JP5921647B1 - 潮流又は海流を使用して発電する海域での発電設備 - Google Patents

潮流又は海流を使用して発電する海域での発電設備 Download PDF

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Abstract

【課題】 海中に設置されて、再生可能なクリーンなエネルギーである潮流又は海流を使用して発電できる発電装置Gを使用し、発生した電力を使ってその設置海域で、船内の水素ガス製造装置で安価に水素ガスを生産して目的地に海上輸送でき、又は多量の放電したバッテリーを安価に充電して目的地に効率的に輸送できるようにする。【解決手段】 潮流を使用して発電する発電装置Gの近くの海上にフロート基地F1,F2を設け、発電装置Gが発生した電力を海中電力線ケーブルKでフロート基地F1,F2まで配線し、同フロート基地F1,F2の近くに停船した船SH,SBにフロート基地F1,F2の海上面に設けた送電線のコネクターf2に、船SH,SB側に接続された空中電力線AKのコネクターを可動アーム装置によって接続して、船内で電力を使用して水素製造装置SH1で水の電気分解で水素ガスを発生し、これを加圧して水素ガス高圧容器SH3に充填する。【選択図】図1

Description

本発明は、海中又は水中に設置された発電装置でもって、海の潮流又は海流の水流エネルギーを使用して電力を発生させ、その発生した電力を使用してエネルギー源の燃料としての水素ガスを製造し、又その電力を使用してバッテリー充電に供し、電力エネルギーを水素ガスとバッテリーの形態でエネルギーを保存し、水素ガスは水素燃料電池、又は水素エンジンの持ち運べる燃料源として使用でき、更に電力をバッテリーの充電に使用し、同じく電力エネルギーをバッテリーの形態で保存して、車,工場,船,農業・水産業の施設及び家庭で手軽に使用できるようにし、更に生産した水素ガス及びバッテリーを大量に海上輸送でき易くする、海域での発電設備に関するものである。化石燃料・有機物を一切使わないで、二酸化ガスの発生もなく発電できる、再生可能エネルギーを使ったクリーンな発電設備であり、しかも発生した電力を使用して、二酸化ガスを発生しない環境に優しい燃料としての水素ガスの生産、バッテリー充電に直ちに使用でき、電力エネルギーの保存及び運搬・保管を可能且つ安価に提供できる技術に関する。
再生可能自然エネルギーの活用は地球的課題であるとしても過言ではない。
水力、風力、太陽光、地熱、バイオ等は、技術的課題は解決されて、世界中で活用されている。しかし、最も期待の大きい海の自然エネルギーの活用は、技術的課題も大きく、いまだ実現の例も少ない。
その中で、潮流発電に関しても多数の試みが世界的にもなされてきたが、いまだ普遍性を持った技術が報告されていない。日本の潮流と水深の分布から、潮流発電を設置する海域を限定して、駆動構造の方式を考えた。潮流は速いほど良いが、比較的に流速が低い1ノットから2ノットの範囲の海域は、瀬戸内海から九州にかけて、広く分布している。水深も浅く40m程度以下であり、陸地も近く、この海域を対象に適応する潮流発電の駆動構造を考えれば、製作コスト、運転コストも有利で、採用、活用も広範囲に期待される。
又、潮流の流速がやや大きい2ノットから4ノットの海域も日本・世界に多くあり、この流速の潮流域又は海流域で発電すれば、大きな発電能力(MW),年間総発電量(億kWh)も大きくでき、再生可能エネルギーの有力な発電方式として期待される。
海域で発電する装置としては大型風車発電装置がある。これは海底に土台を設置して海面上方に高いタワー又は大型ポストを構築し、これに5〜20m径のプロペラを取付け、風力でもって発電させるものがあるが、水深が浅い海岸に近い海域に設置されるのであり、水深が30mを超えるときわめて大きい構造物となって設置コストが高い。又、大きな風力エネルギーを得るにはプロペラ径を大径にせねばならず、そのプロペラの軸支構造、プロペラ自体も軽量で高強度のものが要求される。更に、日本では台風・強い波浪が発生するので、それに耐える設計・強度・機構が要求される。又、風速は日時又は月・季節で大きく変動するため、発生電力も大きく変動しがちで不安定である。一般に風力発電は一日で発電できる時間が短い。
次に、海面に浮べて風力と海水流又は波浪で発電させるものもあるが、台風・強い波浪・強い海面水流に対して破損・強い揺動を受け、更には係留していても強い水流で遠方へ流される恐れがあった。
更には、水深が20m以上にある潮流・海流の水流エネルギーを使用して発電する装置を海中に設置する装置があるが、潮流発電装置の場合では海岸から500m〜数km以内の海域に設置されることが多い。その発電装置で発生させられた電力は海底に敷設させた電力線ケーブルで陸上へ送られる。海流で発電させる装置では、海岸から更に遠い位置にある強い流れの海流を利用するため、海岸から発電装置までの距離が5km以上超えることも多くなる。
これらに使用する海底敷設の電力線ケーブルはきわめて高価であり、長くなると発電装置本体の製造コストより高くなりがちであり高コストとなり、発電コストが高くなる傾向がある。その為に、潮流・海流発電装置は海岸から遠く離れた海域での設置はコストが嵩んで実用的でないとされてきた。
水深が深く、潮流・海流の水流の流速が速い海域での発電は、流速の3乗則に従って高電力を発生させられるが、上記の電力線ケーブルの敷設コストの問題があって、実用化が難しいという難点があった。
一方、潮流・海流を使った発電装置の利点は海中20m以上の水深に設置されるため、海面の強い波浪・台風等の強い風速の影響を大きく受けないため、比較的に安定的に装置は支持される。しかも、潮流は地球と月の引力によって発生する海水の流れで毎日確実に発生する自然現象であり、1日16時間程発電できる流速があり、海流は1日中所定以上の流速があり、発電装置の稼働時間が長いので、安定した電力が得ることができる。
しかし、潮流発電及び海流発電装置は上記の電力線ケーブルの問題があって実用化しにくいものであった。
本発明の課題は高い発電能力と安定性を有する潮流発電と海流発電装置の問題点を解消し、実用性が高い発電設備の提供と、発電エネルギーを使い易いエネルギーに保存して運送し易くし、生産及び使用時いずれでも二酸化炭素を発生することがない環境に優しい水素ガス燃料を安価に提供することにある。又、これによって、水素エネルギーの社会の到来と漁村・漁業の産業振興ともなる。
(従来の潮流・海流発電装置について)
本発明の発電装置として使用される潮流発電装置・海流発電装置の駆動構造として、風車のプロペラ式、船のプロペラ式、ダリウス翼車式、サボニウス翼車式など、さらに固定翼、クロスフロー、捩れ翼、バケットコンベアー式、等多数のものが提案されている。いずれも、海の過酷な条件に対して、一長一短の理由があるためか、試行の段階であり、活用の域に無い。
製造コスト最小な単純構造として、まず古来から現在まで活用されてきた地上の水車のモデルがある。しかし、開放型横軸片掛け水車を横に倒して流水中に沈めるとそのままでは回らない。そこで、ここで導水板を使って水流を片側だけにかかる様にすれば回転する。これがクロスフロー式であるが、実海面での導水板の設置は、固定式でも、可動式でも、コストも過大で、実現していない。
改良された水車羽根型の発電装置として、特許文献1に記載の発明があるが、これは回転体の全周に均等に羽根を複数枚を設け、同羽根をストッパ部によって所定範囲では立上げて流体受け部を形成し、その反対側の角度範囲では羽根を倒れるようにして、羽根の流体受け部に流体を送るために流体を誘導する流体ガイド板を設ける構造である。
しかしながら、この水車羽根型の発電装置では、流体の流れ方向が逆になったり、方向が変る海中では流体を常時流体受部へ誘導できず、発電が不安定となると判断される。
又、これとは別に回転体に放射状の羽根を複数板取り付け、その羽根の取付角度の一部が流れに対して直角にし、その反対側の羽根を流れに対して平行にするようにギヤ機構で行えるようにする風車が特許文献2に開示されているが、その羽根取付角度調整機構は複雑であり、長年使用すると羽根に作用する力で故障し、長期安定作動が難しいと判断される。又、この羽根取付角度調整機構によってエネルギー損失が大きく、効率的な発電は難しいと判断される。
現在、対象とする海域の条件に適応する潮流発電装置の駆動構造の開発が必要とされている。海域の条件は潮流速度が1.0〜2.0ノットの低流速の潮流域又は2.0〜4.0ノットの比較的に流速が速い潮流域であって、水深が−45mから−10m程度の海域とする。さらに、潮流方向の変化にたいしてはクロスフローの導水板や、プロペラ方式の旋回機構、など特段の機構を必要としないシンプルな構造であること。また、広範囲の採用・活用を図るため、発電能力は100kW,500kW,1MW,2MW,3〜6MW等に対応できること、最終的には発電コストを最小にすること、製造コスト最小の単純な構造とし、高度な技術・精度を要しないで、潮流の方向の変化に対応できて確実に発電出来るようにすることが期待されるものである。
又、特許文献3に記載の発明は、水中に沈むように設けられたタテ軸に水平なヨコ軸を放射状に複数取付け、このヨコ軸に回転羽根を揺動自在に吊り下げ、同回転羽根を二つのストッパで略水平から垂直の角度範囲に制動し、しかもこの回転羽根を板状又は翼状にすることで、水上流に向って右まわりの270°位相では水流からの揚力によって略水平にして水からの抗力を小さくし、回転羽根に働く反対の90°の位相での水抗力の差を大きくして右方向の回転トルクを強く発生させて、その回転力で発電機を回動させて発電させるものである。
しかしながら、この特許文献3の発明で、回転羽根を略水平に保持することの確実性が低いものである。270°の位相で回転羽根を略水平に保持するには所定の速度以上の水流が必要であり、低い流速の水流のときは又は回転の動き始めにおいては、その水からの揚力が弱く、水平方向に回転羽根が揺動しにくい。又、180°の位相では水からの揚力が弱く回転羽根が水平方向に揺動する力が弱く、270°の位相で水平になりにくい。又、水流の流速方向が変化すると回転羽根が上下に揺れがちとなる。
このように、水平になることの確実性が低く、強い回転トルクの発生が期待できにくい。
更に、特許文献3の発明では、小径の垂直なタテ軸に直接ヨコ軸を放射状に取付けるものであり、回転羽根に働く回転トルクはヨコ軸とタテ軸との挟・接合部に集中的に働いて、ヨコ軸がその取付位置で破損し易く、大きな回転トルク(発電量)に耐えられない。又、回転羽根の水力作用中心位置とタテ軸との距離は長くとれず、大きな回転トルク(発電量)を発生させることは難しいと判断される。
更に、特許文献4の発明は、本発明者が先に出願した特許発明であり、潮流の方向にかかわらず効率よく発電でき、又その潮流速も1〜3ノットでも作動できるようにした実用的な潮流発電装置である。その構造は水中の設置台のまわりに回転体を設け、同回転体の円周に沿って複数の取付枠を放射状に取付け、取付枠の半径方向に延びた横フレームに複数の水よりやや比重を軽くして浮力を発生させる受圧板を水平から−4°から−90°の間で揺動できるように枢着し、受圧板に働く水流からの回転トルクで回転体を回転させ、その回転体の回転を設置台に伝達して、その回転力でもって発電機を作動させるものである。これであれば、潮流・水の流れの方向にかかわらず回転体を回転でき、安定した発電を簡単な水中構造物で可能とした。
しかしながら、発電装置が事故・故障してその補修・検査の為に、回転体と受圧板の回転を強制停止させること及び受圧板の揺動を止めて固定することについては何ら開示がなかった。
本発明の発電装置には点検・補修・部品・消耗品交換する作業又は回転体・フレーム・受圧板にからみ付いた漂流物の除去作業が定期的・不定期的に必要となる。
引用文献4の発明において回転体・受圧板の回転を強制的に低速化・静止させるために従来知られている回転軸の回転を強制停止するメカ的ブレーキ装置を採用しても、受圧板の回転中での回転停止及び非回転中での回転停止維持に大きな負荷(200,000kgf・m程、又はそれ以上の回転トルク)が常時作用するので、従来のメカ的ブレーキ装置では本願発明の受圧板・回転体の回転を停止させようとすれば、ブレーキ機構がその大きな回転トルクに負けて破損・破壊するか発熱を生じる可能性が大きく、受圧板・回転体の回転停止には採用し難いものである。
尚、潮流で発電させる発電装置の場合では、潮止りの時間が1日に4時間以上あるので、この潮止りの時間帯を利用して受圧板・取付枠・回転体を設置台内の設けた通常のブレーキ装置を作動させることで、受圧板等の回転は容易に停止でき、潮止りの時間帯にクリーニング・点検等の水中作業を行えば安全にでき、回転停止の問題はかなり軽減できるが、それでも受圧板の揺動があり、これを止めることが作業上の安全上更に好ましいことであった。
本発明者の次の発明である引用文献5では、受圧板の揺動を止めて略水平に保持して固定状態とする機構及び受圧板を水平から下方4°〜90°程の角度範囲で揺動可能状態にする角度規制する機構について開示がある。これによって回転停止させる場合、まず受圧板を略水平に固定できれば回転トルクを大巾に低下させ、その後従来知られているブレーキ装置を使用すれば、受圧板・回転体の回転停止と受圧板の揺動を容易に停止でき、点検・補修・交換作業又は除去作業が安全に行えるようにできる。
しかしながら、揺動可能状態及び固定状態とするための受圧板を制動する駆動源は、回転体側に設置されるエアタンクの高圧空気による空気圧力を使用するものである。これを用いてエアシリンダーを駆動して受圧板の角度制動の機構を作動させるものである。
しかし、この引用文献5のエアタンクを駆動源を使用する方法では機構を作動させる毎に高圧空気が消費されるため、エアタンクの交換作業が必要となって作業回数を増大させる。この交換作業は受圧板の回転及び揺動を止めての水中での作業となるので、手間・時間・コストがかかるものとなるという問題点があった。又、このエアタンクの高圧空気の制御は、設置台側からのエア回路の回転している切換弁を設置台側からの加圧力による切換作動が必要として、やや構造が複雑になるという欠点があった。
次に、引用文献6の発明では引用文献3と同様に本願発明の中央にある設置台が存在せず、回転中心にある縦回転シャフトに直接横回転シャフト3を放射状に4個取付けられている。この横回転シャフト3に回転受圧羽根4が揺動自在に取付けられている。
そのため、引用文献6の発明では回転受圧羽根4に働く水流からの水圧力による回転モーメントは全て一本の縦回転シャフト2に働き、しかも同じ高さ位置に4本の横回転シャフト3の取付部が集中しているので、縦回転シャフト2は大きな回転トルクに耐えることが難しく、機械的強度に問題が生じる。この取付部の破損が生じる危険性が高い。
又、回転受圧羽根4に働く水圧力による回転トルクは、回転受圧羽根4の半径方向の中間位置と縦回転シャフト2の中心との間の回転アームの長さが短いので、本願発明に比べて小さな回転トルクしか発生しない。回転トルクが小さい分発電量も小さくなり、よって大きな発電量を得にくい構造である。
特開2012−2220号公報 特許第4717966号公報 実願平3−76448号マイクロフィルム 特許第5347048号公報 特許第5451938号公報 国際公開第2011/129056 A1
本発明が解決しようとする課題は、海岸から遠い海域で設置されても電力線ケーブルのコストの問題を解消でき、低価格な電力コストを実現し、しかも電力エネルギーを保存でき、使い易く且つエネルギー源として使用しても二酸化炭素の発生のない環境に優しい水素ガス・充電したバッテリーを安価に提供でき、しかもこれら水素ガス及び充電したバッテリーは自然エネルギーを使用して二酸化炭素の発生もなく生産・充電でき、しかもそれらの製造搬送も効率的に行わせることができるようにすることにある。第二の課題は従来の海流、水流を使った発電装置の構造上の問題点・欠点を解消し、簡単な構造でもって長期間耐久性をもって確実に作動でき、しかも30〜50m程の直径エリアにおいて500kW〜数MW程の大きな電力を発電可能にでき、しかも発電装置の点検・補修・部品交換・漂流物の除去等の水中作業の為に、受圧板の回転・揺動を停止させるが容易にでき、更に受圧板の角度制動の動力源に電力が使用にでき、その制御・制動を容易なものにすることにある。
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 潮流又は海流の水流エネルギーで発電する発電装置を海中に設置し、その設置海域の近くの所定位置の海面に浮ぶフロート基地を1基又は複数基設け、同フロート基地に前記発電装置で発生させた電力の送電線を配線し、同フロート基地において発電装置の電力が使用できるように又はフロート基地からフロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船に対し、フロート基地に送られた送電線の電力を中継して給電できるようにし、しかも前記発電装置が下記の構成のものである、海域での発電設備

海中又は水中で固定される設置台を設け、同設置台の外側に回転体を回転自在に取付けるとともに、同回転体の回転軸線を設置される海中又は水中の水流の流れと略直角となる縦方向に設定し、同回転体から円周に沿って複数の取付枠を放射状に取付け、その各取付枠の回転中心から半径方向に延びた上辺部材に平板状受圧板を複数個所定間隔離して配置するとともに各受圧板の一端を前記上辺部材に揺動自在に取付け、又同受圧板の質量をその容積の4℃の真水の質量で割った受圧板の比重を設置される海水又は水の比重より僅か小さくして海・水中で受圧板に浮力を発生しえるようにし、更に回転軸線まわりに回転する間に各受圧板の揺動の角度範囲が受圧板の自由端側が受圧板の取付け側の一端の回転軸線まわりの回転軌跡の面より少し下方となるように受圧板が下方に傾く所定の下げ角度θから、受圧板が回転体の略回転軸線方向となる自由端の最下位置までの角度範囲で受圧板が揺動できる揺動可能状態と、受圧板の姿勢を回転軸線まわりに回転する間に前記回転軌跡の面に対して0°か又は0°に近い小さな角度δで略水平となるように受圧板を常に固定する固定状態とのいずれの状態にも電力を動力源として切替できる受圧板制動手段を設け、同受圧板制動手段に受圧板の状態を他の状態に切替える操作命令を設置台側の機器又は遠隔地で操作する機器から回転体側の受圧板制動手段に非接触的方法又は接触を伴う方法で伝達して電気的制御信号に変換して操作命令の通りに受圧板制動手段を作動させる状態操作手段を備え、前記回転体の設置台に対する回転を設置台内の回転軸に伝達する回転伝達手段を設け、設置台内に前記回転軸の回転で発電する発電機を設け、同発電機の出力電力を有線で設置台近くの陸上又は海上あるいは水上船体に送電するようにし、しかも、回転体側にある受圧板制動手段の電力の動力源は、回転する回転体に近接した設置台の周縁部に巻線をコアに巻回した防水処理された1次コイルを1個所又は複数個所配置するとともに、回転体側の回転体又はこれに固設した取付枠であって前記の設置台の1次コイルと近接できる位置に巻線をコアに巻回した防水処理された2次コイルを複数個所又は1個所設け、前記1次コイルに交流を設置台の側の電源を用いて印加し、2次コイルが1次コイルに近接すると電磁誘導で2次コイルに電力を出力できるようにし、この2次コイルに発生する交流の電力でもって又は2次側の交流電圧を整流器で直流に変換してバッテリーに電力を充電させて同バッテリーの電力でもって受圧板制動手段に給電してこれを作動するものとし、受圧板を揺動可能状態とすると潮流又は水流によって受圧板に発生する力と受圧板の浮力と受圧板の角度制動とによって確実に回転体を回動させて発電でき、受圧板を固定状態とすることで回転体の回転を低速又は停止し易くした、発電装置
2) 前記フロート基地が送電線の中継の基地であって、発電装置とフロート基地の送電線が海中の送電線で配線し、フロート基地と近接して停船する船又は作業船に対し、フロート基地の送電線を空中で送電できるようにした、前記1)記載の海域での発電設備
3) フロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船がフロート基地からの送電線の電力を使用して、真水から水を電気分解して水素を発生して、発生した水素を水素高圧貯蔵容器に充填する水素製造装置を備えたものである、前記1)又は2)記載の海域での発電設備
4) フロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船がフロート基地から送電線で給電される電力を使用して、船又は作業船にあるバッテリー充電装置で複数のバッテリーを充電するようにした、前記1)又は2)記載の海域での発電設備
5) フロート基地自体に発電装置からの送電線の電力を使用して真水の電気分解で水素を発生して、その水素を水素高圧貯蔵容器へ充填する水素発生装置を備えた、前記1)〜4)いずれか記載の海域での発電設備
6) フロート基地自体に発電装置からの送電線の電力を使用して複数のバッテリーに電力を充電するバッテリー充電装置を備えた、前記1)〜4)いずれか記載の海域での発電設備
7) 前記1)〜6)いずれか記載の発電装置を使用し、その1次コイルのコアの端面が回転体側に臨み、又2次コイルのコアの端面は1次コイルのコアの端面に近接位置で対向するようにし、2次コイルの電力の伝達効率を高めた、前記1)〜6)いずれか記載の海域での発電設
8) 前記1)〜7)いずれか記載において、その取付枠が回転体の回転中心から半径方向に延びた上下複数本の横フレームと、上下の横フレームを連結する複数本の縦フレームとからなり、受圧板は横フレームの上端に回動自在に取付けられ、
受圧板制動手段は受圧板の自由端が最下位置となる角度以上に受圧板が回転するのを防ぐ下ストッパを受圧板を取付けた横フレーム下方に設け、受圧板を取付けた横フレームの各受圧板の左右側辺近くの位置でしかも同横フレームから直角に且つ前記回転軌跡面に沿って略平行に延びたストッパ取付部材を複数設け、同ストッパ取付部材に回転軌跡の面に対して0°又は0°に近い小さな角δで受圧板の上面と当接して上方への回転を抑止する上固定ストッパを前記ストッパ取付部材から隣接する各受圧板に向けて略直角に取付け、又ストッパ取付部材の途中にストッパ取付部材の長手方向からストッパ取付部材の長手方向に対し略直角になる直角方向まで回転できる回転ストッパを枢支し、しかも同回転ストッパの回転する下板は上下方向に離れた上面と下面を有し、回転ストッパの下板の下面はこれと受圧板の上面が当接すると受圧板が前記の下げ角度θ以上に浮き上らないように規制して受圧板を揺動可能状態とし、一方回転ストッパの下板の上面は受圧板の下面と当接すると受圧板を前記上固定ストッパと協同して受圧板を略水平に固定するように規制する形状寸法として回転ストッパの下板の上面で受圧板を固定状態にできるようにし、同回転ストッパを長手方向と直角方向に回動させる電力を動力源として作動する回動手段を取付枠側に設け、同回動手段によって回転ストッパの下板を長手方向又は直角方向に切替える構造とし、
受圧板制動手段の状態操作手段は、設置台の海又は水の水流が流れてくる上流を回転位相0°とすると受圧板を取付けた横フレームが水流に対し略直角となる回転体の回転位相の90°又は270°となる前の少なくとも20°以上手前の位置で、回転ストッパを直角方向から長手方向にする操作命令を送った後、それから少し回転した回転位相90°又は270°に近い回転位相前後位置で回転ストッパを長手方向から直角方向にする操作命令を送るようにした、前記1)〜7)いずれか記載の海域での発電設備
9) 前記1)〜7)いずれか記載において、その取付枠が回転体の回転中心から半径方向に延びた上下複数本の横フレームと、上下の横フレームを連結する複数本の縦フレームとからなり、受圧板は横フレームの上端に回動自在に取付けられ、
受圧板制動手段は受圧板の自由端が最下位置となる角度以上に受圧板が回転するのを防ぐ下ストッパを受圧板を取付けた横フレーム下方に設け、受圧板を取付けた横フレームの各受圧板の左右側辺近くの位置でしかも同横フレームから直角に且つ前記回転軌跡面に沿って略平行に延びたストッパ取付部材を複数設け、同ストッパ取付部材に回転軌跡の面に対して0°又は0°に近い小さな角δで受圧板の上面と当接して上方への回転を抑止する上固定ストッパを前記ストッパ取付部材から隣接する各受圧板に向けて略直角に取付け、又ストッパ取付部材の途中にストッパ取付部材の長手方向からストッパ取付部材の長手方向に対し略直角になる直角方向まで回転できる回転ストッパを枢支し、しかも同回転ストッパは受圧板の厚みより長く上下方向に離れた上と下を有し、回転ストッパの下板はこれと受圧板の上面が当接すると受圧板が前記の下げ角度θ以上に浮き上らないように規制して受圧板を揺動可能状態とし、且つ回転ストッパの上板と下板との間に受圧板を挟んで受圧板を略水平に固定できる形状寸法として回転ストッパの下板の上面で受圧板を固定状態にできるようにし、同回転ストッパを長手方向と直角方向に回動させる電力を動力源として作動する回動手段を取付枠側に設け、同回動手段によって回転ストッパを長手方向又は直角方向に切替える構造とし、
受圧板制動手段の状態操作手段は設置台の海又は水の水流が流れてくる上流を回転位相0°とすると受圧板を取付けた横フレームが水流に対し略直角となる回転体の回転位相の90°又は270°となる前の少なくとも20°以上手前の位置で、回転ストッパを直角方向から長手方向にする操作命令を送った後、それから少し回転した回転位相90°又は270°に近い回転位相前後位置で回転ストッパを長手方向から直角方向にする操作命令を送るようにした、前記1)〜7)いずれか記載の海域での発電設備
10) 状態操作手段の機器が、設置台に電磁気・光・水中無線又は水中音波を用いて操作命令を発信する送信器を設け、回転体側にそれを受けて受圧板制動手段の電気制御信号に変換する受信器を設け、操作命令を前記送信器と受信器とによって設置台から回転体側の受圧板制動手段に電気制御信号として伝達するものである、前記1)〜9)いずれか記載の海域での発電設備
11) 状態操作手段の機器が、設置台に物理的力を与える加圧体を設け、回転体側に同加圧体で開閉する電気開閉器のスイッチを設け、設置台上の加圧体をアクチュエータで制動して、前記スイッチを作動させて回転体側の受圧板制動手段に電気的制御信号を送出する、前記1)〜9)いずれか記載の海域での発電設備
12) 設置台内の回転体の回転が伝達された回転軸の途中にその回転を減速させる外部から入切制御できる常時切のブレーキ装置を設けて入制御で回転体を減速又は静止させるようにし、更に同回転軸に常時伝動のクラッチを介して回転軸の回転を発電機の入力軸に回転を伝達し、更に強制回転用モータの出力軸の動力をクラッチを介して前記回転軸に回転を伝達できるようにして回転体を強制回転可能にした、前記1)〜11)いずれか記載の海域での発電設備
13) 各受圧板の自由端にヘ字状に折曲したフラップを取付け、同フラップに作用する水流からの力によって回転位相90°に近づく位相では自由端が最下位置方向に早期に向かうようにし、回転位相270°に近づく位相で受圧板を早期に水平状態に近づけるようにした、前記1)〜12)いずれか記載の海域での発電設備
14) 受圧板の比重を設置される海水又は河川の水の比重の0.95〜0.99倍とし、しかも受圧板の取付け側の一端の回転軌跡面からの下げ角度θが3°〜6°の範囲であり、又受圧板の固定の角度δが前記回転軌跡面を0°とした−3°〜+3°の範囲である、前記1)〜13)いずれか記載の海域での発電設備
15) 設置台の平面形状を楕円状とし、その長軸方向を設置される海中又は水中の主たる水流の流れ方向となるように設置台を海中又は水中に設置し、同設置台の外側に環状の固定ガイドフレームを上下方向に複数段設け、同固定ガイドフレームに回転体を回動自在に取付けた構造のものである、前記1)〜14)いずれか記載の海域での発電設備
16) 設置台の甲板部に、設置される海又は川の最高水位でも筒上端が水沈しない設置台内へ人が出入できる開閉蓋付の通行筒を設けた、前記1)〜15)いずれか記載の海域での発電設備
17) 設置台の内部の一部を中空として、水中で大きな浮力を発生させ、しかも設置台から海底面又は水底面に投下したアンカーウェイトをくさりで係留して、設置台に取付けられた回転体と取付枠と受圧板とそれらの付属物及び設置台内に配置した機器の重さによる下方力とくさりの引張力と設置台の浮力とを平衝させて、発電装置を海中・水中で固定させた、前記1)〜16)いずれか記載の海域での発電設備
18) 海水又は水中に設置された発電装置の外周を囲うように且つ海底面から海面まで延びた中・大型の魚・哺乳動物の進入を阻止する定置網を設け、同定置網を上方に引張するフロートの上部に海面より上方に突出する海面柵部を設け、発電装置への中・大型の魚と動物の進入及び人の無断進入を防止するようにして発電装置・動物と人の安全を確保した、前記1)〜17)いずれか記載の海域での発電設備
にある。
本発明によれば、海中に設置した潮流又は海流の水流エネルギーを用いた発電装置で発生させた電力は、海中・海底に敷設した常設の短い海中電力線ケーブルによって、又は海上面上に架設された常設の空中電力線によって発電装置の海域近くの海面に浮上するように設置されたフロート基地に送電され、ここを介してフロート基地近くに停船させた船・作業船に電力を給電することによって、船が水素発生装置を備えていれば、この海域で船中にて給電される電力エネルギーを用いて水の電気分解等によって水素ガスを発生させ、発生した水素ガスを水素ガス高圧容器に充填し、多数の水素ガス高圧容器が格納できれば、船はフロート基地を離れて海上運送して所要の地の港へ水素ガス高圧容器を運ぶことができ、水素ガス高圧容器の乗せ換えの必要なく、直接遠方の地まで多数個運べるようになる。
同様に、船・作業船がバッテリー充電装置を備えていれば、フロート基地からの安価な電力給電によって船内で多数個のバッテリーに電力を充填させることができる。多数のバッテリーに充電させれば、フロート基地を離れて充電されたバッテリーを所要の土地の港に運び、充電したバッテリーを各地に迅速に且つ安価に供給できる。
このように、本発明によれば発電装置の電力を遠方の陸地まで長い海中電力線ケーブルを使って送電する必要がないので、発電設備のコストが安価にできる。又、水素ガスの発生から水素ガス高圧容器に充填しての運送が迅速にでき、又各地への配給も容易となる。充電したバッテリーの配給も同様に迅速且つ効率的に行える。
更に、フロート基地を設ける利点は、大型船が直径が40〜80m程の発電装置の海域近くに近接すると大型船が海中の発電装置に接触して発電装置を破損させる危険性があり、これを避けることにある。又、大型船の海中の船体部分によって発電装置の海中の水流が乱れたり、水流の流速を低下させることになって、発電装置に悪い影響を与えることをなくすことにある。更に、発電装置の発生電力を送電する電力線ケーブル又は空中線による大型船との直接接続は距離が長くなって難しく不安定となり、これを避け、フロート基地が電力線の中継基地となって船等に容易に送電できるようにすることにある。
この点、本発明ではフロート基地は発電装置の海域の近くの位置にアンカー等で安定するように海面上の所定位置で安定設置するものであるから、発電装置とフロート基地の海中電力線ケーブルは200m程の長さで短くて済み、波浪・風を避けて比較的に安定し、フロート基地まで安価に配電できる。そして、船・作業船はフロート基地の発電装置の反対側となる外側に近接して停船させれば、船と発電装置はかなり遠くに離れることができ、発電装置と接触することも、又発電装置の海中の水流を乱したり水流の流れを低下させたりすることもない。フロート基地は海面にフロートで浮ぶので、海面のかなり下方に設置される発電装置と接触することも、又上下に離れているため海中の水流を乱したり、水流を低速化させたりすることはほとんどない。
更に、船側又はフロート基地の海面上に空中電力線をフロート基地と船との間で配線するための持ち上げアーム・架線支持アーム機構又はクレーン機構を備えれば、フロート基地と船との間での空中電力線の接続は容易に行える。フロート基地と停船した船との離間距離は5〜20m程の短い距離にできるので、空中電力線の接続作業も容易となる。これによって、船の停船・電力線接続・電力線分離・船の出航が迅速にできる。
更には、漁船・運搬船・レジャー船等の船自体がバッテリー又は水素ガスをエネルギー・燃料源とするものであれば、水素ガス発生装置・水素ガス充填装置・水素ガス補給ホース・バッテリー充電装置を有するフロート基地では、これらの船に直接電力を給電又は水素ガス・バッテリーの供給が行え、フロート基地が個別の船のエネルギー供給基地(ステーション)ともなる。
又、フロート基地自体で水素製造装置と水素ガスを高圧容器に充填する装置を備え、又はバッテリー充電装置を備えて水素ガス高圧容器又は水素ガス補給ホース及びバッテリー格納室を有すれば、充填完了した水素ガス高圧容器又はバッテリーあるいは水素ガスを直接フロート基地から船・作業船・貨物船に移載して、海上運送して各地に配給できるようになる。
加えて、海域でフロート基地又はこれに近接して停船する船内で、水素ガス製造装置を作動させても、万が一水素ガス爆発・火災が発生しても廻りは海面であり、外周に人家・建物・人がほとんどないので大きな災害となりえず、海中の発電装置に損害を与えることも少ないという利点もある。
更に、本発明によればフロート基地の電力を使用して、フロート基地の近い海域で魚の養殖生簀を設置すれば、その養殖生簀に海中への空気泡送気用電動ポンプ、回転羽根、又は給餌機の電動モータ、又は養殖観察カメラ、温度計測・魚体数の計算・漁体の動き、漁体寸法等の観察用電気機器に給電でき、海上での養殖を高度にできる。魚ばかりでなく、海中での貝類・カニ類の養殖、あるいは魚の幼魚・稚魚の育養の海中設備に電力を給電でき、これらの養殖・育養を電力をもって高度化できる。これらの目的の給電用の発電装置の発電量は、比較的に小さいもので済む。
又、発電装置が発生した電力を使用して海水と大気中の空気を取り込み、これに必要に応じて幼魚・稚魚・小魚の餌となる植物プランクトン・無機有機の餌料成分とを加えて冷却して、海水の比重に近い空気泡と餌料成分とを含んだ氷粒子を製造し、この氷粒子を発電装置の下方・周囲海中に散布するようにすれば、発電装置の周囲海域を魚の幼魚・稚魚・小魚のよい育成場とすることも可能である。この氷粒子が水流・渦流で周囲に拡散し、氷の溶解とともに徐々に含まれた空気泡が海中に放出し、併せて餌料成分も放出して海中の溶存酸素を高め、又幼魚・稚魚・小魚の餌があることでこれら稚魚がよく育つ海域にできる。これによって、発電装置の設置海域をよき漁場にできる可能性がある。
加えて、フロート基地からの給電によって水素ガス・充電バッテリーを安価に提供できれば、現在の漁船の動力源の化石燃料に代えて水素ガスを燃料とする燃料電池とモータの採用又は水素エンジンの開発によって、船の動力又は船上機器の動力源とすれば、漁船における遠海での燃料費コストを大巾に低減でき、競争力ある漁業ビジネスにできる。又、漁船で使う照明灯、船内の電気機器の電源を充電されたバッテリーで行えば、化石燃料による発電装置を使用しないで済み、又これによって漁業の低コスト化を可能にできる。
又、本発明の発電装置を使用すれば、回転体から放射状に取付けた取付枠の上端に揺動自在に取付けた複数の受圧板は、水流からの受圧力と、受圧板の重力・浮力と、受圧板の回転による受圧揚力との力を受けるが、受圧板の回転位相(以下、取付枠の横フレームの方向が水流の上流方向を示す取付枠の位相角を0°とし、受圧板が水流の力でその自由端が押し下げられて略鉛直に制止される側に向う方向(以下正回転方向という)に取付枠・受圧板を回転させたときの位相角0°からの回転角度を回転位相の角度という)によって、これらの力のバランスを変化させて回転トルクを常時得るようにする。しかも、水流の方向が変化しても常に回転トルクを発生し、発電できるものとしている。

受圧板が固定されず揺動可能状態では水流の流れ方向と取付枠の方向とが直交する回転位相90°及びその前後の45°〜90°,90°〜135°の回転位相にある受圧板は、水流から強い受圧力を受け、その力は受圧板の自由端を下流方向に回動するように作用する。この回転位相90°付近では受圧板の自由端が最下位置近くになるように回動されるが、受圧板制動手段によって受圧板は略鉛直に保持され、この位相での受圧板に作用する水流からの強い受圧力は取付枠を介して回転体に対して正回転方向(上から見て時計方向)に回動させようとする高い回転トルクを与える。
他方の直交する回転位相270°前後では、受圧板は水流からの受圧抗力と浮力と回転による水流からの受圧揚力によって、受圧板の自重の力に抗してその自由端が水平方向になるように付勢され、受圧板制動手段で略水平(上端の回転軌跡面)からやや自由端が低くなる軽い傾斜角の下げ角度θで制止される。従って、この位相では、受圧板に作用する力は水流の流れ方向と略平行になることで小さく、取付枠・回転体を正回転方向と逆方向に回転させる力(抗力)の発生が弱く、正回転と逆の反対回転に回動させようとする回転トルクはきわめて小さく、回転トルクの合計は受圧板を正回転方向に回転させる(図31参照)。
又、中間の位相の145°〜225°及び315°〜0°〜30°の範囲では、その範囲の受圧板は鉛直でも又は水平でもない傾いた浮遊状態にあって、回転トルクの発生は小さく、又正回転方向の回転を阻害するトルク抵抗の発生は少ない。
よって、本発明の受圧板は回転位相45°〜135°で発生する強い回転トルクによって回転位相0°から90°に向う正回転方向に回動し、取付枠・回転体は確実に回転され、発電機の発電も確保される。
水流の流れの方向が変化しても、その水流の流れに対する回転位相45〜135°で強い水圧力による回転トルクが発生し確実に回転体は回転できて発電できる。
回転位相の145°〜225°及び315°〜0°〜30°の中間における受圧板の回転位相90°、270°(鉛直状態又は水平状態)への移行は、受圧板の90°での揺動の制止と、僅かな下げ角度θでの制止による水からの力と、浮力と、回転速度による水からの揚力等とによって円滑に行える。
本発明では受圧板は揺動可能状態か、略水平の固定状態かのいずれかの状態となる。その状態を保持する構造及び状態を切替える機構は、受圧板制動手段によって行われる。この受圧板制動手段には、力・トルクを必要とするため動力源を有するが、本発明での受圧板制動手段の動力源は設置台の外周縁に設けたコア付1次コイルに交流を印加し、回転する回転体側に設けたコア付2次コイルがこの1次コイルに近接して、1次コイルの磁力線の磁束が2つのコアを介して及びコア間の海水・プラスチック等の介在物を透過して2次コイルに誘導され、2次コイルに2次電圧と2次電流が発生し、回転体側に1次コイルに印加した電力の一部が2次コイルに伝達され、回転側の受圧板制動手段をこの電力を用いて作動させることができるものである。2次コイルの交流電力はそのまま又は変圧して、あるいは直流に変換してバッテリーに充電し、直流電圧として使用することが可能である。
受圧板制動手段が電気でもって作動できるので、陸上で使用できる高信頼性・高精度の電気機器(電磁ソレノイド,電動モータ,電動シリンダー,電動アクチュエータ,電動ウィンチ,水シリンダーとその水圧を発生させる電動式水ポンプ,油圧シリンダーとその油圧を発生させる電動式油圧ポンプ等の駆動力を発生させる電気機器)が使用でき、これらを防水パッケージ・防水処理されることで海水・水中で使用可能となる。
又、これらの電気機器の制御装置も電気制御となるので現在の電気技術が使用でき、正確・確実な制御を容易に且つ小型でできるようになる。
更に、本発明では回転している回転体側でも電力が使用できるので、受圧板の揺動・静止状態の観察、回転体・取付枠・回転ストッパの状態及び水中漂流物の付着状態等の観察する水中カメラを回転体側に設置できる。回転体側の取付枠の回転速度計測・受圧板の傾き角度計測器等の各種計測器・センサーが回転体側に設置できる。更に、回転体側の取付枠に取付けた発電装置の存在・回転物の存在を外部の人・船に対して示す接近禁止の警告灯の開閉制御信号及び上記の計測器・センサーの情報及びこれらを制御する水中の回転体側と設置台又は海上船体との間の信号・情報の伝達手段として、水中音波・水中超音波・光・レーザー・電磁誘導・水中放射(水中無線)等の方法による非接触による情報・制御情報の伝達手段が使用できる。これらの伝達手段の送信器・受信器・投光器・受光器等の公知の電気機器が防水処理するだけで自由に使用できるようになり、制御及び関連情報を設置台・海上船舶・陸上施設へ送れることが容易となる。よって、本発明の発電装置の観察・制御がきめ細かくできるようになる。
又、設置台の上部に通行筒を設けたものであれば、この通行筒に無線アンテナを取付ければ無線アンテナは海面上に配置でき、陸上施設,離れた海上船と水中の発電装置とは無線(電波)での情報・制御信号の送受信が行える。
図1は、本発明の海域での発電設備の実施例Xの説明図である。 図2は、本発明の海域での発電設備の実施例Yの説明図である。 図3は、図2の例Yの平面配置を示す説明図である。 図4は、本発明の発電設備の実施例Zの説明図である。 図5は、実施例Zの設置台の内部構造を示す説明図である。 図6は、発電装置から船に空中の電力線で直接給電する参考例を示す説明図である。 図7は、図6の参考例の平面配置を示す説明図である。 図8は、本発明に使用する発電装置例の海中での設置状態を示す説明図である。 図9は、本発明に使用する発電装置例の回転体と取付枠の骨組構造を示す説明図である。 図10は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の取付構造及び1次コイルと2次コイルの配置を示す説明図である。 図11は、本発明に使用する発電装置例の回転伝達手段の構造を示す説明図である。 図12は、本発明に使用する発電装置例の回転伝達手段の詳細と回転体の取付構造と1次コイルと2次コイルの取付構造とを示す説明図である。 図13は、本発明に使用する発電装置例の回転体の下部の支持構造を示す説明図である。 図14は、本発明に使用する発電装置例の取付枠の横フレームの支持構造を示す説明図である。 図15は、本発明に使用する発電装置例の回転伝達手段のラック歯車とピンとの係合を示す説明図である。 図16は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の内部構造を示す説明図である。 図17は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の横フレームとの取付構造を示す平面図である。 図18は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の横フレームと枢支の構造を示す説明図である。 図19は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の揺動を示す説明図である。 図20は、本発明に使用する発電装置例のストッパ取付部材と回転ストッパ・上固定ストッパの取付を示す説明図である。 図21は、本発明に使用する発電装置例の回転ストッパの動作説明図である。 図22は、本発明に使用する発電装置例の回転ストッパの構造と直角方向の状態を示す説明図である。 図23は、本発明に使用する発電装置例の他の回転ストッパの構造を示す説明図である。 図24は、図23の他の回転ストッパの動作説明図である。 図25は、本発明に使用する発電装置例の電力の伝達と状態操作手段の制御信号の伝達の機器を示す説明図である。 図26は、本発明に使用する発電装置例の電力の伝達のコア付1次コイルとコア付2次コイルの配置を示す説明図である。 図27は、本発明に使用する発電装置例の状態操作手段の構造を示す説明図である。 図28は、本発明に使用する発電装置例の状態操作手段の設置側の回路ブロック図である。 図29は、本発明に使用する発電装置例の状態操作手段の回転体側の回路ブロック図である。 図30は、本発明に使用する発電装置例の設置台における1次コイルと信号伝達用直流コイルの配置状態を示す説明図である。 図31は、本発明に使用する発電装置例の受圧板の傾き姿勢を示す説明図である。 図32は、本発明に使用する発電装置例の通行筒を示す平面図である。 図33は、本発明に使用する発電装置例の設置台の沈降の状態を示す説明図である。 図34は、本発明に使用する発電装置例の海底地盤設置型の他の形態の設置台の説明図である。 図35は、本発明に使用する発電装置例の保護のため定置網を設置した例を示す説明図である。 図36は、図35の定置網の設置の状態を示す平面視の説明図である。 図37は、本発明に使用する発電装置例の大型フロートの海面柵部を示す拡大図である。 図38は、本発明に使用する発電装置例の情報と制御信号の授受の伝達方法と定置網設置と監視カメラの監視状況を示す説明図である。 図39は、本発明に使用する発電装置例の状態操作手段の物理的接触による信号の伝達の機構例の説明図である。
本発明のフロート基地は、海上土木で使用されているフロート台船1台又はそれを複数台連結した構造のもの、又は大型フロートを連結して一体化し、上方に室又は送電線の配電作業用のクレーン装置を設け、これらの重量の他に送電線、アンカー、アンカーを繰り出し引き上げるウィンチ装置又はウィンドラス装置、電力制御装置、フロート基地の通信照明装置、バッテリー充電装置、整流回路、バッテリー格納庫、作業者室又は必要に応じて配置する水の電気分解による水素製造装置、水の電気分解に使用する真水の水タンク等の重量に対して海面浮上を維持できるだけの浮力を保有させる。
本発明における海中にある発電装置とフロート基地との間の電力の送電の方法は、海中・海底を通して海中電力線ケーブルで送電するのが海面波浪・風の影響を受けずに安定して送電できる。海中の発電装置の上部に海面上方まで立設された送電塔を設けたものであれば、送電塔の海面上の高い位置から送電線をフロート基地まで空中架設する方法もあるが、後者は波浪・風の影響・塩害を受け易いので、前者の海中電力線ケーブルの送電の方が好ましい。
本発明のフロート基地と近接して停船させた船との間の電力線の配線接続は、フロート基地側又は船側に設けた配線作業用のクレーン装置又は電力線の持ち上げアーム機構を設け、電力線の先端と受電線側の先端とにそれぞれ嵌合するアダプター(接続コネクター)を設けて、船上で又はフロート基地上でアダプター同士を連結して電気接続するようにするのがよい。
フロート基地は、水素ガス製造装置又はバッテリー充電装置を備えた船への電力中継基地のみの機能としてもよいが、フロート基地自体にも水素ガス製造装置と発生した水素ガスのボンベ充填装置を備え、又はバッテリー充電装置を備え、更に水素ガス高圧容器,バッテリー格納庫を備えれば、フロート基地で水素ガスを製造して水素ガス高圧容器に充填して格納して、船にこれを移載させて運送するようにもできる。又は、フロート基地で充電したバッテリーを船に移載して目的地へ運送させることもできる。
本発明の発電装置の海上の空気を設置台中のポンプで取り込んで、発電装置下方から空気泡として放出する散気管を設置台の下方又は回転体下方の海底に設置すれば、発生した気泡が上方の回転する受圧板によって水流・渦流とともに発電装置周辺の海中に散布でき、これがこの海域での魚に酸素供給し、魚の育成を行える。
本発明の発電装置の回転体の回転軸線の方向は、設置した海中・水中の流速の方向と略直角となるように、且つ潮流・水流の方向と受圧板とがその回転位相の90°で略直角となるようにする。一般に潮流・水流は海底面・水底面に略平行となることが多いので、回転体の回転軸線は設置する海底面・水底面の地面に直角の縦方向となることが多い。
本発明の発電装置の設置台としては、図34に示すような海底面又は水底面上に載置されて固定的に設置される円筒又は楕円筒の形状の筺体タイプと、以下の実施例の如く、海底面又は水底面にアンカーで係留された海中又は水中で浮遊する構造体のタイプと、海面・水面上の空中構造体(橋・水中タワー等)から海・水中へ垂設された取付台タイプ、又は海・水面に浮ぶ係留された浮体・船体から海・水中へ垂設された取付台タイプとがある。
尚、設置台及びその上部の通行筒は水深に応じた耐水圧の構造とする。
更に、取付枠に受圧板を上下方向に複数段設ければ、回転トルク及び出力電力も複数倍にできて高い発電量を得ることができる。段数によって発電量を変えることができる。
本発明の発電装置の設置台の外形状を楕円形状として、その長軸方向を設置する海・水での水流の主たる水流の方向に設置することが設置台による水流の乱れを少なくして、発電効率を高める(図31参照)。海中の潮の流れの方向は、時間とともに変動するが、その場合は水流の流れの方向の時間的に多い方向を「主たる水流の方向」とする。又は、流速が速い時間帯の水流エネルギーを主に使用する場合は、その時間帯の水流の流れの方向を「主たる方向」とする。これによって、設置台の長軸方向が水流方向と略平行となり、設置台の受ける水の抵抗は小さくなり、又設置台によって水流が乱れたり、又は渦が発生することが少なくなり、受圧板の位置の水流は層流に近いものとなり、受圧板から取り出される回転トルク・エネルギーの効率は高くなる。又、干満で水の流れが反対になっても、同様にエネルギー効率よく発電できる。
本発明の発電装置の設置台の「楕円形状」とは、その平面外形状が正確な楕円形状ばかりでなく、正確な楕円形状でなく偏平な形状、又は流線形状のものを含み、水流の流れに対して抵抗が少なく、設置台まわりの水流に乱流・渦の発生を少ない縦横の長さに長短のある形状のものをいう。
本発明の発電装置の取付枠は、回転体から設置の海・水の水流に平行な方向で大略海底又は水底の地面に略平行方向に放射状に突出した部材であるが、この取付枠には受圧板から力が負荷されるので、回転体に一端が取付けられた上下の複数の横フレームと同上下の横フレームを連結する複数の縦フレームで連結し、取付枠の回転に水の抵抗を少なく且つ高い強度を保有させるのが取付枠の好ましい構造である。
本発明の発電装置の受圧板は、表と裏の表面材として傷付きにくい金属板又はプラスチック板を用い、内部に発泡樹脂材又はハニカム材を充填させて、受圧板の比重を、1.01〜1.05程の比重をもつ海水又は河川の水の比重に対する比で1.0より僅か小さく0.95〜0.99の範囲とすることが好ましい。その比が0.95より小さくなると浮力が大きくなり、受圧板が水平になる力が強くなり、そのため0°〜90°の位相で遅く垂直状態となり、90°の位相を過ぎると早目に水平状態となるので受圧板による発生トルクが小さくなる。又、水流・潮流の流速が低い場合は、浮力の方が強く回転体が自動始動しにくい。一方、その比が0.99を超えると浮力が弱くなって、受圧板が水平状態になりにくい。特に、位相角度270°付近で水平になりにくく、270°付近の受圧板の水の抵抗が大きくなり、反対方向に回転させようとする回転トルクが大きくなって、やはり発生トルクが小さくなる。よって、その比は0.95〜0.99が好ましい。その比が小さい程下げ角度θは大きくして下方力を大きくする必要がある。尚、受圧板は、海水・河川水の水の比重1.00〜1.05より軽いプラスチック板と重たい金属・セラミックスとの複合板であってもよい。この受圧板の後端にフラップを設ければ、回転位相0°〜90°での早期の沈降と、回転位相180°〜270°での早期の水平化に働く。
本発明の発電装置の発電機は、設置台内に設けられ、防水された中空空間内に収容され、回転体の設置台に対する回転力を、増速ギア機構を介して発電機を回動させる構造とするのが一般的である。
本発明の受圧板の取付枠の上端での取付け方法は、蝶番又は枢着いずれでもよく、高い強度をもって取付枠の上辺部材・横フレームまわりに受圧板が揺動できるものであればよい。
本発明の発電装置の受圧板の受圧板制動手段の代表的手段としては、取付枠の下方の横フレームに受圧板の自由端を回転体の軸線方向となる略鉛直状態で係止する下ストッパーを設け、又取付枠に設けた回転ストッパで、受圧板をその自由端が回転軌跡面0°より僅か低くなる3°〜6°程の受圧板の傾き角度θ(下げ角度)状態とする。この下ストッパと回転ストッパの構造としては、実施例の構造以外の他の機構も採用できる。
例えば、回転ストッパの構造は請求項9の構造の他に、請求項10における回転ストッパの上板を、非回転として常時直角方向に固定するようにすれば、この非回転の上板を上固定ストッパとして機能させることも可能である。
受圧板の下げ角度θの設定角度は小さすぎると、0°〜90°の回転位相で受圧板は90°の回転位相で垂直にならなかったり、垂直になるのが遅れすぎて全体の回転トルクが小さくなる傾向がある。逆に下げ角度θが大きすぎると、270°の位相で受圧板に強い流水抵抗が働いて、逆方向の大きな回転トルクが働いて、全体の回転トルクが小さくなって好ましくない。よって、受圧板の回転位相90°の垂直への円滑な移行と、270°回転位相での小さな抵抗とするため、受圧板の下げ角度θは回転軌跡面からの下方の3°〜6°(軌跡面を0°とするとその下方の3°〜6°)程の角度範囲に抑えるようにするのがよい。
概算してみると、tを受圧板の平均厚みとし、ρを水の密度とし、始動させる潮流の流速をVsとすると、受圧板の90°位相での傾き角度θの受圧板を押し下げる下方力=1/2*ρ*Cd*A*Vs*tanθと、浮力=9.8*A*t*ρ*(1−受圧板の比重/水の比重)との比Xが、90°以前の位相で下方力が浮力より余裕をもって大きくする値1.3程以上が好ましく、又270°位相で流水抗力を強く抑えるため、下方力の浮力に対する比Xが2.7以下程が良い設定であることが分った。受圧板の比重/水の比重の比を0.99とすると、3°〜6°程で4°±0.5が最も好ましいことが分った。
本発明では、横に倒した水車の受圧板を揺動自在にする事を、最も主要な特徴とする。受圧板は回転翼桁である取付枠の上端で揺動自在に取付け、その受圧板の比重を海水・河川の水の比重の0.95〜0.99倍程とし、僅かに浮く様にする。受圧板制動手段により、設定の下げ角度θ位置に回転止して水平以上にならないようにし、又、90度前後の位置に下ストッパで回転止をする。水流速が0〜0.5ノットの低速域では水流による力の発生が小さく、全受圧板は浮力により略水平になり、水圧をうけないため受圧板は回らない。下げ角度θが4°の場合、0.8ノット頃から初期角度4〜5度前後の面に当たる水圧による下方力が、受圧板の浮力に勝って、受圧板を下方へ回転させ、下ストッパで止まり、受圧板は水流に直角となり強い流水圧を受ける。その受圧力を取付枠に伝えることで受圧板・回転体は連続回転する。
次に、潮流方向の変化に対して、本発明は構造上の対称性があり、水流の方向が違うだけで受圧板の水流からの作用効果は変化なく、回転位相0°の方位が変化するのみである。このように、特段の機構を必要とせず、受圧板だけで自動的に対応できて、いずれの潮流方向でも回転体を回転可能としている。
これにより、受圧板の回転方向は流れの方向が変わっても常に一定回転方向に保たれ、発電可能となる。
本願発明の使用条件の潮流速度が2ノットから1ノット、水深が−40m程から−10m程度の海域に適応する構造にする手段としては、まずプロペラ式やダリウス翼方式があるが何れも翼の揚力を利用する方式であり、発電量が翼直径の2乗・流速の3乗に比例する理論に基づく方式であり、さらに翼の回転軸が横軸で、支柱が直立となるため、深い水深と速い流速が必要条件となる。
これに比較して本発明は浅い水深、低流速の海域に適応できる構造とするため、陸上の下掛け水車の近似理論:発電量=水車直径×水流量/秒×効率・係数に基き、縦軸横置き水平方向回転の水車に相当する。翼理論の流れ方向に、直角な揚力でなく、平行な直圧・抗力を利用する。受圧域が翼回転の全周になるプロペラ方式に比べ受圧域が回転の半周になることを補って、目標発電量に、余裕のある水車の直径、受圧板の寸法を自在に設定することができる。このことで、低い潮流速度浅い水深その他の現実条件に適応する構造とする事ができる。
次に、目標発電量を達成するための、水車の概算寸法を設定してみる。基本的には、前出の下掛け水車の近似理論に基づくが、その他の理論式や余裕、バランス等加味して、設定する。1000kWでは、水車直径50mのとき、水車翼幅は、流速1ノットで10m、流速2ノットで5mとなる。2000kWでは、水車直径80mのとき、水車翼幅は、流速1ノットで12m、流速2ノットで6mとなる。100kWでは、水車直径10mのとき、水車翼幅は、流速1ノットで5m、流速2ノットで3mとなる。
上記の如く、海洋構造物らしくかなり長大なものになるが、慎重な構造計算や、回転数と増速機構の計画を行うことで、十分実現可能な手段である。
設置台、回転体、回転数と増速機構等にかんしては既存の周知技術内で達成される。又、各部材の強度も適切な素材・寸法及びリブ等で構造強度は確保でき、実用化できるものである。更に、本発明の海・水中に設置した発電装置を点検・補修・安全等の為に、回転体・取付枠・受圧板の回転を停止させる機構を設けている。その機構として本発明の受圧板制動手段は、運転中に受圧板の上限の設定の下げ角度θ(3°〜6°程)の揺動可能状態を変更して、受圧板を0°程又は−3°〜+3°程の範囲の水平に近い小さな角度δに固定する固定状態にすれば、受圧板は水流の流れと略平行の姿勢となって回転トルクがほとんど発生しないようになって、設置台内の回転軸に対してブレーキを与えるブレーキ装置等で受圧板の回転を容易に停止できる。
最後に、潮流・流水中における本発明の発電装置の姿勢安定対策が必要である。漁場を対象としてアンカーケーブル方式を検討する潮流速2.0ノットで試算する。1000kW型の概算の寸法、重量を設定して試算した結果、計算により求められる数値に、全体浮力、アンカーの重量、アンカーケーブルの位置を設定することで、安定する。
2.0ノット以上の急潮流域では十分余裕のある対策が必要となる。台風波浪に対しては潮流発電装置全体を低潮位以下3.0mに沈めることで安定させられる。津波対策は、別途の検討を行う。海底固定方式はアンカーケーブル式よりさらに安定は容易である。又、2000kW型の発電装置も同様に可能である。
本発明の海中にある発電装置に、大型魚・中型魚・哺乳動物又はそれらの群集体あるいは大型海藻・流木等の大型の漂流物が接触又は衝突して発電装置又は魚体が傷つける恐れがある海域では又は人及び小型船の立入を禁止するため、図35,36,37に示すように本発明の発電装置の外周に海底近くから海面まで垂直な網面をもった定置網を設置することが好ましい。定置網の網目を中型・大型の魚又は大型の哺乳動物が進入できない寸法のものとすることがよい。海上面にも進入禁止の防止柵を設けることが好ましい。定置網を垂直に引張する大型フロートの海上面部分に進入防止棚を突出させるとよい。
定置網の垂直面の一部には内側に進入した中型・大型の魚・哺乳動物の逃し口筒網部を設けるとよい。この逃し口筒網部は外部からの進入ができにくいようになっていて、内部からは外へ出やすいように縮径していく筒状となっている。又、定置網が水流で流されて移動又は変形しないようにアンカーロープで引張することが好ましい。
又、設置台に設ける1次コイル,直流コイル,水中音波送受信器,水中カメラ,各種センサー,設置台上方に設ける監視カメラ,警告灯,照明灯及び回転体側に設ける2次コイル,磁気スイッチ,開閉器,整流器,充電器,水中カメラ,バッテリー,電動シリンダー,各種計測器,電気センサー,開閉器,制御器等の電気機器,電線,電気回路等はプラスチック・金属・セラミックでもって封止・被覆保護され、防水処理され、魚・動物との接触により破損がないよう保護され、又腐食・漏電もないようにして水中・海中・海上面での耐久性を保持させる。
特に、海水・水中に直接設置される1次コイル,2次コイル,直流コイル,小型変圧器はプラスチック内に封止され、プラスチック内に耐熱性絶縁油を封入し、コイルに電流を流して使用した時の発熱を絶縁油とプラスチックパッケージを介して、外側の海水・水で冷却できるようにすれば、熱問題はほとんど生じない。
1次コイルと2次コイルの電磁誘導による電力伝達に用いるコイルのコア形状・寸法は、1次コイルの磁束が2次コイルでよく捕捉できてループするもので、2次コイルに電力を効率よく伝達できるものが選ばれる。
以下、本発明の実施例の発電装置について図面と符号を用いて説明する。
(実施例)
図1〜5は本発明の海域での発電設備の実施例X,Y,Zを示す図面であって、本発明の発電装置とフロート基地と船との関係を示す図面であり、その発電設備の発電装置の構造例は図8〜39によって好ましい具体例で示している。
図6と図7は海域での発電設備であって、フロート基地を用いないで直接発電装置から空中電力線を用いて船へ給電させる参考例である。
(実施例Xの説明)
図1に示す本発明の実施例Xは、潮流用発電装置Gの中心から80m程離れた海面にフロート台船を用いたフロート基地F,Fを設け、発電装置Gが発生する電力は海中電力線ケーブルKによって海中・海底を介してフロート基地F,Fへ送られる各フロート基地F,Fには配電盤fと整流回路(図示せず)を用いた直流電源部(図示せず)を有し、又直流電力のバッテリー充電回路(図示せず)とバッテリー格納庫(図示せず)を有し、又上部には電力線の接続コネクターfを先端に取付けたポールfpが設けられ、又このフロート基地F,Fの運転操作室frが設けられている。又、このフロート基地F,Fは土木作業船として使用されているフロート台船を2台連結してフロート基地本体fとして使用され、ウィンチ装置fでアンカーfを海中に置いて、定位置で安定的に海面浮上させている。又、フロート基地F,Fの外周には厚みあるゴムの防舷材fを取付けられ、船の接触で破損しないようにしている。尚、図1の発電装置GはA4一枚に収めるためフロート基地F,Fに比べ図面寸法を小さく描いている。
又、一方フロート基地F,Fの近くで停船する船SHは、電力と水の電気分解による水素製造装置SHとその原料となる真水を貯えた真水タンクSHと製造した水素ガスを高圧で多くの耐圧性の水素ガス高圧貯蔵容器(水素ガス高圧容器)に充填する水素ガス加圧充填装置(図示せず)とを備え、水素ガス高圧貯蔵容器SHを多く格納する容器格納室(図示せず)を備えている。
船SHはフロート基地Fから7m程離れた位置でアンカーSHankを下して停船する。この船SHにはフロート基地Fとの電力線の空中接続の為に、フロート基地F,Fの接続コネクターfとアダプター接続されるコネクターSccを有する空中電力線AKを架設するための配線用可動アーム装置SADを設けている。同可動アーム装置SADは複数のアームSA,SAを油圧シリンダーSO,SOによって駆動できて、アーム先端が所定方向に移動して進退できるようになっている。尚、SAは空中電力線AKを放電しないようにアームSA,SAに保持する絶縁支持具である。
反対側の海域に停船させた船SBにはバッテリー充電装置Sb,多数の空のバッテリーBatt,バッテリー格納室Sbrと空中電力線AKを船SBとフロート基地Fとの間で架設するための電力線支持用の可動アーム装置SBAとを有している。可動アーム装置SBAの先端から吊した空中電力線AKの先端に接続コネクターAKcを有して、フロート基地Fの接続コネクターfと嵌合して接続できるようになっている。SBAは可動アーム装置SBAの伸縮シリンダー、SBAは同伸縮シリンダーの傾動を行う起伏シリンダー、SBAは空中電力線AKの支持部である。
この実施例Xでは、海中の40m前後の水深の海中にある発電装置Gから海中電力線ケーブルK170m程の長さでもって、フロート基地F,Fに送電される。そして、その電力は配電盤fを通って、接続コネクターアダプターfに接続されている。発電装置Gとしては図8〜33に示す例のものを採用しているが、これに限定するものでない。
図1に示す実施例Xでは、潮流用発電装置Gで発生する電力は海中電力線ケーブルKを介してフロート基地F,Fへ送られる。海中電力線ケーブルKの長さは200m程以下で済むので、海中電力線ケーブルKの費用はさほど高くない。又、海中電力線ケーブルKは海中・海底にあって、海面波浪及び風力の影響は少なく、電力線が破断しにくく、安定して電力はフロート基地F,Fに送られる。
フロート基地F,Fは180°反対側に設けられていて、発電装置Gの直径70mの外周から20〜50m程の少し離れた位置に浮上していて、アンカーfで略定位置の海域の海面に停置している。フロート基地F,Fの大きさは、一辺が10〜20m程とすることが多い。
船SH,SBをこのフロート基地F,Fの外側に数m〜8m程離して停船させる。船SH,SBがフロート基地F,Fの外側にあるため、船SH,SBが発電装置Gに直接接触することはなく、又船SH,SBの水中部分が発電装置Gの水流を乱したり、水速を低下させたりすることはない。
又、船SH,SBがフロート基地F,Fに接触しても、フロート基地F,Fの外周に設けたゴムの防舷材fによって破損することがないようになっている。逆に、船SH,SBがフロート基地F,Fに数m〜十m程近接しても、フロート基地は機能に悪影響を与えることもない。
船SH,SBをフロート基地F,Fに近づけて、次に可動アーム装置SAD,可動アーム装置SBAを作動させ、船内まで配線された空中電力線AKの先端の接続コネクターScc,AKcをフロート基地Fのポールfpの接続コネクターfと嵌合して接続する。
このように、発電装置Gの発電電力は海中電力線ケーブルKによってフロート基地F,Fに送られ、更に配電盤fを介して空中電力線AKによって船SH,SBへ送電される。
船SHでは、送電された電力は真水タンクSHの真水の電気分解の電力として使用され、水素製造装置SHを作動させ、水素ガスを発生させ、発生した水素ガスを水素加圧充填装置(図示せず)によって、水素ガスは高圧にして高圧貯蔵容器SH(水素ガス高圧容器)に充填され、その容器格納室SHrに格納され、多数の容器が充填されると空中電力線AKをフロート基地Fのポールfpの接続コネクターScc,AKc,fとを外して離してフロート基地Fから離脱して海上運送して、目的地の港から多くの高圧貯蔵容器SHを配送するものである。
同様に、フロート基地Fには空の放電したバッテリーBattを多数積み込んだ船SBが停船し、空中電力線AKが船SB側に接続されると、発電装置Gの電力は船SBのバッテリー充電装置Sbに使用され、その電力を直流に変換して放電したバッテリーBattを充電する。そして、これも多くのバッテリーBattを充電完了すると空中電力線AKの接続コネクターf,AKcを外し、フロート基地Fから離れて海上運送して、所要の港から充電完了したバッテリーBattを目的地に送られてその配送先で使用されるようにするものである。
図2,3に示す実施例Yは、フロート基地F,Fに送られた電力を空中送電線AKYをもって船側へ直接送る例で、各相の電力線を碍子AKg等で電気絶縁しながらフロート基地F,Fから船SH,SB上へ張り渡して送電するものである。
そして、船SHには空中電線から送電された電力をもって、この船内に設けた真水タンクSHの水を電力を用いて水素製造装置SHでもって水の電気分解によって水素ガスを発生し、発生した水素ガスを高圧で水素ガス加圧充填装置SHで充填して、高圧水素ガスを水素ガス高圧貯蔵容器SHに貯えて、多くの水素ガス高圧貯蔵容器SHに充填完了すれば、フロート基地Fを離れて目的の港から陸送によって、所定目的地に水素ガス高圧貯蔵容器SHを配送する。尚、水の電気分解により酸素ガスが生成されれば、これも高圧容器に充填して有効活用する。
この実施例Yは、実施例Xとは空中電力線AKの配線の手段と方法が異なるだけで、他は実施例Xと同様な作用効果である。この実施例Yでの発電装置Gとして、図8〜33の構造のものを採用するが、これに限定するものではない。
図4,5に示す実施例Zは、発電装置Gからの電力は海水電力線ケーブルKで近くに浮べた前記フロート基地F,Fより小規模な海面で浮上する電力中継フロートFに送り、同電力中継フロートFにある電力線配電コネクター(図示せず)に船SH,SBから出した電力線Kのコネクターを接続し、この電力を用いて船SHの船内で水素製造して加圧充填装置で水素ガス高圧貯蔵容器SHに充填し、多くの水素ガス高圧貯蔵容器SHに充填し終えると、離れて海上輸送する。又は船SB内にあるバッテリー充電装置(図示せず)でバッテリー充電させる。いずれも多くの水素ガス高圧貯蔵容器の充填、又は多くのバッテリー充電が完了すると、船SH,SBは電力中継フロートFから離れてこれらを運送・配送するものである。
又、この図4,5の実施例Zでは発電装置Gの設置台の下部室に水素製造装置HPと水素ガス加圧充填装置CHを設け、発電装置G自体に水素ガスの水素ガス高圧貯蔵容器Gbを一部生産・保管できるようにしている。Taは真水タンク、他は図8以下の発電装置Gの構造・符号と共通している。
図6,7に示す参考例は、発電装置Gの電力を空中電力線で船SH,SBまで直接送電する参考例の図面である。発電装置G自体が40〜80mの半径を有すること及び船SH,SBが発電装置Gに近接すると発電装置Gが破損したり、又は発電装置Gの水流の流れを乱したりして発電効率を悪くする。併せて、発電装置Gの中心から船までの距離は80m前後となり、その間を空中電力線AKを張り渡すことは長すぎて船SH,SBの来船毎の空中電力線AKの架線の接続作業、又は取り外し作業が難しく、手間・時間がかかるものとなっていた。又、長いため空中電力線が風・波の揺動を受け易く、断線する恐れがある。
本発明は、この点の問題点を解消すべく、フロート基地を発電装置Gに近い位置に配置して、ここに電力線の中継基地として使用することで、上記問題を解決した。
図8〜33に示す発電装置例は大略1000kWの潮流を使った発電装置Gの例であり、潮流速が1〜2ノットの海域の水深40m程の海中にアンカーケーブル方式で設置される総重量が400tで楕円状設置台1の浮力が800t程の1000kW型の発電装置例である。楕円筒状の設置台1はその内部の上部を中空にし、設置台1の外周の上段,下段に円環状の固定ガイドフレーム2をブラケット2aによって固設し、同固定ガイドフレーム2に円環状の回転体3を固定ガイドフレーム2に沿って周回可能に取付ける。この回転体3に8組の放射状の取付枠5(複段の横フレーム5aとこれを上下方向に連結する縦フレーム5bと補助横フレーム5cとその連結材5dとよりなる)を取付け、各取付枠5の上段の横フレーム5aの上端に横3列の受圧板6を揺動自在に取付けている。発電運転時の受圧板6の揺動角範囲は、上限の下げ角度θは4°とし、これから垂直状態の90°の範囲としている。
次に、この設置台1は上半部を中空室として大きな800t程の浮力を保有し、設置台1の海水に漬かる下部の内部にウインドラス1gを複数配置し、同ウインドラスに巻き取られるくさり1hの下端に浮きタンク1j付アンカーウエイト1iを取付けて、海底面にアンカーとして配置している。この設置台1の浮力と、アンカーウエイト1iによるアンカー力及び固定ガイドフレーム2・回転体3・取付枠5・受圧板6の自重及びそれからの下方力・上方力・回転力を平衝させて、設置台1・回転体3・取付枠5・受圧板6を海中に保持している。
設置台1は楕円筒状であって、その長軸方向の径長が約14mで短軸の方向の径長は約10mで高さ14m程で、中間の隔壁1aで内部は上下に仕切られている。上方は中空室となっている。
図面に示す発電装置は潮流を主たる対象にしているが、海流の強い海域に設置すると海流発電装置としても使用できるものである。その場合、海中深くに設置すると通行筒は海面下となって海面上に突出することがないので、補修・点検する場合はウィンドラス装置でアンカー長さを長くして、設置台・回転体を浮力で海面近くまで浮上させることができ、これによって海面上の突出した通行筒から設置台内部に人の出入が可能となる。電力を発生させるときは、逆の操作でウィンドラス装置を使って通行筒を閉塞して設置台・回転体を所定の深さまで沈降させることで、電力を発生させる深い水深位置に戻せる。
(回転体の取付構造)
図中特に図9〜15に設置台1に対する回転体3の取付け構造を示している。図中、2は楕円状の設置台1の外側の上段,下段位置に設けた円環状の固定ガイドフレーム、2aは同固定ガイドフレームを設置台1の外周壁に支持するブラケットで長軸方向のブラケットは短く、短軸方向のブラケットの長さは長い。2bはブラケットの先端に設けられた固定ガイドフレーム2の円環状ガイド溝、3は上段,下段の固定ガイドフレーム2の位置の上方に設けた円環状の回転体であって、H型鋼を横向きにして環状にしたもので、3aは同回転体の下部に設けた脚部、3bは同脚部の下方に取付けられたポリ四ふっ化エチレン等の滑動抵抗が小さい材質で製作された走行シューであり、固定ガイドフレーム2のガイド溝2b内に拘束されて回転体3を固定ガイドフレーム2に沿って周回運動可能にしている。尚、走行シュー3bに代えてローラー・ボール・タイヤ等でも使用可能である。3cは上段の回転体3の内側に設けた回転体3の回転を固定された設置台1に伝達するための大径のラック歯車である。
(取付枠の構造)
回転体3からその円周に沿って45°毎に8組半径方向に突出させた各取付枠5は、水平長さ約17m程で高さ7m程の寸法で、図9〜15に示すように上下の2段の半径方向に水平に延びた横フレーム5aと、同横フレームを上下に連結する複数の縦フレーム5bと、各段の横フレーム5aと略同じ高さで且つ横フレーム5aの近くで半径方向に突出させた補助横フレーム5cと、同補助横フレームと横フレーム5aとを三角形の二長辺となすように連結する連結材5dとからなっていて強い構造強度を有する。横フレーム5aは断面偏平状の外形状を有して、水の抵抗を小さくしている。又、この上段の横フレーム5aに対して直角且つ略水平に取付けた4本のストッパ取付部材8に上固定ストッパ7e・回転ストッパ7a・電動シリンダー71e等が取付けられ、又下段の横フレーム5aには下ストッパ7u等が回転ズレがなく強固に取付けられている。又、各取付枠5を突設した回転体3部分の下部には下段の固定ガイドフレーム2のガイド溝2bに沿って走行する脚部3aと走行シュー3bがそれぞれ取付けられている。回転体3と取付枠5と受圧板6は環状の固定ガイドフレーム2に沿って周回運動できるようになっている。
(受圧板の構造)
一枚の受圧板6は、図16〜18に示すように6.5m×5mで最大厚みが0.3m程であり、横フレーム5aに横3列の受圧板6の先端を揺動可能に枢支している。受圧板6の表面材としてステンレス鋼板6aが使用され、内部に硬質発泡樹脂6cが充填され、受圧板6の比重は0.99としている。6bは受圧板6内部の翼桁である。
受圧板6は先端に枢支軸6dを有し、これは横フレーム5a側の軸受部5fで軸支されて、揺動自在となっている。そして、この3枚の受圧板6の側辺に隣接するようにストッパ取付部材8が4本上段の横フレーム5aに直角方向に且つ回転軌跡面に略平行に取付けられている。又、受圧板6の自由端には小さな下向きのフラップ6eが取付けられている。
(受圧板制動手段の構造)
図10,19〜30に示す実施例の受圧板制動手段7は受圧板6を枢支した横フレーム5aに直角方向に延び且つ回転軌跡面と略平行としたストッパ取付部材8を各受圧板の左右側辺に隣接するように4本設けている。各ストッパ取付部材8は斜め補強部材8aで横フレーム5aを強固に取付けている。この4本のストッパ取付部材8に受圧板6の上面と当接すると受圧板6を回転軌跡面と同じ0°に保持する上固定ストッパ7eがストッパ取付部材8と直角となるように設けられている。又、各ストッパ取付部材8には1個又は2個の回転ストッパ7aが設けられていて、回転ストッパ7aは上下に受圧板6の厚みより少し長い間隔をもって上板7bと下板7bとを有する。回転ストッパ7aを直角方向に回転すると、その上板7bと下板7bとの間に受圧板6を挟むことができ、受圧板6を0°の固定状態にする。又、回転ストッパ7aの下板7bの下面で受圧板6の上面と当接させると、受圧板6は4°の下げ角度θでもって受圧板6のこれ以上の浮き上りを抑止し、受圧板6を揺動可能状態とする。
前の受圧板制動手段7の他の回転ストッパ7aの構造として、図23,24に示すように断面コ字状部材の下板7bのみをその基端で回転自在にするとともに下板7bの上面・下面を離して、その回転ストッパ7aの下板の上面で受圧板6の下面と当接させることで、上固定ストッパ7eとこの回転ストッパ7aの下板7bの上面とで受圧板6を略水平に固定して固定状態とする。又、この回転ストッパ7aの下板7bの下面を受圧板6上面と当接させると、受圧板6の下げ角度θを4°で抑止し、これ以上自由端を浮き上げられないように抑止させ揺動可能状態とする構造がある。
実施例の回転ストッパ7aはいずれもストッパ取付部材8の長手方向(受圧板6の上下の動きをフリーにする方向)と、これに直角方向にして受圧板6を拘束する位置にする回転ストッパ7aの回動手段を各ストッパ取付部材8に設けている。
そして、回転ストッパ7aを長手方向(受圧板を回転可能とするフリー状態)と、直角方向(受圧板の固定状態又は上限角のある揺動可能状態)に切替可能とする受圧板制御手段7は、回転ストッパ7aを両引きの電動シリンダー71eで回動させて長手方向及び直角方向に切替える。電動シリンダー71eの進退するシリンダーロッド71fの先端と回転ストッパ7aの回転軸に軸着した回動アーム71aとはリンク71bで連結され、シリンダーロッド71fの進退で回転ストッパ7aをその回転軸まわりに90°回転できるようにしている。
尚、回転ストッパ7aは直角方向に保持するため、スプリング71sを設けている。従って、電動シリンダー71eでもって直角方向から長手方向に回動トルクを与える場合は、スプリング71sの復原力に坑して回動できるだけの力を与える。逆に、長手方向から直角方向に両引きの電動シリンダー71sで与える操作トルク(操作力)は、スプリング71sの付勢力の分だけ小さな力・トルクで済むようになっている。スプリング71sは電動シリンダー71eを常時通電せずにも回転ストッパ7aを直角方向の状態を維持できるようにして電力の消費を少なくしている。
(発電機への回転伝達手段の機構)
次に、回転体3の回転を設置台1内の発電機Hへ伝達する回転伝達手段4について説明する(図9〜12参照)。
回転体3の上部の内側には大径のラック歯車3cが設けられている。又、同ラック歯車3cとピン4cで噛合するピン車の回転盤4dが楕円状の設置台1の長軸側の両方の先端部(回転位相で0°,180°の位置)に設けられて、回転体3の回転はそのラック歯車3cが回転盤4dのピン4cと係合して回転盤4dの回転軸4aに伝達されている。同回転盤4dの垂直な回転軸4aは常時はOFFのブレーキ装置4k,常時は連結のONの状態のクラッチ4i,傘歯車4eを介して発電機Hの入力軸に連動されている。4gは回転軸4aと強制回転モータ4fを連動させる平歯車で、4jは平歯車4gの噛合のON/OFF作動させるクラッチ機能のシリンダーである。
(設置台内の電力)
設置台1内には、発電機Hで発生する電力を配電装置Cで所定電圧・周波数の交流として防水型の水中電力ケーブルKで近くの陸上へ送電するとともに、一部の交流電力は設置台1の配電装置C,制御盤B,ウインドラス1g,1次コイルL,無線送受信器WSR,警告灯WL,監視カメラWC,照明灯SS,水中音波送受信器SSSR,これらの付属回路等の電気機器の為の交流電力として使用できるようにしている。又、その一部の交流電力は整流器SRFで整流し、バッテリーSBに充電され、バッテリーSBから所定電圧の直流電源を直流コイルSL等の電子機器に給電している。このように、発電装置Gには陸上に向けて電力ケーブルKで発電電力の大部分を送電するとともに、発電装置Gで使用するための交流電源及び直流電源を保有している。これとは別に緊急用バッテリーを備えて、上記電源が使用できない場合でも緊急情報の送受信が行えるようにすることが好ましい。
(電力伝達構造)
設置台1から回転体側への電力の伝達は、設置台1の外周に環状に設けた固定ガイドフレーム2の円周上方に沿って45°間隔でコア付1次コイルLを8個所設けている。そのコアL1Cはコ字状となって、両端面は回転体3に向いて設置されている。この1次コイルLには設置台1内の所要電圧の交流電力が開閉器RLSを介して印加されている。この開閉器RLSは、設置台内での手操作の他に無線又は水中音波・水中超音波・水中無線等を使用して、陸上施設GB又は近くの船舶SHIPからでも1次コイルへの電流の開閉の遠隔操作ができるようになっている。
次に、環状をした回転体3の円周に沿って45°間隔で配置された8個の各取付枠5の上段の横フレーム5a近くの回転体3の上方位置で1次コイルLの設置高さと同じ高さ位置にコア付2次コイルLを設けている。この2次コイルLのコアL2Cもコ字状をしていて、その両端面は回転体3の回転によって1次コイルLのコアL1Cの端面に数cm程の近さで対向できるようにしている。
この2次コイルLに発生する2次電力は、回転体側に設けた整流器KRFで直流に変換され、充電器KCによってバッテリーKBに充電させるようにしている。
そして、このバッテリーKBの直流電力を使って前記電動シリンダー71e並びにその開閉器KSW・制御回路KCON・警告灯KW,水中音波送受信器KSSR等電気機器を作動可能としている。
回転体3側の回転する2次コイルLのコアL2Cが設置台1の固定ガイドフレーム2の1次コイルLのコアL1Cと接近して、1次コイルLの磁束がコアL1Cを介して2次コイルLに作用するようにして、コアが近接している短い時間だけ2次コイルLに交流電力が発生させる。その2次コイルLの交流電力は整流器KRFによって直流に変換されて、バッテリーKBに直流電力として充分な電力量まで蓄積される。このバッテリーKBの直流電力で電動シリンダー71e・制御回路KCON・情報信号伝達回路等電気機器を作動できるようになっている。
回転ストッパ7aを回動するのは、発電状態(回転ストッパ7aが直角方向維持の状態)から回転体3の回転及び受圧板6の揺動を止めて発電を停止させる場合及び発電停止状態から発電させる場合のみが中心になるので、その切替操作は少ない回数であり、バッテリーKBの放電(使用)の方の回数が多くなることはなく、発電している電力で常時バッテリーKBは充分な電力量を貯えている充電状態にある。
本発明の発電装置の受圧板6,取付枠5,回転体3を回転停止した静止位置に於いて、設置台1側の1次コイルLと回転体側の2次コイルLとが対向する位相で停止させる。実施例では、設置台1に1次コイルLが45°毎に設けられていて、しかも取付枠5も回転体3の円周に沿って45°毎に設けているので、全てのコイルLとコイルLとを対向した位置で静止できるようになっている。この静止位置で設置台1内のバッテリーSBの直流電源をDC/AC変換器で所定電圧の交流に変換した後、1次コイルLにこの交流電流を印加すれば(又は設置台1に陸上からの商用電源が海底ケーブルKを介して供給している場合はその交流を印加すれば)、回転体側に2次コイルLを介して交流電源が供給され、整流器KRF,充電器KCを介して回転体側のバッテリーKBに運転前に充分に充電させることができる。
この電力を用いて、回転ストッパ7aを長手方向に動かし、受圧板6を強制回転モータ4fによって強制回転させ、その回転位相が45°となった時に回転ストッパ7aを直角方向にすることで、受圧板6は固定状態から揺動可能状態となって回転体3・受圧板6は回転開始して、発電を始めることができる。
(状態操作手段)
実施例Gの状態操作手段の送信器として無接触の電磁気を用いて信号情報を発信するコア付直流コイルSLを使用し、このコア付直流コイルが発生する磁気に感応してスイッチが閉路する常開の磁気スイッチMSを回転体3に設けている。この磁気スイッチMSが無接触方式の信号伝達の受信器とした。この磁気スイッチMSが周回運動して設置台1に固設した直流コイルSLのコアSLと対向した時、磁気スイッチMSが作動させるようにしている。この作動で、電動シリンダー71eを押し又は引き方向に作動させ、回転ストッパ7aを長手方向又は直角方向に回動させる。
実施例Gでは、設置台1外周の環状の固定ガイドフレーム2上方で、その回転位相の55°付近の位置,回転位相100°程の位置,回転位相235°付近の位置,回転位相280°に近い位置にコア付直流コイルSLを配置している。直流コイルSLのコアSLの方向は固定ガイドフレーム2の半径方向にあって、その先端の端面は回転体側に向っている。この直流コイルSLには、信号送信の開閉器RLSとそれを外部からの操作命令を受けて同開閉器RLSを開閉させる制御回路RCCとを設けている。一方、回転体3側には2次コイルLの設置位置から正回転側に回転位相が10°進んだ位置に、前記直流コイルSLの磁気を感知して作動する磁気スイッチMSを設けている。この磁気スイッチMSが作動すると、その直流コイルSLに対応する操作命令の電気信号が磁気スイッチMSによって発生させるようにしている。この磁気スイッチMSの閉信号は各電動シリンダー71eを引き押しいずれかの方に作動させ、回転ストッパ7aを長手方向又は直角方向に回転させる(図27,28,29参照)。
これによって、図30に示すように各取付枠5の回転位相が回転位相45°及び225°に(磁気スイッチMSの回転位相が55°及び235°に)到れば、直流コイルSLによって磁気スイッチMSが作動して電動シリンダー71eで回転ストッパ7aは直角方向から長手方向になり、回転ストッパ7aの拘束がなくなり、受圧板6は水力・浮力に応じて自由に動けるようになる。受圧板6が45°の位相では水流の背面からの力が大きくなって垂直状態の方向になり、回転位相90°で略垂直となる。
又、受圧板6が225°付近では、受圧板6は浮力で水平方向になって、上固定ストッパ7eで受圧板6は受け止められ、270°の回転位相では略水平状態となる。この時の磁気スイッチMSの回転位相は280°となっていて、この回転位相に配置された直流コイルSLを通電させると磁気が作用してこの回転位相にある磁気スイッチMSが作動し、電動シリンダー71eを作動させて回転ストッパ7aを長手方向から直角方向に回転させる。
回転停止から発電状態にする命令の場合は、回転位相55°と100°の回転位相の位置に配置された二つの直流コイルSLの通電作動で磁気スイッチMSにその命令(最初は長手方向へ、後で直角方向へ回動の命令)が伝達される。
これによって、取付枠5の回転位相の90°付近での作動では、回転ストッパ7aは長手方向から直角方向に回転しても受圧板6は略垂直状態であるので受圧板6と接触することなく直角方向にできる。そして、直角方向にある回転ストッパ7aは受圧板6が下げ角度θの4°以上に上方にならないように規制し、下ストッパ7uで90°以上揺動しないようになって受圧板6は揺動可能状態となる。
一方、取付枠5の回転位相270°付近での作動の場合では、回転ストッパ7aを長手方向からその後直角方向への動作で、受圧板6が浮力で略水平状態となっているので、回転ストッパ7aの下板は受圧板6の下方となり、上固定ストッパ7eと協同して受圧板6を0°の位置で略水平に保持する固定状態となる。この操作は、回転位相270°付近での磁気スイッチMSが255°及び280°の回転位相で二つの直流コイルSLに通電することで、その操作命令(最初は長手方向に動かし、後で直角方向に動かす命令)が磁気スイッチMSに伝達されることによってできる。
尚、上記操作は設置台1の長軸が水流の主たる流れの方向の場合であるが、水流の流れの方向が主なる水流の流れから変った時点でも切替えることが必要な場合は、水流方向センサーを設置台側に設け、又直流コイルを設置台の外周に多く配置し、水流方向センサーから水流の流れ方向を決定し、これを回転位相0°として、上記の回転位相に対応する直流コイルを作動させれるようにすればよい。あるいは、回転体側に回転位相を計測する手段を設けて、計測された回転位相の値に応じてその操作命令に応じた電動シリンダー71eの作動を制御することでも可能である。
実施例では、上記の磁気スイッチMSの作動でその取付枠5の3個の受圧板6を全部揺動可能状態か又は略水平の固定状態の同じ状態にするものである。
しかし、同じ取付枠5の中の一部の受圧板の状態を変更しないように制御することも可能である。
尚、実施例では発電中の受圧板6の揺動角度範囲は−4°〜−90°であるが、回転ストッパ7aを長手方向に保持した状態で運転させれば、受圧板6はその下げ角度θの上限角0°(δ)の角度となり、上固定ストッパ7eと下ストッパ7uとの間で揺動し、その揺動角度を0°〜−90°となり、この状態で発電させることも可能である。このときは、受圧板6のフラップ6eが下げ角度θに代わる重要な働きをする。
(陸上施設,海上船舶,設置台1及び回転体側との情報制御信号の伝達方法)
本実施例では、設置台1の通行筒1fに海中に没しない無線アンテナ1antを高く設けている。設置台内に無線アンテナ1antの信号の無線送受信器WSRを設け、変調器,又は周波数変調器,復調器を介して情報信号の送受を可能としている。これらの無線で伝達された制御信号,電気機器の状態信号,監視カメラ60の画像情報,電力発電状態は地上施設GBに無線で送られて、地上施設GBで海中の発電装置Gの状況・状態を監視できるようになっている。又、無線で発電装置Gへの操作命令・制御命令を発信して遠隔操作可能としている。又、地上施設GBから又は付近の海上の船舶SHIPから無線で同様に状況の監視と制御操作を可能としている(図33,34,38参照)。
尚、電力ケーブルKと一緒に陸上の商用電源線が発電装置Gまで配電されている場合は、設置台1ではその商用電源を交流電源として使用可能となる。
又、電力ケーブルKと一緒に信号線が配装されていれば、陸上施設GBと発電装置Gとの間での情報及び制御操作信号をこの信号をもって伝達できる。
設置台1と回転体3との制御信号の画像情報の送受信は、水中音波又は水中超音波の水中音波送受信器SSSRを用いて行うこともできる。又、近接の電磁誘導・水中無線又はレーザー光の投受光器等を用いて情報・信号の授受も可能であり、最適な方法を採用すればよい。
回転体3には、外部に危険であることを示す警告灯の点滅・点灯及び小型水中カメラ・水流計等を取付けること及び制御コンピュータが将来取付ける場合でも、回転体3にはそれらの為の電力を確保できるので、それら機器の設置も容易である。
(発電装置の保護・安全対策)
本発明の水中にある発電装置に、中型・大型の魚・哺乳動物が接触して、発電装置Gが破損・故障を生起すること、魚体・動物を傷つけることを防止する為、大型海藻・漂流物が回転する取付枠5・受圧板6に付着・接触することを防止する為、及び人・小型ボートが発電装置Gに近づいて回転している取付枠5・受圧板6と接触して、人身事故を生起することを予防する為に、図35〜38に示すように発電装置Gの外周を囲うように中型・大型の魚・哺乳動物・人の進入を防止できる粗目の網目の定置網50を海中にアンカーブロック51と大型フロート52で設置し、又その大型フロートの海面上にも満潮時でも中・大型の魚・哺乳動物・人の進入を防止する海面柵部を海面から突出させることが好ましい(図35,36,37参照)。
図35〜38において、50は高さ40m程の網目が15cm平方程の定置網、51は同定置網を海底に固定するアンカーブロック、52は定置網上辺に取付けた大型フロート、52aは大型フロート52の下部に定置網50の上辺ロープを係止する係止部、52bは同係止部に一端を結着した大型フロート52が発電装置G方向に移動しないようにする引張ワイヤ、52cは同引張ワイヤの下端を海底に固定するアンカーブロック、52dは隣り合う大型フロート52同士の連結金具、52eは大型フロート52の海面上に50cm程突出した海面柵部、52fは同海面柵部に形成した空気通過窓、52gはアンカーブロック52cに下端を結着したワイヤ52hで係留された小型の警告フロートである。
定置網50の垂直の網面の一部に魚・哺乳動物の逃し用の縮径していく筒状の逃し口筒網部54を設けることが好ましい。逃し口筒網部54の先端の逃し口54aの口縁には外部から魚・哺乳動物の進入を防ぐ反し片(図示せず)を設け、定置網50内部からこの逃し口筒網部54へ入り込んで逃し口54aから外海へ逃げられるようにすることが好ましい。
更に、図38に示すように本発明の発電装置の設置台1の通行筒1f付近に設けた無線アンテナ1antの支柱部には海面上から水中の回転する取付枠5・受圧板6の状況及び設置した定置網50の上方海面の大型フロート52の海面上付近の人・船の近接を撮影する監視カメラ60が複数方向の撮影の為に複数台取付けられ、又支持部には警告灯61及び夜間照明灯62を設けることが好ましい。
又、実施例の無接触の信号情報伝達に代えて状態操作手段を物理的な接触で操作信号を設置台1から回転体3へ伝達させる例を図39に示している。固定ガイドフレーム2側に電動シリンダー80を設け、そのシリンダーロッド81を進退させ、同シリンダーロッド81先端に加圧板82を取付ける。そして、回転体3側に上記加圧板82によって押圧されると、防水パッケージされた近接スイッチLSWを閉路するスイッチを設ける方式でもよい。その電動シリンダー80と近接スイッチLSWの設置位置は実施例の直流コイルSLと磁気スイッチMSの配置位置と同じくとする。
本発明は主に海中に設置され、陸地近くの海域の潮流を利用して発電することを主対象とするが、速い潮流域又は流速が速い海流域において設置することでより高い発電量を得ることができる。更に、大きな流速がある水深の深い河川に設置しても発電を得ることができる。
G 実施例の発電装置
A 空調装置
AK 空中電力線
B 制御盤
Batt バッテリー
C 配電装置
CH 水素ガス加圧充填装置
,F フロート基地
電力中継フロート
H 発電機
HP 水素製造装置
K 電力ケーブル
Gb 水素ガス高圧貯蔵容器
GB 陸上施設
SH,SB 船
SH 水素製造装置
SH 真水タンク
SH 水素ガス高圧貯蔵容器(水素ガス高圧容器)
SH 水素ガス加圧充填装置
SHank アンカー
SBA 可動アーム装置
SA 伸縮シリンダー
SA 起伏シリンダー
SA 空中電力線の支持部
SAD 可動アーム装置
SHIP 船舶
SJ 変圧器
KB バッテリー(回転体側)
KC 充電器(回転体側)
KRF 整流器(回転体側)
KSW 開閉器(回転体側)
KCON 制御回路(回転体側)
KW 警告灯(回転体側)
KSSR 水中音波送受信器(回転体側)
1次コイル
1C 1次コイルのコア
1S 取付台
2次コイル
2C 2次コイルのコア
2S 取付台
RAL 交流電源切替器
SL 直流コイル(送信器)
SL 直流コイルのコア
RLS 開閉器
RCC 制御回路
WSR 無線送受信器
SSSR 水中音波送受信器
ST 変圧器(設置台側)
SRF 整流器(設置台側)
SC 充電器(設置台側)
SB バッテリー(設置台側)
MS 磁気スイッチ(受信器/回転体側)
1 設置台
1a 隔壁
1ant 無線アンテナ
1f 通行筒
1g ウインドラス
1h くさり
1i アンカーウエイト
1j 浮きタンク
2 固定ガイドフレーム(上,下段)
2a ブラケット
2b ガイド溝
3 回転体
3a 脚部
3b 走行シュー
3c ラック歯車
4 回転伝達手段
4a 回転軸
4b 軸受
4c ピン
4d 回転盤
4e 傘歯車
4f 強制回転モータ
4g 平歯車
4i クラッチ
4j クラッチ用シリンダー
4k ブレーキ装置
5 取付枠
5a 横フレーム(上,下段)
5b 縦フレーム
5c 補助横フレーム
5d 連結材
5e 取付アーム
5f 軸受部
5g 取付補強板
6 受圧板
6a ステンレス鋼板
6b 翼桁
6c 硬質発泡樹脂
6d 枢支軸
6e フラップ
7 受圧板制動手段
7a 回転ストッパ
7b 回転ストッパの上・下の板
7d ゴム層
7e 上固定ストッパ
7u 下ストッパ
71a 回動アーム
71b リンク
71e 電動シリンダー
71f シリンダーロッド
71s 引張スプリング
8 ストッパ取付部材
8a 斜め補強部材
50 定置網
51 アンカーブロック
52 大型フロート
52a 係止部
52b 引張ワイヤ
52c アンカーブロック
52d 連結金具
52e 海面柵部
52f 空気通過窓
52g 警告フロート
52h ワイヤ
54 逃し口筒網部
54a 逃し口
60 監視カメラ(設置台上)
61 警告灯
62 夜間照明灯
配電盤
接続コネクター
フロート基地本体
ウィンチ装置
アンカー
防舷材
fp ポール
fr 運転操作室
Scc 接続コネクター
Sb バッテリー充電装置

Claims (18)

  1. 潮流又は海流の水流エネルギーで発電する発電装置を海中に設置し、その設置海域の近くの所定位置の海面に浮ぶフロート基地を1基又は複数基設け、同フロート基地に前記発電装置で発生させた電力の送電線を配線し、同フロート基地において発電装置の電力が使用できるように又はフロート基地からフロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船に対し、フロート基地に送られた送電線の電力を中継して給電できるようにし、しかも前記発電装置が下記の構成のものである、海域での発電設備。

    海中又は水中で固定される設置台を設け、同設置台の外側に回転体を回転自在に取付けるとともに、同回転体の回転軸線を設置される海中又は水中の水流の流れと略直角となる縦方向に設定し、同回転体から円周に沿って複数の取付枠を放射状に取付け、その各取付枠の回転中心から半径方向に延びた上辺部材に平板状受圧板を複数個所定間隔離して配置するとともに各受圧板の一端を前記上辺部材に揺動自在に取付け、又同受圧板の質量をその容積の4℃の真水の質量で割った受圧板の比重を設置される海水又は水の比重より僅か小さくして海・水中で受圧板に浮力を発生しえるようにし、更に回転軸線まわりに回転する間に各受圧板の揺動の角度範囲が受圧板の自由端側が受圧板の取付け側の一端の回転軸線まわりの回転軌跡の面より少し下方となるように受圧板が下方に傾く所定の下げ角度θから、受圧板が回転体の略回転軸線方向となる自由端の最下位置までの角度範囲で受圧板が揺動できる揺動可能状態と、受圧板の姿勢を回転軸線まわりに回転する間に前記回転軌跡の面に対して0°か又は0°に近い小さな角度δで略水平となるように受圧板を常に固定する固定状態とのいずれの状態にも電力を動力源として切替できる受圧板制動手段を設け、同受圧板制動手段に受圧板の状態を他の状態に切替える操作命令を設置台側の機器又は遠隔地で操作する機器から回転体側の受圧板制動手段に非接触的方法又は接触を伴う方法で伝達して電気的制御信号に変換して操作命令の通りに受圧板制動手段を作動させる状態操作手段を備え、前記回転体の設置台に対する回転を設置台内の回転軸に伝達する回転伝達手段を設け、設置台内に前記回転軸の回転で発電する発電機を設け、同発電機の出力電力を有線で設置台近くの陸上又は海上あるいは水上船体に送電するようにし、しかも、回転体側にある受圧板制動手段の電力の動力源は、回転する回転体に近接した設置台の周縁部に巻線をコアに巻回した防水処理された1次コイルを1個所又は複数個所配置するとともに、回転体側の回転体又はこれに固設した取付枠であって前記の設置台の1次コイルと近接できる位置に巻線をコアに巻回した防水処理された2次コイルを複数個所又は1個所設け、前記1次コイルに交流を設置台の側の電源を用いて印加し、2次コイルが1次コイルに近接すると電磁誘導で2次コイルに電力を出力できるようにし、この2次コイルに発生する交流の電力でもって又は2次側の交流電圧を整流器で直流に変換してバッテリーに電力を充電させて同バッテリーの電力でもって受圧板制動手段に給電してこれを作動するものとし、受圧板を揺動可能状態とすると潮流又は水流によって受圧板に発生する力と受圧板の浮力と受圧板の角度制動とによって確実に回転体を回動させて発電でき、受圧板を固定状態とすることで回転体の回転を低速又は停止し易くした、発電装置
  2. 前記フロート基地が送電線の中継の基地であって、発電装置とフロート基地の送電線が海中の送電線で配線し、フロート基地と近接して停船する船又は作業船に対し、フロート基地の送電線を空中で送電できるようにした、請求項1記載の海域での発電設備。
  3. フロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船がフロート基地からの送電線の電力を使用して、真水から水を電気分解して水素を発生して、発生した水素を水素高圧貯蔵容器に充填する水素製造装置を備えたものである、請求項1又は2記載の海域での発電設備。
  4. フロート基地に近接した位置で停船する船又は作業船がフロート基地から送電線で給電される電力を使用して、船又は作業船にあるバッテリー充電装置で複数のバッテリーを充電するようにした、請求項1又は2記載の海域での発電設備。
  5. フロート基地自体に発電装置からの送電線の電力を使用して真水の電気分解で水素を発生して、その水素を水素高圧貯蔵容器へ充填する水素発生装置を備えた、請求項1〜4いずれか記載の海域での発電設備。
  6. フロート基地自体に発電装置からの送電線の電力を使用して複数のバッテリーに電力を充電するバッテリー充電装置を備えた、請求項1〜4いずれか記載の海域での発電設備。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の発電装置を使用し、その1次コイルのコアの端面が回転体側に臨み、又2次コイルのコアの端面は1次コイルのコアの端面に近接位置で対向するようにし、2次コイルの電力の伝達効率を高めた、請求項1〜6いずれか記載の海域での発電設備
  8. 請求項1〜7いずれか記載において、その取付枠が回転体の回転中心から半径方向に延びた上下複数本の横フレームと、上下の横フレームを連結する複数本の縦フレームとからなり、受圧板は横フレームの上端に回動自在に取付けられ、
    受圧板制動手段は受圧板の自由端が最下位置となる角度以上に受圧板が回転するのを防ぐ下ストッパを受圧板を取付けた横フレーム下方に設け、受圧板を取付けた横フレームの各受圧板の左右側辺近くの位置でしかも同横フレームから直角に且つ前記回転軌跡面に沿って略平行に延びたストッパ取付部材を複数設け、同ストッパ取付部材に回転軌跡の面に対して0°又は0°に近い小さな角δで受圧板の上面と当接して上方への回転を抑止する上固定ストッパを前記ストッパ取付部材から隣接する各受圧板に向けて略直角に取付け、又ストッパ取付部材の途中にストッパ取付部材の長手方向からストッパ取付部材の長手方向に対し略直角になる直角方向まで回転できる回転ストッパを枢支し、しかも同回転ストッパの回転する下板は上下方向に離れた上面と下面を有し、回転ストッパの下板の下面はこれと受圧板の上面が当接すると受圧板が前記の下げ角度θ以上に浮き上らないように規制して受圧板を揺動可能状態とし、一方回転ストッパの下板の上面は受圧板の下面と当接すると受圧板を前記上固定ストッパと協同して受圧板を略水平に固定するように規制する形状寸法として回転ストッパの下板の上面で受圧板を固定状態にできるようにし、同回転ストッパを長手方向と直角方向に回動させる電力を動力源として作動する回動手段を取付枠側に設け、同回動手段によって回転ストッパの下板を長手方向又は直角方向に切替える構造とし、
    受圧板制動手段の状態操作手段は、設置台の海又は水の水流が流れてくる上流を回転位相0°とすると受圧板を取付けた横フレームが水流に対し略直角となる回転体の回転位相の90°又は270°となる前の少なくとも20°以上手前の位置で、回転ストッパを直角方向から長手方向にする操作命令を送った後、それから少し回転した回転位相90°又は270°に近い回転位相前後位置で回転ストッパを長手方向から直角方向にする操作命令を送るようにした、請求項1〜7いずれか記載の海域での発電設備。
  9. 請求項1〜7いずれか記載において、その取付枠が回転体の回転中心から半径方向に延びた上下複数本の横フレームと、上下の横フレームを連結する複数本の縦フレームとからなり、受圧板は横フレームの上端に回動自在に取付けられ、
    受圧板制動手段は受圧板の自由端が最下位置となる角度以上に受圧板が回転するのを防ぐ下ストッパを受圧板を取付けた横フレーム下方に設け、受圧板を取付けた横フレームの各受圧板の左右側辺近くの位置でしかも同横フレームから直角に且つ前記回転軌跡面に沿って略平行に延びたストッパ取付部材を複数設け、同ストッパ取付部材に回転軌跡の面に対して0°又は0°に近い小さな角δで受圧板の上面と当接して上方への回転を抑止する上固定ストッパを前記ストッパ取付部材から隣接する各受圧板に向けて略直角に取付け、又ストッパ取付部材の途中にストッパ取付部材の長手方向からストッパ取付部材の長手方向に対し略直角になる直角方向まで回転できる回転ストッパを枢支し、しかも同回転ストッパは受圧板の厚みより長く上下方向に離れた上と下を有し、回転ストッパの下板はこれと受圧板の上面が当接すると受圧板が前記の下げ角度θ以上に浮き上らないように規制して受圧板を揺動可能状態とし、且つ回転ストッパの上板と下板との間に受圧板を挟んで受圧板を略水平に固定できる形状寸法として回転ストッパの下板の上面で受圧板を固定状態にできるようにし、同回転ストッパを長手方向と直角方向に回動させる電力を動力源として作動する回動手段を取付枠側に設け、同回動手段によって回転ストッパを長手方向又は直角方向に切替える構造とし、
    受圧板制動手段の状態操作手段は設置台の海又は水の水流が流れてくる上流を回転位相0°とすると受圧板を取付けた横フレームが水流に対し略直角となる回転体の回転位相の90°又は270°となる前の少なくとも20°以上手前の位置で、回転ストッパを直角方向から長手方向にする操作命令を送った後、それから少し回転した回転位相90°又は270°に近い回転位相前後位置で回転ストッパを長手方向から直角方向にする操作命令を送るようにした、請求項1〜7いずれか記載の海域での発電設備。
  10. 状態操作手段の機器が、設置台に電磁気・光・水中無線又は水中音波を用いて操作命令を発信する送信器を設け、回転体側にそれを受けて受圧板制動手段の電気制御信号に変換する受信器を設け、操作命令を前記送信器と受信器とによって設置台から回転体側の受圧板制動手段に電気制御信号として伝達するものである、請求項1〜9いずれか記載の海域での発電設備。
  11. 状態操作手段の機器が、設置台に物理的力を与える加圧体を設け、回転体側に同加圧体で開閉する電気開閉器のスイッチを設け、設置台上の加圧体をアクチュエータで制動して、前記スイッチを作動させて回転体側の受圧板制動手段に電気的制御信号を送出する、請求項1〜9いずれか記載の海域での発電設備。
  12. 設置台内の回転体の回転が伝達された回転軸の途中にその回転を減速させる外部から入切制御できる常時切のブレーキ装置を設けて入制御で回転体を減速又は静止させるようにし、更に同回転軸に常時伝動のクラッチを介して回転軸の回転を発電機の入力軸に回転を伝達し、更に強制回転用モータの出力軸の動力をクラッチを介して前記回転軸に回転を伝達できるようにして回転体を強制回転可能にした、請求項1〜11いずれか記載の海域での発電設備。
  13. 各受圧板の自由端にヘ字状に折曲したフラップを取付け、同フラップに作用する水流からの力によって回転位相90°に近づく位相では自由端が最下位置方向に早期に向かうようにし、回転位相270°に近づく位相で受圧板を早期に水平状態に近づけるようにした、請求項〜12いずれか記載の海域での発電設備。
  14. 受圧板の比重を設置される海水又は河川の水の比重の0.95〜0.99倍とし、しかも受圧板の取付け側の一端の回転軌跡面からの下げ角度θが3°〜6°の範囲であり、又受圧板の固定の角度δが前記回転軌跡面を0°とした−3°〜+3°の範囲である、請求項〜13いずれか記載の海域での発電設備。
  15. 設置台の平面形状を楕円状とし、その長軸方向を設置される海中又は水中の主たる水流の流れ方向となるように設置台を海中又は水中に設置し、同設置台の外側に環状の固定ガイドフレームを上下方向に複数段設け、同固定ガイドフレームに回転体を回動自在に取付けた構造のものである、請求項〜14いずれか記載の海域での発電設備。
  16. 設置台の甲板部に、設置される海又は川の最高水位でも筒上端が水沈しない設置台内へ人が出入できる開閉蓋付の通行筒を設けた、請求項〜15いずれか記載の海域での発電設備。
  17. 設置台の内部の一部を中空として、水中で大きな浮力を発生させ、しかも設置台から海底面又は水底面に投下したアンカーウェイトをくさりで係留して、設置台に取付けられた回転体と取付枠と受圧板とそれらの付属物及び設置台内に配置した機器の重さによる下方力とくさりの引張力と設置台の浮力とを平衝させて、発電装置を海中・水中で固定させた、請求項〜16いずれか記載の海域での発電設備。
  18. 海水又は水中に設置された発電装置の外周を囲うように且つ海底面から海面まで延びた中・大型の魚・哺乳動物の進入を阻止する定置網を設け、同定置網を上方に引張するフロートの上部に海面より上方に突出する海面柵部を設け、発電装置への中・大型の魚と動物の進入及び人の無断進入を防止するようにして発電装置・動物と人の安全を確保した、請求項〜17いずれか記載の海域での発電設備。
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