ずリプレイ(8)〜(10)のいずれかを入賞させることができる。
また、リプレイGR(5)が当選した場合には、停止操作のタイミングや第1停止リールがどのリールであるかに関わらず、必ずリプレイ(4)〜(7)が入賞することとなる。
本実施の形態においてメインCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっている。
なお、本実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行なうようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行なうようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、たとえ、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
また、サブ制御部91は、遊技状態がRT(1)であるときであって、小役の当選時に、当選した小役の種類を報知する小役告知演出を実行する。
たとえば、サブ制御部91は、遊技状態がRT(1)であるときであって、黒スイカに当選したときに、小役告知演出として、黒色のキャラクタを出現させる演出を実行する。
また、サブ制御部91は、遊技状態がRT(1)であるときであって、白スイカに当選したときに、小役告知演出として、白色のキャラクタを出現させる演出を実行する。
また、サブ制御部91は、遊技状態がRT(1)であるときであって、黒スイカ+白スイカに当選したときに、小役告知演出として、黒色のキャラクタと白色のキャラクタとを同時に出現させる演出を実行する。
なお、黒色のキャラクタと白色のキャラクタとを同時に出現させる演出は、遊技状態がRT(1)であるか否かに関わらず、黒スイカ+白スイカに当選したときにはサブ制御部91により実行される。
また、サブ制御部91は、遊技状態がRT(1)であるときであって、特別役と同時に読み出されて当選し得るチェリーに当選したときに、小役告知演出として、鳥のキャラクタを出現させる演出を実行する。これら、小役告知演出については、図15を参照して具体的に説明する。
なお、サブ制御部91は、黒スイカ、白スイカ、チェリーに限らず、その他の入賞役についても、RT(1)中に当選したときに、所定の態様で小役告知演出を実行するものであってもよい。
小役告知演出は、特別役に当選していないときよりも特別役に当選しているときの方が高い割合で実行されるため、小役告知演出が実行されることで、特別役に当選している可能性が示唆されるように構成されている。
なお、小役告知演出は、第1の小役告知演出と第2の小役告知演出があり、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その一方を選択し、選択した種類の小役告知演出を実行するように構成してもよい。この際、特別役に当選している場合には、特別役が当選していない場合よりも第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、第2の小役告知演出が実行されると、第1の小役告知演出が実行された場合よりもさらに特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されることとなる。
また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第2の小役告知演出が選択される比率が高いので、チェリーの当選時に、右リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性、有利度の高い設定値が設定されている可能性と、小役告知演出の種類と、がリンクし、これらリールの表示態様と演出によって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選、有利度の高い設定値が設定されていることに対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。
また、サブCPU91aは、小役告知演出を実行する際に、その開始タイミングを選択し、選択したタイミングから小役告知演出を開始する。開始タイミングは、ゲーム開始時、第1停止時、第2停止時、第3停止時の4つのタイミングであり、特別役が当選している場合には、第3停止時が選択される比率が最も高く、次いで第2停止時、第1停止時、ゲーム開始時の順でその比率が下がるので、第3停止時から開始した場合に、最も特別役に当選している可能性が高い旨が示唆され、第3停止時、第2停止時、第1停止時の順でその可能性は下がる。
また、チェリーと1枚のうちチェリーが単独で当選している場合よりもチェリーと1枚が同時に当選している場合の方が第1停止時、第2停止時が選択される比率が高いので、チェリーの当選時に右リールにおいて「チェリー」図柄が停止した位置が示唆する特別役が当選している可能性、有利度の高い特別役が当選している可能性、有利度の高い設定値が設定されている可能性と、小役告知演出の開始タイミングと、がリンクし、これらリールの表示態様と演出の開始タイミングによって特別役の当選、有利度の高い特別役の当選、有利度の高い設定値が設定されていることに対する遊技者の期待感を相乗的に高めることができる。
本実施の形態では、遊技状態が、RT(1)、RT(2)、RB、BB、およびそれら以外の初期遊技状態からなる。初期遊技状態へは、BB、RB、RT(1)、およびRT(2)のうちのいずれかが終了したとき、または設定変更後に、メイン制御部41により移行する。
本実施の形態では、特別役が当選していない初期遊技状態においてリプレイ(8)〜(10)が入賞したときに、メイン制御部41により、特別役および小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが、再遊技役の当選確率が初期遊技状態よりも高確率となり、かつ1ゲームあたりのメダルの払出率が1を超えるリプレイタイム(1)(RT(1))に制御される。そして、RT(1)は、いずれの特別役も入賞せずに規定ゲーム数(本実施の形態では50ゲーム)に到達するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役に入賞することで終了するようになっている。
本実施の形態では、特別役が当選していない初期遊技状態においてリプレイ(1)が入賞したときに、メイン制御部41により、特別役および小役の抽選確率は初期遊技状態と同一であるが、再遊技役の当選確率が初期遊技状態よりも高確率となり、かつ1ゲームあたりのメダルの払出率(対象となる役の当選確率×払出枚数の合計値/1ゲームに必要な賭数)が1未満となるリプレイタイム(2)(RT(2))に制御される。そして、RT(2)は、いずれの特別役も当選せずに規定ゲーム数(本実施の形態では999ゲーム)に到達するか、リプレイ(2)(3)が入賞するか、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役に当選することで終了するようになっている。
なお、RT(1)は、初期遊技状態からのみ移行させることが可能であり、RT(2)中においてリプレイ(8)〜(10)が入賞してもRT(1)に移行することはなく、一度RT(2)に制御されると、RT(2)が終了し、その後初期遊技状態においてリプレイ(8)〜(10)が入賞するまでは、RT(1)に移行することがない。
ここで遊技状態の移行状況について説明すると、図8に示すように、初期遊技状態(いずれかの特別役が当選している状態を除く)において、リプレイ(8)〜(10)のいずれか、すなわちRT(1)への移行表示結果が導出されると、メダルの増加が期待できるRT(1)に移行する。RT(1)は、いずれの特別役も入賞しなければ、規定ゲーム数(50ゲーム)に到達するまで継続する。そして規定ゲーム数を消化した後、いずれの特別役も当選していなければ、再び初期遊技状態に戻る。一方、規定ゲーム数を消化した後、いずれかの特別役が当選していれば、当選した特別役によるBBまたはRBを経て初期遊技状態に戻る。
また、初期遊技状態においてリプレイ(1)、すなわちRT(2)への移行表示結果が導出されると、メダルの増加が期待できないRT(2)に移行する。RT(2)は、規定ゲーム数(999ゲーム)消化するか、特別役が当選するか、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞するまで継続する。そして、規定ゲーム数を消化するか、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞した場合、すなわちRT(2)の終了表示結果が導出された場合には、再び初期遊技状態に戻る。また、特別役が当選した場合には、当選した特別役によるBBまたはRBを経て初期遊技状態に戻る。
なお、初期遊技状態においていずれかの特別役が当選した場合には、その後、当選した特別役が入賞するまでの間は、RT(1)、RT(2)に移行することはない。
このように本実施の形態では、初期遊技状態(いずれかの特別役が当選している状態を除く)においては、メダルの増加が期待できないRT(2)、メダルの増加が期待できるRT(1)の双方に移行する可能性がある。このため、初期遊技状態からRT(1)へ一度移行すると、RT(1)が終了しても再びRT(1)へ移行する機会が提供されることとなり、RT(1)に周期的に制御することが可能となる。一方、初期遊技状態からRT(2)へ移行すると、当該RT(2)が終了するまでRT(1)へ移行することがないが、RT(2)が終了すると再び初期遊技状態となるため、このような場合でも周期的にRT(1)へ移行する機会が訪れることとなる。すなわち初期遊技状態は、メダルの増加が期待できるRT(1)へ移行する可能性のあるチャンスゾーンとして機能し、このようなチャンスゾーンがRT(2)へ移行した場合でもRT(1)へ移行した場合でも周期的に訪れることとなる。
また、初期遊技状態においてリプレイ(1)が入賞するとメダルの増加が期待できないRT(2)へ移行することとなるが、本実施の形態では、リプレイGR(1)〜(3)が当選した際に、意図的にリプレイ(1)の入賞を回避すること、すなわちリプレイ(4)〜(7)を入賞させることは不可能であり、1/3の確率でリプレイ(4)〜(7)を入賞させてメダルの増加が期待できないRT(2)への移行を回避させることはできるが、2/3の確率でリプレイ(1)が入賞するので、この場合にはRT(2)へ移行することとなる。すなわち、初期遊技状態において、リプレイGR(1)〜(3)が当選した際に、リプレイ(4)〜(7)の入賞条件と一致する操作手順を行なうこと、すなわち遊技者の技術介入によってRT(2)への移行を回避させることができる。この際、リプレイGR(1)が当選するか、リプレイGR(2)が当選するか、リプレイGR(3)が当選するか、によって入賞条件となる操作手順が変化するため、遊技者がどのリプレイGRが当選したのかを推察し、それが当たるか否かによってRT(2)への移行を回避するか否かが決定される。
なお、本実施の形態では、RT(1)への移行表示結果、RT(2)への移行表示結果、RT(2)の終了表示結果としてそれぞれ再遊技役を適用しているが、これらの表示結果として小役を適用してもよいし、いずれの役も入賞しない特定の表示結果(たとえば、小役の取りこぼし時に導出される表示結果など)を適用してもよい。
また、本実施の形態では、当選役の組合せによってRT(2)への移行表示結果の導出を回避するためのリールの停止順が異なる構成であるが、当選役または当選役の組合せによってRT(2)への移行表示結果の導出を回避するためのリールの停止操作のタイミングが異なる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、RT(1)への移行表示結果とRT(2)への移行表示結果が個別に当選するが、RT(1)への移行表示結果とRT(2)への移行表示結果が同時に当選し、RT(1)への移行表示結果を導出させるための操作手順で停止操作がなされた場合に、RT(1)への移行表示結果が導出され、RT(1)への移行表示結果を導出させるための操作手順とは異なる操作手順で停止操作がなされた場合にRT(2)への移行表示結果が導出される構成でも良く、このようにすることでRT(2)への移行を回避するのと同時にRT(1)へ移行させることができる。さらに、RT(1)への移行表示結果とRT(2)への移行表示結果といずれにも移行しない表示結果とが同時に当選し、RT(1)への移行表示結果を導出させるための操作手順で停止操作がなされた場合に、RT(1)への移行表示結果が導出され、RT(2)への移行表示結果を導出させるための操作手順で停止操作がなされた場合に、RT(2)への移行表示結果が導出され、これら以外の操作手順で停止操作がなされた場合にいずれのRTにも移行しない移行表示結果が導出され、この場合には、初期遊技状態が維持される構成としてもよい。
また、本実施の形態では、メダルの増加が期待できるRT(1)が開始した後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選した場合には、RT(1)を終了させず、いずれかの特別役が入賞したとき、またはいずれの特別役も入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(1)を終了させるようになっており、RT(1)の開始後、規定ゲーム数に到達する前にいずれかの特別役が当選しても、その当選した特別役が入賞しなければ、特別役の当選をもってRT(1)が終了することがなく、当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(1)に継続して制御することが可能となるため、RT(1)において特別役が当選してもその当選した特別役を入賞させなければ、規定ゲーム数に到達するまでRT(1)を消化することが可能となる。
また、特別役の当選フラグは、該特別役が入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、RT(1)が規定ゲーム数に到達することによって終了した後に、その間に当選した特別役を入賞させることが可能となる。また、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ラインに揃える制御が優先されるため、再遊技役の当選確率の高いRT(1)が継続している間は、特別役が当選しているか否かを判別することが困難であり、RT(1)の終了時に特別役が当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施の形態では、遊技者にとって不利な遊技状態であり、かつRT(1)へ移行することのないRT(2)においてリプレイ(2)またはリプレイ(3)が入賞すると、当該RT(2)が終了して再び遊技者にとって有利なRT(1)に移行する可能性のある初期遊技状態へ移行するので、遊技者にとって不利な遊技状態であり、かつRT(1)へ移行することのないRT(2)であっても、再び遊技者にとって有利なRT(1)へ移行することに対する期待感を持続させることができる。
また、RT(2)においてリプレイ(4)〜(7)が当選する場合には、必ず特別役と同時に当選するようになっており、初期遊技状態においてRT(2)へ移行することとなるリプレイ(1)の入賞を回避した際に出現するリプレイ(4)〜(7)のいずれかが入賞した場合には、必ず特別役も当選しているため、初期遊技状態であれば、リプレイ(4)〜(7)が入賞することによりRT(2)への移行を回避した旨を報知することができ、RT(2)であれば、リプレイ(4)〜(7)が入賞することにより特別役の当選が示唆されるので、初期遊技状態のみならず、RT(2)においてもリプレイ(4)〜(7)が優位な入賞となる。
また、RT(2)においてリプレイ(8)〜(10)が当選する場合にも、必ず特別役と同時に当選するようになっており、初期遊技状態において遊技者にとって有利なRT(1)へ移行することとなるリプレイ(8)〜(10)のいずれかが入賞した場合にも、必ず特別役も当選しているため、初期遊技状態であれば、リプレイ(8)〜(10)が入賞することにより遊技者にとって有利なRT(1)に移行し、RT(2)であれば、リプレイ(8)〜(10)が入賞することにより特別役の当選が示唆されるので、初期遊技状態のみならず、RT(2)においてもリプレイ(8)〜(10)が優位な入賞となる。
なお、本実施の形態では、RT(2)の開始後、規定ゲーム数に到達する前に、終了表示結果(リプレイ(2)、リプレイ(3))が導出されることで、RT(2)が終了し、初期遊技状態に移行するようになっているが、終了表示結果を設けず、規定ゲーム数に到達するか、特別役が当選したときにRT(2)を終了させるようにしてもよいし、規定ゲーム数を設けず、終了表示結果が導出されるか、特別役が当選したときにRT(2)を終了させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、いずれの契機で移行した初期遊技状態であっても、RT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率およびRT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率が共通であるが、RT(2)がリプレイ(2)の入賞により終了して移行した初期遊技状態と、リプレイ(3)の入賞により終了して移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、RT(2)がリプレイ(2)の入賞により終了したか、リプレイ(3)の入賞により終了したか、すなわち複数種類の終了表示結果のうちどの終了表示結果が導出されたかによって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができる。
たとえば、一方の初期遊技状態において、他方の初期遊技状態よりもRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率を高くすると、一方の初期遊技状態の方が他方の初期遊技状態よりもRT(1)へ移行する可能性が高まる。この際、一方の初期遊技状態において、他方の初期遊技状態よりもRT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率を低くすると、一方の初期遊技状態の方が他方の初期遊技状態よりもRT(1)へ移行する可能性が高まることとなり、一方の初期遊技状態において、他方の初期遊技状態よりもRT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率を高くすると、一方の初期遊技状態の方が他方の初期遊技状態よりも少ないゲーム数でRT(1)またはRT(2)のいずれかに移行することとなる。
このため、たとえば、リプレイ(3)が入賞して初期遊技状態に移行した場合には、リプレイ(2)が入賞して初期遊技状態に移行した場合よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、RT(2)においてリプレイ(3)が入賞した際に、リプレイ(2)が入賞した場合よりもRT(1)へ移行することへの期待感を高めることができる。
また、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞してRT(2)が終了して移行した初期遊技状態と、規定ゲーム数の消化によってRT(2)が終了して移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、RT(2)が終了表示結果の導出により終了したか、規定ゲーム数の消化により終了したか、によって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができる。たとえば、規定ゲーム数の消化によってRT(2)が終了して初期遊技状態に移行した場合には、リプレイ(2)、リプレイ(3)が入賞してRT(2)が終了して初期遊技状態に移行した場合よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、規定ゲーム数が経過する前にRT(2)が終了した場合よりも規定ゲーム数まで到達してRT(2)が終了した場合の方が、RT(1)へ移行することへの期待感を高めることができる。
また、BBまたはRBの終了後に移行した初期遊技状態と、RT(1)またはRT(2)が終了して移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、BBまたはRBの終了後に移行した初期遊技状態、すなわちボーナスの終了後に移行したか、RT(1)またはRT(2)が終了して移行したか、によって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができる。たとえば、RT(1)の終了後に初期遊技状態に移行した場合には、BBまたはRBの終了後に初期遊技状態に移行した場合よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、BBやRBの終了時よりも一度RT(1)へ移行した後の方が、再びRT(1)へ移行することへの期待感を高めることができる。また、RT(1)の終了後に初期遊技状態に移行した場合には、BBまたはRBの終了後に初期遊技状態に移行した場合よりも、滞在期間を短くすることで、一度RT(1)へ移行した後は、初期遊技状態とRT(1)のループの流れを早めることができる。
また、RT(1)が終了して移行した初期遊技状態と、RT(2)が終了して移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、遊技者にとって有利なRT(1)の終了後に移行したか、遊技者にとって不利なRT(2)が終了して移行したか、によって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができる。たとえば、RT(2)が終了して初期遊技状態に移行した場合には、RT(1)が終了して初期遊技状態に移行した場合よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、RT(1)の終了時よりもRT(2)の終了時の方がRT(1)への移行が期待できるので、RT(2)が終了するまでゲームを継続しようという意欲を持続させることができる。
また、BBが終了して移行した初期遊技状態と、RBが終了して移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、複数種類のボーナスのうちどの種類のボーナスの終了後に移行したかによって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができる。たとえば、BBが終了して初期遊技状態に移行した場合に、RBが終了して移行した初期遊技状態よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、BBの終了時においてRBの終了時よりもRT(1)へ移行することへの期待感を高めることができる。
また、設定変更後に移行した初期遊技状態と、その他の契機で移行した初期遊技状態と、でRT(1)への移行契機となるリプレイ(8)〜(10)(リプレイGR(4))の当選確率、RT(2)への移行契機となるリプレイ(1)(リプレイGR(1)〜(3))の当選確率の一方または双方が異なるようにしても良く、このようにすることで、設定変更後に移行したか、それ以外の契機で移行したか、によって、その後の初期遊技状態において、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行する割合、遊技者にとって不利なRT(2)へ移行する割合の一方または双方を変化させることが可能となり、同じ初期遊技状態であってもゲームの流れに変化を持たせることができるとともに、朝一の初期遊技状態においてRT(1)へ移行するか、RT(2)へ移行するか、或いは、初期遊技状態の滞在期間の違いによって設定変更されたか否かを推測することができる。また、設定変更後に初期遊技状態に移行した場合には、その他の契機で初期遊技状態に移行した場合よりも、RT(1)へ移行する可能性を高くすることで、設定変更後に有利なRT(1)へ移行することが期待できるため、開店直後のスロットマシンの稼働を向上させることができる。
本実施の形態では、RT(2)において終了表示結果が導出されることでRT(2)が終了するようになっているが、規定ゲーム数の定められていないRT(2)中に、終了表示結果が導出されることで、規定ゲーム数の定められた終了用RTに移行させることによりRT(2)を終了させるようにしてもよい。
また、規定ゲーム数の定められていないRT(2)中に、終了表示結果が導出されることで、規定ゲーム数の定められた終了用RTに移行させることによりRT(2)を終了させる構成とした場合には、終了用RTにおける再遊技役の当選確率をRT(2)よりも高く設定するとともに、終了表示結果と特別役が同時可能とし、終了表示結果と同時当選する特別役の当選時においては再遊技役の当選確率がRT(2)よりも高く設定された当選後RTに移行させるようにすることが好ましく、再遊技役と特別役が同時に当選した場合には再遊技役の入賞が優先され、特別役の入賞が困難となるので、RT(2)において終了表示結果が導出された後、終了用RTが終了するまでは、特別役に当選しているか否かを判別することが困難となるため、RT(2)において終了表示結果が導出されたことに伴う特別役の当選に対する期待感を持続させることができる。
本実施の形態では、初期遊技状態においてRT(1)に移行する契機となるリプレイ(8)〜(10)の入賞が許容されるリプレイGR(4)が特別役と同時に当選することがあり、RT(1)においてリプレイGR(4)と特別役が同時に当選し、リプレイ(8)〜(10)のいずれかが入賞した場合でも、RT(1)へ移行しないようになっている。
次に、停止順告知演出について説明する。停止順告知演出とは、リール2L、2C、2Rのうちのいずれを第1停止リールとすれば、リプレイ(1)による入賞の発生を避けることができるのかをリールの第1停止前に告知するための演出である。この停止順告知演出は、リプレイGR(1)〜(4)のいずれかが当選した場合に実行される。遊技者は、停止順告知演出により告知されるリールを第1停止させることにとより、RT(2)への移行の契機となるリプレイ(1)の入賞が発生することを避けることができる。停止順告知演出は、たとえば、リール2L,2C,2Rの回転開始後、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aに第1停止させるべきリールの種類を表示することによって行なわれる。あるいは、第1停止させるリールをリールLED55によって特有の態様で照射してもよい。あるいはまた、第1停止させるリールに対応する特有音により、さらには特有音とリールLED55または画像表示との組合せによって、第1停止させるリールを告知してもよい。
本実施の形態では、リプレイGR(1)〜(3)のいずれかが当選した場合に、第1停止リールとしてどのリールが選択された場合でも必ずリプレイ(1)またはリプレイ(4)〜(7)のいずれかが入賞するので、そのゲームだけで見れば払出期待値に差はないが、前述のように初期遊技状態においてリプレイ(1)が入賞すると、初期遊技状態が終了し、メダルの増加が期待できず、かつRT(1)へ移行することのないRT(2)へ移行してしまうこととなるため、リプレイGR(1)〜(3)が当選した際に、リプレイ(1)ではなく、リプレイ(4)〜(7)を入賞させることで、初期遊技状態が終了してしまうことを回避することができる。
しかしながら、リプレイGR(1)〜(3)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(4)〜(7)が入賞することとなる第1停止リールを選択することはできず、1/3の割合でリプレイ(4)〜(7)が入賞することとなる第1停止リールが選択されるが、2/3の割合でリプレイ(1)が入賞することとなる第1停止リールが選択され、初期遊技状態が終了してRT(2)へ移行してしまうこととなる。
これに対してサブCPU91aは、リプレイGR(1)〜(3)のいずれかが当選した場合に、リプレイ(4)〜(7)が入賞することとなる第1停止リール(リプレイGR(1)の当選時であれば左リール、リプレイGR(2)の当選時であれば中リール、リプレイGR(3)の当選時であれば右リール)を報知する停止順報知を実行することが可能である。停止順報知が実行されることにより、遊技者はリプレイ(4)〜(7)が入賞することとなる第1停止リールを特定することが可能となり、報知されたリールを第1停止とすることでリプレイ(1)ではなくリプレイ(4)〜(7)を入賞させることが可能となり、初期遊技状態が終了してRT(2)へ移行してしまうことを回避することができるようになっている。
また、本実施の形態では、初期遊技状態においてリプレイGR(4)が当選した際に、左リールを第1停止とすれば、RT(1)へ移行させるためのリプレイ(8)〜(10)を確実に入賞させることが可能であるが、左リール以外のリールを第1停止とした場合には、リプレイ(8)〜(10)を取りこぼす可能性があるうえに、リプレイ(1)が入賞してしまい、初期遊技状態が終了してしまう可能性があるが、サブCPU91aは、初期遊技状態においてリプレイGR(4)が当選した場合に、左リールを報知する停止順報知を実行することが可能であり、停止順報知が実行されることにより、遊技者はリプレイ(8)〜(10)が入賞することとなる第1停止リールを特定することが可能となり、報知されたリールを第1停止とすることでリプレイ(1)ではなくリプレイ(8)〜(10)を入賞させることが可能となり、遊技者にとって有利なRT(1)へ移行させることができるうえに、初期遊技状態が終了してRT(2)へ移行してしまうことを回避することができるようになっている。
なお、停止順報知は、第1停止リールを遊技者が認識可能なものであれば良く、第1停止リールまたは停止順を示唆する画像などを液晶表示器51に表示することで報知するものや、対応するLEDの点灯、対応する音声の出力などによって報知するものであってもよい。
従来から、内部抽選で特定の役が当選したときに、さらに複数の異なるリールの停止順から入賞条件となる停止順を選択する停止順抽選を行ない、この停止順抽選で当選した停止順と一致する停止順で各リールの停止操作が行なわれたことを条件に、内部抽選で当選した特定の役が入賞可能とし、停止順抽選で当選した停止順とは異なる停止順で各リールの停止操作が行なわれた場合には、内部抽選で特定の役が当選しても、この特定の役を入賞不可能とするとともに、特定の役が当選した際に、停止順抽選で当選した停止順が報知されるか否かによって遊技者の有利度に変化を持たせるようにしたスロットマシンが提案されている。
しかしながら、従来のスロットマシンでは、複数の異なるリールの停止順から入賞条件となる停止順を決めるために、内部抽選とは別に停止順抽選を行なう必要があり、入賞条件となる停止順を決定するための制御が複雑となってしまうという問題があった。また、入賞条件が、本来入賞を許容するか否かを決定する内部抽選とは別の入賞条件のみを決定する停止順抽選で決定されることから特定の入賞条件が選択される乱数の範囲が大きくなり、乱数の周期から停止順抽選によって特定の入賞条件が選択されるタイミングを特定することが容易となり、これを利用して不正行為がなされる可能性が高まるので、遊技の公正を害する虞があった。
これに対して本実施の形態では、リプレイGR(1)が当選したか、リプレイGR(2)が当選したか、リプレイGR(3)が当選したか、に応じて初期遊技状態からRT(2)へ移行する契機となるリプレイ(1)以外の再遊技役が入賞することとなる第1停止リール、すなわちRT(2)への移行表示結果の導出を回避するための操作手順が異なり、リプレイGR(1)〜(3)のいずれかが当選した場合に、その種類が分からなければ意図的にリプレイ(1)以外の再遊技役が入賞することとなる第1停止リールを選択することができないことを利用して、停止順報知により最初に停止すべきリールが報知されるか否かによって遊技者にとって不利なRT(2)への移行を回避することができるようになっている。
また、複数の異なる順番からリプレイ(1)以外の再遊技役を入賞させる停止操作の順番が、入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選のみによって決定されるため、これら停止操作の順番を決定するための制御が複雑となることがないうえに、内部抽選以外の抽選結果によってゲームの結果が左右されることがないので、遊技の公正を害する虞もない。
本実施の形態では、所定の停止順告知開始条件が成立すると、初期遊技状態においてリプレイGR(1)〜(4)が当選したときに停止順告知演出が実行される。初期遊技状態においてにおいて遊技者はRT(2)への移行を回避するために、操作タイミングをはかった停止操作(いわゆる目押し)を行なう必要がなく、初期遊技状態におけるゲームの消化スピードを高めることができるため、スロットマシンの稼働を上げることができる。
停止順告知演出が行なわれると、リプレイGR(1)〜(3)が当選したときに、RT(2)へ移行することとなるリプレイ(1)の入賞を回避する操作手順を特定できるため、RT(2)への移行を回避しつつ、リプレイGR(4)の当選を待って、リプレイ(8)〜(9)を入賞させてRT(1)へ移行させることが可能となるので、停止順報知に従ってゲームを行なうことで確実にRT(1)へ移行させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、当選役の組合せによってRT(2)への移行表示結果の導出を回避するためのリールの停止順が異なる構成であるが、当選役または当選役の組合せによってRT(2)への移行表示結果の導出を回避するためのリールの停止操作のタイミングが異なる構成としても良く、この場合には、当選役または当選役の組合せに応じてRT(2)への移行表示結果の導出を回避するためのリールの停止操作のタイミングを特定可能に報知すれば、上記のように確実にRT(1)へ移行させることが可能となる。
サブCPU91aは、予め定めた停止順告知開始条件の成否を判定し、停止順告知条件が成立したと判定したときには、所定の停止順告知終了条件が成立するまでの間、初期遊技状態において停止順告知演出を行なう“チャンスゾーン”に制御する。たとえば、本実施の形態では、ビッグボーナス当選したことを契機として停止順告知開始条件の成否が判定される。停止順告知開始条件の成立率は、次に説明するフリーズの実行の有無で異なっている。
次に、フリーズについて説明する。本実施の形態では、所定のフリーズ条件が成立すると所定タイミングでスロットマシンがフリーズするとともに、フリーズ期間において所定のフリーズ演出が実行される。
フリーズとは、ゲームが進行しない状態をいう。特には、本来、ゲームが進行すべきところで敢えてゲーム進行を保留させることにより、遊技者に対して何らかの情報を遊技者に対して示唆する演出の一態様である。それゆえ、フリーズは、いわゆるウエイトタイムとは別の概念である。
なお、ウエイトタイムとは、ゲームがあまりに早く進行し過ぎてしまうことを規制するためにスロットマシンに設定された、ゲーム進行規制期間である。本実施の形態に係るスロットマシンでは、このウエイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウエイトタイムが経過した後に、リールが始動するように設計されている。したがって、十分な時間間隔を空けて複数のゲームを順次行なっている場合にはスタートスイッチ7の操作時にゲームの進行が規制されることはないが、遊技者が複数のゲームを短時間で消化しているような場合にはウエイトタイムによってゲームの進行が規制され、ウエイトタイムが経過するまでの間、リールの始動待ち状態となる。フリーズは、このようなウエイトタイムが経過していても発生し得る。
たとえば、本実施の形態では、ウエイトタイムが経過した後にスタートスイッチ7の操作による有効なスタート操作を検出しても所定のフリーズ期間が経過するまでの間、リールを回転開始させないことによってフリーズを実現している。なお、ウエイトタイム中にスタート操作が検出されたときには、ウエイトタイムが経過した後にフリーズを発生させてもよく、あるいは、フリーズ期間でウエイトタイムを吸収するようにしてもよい。また、前者のようにした場合、ウエイトタイムとフリーズとの違いを明確に遊技者に伝えるために、表示画面等にウエイトタイム中であることを表示するなどして、ウエイトタイムを報知してもよい。
図9にフリーズに関してメイン制御部41が用いる各種の制御テーブルを示す。
フリーズ条件は、たとえば、本実施の形態では、リプレイ(1)とBBとの同時当選、ベルとBBとの同時当選、リプレイ(1)の単独当選、およびベルの単独当選のいずれかの当選状況が発生し、かつ、フリーズ決定テーブルを用いた乱数抽選によってフリーズの実行有と判定されたときに成立する。なお、リプレイ(1)の単独当選、およびベルの単独当選が発生したときには、図9に示すフリーズ決定テーブルを用いる前に、リプレイ(1)およびベルの各々に対応して予め定めた抽選率に従って、一次抽選を行なう。そして、一次抽選で当選した場合にのみ、図9に示すフリーズ決定テーブルを用いてフリーズ実行の有無を判定する。これらの判定はメイン制御部41が行なう。
要するに、本実施の形態では、リプレイ(1)またはベルが当選することを条件として、フリーズが発生する。以下、“フリーズを発生させる特定の役”という意義において、リプレイ(1)およびベルを“特定役”とも称する。リプレイ(1)およびベルは共にBBとの同時当選の可能性がある入賞役である。それゆえ、上記フリーズ条件に従いフリーズを発生させると、遊技者に対してBB当選の期待感を与えることが可能となる。
フリーズのタイミングは、フリーズ条件が成立したゲームの開始時またはフリーズ条件が成立したゲームの次回のゲームの開始時である。すなわち、メイン制御部41は、フリーズの実行有と判定する際、今回のゲームでフリーズを実行するか、あるいは次回のゲームでフリーズを実行するかを併せて決定する。以下、メイン制御部41が今回のゲームで実行すると決定されたフリーズを今回フリーズと称し、次回のゲームで実行すると決定されたフリーズを次回フリーズまたは持ち越しフリーズと称する。
フリーズの発生確率、および今回フリーズが発生するか次回フリーズが発生するかは、遊技状態がRT(1)であるか、RT(2)であるか、それ以外(初期遊技状態)であるかによって異なる。このように遊技状態の種類によってフリーズが実行される割合が変化するため、より一層興趣の向上を図ることが可能となる。
さらに、所定のフリーズ高確率条件が成立すると、遊技状態がフリーズ発生確率が所定確率であるフリーズ通常確率状態から、フリーズ発生確率が所定確率よりも高いフリーズ高確率状態に変化する。フリーズ高確率条件は、たとえば、所定のフリーズ確率変動役に当選することである。本実施の形態では、フリーズ確率変動役の一例として、「スイカ(黒スイカおよび白スイカ)」が設定されている。
メイン制御部41は、「スイカ」が当選すると、所定のゲーム数乱数とゲーム数抽選用テーブルとを用いてフリーズ高確率状態とするゲーム数を抽選する。
図9(A)にゲーム数抽選用テーブルを示す。ゲーム数抽選用テーブルが用いられて抽選されるゲーム数は、0ゲーム、50ゲーム、および100ゲームのいずれかである。50ゲームまたは100ゲームが抽選されると、「スイカ」が当選してから抽選結果に応じたゲーム数が消化されるまでの間、フリーズ高確率状態となる。一方、0ゲームが抽選されたときには、フリーズ高確率状態へは移行しない。図9(A)に示すゲーム数抽選用テーブルによれば、フリーズ高確率状態へ移行する確率は50%であり、うち、フリーズ高確率状態が50ゲーム継続する確率と100ゲーム継続する確率とはいずれも25%である。なお、この確率は、適宜変更してもよく、たとえば、必ずフリーズ高確率状態へ移行するようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、フリーズ確率変動役が当選した後の特定期間は、他の期間に比べてフリーズの発生頻度が高められることがあるため、フリーズ確率変動役が当選した後は、フリーズの実行を通じてビッグボーナス当選が期待できる数多くのゲームを提供できる。
次に、図9(B)を参照して、フリーズ決定テーブルについて説明する。図9(B)には、遊技状態別(初期遊技状態(非RT)、RT(1)、RT(2))にフリーズ決定テーブルが示されている。図示するように、用いられるフリーズ決定テーブルは、当選状況により異なるとともに、フリーズ高確率状態であるか(フリーズ高確率フラグがONしているか否か)により異なる。
たとえば、図9のRT(2)に対応するフリーズ決定テーブルに注目する。まず、リプレイ(1)の単独当選の場合と、リプレイ(1)とBBとの同時当選の場合とを比較すると、前者よりも後者の方がフリーズ有(今回フリーズおよび次回フリーズを含めて)が抽選される率が高い。このため、フリーズが発生したときには、遊技者に対してBBが同時当選していることに対する高い期待感を抱かせることができる。このことは、ベルの単独当選の場合と、ベルとBBとの同時当選の場合とでも同様である。
次に、今回フリーズと次回フリーズとの抽選率に注目する。たとえば、RT(2)に対応する「リプレイ(1)+BB」のテーブル12と、「リプレイ(1)単独」のテーブル14とを比較する。これら2つのテーブルは、いずれもフリーズ高確率フラグが設定されていないフリーズ低確率状態において選択されるテーブルである。
両テーブル12、14を比較すると、「リプレイ(1)+BB」のテーブル12は今回フリーズ抽選率が30%、次回フリーズ抽選率が20%、「リプレイ(1)単独」のテーブル14は今回フリーズ抽選率が15%、次回フリーズ抽選率が5%である。
また、本実施の形態において、「リプレイ(1)+BB」の当選率は1/2000である一方、「リプレイ(1)単独」の当選率は1/7.3でありかつフリーズの一次抽選率は1/140である。
すると、今回フリーズでBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[1]によって略51%と計算される。
(1/2000 * 30/100)/{(1/7) * (1/140) * (15/100)+(1/2000 * 30/100)}…[1]
また、次回フリーズでBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[2]によって略66%と計算される。
(1/2000 * 20/100)/{((1/7) * (1/140) * (5/100)+(1/2000 * 20/100)}…[2]
このように、本実施の形態では、フリーズが発生したときにはBB当選を期待できるようにするのみならず、BBが当選していることを期待できる期待度を今回フリーズ時と次回フリーズ時とで異ならせていることによって、遊技者に対して単にフリーズが発生することに期待を抱かせるのみならず、今回フリーズであるか次回フリーズであるかの違いに応じて異なる度合いの期待を抱かせることができる。
なお、ここでは、RT(2)でありかつフリーズ低確率状態における「リプレイ(1)+BB」と「リプレイ(1)単独」とのフリーズ抽選率を代表して説明したが、本実施の形態に係るスロットマシンは、RT(2)であるか否か、およびフリーズ低確率状態であるか否かに関わらず、同様に今回フリーズよりも次回フリーズの方がBB期待度が高くなるように設計されている。また、このことは、「ベル+BB」と「ベル単独」とのフリーズ抽選率についても同様である。
また、本実施の形態では、今回フリーズよりも次回フリーズの方がBB期待度が高くなるようにしているが、逆に次回フリーズよりも今回フリーズの方がBB期待度が高くなるようにしてもよい。
なお、表示結果としてリプレイ(1)が表示されたときにBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[3]によって略0.3%と計算される。
(1/2000)/(1/7+1/2000)…[3]
さらに、今回フリーズと次回フリーズとの抽選率に注目する。たとえばRT(2)に対応する「リプレイ(1)+BB」および「リプレイ(1)単独」の欄の「今回フリーズ」欄に示される抽選率および「次回フリーズ」欄に示される抽選率は、「ベル+BB」および「ベル単独」の欄の「今回フリーズ」欄に示される抽選率および「次回フリーズ」欄に示される抽選率と同じである。
端的にいうと、「リプレイ(1)+BB」および「リプレイ(1)単独」の場合と、「ベル+BB」および「ベル単独」の場合とで、今回フリーズおよび次回フリーズの抽選率が相互に入替えられた形となっている。このことは、RT(1)に対応するフリーズ決定テーブルについても同様である。
図に示すフリーズ決定テーブルを採用することにより、以下のような効果が得られる。すなわち、フリーズは、当選結果にリプレイ(1)またはベルが含まれる場合に実行され、その実行タイミングはそのような当選結果が得られたゲームまたは次回のゲームとされている。このため、前回のゲームの表示結果がリプレイ(1)およびベルのいずれでもなかったときにフリーズが発生した場合、遊技者は今回発生したフリーズが前回ゲームからの持越しフリーズでなく、今回のゲームでリプレイ(1)およびベルのいずれかが当選している可能性が高いと判別できる。さらに、リプレイ(1)およびベルのいずれかが当選していることから、併せてビッグボーナスが当選している可能性がある。
それゆえ、このような場合には、遊技者に対して、ビッグボーナスが同時当選していることの期待を抱かせることができる。ただし、遊技者は、リプレイ(1)およびベルのいずれが当選しているのかということまでは判別できない。
ところで、たとえば、RT(2)に対応するフリーズ決定テーブルを参照して明らかなとおり、各フリーズ決定テーブルは、リプレイ(1)とベルとで今回フリーズの抽選率と次回フリーズの抽選率とを入替えた構成とされている。これは、RT(1)に対応するフリーズ決定テーブルについても同様である。
このため、たとえば、図に示したフリーズ決定テーブルによれば、当選結果がリプレイ(1)の場合には、リプレイ(1)が単独当選した時よりもBBと同時当選した時の方がフリーズが発生し易い一方、当選結果がベルの場合にはその逆になる(なお、この関係を逆にしたフリーズ決定テーブルを採用してもよい。)。
それゆえ、このように構成されたフリーズ決定テーブルを採用した場合には、フリーズが発生したときに、前回のゲームの結果を遊技者が覚えておくことによって、そのフリーズが今回のゲームの当選結果に基づくものであるか否かをある程度は判別できるという趣向性の高いゲームを提供できるのみならず、フリーズが今回のゲームの当選結果に基づくものであるときには、フリーズを発生させた役がベルであるよりもリプレイ(1)であることを期待しながらゲームに興じる面白さをも遊技者に提供することができる。
逆に、フリーズが発生したとき、前回のゲームの結果がリプレイ(1)またはベルの場合には、今回のフリーズは持越しフリーズの可能性が高いと判別できる。この場合、持越しフリーズを発生させた役がベルであるよりもリプレイ(1)であることを期待しながらゲームに興じる面白さを遊技者に提供することができる。
このように、フリーズ決定テーブルを、リプレイ(1)とベルとで今回フリーズの抽選率と次回フリーズの抽選率とを入替えた構成とすることにより、今回フリーズ、次回フリーズのいずれを発生させた場合にも、遊技者にビッグボーナス当選に対する大きな期待感を抱かせることができる。
次に、図10を参照して、停止順告知演出が行なわれる“チャンスゾーン”の抽選(停止順告知開始条件の成否判定)について説明する。図10は、停止順報知に関する権利数を決定するための制御テーブルを示す図である。サブ制御部91は、ビッグボーナスに当選すると、図10に示す制御テーブルと権利数決定用乱数とを用いることにより、チャンスゾーンへ移行させるか否かの抽選を行なう。また、サブ制御部91は、図10に示す制御テーブルと権利数決定用乱数とを用いることにより、併せて、チャンスゾーンの権利数も決定する。
チャンスゾーンの権利数とは、チャンスゾーンに移行してから発生したRT(1)の回数である。サブ制御部91は、ビッグボーナス当選したゲームにおいてチャンスゾーンへの移行有と決定すると、ビッグボーナス当選に基づいたビッグボーナスが発生・終了して初期遊技状態となってから、リプレイGR(1)〜(4)のいずれかが当選したことに基づいて停止順告知演出を実行する。その後、遊技状態がRT(1)に移行する毎に、図10に示す制御テーブルを用いて決定したチャンスゾーンの“権利数”を1減算し、権利数が0となった時点でチャンスゾーンの制御を終了して停止順告知演出が行なわれない遊技状態とする。
図10に示すように、チャンスゾーンへの移行有とされる決定率およびチャンスゾーンの権利数の割合は、ビッグボーナスが当選したゲームにおいてフリーズの実行有と決定されたか、フリーズの実行無と決定されたかによって異なっている。たとえば、図10の例では、フリーズ有の場合には必ずチャンスゾーンが設定される。これに対して、フリーズ無の場合には90%の確率でチャンスゾーンが設定されず、しかも、権利数は1回か2回に限られる。このため、フリーズが発生したときには、遊技者に対して、チャンスゾーンが付加されることに対する期待感をさらに与えることができる。また、これにより遊技者にとってのゲームの有利度合いが高められるために、より一層、興趣を向上できる。
次に、図11を参照して、フリーズの発生とフリーズ演出、およびフリーズ演出後のステップアップ演出(特別演出)について説明する。図11は、これらを説明するためのタイミングチャートである。なお、図11の「演出制御」欄に示される「(a)、(b1)、(b2)、(c)、(d)、(e1)、(e2)、(e3)」は、図14を用いて後述するフリーズ演出およびステップアップ演出の画面例に対応する符号である。
フリーズが実行される場合には、図11に示すように有効なスタート操作が検出された段階で遊技制御基板40のメイン制御部41から演出制御基板90のサブ制御部91に対してフリーズの実行有の情報を含む内部当選コマンドが送信される。
サブ制御部91は、このコマンドに基づいてフリーズ期間においてフリーズ演出を実行する。一方、メイン制御部41は、図示のとおり、フリーズ期間が経過するまでリールの回転を開始させない。
メイン制御部41は、フリーズ期間が経過したときに全リール2L、2C、2Rを回転開始させるとともに、リール回転開始コマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91はこのコマンドに基づいて、第1ステップ演出を実行する。なお、第1ステップ演出は、それまで行なわれていたフリーズ演出に関連する演出である。“関連する”とは、たとえば、演出が特定のストーリを進行させるものである場合には、第1ステップ演出は、フリーズ演出のストーリの続きである。
次に、1つ目のリールを停止させる第1停止操作が検出されると、メイン制御部41は、対応するリールを停止させる制御をするとともにサブ制御部91に対してリール停止コマンドを送信する。サブ制御部91は、このコマンドを受信し、第1ステップ演出から第2ステップ演出へと演出の内容を切り換える。
同様に、2つ目のリールを停止させる第2停止操作、3つ目のリールを停止させる第3停止操作がそれぞれ検出されたことに応じて、メイン制御部41は、対応するリールを停止させる制御をするとともにサブ制御部91に対してリール停止コマンドを送信する。サブ制御部91は、これらのコマンドを受信し、第2ステップ演出から第3ステップ演出へ、さらに第3ステップ演出から最終ステップ演出へと演出の内容を切り換える。
このように、本実施の形態では、ステップアップ演出に先立ってその内容に関連したフリーズ演出が実行されるため、まず、演出の前段としてフリーズ演出を実行した上で、続くステップアップ演出の内容へと遊技者をスムーズに導くことができる。
なお、ここでは、フリーズ演出を前段演出として実行される特別演出の一例としてステップアップ演出を挙げたが、ステップアップしていかないような演出であってもよい。
次に、図12および図13に示すタイミングチャートを用いてフリーズの制御を説明する。本実施の形態では、“特定役”の一例となるリプレイ(1)またはベルが当選することを条件として、フリーズを発生させることが決定される。
たとえば、図12(A)に示すように、あるゲームにおいて特定役が当選(「スタート操作」の欄参照)することに基づいて今回フリーズとすることが決定されると、今回フリーズフラグが設定(図では今回フリーズフラグがON)されてその決定がされた今回ゲームにおいてフリーズが実行される。
一方、図12(B)に示すように、第1ゲームにおいて次回フリーズとすることが決定されると、次回フリーズフラグが設定される(図では次回フリーズフラグがON)。この場合には、第1ゲームにおいてフリーズは発生せず、第2ゲームにフリーズが持ち越されて第2ゲームにおいてフリーズが発生する(ただし、第2ゲームにおいて特定役非当選)。図示のとおり、次回フリーズフラグは第1ゲームにおいて設定されてから第2ゲームにおいても設定された状態が保持されている。
ところが、図13(C)に示すように、第1ゲームにおいて次回フリーズフラグが設定されることにより第2ゲームにフリーズが持ち越された場合において、「スタート操作」の欄に示したように第2ゲームの開始時に特定役が当選する場合がある。この場合には、第2ゲームではフリーズを発生させることなく、第1ゲームで設定された次回フリーズフラグが第3ゲームへと持ち越される。そして、第3ゲームで特定役が非当選であることを条件として、当該第3ゲームにおいてフリーズが発生する。
すなわち、本実施の形態では、第1ゲームにおいて次回フリーズの実行が決定されたものの、第2ゲームにおいて特定役が当選したときには、当該第2ゲームでフリーズを発生させずに第3ゲームにおいてフリーズを発生させる。
仮に、特定役が当選した第2ゲームにおいて、第1ゲームでの決定に従ってフリーズを発生させると、フリーズ発生後の第2ゲームの結果として特定役による入賞が発生した場合(優先的に引込むために可能性は高い)には、当該第2ゲームで実行されたフリーズが、第1ゲームで決定された次回フリーズに基づくものであるのか、あるいは第2ゲームで決定された今回フリーズに基づくものであるのか、遊技者は判別不能となる。
その結果、せっかく、図9に示したようにフリーズ決定テーブルを構成することによって次回フリーズの場合と今回フリーズの場合とでBBが当選していることを遊技者が期待できる期待度を異ならせることとした意義が失われてしまう。
これに対して、図13(C)を用いて説明したように特定役が当選した第2ゲームでは次回フリーズフラグをさらに次の第3ゲームに持ち越すように制御すれば、第2ゲームにおいてフリーズが発生することなく、第3ゲームにおいてフリーズが発生することになるため、当該フリーズが第1ゲームで決定された次回フリーズに基づくものであることを遊技者が判別可能となる。
なお、第3ゲームにおいて、さらに特定役が当選したときには、当該第3ゲームにおいてフリーズを実行することなく、第4ゲームにフリーズを持ち越せばよい。そして、当該持ち越されたゲームにおいて特定役が当選しなかったことを条件として、当該ゲームにおいてフリーズを発生させればよく、もし、当該ゲームでもさらに特定役が当選したときには、さらに次回のゲームにフリーズを持ち越せばよい。
次に、フリーズ演出およびステップアップ演出の具体例を説明する。図14は、ステップアップ演出のみが実行される場合およびステップアップ演出が実行されるときにフリーズが発生しフリーズ演出が実行される場合各々における表示領域51a内の演出領域の表示状態の一例を説明するための図である。図14においては、ゲームの進行状況を示すために、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L〜8Rなどを併せて示している。
まず、ステップアップ演出のみが実行された場合について説明する。図14(b1)および(b2)は、各々、スタートスイッチ7が操作されゲームが開始されることにより、ステップアップ演出の第1ステップ演出が開始されたときの表示状態の一例を示す図である。
図14(b1)では、第1ステップ演出として、たとえば、船に乗ったキャラクタAを出現させるとともに、花火の玉を想起させる丸い形のアイテム(1尺玉)Bが表示されている。
表示させるアイテムは、ボーナス当選状況に応じて複数種類のうちから決定される。たとえば、ボーナス当選しているときの方が、ボーナス当選していないときよりも、高い割合で特定のアイテム(たとえば尺が大きな玉)が表示されるように決定される。図14(b2)では、第1ステップ演出として、図14(b1)で示すアイテムAよりも大きなアイテム(3尺玉)Cが表示されている場合を示している。このため、たとえば、ステップアップ演出中に特定のアイテムとしての図14(b2)で示すアイテムCが表示されたときの方が、それ以外の図14(b1)で示すアイテムBが表示されたときよりも、ボーナス当選していることに対する期待感を高めることができる。
なお、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始された後、リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、図14(b’)のように、左・中・右停止有効LED22L〜22Rを点灯させ、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効化される。
図14(c)は、第1停止されたことにより、ステップアップ演出の第2ステップ演出が実行されたときの表示状態の一例を示す図である。第2ステップ演出では、第1ステップ演出において表示されていたアイテムを打ち上げるための筒に入れて、花火を打ち上げる準備を行なうような演出が行なわれている。なお、図14(c’)に示すように、第1停止としてストップスイッチ8Lが操作されて、左停止有効LED22Lが消灯されている。
図14(d)は、第2停止されたことにより、ステップアップ演出の第3ステップ演出が実行されたときの表示状態の一例を示す図である。第3ステップ演出では、第2ステップ演出において準備した花火玉を打ち上げたような演出が行なわれている。なお、図14(d’)に示すように、第2停止としてストップスイッチ8Cが操作されて、中停止有効LED22Cが消灯されている。
図14(e1)〜(e3)は、各々、第3停止されたことにより、ステップアップ演出の最終ステップ演出が実行されたときの表示状態の一例を示す図である。
図14(e1)では、最終ステップ演出として、たとえば、表示領域51a内の演出領域全体にわたり花火が表示されている。図14(e2)では、最終ステップ演出として、たとえば、表示領域51a内の演出領域の中央部のみにおいて花火が表示されている。図14(e3)では、最終ステップ演出として、たとえば、花火が表示されず、打上げ失敗となる演出が表示されている。なお、図14(e’)に示すように、第3停止としてストップスイッチ8Rが操作されて、右停止有効LED22Rが消灯されている。
最終ステップ演出は、ボーナス当選状況に応じて複数種類のうちから決定される。たとえば、ボーナス当選しているときの方が、ボーナス当選していないときよりも、高い割合で大花火演出(たとえば図14(e1))が表示されるように決定される。このため、たとえば、最終ステップ演出が、大花火演出としての図14(e1)で示す演出態様で実行されたときの方が、それ以外の図14(e2)や(e3)で示す演出態様で実行されたときよりも、ボーナス当選していることに対する期待感を高めることができる。
このように、ステップアップ演出が実行されたゲームにおいては、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L〜8Rなどが操作されて、ゲームが進行する毎に、定められた順序で演出態様を発展させ、少なくとも最終ステップ演出においてボーナス当選しているかに関する情報が報知される。
次に、ステップアップ演出が実行されるゲームにおいて、フリーズが発生したときに実行されるフリーズ演出について説明する。図14(a)は、図14(b1)〜(e3)で示したステップアップ演出が実行されるゲームにおいてフリーズが発生し、当該ステップアップ演出が開始される前にフリーズ演出が実行されたときの表示状態の一例を示す図である。
フリーズ演出としては、当該フリーズが終了した後に行なわれる演出と関連性を有するような演出が実行される。図14(a)では、図14(b1)や(b2)の演出内容と関連性を有するような演出として、その後出現するキャラクタAが図14(b1)や(b2)において表示されるアイテム(花火玉)を加工しているかのような演出が表示されるとともに、加工を連想させる「こねこね〜!!」といったメッセージがフリーズ演出として実行されている。
また、フリーズが発生しているときには、前述したように、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングが遅延され、かつストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化するタイミングが遅延されるため、図14(a’)に示すように、左・中・右停止有効LED22L〜22Rが消灯されている。
フリーズ演出は、フリーズが発生する所定時間(たとえば3秒)内に完結するように設定されている。このため、フリーズ演出については完結するまで確実に遊技者に見せることができる。
図14を用いて一例を示したステップアップ演出およびフリーズ演出は、サブ制御部91により実行される。サブ制御部91は、たとえば、ステップアップ演出抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値、内部当選コマンドから特定される当選役およびフリーズの有無に基づいて、ステップアップ演出を実行するか否かを決定するステップアップ演出抽選処理を行なう。さらに、ステップアップ演出を実行すると決定された場合には、複数種類のステップアップ演出から一のステップアップ演出を決定し、フリーズが発生する場合には該決定されたステップアップ演出と関連性を有する複数種類のフリーズ演出から一のフリーズ演出を決定し実行する。
次に、図15を参照して、小役告知演出について説明する。特に、本実施の形態では、単に小役告知演出を実行するだけでなく、小役告知演出中に出現するキャラクタの表示態様によって、特別役に当選していることに対する期待度を異ならせることができるように構成されている。以下、図15を参照して、その一例を説明する。
本実施の形態においては、小役告知演出中に表示される演出画像のうち所定の部位の表示態様を、通常態様(たとえば、無模様)または特殊態様(たとえば、唐草模様)に設定する例について説明する。
図15(ア)〜(ク)は、液晶表示器51の表示領域51a内の所定の円形領域において、小役告知演出が実行されたときの表示態様を示している。
図15(ア)および(イ)は、黒スイカに当選したときの小役告知演出である。黒スイカに当選したときの小役告知演出では、黒色のキャラクタを出現させる演出が実行される。また、通常態様に設定された場合には、図15(ア)のように、背景として表示されている樹木の部位が、無模様で表示(たとえば、緑色と茶色など木の葉と幹を示す色彩で表示)される。特殊態様に設定された場合には、図15(イ)のように、背景として表示されている樹木の部位(たとえば、木の葉の部位)がいわゆる唐草模様で表示される。
図15(ウ)および(エ)は、白スイカに当選したときの小役告知演出である。白スイカに当選したときの小役告知演出では、白色のキャラクタを出現させる演出が実行される。また、通常態様に設定された場合には、図15(ウ)のように、背景として表示されている地面の部位が、無模様で表示(たとえば、茶色など地面を示す色彩で表示)される。特殊態様に設定された場合には、図15(エ)のように、背景として表示されている地面の部位が唐草模様で表示される。
図15(オ)および(カ)は、黒スイカ+白スイカに当選したときの小役告知演出である。黒スイカ+白スイカに当選したときの小役告知演出では、黒色のキャラクタと白色のキャラクタとを同時に出現させる演出が実行される。また、通常態様に設定された場合には、図15(オ)のように、背景として表示されている空の部位が、無模様で表示(たとえば、青色など青空を示す色彩で表示)される。特殊態様に設定された場合には、図15(カ)のように、背景として表示されている空の部位が唐草模様で表示される。
図15(キ)および(ク)は、チェリーに当選したときの小役告知演出である。チェリーに当選したときの小役告知演出では、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタCを出現させるとともに、鳥のキャラクタを出現させる演出が実行される。また、通常態様に設定された場合には、図15(キ)のように、鳥のキャラクタの部位が、無模様で表示(たとえば、鼠色など鳥を示す色彩で表示)される。特殊態様に設定された場合には、図15(ク)のように、鳥のキャラクタの部位が、唐草模様で表示される。
小役告知演出をするか否かの判定、および小役告知演出中に表示される所定の部位の表示態様の設定は、サブ制御部91により実行される。なお、小役告知演出の態様設定処理は、RT(1)中に小役告知演出が実行されるゲームが開始されるときに実行される。小役告知演出の態様設定処理では、特別役に当選しているか否か、およびバトル演出が開始されるまでのRT(1)中に特殊態様で表示された小役告知演出の総合計回数(以下、小役告知演出中の特殊表示数という)に応じて、表示態様を設定する処理が行なわれる。
小役告知演出の態様設定処理では、特別役に当選しているか否かおよび小役告知演出中の特殊表示数に応じて、表示態様を設定する処理が行なわれる。小役告知演出の態様設定処理では、たとえば、特別役に当選しているときには、当該ゲームにおいて実行される小役告知演出の所定の部位(予告対象毎に定められた部位)を、50/100の比率で通常態様に設定し、50/100の比率で特殊態様に設定される。
また、特別役に当選していないときには、当該ゲームにおいて実行される小役告知演出の所定の部位を、80/100の比率で通常態様に設定され、20/100の比率で特殊態様に設定される。
これにより、特別役に当選していないときよりも、特別役に当選しているときの方が、特殊態様に設定される確率が高くなるように選択比率が設定されている。このため、小役告知演出中における特殊態様は、特別役に当選している割合を示す信頼度が高い表示態様であるといえる。
次に、図16を参照して、メイン制御部41が実行するフリーズ決定処理をフローチャートに基づいて説明する。まず、フリーズ高確率フラグがONしているか否かが判断される(S1)。フリーズ高確率フラグはフリーズ高確率状態にすることが決定されたときにONに設定されるフラグである。当該フラグがONのときにはS6に進む。
フリーズ高確率フラグがONでないときには、スイカが当選しているか否かが判断される(S2)。スイカが当選しているときにはフリーズ高確率状態の継続ゲーム数が抽選される(S3)。これにより、ゲーム数抽選用のテーブルとゲーム数乱数とに基づいて、ゲーム数が0ゲーム、50ゲーム、100ゲームのうちから抽選される。0ゲームが抽選されたときには、結果的にフリーズ高確率状態に制御されることはない。このため、次のステップでは、抽選結果が0ゲームであるか否か判断され(S4)、0ゲームの場合にはフリーズ高確率フラグがセットされることなく処理がS7に進む。
S4において、抽選結果が0ゲームでないと判断された場合、抽選結果に応じたゲーム数がフリーズ数カウンタにセットされ(S5)た後にフリーズ高確率フラグがセットされる(S6)。次に、特定役、すなわち、リプレイ(1)またはベルが今回のゲームでの入賞抽選において当選しているか否かが判断される(S7)。当選していない場合には処理が終了する。当選しているときには、次回フリーズフラグがONしているか否かが判断される(S8)。つまり、前回のゲームにおいて、次回フリーズが決定されていたか否かが判断される。もし、次回フリーズが決定されていたときには処理を終える。この場合、次回フリーズフラグのON状態がそのまま次回のゲームに持ち越され、今回のゲームではフリーズが発生しない。
S8において次回フリーズフラグがONしていないと判断されたときには、特定役が単独当選しているのか、あるいは特定役とビッグボーナスとの同時当選であるのかが判断される(S9)。特定役とビッグボーナスとの同時当選である場合には、S10に進む。一方、特定役の単独当選である場合には、特定役の種類に応じた抽選率に基づいて、フリーズを実行するか否かの一次抽選を行なう(S19)。
この一次抽選は、フリーズがあまりに頻繁に発生することがないようにすることを目的としている。すなわち、特定役であるリプレイ(1)またはベルによる単独での当選率は、特定役とビッグボーナスとが同時当選する率に比べて極めて高い(たとえば、リプレイ(1)は「1/7.3」、ベルは「1/100」)ため、図9に示したフリーズ用の制御テーブルを用いてフリーズ抽選を行なう前の段階で一次抽選を行なうことによって、頻繁にフリーズが発生して遊技者の遊技意欲を減退させてしまうことを防止している。
S19における一次抽選での抽選率は、たとえば、リプレイ(1)は「1/140」であり、ベルは「1/10」である。S19において、一次抽選に当選した場合には、S10に進むが、一次抽選に当選しなかった場合には、フリーズが設定されることなくS15に進む。
S10では、フリーズ抽選が行なわれる。すなわち、今回のゲームにおいて当選した特定役の種類がリプレイ(1)であるかベルであるか、BBが同時当選しているか否か、フリーズ高確率状態であるか否か、およびRT状態(RT(1)、RT(2))であるか否かに応じて、フリーズ決定テーブルが選択されて、そのフリーズ決定テーブルに基づいてフリーズにしないか、今回フリーズにするか、次回フリーズにするかが決定される。
次に、フリーズ有の決定結果であるか否かが判断され(S11)、フリーズ無しの場合にはS15に進む。フリーズ有の場合には今回フリーズであるか否かが判断され(S14)、次回フリーズの場合には次回フリーズフラグがONに設定される(S21)。
次に、フリーズ高確率フラグがONに設定されている場合には(S15にてYES)、フリーズ数カウンタが減算更新(S16)される。その結果、フリーズ数カウンタが0になれば(S17でYES)、フリーズ高確率フラグがOFFにされ(S18)、フリーズ高確率状態からフリーズ低確率状態に変化し、処理を終える。
次に、特定演出について説明する。特定演出は、演出の実行を望む所定の演出要求操作が検出されたことを条件として実行される演出である。本実施の形態では、その内容は、リプレイ(1)の当選を示唆する演出、ベルの当選を示唆する演出を含む。
リプレイ(1)は、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組合せにより発生するため、入賞図柄は「リプレイ図柄」である。「リプレイ図柄」はリールにおいて青色(Blue)に着色されている。
一方、ベルは、「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せにより発生するため、入賞図柄は「ベル図柄」である。「ベル図柄」はリールにおいて黄色(Yellow)に着色されている。
このため、本実施の形態では、たとえば、表示画面に青色の色調で「Blue」と表示することによってリプレイ(1)の当選を示唆する特定演出を実行する。一方、表示画面に黄色の色調で「Yellow」と表示することによってベルの当選を示唆する特定演出を実行する。本実施の形態は、さらに、図柄に対応する色に関わらない「Chance」および「White」という2種類の特定演出も含む。
リプレイ(1)、およびベルはいずれもBBと同時当選し得る役である。本実施の形態では、リプレイ(1)またはベルの当選を示唆する特定演出をしながらも示唆した入賞役による入賞が発生しないときに、結果的にBB当選の可能性が示唆されるようにしている。以下、このように、ある入賞役が当選していることを示唆しながらもその入賞役による入賞が発生しないことによって結果的にBB当選の可能性を示唆する演出を“入賞役矛盾ナビ演出”と称する。
図17には、当選役に応じて予め定めた選択率で特定演出を選択するためにサブ制御部91が用いる制御テーブルの例が示されている。サブ制御部91は、図17に示す当選役(ベル、ベル+BB、リプレイ(1)、リプレイ(1)+BB、BB)のうちのいずれかが当選したときに、特定演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽選することによって、予め定めた決定率に基づいて特定演出の実行を決定する。
サブ制御部91は、特定演出を実行することを決定したときに、0〜99の値を有する特定演出乱数を抽出し、その抽出値と図17に示す制御テーブルとに基づいて特定演出の内容を選択する。
なお、図17に示す「当選役」は、メイン制御部41から送信される内部当選コマンドに基づいて特定されるものであり、1ゲームにおける当選結果に基づいたものである。このため、ビッグボーナスが持ち越された結果として、ベルとビッグボーナスとが共に当選した状態、およびリプレイ(1)とビッグボーナスとが共に当選した状態を含まず、あくまでもビッグボーナスとベルまたはリプレイ(1)とが1ゲームにおいて当選した場合を意味する。しかし、これに代えて、ビッグボーナスが持ち越された結果として、ベルとビッグボーナスとが共に当選した状態、およびリプレイ(1)とビッグボーナスとが共に当選した状態においても予め定めた選択率で各特定演出を選択してもよい。
図17に示すように、「Yellow」は、ベルが単独当選しているときに極めて高い確率で選択される一方、ベルとBBとの同時当選時およびリプレイ(1)の単独当選時において選択されることがなく、リプレイ(1)とBBとの同時当選時およびBBの単独当選時の選択率は同じである。このため、遊技者は、もし、「Yellow」の特定演出が行なわれたゲームにおいてベルが入賞したときにはBB当選している可能性がないと判断できる。一方、「Yellow」の特定演出が行なわれたゲームにおいてリプレイ(1)が入賞したときには、遊技者はBB当選していると判断できる。
また、「Blue」は、リプレイ(1)が単独当選しているときに極めて高い確率で選択される一方、ベルの単独当選時において選択されることがなく、リプレイ(1)とBBとの同時当選時およびBBの単独当選時の選択率は同じであり、かつ、ベルとBBとの同時当選時にも比較的選択されやすい。このため、遊技者は、もし、「Blue」の特定演出が行なわれたゲームにおいてベルが入賞したときにはBB当選していると判断できる。一方、「Blue」の特定演出が行なわれたゲームにおいてでリプレイ(1)が入賞したときには、遊技者はBB当選している可能性ありと判断できる。
また、「Chance」は、BB当選の可能性があることを示唆する特定演出であり、BBの単独当選時およびBBとベルまたはリプレイ(1)との同時当選時の選択率が、ベルの単独当選時の選択率およびリプレイ(1)の単独当選時の選択率よりも高くなっている。「Chance」の特定演出をしたゲームでベルまたはリプレイ(1)が入賞したときには、遊技者は、BB当選している可能性ありと判断できる。
また、「White」は、いずれかの小役が当選している可能性を示唆する特定演出であり、特にBBとベルとの同時当選のときの選択率が高く、また、リプレイ(1)とBBとの同時当選のときの選択率とBB単独当選のときの選択率とは同等である。このため、「White」の特定演出をしたゲームでベルまたはリプレイ(1)が入賞したときには、遊技者は、BB当選している可能性ありと判断できる。
特に、「Chance」と「White」とを比較すると、ベル単独当選時の選択率とリプレイ(1)単独当選時の選択率とが1%と3%との間で入れ替わるように制御テーブルが設計されており、ベル単独当選時の「Chance」選択率は、ベル単独当選時の「White」選択率より低く、逆にリプレイ(1)単独当選時の「White」選択率は、リプレイ(1)単独当選時の「Chance」選択率より低くなっている。
このため、「Chance」の特定演出が実行されたゲームでベルが入賞したときには、「White」の特定演出が実行されたゲームでベルが入賞したときよりもBBが当選していることをより大きな期待度で期待できる。逆に、「White」の特定演出が実行されたゲームでリプレイ(1)が入賞したときには、「Chance」の特定演出が実行されたゲームでリプレイ(1)が入賞したときよりもBBが当選していることをより大きな期待度で期待できる。
本実施の形態では、このような特定演出を実行させる操作を行なうことが有効とされる操作有効期間が極めて長く設定されている。次に、図18に示すタイミングチャートと図19および図20に示す特定演出の画面図(1)〜(10)とを参照して、特定演出に関する操作有効期間と特定演出の内容とを説明する。
図18に示すタイミングチャートには、あるゲームにおいてリール2L、2C、2Rの回転が開始してから次のゲームにおいてリール2L、2C、2Rの回転が開始するまでの間を特定演出の操作有効期間とする例が示されている。すなわち、この例では、ゲーム中に1つ目のリールを停止する「第1停止前」と、1つ目のリールを停止してから2つ目のリールを停止するまでの「第1停止後」と、2つ目のリールを停止してから3つ目のリールを停止するまでの「第2停止後」と、3つ目のリールを停止してから次のゲームを開始するまでの「第3停止後」とのいずれにおいても、特定演出の要求操作が有効とされている。
なお、「次のゲームを開始するまで」とは、たとえば、次のゲームを開始するためのスタートスイッチ7の有効な操作が検出されるまでである。このため、たとえば、次のゲームを開始するためにメダルを投入したり、あるいは、賭数スイッチ1枚BETスイッチ5を操作した後においても特定演出の要求操作が有効とされる。
なお、MAXBETスイッチ6は、ここでは特定演出の要求操作スイッチとして機能するため、特定演出を実行させることなく1ゲームを終了した後に、次のゲームを開始するためにMAXBETスイッチ6を操作したときには、これに連動して特定演出が実行されることになる。
この場合においては、たとえば、特定演出を実行するとともに、MAXBETスイッチ6本来の機能である賭数設定をも実行し、特定演出と次回ゲームのための3枚賭け設定とが同時に行なわれるようにしてもよい。あるいは、1ゲームが終了した後の最初のMAXBETスイッチ6の操作に応じて特定演出を実行し、次のMAXBETスイッチ6の操作に応じて次回ゲームの賭数設定を行なってもよい。
また、図19および図20に示す画面図には、特定演出の態様の具体例が示されている。特に画面図(1)〜(5)は、「Yellow」の特定演出が行なわれてベルが入賞するケースを示し、画面図(6)〜(10)は「Blue」の特定演出が行なわれたにも関わらず表示結果がリプレイ(1)でなかった例を示している。なお、図19および図20に示す各画面図(1)〜(10)において、符号510が特定演出の画面を示している。また、各画面図において、下向きの矢印は、その矢印に対応するリールが回転中であることを意味し、矢印が付されていないリールは既に停止したリールを意味する(停止済みリールにおいては出目の表示を省略している)。この画面510は、図1に示す表示領域51aに表示される。
画面図(1)に示すように、あるゲームにおいてリール2L、2C、2Rの回転が開始すると、画面510上に特定演出の要求操作を促すメッセージが表示される。たとえば、そのメッセージは、特定演出の要求操作を行なうための操作スイッチをMAXBETスイッチ6としたときには、「MAXBETスイッチを押せ!」というメッセージである。特定演出の要求操作が行なわれるまで、このようなメッセージが表示されるため、遊技者が操作有効期間であることに気づかずにゲームを進行させてしまう不都合を防止できる。
たとえば、図18のタイミングチャートに示すように第1停止前に演出要求操作をした場合には、それに応じて画面510上に特定演出に対応する表示がなされる。たとえば、画面図(2)のように「Yellow」の表示がされて、ベルの当選が示唆される。この表示は画面図(3)に示すように、リールの第3停止操作に基づいて表示結果が確定するまで継続的に表示される。
あるいは、第1停止前に演出要求操作をしなかった場合には、画面図(4)に示すように特定演出の要求操作を促すメッセージが継続的に表示される。そして、第1停止後に演出要求操作をした場合には、タイミングチャートに示すとおり、それに応じて画面510上に特定演出に対応する表示がなされる。演出要求操作を第2停止後、あるいは第3停止後に行なった場合にも同様にして演出要求操作に応じて特定演出が実行される。画面図(5)は、すべてのリール2L、2C、2Rが停止した段階で演出要求操作をした例であり、この場合には、たとえば、全リールが停止している状態で「Yellow」という特定演出の画面が表示される。このとき、たとえば、リール2L、2C、2Rの表示結果としては特定演出が示唆するとおりのベル入賞となっている。
次に、図20を用いて「Blue」の特定演出例を説明する。画面図(6)に示すように、あるゲームにおいてリール2L、2C、2Rの回転が開始すると、画面510上に特定演出の要求操作を促すメッセージが表示される。これは既に説明した画面図(1)と同様である。
たとえば、第1停止前に演出要求操作をした場合には、それに応じて画面510上に特定演出に対応する表示がなされる。たとえば、画面図(7)のように「Blue」の表示がされて、リプレイ(1)の当選が示唆される。この表示は画面図(3)に示すように、その後も継続的に表示される。
あるいは、第1停止前に演出要求操作をしなかった場合には、画面図(9)に示すように特定演出の要求操作を促すメッセージが継続的に表示される。その後、リールの第3停止まで特定演出の要求操作が検出されることなく、リールが第3停止して3つのリールの表示結果が確定した段階で画面図(10)に示すように特定演出の要求操作が検出されると、その段階で「Blue」の特定演出が表示される。このとき、たとえば、リプレイ(1)以外の表示結果であれば、「Blue」の特定演出が“入賞役矛盾ナビ演出”となる。その結果、遊技者はビッグボーナス当選していることを期待できる。
本実施の形態では、このように長い操作有効期間が定められており、さらに、操作有効期間においては、たとえば、リールに特定の図柄が停止したことなどの制限もなく、演出要求操作をすれば特定演出を楽しむことができるため、ゲームが開始してからリールの停止操作を行なう前に特定演出を見るか、あるいはリールが停止しから、さらにはすべてのリールが停止して入賞の有無が確定してから特定演出を見るかを遊技者が遊技技量に関わらず好みに合わせて選択することが可能となる。
特に、1ゲームが開始してからリールの停止操作を行なうまでの間に特定演出を確認することを選択した場合には、予め特定演出を確認しておいた上で、その特定演出に対応する“ビッグボーナス当選期待度の高い表示態様”が導出表示されることを期待しつつ、ゲームを進めることができる。
これに対して、可変表示装置の表示結果が導出表示されて以降に特定演出を確認することを選択した場合には、導出表示された可変表示装置の表示結果に対応する“ビッグボーナス当選期待度の高い特定演出”が実行されることを期待しつつ、可変表示装置の表示結果の導出表示後に特定演出実行のための操作をすることができる。
それゆえ、遊技者は、上記2種類のうちから好みに応じた方法で特定演出を楽しむことができる。
また、特に、あるゲームが終了してから次回のゲームを開始させるための操作が検出されるまでの期間についても演出要求操作が有効であるため、遊技者はそのゲームの表示結果を十分に確認した上で余裕をもって特定演出を開始させることが可能である。また、特定演出実行用のスイッチをMAXBETスイッチ6により兼用しているため、部品点数を減少することができる。
次に、図21および図22を用いて特定演出の変形例を説明する。ここでは、特定演出の要求操作を行なうタイミングによって、特定演出の内容が変化する例を説明する。
図21のタイミングチャートには、特定演出の要求操作が行なわれたタイミングと、表示される特定演出との関係とが示されている。また、図22の画面図(11)〜(16)には、この変形例において表示される特定演出の具体例が示されている。なお、図22の表記の仕方は、図19と同様である。
画面図(11)に示すように、あるゲームにおいてリール2L、2C、2Rの回転が開始すると、画面510上に特定演出の要求操作を促すメッセージが表示される。たとえば、そのメッセージは、特定演出の要求操作を行なうための操作スイッチをMAXBETスイッチ6としたときには、「MAXBETスイッチを押せ!」というメッセージである。
たとえば、図21のタイミングチャートに示すように第1停止前に演出要求操作をした場合には、それに応じて画面図(12)のように「小役はずれで…」という表示がされる。この表示は、「もし、小役がはずれた表示結果となればビッグボーナス当選を期待できるかもしれない」ということを示唆するものである。その後、リールの第2停止操作、および第3停止操作が行なわれることになるが、以降、特定演出の表示は変化しない。やがて、第3停止操作が画面図(13)のように行なわれることで最終的なリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示されることになる。
たとえば、図21のタイミングチャートに示すように、リールが第1停止する前に特定演出の要求操作が行なわれることなく、第1停止リールにベルが表示されたとする。この場合、すでにベルが停止リールに出ているので、停止出目からするとベルが入賞する可能性がある。この状態においても演出要求操作が検出されるまでは画面図(14)に示すように、「MAXBETスイッチを押せ!」というメッセージを表示し続ける。そして、演出要求操作が検出されたときには、タイミングチャートおよび画面図(15)に示すように、「ベルはずれで…」というメッセージによる特定演出を行なう。その後、画面図(16)に示すように、第3リールの停止操作に応じて第3リールが停止して表示結果が確定する。たとえば、このとき、ベルが入賞しない表示結果となれば、遊技者はビッグボーナス当選を期待することができる。
このように、本実施の形態では、第1停止前と第1停止後とで特定演出の内容を変化させている。特に、この例では、第1停止したリールにはベルが表示されているため、敢えて、停止出目において入賞する可能性のある「ベル」が外れればビッグボーナス当選の可能性があることを示唆するために、「ベルはずれで…」というメッセージによる特定演出を行なっている。それゆえ、もし、第1停止したリールに「リプレイ」が表示されていたときには、「リプレイはずれで…」というメッセージを表示するものである。このため、遊技者は、演出要求操作のタイミングと出目とに応じた多様な特定演出を楽しむことができる。
図21のタイミングチャートには、たとえば第1停止段階でベルが表示され、第2停止段階でベルのリーチが成立し、第3停止段階でベルがはずれる表示結果となる場合が示されている。このような場合には、タイミングチャートおよび画面図(15)に示すように、第2停止後および第3停止後(ベルはずれが確定)のいずれのタイミングで演出要求操作が検出されても、第1停止前で演出要求操作が検出された場合に表示する「小役はずれで…」という特定演出とは別の「ベルはずれで…」という特定演出を表示する。
サブ制御部91は、このような「小役はずれで…」、「ベルはずれで…」、「リプレイはずれで…」という特定演出のデータを制御テーブルとして予め記憶しており、特定演出の要求操作が行なわれたタイミングと停止出目とに基づいて、特定演出のデータを選択している。
図23は、この特定演出の変形例を実現するために用いられる制御テーブルを示す図である。サブ制御部91は、たとえば、0〜99の値を有する特定演出乱数を抽出し、その抽出値と図23に示す制御テーブルとに基づいて特定演出の内容を選択する。
図23に示すように、制御テーブルには、第1停止前に演出要求操作が検出されたときに用いる特定演出と第1停止後に演出要求操作が検出されたときに用いる特定演出とがグループとして記憶されている。第1グループが、図示するように「小役はずれで…」および「リプレイはずれで…」であり、第2グループが「小役はずれで…」および「ベルはずれで…」である。さらに制御テーブルには、「Chance」および「White」の特定演出も記憶されている。
第1グループは、ベルの単独当選時に高い確率で選択され、また、リプレイ(1)の単独当選時およびBBの単独当選時にも選択されることがある一方、ベルとBBとの同時当選時やリプレイ(1)の単独当選時には選択されることがない。このため、この特定演出が行なわれてリプレイ入賞が発生しなかったときにはBB当選の可能性がある。
第2グループは、リプレイの単独当選時に高い確率で選択され、また、ベルとBBとの同時当選時、リプレイ(1)とBBとの同時当選時およびBBの単独当選時にも選択されることがある一方、ベルの単独当選時には選択されることがない。このため、この特定演出が行なわれてベル入賞が発生しなかったときにはBB当選の可能性がある。
なお、「Chance」および「White」の特定演出の機能は、既に説明した図17のものと同じであるので、ここでは説明を繰り返さない。
このように、特定演出の変形例に関わる制御テーブルには、特定演出の内容がグループ化されて記憶されており、サブ制御部91は、特定演出用乱数を用いた抽選の結果に基づいて特定演出のグループを選択し、特定演出を要求する操作のタイミングに基づいて、選択したグループ内の特定演出のうちのいずれかを実行する。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
(フリーズ演出の変形例)
フリーズ演出の変形例を説明する。
リール2L、2C、2Rの各々の上部に対応して、3つの可動部材を設ける。リール2L、2C、2Rおよび可動部材部分を繰り抜いて、リール2L、2C、2Rおよび可動部材部分を囲むように液晶画面を構成する。
可動部材はたとえば、リール2L、2C、2Rの各々に対応する砲台A、B、Cである。この砲台を模した可動部材は、発射口を横に向けた発射待機状態と、発射口を下に向けた発射可能状態とに回動可能とする。その上で、以下の(A)〜(I)のいずれかの特定演出のうちの1つを実行する。あるいは、それらのうちからいずれかの特定演出を選択的に実行する。
(A) フリーズを開始させるとすべてのリール2L、2C、2Rを停止状態とした後、全砲台を発射待機状態から発射可能状態に変化させ、たとえば、砲台C、砲台B、砲台Aの順序で一定の時間を空けて各砲台が発射する演出表示を行なうとともに、発射した砲台に対応するリールを順次、ゆっくりと回転開始させ、丁度、フリーズ期間が経過したときに全リールが一定速度で回転した状態とする。
(B) フリーズを開始させるとリール2L、2C、2Rのうちの特定の1つのリールを残してリールを回転開始させる。その後、回転せずに停止しているリールに対応する砲台を発射待機状態から発射可能状態とした上で発射させる。これを契機として、フリーズしているリールを回転開始させ、フリーズ期間が経過してときに全リールが一定速度で回転した状態とする。
(C) フリーズを開始させるとすべてのリール2L、2C、2Rを停止状態とし、さらにリール照明およびバックランプを消灯する。その後、全砲台を発射待機状態から発射可能状態に変化させ、各砲台が発射する演出表示を行なうとともにリール上の特定の絵柄をフラッシュさせる。その後に全リールをゆっくりと回転開始させ、丁度、フリーズ期間が経過したときに全リールが一定速度で回転した状態とする。
(D) フリーズを開始させるとすべてのリール2L、2C、2Rを停止状態とした後、全砲台を発射待機状態から発射可能状態に変化させ、さらに発射のためのエネルギーを溜めていくような画面表示を行なうとともに、各リール2L、2C、2Rを逆方向に少しだけ回転させてあたかも順方向に回転するためのエネルギーを各々のリールが溜めているかのような演出を行なう。その後、全砲台を発射させるとともに、リール2L、2C、2Rを一斉に回転開始させ、丁度、フリーズ期間が経過したときに全リールが一定速度で回転した状態とする。
(E) ステップアップするような演出を行なう。たとえば、フリーズを開始した時点で、まず、地震が発生したかのような演出を行なう。この場合、全砲台を上下左右に微動させるとともに、液晶画面には地震に関連する演出表示を行なう。
次に、砲台Aを発射待機状態から発射可能状態に変化させて発射させるとともに左リール2Lを順方向に回転開始させる。続いて、砲台Bを発射待機状態から発射可能状態に変化させて発射させるとともに中リール2Cを順方向に回転開始させる。さらに、砲台Cを発射待機状態から発射可能状態に変化させて発射させるとともに右リール2Rを順方向に回転開始させる。
次に、リール2L、2C、2Rの回転を減速させてゆき、回転の停止から連続させてリール2L、2C、2Rを逆方向へ少しだけ回転させる。これは、前記(D)の演出の技法を用いたものであり、各リール2L、2C、2Rを逆方向に少しだけ回転させることであたかも順方向にリールを回転させるためのエネルギーを溜めているかのような演出を行なう。このとき、全砲台については発射のためのエネルギーを溜めていくような画面表示を行なう。その後、全砲台を発射させるとともに、リール2L、2C、2Rを一斉に回転開始させ、丁度、フリーズ期間が経過したときに全リールが一定速度で回転した状態とする。
(F) 砲台を用いたフリーズ演出とは別の演出を行なう。たとえば、液晶画面に魚釣りをする人物を表示し、フリーズ期間においては、あたかもリールに釣り針が掛かったかのような画像表示をするとともに、リールを上方向へ逆転させる。あるいは、フリーズ期間において、液晶画面に玉転がしをする人物を表示し、フリーズ期間においては、あたかもリールを足で押して転がすかのような画像表示をするとともに、リールを下方向(順方向)へ回転させる。
(G) フリーズを発生させる場合でもリール2L、2C、2Rを一旦、通常通りに回転開始させた後、リール2L、2C、2Rの回転をフリーズ期間が経過するまで一時停止させる。
(H) フリーズ期間において当選状況等を予告するために第1予告画面、第2予告画面、…とステップアップしていくような演出画面を表示する場合において、リール2L、2C、2Rを高速で回転させるとともに各演出画面を早送りするような表示を行なう。
(I) フリーズ期間終了後に、特定の演出画面を画面1、画面2、画面3の順序で表示することを前提として、フリーズ期間において、リール2L、2C、2Rを逆転させるとともに、画面3、画面2、画面1の順序で演出画面を逆から表示し、あたかも未来の演出を予告するかのような表示を行なう。
以上、説明したようなフリーズ演出を採用することにより、さらに趣向性を向上させることができる。特に、たとえば、(A)のようなフリーズ演出を採用すると、リールがフリーズ中の演出として回転しているのか、あるいはフリーズ終了後のゲーム進行開始に伴い回転し始めたのかを遊技者が明確に区別することができる。なお、以上、説明したフリーズ演出のうちのいずれを上記実施の形態に係るフリーズ演出として採用してもよい。
(フリーズによるBB当選告知機能について)
本実施の形態では、フリーズを実行することによってビッグボーナス当選を告知するが、ビッグボーナスが当選していないときでもフリーズを実行する場合がある。つまり、本実施の形態では、ビッグボーナスが当選しているときにフリーズを実行することによる“真”の告知と、ビッグボーナスが当選していないときにフリーズを実行することによる“ガセ(偽)”の告知との双方が実行される。しかしながら、これに代えて、ビッグボーナスが当選しているときにのみ、フリーズを実行し、“ガセ(偽)”の告知は行なわれないようにしてもよい。
(フリーズの変形例)
本実施の形態では、スタートスイッチ7を押してもリール2L、2C、2Rを回転開始させないことによってフリーズを実現した。しかしながら、遅延制御の一例となるフリーズとして、完全に遊技の進行を停止させるのではなく、通常よりも遊技の進行速度が緩やかになるような制御を採用してもよい。たとえば、スタート操作が検出された後に、通常よりも緩やかな速度でリールを回転させるなどの制御を行なうことが考えられる。
また、フリーズは、以下のいずれかを実行することによっても実現される。
ア.スタートスイッチ7の操作に基づいてリール2L、2C、2Rを回転開始させた後に停止操作を所定のフリーズ期間だけ無効として、フリーズ期間においてストップスイッチ8L、8C、8Rを操作してもリールが停止しないようにする。
なお、フリーズ期間におけるリール2L、2C、2Rの回転動作は、リール2L、2C、2Rを回転開始させた後にフリーズを実行しない場合の通常のリールの回転動作と異ならせてもよい。たとえば、通常のリールの回転方向を順方向とすると、3つのリールのうちの少なくとも1つを逆方向に回転させることが考えられる。これにより、遊技者に対してフリーズ期間であることを知らせることができる。
また、このようにゲームの開始直後にフリーズを発生させることにより、リールがどのような出目から回転を開始するのかを遊技者に確認する十分な時間を与えることができる。
イ.スタートスイッチ7の操作に基づいてリール2L、2C、2Rを回転開始させた後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作に応じてリールの回転を停止させた後にフリーズ期間に突入することによって、それ以降のリールの停止操作をフリーズ期間だけ無効とする。なお、フリーズ期間へは、1つ目のリールが停止した後に突入してもよく、2つ目のリールが停止した後に突入してもよい。前者の場合には第2停止および第3停止操作がフリーズ期間において無効とされ、後者の場合には第3停止操作がフリーズ期間において無効とされることになる。
(フリーズとビッグボーナス入賞との関係)
本実施の形態において、リプレイ(1)またはベルとビッグボーナスとが同時当選したことに基づいて次ゲームフリーズフラグが設定されたにも関わらず、当該次ゲームフリーズフラグが設定されたゲームでBB入賞した場合には、一旦設定した次ゲームフリーズフラグをクリアして次回のゲームでフリーズを発生しないようにすることが考えられる。あるいは、このような場合にも次ゲームフリーズフラグをクリアせず、次回のゲームでフリーズを“ガセ告知”的に発生させてもよい。
また、本実施の形態では、フリーズを発生させるフリーズ役の例としてリプレイ(1)およびベルを例示した。しかしながら、リプレイ(1)およびベルのうちの一方のみをフリーズを発生させるフリーズ役としてもよい。また、リプレイ(1)およびベルに代えて、あるいは加えて、他の入賞役をフリーズ役として採用してもよい。ただし、他の入賞役を採用する場合であっても、その入賞役はビッグボーナスよりも引込み優先度が高い役とすることが望ましい。これにより、フリーズが発生したゲームにおいてビッグボーナスよりも発生させるフリーズ役を優先して入賞させることが可能となり、「フリーズによってビッグボーナス当選の可能性を告知する」という本来の目的を達成することが可能になる。
(フリーズを発生させる条件に関する変形例)
あるゲームで単独当選したビッグボーナスが持ち越されたゲームにおいてリプレイ(1)が単独当選した場合、リプレイ(1)とビッグボーナスとの同時当選とはいえない。この場合には、フリーズ決定テーブルの「リプレイ(1)単独」に該当するものとしてフリーズ抽選をする。しかしながら、これに代えて、このような当選状況であっても、フリーズ決定テーブルの「リプレイ(1)単独+BB」に該当するものとしてフリーズ抽選をしてもよい。このことは、リプレイ(1)をベルに置き換えた場合にも同様である。
(ビッグボーナス単独当選時のフリーズ)
ビッグボーナスが単独で当選した場合、すなわち、リプレイ(1)やベルとビッグボーナスとが同時当選した場合のみならず、ビッグボーナスのみが当選した場合にも、所定の確率でフリーズを発生させるようにしてもよい。
(フリーズ実行の有無の決定手法に関する変形例)
本実施の形態では、フリーズに関する特定役(リプレイ(1)およびベル)が当選しているときに、まず、特定役の種類別にフリーズの実行に関する一次抽選を行ない、続いて、一次抽選で当選したときに図9に示すテーブルを用いてフリーズ実行の有無および今回フリーズとするか次回フリーズとするかを決定するという2段階抽選を採用している。
しかしながら、一次抽選をすることなく、図9に示すテーブルを用いて1段階抽選によりフリーズ実行の有無および今回フリーズとするか次回フリーズとするかを決定してもよい。この場合には、フリーズを実行有とする決定率が余りに高くなり過ぎてゲームの進行に影響を与えないようにするために、フリーズ無しの抽選率を高めに調整することが望ましい。
また、特定役として採用する役としては、極めて当選率が低い(たとえば、当選率が1/1000や1/2000程度)いわゆるレアリプレイ等の役を採用することとしてもよい。この場合には、一次抽選を採用することなく図9のテーブルをそのまま用いた一段階抽選方式を採用してもよい。そもそも特定役自体の当選率が低いために図9のテーブルをそのまま用いた一段階抽選方式を採用してもフリーズの発生率が高くなりすぎることがないからである。
たとえば、図9の「リプレイ1」を所定の「レアリプレイ」に置き換えたとし、「レアリプレイ+BB」の当選率は1/2000である一方、「レアリプレイ単独」の当選率はその2倍の1/1000であるとする。
この場合には、図9のテーブル12、14を比較すると、「レアリプレイ+BB」のテーブル12は今回フリーズ抽選率が30%、次回フリーズ抽選率が20%、「レアリプレイ単独」のテーブル14は今回フリーズ抽選率が15%、次回フリーズ抽選率が5%である。
すると、今回フリーズでBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[1]によって50%と計算される。
(1/2000 * 30/100)/{(1/1000 * 15/100)+(1/2000 * 30/100)}…[1]
また、次回フリーズでBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[2]によって略67%と計算される。
(1/2000 * 20/100)/{(1/1000 * 5/100)+(1/2000 * 20/100)}…[2]
また、表示結果としてレアリプレイが表示されたときにBBが当選していることを期待できる期待度は、以下の式[3]によって略33%と計算される。
(1/2000)/(1/1000 + 1/2000)…[3]
(フリーズ確率向上役についての変形例)
本実施の形態では、「スイカ(黒スイカおよび白スイカ)」が当選したときにフリーズ確率が向上される。しかしながら、フリーズ確率を向上させるフリーズ確率向上役は「スイカ」に限られるものではなく、他の入賞役をフリーズ確率向上役として採用してもよい。たとえば、「スイカ」に代えて、あるいはこれに加えて、ビッグボーナスと同時当選することがある「ベル」と「リプレイ(1)」とのうちのいずれか1つあるいは両方をフリーズ確率向上役としてもよい。
また、本実施の形態では、フリーズ確率向上役が当選しても一定の割合でフリーズ確率が変化しない(たとえば、50%)。しかしながら、フリーズ確率向上役が当選したときには必ずフリーズ確率が向上するように制御してもよい。
(演出要求操作を条件にフリーズ演出を実行する変形例)
フリーズ演出は、フリーズ時に自動的に表示されるものであってもよい。しかし、遊技者による所定の演出要求操作を条件として表示され、演出要求操作がなければフリーズ演出が実行されないようにしてもよい。この場合の演出要求操作に関わる操作手段として、フリーズ演出専用の演出スイッチをスロットマシンに設けてもよいが、既に設けられているスイッチで兼用することも可能である。
たとえば、フリーズ中は、ゲームの進行が停止しているために、ストップスイッチ8L、8C、8Rをフリーズ演出の要求操作を行なうためのスイッチとしてもよい。あるいは、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、1枚BETスイッチ5や精算スイッチ10をフリーズ演出の要求操作を行なうためのスイッチとして機能させることも考えられる。フリーズ演出実行用のスイッチを他のスイッチで兼用することによって、部品点数を減少することができる。
このように遊技者による所定の演出要求操作を条件としてフリーズ演出を実行するために、サブ制御部91は、メイン制御部41から送信される操作検出コマンドに基づいて演出要求操作を検出し、その検出があった場合にフリーズ演出を実行する。
以下、遊技者による所定の演出要求操作を条件としてフリーズ演出を実行する場合の具体例を説明する。ここでは、図14の画面図をその説明に流用する。ただし、画面図の内容は図14と同一であってもよく、背景の色、キャラクタ等、画面の一部を変更したものであってもよく、あるいはまったく内容が異なるもの(たとえば、打ち上げ花火に関するものではなく、キャラクタ同士の対戦において一方のキャラクタが勝利するか否かに関する内容)であってもよい。
まず、フリーズが発生すると、図14(a)の画面図を表示する。この画面図は、演出要求操作の検出を条件とすることなく表示する。これにより、遊技者はフリーズの発生を容易に理解できる。
続いて、図14(b1)または(b2)のいずれかの画面に移行させる。たとえば、ビッグボーナス当選しているときには(b1)よりも(b2)に移行する確率を高くすることで、花火玉の大きさによりビッグボーナス当選の期待度を告知する。
次に、図14(c)の画面図に切り換えるとともに、画面上に「××スイッチを押せ!」とのメッセージを表示する。ここで「××スイッチ」は、演出要求操作用として設定したスイッチの名称である。たとえば、スタートスイッチ7を演出要求操作用のスイッチとして設定しているときには、「スタートスイッチ7を押せ!」と表示する。
このメッセージを含む画面図(c)は、フリーズ期間中、演出要求操作が検出されまで継続して表示し、フリーズ期間が終了してゲームの進行が開始されるとゲーム進行時に対応するものに切り換えられる。
画面図(c)が表示されているときに演出要求操作が検出されると、花火が上昇する様子を示す画面図(d)を表示した後に、画面図を(e1)(e2)(e3)のうちのいずれかに切り換え、やがてフリーズ期間の終了に併せてフリーズ演出を終了させる。画面図(e1)(e2)(e3)のうち、小さい花火を示す(e1)はビッグボーナス当選の可能性があることを告知する画面として、やや大きめの花火を示す(e2)はビッグボーナス当選の可能性が高いことを告知する画面として、大花火を示す(e1)はビッグボーナス当選の確定を告知する画面として、それぞれ使いわける。
このように、フリーズ中の演出を遊技者の操作に応じて実行されるようにすれば、フリーズ中はゲームが進行しないが、遊技者はフリーズ中の演出に関与することができるため、フリーズ中のゲームが退屈なものとなることを防止できる。さらに、フリーズ中は、ゲームを進行させることができない状態であるので、遊技者がこのときに誤ってゲーム進行に関わるスイッチを操作したとしても、それによってゲームが遊技者の意図しない方向に進行してしまうこともない。
(遊技者の操作が検出されることを条件にフリーズ演出が変化する変形例)
上記スロットマシンにおいて、フリーズ中の遊技者の操作を検出したことに基づいて、フリーズ中の演出内容を変化させてもよい。これは、たとえば、次のような制御によって実現する。
まず、サブ制御部91は、フリーズが発生したことに連動して自動的にフリーズ演出を開始し、あるいは、「(演出要求操作を条件にフリーズ演出を実行する変形例)」として説明したように、フリーズ発生後の遊技者の操作を検出して「第1のフリーズ演出」を開始する。
次に、サブ制御部91は、「第1のフリーズ演出」の実行途中に、演出切替のための操作を促すメッセージを液晶画面に表示する。たとえば、演出切替のための操作のスイッチをMAXBETスイッチ6とした場合、「MAXBETを押せ!」のメッセージを液晶画面に表示する。これに応答する形でフリーズ期間のうちの一定期間中にその操作が検出されたときには、サブ制御部91は、「第1のフリーズ演出」を「第2のフリーズ演出」に切り換える。
たとえば、「第2のフリーズ演出」においては、「第1のフリーズ演出」によっては示唆されないBB当選の可能性(期待度)を示すようにすれば、フリーズ期間における遊技者の期待感をより一層高めることができる。
図14に示す打ち上げ花火の演出を例にすれば、たとえば、「第1のフリーズ演出」を図14(a)に示す「花火玉を作る動画」とし、「第2のフリーズ演出」を「出来上がった花火玉の色によってBB当選の期待度が異なる動画」とすることが考えられる。
このように構成すると、第1のフリーズ演出が行なわれている状態において、遊技者がMAXBETスイッチ6等を操作すれば第1のフリーズ演出から第2のフリーズ演出に変更されるため、フリーズ期間において遊技者に対して趣向性の高い演出を提供できる。
(特定演出の実行を要求するための操作に関する変形例)
本実施の形態では、MAXBETスイッチ6を操作することで特定演出が実行される。しかしながら、MAXBETスイッチ6に代えて、あるいはこれに加えて、以下のようにして特定演出を実行してもよい。
ア.全リールが回転を開始してから全リールが停止するまでの期間においては、通常、1枚BETスイッチ5、スタートスイッチ7、精算スイッチ10等の操作は無効化される。そこで、全リールが回転を開始してから全リールが停止するまでの期間においては、これらのスイッチのいずれかを演出実行操作のスイッチとして機能させ、操作が検出されたときに演出を実行することが考えられる。
イ.ストップスイッチ8L、8C、8Rは、リール2L、2C、2Rを停止させるめのスイッチであるから、対応するリールが停止するとそのスイッチの機能は果たされてしまう。そこで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、停止済みのリールに対応するスイッチを演出実行操作のスイッチとして機能させ、操作が検出されたときに演出を実行することが考えられる。
たとえば、全リールが回転を開始した後にストップスイッチ8Lの操作が検出されたリール2Lが停止し、リール2C、2Rが回転中の場合、ストップスイッチ8Lを演出実行スイッチとして機能させるようにする。
ウ.特定演出を実行させるための専用の特定演出スイッチをスロットマシンに設けてもよい。また、フリーズ演出を実行させるための演出スイッチをスロットマシンに設けるとともに、その演出スイッチを特定演出を実行させるためのスイッチとして兼用してもよい。
(特定演出の要求操作タイミングで特定演出の内容を変更する変形例について)
上記実施の形態では、図21、図22、および図23を用いて、特定演出の要求操作を行なうタイミングによって、特定演出の内容が変化する例を説明した。その説明においては、たとえば、第1停止前と第1停止後とで特定演出の内容を変化させる例を説明した。しかしながら、第1停止後に特定演出の要求操作が検出された場合であっても、特定演出の内容を変化させず、第1停止前のもの(「小役はずれで…」)と同一の特定演出をしてもよい。
たとえば、第1停止リールの出目がベルとリプレイ(1)とのいずれの入賞の可能性もあるものであるときには、「小役はずれで…」という内容で特定演出を行なうことが考えられる。このような出目は、たとえば、第1停止リールが左リール2Lであれば、図2の図柄配列表の図柄番号12、13、14に対応する出目である。
また、ビッグボーナスのみが単独当選したゲーム、あるいは、前回のゲームからビッグボーナス当選フラグが持ち越された結果としてビッグボーナスのみが当選しているゲームにおいて、第1停止後に特定演出の要求操作が検出されたときには、第1停止リールの出目に応じて特定演出の内容をサブ制御部91が選択するようにしてもよく、あるいは、一旦、図23に示す制御テーブルに基づいて特定演出の内容を選択した後に、第1停止リールの出目に応じて、特定演出の内容を選択し直してもよい。たとえば、第1停止リールが左リール2Lであれば、図2の図柄配列表の図柄番号4、5、6に対応する出目が停止したときには、ベル入賞が発生することがないから、このときには、「リプレイはずれで…」という特定演出をサブ制御部91が選択するようにする。
(特定演出の変形例)
特定演出として、「Yellow」や「Blue」等を例示した。しかしながら、これに代えて、小役またはリプレイである2種類の入賞役A,Bに対応するキャラクタA,Bをメモリに記憶しておき、両キャラクタを併せて画面に表示するような特定演出としてもよい。この場合、いずれの入賞役が導出表示されたときの方がビッグボーナスが当選している期待度が高いのかを、表示するキャラクタの大きさの違いで表すように工夫する。
たとえば、このキャラクタAがキャラクタBよりも大きく表示された特定演出を表示結果が導出表示される前に実行した場合には、遊技者は入賞役Aが表示結果として導出表示されることを期待しつつゲームを進行させることになる。一方、この特定演出を入賞役Aが導出表示された後に表示した場合には、遊技者はキャラクタAが大きく表示される特定演出が実行されることを期待することになる。特に本実施の形態では、いずれの段階で特定演出を実行するのかを遊技者が選択可能であるために、このようなキャラクタA,Bを表示する特定演出についても、遊技者の好みに応じて、上記したいずれの期待感をも得ることができる。
なお、特定演出は音のみであってもよく、音と表示とを併せたものであってもよい。
(RTに関する変形例)
本実施の形態では、「特別入賞の発生が許容されていない複数種類の遊技状態」の一例としてRT(1)、RT(2)を例示した。実施の形態に記載したRT(1)、RT(2)は、ビッグボーナスが当選しても、それを終了条件として終了しない、いわゆる“完走型”と称されるRTである。しかしながら、このような完走型のRTに代えて、あるいは加えて、ビッグボーナスが当選することを終了条件として遊技状態が終了する“非完走型”のRTを採用してもよい。
また、RTに代えて、あるいは加えて他の遊技状態を「特別入賞の発生が許容されていない複数種類の遊技状態」として採用してもよい。たとえば、リプレイ以外の何らかの小役の当選確率が向上した小役確率向上状態を採用することが考えられる。
(リールの停止制御の方法について)
実施の形態では、リールの停止制御の方法として、予めROM41bに登録されているテーブル作成用データから作成される停止制御テーブルによる停止制御(以下テーブル方式とも呼ぶ)を適用しているが、停止操作のタイミング毎に引込可能位置を検索し、その検索結果に基づく停止制御(以下コントロール方式とも呼ぶ)を適用してもよいし、テーブル方式とコントロール方式の双方による停止制御(以下テーブル+コントロール方式とも呼ぶ)を適用してもよい。
また、これら複数の方式を併用してもよい。たとえば、内部抽選の結果、リールの停止時期(第1停止か、第2停止か、第3停止か)に応じてテーブル方式の停止制御と、コントロール方式による停止制御と、を併用することで、内部抽選による全ての結果、リールの全ての停止時期について停止制御テーブルを予め用意する必要がないため、停止制御テーブルの格納容量が少なくて済む。
また、停止操作のタイミングによっては取りこぼしの生じる役の当選時に、取りこぼしのある役の当選時よりも相対的に多くの停止時期について停止制御テーブルを用いたテーブル方式による停止制御を行なうことで、取りこぼしの生じる役が当選し、かつ当選した役を取りこぼした場合の表示結果を多様化できる。
特に、これら取りこぼしの生じる役のうち、特別役の当選時に、停止制御テーブルを用いたテーブル方式による停止制御を行なうことで、特別役を取りこぼした際の表示結果を多様化できる。また、いずれの役も当選していないハズレの場合にも、停止制御テーブルを用いたテーブル方式による停止制御を行なうことで、ハズレの場合の表示結果も多様化することが可能となり、結果として特別役の当選時にも、非当選時にも出現し得る表示結果の設計の自由度が広がる。すなわちハズレの場合の停止位置を停止制御テーブルによって制限できるため、特別役に当選している可能性の高い出目となる停止位置やその出現割合の調整が容易となる。
一方、取りこぼしの生じない役の当選時には、特別役を取りこぼした際の表示結果との関連が薄い。すなわち取りこぼしの生じない役が出現した時点で特別役の当選があまり期待できないため、取りこぼしの生じない役の当選時に、表示結果を多様化させる必要性が低い。このため、取りこぼしの生じない役の当選時に、取りこぼしの生じる役の当選時よりも相対的に多くの停止時期について停止制御テーブルを用いないコントロール方式による停止制御を行なうことで、効果的に停止制御テーブルの格納容量を削減することが可能となる。すなわち内部抽選の結果の性質に合わせて表示結果を多様にすることも停止制御テーブルの格納容量を削減することも可能となる。
また、第1停止について必ずテーブル方式で停止制御を行なうことで、特別役の当選時に、特別役の非当選時に選択される停止制御テーブルからは停止することのない停止位置となる滑りコマ数が登録された停止制御テーブルを選択して第1停止の停止制御を行なうことで、第1停止のリールに表示結果が導出された時点で成立するリーチ目(いわゆる1確目)を導出させる制御を容易に設計することが可能となる。
(停止順報知の条件に関する変形例)
本実施の形態では、ビッグボーナス当選したことを条件として、停止順報知をすることが決定された。また、その場合の決定率および権利数は、フリーズ発生の有無に応じて異なるものとした。
しかしながら、ビッグボーナス当選フラグが持ち越された場合を含めて単にビッグボーナス当選フラグが設定されているゲームであることを条件として、停止順報知をするか否かをさらに決定してもよい。あるいは、所定の入賞役に当選したこと、たとえば、当選確率が低いレア小役やレアリプレイに当選したことを条件として、または、ビッグボーナス中において所定の小役(たとえば、当選確率の低いレア小役)に当選したことを条件として、停止順報知をするか否かを決定してもよい。または、所定ゲーム数(たとえば、600ゲーム)を消化してもビッグボーナスが発生していないことを条件として、停止順報知をするか否かを決定してもよい。さらに、ここに例示したいずれかの条件が成立すれば停止順報知をするか否かを決定するようにして、停止順告知の権利が与えられる複数の機会を設けてもよい。
(その他の変形例)
実施の形態では、RT(1)が開始した後、いずれかの特別役が入賞したとき、いずれの特別役も入賞せずに規定ゲーム数に到達したときにRT(1)を終了させるようになっているが、転落役が入賞したときにRT(1)を終了させるようにしてもよい。
実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
更に、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行なう球取込装置、球取込装置により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチを設けるとともに、ホッパーモータ34bや払出センサ34cなど、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行なう球払出装置、球払出装置により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチを設け、メダルおよび遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、41a CPU、41b ROM、41c RAM、91 サブ制御部、91a CPU、91b ROM、91c RAM。

Claims (1)

  1. 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
    前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
    表示結果が導出される前に、入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
    遊技者にとって有利な有利状態に移行させるか否かを決定する有利状態決定手段と、
    遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、
    前記導出操作手段への操作に応じてゲームの進行を制御するゲーム制御手段と、
    前記導出操作手段への操作に応じて、表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段とを備え、
    前記スロットマシンは、特定入賞の発生を許容する旨の決定とともに、前記有利状態に移行させる旨も決定可能であり、
    前記事前決定手段の決定結果が前記特定入賞の発生を許容することを含む決定結果であるときにおいて、ゲームの進行を遅延させるための遅延制御を実行するときに、該遅延制御を実行するタイミングを決定する遅延制御決定手段と、
    前記遅延制御決定手段の決定に従って前記遅延制御を実行する遅延制御手段と、
    前記遅延制御の実行中に開始して終了するように実行期間が定められた演出を実行する演出実行手段とをさらに備え、
    前記遅延制御決定手段が前記遅延制御を今回のゲームで実行すると決定する割合と次回以降のゲームで実行すると決定する割合との比率は、前記有利状態に移行させる旨および前記特定入賞の発生を許容する旨の双方が決定されるときと前記特定入賞の発生を許容する旨が決定されるが前記有利状態に移行させる旨が決定されないときとで異なり、
    前記導出制御手段は、前記特定入賞の発生が許容されているときに、前記導出操作手段の操作手順に関わらず、前記特定入賞を発生させる表示結果を導出させる制御を行なう、スロットマシン。
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