JP5920311B2 - 風検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のマイクロホンを用いて風を検出する風検出装置に関する。
従来、複数のマイクロホンを用いて風を検出するための種々の技術が提案されている。その一例として、ほぼ同一の特性を有する複数のマイクロホンを互いに近接配置し、各マイクロホンから出力された信号のレベルを比較して、そのレベル差に応じて風雑音を検出するようにした風雑音検出装置がある(例えば、特許文献1参照)。
また、複数のマイクロホンを車両に装備し、各マイクロホンで集音した車外の音から自車両周辺の横風を推定し、風力または風速を算出して、運転者に横風警告を行うようにした横風警告装置がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、車両に装備した複数のマイクロホンで集音した車外の音から、検出対象音のみを検出するようにした車外音検出装置がある(例えば、特許文献3参照)。この車外音検出装置は、検出対象音として接近車両の走行音を検出している。
実開平3−69996号公報 特開2008−254487号公報 特開2011−233090号公報
しかしながら、上述の特許文献1には、複数のマイクロホンの各々からの出力信号のレベル差に応じて風雑音の有無を検出することのみが開示されており、各マイクロホンからの出力信号の比較方法についての詳細は開示されていない。このため、上述のようなほぼ同一の特性を有し互いに近接配置された複数のマイクロホンを用いて風を精度よく検出する場合には、改善の余地があった。
また、このような風検出装置を、上述の特許文献3に記載されるような、自車両の外側で発生する音をマイクロホンで捉えて周囲の走行車両(他車両)を検出するシステムや、上述の特許文献2に記載されるような、風を検出したときに運転者に所定の警告(注意喚起)を与えるシステムに適用した場合には、以下の不都合が起こり得る。
すなわち、実環境下では車両走行音以外にも様々な音が存在し、その中でも特に顕著に生じるのは風の音であるため、この風を精度よく検出できないと、マイクロホンに風が当たった時(特に強風の時)の音を車両走行音と誤って検出してしまう可能性が高い。その結果、実際には車両走行音でないにもかかわらず、運転者に誤った注意喚起を与えてしまうことになり、注意喚起システムとしての信頼性が低下する。
その一方で、タイヤで走行する車両が一般の路面を走行することによって生じる走行音は、特定の周波数特性を有し、特に800Hzから3000Hzの周波数帯(以下、「走行音帯域」という。)において高い音圧成分を有することが知られている。これを考慮すると、その走行音帯域以外の周波数の音を妨害音とみなして、例えば、その走行音帯域以外の周波数成分をカットオフするようなフィルタを用いることで、車両走行音以外の音による誤検出を防ぐことが考えられる。
しかしながら、風がマイクロホンに当たることによって生じる音は、走行音帯域(800Hzから3000Hz)の周波数成分をも含むことが多い。このため、風を精度よく検出できないと、上述のようなフィルタを用いるだけでは風音による誤検出を満足に防ぐことができない。
本発明は、上述のような従来の課題を解決するためになされたもので、風を精度よく検出することができる風検出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る風検出装置は、上記目的を達成するため、(1)少なくとも2つのマイクロホンと、前記2つのマイクロホンにより検出された音の信号から、それぞれ所定の周波数間隔に分割された各周波数帯域毎の音圧を表した周波数特性を取得する周波数特性取得部と、前記周波数特性取得部により取得された前記2つのマイクロホンの周波数特性を比較する周波数特性比較部と、前記周波数特性比較部による比較結果に基づいて、前記2つのマイクロホン間の音圧差が、前記各周波数帯域のうち0から所定範囲の低周波数帯域を除く周波数帯域に亘って検出された場合に、前記2つのマイクロホンにより検出された音が風音であると判定する風判定部と、を備えたものから構成されている。
本発明に係る風検出装置は、周波数特性取得部によって取得された2つのマイクロホンの各周波数帯域毎の音圧から、風判定部によって2つのマイクロホン間の音圧差が所定の周波数帯域に亘って検出された場合に、2つのマイクロホンで検出された音が風音であると判定するようにしている。
すなわち、後で詳述するように、2つのマイクロホンで検出された音の信号に風音以外の車両走行音等の音の周波数成分が含まれている場合であっても、2つのマイクロホンに風が当たったときに取得される音圧の周波数特性に顕著な違いが見られることを利用して、2つのマイクロホンで検出された音が風によるものであるか否かを判定しているので、風を精度よく検出することができる。
上記(1)に記載の風検出装置において、(2)無風状態のときに前記2つのマイクロホンにより検出された音の信号から取得された前記2つのマイクロホンの周波数特性における各周波数帯域毎の音圧の分散を指示するデータをデフォルト値として予め記憶した記憶部を備え、前記風判定部は、前記2つのマイクロホン間の音圧差が前記デフォルト値よりも大きい場合に、前記2つのマイクロホンにより検出された音が風音であると判定するものであってもよい。
本発明に係る風検出装置は、風判定部が、予め無風状態のときに2つのマイクロホンの音の信号から取得しておいたデフォルト値と比べて2つのマイクロホン間の音圧差が大きい場合に、2つのマイクロホンで検出された音が風音であると判定するようにしている。これにより、上記(1)のように2つのマイクロホン間の音圧差を所定の周波数帯域に亘って検出する場合と比べて、風をより精度よく検出することができる。
上記(1)に記載の風検出装置において、(3)前記周波数特性比較部は、前記周波数特性取得部により取得された前記2つのマイクロホンの周波数特性における音圧の分散を比較し、前記風判定部は、前記周波数特性比較部による比較結果に基づいて、音圧の高い方のマイクロホンの音圧の分散が、音圧の低い方のマイクロホンの音圧の分散よりも小さい場合に、前記2つのマイクロホンにより検出された音が風音であると判定するものであってもよい。
本発明に係る風検出装置は、風判定部が、音圧の高い方のマイクロホンの音圧の分散が音圧の低い方のマイクロホンの音圧の分散よりも小さいことを検出した場合に、2つのマイクロホンで検出された音が風音であると判定するようにしている。
すなわち、後で詳述するように、2つのマイクロホンに風が当たったときに音圧の高い方のマイクロホンの方が相対的に風の影響による圧力が小さくなり、当該マイクロホンの音圧の分散が相対的に小さくなると推定できるので、音圧の高い方のマイクロホンの音圧の分散が音圧の低い方のマイクロホンの音圧の分散よりも小さいことを検出することで、風をより精度よく検出することができる。
本発明によれば、風を精度よく検出することができる風検出装置を提供することができる。
風が無いときに2つのマイクロホンで検出される音の周波数特性を示す図である。 2つのマイクロホンに風が当たったときに検出される音の周波数特性を示す図である。 2つのマイクロホンで音と風をそれぞれ検出したときの音圧の変化を説明するための図である。 本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示す図であり、風検出装置の構成を示すブロック図である。 本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示す図であり、風検出装置の一部を構成するマイクロホンアレイの車両への搭載例を示す図である。 本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示す図であり、風検出に係る処理の一例を示すフローチャートである。 本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示す図であり、風検出に係る処理の他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示す図であり、風検出に係る処理のさらに他の例を示すフローチャートである。 本発明に係る風検出装置の第2の実施形態を示す図であり、風検出装置を利用した注意喚起装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る風検出装置の第3の実施形態を示す図であり、風検出装置を利用した走行車両検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る風検出装置の第3の実施形態を示す図であり、風検出装置のマイクロホンに取り付けるメッシュ構造物の説明図である。
以下、本発明に係る風検出装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る風検出装置は、様々な用途に適用することができるが、以下に記載する実施の形態では、自車両の外側で発生する音をマイクロホンで捉えて周囲の走行車両(他車両)を検出するシステムや、走行車両を検出したときに運転者に所定の警告(注意喚起)を与えるシステムに適用する場合について説明する。
(予備的事項)
まず、本発明に係る風検出装置をより良く理解するために、現状の技術における課題、およびその課題を解決するための方法について説明する。
従来、GCC−PHAT(Generalized Cross Correction Phase Transform)法(またはCSP(Cross-power Spectrum Phase analysis)法とも呼ばれる)を用いて走行車両を検出し、運転者に、自車付近に走行車両があることを注意喚起するシステムがある。GCC−PHAT法は、2つ以上のマイクロホンでマイクロホンアレイを構成し、これら2つのマイクロホンに到達する音の相関値と到達時間差の関係を算出して、特定の音源の有無と方位を検出するものである。このGCC−PHAT法を用いた注意喚起システムでは、マイクロホンアレイを構成する2つのマイクロホンの配置間隔は、例えば10cmである。
一方、タイヤで走行する車両が一般の路面を走行することによって生じる音は、前述したように走行音帯域(800Hz〜3000Hz)において高い音圧成分を有している。このため、走行音帯域以外の周波数については、上記相関値の演算の対象としない等の工夫をして、車両走行音以外の音による誤検出を防ぐことが一般的に行われている。
しかし、走行音帯域には、車両走行音以外の音の周波数成分も含まれており、特に、マイクロホンに風が当たった場合、走行音帯域全域に亘って音圧が上昇する傾向がある。例えば、マイクロホンで検出される音の周波数特性を示す図1および図2を対比すると、風が無いときの周波数特性(図1)と比べて、マイクロホンに風が当たったときの周波数特性(図2)の方が、走行音帯域(800Hz〜3000Hz)を含めた全周波数帯域(図示の例では0〜12000Hz)に亘って音圧の上昇が見られる。
すなわち、現状の技術によれば、風がマイクロホンに当たると、それによって生じた音を車両走行音とみなして、自車付近に走行車両があると誤検出してしまうことがある。走行車両を誤検出してしまうと、運転者に不要な注意喚起を与えてしまうことになるため、風による走行車両の誤検出は、解決しなければならない重要な課題である。
そこで、以下に説明する本発明の実施形態に係る風検出装置は、上記の課題に対応すべく、風がマイクロホンに当たったときの周波数帯域毎の音圧の変化が特徴的であること、すなわち、2つのマイクロホンで検出された音の周波数特性に顕著な違いが見られることを利用して、その検出された音が風によるものであるか否かを判定するようにしている。
以下、マイクロホンで検出された音が風によるものであるか否かを判定する原理について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、無風状態のときに2つのマイクロホンにより検出された音の信号から取得された周波数特性を示し、図2は、2つのマイクロホンに風が当たったときに検出された音の信号から取得された周波数特性を示したものである。図中、横軸は周波数(Hz)、縦軸は音圧レベル(dB)を示している。また、破線で示す周波数特性は、一方のマイクロホン(マイクロホン11とする)から取得されたものであり、実線で示す周波数特性は、他方のマイクロホン(マイクロホン12とする)から取得されたものである。
図1、図2に示す各周波数特性は、2つのマイクロホン11,12が10cmの間隔をおいて配置されるとともに、自車両の車体部前方の先端部に取り付けられた場合に、検出された音の信号から取得されたものである。
風が無いときは、図1に示すように、2つのマイクロホン11,12が10cmという短い間隔で近接配置されていることに起因して、それぞれマイクロホン11,12で捕捉される音のエネルギー(音圧SP1,SP2)は、0に近いごく一部の低周波数帯域を除いて概ね同じであり、両者の周波数特性は概ね一致する。
これに対して、2つのマイクロホン11,12に風が当たったときは、図2に示すように、一方のマイクロホン11の音圧SP1が、ほぼ全周波数帯域に亘って他方のマイクロホン12の音圧SP2よりも高いレベルになっている。これは、以下の理由によるものである。
図3(a)に示すように、2つのマイクロホン11,12に対して斜め横方向に同じ音源から音速340m/secの音(例えば、自車両周囲を走行する他車両からの走行音)が到来すると、2つのマイクロホン11,12に音が到達する時間に差が生じる。2つのマイクロホン11,12の配置間隔は10cmであるため、2つのマイクロホン11,12への音の到達時間差は、約0.3msec以下である。
一方、図3(b)に示すように、2つのマイクロホン11,12に対して斜め横方向から風速10m/secの風が吹いている場合を考えると、まず一方のマイクロホン11に風が当たり、その後、約10msec経過後に他方のマイクロホン12に風が当たることになる。つまり、2つのマイクロホン11,12に対して風の影響が現れる時間差は、約10msec以下である。
音は、空気の粗密状態が交互に発生することによる振動であり、走行音の帯域は800Hz〜3000Hz程度であるのに対し、風による空気の粗密の振動は、走行音によるものよりはるかにゆっくりとした振動である。したがって、走行音の空気の振動を含む空気の塊が、風により2つのマイクロホン11,12に押し当てられた形になるため、ごく一部の低周波数帯域を除くほぼ全ての周波数帯域において、音圧が無風状態のときより大きくなる(図1、図2参照)。この影響は、上記の理由により、周波数によらずほぼ一定である。
このため、マイクロホン11の音圧の変化に影響を与えた風速10m/secの風は、約10msec経過後に10cm離れたマイクロホン12に到達し、その時にマイクロホン12でも同様の音圧の変化が観測されることになる。したがって、風が最初にマイクロホン11に当たった瞬間、もう一方のマイクロホン12との間で各周波数帯域の音圧の差をみると、図2に示すように、0から所定範囲の低周波数帯域を除くほぼ全ての周波数帯域(図中、WFで示す周波数帯域)に亘って、マイクロホン11の音圧SP1がマイクロホン12の音圧SP2を上回ることになる。
このように、2つのマイクロホン11,12で検出された音の周波数帯域毎の音圧の違い(図2に示す音圧差Df)を検出することで、2つのマイクロホン11,12で検出された音が、風によるものなのか、そうでないのかを判別することが可能になる。
(第1の実施形態)
図4ないし図8は、本発明に係る風検出装置の第1の実施形態を示している。
まず、風検出装置の構成について説明する。図4に示すように、本実施形態に係る風検出装置1は、マイクロホンアレイ10と、ECU(Electronic Control Unit)20とを備えている。
マイクロホンアレイ10は、ほぼ同一の特性を有する複数のマイクロホン(本実施形態では2つのマイクロホン11,12)を備えている。マイクロホンアレイ10において、各マイクロホン11,12は、それぞれ同じ方向から到来する音を捕捉できるように同じ配置態様で、例えば10cmの間隔をおいて互いに近接配置されている。
本実施形態では、風検出装置1は自車両に搭載され、マイクロホンアレイ10を構成する2つのマイクロホン11,12は、自車両の外側で発生する音(風音や、周囲を走行する他車両の走行音等)を検出するようになっている。このため、マイクロホンアレイ10は、自車両の適当な場所に設置されている。
例えば、マイクロホンアレイ10は、図5(a)に示すように車両Pのバンパ部Bに設置されていてもよいし、図5(b)に示すように車両PのボンネットBN内部におけるウィンドシールドの近傍に設置されていてもよいし、図5(c)に示すように車両Pの天井部に設けられたルーフキャリアR内に設置されていてもよい。
また、マイクロホンアレイ10を構成する2つのマイクロホン11,12は、それぞれ検出した車外の音の信号をECU20に出力するようになっている。
ECU20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットであり、風検出に係る処理を行うようになっている。図4に示すように、ECU20は、アナログ/デジタル(A/D)変換部21、スペクトル分析部22、音圧/分散比較部23、風判定部24およびメモリ部25を備えている。
A/D変換部21は、2つのマイクロホン11,12から出力された音の信号(アナログ信号)をデジタル信号にA/D変換するための機能ブロックである。A/D変換部21は、そのA/D変換した音の信号をスペクトル分析部22に出力するようになっている。
スペクトル分析部22は、2つのマイクロホン11,12からA/D変換部21を通して入力された音の信号から、それぞれ所定の周波数間隔に分割された各周波数帯域毎の音圧を表した周波数特性(スペクトル)を取得するための機能ブロックである。取得される周波数特性(スペクトル)は、例えば、図2に示すような周波数特性である。このスペクトル分析部22は、本発明の周波数特性取得部を構成する。
具体的には、スペクトル分析部22は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、入力された2つのマイクロホン11,12の音の信号を複数の周波数帯域(例えば、100Hz毎の周波数間隔)に分割し、2つのマイクロホン11,12の各周波数帯域毎に音圧を算出する(スペクトル分析を行う)ようになっている。
なお、分割する周波数帯域が狭すぎると、隣接周波数が上下に振れることがある。この影響を除くため、スペクトル分析部22は、例えば、FFTを10Hz刻みで演算する場合、このFFT演算を10回行って得られる音圧を平均して、100Hz分の音圧としてもよい。
音圧/分散比較部23は、スペクトル分析部22により取得された2つのマイクロホン11,12の周波数特性(スペクトル)を比較するための機能ブロックである。この音圧/分散比較部23は、本発明の周波数特性比較部を構成する。
具体的には、音圧/分散比較部23は、2つのマイクロホン11,12の音の信号についてスペクトル分析が行われた各周波数帯域毎の音圧を比較するとともに、それぞれの音圧の分散を比較するようになっている。
風判定部24は、音圧/分散比較部23による比較結果に基づいて、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であるか否かを判定するための機能ブロックである。この風判定部24は、本発明の風判定部を構成する。
具体的には、風判定部24は、図2に示す周波数特性から、一方のマイクロホン11の音圧SP1と他方のマイクロホン12の音圧SP2との差、すなわち、2つのマイクロホン11,12間の音圧差Dfが、上記の各周波数帯域のうち0から所定範囲の低周波数帯域を除く周波数帯域WFに亘って検出された場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようになっている。
音圧差の検出対象とする周波数帯域から所定範囲の低周波数帯域を除くのは、以下の理由による。すなわち、低周波数帯域は、風がある場合でも2つのマイクロホン11,12間の音圧差Dfが十分に現れないことがあるからである。検出対象から除く低周波数帯域は、例えば、0〜1000Hzとしてもよい(図2参照)。
また、風判定部24は、風が最初にマイクロホン11に当たった瞬間(図3参照)、マイクロホン11が風音を捉えていると判定し、その時点で、もう一方のマイクロホン12との音圧差Df(図2参照)を検出するようになっている。マイクロホン11が風音を捉えていると判定するための具体的な方法としては、以下のようなものが考えられる。
第1の方法として、風判定部24は、音圧/分散比較部23の比較結果に基づいて、一方のマイクロホン11の音圧SP1が他方のマイクロホン12の音圧SP2よりも高くなっている周波数帯域の数の割合が、一定の比率以上の場合に、マイクロホン11が風音を捉えていると判定するようにしてもよい。
第2の方法として、風判定部24は、音圧/分散比較部23の比較結果に基づいて、各周波数帯域毎に一方のマイクロホン11の音圧SP1から他方のマイクロホン12の音圧SP2を差し引いた差分を全ての周波数帯域について足し合わせた合計値が、一定の値以上の場合に、マイクロホン11が風音を捉えていると判定するようにしてもよい。
また、メモリ部25には、予め、無風状態のときに2つのマイクロホン11,12により検出された音の信号から算出された2つのマイクロホン11,12の各周波数帯域毎の音圧の分散を指示するデータ、例えば、図1に示すような周波数特性のデータが、デフォルト値として記憶されている。このメモリ部25は、本発明の記憶部を構成する。
風判定部24は、メモリ部25に記憶されているデータ(デフォルト値)を参照して、2つのマイクロホン11,12間の音圧差Dfがデフォルト値よりも大きい場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようになっている。
また、風判定部24は、音圧/分散比較部23の比較結果に基づいて、音圧の高い方のマイクロホン11(図2参照)の音圧SP1の分散が、音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散よりも小さい場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようになっている。
このような判定を行えるのは、以下の理由による。すなわち、風の影響による圧力の上昇が音の振動を抑制しているからであり、音圧の高い方のマイクロホン11の方が相対的に風の影響による圧力が小さくなり、マイクロホン11の音圧SP1の分散(変動量)が相対的に小さくなると推定できるからである。
また、メモリ部25には、予め実験により求めておいた、2つのマイクロホン11,12間の各周波数帯域毎の音圧差と、風速との関係を表したデータが、ルックアップテーブルとして記憶されている。音圧差のデータとしては、上記第1の方法による各周波数帯域の音圧差の平均値、または上記第2の方法による音圧差の合計値が用いられる。
風判定部24は、メモリ部25に記憶されているデータ(ルックアップテーブル)を参照して、2つのマイクロホン11,12間の音圧差の平均値または音圧差の合計値から、風の強さ(風速)を推定するようになっている。このような推定を行えるのは、風が強ければ強いほど(風速が高ければ高いほど)、上記の音圧差が大きくなるからである。
次に、本実施形態に係る風検出装置1においてECU20が行う風検出に係る処理について説明する。
図6は、風検出に係る処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、ECU20は、2つのマイクロホン11,12でそれぞれ検出された音の信号を入力する(ステップS1)。ECU20に入力された音の信号(アナログ信号)は、A/D変換部21を通してデジタル信号に変換された後、スペクトル分析部22に入力される。
次に、スペクトル分析部22は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて、入力された各マイクロホン11,12の音の信号(デジタル信号)を、例えば、100Hz毎の複数の周波数帯域に分割し(ステップS2)、さらに、各マイクロホン11,12の各周波数帯域毎に音圧を算出する(ステップS3)。これにより、図2に示すような周波数特性(スペクトル)が取得される。
次に、音圧/分散比較部23は、スペクトル分析部22により取得された周波数特性(スペクトル)から、各マイクロホン11,12の音圧を各周波数帯域毎に比較する(ステップS4)。
次に、風判定部24は、音圧/分散比較部23による比較結果から、各マイクロホン11,12間の音圧差Df(図2参照)が、分割された複数の周波数帯域のうち0から所定範囲の低周波数帯域を除く周波数帯域WFに亘って検出されたか否かを判定する(ステップS5)。
音圧差Dfが所定の周波数帯域WFに亘って検出された場合には(ステップS5でYES)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音を風音と判定し(ステップS6)、その旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
一方、音圧差Dfが所定の周波数帯域WFに亘って検出されなかった場合には(ステップS5でNO)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音は風音ではない旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
図7は、風検出に係る処理の他の例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理の流れは、図6に示したフローチャートにおいてステップS5の判定結果がYESの場合(音圧差が所定の周波数帯域に亘って検出された場合)を前提としている。
このような前提条件の下で、ECU20の風判定部24は、予め求めておいたデフォルト値、すなわち、無風状態のときの各マイクロホン11,12の音圧の分散を指示するデータを、メモリ部25から読み出す(ステップS11)。
次に、風判定部24は、音圧/分散比較部23による比較結果に基づいた各マイクロホン11,12間の音圧差Df(図2参照)が、メモリ部25から読み出したデフォルト値よりも大きいか否かを判定する(ステップS12)。
音圧差Dfがデフォルト値よりも大きい場合には(ステップS12でYES)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音を風音と判定し(ステップS13)、その旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
一方、音圧差Dfがデフォルト値以下の場合には(ステップS12でNO)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音は風音ではない旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
図8は、風検出に係る処理のさらに他の例を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理の流れは、図6に示したフローチャートにおいてステップS5の判定結果がYESの場合(音圧差が所定の周波数帯域に亘って検出された場合)を前提としている。
このような前提条件の下で、ECU20の音圧/分散比較部23は、スペクトル分析部22により取得された周波数特性(スペクトル)から、各マイクロホン11,12の音圧の分散を各周波数帯域毎に比較する(ステップS21)。
次に、風判定部24は、音圧/分散比較部23の比較結果に基づいて、音圧の高い方のマイクロホン11(図2参照)の音圧SP1の分散が、音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散よりも小さいか否かを判定する(ステップS22)。
音圧の高い方のマイクロホン11の音圧SP1の分散が、音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散よりも小さい場合には(ステップS22でYES)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音を風音と判定し(ステップS23)、その旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
一方、音圧の高い方のマイクロホン11の音圧SP1の分散が、音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散以上の場合には(ステップS22でNO)、風判定部24は、各マイクロホン11,12が捉えた音は風音ではない旨を指示する風判定結果を出力する。以降、上記の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る風検出装置1は、ECU20が、スペクトル分析部22によって分析された2つのマイクロホン11,12の各周波数帯域毎の音圧(図2に示す周波数特性)から、2つのマイクロホン11,12間の音圧差Dfが所定の周波数帯域WFに亘って検出した場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようにしている。
すなわち、上述したように2つのマイクロホン11,12で検出された音の信号に風音以外の車両走行音等の音の周波数成分が含まれている場合であっても、図2に示すように2つのマイクロホン11,12に風が当たったときに取得される音圧SP1,SP2の周波数特性に顕著な違いが見られることを利用して、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風によるものであるか否かを判定しているので、風を精度よく検出することができる。
また、本実施形態に係る風検出装置1は、ECU20が、予め無風状態のときに2つのマイクロホン11,12の音の信号から取得しておいたデフォルト値(図1に示す周波数特性)と比べて2つのマイクロホン11,12間の音圧差Df(図2参照)が大きい場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようにしている。これにより、2つのマイクロホン11,12間の音圧差Dfを所定の周波数帯域WFに亘って検出する場合と比べて、風をより精度よく検出することができる。
また、本実施形態に係る風検出装置1は、ECU20が、音圧の高い方のマイクロホン11(図2参照)の音圧SP1の分散が音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散よりも小さいことを検出した場合に、2つのマイクロホン11,12で検出された音が風音であると判定するようにしている。
すなわち、2つのマイクロホン11,12に風が当たったときに音圧の高い方のマイクロホン11の方が相対的に風の影響による圧力が小さくなり、マイクロホン11の音圧SP1の分散が相対的に小さくなると推定できるので、音圧の高い方のマイクロホン11の音圧SP1の分散が音圧の低い方のマイクロホン12の音圧SP2の分散よりも小さいことを検出することで、風をより精度よく検出することができる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明に係る風検出装置の第2の実施形態を示している。この第2の実施形態では、上述した第1の実施形態に係る風検出装置を利用して車載の注意喚起装置を構成している。
図9に示すように、本実施形態に係る注意喚起装置2は、上述した第1の実施形態に係る風検出装置1と、ECU30と、表示器35とを備えている。
風検出装置1の一部を構成するマイクロホンアレイ10における2つのマイクロホン11,12は、それぞれ検出した車外の音の信号を、ECU30に出力するとともに、風検出装置1のECU20(図4参照)に出力するようになっている。
ECU30は、上述したECU20と同様、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットである。このECU30は、A/D変換部31、走行車両検出部32および注意喚起態様制御部33を備えている。
A/D変換部31は、2つのマイクロホン11,12から出力された音の信号(アナログ信号)をデジタル信号にA/D変換するための機能ブロックである。A/D変換部31は、そのA/D変換した音の信号を走行車両検出部32に出力するようになっている。
走行車両検出部32は、2つのマイクロホン11,12からA/D変換部31を通して入力された音の信号から、自車両周囲の走行車両(他車両)を検出するための機能ブロックである。走行車両検出部32は、走行車両を検出したときに、その検出態様に応じた検出情報を出力するようになっている。
注意喚起態様制御部33は、走行車両検出部32から出力される検出情報と、風検出装置1から出力される風判定結果とに基づいて、運転者への警告(注意喚起)を行う処理を制御するための機能ブロックである。注意喚起態様制御部33は、表示器35に対して、その注意喚起に係る制御信号を出力するようになっている。
具体的には、注意喚起態様制御部33は、走行車両検出部32によって走行車両が検出されたときに、所定の注意喚起を行うための制御信号を出力し、さらに風検出装置1によって風が検出されたときに、その注意喚起の態様を変更するための制御信号を出力するようになっている。
表示器35は、音を出力するスピーカや警報表示を行うモニタ等を備えている。表示器35は、ECU30の走行車両検出部32によって走行車両が検出されたときに、注意喚起態様制御部33から出力される制御信号により、運転者に注意喚起を促す情報をスピーカから出力し、あるいはモニタに表示するようになっている。この場合、例えば、「走行車両が接近しています」といったメッセージを音声出力もしくはモニタ表示するようにしてもよい。
また、表示器35は、風検出装置1によって風が検出されたときに、注意喚起態様制御部33から出力される制御信号により、上記の注意喚起の出力もしくは表示態様を変更するようになっている。この場合、例えば、「現在強風のため、この注意喚起システムは動作不能状態にあります」といったメッセージを音声出力もしくはモニタ表示し、いかなる注意喚起も行わないようにしてもよい。
また、注意喚起の出力もしくは表示態様を変更する条件としては、必ずしも各マイクロホン11,12が捉えた音を風音と判定した場合に限らず、風判定部24(図4参照)によって推定された風速が一定速度以上であった場合でもよい。
また、注意喚起を変更する態様としては、上記のようにいかなる注意喚起も行わない態様に限らず、推定された風速に応じて注意喚起の強度(例えば、警報音の音量等)を変化させるようにしてもよい。具体的には、風速が低いほど、走行車両検出は風の影響をあまり受けていないと判断し、注意喚起の強度を強くする。逆に、風速が高いほど、風の影響を強く受けて走行車両検出の信頼度が低いとみなし、注意喚起の強度を弱くする。
以上説明したように、本実施形態に係る風検出装置1を利用した注意喚起装置2は、ECU30が、マイクロホンアレイ10(2つのマイクロホン11,12)を用いて集音した車外の音の情報から、周囲の走行車両を検出したときに所定の注意喚起を行い、さらに風検出装置1が風を検出したときに、その注意喚起の態様を変更するようにしている。
これにより、運転者への不要な注意喚起を減らすことができ、現状の技術において見られたような、車両走行音でないにもかかわらず運転者に誤った注意喚起を与えてしまうといった不都合を解消することができる。これは、注意喚起装置2としての信頼性の向上に大いに寄与する。
(第3の実施形態)
図10および図11は、本発明に係る風検出装置の第3の実施形態を示している。この第3の実施形態では、上述した第1の実施形態に係る風検出装置を利用して走行車両検出装置を構成している。
図10に示すように、本実施形態に係る走行車両検出装置3は、複数の風検出装置(図示の例では、3つの風検出装置1,1a,1b)と、ECU40とを備えている。3つの風検出装置1,1a,1bは、それぞれ防風効果の異なるマイクロホンアレイ10(2つのマイクロホン11,12)、マイクロホンアレイ10a(2つのマイクロホン11a,12a)、マイクロホンアレイ10b(2つのマイクロホン11b,12b)を備えている。
各マイクロホンアレイ10,10a,10bが奏する防風効果は、図11(a)に示すように、各マイクロホン11,12,11a,12a,11b,12bの振動板の前面に網目状の構造物(以下、「メッシュ構造物」という。)13を取り付けることによって実現されている。このようなメッシュ構造物13を取り付けると、各マイクロホン11,12,11a,12a,11b,12b(以下、「各マイクロホン11等」という。)が風音を捉えることを防ぐ反面、各マイクロホン11等に入力される音のエネルギーも減少するため、各マイクロホン11等の感度低下も同時にもたらす。
本実施形態では、目の粗さの異なる複数種類のメッシュ構造物13を用意し、各マイクロホン11等に取り付けることで、各マイクロホンアレイ10,10a,10b毎に防風効果および感度を異ならせるようにしている。具体的には、図11(b)、図11(c)に示すように、比較的目の粗いメッシュ構造物13a、比較的目の細かいメッシュ構造物13bが用いられる。
なお、図11(b)、図11(c)に示す例では、2種類のメッシュ構造物13a,13bのみが示されているが、目の粗さの度合いを変えることで3種類以上のメッシュ構造物13を用意することができる。
比較的目の粗いメッシュ構造物13aを用いた場合、防風効果は低下するが、マイクロホン感度の低下は少なくて済む。したがって、目の粗いメッシュ構造物13aを用いたマイクロホンアレイ(例えば、マイクロホンアレイ1)は、より弱い風であってもその風音を捉えることができる。
これに対して、比較的目の細かいメッシュ構造物13bを用いた場合、防風効果は高められるが、マイクロホン感度の低下は大きくなる。したがって、目の細かいメッシュ構造物13bを用いたマイクロホンアレイ(例えば、マイクロホンアレイ1a)は、強い風でないとその風音を捉えることができない。
図10に示すように、各風検出装置1,1a,1bの一部を構成する各マイクロホンアレイ10,10a,10bにおける2つのマイクロホン11,12、11a,12a、11b、12bは、それぞれ検出した車外の音の信号を、信号線14(図11(a)参照)を介してECU40に出力するようになっている。
ECU40は、上述したECU20,30と同様、CPU、ROM、RAM等からなる電子制御ユニットである。このECU40は、マイクロホンアレイ選択部41および走行車両検出部42を備えている。
マイクロホンアレイ選択部41は、各マイクロホンアレイ10,10a,10bからそれぞれ出力された2つのマイクロホン11,12、11a,12a、11b、12bの音の信号(アナログ信号)をデジタル信号にA/D変換した後、走行車両検出に用いるべきマイクロホンアレイの出力を選択するための機能ブロックである。
具体的には、マイクロホンアレイ選択部41は、各マイクロホンアレイ10,10a,10bからそれぞれ出力された音の信号に基づいて、防風効果の小さい順番(マイクロホン感度の高い順番)で各マイクロホンアレイ10,10a,10bが風音を捉えているか否かを判定するようになっている。
さらに、マイクロホンアレイ選択部41は、風音を捉えていると判定した場合に、より防風効果の大きい(よりマイクロホン感度の低い)マイクロホンアレイを調べていき、風音を捉えていないと判定したマイクロホンアレイ、すなわち、走行車両検出に用いるべきマイクロホンアレイの出力を選択するようになっている。
走行車両検出部42は、マイクロホンアレイ選択部41により選択されたマイクロホンアレイの出力(音の信号)を用いて、自車両周囲の走行車両(他車両)を検出するための機能ブロックである。
以上説明したように、本実施形態に係る走行車両検出装置3は、それぞれ防風効果およびマイクロホン感度の異なる複数の風検出装置1,1a,1bを用い、ECU40が、各マイクロホンアレイ10,10a,10bの出力から、風音を捉えていないと判定したマイクロホンアレイの音の信号を用いて走行車両の検出を行うようにしている。
これにより、風の影響を極力防いだ上で、マイクロホン感度が極力高いマイクロホンアレイの音の信号を用いて走行車両検出を行うことができる。つまり、走行車両検出の性能は、各マイクロホン11等に風が当たったときの状態で最善のものになる。
上述した各実施形態においては、風検出装置1,1a,1bを車載のシステム(走行車両検出装置、注意喚起装置)に適用した場合について説明したが、本発明に係る風検出装置は、必ずしも車載用に限定されるものではない。例えば、建物等に付属する自動ドアを開閉するシステムに本発明の風検出装置を適用し、推定された風速が一定速度以上の場合に自動ドアの開閉動作を停止させるようにしてもよい。
また、上述した各実施形態においては、マイクロホンアレイ10,10a,10bをそれぞれ2つのマイクロホン11,12、11a,12a、11b,12bで構成した場合について説明したが、これに限らず、各マイクロホンアレイをそれぞれ3つ以上のマイクロホンで構成してもよい。
以上説明したように、本発明に係る風検出装置は、風を精度よく検出することができるという効果を有し、複数のマイクロホンを用いて風を検出する風検出装置全般に有用である。特に、本発明に係る風検出装置は、自車両の外側で発生する音をマイクロホンで捉えて周囲の走行車両を検出し、運転者に注意喚起を与えるシステムに適用した場合に有用である。
1,1a,1b…風検出装置、2…注意喚起装置、3…走行車両検出装置、10,10a,10b…マイクロホンアレイ、11,12,11a,12a,11b,12b…マイクロホン、13,13a,13b…メッシュ構造物、22…スペクトル分析部(周波数特性取得部)、23…音圧/分散比較部(周波数特性比較部)、24…風判定部、25…メモリ部(記憶部)、32…走行車両検出部、33…注意喚起態様制御部、35…表示器、41…マイクロホンアレイ選択部、42…走行車両検出部、Df…音圧差、P…車両、SP1,SP2…音圧、WF…0から所定範囲の低周波数帯域を除く周波数帯域

Claims (2)

  1. 少なくとも2つのマイクロホンと、
    前記2つのマイクロホンにより検出された音の信号から、それぞれ所定の周波数間隔に分割された各周波数帯域毎の音圧を表した周波数特性を取得する周波数特性取得部と、
    前記周波数特性取得部により取得された前記2つのマイクロホンの周波数特性を比較する周波数特性比較部と、
    前記周波数特性比較部による比較結果に基づいて、前記2つのマイクロホン間の音圧差が、前記各周波数帯域のうち0から所定範囲の低周波数帯域を除く周波数帯域に亘って検出された場合に、前記2つのマイクロホンにより検出された音が風音であると判定する風判定部と、
    を備えたことを特徴とする風検出装置。
  2. 前記周波数特性比較部は、前記周波数特性取得部により取得された前記2つのマイクロホンの周波数特性における音圧の分散を比較し、
    前記風判定部は、前記周波数特性比較部による比較結果に基づいて、音圧の高い方のマイクロホンの音圧の分散が、音圧の低い方のマイクロホンの音圧の分散よりも小さい場合に、前記2つのマイクロホンにより検出された音が風音であると判定することを特徴とする請求項1に記載の風検出装置。
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